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「子ども達へのエールを届けたい」 ~ PTAおやじの会の活動 ~
「子ども達へのエールを届けたい」 ~ PTAおやじの会の活動 ~ 智頭町立智頭中学校PTA 1 はじめに ~1学期のおやじの会から~ 平成21年6月27日(日)学校正面玄関に作業服姿の「おやじ」達と教職員、 総勢40名が集合しました。その中には役員のOBや母親達の姿もあります。教頭 先生の指揮で学年ごとのチームに分かれて熱心な作業を行いました。 3年生チーム:体育館ステージの腰板を木目も美しい智頭杉の焼板に張り替え 焼板は、会長達がバーナーで焦がし、タワシで水洗いして準備 2年生チーム:体育館と玄関をつなぐ渡り廊下の二階鉄製手すりのペンキ塗り 強い日差しの下、前年に塗装した鉄扉と同じ薄緑色で仕上げ 1年生チーム:グランド校舎側に真砂土、玄関横や駐車場に採石を敷く 重い土運びに苦戦中、製材所のショベルカーの応援があり完了 作業は昼近くまでかかり、全員汗だ くとなりましたが、その後のバーベキ ューと生ビールの味は格別で、往年の 智頭中パワーを発揮して、楽しく語り あいました。 2 5年目を迎えた活動 ~「何とかしたい」という思いから~ お や じ の 会 は 、「 学 校 と 関 わ る こ と が少ない父親が多い中、気軽に参加で き、子どもが通う学校のためになり父 親 同 士 の 交 流 も 深 め ら れ る 。」 と の 思 いで、当時の副会長を中心に、平成1 7年の10月に結成されました。 統合50周年を迎える本校は、老朽 化が進んだ 施設設備の整備が課題 となっていますが、「おやじの会」によ るこうし た共同作業は、学校環境の改善だけでなく、保護者と教職員からの応援メッセージ として子ども達の心に届いています。 - 1 - 17年度 智頭杉で掃除道具入れをつくり、各階段の踊り場に設置 18年度 校舎周りの整備、各階に掲示板設置、玄関横の壁を智頭杉で修理 19年度 古い小屋とフェンスの撤去、通学路の整備、渡り廊下のペンキ塗り 20年度 校舎脇の銀杏の枝落としと運搬、体育館と校舎内の鉄扉ペンキ塗り この活動がはじまって以後、生徒会が「智頭中生徒の誓い」をつくり、よりよい 校風をつくろうと自主的に活動を工夫したり、運動会や文化祭などの行事が充実し てきました。生活態度や部活動、学力面でも年々向上しているのは、子どもたちが、 保護者や地域からの願いや、応援メッセージを感じ取っているからだと思います。 3 おわりに ~思春期を支え、励ますPTAに~ 心 と心が つなが り、笑 顔のあ ふれる 学校に してい くため には、 教職員 と保護者の 連携・ 協力が不可 欠です。父親たちが得 意の腕を発揮したり 、教職員と交流を深め る「お やじの会」 は環境を良くし、子ど もたちを励ます大き な力となっています。 本 年度は 、保護 者と教 職員に よる気 軽な茶 話会を 学年ご とに開 催した り、文化祭 のお昼に母親委員会が手作りカレーを全校分用意する等、新しい工夫もしています。 思 春期は 、初め ての事 に出会 いなが ら新し い自分 づくり に悩み 、挑戦 する時期で す。 子どもたちを信頼し、本気の愛情を伝えて心のつながりを強くしていけば、彼ら はやる気、元気を出してくれます。それを励みに活動を進めていきたいと思います。 - 2 - 「つながりあうPTAをめざして」 倉吉市立鴨川中学校PTA 1 はじめに 本校は、全校生徒133名(117家庭)で、倉吉市の中で最も小規模な中学校です。地域の 過疎化が進む中、学校の存在と役割は地域コミュニティの核として益々高まっています。しかし、 中学生のいる家庭は地域の中で少数派であり、子どもたちの育ちを地域で支えていくためには、 PTAとしてまず会員同士がしっかりとつながりあい、学校と地域をつなぐパイプ役として活動 していくことが不可欠です。 平成20年度は「つながりあう鴨中PTA」 、21年度は「もっとつながろう!鴨中PTAは 子どもたちと学校の応援団」をテーマに設定し、学校・家庭・地域の連携を図りながら活動して います。 先進的な取り組みをしている訳ではありませんが、つながりあうPTAをめざしての活動が認 められ、この度「日本PTA全国協議会会長表彰(団体) 」を受賞いたしました。今回は本校P TAの活動の一部を紹介いたします。 2 鴨川中学校PTAの取組 (1) 家庭連絡網の作成と活用 従来の文書配布中心の連絡方法に加え、昨年度からクラスごとにPTAの家庭連絡網を整備し ています。当初、個人情報ということで様々な慎重論もありましたが、組織の構成員(当事者) である保護者が、お互いに連絡を取り合う手立てさえわからないようでは、活動の拡がりは望め ません。そこで、利用目的を明らかにして、各会員の了解を得ていきました。 作成した連絡網を活用して保護者同士が直接声をかけあい、学校行事やPTA活動への参加を 呼びかけたり情報提供を行うなど、保護者同士のつながり強化を図っています。 (2) 財源確保事業の強化 昨年度から、年2回実施していた資源回収を3回に増やすとともに、アルミ缶回収袋の常設、 運動会バザーの取組強化等、財源確保事業に力を入れています。 本校のPTA会費は、市内の他校に比べ約半額程度であり、会 員数の減少等により会費値上げの検討時期が近づいていますが、 その前に、会員による財源確保の努力をするべきだと考えます。 また、生徒の読書活動を充実させるために、事業収入で図書を 購入するなど、 生徒たちに目に見える形で還元する取り組みをし 【資源回収】 ています。 (3) 学級PTAを基盤にした活動 学年・学級単位で保護者と教職員による懇談会(研修会等)や懇親会(茶話会等)を開催してい ます。 - 3 - また、昨年度から、学年ごとに親子ふれあい事業を実施しています。今年度は、1年…親子そ ば打ち体験、2年…親子ニュースポーツ大会・生徒手作りの食事会、3年…親子レクリエーショ ンゲーム・ソフトバレーボール大会・生徒手作りの食事会を行いました。 「中学生になってまで 親子参加の行事は必要ないのでは」と言った声もありますが、役員や会員同士の熱心な誘いもあ って多くの参加者があり、好評で盛り上 がりを見せています。 前述した連絡網と共に、各学年役員 が発行する「学年部だより」も会員同士 をつなげる力になっています。 【3年親子会】 【2年親子会】 (4)地域での活動推進 地域での活動を推進していくために、年間を通して活動する地区組織を設け、あいさつ運動、 資源回収、地区懇談会、歓送迎会、祭りなど地域行事への参加等に取り組んでいます。こうした 活動を通じて、地域との交流も図っています。 あいさつ運動は、交通安全運動期間中に地区ごとで行っていましたが、今年度から全保護者が 交代で各学期の開始時期に中学校の校門前(2箇所)で、午前7時50分~8時20分に行うよ うにしました。 資源回収は、地域に協力を呼びかけていますが、会員数が少ない地区もあり取り組みに格差が あるため、それぞれの地区の実情に合わせて実施しています。 地区懇談会は、夏休みに入る時期に地区ごとに開催し、地域や家庭での様子や課題を話し合い、 地域で保護者同士の連携強化を図っています。 また、地域団体と連携して、安全パトロールを年間を通して実施し、生徒の安全と健全育成に 取り組んでいます。 (5)PTA会報「かもがわ」の校区内全戸配布 広報部が年4回、PTA会報「かもがわ」を発行し、校区内の全戸に配布しています。 毎回「鴨川中へ出かけてみませんか」とキャンペーンを打ったり、生徒数減少の中で部活のあ り方について課題提起したりするなど、質の高い紙面を作り上げています。また、鳥取県PTA 広報紙コンクールにおいて5年連続で金賞をとり、全国コンクールでは奨励賞を受賞するなど高 い評価を得ています。限られた予算の中で、学校や生徒・PTAの活動の様子を地域へ発信し続 けており、地域の皆さんにも好評で、学校と生徒たちを支える力にも役立っているものと思いま す。 (6)その他の活動 ○ 人権教育推進部主催の研修会に、(テーマによって)生徒の参加を呼びかけています。 ○ 夏休み最後の日曜日(午前7~9時)に、全保護者・生徒・教職員による親子美化作業を行って います。保護者ボランティアを募集して、事前に4回の作業日を設定して敷地内の樹木伐採・ 草刈作業を行い、当日は伐採した樹木の片付けや除草作業を効率よく行うことができました。 - 4 - ○ 運動会当日のバザーは、飲み物に加え、学年役員の皆さんが自主的にポップコーン販売を行 いました。わが子の競技が見られるように、来年は役員OBがバザーの販売担当をしようかと いった声も上がっています。 ○ 校内文化祭の合唱コンクールに、PTAコーラスとし て参加しています。少ない練習回数ですが、とても楽し くやっています。こうした自主性を生かした活動が増え ると、PTA活動がさらに活性化していくと思います。 ○ 各部から「部会だより」が、随時発行されます。こう した地道な活動が、会員同士のつながりを作っています。 【PTAコーラス】 3 おわりに 平成20年度末のPTA臨時総会で、地域における活動基盤の弱さを改善して各地区での活動 の活性化を図るために、組織の一部改編を行いました。 今後さらに生徒数・家庭数の減少が予想され、1 学年 1 学級体制となっても活動可能な組織作 りに取り組んでいきます。 「学級活動」と「地域活動」をPTA活動の両輪に位置づけ、全会員 の参加による“ひとり一役”活動とボランティア(自主的活動)を取り入れてシンプルな組織に する等、前例にとらわれることなく、実情に応じた活動が展開できるよう必要な改革を推し進め ていきたいと考えています。 鴨川中学校では、運動会が初めて学級対抗方式で実施され、全学年の5クラスが同一種目で競 技し大いに盛り上がりました。また、校内文化祭は、学校から飛び出して地域にあるホールで開 催されており、地域への情報発信と交流の機会となっています。さらに、生徒が地域行事に積極 的に参加していく取り組みがなされるなど、特色ある教育活動が展開されています。その中で、 子どもたちは、学校の主人公として生き生きと学び、活動しています。 鴨川中PTAも、小規模校ならではの良さを発揮し て、会員同士がしっかりとつながりあい、地域の中で も活動の輪を拡げていきます。そして、地域の皆さん に中学生たちと学校をより身近に感じてもらい、地域 ぐるみで支え合っていく体制を築いていきたいもので す。 【校内文化祭・さいとりさし練習】 - 5 - 「早寝・早起き・朝ご飯 で 元気・やる気・笑顔 そして成績アップ」 境港市中学校PTA連合会 1 はじめに 本市 中学生の生 活習慣に関しては、過 去のさまざまな調査 から、朝食と睡眠時間 は概ね 良好である が、メディアとの接触 時間が比較的長いと いうことがわかってい ました 。そのこと から、最初はノーテレ ビdayを主たる取 り組みとして考えてい ました。しかし、朝食・睡眠 ・メディアの3項目全てに改善を要する生徒に対して 警鐘を鳴らすことが 急務との考え方に変わり、以下のような取り組みを実施しまし た。 2 取り組みの目標 「朝食・睡眠・メディアの3項目全てに課題のある生徒に対して警鐘を鳴らす」 3 取組の内容 (1)市連P講演会実施 9月中旬 講師 川崎医療福祉大学教授 保野孝弘先生 (臨床心理学) 演題 「早寝・早起き・朝ご飯 で 元気・やる気・笑顔」 参加者の感想の1つ 保野先生のわかりやすいお話でとてもよかったと思いました。企画していただき ましてありがとうございました。我が子の生活をみていると、TVゲームの時間 が長いことが気になります。また夕方に寝てしまって結局夜更かし、あくる朝は 「ボー」っとしているということもありがちです。講演会の日、家に帰ってレジ メを見ながら子どもたちと話をしました。何かを感じてくれたのか、ここのとこ ろ、上の子もふくめ以前より生活のリズムは改善されているように思い喜んでい ます。 【 講演会の様子 】 小学校の保護者にもよびかけ、総勢8 3名の参加がありました。「我が子に直 接この話を聞かせたかった」という声 がたくさん出ましたので、来年度は生 徒対象の講演会を実施する計画も動い ています。 - 6 - (2)10月上旬 連P母親委員会だより発行 講演を聞くことができなかった会員にも、講演の内容の一部でもお知らせした いということで、連P母親委員会だよりを発行することにしました。 (3)第1回生活リズム向上週間実施 11月13日(金)~19日(木) 課題1 早寝と早起き(寝覚めバッチリをめざして) 課題2 朝ご飯(食欲もりもりをめざして) 課題3 テレビやゲーム(ネット等を含みます)を計画的に (1時間以内をめざして) 【取り組みの方法】 ・この週間の数日前にポスターを全家庭に 配布する ・直前に3校共通保健室便りを発行し、そ れをもとに学級指導をする ・最終日の各学級の終わりの会で自己評価 表(無記名)に記入し回収する ・自己評価表の集計は集計プログラムを使 い、事務局で行う (4)第2回生活リズム向上週間実施予定 2月11日(金)~17日(木) ・第1回と異なる点は、自己評価表に記名し、上記3つの課題全てに改善を要す る生徒に学期末懇談で指導する予定です。 4 成果と今後の方向 ・ 現段階(12月初旬)では、第1回目の自己評価表の集計・分析は完了していないが、 3 つ の 課 題 全 て に 改 善 を 要 す る 生 徒 は各 学 校 と も 全 校 で 1 ~ 3名 で あ っ た 。 1 0 名 前後は該当すると考えていたので、取り組みの成果があったといえるかもしれない。 ・ 課題3に改善を要する生徒は30%超える。このことからメディア(ディスプレイ) との接触が一番大きな問題でしかも一番困難な問題だと認識している。 ・ 今 年 度 内 に も う 一 度 生 活 リ ズ ム 向 上 週間 を 実 施 す る 。 2 回 目 の目 標 は 3 課 題 全 て に 改 善 を 要 す る 生 徒 へ の 個 人 指 導 を 2 課題 に 修 正 し て 取 り 組 む 予定 で あ る 。 2 つ の 課 題に改善を要する生徒は10%以上いる。 ・ 各中学校校区での小中合同の子ども対象の講演会を実施する。 ・ 生 徒 の 家 庭 を 意 識 す る と き 、 中 学 校 の横 の 連 携 よ り は 小 中 の 縦の 連 携 の 方 が 望 ま し いと考える。 - 7 - 「校種・障がい種を超えた連携へ」 ~倉吉市中学校・養護学校PTA連合会、 鳥取県特別支援学校PTA連合会での活動の機会をとらえて~ 鳥取県立倉吉養護学校PTA 1 はじめに 本校は、昭和47年に倉吉市立の養護学校として皆成学園内に開校と同時に、 市内中学校PTAとともに活動を続けてきています。また、県内知的障がい教育 校PTA連合会だけでの活動でしたが、障がい種別ごとに活動されていたPTA の組織を本校、前PTA会長の多大な尽力により、一つの連合会としてまとめら れ、鳥取県特別支援学校PTA連合会が、平成20年7月に発足しました。目的 としては、『障がい種の違いがあっても、障がいがある子供たちを持つ親同士とし て会員相互の連携を深め、特別支援教育の振興を図る』としています。 2 主な活動内容 (1)鳥取県知的障がい教育校PTA連合会での主な活動 ・知的障がい教育校PTA連合会主催講演会 演題:「わたしの歩む道~心の宝~」 やま の い 講師: 山 野井 まさ こ 昌 子さん (2)倉吉市中学校・養護学校PTA連合会での主な活動 ・特別支援学級交流会(今年度は会場校がインフルエンザ学年閉鎖のため中止) *市内中学校特別支援学級の学習公開並びに保護者意見交換会の実施。 本校高等部への進学や、生活の中での困り感をテーマに話し合うことによ って、悩みを抱えることのないよう、保護者同士の連携を図ることを目的と している。 (3)鳥取県特別支援学校PTA連合会での主な活動 ・要望書の提出 *鳥取県教育委員会、鳥取県福祉保健部、鳥取県商工労働部へ要望書作成と 提出。回答を聞く会と意見交換会の実施。 今まで知的障がい教育校のみで要望書を提出していたが、組織拡大ができ たことによって、要望に重みが感じられるようになったこと。また、新た な保護者同士の連携ができたことを強く感じた。 ・研修会への呼びかけの実施。 *知的障がい教育校PTA連合会主催講演会を他特別支援学校、小中学校へ 案内。 3 おわりに 特別支援学校をはじめ、他の小中学校と障がいのある子どもを持つ親の横のつな がりを大切にしていきたいということを強く感じています。そのために私たちPT Aは、日々、特別支援教育への理解を深めるために研修会や研究会に参加し、意見 交換や他校のPTAの皆様と交流をすることも重要な広報・啓発活動のひとつと考 えています。 - 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