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「ハイピァリァン」と「ハイピァリァンの没落」の同一 性と
Title Author(s) Citation Issue Date 「ハイピァリァン」と「ハイピァリァンの没落」の同一 性と差異性 : (2)共通の詩行について その1 安藤, 幸江 Osaka Literary Review. 12 P.55-P.66 1973-12-25 Text Version publisher URL http://doi.org/10.18910/25727 DOI 10.18910/25727 Rights Osaka University 「ノ丶イ ピ ァ リァン 」 と 「ハ イ ピ ァ リァン の 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 一(2)共 通 の詩 行 に ついて 安 は じ め そ の1 藤 幸 に 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ の 没 落 」(以 の 同 一 性 と 差 異 性 の(1)と し て,テ ー マ に つ い て は,本 (1)R eviezerNo.x[で 発 表 し ま し た 。 こ の 小 論 で は,(2)と つ い て 考 察 し ま す 。 これ ら両 詩 に は 同 じ表 現,あ あ り ま す の で,そ に よ り,両 江 れ ら を 共 通 の 詩 行 と し,そ 下 略 称,「 没 落 」) 誌OsakaLiterary し て,共 る い は,よ 通 の詩行 に く似 た 表 現 が の相 違 点を 比較 研 究 す る こ と 詩 の 特 性 を 明 ら か に し た い と 思 い ま す 。 こ の 共 通 の 詩 行 は160 行 ほ ど あ り,一 度 に は 発 表 で き ま せ ん の で,こ こ で は,そ あ た る60行 ほ ど に つ い て 述 べ る こ とに し ま す 。 便 宜 上,三 の 約3分 の1に つ に 分 節,検 討 し て責 を果 す こ とに し ます 。 1 rハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 第 一 巻,1-5行 「・・イ ピ ァ リ ァ ン 」 冒 頭 の3行 と 「没 落 」 第 一 巻,292-300行 は 「没 落 」 の 第 一 巻,294-296行 に 登場 し ます 。 以 下 に両 詩 の 各該 当 箇所 を 引 用 し まし ょ う。 Deep in the shady sadness of a vale _ breath of morn, o Far sunken from the healthy 3 Far from the fiery noon, and eve's one star , 55 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 没 落 」 の 同 一 性 と 差 異 性 Sat gray-hair'd Saturn, quiet as a stone, Still as the silence round about his lair ; (Hyperion, Book I, 11. 1-5) side by side we stood, 294 o (Like a stunt bramble by a solemn Pine) Deep in the shady sadness of a vale, _. Far sunken from the healthy breath of morn, Far from the fiery noon and Eve's one star, Onward I look'd beneath the gloomy boughs, And saw, what first I thought an Image huge, Like to the Image pedestal'd so high In Saturn's Temple. (The Fall of Hyperion, Canto I, 11. 292-300) こ の 引 用 文 中,丸 印 お よ び 下 線 は 筆 者 に よ る も の で す 。 ま た,詩 行 の頭 の 小 さ い 丸 印 は,全 く同 じ詩 行 で あ る こ と を 示 し て い ま す 。 これ ら の こ と は 以 下 の引 用 文 の全 て に つ い て も同 様 で す 。 御 覧 の 通 り,「 ハ イ ピ ァ リ ァ ソ」 に お い て は,問 次 の 行 と つ な が り,次 す 。 こ の3行 ら か に,サ は,こ の3行 westood"の 題 の3行 の 行 は"Satgray-hair'dSaturn"と は コ ンマ で なってい ま で 述 べ ら れ て い る 木 々 の 鬱 蒼 と お い 茂 る 深 い 谷 の 奥 は,あ タ ー ソ の 枯 坐 し て い る場 所 で す 。 と こ ろ が,「 没落」に おいて は ピ リオ ドで 終 っ て い ま す 。 そ し て そ の 前 に は"sidebyside 行 が あ り ま す 。 こ こ の"westocd・ の"we"と と い う詩 人 を 案 内 す る 巫 女 と詩 人 の 二 人 の こ と で,彼 shadysadnessofavale'ジ は,噛モ ネ_タ ら は,"Deepinthe に 相 並 ん で 佇 ん で い る の で す 。 や が て,詩 人達 は ほ の 暗 い 枝 の 下 に サ タ ー ン の 巨 大 な 姿 を 見 ま す 。 当 然 そ こ が,サ の 居 場 所 で あ る と は わ か る の で す が,"Deep"以 ーン とは 結 び つ い て は い ま せ ん 。 そ れ だ け,こ 下 の3行 ター ン は直 接 には サ タ の詩 行 の もつ 緊 迫 した 力 強 い 魅 力 が 弱 ま っ て い る よ うに 思 わ れ ます 。 2 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン」 第 二 巻,7-25行 56 き と,「 没 落 」 第 一 巻,310-330行 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 と 「ハ イ ピ ァ リァ ン 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 「ハ イ ピ ア リ ア ン 」 の 第 一 巻,7-25行 は 「没 落 」 の 第 一 巻,310-330 行Y'相 当 し ま す 。 こ の 箇 所 を 三 つ の 部 分V'分 割 し て,少 しず つみ て い き ま し ょ う。 〔1〕 ま ず.「 ハ イ ピ ァ リ ァ ン」 か ら は No stir of air was there, o Not so much life as on a summer's day Robs not one light seed from the feather'd grass, But where the dead leaf fell„ there did it rest. (Hyperion, Book I, 11. 7-10) を取 り出 した い ので す が,そ れ に対 す る 「没 落」 は No stir of life Was in this shrouded vale, not so much air o As in the zoning of a summer's day Robs not one light seed from the feather'd grass, But where the dead leaf fell there did it rest. (The Fall Hyperion, Canto I. 11. 310-314) と い う も の で あ り ま す 。 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 で"Nostir"か feather'dgrass"ま は2行 で,1行 ら"the 半 で 歌 わ れ て い る こ と カミ,「 没 落 」 に お い て 半 に な っ て い ま す 。 こ れ ら の 詩 行 を 細 か く分 析,検 討 し ま す と,以 下 の 三 点 の こ とが 指 摘 で き ま す 。 第 一 に,「 ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 で は"air"と"there"と ま す 。 す な わ ち,innerrhymeを が 韻 を 踏 んで い な し て い ま す 。 そ の 結 果,こ の 詩 行 は 軽 く 流 れ る よ う な 感 じ で す 。 と こ ろ が,「 没 落 」 で は"air"の が 入 り,"life"の 代 りに"air"が 入 っ て い ま す 。 す な わ ち,「 リァ ン」 と 「没 落 」 で は"air"と"1ife"の す 。 ま た,「 ・・イ ピ ァ リ ァ ソ 」 で は"there"だ "inthisshroudedvale"と 代 りに1`1ife" 全 き位 置 変 換 が 看 取 さ れ ま っ た の が,「 説 明的 に な う て き ます で は"air"と"there"のinnerrhymeも る よ う な 感 じ か ら,"lifeinthisshroudedvale"と ハイピァ 没 落」 で は 。 こ の 結 果,「 没 落」 消 え 失 せ て し ま っ て,軽 く流 れ 重 厚 な もの に な りまし 57 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 没 落 」 の 同 一牲 た 。 し か し な が ら,こ 情 景,い ら,「 わば の 箇 所 は,風 と差 異 性 の そ よ ぎ 一 つ な く,空 気 が淀 ん で い る 「鵲 巣 貫 頂 」 と も い うべ き静 の 境 を 表 現 し て い る の で す か 没 落 」 の 描 写 の 方 が よ り適 切V'思 わ れ ま す 。 第 二 に,「 ハ イ ピ ァ リ ァ ン」8行 目で"inthezoningQf"と "ZOning"の 目 の"on"の 言 いxら 意 味 を調 べ て み ま す と 一 語 は,「 れ て,こ 没 落 」312行 れ また 説 明 的 で す 。 , zoning from Zone, 3. Geol., etc. To divide into zones ; to distribute or arrange in zones : see Zone sb. 7. Hence Zoningvbl. sb. and ppl. a. (0. E. D.) と あ り,ひ き 続 い て,キ の"zoning"は ー ツ の こ の 行 が 引 用 し て あ り ま す 。 こ こ か ら,こ い さ さ か 持 っ て 回 っ た 感 じ を 抱 か せ る も の の,殆 どzOIle と 同 義 と み な し て も大 過 な い で し ょ う。 第 三 に,「 ・・イ ピ ァ リ ァ ソ 」 で は8行 目 の"life"と9行 位 置 が 近 く,頭 韻 の 効 果 が 少 し は あ りま し た が,こ Y'あ っ て は,そ れ ら は 離 れ て し ま い ま す の で,頭 り ま せ ん 。 以 上,三 〔五 〕 次 に,「 目 の"1ight"の れ に 対 し て,「 韻 の効 果 は望 む べ くも あ 点 です 。 ハ イ ピ ァ リ ァ ソ」 で は, o A stream went voiceless by , still deadened more 12 By reason of his fallen divinity o Spreading a shade : the Naiad 'mid her reeds Press'd her cold finger closer to her lips. (Hyperion, Book I, 11. 11-14) で す が,「 没 落 」 でそ れ に 該 当 す る も のは, o 316 o A tream went voiceless by , still deaden'd more By reason of the fallen Divinity Spreading more shade : the Naiad 'mid her reeds Press'd her cold finger closer to her lips. (The Fall of Hyperion, Canto I, 11. 315-318) です 。 58 没落」 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 「・・イ ピ ァ リ ァ ン 」12行 る も の は,「 courtが 没 落 」316行 目 に お い て"hisfallendivinity"と"his"と 目 で は"the"と 指 摘 し て い ま す よ う に,詩 あ な り ま す 。 こ れ は,E.DeSelinの構 成 が 変 っ た の で,必 然 的 に 起 っ (2) た 変 化 で し ょ う。 つ ま り,「 と こ ろ,サ ハ イ ピ ァ リ ァ ン」 は 純 粋 な 物 語 で,今 まで の タ ー ン だ け が 登 場 し て い ま す 。 と こ ろ が,「 没 落 」 で は 「私 」, す な わ ち,詩 人 と,モ の 意 味:で,い わ ゆ る,劇 ネ ー タ が 登 場 し,サ タ ー ンを 眺 め て い るの で す 。 そ 中劇 で す 。 「・・イ ピ ァ リ ァ ソ 」13行 目"spreadingashade"は,「 没 落 」317行 目 で,"a"が"皿ore"Y'な っ てい ます 。 これ は意 味 を強 め よ う とした こ と と,次 対 応 さ せ て,比 の 行 の"closer"と し か し,意 "a"は"some"の 味 の 上 で は"a"で 意 と解 し ます 較 融 を 使 っ た と考 え ら れ ま す 。 も十 分 だ と思 い ま す 。 勿 論,こ の場 合 の 。 〔皿 〕 最 後 の部 分 を 引用 し ます 。 Along the margin-sand large foot-marks went, _, 16 No further than to where his feet had stray'd, And slept there since. Upon the sodden ground His old right hand lay nerveless, listless, dead, o Unsceptred ; and his realmless eyes were closed o While his bow'd head seem'd list'ning to the Earth, o His ancient mother, for some comfort yet. o It seem'd no force could wake him from his place ; o But there came one, who with a kindred hand Touch'd his wide shoulders, after bending low o With reverence, though to one who knew it not. (Hyperion, Book I, 11. 15-25) Along the margin sand large footmarks went _ 320 No farther than to where old Saturn's feet Had rested, and slept, there how long a sleep! o Degraded, cold, upon the sodden ground His old right hand lay nerveless, listless, dead, 59 「ハ イ ピ ァ リァ ン」 と 「ハ イ ピ ァ リァン没 落 」 の 同一 性 と差 異 性 Unsceptred ; and his realmless eyes were clos ' d, While his bow'd head seem'd listening to the Earth, o o His ancient mother, for some comfort yet. o It seem'd no force could wake him from his place ; o But there came one who with a kindred hand Touch'd his wide shoulders, after bending low o With reverence, though to one who knew it not. (The Fall of Hyperion, 「ハ イ ピ ァ リ ア ソ」16行 "oldSaturn's"と す な わ ち,詩 更 に,「 ら た め て,し は,strayし Canto I, 11. 319-330) 目 の"hisfeet"の"his"が 説 明的 な言 い 回 しに な 「没 落 」320行 って い ます 。 こ の異 同は 霞 で, 「私 」, 人 が 見 て 語 っ てい るか らで す 。 ・・イ ピ ァ リ ァ ソ」 の 同 じ 行 の"stray'd"は か も"rested"と た 後 で,restし 「没 落 」 で は 行 を あ 表 現 が 変 え ら れ て い ま す が,こ た と考 え ら れ る の で,こ の``rested" の 方 が よ り奥 深 く, 二 重 の 意 味 の 諦 観 を 匂 わ せ て い る よ うに 思 い ま す 。 次 行 の 「・・イ ピ ァ リ ァ ン 」 で は"sleep"と"slept"と す 。 加 え て"how"と 多 に し,甘 意味が二重化 しま い う感 嘆 詞Y'先 導 さ れ て い る こ とは,裹 現 を 情 念過 い も の に し て い ま す 。 感 嘆 詞 を よ く使 うの は キ ー ツ の 初 期 の 特 色です。 一 行 下 っ て ・ 「ハ イ ピ ア リ ア ン」18行 目は"Hisoldrighthandlay nerveless,1istless,dead,/Unsceptred"と 「没 落 」 の 場 合,更 形 容 詞 が4つ に こ れ に"Degraded,cold"と2つ 詞 の 羅 列 と い う気 を 起 こ さ せ ま す 。 さ き の17行 て,「 没 落 」 で は,意 付 い て い ます が , も 加 わ っ て,形 容 目の表 現 とこ の表 現 か ら し 識 の 分 化 の 進 展 と は 言 え,そ の 過 剰,及 び,表 現 の 冗 長 の感 を 免 か れ ませ ん 。 以 後 の 詩 行 は,御 覧 の 通 り,全 コ ソ マ の 有 無,"ed"と"'d"の イ ピ ァ リ ァ ン 」 で"ed"だ こ の 他 に も,い 60 く 同L行 が 殆 ん どで,相 違 い だ け で す 。 た だ,興 った の が,「 く つ か あ る こ とで す 。 没 落 」 で"'d"に 違 が あ っ て も, 味 あ るの は 「ハ 直 され た 箇 所 が 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 3 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 第 一 巻,37-71行 第 三 に 対 応 す る の は,「 落 」 の 第 一 巻,339-369行 タ ー ソ の と こ ろ に,太 て,彼 と 「没 落 」 第 一 巻,339-371行 ・・イ ピ ァ リ ァ ン 」 の 第 一 巻37-71行 で す 。 こ こ は,王 「没 位 を失 な っ て悲 し んで い るサ 陽 の 神 ハ イ ピ ァ リ ァ ン の 妻,ス に 話 し か け る と こ ろ で す 。 前 半,後 と ィ ーア が や って 来 半 に 区分 し て逐 次 考 察 し てい き ます 。 前 半 。 最 初 の6行 は 全 く同 じ詩 行 で す 。 o There was a listeningfear in her regard, o o o o o As if calamity had but begun ; As if the vanward clouds of evil days Had spent their malice,and the sullen rear Was with its stored thunder labouring up. One hand she press'd upon that aching spot Where beats the human heart, as if just there, Though an immortal, she felt cruel pain_ o The other upon Saturn's bendedneck 46 She laid, and to the level of his ear Leaning_with parted lips, some words she spake In solemn tenour and deep organ tone : o Some mourning words, which in our feeble tongue 50 Would come in these like accents ; 0 how frail To that large utterance of the early Gods `Saturn look up!—though wherefore, poor old King? ' I have no confort for thee, no not one : 54 o cannot say, "0 wherefore sleepest thou ? For heaven is parted from thee, and the earth 1_Knows thee not, thus afflicted,for a God; —And oceantoo, with all its solemn noise, o LHas from thy sceptre pass'd ; and all the air Is emptied of thine hoary majesty. (Hyperion, Book I, 11. 37-59) 61 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 o o o o o o There was a listeningfear in her regard, As if calamity had but begun ; As if the vanwardclouds of evil days Has spend their malice,and the sullen rear Was with its stored thunder labouring up. One hand she pxess'd upon that aching spot o Where beats the human heart ; as if just there_ Though an immortal, she felt cruel pain ; The other upon Saturn's bended neck 348 She laid, and to the level of his hollow ear Leaning,with parted lips, some words she spoke In solemn tenor and deep organ tune ; o Some mourning words, which in our feeble tongue 352 Would come in this-like accenting ; how frail To that large utterance of the early Gods! `Saturn ! look up—andfor what, poor lost king? I have no comfort for thee, no—not one ; (356) I cannot cry Wherefore thus sleepest thou : o For heaven is parted from thee, and the earth o Knows thee not, so afflicted,for a God ; The Ocean too, with all its solemn noise, Has from thy sceptre pass'd ; and all the air Is empied of thine hoary Majesty. (The Fall of Hyperion, Canto I, 11. 339-361) そ の 後 も3行 は 殆 ん ど 即 応 し て い て,た ピ ァ リ ァ ン」46行 hollowear"と 目 の"hisear"と な っ て,少 い した 変 動 は あ りませ ん 。 い うの が 「没 落 」348行 し 説 明 的 で す 。 勿 論,こ 目で は 「ハ イ ・ ・his れ で 以 っ て空 う な大 き な 耳 を 言 い 表 わ し て い る の で す が 。 こ の 部 分 で 注 目す べ き も の と し て は, 「ハ イ ピ ア リ ア ン 」50行 accenting"と き,対 目"theselikeaccents"カ ミ,「没 落 」 で は"thislike あ り ま す 。"accents"と"aCCenting"の 置 し て み ま す と, accent poet A significant tone or sound ; a word ; in pl. speech, language ; including both the tones and their meaning. (0. E. D.) 62 、 各 々を 辞 書 を ひ も と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 accenting vbl. sb. f. Accent v. + ing 1. A pro- nouncing with accent or stress. 3. Uttering or prononcing ; intoning. (0. E. D.) こ の よ うY'"accents"の 更 に,同 方 が 雅 語,詩 じ 行 で,「 落 」 で は"0"が 的 な言 葉 で す 。 ・・イ ピ ァ リ ァ ソ」 は"Ohowfrail"で 影 を 潜 め ます 。"0"と す が ・ 「没 い う間 投 詞 を 使 う の は キ ー ツ の 初 期 の 欠 点 で す 。 そ れ が 姿 を 消 す の は 良 い こ とで し ょ う。 ち な みY',ス ィ ー ア の 言 葉 は,「 ハ イピ ァ リァン」 で は 各行 ご とそ の頭 Y'引 用 符 が 付 け ら れ て い る の に 反 し,「 没 落 」Y'あ っ て は 最 初 の 行 と最 後 の 行 だ け で 一 層 す っ き りし た も のV'な っ て い ま す 。 次Y',「 ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 で そ れ か ら 二 行 下 っ た52行 wherefore,poorold?〉,King.で す が,そ what,poorlostking?"Y'呼 で す が,前 表 現 さ れ て,繰 そ し て,ま 目,"andfor 音 の流 れ に重 い 感 じを帯 び させ し,"andforwhat"は ァ ン 」 で は"wherefore"が い る の で す が,こ れ は 「没 落 」354行 応 し ます 。 意 味 上 の 変化 は そ れ ほ ど ない の 者 の"thoughwherefore'Uま て い ま す 。 そ れV'対 目・"though 軽 い も の で す 。 「ハ イ ピ ァ リ こ の52行 目 と54行 目 と の2箇 こ 「没 落 」 に な っ て"wherefore"、 所 で 使 用 され て は"forwhat"に 別 り返 し が 避 け ら れ た と 思 わ れ ま す 。 た,こ の"...lost"と ン 」 の"...old"(52行 い う 「没 落 」 の 表 現 は 「ハ イ ピ ァ リ ァ 目)と い う,あ り きた りの語 句 の 踏 用 を 回避 し よ う と し た も の だ と 言 っ て よ い で し ょ う。 し か し,セ リ ン.コ ー トが こ の 行 へ (3) の 註 で 言 っ て い ま す よ うY',"poOrOld"は シ ェ ー ク ス ピ ア の 「リア 王 」 に お い て リア のepithetと し て,何 度 も 効 果 的 に 使 わ れ て い ま す 。 単V'王 位 を な く し た と い う だ け で は な く,年 老 年 の も つ 悲 劇 性 も,リ な み に,サ ア 同 様,サ 老 い た も の の 哀 れ さ,惨 め さ とい う タ ー ソV'と っ て も 重 要 な 要 素 で す 。 ち タ ー ンが 年 を と って い る こ とを 表 わ す 言 葉 を 拾 って み ま し ょ う。 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 に つ い て は,・ " gray-hair'dSaturn"(BookI,4) 63 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 "His old right hand" "thine hoa ry majesty" "old S aturn" と,四 (Book I, 18) (Book I, 59) (Book I, 89) 度 出 て き ます 。 「没 落 」 の 場 合 で は, "old Sat urn's feet" "His old right hand" "thine hoa ry Majesty" "old Sat urn" "some old man" (Canto I, 320) (Canto I, 323) (Canto I, 361) (Canto I, 400) (C anto I, 440) の 五 度 で す 。-最後 の``someoldman"は の 老 人Z'喩 え て い る の で す 。``old"の 嘆 き悲 しむ サ ター ソ の 姿 を 地 上 意 味 は ,こ の よ うに 重 く,深 刻 なの です。 次 に す す ん で,「 目,``cry"と ァ ン 」 の"o"は ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」54行 な り,意 味 が 強 め ら れ て い ま す 。 ま た,同 目,"thus"は い し た 相 違 で は あ りま せ ん 。 ζ れ で 前 半 の 検 討 を 終 り ま で す 60 'Thy thunder,consciousof the new command , O Rumblesreluctanto'er our fallenhouse ; o LAnd thy sharp lightningin unpractised hands o Scorchesand burnsour onceserenedomain. 64 0 achingtime! 0 momentsbig as years! All as ye passswellout the monstroustruth, And pressit so uponour wearygriefs O _That unbeliefhas not a spaceto breathe. Saturn,sleepon:-0 thoughtless,why did I Thus violatethy slumbroussolitude? _Why shouldI ope thy melancholyeyes? Saturn,sleepon ! whileat thy feet I weep.' ' 行 の 「ハ イ ピ ァ リ 「没 落 」 で の 照 応 は``SO"で 後 半 の 部 分 を 引 用 し ま し ょ う。 64 「没 落 」356行 「没 落 」 で は 削 除 さ れ ま す 。 ∫ 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」56行 が,た 目 の"say"は 、 。 す 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 (Hyperion, Book I, 11. 60-71) 362 Thy thunder, captious at the new command, o Rumbles reluctant o'er our fallen house; o And thy sharp lightning in unpracticed hands o Scorches and burns our once serene domain. 366 With such remorseless speed still come new woes o That unbelief has not a space to breathe. Saturn, sleep on : Me thoughtless, why should I ノ o Thus violate thy slumbrous solitude? o Why should I ope thy melancholy eyes? Saturn, sleep on. while at thy feet I weep_ (The Fall of Hyperion, Canto I, 11. 362-371) 簡 単 な が ら,コ メ ン トを 加 え て お け ば,ま の"consciousof"は ず,「 ハ イ ピ ァ リ ァ ン 」60行 「没 落 」 に お い て は"captiousat"と な っ て,意 目 味が 強 化 され て い ます 。 次 に,「 ・・イ ピ ア リ ア ソ 」64-66行 の 三 行 は,「 没 落 」 の366行 一行に 圧 縮 さ れ て 歌 わ れ て い ま す 。 し か も 前 者 で は"Oachingtime!Omoment bigasyearS!"と い う具 合 に,共 欠 点 を 露 呈 し て い ま す 。 更Y',例 で 感 嘆 符 と,約 "0"や 言 し て,感 っ て,368行 感 嘆 符 を 使 い,甘 証 を 挙 げ れ ば,68行 く,初 目 で"0",71行 情 に 流 れ て い る感 じで す 。 そ の 点,「 感嘆符を一切使わず て い る の で,却 々"0"と ,か く し て,情 目 と370行 わ 以 上,両 詩 の共 通 の詩 行 の約3分 し て きま した が,お お よそ,次 目 没落」 は ち 着 きを保 っ 目 の"whyshouldI"のshouldの 情 感 ヵミ,甘 さ の重 ね を 厚 くす る こ と な く,生 お に 棹 さ さず,落 期 の り き て く る よ うに 思 わ れ ま す 。 に の1を 比 較 検 討 し,そ の相 違 点 を指 摘 の よ うな ことが 定 言 で き る と思 い ます 。 第 一 に ,「 没 落」 は 「ハ イ ピ ァ リァソ」 に比 べ て,説 明 的で あ る こ とで す 。 これ は 「ハ イ ピ ァ リァ ソ」 が 純 粋 な物 語 で,古 典 的 な 叙 事 詩 で あ る のに 対 して,「 没 落 」 は 「私 」Y'よ っ て物 語 が語 られ る とい う近 代 的 なそ れ で あ 65 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 没 落 」 の 同 一 性 と差 異 性 る こ と に 由 来 す る の で し ょ う。 第 二Y'は,「 没 落 」 で は,で 語 の 繰 り返 し を 避 け よ う と し て い る こ と で す 。 第 三 に は,例 が,感 す。 嘆 詞 及 び 感 嘆 符 の 使 用 が 極 力 押 え ら れ,知 「ハ イ ピ ァ リ ァ ン」 で は,こ これ で 共 通 の 詩 行.そ の 詩 行V'つ い て,比 の1の き る だ け 同L 外 は あ ります 的 に な って い る こ とで れ ら は 余 りに 度 々 使 わ れ ま し た 。 小 論 を 終 り ま す 。 ひ き 続 き,残 りの共 通 較 検 討 し て い きた い と思 って い ます 。 註 (1)「 ハ イ ピ ァ リ ァ ソ 」 と 「ハ イ ピ ァ リ ァ ソ の 没 落 」 の 同 一 性 と 差 異 性 一(1)テ に つ い て,OsakaLiteraryReview,No.XI,(1972年 ー マ 秋 発 行),..::. (2)E.DeSelincourt(ed.),ThePoemsofJohnKeats(8thed;London:Methuen, 1961),p.552. (3)ibid.,pp.496-497.尚,原 詩 の 引 用 はH.W.Gaxrod(ed.),ThePoetical u/orksOfJohnKeats(Seconded.;Oxford:theClarendonPress,1966)に ま す 。 66 ょ り