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SEISMIX2000

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SEISMIX2000
SEISMIX2000 シンポジウムに参加して
6・16∼17
成田∼パリ、コペンハーゲン、ベルゲンと乗り継ぐ。おおむね順調であったが、AFの
機内食があたったのか(水?)、SKSの中ではトイレにいくはめに。AFは愛想もよくな
いし、もう利用したくない。パン食ばかりである。ベルゲンには、17日13時ぐらいに
予定とおり到着。Hans Thybo らしき人物がコペンハーゲンより乗ってきたが、まだ定か
でない(6・18確認本人であった)。とりあえずタクシーでRica
Hotelへ。2
0km程度の距離であるが、227NOKもとられた。17NOK=1円程度であるから、
非常に高い。こちらは時差ぼけのため、大変に眠たい。ポスターをもっている研究者らし
い人に2,3人あったが、まだ日本人は一人も会っていない。明日からは必ず会えるであ
ろう。
Rica
Hotelの部屋は狭いが、居心地はよい。市内の真中にあり、ベルゲン大
学は西隣にある。時差(7時間)を考慮して、むさしの住宅に電話、KDDで簡単に通じ
る。シャワーを浴びてから、町をぶらぶらと散歩。大きな池(Lille Lungegardsvann )の
ある公園を一周する。ベルゲンは、真夏で15度前後と暖かく、本日は晴天で土曜日のた
め、町全体に人があふれている。大変気持ちよく、こちらは半分よぱらっていることが」
ばれないようにして、散歩する。音楽・踊りを奏でるグループもありにぎやかである。た
だ風は冷たいので、明日からは、ジャンパーを羽織ったほうがよさそうだ。
その後、マクドナルドで簡単に夕食。世界中で同じものが食べられるのはほんとに驚き
だ。夜半にかけて部屋の赤ワイン(mini bar)を1本空ける。明日の支払い、高いだろうな。
夕方から時差ボケのためねてしまい、夜中1時に目がさめる。その後、power point でプレ
ゼンテーションを作成。簡単にできるものだ。今回はポスターの準備も万全なので、明日
からのシンポが楽しみだ。
(03:15,6・18)
6・18
朝食はホテルで。8時からであるが、すでに満員。日本人としては伊藤潔さんに最初に
会う。ようやく日本語が話せる。今回の Pre symposium excursion の参加者は日本人は1
0名ぐらいか。ラリーブラウン氏とも会うが、Excursion 後半になってようやくまともな
会話をする機会をえた。Excursion はバス2台で出発。計50∼60人といったところか。
当初より小雨であり、site-1,-2 共にぬかるみの中、かなりの距離を露岩地帯を歩くことにな
った。今回のターゲットは、950Ma の granulite 相から 450Ma の exlogite 相への転移を
露岩表面の構造より直接みることができる広範囲な地域(northern Holsnoy)である。岩
石の高圧実験による速度を測定している、H. Austrheim , D. M. Fountain 両博士による懇
切丁寧な説明であった。Site-2 の途中の食堂(山小屋)で、昼食をとった(ビールとサン
ドイッチ、コーヒー)。かなりの距離を歩いたと思われる。(杖をつく、ラリー氏であった)。
氷河の侵食したフィヨルド地形により、新鮮な基盤岩が切り立ってみえる、なんともすば
らしい眺め+うらやましい調査地域である。植生がなければ南極の変成岩露岩に大変似て
いる場所である。最後に道路沿いの露頭をみて、結局現地をでたのは、午後5時前であっ
た。そのままフィヨルド沿いに東に移動し、Voss で途中休憩。夏のリゾートの季節である
のか、パラセービングが Voss では盛んであり、山の上から湖へいくつものパラグライダー
が降りたっていた。(バス内では、北大大塚くんと車の話で盛り上がる)。19時過ぎによ
うやく Ulvik のRicaホテルに到着。すでに空港・ベルゲン市内からの参加者(岩崎さ
ん、小平さん、など)は、今や遅しと待ち構えていた。フィヨルドの奥に面し、風光明媚
な場所である。大陸のシンポジウムにはうってつけの場所だ。
Registration を簡単にすませて、さっそく20時より Dinner 。ニュージーランドの S.
Bannister 氏とまたもこのシンポジウムで再開する。彼を含め国際色豊かな若手メンバー
で食卓を形成。ビュフェ(いわゆるバイキング)形式だ。白夜にほとんど近い景色をバッ
クに、天候その他諸々の情報交換を行う。その後も休む間もなく22時より、ice braker
party 。この段になって、ようやく主催者の Hans Thybo 氏と話ができ(参加者総数は、
132名とのこと)、Eystein Husebye 氏の顔を認識することができた。食卓をともにした
数人の外国人とも会話をすることができ、明日からの本番に臨む段取りは終えたといえる。
日本人は、ほぼすべて確認した(計14人)。時差ぼけと疲れで、ものすごく眠い。12時
すぎに就寝。
(6・19
6:20)
6・19
朝早くからめがさめる。シャワーを浴びて、一休憩。明け方5時でもすでに明るい。朝
食はシンポジウムのメンバーでは一番のりであった。2日目は日本人同士もお互いに打ち
解けて会話も弾む。日本人同士で固まってしまうのが、国際シンポの場ではたまに傷であ
る。
午前中は、主に Active Continental Margins のセッション。私以外の日本人は、このセ
ッションで終了してしまう。今回のポスターはA3で作ったために、ボードに張る配置で
苦労した。やはり張る段階では、A0プリンターでの出力が有効だ。午前中は日本の代表
的な構造探査について、全員で紹介するような感じであった。パワーポイントのスライド
ショーを用いた JAMSTEC の小平さんの発表はなかなかよかった。
昼食は、例によってビュフェ形式。本日はずっと小雨模様である。SEAL のポスターは、
なかなか目にとめてもらえる人が多かった。AGSO の
と、LITHOPROBE の A. Velden
氏(カルガリー大学)らと話をする。南極には大変興味をもっているようだ。午後の後半
からは、Continental Accretion and Collision のセッション。これが、やはり今回のメイン
であろう?我々の SEAL 計画も場所的にはこの中に入っていてうれしい。ヨーロッパ、北
米、INDEPTH, URSEIS, Baltic shield, ロシアの構造探査、等、主要なプロジェクトの宣
伝が進む。将来に共同研究ができそうな計画がないかと聞き入った。
夕食は予定より1時間ちかくも遅れ、普通の dinner 形式のため時間もかかる(レストラ
ンとの連携がいまいち)
。Bergen Univ., Sweeden, NORSAR の研究者との会話が弾む。ス
バールバル諸島での観測の話や、フェアバンクスでの昔の極地研との共同研究の話もでた。
Aki 先生と研究を共にした、統計学者の教授?の方もいたのには、大変驚き世間はやはり
狭いものだということを再確認した。
食後のポスターセッションは、結局20時半ぐらいからとなり、昼間のコーヒーブレイ
ク時にほぼ見終わっていると思われ(さらに皆お疲れ?や会議もあり)、観客は極端にすく
ない。A3のレジメとパソコンでのオペレーションビデオの英語ヴァージョンを用意した
が、結局ビデオをまともにみてくれたのは、ケンブリッジ大学の Moritz Fliedner 氏(3
4歳)のみであった。彼は前日のエクスカージョンですでに顔見知りになり、ATMの構
造をかつて行っている(のは、彼の同僚であった)
。背の高いナイスガイだ。今回は Passive
Margins でのポスターだそうだ。JAREに参加しないかと持ちかけたが、来年以降の職
を探すのが、先決だそうだ。SEALポスターはやはり目に留めてもらう人が多く、GS
Cオタワの David Snyder 氏とも話をする。カナダ氷床での探査の実績があるかを聞いて
みたが、これまでにはなくノイズが高いのであまり効果的でない、との返答であった。彼
はコロラド大学?から移ってきたばかりとのことだった(20日に招待講演あり)。最後は
10時までいたが、まだラリーともまともな話をしていない。ロシア人から、なぜ日本人
なのに南極をするのか、と聞かれたが、私は極地研なので、他の日本人とは違う、と返答
した。南極国際シンポとは、やはり参加者の感覚が違うようである。
(6・20
6:55)
6・20
本日も7時に規則正しく朝食をとる、伊藤さんとまたも一緒だ。3日目になると、さす
がにこちらも落ち着いてきた。ポスター掲示は、午前中のセッションと関連して、
LITHOPROBE (SNORCLE) , EUROBRIDGE 等の発表が、昨日よりも増えていた。会
場 は 、 Continental Accretion and Collision セ ッ シ ョ ン の 続 き で 、 LITHOPROBE,
EUROPROBE 等の大物が登場する。最初は、Arie Velden 氏の発表で、Slave Province の
反射法探査結果から大古代地殻形成の際に、大古代島孤付加帯プリズムが、西側のクラト
ンに衝突し、くさび状にウェッジを形成しているモデルが紹介された。彼とは、昼食時に
も話をしたが、大変馬力のある若者である。カルガリー大学の助手だ。実際の
LITHOPROBE 探査のことを詳しく聞いたところ、やはり現実的にはGSC等がオペレー
ションすべてを行い、大学の研究者は解析をするだけの担当らしい。フィールド実験には、
研究者は冬場に3週間程度に参加するが、実際は測線の見回り程度らしい(ほとんど遊び・
見学である、農夫よりバイブロサイスがうるさいと怒鳴られるらしい)。他には ACCRETE
(コルジレラ山脈西側の沈み込み帯の構造が中心)の発表があり、LITHOPROBE のSN
OCLE屈折法探査(Hammer氏)、1999−2000のSNOCLE探査(Coo
k教授)、さらに大西洋岸のECSOOT(Funck氏)の発表が続いた。取りは、Sn
yder氏により、太古代クラトンの形状(200km深さにまでダイヤモンド型をして
いる)について、現在のBanda島弧の沈み帯の反転機構を太古代にも適用して、大変
興味ある考察があった。今後南極のナピア岩体の地殻構造を考える上でも、かなり参考と
なった。午前最後の講演は、シンポ主催のThybo氏により、Mona
Lisaによ
るCDFの北海での構造についてまとめがあった。BalticaとAvaroniaが
400Maに衝突し、CDFを形成した。上部地殻にSteeply
Dippingな
反射面がきれいに見える。
昼食は、Velden氏、およびCopenhargen大学の Nielsen 氏(彼はロシ
アの構造で今回発表する)の隣になり、それぞれLITHOPROBE探査と、グリーン
ランドでの探査について様子を聞いた。今回はグリーンランドでの探査発表はないが、実
施することについては特に反対はされなかった。環境問題についても、特に問題ないので
はないか、との意見であったが、またThybo氏にでも、聞いてみたいと思う。
午後は、Day
Tripがあり、近くの滝(Osa)とその付近のフィヨルド崖上(約1
000m海抜)にバスで上った。滝では、薪とレンガを組み合わせた自然のモニュメント
があり、その中からオーケストラ音楽がステレオで周囲の峡谷に響き渡る、かなり凝った
演出が施されている。この滝の水でミネラルウォーターを作っている工場(小屋)があり、
オーナー(地主?)の親父から30分以上の講義があった(しゃべりだしたら止まらない!)。
崖上はかなり風が強かったが、残雪と露岩、高山植物のコントラストが大変きれいであっ
た。眺望がよく立山にでもいてる気分である。Dr
Moritz氏と帰りのバスにのる。
彼のおじいさんは対戦直前に三菱化学にきていたらしい。
夕食は、Bannister氏とWAUのStefann Kleffmann 氏(ドイツ人、
ニュージーランドでこの10年研究していた)と取る。ウィットに富んだ面白いやつであ
る。ドイツでの自動車の人気についても話をした。
昨日と同様にポスターセッションは、20時以降から実際はじまった。今回は(時間に
ルーズな国民性?か、コアタイムはあって無いようなものである。2日間あるので、必要
な人と必要な時間に話せばよい、という感覚であろう)。21時からは、ラリーブラウン氏
の主宰で、COILS(Committee
y
Lithospheric
On
Interdisciplinar
Surveys)の現状の紹介と今後の計画について協
議があった。今後はグローバルなレベルでの財政的、技術的、観測機材の援助の組織を作
るとともに、データライブラリーの作成、ワークショップの開催等を組織的に推進しよう
というものである。こちらはかなり眠たかったが、やはり超一流の研究者は体も頭もタフ
であることを改めて実感した。
(7時
6・21)
6・21
6時すぎに起床。家に電話する。まさはるがのどが痛いらしい。7時朝食。W 伊藤さん
らと中央構造線や日本の活断層の構造について議論する。地科研の大西さんに将来の南極
での応用を考えて反射システムについて聞く。
今日は The
Continental
Mantle のセッションが中心である。ラリーブラウン氏と
Clows 氏の両大物の司会だ。最初に Christensen 氏よりマントルの異方性について196
0年代以降の研究の流れのまとめがあった。続いてデンマークの Nielsen 氏から PNE を用
いて8度&Lehman 境界の構造、100-200km 深度の不均質構造について FD full waveform
解析による発表があり、さらにニーナ(ボウンダリー)おばさんによるリソスフェリック・
マントルの不均質についてのまとめ、Ross 氏(コペンハーゲン大学)により、PNE を用い
た CMB 構造についての発表があった。PNE の最後のまとめとして、ロシア側のデータ提
供元である Egorkin 氏よりロシア側の解析結果の紹介があり、先の JGR に載っていた
QUARTS 探査もその一部であることが分かった。コーヒーブレイク後は、Smithson 氏に
より、地殻内の Refrectivity 形成の原因について岩石学的な考察があり、Eclogitization も
その重要な一因であることが指摘された。さらに、(極地研 COE の馬場さんが研究してい
る)スコットランド北側の W&Flannan
反射層について発表があり(Knapp 氏)、午前の
最後には、MONA LISA 探査による北海での MOHO 面の深さの飛びについての発表があ
った(Balling 汝)。
午後も引き続き Continental
discon. の LVZ、Teleseismic
Mantle のセッションであり、バルト悔周辺域の8度
Tomography の解析もあった。構造探査と比較するために
RF 解析もかなり行われている、ことが今回のシンポジウムでも感じた。次の Rift and
Basins セッションでは、MONALISA(北海)、USA 中央部、SALTLAKE 周辺、ケニア
地溝帯と GREATBASIN との比較等の発表が続いた。さらに DOBRE 計画(オランダ)、
カスピ悔の構造が続いたが、カスピ海南部における10km厚さの海洋性地殻の存在につ
いて、ニーナおばさんより厳しいコメントがあった(会場でかなりの議論となる。指摘の
層は最上部マントルではないか、ということ)
。さらに、おそらく Moony 氏のキャンセル
による影響と思われるが、世界中の拡大大陸縁辺部における Seaward dipping reflectors
(SDRs)&火山活動についてのコンパイルの発表で締めくくられた(マックによるスラ
イドショー)
。
後半のポスターセッションでは、
シベリアクラトンの構造探査(Suvorov 氏、
Novosibirsk)
について、こちらからかなり詳しく議論して頂いた。キンバーライトを産出するフィール
ドは、太古代地殻内部およびその周辺部にあり、下部地殻が異常に厚く、MOHO が60k
m深さで求められ Pn=8.6-8.8km/s もある。キンバーライトフィールドは、領域に応じて
mid-Pareozoic, および mid-Mesozoic の2回のイベントに分類され、そのテクトニックイ
ベントの際にはアンダープレートが起こったと考えられる。今日は昼食後の休憩、ならび
に夕食時にも、Suvorov 氏と長時間にわたり議論をしていただいた(ロシア人だが堀内さ
んに似ている)。将来的に、シベリアクラトンでの探査が再度行われるときには、なんとか
共同研究にしたいものである。
夕食後に、再度 HansThybo 氏とコーヒーを飲みながら、グリーンランドでの探査の可能
性について聞いた。現在グリーンランドでは、浅層ボーリング孔にボアホール地震計を入
れて観測を行っているが、これはコペンハーゲン大学ではなく別の機関であるらしい。コ
ペンハーゲン大学は、現在 MONALISA プロジェクトをはじめ、ヨーロッパ各国を中心に
多方面に共同研究を行っているため、すぐにはグリーンランドはできないのが現状(スタ
ッフも5,6名と少ない。
)である。Thybo 氏は、氷床上での発破の効きを心配していたが、
今回の JARE の南極での結果から、火薬が600kg以上であれば、PmP が検知できるこ
とを伝えた。グリーンランドについても将来的に、国際共同研究まで発展できたらよいと
考える。
今日は、少しやすみたい(便秘気味)ので、ポスター会場には行かないことにする。(明
日は、JARAE41 のビデオ上映ができそうだ)。
(6・21
22:40)
6・22
7時に起床。Suvorov 氏、Bannister 氏、および Moritz Fliedner 氏と一緒に食事。シ
ベリアでの実際のオペレーションの話、さらに南極でのニュージーランド・日本の実験予
定について雑談をする。Bannister 氏に、来年の JARE 実験に参加してもらえるオブザー
バーがニュージーランドにいないかをお願いする。
今日のセッションは Integrated Multi-disciplinary Studies だ。ラリーや AGSO 等の大
物の発表がある。最初はサンアンドレアス断層の構造について招待講演(Fuis 氏)だ。2
番目の Bogdanova 汝による EUROBRIDGE は、大変興味ある結果であった。3つの太古
代クラトンが衝突して現在のバルチック盾状地を形成しているが、ロシア南部の Sarmatia
クラトンは下部地殻が delamination を起こしている。世界中のクラトンの構造は、場所場
所によってかなり異なることが今回のシンポで実感した(帰ったら、クラトンについてま
とめる必要あり)。続いてヒマラヤの岩石速度測定(Meltzer 汝)の発表、北東ドイツ盆地
の構造(Krawczyk 汝)、さらにユカタン半島の隕石クレーターの構造(Morgan 汝)と女
性陣研究者のオンパレードだ。コーヒーブレイクの後、おまちかねラリーブラウンの
COCORP25年間に渡るまとめの発表だ。彼は大変早口であるが迫力万点の説明は皆を魅
了する。COCORP は完全に終了し、現在は世界中の構造探査のまとめ役を勤めている。そ
の後 AGSO の発表が続く。COILS のまとめ役の一人である、Drummond 氏により地殻内
の水の存在による影響について発表があった(ラリーとは正反対な、物静かなしゃべり方
だ。しかし体格は似ている!)。さらに Korsch 氏による東部山脈の構造、Goleby 氏(名詞
を交換済み)による西部太古代の YILGERN クラトンの3次元測線による反射法探査結果
が続く。SEAL 計画の結果についても、今後まとまってきたらぜひ3次元表示をしたいもの
だ。なぜカナダやオーストラリアでは、あれほどに MOHO がフラットなのであろうか。バ
スの中で伊藤潔さんと議論をしても、MOHO はやはりリニューアルをしている(つまり若
い!)という結論に達した(明日、Goleby 氏に聞いたほうがよいだろうー>6・23確認
したところ、下部地殻は Vp=6.7km/s 程度で felsic であるため、MOHO は上部地殻と同様
に古い、ということであった)。最後の講演は、Olesen 氏による、ノルウエー・デンマーク
盆地のマグネの構造であった。
昼食は北大の森谷さんと取る。生粋の道産子らしい。南極用のぺネトレーターについて
も意見を交わす。午後は、2回目のフィールドツアーがあり、バスとフェリーにのって、
Eidfjord の自然博物館の見学(自然観照のシアターも有り)、Voringsfossen の滝(ノルウ
エーでもっとも有名らしい)に回った。生憎の小雨模様であったが、すばらしい自然に触
れることができた。氷河の侵食による雄大な景色は、日本にはない風景である。
夕食は、例によって前日とほぼ同じメニュー。ビュッフェ形式の方が私は好きだ。夜の
ポスターセッションにおいて、20時すぎより JARE41の英語ビデオを会場で上映した。
SEAL 計画の簡単な紹介を OHP で行い、その後 PC により JPEG ムービーを上映したが、
途中でスクリーンとの接続がおかしくなり、21時の時間ぎれもあってあえなく終了。聴
衆は10名程度であったが、かなり強い印象をもってくれたようだ。ビデオは最初の部分
だけであったが、発破のシーンも冒頭にあるため当初の目的はほぼ果たしたであろう。明
日は午後に帰る予定なので、明日の夜に再度上映することはできない。
その後、21時より EarthScope 計画の説明が NSF の L.Johnson 氏よりあった。かなり
たくさんの大学・研究機関があつまり、大掛かりはプロジェクトである。北米大陸は、デ
ータ・観測が過剰な気もするが。。24時就寝。
(6・22
23:45)
6・23
今日はホテルでの最後の朝食である。いつものとおり W 伊藤さん+娘さんと食事。チー
ズの種類について盛り上がる。家に電話する。まさはるののどがかなり痛いらしい。阿武
山の渡辺晃先生がおなくりになった(65歳ぐらい、肺がんらしい)。その後荷物の整理、
帰り支度。
午前講演の前に、ラリーと話。極地研からの招聘が受からなくても、NSF のお金で地学
シンポに来てくれるらしい。本当にありがたいことだ。午前のセッションは、Seismic
Techniques だ。最初に INVITED の Zelt 氏による非線型 Ray tracing についてだ。
Subjective, および tomographic approach は相補的な関係にあるらしい。その後も将来有
望な解析方法についての講演がつづくが、最終的には full waveform トモグラフィー法によ
る automatic な速度構造決定になるのであろうか。最後の講演は、2年後にこのシンポジ
ウムが開催されるニュージーランドの震源断層近傍の反射イメージについてのものであっ
た(Louie 氏、かつて京大防災研・入倉研究室にきていたらしい)。
昼食時には、AGSO の Goleby 氏と最後の打ち合わせをする。彼らはこちらとの屈折法の
共同研究はかなり歓迎である様子だ。オーストラリアに対しては2年前にプロポーザルを
提出すれば良いので、なんとか国債学術研究で早いうちにこちらからも出したいものだ。
14時前のバスにのり、Ulvik を後にする。帰りのバスは、
Prof.Fountain 氏、S.Kleffmann
氏と一緒だ。やっと Fountain 氏にかつて極地研のシンポにきたであろう、との会話をする
ことができた。向こうは、こちらの人の顔を忘れてしまった、とそっけなくいっていたが。。
(疲れている様子)。Voss へのバス内では、Kleffmann 氏と来年度の探査についての相談を
する。43次へのオブザーバー参加の話を持ちかけたら、大変乗り気であった。現在は西
オーストラリアの太古代・原生代地殻の反射解析をおこなっているので、SEAL 計画への参
加メンバーとしては、まことにうってつけである。これも何とか引き入れたいものだ。(彼
は性格的にも2重マルである。)WAU なので、しらせにも乗りやすいはずである。Voss で、
岩崎さんら4名と合流。VossÆBergen へは電車だ。NFZ-Potzudam のドイツ人(生粋の東
ドイツ人らしい)と並んですわる。前の席のアベックが、やたらべたべたして気になる。
18時前にベルゲンに着。そのまま空港行きのバスにのる。出発まで10時間近くもある
ので、とりあえずレストランで夕食。この文章を作成中。朝までは時間をつぶすつもりだ。
(6・23
20:00)
Fly UP