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スピーカーの部品と音量の関係
21522 スピーカーの部品と音量の関係 2533 蓑島 海都 2539 湯藤 立城 2609 木全 椋也 要旨 スピーカーの構造を理解するために、市販のスピーカーを分解し、構造上必要な部品はコイル、磁石、 振動する膜であることが分かった。これをもとにスピーカーを自作し、コイルの巻き数、直径、太さと 磁石の強さを変えて音の大きさを比較した。その結果、コイルは巻き数が多く、直径は膜に対して大き く、太さは細く、磁石は強い方が大きな音を出せることが分かった。 1 .目的 スピーカーを構成するコイル、磁石、膜の条件と音量の関係について調べる。 2.使用した器具・装置 ・イヤホン ・スピーカー ・エナメル線 ・ノギス ・音源(iphone) ・紙コップ ・騒音測定機(iphone アプリ) ・ネオジウム磁石 ・磁石 ・わに口クリップ 3.手順 (1)スピーカーとイヤホンを分解して部品と構造を確認する。 (2)スピーカーを参考に自作コイルと磁石、紙コップを用いて実験用の簡易スピーカーを製作する。 (3)以下の条件を変えて実験を行い、音の大きさを比べる。 ・コイルの巻き数、コイルの直径、コイルの太さ ・磁石の強さ ・紙コップを重ねる数 (4)音量の評価の仕方 ①実験者3人がそれぞれ3を最高として3段階で点数化し、3人で合わせて9点満点とする。 <表1> 1点 微かに音は聞き取れる 2点 大きな音は聞き取れるが歌詞は聞き取れない 3点 歌詞まではっきりと聞き取ることができる ②iphone アプリの騒音測定機を用いて、3回音量[db]を測定し、その平均の値を表にする。 <表2> 補足 デシベル(dB)とは、桁数を抑えて感覚的に分かりやすい デシベルの差 倍率 0デシベル 1倍 6デシベル 2倍 パーセントのように比率や倍率を表す相対的な単位であ 10 デシベル 3倍 る。 0デシベル(1倍)をある自然界の基準値と決め 20 デシベル 10 倍 ることで、自然界の絶対値も定めることができる。0デ 40 デシベル 100 倍 60 デシベル 1000 倍 数値として表示する方法(単位)である。また、グラム やメートルのように自然界の絶対値を表す単位でなく、 シベルとは1倍のことを示しており、パーセント表示の 100%と同じ意味である。 22-1 4.結果 (1)スピーカーの分解について スピーカーに共通している部品は磁石、コイル、振動する膜であることが分かった。 原理の考察 コイルに電流を流すと右ねじの法則により磁界が発生し、コイルと磁石が反発しあったり引きあ ったりする。コイルと膜は接着しており、コイルの振動に従って膜も振動し音が鳴る。音源からの 電流の信号によって、コイルの中心に発生する磁界の大きさと向きが変わるため、音に強弱が生ま れる。音の強弱は磁石の磁力の強さとコイルにできる磁力線の大きさによって決まる。磁石からの 磁力線を大きくするには磁力の強い磁石を用いればよい。コイルにできる磁力線の大きさはコイル の巻き数、太さ、半径によって決まる。 <写真1> <写真2> 磁力線 コイル 膜 音源 磁力線 磁石 <図1> (2)自作スピーカーによる実験 ① 磁石の違いと音量 *磁石はともに直径 3.0cm 厚さ 1.5cm を使用 フェライト ネオジウム 得点[点] 4 9 測定値[dB] 37.3 62 <写真3> ネオジウム磁石を用いた時、音量が非常に大きくなり、歌詞もはっきりと聞き取れた。 22-2 ② コイルの巻き数と音量 <表3> コイルの巻き数[回] 5 15 25 35 得点[点] 6 8 9 9 測定値[dB] 31 35 42 35.3 (dB) 50 40 30 20 10 0 5 15 35(回) 25 図2 25 回のとき最も大きな音が鳴った。 ③ <写真4> コイルの直径と音量 <表4> コイルの直径[cm] 0.5 1.0 1.5 2.25 3.0 得点[点] 3 6 7 9 9 測定値[dB] 測定不可 34.3 39 43.3 62 (dB) 70 60 50 40 30 20 10 0 0.5 1 1.5 2.25 (cm) 3 図3 <写真5> 3.0cm の時、最も大きな音が鳴った。 22-3 ④ コイルの導線の太さと音量 <表5> コイルの太さ[mm] 0.2 0.6 0.8 1.0 得点[点] 7 4 4 3 測定値[dB] 33 測定不可 測定不可 測定不可 (dB) 35 30 25 20 15 10 5 0 0.2 0.6 1(mm) 0.8 図4 <写真6> 0.2mm の時のみ音は鳴ったが、0.6mm以上の太さのコイルでは周りの雑音が入り、音を測定するこ とはできなかった。 ⑤ 紙コップを重ねることと音量 <表7> 紙コップ[重] 1 2 3 得点[点] 8 7 9 測定値[dB] 43.3 43.3 40 (dB) 44 42 40 38 1 2 図5 3 (重) 音量の変化は感じられなかったが、二重の時、最も音がはっきり聞こえたように感じた。 5.考察 コイルの巻数が多いほど音量が大きくなるのは流れる電流が大きくなるからだと考えられる。コイル の太さは、太いとそれだけ重くなり振動しにくくなるからだと考えられる。コイルの直径は、膜に対し て大きい方がコイルの振動が膜に伝わりやすいからだと考えられる。 磁力は大きいほど音が大きく鮮明に聞こえたには、反発し合ったり引き合ったりする力が大きくなり 振幅が大きくなり、振幅が増えたからだと考えられる。 紙コップを重ねるほど歌詞が鮮明に聞こえたには、壁が固いほど音の波がはね返りやすくなり、音の 振幅が増えるからだと考えられる。 騒音測定機で測定した数値と点数の相関性は、数値が大きいほど点数も高くなった。よって、dB の値 が大きいほど耳で聞いた時、歌詞もはっきりと聞こえたので音質も良くなると考えられる。 6.参考文献 http://www.sony.jp/high-resolution/about/ http://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2014/06/doc14061201.pdf http://howto-it.com/speakerspectra2.html http://macasakr.sakura.ne.jp/decibel.html 22-4