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使い方簡単!
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SIGN-OFF TESTS MADE EASY
シームレスに、そして使いやすく
Easy to Use
ETAS INCA-FLOW による適合とテスト
ディーゼルエンジン制御の量産工程リリースの一環として、Bosch 社(英国)のディーゼルシステム部門
は適合データを自動で評価するために ETAS INCA-FLOW を装備しています。INCA-FLOW はサインオフ
テストを自動化するために最適なツールとして認められました。このツールは、多用途性と他の ETAS ソ
リューションとの互換性、使いやすさに加えて、ETAS からテクニカルサポートを得られるという長所によ
り選ばれました。
執筆者
Pramod
Narasimha 氏:
電子制御ユニット(ECU)の量産工程向
レベル 2 のアクティビティは以下の 3
Bosch 社
け製品リリースプロセスでは、多くのサ
段階からなります。
するために、各テストが 3 回実行されま
(英国、デナム)
インオフテストを実行して ECU、ソフト
1. エラー状態を検知
す。つまり、40 個のテストケースがある
適合エンジニア
ウェア、および適合データの相互関係の
2. 車両を制御下に戻して障害状況を軽
場合にはテストを 120 回実行しないと
調和がとれていることを確認する必要が
減
スがテストされます。また、再現性を確認
サインオフを得られないことになります。
3. エラー状態を報告
Prasad
あります。
Sampathkumar 氏:
ECU ソフトウェアは大まかに 3 つのレ
Bosch 社
ベルに分けられます。レベル 1 はドライ
サインオフテストでは、以下のテストに
適合の複雑さ(多くのバリアント)、多く
バビリティ、燃料噴射、エアシステム、診
より、レベル 2 のソフトウェアおよび適
のテストケース、テストケースの反復、一
断などの機能からなります。レベル 2 は、
合を評価することを目指しています。
貫性と再現性のあるテスト実行、および
レベル 1 のアプリケーションソフトウェ
1. 機能テスト:監視機能が目的どおり
テスト時間の低減などのリリースプロセ
ア用管理レイヤです。連続トルク監視
に実行されていることを(エラー誘導
スで提示される問題を考えると、テスト
により)確認
の自動化にはメリットがあると思われて
(英国、デナム)
シニア適合エンジニア
(CTM)としても知られています。レベル
3 は ECU のマイクロコントローラとオ
ンボード周辺機器を監視します。INCA-
FlOW はソフトウェアの量産工程と適合
用のレベル 2 の機能をテストするために
プロセスの自動化
2. ロバスト性:エラー状態検知の信頼
性をチェック
3. 車両加速テスト:エラー状態発生時
の車両加速制限をチェック
いました。
INCA-FLOW を使用すると、実行される
テストステップを自動化できます。これ
には特に、
テスト条件に関するドライバー
への指示、適合変更によるエラー導入、計
使用されます。
レベル 2 ソフトウェアはレベル 1 の計算
これらのテストを実行するために、エラー
測値のロギングおよび特定ファイル名で
を監視し、シリンダに注入される燃料の
状態が人為的に、つまり適合により導入
の保存、レポート生成の重要側面などが
量がドライバー入力(ドライバーの意図
されます。その結果、注入燃料量がドラ
含まれます。データの後処理は重要で時
を示すアクセスペダルポジション)に対
イバーの入力と一致しなくなります。た
間のかかるアクティビティで、 INCA-
応していることを確認します。レベル 1
とえば、
ドライバーは 20 パーセントのア
FLOW を使用すれば、テストエンジニア
で計算間違いが発生した場合(車両が暴
クセルポジションをリクエストしている
はリアルタイムの車両反応挙動を特定の
走する可能性もあります)には、レベル 2
のに注入燃料量の計測値が 100 パーセ
テストケースの結果とともに見ることが
が介入し、車両を確実に制御下に戻す必
ントだったというエラー導入が含まれる
できるので、机上での手動評価およびテ
要があります。
テストケースについては、多様なペダル
ストの反復に必要なステップを減らすこ
ポジションと燃料量の複雑なマトリック
とができます。
R E A LT I M E S
J 2/2013
ドライバーからのリクエスト
レベル1ソフトウェア
OK
OK
NOT OK
OK
信号チェック
適正量か
確認
計算チェック
エラー反応
ECUの連続トルク監視
レベル2ソフトウェア
手動テストでは、多くのテストケースと
3. エラー状態の導入
ます。車両加速のリアルタイムの結果と
テストステップがあるので、支配的なテ
4. レベル 2 が障害を軽減するかどうか
計算、およびエラー検知回数がメッセー
ストケースの一部のセグメントまたはス
ジウィンドウに表示されるので、ユーザー
をチェック
テップをユーザーが実行し忘れてしまう
5. エラー状態時の加速を計算
はこれらにすぐに注目し、テストが成功
可能性があります。INCA-FLOW は事前
6. テストを繰り返して平均を算出
したのか、それともまだテストを繰り返
定義されているステップを 1 つずつ、テ
7. 合否基準の評価
して実行する必要があるのかについて
ストスクリプトに定義されている順に実
INCA-FLOW はテストシーケンスを開始
フィードバックを得ることができます。
計
行することによりテストプロセスの信頼
するとき、実行するテストのタイプ
(Error
測データと計算データの両方が画面に表
性を保証します。このツールは、人為的ミ
in Accelerator Pedal または Error in
示され、バックグラウンドで ASCII テキ
スを回避するため、手動操作を切換えて
Engine
ストファイルに書き込まれます。このファ
信頼性を高めるために装備されました。
Request)を選択するための多項選択
イルを後で Excel ワークシートにイン
ただし、テストスクリプトを評価して、要
ウィンドウを表示します。テストタイプ
ポートして、レポートに使用することが
求されている機能が、条件を制限するス
が選択されると、ユーザーはまた別の多
できます。INCA-FLOW は実車、テスト
トレステストのすべてのケースで本当に
項選択ウィンドウからテストケースを選
ベンチ、LABCAR テストシステムなど多
目的達成されていることを確認する必要
択するように促されます。
様な環境の複数の後続プロセス実行にわ
Torque/Fuel
Quantity
たり一貫して安定動作を実現してきまし
がありました。テストスクリプトの正当
性は、手動と自動のテストプロセスの相
選択されたテストケースに基づいて、必
た。所定のテストのために作成されたプ
関チェックおよび比較を行うことにより
要な運転のマニューバを、ユーザーが追
ロセス/ライブラリメソッドを状況に合
確認されました。
跡できるようにメッセージウィンドウに
わせて適応させ、修正したバージョンを
表示します。テストケースが実行される
他のテストに再利用することができます。
テストケースの例
ための入口条件の閉ループチェックが
このことはプロセスとメソッドのどちら
以下に、車両加速テスト用に実行された
INCA-FLOW のロジックに組み込まれ、
についても開発期間を短縮するのに明ら
テストケースの例を紹介します。
マニューバが矛盾していないかをユー
かに役立ちます。
ザーとは無関係に毎回確認されます。安
このテストは以下の 7 ステップからなり
定した入口条件が実現すると、あらかじ
将来に備えて
ます。
め INCA-FLOW スクリプトに記述され
世 界 規 模 でビジネス展 開 をしている
1. テストタイプ、テストケースを選択
ているとおりに、適合値の変更が ETAS
Bosch 社のディーゼルシステム部門の
2. テストケース記述に従って運転
INCA によりバックグラウンドで行われ
チームに、INCA-FLOW は ECU 機能の
— 概要
61
62
SIGN-OFF TESTS MADE EASY
自動化された適合とテストを同一のメ
ジュール障害の根本原因分析を行うため
う可能性を検討することです。これによ
ソッドに基づいて実行する環境を提供し
に、シンプルな机 上 テストも INCA-
り、ユーザーは長期間にわたるシャシー
ます。INCA-FLOW は、一貫性と再現性
FLOW を使用して行われました。このよ
ダイナモメータテスト実施中に得られる
のあるテストを場所に関係なく作成しま
うな場合、気になる重要なテスト領域で
データを、事前定義された間隔または特
す。そのため、今後の計画には、INCA-
は、車両 CAN に割込みをかけて CAN
定イベントの発生、あるいはその両方に
FLOW による、他の Idle Governo、Rail
障害状態時のシステム挙動を評価する必
基づいて自動で実行された適合変更とと
Pressure Governor、ET Mapping な
要があります。長期的目標の一つは、
もに記録することができます。
どといった適合・評価アクティビティの
ETAS ES720 ドライブレコーダのイン
自 動 化 が含 まれています。特 殊 なモ
ターフェースを使用して自動テストを行
手動テストシーケンスの
ワークフロー
自動テストシーケンスの
ワークフロー
テストの開始
(テストケースごとに3回実行)
テストの開始
(道路/トラックで運転)
記録開始
適合変更
(ペダルまたはトルクのエラーを導入)
テスト実施のための
すべてのプロセス(運転以外!)の
スクリプトをINCA-FLOWで設計
エラーに対する反応をチェック
反応あり?
N
Y
テストシーケンスおよび評価が
(ほとんど!)リアルタイムに
実行されるので、
データ記録後の後処理の
工数は必要なし
記録されたデータを結果の
クロス検証に使用
(ISO 26262の要件!)
障害を除去 & エラーをクリア
記録を終了
N
(計測データを机上で分析した後)
遅くなってから
再テストするのではなく、
テストの妥当性を直ちに
チェックして迅速に
再テストを実施
3回目の実行が完了?
Y
計測値を分析
合格?
N
Y
テストレポートを生成
テストレポートを生成
手動プロセスと自動プロセスの結果の比較
ETAS のソリューション
サインオフテストには、標準化された効率的なメソッドが必要です。INCA-FLOW はサインオ
フテストを容易に自動化できるようにするツールです。INCA と連携してそれらのテストを実
車、テストベンチ、
および HiL テストシステムに装備することができます。ETAS のこのソリュー
ションにより、世界中に分布しているワークグループが、標準化されて扱いやすく、ロバスト
で再現性のある方法でサインオフテストを行えるようになります。
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