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平成23年5月25日公表(PDF形式 404.5KB)
相模原市監査委員公表第14号 地 方 自 治 法 (昭 和 2 2 年 法 律 第 6 7 号 )第 2 5 2 条 の 3 8 第 6 項 の 規 定 に よ り 、市 長 及 び 教 育 委 員 会 か ら 、平 成 1 3 年 度 、平 成 1 6 年 度 、平 成 1 7 年 度、平成18年度、平成19年度、平成20年度、平成21年度及び平成 22年度の包括外部監査の結果に基づき措置を講じた旨の通知があったの で、同項の規定により、当該通知に係る事項を次のとおり公表する。 平成23年5月25日 相模原市監査委員 大 貫 勲 同 石 橋 同 稲 垣 稔 同 関 山 由紀江 忠 文 1 特定の事件(平成13年度) (1) 相模原市の土地等の管理について (2) 相模原市土地開発公社の財務に関する事務の執行及び管理の状況 2 監査対象部局及び団体 財務部管財課、相模原市土地開発公社及び関係各部課 3 措置に係る通知日 市長から通知があった日 4 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 (1) 相模原市の土地等の管理について 該当無し (2) 相模原市土地開発公社の財務に関する事務の執行及び管理の状況 監査の結果 措置の状況 【指摘事項】 1.先買い制度による事業用地及び代替地 1.先買い制度による事業用地及び代替地 相模原市土地開発公社において、長期保有土地の 先買い制度による代替地のうち、すでに措置を公表 うち先買い制度による土地は、事業用地が8箇所 している代替地9箇所に加え、新たに代替地1箇所 1,427百万円あり、代替地14箇所3,007 (東林間8丁目)を平成22年8月に一般処分した。 百万円ある。先買い制度により取得される土地は、 (「2.代替地等」にも記載) 必要性を充分に吟味することなく買取り機会に応じ てしまう傾向があるため、用地取得してから公共施 設の整備等に用いられるまでの期間が一般に、長期 にわたる可能性が高くなる。また、買取られた土地 の用途も公共的なものに限られる旨、「公拡法」で規 定されている。先買い制度により公共用地を先行取 得した後に、計画の変更等により当初の利用目的が なくなってしまった場合、民間売却が法律的に制約 されてしまう。 相模原市より取得依頼された用地が、買取り後の 計画変更等によって、用途変更や民間売却が余儀な くされた場合には、相模原市にその第一義的責任が あるため、相模原市は責任を持って当該用地にかか る対応策を講じるべきである。具体的には、事業用 地の早期事業化、早期買取の実行及び代替地の事業 用地化又は民間売却の可能性等の検討が必要。 (報告書 27頁~30頁) 【指摘事項】 2.代替地等 2.代替地等 代替地23箇所及び広域行政道路の含み損 1 すでに措置を公表している代替地14箇所及び 3,029百万円を加味して、貸借対照表を修正す 事業用地の「広域行政道路」に加え、新たに代替地2 ると1,909百万円の債務超過に陥る。 箇所について一般処分した。 相模原市土地開発公社は、今後、債務超過に陥ら 代替地のうち1箇所(下溝下原)については、平成 ないために、代替地に関しては、含み損を顕在化さ 22年5月に処分した。また、他の1箇所(東林間8 せない帳簿価格で買取る事業用地への転換も考慮す 丁目)については、「1.先買い制度による事業用地 る必要がある。また、事業用地の「広域行政道路」に 及び代替地」で記載したとおり処分した。 関しては、相模原市から取得依頼された相模原市土 (「1.先買い制度による事業用地及び代替地」及び 地開発公社に負担させるべきか資金面と損益面から 「4.その他」にも記載) 慎重に検討する必要がある。 (報告書 31頁~36頁) 【指摘事項】 3.保有目的変更 3.保有目的変更 相模原市土地開発公社において、保有目的変更の すでに措置を公表している5箇所に加え、平成23 土地は8箇所5,930百万円ある。代替地から事 年3月に相模原市勤労者総合福祉センター「暫定」駐 業用地へ変更した土地3箇所、保有目的を変更した 車場等について、相模原市が買戻しを行った。 ものの未だ「仮称」「暫定」など利用目的が明確でない 土地3箇所、当初計画から適切な事業区分をしてお くべきだった土地2箇所に区分できる。 当初計画から適切な事業区分をしておくべきだっ た土地に関しては、当初計画から認識しており保有 目的変更ではないとも考えられなくはないが、事業 区分が違うことは事業目的も違うため、今後、用地 取得に関しては、適切な事業区分をすることが必要 である。 (報告書 45頁~46頁) 【指摘事項】 4.その他 4.その他 下溝下原用地は、平成2年度に道路用地の代替地 として取得し、現状340.24㎡、帳簿価格83 百万円保有している。当該用地は右側が河川に面し 曲がっており、帳簿面積には、河川擁壁のり面部分 が含まれるため実質面積は約290㎡に減少する。 また、面積が広い割には地形が台形であるため2分 割しにくい用地である。何故このような用地を代替 地として取得したかは疑問が残るところである。今 後、代替地として利用が難しいため、一般処分など を検討し、早期処分が望まれる。 2 当該用地については、「2.代替地等」で記載した とおり処分した。 (報告書 59頁) 【意見】 5.経営健全化指標 5.経営健全化指標 債務保証等対象土地の簿価総額÷標準財政規模 債務保証等対象土地の簿価総額÷標準財政規模 相模原市土地開発公社は、平成12年度において 6.経営健全化指標 通知による経営健全化対策の対象である0.5以上 5年以上債務保証等対象土地の簿価総額÷標準 ではない。ただし、経営健全化対策指標より0.03 財政規模 しか低くなく、平成17年度目標値である0.25 7.供用済み土地及び用途明確でない土地 以下には達していない。しかし、経営健全化対策の 対象でなくても、平成17年度目標値である0.25 供用済み土地 平成18年3月に「土地開発公社の経営の健全化に 以下を目標に土地開発公社の経営健全化計画を策定 関する計画書」(平成18年度~平成22年度)を策 すべきである。 定して県に提出し、平成18年3月30日公社経営健 (報告書 68頁) 全化団体の指定を受けた。 計画終期の平成23年3月末において、標準財政規 【意見】 模に対する債務保証対象土地の簿価総額の比率を 6.経営健全化指標 「0.25以下」とし、そのうちの保有期間が5年以 5年以上債務保証等対象土地の簿価総額÷標準 上であるものの簿価総額の比率を「0.1以下」とす 財政規模 る健全化目標を達成した。 相模原市土地開発公社は、平成12年度において また、供用済み土地も市の買戻しにより、すべて解 通知による経営健全化対策の対象である0.2以上 消した。 ではない。ただし、平成17年度目標値である0.1 以下には達していない。しかし、経営健全化対策の 対象でなくても、平成17年度目標値である0.1 以下を目標に土地開発公社の経営健全化計画を策定 すべきである。 (報告書 68頁) 【意見】 7.供用済み土地及び用途明確でない土地 供用済み土地 相模原市土地開発公社は、平成12年度において 共用済み土地が37箇所あるため、例え経営健全化 対策の対象でなくても解消すべきである。 (報告書 68頁) 3 1 特定の事件(平成16年度) (1) 平成15年度に市が支出した補助金等に関する財務事務の執行について (2) 出資法人(財団法人 相模原市民文化財団、財団法人 相模原市みちの協会)に関する財務事務の 執行について 2 監査対象部局 財務課及び関係部課、財団法人 3 相模原市民文化財団、財団法人 相模原市みちの協会 措置に係る通知日 市長から通知があった日 4 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 (1) 平成15年度に市が支出した補助金等に関する財務事務の執行について 監査の結果 措置の状況 【意見】 1.財団法人 相模原市みどりの協会への補助金 1.財団法人 (補助金の補助方法について) 相模原市みどりの協会への補助金 (補助金の補助方法について) 財団法人相模原市みどりの協会の平成15年度 平成16年度以降、次期繰越収支差額の縮小を目 収支決算書よると、当期収支差額は1,741千円 指し、収益事業からの繰入を促すなど内部留保財源 であり、次期繰越収支差額15,359千円である。 の削減に努めてきた結果、平成22年度決算では、 次期繰越収支差額が毎年大きくなる傾向にあるこ 2,479千円まで縮小した。 とから、市職員の人件費のみ決算補助ではなく、全 今後も、自主財源収入による運営の効率化を勘案 体も予算補助ではなく決算補助がよいのではない した補助金の逓減を図ることを視点に、適正な補助 かと考える。 額を算定する。 (報告書 104頁) 【次期繰越収支差額の推移】 平成16年度 13,499千円 (収益事業からの繰入金3,400千円) 平成17年度 10,683千円 (収益事からの繰入金3,900千円) 平成18年度 9,195千円 (収益事業からの繰入金6,500千円) 平成19年度 7,398千円 (収益事業からの繰入金16,000千円) 平成20年度 10,294千円 (収益事業からの繰入金12,000千円) 平成21年度 6,791千円 (収益事業からの繰入金13,000千円) 平成22年度 2,479千円 (収益事業からの繰入金13,000千円) (2) 出資法人(財団法人 相模原市民文化財団、財団法人 執行について 該当無し 4 相模原市みちの協会)に関する財務事務の 1 特定の事件(平成17年度) (1) 地方債に係わる財務事務の執行について (2) 社会福祉法人相模原市社会福祉事業団に関する財務事務の執行について 2 監査対象部局及び団体 財務部財務課及び関係各部課並びに社会福祉法人相模原市社会福祉事業団及び保健福祉部障害福祉課 3 措置に係る通知日 市長から通知があった日 4 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 (1) 地方債に係わる財務事務の執行について 監査の結果 措置の状況 【指摘事項】 1.【下水道事業特別会計】 1.【下水道事業特別会計】 不納欠損額の処理の問題 不納欠損額の処理の問題 平成14年度以前分の滞納繰越等が、時効を迎え 平成14年度以前分の公共下水道使用料の滞納整 る平成19年度まで、多額の不納欠損額が生じる可 理は、収入確保を優先課題として取り組んできたが、 能性が高い。現在の担当部署は、このことを真摯に 平成18年度より収入確保と併せて公平性の観点か 受け止め、鋭意努力しているが、限界があり、状況 ら、差押えを視野に入れた滞納整理を行った。 は厳しい。 市民税等の徴収管理部門への移管は、滞納整理状 不納欠損額にならないよう徴収管理するには、市 況や整理期間が短いことなどから、行わないことと 民税等の徴収管理部門等に移管し、市として、確固 したが、過去の交渉経過等から、納付約束の取付者 たる手続きを取られるのが望ましい。 を除いた滞納者のうち、滞納額の高位の者418名 下水道料金を払わない市民にかかる「不納欠損額」 及び事業用水栓使用者74名の計492名(以下「高 は、原則として発生してはいけないと考える。 (報告書 額滞納者等」という。)を納付交渉注力者と位置づけ、 82~86頁) 訪問及び通知等により接触強化に努め、自主納付の 推進を図った。 【意見】 2. 【相模原市の収支状況等について(まとめ意見)】 2. 【相模原市の収支状況等について(まとめ意見)】 合併後の財政計画に係る具体的数値目標の設 合併後の財政計画に係る具体的数値目標の設 定について 定について 平成18年度からの相模原市・津久井町・相模湖 平成22年度に改定した「さがみはら都市経営ビ 町合併による財政問題については、相模原市・津久 ジョン・アクションプラン」の取組項目「国民健康 井町・相模湖町合併協議会の新市まちづくり計画に 保険事業特別会計の健全化」及び「市債発行に関す おいて、平成18年度から平成27年度までの財政 る制限値の設定」において、政令指定都市移行後の 計画が策定されているが、上述の具体的数値目標が 市としての数値目標を定めた。 ない中での財政計画なので、今後は、相模原市とし て具体的数値目標と整合性をはかることが必要であ る。 (報告書 207頁) 5 (2) 社会福祉法人相模原市社会福祉事業団に関する財務事務の執行について 該当無し 6 1 特定の事件(平成18年度) (1) 少子高齢化対応事業の財務事務の執行について (2) 中小企業融資制度に関する財務事務の執行について 2 監査対象部局及び団体 保健福祉部保育課及び関係各部課並びに経済部産業振興課 3 措置に係る通知日 市長から通知があった日 4 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 (1) 少子高齢化対応事業の財務事務の執行について 監査の結果 措置の状況 【指摘事項】 1.【給食サービス事業委託費】 1.【給食サービス事業委託費】 補助金の積算内容について 補助金の積算内容について 当該給食サービスの平均単価は1,191円であ 社会福祉協議会と協議した結果、 平成23年度の委 り、給食を配送するサービスとしては、事業費が多 託契約において、配食に係る経費及び調理業務委託に いと思われる。 係る経費を中心に見直しを行った。 そもそもなぜ委託するのかを考えれば、①相手方 具体的には、配食協力員への謝礼について、平成2 に当該事業に関するノウハウや経験があり、専門的 2年度は配食員1人あたり1回につき約3食の配食 な問題に対処する能力がある、②その種の業務を一 としていたものを、平成23年度には配食の効率化を 手に行うことによるスケール・メリットが働くため 図ることにより約3.5食とし、1食あたりの配食コ 発生コストが節減できる、ためである。 ストを約41円削減した。 ここで、①については、委託先が社協であり、高 また、特別養護老人ホーム等への調理業務(再委託) 齢者福祉事業について一定のノウハウがあること について、平成22年度は1食あたり400円として は認められるであろう。しかし、事務的な経費や車 いたものを、 平成23年度には民間業者への調理業務 両関係の費用、パソコン購入費等の間接費は通常ス 委託との平準化の観点から1食あたり350円とし、 ケール・メリットを享受しうる経費であり、また、 1食あたりの調理コストを50円削減した。 消耗品等は前年度の余剰を使える場合もある。 これらの見直しにより、平成23年度の1食あたり 直接費の業務委託料にも問題がある。業務委託料 の単価(本人負担分の食材費400円を除く)は、約 の大半は調理代金であるが、検食代、検便代、事務 746円(社協委託料161,336,000円÷年 費、消毒液代等も混入している。いずれも調理を依 間延べ216,300食)となり、平成22年度の約 頼された施設に既に発生しているコストであり、当 826円(社協委託料174,405,193円÷年間 該事業の委託によって追加的に発生するものでは 延 べ 2 1 1 , 1 5 0 食 ) か ら 約 8 0 円 の 減 ないと思われる。このように、積算の中に含めるべ 額となったことから、平成23年度の委託料は約 きか疑問であるコストが散見されるため、②につい 1,730万円の削減(1食あたり単価の削減額80 ては十分とはいえない。 円×216,300食)となった。 社協が、当該事業のために購入している資産等 は、社協の他の事業、あるいは用途でも利用可能な ものが含まれている。そのような資産については、 社協にその利用を認め、その購入費用の一部を社協 7 に負担してもらう等して、コストを削減することが 可能であると思われる。今後は、このようなコスト 削減の努力を実施した上で、必要な額を委託費の積 算根拠とする必要がある。 (報告書 163~165頁) 【指摘事項】 2.【介護保険法の改正】 2.【介護保険法の改正】 事業計画の達成状況の評価について 事業計画の達成状況の評価について 市町村が作成する第3期介護保険事業計画(以下 事業計画の達成状況の評価については、平成21年 「事業計画」という。)の策定指針である「介護保 3月に策定した第4期事業計画(平成21~23年 険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するた 度)において計画全体の達成状況を評価する指標とし めの基本的な指針(素案)」 (全国介護保険担当課長 て「目標達成基本指標」を設定するとともに、施設に 会議(平成17年6月27日)では、事業計画にお ついての整備目標を定めた。 いて、「各年度における市町村介護保険事業計画の これらの指標等については、平成23年3月報告の 達成状況を点検及び評価する方法等を定めること」 「相模原市高齢者等実態調査」における意識、ニーズ とされている。しかしながら、市の事業計画におい 調査結果との比較や、施設整備状況(計画年度末見込 ては、評価方法等に関する具体的な記載はない。 み)との検証により、第5期事業計画(平成24年3 事業計画では、各年度の要介護者数、介護サービ 月策定予定)に反映することとした。 スや介護保険事業費等の見込が掲げられている。介 護保険は、これら計画された事項が確実に達成され ているかどうか、達成されていない場合にはその原 因は何か、適正な給付となっているか等、介護給付 実績の分析を行い、その後の政策に活かすことが求 められる。市としては、事業計画の達成状況の評価 方法を定めることが必要である。 (報告書 227頁) 【意見】 3.【幼児養育費】 3.【幼児養育費】 制度のあり方について 制度のあり方について 他の補助金や手当等に比べて、支給の目的や対 平成22年度の事業仕分けにおいて、費用対効果の 象が絞り込まれておらず、どのような課題に対応 面や既に事業目的が達成されているなどの意見から し、あるいはどのような成果を求める制度なのかが 「不要」との仕分け結果となった。 明確とは言えない。 制度創設時と比較して、 子育て広場事業などの在宅 市としても、制度の見直しについては検討を行 サービスの充実が図られたことや、 他の制度との重複 ってきており、平成 14 年度から平成 16 年度の事 もあり、更に時代に即した子育て支援施策が必要であ 務事業評価においては、毎年、事業廃止の査定が下 ることから、平成22年度をもって廃止した。 されている。しかし、廃止に当たって、在宅で育児 8 をしている家庭への子育て支援サービスなどの代 替の制度を検討しているとのことであり、現在も制 度自体は継続中である。 できるだけ早い段階で制度のあり方について結 論を出し、速やかに対応する必要がある。 (報告書 87~88頁) (2) 中小企業融資制度に関する財務事務の執行について 該当無し 9 1 特定の事件(平成19年度) (1) 公の施設に係る指定管理等の事務の執行について (2) 指定管理者である出資団体の事業の管理等について 2 監査対象部局及び団体 各指定管理者導入施設及び関係各部課並びに相模原市都市整備公社及び相模原市民文化財団 3 措置に係る通知日 市長から通知があった日 4 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 (1) 公の施設に係る指定管理等の事務の執行について 監査の結果 措置の状況 【意見】 1.【市営自動車駐車場】 1.【市営自動車駐車場】 指定管理者の条件を限定することの合理性・妥 指定管理者の条件を限定することの合理性・妥 当性について 当性について 相模原市営自動車駐車場条例では、指定管理者の 相模原市営自動車駐車場条例について、市の出資 選考は公募で行うとされているが、その資格を市の 法人に限定している指定管理者の対象を「法人その 出資法人に限定している。自動車駐車場の管理運営 他の団体」に改める条例改正を平成23年3月に行 は民間の事業者が実施不可能な業務ではない。当初 った。 から資格を限定せずに幅広く公募を行い、複数の候 平成24年度以降の指定管理者の選考に際して 補者が競う環境の中から指定管理者を選考すること は、市の出資法人に限定することなく広く公募を行 を要望する。 うこととした。 (報告書44頁) 【意見】 2.【市営自転車駐車場】 2.【市営自転車駐車場】 指定管理者となりうる団体の範囲 指定管理者となりうる団体の範囲 相模原市営自転者駐車場条例では、指定管理者の 相模原市営自転車駐車場条例について、市の出資 選考は公募で行うとされているが、その資格を市の 法人に限定している指定管理者の対象を「法人その 出資法人に限定している。 他の団体」に改める条例改正を平成23年3月に行 当初から資格を限定せずに幅広く公募を行い、複 った。 数の候補者が競う環境の中から指定管理者を選考す ることを要望する。 平成24年度以降の指定管理者の選考に際して は、市の出資法人に限定することなく広く公募を行 (報告書47頁) うこととした。 【意見】 3.【産業会館】 3.【産業会館】 事業の在り方(利用率の減少)について 事業の在り方(利用率の減少)について 会議室の利用率が減少傾向にある。 指定管理者の応募条件については、平成21年度 これまでの管理受託者と現行の指定管理者とに継 以降の指定管理者募集から「産業の振興及び経済の 10 続性があるにもかかわらず利用率が減少している原 発展を図ることを目的として設立された市内に活動 因は、利用者のニーズに対応したサービスを提供し の本拠となる事務所を有する法人その他団体」から 得ていないからなのか、公の施設としての使命が時 「法人その他団体」とした。 代にそぐわなくなって来ているからなのか、のいず 制度導入の評価については、目標値を定めた成果 れかであると考える。平成18年度の事業報告書及 指標を設定し、平成21年度から外部選考委員によ び収支決算書を市は承認しているが、今後、指定管 るモニタリングを毎年開催し、モニタリングシート 理者制度をより一層充実させて行くために、制度導 や事業実績による評価を受けている。 入の成果を評価するべきである。 また、募集要項に利用者ニーズ把握の項目を入れ、 また、民間の事業者のノウハウを活用するために、 パソコン研修やセミナー開催時に参加者へのアンケ 次回の指定管理者の公募の際には、応募条件を緩や ートを実施し、利用者ニーズの把握に努めるととも かにして、広く応募者を募ることも必要である。 に、市内企業へのダイレクトメール送付、商工会議 (報告書79頁) 所広報やイベント時のチラシ配布などのPRを行 い、施設の利用促進を図っている。 今後はさらに専門普及員による利用促進活動の展 開、利用料金見直しの検討等に取り組むとともに、 市と指定管理者との定期的な協議を続け、利用率向 上に向けて取り組んでいく。 【意見】 4.【峰山霊園・柴胡が原霊園】 4.【峰山霊園・柴胡が原霊園】 利用者満足度調査の制度化について 利用者満足度調査の制度化について 利用者満足度調査を行う指定管理者の姿勢は評価 平成21年度から、協定書第8条に基づき、利用 されるが、調査結果を今後の事業活動に結びつける 者満足度調査の項目、実施方法、必要回答数等を市 ためには調査方法の見直しが必要である。市と指定 と指定管理者で協議している。また、指定管理者が 管理者で利用者満足度調査の項目、実施方法、必要 回収した調査用紙については、平成23年度より調 回答数等を協議することを要望する。 査結果の報告を受ける際に公園課が確認することと また、指定管理者が回収した調査用紙については、 した。 施設及び指定管理者の業務実施状況に対する市民の 反応を把握するために、公園課は控えを入手するこ とを要望する。 (報告書81頁) 【意見】 5.【峰山霊園・柴胡が原霊園】 5.【峰山霊園・柴胡が原霊園】 花の販売に対する評価について 花の販売に対する評価について 平成18年度から、指定管理者はお盆、お彼岸に 平成22年度から、年2回の選考委員会によるモ 花束の販売を行っている。これについては良い試み ニタリングにおいて、花の販売実績について、指定 と思われるが、公園課はお彼岸(秋・春)の販売実 管理者より報告を受け確認している。 績を入手していない。指定管理者制度2年目以降は 11 販売実績を入手し、確認することを要望する。 (報告書81頁) 【意見】 6.【峰山霊園・柴胡が原霊園】 6.【峰山霊園・柴胡が原霊園】 収支の分析について 収支の分析について 峰山霊園及び柴胡が原霊園の収支計算書による 平成21年度から、協定書第15条第4項により、 と、税抜きベースで2,555千円の剰余金が生じ 指定管理料について、毎年度終了後、速やかに精算 ている。予算では想定していない剰余金が生じてい しなければならないこととし、剰余金が生じないも るが、その要因については、包括外部監査の手続の のとした。 一環として確認するまで、公園課では十分な分析を 行っていなかった。公園課は、指定管理者から事業 報告書を受領した場合には収支状況をチェックし、 一定の剰余金が生じている場合には、速やかにその 発生原因を指定管理者に確認することを要望する。 (報告書81頁) 【意見】 7.【鹿沼公園、相模台公園、古淵鵜野森公園】 7.【鹿沼公園、相模台公園、古淵鵜野森公園】 収支の分析について 収支の分析について 鹿沼公園の収支計算書によると、3,572千円 (税抜き)の支出超過となっている。 平成17年度は交通公園の管理を市が直接行って いたが、平成18年度から指定管理となり、自主事 鹿沼公園が支出超過となったのは、指定管理者が 業(小学生参加による花壇作り、ネイチャーゲーム) 当初予定した職員よりも職階の高い職員を配置した の実施、専用利用団体とのグラウンド調整会議(テ ため、人件費が予算を上回ったことによるものであ ニスコート)の主催や駐車場の適正利用に関する市 る。公園課としては職階が高い職員が配置されたこ との協議、調整等、利用者サービスの向上、市との とにより、どの程度サービスが向上したのかを分析 調整や管理業務の円滑化等、嘱託職員の職責では果 することを要望する。 たせない業務が遂行された。 (報告書87頁) 【意見】 8.【相模原麻溝公園ふれあい動物広場】 8.【相模原麻溝公園ふれあい動物広場】 事業計画の変更の把握について 事業計画の変更の把握について 「ポニー教室」の開催は、平成18年度の事業計 事業計画の達成状況を毎月の業務報告書で確認・ 画で年6回を予定していたが、実際には5回しか開 監視するとともに、計画の変更が懸念される場合に 催されなかった。 は、早期に指定管理者から公園課へ状況報告及び事 これらは基本協定書第6条第2項の事業計画書の 前協議を行うよう改めて指導し、徹底している。 変更に該当すると思われ、計画の変更について両者 の事前協議が必要であったが、これが実施された形 12 跡はみられなかった。 指定管理者の選考の評価において提出された事業 計画が達成されているかを、監視し、指導すること が不足であったと考える。 (報告書92頁) 【意見】 9.【勤労者総合福祉センター(「サン・エールさが 9.【勤労者総合福祉センター(「サン・エールさが みはら」) 】 みはら」) 】 利用者満足度調査の制度化について 利用者満足度調査の制度化について 働く人支援課として積極的に利用者満足度調査に 平成21年度以降の指定管理者募集にあたり、募集 関わることも事業の評価のためには必要であること 要項及び協定書に利用者満足度調査の方法及び分析 を考えると、基本協定に明確に規定することやアン 結果の報告等について明記した。その後、平成21年 ケートの内容についても事業評価に繋がる調査項目 10月からの利用者満足度調査アンケートについて や集計様式等になるよう、再検討することも必要で は、結果報告を受け、事業評価に活用している。 ある。 (報告書100頁) (2) 指定管理者である出資団体の事業の管理等について 該当無し 13 1 特定の事件(平成20年度) 未収金(収入未済額)に係る事務の執行等について 2 監査対象部局及び団体 納税課その他未収金に係る事務の執行等を取り扱う関係各課 3 4 措置に係る通知日 (1)市長から通知があった日 平成23年5月24日 (2)教育委員会から通知があった日 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 未収金(収入未済額)に係る事務の執行等について 監査の結果 措置の状況 【指摘事項】 1.【財産調査について】 1.【財産調査について】 調査の迅速性、計画性の確保 調査の迅速性、計画性の確保 抽出した高額滞納事案の中には、いつまでに何を 平成22年7月に「財産調査指針」を策定し、滞 調査してその調査結果をその後の滞納整理事務にど 納額により質的・量的と事案を区分した上で、それ のように活用しようとするのかが不明瞭な事案が見 ぞれの基本となる財産調査項目を明確にし、財産調 受けられた。 査の迅速性を図ることとした。 財産調査は考えられる項目に対して一斉に実施す 高額滞納事案においては、平成23年度の滞納整 ることが望ましいと考えるが、財産調査の目的の明 理促進のための取組方針を「税収確保対策進行管理 確化、計画性、実施のタイミングについて検討が必 指針」として定め、その取組方針に基づいた案件に 要である。 ついて、 「財産調査指針」による財産調査を計画的に 滞納整理事務において財産調査は、処分を確定さ 行なうことにより、早期の方針決定を明確にし、滞 せるという点で重要な事務であると考える。中でも 納解消に結び付けていくこととした。 高額滞納事案に対する財産調査は、事案が複雑化、 長期化しており、容易には事務を進められない状況 も想定される。しかしながら、不必要に事案の解決 を長引かせることがないよう、あるいは滞納処分の 執行停止の妥当性を確保するためにも、目的を明確 化し、計画的に財産調査を進める必要がある。 (報告書 74頁) 【意見】 2.【執行停止処分について】 2.【執行停止処分について】 滞納処分執行停止後の対応 滞納処分執行停止後の対応 滞納処分執行停止後も滞納者の状況は定期的にフ 滞納処分執行停止中(3年時効)事案について、 ォローしているとのことであるが、交渉経過上では、 事後フォローに係る定期的な現況確認の方法等につ 滞納処分執行停止後に市側から状況を確認している いて、平成22年8月に「執行停止の取扱指針」を 事案は見出せなかった。滞納処分執行停止後も定期 策定してマニュアル化し、執行停止処分後の管理に 的に臨戸を行い、滞納者の現況を直接確認すること ついて収入状況や現況確認の実施を定めた。 14 が望ましい。 (報告書 83頁) 【意見】 3.【執行停止処分について】 3.【執行停止処分について】 執行停止処分を行う際の本人の現況確認 執行停止処分を行う際の本人の現況確認 次の事案については、必要な手続を実施した結果、 調査を実施する中で、平成20年10月に本人の 収納が難しいと判断されるのであれば、滞納処分の 死亡を確認し、これまでの滞納処分の執行停止への 執行を停止することもやむを得ないと考える。 (事案32) 方針から相続関係人の調査も必要となった。このた め、相続人の収入状況や現状を確認したところ、担 市外に転出しているが一度臨戸を実施し、本人の 税力は無いと判断した。 現況を確認する必要がある。 また、過去からの調査により、差押え物件である 数年前に別荘を調査しており、換価可能性が低い 別荘についても換価価値がないため、平成23年3 と判断して公売を見送っているが、交渉経過による 月に執行停止処分とした。 と、その後、特段の対応はなされていない状況であ った。本来であれば、早期に滞納処分の執行停止も 含めた対応がなされる必要があったと思われる。 平成20年7月に再度別荘を調査しているが、換 価価値は低いとのことである。市外に転出している が一度本人の現況を確認し、滞納の解消は難しいと 判断される状況であれば、滞納処分の執行停止もや むを得ないと考える。 (報告書 85頁) 【意見】 4.【換価について】 4.【換価について】 公売担当者の設置について 公売担当者の設置について 政令市の中には、個別の滞納事案を担当せず、公 公売事務専従職員の配置について、全政令指定都 売のみを扱う職員を配置している市もあるとのこと 市への調査を実施し検討したところ、公売事務専従 である。相模原市においても、このような仕組みを 職員を配置しているのは1市のみであり、その徴収 取り入れている市が、実際に公売を進めるに当たっ 率は平成20年度実績で95.2%と平均的であっ てどの程度の効果を上げているのかを調査し、相模 た。公売事務専従職員の配置は望ましいところであ 原市への導入の是非についても検討する必要があ るが、今後は、組織体制の充実のため、公売担当を る。 専従とするのではなく、地区担当と公売担当の連携 (報告書 88頁) や研修を通じて公売技術の向上を図り、滞納整理業 務の進展と公売業務の更なる充実を図っていくこと とした。 なお、こうした取り組みにより、平成22年度に 不動産公売を5件実施し、4件が落札となった。今 15 後も積極的に公売業務に取り組んでいく。 【意見】 5.【介護保険料の未収金】 5.【介護保険料の未収金】 一般会計繰入金について 一般会計繰入金について 「事務費繰入金」の対象となる項目は、介護保険 事務費繰入金については、保険給付、保険料の賦 料で賄うこととなっている介護保険給付費とは明確 課徴収及び認定事務などに伴う介護保険事業の運営 に区分されているため、介護保険料の収入未済の増 に必要な事務の経費であることから、その変動要因 加は「事務費繰入金」には影響を与えない仕組みに となる認定者数の変動や制度改正等の動向を常に把 なっている。しかしながら、 「事務費繰入金」は平成 握した上で、必要な予算計上を行い、適正な執行に 19年度のように、介護保険制度の見直しに伴って 努めていく。 大幅に増加する可能性がある。事務費繰入金の動き とその変動要因については、所管課は常に把握して おく必要がある。 (報告書 124~125頁) 【意見】 6.【奨学金貸付金元金収入の未収金】 6.【奨学金貸付金元金収入の未収金】 連帯保証人について 連帯保証人について 奨学金条例 6 条で、奨学金貸与の決定を受けた者 平成22年11月1日に奨学金返還金滞納整理事 は親権者等の連帯保証人をたてることとされてお 務処理要綱を作成し、連帯保証人の責務履行につい り、連帯保証人からの徴収が想定されている。よっ て整理した。 て、本人からの徴収が困難な場合には連帯保証人か 要綱に基づき、本人の督促でとまっていたものに らの徴収も十分に検討する必要があるが、本人への ついては、連帯保証人へ連絡をとり、責務履行を進 督促で留まっている事例が見受けられる。 めている。 本人の返済能力が不足している、本人が所在不明、 あるいは連絡が困難な場合には、連帯保証人からの 徴収も十分に検討する必要がある。 従前制度の保証人からの徴収についても十分に検 討する必要がある。 (報告書 161頁) 【意見】 7.【奨学金貸付金元金収入の未収金】 7.【奨学金貸付金元金収入の未収金】 徴収が困難な場合の対応策の整理について 徴収が困難な場合の対応策の整理について 本人が所在不明の場合に、本人の所在を調査する 本人からの徴収が困難な場合には、費用対効果等 ことについては、通常以上の事務負担が生じる可能 を勘案し、連帯保証人への徴収を実施するため、平 性がある。そのような場合には、費用対効果を考慮 成22年11月1日に奨学金返還金滞納整理事務処 して本人からの徴収は困難と判断し、連帯保証人や 理要綱を作成し、連帯保証人の責務履行について整 16 保証人からの徴収を検討する必要がある場合も考え 理した。 られる。 要綱に基づき連帯保証人への責務履行を進めてい 担当課として、徴収事務と債権の状況を踏まえた る。 上での対応策を整理することが望まれる。 (報告書 161頁) 【意見】 8.【奨学金貸付金元金収入の未収金】 8.【奨学金貸付金元金収入の未収金】 未収債権管理事務手続書の整備について 未収債権管理事務手続書の整備について 未収債権管理の事務手続書が作成されていない。 奨学金償還事務を的確に実施するため、平成22 事務を確実に実施するためにも事務手続書の作成が 年11月1日に奨学金返還金滞納整理事務処理要綱 望まれる。 を策定し、運用を進めている。 現在、事務手続について定めた要綱を作成中である との報告を受けている。債権管理の事務手続が確実 かつ効率的に行われるよう、要綱の早期作成とその 運用が望まれる。 (報告書 162頁) 17 1 特定の事件(平成21年度) (1)相模原市の小学校・中学校等に関する財務事務の執行等について (2)株式会社さがみはら産業創造センターに関する財務事務の執行等について 2 監査対象部局及び団体 各指定管理者導入施設及び関係各部課並びにさがみはら産業創造センター 3 4 措置に係る通知日 (1)市長から通知があった日 平成23年5月24日 (2)教育委員会から通知があった日 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 (1)相模原市の小学校・中学校等に関する財務事務の執行等について 監査の結果 措置の状況 【指摘事項】 1.【各種教育研究団体補助金関連】 1.【各種教育研究団体補助金関連】 実費精算方式の導入 実費精算方式の導入 各種教育研究団体補助金は、補助対象団体の予算 支出における補助対象経費、対象外経費、収入に 額を補助金額の算定基礎としていることから、各年 おける公費と公費以外の区分の明確化を図るため、 度に繰越金が生じた場合においても戻入等は行って 交付団体等との課題整理を行い、移行可能なものか おらず、多額の繰越金が生じた場合にのみ、翌年度 ら実費精算方式に移行した。ただし、実費精算方式 の補助金交付額を減額調整する運用を行っている。 が困難な団体の繰越金については、現金管理ではな しかしながら、各団体への交付条件として、補助金 く通帳において適正に管理するよう指導した。 交付年度における当該団体の実施事業に要する経費 (補助対象経費)の一定割合を補助額と定めており、 この定めからも、本来は、実費精算方式を前提とし た性質の補助金であると言える。一方、実務上の対 応を考慮して、翌年度へ繰越すことも完全には否定 できない。 少なくとも、学務課としては、どちらの方法とす るかについて、明確なルールを検討し、実費精算方 式を採用する場合には、毎年度、助成金交付額のう ち補助対象経費として要しなかった額についての戻 入の方法を、繰越を認める場合には繰越金の管理の あり方を検討する必要がある。 なお、平成20年度においては、平成21年2月 に金融機関口座(全体分)が解約され、5月に平成 21年度の口座を開設するまで、繰越金908,20 9円が現金で管理されていた。このような現金での 管理が極力ないように指導する必要がある。 (報告書 76頁) 18 【意見】 2.【小中学校における予算事務・契約事務・ 2.【小中学校における予算事務・契約事務・ 検収事務・支出命令事務】 検収事務・支出命令事務】 納品書の取扱い 納品書の取扱い 再配当予算を執行する際には、小中学校は見積 納品書の取扱いや保管方法については、市の入 書、請書(一定額以上の場合作成必要)、請求書を 札・契約事務の適正執行に関する通知に基づき、請 入手し、教育委員会に送付するが、納品書について 求書や見積書と同様の扱いとするよう、4月に開催 は教育委員会への提出は求められておらず、小中学 した学校事務説明会において周知し,検収方法にお 校での保管も求められていないため、その取扱いが いても、適正な事務執行を行うよう指導した。 小中学校によって異なっている。 取引先に対して納品書の提出を求めていないこ とが多く、入手しても一定期間保管して廃棄してし まう小中学校、保管せずにすぐに廃棄する小中学 校、ファイリングして保管している小中学校などさ まざまである。 納品書は原則として入手して保管しておく必要 があり、納品書の取扱いについてのルールを明確化 しておく必要がある。 (報告書 35頁) 【意見】 3.【小中学校における予算事務・契約事務・ 3.【小中学校における予算事務・契約事務・ 検収事務・支出命令事務】 検収事務・支出命令事務】 検収に関する事務 検収に関する事務 取扱要領では、原則として財務取扱職員が検収に 納品書の取扱いや保管方法については、市の入 関する事務を行うとされており、検収は納品書その 札・契約事務の適正執行に関する通知に基づき、請 他の関係書類等により行うと規定されている。この 求書や見積書と同様の扱いとするよう、4月に開催 場合のその他の関係書類等としては発注書等が考え した学校事務説明会において周知し,検収方法にお られる。 いても、適正な事務執行を行うよう指導した。 検収は納品書あるいは発注書と実際に納品された 物品を照合する方法で実施し、また、照合したこと を納品書あるいは発注書に記しておく必要がある。 さらに、適切に検収を実施した証跡として、その納 品書あるいは発注書を保管しておく必要がある。 検収に関する事務に関するルールについてもより 具体化しておく必要がある。 (報告書 35頁) 19 【意見】 4.【相模原市全体で考え方を統一しておくべき 4.【相模原市全体で考え方を統一しておくべき 事項】 事項】 金融機関への預け入れの方法 金融機関への預け入れの方法 今回往査した小中学校については、学校で直接徴 学校の立地条件や従来からの取引によって金融機 収した現金等を教職員2名で銀行へ出向き預け入れ 関の職員が訪れて集金を行っている例もあるが、訪 ているところや、金融機関の職員が直接小中学校を 問集金を取りやめる事例も多くなっている。訪問集 訪れ現金を引き渡しているところがあるなど、現金 金については学校を通じて、金融機関に対し実施で の預け入れ方法もいくつかのパターンに分かれてい きるよう引き続き交渉に努めており、併せて金融機 た。 関が保険に加入していることについても確認した。 教職員だけで銀行に出掛けて入金を行う場合に また、市等が取り扱う公金については「全国市長会 は、多額の現金移送を行うことによるリスクが伴う。 公金総合保険」に加入している。 現在、金融機関が小中学校に来校するケースは減少 しているが、預入先の金融機関に対して、来校して の現金の引き渡しが可能かどうかを改めて交渉する 余地はあると思われる。 なお、その際には、金融機関が、現金移送中のリ スクをどのような保険でカバーしているのか、その 保険の内容についても確認しておくことが望まれ る。 (報告書 47頁) 【意見】 5.【学校給食費の管理】 5.【学校給食費の管理】 就学援助 就学援助 就学援助における「学校長払い」の制度は有効で 「学校長払い」については、毎年、 「就学援助(就 あると考えるが、制度を導入するかどうかの判断は 学奨励金)学校事務の手引き」に掲載し、学校への 各学校に任せているため、取組み状況は小中学校に 周知を行っているが、更に円滑に活用いただけるよ よって様々となっている。 う、平成22年度に、各学校長に対して事務処理の 学校給食費の未納に関して問題を抱えている学 手引き等の送付に併せ参考資料を添付するなどし 校に関しては、 「学校長払い」の導入が進むよう、教 て、学校長口座委任制度の周知を行った。 育委員会としては今後も十分なサポートを図ってい くことが望まれる。 (報告書 51・52頁) 20 【意見】 6.【G小学校】 6.【G小学校】 相模原市学校教育研究事業推進協議会からの 相模原市学校教育研究事業推進協議会からの 委託料(市からの補助金等に関する事務) 委託料(市からの補助金等に関する事務) 相模原市学校教育研究事業推進協議会からの委 平成22年度から、各支出項目について説明した 託料を財源とした支出に関しては学校で現金出納簿 「支出科目について」という各研究会向けの文書内 を作成して管理している。その中で書籍を購入して にて、特に消耗品費及び図書費においては、決算報 いる事例があったが、帳簿には書籍名が記入されて 告の際、品名・図書名及びその単価を記載すること、 いるが購入元からの領収書には内訳が記載されてい またそれらが確認できる領収書の写しを添付するこ ないため、帳簿の記載内容の正確性が検証できない とを明記し、周知した。 状況となっていた。 購入元からは内訳の明記された領収書あるいは 請求書を入手する必要がある。 (報告書 60頁) 【意見】 7.【J中学校】 7.【J中学校】 備品管理データの精緻化(物品管理事務) 備品管理データの精緻化(物品管理事務) 備品についてはデータベースソフト(Access)で 備品については、平成23年3月までにデータベ 管理しているが、Access に登録されていない備品が ースソフトへの入力を全て行った。 存在している。学校としてはデータベース化を順次 進めているとのことであるが、備品管理データを速 やかに精緻化する必要がある。 (報告書 63頁) 【意見】 8.【学校給食単独校運営費】 8.【学校給食単独校運営費】 指名競争業者選定の方法 指名競争業者選定の方法 学校へのアンケートの項目の中には、前年データ 平成21年度から、補正を行った場合には、補正 との比較をしながら点数の補正を行わなければ正し の記録を記載することとした。 い評価ができないなど、集計作業に手間のかかって いるものが含まれている。 また、平成22年度から、質問項目の内容を前年 度との比較の評点から作業等の状況や成果に変更 補正を行う必要性がある場合には、補正の記録を し、補正の必要性をなくした。さらに配点について 残す必要があり、また、このようなアンケート項目 も、安全性や合理性に重点を置くよう改善を行った。 は誤りを誘発しやすく第三者の検証も手間となる。 当該アンケートの調査結果は、入札選考に関わる ものであるから正確性が求められ、かつ集計作業に は効率性も求められる。正確性と効率性の両立が可 能となるアンケートの作成を検討することが望まし 21 い。 (報告書 96頁) 【意見】 9.【学校給食単独校運営費】 9.【学校給食単独校運営費】 指名競争業者選定の方法 指名競争業者選定の方法 現在は委託業者のISOの取得状況やISO取得 平成22年度から、委託選考に関わる業者からの への取組みの状況は選考基準項目に採り入れられて 提出書類について、ISOの取得状況を採点に取り いない。ISOは学校給食にとって大切な、食品衛 入れた。 生や製造・加工の安全確保などに関するマネジメン トの評価指標として客観性もあり、有効である。教 育委員会においては選考基準項目の検討が望まれ る。 (報告書 96頁) 【意見】 10.【大規模修繕事業に係る将来計画】 10.【大規模修繕事業に係る将来計画】 実効性の高い計画の策定 実効性の高い計画の策定 平成22年度以降において相模原市の財政が急激 新相模原市総合計画 前期実施計画に年間6棟ず に好転することは想定し難いことから、現行の学校 つの大規模改修を位置付け、より実効性の高い計画 施設課の作成した整備等の計画は、現状の財政状況 とした。 を前提とした場合、実現可能性に乏しいものと言え る。そもそも、将来の大規模修繕事業は、複数年度 にわたり多額の事業費が見込まれるものであり、事 業の実施に際して、どの程度の財源が将来必要とな るのかが明らかになっていなければ、計画した事業 が実際に実施可能なものかどうか判断できず、計画 としての意義は半減する。計画を策定する際には、 相模原市の財政状況を十分に踏まえるとともに、事 業の緊急性や実施時期が遅くなることに伴う維持補 修費の増加等も勘案し、所要の事業費の概算を含ん だ、より実効性の高い計画とする必要がある。 (報告書 112頁) 【意見】 11.【スクールバス運行等事業】 11.【スクールバス運行等事業】 通学関係経費助成の各地域の統一性 通学関係経費助成の各地域の統一性 本事業は小中学校の統廃合に伴う特例的な措置 【スクールバスの運行に関わる基準】等を定めた 22 とされているが、このような特例をいつまで認めて 「通学費助成、スクールバス運行に関する基本方針」 いくのかについて、検討が必要となる可能性がある を策定した。(平成22年12月28日策定) ことに留意しておく必要がある。 将来的に少子化の影響などにより統廃合を実施 する場合、教育委員会としてこのような特例的な措 置を新たに認めるのか、新たな統廃合が行われた場 合の対応についても留意しておく必要がある。 今後、統廃合が行われ藤野町のような特例的な措 置を認めるとして、スクールバスの運行及びバス通 学定期券購入費用の助成を行う場合には、全市的観 点からその必要性あるいは助成を行う条件を定めて おく必要がある。また、全市的な観点で対応するこ とより、要綱の条件は藤野町区域以外の児童・生徒 も助成の対象とすることを視野に入れて定めること が望ましい。さらに、スクールバスについても、そ の地域あるいは学区域がどのような条件を満たして いれば運行するのかも明確化しておくことが望まれ る。 (報告書 128・129頁) 【意見】 12.【海外帰国及び外国人児童・生徒教育推進 12.【海外帰国及び外国人児童・生徒教育推進 事業】 事業】 巡回指導の夏休み・冬休みの状況について 巡回指導の夏休み・冬休みの状況について 日本語巡回指導は夏休みや冬休みには行われて 平成22年度、日本語巡回指導講師を通じて、長 いない。教育委員会としての基本的な考え方は学期 期休暇中の日本語指導のニーズについて聴取した。 内での習得を目指しているとのことだが、児童・生 海外帰国及び外国人児童については、夏休み等を利 徒個々人によって日本語の習熟度には差異が生じて 用して海外へ渡航することも多く、保護者及び児童 しまうと思われる。また、日本語の規則的な「聞く」、 から長期休暇中の日本語指導の要望はないとの結果 「話す」、「読む」、「書く」などの指導や、基礎学力 であった。 の習得指導などは長期の休みに集中的に行うことも 効果的と思われる。 また、長期休暇中に児童1人で登下校することに ついての安全性の問題や、さまざまな課題を抱えて 外国人英語指導助手は学校での授業のない8月 いる他の子どもたちとの公正の問題があり、実施に にも報酬が支払われ、教材の作成等の業務に従事し ついては困難であるが、今後も機を見て、日本語巡 ている。日本語巡回指導員の業務についても弾力的 回指導講師を通じてニーズを捉えていきたい。 な対応を図る余地があるのではないかと思われる。 日本語巡回指導を夏休みや冬休みまで行うかど うかは、最終的には対象となる児童・生徒あるいは その保護者のニーズによると考えるが、そのような 23 ニーズがあるかどうかの把握に努め、ニーズがある ならば日本語巡回指導員の業務のあり方を見直すこ とが望ましい。 (報告書 142頁) 【意見】 13.【学校情報教育推進事業】 13.【学校情報教育推進事業】 随意契約の妥当性 随意契約の妥当性 LL機器保守委託は東通産業㈱との随意契約とな 以前は随意契約としていたが、今後当該保守委託 っている。従前、このように機器等の保守委託業務 契約を行う場合については、複数の業者による見積 は機器を開発した業者もしくはその子会社などに委 合わせ等を実施することとした。しかしながら、平 託するケースが多く見受けられた。しかしながら、 成22年度については、事業そのものの見直しによ 現在、相模原市は随意契約の見直しを実施しており、 りLL機器保守委託業務は実施しておらず、平成 当該委託業務も本当に随意契約でなければならない 23年度からは廃止することとした。 のか十分に検討する必要がある。 (報告書 146頁) 【意見】 14.【相模原市学校教育研究事業推進協議会に 14.【相模原市学校教育研究事業推進協議会に 対する委託事業】 対する委託事業】 中学校区児童・生徒指導推進事業の支出内容 中学校区児童・生徒指導推進事業の支出内容 小中学校への委託事業のうち中学校区児童・生徒 平成22年度から、 「学校教育研究委託事業 研究 指導推進事業(以下「指導推進事業」という。)の支出 計画書等作成の手引き」内の「研究委託事業費執行 内容を確認したところ、委託事業の目的と一致して 上の注意点」において、当該研究委託事業に必要な いない、あるいは、報告が適正に行われていない支 経費のみに支出できることを明記し、各小中学校へ 出が見受けられた。 周知した。 消耗品(USB メモリーやプリンターインクあるい また、上記手引きとは別に作成した「支出科目に はプリンターカートリッジや紙)は、指導推進事業 ついて」という資料の中で、特に消耗品費について の委託料を使って購入する必要があるのかは疑問で は、購入数等が適切かどうかの精査を執行前に行う ある。再配当予算で賄えるものは再配当予算で賄う よう記載し、周知した。 ことによっても十分な成果を得ることは可能と思わ れる。各小中学校においては指導推進事業予算を使 い切るための対応が行われていると思われるが、こ のような作業は外部者の視点から見ると意味のある ものではない。 教育委員会は指導推進事業の支出内容について見 直しが必要である。 (報告書 151・152頁) 24 【意見】 15.【相模原市学校教育研究事業推進協議会に 15.【相模原市学校教育研究事業推進協議会に 対する委託事業】 対する委託事業】 推進協議会と各小中学校との関係 推進協議会と各小中学校との関係 相模原市は推進協議会と、課題研究推進事業、児 推進協議会のあり方、また委託方法について検討 童生徒指導推進事業、福祉教育推進事業の委託を一 した結果、学校教育研究委託事業については、平成 括した学校教育研究事業委託契約を締結している。 22年度から、推進協議会ではなく各小中学校内に そのため、相模原市と推進協議会との間は委託者と 立ち上げられた研究会と個別に委託契約を行ってい 受託者の関係となるが、小中学校と推進協議会との る。 関係が明確となっていない。 例えば、学校教育研究委託事業に関する実績報告 書等に関しては、学校教育課長から小中学校長宛の 事務連絡でその提出が要請されており、推進協議会 の名前はでてこない。 前述した税務申告の問題とも対応するため、相模 原市は推進協議会と小中学校との関係を明確化して おく必要がある。この場合、教育委員会と小中学校 で直接金銭のやり取りを行う仕組みに改めることも 一つの方法である。 いずれにしても推進協議会についてはその必要性 を改めて検討する必要がある。 (報告書 152頁) 【意見】 16.【相模原市学校教育研究事業推進協議会に 16.【相模原市学校教育研究事業推進協議会に 対する委託事業】 対する委託事業】 推進協議会が順守すべきルールの明確化 推進協議会が順守すべきルールの明確化 推進協議会の必要性を認め、当面は従来の枠組み 学校教育研究委託事業は、平成22年度から、推 を維持すると判断した場合には、推進協議会が順守 進協議会ではなく各小中学校内の研究会と個別に委 すべきルールを明確化しておく必要がある。 託契約を締結している。また、研究会に対し、 「学校 推進協議会は相模原市とは別個の団体と位置づけ 教育研究委託事業研究計画書等作成の手引き」等で、 られているが、相模原市とは極めて密接な関係を持 財務事務等が市の定める規則に準拠することを周知 った団体と言える。したがって、財務事務や契約事 した。 務に関しては原則として相模原市の定める規則に準 拠して行う必要があり、例えば推進協議会要綱等の 名目で、相模原市の定める規則に準拠することを明 文化しておく必要がある。 また、推進協議会においては支出を行う際の承認 手続についての具体的なルールが定められていな 25 い。監事なども置かれておらず、推進協議会自身の 決算書の妥当性を保証する仕組みが整っていない。 推進協議会を継続させるならば、推進協議会自身 の決算書の妥当性を検討する仕組みが必要であり、 監事を指名するなど具体的な対応を図る必要があ る。 (報告書 153頁) (2)株式会社さがみはら産業創造センターに関する財務事務の執行等について 監査の結果 措置の状況 【意見】 1.【投資事業】 1.【投資事業】 投資単価 投資単価 投資単価は投資先会社及び協調投資先(他のベン 新規の投資実行にあたっては、企業の将来的な資 チャーキャピタルなど)の意向を踏まえて決定され 産・負債状況等を鑑み、適正な投資価格となるよう交 る場合が多く、一社だけが低い価格で投資しようと 渉していく。 しても難しいが、いかに安く投資するかということ も業務執行組合員の技量のひとつである。 SICにおいては、今後投資を行っていく際には、 この点を考慮して交渉していく必要がある。 (報告書202~203頁) 26 1 特定の事件(平成22年度) 市税(市民税、固定資産税、その他)の事務の執行について 2 監査対象部局及び団体 税務部関係各課 3 措置に係る通知日 市長から通知があった日 4 平成23年5月24日 監査の結果及び講じた措置の内容 市税(市民税、固定資産税、その他)の事務の執行について 監査の結果 措置の状況 【指摘事項】 1.【固定資産税(土地) (都市計画税含む)】 1.【固定資産税(土地) (都市計画税含む)】 現地調査の実施(現地調査の実施状況) 現地調査の実施(現地調査の実施状況) 旧2町(相模湖町、藤野町)の全筆の現地調査に 平成21年度には該当の町の区域について市街地 ついては、平成20年度まで人員の不足から十分に を中心に現況調査を実施したが、政令指定都市移行 行われていなかった。平成21年度の評価替えにあ にあわせ組織体制等を整理し、平成22年度に市街 たり、市街地的な地域のみ全筆の現地調査を実施し 地以外の土地についても全筆調査を実施した。 たが、市街地的な地域以外の地域においては全筆の 現地調査が実施されていなかった。市街地的な地域 以外の地域においても現地調査を実施すべきであっ た。 (報告書 102頁) 【指摘事項】 2.【固定資産税(土地) (都市計画税含む)】 2.【固定資産税(土地) (都市計画税含む)】 現地調査の実施(現調図における実施確認) 現地調査の実施(現調図における実施確認) 一部の現調図の確認欄に記入がないものが見受け 平成22年度用の現況調査用図面から確認しやす られた。現調図の確認欄は現地調査での土地の現況 い様式に変更した。 の変化が全て(漏れることなく)土地課税台帳に変 また、現況調査を実施する資産税課、各市税事務 更登録されていることを確かめる重要なプロセスで 所の職員への研修により確認欄の意味を周知し、今 あることから確実に行われるべきである。 (報告書 後確実に確認を行うよう徹底した。 102頁) 【指摘事項】 3.【市税の収納事務(滞納整理事務を除く) 】 3.【市税の収納事務(滞納整理事務を除く) 】 延滞金の管理について(本税完納後の延滞金の 延滞金の管理について(本税完納後の延滞金の 管理について) 管理について) 現在、納税課において使用しているシステムにお 紙面台帳で管理していた延滞金については、平成 いては、データ容量の制約から、現年賦課分と過去 22年度末にアクセスを用いた電子台帳を作成し、 2年分の合計3年分をデータとして保持することを 紙台帳の情報全件を電子台帳に登録した。 27 原則とし、これに、本税未納事案のデータを加えて なお、現行の電算システムでは、本税が完納し、 いる。このため、本税の賦課対象年度が3年より前 賦課年度から3年以上経過しているもの(処分中の で、かつ、既に本税が完納されたにも拘わらず延滞 ものは除く。 )について、毎年度末の年度切替処理に 金が未納で残っている場合には、システム管理の対 よってデータベースから削除されるようにシステム 象からはずれることとなる。当該データは、年度末 が設計されていることから、システム改修によるリ に、システムより「収納一覧表」として紙面に出力 スクや費用等を考慮し、現行のシステムを更新する され、以後、これを紙面台帳として用いた管理とな 際に延滞金管理を本税同様に行うように検討する。 る。平成21年度末に出力された「収納一覧表」は 1,456ページであり、各ページに8件程度が記 載されているため、概ね12,000件程度の延滞 金未納データが紙面台帳に移行したこととなる。紙 面台帳で管理している延滞金についても、システム 上での管理が可能となるようシステム改修を行うこ とが必要である。仮に、費用面等の問題から速やか なシステム改修を行えない場合には、少なくとも、 収納一覧表のデータをエクセル等にて管理すること が必要である。 (報告書 180~181頁) 【指摘事項】 4.【滞納整理事務】 4.【滞納整理事務】 財産調査における調査の迅速性、計画性の確保 財産調査における調査の迅速性、計画性の確保 平成20年度に監査を実施した高額滞納事案の中 平成22年7月に「財産調査指針」を策定し、滞 には、いつまでに何を調査してその調査結果をその 納額により質的・量的と事案を区分した上で、それ 後の滞納整理事務にどのように活用しようとするの ぞれの基本となる財産調査項目を明確にし、財産調 かが不明瞭な事案が見受けられた。 査の迅速性を図ることとした。 財産調査においては、考えられる項目に対して一 高額滞納事案においては、平成23年度の滞納整 斉に実施することが望ましいなど、財産調査の目的 理促進のための取組方針を「税収確保対策進行管理 の明確化、計画性、実施のタイミングについて検討 指針」として定め、その取組方針に基づいた案件に が必要である。 ついて、 「財産調査指針」による財産調査を計画的に 滞納整理事務において財産調査は、処分を確定さ 行なうことにより、早期の方針決定を明確にし、滞 せるという点で重要な事務であると考える。中でも 納解消に結び付けていくこととした。 高額滞納事案に対する財産調査は、事案が複雑化、 (あわせて、平成20年度指摘事項「財産調査につ 長期化しており、容易には事務を進められない状況 いて」の「調査の迅速性、計画性の確保」について も想定される。しかしながら、不必要に事案の解決 も同様の措置を行った。 ) を長引かせることがないよう、あるいは滞納処分の 執行停止の妥当性を確保するためにも、目的を明確 化し、計画的に財産調査を進める必要がある(報告 書74頁 監査の結果) 28 平成20年度包括外部監査の内、「財産調査につい て」の「調査の迅速性、計画性の確保」(平成20年 度報告書の74頁)について、措置されていないので 早急に措置を行う必要がある。 (報告書 212~213頁) 【意見】 5.【固定資産税(償却資産)】 5.【固定資産税(償却資産)】 資産の登録及び税額計算事務の効率性 資産の登録及び税額計算事務の効率性 パンチ業者の入力の正確性をチェックするために 申告書の増加資産・減少資産について、下記のと 「仮データのチェック」を実施しているが、チェッ おり項目を限定してチェックを行い事務の効率化を ク項目は、 「資産の種類」 「資産の名称等」 「数量」 「取 図った。 得年月日」等の入力項目全てについてであり、それ ○変更前 ぞれの資産ごとに行われている。パンチ業者に依頼 増加資産:①所有者コード②資産コード③資産名 しており、入力結果はほぼ正確であると思われるた 称④取得年月⑤取得価額⑥耐用年数 め、 「資産の名称等」等の税額に影響がない項目につ 減少資産:①所有者コード②資産コード③取得年 いては、効率性も重視してチェックする方法を検討 することが望まれる。 月④取得価額⑤減少区分 ○変更後 また、 「取得価額」のチェックについても、それぞ 増加資産:①所有者コード②資産コード③取得年 れの資産ごとにチェックするのではなく、まず、資 月④取得価額⑤耐用年数 産の種類ごとの合計額についてチェックを行い、相 減少資産:①所有者コード②資産コード③減少区 違がある場合にはそれぞれの資産ごとにチェックす 分(一部減少の場合のみ減少価額確認) るという方法も効率化に役立つため検討が望まれ る。 (報告書 123頁) 【意見】 6.【市税の収納事務(滞納整理事務を除く) 】 6.【市税の収納事務(滞納整理事務を除く) 】 市過誤納金に係る還付通知の再通知について 市過誤納金に係る還付通知の再通知について 課税の公平性を担保する上で、未納者に対する督 還付金の支払い未済分については、 「過誤納還付金 促や差押えを厳格に行うのと同時に、還付金につい 還付未済者通知の今後の方針」を平成23年2月に ても、事務処理上のコストを勘案した上で、再通知 策定し、平成23年度以降はこの方針に基づき定期 を行う必要があるものと考える。少なくとも、再通 的に対応するよう改善措置を講じた。 知の送付時期、対象税目の決定方法や発送猶予等に ・対象税目 市税(国民健康保険税を除く)全税目 関する基本的な方針を決定し、納税課収納管理班の ・発送時期 10月~12月 日常業務の中に組み込むことが必要なものと考え 再通知を全て自動的に電算システムから出力する る。加えて、将来的には、再通知用の還付通知をシ ためには、大規模で抜本的なシステム改修が必要と ステムから自動出力する等による省力化を検討する なることから、現在の還付通知出力処理の基本デー ことが望ましい。 タをエクセル台帳から作成するような仕組み作りを 29 (報告書 184頁) 行い、事務の効率化を図ることとした。 なお、還付未済金に係る債務の管理については、 これまで同様にエクセル台帳を活用して確実かつ効 率的に行うものである。 【意見】 7.【滞納整理事務】 7.【滞納整理事務】 滞納折衝の実行、臨戸督励の徹底 滞納折衝の実行、臨戸督励の徹底 平成20年度の監査において調査の対象とした高 高額滞納事案に対し的確な納税交渉が図れるよう 額滞納事案の中には一度も臨戸を行っていない事案 に、事案ごとに滞納整理方針を明確にし、その進行 も見受けられた。また、滞納者との直接交渉が図ら 管理のためヒアリングを年2回実施し、管理者と担 れないまま、文書・電話による催告のみを継続して 当者が方針等の情報を共有化することで、当該方針 いる事案も見受けられた。また、滞納者の状況から、 に基づいた進行管理を徹底すること、また、臨戸督 接触可能性の高いときや徴収可能性の高い時といっ 励を効果的に行うため、臨戸督励強化期間を年間計 たタイミングを見計らう等の工夫が見られない事案 画で定め、取り組みを強化徹底するため平成22年 も見受けられた(59~64頁 監査の結果) 。 度に「税収確保対策進行管理指針」の中で年間計画 さらに、高額滞納事案以外の事案についても、滞 を策定し取組んでおり、既に改善措置を講じている。 納者と直接接触し、滞納者の生活状況を直接確認す 高額滞納案件については長期にわたる滞納により る臨戸は納税折衝の中でも重要な手続と考える。現 複雑化しており、直ちに結果が出るものではなく、 在は滞納整理に当たって臨戸に力を入れているとの 滞納整理方針を定め臨戸による現状確認も含め、順 ことであるが、このような取組みは所属長の異動が 次進めているところである。 あっても継続されるよう、市の方針として明確に位 置付けておく必要がある。(67頁 監査の意見) この12案件についても平成22年度末までに欠 損処分4件、不動産公売1件、任意売却等による一 平成20年度の包括外部監査で抽出した12の個 部納付1件を実施し、これ以外の事案についても納 別事案については、不能欠損処理を行なった2事案 税交渉を進め、分割納付や一部納付へ導くなど引き 以外は概ね当時と状況は変わっていない。監査後に 続き方針に沿った滞納整理を継続している。 本人と接触した事例も見受けられたがまだ十分であ るとは言えないことにより、今後も、市税滞納整理 事務年間計画に沿って臨戸督励などを徹底する必要 がある。 (報告書 205~206頁) 【意見】 8.【滞納整理事務】 8.【滞納整理事務】 必要な情報の収集及び情報リテラシー 必要な情報の収集及び情報リテラシー 高額滞納事案に関しては、滞納者が法人である場 平成22年度に策定した「財産調査指針」におい 合、若しくは滞納者は個人であるが法人を経営して て、法人の滞納については確定申告書の閲覧または いる場合には決算書(申告書)の入手を徹底する必 決算書の取得は必須とした。なお、財産調査につい 要がある。(報告書71頁 監査の意見) ては、その滞納状況や交渉の進捗状況により調査に 30 さらに、高額滞納事案の中には、滞納者に関する 着手するもので、一律に何時実施すると定められる 会計情報の入手が十分に行われていないため、会計 ものではなく、滞納整理の進行管理のもとで計画的 情報の活用によって、滞納者の状況を分析し、納税 に進めていくこととしている。また、徴収指導員に の猶予、差押、換価、滞納処分の執行停止等、各種 よる「財務諸表の見方」という研修を実施し、職員 滞納整理事務を的確に素早く実施するための対応が の情報分析能力の向上を図りながら、徴収指導員か 不十分であると思われる事案が見受けられる。 (報告 らの指導を受ける体制を構築している。 書76頁 監査の意見) 平成21年5月に公表した措置の通知では、状況 を的確に判断するとともに、早期の滞納解消を目指 し、会計帳簿などの情報を積極的に収集することを 徹底することとしたとしている。 さらに、情報の分析力、活用能力を高めるための 研修等の実施と併せ、現在、納税課と南市税事務所 に配置されている国税局のOB職員である滞納整理 事務の専門知識を有する徴収指導員の能力、知識を 活用することとしたとしている。 会計帳簿などの情報を積極的に収集することにな っているが、どのようなタイミングでどのような方 法で収集するかについての具体策が見えない。今後、 会計情報の収集時期、収集方法さらには会計情報分 析手法等についての更なる検討が必要と考える。 (報告書 210~211頁) 【意見】 9.【滞納整理事務】 9.【滞納整理事務】 根拠資料の収集の徹底 根拠資料の収集の徹底 分割納付を認める前提である滞納者の資金繰りや 分割納付などの納税の猶予を認める場合は、その原 生活状況確認に際し、裏づけ資料をとっておらず、 因となる理由を裏付ける収支状況や診断書等の証拠 単に、当事者からの聞き取りのみにより納税の猶予 書類を添付させて、分納誓約書等を提出させること の判断を行っている事案が見受けられる。 とした取組を実施している。今後も、さらに証拠書 また、滞納者が分割納付の許可を求めてきた場合 類の収集や交渉時における交渉内容の記事入力の徹 の誓約書の入手も徹底されていない。現状では分割 底を図っていく。 納付を許可する基準が不明確となっているが、分割 納付を要求された場合は誓約書を入手しておく必要 がある(報告書72頁 監査の結果)。 平成21年5月に公表した措置の通知では、長期 (年度を越える場合)及び少額での分割納付などの 納税の猶予を認める場合は、その原因となる理由を 裏付ける収支状況や診断書等の証拠書類を添付させ 31 て、分納誓約書等を提出させることとしたとしてい る。今後も、これらの資料の提出の徹底が望まれる。 (報告書 211~212頁) 【意見】 10.【滞納整理事務】 10.【滞納整理事務】 執行停止処分の検討過程の明確化について 執行停止処分の検討過程の明確化について 平成20年度に監査を実施した高額滞納事案の中 平成20年度の監査で執行停止予定としていた事 には執行停止処分の妥当性が不明確な事案がある。 案については、競売により無財産となり、また収入 所在不明により執行停止処分中であるが、執行停止 状況等財産調査した結果から、平成22年12月に 処分を行うに際して、所在確認のための調査が十分 執行停止が妥当と判断し、処分を執行した。 に行われていたのかどうかが交渉経過からは判断で きない状況であった(報告書82頁 監査の意見)。 平成21年5月に公表した措置の通知では、執行 停止処分の検討過程における所在不明に対する所在 確認調査は、現地調査と住民登録、戸籍情報の調査 を徹底するとともに、調査経過が明確に把握できる ように管理情報への記事入力を徹底するとした。 平成20年度の監査で対象とした事案のついて は、今後十分な財産調査を実施した上で、執行停止 処分等の判断をする必要がある。 (報告書 213~214頁) 【意見】 11.【滞納整理事務】 11.【滞納整理事務】 滞納処分執行後の対応について 滞納処分執行後の対応について 平成20年度に監査を実施した高額滞納事案につ 滞納処分執行停止中(3年時効)事案について、事 いては、交渉経過上では滞納処分執行停止後に市側 後フォローに係る定期的な現況確認の方法等につい から状況を確認している事案は見出せなかった。滞 て、平成22年8月に「執行停止の取扱指針」を策 納処分執行停止後も定期的に臨戸を行い、滞納者の 定してマニュアル化し、執行停止処分後の管理につ 現況を直接確認することが望ましい(報告書83頁 いて収入状況や現況確認の実施を定めた。 監査の意見) 。 (あわせて、平成20年度意見「執行処分について」 地方税法第15条の8第1項(滞納処分の停止の の「滞納処分執行停止後の対応」についても同様の 取消)の規定によると、滞納処分停止後においても、 措置を行った。) 処分停止後3年を経過する日までに処分停止の要件 を欠くと認められる事実が生じたときは処分停止を 取り消さなければならないとしている。よって、処 分停止後においても滞納者の資力及び所在等につい て十分留意する必要がある。 32 今後は、徴税コストとの関係も慎重に考慮しつつ 効率的に実施することが望ましい。この点、フォロ ーのやり方についてマニュアル化した上で対応する ことも1つの方法である。 (報告書 214頁) 【意見】 12.【滞納整理事務】 12.【滞納整理事務】 公売担当者の配置について 公売担当者の配置について 政令市の中には、個別の滞納事案を担当せず、公 公売事務専従職員の配置について、全政令指定都 売のみを扱う職員を配置している市もあるとのこと 市への調査を実施し検討したところ、公売事務専従 である。相模原市においても、このような仕組みを 職員を配置しているのは1市のみであり、その徴収 取り入れている市が、実際に公売を進めるに当たっ 率は平成20年度実績で95.2%と平均的であっ てどの程度の効果を上げているのかを調査し、相模 た。公売事務専従職員の配置は望ましいところであ 原市への導入の是非についても検討する必要がある るが、今後は、組織体制の充実のため、公売担当を (報告書88頁 監査の意見)。 専従とするのではなく、地区担当と公売担当の連携 相模原市においては、過去に不動産公売は定期的 や研修を通じて公売技術の向上を図り、滞納整理業 に実施されていないことも事実であることより、今 務の進展と公売業務の更なる充実を図っていくこと 後も専従スタッフの配置や更なる徴収指導員からの とした。 助言の活用なども含めて検討を継続する必要があ る。 なお、こうした取り組みにより、平成22年度に 不動産公売を5件実施し、4件が落札となった。今 (報告書 215頁) 後も積極的に公売業務に取り組んでいく。 (あわせて、平成20年度意見「換価について」の 「公売担当者の配置について」も同様の措置を行っ た。) 【意見】 13.【滞納整理事務】 13.【滞納整理事務】 高額滞納整理事務における専門的能力の活用に 高額滞納整理事務における専門的能力の活用に ついて ついて 高額滞納事案は滞納者を巡る状況が複雑化してい 平成22年度より徴収指導員2名を納税課に配置 るのが一般的で、効果的、効率的に滞納整理事務を し、高額滞納案件のうちから「収納対策重点個別案 進めるためには、法律、会計及び不動産等に関する 件」として抽出をし、徴収指導員の指導のもと徹底 より専門的な能力、知識が要求される。一朝一夕で した財産調査を行い、滞納整理方針を決定させ解消 身に付けることが難しい専門的能力・知識について に努めることとした。結果として抽出した66件の は、外部の力を借りることを検討することが望まし うち14件が完結となり、また、完結には至らない い(報告書95頁 監査の意見)。 が、高額の一部納付に結びつけることができた。 (合 今後も徴収指導員の活用が更なる滞納事案の解決 計で約7,700万円の収入) に結びつくように工夫が必要である。また、職員の また、職員の知識の向上のため、人材育成方針に 33 資質向上のため専門研修等への派遣も行っていると 基づく専門研修への派遣を実施した。 いうことだが、今後も研修等によって職員自体の知 自治大学校(徴収専門コース)3名 識の向上にも努めることが必要である。 市町村アカデミー(専門的徴収実務研修)9名 (報告書 215~216頁) 今後も研修等により、職員の知識向上に努めてい く。 【意見】 14.【その他・徴税コストについて】 14.【その他・徴税コストについて】 税総合情報管理システムのアクセス権限の付与 税総合情報管理システムのアクセス権限の付与 状況等の調査について 状況等の調査について 緑市税事務所の所掌事務に含まれていない「市県 税総合情報管理システムへのアクセス権限の付与 民税特別徴収(賦課)」のデータ更新権限と「市県民 状況について、平成23年1月に税務部各課所別の 税普通徴収」に関するデータ閲覧権限が緑市税事務 一覧表を作成し、アクセス権限が適切に付与されて 所の管理職の一人に付与されていた。 いることを確認した。 所掌事務範囲外の業務に関するシステムにアクセ また、税情報の適切な管理を行うため、次年度以 ス可能(閲覧可能)であるばかりか、データ更新権 降も継続して確認を行うこととした。 限も付与されていたことは、通常の個人情報以上に 情報管理の厳密性が問われる税情報の管理体制とし ては、不適切なものであったと言える。 税務部各課所のアクセス権限の付与状況等の特定 の項目に関しては、一定のタイミングで、税制課が 税務部各課所の状況を集約する等の対応を図る等、 情報セキュリティポリシーの範囲内で、その実効性 を高める方策を検討する必要がある。 (報告書 230頁) 34