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財務諸表(BS,PL,CF)の読み方(基礎
財務諸表の見方 (BS, PL, CF) 基礎編① NYみんなのビジネス株講座 (ビジカブ講座) July 28 (土), 2012 目 次 * 財務諸表の基礎知識 (なぜ必要?) --p3 * 財務三表(基本図形) --P5 1.バランス・シート (BS: Balance Sheet - 貸借対照表)を読む --p6 2.プロフィット・アンド・ロス <インカム・ステイメント> (PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む –p13 3.キャッシュ・フロー (CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書)を読む --p19 4.BS,PL,CFの関係 --p23 *財務諸表の科目(日英対訳)一覧 --p26 2 * 財務諸表の知識 (なぜ必要?) ○企業の経営者にとっても投資家(株・不動産・FX等)にとっても、企業の財務諸表について の知識は必須です。 ○ 財務諸表の知識と言っても、会計(出納)や簿記何級レベルといった細かい知識ではなく、 大局的に企業の状態を把握でき、財務諸表のポイントなる部分を見分ける力(すなわち 見るべき部分を見る力)です。 ★財務三表(3つの基本財務諸表)★ 1.BS: Balance Sheet -貸借対照表: 資産帳・会社の財産および負債の残高 2.PL: Profit and Loss -損益計算書: おこずかい帳・売上・仕入・経費・利益 などの当期の営業の状況 3.CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書: 当期の資金(キャッシュ)増減の原因 ここでは財務諸表の基礎編: 見方、読み方などを紹介します。 3 *株-ファンダメンタル分析-優良株選別指標(Wikinvest) この株分析表 覚えていますか? おこずかい帳 期間ごとの経営成 績(もうけ具合)を 表す 別名 P/L 資産帳 会社が事業資金 をどうやって集め て、どのような形 で保有しているか を 表す 別名 B/S 株指標 (PBR, PER, ROA, ROE) PL(損益計算書)や BS(バランスシート)の 数値をもとに計算されま す 4 *財務三表(3つの基本財務諸表) **この3図が描ければOK!!** 1.BS: Balance Sheet 2.PL: Profit and Loss 貸借対照表 損益計算書 負 資産帳 会社が事業資 金をどうやって 集めて、どのよ うな形で保有し ているかを表す 資 別名 B/S 債 ●売上高 ①売上総利益 ③経常利益 期間ごとの 経営成績 (もうけ具合) を表す ④税引き前利益 別名 P/L ②営業利益 産 資 本 おこずかい帳 ⑤当期(純)利益 ●剰余金 キャッシュフロー計算書 現金や預金などのお金の 流れで会社の実態を表す =企業の一定の期間 における、実際の現金・預 金の流れ 別名 C/F (1)営業キャッシュフロー (2)投資キャッシュフロー (3)財務キャッシュフロー 3.CF: Cash Flow Statement –キャッシュフロー計算書 5 1.バランス・シート(BS: Balance Sheet - 貸借対照表)を読む BS: Balance Sheet - 貸借対照表とは ➢貸借対照表とは、 会社が事業資金をどうやって集めて、どのような形で保有をしているかを 表したもの (資本の運用形態と調達先を表した表のこと) 資産の部: 表左側が資本の運用形態 負債・資本の部: 表右側が資本の調達先 資本(資金の調達先)には ①負債(他人に返す義務のある資本) ②資本(返す義務のない資本) があります。 貸借対照表では左(資産の部)と右(負債・資本の部)の合計が必ず一致、 そのため、貸借対照表のことをバランスシート(BS)と呼ぶ。 6 1.バランス・シート(BS: Balance Sheet - 貸借対照表)を読む BS: Balance Sheet - 貸借対照表とは 資産 流動資産 (現金・預金・有価証券・売掛金・棚卸資産など) 固定資産 (建物・機械・土地など) 負債+資本 (総資本) 流動負債 (買掛金・短期借入金など) 固定負債 (社債・長期借入金など) 他人に返す 義務のある お金 繰り延べ資産 (開発費・研究費など) 資本 (資本金・利益準備金・利益剰余金・ 留保利益・自社株発行など) ◆ 資金の運用方法 ◆ (何にお金を使ったか?) 返す義務の ないお金 ◆ 資金の調達方法 ◆ (どこからお金を調達したか?) (★企業分析の一つ★) 【企業の健全性::資本÷総資本=自己資本比率 ←これが高い会社は財務的に健全】 7 1.バランス・シート(BS: Balance Sheet - 貸借対照表)を読む BS: Balance Sheet - 貸借対照表(例) 留保利益 (鉄則) BS: 資産=負債+資本 8 1.バランス・シート(BS: Balance Sheet - 貸借対照表)を読む BS: Balance Sheet - 貸借対照表①資産 ➢資産(Asset)とは: 利益を生み出すため必要な資金や物。 (*資産の部は原則として、現金化しやすい順に並んでいます) ■流動資産(Current Asset):1年以内に現金化が予定されている資産 ①現金・預金: 手持ちの現金や銀行に預けてある預金(現金) ②有価証券: 有価証券とは他の会社の株式など ③売掛金・売上債権:受取るべきお金・権利のこと 手形(小切手)や掛け(つけ)で売買すること ④棚卸資産: 棚卸資産とは商品や在庫のこと。 ■固定資産(Fixed Asset):長期にわたって使用、保有できる資産 ①有形固定資産: 建築物や車両のように具体的な形を持つもの。 ②無形固定資産: 特許権・のれんのように具体的な形を持たないもの。 ■繰延資産(Deferred Asset):流動資産にも固定資産にもならない資産 ①例えば開発費とか試験研究費:実体は費用。だが将来に収益を生み出すため将来 に繰り延べられる費用。支出効果が長期に渡って期待できるの で、支出時に一気に費用化せずにBS上資産として扱う。 9 1.バランス・シート(BS: Balance Sheet - 貸借対照表)を読む BS: Balance Sheet -貸借対照表②負債・資本 ➢負債(Lialibity) とは: 第3者(銀行等)に返済義務がある債務(いわゆる借 金) 原則、返済を急ぐ必要のある順に上から並べられる ■流動負債 (Current Liability) :1年以内に返済を要する負債のこと ①買掛金・買入債務: 取引先に対して支払うべきお金、義務があること ②短期借り入れ金: 支払手形(小切手)や買掛金(つけ)で売買すること 主として金融機関にから借りたお金のこと(借金) ■固定負債(Fixed Liability):1年を超えて支払いの義務が発生する負債のこと ①長期借入金や引当金、社債など(他人資本) ➢資本(Equity/Owner’s Equity)とは:会社が蓄積した利益や自分で出資した資金 ① 資本金、資本剰余金: 株主からの拠出分の資金のこと。 ② 利益準備金: 会社の充実を目的として積立てが義務付けられた資金(商法) ③ 自己資本: 株主資本+評価換算差額等。自分が会社に出資したお金 ④ 留保利益・利益剰余金: 当期利益から株主配当や役員賞与を差し引いたもの * 留保利益が大きい会社:(ⅰ)負担のない資金力で事業を運営している割合が高い (ⅱ)財務体質が強い会社としてその評価が高い 10 2.プロフィット・アンド・ロス(PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む PL: Profit and Loss – 損益計算書とは ➢ 損益計算書とは、 「期間ごとの経営成績(もうけ具合)を表すもの」 ある一会計期間に企業がどれだけの利益、損失を 出しているか(経営成績)を まとめた計算書。 会社の経営成績を収益(もうけ)と費用(コスト)とを対比して、その 差額として利益(純もうけ)を示すもの。 (*おこずかい帳) (注) 会計期間とは、会社の定款に定められた特定の期間(通常は1年)ごとに 区切られた期間をさす。その1年の会計期間の末日を決算日という。 (例:日本=4月1日~3月31日が会計期間。3月31日が会計年度末決算日) (例:米国=1月1日~12月31日が会計期間。12月31日が会計年度末決算日。 他、四半期報告決算日がある) 11 2.プロフィット・アンド・ロス(PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む PL: Profit and Loss – 損益計算書 5つの利益 損益計算書から会社の利益構造(売上に対し、どれだけのコストがかかって いるか)を知ることができる。 上から段階ごとに3つの収益、4つの費用、5つの利益を表示。 3つの収益 売上高 4つの費用 売上原価 5つの利益 売上総利益 営業外収 益 特別利益 販売費・ 営業外費 一般管理費 用 特別損失 営業利益 税引き前 当期利益 経常利益 当期利益 ◆ 注目すべき数値は、 『売上高』と、売上高から費用などを差し引いていった『5つの利益』 12 2.プロフィット・アンド・ロス(PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む PL: Profit and Loss – 損益計算書表(例) (鉄則) PL: 当期純利益(一番下)が重要。 純粋な会社のもうけ! 13 2.プロフィット・アンド・ロス(PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む PL: Profit and Loss –損益計算書の構造 損益計算書を構成する収益、費用、利益を単純に図解してみたものが下図。 青色の部分が、利益発生の直接的原因たる収益で、緑色の部分が利益 消滅の直接的原因たる費用。そして、収益と費用の差額が利益です。 ◆PLの構造: 収益 – 費用 = 利益 (5つの利益のうち一番下:★当期利益★) 14 2.プロフィット・アンド・ロス(PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む PL: Profit and Loss – 損益計算書表(例2) 科目 金額 計算式 利害関係がある人 売上高 20000 顧客から受取 売上原価 15000 取引先へ支払 ①売上総利益 【粗利益】 (売上高-売上原価) 販売費・一般管理費 5000 =20000- 15000 従業員へ(給料)支払 3800 ②営業利益 (売上総利益-販管費) 1200 営業外収益 100 営業外費用 200 ③経常利益 [営業利益+(営業外収益-営業外費用)] 1100 特別利益 50 特別損失 300 ④税引き前当期利益 [経常利益+(特別利益-特別損失)] 法人税などの税金 850 =5000-3800 債権者へ(銀行等)支払 =1200+100200 =1100+50- 300 国・地方公共団体へ支払 400 ⑤当期(純)利益 (税引き前当期利益-法人税などの税金) 450 =850-400 (鉄則) PL: 当期純利益(一番下)が重要。 純粋な会社のもうけ! 株主へ (最後に残った利益) 15 2.プロフィット・アンド・ロス(PL: Profit and Loss – 損益計算書)を読む ●売上高: PL: Profit and Loss – 損益計算書の項目 本業収入すべてを合計したもの。売上高の大きさはその会社の事業規模を表す。 ① 売上総利益 (1つ目の利益): 売上高から売上原価(仕入コスト・原価や製造原価など費用)を差し引いたもの。粗利益。 ② 営業利益 (2つ目の利益) : 売上総利益から営業活動に必要な「販売費・一般管理費(販管費)」(給料や家賃、通信費、 交際費など)会社のために使った経費を引いた利益。本業における儲け。 ③ 経常利益 (3つ目の利益) : 営業利益に対して、配当や利息など本業以外の収支(営業外収益・営業外費用)で加減した 利益。本業以外の利益を含めた会社の日常的な利益。 ④ 税引き前当期利益 (4つ目の利益) : 経常利益に対して、土地の売却益や退職金支払いなどの特別な理由、臨時的に発生した 特別利益(収益)と損失(費用)を加減した利益。 ⑤ 当期利益(当期純利益) (5つ目の利益): 税引き前当期利益から税金(法人税等)を支払った利益。いわゆる純利益。 企業が最終的に、内部留保とすることができる利益。 ●剰余金:当期利益から株主配当や役員賞与を引いた残り。企業の純粋な儲け金。 (『剰余金』、PL(損益計算書) ⇒ BS(貸借対照表)の『留保利益』へとリンクする項目) 16 3.キャッシュ・フロー(CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書)を読む CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書 ➢キャッシュフロー計算書とは 『現金や預金などのお金の流れで会社の実態を表すもの』 =企業の一定の期間における、実際の現金・預金の流れ =キャッシュのフローを表すもの。 キャッシュフロー計算書は、BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)を ベースにして作られる。 ◆キャッシュフロー指標の重要性 最近では、企業の財務体質を表すのに利益(PL)からキャッシュフロー(CF)を 重視する方向へと移行。 (PL)収益-費用=利益(ルールにより計算:発生主義) (CF)収入-支出=キャッシュフロー(事実:現金主義) 優良企業か否かの判断: 利益よりキャッシュフロー = 事実を重視 17 3.キャッシュ・フロー(CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書)を読む CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書の項目 18 3.キャッシュ・フロー(CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書)を読む CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー表(例) ➢ キャッシュフロー計算書では 利益の段階に応じて次の 3つに分けられます。 ①本業で得たお金の増減 ・営業活動によるキャッシュフロー ②固定資産、投資有価証券等の 購入や売却の増減 ・投資活動によるキャッシュフロー ③資金調達(借入金等)、配当金 支払の増減 ・財務活動によるキャッシュフロー BSの資産(現金)と一致 19 3.キャッシュ・フロー(CF: Cash Flow Statement – キャッシュフロー計算書)を読む (プラスが多いほど良い) この項目の合計額がプラスの会社は、 本業が順調に行っている証拠。 逆にマイナスの会社は、本業で苦戦、現金 不足で苦しんでいるという理解。営業CF のマイナスが続く会社は、少し危険な会社 と読むことができる。 (営業CFの範囲内でマイナスが良い) 通常、営業活動を行っていくためには、設 備投資など固定資産への投資が必要なた め、優良企業は、この項目はマイナスであ ることが多い(お金を使った場合マイナス)。 逆にプラスの場合は、会社が持っている設 備や、株、債券などを売った金額が投資分 を上回っていることを示す。 (マイナスが望ましい) キャッシュ(お金) 不足分をどう補ったのかを表す。 優良企業は、この項目はマイナスである ことが多いが、経営難にもかかわらず、金 融機関に返済を迫られてマイナスとなる ところもある。 積極的に成長を目指す企業は、借入金な どの資金調達も多くなりがちでプラスにな ることがある。 20 4. B/S、P/L、CF計算書の関係 BS, PL, CF :3つの表の関係 ①BSとPLの関係 Cash/現預金 BSの内部留保 『利益剰余金』 項目へ ②CFの流れ 一致 PLの当期利益 『当期純利益・剰余金』 現預金期末残高 21 4. B/S、P/L、CF計算書の関係) **この3表の流れが説明できればOK!** 22 4. B/S、P/L、CF計算書の関係 ご参考 23 4. B/S、P/L、CF計算書の関係 おまけ(株指標との関係) 一株当たりの BS,PL v.s. PER, PBR,ROE(p4) ご参考 24 5.財務諸表の科目一覧・日英対訳 (BS:バランス・シート) 日本語 英語 日本語 英語 貸借対照表 Balance shreet 連結貸借対照表 Consolidated balance sheet 資産 Asset 負債 Debt 流動資産 Current assets 流動負債 Current liability 固定資産 Fixed assets 固定負債 Fixed liabilities 有形固定資産 Tangible fixed assets 資本 Equity 無形固定資産 Intangible fixed assets 買入債務 Trade payable 繰延資産 Deferred assets 支払手形 Bill payable Notes payable 現金および預金 Cash Equivalents 買掛金 Accounts payable Short-term debt Notes and 売上債権 短期借入金 Short-term liabilities accounts receivable Short-term borrowings 売掛金 Accounts receivable 転換社債 Convertible bond Long-term debt Bill receivable 受取手形 長期借入金 Long-term liabilities Notes receivable Long-term borrowings 有価証券 Marketable Securities 資本金 Stock Capitalization 棚卸資産 Inventories 資本剰余金 Capital surplus 製品および商品 Finished goods inventory 利益剰余金 Earned surplus 材料 Materials inventory 資本準備金 Capital reserve 貸倒引当金 Allowance for bad loan 利益準備金 Earned reserve 建物および構築物 Building 少数株主持分 Minority interests 機械装置 Equipment and machinery 株主資本 Shareholder's equity 土地 Land 運転資金 Working capital 25 5.財務諸表の科目一覧・日英対訳 (PL:プロフィット&ロス or IS: インカム・ステイトメント) 日本語 英語 Profit and Loss statement 損益計算書 Income statement Turnover 売上高 Revenue 売上原価 Cost of goods sold 売上総利益 Gross profit 販売費及び一般管理費 Selling , General and Administrative expenses 営業利益 Operating profit 受取利息 interest income 支払利息 interest expense 経常利益 Current profit 特別利益 Extraordinary gain 特別損失 Extraordinary loss 税引き前利益 Profit before tax income taxes 法人税 Taxes 少数株主利益 Minority equity Net profit 純利益 Net income 配当金 Dividends 減価償却費 Depreciation 26 5.財務諸表の科目一覧・日英対訳 (CF:キャッシュフロー・ステイトメント) 日本語 英語 キャッシュフロー計算書 Cash flow statement 営業活動によるキャッシュフロー Cash flows from operating activities 投資活動によるキャッシュフロー Cash flows from investing activities 財務活動によるキャッシュフロー Cash flows from financing activities 純利益 Net profit 減価償却費 Depreciation 法人税の支払い income taxes paid Taxes paid 少数株主持分 Minority interests 運転資金の増減 changes in working capital 受取利息 interest income 支払利息 interest expense 資本的支出 Capital expenditures 27 本講座のポイント P5 と P21.22.♪ だよー! まあ、おつかれさまです。 まぁ、まぁ 一杯♪ 28 さ~て皆さん♪ ここから次はどこへ向かうー? 財務3表の基本概念 *P4株テクニカル分析: ROE, ROA, PBR, PER *企業(優良)分析: 収益性、効率性、安全性、生産性、成長性 投資の実践 株? 不動産? FX? ビジネス? OPT・OPM を利用する! キャッシュフロー~♪ パッシブインカム!どう増やす? 29 財 務 分 析 財務分析とは 財務諸表を様々な観点から分析して、 企業の経営状態の良否を判断すること。 企業の経営者はもちろん、 株式投資をする上でも重要な分析として! 30 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 【財務分析・項目】 収益性・効率性: 売上高利益率・資本回転率・ROA(総資本利益率)・ROE(自己資本利益率) 安全性・健全性: 自己資本比率=資本÷総資本 <企業の健全性:参照 P7‐BS> 流動比率・当座比率・純資産比率・固定比率・債務償還年数・損益分岐点比率 生産性: 資本生産性・労働生産性・付加価値 成長性: 売上高成長率・経常利益成長率・総資産増加率・人件費増加率 自己資本増加率・株式配当増加率 31 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 【株ファンダメンタル分析】 「ファンダメンタル分析」: 「テクニカル分析」: 財務諸表(BS, PL,CF)を用いて企業の健康状態を分析 株価チャートや各種指標を使って買い時・売り時を見つける *********************************************************************** ① PER (Price Earning Ratio) 株価収益率: 企業の人気度指数 ⇒ 目安20~50倍 低いと人気ない。高いと人気ある(高すぎると実力より株価が高い) ② PBR (Price Book Value Ratio) 株価純資産倍率: 株の割安度指数 低いと株価は割安。高いと株価は割高 ⇒ 目安1~5倍 <1以下望ましい> ③ ROA (Return on Assets)純資産利益率 総資産を使ってどれだけ利益をあげたか %が高い程、資本の利益率が良い ⇒目安最低でも5%・理想10%以上 ④ ROE (Return on Equity) 株主資本利益率 企業が株主から集めたお金でどれだけ利益をあげたか %が高い企業は運用能力が高いといえる ⇒目安 30%以上 32 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 要注意会社・危険会社の見分け方 (1)経営力 ・やる気・ESの欠如 ・CS(Customer Satisfaction/顧客満足度)欠如 ・商品欠如、独自技術欠如 ・販売力欠如 ・ブランドの無さ ・ブランドイメージの著しい悪化 ・スピード欠如 ・単なる下請(提案力、技術力不足) ・急速な拡大(人材育成の遅れ) ・本店移転・経営者変更(商業登記、履歴チェック) ・経営内容・不祥事等の隠蔽の風土、風とおしの悪さ(非オープン) ・株価 (倒産当日の株価は平均98円:帝国データバンク調査) 33 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 要注意会社・危険会社の見分け方 (2)社長の行動・性格・経歴 ・ 社長の経営能力 ・営業が嫌い ・ 情報音痴 ・高度成長時代の発想のまま ・ ワンマン社長で後継者育成に欠ける ・社長不在(事故、病弱、ギャンブル、女、宗教、政治活動) ・倒産歴のある社長 ・単なる2代目、3代目 ・会社の環境の悪さを放置、気づかない(トイレを見れば会社が分かる) 34 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 要注意会社・危険会社の見分け方 (3)役員・従業員の行動 ・やる気・ESが薄い ・応対が悪い(CS欠如) ・役員が増えた(担保づくりで役員増も) ・管理職の異動が多い ・重要な人材の流出 ・管理職の退職が多い ・一般職の退職増加 ・早期退職者が多い ・平均年齢が高い ・経理担当者不在(連絡がとれない) ・長期未収放置 35 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 要注意会社・危険会社の見分け方 (4)営業活動 ・ 長期未収発生(3か月以上は赤信号) ・支社、事務所の閉鎖 ・市場に合った製品がない ・不良在庫多 仕入先からの手形取引拒否 ・仕入先変更 ・重要な市場、得意先の喪失 ・販売先の変更 ・重要な権利の流出 ・法令に基づく事業の制約(銀行自己資本比率の大幅低下など) 36 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 要注意会社・危険会社の見分け方 (5)財務内容 (財務指標)① ①総資本留保利益率=留保利益(利益準備金+任意積立金+当期未処分利益) ・・・・・・・・4%以下は危険 負債・資本合計 ②外部負債依存率= 負債合計 ③売上高税引き前当期利益率= 税引き前当期利益 売上高 経常利益 ④総資本経常利益率= 負債・資本合計 ⑤総資本税引き前当期利益率= ⑥流動比率= ・・・・・・・・・・・・・・・高いほど危険 負債・資本合計 税引き前当期利益 流動資産 流動負債 負債・資本合計 ・・・・・・・・低いほど危険 ・・・・・・・・・・・・・・・・・低いほど危険 ・・・・・・・・低いほど危険 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100以下なら注意 37 財 務 分 析 / 株ファンダメンタル分析 要注意会社・危険会社の見分け方 (5)財務内容 (財務指標)② ・経理が不完全 支払い条件変更 ・見えない負債「債務保証」 ・赤字を抱えこんだ子会社がある ・土地の含み損がある ・悪い噂 銀行員の出入が多くなった ・証券会社の人の足が遠のいた ・売上高の著しい減少 ・大幅な営業赤字の計上 ・債務超過の状況 ・借入金返済の履行が困難 ・債務免除の要請 ・優先株の配当遅延または中止 ・巨額損害賠償金負担の可能性 ・重要な資産の損失(災害など) 38