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生活雑排水処理手数料の利用者負担の 在り方について
1 H27.9 H27.9.1部長会議 生活雑排水処理手数料の利用者負担の 在り方について 環境部生活環境課 ◆諮問の趣旨 公共下水道の整備・普及に伴い、生活雑排水簡易浄化槽の設置基数が 年々減少している (H21.3 7,253基 → H27.7 3,212基)。 一方で、簡易浄化槽利用者の中には、既に下水道の供用が開始されて いる地域で、いつでも接続可能状態にありながら、未接続の者がいる。 このような状況から、下水道接続の促進に向けた利用者負担の在り方に ついて、H27.5.11長野市廃棄物減量等推進審議会に諮問した。 ◆答申(平成27年8月25日) シート5・6参照(後述) 2 1 生活雑排水簡易浄化槽の概要(イメージ) 《参考比較》 し尿を含む合併 処理浄化槽(バイオ式)とは構 造が異なる 3か月ごと年4回の 定期清掃(沈殿物等 の抜取り)で水環境 の保全が図られる 3 2 生活雑排水簡易浄化槽清掃事業の概要 水環境の保全を目的に、簡易浄化槽の定期清掃を促進するため、収集経費の約6割 水環境の保全を目的に、簡易浄化槽の定期清掃を促進するため、収集経費の約6割 を本市が補助金として、収集を行った許可事業者に交付し、市民は残額(約4割)を手数 料として、許可事業者に支払っている。 ⇒ 市民負担分を条例で規定 簡易浄化槽(標準的容量 簡易浄化槽(標準的容量150ℓ 標準的容量150ℓ以上 150ℓ以上200ℓ 以上200ℓ未 200ℓ未満)の例 7,473円 7,473円 965円 965円 (他自治体業務分等) (手数料=約4割 ) 負担者 9,820円 9,820円 (収集コスト) [市民 市民] 市民 2,347円 2,347円 (長野市業務分) 23.90% 23.90% 1,382円 1,382円 (補助金=約6割) [行政 行政] 行政 4 3 水洗促進対象者(下水道未接続者)に対し、 手数料を引き上げた場合に予想される影響 本市の下水道事業は、平成29年度の全戸水洗化を目標に整備を進めており、順次接続 可能エリアが拡大中であることから、接続(水洗化)につながる施策が必要である。 上下水道局が供用区域内の未接続者に対して、実施したアンケート結果は、下図のとお りである。未接続理由の1番に「経済的困難」を掲げる者が多かった。 合併浄化槽 6% その他 10% 経済的困難 35% 改築予定 10% ◆理由の例 ・子供の学費が多額で余裕がない。 ・年金生活で生活費だけで精一杯である。 老朽建物 12% 空き家・長期不在 27% ① し尿と異なり、汚泥を抜き取らなくても水路に流せてしまうことから、手数料の引上げに より、抜取りを停止してしまう世帯が増加する可能性が予見され、水環境の悪化につなが ることが懸念される。 ② 収集基数の減少、散在化により、次回以降の手数料改定では大幅にコストアップとなる。 5 4 答申内容(H27.8.25) 公共下水道への接続促進のため、接続可能な供用開始区域に おいて、生活雑排水処理手数料を引き上げることは必要である。 ただし、改定に当たっては、次の点に留意すること。 1 汚泥の収集業務を許可制で実施していることから、利用 者の状況が不明なため、接続していない理由を含め、個別 の実態を把握すること。 2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律で求められている市 の責務を明確にするため、汚泥の収集業務を現行の許可制か ら委託制に移行すること。 3 現行補助金制度の趣旨(簡易浄化槽の利用者負担額を軽 減することで、定期的な汚泥収集を促進し、水環境の保全 を図っている)を利用者に周知すること。 6 4 利用者の実態を把握した上で、低所得者等に対する減免措 置を検討すること。 5 手数料の改定時期は、現行手数料が改定後間もないこと、 利用者個別の実態が把握されていないこと、制度設計及び制度 改正の周知に一定の期間を設ける必要があることから、次期 改定予定を平成29年4月1日を目標とすることが望ましい。 6 具体的な補助内容は、手数料の改定に併せて検討すること。 なお、公共下水道の供用開始後3年を経過した区域におい て、補助金を段階的に削減する激変緩和措置を講じることが 望ましい。 7 長野市上下水道局と連携し、積極的に公共下水道への接続 促進を図ること。 5 許可制から委託制への移行等の考察 7 ◆移行等の必要性 公共下水道の供用区域の拡大とともに、収集量・収集基数の減少が今後より一層見 込まれることから、安定した収集体制の確保が必要 ⇒ 既にし尿は委託制を実施 ◆現状と将来予想される状況 ・ 収集量の減少・散在化に伴い、収集作業の効率性が低下 ⇒ コストアップ ・ 処理手数料の改定で清掃取止め世帯が今後一層増加 ・ 将来的に許可業者が本事業から撤退する可能性(現在、1組合・1社) ・ 車両及び要員等新たな公費負担が発生するが、直営での収集も検討が必要か? ◆清掃事業を廃止した場合に想定される影響 ・生活雑排水に対する臭気の苦情 ・有機物等により、BOD(生物化学的酸素要求量)や大腸菌等が増え、河川の水質悪化 ⇒ ①ホタルが飛ぶような環境が望めなくなる ②農業用水に悪影響 ◆市の施策における生活雑排水簡易浄化槽の位置づけ ・生活雑排水は、垂れ流し状態でも当事者には何ら不都合がないため、水環境保全を目 的に下水道が整備されていない世帯に簡易浄化槽設置費を助成(S48~H14) ・下水道の未整備区域での新築家屋へは設置を義務付け(S52) ・利用者負担の軽減を図るため、現行の収集経費一部補助制度実施(S59~現在) 6 今後の方向性(進め方) 8 ◆答申を受け、次回(H29.4.1)の手数料改定に向けて、 ①上下水道局と連携し、実態を把握する。 ⇒H29に向け、下水道接続可能エリアが拡大中 ②戸別訪問等により、下水道接続を促すと共に、手数料 値上げの方針案(答申)について説明する。 ③減免、激変緩和措置を含め、改めて制度設計を行う。 ④コストアップにより次回は大幅な値上げが想定される ことから、今後の手数料制度の在り方を検討する。 ⑤現行の許可制から委託制または直営への移行の可能 性を検討する。 ⇒ 許可事業者との協議・情報交換 ⇒ 手数料徴収システムの検討(し尿システムとの共用化) ⇒ 併行して、直営体制の検討 9 《参考》許可制と委託制の比較 許可制 (現行) 委託制 委託料 収集 事業者 利用者 長野市 事業者 手数料 申 請 補 助 金 収集 手数料 利用者 長野市 ※収集は事業者と利用者の私的契約のため、 顧客データは事業者が管理している。 10 区分 事 業 者 行 政 利 用 者 許 可 制 ( 現 行 ) 委 託 制 ・収集量の減少により、収入が減少している。 ・収集世帯の散在化により、収集効率が悪化している。 (→ コスト・アップ) ・収集作業のほか、手数料徴収事務が発生する。 (→ 煩雑化) ・未払いがあった場合、補填されない。 ・収集量に応じた収集体制の維持が保障される。 ・手数料徴収事務が不要となる。 (→ 市が徴収) ・未払いの心配が不要となる。 ・委託事業者としての責務が生じる。 (→ 市民応対、守秘義務等) ・収集事業者にすべて依存している。 ・廃業により、未収集エリアが発生する可能性がある。 ・行政の意向が反映しづらい。 ・利用者の実態が把握できない。 ・手数料が市の収入になっていない。 ・行政の意向が、事業者、市民双方に反映できる。 ・収集量に応じた収集体制を確保できる。 ・事業者と連携し、市民サービスの維持・向上が図られ る。 ・未収集エリアを発生させることがない。 ・利用者の実態が把握できる。 ・予算化(委託料)が必要となる。 ・手数料徴収事務が発生する。 ・行政との接点がない。 ・口座振込みの場合、振込手数料が必要となる。 ・利用者の事情を市に伝えられる。 ・口座振込みの場合、振込手数料が不要となる。 H25.10.29 一般廃棄物(し尿及び生活雑排水)処理手数料の改定について(答申) (附帯意見)※抜粋 今後より一層収集量の減少が見込まれることから、安定した収集体制確保に向 け、将来的に許可地区を委託制へ、及び委託地区を総価契約への移行を検討する こと。