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ビジネスアナリシスを考える

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ビジネスアナリシスを考える
ビジネスアナリシスを考える
-あらゆる課題や問題解決を実現する効果的なアプローチ-
(第31回)
7.
ビジネスアナリシスの手法と技術
7.4
技法や技術は使い方で価値が決まる
・適用できる手法や技術はビジネスアナリシスのプロセス全体にわたる概念の構築から個々の処
理手法に至るまで多岐にわたりますが、それぞれの手法や技術には目的とする機能と価値があ
ります。 手法や技術はそれ自体の高度性には関係なく、適用する問題への必要性と適用性で価
値を評価するべきです。 概念や技術はそれらをどう組み合わせて使うかで価値が決まりますが、
その方法は利用者の知識、知恵、経験などにより無限の組み合わせがあるといえます。(続きを
読む→)
■技法は組み合わせて新たな技法を生む
・ビジネスアナリシスを構成する手段には、業務機能、実行手法、要素技術などいくつかの階層に
分けることができますが、それらの例は、計画の方法、情報取得の方法、情報整理の方法、分析
の方法、評価の方法、管理の方法、などで分けてみると分かり易いでしょう。
・これらは単独で利用される手法もあり、組み合わされて利用される技術もありますが ある目的
に対して決まった方法があるのではなく、目的を達成するための最も良い方法を見つけることにあ
ります。 また、技法を組み合わせれば新たな技法が生まれますので、組み合わせることによって
限りなく可能性を拡大します。 新たな技術に追従することもひとつの方法ですが、既存の技術だ
けでも課題や問題可決に必要な機能の構成は十分に可能です。 技術に対する実行者の理解、
分析、評価、知識、知恵、経験によってどのように利用するかが決まります。
・真の状況を確認したり、原因を見つけたり、要求を取り出すことがビジネスアナリシスの出発点
ですが、そのような情報をどうやって得るかは単に技術的な問題だけではなく、多くは人と人との
対話から生まれます。 情報を引き出す人間関係の能力は重要な技法のひとつです。
■同じ手法も使い方で種々の効果がある
・手法や技術はその利用方法が決められていることはほとんどなく、利用者のアイデアによってど
のようにでも活用できます。 例えば、ネットワーク図は、通信網の接続関係の図式化が本来の利
用目的であったと言えますが、業務の構成関係、事象発生の因果関係、などの表示によく利用さ
れています。 手法や要素技術はあくまでも手段であってそれらをどのように使うかによってその
価値が生まれます。 他の典型的な例では、表計算ソフト、いわゆるスプレッドシートは一般には、
数値の取り纏めや集計や統計、さらにはそれらの結果のグラフ化された表示に利用されることが
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本来の利用方法ですが、表計算ソフトには強力な分類、並べ替え、検索の機能があることを利用
して、アイデアの整理、概念の構造化、文書の編集などに広く利用できます。 表計算ソフトによる
文書作成を駆使しますと文書作成の効率化、迅速化の他に、アイデアを纏めたりすることに非常
な大きな力となります。 議事録の作成とその編集にも大きな効果があります。 アイデアや議論
を発生した順番にどんどん記録してゆき、適切な分類ラベルを付けておけば、必要な項目を集め
たり、必要なレベルに絞ったり、発言者別に整理したり、検索と並べ替えの機能を応用すれば、面
倒な作業が一瞬にして処理できます。 さらにマクロなどのプログラム機能を利用すれば利用範
囲は無限に広がります。
■新しい方法を実務に適用する
・問題解決や業務改革などの推進に活用できる新しい手法や技術はいろいろとあります。 適切
なものを積極的に活用することによって新たな効果や効率向上が得られる場面も生まれます。
特に、論理的な考え方や概念的な手法は新たな投資を必要としないばかりか、実行方法を変える
ことにより新たな効果が得られるという面からも貴重です。 必要なのは種々な利用方法の基本
的な概念の理解と実行力です。 実行のためのアイデアがあればさらにプラスです。
・ビジネスアナリシスの概念自体もその一例であり、体系的にその手法を活用すれば種々な効果
を得られることが期待されます。 効果の可能性は活用方法次第であって利用者の柔軟性に依
存するところが非常に大きいと考えてください。
・ビジネスアナリシスの具体的活用は概念やシステム、実行スキル、情報処理などの無形物が多
く、ハードウェアに依存する部分はあまり多くありません。 一種のマネジメントの手法ですから当
然ですが、同じ概念がそのままいろいろな対象に応用できることを考えますと、その価値は無限に
広がります。
・一方、問題処理には古くから使われてきた常識的な方法があって、現在でも多用されています。
それらの方法は単純でわかり易く、誰もが理解できます。 単純であることは大勢の人たちが同時
に使うためには大きな利点です。 基礎的な方法は常に解決方法の原点ですから、伝統的手法
で対応することは本来の姿です。 そこへ情報処理的な支援をすれば多くの場合立派なシステム
として機能します。
・昨今のビジネスにおけるマネジメントは情報のマネジメントでもあります。 多くの情報から関係
する情報を選び出し、並べ替え、分析し、どう判断してどう動くかというゲームの世界ともいえます。
情報の抽出と整理と分析はビジネスアナリシスの原点でもあります。 新しい問題処理の手法で
あっても基本は現場の情報です。 情報処理のいろいろな新しい手段が続々と出てきます。 情
報の検索、分類、統合、集計、発信、連携、画像、音声、どれも容易に利用できます。 それが机
上でできるのです。 さらに高速、自動的な処理、分析して図表やグラフで示すことができます。
これ等の機能を使い込み、意思決定の支援として活用するのは人間の能力です。 問題に直面し
た時にいろいろな機能をどう組み立ててどう使うかを考えれば、このようなシステムのメカニズム
が助けてくれます。
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図7-5 ス法や技術は使い方で価値が決まる
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