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太陽光発電技術の現状と展望
太陽光発電研究センター 第1回つくば3Eフォーラム 2007.12.15-16 太陽光発電技術の現状と展望 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 作田宏一 1 太陽光発電研究センター 内容 • • • • • • なぜ太陽光発電なのか? 開発の歴史と普及の現状 様々な太陽電池 システムの実例 メガソーラタウン@AIST 太陽光発電のLCA 今後の展望と課題 2030年50%削減に向けて 2 太陽光発電研究センター 太陽エネルギーの大きさ 表面温度 約5,700K 総放出量 3.8×1026W 太陽定数:1,382Wm-2 大気外到達量 1.7×1017W 地表面到達量 8.5×1016W 全世界の消費量の 約1万倍 (年間) 2.7×1024J 3 太陽光発電研究センター 太陽光発電の特長 • • • • • クリーンな再生可能エネルギー 可動部分がなく保守が容易 性能が規模によらない 性能が日射強度によらず、散乱光も可 土地の二重利用が容易 • 予測不能な出力変動がある 4 太陽光発電研究センター 太陽電池・太陽光発電の歴史 • • • • • • • 1954年 1958年 1960年代 1974年 1990年代 1999年 2004年 単結晶シリコン太陽電池の発明(Bell研) 最初の太陽電池搭載衛星ヴァンガード1号 宇宙用、灯台用等の特殊電源として普及 サンシャイン計画開始 価格1/100目標 導入の環境整備、住宅用補助金開始 我が国の太陽電池生産量 世界一に 固定価格買取制度でドイツの導入量急増 5 太陽光発電研究センター 世界の太陽電池生産量の推移 3000 2500 その他 生産量 (MW) 2000 米国 欧州 日本 1500 1000 500 0 93 94 95 96 97 98 99 00 年 01 02 03 04 05 06 (出典: PV News) 6 太陽光発電研究センター 世界の太陽光発電累積導入量の推移 6,000 累積導入量 (MW) 5,000 日本 ドイツ 米国 世界 (IEA/PVPS加盟国) 4,000 3,000 2,000 1,000 0 92 93 94 95 96 97 98 99 年 00 01 02 03 04 05 06 (出典: IEA-PVPS) 7 太陽光発電研究センター 太陽電池変換効率の変遷 30 25 効率 (%) 20 単結晶シリコン(小面積) 多結晶シリコン 薄膜シリコン(モジュール、初期効率) 薄膜シリコン(モジュール) CIS(小面積) CIS(モジュール) 色素増感(小面積) 色素増感(モジュール) 有機薄膜(小面積、論文発表値) 15 10 5 0 1950 1960 1970 1980 年 1990 2000 8 2030年に向けた太陽光発電のコスト低減 変換効率 高効率化のイノベーション 高効率化のイノベーション 10%∼20%弱 40%超 20%超 材料 料・ ・ プ ロ セ ス イ ノ ベ ーシ シ ョ ン 材 プ ロ セ ス イ ノ ベ ー ョ ン 2007 1993 単結晶Si太陽電池 発電コスト 30円/kWh 260円/kWh 太陽光発電研究センター 2020 2010 23円/kWh 60%超 2030 14円/kWh 7円/kWh <方向性> <方向性> 薄膜・高効率 薄膜・高効率 ++ 非シリコン・新原理 非シリコン・新原理 CIS薄膜太陽電池 多結晶Si太陽電池 薄膜Si太陽電池 薄膜太陽電池 生産効率 競争原理 色素増感太陽電池 フレキシブル薄膜Si太陽電池 用途 用途 イノベーション イノベーション 有機薄膜太陽電池 資料協力 : 経済産業省 NEDO AIST 9 太陽光発電研究センター NEDOフィールドテスト事業の導入例1 JR東日本 高崎駅新幹線ホーム上屋 (200kW) 岡山県 鶴新田浄水場(調整池覆 蓋)(400kW) (写真提供:新エネルギー・産業技術開発機構) 10 太陽光発電研究センター NEDOフィールドテスト事業の導入例2 ㈱再春館製薬所 (1,580kW) シャープ㈱亀山工場 (5,150kW) (写真提供:新エネルギー・産業技術開発機構) 11 太陽光発電研究センター 集中連系型太陽光発電システム実証研究 • 平成14∼19年度 NEDO プロジェクト • 500軒以上のPV住宅を太田市に建設 • 商用配電網を用いて、系統品質確保、単独運転 防止等の系統連系技術に関する実証研究を実施 12 太陽光発電研究センター ‘‘Mega-SolarTown’ Mega-SolarTown’ 13 太陽光発電研究センター メガソーラタウンの概要 運転開始: 2004年4月 総発電容量: – DC: 869kWp (PV モジュール 約5,600枚) – AC: 844kW (パワーコンディショナ 出力4kW×211台) 日本初のMW級設備 (既存のPVシステム 約160kW を含む) 市販PVモジュール・システムのショーケース – 単結晶・多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ヘテロ接合シリ コンモジュール – 住宅用パワーコンディショナ 7機種 – 4kW住宅用PVシステムの集合体 発電電力量: 106kWh/年 = 設置事業所の電力需要の約0.8%相当 = 300t/年のCO2 排出量削減 14 産総研つくば研究センターの"メガソーラタウン" 太陽光発電研究センター 15 産総研つくば研究センターの"メガソーラタウン" 太陽光発電研究センター 16 産総研つくば研究センターの"メガソーラタウン" 太陽光発電研究センター メガソーラPVシステムによるピークカット効果 PV Output Utility Power Demand Electric Power Demand 15,000 13,100 kW 12,700 kW 7th May 2004 Daily PV Output: 4,564 kWh 601 kW 600 10,000 300 5,000 0 0:00 Electric Power Demand at AIST Tsukuba Center Area-1,2,3 and 7 [kW] Output Power from Newly-installed PV Systems [kW] 900 0 3:00 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 21:00 0:00 17 産総研つくば研究センターの"メガソーラタウン" 太陽光発電研究センター 2007年8月に累積発電量 3 GWh を達成 ( 2007年8月12日 ) 18 太陽光発電研究センター 世界最大の太陽光発電所(20MW、スペイン) 場所:Beneixama, Spain 設置:City Solar社(ドイツ) 敷地面積:500,000m2 PVモジュール:100,000枚 年間発電量:30GWh 19 太陽光発電研究センター 太陽光発電のLCA評価 エネルギーペイバックタイム(EPT)、CO2ペイバックタイム(CO2PT) は技術の向上等で急激に減少。 現状では EPT=2.0年(多結晶Si)∼0.9年(CIS) CO2PT=2.7年(多結晶Si)∼1.4年(CIS) • • 算出条件: 10 周辺機器 モジュール 80 EPT CO2PT 8 60 6 40 4 20 2 0 0 多結晶Si (1991年) 多結晶Si (現状) 多結晶Si (将来) アモルファスSi CIS EPT, CO2PT (年) 投入エネルギー量(GJ/kW) 100 1)多結晶Si(1991年) ・地上設置1MWシステム ・生産規模:不明 ・運用エネルギー:1% 2)その他 ・住宅用3kWシステム ・生産規模:100MW/年 ・運用エネルギー:省略 ※多結晶Si(現状)の値は、文 献2)を元に再計算したもの 出典: 1) 内山、他、電力中央研究所研究報告 Y90015 (1991.11) 2) NEDO成果報告書「太陽光発電評価の調査研究」、太陽光発電技術研究組合(2001.3) 20 太陽光発電技術開発ロードマップ PV2030 導入目標 4.8GW 1GW 2002 102GW 2007 2010 2020 2030 ∼50円/kWh 発電コスト バルク結晶シリコン に加え薄膜(シリコ ン、化合物)太陽電 池も登場へ <<システム技術>> 系統に負担をかけないシステム 単独型から統合型システム 自律度向上型シ ステム展開 30円/kWh 蓄電池付システム 23円/kWh システム大型化 BOS長寿命化 アクティブ ネットワーク制御 シリコンでも化合物で もない新材料も 登場 14円/kWh <<電池技術>> 技術の世代交代による 低コスト化の実現 太陽光発電研究センター 超薄型/多接合化 による高性能化 7円/kWh 新材料(色素等)・新構造太陽電池 [参考:太陽光発電の展開イメージ] 住宅用 産業用 従来型系統連系システム 地域コミュニティPVシステム 広域連系PVシステム 新エネルギネットワーク 場内高電圧連系自家消費システム 水素製造 海 外 SHS(ソーラーホームシステム) VLSPV 出典:NEDO ロードマップ PV2030 21 太陽光発電研究センター 日本の総発電量を賄うには? 年間総発電量=1,000,000GWh 等価稼働時間=1,000h 太陽電池効率=10% 必要容量=1,000GW 必要面積=10,000km2 22 太陽光発電研究センター つくば市の総発電量を賄うには? 年間総発電量=2,300GWh 等価稼働時間=1,000h 太陽電池効率=10% 必要容量=2,300MW 必要面積=23km2 (総面積=284km2) 23