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扇形導体プラスチック絶縁電力ケーブルの諸特性

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扇形導体プラスチック絶縁電力ケーブルの諸特性
U.D.C.d21.315.212.3
扁形導体プラスチック絶縁電力ケーブルの諸特性
Chal ̄aCteristics
of Segmental
Conductorl)1asticsInsulated
止
Power
Cab】e3
リー*
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Kaz11()Sllわji
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Yr)Slli()t†こ=11こIdこ1
肝ト
概
‥川手鳴体〃)抹川け,3心屯ノけ-
/♪ノLの什卜F)外ほろ_ノ紺F′卜㌻るた州こきわが)て十l ̄幼なノノ法でこいン.ン丘立止
一▲1工
ノ+′7一一-ゾ′上に7′Lミ特休が他J ̄l ̄jさjLるrLうになノ,てきたが,この均でナほ特に外作の術′卜がl打安瓜i■1鳩でカ,1て)
八ド肘ノほ,6lくⅤ紳のI血中配′副哨川】として,終種扇形噂体糾1-1いたホリニLナレン心.[び架除い卜=▲-しン心
ノJトイ′り・_′開発し,苗′く抑ノ,粍脚桝引牛か1+心に嵐i、けで圭汁‖化した什亡・,二.㌣〟1柵智子二′沌ノー、二子).
jLばなじ二Jないが,脚仔より組またほ応i形ソリッド蒋休な採川十るこ
1.緒
とにより,銅噂体l-1j形より維とほぼl行卜外得でよいことになるL.さ
口
ここ10数咋閃の介成ゴム,合成樹脂絶縁電力ケーブ′しの進歩はが)
らに,雨量が常し一て軽減されろので,輸送やれ子娃==二でのfル∴‥土
ぎましい「、まず,プチ′レゴムは行成ゴムの代表的なものであるが耐
大きいL、
次に銅;年休ケーブノし〝)見な比較すJ=よ,赫汚より純米桁ポリエチ
すゾソ件,耐水什,耐鮒乍に宕ム,砧電肝ケープノL川絶縁材料とし
て滴Lているため,Jムlこケーーブ′1分野に仲川さJしている(1‥2)
レン′トーブ′Lは,電流舛景450Aに.卜し、て.外子羊,市最とヰ)にそJL
--・几 介成樹脈のf㌧ノミでぁるポりエチレンほ,誘電肘タこが′卜さ√.:
絶縁耐ノJが人き∴
仙薬ん仲トもートて、+Lていろ什ご,熱附ヒ件な除け
ぞれ
リエチレンケーブルの9n%.・】■ゴよぴ93%とな();〉
ば電気絶紹H ̄料として押想的なヰ)のに近い-、この+川エチレンの熱
附ヒ件右ご分/≠+叫ヒ′、柑i付二.1こり政洋Lた架橋ポIjエチレン比
ノーr-′Lてり、ケーブノ川 ̄)ホニ;%およぴHl%,l■川≠.Lり綿架憶′ト
また,こ〟 ̄)帆r叶L
 ̄人絹 ̄邑のも叫まど財貨で丸ろので,′ト解邑り∵一ゾル不_1恥-「げ締榊叶
が期待できろL-
ブ
ナ′いゴムと同1乍の耐熱作な指ら,lノかもケープ′しとして比較した場
3.扇形導体ケーブルの構造
/㌻に畔窮鼠で外子羊も′トさrこなるJ)で,規fl三急速な普及不二一遂げている..
これ〔)の縦線材料糾山、たケーブ′1′の人きな利瓜ま,月小)拙いが
ケーブノし諸特件の検討に肌、られた扇形噂体は,銅一丈り線,アル
輔妨で,イ】f設場所〃〕1■.t地条件にほとんどノ.てイJさ+Lず,また,保一、1二む ミより綿,7ルミソリッドの3稚類である。より線はローノLによ
必螢としないことなどで丸ろ
しかし,大凱こ班ノー1はJtる6kVl、ノ、
り呟形されたものである「、ソりッドのも叫よ貼岩崎に加 ̄1潮化石_一′I三±
卜の3心トーーゾ′Lト′・一ノいてヰ)人多数がlリ形噂体肺道で舟)るた〟),瓦i こさないよう特に汀意した‥
形噂体のべノLト紙ケーブ′Lと比較して外f羊がかなり大きいケこ∴■∴が滋,
ケー1ブノLの噌体り、外の構造、ト法(・lりIS
C36∩4(+川ユニ7-レン絶総ビニ′しシース稲カケーーブノレ規柄)に叩蔓
る。ケーーブノL外作の鮒小にけ,絶縁l′軸巨をイ一丁卜させて絶縁体厚さ石▼一 じた〔-,
帖械寸(ノと州恥二,絶縁紙心のrli枯ネな.;■紳)ることが必軒ごある.-、
噂休退へいは架橋ポリエチレンケーブ′Lにノ ̄ノいてのム施し7ニ.
こ叫l的のた桝こ.ろ代打イ)け,柑■l!け---ブ′Lノ)年竺湖ギ湖ミ…右ご拭と 維総体卜には,、t乍増電件布テープと銅テープにエろ遮/\、いJ郎_一設
Lて,ノノか「梢体〟 ̄)ホリ二lニイーレン.「∴Lび架橋ポリユー子レンケーーブ′Lろ_・
け,そのままより子ナJ)せビニノLシーースを施した‥
川 ̄J発し七J脚一手噂体ケーーブ′Lは, ̄搾油l■j形噂体ケーーブ′LJ)外祥子ご1n トーブルの什様を第1表に,またおもな矧㍉-■■の外観左′第2図に示
%1リ、卜緋′トナることができろ.立た.こ♂)ため7ノしミ▼;指体糾釧】し
す(第1表のN().4-ブ′Lけ如北竜ノブ株式三ミ什へ納入したものでふケ
ても,従来とほけIiq・外作〝)トーゾ′Lで,川
一-ハー心材作員二ろ二附呆+- る)「ノなお弟1表のケーーゾ′し仲別のN‖.け‖トハ本文心⊥)二び瀬〃)N().
ろことができる‥
に対応すろ.,
現れ
銅鞘抑の丁㍍懸け諸六の7ン′ミラ
/′ ̄1かL)ノノ ̄--ブ′L噂体はし
′さいに7′Lミ化のプルト移7√Lてい々:j
什ご,+く肝Ttiでは亡附こ砧什多7ノLミ噂休
〔盲1
叩
甘
仲
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(豆 ̄1
ヱ
姻博∵---
サオ+√--十
▲舶批梶川l州六・に川い1')れろ61くV
ニ王心ゴノ、・プラスチック′屯ノノケーゾ′L
∈E
2・各種ケーブルの比較
⑤〔心
′ノ∴∴ノ、′L仁_一卜休上して一;′じノミろ..
に/Jいて,竹-いイIJこ没‖抑)`l丘糀ゲ享鼓むノ.ヒ
i軒とし,ケーブ′L外繹,弔量な1七較L′
ノー■
3n
た緋架は第1図にホー+1とおりである、「
+--一一⊥-----1-
101)
⊥---+-⊥
20()
了㍍㌔川け′しミニウムのJ耶琵ヰくは電1こ
____1__¶_⊥__¶
:】(川
4仙
5(川
2()0
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`在7右.ミ′ノFら1-
いjし屯流`≠絹:ン.什1三たせろには約1刷〉■†
√ハ噌体肘佃i桁〟け-ブ′Lむ仲川Lなけ
・iノf休‖什
増什汗き北
巧)
甘+紹.でりT.一事-レン′「-
リノ
斗ご恰イ7りtナし ニ
ケーー・プ川
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‥川三上り線
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ケ
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砧耶いJ操
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ーナ川
=it`止;胡1件ノしニヱ?汁[l■塙_I二喝
筍11宅】 行 侍
-¶71-
4nり
11三さガ亡′〆Fら1:(A■)
川軟鋼の約61ノ%であるので銅噂体と
ケーー「ノ′L綿別
ニ川l)
ケ
T一子ーL ニノr一て/)ノⅠ
〝)比
中′と
5()r)
1706
立
目
「l円和40年10月
評
論
第10号
第47巻
奉加ネ、対
慧亀
上1川ラフ-■1作′糾う汽・卜I
(116k173〉ご150】111112
トノ】【∴可亡休・-ドり ̄一十レンケ=イ′L
(2・fik\r3′′325tll1112
ご1丁‡2LLくⅠ
 ̄7
ノL
10kg
20kg
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′′
怒増田抑仙
0・
30kg
_⊥______+
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リ
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12
4()kg
15
ー.にJl(k\・')
第3川
仙巾
村l暮【】l】り柊の.誇`.壬川三帖
純綿体上申体
lり「ト郎宋心
第∠′l川 働甲州i打消卜ご拭騒軒休糸.1i果
第1プ言
シ・・一 ̄7、′L怖別
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壬1こ
称断向椛
付
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よりrり)せ外繕(約)
巾 ̄ノ'ノ捏、亨悍し羊
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詳
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上1.1形
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1301くⅤノ30分15kV′/30分科い
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3二王……1、て∴弓3‥;三三…
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′ノL帥別
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けl.i=化150kV/3l円け10kV/′3li・桝Jlて)
Nl).け‖トリ)人ト ̄.対比、す∼:j.
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4.5
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帖
仁
続
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㌫丁応∴
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ふ主小絶総机杭(20℃)
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ケーーブノL外子羊の1(=たのてンドレ′=こ打トって
100I蜘州し,こJLな=ニーナ線にJ大してJ丈村側に180蜘t川11し,また巾二
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‡Li.しにJノj- ̄卜.こ叫染作を1いりとして30川くり返しノた.〕
1冒一諾!1冒●ごご
×10分:
山
I
×10タ〉
J箋
Xl()う〉
J辻
ヒーートサイケノL,拭験は,ケーブル許狩電流の1.2什子の電流を1サ
イクル24柑川「い8=榔i]の-ち油謁し,これキ12サイクル行な一つた。
第3図に(上,N().1お【LびNo.4ケーブ′Lの,くりi喧し仙…前後の
4.各種試験結果
ム1電気
修一㍍1H安一宇引1三柑ゾ1モネ_・ホ十.-.この紙り土ではエり純増休ケーブルのほ
的特性
・うがわすかにすl二、'JLていろ(-Jこ川よ,ソリ、ソドア′しミ噂体の郎=千慮
さがノ(きいため,納ナ∽ソなどにい・∴ミこんしわが`#りべつすいものと
ノこ収ケープ′し〝)わ、∴シt験城績む弟2表に.虹ノミ.州ご・■トによモ:Jコロナ
ここ胡毒‡なl、ノぴに破壊.さぺ検収績を舞3表に示す′.
 ̄鞍_▼Lりしノ乙..しかL`j三信弓〝) ̄【 ̄二ifl二に際Lて,ニのような過酷な曲けほ
-72一
扇形導体
第4表
プ
ラ
;1
半1導電
i引イこ絶緑化 性
甲
布テJ⊂丁-7し
○
○
3
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ビニ′レ
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○
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△
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7JノL種別
烹烹
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×
l
×
○
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○印:異常
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○
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△印:Lい㌻ふ
×
×
×印:き裂
J+ゝ
○
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■
△
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旦±x100
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○
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○
△
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○
○
○ご ̄云1
mIn
エリ線銅
150
㌻
・j〝法
b:変形綬7、
寸法
△
×;
測定結果
架橋ポリエチレンケーブル
150
a
F・容子止ノナ
×買×2
mm2
1
1
7六リエチレンケーブル
No.3
150
No・4】No・5
325
200+
ソリッド
萱≡董i jソ「諒ご㌔
J二鴬
mm
kg-
cln2
より線 ̄7′ンミ
55.6
55.2
9×104
6×104
㌢-ブル引入れ状況略図
(3)符号
×i△
×
No.2
第5図
△
△
No.1i
ホーJレ
10R
○:・・○
EI値
マン
150m蒜
1】
第5表
臼:二==…
\
△
x。.2il。.72i△△:△買。㌻
3!○:△葛△;△
1
管絡
おいノの糊七
l
No.5:8.4
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l
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品
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⊥)(岩.N
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○
2:OJo;:○喜
3
ケ一丁ル
l
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(⊃
○
○
1707
G L
io
○≠○
l
ブルの諸特性
ー
考
丁-ブ
(⊃
○
!2
l
備
シース
(⊃
○
○
No・5】0!2
20
○
○
Xo・2!0:2』○
No.23.2
絶縁電力ケ
誘やマウス
(訟毛別rな還、日.漂
l
l
ック
衝撃荷重落 ̄F試験解体結果
おさえ
極へい
l
チ
ス
アル
第6図
マンホール内の誘導用コロの配置
ミ
60.6
1.3×105
法iこよるたわみ試験で曲げ強さの比較を行なった。曲げの強さは
2.1×105
(注)No.仕上外径は定測値を示す二
ケーブルの合成ヤング率(E)と,合成断面二次モーメソト(りの
積で表わされる。試験は長さ1・5mの試料の上端を固定して垂直
困難であり,また誘電正接の絶対値と第3表のコロナ開始電圧から,
につり下げ,下端に張力計を取i)付けて水平方向に往復数回引衷
実用上問題ないと考えてよい。
4・2
って,張力とたわみ量の関係を求めた。この関係はヒステリシス
機械的特性
曲線として図示されるので,この傾斜角より低荷電状態でのE′
4.2.1衝撃荷重落下試験
値を計算により求めた(5).。
試験結果は弟5表に示すとおりである。
一般にケーブルは衝撃落下荷重に対し最も弱く,落下物の先端
形状が鋭利なものほど影響は大きい。プラスチックケーブルはゴ
No・2とNo・3を比較すれば,ソリッドアルミ増体ケーブルはよ
ムケーブルに次いで耐衝撃性は大きいが,ここでは導体種類の差
り線導体ケーブルの約2倍の曲げ強さといえる。また,E′値は導
をみるためNo・2とNo・5すなわち,より線7ルミとソリッドア
体断面積にほぼ比例している。次にNo.5の325mm2ケーブル
ルミ導体ケーブルについて比較した。
を,70kVlx400mm20Fケーブルの且J値19.2×105kg-C皿2(5)
試験はJISC3004(ゴム絶縁電線試験方法)によって,10,20,
と比較すれば,曲げ強さは1/7であるので延線にほあまり問題で
30および40kgのおもりを高さ1mの点より,絶縁線心の直上に
ない。ただ,曲げ強さに対しケーブルが軽いこと,曲げに対する
落下するよう試料の方向を定めて行なった。またNo.2では交流
塑性変形量が小さいこと,端末および接続⊥事の際の小細工がよ
17kVを加電したままの状態で試験した。
り線導体ほど容易でないことから,曲げにくいという印象を受け
試験後の解体調査結果ほ弟4表に示すとおりである。加電中に
衝撃荷重を加えても,その瞬間あるいは直後にはプチルゴムケー
る。前2老は金串による架空延線工事の際などではむしろ有利な
特性である。後者は今後工具の開発により解決しなければならな
ブルの場合(4)と同じく容易に絶縁破壊は起こらない。しかし,
い問題である。
20∼40kg-mでは外観にはほとんどこん跡ほ残らないが,弟4図
ム2.3
に示すように銅テープや絶縁体などにき裂がはいっており,ケー
ブルの寿命を著しく短縮する原田となる。
引入れ試験
前述のたわみ試験から,ソリッドアルミ導体ケーブルの布設工
事は問題ないことがわかるが,ここではNo.5の325mm2ヶ_ブ
なお,ソリッドアルミ導体ケーナ′レは衝撃応力が一線心のみで
ルを試料とし,管路引入れ試験を行なった。.試験には日立電線株
緩和されるため,他線心への被害ほより線導体ケーブルより少
式会社日高工場構内の実験用マンホールと6インチのユタニット
ない。
管路を用いた。
4・2・2
曲げ強さの比較
弟5図はその状況を示した略図である。
ケーブルの取り扱いやすさを知る一つの目安として,片持ばり
この試験では引入れ条件を過酷にするため,管路口に近い側の
-73-
1708
日
昭和40年10月
600A通電
20
第10号
「←速断
90
ケーブルの伸こ\'
18
第47巻
論
評
止
8 ∧U
16
(E∈)S萱Gミト一心
6O
プルの剖本温雪
■.〇
(U
4.nU
有二2わ昆:14.2m
3O
2O
(Uし桝表皇賛G一∴卜1ト
7 八U
10
0
180
120
60
1
240
時
300
360
1,080
間(min)
第9図
第7図
モールド後のおさえテープハク離状況
ソリッドアルミ導体ケーブルの伸びの温度特性
なお,この試験の際,ケーブル表面長手方向に粘着ビニルテープ
を直線上にはりつけ,伸縮時のねじれを調べたが,ねじれほ全然な
アルミ導体のふ(64.5mm2;詫体■1
一一か--ベトーーくトーーンーーい-・ぺ------く-一一---C-----く
かった。また,絶縁体,シースともに導体にまったく追従している
(U.ロN\90マ)真空望
7ルミ対アルミニュんだ接続(64.5Ⅰロm2樹木■■・
ことも確認した。
5.ケーブルの接続
5.1導体の才妾続
扇形銅より線の接続は,普通導体と同じくスリーブを用いたほん
アルミ対銅圧縮接続(150mm2導体:
だ揚げまたは圧縮接続が容易にできるので,ここでほアルミ導体の
接続について述べる。
0
100
200
300
400
500
アルミ導体の接続として実用,または検討されているものに,は
600
んだ揚げ接続法,圧縮接続法,溶接接続法,アルミ鋳込法,テイカ
ヒートサイクル回数(回)
第8図
ウェ′レド法やボルトによるクランプ法などがある。これらの接続法
ヒートサイクルによる抵抗の変化
のうち,従来の銅導体接続技術をそのまま利用できるものは,ほん
Bマンホールロよりケーブルを引入れた。引き入れ準備としては
だ揚げ法と圧縮法である。前者はアルミ対ア′レミ,アルミ対銅の接
マンホールロにラッパ状の誘導マウスを固定し,管路口にケーブ
続に,後者はアルミ対アルミの接続に適している。
5.1.1はんだ揚げによる接続
ル誘導用コロを弟る図のように配置した。
銅,銅合金,鉛および鉄などのほんだ接続は,スズー鉛系合金
この状態でケーブルを40m引き入れたが,最終張力は140∼150
kgであった。管路のみの摩擦抵抗は,摩擦係数を0,5としても約
と,樹脂などのフラックスを使って行なわれる。しかし,アルミ
60kgであるので,80∼90kgがドラムの繰出し張力と,ガイド屈
は空気中においてきわめて短時間に酸化被膜を形成し,この被膜
曲部分での抵抗に相当する。マンホール入口側の抵抗は管路長さ
が機械的に強固で,電気的に高絶縁性であるため,アルミの接続
とは無関係であるので,長距離管路延線の場合ほとんど無視で
に当たってはこの被院を特殊なフラックスで化学的に溶解する
きる。
か,あるいは棟械的に破壊して除去しながら行なわなければなら
ない。より線接続の際,各素線の表面をほんだで"湿らす”ため
この試験の終わりに管路出口の引出し部にて,立上り工事の癖
取り試験を行なったが,4名の作業者によりケーブル外径の約15
には,特殊フラックスの助けが必要であるが,いったんアルミ表
倍の屈曲半径を保ち,容易に立ち上げることができた。
面をはんだメッキすれば,あとほ銅などとまったく同様にはんだ
4.3
付けが可能となる。
熱膨張伸縮試験
5.1.2
電気用アルミと銅の線膨張温度係数はそれぞれ1℃につき23×
圧縮による接続
圧縮による接続はスリーブと圧縮工具を用いるだけでよく,簡
10 ̄6と17×10 ̄6であり,アルミのほうが約30%大きい。このため
アルミ導体ケーブルを採用する場合には,あらかじめ使用時の熱膨
便であるので広く用いられている。ところがアルミ対銅などの異
張収縮を考慮し,ケーブルのスネーク布設やマンホール内でのオフ
種導体接続においては,互いの金属の電極電位が異なるため,わ
セット量に注意しなければならない。
ずかな水分があっても局部電池作用による低品位金属(ここでは
この試験は,伸縮が問題と考えられる325mm2ソリッドアルミ導
アルミ)の腐食が起こる(6)。これを防止するためアルミと銅の接
体ケーブルを15.5m(有効長14.2m)用いて行なった。ケーブルを
触面に特殊な合金層を介在させたうえで圧縮接続する。この特殊
コロの上に水平に配置して片端を固定した。他の自由端にはダイヤ
合金層はアルミとはぼ同電位のもので,アルミが直接腐食するの
ルゲージを取り付け,導体温度がほぼ90℃となるような電流(約
を防止している。
600A)を通電したときの伸びと,電流を遮断して導体温度がほぼ室
5.1.3
導体接続部の特性
導体接続部の特性判定の基準としてほ,導体接続部抵抗,引張
温に戻るまでの収縮を調べた。この結果は第7図に示すとおりであ
る。ケーブルの伸縮量は計算値より15%ほど少ないが,この差は線
荷重などがある。前者は接続部と同等長の導体抵抗値より接続部
心に"より”があるため,円周方向への逃げで緩和されたものと考え
の値が低いこと,後者は導体自身の引張荷重値の50%以上である
られる。しかし,実際の布設工事計画に際しては,この差は安全率
ことが要求されている。これらの性能のはかにさらに重要なこと
として無視し,計算上の伸縮量を基準としてよい。
ほ,負荷ヒートサイクルによって接続部の抵抗値が変化しないこ
ー74-
プ
扇形導体
ラ
チ
ス
ック
絶縁電力
ケ
1709
ブルの諸特性
ー
とである。ヒートサイクルにより接続部の抵抗値が上昇するもの
る.結
でほ,長年月にわたる満足な使用に耐えることがむずかしい。
弟8図ははんだ接続部および圧縮接続部のヒートサイクル後の
以上,今回開発実用化した6kV扇形導体ケーブルについて述べ
抵抗値の測定結果を示したものである。いずれも抵抗値の上昇は
たが,これらの要点をまとめると次のようになる。
(1)扇形導体3心ケーブルは,従来の円形導体ケーブルより仕
なく良好な結果を示している。
5.2
□
絶縁体の接続
上外径が10%以上小さい。このため重がい装を必要とす
6kV級ゴム・プラスチックケーブルの絶縁体接続は,通常自己
る鉱山用立坑ケーブルや,化学工場用垂防食ケーブルで特
融着性テープ巻きで十分であるが,寸法に制限がある場合,完全水
ミ・こ経済性を発揮できる。
密性を要する場合や,移動用を目的とする場合などでは,ケーブル
(2)扇形導体構造のケーブル製造技術が確立されたため,導電
絶縁体と同質材料によるモールド接続が必要になる。
率の低いアルミ導体の採用が容易となった。
(3)ソリッドアルミ導体ケーブルは,取扱作業の困難性が懸念
モールド接続においても,導体を接続し絶縁体を鉛筆削り状に削
i)とるまではテープ巻き式と同様である。このあとモールド部分の
されていたが,普通導体ケーブルと大差ないことが確認さ
絶縁体として,照射ポリエチレンテープ(ハイレイテープ)を所定
れた。むしろ,金串による架線工事などでは軽量でたわみ
の厚さに均一に巻き,内部加圧と紫形のためマイラーテープを2層
が小さいため布設が容易である。
巻いて軽くおさえ,この部分を加熱し溶融接着させる。この加熱に
(4)アルミ導体ケーブルの接続法として古・も
はんだ揚げ法,圧
は電熱線を巻いて通電加熱するか,トーチランプを用いて部分加熱
縮接続法が確立され,負荷ヒートサイクル試験でも異常は
をしてもよい。ただし,トーチランプによる場合は,直接裸火を線
認められなかった。
(5)絶縁体の接続は目的に応じてモールド接続ができる。
心に当てないよう保護層が必要である。
架橋ポリエチレンケーブノしでほモールド部を150∼180℃に約10
この種ケーブルについてはまだ多量の使用実績を得るまでには至
分間保ち,内部が透明になるまで加熱を続ける。このあと徐冷して
っていないが,今後6kV級をはじめとし,さらiこ高電圧ケーブル
80℃以下になったらマイラーテープをはぎとる。弟9図はモールド
へと進められるものと考えられる。
終わりに種々ご指導いただいた東北電力株式会社関係各位,日立
を終了した線心を示している。
ポリエチレンケーブルの場合も同様の方法で可能であるが,加熱
電線株式会社の各位に厚く謝意を表する次第である。
温度を低目に保ち線心が溶亡すないよう注意しなければならない。
参
絶縁体モールド接続後の外部シース接続処理は,使用場所,使用
3
4
なお,6kV以下のケーブルの絶縁体接続にほ,以上の方式より簡
5
便な,絶縁コンパウソド注入方式も検討中である。
大内
特 許
上田木藤菓
水富橋加千
このモールド接続ほ30kVケーブルまで実施し実用に供している。
和岡岡本野
大書+古橋嗣
2
田田岡田辺掘西
目的に応じて,一般テープ巻式接続の場合と同様に行なえばよい。
其依増富渡36川
1
日立評論別-21,8(昭32-12)
佐藤:日立評論別-35,47(昭35-5)
浜田:日立評論45,1869(昭38-11)
佐藤:電四遠大905(昭36)
卜部,遠藤:日立評論別-43,12(昭
日立評論45,828(昭38-5)
紹 介
の
特許第315241号(特公昭39-1471号)
三
アナロ
献
文
茸
グ計算枚用嶺分コ
浦
武
雄・川
松
俊
治
ンデンサー
アナログ計算機の総合演算誤差は,従来からその原因解明のため
ポリエチレン
の種々解析が行なわれてきたiこもかかわらず,決定的な要因がいか
なるものであるかについては全く不明であった。本発明はその要田
が積分器内におけるコンデンサーに依存することを見いだし,この
演算誤差を従来のものに比し,著しく小となし得たものである。
積分用コンデンサ
一般にコンデンサーほ吸収現象を呈するが,図示するような積分
器のためのコンデンサーとして使用した場合,演算誤差ほ誘電体の
分極率をα,演算周波数を仙とするとg(α)山α七表わされることが
わかった(∬(α)を積分器吸収誤差係数と呼ぶ)。そのため本発明は
誘電体として吸収誤差係数が小さい高密度(比重0.94以上)のポリ
出力
入力
抵抗
高利得増幅器
エチレンを使用し,さらに静電容量温度係数が常温で影響のない状
態(1×10 ̄4以下)のものを用いるようにしたものである。このよう
第1図
な構成を有する本発明のコンデンサーは,アナコン用の積分コンデ
ンサーの領域で使用した場合,従来のものに比し演算誤差の著しい
減少が可能なものである。
(高崎)
ー75-
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