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会計監査人の第三者に対する責任

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会計監査人の第三者に対する責任
会計監査入の第三者に対する責任
41
︿論 説 ﹀
会 計 監 査 人 の第 三者 に対 す る 責 任
は じめ に
ー 1 そ の比 較 法 的 考 察 を 中 心 と し て
一
黒
木
松
男
わ が 国 に お け る 監 査 制 度 は 、 昭 和 四 九年 の商 法 改 正 と ﹁
株 式 会 社 の監 査 等 に 関 す る商 法 の特 例 に 関 す る 法 律 ﹂ (以
下、監査 特例 法 と略 す) の制 定 お よ び 同 五 六 年 の商 法 な ら び に 監 査 特 例 法 の改 正 に よ って 、 抜 本 的 な 改 革 が な さ れ た 。
と く に 、 山 陽 特 殊 鋼 事 件 に代 表 さ れ る粉 飾 経 理 の問 題 お よ び ロ ッキ ー ド 、 グ ラ マ ン等 の航 空 機 疑 惑 事 件 な ど の会 社 の
不 祥 事 件 を 解 決 す る た め に 、 監 査 役 の地 位 の独 立 性 の確 保 や 権 限 の強 化 が は か ら れ 、 外 部 的 監 査 機 関 と し て会 計 監 査
人 制 度 を 新 設 し、 会 計 監 査 人 の地 位 を 強 化 し てき た 。 こ の よ う な 監 査 役 や会 計 監 査 人 の職 務 の重 要 性 を 強 調 す る 反
面 、 そ の職 務 を 適 切 に 遂 行 し な か った 揚 合 の責 任 も 同 時 に 強 化 し た の で あ る。 従 来 、 監 査 役 の第 三者 に 対 す る責 任 を
(1 )
追 究 し た 事 件 は枚 挙 に いと ま が な いが 、 会 計 監 査 人 で あ る 公 認 会 計 士 や 監 査 法 人 に 対 す る責 任 追 究 を し た 例 を 聞 かな
い。 そ の 原 因 は 、 わ が 国 の特 殊 な 非 法 律 的 風 土 に 起 因 す る と い わ れ て い る。 す な わ ち 、 わ が 国 の投 資 者 は諦 め が 早 く
\
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訴 訟 を 嫌 う 傾 向 が あ り、 ま た 、 信 用 調 査 部 門 を そ な え た 銀 行 そ の他 の大 企 業 の場 合 に は 、 取 引 先 の不 正 経 理 を 看 破 で
き な か った こ と を 自 ら 公 に す る こ と に な り 、 面 子 の上 か ら も でき な いと いう のが そ の主 な 理 由 と し て あ げ ら れ て い
(2 )
る。 し か し な が ら 、 こ の よう な 事 態 が 将 来 も 継 続 し て いく と は 到 底 考 え ら れ な い。 先 に あ げ た 昭 和 四〇 年 三 月 の山 陽
特 殊 鋼 の倒 産 を は じ め 、 昭 和 五 〇 年 代 は 、 ニク ソ ン ・シ ョ ック や オ イ ル ・シ ョ ック の あ お りを う け て、 同 五 〇 年 八 月
の興 人 、 同 五 一年 = 月 の東 洋 バ ルブ 、 同 五 三 年 二月 の永 大 産 業 、 同 年 四 月 のヴ ァ ン ・ジ ャ ケ ット 、 最 近 で は 、 同 五
六 年 一二月 の北 炭 夕 張 炭 鉱 な ど 、 本 格 的 な 大 型 倒 産 が 続 々 と報 道 さ れ た 。 これ ら の多 く の倒 産 事 件 で は、 確 か に 、 企
業 経 営 の執 行 責 任 と いう 見地 か ら 、 そ の責 任 追 及 の標 的 は 、 す べ て社 長 あ る いは 、 代 表 取 締 役 であ り、 監 査 役 あ る い
(3 )
は会 計 監 査 人 が 何 ら か の形 で責 任 を 問 わ れ ま た は訴 え ら れ た 事 例 は ほ ん の数 え る ほ ど し かな い。 ま た 、 ロッ キ ー ド 、
グ ラ マ ン等 の航 空 機 疑 惑 な ど の企 業 の 不 正 事 件 に お い ても 、 こ の こと は 同 様 であ った 。 し か し 、 昭 和 四 九 年 以 降 の商
法 改 正 作 業 は 、 明 ら か に 、 監 査 役 あ る いは 会 計 監 査 人 を 、 企 業 の自 主 統 制 機 構 の頂 点 に 存 在 す る も のと し て、 そ の職
責 の重 要 性 を 強 調 し て き た 。 昭 和 五 六 年 の改 正 に 伴 い、 取 締 役 の自 己 取 引 や 無 償 供 与 等 を 監 査 報 告 書 に 記 載 す べ き こ
と を 省 令 で規 定 し た のも 、 こ の路 線 の 一つ のあ ら わ れ で あ ろ う (
監査報 告書規則 七 ・一項参 照 )
。 そ し て、 そ の職 務 を 全
う し な か った 揚 合 に 、 監 査 役 あ る い は会 計 監 査 人 の会 社 お よ び第 三者 に対 す る民 事 責 任 を規 定 し て い る。 し た が っ
て、 今 後 、 監 査 役 さ ら に は会 計 監 査 人 が 、 会 社 ま た は第 三者 か ら そ の責 任 を 追 及 さ れ る ケ ー スが 増 え ℃ いく こ とが 当
然 予 想 さ れ る。 本 稿 で は こ のう ち 、 と く に 会 計 監 査 人 の第 三者 に 対 す る責 任 に的 を し ぼ って考 察 を 試 み る こ と に す
る 。 け だ し 、 企 業 の外 部 監査 機 関 と し て、 ま た 、 会 計 監 査 の職 業 的 専 門 家 と し て、 会 計 監 査 人 は、 今 後 、 最 も 重 要 な
立 場 に 立 つも のと 考 え ら れ る か ら で あ る 。 こ の よ う な 公 認 会 計 士 と いう 職 業 的 専 門 家 に よ る 外 部 的 監 査 を 導 入 し た の
は 、 わ が 国 で は、 昭 和 四 九 年 か ら で あ る が 、 諸 外 国 に お い て は、 か な り 以 前 か ら こ の外 部 的 監 査 が 行 わ れ て い る。 そ
こ で、 本 稿 で は、 イ ギ リ スと フ ラ ン ス の場 合 の会 計 監 査 役 制 度 を 概 観 し な が ら 、 会 計 監 査 役 の第 三者 に 対 す る責 任 に
会計監査人の第三者に対する責任
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(4 )
(5 )
関 す る 判 例 や学 説 を 紹 介 し つ つ比 較 法 的 に考 察 を 試 み る こと に す る。 ま ず 、 イ ギ リ スに お い て は、 会 計 監 査 役 の第 三
と いう 三 つの袋
的 な先 禦
あ り・ これ ら を 忠
鍾 甘竃 9 一〇①α ω¢同
に し て、 会 計 監 査 役 の第 三者 に 対 す る責 任 の問 題 を 考
者 に 対 す る 責 任 に 関 す る規 定 は 会 社 法 に は存 在 し な いが 、判 例 法 上 、 d一
#餌§ 鉾 Φω事 件 、O磐 亀興 事 件 お よ び 閏Φ亀Φ︽
じd崔 Φ 穐
究 し て い る 。,つぎ に 、 フ ラ ン ス の場 合 は 、 一九 六 六 年 七 月 二 四 日 の商 事 会 社 法 (い9 コ。①①凸 鵯 9
一
①。。 ω。。一
α鼠 8 ヨ目 26巨 ①ω) の 第 二 三 四 条 一項 に 、 会 計 監 査 役 の第 三 者 に 対 す る 責 任 に 関 す る 規 定 が あ る の で 、 こ の 規
定 の 解 釈 上 問 題 と な る 点 を 列 挙 し 、 そ の問 題 点 を 、 フ ラ ン ス に お け る 学 説 や 判 例 を 参 照 し な が ら 解 明 し て い る 。 そ し
て 、 最 後 に 、 こ れ ら が わ が 国 に お け る 会 計 監 査 人 の 第 三 者 に 対 す る 責 任 に 関 す る 規 定 の解 釈 に お い て 、 何 ら か の 示 唆
を 与 え て く れ る か否 か に つ い て考 察 し た いと 思 う 。
二、 イ ギ リ ス に お け る 会 計 監 査 役 の第 三 者 に 対 す る 責 任
ω 会 計 監 査 役 制 度 の概 要
イ ギ リ ス法 に お け る会 計 監 査 役 制 度 は、 一七 八 九 年 の特 別 法 に よ り、 ま ず 銀 行 に つ い て 設 置 さ れ 、 つい で、 一九 〇
〇 年 の会 社 法 お よ び 一九 〇 八 年 の会 社 総 括 法 に よ り、 ︼般 会 社 に も 強 制 さ れ る よ う に な った 。 これ は 、 会 社 業 務 の民
主 的 支 配 、 す な わ ち 、 株 主 に よ る会 社 業 務 の監 督 ・支 配 を 期 待 し た も の であ った 。 し か し、 第 一次 世 界 大 戦 以 後 は、
(7 )
一般 大 衆 投 資 家 の裾 野 が 拡 が り 、 会 社 業 務 に 関 心 を 向 け る よ り も 、 会 社 か ら の利 益 配 当 に関 心 を 寄 せ る投 資 家 が 増 大
の地 位 を 強 化 し 、 そ の独 立 性 を 保 持 す るた め の規 定 を新
し 、 株 主 に よ る 会 社 業 務 の 監 督 ・支 配 は 、 お よ そ 無 に 等 し い と い って よ い 状 態 に な っ て し ま った 。 そ こ で 、 一九 二 九
年 の 会 社 法 お よ び 一九 四 八 年 の 会 社 法 は 、 監 査 役 (き 島8 邑
設 す る こ と に よ っ て 、 株 主 に よ る 会 社 業 務 の 監 督 ・支 配 か ら 、 監 査 役 に よ る 会 社 業 務 の 監 督 ・規 制 へと 移 行 し た 。 と
く に 、 一九 四 八 年 の会 社 法 に よ り 、 初 め て会 計 監 査 役 は 、 特 免 私 会 社 (①×①ヨ℃け箕 ぞ讐。 8 日 窓 塁 )を 除 い て 、 会 計 士
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(餌OOO二H
P
け口]Pけω) の 資 格 を 要 求 さ れ る よ う に な った
(同 法 一六 一 . 一項 )。 す な わ ち 、 監 査 役 の 被 選 資 格 の積 極 的 要 件 と し
て 、 連 合 王 国 内 で 設 立 さ れ 、 商 務 院 (ゆ09H山Oh]り
鴇①息O) に よ っ て 承 認 さ れ て い る 会 計 士 協 会 (げ。身 。h 8 8 § 5三 ω) の会
員 で あ る こ と が 必 要 と な った の で あ る 。 こ の よ う に 、 イ ギ リ ス で は 、 早 く か ら 公 認 会 計 士 と い う 会 計 専 門 家 に よ る 会
計 監 査 を 導 入 し て い た 。 ま た 、 一九 四 八 年 の会 社 法 は 、 監 査 役 の 職 務 権 限 を 明 ら か に し て い る 。 す な わ ち 、 監 査 役 の
主 要 な 職 務 は 、 年 次 総 会 に 提 出 さ れ る 貸 借 対 照 表 、 損 益 計 算 書 に つ い て 、 そ れ が 会 社 の 真 実 の財 産 状 態 や 損 益 の 内 容
を 公 正 に 表 示 し て い る か 否 か を 監 査 し 、 そ の監 査 の 結 果 を 年 次 総 会 に 報 告 す る こ と で あ る (同法 一六 二 )。 そ し て 、
右 の 目 的 を 達 成 す る た め 、 監 査 役 は 、 い つ で も 、 会 社 の会 計 に 関 す る 諸 帳 簿 、 計 算 書 類 、 証 拠 書 類 等 を 閲 覧 し 、 ま
た 、 必 要 が あ る と き は 、 会 社 の 役 員 に 対 し て 情 報 お よ び 説 明 を 求 め 、 そ の他 、 年 次 総 会 に 出 席 し て 、 自 己 の 職 務 に 関
係 の あ る 事 項 に つ い て 意 見 を 開 陳 す る 権 利 を 有 し て い る の で あ る (同 法 一六 二 ・三項 、 四項 )。 そ の後 、 こ の 一九 四 八 年
(8 )
会 社 法 お よ び そ の 関 連 法 規 の規 定 と そ の 作 用 を 再 検 討 す る た め 、 一九 五 九 年 一二 月 に 、 政 府 の 諮 問 機 関 と し て 会 社 法
委員 会 (
Oo日冨 昌 冨≦ 8ヨ慧 80) が 設 置 さ れ た 。 同 委 員 会 は 、 ジ ェン キ ン ス卿 (
い自α 冨艮 一
器 )を 会 長 と し 、 投 資 者 保
護 に 関 す る 現 行 法 制 の適 否 お よ び 企 業 合 同 を 目的 と す る株 式 の買 占 め (
け
鋤閃O・
O︿
・O搬 び一
創ω
) の社 会 に 及 ぼ す 影 響 等 を 主 な
検 討 内 容 と し て いた が 、 一九 六 二年 六 月 に そ の報 告 書 を 公 表 し た 。 こ の報 告 書 が 、 一般 に、 ジ ェン キ ン ス ・レポ ー ト
(
匂
。口民器 .図。
宮 5 と 呼 ば れ、 そ の第 = 章 は ﹁
監 査 役 ﹂ と 題 し、 監 査 役 の資 格 、 選 任 お よ び解 任 、 監 査 役 の権 限 、 監
査 役 の報 告 書 の様 式 等 に 分 か れ て勧 告 が な さ れ て い る。 こ の勧 告 に 基 づ いて な さ れ た 改 正 が 、 一九 六 七年 の会 社 法 と
な った わ け で あ るが 、 同 法 は 、 監 査 役 に 関 し て は 、 一九 四 八 年 法 を ほ ぼ 踏 襲 し 、 た だ 、 会 計 監査 役 の被 選 資 格 、 監 査
報 告 書 の記 載 事 項 お よ び 監査 役 の権 限 に若 干 の修 正 を 加 え た に す ぎ な か った 。
働 会 計 監 査 役 の第 三者 に対 す る 責 任
以 上 のよ う な 立 法 の経 緯 に よ って、 イ ギ リ ス法 に お け る会 計 監 査 役 制 度 が 存 在 し て いる の で あ るが 、 会 計 監 査 役 の
会計監査入の第三者 に対する責任
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任 務 解 怠 ・注 意 義 務 違 反 に つ い て の 民 事 責 任 に 関 し て は 、 会 社 法 上 明 文 の 規 定 が な い 。 そ こ で 、 こ の問 題 の解 決 は 、
判 例 法 に 依 存 せ ざ る を え な い。 す な わ ち 、 ① 会 計 監 査 役 は 第 三者 に 対 し て 民 事 責 任 を 負 う か 、 ② 民 事 責 任 を 負 う 場 合
の第 三 者 の 範 囲 は ど こ ま で か 、 ま た 、 ③ そ の 民 事 責 任 の 性 質 は ど う 理 解 す べ き か 、 ④ 注 意 義 務 違 反 の 判 断 の 前 提 と し
て 会 計 監 査 役 の 注 意 義 務 は ど の 程 度 な の か 等 が 問 題 と な る が 、 以 下 判 例 を 参 照 し な が ら 、 こ れ ら の 問 題 に ア プ ロー チ
し て い く こ と に す る 。 イ ギ リ ス の 判 例 法 上 、 会 計 監 査 役 の第 三 者 の責 任 が 問 題 と な った 先 例 は 、 臼 時9。白 霞 Φω 事 件 、
Oき 臼 2 事 件 お よ び 団Φ亀 Φ︽ 切く巨 Φ 事 件 が 代 表 的 な も の で あ る か ら 、 主 に 、 こ れ ら の 三 つ の 判 例 を 考 察 し な が ら 、 上
記 の 設 問 に 対 す る 解 答 を 与 え て い く こ と に す る 。 そ こ で 、 ま ず 、 こ れ ら 三 つ の判 例 の事 件 の 概 要 を 略 述 す る こ と に し
よ う。
ま ず 、 d一
霞 帥白 舘 Φω 事 件 の 概 要 は 、 つぎ の と お り で あ る 。 被 告 で あ る ツ ー シ ュ (↓○=oげ①) は 、 公 認 会 計 士 事 務 所
を 作 成 し 、 そ れ に 監 査 役 証 明 書 (8 ﹃臨 。鉾Φ ・h9。& ぎ 居
ω) を 添 付 す る サ ー ビ ス を 、
(
貯 ヨ ・暁 蜜 びぎ 碧 8 毒 富 巳 ω) の 一員 で あ り 、 ブ レ ッ ド ・ス タ ー ン会 社 (犀 巴 ωけ
。ヨ 卿 oρ)に 雇 わ れ て 、 同 社 の 経 営 状
態 を 示 す 貸 借 対 照 表 (σ巴弩 8 昌 ①8
毎 年 度 決 算 期 に 提 供 し て い た 。 フ レ ツド ・ ス タ ー ン会 社 は 、 実 質 的 に は 、 ス タ ー ン自 身 の個 人 会 社 で 、 弾 性 ゴ ム 製 品
の 輸 入 お よ び 販 売 に 従 事 し て い た が 、 事 業 資 金 の 調 達 の た め に 、 同 社 は 、 広 範 囲 に わ た る信 用 を 必 要 と し 、 銀 行 そ の
他 の 融 資 先 か ら 巨 額 の資 金 を 借 り 入 れ た 。 そ の際 、 被 告 で あ る ツ ー シ ュは 、 自 ら の証 明 し た 貸 借 対 照 表 が 、 フ レ ツ
ま た は 販 売 者 (ω巴 。邑 に 提 示 さ れ る で あ ろ う こ と を 認 識 し て い た 。 し た が って 、 貸 借 対 照 表 を 作
ド ・ス タ ー ン会 社 に よ っ て 、 金 融 取 引 の 基 礎 と し て 、 銀 行 (ぴ"口吋ω)、 債 権 者 (。器 鼻 。邑 、 株 主 (ω8。写 。一
α。邑 、 製 品 の
購 入 者 (窪 容冨 ωΦ邑
成 し た と き 、 ツ ー シ ュは 、 フ レ ツド ・ ス タ ー ン会 社 に 、 副 本 と し て 通 し 番 号 の 付 し て あ る 証 明 済 の 三 二 通 の 写 し を 交
付 し た 。 た だ 、 そ の際 、 これ ら の副 本 が 提 示 さ れ る 人 間 、 ま た は 、 こ れ ら が 使 用 さ れ る取 引 の範 囲 や 数 に つ い て は、
な ん ら 触 れ る こ と が な か った 。 と く に 、 問 屋 と し て ブ レ ッド ・ ス タ ー ン会 社 と 取 引 を し て い た 原 告 で あ る ウ ル ト ラ マ
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レ ス会 社 (q年 四ヨ霞 。ωO。愚 ●
)の 名 前 も 挙 が って い な か った 。 そ の 後 、 フ レ ツド ・ス タ ー ン会 社 は 、 経 営 不 振 に 陥 り 、
破 産 す る に 至 った 。 そ こ で 、 ウ ル ト ラ マ レ ス会 社 は 、 ツ ー シ ュを 相 手 取 っ て 、 公 認 会 計 士 の虚 偽 の 陳 述 (自 ω器 震 。ω。午
↓
9δ口)と い う 不 法 行 為 に よ っ て 蒙 った 損 害 の 賠 償 を 求 め て 本 訴 を 提 起 し た 。 ニ ュー ヨ ー ク 控 訴 裁 判 所 は 、 ウ ル ト ラ マ
レ ス会 社 の 請 求 を 棄 却 し 、 ツ ー シ ュ の民 事 責 任 を 否 定 し た 。
つぎ に 、 OΩ。コ巳 興 事 件 は 、 被 告 で あ る ク レ イ ン ・ク リ ス マ ス会 社 (9 ①器 "Oξ δ什ヨ①ω 俸 Oo●
)が 、 監 査 役 と し て 、 そ
の事 務 員 を 使 っ て 、 そ の会 社 に 投 資 す る よ う 勧 誘 す る た め に 、 原 告 で あ る キ ャ ンド ラ ー (Oき 亀興 ) に 提 示 さ れ る 会 社
の計 算 書 類 と 貸 借 対 照 表 を 準 備 し た こ と に 、 こ の事 件 の 発 端 が あ る 。し か し 、そ の計 算 書 類 は 、不 注 意 に (昌Φαq=αq2 けξ)
準 備 さ れ た も の で 、 会 社 事 業 の 状 態 に 関 し て 正 し い 認 識 を 与 え る も の で はな か った 。 こ の計 算 書 類 の 正 確 さ を 信 用 し
て 、 キ ャ ン ド ラ ー は 、 そ の 会 社 の株 式 、 総 額 二 〇 〇 〇 ポ ンド を 引 き 受 け た 。 し か し な が ら 、 こ の 投 資 し た 金 員 を 喪 失
す る 事 態 に な って し ま った 。 そ こ で 、 原 告 で あ る キ ャ ンド ラ ー は 、 被 告 で あ る ク レ イ ン ・ク リ ス マ ス会 社 に 対 し 、 自
(O餌同① 餌b﹁
島ω吋凶
=) を 尽 さ な か った こ と が 認 め ら れ た も の の 、 第 一審 裁 判 所 は 、 原 告 の 請 求 を 棄 却 し
ら が 蒙 った 損 害 に つ い て 責 任 が あ る と の 判 決 を 求 め て 本 訴 を 提 起 し た 。 被 告 が 計 算 書 類 の 準 備 お よ び 提 出 に 際 し 、 本
来 の注 意 と技 能
た 。 ま た 、 控 訴 裁 判 所 に に お い て も 控 訴 は棄 却 さ れ た 。
最 後 に 、 類Φ亀 Φ団 切望ヨ ① 事 件 の 概 要 に 触 れ る こ と に し よ う 。 原 告 と な った ヘド リ ・バ ー ン 会 社 (閏巴 一
①団 bd旨 器 卸
Oρ い準 )は 、 イ ー ジ パ ワ ー 会 社 (団U
gobω一
bOぐ
く①同 H孫ユ・
) と 取 引 を し て い た が 、 ︼九 五 八 年 八 月 、 こ の会 社 に 関 す る 銀 行 業
の ピ カ デ リ ー 支 店 (国08 自 ぐ ゴ 雪 号 ) に 預 金 を し て い た 関 係 か ら 、 イ ー ジ パ ワ i 会 社 に つ い て の報 告 書 の 獲 得
者 の報 告 書 (σ9。葺 2 、
ω 話 娼。5 を 欲 し て い た 。 そ こ で 、 ヘド リ ・バ ー ン会 社 は 、 国 家 地 方 銀 行 (Z豊 ・葛 一津 。︿ぎ。芭 切蝉昆
犀e
を 依 頼 し た 。 ピ カ デ リ ー 支 店 は、 本 店 であ る国 家 地 方 銀 行 と 連 絡 を 取 り、 本 店 は 、 イ ! ジ パ ワ ー 会 社 が 銀 行 取 引 を し
て い た 被 告 銀 行 と な った ヘラ 有 限 責 任 組 合 (甲H①一
一
①﹃卿 ℃四Nけ
]P①﹃
ω H、
什山●
) に 電 話 連 絡 を し た 。 そ の際 、 国 家 地 方 銀 行 は 、
会計監査人の第三者に対す る責任
47
ヘラ 有 限 責 任 組 合 に 、 ヘド リ ・バ ー ン 会 社 が 秘 密 裡 に 、 ま た 銀 行 側 に 迷 惑 を か け ず に 、 イ ー ジ パ ワ ー 会 社 の信 用 と 名
声 お よ び 同 社 が 、 八 〇 〇 〇 ∼ 九 〇 〇 〇 ポ ン ド の 広 告 契 約 (巴 く。三 ωぎαq 8 馨 冨 9) を 締 結 す る の に 適 格 性 を 有 す る か 否
か に つ い て知 り た が って い る旨 を 伝 え た。 こ の 口頭 の質 問 に 対 し て、 被 告 銀 行 は 口頭 で回 答 を 与 え た 。 こ の回 答 は 、
国 家 地 方 銀 行 の ピ カ デ リ ー 支 店 に よ っ て ヘド リ ・バ ー ン 会 社 に 連 絡 さ れ た 。 そ の 後 、 ヘド リ ・バ ー ン会 社 は 、 同 年 一
一月 四 日 に 、 再 度 、 同 様 の 質 問 を 国 家 地 方 銀 行 の ピ カ デ リ ー 支 店 に 手 紙 で 行 っ て い る 。 そ の 手 紙 の中 で 、 ヘド リ .バ
ー ン 会 社 は 、 ﹁当 社 は 、 取 締 役 ら か ら 、 再 度 、 イ ー ジ パ ワ ー 会 社 の 財 政 状 態 や 現 状 を 調 査 す る こ と を 貴 行 に 依 頼 す る
月 七 日 付 の手 紙
よ う 要 請 さ れ た 。﹂ と 書 い て お り 、 そ の 結 び で ﹁貴 行 が 、 で き る か ぎ り 合 理 的 に 余 す 所 の な い調 査 を し て い た だ け れ
ば 、 感 謝 に た え ま せ ん ﹂ と 述 べ て い る 。 そ こ で 、 親 展 (℃民一
くOけΦ 鋤昌山 ∩W
O口訪良Oコけ一
曽一
)と 表 書 き さ れ た =
の 中 で 、 国 家 地 方 銀 行 の ロ ン ド ン本 社 は 、 被 告 銀 行 に 対 し 、 イ ー ジ パ ワ ー 会 社 の信 用 や 名 声 に 関 す る 内 々 の意 見 を 求
め 、 ま た 、 同 社 が 、 年 間 一〇 〇 、 ○ ○ ○ ポ ン ド の範 囲 の 広 告 契 約 を 締 結 す る う え で 信 用 で き る か 否 か を 回 答 す る よ う
﹁当 行 は 責
依 頼 し た 。 こ れ に 対 し 、 被 告 銀 行 は 、 国 家 地 方 銀 行 へ送 付 し た 一 一月 一 一目 付 の 手 紙 の中 で 、 こ れ を 肯 定 す る 回 答 を
な し た 。 こ の 手 紙 に は 、 ﹁親 展 ﹂ (o。魯 9 口什巨 ) ﹁貴 殿 の 私 用 に 供 す る こ と ﹂ (閃霞 岩 ξ 嘆 貯讐。 二ω。) お よ び
任 を 負 い ま せ ん ﹂ (三 魯 。暮 器 ωb8 玖σ濠け
団 § 荘 ① b母茸 ぼ ω冨 昆 ) と 表 書 き が な さ れ て い た 。 同 一の 表 書 き を 有 す る 一
一月 一四 目 付 の 手 紙 に よ って 、 国 家 地 方 銀 行 は 、 被 告 銀 行 が 回 答 の 中 で 述 べ て い る こ と を ヘド リ 。バ ー ン会 社 へ伝 え
た 。 こ の 照 会 を 信 頼 し て 、 原 告 ヘド リ ・バ ー ン会 社 は 、 イ ー ジ パ ワ i 会 社 へ注 文 し た 。 そ の結 果 、 一七 、 ○ ○ ○ ポ ン
ド の 損 害 を 受 け た 。 そ こ で 、 ヘド リ ・バ ー ン 会 社 は 、 被 告 銀 行 ヘ ラ 有 限 責 任 組 合 に 対 し 、 損 害 賠 償 請 求 訴 訟 を 提 起 し
た 。 結 局 、 貴 族 院 (剛
向O二ωO Oh [O同創ω)は 、 原 告 の請 求 を 棄 却 し た 。
こ れ ら 三 つ の 事 件 を 中 心 に し て 、 前 述 し た 四 つ の問 題 点 を 検 討 し て み る こ と に す る 。 ま ず 、 会 計 監 査 役 は 第 三 者 に
対 し て 民 事 責 任 を 負 う か と い う 問 題 で あ る が 、 こ の 三 つ の事 件 は 、 こ れ を 肯 定 し た う え で 、 第 三 者 の範 囲 の問 題 に 移
48
(9)
って い る。 学 説 に お い て も 、 これ を 肯 定 す る のが 多 数 の よ う であ る。 し た が って、 つぎ の問 題 であ る会 計 監 査 役 が 民
事 責 任 を 負 担 す る 第 三 者 の範 囲 に つ い て考 察 し て み る こ と に す る 。 こ の点 に 関 し 、 Oき 亀Φ居事 件 に お い て 、 デ ニ ング
卿 (
いoa U①言 貯αq)は 、 職 業 的 専 門 家 で あ る会 計 監 査 役 が だ れ に 対 し て注 意 義 務 を 負 担 す る の か と いう 問 を 投 げ か け
た の ち 、 ﹁会 計 監 査 役 が 、 雇 用 者 (
Φ白艮2 興) や 依 頼 人 (
。
幕 自 )に 対 し て こ の注 意 義 務 を 負 担 す る こと は 勿 論 で あ る
が 、 会 計 監 査 役 が 自 ら そ の計 算 書 類 を 提 示 す る 第 三者 や 雇 用 者 が あ る 人 間 に投 資 を 勧 誘 す る た め と か、 他 のな ん ら か
の行 動 を と ら せ る た め に 、 そ の計 算 書 類 を 提 示 し よ う と す る こと を会 計 監 査 役 が 認 識 し て い る場 合 に は 、 そ の第 三者
(10 )
に 対 し て も 、 こ の注 意 義 務 を 負 担 し て い る と 思 料 す る ﹂ と 述 べ て い る 。 ま た 、 国Φ臼①団 じo翼 ヨ Φ 事 件 に お け る モ リ ス
卿 ( [O﹃
畠 冨○同﹁
一
ω
)は 、﹁第 三者 が 会 計 監 査 役 の判 断 や 技 能 や 入 念 な 調 査 能 力 を合 理 的 に 信 頼 し て い る と 認 識 し う る状 況
に お い て、 会 計 監 査 役 が 、 情 報 や助 言 を 提 供 し 、 そ の情 報 や 助 言 を 伝 達 さ れ る ま ま に 放 置 し た た め 、 会 計 監 査 役 が 認
識 し ま た は 認 識 し得 べ き 第 三者 が 、 そ の情 報 や 助 言 を 信 頼 し て し ま った よ う な 場 合 に 、 注 意 義 務 は生 じ て く る の で あ
(11 )
る ﹂ と 述 べ て い る 。 さ ら に 、 ガ ウ ア 教 授 (Oo≦興 ) は 、 ﹁監 査 役 は 、 自 ら が 監 査 し た 計 算 書 類 が 、 潜 在 的 投 資 者 (冨 壁
。暮 芭 言く①ω8目) に よ り 信 頼 さ れ て い る こ と を 認 識 し て い る 場 合 、 会 社 の 構 成 員 以 外 の も の に 対 し て さ え も 同 様 の 注 意
(12 )
(山①げΦ暮 霞 。 ぎ 匡8 、 ま た は 、 将 来 の投 資 者
(寓 。ωbΦ註 くΦ ぎく①ω§ )に 対 し 、 責 任 を 負 う ﹂ と し て 転 磁 。 こ の
義 務 を 負 っ て い る ﹂ と 述 べ て お り 、 ペ ニ ン ト ン教 授 (勺g 巳護 汁
8 )は 、 ﹁監 査 役 ま た は 会 計 士 は 会 社 の 構 成 員 (日Φヨび興 )、
社 債 権者
よ う に 、 会 計 監 査 役 が 民 事 責 任 を 負 担 す る第 三 者 の範 囲 は 、 会 社 の構 成 員 や 社 債 権 者 に と ど ま ら ず 、 潜 在 的 ま た は 将
来 の投 資 者 に ま で お よ び 、 さ ら に 、 モ リ ス卿 の 言 葉 を 借 り れ ば 、 会 計 監 査 役 の情 報 や 助 言 を 信 頼 し 、 そ れ を 会 計 監 査
役 自 身 が 認 識 し ま た は 認 識 し 得 べ き 第 三 者 に も そ の範 囲 が 拡 張 さ れ て い る と い え よ う 。 こ こ で 注 意 す べ き こ と は 、 ま
ず 、 0き 色 ΦH 事 件 で は 、 会 計 監 査 役 の責 任 が 否 定 さ れ て い る こ と で あ る 。 デ ニ ング 卿 は 、 こ の 事 件 で 、先 に 述 べ た 如
く 、 そ の 責 任 を 肯 定 す る 立 場 に 立 って い る が 、 他 の 二 人 の 判 事 、す な わ ち 、 コ ー エ ン判 事 (OOゴ①口 ][
.匂●
)と ア ス ク ウ ィ
会計監査人の第三者に対する責任
49
ス 判 事 (︾ωρロ一
け
げ [。匂●
) が 、 そ の責 任 を 否 定 す る 意 見 を 述 べ た た め で あ る 。 そ の 意 見 と は 、 契 約 関 係 (8 馨 毎 。言 巴
﹃。一
魯 8 ωぼ ロ)や 信 任 関 係 (ま 鼠 鋤蔓 匡 註 8 ωぽ℃) が 当 事 者 間 に な い場 合 に は 、 会 計 監 査 役 は 、 計 算 書 類 を 作 成 し た り 、
(14 )
監 査 証 明 書 を 提 出 し た り す る 際 に 、 こ の注 意 義 務 を 負 わ な い と し 、 原 告 は 、 こ れ か ら 株 主 に な ろ う と す る 人 間 で あ っ
て 、 会 計 監 査 役 と は信 任 関 係 す ら な い と す る も の であ る。 こ の こ と は 、 会 計 監 査 役 の民 事 責 任 の性 質 に も 関 連 す る問
題 で あ る の で 後 に 触 れ る こ と に す る 。 つぎ に 注 意 す べ き 点 は 、 頃 Φ島 ①蜜 じσ胃 5Φ事 件 で 、 何 故 原 告 の請 求 が 棄 却 さ れ た
の か と い う 点 で あ る 。 モ リ ス卿 の 見 解 か ら す る と 、原 告 の請 求 が 認 容 さ れ る べ き ケ ー ス だ か ら で あ る 。 こ の 事 件 で は 、
前 述 し た よ う に 、 被 告 は 、 ﹁親 展 ﹂ と か 、 ﹁貴 殿 の 私 用 に 供 す る こ と ﹂ と か 、 ﹁当 行 は 責 任 を 負 い ま せ ん ﹂ と の 記 載 を
(15 )
な し て お り 、 明 ら か に 責 任 を 負 わ な い 旨 を 報 告 書 に 表 示 し て い た こ と が 、 被 告 の責 任 を 否 定 し た 根 拠 と な っ て い る の
で あ る 。 さ ら に 、 d一
爲9目 霞 ①ω 事 件 の場 合 に も 被 告 の責 任 を肯 定 す べ き 場 合 と な る か 否 か が 一応 疑 問 と し て残 る。 こ
の場 合 、 ウ ルト ラ マ レ ス会 社 の こと を 、被 告 ツ ー シ ュが 認 識 し ま た は 認 識 し 得 べ き 第 三者 と み る か 否 か で結 論 が 異 な
って く る と思 わ れ る。 前 述 し た よ う に 、 ツ ー シ ュは 、自 ら 証 明 し た 貸 借 対 照 表 が 、 金 融 取 引 の基 礎 と し て 、 銀 行 、 債
権 者 、 株 主 、 製 品 の購 入 者 ま た は 販 売 者 に 提 示 さ れ る で あ ろ う こ と を 認 識 し て いた 。 こ の認 識 は包 括 的 な 認 識 であ っ
て 、 ウ ルト ラ マ レ ス会 社 と いう 個 別 的 な 認 識 で は な か った 。 思 う に 、 山⑦9Φ団 ]
W饗 コΦ事 件 以 後 の判 例 の動 向 か ら す る
と 、 認 識 し得 べ き 第 三者 の中 に包 含 さ れ て、 そ の責 任 を 肯 定 す べ き 事 例 と な る よ う に 思 わ れ る 。
(16 )
つぎ に 、 会 計 監 査 役 の民 事 責 任 の性 質 に つ い て考 察 す る こと に す る。 先 に 若 干 触 れ た よ う に 、 会 計 監 査 役 が 契 約 関
(17 )
係 (8 三 雷 9§ 一匡 銭 8 ω圧娼) を 有 し て い る の は 、 会 社 に 対 し て だ け で あ る 。 こ れ に 対 し 、 会 社 の構 成 員 と は 信 任 関 係
(ま ロ。幽
Ω。曼 同Φ一
註 8 ω三 娼)に あ る も の と 一般 に 考 え ら れ て い る 。 し た が っ て 、 契 約 関 係 に あ る 場 合 に は 、 契 約 責 任 の問 題
(18 )
と な る が 、 会 社 の構 成 員 の よ う に 信 任 関 係 に あ る場 合 や 構 成 員 以 外 の第 三者 の よ う に信 任 関 係 す ら な い場 合 に は 、 不
法 行 為 責 任 の問 題 と な る の であ る 。 こ の点 で 、 先 の Oき 色霞 事 件 の揚 合 の コー エ ン判 事 や ア スク ウ ィ ス判 事 の見 解
50
の よ う に 、 信 任 関 係 す ら な い の で あ る か ら 、 会 計 監 査 役 は 民 事 責 任 を 負 わ な い と す る のは 、 いさ さ か形 式 的 な い し 狭
隆 な 見 解 と い わ ざ る を え な い 。 ち な み に 、山Φ色 Φ団 しU旨 昌Φ事 件 に お い て 、 リ ー ド 卿 (一
し
O﹃自菊一
〇α)は 、 ﹁本 判 例 (09己 一
巽事
(19 )
件 の こ と 、 筆 者 注 ) は 、 本 官 に と っ て 、責 任 を 負 担 す る こ と に 同 意 し た 典 型 的 な 判 例 で あ る と 思 わ れ る ﹂ と 述 べ て い る 。
こ
の付 随 的 意 見
最 後 に 、 会 計 監 査 役 の 注 意 義 務 の 程 度 に つ い て 、 検 討 を 試 み る こ と に す る 。 こ の点 に 関 し 、 イ ギ リ ス の 判 例 の 変 遷
の あ と を た ど る こ と に し よ う 。 ま ず 、 知Φ 丙 言 αqω8 昌 事 件 に お け る 有 名 な ロペ ス判 事 (い。窟 ω 炉
(&oε 日)を 多 少 長 く な る が 引 用 し て み よ う 。 ﹁応 分 の 範 囲 で 、 有 能 で 、 注 意 深 く 、 そ し て慎 重 な 監 査 役 が 、 通 常 用 い
る 技 能 、 注 意 お よ び 慎 重 さ を 発 揮 す る 必 要 の あ る 職 務 に 集 中 す る こ と が 、 監 査 役 の義 務 で あ る 。 そ し て 、 な に が 適 度
の 技 能 、 注 意 お よ び 慎 重 さ か は 、 そ れ ぞ れ の 事 件 の 特 別 の状 況 に よ る の で あ る 。 さ て 監 査 役 は 、 探 偵 (◎⑦け
06什
凶
ぐ・O) で
あ る 必 要 は な く 、 ま た よ く 言 わ れ る よ う に 、 疑 いを も って、 ま た は 、 な に か 誤 り が あ る の で は な い か と いう偏 見 を も
っ て 、 自 ら の 職 務 に 従 事 す る 必 要 は な い の で あ る 。 つ ま り 、 監 査 役 は 、 番 犬 (類98亘 oσq) で あ っ て 、 警 察 犬 (ぎ 。亭
ぎ § 住)で は な い 。 彼 は 、 会 社 が 信 頼 す る あ て に な る 会 社 の使 用 人 を 信 用 す る と い う こ と で 正 当 な 理 由 が あ る こ と に な
る。 ま た 、 相 当 な 注 意 を 尽 し た 場 合 、 監 査 役 に は 、 使 用 人 が 誠 実 で あ る と 仮 定 し、 ま た そ の使 用 人 の説 明 を信 頼 す る
資 格 が あ る 。 し か し 、 ひ と た び 疑 いを 引 き 起 し そ う な な に か が 存 在 す る場 合 に は、 監 査 役 は 、 徹 底 し て 、 そ れ を 調 査
す べ き で あ る 。 (中 略 )た と え ば 、 在 庫 調 べ を す る こ と (8 $滞 ω8 良 )は 、 監 査 役 の義 務 で は な く 、 彼 は 在 庫 調 べ の 専
門 家 で は な い。 こ の よ う に 、 監 査 役 に は 他 人 の誠 実 さ や 正 確 性 を 信 頼 せ ざ るを え な い多 く の事 情 が 介 在 し て い る の で
(20 )
あ る﹂。 こ の付 随 的 意 見 は、 監 査 役 は 、 適 度 の注 意 力 と 能 力 のあ る 監 査 役 が す る で あ ろ う よ う に 行 為 し な け れ ば な ら
な い こ と を 指 摘 し て い る点 で は 正 当 で あ る が 、 近 年 の会 計 士 の監 査 基 準 の向 上 か ら す る と 、 こ の判 例 が 古 いも の であ
る と いう こ と も あ るが 、 現 今 の注 意 義 務 の程 度 に 見 合 わ な い よ う に 思 わ れ る。 た と え ば 、 付 随 的 意 見 の中 に あ ら わ れ
た 在 庫 調 べ に 関 し ても 、 他 人 の誠 実 さ や 正 確 性 に 全 く 信 頼 し切 る べ き で は な い し、 健 全 な 棚 卸 し の原 則 に も と つ い て
会計監査人の第三者に対する責任
51
行 わ れ た と いう 確 信 を 少 な く と も 監 査 役 は得 る べ き で あ り 、 ま た 、 監 査 役 は少 な く と も 一つ の見 本 項 目 の抽 出 検 査 を
(21 )
行 う べ き で あ る と い う こ と が 、 現 在 承 認 さ れ つ つあ る 。 し た が っ て 、 番 犬 か ら 警 察 犬 的 色 彩 を 帯 び る こ と が 要 請 さ れ
ひq) の 言 葉 の中 に 象 徴 的
る よ う に な った わ け で あ る が 、 こ の こ と は 、 聞①ヨ ①目 8 事 件 に お け る デ ニ ン グ 卿 (ぎ a U①暮 貯
に 表 現 さ れ て い る 。 す な わ ち 、 ﹁監 査 役 は 、 領 収 証 の チ ェ ッ ク を し た り 、 算 数 計 算 を す る 機 械 に と ど ま る べ き で は な
い 。 ま た 、 職 業 的 な ﹃上 級 の加 算 器 や 減 算 器 ﹄ (巴 9 雫ξ b興 9巳 ω菩 窪鋤。8 ﹃) と し て 無 視 さ れ る べ き で は な い 。 そ し
て 、 監 査 役 の き わ め て 重 大 な 職 務 は 、 誤 り が あ る こ と 、 そ の 誤 り が 、 計 算 違 い 、 遺 漏 や 手 数 料 の誤 り 、 ま た は 露 骨 な
虚 偽 で あ る こ と を 見 抜 く た め に 注 意 を 払 う こと であ る 。 こ の職 務 を 執 行 す る た め に 、 本 来 、 監 査 役 は 、 不 誠 実 に対 し
て 疑 い 深 く な る の で は な く 、 だ れ か が ど こ か で ミ ス を 犯 し た の で は な い か と 思 った り 、 誤 り が 全 く な い と 確 信 す る ほ
(22 )
ひq 自 口α)を も っ て 、 そ れ に 取 り 組 ま な け れ ば な
ど チ ェ ッ ク が な さ れ な け れ ば な ら な い と 思 う よ う な 、 探 究 心 (Φ口ρ9﹃貯
ら な い ﹂。 こ こ で 想 起 さ れ る の が 、 d 一
貫 鋤8 鎚 Φω 事 件 に お け る カ ド ー ゾ 判 事 (9 a ONo い
◆い) の 見 解 で あ る 。 こ の 見 解
は 、 デ ニ ン グ 判 事 と は 対 照 的 で 、 む し ろ 会 計 監 査 役 を 擁 護 し よ う と す る も の で あ る 。 す な わ ち 、 ﹁惚川
台心 (づ①
ひq謡σqo昌o①)
に つ い て も 責 任 が あ る と す れ ば 、 会 計 士 は 軽 率 な 過 ち や 失 敗 、 す な わ ち 、 ご ま か し の記 帳 で隠 さ れ た 盗 み や 偽 造 を 発
(23 )
見 で き な か った こ と に つ い て も 、 無 限 の 額 に つ き 、 無 限 の 期 間 に わ た り 、 無 限 の 人 に 対 し て 責 任 を 負 わ さ れ か ね な
(ピ。一 昌。 ①O占 鶏 費
譜 冒 讐 9 HO①① ω二H 一
。ω
い﹂。 し か し な が ら 、 こ の カ ド ー ゾ 判 事 の見 解 は 、 現 今 の投 資 者 保 護 ま た は 第 三者 保 護 と いう 時 代 的 趨 勢 に 逆 行 す る
も の で あ り、 ま た 、 会 計 監 査 役 の職 務 の重 要 性 を 等 閑 視 す る点 で、 賛 成 し え な い。
一九 六 六 年 七 月 二 四 日 の 商 事 会 社 法
三 、 フ ラ ン ス に お け る 会 計 監 査 役 の第 三 者 に 対 す る 責 任
ω 会 計監 査 役 制 度 の概 要
フラ ン スに お け る会 計監 査 役 制 度 は、
52
ω8 一
鰹診 8 旨 ヨ興。巨 。ω)に よ って 、 新 た な 展 開 を 余 儀 な く さ れ た 制 度 で あ る 。 す な わ ち 、 同 法 は 、 業 務 監 査 を そ の 職 務
と す る 監 査 役 会 (O◎b﹁ω①凶
一傷O ω=村
く①一
一
一
①︼POΦ)と は 別 個 に 、 会 計 監 査 の み を そ の 職 務 と す る 会 計 監 査 役 (8 日巨 ωω帯 ①ω 9。員
9¢ 8 ヨ営 ①)に 登 録
8 日営 ①ω)を 新 設 し た 。 そ し て 、 会 計 監 査 役 の 積 極 的 な 資 格 要 件 と し て 、 公 認 会 計 士 等 の 会 計 専 門 家 で あ る こ と を 要 求
し て い る (同 法 二 一八 、 一二 九 )。 会 計 監 査 役 に な る た め に は 、 会 計 監 査 人 名 簿 (一
一
ω9 0①8 ヨ巳 ωωg。冨
し て い な け れ ば な ら ず 、 そ の 名 簿 へ の登 録 条 件 は 、 自 然 人 の 場 合 に は 、 フ ラ ン ス 国 籍 を 有 し 、 か つ満 二 五 才 に 達 し た
者 で あ っ て 、 そ の 品 位 (旨。邑 ま )お よ び 専 門 的 能 力 (昌 葺 鼠 ① 胃 。暁
。ωωδ彗 。箒 ) に お い て 登 録 委 員 会 (8 8 巳 ωω一
・口 α.
ぎ-
(。×四ヨ窪 血、
巷 葺 & ①) に 合 格 し た こ と 、 ま た は 商 事 会 社 に 関 す る 財 務 、 会 計 お
ω。暑 け
凶
。ロ)が 相 当 と 認 め る 水 準 に 達 し た 者 の み が 登 録 の 資 格 を 有 し て い る (同 法 施 行令 三 . 一項 )。 ま た 、 そ の 専 門 的 能 力
に つ い て は 、 会 計 監 査 職 務 の資 格 試 験
よ び 法 律 上 の問 題 に つ い て 十 分 な 実 務 経 験 を 積 む こ と が で き る 公 的 ま た は 私 的 な 活 動 に 一五 年 以 上 従 事 し た こ と 、 と
く に 会 計 監 査 事 務 所 に お い て 従 事 し た こ と を 証 明 す べ き こ と が 必 要 で あ る (同 令 三 .二項 )。 こ れ に 対 し 、 法 人 の 場 合
の 名 簿 登 録 の条 件 は 、 そ の会 社 が 、 一九 六 六 年 一 一月 二 九 日 の専 門 職 民 事 会 社 (ω09似鼠の 9註 ①ω 嘆 o隔
Φωωδ弓 亀 。ω) に 関
(ω。9似鼠ω き 。昌 ヨ。ω 碧 。。
。。窓 Φ一 宮 ぴぎ
餅
す る 法 律 お よ び 一九 六 九 年 入 月 一二 日 の 命 令 第 四 編 に し た が って 設 立 さ れ た 会 計 監 査 人 民 事 会 社 で な け れ ば な ら な い
(同令 六 )。 こ の よ う に 、 現 在 に お い て は 、 資 金 を 公 募 し て い る 株 式 会 社
一
.
Φ冨 お 津 ) に お い て は 勿 論 、 も は や 有 限 会 社 (ω。9似紙ω 呼 器呂 8 ω筈 二一
ま 一
ぎ ま 。)に お い て も 、 ま た 、 資 金 を 公 募 し て い
な い株 式 会 社 (ωo。鄭 傍 き 8 団BΦωω雪 ω 巷 ℃o一やロσぎ 呼 冨 b興 σq器 ) お よ び 株 式 合 資 会 社 (ω○。聾 似 。コ 8 ∋B碧 象房 b弩 鋤。・
け
ざ霧 ) に お い て さ え も 、 無 資 格 者 に よ る 監 査 の時 代 (鼠 H一
。9 ユ。 一、
四ヨ①8鼠 ω目①) は 過 ぎ 去 った の で あ る 。 さ ら に 、 同
法 は 、 会 計 監 査 役 の 任 務 を 拡 大 し 、 そ の任 務 を 達 成 す る た め に 職 務 権 限 を 強 化 し て い る 。 す な わ ち 、 同 法 は 、 単 に 、
計 算 書類 が 現
会 社 の 帳 簿 ・金 銭 の 監 査 お よ び 計 算 書 類 の適 法 性 (菰 αq巳 9馨 似) な ら び に 取 締 役 会 の 報 告 を も っ て 提 供 さ れ た 情 報 の 正
確 性 (Φ×鋤Oけ
一
什
口血①) の 監 査 を 行 う だ け で な く 、 財 務 上 の情 報 (器霧 。凶
αq器 ヨΦ暑 窪自 脅 。 ヨ き 。§ )の 審 査 i
を 、 会 計 監 査 役 が 行 う こ と を 義 務 づ け て い る (同 法 二 二 八 .二項 )。 つ ま り 、 こ こ に 会 計 監 査
行 の会 計 準 則 に 従 って作 成 さ れ て い る か否 か 、 お よ び 計 算 書 類 が 会 社 の業 務 状 況 を で き る か ぎ り 正 確 に 表 示 し て い る
か 否 か を 確 か め る こ とー
(器誓 8 ω9。び一
一
ま
こ の問 題 点 は結 局 立 証 責 任 の問 題 に 帰 着 す る、 ④ 第 三
ρ轟 ω一α蜜 9器 一
一
。) と 解 す べ き か が 問 題 と な る 。 一八 六 七 年 法 は 、 ﹁会 社 に 対 す る 監 査 役
い た 。 こ に 対 し 、 一九 六 六 年 法 第 二 一
二四 条 は 、 一八 六 七 年 法 と 異 な り 、 受 任 者 と し て の 責 任 を 、 会 社 に 対 し て さ え も
(2
5)
った 。 ま た 、 判 例 は 、 第 三 者 に 対 す る 関 係 で 、 会 計 監 査 役 が 民 法 典 第 = 二八 二 条 の 不 法 行 為 責 任 を 負 う こ と を 認 め て
六 七 年 法 の 下 で は 、 会 社 に 対 す る 関 係 で 、 会 計 監 査 役 が 民 法 典 第 一九 九 ︼条 以 下 の 契 約 責 任 を 負 う こ と が 明 ら か で あ
の責 任 の 範 囲 お よ び 効 果 は 、 委 任 の 一般 原 則 に 従 って こ れ を 定 め る ﹂ と 規 定 し て い た (同 法 四 三 )。 し た が っ て 、 一入
不法 行 為 責任
ず 、 第 一の 会 計 監 査 役 の 責 任 の 性 質 に 関 し て 、 こ れ を 、 契 約 責 任 (同①ωbo器 螢蓬 ま 。8 け
話。ε 巴 。)と 解 す べ き か 、 ま た は
し た が っ て 、 以 下 、 フ ラ ン ス に お け る 学 説 や 判 例 を 参 照 し な が ら 、 こ れ ら の問 題 点 の 解 明 を 試 み る こ と に す る 。 ま
者 の範 囲 は ど こ ま で で 制 限 さ れ る べ き か 等 で あ ろ う 。
題 、 ③ 会 計 監 査 役 の責 任 は 原 因 責 任 か そ れ と も結 果 責 任 かー
契 約 責 任 か そ れ と も 不 法 行 為 責 任 か 、 ② 会 計 監 査 役 の過 失 と癬 怠 と で は ど う い う相 違 が あ る の か 、 ま た そ の 認 定 問
て 責 任 を 負 う ﹂ と 規 定 し て い る (同 法 二 一
二四 ・ 一項 )。 こ の 規 定 の 解 釈 に つ い て 問 題 と な る 点 は 、 ① 会 計 監 査 役 の 責 任 は
務 の 執 行 に お い て お か し た 過 失 (貯二け①)お よ び 僻 怠 (泳 σq凋 9 8 。・) に よ り 生 じ た 損 害 に つき 、 会 社 お よ び 第 三 者 に 対 し
以 上 の会 計 監 査 役 が 第 三 者 に 損 害 を 及 ぼ し た 場 合 に つ い て 、 一九 六 六 年 の商 事 会 社 法 は 、 ﹁会 計 監 査 役 は 、 そ の 職
② 会 計 監 査 役 の第 三 者 に 対 す る 責 任
査 役 に 対 し て 広 範 な 調 査 権 (娼8 <o貯 血、
ぎくΦω餓αq匿 書 )を 与 え て い る (同 法 ニ ニ九 )。
仕 事 も 包 含 さ れ る よ う に な った と い わ れ る 理 由 が あ る の で あ る 。 ま た 、 こ の任 務 を 達 成 す る た め に 、 同 法 は 、 会 計 監
(艇 )
役 の使 命 が 二重 に 拡 大 し た と い わ れ る 所 以 が あ り、 ま た 、 会 計 監 査 役 の職 務 が 、 事 実 上 の審 査 に と ど ま ら ず 、 判 断 の
会司監査人の第三者に対す る責任
53
54
(26 )
負 う こと を 示 唆 す る よ う な 文 言 を 使 用 し て いな い。 そ こ で、 会 計 監 査 役 は受 任 者 で あ る と す る理 論 は 、 一九 六 六 年 法
で は 、 も は や 支 持 で き な いと の見 解 が 導 き 出 さ れ た 。 す な わ ち 、 同 法 二 三 四 条 は 、 ﹁会 社 お よ び 第 三者 に 対 し て﹂ と
(27 )
いう 文 言 を 使 用 し て 、 会 社 と 第 三者 を 並 列 的 に列 挙 し て い る の で、 両 者 に 対 す る 責 任 を 同 質 的 な も の と考 え 、 そ れ を
契 約 責 任 で は な く 不 法 行 為 責 任 と解 し て い る の で あ る 。 こ れ に 対 し 、 会 社 ま た は株 主 を 、 第 三者 と全 く 同 視 す る こ と
(銘 )
に 躇 躇 す る 見 解 は 、 会 社 ま た は株 主 に 対 す る責 任 は 、 契 約 責 任 に 近 似 す る性 格 で は あ る が 、 古 典 的 な意 味 に お け る 契
約 責 任 で は な い と解 し て い る。
つぎ に 、 第 二 の 問 題 で あ る 会 計 監 査 役 の民 事 責 任 の 主 観 的 要 件 で あ る が 、 第 二 三 四 条 は 、 ﹁過 失 (貯葺 o) お よ び 解
怠 (幕 αq誌 魯 8 ) に よ り ﹂ と い う よ う に 、 過 失 と 解 怠 を 列 挙 し て い る が 、 こ の 両 者 は 、 全 く 同 じ こ と を 単 に 繰 り 返 し た
(29 )
も の な の か 、 そ れ と も こ の両 者 に は 、 明 確 な 区 別 が あ る と 考 え る べ き な の か が 、 ま ず 問 題 と な る 。 前 者 の よ う に 、 解
怠 を 過 失 と 同 視 し、 法 文 は無 益 な繰 り 返 し を し て い るに す ぎ な いと解 す る 見 解 も 存 在 し て い るが 、 後 者 の よ う に 解 す
(30 )
べ き で あ る と 考 え る 。 す な わ ち 、 本 条 が 、 過 失 (融ロけ
Φ)の つぎ に 解 怠 (ま ひq崎 窪 8 ) を 挙 げ て い る の は 、 意 図 的 な (一
暮 。午
(31 )
け
δ暮 巴 。の)過 失 を も 包 含 す る 趣 旨 と 解 す べ き で あ ろ う 。 た だ 、 こ の 過 失 が 詐 欺 的 (自O一
〇ω一
く①)ま た は 重 大 な (ざ霞 血Φ)も
の であ る 必 要 は な い。 こ こで、 つぎ に 問 題 と な る の は 、 会 計 監 査 役 の過 失 ま た は解 怠 の認 定 であ る。 ど の よ う な 場 合
に 、 会 計 監 査 役 に 職 務 執 行 に お け る過 失 ま た は 解 怠 が あ った と いえ る の か は 、 具 体 的 な 各 場 合 に よ って多 様 な も のが
(凛 塗 α9 け)と し て 、 ケ
ご O。霞 血。 。鋤ω
ω9寓8 ) を 一 つ の 例 と し て 取 り 上 げ る こ と に す る 。 こ の 事 件 の 概 要 は つ ぎ の と
(32 )
あ り う るが 、 本 稿 で は、 会 計 監 査 役 に 過 失 が あ った と 認 定 さ れ た 一九 七 三 年 七月 二 日 の破 段 院 商 事 部 判 決 (霞H
ゆ
け9 貯
oぎ ヨ 訂 。 8 ヨ ヨ 醇 。芭 ① 締
08 晋 g 邑 ) に は 、 社 長
(窓 ・↓﹃首 且 興 創o
国& 。一
馨 ) を 兼 務 し て い た 。 一九 六 三 年 十 月 二 九 日 、 取 締 役
(︿凶
8 も ほ ω置 。馨 ) と し て 、 ト リ ッ ピ ー ル ・ド ・ ロ ゼ 氏
(冨 ωo。捧 仏 α.
。×且 o冨 ま 口 匹。 一
、
口O琶
(冨 .匹o 囚 臼 日 9ぎ σ
qき け)、 副 社 長
お り で あ る 。 大 陸 ホ テ ル経 営 会 社
ル マ ンガ ン氏
ピ。鼠 ) が お り 、 ロゼ 氏 は 、 総 支 配 人 補 佐 (爵 。g 。霞 σ
q曾 似邑
'
会計監査人の第三者に対する責任
55
一九 六 六 年 法 第 一〇 一条 の契 約 1
に該 当 し、 取 締 役 ま
会 は 、 社 長 で あ る ケ ル マ ン ガ ン 氏 に 、 取 締 役 会 の 名 に お い て ロゼ 氏 と の 労 働 契 約 (OO︼
P仲
﹃∼
P
け 山O 梓
﹃P<餌ゆ
一
)に 署 名 す る 権 限
を 授 与 し た 。 こ の契 約 は 、 一八 六 七 年 法 第 四 〇 条 の契 約 ー
た は副 社 長 と 会 社 間 の取 引 と し て、 取 締 役 会 の事 前 の承 認 (
霊 8器 巴 8 ℃鼠巴曽三①) を 得 な け れ ば な ら ず 、 か つ、 社 長
は こ の契 約 に 関 し て 、会 計 監 査 役 に 通 知 し (一九六六年法施 行令九 一 ・一項参 照)、会 計 監 査 役 は 、 株 主 総 会 に 対 し て、こ
の契 約 に 関 す る特 別 報 告 書 (
錘忘 o答 ω
鳳6
巨 )を 提 出 し な け れ ば な ら な い の で あ る (同法 一〇三 .三項参 照)。 と こ ろ が 、
当 該 会 社 の会 計 監 査 役 は 、 本 件 契 約 を 特 別 報 告 書 に 不 記 載 (
Oヨμ
ω
ω
一
〇コ)の ま ま 総 会 に 報 告 し た 。 こ の株 主 総 会 で、 ロゼ
氏 は 解 任 さ れ 、 そ し て新 た に編 成 さ れ た 取 締 役 会 は、 ロゼ 氏 を技 術 お よ び 金 融 上 の支 配 人 と す る労 働 契 約 を 終 了 す る
こ と を 決 議 し た 。 そ こ で、 ロゼ 氏 は 、 会 社 お よ び 会 計 監 査 役 を相 手 取 って、 損 害 賠 償 請 求 訴 訟 を 提 起 し た 。 会 計 監 査
役 が 特 別 報 告 書 に 当 該 契 約 を 記 載 し な か った 理 由 は 、 そ の通 知 が 、 社 長 や 取 締 役 会 に よ って自 分 に な さ れ た も の で は
な か った の で 、 そ の 通 知 を 轡 酌 す る 必 要 が な いと 考 え た た め で あ る。 こ の よ う な 場 合 に、 会 計 監 査 役 に 過 失 が あ った
と い え る で あ ろ う か 。 思 う に 、 契 約 自 体 の存 在 が 会 計 監 査 役 に と って 不 明 確 な 場 合 に は 、 そ の通 知 を し な か った社 長
た とえ そ の通知 が社 長 で
当 該 契 約 を 知 って い て 特 別 報 告 書 に 記 載 し な
に 責 任 転 嫁 を す る こと が で き る であ ろ う が、 い や し く も 、 当 該 契 約 の 通 知 を 受 け た 以 上 1
(33 )
な い取 締 役 か ら のも の であ った と し て も (
同法施 行令 九 一 ・一項参 照)1
か った 会 計 監 査 役 の 側 に 過 失 が あ る と 解 す べ き で あ る 。 な お 、 本 件 に 関 し 、 パ リ 控 訴 院 (Oo霞 山、
9署 鮎 山Φ ℃霞 ♂) お よ
び 破 段 院 (()
Od[
畦ユO O①ω
ω9け
一
〇b[
)は 、 労 働 契 約 の名 義 人 で あ った ロゼ 氏 の側 に も 過 失 が あ る と し て い る こ と に 注 意 す べ き
で あ る。 す な わ ち 、 労 働 契 約 の当 事 者 は 、 当 該 契 約 が 特 別 報 告 書 の中 に 記 載 さ れ て い る か 否 か に 注 意 し な け れ ば な ら
(34 )
ず 、 特 別 報 告 書 の 作 成 お よ び そ の 補 正 を し よ う と す る 会 計 監 査 役 に 協 力 し な け れ ば な ら な い義 務 が あ る と 解 し 、 そ の
(35 )
(36 )
義 務 を 怠 った ロゼ 氏 の側 に も 過 失 が あ る と認 定 し 、 過 失 相 殺 に よ り、 会 計 監 査 役 の損 害 賠 償 額 を半 減 し て いる 。
つぎ に 、 第 三 の 問 題 で あ る 会 計 監 査 役 の責 任 は 、 原 因 責 任 (o呂 αq巴 自 αo ヨ畠 2 ω)か 、 そ れ と も 結 果 責 任 (。葺 αQ鋤け
一
。昌
56
山。 縁診 コ犀、什) か と い う 問 題 を 取 り 上 げ よ う 。 こ の問 題 は 、 換 言 す る と 、 原 告 側 で 、 会 計 監 査 役 の 過 失 を 立 証 し な け れ
ば な ら な い の か 、 そ れ と も 、 そ の 過 失 は 推 定 さ れ る の か と い う 問 題 と な る 。 こ の問 題 に 対 し 、 一九 六 六 年 法 は な に も
答 え て い な い 。 ま た 、前 述 し た 判 決 も 、 こ れ に つ い て は な に も 触 れ て い な い 。し た が っ て 、そ の 解 決 は も っぱ ら 解 釈 に
原 因責 任 を 負 担 し 、ご く まれ 繕
果 責 任 を 負 担 す る﹂と 臨 )
・例 外 的 に 結 果 責 任 を 負 担 す る揚
ゆ だ ね ら れ て い る 。パ リ 大 学 の イ ブ ・ギ ヨ ン教 授 (団くΦωのξ 8 )は 、 こ の点 に 関 し 、 ﹁会 計 監 査 役 は 、多 く の 他 の 職 業 的
専 門 家 のよ う に 、通 裳
合 と し て、 (i )最 高 額 の有 給 職 員 に支 払 わ れ た 報 酬 の総 額 が 正確 で あ る こと の証 明 (一九六 六年法 一六入 ・四号)、 ("
11)
資 本 の増 加 の場 合 の株 主 の新 株 引 受 権 の排 除 の場 合 に 、 特 別 報 告 書 の新 株 発 行 の算 定 基 礎 が 正 確 お よ び 公 正 で あ る か
七、 ; 三 )
、 φw)定 款 の変 更 の適 正 の監 査 (撰
七二 一
項 )な ど を 列 挙 し て 馳
・ そ し て・ 本 件 に関 し ・ 会
否 か を 示 す こと (同法施行令 ︼五五)、(⋮
m)資 格 株 (
。匪 σq銭 自 号 鴉 鑓 暑 Φ)に関 す る規 定 が 遵 守 さ れ て い る か 否 か の監 視 ・
報 告 (同莞
計 監 査 役 が 結 果 責 任 を 負 う べ き 場 合 であ る と解 し て い る。 す な わ ち 、 ﹁株 式 会 社 と そ の会 社 指 揮 者 (良三
⑰Q$ 算ω
)と の契
約 の存 在 は、 会 計 監 査 役 に 、 特 別 報 告 書 の作 成 義 務 を 課 し て い る 。 そ の特 別 報 告 書 は 、 そ の契 約 を 承 認 す る か 否 か を
委 ね ら れ て い る 総 会 に 情 報 を 提 供 す る た め に提 出 さ れ るも の であ る。 通常 、 取 締 役 会 ま た は監 査 役 会 の議 長 は 、 会 計
監 査 役 に そ の契 約 に つ い て の情 報 を 提 供 す る。 そ し て、 こ の議 長 に よ って 通 知 さ れ た 契 約 を 特 別 報 告 書 の中 に 記 載 し
忘 れ た 会 計 監 査 役 の過 失 を 推 定 す る こと は 、 一九 六 七 年 三月 ≡ 二日 の施 行 令 第 九 二条 お よ び 同 令 第 = 七 条 が 、 そ の
記 載 を な す こと を 会 計 監 査 役 に 命 じ て い る ので 、 非 論 理 的 ま た はき わ め て厳 格 であ る と は思 ﹂
えな い ・
L と 解 し て い(
39る)
・
な お 、 原 告 は 、 会 計 監 査 役 の過 失 ま た は解 怠 を 、 原 則 的 に 立 証 し け れ ば な ら な いが 、 そ の ほ か 、 発 生 し た損 害 の 立
証 お よ び 過 失 ま た は 解 怠 と損 害 と の因 果 関 係 (
一
一
ΦO 血ΦOPd
[
ω
P一
一
圃
什
似) の立 証 も す る 必 要 が あ る こと に 注 意 す べ き で 臥 砲 。
最 後 に 、 第 三者 の範 囲 の問 題 に関 し て は、 一九 六 六 年 法 第 二 三 四条 が 、 ﹁会 社 お よ び 第 三者 に 対 し て﹂ と い う 文 言
を 使 用 し て い る の で、 こ の第 三者 (
一
〇6口け
一
Φ戦
ω
)の中 に 包 含 さ れ る者 の範 囲 を 明 ら か に す る 必 要 性 が 存 在 す る。 判 例 は 、
会計監査入の第三者に対す る責任
57
(41 )
(42 )
こ の点 に 関 し 、 株 主 お よ び 会 社 債 権 者 が 、 こ の第 三者 に 該 当 す る と の判 断 を 示 し て い るが 、 こ の ほ か 、 社 債 権 者 も 同
様 に 解 し て よ い で あ ろう 。 た だ 、 当 該 会 社 に 投 資 し よ う と し て い る潜 在 的 投 資 者 も こ の中 に含 め て よ いか 否 か は 議 論
の存 す る と こ ろ で あ る 。
四、 お わ り に
最 後 に 、 わ が 国 の会 計 監 査 人 制 度 の概 要 に 触 れ た の ち 、 わ が 国 の会 計 監 査 人 の第 三者 に 対 す る責 任 に 関 す る監 査 特
別 法 第 一〇 条 の解 釈 に お い て 、 イ ギ リ スお よ び フ ラ ン ス の判 例 や 学 説 が 、 何 ら か の 示 唆 を 与 え て く れ る か 否 か を いく
つか の問 題 点 に 分 け て考 察 し た い と思 う 。
さ て、 わ が 国 に お い て は 、 監 査 特 例 法 に よ り 、 資 本 の額 が 五億 円 以 上 ま た は負 債 の合 計 金 額 が 二百 億 円 以 上 の株 式
会 社 (以下 ﹁
大 会社 ﹂ と略 す) は 、 貸 借 対 照 表 、 損 益 計 算 書 、 利 益 の処 分 ま た は損 失 の処 理 に 関 す る議 案 な ら び に そ の
附 属 明 細 書 に つ い て、 監 査 役 の監 査 の ほ か に 、 会 計 監 査 人 の監 査 を 受 け る こ と が 必 要 と さ れ て い る (
特例 法 二)
。 会計
監 査 人 は 、 公 認 会 計 士 ま た は監 査 法 人 か ら 選 任 さ れ (
特 例法 二)
、 会 社 と の関 係 は 、 結 局 、 委任 の規 定 に 従 う の で 、 会
計 監 査 人 は 委 任 事 務 の処 理 に つき 善 管 注 意 義 務 を 負 って い る (
民 六四四)。 こ の よ う に 、 大 会 社 に お い て は 、 会 計 監 査
の職 業 的 専 門 家 であ る 公 認 会 計 士 や 監 査 法 人 が い る の で 、 監 査 役 の監 査 報 告 書 は 、 主 と し て業 務 監 査 に 関 す る事 項 を
記 載 す る こ と が 要 求 さ れ て 、 会 計 監 査 に 関 す る 事 項 は 、 会 計 監 査 人 の監 査 報 告 書 の内 容 と 重 複 す る た め 、 そ の記 載 は
要 求 さ れ て いな い (
特例法 一四 .二項参 照)。 し か し 、 監 査 役 は 、 会 計 監 査 人 の監 査 報 告 書 を 全 面 的 に 信 頼 し て よ いも の
で は な く 、 会 計 監 査 人 の監 査 の方 法 ま た は 結 果 を 相 当 と 認 め た こ と に よ る責 任 は 免 れ る こと は でき な い (
特例 法 一四 ・
二項 一号参照 )。 そ し て 、 会 計 監 査 人 は、 そ の任 務 を 怠 った こ と に よ り会 社 に 損 害 を 生 じ さ せ た と き は 、 会 社 に 対 し て
損 害 賠 償 の責 に 任 ず る (特例法 九)。 ま た 、 会 計 監 査 人 が 重 要 な事 項 に つい て 監 査 報 告 書 に虚 偽 の記 載 を し た こ と に よ
58
り 第 三 者 に損 害 を 生 じ さ せ た と き は 、 そ の会 計 監 査 人 は 、 職 務 を 行 う に つ い て注 意 を怠 ら な か った こと を 証 明 し な い
限 り 、 そ の第 三者 に 対 し連 帯 し て損 害 賠 償 の責 に 任 ず る (
特例 法 一〇)。
以 上 が 、 わが 国 に お け る会 計 監 査 人 制 度 の概 要 であ るが 、 以 下前 述 し た イ ギ リ スお よ び フ ラ ン スと の類 似 点 や相 違
点 を 明 ら か に す る た め 、 比 較 法 的 考 察 を 試 み た い と思 う 。 ま ず 、 会 計 監 査 人 の第 三者 に 対 す る責 任 の法 的 性 質 に関 し
て触 れ る こと に し よ う 。 ま ず 、 イ ギ リ ス で は 、 前 述 し た よ う に、 会 計 監 査 役 と会 社 の 構 成 員 と の 関 係 は 信 任 関 係
(43 )
(
ま 暮 § 矯 触①
巨一
8ω
三娼) であ り 、 こ の構 成 員 以 外 の第 三者 と の問 に は信 任 関 係 す ら な い の で、 会 計 監 査 役 が 会 社 の 構
成 員 お よ び 第 三者 に 対 し て負 う 責 任 は 不 法 行 為 責 任 と 解 さ れ て い る。 ま た 、 フ ラ ン ス の場 合 に も、 こ れ を 不 法 行 為 責
(44 )
(46 )
任 と解 し て い る 。 こ れ に対 し 、 わ が 国 で は 、 取 締 役 や 監 査 役 の場 合 と 同 じ く 、 こ れ を 法 定 の特 別 責 任 と解 す る法 定 責
(45 )
任 説 と特 殊 な 不 法 行 為 責 任 と解 す る 不 法 行 為 責 任 説 と が 対 立 す る点 で 異 な って い る 。 つぎ に 、 会 計 監 査 役 の責 任 の主
観 的 要 件 に つ い て考 察 し よ う 。 イ ギ リ ス の場 合 は 、 す でに 述 べ た よ う に、 判 例 法 上 、 注 意 義 務 の程 度 に 関 し て様 々 な
事 件 の集 積 が 見 ら れ る 。 そ の中 で代 表 的 な 判 例 で あ る 閃①日Φヨ8 事 件 に お け るデ ニ ング 卿 の言 葉 が 、 これ を 端 的 に 明
ら か に し て い る 。 す な わ ち 、 ﹁だ れ かが ど こ か で ミ スを 犯 し た の で は な い か と 思 った り 、 誤 りが 全 く な い と確 信 す る
ほ ど チ エ ック が な さ れ な け れ ば な ら な い と思 う よ う な 、 探 究 心 (
8 ρ9ω宣σq 巳 邑 )を も って、 そ れ に 取 り組 ま な け れ ば
(47 )
な ら な い ﹂ と 述 べ て い る 。 ま た 、 フ ラ ン ス の 場 合 は 、 過 失 (融 暮 Φ) お よ び 辮 怠 (融 oq轟 Φ口8 ) と い う よ う に 法 文 で 明 ら
か に さ れ て い る (フ ラ ン ス商 事 会 社 法 二三 四 )。 た だ 、 ど の よ う な 場 合 に 、 会 計 監 査 役 に 職 務 執 行 に お け る 過 失 ま た は 慨
怠 が あ った と い え る の か は 、 具 体 的 な 事 件 の 各 場 合 に よ っ て 多 様 な も の が あ り 、 ま た 、 こ の よ う な 問 題 に 統 一的 基 準
を 設 定 す る こ と は き わ め て 困 難 で あ る 。 こ の 点 は 、 わ が 国 に お い て も 同 じ こ と が い え る 。 し か し 、 わ が 国 の場 合 は 、
明 文 を も っ て 、 そ の 立 証 責 任 を 転 換 し 、 会 計 監 査 人 の 方 が ﹁そ の職 務 を 行 う に つ い て 注 意 を 怠 ら な か った こ と ﹂ を 立
証 し な け れ ば な ら な い が (特 例 法 一〇但 書 )、 こ の注 意 を 怠 ら な か った こ と と は い か な る 場 合 な の か と い う 同 じ よ う な
会計監査人の第三者に対す る責任
59
問 題 は 以 前 と し て残 る で あ ろ う 。 し た が って、 判 例 が 皆 無 の わが 国 で は 、 判 例 の集 積 し て い る イギ リ スや フ ラ ン ス の
判 例 の よ り 一層 綿 密 な 分 析 が 必 要 と な って く る で あ ろ う 。 さ て 、 つぎ に 、こ の責 任 の 主 観 的 要 件 の立 証 責 任 の問 題 を 、
取 り上 げ る こと に し よ う 。 す な わ ち 、 会 計 監 査 人 の責 任 を 追 及 す る側 が 、 過 失 ま た は癬 怠 を 立 証 し な け れ ば な ら な い
の か 、 そ れ と も 、 こ れ は推 定 さ れ て 、 会 計 監 査 人 の側 が 過 失 ま た は 解 怠 が な い こと を 立 証 し な け れ ば ら な い か と いう
問 題 で あ る 。 イ ギ リ ス の場 合 に は 、 取 り 立 て て問 題 に な って いな い の で、 不 法 行 為 法 の 一般 原 則 か ら 、 そ の責 任 を 追
及 す る側 に そ の 立 証 責 任 が あ る と 思 わ れ る。 これ に 対 し 、 前 述 し た よ う に 、 フ ラ ン ス の場 合 は、 原 則 的 に は イ ギ リ ス
・ こ の点 ・ わ が 国 が ・明 文 の規 定 を も って・そ の立 証 責 任 を 転 換 し 、会 計 監 査 人 の側 に ﹁注
と 同 様 、 そ の責 任 を 追 及 す る側 に 立 証 責 任 が あ るが 、 例 外 的 に 会 計 監 査 役 の過 失 ま た は解 怠 が 推 定 さ れ る 場 合 が あ る
と す る解 釈 が な さ れ て 馳
意 を 怠 ら な か った こ と ﹂ の 立 証 責 任 が あ る と し て い る の は 特 筆 す べ き こ と であ る。 これ に よ り、 第 三者 の保 護 の十 全
を 期 す こ と が で き る 点 で 、 イ ギ リ スや フ ラ ン スよ り も 優 れ て い る と いえ よ う 。 最 後 に、 第 三者 の範 囲 の問 題 に触 れ よ
う 。 こ の問 題 を 考 察 す る場 合 、 会 計 監 査 人 の第 三者 に 対 す る責 任 の法 的 性 質 のと こ ろ で触 れ た よ う に 、 取 締 役 や 監 査
役 の第 三者 に 対 す る責 任 に お け る 第 三 者 の範 囲 に 関 す る論 争 が 参 考 に な る で あ ろ う 。 た だ 、 会 計 監 査 人 の揚 合 も 、 こ
れ ら と パ ラ レ ル に 考 え て よ い の か 、 そ れ と も多 少 の差 異 を 設 け て考 え る べ き な の か 、 若 干 の疑 問 の残 る と ころ であ る
(49 )
が 、 イ ギ リ ス の判 例 お よ び 学 説 は 、 こ の問 題 に つ い て 示 唆 に 富 ん で い る と思 う 。 す な わ ち 、 イギ リ ス で は 、 会 計 監 査
(50 )
人 が 民 事 責 任 を 負 担 す る第 三者 の範 囲 を 、会 社 の構 成 員 や社 債 権 者 に と ど ま ら ず 、 潜 在 的 ま た 将 来 の投 資 者 、 さ ら に
は 会 計 監 査 役 が 認 識 し ま た は 認 識 し 得 べ き第 三者 に も そ の範 囲 を 拡 張 し て い る 。 こ の見 解 は 、 会 計 監 査 人 の監 査 報 告
書 の信 用 力 や 影 響 力 を 考 慮 し た 場 合 、 これ を 信 頼 し て、 そ の会 社 に 投 資 し よ う と す る 一般 大 衆 投 資 家 や な ん ら か の取
引 関 係 を 締 結 し よ う と す る 会 社 債 権 者 の保護 に 資 す る も の で あ る と考 え る こ と が でき よ う 。
さ て 、 本 稿 で は紙 数 の関 係 か ら 、 イ ギ リ スと フ ヲ ン ス の場 合 を 取 り 上 げ た の み で 、 西 ド イ ッ や ア メ リ ヵ等 に は残 念
60
な が ら触 れ る こ と が で き な か った 。 西 ド イ ッ で は 、最 近 、 E C 閣 僚 理 事 会 第 四デ ィ レク テ ィ ブ の国 内 化 法 案 が 連 邦 議
(51 )
会 に 提 出 さ れ 、 これ と の関 連 で 西 ド イ ツ の会 計 監 査 人 制 度 が 見 直 さ れ つ つあ る 。 ま た 、 ア メ リ カ で は 、 d一
窪鋤ヨ 霞 ①ω
事 件 以 後 は 公 認 会 計 士 に 対 す る 訴 訟 の数 は減 少 し た が 、 最 近 に な って、 証 券 取 引 委 員 会 規 則 10 b - 5 の発 展 が 投 資 者
の救 済 を 容 易 に し た た め 、 公 認 会 計 士 に 対 す る訴 訟 も 急 増 し ・ そ の数 が 一〇 〇 件 も 係 属 し て いた 時 期 も あ る と 転弼 。
(53 )
ま た 、 ア メ リ ヵ や カ ナダ で は こ の問 題 に 関 す る研 究 も 盛 ん な よ う で あ る。 こ の よ う に 、 西 ド イ ッや ア メ リ ヵ 等 に つ い
て も 興 味 深 い も の が あ る の で、 他 日 別 稿 に 譲 り た い と 思 う 。
(1 ) 監 査 役 の第 三者 に 対 す る責 任 に 関 す る 主 な 判 例 と し ては つぎ のも のが あ る 。東 京 控 判 大 正 六 ・︼○ ・二 四法 律 新 聞 一三 三
七 号 二 三 頁 、大 判 大 正 一 一 ・五 ・ 一 一法 律 新 聞 二〇 二〇 号 一七 頁 、 大 判 昭 和 二 ・三 ・五 法 律 新 聞 二七 三 一号 = 一頁 、 大 判 昭
和 八 。二 . 一四 民 集 一二巻 四 二 一
二頁 、 大 阪地 判 昭 和 九 ・五 ・三 一法 律 新 聞 三 七 三 二 号 七 頁 、 東 京 地 判 昭 和 四 二 ・九 ・三 〇 判
例 時 報 五 一 ︼号 六九 頁 、最 判 昭 和 四 八 .五 .二 二民集 二 七巻 五 号 六 五 五 頁 。 た だ 、 最 後 の判 例 は 、 平 取 締 役 の代 表 取 締 役 の
業 務 執 行 に つい て の監 視 義 務 を 肯 定 し た も の で あ る が 、 昭 和 四十 九 年 の商 法 改 正 小 会 社 を 除 い て (監 査 特 例 法 二 五 、商 二七
四) 監 査 役 に も 業 務 監 査 権 を 認 め た の で (商 二 七 四 ・ 一項 )、 監 査 役 に も 関 係 し てく る判 例 であ る 。
d貯 弩
︾●
い・
即
崔 ・。⑩ (H㊤ωH).
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俸 O。・ ︹巳 釦 ︺ ド b = 国 ●
即
霞 Φω o・壱 ●<● ↓8 。プρ 謡
く.ρ き ρ 9 ﹃翼 ヨ 器
導 讐 Φ 帥 O。● 犀 匹・<・ 山 亀 巽
国・
即
零9
(2 ) 龍 田 節 ﹁監 査 人 の対 第 三者 責 任 序 説 ﹂ 商 事 法 の研 究 (大 隅先 生 還 暦 記 念 ) 一入 一頁 。
(4 )
O碧 巳 興
(3 ) 商 事 法 務 研 究 会 編 ・新 版 監 査 役 ハンド ブ ック 一= 一〇 頁 。
(5 )
瀬
伽ξ
(6 )
(7) 浦 野 雄 幸 ・株 式 会 社 監 査 役 制 度 論 六 五 頁 参 照 。
9 。2
§ ρ
娼●αN・。も 2 三 鐘 β
o竃 冨 ξ
い餌ぎ
ωa Φ創` § ρ 娼.①ド。⋮
(8 ) こ の委 員会 は 、 ジ ェンキ ン ス卿 を会 長 と し 、学 者 、弁 護 士 、 公 認 会 計 士 、実 務 家 等 の専 門 家 、 学 識 経 験 者 一四名 で構 成 さ
o。日 冨 昌望 訂 ≦ 藁
れ た 。 浦 野 ・前 掲 六 八頁 参 照 。
(9 ) o。幕 ♪ ζ & Φヨ
H毒 ヨ ざ 目8 冨 ヨ 節巳 才 ①ヨ 望、の Ooヨ 窟 塁 H鋤§ 置 聾 a
ご 一雪 ♪ b. Nミ ・
Oき 色 。H <・ρ き ρ O 訂 δ什旨 Nω 俸 Oo・ ︹お 竃 ︺ H 諺 = 国 閑 .お 蒔■
(10 )
会計監査人の第三者に対する責任
61
(12 )
(20 )
(19 )
(18 )
(71 )
(16 )
(1
5 )
(14 )
(31 )
(21 )
(11 )
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一 = 二六 頁 。
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・注 釈 フ ラ ン ス 会 社 法 第 三 巻
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(22 )
早 稲 田 大 学 フ ラ ン ス商 法 研 究 会
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(23 )
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(24 )
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(25 )
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︹H㊤弩 ︺ ド ︾ = 国 ・
幻 ・ 心N①・
(26 )
口 価ヨ 母 P
09
(27 )
(28 )
国 仙ヨ 霞 P
・前 掲
=
ロ 。 日9 Q◎・
(29 )
早 稲 田 大 学 フ ラ ン ス商 法 研 究 会
・前 掲
昌O什① (ξ 団○昌・
(30 )
早 稲 田 大 学 フ ラ ン ス商 法 研 究 会
昌08
口○けΦ U ⊆ ℃O口富 謡 09
0 ロ図oコ 脚 菊 o︿ ・ ωooこ 這 お ・ b・ 8 N
9 けご ⇒ 。 δ お ℃ ℃● ○
◎ωq ⋮ 図 首 Φ答
(31 )
O国ωω. 8 ヨ ・
℃ 国 冒 凶=①什 ド⑩認 ℃ ∪ 。
ω ・ お 認 . ℃● 雪 ♪
①①伊
H8 メ
自① 日 o矯魯 ω) と は 、 債 務 者 が 一定 の結 果 か ら 負 担 す る こ と の な い責 任 で あ り 、 債 権 者 は 、 債 務 者 が
菊 Φ<. ω06こ μ㊤刈Go・ や
oや
(32 )
O ⇔ωω● 09 B こ N ﹄
巳 自o什 ドゆ刈ρ
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(35 ) 原 因 責 任 (o暮 窓 ひ
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過 失 を 犯 し た こ と や 契 約 上 の あ ら ゆ る 手 段 を 講 じ な か った こ と を 立 証 し た 場 合 に の み 、 債 務 者 の 責 任 を 追 求 す る こ と が で き
る 。 O巳 罠 O口 Oけ くぎ OΦ口♂ UO図一
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(36 ) 結 果 責 任 (oげ一
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) と は 、 債 務 者 が 一定 の 結 果 か ら 負 担 す る こ と に な る 責 任 で あ り 、 債 権 者 は ・ 過 失 の
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立 証 を 要 せ ず 、 単 に 契 約 上 の結 果 が 達 せ ら れ な か った こ と を 証 明 す る こ と に よ って 、 債 務 者 の責 任 を 追 求 す る こ と が で き
る 。 Oロ讐 冷昌 暮 くぎ OO口計 Oも.o搾 ℃O・N①刈.
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(45 ) 法 定 責 任 説 の 立 場 に 立 つも の に は 、 松 本 蒸 治 ﹁会 社 重 役 の 第 三 者 に 対 す る 責 任 ﹂ 続 私 法 論 文 集 四 五 八 頁 、 田 中 耕 太 郎
●会
社 法 概 論 三 六 五 頁 、 鈴 木 竹 雄 .薪 版 会 社 法 (全 訂 第 一版 ) 一四 八 頁 、 石 井 照 久 ・会 社 法 上 巻 三 五 〇 頁 、 菱 田 政 宏 ・会 社 法
(改 訂 版 ) 二 五 一頁 な ど が あ る 。 な お 、 判 例 も こ の 立 場 に 立 っ て い る 。 最 判 昭 和 四 四 ・ 一 一 ・二 六 民 集 二 一
二巻 一 ︼号 二 一五
〇頁 。
﹁不 実
(46 ) 不 法 行 為 責 任 説 の 立 揚 に 立 つも の に は 、 松 田 二 郎 ・株 式 会 社 の 理 論 二 入 五 頁 、 同 ﹁取 締 役 の第 三 者 に 対 す る 責 任 ﹂ 商 事 法
務 一〇 一六 号 四 頁 以 下 、 大 隅 健 一郎 .全 訂 会 社 法 論 中 巻 ⋮四 七 頁 、 田 中 誠 二 ・全 訂 会 社 法 詳 論 上 巻 六 〇 五 頁 、 龍 田 節
ア メ リ ヵ証 券 法 を 中 心 と し て﹂ 法 学 論 叢 七 四巻 四 号 三 四 頁 、 本 間 輝 生 ﹁取 締 役 の第 三者 に 対 す る
ピ巳
そ の法 的 性 格 を め ぐ って﹂商 法 学 論 集 (小 町 谷 先 生 古 稀 記 念 ) 二 九 頁 な ど が あ る。
の開 示 と取 締 役 の責 任ー
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﹁西 ド イ ツ 会 計 監 査 人 制 度 の 改 正 ﹂ 商 事 法 務 九 六 五 号 三 二 頁 以 下 、 同 ・ E C 会 社 法 の 形 成 と 展 開 二 九 五 頁 以 下 参
(51 )
会計監査人の第三者に対する責任
63
照 。
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一入 二 頁 。
龍 田
・前 掲 商 事 法 の 研 究
(52 )
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