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平成25年7月(第51号)

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平成25年7月(第51号)
おきあい事 務 所
おきあい事務所通信
平成25年7月
第51号
115-0045
東京都北区赤羽
1-6 1 -4 -4 0 1
不 動 産 鑑 定 士 CFP Ⓡ
置鮎謙治
メール アドレス [email protected]
司法書士
置鮎佐和子
メール アドレス [email protected]
http://www.okiai.jp/
TEL03-6 6 6 1 -8 3 4 6
不 動 産 登 記 のはなし⑰
金 融 機 関 の合 併
先 月 、みずほ銀 行 のATMに並 んでいた私 は、掲 示 されていたお知 らせを見 て、さらに
2回 読 み直 しました。 「みずほの合 併 、存 続 するのはコーポレートなの!?」
例 えば、抵 当 権 の抹 消 登 記 をする際 に、抵 当 権 者 の登 記 上 の表 記 が現 在 の金 融 機
関 名 と異 なっていたら、司 法 書 士 はやや注 意 を要 します。
商 号 変 更 により名 前 が変 わっているだけであれば、そのまま抹 消 登 記 をすることが可
能 ですが、変 更 のつながりを証 明 する書 類 (履 歴 事 項 証 明 書 など)が必 要 です。
単 なる商 号 変 更 ではなく、複 数 の金 融 機 関 が合 併 していた場 合 には、そのまま抹 消
できるケースとできないケースがあります。登 記 上 の金 融 機 関 が、別 の金 融 機 関 と合
併 したけれど、存 続 会 社 だったのであれば、やはりそのまま抹 消 することができます。
ところが、登 記 上 の金 融 機 関 が吸 収 された消 滅 会 社 だった場 合 、合 併 を原 因 として
抵 当 権 移 転 登 記 をしなければならず、そのまま抹 消 登 記 のみを申 請 しても却 下 となり
ます。
さて、冒 頭 のお話 ですが、みずほ銀 行 とみずほコーポレート銀 行 の合 併 は、みずほ銀
行 が消 滅 会 社 、コーポレート銀 行 が存 続 会 社 だそうです。
みずほ銀 行 を抵 当 権 者 として設 定 されている抵 当 権 を抹 消 する場 合 は、前 提 として、
「原 因 :平 成 25年 7月 1日 合 併 抵 当 権 者 :みずほ銀 行 」とする移 転 登 記 が必 要 にな
ります。そう「みずほ銀 行 」です。
これが司 法 書 士 にとっては、かなり注 意 を要 する罠 となります。存 続 会 社 であるみず
ほコーポーレート銀 行 は、合 併 と同 日 に商 号 変 更 をして「みずほ銀 行 」という名 前 にな
りました。同 じに見 える「抵 当 権 者 みずほ銀 行 」 の抵 当 権 ですが、その設 定 登 記 の日
付 が平 成 25年 7月 1日 以 降 であれば、そのまま抹 消 することができるのに対 し、平 成 2
5年 6月 30日 以 前 であれば、移 転 登 記 をしないと抹 消 ができません。実 際 には同 時 に
連 件 申 請 します。これを飛 ばしてしまうと、却 下 ですから、もし売 買 がらみの抹 消 だった
りすると…想 像 するのも恐 ろしいことです。ひぇー。
同 じような例 としては、平 成 15年 3月 17日 に三 井 住 友 銀 行 がわかしお銀 行 に吸 収
合 併 されたケースがあります。司 法 書 士 としては、今 後 「三 井 住 友 銀 行 」に加 えて「み
ずほ銀 行 」の抹 消 も気 をつけなければなりませんね。
個 人 の方 の住 宅 ローンは、銀 行 本 体 ではなく、保 証 会 社 が抵 当 権 の設 定 を受 けてい
ることが多 いですし、仮 に移 転 登 記 が必 要 なケースでも、銀 行 側 の合 併 ですから、その
登 記 費 用 は銀 行 が負 担 することになりますので、お客 様 には影 響 はありません。
最 終 回 賃 貸 事 例 比 較 法 (継 続 賃 料 )とまとめ
いよいよこのシリーズも最 終 回 を迎 えました。今 回 は、継 続 賃 料 を求 める手 法 のうち、
賃 貸 事 例 比 較 法 についてみていき、あと、このシリーズをとおしてのまとめを行 っていく
こととしましょう。
賃 貸 事 例 比 較 法 については、新 規 賃 料 を求 める手 法 にもありましたが、継 続 賃 料 を
求 める際 の手 法 でもあります。手 法 の詳 細 につきましては、新 規 賃 料 の場 合 と同 じで
すので省 略 します。賃 貸 借 契 約 の内 容 についてできるだけ類 似 性 がある事 例 を選 択
する必 要 があるのですが、賃 貸 借 契 約 においてはそれぞれの契 約 の個 別 性 が強 く、類
似 性 のある事 例 を選 択 することが困 難 なケースが多 いと言 わざるを得 ません。
以 上 、1年 以 上 にわたって、鑑 定 評 価 の際 に用 いる評 価 手 法 についてみてきました
が、いかがでしたでしょうか?価 格 を求 める場 合 、また、賃 料 を求 める場 合 いずれもそ
うなのですが、実 際 の鑑 定 評 価 額 を求 める際 には、これらの手 法 を併 用 し、それぞれ
の手 法 で求 めた額 (試 算 価 格 ・試 算 賃 料 )を調 整 (比 較 )しながら鑑 定 評 価 額 を決 定 し
ます。これまで各 手 法 を見 てきたとおり、どの手 法 についても一 長 一 短 がありますので、
複 数 の手 法 を用 いることによって、鑑 定 評 価 額 の信 頼 性 をより高 めていくことができる
わけです。
今 後 、不 動 産 鑑 定 評 価 書 や査 定 書 などをご覧 になる機 会 がございましたら、ぜひ、こ
のシリーズで採 り上 げた各 手 法 の解 説 を参 考 にして、鑑 定 評 価 額 の求 め方 について
理 解 を深 めてくだされば、と思 います。そして、不 動 産 の評 価 について、より親 しみを感
じていただけると嬉 しいです。
「時 価 評 価 」と「相 続 税 評 価」
相 続 時 の不 動 産 評 価 においては、いわゆる時 価 と相 続 税 評 価 の両 方 が関 わ
ってくることとなります。
相 続 人 間 で遺 産 分 割 を行 う場 合 は、一 般 的 に取 引 されうる価 格 である時 価 ベ
ースで分 割 することとなるでしょうし、また、相 続 税 の支 払 いに際 しては相 続 税 評
価 額 ベースとして税 額 を算 出 することになります。ちなみに、鑑 定 評 価 において求
める額 も、一 般 的 に取 引 されうる価 格 である「時 価 」ということになります。
ただし、遺 産 分 割 に際 して注 意 しておきたいのは、この時 価 と相 続 税 評 価 の間
で「ズレ」が生 じる場 合 があることです。例 えば、被 相 続 人 には相 続 財 産 は不 動 産
しかなく、子 供 3人 でその不 動 産 を時 価 額 で均 等 に分 けたとします。
しかし、小 規 模 宅 地 の特 例 や貸 家 建 付 地 の評 価 などで、納 める相 続 税 額 は必
ずしも均 等 にはなりません。そのため、兄 弟 間 で均 等 に財 産 を分 けたと思 ってい
たのに、支 払 う相 続 税 額 に差 が生 じ、結 果 、最 終 的 に手 元 に残 った額 に差 が生 じ
た、ということになってしまいます。
不 動 産 の遺 産 分 割 を行 う際 には、分 割 対 象 の不 動 産 価 値 について、時 価 と相
続 税 評 価 の両 方 の価 額 をしっかりと把 握 し、このようなことが生 じることも想 定 し
たうえで分 割 案 を考 える必 要 があります。
○編 集 後 記 ○
これまでは妻 が野 菜 ジュース、私 がトマトジュースをよく飲 んでいました。何 となく「野
菜 の味 がして、ジュースとしてはちょっと飲 みづらそう」というイメージでした。ところが、
最 近 の野 菜 ジュースは果 物 ブレンドで飲 みやすく、味 としてはほとんど「リンゴジュース」
でした・・・今 ではすっかり、野 菜 ジュースをごくごくと、妻 以 上 に飲 んでいます。
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