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風力発電機から発生する騒音の アセスメントを実施して下さい
1 2012年5月11日 ウォーブラ・ファウンデーション 風力発電機から発生する騒音の アセスメントを実施して下さい 風力発電機の近隣に居住し、急性もしくは慢性の健康被害に見舞われて いる世界各国の多くの人々を代表して、ウォーブラ・ファウンデーションは 各国の所轄行政機関に対し、以下の措置の実施を求めます。 ・稼働中の風力発電機の近隣にいるために健康被害を訴えている人々の 住宅と職場の屋内外で、全周波数帯域のモニタリングを行って下さい。 ・モニタリングは必ず、被害者に症状が現れる天候や風の条件のもとで、 充分な時間をとって行ってください。 ・特に低周波・超低周波音が捕捉できる方法で騒音測定を行って下さい (dBzまたはdBLin・dBA・dBC・dBG)。 騒音モニタリングは、認定を受けた音響学者が必ず行って下さい。音 響学者は被害者によって承認され、風力発電業界とは無関係であることが 証明された者でなければなりません。測定の間、騒音を低減させるために 風力発電機の出力を下げるなどの操作を故意に行わないでください。測 定結果(加工前のすべてのデータや関連するサウンドファイル)は誰でも入 手できるようにしてください。 2 私たちの要望の理論的根拠 ・深刻な慢性睡眠不足1や慢性的ストレス2と心身の不調との間に関係があ ることは、医療従事者の間で良く知られています。これはまさに、風力発電 機の近隣に居住する人々が経験していることなのです。 3 被害者はその 他にも、風力発電機の音エネルギーに対する急性曝露に直接的関係の ある特定の症状に見舞われています4,5,6,7。 ・低周波音8・超低周波音9(ILFN)への曝露によって健康被害が発生する ことは、何年も前から知られています。にもかかわらず、住宅内で住民が 風力発電機から発生するILFNにどの程度曝露しているかについては、ほ とんど知られていません。 ・低周波音への慢性曝露と(眠っている間でも受ける)慢性的な生理的スト レスとの間の関連は、2003年にリーヴェントホール教授らがはっきりと認め ていることです。10 ・医師のほとんどはILFNへの曝露によって生じる問題に気付いていません。 この無理解は、正しい臨床診断もないままに音響学者たちがそうした問題 を「アノイアンス(不快感)」と呼ぶことで助長されてきました。11 ・稼働中の風力発電機の近くにいることでこうした症状が生じることは、2003 年以降、医師たちによって研究報告がなされてきました。12,13,14,15,16,17そうし た症状はデンマーク、スウェーデン、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカ、 カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどの国で、音響学者や医療従 事者、住民などによって報告されています。 ・こうした症状は、かつては最も近い風力発電機から4kmまでの場所で報告 されていましたが、近年では特徴的な症状のパターンが10km離れた場 所でも報告されるようになりました。18特に(3MWなどの)大型の風力発電 機の場合に、遠距離での報告があります。風力発電機が高地19や広大な 水面の近くに設置されている場合には、さらに遠距離でも被害が生じてい ます。 3 ・こうした健康被害は、時間の経過にしたがって一貫して悪化し、曝露が終 わるまで続きます。被害を受けている家族は、健康を取り戻すために家を 離れるように医師から助言されます。多くの家族は行くところもなく、家を売 ることもできないので、住む場所のない「風車難民」となります。さもなけれ ば、転居できずに風車近隣の家に住み続けることになります。20 ・デンマークのオールボー大学のモラー教授とペデルセン教授の研究で、 風力発電機が大型になるほど、発生する音の中の低周波音波が大きくな ることが明らかになりました。21低周波音は、透過損失が低いために住居 や職場の壁や屋根や窓を簡単に突き抜けることが知られています。 ・アメリカ(ファルマス)22とオーストラリア(ニューサウスウエールズ)23におけ る近年の調査で、被害者がウインドタービンシンドロームを経験していると きに、住宅や職場の屋内で風力発電機から発生する低周波音および拍 動性超低周波音が測定されることが明らかになっています。 ・現在、世界中のどこの国の政府も、音と振動の全周波数帯域についての 測定を求めていません。住宅や職場の屋内での測定も求めていません。 睡眠不足やその他の被害についての評価も求めていません。ほとんどす べてのアセスメントが、住宅と職場の屋外での可聴音(dBA)だけを対象 としています。 ま と め 風力発電機の騒音で健康被害をこうむっている人々の窮状は、世界各国 の政府に無視され続けています。 現行の騒音アセスメントの基準と実施状況は、役に立たないものであり、 受け入れがたいものです。住宅と職場の屋内における全周波数帯のモニ タリングを含めた改善を早急に行って下さい。 (訳 鶴田由紀) 4 参考文献 1. Capuccio F et al, “Sleep Duration predicts cardiova scular outcome s: a systemic review and meta-analysis of prospective studies” European Heart Journal, (2011) 32, 1484-1492 2. McEwen, Bruce “Protective and Dam aging Effects of Stress Mediators” NEJM 1998, 338 171-179 3. Shepherd, Daniel et al “Evaluating the impact of wind turbine noise on health-related quality of life” Noise & Health, September-October 2011, 13:54,333-9 http://www.wind-watch.org/documents/evaluating-the-impactofwind-turbine-noise-on-health-related-quality-of-life/ 4. Pierpont, Dr Nina “Wind Turbine Syndrome, A report on a Natural Experiment” Published by K Selected Books, Santa Fe NM 2009 www.windturbinesyndrome.com se e also http://www.windwatch.org/documents/wind-turbine-syndrome-excerpts-fromthe-executivesummary/ 5. McMurtry, Professor Robert “Toward a Ca se Definition of Adverse He alth Effects in the Environs of Industrial Wind Turbines: Facilitating a Clinical Diagnosis” Bulletin of Science Technology and Society 2011 31:316 http://bst.sagepub.com/content/31/4/316 6. Phillips, Prof Carl V “Properly interpreting the Epidemiological evidence about the he alth effects of Industrial Wind turbines on nearby residents” Bulletin of Science, Technology and Society vol 31 No 4 (August 2011) pp 303 – 315 http://www.wind-watch.org/documents/properly-interpretingtheepidemiologic-evidence-about-the-health-effects-of-industrial-windturbineson-nearby-residents/ 7. Leventhall, Benton & Pelmear May 2003, A report for DEFRA “A review of published Re se arch on Low Frequency Noise and its Effects” http://archive.defra.gov.uk/environment/quality/noise/rese arch/lowfrequency/ 8. NIEHS (National Institute of Environmental Health Science s) November 2001, “Infrasound Brief Review of Toxicological Literature” 9. 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