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国際協力NGOの東日本大震災支援 ~記録の重要性
国際協力NGOの東日本大震災支援 ~記録の重要性と私たちの取組み~ 2013年3月26日 東日本大震災アーカイブ公開記念シンポジウム 「東日本大震災の記録をのこす意志、つたえる努力」 於)国立国会図書館 国際協力NGOセンター(JANIC) 震災タスクフォース チーフコーディネーター 田島誠 1 内容 1 市民社会による記録の意味 1. 市民社会による記録の意味・意義 意義 2. JANICの取組み 3 失われる記憶 3. 4. 国立国会図書館の取組みへの協力 2 市民社会による記録の意味 市民社会による記録の意味・意義(1) 意義(1) Q> 何のために、記録・記憶化するのか? 後世に今回の経験から導き出される課題と教訓を残し、 次に生かすため 3 市民社会による記録の意味 市民社会による記録の意味・意義(2) 意義(2) Q> なぜ、市民社会(CSO=NPO/NGOなど)の記録・記憶化? 1. 支援の最前線にいるから • 被災者の現実に最も密接に触れる人々だから 2. 防災や災害対応における市民社会の役割が増大しているから • 特に、大規模広域災害では、通常の(官の)備えでは間に 合わず 支援の外にある人たちを救う重要なアクター 合わず、支援の外にある人たちを救う重要なアクタ 4 大災害で試される市民社会の連携 大災害 支援地 被災地 災害対策本部 自治体 自治体 災害ボランティアセンター NPO 公的支援 通常の情報チャンネル その他公共施設 NGO 教会 ネットワーク組織 企業 ライフライン 道路網 通信網 (燃料) 指定避難所 (公立学校など) 私立学校 教会 支援(物/人/金) 寺院 個人 寺院 在宅 在宅 在宅 5 60団体以上の国際協力NGOが現場で支援 4割が3日以内 6割が10日以内に始動 4割が3日以内、6割が10日以内に始動 500以上のプロジェクト 6 131 39 保護 医療支援・心の 医 のケア 運送・ロジ ・通信 9 ボランテ ティア 調整 整・情報共有 (支援 む) 体制造り含む 住居 居支援・避難所 所運営 水 ・衛生 24 72 18 分野 緊急物資 現場調整・運営 (災害VCなどと) 教育・保健 人権・弱 者支援 早期復興 実施 NGO (一部) JPF加盟団体 (PWJ, JEN, WVJ, ADRA, CCP) まごころネット, ピース ボート, SVA, JVC, JHP, JAR, ACE, かものはし SCJ, CYR, SHARE HRN, JAR. AAR IVY, WE21 Japan 課題 物量、動員力 公的仕組み、受援力 国際基準の主流化 6 その他 そ 43 25 55 早期 期復興 61 教育 69 支援物資 資配布 140 120 100 80 60 40 20 0 食糧配布・炊 炊出し プ ロジェクト数 数 国際協力NGOの支援分野 2011年6月 JANIC調 JANIC調べ ※プロジェクト総数=552 低開発性 7 東日本大震災支援に関わったJANIC会員団体 正会員 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • (特活)ICA文化事業協会 (財)アジアア リカ国際奉仕財団(AiV) (財)アジアアフリカ国際奉仕財団(AiV) (社)アジア協会アジア友の会(JAFS) (特活)アジア・コミュニティ・センター21 (特活)ADRA Japan (特活)アムダ(AMDA) (特活)アジア日本相互交流センター(ICAN) (特活)アーユス仏教国際協力ネットワーク (特活)ESAアジア教育支援の会 (特活)WE21ジ パン (特活)WE21ジャパン (特活)ACE (公財)オイスカ(OISCA) (特活)幼い難民を考える会(CYR) (特活)オックスファム・ジャパン(OXFAM Japan) (特活)開発教育協会/DEAR (特活)かものはしプロジェクト (特活)グッドネーバーズ・ジャパン (公財)ケア インタ ナシ ナル ジ パン (公財)ケア・インターナショナル・ジャパン (特活)ケアリングフォーザフューチャーファウンデーションジャパン(CFF) (公財)国際開発救援財団 (特活)国際ボランティアセンター山形(IVY) (特活)国境なき医師団日本(MSF Japan) (特活)国境なき子どもたち(KnK) (特活)シェア=国際保健協力市民の会(SHARE) (特活)JHP・学校をつくる会 (特活)ジ ン(JEN) (特活)ジェン(JEN) (特活)シャプラニール=市民による海外協力の会(Shaplaneer) (公社)シャンティ国際ボランティア会(SVA) (公財)ジョイセフ(家族計画国際協力財団)(JOICEP) (財)世界宗教者平和会議日本委員会(WCRP) (公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ) (特活)地球市民ACTかながわ/TPAK (特活)地球の木 (特活)地球の友と歩む会/LIFE (特活)チャイルド・ファンド・ジャパン(CFJ) (特活)難民支援協会(JAR) (特活)難民を助ける会(AAR) (特活)日本・雲南聯誼(れんぎ)協会 日本カトリック信徒宣教者会 • • • • • • • • • • • • • • • • (公社)日本キリスト教海外医療協力会(JOCS) (特活)日本国際ボランティアセンター(JVC) (特活)日本リザ (特活)日本リザルツ (特活)ハート・オブ・ゴールド (特活)ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン (特活)ハーベストタイム (特活)パレスチナ子どものキャンペーン(CCP) (特活)ピースウィンズ・ジャパン(PWJ) (特活)ヒューマンライツ・ナウ(HRN) (特活)ヒマラヤ保全協会(IHC) (公財)プラン ジ パン (公財)プラン・ジャパン (特活)ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ) (特活)フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN (特活)メドゥサン・デュ・モンド ジャポン(世界の医療団)(MDM) (特活)れんげ国際ボランティア会 (特活)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ) 団体協力会員 • あしなが育英会 • (一財)ウェスレー・ファンデーション(Wesley Foundation) • (特活)NPO事業サポートセンター • (特活)オーシャンファミリー • (財)大竹財団 • (特活)神奈川県海外ボランティア歯科医療団 • (一財)国際開発センター(IDCJ) • (一財)CSOネットワーク • (公社)CIVIC FORCE • JGC通訳ボランティア事務局 • (宗教法人)真如苑 • (特活)JIPPO • (特活)ジャパン・プラットフォーム • (社)青年海外協力協会(JOCA) • (財)損保ジャパン環境財団 • (一財)ダイバーシティー研究所 日本イラク医療支援ネットワ 日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET) ク(JIM NET) • • 日本福音ルーテル社団(JELA) • (財)日本ユニセフ協会 • (社)日本ユネスコ協会連盟 • (特活)HANDS • (一社)ピースボート災害ボランティアセンター • UIゼンセン同盟 8 国際協力NGOの支援実績 支援実績 JANIC会員NGO資金調達額 147億円 (2011年11月JANIC調べ, 59団体) (民間の総額373億円の40%) (全体の総額4 072億円の9%) (全体の総額4,072億円の9%) プロジェクト数 552 (2011年6月JANIC調べ 74団体) (2011年6月JANIC調べ, 支援活動を行った市町村数 100 (2011年11月JANIC調べ, 59団体) 9 JANICの取組み 1. 2. 3. 44. 記録報告書 記録DVD 一般図書 英語での情報発信 10 JANICの取組み(1) 記録報告書 【東日本大震災と国際協力NGO 【東日本大震災と国際協力NGO―国内 国内 での新たな可能性と課題、そして 提言】 • 目的:課題と教訓を関係者間で共 有する • 対象:支援関係者(NGO/NPO、社会 福祉協議会、政府・行政、図書 館) • 内容:記録、課題、教訓、提言 • 言語:日本語 • 配布方法:郵送、手交、イベント 11 JANICの取組み(2) 記録DVD 【東 【東日本大震災と国際協力NGO: 本大震災 国際協力 緊急支援から復興支援へ 「こ れから」の分岐点】 • 目的:NGOの活動と貢献 • 内容:NGO17団体の典型的な支 援活動 紹介 援活動の紹介 • 言語:日本語、英語 • 配布方法: – DVD 500枚 – ホームページ ホ ジ – YouTube 12 JANICの取組み(3) 般図書 一般図書 【あの日私たちは東北 【あの日私たちは東北へ向かっ 向かっ た: 国際協力NGOと3・11(早稲田大 学出版部)】 部 】 • 目的:NGO、市民、自らの災害 支援への関わり方と課題 • 対象:大学生 • 言語:日本語、韓国語 • 配布方法:一般書店、JANIC 布 般書 Books、電子書籍 「福島と生きる~国際協力 NGOと市民運動の新たな挑 戦~(新評論)」も共同出版 13 JANICの取組み(4) 英語情報発信 • 目的:国内外の人々の解決 目的:国内外の人々の解決への の 協働、英語での記憶化 • 対象:福島の問題に関心を持つ 海外の市民の人々 • 言語:英語 • 発信方法: Web (Fukushima on the Globe)、ニュースレター (Fukushima Fact Sheet) 14 15 必要とされるリソース 必要とされるリソ ス 記録にはコストがかかる 【費用】840万円(報告書:200万円、DVD:150万円、ブックレッ ト40万円、英語発信450万円) 【専従スタッフ】4人月(報告書)、24人月(英語発信) 【サポートスタッフ】3人月(連絡調整 企画 編集 レイアウ 【サポートスタッフ】3人月(連絡調整、企画、編集、レイアウ ト、デザイン、翻訳、ロジなど) 【記録・制作期間】2011年6月~2012年10月(16ヶ月間)(報告 書 DVD) 2012年10月 (英語発信) 書・DVD)、2012年10月~(英語発信) 【報告書ワークショップ】3回(東京、遠野) 【報告書座談会(focused-group discussion)】4回 【DVD現地撮影】2週間(岩手、宮城、福島、東京、横浜) 【報告書質問票調査】3回 【その他】ボランティア 【その他】ボランティア、アルバイト、インターン(翻訳、英語 アルバイト インターン(翻訳 英語 ナレーションなど) 16 なぜJANICはできたのか 1 事業計画の中に主要な活動として明確に位置づけた 1. • 当初から意識的に残そうとしたから 2 「十分な」リソースを配分した 2. • 予算、人、時間 3 現場にある程度根っこがあった 3. 現場にある程度根 こがあ た • 被災各県に連絡事務所と職員の配置 4. 既存+新規参入者のネットワークがあった • JANIC会員、メーリングリスト、情報交換会 17 失われる記憶 1 緊急時には「記録」はプライオリティが低い 1. 2. 資金やノウハウがない • 雑多な資料はあっても整理する暇や人手がない、または、 情報を効率的に蓄積しておくシステムがない 3. 緊急救援の現場は臨時職員が多い • 例:震災支援のため、あるNGOは職員50人から100人に増加 例 震災支援のため あるNGOは職員50人から100人に増加 (新規雇用) 年目が節目の勝負(人、金、関心が きる年) 4. 3年目が節目の勝負(人、金、関心がつきる年) • 今年が最後のチャンス • 組織の中に埋もれる情報 • 個人の中に埋もれる経験や情報 18 国立国会図書館の取組みへの協力 【内容】 1. JANICの記録資料の提供 2. 会員団体等への呼び掛け 3. 福島での長期的な記録への協力 (英語Web情報発信、動画、市民によるイベントチラシなど) 【フェーズ】 1. 既存メディア・情報の収集 2. 組織内に埋もれている情報の整理・収集 NGO/NPOにプロボノ派遣を! ① 「3年目に失われる記憶」を保存 ② システム構築と能力強化 →次の災害の記録が可能に 19 後世に、記録と教訓を 持続的な共生社会の実現を目指して、、、 持続的な共生社会の実現を目指して NGOをサポートしよう。 www.janic.org fukushimaontheglobe fukushimaontheglobe.com com 20