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第 5 回:「一貫生産」における「生産手配機能」

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第 5 回:「一貫生産」における「生産手配機能」
第 5 回:「一貫生産」における「生産手配機能」
「一貫生産」を受注する委託先(受託)企業に求められる 9 つ*の機能(品質マネジメン
トシステムにおける製品実現プロセス)の個々の機能の内、今回は 3 つ目の「生産手配機
能」の解説をする。
この機能は“生産管理”の範疇に入り、一般的には広範囲の解説が可能と思うが、ここ
では航空機産業の特徴的な話題に絞り記述する。
前回解説した「工程設計機能」のアウトプットである加工及び検査の技術的な指示に、
顧客である委託元からの納入指示や製造指示の情報(通常、製品個数や納期)を加えて「製
造機能」の社内製造部門、「検査機能」の検査部門及び「購買機能」を担う購買部門に作業
指示する機能が「生産手配機能」である。後者の情報は、顧客からの製造個数及びそれら
の納期を生情報のまま作業指示として作業指示書や作業手順書に記載すれば済むものでは
ない。特に、航空機産業では、自動車産業に比べ生産機数(台数)が少量ではあるが、一方 1
機種当たりの部品点数は遥かに多い。航空機産業は、所謂“多種少量生産”の典型である。
そこで、受注している全体の製品生産規模の中で個々の製品の納期キープを行うために社
内及び社外の製造部門の消化能力を考慮した、きめ細かな“生産・日程計画”が要求され
る。そのため、「生産手配機能」においては、生産管理用のコンピューターシステムを抜き
には語れない。整備すべき、この生産管理用のコンピューターシステムは、委託先企業の
規模によりパソコンシステムからサーバー仕様の大規模システムまで様々なものが考えら
れる。
生産管理用のコンピューターシステムからの日程指示に基づき、作業指示書や作業手順
書が、社内製造部門及び購買部門へ発行・伝達される。この作業指示書や作業手順書を受
領した、「製造機能」を担う社内製造部門及び社外加工先(購買部門経由)において製造が
実施される。また、製造過程を「日程管理機能」が製造の進捗状況を監視・測定すること
になる。
「生産手配機能」においては、“変更指示”の発生を前提にシステム構築することが重要
である。変更は、日々発生する。変更には、「工程設計機能」からの製造工程等の技術情報
の変更、顧客要求事項の変更に基づく“生産計画”からの製造個数・日程の変更、また「製
造機能」を担う現場からの不適合品の発生に伴う日程変更など様々考えられる。この日々
発生する“変更指示”に対して、如何に手間暇かけずに、迅速に、且つ正確に変更情報を
伝達できるか、が“生産管理”の勝負の分かれ目になる。この“変更指示”のためにも生
産管理用のコンピューターシステムは「生産手配機能」には必要不可欠な要素となってい
る。
1
SQ9100 規格
格要求の 200
09 年版改訂
訂として、顧客
客満足の条項
項において“納期どおり
りの引
JIS
渡し”
”に関する監
監視・測定及
及び問題があ
ある場合の是
是正処置の要
要求が追加に
になった。沢
沢山の
部品で
で構成される航空機産業
業においては
は、個々の部
部品の所定納
納期が遵守さ
されなければ
ば、そ
の部品
れる後工程の
の組立作業に
に直接悪影響
響を与えてし
しまう。規格
格要求事項で
である
品で構成され
“納期
期どおりの引
引渡し”を順
順守するため
めには、この
の「生産手配
配機能」及び
び後日解説予
予定の
「日程
程管理機能」
」が「一貫生
生産」担当企
企業において
ては、今後益
益々重要な要
要素となる。
尚、
、ISO9001 規格要求の中では、
“納
納期どおりの引渡し”及び
び“生産管理
理”に関して
ては要
求事項
項としての直
直接的な記述
述はない。
次回
回(第 6 回)
)では、「内
内外仕訳機能
能」について解
解説する。
注記:
:*前回まで 10
0 機能といって
てきましたが、
、解説する機能
能は全部で 9 つでした。著者
つ
者の勘違いでした。
お詫びして訂正します。
文
文責:小山 隆一
2
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