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成果報告書 - 東北大学多元物質科学研究所

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成果報告書 - 東北大学多元物質科学研究所
東北⼤学 多元物質科学研究所 新機能無機物質探索研究センター
平成 27 年度(2015 年度)成果報告書
無機固体材料合成研究分野
⾦属機能設計研究分野
無機材料創製プロセス研究分野
環境無機材料化学研究分野
⽬
次
平成 27 年度「新機能無機物質探索研究センター報告書」の発刊にあたって
・・・・・ 5
研究成果報告
無機固体材料合成研究分野
・・・・・ 9
⾦属機能設計研究分野
・・・・・17
無機材料創製プロセス研究分野
・・・・・23
環境無機材料化学研究分野
・・・・・33
第 7 回新機能無機物質探索研究センターシンポジウム
・・・・・49
第 8 回新機能無機物質探索研究センターシンポジウム
・・・・・51
「環境調和機能材料 2016」国際シンポジウム
・・・・・54
佐藤次雄教授 最終講義
・・・・・61
平成 27 年度 「新機能無機物質探索研究センター報告書」の発刊にあたって
東北⼤学 多元物質科学研究所 新機能無機物質探索研究センターは、⾦属・セラミックスの新物
質探査で実績のある4つの研究分野(無機固体材料合成研究分野、⾦属機能設計研究分野、無
機材料創製プロセス研究分野、環境無機材料化学研究分野)から構成され、①新無機物質探索の
学理の構築、②新無機物質探索を可能とする⾰新的プロセスの開発、③新無機物質探索に関わる研
究のプロモートを⽬的とし、国内外での『新機能無機物質探索』の動向に先駆けた活動を展開すること
をめざしております。平成 24 年、垣花眞⼈教授をセンター⻑として発⾜した当センターは、その後、平成
25 年からの 2 年間、佐藤次雄教授がセンター⻑を引き継がれ、本年度より、⼩職がセンター⻑を拝命い
たしました。
当センターでは、国内外の新機能無機物質探索の研究機関との交流と研究成果の発信および若⼿
研究者の教育を⽬的として、シンポジウムを年2回開催しております。平成 27 年 8 ⽉ 21 ⽇に開催し
た第7回新機能無機物質探索研究センターシンポジウムでは、世界的に著名な4名の研究者(この
うち3名はホウ化物の専⾨家)を講師としてお招きし、ご講演を頂きました。また、今年度、⽇本セラミッ
クス協会学術賞と第 59 回無機マテリアル学会賞を受賞された殷澍准教授の講演を設け、新機能無機
物質探索に関する最先端の研究動向や共同研究の推進について議論を深めることができました。12 ⽉
11 ⽇には、学外 3 名、学内 5 名の若⼿研究者による第 8 回新機能無機物質探索研究センターシン
ポジウムを開催し、若⼿研究者の優れた研究成果を発信するとともに、交流を深めることができました。さ
らに、平成 28 年 3 ⽉ 1 ⽇〜3 ⽉ 3 ⽇に「環境調和機能材料 2016」国際シンポジウムと本年度で定
年退職される佐藤次雄先⽣の最終講義が催されました。このシンポジウムでは、国内外の環境調和機
能材料関連の研究者が最新の研究成果を持ち寄り、新規物質及び新規機能性・マルチ機能性材料
探索を通した新物質科学研究に関して活発な議論が⾏われました。
新機能無機物質探索研究を推進するためにセンタープロジェクトも継続しており、平成 27 年度は下
記の4つの研究提案を採択いたしました。
- ⾦属フラックスを⽤いたシリコンクラスレート単結晶の作製
- 複雑系⾦属間化合物の新規超格⼦構造の探索と構造解明
- ⾼機能照明への応⽤を指向した新規蛍光体の開発
- 可視光応答性光触媒の創製と環境浄化特性
当センターの新機能無機物質探索に関する研究成果は、国内外の学会活動等でも積極的に発信し
ており、若⼿研究者や学⽣の活躍が評価されております。本報告書において、平成 27 年度のセンター
の研究活動・成果を取りまとめましたので、ご⾼覧の上、忌憚のないご意⾒を賜れば幸甚です。当センタ
ーでは、「新機能無機物質探索」を⽬指す国内外の研究者の⽅々の協働の場となることをめざすととも
に、同時に若⼿研究者の育成・⽀援にも努めていく所存です。今後とも皆様のご⽀援をよろしくお願い申
し上げます。
⼭根久典
新機能無機物質探索研究センター⻑
研究成果報告
【研究活動報告】無機固体材料合成研究分野
教
准
助
授 : 山根 久典
教 授 : 山田 高広
教 : 森戸 春彦
民間等共同研究員 : 吉村 文孝
大 学 院 生 : 天野 晋作,菅野 雅博,下田 将司,
相場 高平,芝野 将太,渡邉 圭
本研究分野では,金属融液反応場を利用した非酸化物系セラミックスや金属間化合物の合成および固相
反応法による新規多元系無機化合物の探索と,それらの構造解析や特性評価について研究活動を行ってい
る.2015 年度の研究活動としては以下のように概括される.
1. トンネル構造を有する Na2+xGa2+xSn4−x の結晶構造と熱電特性
熱電変換材料の候補物質群として,かご状の骨格構造を持ち,その空隙内に骨格構成原子と弱く結
合した原子を含有するクラスレート化合物が盛んに研究されている.骨格構造の空隙に位置する原子
の異常に大きな熱振動(ラットリング)によるフォノン散乱でガラスと同程度の低熱伝導率がもたら
される一方,電子の移動度はこれにより大きな影響を受けないため,高い熱電特性が発現すると考え
られている 1) .本研究では,構造内にトンネル状の空隙を有したジントル化合物 NaGaSn2 に着目し 2),
その合成と熱電特性の評価を行った.この化合物は,骨格構造内のトンネル空間に Na 原子が大きなデ
ィスオーダーを伴って配置しており,クラスレート化合物と同様に低い熱伝導率を有することが期待
された.この化合物の多結晶焼結体および単結晶試料の作製を試みたところ,得られた試料は六方晶
系(空間群 P6122, a = 6.3471–6.3150 Å, c = 6.1341–6.1718 Å)の Na2+xGa2+xSn4−x, −0.04 < x < 0.30 と表される
化合物であることが X 線回折より明らかになった.これらの結果は,これまでの報告(NaGaSn2, 斜方
晶系, 空間群 C2221, a = 6.309(3) Å, b = 10.986(4) Å, c = 6.162(2) Å) 2)とは異なっていた.Na2+xGa2+xSn4−x
の結晶構造には,Ga と Sn の混合サイトで構成される三次元的な螺旋骨格構造の中に c 軸方向に伸び
るトンネル空間が存在し,その中に占有率が約 1/3 の Na サイトが螺旋状に配置している(図 1).
Na2+xGa2+xSn4−x (x = 0.0, 0.19)の焼結体試料をそれぞれ 6 個作製し,それらの 295 K における熱伝導率
をホットディスク法にて測定したところ,x = 0.19 のある試料
(焼結密度 73 %)の熱伝導率は 0.56 Wm−1K−1 とガラス並の低い
値を示した.この試料のゼーベック係数および電気伝導率は,
それぞれ−209 µVK−1 および 4.3×104 Sm−1 であり,これらの測定
値より求められる ZT の値は 0.98 であった.この値は,実用化
されている Bi2Te3 系熱電変換材料の ZT の値に匹敵する.
Na2+xGa2+xSn4−x と同様なトンネル構造を有する同型・同類構造の
化合物も,高い熱電特性を示す可能性があり,今後,熱電変換 図 1. トンネル構造を有する Na Ga Sn
2+x
2+x
4−x
(x = 0.24)の結晶構造.
材料の新しい候補物質群としての研究の展開が期待される.
参考文献:1) G. A. Slack, in CRC Handbook of Thermoelectrics, CRC, Boca Raton, FL, (1995), 40.
2) J. T. Vaughey and J.
D. Corbett, Am. Chem. Soc. 118 (1996) 12098.
2. Na-Sn フラックスを用いた Na-Si クラスレート単結晶の作製
Si 原子がカゴ状に結合し,そのカゴの中に Na を内包した化合物は,
「Na-Si クラスレート」と呼ばれ,
これまでに Na8Si46(I 型)と NaxSi136(0 < x ≤ 24,II 型)が報告されている 1, 2).これらの化合物は,フラー
レンと類似の空間構造を有することから,太陽電池や熱電変換材料,物質貯蔵など様々な分野での応
用が期待されている.従来,Na-Si クラスレートは Na4Si4 化合物の熱分解によって作製されるため,結
晶成長が難しく,粉末状試料でのみ得られている.本研究では.Na-Sn 融液をフラックスとして用いる
ことにより,Na-Si クラスレートの単結晶育成を試みた.
Na:Si:Sn = 10:2:1 の出発原料を約 104 Pa の減圧下,723
K で加熱し,Na を蒸発させたところ,図 2 に示すような数百
m ~ 1.5 mm の粒状単結晶が得られた.単結晶 X 線構造解析
の結果(R 値 1.6%),得られた単結晶は立方晶系,空間群 Pm3m
(No. 233),格子定数 a = 1.02023(3)nm の Na8Si46 であることが
示された.得られた試料中には(110)面が発達した単結晶が多
く観察された.さらに,得られた単結晶試料を粉砕し,粉末
1 mm
X 線回折パターンを測定したところ,単結晶はすべて Na8Si46
であることが示された.同様の出発原料を 773 K で加熱した
ところ,大きさ数十m ~ 500 m 程度の Na8Si46 や Na24Si136 お
図 2. Na-Sn フラックスを用いて作製された
Na8Si46 クラスレート単結晶の写真.
よび Si 結晶の凝集体が生成した.823 K の加熱では,大きさ数十m ~ 300 m 程度の Si 結晶の凝集体
が得られた.本プロセスでは Na-Sn 融液に Na4Si4 が溶解して Na-Si-Sn 融液となり,この融液から Na
が蒸発することで Na8Si46 クラスレートが結晶成長したと考えられる.出発原料の組成比や原料の投入
量,加熱時間を制御することで,さらに大きな単結晶が得られることが期待される.
参考文献:1) C. Cros, M. Pouchard, P. Hagenmuller, Compt. Rend. 260 (1965) 4764.
2) J. S. Kasper, P. Hagenmuller, M.
Pouchard, C. Cros, Science 150 (1965) 1723.
3. Ba-La-Si 系および Ba-B-Si-N 系新規化合物の合成と結晶構造
Ba–Si 系では常圧相の BaSi や BaSi2 をはじめ高圧相を含む種々の組成の化合物が知られており,BaSi2
は太陽電池材料や超電導材料として研究が行われている.また,La–Si 系では LaSi や LaSi2 などの化合
物が報告されている.本研究では,BN ルツボを用いて Ba–La–Si 系における新規化合物の探索を行っ
たところ,BaLaSi2 と Ba5LaSi6 に加え,Ba–B–Si–N 系で Ba26B12Si5N27 が新たに見いだされた.Ar 雰囲
気下で Ba,La,Si,Na を所定の割合で BN ルツボに入れ,ステンレス鋼製(SUS)管中に封入後,1173 K
で加熱したところ,試料中に黒色で光沢を有する BaLaSi2 の黒色柱状単結晶や Ba5LaSi6 の銀色柱状単結
晶が,また BN ルツボ壁上に Ba26B12Si5N27 黒色板状単結晶が生成した.
結晶構造解析の結果,BaLaSi2 は斜方晶系(a = 4.6414(2) Å,b = 14.8851(7) Å,c = 6.7519(5) Å,空間群
Cmcm)で,結晶内には Si 原子のトランス・シス 1 次元鎖が形成されていることが示された(図 3 左).
Ba5LaSi6 は斜方晶系(a = 17.1447(5) Å,b = 4.8767(1) Å,c = 17.9102(4) Å,空間群 Pnma)で,5 の Si 原子
で構成される 5 員環の一つに枝状に Si 原子がついた[Si5-Si]のジントル陰イオン基があり,5 員環内の
上下に La 原子が,また,陰イオン基の周りに Ba
原子が配列していることが明らかにされた(図 3 右).
Ba26B12Si5N27 の XRD 反 射 は , 斜 方 晶 系 a =
17.6942(4) Å,b = 34.1437(6) Å,c = 10.0410(2) Å で指
数付けされ,空間群 Fdd2 が選択された.Ba26B12Si5N27
には,窒化物陰イオン基の[BN2]3–の他に,ダンベル状
ジントルポリアニオンの[Si2]2.8–と 2 組の N3–陰イオンが
5/8 と 3/8 の 割 合 で 存 在 す る ( 図 4) . 構 造 式 は
図 3 BaLaSi2 と Ba5LaSi6 の結晶構造.
(Ba2+)26{[BN2]3–}12{[Si2]2.8–}2.5(N3–)2×1.5 と 表 さ れ た .
[Si2]2.8–の Si–Si 結合距離 2.177(5) Å は,Li14[Si2]3 で報告
された Si–Si の二重結合距離 2.335(2) Å よりも短い.
Ba26B12Si5N27 の[Si–Si]の結合次数(bond order)は,Si 原
子の平均形式アニオン価数(1.4)と Si 原子 1 つあたりの結
合数を 1 とすると 2.6 となり,三重結合に近い.
図 4 Ba26B12Si5N27 の結晶構造.
4. 一酸化チタン新規相 ε-TiO の発見
チタンと酸素の 2 元系では,光触媒で有名な TiO2 の他に,Ti3O5,Ti2O3,TiO といった低価数チタン
の酸化物が知られており,TiO の 2 元系状態図に関する報告も数多くなされている.一酸化チタン TiO
には,NaCl 型およびその関連の超構造を有する α,β,γ の相が知られている.本研究では,フラック
スとして Bi を用いて酸化チタンの単結晶合成を試みたところ,TiO の新たな多形(ε 相)を見出した.
Bi 粉末,Ti 粉末,Bi2O3 粉末,TiO2 粉末を所定のモル比で秤量し,Ar ガスの雰囲気中で Al2O3 坩堝
に入れ,それらをステンレス鋼管に封入した.これを 900°C で 2 h 加熱し,200°C まで 10°C/h で徐冷
した後,炉冷した.HNO3 水溶液で Bi フラックスを溶解後,残された試料を純水で洗浄した.この試
料から TiO の新たな多形(ε 相)の単結晶が取り出された.この単結晶の X 線回折反射は,六方晶系(a =
4.9936(3) Å,c = 2.8773(2) Å)で指数付けされた.ε-TaN の構造モデル(六方晶系,空間群 P-62m)を用い
て解析を行ったところ,信頼度因子 R1(2σ)が 1.1%になった.
図 5 に ε-TiO の結晶構造を示す.Ti1 サイトは 6 つの O 原
子で構成される三角柱内にあり,Ti1–O 結合距離は 2.1025(2)
Å である.Ti2 サイトの Ti 原子は 3 つの O 原子により平面三
配位されており,Ti2–O 結合距離は 1.9745(8) Å である.この
距離は,α-TiO の最も短い Ti–O 結合距離 1.975 Å とほぼ一致
する.Ti 原子が O 原子により平面三配位された化合物はこれ
まで報告例がない.c 軸方向で測定された単結晶の電気抵抗
率は,280 K で 8.67×10−7 Ωm,10 K で 1.60×10−7 Ωm であった.
図 5 ε-TiO の結晶構造.
【オリジナル論文】
1.
S. Iwamura, H. Nishihara, Y. Ono, H. Morito, H. Yamane, H. Nara, T. Osaka, T. Kyotani, Li-Rich Li-Si
Alloy As A Lithium-Containing Negative Electrode Material Towards High Energy Lithium-Ion Batteries,
Scientific Reports, 5, 8085 (2015.1).
2.
Toru Hasegawa, Hisanori Yamane, Synthesis and crystal structure analysis of Li2NaBP2O8, Journal of Solid
State Chemistry, 225, 65−71 (2015.5).
3.
Hisanori Yamane, Fumitaka Yoshimura, Synthesis, crystal structure and photoluminescence of
(Ba0.99Eu0.01)Al3Si4N9, Journal of Solid State Chemistry, 228, 258−265 (2015.5).
4.
Takahiro Yamada, Ryo Ishiyama, Hisanori Yamane, Synthesis of Na2Mg3X2 (X = Sn, Pb) and Na4Mg4Sn3
and their crystal structures and thermoelectric properties,Japanese Journal of Applied Physics, 54(7S2),
07JC04-1-07JC04-7 (2015.7).
5.
Motoharu Imai, Shiva Kumar Singh, Mitsuaki Nishio, Takahiro Yamada, Hisanori Yamane, Synthesis of
ternary Si clathrates in the A-Al-Si (A = Na and K) system, Japanese Journal of Applied Physics, 54(7S2),
07JC02-1-07JC02-6 (2015.7).
6.
Takahiro Yamada, Hisanori Yamane, Hideaki Nagai, A thermoelectric Zintl phase, Na2+xGa2+xSn4-x with
disordered Na atoms in helical tunnels, Advanced Materials, 27(32), 4708−4713 (2015.8).
7.
Takayuki Hashimoto, Hisanori Yamane, Takahiro Yamada, Takashi Sekiguchi
Synthesis and crystal structures of BaLaSi2 with cis-trans Si chains and Ba5LaSi6 with pentagonal Si rings,
Inorganic Chemistry, 54(18), 9188−9194 (2015.9).
8.
Haruhiko Morito, Jun Anzai, Takuma Kimura, Hisanori Yamane, Synthesis of NaB5C bulk ceramics by
reaction sintering, Solid State Sciences, 47,39−42 (2015.9).
9.
Hashimoto Takayuki, Hisanori Yamane, Nils Becker, Richard Dronskowski
Synthesis and crystal structure of Ba26B12Si5N27 containing [Si2] dumbbells
Journal of Solid State Chemistry, 230, 390−396 (2015.10).
10. Shinsaku Amano, Dimitri Bogdanovski, Hisanori Yamane,* Masami Terauchi, Richard Dronskowski, ε-TiO,
a Novel Stable Polymorph of Titanium Monoxide, Angewandte Chemie International Edition, 55(5), 1652–
1657 (2016.1)
11. Masahiro Kanno, Takahiro Yamada, Hisanori Yamane, Hideaki Nagai, Synthesis, Crystal Structure, and
Thermoelectric Properties of Na2+xAl2+xSn4−x (x = −0.38, −0.24), Chemistry of Materirals, 28(2), 601−607
(2016.1).
【著書】
1.
Y. Mori, M. Imade, M. Maruyama, M. Yoshimura, H. Yamane, F. Kawamura, T. Kawamura, Handbook of
Crystal Growth: Bulk Crystal Growth: Second Edition,13. Growth of Bulk Nitrides from a Na Flux, 2,
505−533 (2015.4).
【学会発表】
国内学会(招待)
1.
山田高広, 菅野雅博, 竃本倫丈, 永井秀明, 山根久典
Na を含む金属間化合物の結晶構造と熱電特性
日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム,,,富山市,(2015.9.16-2015.9.18)
国内学会(一般)
1.
橋本岳幸, 山田高広, 山根久典, BN ルツボを用いた La-Ba-Si 系化合物の合成と結晶構造および特性
評価, 第 53 回セラミックス基礎科学討論会, 京都, (2015.1.8-2015.1.9)
2.
竃本倫丈, 山田高広, 山根久典, Na–Ga–Sn 系化合物の合成と熱電特性評価, 第 53 回セラミックス基礎
科学討論会, 京都, (2015.1.8-2015.1.9)
3.
越路健二郎, 森戸春彦, 山根久典, ナトリウムと酸化物原料を用いた二ホウ化ジルコニウムの低温合成,
第 53 回セラミックス基礎科学討論会,京都, (2015.1.8-2015.1.9)
4.
菅野雅博, 山田高広, 山根久典, Na-Al-Sn 系新規化合物の合成と結晶構造および電気的特性, 春季第
62 回応用物理学会学術講演会, 平塚市, (2015.3.11-2015.3.14)
5.
山田高広, 永井秀明, 山根久典, Na-Ga-Sn 系ジントル化合物の結晶構造と熱電特性評価, 春季第 62 回
応用物理学会学術講演会, 平塚市, (2015.3.11-2015.3.14)
6.
山田高広, 山根久典, 永井秀明, Na-Ga-Sn 系金属間化合物の結晶構造と熱電特性, ,セラミックス協会
2015 年年会, 岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
7.
森戸春彦, 木村巧磨, 山根久典, ボールミルで調整した原料粉末を用いた NaB5C バルク体の反応焼結
2015 年,セラミックス協会年会, 岡山, (2015.3.18-2015.3.20)
8.
橋本岳幸, 山根久典, 山田高広, 関口隆史, BaLaSi2 と Ba5LaSi6 の合成と結晶構造解析, 化学会 第 95
春季年会, 千葉県船橋市, (2015.3.26-2015.3.29)
9.
山田高広, 山根久典, 永井秀明, Na–Ga–Sn 3元系金属間化合物の結晶構造と熱電特性価
第十二回熱電学会学術講演会, 福岡県春日市, (2015.9.7-2015.9.8)
10. 菅野雅博, 山田高広, 山根久典, 永井秀明, 新規化合物 Na2+xAl2+xSn4-x の結晶構造と熱電特性
第十二回日本熱電学会学術講演会, 福岡県春日市, (2015.9.7-2015.9.8)
11. Haruhiko Morito, Hisanori Yamane, Crystal structures and thermoelectric properties of sodium
borosilicides, 平成 27 年度化学系学協会東北大会, 弘前, (2015.9.12-2015.9.13)
12. 菅野雅博, 山田高広, 山根久典, 永井秀明, Na–Al–Sn 系新規化合物の合成と結晶構造および熱電特
性, 第 76 回応用物理学会秋季学術講演会, 名古屋市, (2015.9.13-2015.9.16)
13. 山田高広, 菅野雅博, 竃本倫丈, 永井秀明, 山根久典, トンネル構造中に Na を含む 3 元系金属間化合
物の熱電特性, 第 76 回応用物理学会秋季学術講演会, 名古屋市, (2015.9.13-2015.9.16)
14. 橋本岳幸, 山根久典, Nils Becker, Richard Dronskowski, Ba-B-Si-N 系新規化合物の合成と結晶構造解
析, 日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
15. 天野晋作, 山根久典, 寺内正己, Bi フラックスを用いて作製された一酸化チタン単結晶の結晶構造と電
気的性質, 日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
16. 下田将司, 森戸春彦, 山根久典, Sn フラックスを用いた Na-Si クラスレート単結晶の作製, 金属学会 2015
年秋期(第 157 回)大会, 博多, (2015.9.16-2015.9.18)
17. 森戸春彦, 越路健二郎, 山根久典, ナトリウムを用いた二ホウ化ジルコニウムの低温合成, 金属学会
2015 年秋期(第 157 回)大会, 博多, (2015.9.16-2015.9.18)
18. 下田将司, 森戸春彦, 山根久典, Sn フラックスを用いた I 型および II 型 NaSi クラスレート単結晶の作製,
平成 27 年度東北北海道支部研究発表会, 米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
19. 天野晋作, 山根久典, Ti8SnxBi1-xO7 の合成と結晶構造および電気的性質, 平成 27 年度東北北海道支部
研究発表会, 米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
20. 菅野雅博, 山田高広, 山根久典, 永井秀明, 新規金属間化合物 Na2+xAl2+xSn4-x の結晶構造と熱電特
性, 平成 27 年度東北北海道支部研究発表会, 米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
21. 天野晋作, 山根久典, Ti-Bi-(Sn,Ga)-O 系新規化合物の合成と結晶構造, 第 54 回セラミックス基礎科学
討論会, 佐賀, (2016.1.7-2015.1.8)
22. 森戸春彦, 山田高広, 山根久典, Na-Si-B ホウ化物セラミックスの結晶構造と熱電特性, 第 54 回セラミック
ス基礎科学討論会, 佐賀, (2016.1.7-2015.1.8)
23. 天野 晋作 , 山根 久典 , Ti7Ga2O6 の合成 と結晶 構造 , 日本 セラミックス 協会 2016 年 年会, 東京,
(2016.3.14-2016.3.16)
24. 山田高広,菅野雅博,竃本倫丈,永井秀明,山根久典, Na-In-Sn 系金属間化合物の結晶構造と熱電特
性, 2016 年第 63 回応用物理学会春季学術講演会, 東京, (2016.3.19-2016.3.22)
25. 菅野雅博,山田高広,山根久典, トンネル構造を有する Na2ZnSn5 の熱電特性, 2016 年第 63 回応用物理
学会春季学術講演会, 東京, (2016.3.19-2016.3.22)
26. 森戸春彦, 山田高広, 山根久典, Na-B-Si 三元系化合物の結晶構造と熱電特性, 日本金属学会 2016 年
春期(第 158 回)大会, 東京, (2016.3.23-2016.3.25)
国際学会(一般)
1.
Takahiro Yamada, Hideaki Nagai, Hisanori Yamane, Crystal structure and thermoelectric properties of a
sodium gallium tin compound, 34th Annual International Conference on Thermoelectrics (ICT2015),
Germany, Dresden, (2015.6.28-2015.7.2)
2.
Masahiro Kanno, Takahiro Yamada, Hisanori Yamane, Hideaki Nagai, Crystal structure and thermoelectric
properties of a novel compound Na1.76Al1.76Sn4.24, The 9th International Conference on the Science and
Technology for Advanced Ceramics (STAC-9), Japan, Tsukuba, (2015.10.19-2015.10.21)
3.
Takahiro Yamada, Hideaki Nagai, Hisanori Yamane
Crystal structure and thermoelectric properties of sodium-gallium-tin intermetallic solid solutions
The 9th International Conference on the Science and Technology for Advanced Ceramics (STAC-9), Japan,
Tsukuba, (2015.10.19-2015.10.21)
4.
Masahiro Kanno, Takahiro Yamada, Hisanori Yamane, Hideaki Nagai, Crystal structure and thermoelectric
properties of a novel compound synthesized in the Na–Al–Sn system, 3rd International Conference of
Powder Metallurgy in Asia (APMA2015), Japan, Kyoto, (2015.11.8-2015.11.10)
5.
Haruhiko Morito, Kenjiro Koshiji, Hisanori Yamane, Low-temperature powder synthesis of transition metal
borides by reaction of oxides and sodium, The 3rd International Conference on Powder Metallurgy in Asia
(APMA 2015), Japan, Kyoto, (2015.11.8-2015.11.11)
6.
Haruhiko Morito, Kenjiro Koshiji, Hisanori Yamane, Low-temperature synthesis of transition metal borides
by using sodium, Eighth French Research Organizations -Tohoku University Joint Workshop on Frontier
Materials, Japan, Sendai, (2015.11.29-2015.12.3)
7.
Hashimoto, Hisanori Yamane, Low-temperature synthesis of transition metal borides by using sodium,
Eighth French Research Organizations -Tohoku University Joint Workshop on Frontier Materials, Japan,
Sendai, (2015.11.29-2015.12.3)
その他の発表(招待)
1. 山根久典, 山田高広, 森戸春彦, ナトリウムを利用した合成プロセスと熱電変換材料の探索
第 3 回電子・エネルギー材料プロセス研究会, 日本, 東京, (2016.3.14)
【学術関係受賞】
1.
菅野雅博, 第 38 回応用物理学会講演奨励賞, 応用物理学会, (2015.9.13)
2.
菅野雅博, 学生優秀発表賞, ,セラミックス協会東北北海道支部, (2015.10.17)
3.
天野晋作, 学生優秀発表賞, ,セラミックス協会東北北海道支部, (2015.10.17)
4.
下田将司, 学生優秀発表賞, ,セラミックス協会東北北海道支部, (2015.10.17)
【特許登録】
1.
特許第5761986号, 中性子用シンチレーターおよび中性子検出器, 山根久典, 川野哲也, 吉川 彰, 柳
田健之, 横田有為, 藤本裕, 福田健太郎, 川口範明, 登録日:2015年6月19日.
【特記事項】
Angewandte Chemie,2016 年 1 月 22 日号のコミュニケーションセクションの frontispiece に採用された。
Shinsaku AMANO, Dimitri BOGDANOVSKI, Hisanori YAMANE,* Masami TERAUCHI and Richard
DRONSKOWSKI, “e-TiO, a Novel Stable Polymorph of Titanium Monoxide”, Angew. Chem. Int. Ed. 55,
1652-1657 (2016).(東北大学多元物質科学研究所 山根グループ)
【研究活動報告】金属機能設計研究分野
教 授: 蔡 安邦
准 教 授: 亀岡 聡
助
教: 藤田伸尚、西本一恵
大学 院生:D2:宮本勘史 M2:岡 裕輔、古積雄人、櫻井孝之、畠山勇輔
M1:栗原拓也、村上裕美、山岸 稜
学振特別研究員:山田庸公
研究教育支援者:小嶋隆幸
4月より大学院前期2年課程(工学研究科 材料システム工学専攻)栗原拓也、村上裕美、山岸 稜
の3人と後期3年課程宮本勘史が院生として、山田庸公が学振特別研究員として、小嶋隆幸が学際セ
ンターの助教としてそれぞれ当研究室に配属された。本研究分野における 2015 年の活動を概括すると
以下の通りである。
1. Yb-Cd-Mg 正二十面体準結晶の構造解析
現在までに見つかっている合金系準結晶相のほとんどは、三つ以上の元素からなる多元合金系である。こ
のため、1つの原子サイトを複数の原子が統計的に占有する合金特有の問題(ケミカルディスオーダー)が存
在し、準結晶の構造解析を困難にする大きな要因の一つとなっている。本年度では、準結晶におけるケミカル
ディスオーダーに関する知見を得るため、Yb-Cd-Mg 正 20 面体準結晶に着目し構造解析を試みた。YbCd5.7
は二つの元素からなる数少ない熱的安定な正二十面体準結晶である。その組成幅がほとんどないためケミカ
ルディスオーダーが存在しない。このため、単結晶 X 線回折により詳細な結晶構造が解かれている。この
YbCd5.7 準結晶の Cd サイトを原子半径の近い Mg で置き換えることにより Yb-CdMg 準結晶が形成する。その
組成領域は極めて広く、約 60at.%の Cd を Mg で置換することができる。したがって、Mg 添加量の異なる
Yb-Cd-Mg 準結晶の構造を系統的に調査することにより、Mg 添加に伴ってどのようにケミカルディスオーダー
が導入されるのか明らかにできると期待される。
本研究では、Mg 添加量の異なる Yb-Cd-Mg 準結晶の単結晶試料の作成に成功し、ICP 発光分光分析法に
より化学組成を決定した。そして、実験室系 X 線(Mo 線源)および放射光(SOLEIL 放射光施設 CRISTAL ビ
ームライン)を用いて単結晶 X 線回折及び散漫散乱の強度測定を行った。図1は low-density elimination 法を
用いて得られた Yb-Cd-Mg 準結晶の電子密度分布図である。解析の結果、以下の2点がわかった。(1)
Yb-Cd-Mg 準結晶の平均構造は YbCd5.7 準結晶と同型であること、(2)Mg はすべての Cd サイトをランダムに
置換するのではなく、特定のサイト(6次元格子における Vertex サイト)を優先的に占有すること。一方、Mg 添
加量が 16.1at.%を超える全ての試料において F 型超格子反射位置に散漫散乱を観測した。さらに、Mg 固溶
量が増加するに伴い散漫散乱はブロードになり次第に消失していくことが判明した。これは、16.1at.%の Mg 固
溶量で F 型超格子の短距離秩序が最も発達し、Mg 固溶量の増加に伴って短距離秩序が後退することを示す
結果である。現在、Bragg 反射の強度データを用いて構造パラメータの精密化を推進しており、最終的には構
造決定を目指している。また、F 型超格子構造の構築及び Mg 添加との関連の解明することが今後の研究課
題と浮上した。
図1 添加量の異なる Yb-Cd-Mg 準結晶の電子密度分布図(上)3次元物理空間における2回軸切断
面(下)3次元物理空間及び3次元直行補空間における5回軸切断面
2. 準周期カノニカルセルタイリングの存在証明
正二十面体準結晶の組成近傍で形成する多くの近似結晶は,カノニカルセルと呼ばれる4種類の多面体
[C.L. Henley, Phys. Rev. B43, 993-1020 (1991)]により構成された周期タイリングの頂点にクラスタを配置した結
晶構造を持つ.近似結晶と共通のクラスタから構成される正二十面体準結晶においても,クラスタはカノニカル
セルに基づく局所配列を実現していると考えるのが自然である.その場合,大域的なクラスタ配列はカノニカル
セルに基づく準周期タイリング(以下、準周期カノニカルセルタイリング)により与えられることとなる.しかし,後
者の存在可能性に対する厳密な証明はこれまで与えられていなかった.
本研究では,計算機を用いた幾何学的条件探索により準周期カノニカルセルタイリングを生成するための
自己相似変換を同定し,準周期カノニカルセ
ルタイリングの存在を世界に先駆けて証明す
ることに成功した.ここで用いられる自己相似
変換とは,黄金比の三乗倍にスケールアップ
したカノニカルセルをある一定のやり方で元の
大きさのカノニカルセルに細分割する規則を
意味する.細分割の方法は4種類のセルの形
状に加えてその周囲の環境にも依存し,ユニ
ークに分割されるセルは16種類存在すること
が分かった.これらの16種類のセルは各頂点
に小さな立方体を付加することにより識別され
図 2: 準周期カノニカルセルタイリングの擬5回軸に垂直な
る.後者の立方体は隣接するセル同士のマッ
切断面
チングを規定し,分割によって生じた新たなセ
ルも16種類のいずれかに一意的かつ無矛盾に対応付けられる.この自己相似変換を無限に反復することで,
準周期タイリングが得られる.理論的な検討により,この準周期タイリングの点群は m3̄ であり,正二十面体点
群5̄3̄2/m の対称性を弱く破っていることが明らかになった.
3. Al-Pd-Ru 近似結晶の単結晶作製と構造解析
正二十面体準結晶の構造を解明する上で,その組成近傍で形成する近似結晶の結晶構造に関する知見
が重要な役割を果たす.本研究で着目した Al-Pd-Ru 系合金においては,正二十面体準結晶に加えて,立方
晶系に属する複数の近似結晶相(空間群 Im3̄, Fm3̄, Pa3̄等)の形成が報告されている[D. Pavlyuchkov et al., J.
Alloys Comp. 469, 146-151 (1009)].これらの近似結晶相は 1,000℃以上の高融点を持つことに加えて,近い
組成域に複数の相が存在するため,単一の相を単結晶として分離することが容易ではない.このため,単結晶
X線回折を用いた構造解析が過去に報告されているのは空
間群 Fm3̄の相のみである.そこで,本研究では空間群 Im3̄や
Pa3̄の近似結晶相に対する構造解析を行うことを目的とし,
それらの単結晶作製に適した組成や温度の探索を行った.
その結果,化学量論組成 Al72.6Pd13Ru14.4 を持つインゴットを
1,000℃で 20 日程度熱処理した場合に,空間群 Pa3̄の相に
対する非常に質の良い単結晶試料を得ることに成功した.次
に,得られた試料に対する単結晶X線回折データを取得し,
結晶構造解析を行った結果,全原子の座標を決定すること
に成功した.この結晶構造は巨大な単位胞(格子定数約40
Å)を持ち,二種類のクラスタから構成されている.一部の乱
れたサイトを除く基本的な構造は,当研究室が最近報告した
Al-Pd-Cr-Fe 近似結晶[N. Fujita, H. Takano, A. Yamamoto,
and A.P. Tsai, Acta Cryst. A69, 322-340 (2013)]と同型のもの
図 3: Al-Pd-Ru 近似結晶(空間群 Pa3̄)の
であることが確認された.
結晶構造
4. 金属微細組織制御による高機能化触媒の調製
本年度のトピックは、金属学と触媒調製を融合して金属微細組織を利用する二元機能触媒を設計・調製し
たことである。従来の含浸法等に代表される触媒調製では、例えば、異なる触媒機能をもつ A 相と B 相をサブ
ミクロンスケールで均質かつ意図的に隣り合せに配置させることは困難である。しかし、我々は複相金属組織
を利用することでそれを実現した。今回我々が着目したのは、共晶合金系の微細組織制御である。その代表
的な合金系として Al-Pt-Fe 合金(Al67Pt7Fe26 (at%))を見出した。この合金系では Al2Pt 相と Al5Fe2 相の均質な
共晶ラメラ状組織を通常のアーク溶解法で容易に得ることができ(図1(a))、興味深いことにその組織幅は通常
の共晶合金のものより一桁小さい(サブミクロンオーダー)。次に、この合金を NaOH 水溶液によりリーチングす
ると各相から Al が選択的に溶出し、ラメラ状組織形態を維持したまま Pt と Fe3O4 の層状組織を持つ複合構造
体が形成する。この構造体は BET 比表面積測定から表面積の増加(< 0.1 → 8.7 m2/g)、細孔分布測定からメ
ソポーラス構造(2~10 nm)を有していることがわかった。
これを触媒としてメタノール水蒸気改質反応を行うと(SRM; CH3OH/H2O=2/3, LHSV=30 h-1)極めて高い選
択率で SRM 反応が進行することがわかった(図1(b))。SRM 反応に対して、通常、Pt 触媒と Fe3O4 触媒単独で
は活性と選択性はともに低い。Pt-Fe3O4(IMP)触媒では、活性・選択性は向上するものの充分な効果は得られ
ない。一方、ラメラ型触媒(Al-Pt-Fe: Fe3O4/Pt/Fe3O4)では、活性・選択性の著しい向上が観測された。これは、
Pt 部ではメタノール分解反応、Fe3O4 部では水性ガスシフト反応がそれぞれ進行すると考えられるが、各反応
の熱(吸熱・発熱)および物質移動(反応・生成物)がスムーズに行なわれるため逐次的に SRM 反応が進行し
たためである(図1(c))。
この知見から、触媒調製に2相金属の組織制御を組み入れることで従来法では困難だった高度かつ高機能
な触媒を設計・調製できることがわかった。
Al-Pt-Fe series
Al-Pt-Fe
2
0
8
0
1
1
CO
CO2
0
2
CO2
CO2
0
4
E
1
0
6
3
0
2
3
0
8
2
0
4
2
0
4
6
0
0
6
0
6
5
0
2
5
on Pt: CH3OH → CO + 2H2 ΔH298 = 90.6 kJ/mol
CO
0
4
共晶ラメラ構造
ポーラス構造
Al-Fe
3
E
1


1
0
.
0
熱移動
物質移動
.
0
on Fe3O4: CO + H2O → CO2 + H2 ΔH298 = -41.2 kJ/mol
Al-Pt
Selectivity / %
1
(c)
CO
Pt/Fe3O4 (IMP)
0
6
H2 production rate / ml STP/min m -cat
0
0
1
(b)
0
0
1
(a)
Al-Pt-Fe Pt/Fe3O4 (IMP) Al-Pt
CH3OH + H2O→ CO2 + 3H2 ΔH298 = 49.4 kJ/mol
Temperature / K
Sample
図 4 (a)Al-Pt-Fe 合金(Al67Pt7Fe26 (at%))の EDS 元素マッピング,(b)各種触媒の SRM 反応における H2 水素生成速度と
反応選択率(@553 K),(c)反応スキーム
5.アルミニウム系準結晶及び近似結晶の成長過程解明と超格子構造評価
本年度は(1)アルミニウム系正 10 角形 Al-Ni-Co 準結晶の成長過程の解明及び(2)アルミニウム系近似
結晶 Al11TM4(TM=Ir,Rh)の超格子構造の評価を行った。
(1)準結晶は準周期的な長距離秩序をもった物質であり、その長距離秩序を満たしながらどの様に成長
しているかはよく解明されていない。今回我々は、Al-Ni-Co 正 10 角形準結晶相の液体急冷薄帯を用い、
TEM 内で高温加熱試料ホルダーにより熱処理を施し、準結晶粒が粒成長する過程を高温その場 TEM
観察することで解明することを試みた。850℃以上から準結晶粒が成長する様子を観察することに成功
した。特に成長界面付近での高分解能電子顕微鏡観察では、新たに成長した部分の規則性を評価した
ところ、全体的には理想的な準結晶の位置から大きくずれて成長はせず、また、ずれた位置に成長し
た場合でも数秒で秩序性を保つ位置に緩和する過程を取りながら成長することが判明した。
(2)Al11TM4 相は擬マッカイ正 20 面体クラスタが立方配列した格子定数約 7Åの立方晶であり、
Al-Cu-TM 準結晶の近似結晶相であることが知られている。我々はこれまで、Al11TM4 相が 2 倍周期の
超格子構造をとることを TEM 観察により調査しており(Al11Ir4:2 倍周期の単斜晶、Al11Rh4:2 倍周期
の Fm3 または F23)、また、この系で絶縁相があるという計算報告もなされていることから、超格子構
造と電子状態の関係は非常に興味深い。本年度は特に Al11Rh4 の超格子構造の発現条件と構造変化を、
熱処理温度と組成比を調整することにより調べた。1200℃以下の熱処理温度では超格子構造に変化が
見られなかったが、Al-rich 側の組成で作製した試料では XRD 測定および TEM 観察において超格子反
射強度が増加し、また電子回折像には非整合な位置に超格子反射が生成した。今後、電子状態の評価
を合わせて行っていく予定である。
【オリジナル論文】
1. S. Kameoka, S. Wakabayashi, K. Ohshima, A.P. Tsai, “Composite catalyst with lamellar
Fe3O4/Pt/Fe3O4 structure and complementary dual catalytic functions”, Catal. Lett.,
145(2015)1457-1463.
2. M. Krajci, A.P. Tsai, J. Hafner, “Understanding the selectivity of methanol stream reforming on the
(111) surfaces of NiZn, PdZn and PtZn: Insights from DFT” , J. Catal., 330(2015)6-18.
3. Y.H. Huang, S.F. Wang, A.P. Tsai, S. Kameoka, “Catalysts prepared from copper-nickel ferrites for the
steam reforming of methanol ”, J. Power Sour., 281 (2015) 138-145.
4. S. Kameoka, M. Shimoda, Y. Matsushita, Y. Yamashita, Y. Katsuya, A.P. Tsai,
“Formation of
amorphous Pt oxides : characterization and their catalysis”, Mater. Transaction, 56 (2015) 490-494.
5. S. Kameoka, T. Tanabe, K. Miyamoto, A.P. Tsai, “Insight into the dominant factors of porous gold for
CO oxidation ”, J. Chem. Phys., 144(2016)034703.
【解説・総説】
1.
A. P. Tsai, T. Tanabe, S. Kameoka, “High performance catalysts prepared from Al-Cu-Fe icosahedral
quasicrystal” Recent patents on Materials Science 8(2015)155-165.
2.
A.P. Tsai, “Quasicrystal”, Forma 30(2015)S7-S16.
【著書】
1. A.P. Tsai, C. Cui, “Crystal Growth of Quasicrystals” in Handbook of Crystal Growth (Elsevier),
1113-1156, 2015.
2. 蔡
安邦, “結晶と準結晶” p272-281 多角形百科, 細矢治夫 宮崎興二編集、丸善 2015 出版
【学会発表】
国際学会
1.
S. Ohhashi, R. Tanaka, N. Fujita, A.P. Tsai, “Structure and stability of Mg/quasicrystal interface in
Mg-Cd-Yb alloys, ” Aperiodic 2015, (2015 Aug.30-Sept.4) Prague , Chzco. (Plenary Speaker)
2. N. Fujita, “Cluster-packing geometry for icosahedral alloys”, RIMS International Conference:
Mathematical Challenge to a New Phase of Materials Science, August 4-8th, 2014, Kyoto University.
(Invited Speaker)
3. N. Fujita, “Canonical-cell approach to cluster packing in icosahedral quasicrystals”, RIMS corporative
research: Mathematical model of quasi-crystals and related topics, Oct. 27-29, 2014, Kyoto
University. (Invited Speaker)
4. A.P. Tsai, S. Kameoka, “ Designing nanostructures for activating catalytic properties”,
4th International Symposium of Intermetallic Compound in Catalysis, (2014. 04.08) Santa Margherita,
Italy. (Keynote Speaker)
5. A.P. Tsai, “Quasicrystal: A Survey” IUCr Satellite Workshop on Aperiodic Crystals (2014.08.05)
Montreal Canada. (Invited Speaker)
6. A.P. Tsai, “Quasicrystals: the state of the art” 150 Years of Beautiful Structure and Defects
(2014.11.16) Ho Chi Minh City, Vietnam. (Invited Speaker)
その他 3件
国内学会
1.
藤田伸尚、
“正二十面体準結晶におけるクラスタ充填問題への幾何学的アプローチ”
、 数学協働プ
ログラム:数理科学の物質・材料科学への応用-日本応用数理学会2014年度年会, 2014 年 9
月 3 日、 政策研究大学院大学(招待講演)
2.
藤田伸尚、“複雑秩序物質の構造の分類”、日本物理学会第69回年次大会領域6シンポジウム:
複雑秩序 − 準結晶と多様な物質分野の学融合− 2014 年 3 月 29 日、東海大学湘南キャンパス(依
頼講演)
3.
亀岡
聡、”金属の組織・形態制御を利用した新奇触媒材料の調製”機能無機物質シンポジウム:
「金属エネルギー材料の可能性」、2014 年 3 月 28 日、東北大学片平キャンパス(招待講演)
その他 15件
【学術関係受賞】
1. K. Ohshima, S. Wakabaysshi, S. Ohhashi, S. Kameoka, A.P. Tsai, “Catalytic properties of
Al-Au-Fe and Al-Pt-Fe eutectic alloys and their microstructure”, International Conference
on Electronic Materials 2014, Taipei, Taiwan. Best Poster Award.
2. Y. Nakamura, T. Yamada, A.P. Tsai, A. Sato, A. Yamamoto, “Synthesis of single grain
Au-Sn-R (R=rare-earth) quasicrystals and their approximants”, Best Young Scientist
Presentation, C-MAC Days 2014 (Zagreb, December, 2014).
【研究会報告】
1. 機能無機物質シンポジウム:「金属系エネルギー材料の可能性」
期日:2014年3月28日〜29日
場所:東北大学片平キャンパス
講演:招待講演9件
参加人数:35名
2.
第19回準結晶研究会
期日:2014年12月21日〜23日
場所:宮城県刈田郡蔵王町ラフォーレ蔵王
講演件数:一般講演37件
参加人数:62名
【研究活動報告】無機材料創製プロセス研究分野
教
准
助
受
大
学
授:垣花 眞人
教
授:加藤 英樹
教:小林 亮
託 研 究 員:Tzu-Yu Liu(2015.10~2015.11)
学
院
生:温 大尉, Ciro S. Quintans, 李 晟豪, 桑原 寛季,
佐藤 大典,山田 修平, 亀村 尚弘, 坂部 浩樹,
竹田 洋平
部
学
生:鈴木 詩緒里, 工藤 春佳
本研究分野では,環境に調和した無機材料合成の化学プロセスの開発および新規機能性材料探索,材料
の高機能化に関する研究活動を行っている。2015 年度の活動内容は,以下のように概括される。
1. 酸化チタン多形の結晶成長制御
当研究室ではこれまでに,水溶性チタン錯体の水熱処理にお
いて,α-ヒドロキシ酸やアルコールを添加物として用いることで,
rutile 型酸化チタン結晶の c 軸方向への異方成長が促進されるこ
とを明らかにしている。このことを受け,ほかの酸化チタン多形,
とくに合成が困難であるとされる brookite 型や TiO2(B)に対しての
Brookite 型酸化チタンの TEM 写真
結晶成長制御を試みた。TiO2(B)の合成では,添加物の有無に
かかわらず,粒径が 10 nm 程度の粒子が析出した。一方で,brookite 型においては,グリシンを添加したときに
微粒子化する傾向が確認された。加えてピコリン酸を用いたときには,添加物を加えていないときと同様の棒
状粒子の析出が観察されたが,先端の形状に変化が見られた。以上のように合成が困難であるとされる酸化
チタン多形に対しても,結晶成長制御に一定の結果が得られた。
2. Nb ドープ brookite 型酸化チタンの合成とその電気伝導性評価
Nb や Ta をドープした anatase 型酸化チタンが,Sn ドープ酸化インジウム(ITO)に匹敵する透明導電性を示
すことが報告されている。一方で,brookite 型酸化チタンへの Nb や Ta ドープおよびその特性については,
brookite 型酸化チタンの合成の困難さから詳細が報告されていない。そこで,Nb をドープした brookite 型酸化
チタンの合成とその評価を試みた。水溶性チタン-ニオブ錯体の水熱処理により,最大で 7 mol%の Nb をドー
プした brookite 型酸化チタンを合成することが可能であった。また,Nb のドープにより,酸化チタンにキャリアが
ドープされ,キャリア濃度は Nb に比例して大きくなることが示唆された。加えて,合成した brookite 型酸化チタ
ンが,同法で作製した rutile 型酸化チタンと同等の電気伝導性を示すことを明らかにした。
2. α-Ca2SiO4 の安定化とその発光特性
昨年までに,Eu2+を賦活した’L 相の(Ca,Sr)2SiO4 および Ca2–xSrxSiO4 が青色光励起で赤色発光する特徴的
な酸化物蛍光体であることを見出してきた。Ca2SiO4 には, ’H, ’L, , 相の 5 種類の結晶相が存在するが,
可逆相転移する高温相である相は室温で得ることが難しいため,その発光特性は調べられていなかった。今
年,更なる特性制御を目指して Ca2SiO4 に対して K と La を共置換を検討したところ,高温からのクエンチをし
なくても相の Ca2–2xKxLaxSiO4 が形成されることを見出した。共置換量が小さいときには,相と’L 相の混合相
であったが,x = 0.3 の組成で相純度の高い相を得られることに成功した。Ca2–2xKxLaxSiO4 に Ce3+を賦活する
と,350nm での励起により 428 nm に極大をもつ発光を示すことを明らかにした。
3. Ca3Y(AlO)3(BO3)4 をホストとする白色発光蛍光体の開発
LED チップと蛍光体により構成される白色 LED において複
Excitation
Emission
PL intensity / a.u.
数の蛍光体を組み込むことは,蛍光体間での発光の再吸収
や異なる温度特性による発光色変化などデメリットが潜在して
いる。一種類の蛍光体により擬似白色光を実現することを目
指して,マルチ賦活剤蛍光体の開発を検討した。その結果,
Ca3Y(AlO)3(BO3)4 をホストに用いて Ce3+, Tb3+, Mn2+を共賦
活することで,近紫外励起による擬似白色発光を得ることに
成功した。擬似白色発光は,Ce3+による青,Tb3+による緑色,
300
2+
Mn による赤色発光により形成されていることを突き止めた。
400
500
Wavelength / nm
600
Ca3Y(AlO)3(BO3)4:Ce,Tb,Mn の励起発光スペクトル
4. Mn 賦活チタン系酸化物蛍光体の開発
昨年,La2MgTiO6:Mn4+および LaZnTiO6:Mn4+が室温
において赤〜近赤外領域に強い発光を示すことを発見
した。今年は,La2MgTiO6:Mn4+ の発光特性を更に詳し
く調べることを目指して,低温発光測定ならびに DFT 法
によるバンド構造計算を行った。その結果,
La2MgTiO6:Mn4+の消光温度が 260K であるのに対して
SrTiO3:Mn4+のそれは 43K であることが分かった。バンド
構造計算から,Mn の t2g 軌道が,La2MgTiO6:Mn4+では
La2MgTiO6:Mn4+および SrTiO3:Mn4+のバンド構造
バンドギャップ内に位置するのに対して,SrTiO3:Mn4+で
は,価電子帯中に埋もれていることが明らかになった。以上の結果から,Mn の t2g 軌道と価電子帯が重ならな
いことが強発光な Mn4+賦活蛍光体を開発する上で,重要であるという知見を得た。
5. ペロブスカイト型酸窒化物光触媒のバンドポテンシャル制御
以前,LaTaON2 と NaTaO3 の固溶体(LNTON)を形成すると,価電子帯ポテンシャルが LaTaON2 に比べて正
側にシフトし水の酸化能が発現することを見出した。今年は,水の酸化に対する高活性化を目指して LaTaON2
と SrTiO3 の固溶体(LSTTON)の合成を行い,
そのバンドポテンシャルならびに光触媒特性
を 調 査 し た 。 そ の 結 果 , LSTTON で は
LNTON に比べてバンドギャップの拡大が抑
制されているにもかかわらず価電子帯がより
正側にシフトすること,ならびに価電子帯の
シフトに伴い酸素生成活性が向上することを
突き止めた。今後,酸窒化物の価電子帯ポ
テンシャル制御を活用して,さらに高活性な
酸窒化物光触媒の構築が期待される。
LSTTON および LNTON の光触媒活性と水の酸化に対するドライ
ビングフォース
【オリジナル論文】
1. Bin Liu, Shu Yin, Xiaoyong Wu, Yuhua Wang, Yunfang Huang, Jihuai Wu, Tohru Sekino, Junichi Matsushita,
Soo Wohn Lee, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Tsugio Sato, Graphene/MxWO3 (M = Na, K)
nanohybrids with excellent electrical properties, Carbon, 94, 309-316 (2015.6)
2. Makoto Kobayashi, Tatsuya Okuhara, Hideki Kato, Sota Sato, Masato Kakihana, Novel Titanium
Complexes with a Reversible Structure Change on Solvent Adsorption and Desorption, Chemistry Letters,
44(8), 1050-1052 (2015.8)
3. Yohei
Takeda,
Hideki
Kato,
Makoto
Kobayashi,
Hisayoshi
Kobayashi,
4+
Masato
Photoluminescence Properties of Mn –activated Perovskite-type Titanates, La2MTiO6:Mn
4+
Kakihana,
(M = Mg and
Zn), Chemistry Letters, 44(11), 1541-1543 (2015.9)
4. Hideki Kato, Tsuyoshi Fujisawa, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Discovery of Novel
Delafossite–type Compounds Composed of Copper(I) Lithium Titanium with Photocatalytic Activity for H2
Evolution under Visible Light, Chemistry Letters, 44(7), 973-975 (2015.7)
5. Minsung Kim, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Hisanori Yamane, Yasushi Sato, Masato Kakihana, Crystal
Structures and Luminescence Properties of Eu2+–activated new NaBa0.5Ca0.5PO4 and Na3Ba2Ca(PO4)3,
Dalton Transactions, 44(4), 1900-1904 (2015.1)
6. Soichi Takasugi, Koji Tomita, Michio Iwaoka, Hideki Kato, Masato Kakihana, The hydrothermal and
solvothermal synthesis of LiTaO3 photocatalyst: Suppressing the deterioration of the water splitting activity
without using a cocatalyst, International Journal of Hydrogen Energy, 40(16), 5638-5643 (2015.3)
7. Quang Duc Truong, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Hierarchical Structures of Rutile
Exposing High-index Facets, Journal of Crystal Growth, 418, 86-91 (2015.5)
8. Tetsufumi Komukai, Yuji Takatsuka, Hideki Kato, Masato Kakihana, Luminescence properties of
BaZrSi3O9:Eu synthesized by an aqueous solution method, Journal of Luminescence, 158, 328-332 (2015.2)
9. Hideki Kato, Koichiro Ueda, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Photocatalytic water oxidation under
visible light by valence band controlled oxynitride solid solutions LaTaON2–SrTiO3, Journal of Materials
Chemistry A, 3(22), 11824-11829 (2015.6)
10. Ciro Scheremeta Quintans, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Hiroshi Kaga, Akihide Iwase, Akihiko Kudo,
Masato Kakihana, Improvement of hydrogen evolution under visible light over Zn1–2x(CuGa)xGa2S4
photocatalysts by synthesis utilizing a polymerizable complex method, Journal of Materials Chemistry A,
3(27), 14239-14244 (2015.7)
11. Junki Sato, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Eunsang Kwon, Masato Kakihana, Synthesis of
picolinate–iron(III) compounds through an aqueous solution process, Journal of the Ceramic Society of
Japan, 123(9), 751-755 (2015.8)
12. Yasushi Sato, Hiroki Kuwahara, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Takaki Masaki, Masato Kakihana, Large
Redshifts in Emission and Excitation from Eu2+–Activated Sr2SiO4 and Ba2SiO4 Phosphors Induced by
Controlling Eu2+ Occupancy on the Basis on Crystal–site–engineering, Optics and Photonics Journal, 5(11),
326-333 (2015.11)
13. Arihiro Kanazawa, Kotaro Satoh, Shokyoku Kanaoka, Masato Kakihana, Makoto Kobayashi, Junki Sato,
Hiroaki Imai, Yuya Oaki, Atsushi Arakaki, Kiyofumi Katagiri, Masami Kamigaito, Sadahito Aoshima,
Controlled radical polymerization of styrene with magnetic iron oxides prepared through hydrothermal,
bioinspired, and bacterial processes, RSC Advances, 5(63), 51122-51129 (2015.6)
14. Bin Liu, Shu Yin, Yuhua Wang, Chongshen Guo, Xiaoyong Wu, Qiang Dong, Makoto Kobayashi, Masato
Kakihana, Tsugio Sato, A Facile One-Step Solvothermal Synthesis and Electrical Properties of Reduced
Graphene Oxide/Rod-Shaped Potassium Tungsten Bronze Nanocomposite, Journal of Nanoscience and
Nanotechnology, 15, 7305-7310 (2015.9).
15. Yoon-Ah Roh, Usama Bin Humayoun, Young-Hyun Song, Masato Kakihana, Takaki Masaki, Dae-Ho Yoon,
Influence of TiO2 precursors on BaTiO3 by liquid phase precursor method, Ceramics International, 41(10A),
12751-12756 (2015.12).
16. 高杉壮一, 冨田恒之, 岩岡道夫, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水熱法によるバリウムタンタレートナノ
シート光触媒の合成とその水分解活性, Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan, 23(380),
25-29 (2016.1)
【解説・総説】
1. Yasushi Sato, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Jihae Kim, Masato Kakihana, Syntheses of Silicate
Phosphors by Aqueous Solution Techniques using Water-Dispersible Inorganic Si Cluster, Journal of the
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy, 62(4), (2015.4)
2. Makoto Kobayashi, Minoru Osada, Hideki Kato, Masato Kakihana, Design of Crystal Structures,
Morphologies, and Functionalities of Titanium Oxide Using Water-soluble Complexes and Molecular
Control Agents, Polymer Journal, 47, 78-83 (2015.2)
3. 垣花眞人, 加藤英樹, 小林亮, 佐藤泰史, 「第4世代の灯り」の立役者ー発展する蛍光体探索の最新動
向, 化学, 70(5), 70-71 (2015.5)
4. 加藤英樹, 垣花眞人, 元素置換による光触媒特性制御, 触媒, 57(1), 45-50 (2015.2)
【学会発表】
国際学会(招待)
1. Koji Tomita, Miwako Furue, Takahiro Kikuchi, Yuki Shimoyama, Yoshihito Kunugi, Shinjiro Umezu,
Masato Kakihana, Structure and morphology control of titanium dioxide for environmental and energy
materials by solution processes, 7th International Symposium on Advanced Plasma Science and Its
Applications for Nitrides and Nanomaterials / 8th International Conference on Plasma-Nano Technology &
Science (ISPlasma2015/IC-PLANTS2015), 日本, 名古屋市, (2015.3.26-2015.3.31)
2. Masato Kakihana, Dawei Wen, Hiroki Kuwahara, Yohei Takeda, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Takaki
Masaki, Dae Ho Yoon, Koji Tomita, Yasushi Sato, Exploration of Novel Phosphors by Crystal-site
Engineering, Phosphor Safari 2015 -International Symposium on Phosphor Materials 2015-, 日本, 新潟市,
(2015.7.27-30)
3. Hideki Kato, Band potential tuning for oxynitride photocatalysts to achieve water oxidation, EMN Meeting
on Photocatalysis, USA, LasVegas, (2015.11.21-2015.11.24)
4. Makoto Kobayashi, Minsung Kim, Hideki Kato, Masato Kakihana, Synthesis of ceramics with controlled
nano- and micro-structures by aqueous solution methods, Hong Kong, Kowloon, (2016.1.25-2016.1.28)
国際学会(一般)
1. Soichi Takasugi, Riku Iida, Koji Tomita, Kiyofumi Katagiri, Minoru Osada, Masato Kakihana, Synthesis
and application of up-conversion phosphor nanosheets, 7th International Symposium on Advanced Plasma
Science and Its Applications for Nitrides and Nanomaterials / 8th International Conference on Plasma-Nano
Technology & Science (ISPlasma2015/IC-PLANTS2015), 日本, 名古屋市, (2015.3.26-2015.3.31)
2. Hiroki Kuwahara, Yasushi Sato, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Takaki Masaki, Masato Kakihana, Effect
of Site Occupancies on Deep-red Emission from Eu2+-activated Ca2SiO4 Phosphor, Phosphor Safari 2015
-International Symposium on Phosphor Materials 2015-, 日本, 新潟市, (2015.7.27-2015.7.30)
3. Dawei Wen, Yasushi Sato, Hiroki Kuwahara, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Takaki Masaki, Masato
Kakihana, Orange Emission of Sr2SiO4:Eu2+ Phosphors, Phosphor Safari 2015 -International Symposium on
Phosphor Materials 2015-, 日本, 新潟市, (2015.7.27-2015.7.30)
4. Yohei
Takeda,
Hideki
Kato,
Makoto
Kobayashi,
Hisayoshi
4+
Kobayashi,
Masato
Photoluminescence Properties of Mn -doped Perovskite-type Oxides, La2MTiO6:Mn
4+
Kakihana,
(M = Mg, Zn),
Phosphor Safari 2015 -International Symposium on Phosphor Materials 2015-, 日 本 , 新 潟 市 ,
(2015.7.27-2015.7.30)
5. Toshiyuki Abe, Katsuma Fukui, Keiji Nagai, Hideki Kato, A water splitting system composed of titanium
dioxide photoanode and fullerenephthalocyanine bilayer photocathode, 1st International Symposium on
Recent Progress of Energy and Environmental Photocatalysis, Japan, Noda, (2015.9.3-2015.9.4)
6. Kazuki Yoshida, Hirokazu Masai, Nobuaki Terakado, Yoshihiro Takahashi, Takumi Fujiwara, Kazuyoshi
Sato, Hideki Kato, Masato Kakihana, Defect introduction to TiO2-crystallized glass and its effect on
photocatalytic activity, 11th International Symposium on Crystallization in Glasses and Liquids, 日本, 長岡
市, (2015.10.11-2015.10.14)
7. Yasushi Sato, Hiroki Kuwahara, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Red Emitting
Ca2SiO4:Eu2+ Phosphors for White Light Emitting Diodes, 228th ECS Meeting, USA, Arizona,
(2015.10.11-2015.10.16)
8. Sungho Lee, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Masato Kakihana, Synthesis and Shape Control of
Rutile-type Titanium Oxide by Hydrothermal Treatment of a Water-soluble Titanium Complex, The 32nd
Japan-Korea International Seminar on Ceramics (JK-Ceramics), 日本, 長岡市, (2015.11.18-2015.11.21)
9. Kazuki Yoshida, Hirokazu Masai, Nobuaki Terakado, Yoshihiro Takahashi, Takumi Fujiwara, Kazuyoshi
Sato, Hideki Kato, Masato Kakihana, Surface analysis and defect introduction in TiO2-precipitated
glass-ceramics, Eighth French Research Organizations - Tohoku University Joint Workshop on Frontier
Materials (FRONTIER 2015), 日本, 仙台市, (2015.11.29-2015.12.3)
10. Makoto Kobayashi, Tatsuya Okuhara, Hideki Kato, Sota Sato, Masato Kakihana, Development of
pyrazine-2-carboxylate titanium complexes using a water-soluble titanium complex, The 2015 International
Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem 2015), USA, Hawaii, (2015.12.15-2015.12.20)
11. Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Water oxidation under visible light using valence band
controlled oxynitride Photocatalysts, The 2015 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
(Pacifichem 2015), USA, Hawaii, (2015.12.15-2015.12.20)
12. Hiroki Sakabe, Makoto Kobayashi, Hideki Kato, Masato Kakihana, Development of novel organic titanium
compounds by aqueous solution methods, International Symposium of Environmental Harmony Materials
(ISEHM2016), 日本, 仙台, (2016.3.1-2016.3.3)
国内学会(招待)
1. 垣花眞人, 佐藤泰史, 桑原寛季, 冨田恒之, 小林亮, 加藤英樹, 結晶サイト工学に立脚した蛍光体の設
計, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
2. 小林亮, 多形・形態を制御した酸化チタンの合成とその展開, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本,
東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
国内学会(一般)
1. 竹田洋平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Mn4+を賦活したペロブスカイト型酸化物の発光特性, 日本セラ
ミックス協会 2015 年年会, 日本, 岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
2. 李晟豪, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 異方成長 rutile 型酸化チタンの水熱合成とその成長機構, 日本
セラミックス協会 2015 年年会, 日本, 岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
3. 桑原寛季, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, 結晶サイトエンジニアリングによるβ-Ca3(PO4)2:Eu2+の発光制
御, 日本セラミックス協会 2015 年年会, 日本, 岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
4. 田村紗也佳, 冨田恒之, 片桐清文, 垣花眞人, 高輝度化に向けたトンネル構造を有するアップコンバー
ジョン蛍光体の合成, 日本セラミックス協会 2015 年年会, 日本, 岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
5. 佐藤大典, 金知慧, 加藤英樹, 小林亮, 藤井孝太郎, 八島正和, 佐藤泰史, 垣花眞人, 新規 Sr-Si-O-N
化 合 物 の 合 成 と Eu2+ 賦 活 に よ る 蛍 光 特 性 , 日本 セ ラ ミ ッ ク ス 協 会 2015 年 年 会 , 日 本 , 岡 山市 ,
(2015.3.18-2015.3.20)
6. 坪田凌吾, 菊地貴寛, 古江美和子, 冨田恒之, 近藤一秀, 下山夕貴, 功刀義人, 垣花眞人, 水溶性チ
タン錯体を用いた色素増感太陽電池のバッファー層の作製, 日本セラミックス協会 2015 年年会, 日本,
岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
7. 菊地貴寛, 古江美和子, 冨田恒之, 下山夕貴, 功刀義人, 梅津信二郎, 垣花眞人, 長さの異なるニード
ル状アナターゼ型 TiO2 の合成と色素増感太陽電池への応用, 日本セラミックス協会 2015 年年会, 日本,
岡山市, (2015.3.18-2015.3.20)
8. 竹内康平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Eu2+を賦活したメリライト型硫化物の合成とその蛍光特性, 化
学工学会 第 80 年会, 日本, 東京都, (2015.3.19-2015.3.21)
9. 清水克哉, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, ペルオキソ錯体を原料に用いた d0 系複合酸窒化物の合成お
よびその光触媒特性, 化学工学会 第 80 年会, 日本, 東京都, (2015.3.19-2015.3.21)
10. 奥原達也, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水の吸脱着に伴い可逆的に構造が変化するチタンピラジンカ
ルボン酸複合化合物の開発, 化学工学会 第 80 年会, 日本, 東京都, (2015.3.19-2015.3.21)
11. 山田修平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, ペルオキソ法による Ba-Ta 系複合酸化物光触媒の合成, 日本
化学会第 95 春季年会(2015), 日本, 船橋市, (2015.3.26-2015.3.29)
12. 小川哲志, 田村紗也佳, 冨田恒之, 片桐清文, 垣花眞人, 水溶液プロセスによる希土類複合酸化物アッ
プ コ ン バ ー ジ ョ ン 蛍 光 体の 合 成 と 特 性評 価 , 日 本化 学 会 第 95 春 季 年 会(2015), 日本 , 船 橋 市,
(2015.3.26-2015.3.29)
13. 福井健馬,長井圭治,加藤 英樹,阿部敏之, 有機―無機半導体ハイブリッド型水の光分解システム, 日本
化学会第 95 春季年会, 日本, 船橋市, (2015.3.26-2015.3.29)
14. 高杉壮一, 飯田陸, 冨田恒之, 片桐清文, 垣花眞人, アップコンバージョン蛍光体ナノシートを利用した
エネルギー移動の検証と応用, 第 32 回希土類討論会, 日本, 鹿児島市, (2015.5.21-2015.5.22)
15. Katsuma Fukui, Keiji Nagai, Hideki Kato, Toshiyuki Abe, Novel photocatalytic water decomposition system
featuring organic p-n bilayer, 平成 27 年度化学系学協会東北大会, (2015.9.12-2015.9.13)
16. 亀村尚弘, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Cu(I)を含有する Ti 系酸化物の光触媒特性, 第 116 回触媒討
論会, 日本, 津市, (2015.9.16-2015.9.18)
17. 竹田洋平, 加藤英樹, 小林亮, 小林久芳, 垣花眞人, Mn4+を賦活したチタン系ペロブスカイト型酸化物の
発光特性, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
18. 小林亮, 加藤英樹, 長田実, 垣花眞人, Nb ドープ brookite 型酸化チタンの水熱合成とその電気伝導特性,
日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
19. 島袋起徳, 佐藤泰史, 垣花眞人, Pr3+を賦活した Ca(In0.5-xMxSb0.5)O3 (M: Sc, Y) 固溶体の発光特性, 日
本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
20. 岩崎克紀, 冨田恒之, 勝又健一, 小林亮, 垣花眞人, ありふれた元素を助触媒とした二酸化チタン 4 多
型光触媒, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
21. 菊地貴寛, 冨田恒之, 関彩希江, 功刀義人, 梅津信二郎, 垣花眞人, ニードル状アナターゼ型二酸化
チタンの形態制御と色素増感太陽電池用多孔質電極膜の構造制御, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季
シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
22. 高杉壮一, 冨田恒之, 片桐清文, 長田実, 垣花眞人, ハイブリットマテリアルに向けたアップコンバージョ
ン 蛍 光 体 ナ ノ シ ー ト の 作 製 , 日 本 セ ラ ミ ッ ク ス 協 会 第 28 回 秋 季 シ ン ポ ジ ウ ム , 日 本 , 富 山 市 ,
(2015.9.16-2015.9.18)
23. 吉田和貴, 正井博和, 寺門信明, 高橋儀宏, 藤原巧, 加藤英樹, 垣花眞人, 還元雰囲気下で熱処理し
た結晶化ガラスの光触媒特性, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市,
(2015.9.16-2015.9.18)
24. 田村紗也佳, 小川哲志, 笹原新平, 冨田恒之, 片桐清文, 垣花眞人, 結晶サイト工学を利用したアップ
コンバージョン蛍光体へのアプローチ, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山市,
(2015.9.16-2015.9.18)
25. 高橋寛, 吉田和貴, 寺門信明, 高橋儀宏, 藤原巧, 加藤英樹, 垣花眞人, 酸化チタン結晶化ガラスの光
触媒活性の組成依存性と欠陥評価, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム,日本, 富山市,
(2015.9.16-2015.9.18)
26. 東海林千尋, 小川哲志, 冨田恒之, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水溶液反応場を利用した種々の形
態を有する希土類含有微粒子の形成機構, 日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム, 日本, 富山
市, (2015.9.16-2015.9.18)
27. 李晟豪, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水溶性チタン錯体を原料とするソルボサーマル法による酸化チ
タ ン 結 晶 成 長 制 御 , 日 本 セ ラ ミ ッ ク ス 協 会 第 28 回 秋 季 シ ン ポ ジ ウ ム , 日 本 , 富 山 市 ,
(2015.9.16-2015.9.18)
28. 小川哲志, 田村紗也佳, 冨田恒之, 片桐清文, 垣花眞人, 水溶性金属錯体を利用した希土類含有
Nb/Ta 系複合酸化物の液相合成とアップコンバージョン発光特性評価, 日本セラミックス協会 第 28 回秋
季シンポジウム, 日本, 富山市, (2015.9.16-2015.9.18)
29. 菊地貴寛, 冨田恒之, 関彩希江, 功刀義人, 梅津信二郎, 垣花眞人, ニードル状 TiO2 の形態制御と色
素増感太陽電池への応用, 第5回CSJ化学フェスタ2015, 日本, 東京都, (2015.10.13-2015.10.15)
30. 田村紗也佳, 小川哲志, 冨田恒之, 片桐清文, 垣花眞人, 種々の結晶構造を有する酸化物アップコンバ
ージョン蛍光体の発光特性, 第5回CSJ化学フェスタ2015, 日本, 東京都, (2015.10.13-2015.10.15)
31. 東海林千尋, 小川哲志, 冨田恒之, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水溶液プロセスを利用した種々の形
態を有する希土類含有微粒子の合成および形態制御, 第5回CSJ化学フェスタ2015,日本, 東京都,
(2015.10.13-2015.10.15)
32. 佐藤大典, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Ca-Si-O-N 系における新規蛍光体の探索, 平成 27 年度日本
セラミックス協会東北北海道支部研究発表会, 日本, 米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
33. 山田修平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, La0.5Sr0.5Ta0.5Ti0.5O2N 光触媒の高活性化の検討, 平成 27 年度
日本セラミックス協会東北北海道支部研究発表会, 日本, 米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
34. 桑原寛季, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, α'L-Ca2SiO4:Ce3+蛍光体の青色発光, 平成 27 年度日本セラミ
ックス協会東北北海道支部研究発表会, 日本, 米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
35. 吉田和貴, 正井博和, 寺門信明, 高橋儀宏, 藤原巧, 佐藤和好, 加藤英樹, 垣花眞人, 光触媒結晶化
ガラスの表面解析と欠陥導入効果, 平成 27 年度日本セラミックス協会東北北海道支部研究発表会, 日本,
米沢市, (2015.10.16-2015.10.17)
36. 灘浩樹, 小林亮, 垣花眞人, TiO2 ルチル結晶表面への異方的グリコール酸イオン吸着の分子動力学シミ
ュレーション研究, 第 45 回結晶成長国内会議(NCCG-45), 日本, 札幌市, (2015.10.19-2015.10.21)
37. 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, バンドポテンシャル制御した酸窒化物の光触媒特性, 附置研究所間アラ
イ ア ン ス 「 新 エ ネ ル ギ ー 材 料 ・ デ バ イ ス 」 プ ロ ジ ェ ク ト グ ル ー プ (G2) 分 科 会 , 日 本 , 東 京 都 ,
(2015.10.20-2015.10.21)
39. 桑原寛季, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Eu2+賦活β-Ca3(PO4)2 の発光制御, 粉体粉末冶金協会平成
27 年度秋季大会 (第 116 回講演大会), 日本, 京都市, (2015.11.11-2015.11.12)
40. 佐藤泰史, 桑原寛季, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, グリコール修飾シラン(GMS)を用いた水溶液法に
よる新規オルソケイ酸塩の合成, 粉体粉末冶金協会平成 27 年度秋季大会 (第 116 回講演大会), 日本,
京都市, (2015.11.11-2015.11.12)
41. 垣花眞人, 小林亮, 加藤英樹, グリコール修飾シランの特徴を活かした手法による水を反応場とする蛍光
体 の 合 成 , 粉 体 粉 末 冶 金 協 会 平 成 27 年 度 秋 季 大 会 ( 第 116 回 講 演 大 会 ), 日 本 , 京 都 市 ,
(2015.11.11-2015.11.12)
42. 小林亮, 灘浩樹, 加藤英樹, 垣花眞人, 水熱法による rutile 型酸化チタンの c 軸異方結晶成長とその機
構 解 明 , 粉 体 粉 末 冶 金 協 会 平 成 27 年 度 秋 季 大 会 ( 第 116 回 講 演 大 会 ), 日 本 , 京 都 市 ,
(2015.11.11-2015.11.12)
43. Dawei Wen, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana., Luminescence properties of
Ca3Ln(AlO)3(BO3)4 activated with Ce3+, Tb3+ and Mn2+, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都,
(2016.3.14-2016.3.16)
44. 桑原寛季, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, 元素置換によるα-Ca2SiO4:Ce3+の安定化及びその発光特性,
日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
45. 竹田洋平, 加藤英樹, 小林亮, 小林久芳, 垣花眞人, Mn を賦活した Ta 系ペロブスカイト型酸化物の発光
特性, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
46. 工藤春佳, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Ce3+を賦活したナトリウム-アルカリ土類含有リン酸塩の発光特
性, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
47. 岩崎克紀, 冨田恒之, 勝又健一, 小林亮, 垣花眞人, Brookite 型 TiO2 の助触媒担持による活性向上の
調査, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
48. 岩崎克紀, 伊藤建, 小林純, 冨田恒之, 垣花眞人, サリチル酸チタン錯体の単結晶構造解析とその性質,
日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
49. 菊地貴寛, 冨田恒之, 関彩希江, 功刀義人, 梅津信二郎, 小林亮, 垣花眞人, 色素増感太陽電池に向
けたニードル状アナターゼ型二酸化チタンの高比表面積化, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本,
東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
50. 東海林千尋, 冨田恒之, 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水溶液プロセスを用いた希土類含有球状微粒
子の合成および構造色発現材料への応用, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都,
(2016.3.14-2016.3.16)
51. 田村紗也佳, 小川哲志, 冨田恒之, 小林亮, 垣花眞人, アップコンバージョン発光特性に母体結晶が及
ぼす影響の調査, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都, (2016.3.14-2016.3.16)
52. 田中將基, 田村紗也佳, 小川哲志, 成瀬則幸, 冨田恒之, 垣花眞人, フルカラー3D ボリュームディスプ
レイに向けたアップコンバージョン蛍光体の検討, 日本セラミックス協会 2016 年年会, 日本, 東京都,
(2016.3.14-2016.3.16)
53. 小林亮, 奥原達也, 加藤英樹, 垣花眞人, 水溶媒からのチタン-ピラジン-2-カルボン酸化合物の創製,
日本化学会第 96 春季年会(2016), 日本, 京田辺市, (2016.3.24-2016.3.27)
54. 山田修平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, La0.5Sr0.5Ta0.5Ti0.5O2N 光触媒の高効率化の検討, 日本, 京田
辺市, (2016.3.24-2016.3.27)
55. 亀村尚弘, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Cu3xY1-xTa7O19 固溶体の可視光照射下における光触媒特性,
日本, 京田辺市, (2016.3.24-2016.3.27)
その他の発表
1. 垣花眞人, 新規シリケート系酸化物蛍光体の開発, 技術情報協会セミナー, 日本, 東京都, (2015.1.23)
2. 垣花眞人, 小林亮, 融合マテリアル形成制御用無機クラスターの設計と合成, 新学術領域研究「融合マ
テリアル:分子制御による材料創成と機能開拓」 第 11 回 公開シンポジウム, 日本, 北九州市,
(2015.1.26)
3. 加藤英樹, 新規 Cu(I)含有酸化物光触媒の合成, 新学術領域研究「人工光合成による太陽光エネルギー
の 物質 変換 : 実 用 化に 向け て の 異 分野 融 合」 第3 回 公開 シンポ ジウ ム, 日 本 , 東京都 南 大沢,
(2015.1.31-2015.2.1)
4. 山田修平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Ba5Ta4O15 光触媒の新規合成法の開拓, 第5期研究所連携プ
ロジェクト平成26年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&テクノロジー』, 日本, 仙台市, (2015.2.2)
5. 竹田洋平, 加藤英樹, 小林亮, 垣花眞人, Mn4+賦活チタン系ペロブスカイトの発光特性, 第5期研究所連
携プロジェクト平成26年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&テクノロジー』, 日本, 仙台市, (2015.2.2)
6. 小林亮, 金珉成, 加藤英樹, 山根久典, 垣花眞人, 水溶性リン酸エステルを用いたリン酸塩蛍光体の合
成, 第5期研究所連携プロジェクト平成26年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&テクノロジー』, 日本,
仙台市, (2015.2.2)
7. 金知慧, 加藤英樹, 小林亮, 佐藤泰史, 山根久典, 藤井孝太郎, 八島正知, 垣花眞人, 新規ケイ素含
有酸窒化物の探索法と Eu2+賦活による発光特性, 第6回 新機能無機物質探索研究センター シンポジウ
ム, 日本, 仙台市, (2015.2.16)
8. Masato Kakihana, Jihae Kim, Hiroki Kuwahara, Hironori Sato, Yohei Takeda, Makoto Kobayashi, Hideki
Kato, Yasushi Sato, Exploration of New Phosphors Using a Mineral-Inspired Approach in Combination with
Solution Parallel Synthesis, 2015 3rd SKKU Workshop on Materials Frontier Research, Korea, Suwon,
(2015.2.23-2015.2.24)
9. 垣花眞人, 加藤英樹, 小林亮, 加藤隆通, 永田義郎, 白色 LED 用新規蛍光体の開発, 産学連携先端材
料研究開発センター(MaSC)成果報告会, 日本, 仙台市, (2015.2.26)
10. 小林亮, 水溶性化合物の開発による構造が制御されたセラミックスの合成と高機能化, 第3回ケミカルフィ
ールド研究討論会(日本セラミックス協会 2015 年年会 サテライトプログラム), 日本, 岡山市, (2015.3.18)
11. 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 原料開発によるセラミックスのナノマクロ構造制御, 研究所若手アンサン
ブルワークショップ, 日本, 仙台市, (2015.7.23)
12. 加藤英樹, 可視光水分解を目指した光触媒の開発, 第 375 回触媒化学研究センターコロキウム, 北海道,
札幌市, (2015.9.3)
13. 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水熱法による多様な形態を有する酸化チタン多形の合成, 第 2 回東北大
&GREEN 合同シンポジウム, 日本, 仙台市, (2015.10.30)
14. 加藤英樹, 固体光触媒の合成法とキャラクタリゼーション, 光化学応用講座 光触媒研究の基礎と実践
-人工光合成を中心に-, 日本, 東京都, (2015.11.5)
15. 垣花眞人, <新規材料探索・高機能化に向けた>無機材料合成1日徹底解説, 情報機構セミナー, 日
本, 東京都, (2015.12.4)
16. 小林亮, 加藤英樹, 垣花眞人, 水を溶媒に用いたチタン含有材料の合成と開発, 第8回 新機能無機物
質探索研究センター シンポジウム, 日本, 仙台市, (2015.12.11)
17. 小林亮, 水溶媒からのチタン系ナノ・ハイブリッドマテリアルの創出, ナノマテリアル科学の最前線(日本セ
ラミックス協会 2016 年年会 サテライトプログラム), 日本, 東京都, (2016.3.14)
【受賞等・特記事項】
1. 竹田洋平, 優秀ポスター賞, Mn4+賦活チタン系ペロブスカイトの発光特性, 第5期研究所連携プロジェクト
平成26年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&テクノロジー』, 日本, 仙台市, (2015.2.2)
2. 小林亮, 第25回(平成26年度)トーキン科学技術賞, 水熱法による酸化チタンのナノマクロ構造制御と高
機能化, 公益財団法人トーキン科学技術振興財団, (2015.3.5)
3. HOT Papers in J. Mater. Chem. A 2015 に選定. Hideki Kato, Koichiro Ueda, Makoto Kobayashi, Masato
Kakihana, Photocatalytic water oxidation under visible light by valence band controlled oxynitride solid
solutions LaTaON2–SrTiO3, Journal of Materials Chemistry A, 3(22), 11824-11829 (2015.6)
4. Yohei Takeda, Poster Award 2015, Photoluminescence Properties of Mn4+-doped Perovskite-type Oxides,
La2MTiO6:Mn4+ (M = Mg, Zn), Phosphor Safari 2015 -International Symposium on Phosphor Materials
2015-, (2015.7.28)
5. Editor’s Choice に選定. Yohei Takeda, Hideki Kato, Makoto Kobayashi, Hisayoshi Kobayashi, Masato
Kakihana, Photoluminescence Properties of Mn4+–activated Perovskite-type Titanates, La2MTiO6:Mn4+ (M =
Mg and Zn), Chemistry Letters, 44(11), 1541-1543 (2015.9)
6. 桑原寛季, 優秀講演発表賞, Eu2+賦活 β-Ca3(PO4)2 の発光制御, 粉体粉末冶金協会平成 27 年度秋季大
会 (第 116 回講演大会), (2015.12.8)
【研究活動報告】
環境無機材料化学研究分野
教
授:佐藤 次雄
准
教
授:殷澍
助
教:劉斌(2014.10~2015.3), 呉暁勇(2015.4~2015.12)
共同研究研究員:藤井 瑞保
大 学 院 生:福井 早紀, 浜中 諒, 吉田 瑞希
小林幹彦, Angga Hermawan
学 部 学 生:外川大海, 小松田紫央
研 究 所 研 究 生:Rungchet Atchara, Naruemon Setthaya
特 別 研 究 生:Prasitthikun Tuangphorn, Saijai Wanwisa
ソフト化学反応によるセラミックスのパノスコピック(階層的)形態制御と環境調和機能の高度発現について研
究しており、環境負荷の少ない水やアルコール等を反応溶媒とするソルボサーマル反応によるセラミックスの
パノスコピック形態制御とその工学的応用に関する研究を行っている。
1.混合原子価タングステン系化合物の機能性創出
省資源や省エネルギー、快適空間創製等の観点から、可視光透明性に優れた赤外線遮蔽材料が求められ
ている。タングステンブロンズ型 MxWO3 (x=0.33) は、適度な自由電子密度を有し,赤外線遮蔽材料・透明導
電性材料等としての応用が期待される。我々は,カルボン酸とアルコールを反応溶媒とする新規ソルボサーマ
ルプロセスを開発し、分散性に優れた混合原子価タングステンブロンズ MxWO3 (M = Cs, K, Na) ナノ粒子の
合成法を開発するとともに、可視光透明性と赤外線遮蔽能の優れた薄膜の合成に成功し、太陽光の熱線を遮
蔽し室内温度上昇を抑えることができることを実証した。また、ナノ粒子の粒径制御により癌細胞に選択的に取
り込ませ、赤外線照射により癌細胞のみを昇温させ死滅させる癌の温熱療法への利用が可能であることを見
出した。さらに、タングステンブロンズとグラフェン(rGO)との複合による物理化学特性の向上についても検討し
た。化学還元法によるグラフェン(rGO)は酸素官能基及び欠陥を多く有するため、導電率は、グラフェン本来の
値より低くなることが多い。グラフェンと混合原子価タングステンブロンズ MxWO3 とを複合した薄膜を合成した
ところ、シナージ効果によりグラフェンおよびタングステンブロンズ単独の時より電気抵抗を低下(導電性を向
上)できることを見出した。
2. ナノ粒子の高度分散化及び透明薄膜の調製
紫外線遮蔽性能を持つ Ca ドープ酸化セリウムや赤外線遮蔽能を有するタングステン酸セシウム等の機能性
向上させるため、高い機性能を保持しつつ可視光透明性に優れた薄膜および分散液を開発することが求めら
れている。本研究では、シランカップリング剤による酸化物ナノ粒子の凝集制御及び透明薄膜の調製について
系統的に検討し、酸化物ナノ粒子を高分散させる分散剤や添加物の種類、添加量の最適化を行った。更に同
様の手法を光触媒等の他の機能性ナノ粒子へ適用することを提案し、汎用性分散液の調製手法の確立を目
指し、その有効性について検証した。
3. マイルドな温度条件における窒化物の合成
金属窒化物は、様々な新規な機能性が見出され益々注目されている。我々は、形態が制御された金属酸
化物を出発原料とし、比較的温度の低い温和な反応条件で粒子形態やサイズの制御された金属窒化物の合
成条件の探索を行っており、アミド等を使用することによって、マイルドな温度条件で金属窒化物の生成が可
能であることを検証した。
4. 環境浄化光触媒機能の高度化
優れた環境浄化機能を有する光触媒の開発を目指し、複合アニオンドープ半導体の合成を行い、カーボン
ドープ酸化チタン、Nd-C コドープ酸化チタン等、数多くの優れた可視光応答性光触媒の創製に成功した。ま
た、可視光応答性光触媒と赤外線を可視光に変換できるアップコンバージョン蛍光材料との複合化を行い、太
陽エネルギーの約 50%を占める赤外線を有効に利用できるフルスペクトル光応答型光触媒システムの創製に
成功した。また、可視光応答性光触媒と赤外線遮蔽材料との複合化により、光触媒機能と赤外遮蔽特性を併
せ持つようなマルチ機能光触媒の合成に成功し、スマートウィンドウ材料として利用し、環境浄化及び夏季の
室内温度上昇を防止できる新機能建材への応用を提案するとともに、コンポジット型光触媒システムの設計指
針の確立を目指した。
5. 溶液プロセスによる配向性酸化亜鉛酸薄膜の作成及び機能性評価
ITO 薄膜の代替物質として、インジウムフリーな酸化亜鉛が注
目されている。我々は、環境に優しい溶液プロセスによって、酸化
亜鉛薄膜の調製を行い、酸化亜鉛種結晶を含む溶液を塗布した
基板を反応溶液中に浸漬し加熱することで、(002) 面に配向した
均一な薄膜の合成に成功した。合成した薄膜は高い可視光透過
率、優れた導電性および優れた紫外線遮蔽効果を示した。
6. 酸化物半導体ナノ粒子のガスセンサー特性
産業技術の高度化と共に、ガスセンサーへの期待が高まってい
る。我々は酸化スズや酸化亜鉛等の酸化物半導体のガスセンサー特性について注目し、様々な形態とサイズ
を有する微結晶を合成し、更に Pt 等の貴金属を担持させることによって、アセトン及びメタノール等のガスに対
し、優れたセンサー応答速度と高感度を実現した。粒子形態及び結晶面制御を行い、ガスセンサー特性との
関連について系統的な検討を行っている。
7. ソルボサーマル反応による金属酸化物の形態制御と機能性評価
ソルボサーマル反応により、形態の制御された金属酸化物のナノ粒子及びマイクロ粒子を効率よく合成で
きる手法を開発し、球状、ロッド状、板状、ナノスクリュー、花弁状などユニークな形態を有する金属酸化物粒子
の特異な形態に基ずく新機能について検討した。特に、酸化亜鉛については、球状ナノ粒子、星形ナノ粒子、
板状ミクロ粒子、板状ミクロ雲母/酸化亜鉛ナノ粒子複合体などの合成法を確立し、紫外線遮蔽機能、ソフトフ
ォーカス効果及び優れた使用感を併せもつマルチ機能化粧料を実現した。
【オリジナル論文】
1.
Bin Liu, Shu Yin, Xiaoyong Wu, Yuhua Wang, Yunfang Huang, Jihuai Wu, Tohru Sekino, Junichi
Matsushita, Soo Wohn Lee, Makoto Kobayashi, Masato Kakihana, Tsugio Sato, Graphene/MxWO3 (M=Na,
K) nanohybrids with excellent electrical properties, Carbon, 94,309-316(2015)
2.
Mizuki Yoshida, Makoto Hamanaka, Qiang Dong, Shu Yin, Tsugio Sato, Synthesis of morphology
controlled SnO2 and its oxygen storage capacity, Journal of Alloys and Compounds,646,271-276(2015)
3.
Hao Li, Bin Liu, Yuhua Wang, Huihui Li, Shu Yin, Xinlong Ma, Yanyan Li, Xicheng Wang, Quansheng
Wu, N-Doped Graphene/TiO2 Nanocomposite with Enhanced Photocatalytic Activity, Journal of
Nanoscience and Nanotechnology,15,7141-7145(2015)
4.
Zhihuan Zhao, Shu Yin, Chongshen Guo, Tsugio Sato, CsxWO3 Nanoparticles for the Near-Infrared
Shielding Film, Journal of Nanoscience and Nanotechnology,15,7173-7176(2015)
5.
Jing Wang, Yuelin Wei, Yunfang Huang, Jihuai Wu, Qiang Dong, Shu Yin, Tsugio Sato, Bi1-xNixVO4y
Solid Solution with a High Visible-Light Photocatalytic Activity for Degradation Methyl Orange, Journal
of Nanoscience and Nanotechnology,15,7240-7243(2015)
6.
Bin Liu, Shu Yin, Yuhua Wang, Chongshen Guo, Xiaoyong Wu, Qiang Dong, Makoto Kobayashi, Masato
Kakihana, Tsugio Sato, A Facile One-Step Solvothermal Synthesis and Electrical Properties of Reduced
Graphene Oxide/Rod-Shaped Potassium Tungsten Bronze Nanocomposite, Journal of Nanoscience and
Nanotechnology,15,7305-7310(2015)
7.
Tingyu Wang, Yun Zhang, Junping Li, Bin Zhao, Ruixing Li, Shu Yin, Zhihai Feng, Tsugio Sato,
Hongnian Cai, Synthesis of ZrB2 and ZrB2-SiC Powders Using a Sucrose-Containing System, Journal of
Nanoscience and Nanotechnology,15,7402-7406(2015)
8.
篠原五月, 會澤純雄, 平原英俊, 成田榮一, 佐藤次雄, メカノケミカル-水熱法によるイットリ
ウムまたはテルビウム含有層状複水酸化物の合成, Journal of the Society of Inorganic Materials,
Japan,22,129-136(2015)
9.
Yun Zhang, Yue Zhang, Rui-Xing Li, Shu Yin, Tsugio Sato, Jun-Ping Li, Synthesis of ZrB2-SiC composite
powders by sol-gel method using acetic acid as chemical modifier, Journal of the Taiwan Institute of
Chemical Engineers,46,200-204(2015)
10. Qiang Dong, Shu Yin, Mizuki Yoshida, Xiaoyng Wu, Bin Liu, Akira Miura, Takahiro Takei, Nobuhiro
Kumada, Tsugio Sato, Alkaline earth metal doped tin oxide as a novel oxygen storage material, Materials
Research Bulletin,69,116-119(2015)
11. Kunfeng Chen, Shu Yin, Dongfeng Xue, A binary AxB1-x ionic alkaline pseudocapacitor system involving
manganese, iron, cobalt, and nickel: formation of electroactive colloids via in situ electric field assisted
coprecipitation, Nanoscale,7,1161-1166(2015)
12. Xiaoyong Wu, Shu Yin, Dongfeng Xue, Sridhar Komarneni, Tsugio Sato, A CsxWO3/ZnO nanocomposite
as a smart coating for photocatalytic environmental cleanup and heat insulation
Nanoscale,7,17048-17054(2015)
13. Huihui Li, Bin Liu, Shu Yin, Tsugio Sato, Yuhua Wang, Visible Light-Driven Photocatalytic Activity of
Oleic Acid-Coated TiO2 Nanoparticles Synthesized from Absolute Ethanol Solution, Nanoscale Research
Letters,10:415,1-8(2015)
14. Jing-Xiao Liu, Fei Shi, Xiao-Li Dong, Su-Hua Liu, Chuan-Yan Fan, Shu Yin, Tsugio Sato, Morphology
and Phase Controlled Synthesis of CsxWO3 Powders by Solvothermal Method and Their Optical Properties,
Powder Technology,270,329-336(2015)
【解説・総説】
1.
Shu Yin, Creation of advanced optical responsive functionality of ceramics by green processes, Journal of
the Ceramic Society of Japan,123,823-834(2015)
2.
佐藤次雄, 殷澍, ソルボサーマル反応による環境調和機能セラミックスの創製, 素材物性学雑誌,
26,1-9(2015)
【著書】
1.
殷澍, 佐藤次雄, 溶液プロセスによるタングステンブロンズナノ粒子の光学的な性質―その①赤
外線遮蔽―, 粉体・微粒子分析テクニック事例集, 技術情報協会, 248-249(2015)
2.
殷澍, 佐藤次雄, フルタイム稼働複合型光触媒(CaAl2O4: (Eu, Nd) / TiO2-xNy)―光学的な性質―, 粉
体・微粒子分析テクニック事例集, 技術情報協会, 252-253(2015)
3.
殷澍, 佐藤次雄, 複合型光触媒赤外作動光触媒(Yb, Er) -NaYF4/C-TiO2)―光学的な性質(2)―, 粉
体・微粒子分析テクニック事例集, 技術情報協会, 254-255(2015)
4.
殷澍, 佐藤次雄, 形態が制御された酸化亜鉛粒子膜の合成と表面性質, 粉体・微粒子分析テクニ
ック事例集, 技術情報協会, 72-73(2015)
【その他】
1.
殷澍, 佐藤次雄、透明導電性薄膜用粉体材料アルカリタングステンブロンズの創製、(公財)日本
板硝子材料工学助成会成果報告書, 33 ,6-12,(2015)
【学会発表】
国内学会(招待)
1.
殷澍、グリーンプロセスによるセラミックスの高度光応答機能創出、公益社団法人日本セラミッ
クス協会 2015 年年会, 岡山,(2015.3.18-2015.3.20) (招待講演)
2.
殷澍、「エステル化反応による無機ナノ粒子の合成と機能性発現」、東北大学多元物質科学研究
所第7回新機能無機物質探索研究センターシンポジウム、2015.8.21 (依頼講演)
3.
殷澍、佐藤次雄、水分子をゆっくり放出できるソルボサーマル反応による無機ナノ粒子の機能性
創出、公益社団法人日本セラミックス協会 第 28 回秋季シンポジウム 講演予稿集、富山、
2015.9.16-18 (2K17) (基調講演)
国内学会(一般)
1.
鈴木瑶平, 劉斌, 殷シュウ, 佐藤次雄, ソルボサーマル法による希土類フッ化物粒子の合成とアッ
プコンバージョン蛍光特性, 第 53 回セラミックス基礎科学討論会, 京都, (2015.1.8-2015.1.9)
2.
今川公恵, 劉斌, 殷シュウ, 佐藤次雄, 可視光応答性窒素ドープファイバー状 TiO2 の合成および
光触媒活性, 第 53 回セラミックス基礎科学討論会, 京都, (2015.1.8-2015.1.9)
3.
濱久也, 劉斌, 殷シュウ, 佐藤次雄, 超臨界水熱法によるサーモクロミック VO2 粒子の合成と特性
評価, 第 53 回セラミックス基礎科学討論会, 京都, (2015.1.8-2015.1.9)
4.
浜中諒, 殷シュウ, 董強, 佐藤次雄, ソルボサーマル反応による CuO の合成と赤外反射特性の評
価, 第 4 期研究所連携プロジェクト平成 26 年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&テクノロ
ジー』, 仙台, (2015.2.2)
5.
吉田瑞希, 殷シュウ, 佐藤次雄, ソルボサーマル反応による酸化亜鉛の形態制御および特性評価,
第 4 期研究所連携プロジェクト平成 26 年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&テクノロジ
ー』, 仙台, (2015.2.2)
6.
福井早紀 , 劉斌, 董強, 殷シュウ, 佐藤次雄, 液相法による酸化亜鉛薄膜の作製と光学的・電気
的特性評価, 第 4 期研究所連携プロジェクト平成 26 年度成果報告会『ヒューマンサイエンス&
テクノロジー』, 仙台, (2015.2.2)
7.
Bin Liu, Solvothermal Synthesis and Electrical Properties of Graphene/Tungsten Bronze Nanocomposite,
第 6 回新機能無機物質探索研究センター・シンポジウム講演会, 仙台, (2015.2.16)
8.
Bin Liu, Shu Yin, Tsugio Sato, Graphene/Tungsten Bronze Type MxWO3 (M=Na, K) Nanohybrids with
Excellent Electrical Properties, 公益社団法人日本セラミックス協会 2015 年年会, 岡山, (2015.3.182015.3.20)
9.
殷シュウ, 呉暁勇, 成毛治朗, 佐藤次雄, 光利用効率増幅型光触媒システムの構築と環境浄化機能
の高度化, 無機マテリアル学会第 130 回学術講演会, 習志野, (2015.6.4-2015.6.5)
10. Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, High efficiency of visible light responsive C modified
NaTaO3 mesocrystal nanoparticle, 公益社団法人日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム,
富山, (2015.9.16-2015.9.18)
11. 浜中諒, 呉暁勇, 殷シュウ, 佐藤次雄, ソルボサーマル法による Nb ドープ TiO2 の合成と赤外遮蔽
特性の評価, 公益社団法人日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム , 富山, (2015.9.162015.9.18)
12. 福井早紀, 殷シュウ, 呉暁勇, 佐藤次雄, 溶液製膜法による酸化亜鉛薄膜の作製とその電気・光学
特性評価, 公益社団法人日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム , 富山, (2015.9.162015.9.18)
13. 吉田瑞希, 呉暁勇, 殷シュウ, 佐藤次雄, 溶液法による酸化亜鉛の形態制御合成および特性評価,
公益社団法人日本セラミックス協会第 28 回秋季シンポジウム, 富山, (2015.9.16-2015.9.18)
14. 浜中諒, 呉暁勇, 殷シュウ, 佐藤次雄, Nb ドープ TiO2 微粒子の合成と熱線遮蔽特性の評価, 平成
27 年度日本セラミックス協会東北北海道支部研究発表会, 米沢, (2015.10.16-2015.10.17)
15. Atchara Rungchet, Tsugio Sato, Shu Yin, Kedsarin Pimraksa, Synthesis of Calcium Sulfoaluminate-Belite
Cement via Hydrothermal-Calcination Method, 平成 27 年度日本セラミックス協会東北北海道支部研
究発表会, 米沢, (2015.10.16-2015.10.17)
16. 福井早紀, 殷シュウ, 呉暁勇, 佐藤次雄, 液相プロセスによる酸化亜鉛透明導電膜の作製とその電
気・光学特性, 平成 27 年度日本セラミックス協会東北北海道支部研究発表会, 米沢, (2015.10.162015.10.17)
17. 吉田瑞希, 呉暁勇, 殷シュウ, 佐藤次雄, 溶液法による酸化亜鉛の形態制御および特性評価, 平成
27 年度日本セラミックス協会東北北海道支部研究発表会, 米沢, (2015.10.16-2015.10.17)
18. 福井早紀, 殷シュウ, 呉暁勇, 佐藤次雄, 液相プロセスによる酸化亜鉛薄膜の作製と特性評価, 無
機マテリアル学会第 131 回学術講演会, 名古屋, (2015.11.5-2015.11.6)
19. 佐藤次雄, 可視光応答性光触媒システムの創製と環境浄化特性, 「第 40 回顔料物性講座」色材に
おける物性制御と新素材料, 東京, (2015.11.10)
20. 殷シュウ, 佐藤次雄, マルチ機能性タングステンベースナノ材料の創製, 2015 年度セラミックス
総合研究会, 鹿児島, (2015.11.12-2015.11.13)
21. 殷シュウ, 小林幹彦, 呉暁勇, 佐藤次雄, 紫外・赤外遮蔽するタングステンベース薄膜の合成, 第
25 回日本 MRS 年次大会, 横浜, (2015.12.8-2015.12.10)
22. 呉暁勇, Development of UV, Visible and Near-infrared Lights Induced Photocatalyst Composites for
Environmental Cleanup, 第 8 回新機能無機物質探索研究センター・シンポジウム講演会 ,仙台,
(2015.12.11)
23. 竹村芳乃香, 會澤純雄, 平原英俊, 佐藤次雄, アルコール溶液中における層状複水酸化物への薬剤
の取り込み挙動, 2015 年度第 15 回多元物質科学研究所研究発表会, 仙台, (2015.12.22)
24. 上原茜, 王漢東, 恩田歩武, 柳澤和道, 佐藤次雄, カルコパイライト粉末の水熱合成, 2015 年度第
15 回多元物質科学研究所研究発表会, 仙台, (2015.12.22)
国際学会(招待)
1. Shu Yin, Synthesis of Morphology-Controllable Metal Oxide Nanomaterials for Multifunctional
Applications, The 16th Interbational Symposium on Eco-Materials Processing and Design (ISEPD2015),
Nepal, Kathmandu, (2015.1.12-2015.1.15)
2. Shu Yin, Tsugio Sato, Water Molecular Controlled-Release Solvothermal Synthesis of Environmental
Responsive Oxide Based Nanomaterials, The 8th International Conference on Materials Research Society
of Singapore & IUMRS (ICMAT2015&IUMRS-ICA2015), Singapore, (2015.6.28-2015.7.3)
3. Shu Yin, Saki Fukui, Xiaoyong Wu, Tsugio Sato, Solution Synthesis of Zinc Oxide Conductive Thin Film,
The Sixth International Symposium on Physics of Fluids, Min-Symposium on Functional Materials and
Devices (ISPF6),China, Xining, (2015.7.6-2015.7.9)
4. Tsugio Sato, Shu Yin, Environmentally Friendly Multifunctional Ceramic Materials via Solvothermal
Reactions, The 1st International Conference Tech-connection of Advanced Materials (TAM2015), Japan,
Sapporo, (2015.8.5-2015.8.8)
5. Xiaoyong Wu, Shu Yin, Qiang Dong, Bin Liu, Tsugio Sato, Preparation of C Modified
NaTaO3 Mesocrystal with High Visible Light Induced Photocatalysis, The 1st International Conference
Tech-connection of Advanced Materials (TAM2015), Japan, Sapporo, (2015.8.5-2015.8.8)
6. Shu Yin, Bin Liu, Xiaoyong Wu, Tsugio Sato, Solvothermal Synthesis of Graphene/Potassium Tungsten
Bronze Nanocomposite and its Electrical Property, The 1st International Conference Tech-connection of
Advanced Materials (TAM2015), Japan, Sapporo, (2015.8.5-2015.8.8)
7. S. YIN, M. HAMANAKA, H. SAKABE, K. IMAKAWA, X. WU, T. SATO, Gas Sensing Properties of
SnO2 Nanoparticles with Different Morphologies, The international Workshop of China-Japan-Korea
(CJK2015), Japan, Sapporo, (2015.8.8-2015.8.10)
8. Tsugio Sato, Mizuki Yoshida, Shu Yin, Takehiro Goto, Takumi Tanaka, Morphology Control of Metal
Oxide Particles for Multifunctional Cosmetic Application, International Conference on Traditional and
Advanced Ceramics 2015 (ICTA2015), Thailand, Bangkok, (2015.9.9-2015.9.11)
9. Bin Liu, Yuhua Wang, Shu Yin, Tsugio Sato, Solvothermal Synthesis and Electrical Properties of
Graphene / Rod-shaped W18O49 Nanohybrid, 14th International Union of Materials Research SocietiesInternational Conference on Advanced Materials (IUMRS-ICAM2015), Korea, Jeju, (2015.10.252015.10.29)
10. Shu Yin, Hisaya Hama, Xiaoyong Wu, Tsugio Sato, Solvothermal Synthesis and Thermochromic
Properties of Vanadium Dioxide Nanoparticles, 14th International Union of Materials Research SocietiesInternational Conference on Advanced Materials (IUMRS-ICAM2015), Korea, Jeju , (2015.10.252015.10.29)
11. Tsugio Sato, Advanced Automotive Three Way Catalysts via Solvothermal Reactions, Global/Local
Innovations for Next Generation Automobiles, Japan, Sendai, (2015.10.27-2015.10.29)
12. S. YIN, X. WU, Y. HUNAG, J. WU, T. SATO, Synthesis of Oxide Thin Films for Novel Environmental
Applications, The 3rd International Conference on Advanced Electromaterials (ICAE2015), Korea, Jeju,
(2015.11.17-2015.11.20)
13. T. Sato, M. Yoshida, S. Yin, T. Goto, T. Tanaka, Morphology Control of Metal Oxide Crystals for
Multifunctional Cosmetic Application, Collaborative Conference on Crystal Growth (EMN 3CG 2015),
China, Hongkong, (2015.12.14-2015.12.17)
14. Shu Yin, Bin Liu, Xiaoyong Wu, Tsugio Sato, Synthesis of Graphene / MxWO3 Composite with Excellent
Electrical Properties, Collaborative Conference on Crystal Growth (EMN 3CG 2015), China, Hongkong,
(2015.12.14-2015.12.17)
国際学会(一般)
1.
Tsugio Sato, Chong-shen Guo, Shu Yin, Facile Synthesis of Tungsten Bronze Nanoparticles for Smart
Windows Application, The Energy & Materials Research Conference (EMR2015), Spain,Madrid,
(2015.2.25-2015.2.27)
2.
Shu Yin, Bin Liu, Tohru Sekino, Junichi Matsushita, Soo Whon Lee, Tsugio Sato, Synthesis of Graphene /
MxWO3 (M=Na, K) Nanohybrids with Excellent Electrical Properties, 2015 Symposium for Eco MultiFunctional Nano Materials & ISO/TC 107 Workshop, Korea,Asan, (2015.5.15-2015.5.17)
3.
Tsugio Sato, Chong-shen Guo, Shu Yin, Synthesis of tungsten bronze nanoparticles for shielding near
infrared ray and decreasing CO2 emission, Global Conference on Global Warming 2015 (GCGW-15),
Greece,Athens, (2015.5.24-2015.5.27)
4.
Tsugio Sato, Shu Yin, Facile Synthesis of Ceria-based Mixed Oxide Nanoparticles for Environmental
Cleanup and Human Health, Conference 2015 Advances in Functional Materials (AFM2015),USA, New
York, (2015.6.29-2015.7.3)
5.
Zhihuan Zhao, Jimin Fan, Honghong Chang, Shu Yin, Tsugio Sato, Characterization of Superstructure ZnO
Thin Film and its Composite Synthesized by Soft Chemical Process, The Sixth International Symposium on
Physics of Fluids (ISPF6), China,Xining, (2015.7.6-2015.7.9)
6.
Shu Yin, Xiaoyong Wu, Tsugio Sato, Near-infrared Light Responsive Photocatalytic DeNOx Activity of
(Yb, Er)-NaYF4/C-TiO2 Composite, Twenty Third Annual International Conference on Composites/Nano
Engineering (ICCE-23), China,Chengdu, (2015.7.12-2015.7.18)
7.
Shu Yin, Synthesis of Functional Oxide Thin Films by Solvothermal Treatment, The 11th National
Conference on Heat Treatment: Advanced Materials Forum, China,Taiyuan ,(2015.7.17-2015.7.20)
8.
Tsugio Sato, Chongshen Guo, Shu Yin, Facile solvothermal synthesis of tungsten bronze nanoparticles for
near-infrared ray shielding, 12th International Conference on Materials Chemistry (MC12),
UK,York ,(2015.7.20-2015.7.23)
9.
Saki Fukui, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Optoelectronic properties of ZnO films prepared by the
solution reaction method, The 1st International Conference Tech-connection of Advanced Materials
(TAM2015), Japan, Saporro, (2015.8.5-2015.8.8)
10. Atchara Rungchet, Tsugio Sato, Kedsarin Pimraksa, Synthesis of Calcium Sulfoaluminate-Belite Cement
via Hydrothermal-Calcination Method, The 1st International Conference Tech-connection of Advanced
Materials (TAM2015), Japan, Saporro, (2015.8.5-2015.8.8)
11. Tsugio Sato, Chong-shen Guo, Shu Yin, One pot synthesis of tungsten bronze nanoparticles for heat-ray
shielding, 3rd Central and Eastern European Conference on Thermal Analysis and Calorimetry (CEECTAC3), Slovenia, Ljubljana, (2015.8.25-2015.8.28)
12. Mizuki Yoshida, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Morphological Controlled Synthesis of Zinc Oxide
for the application to sunscreen cosmetics, International Conference on Traditional and Advanced
Ceramics 2015 (ICTA2015), Thailand, Bangkok ,(2015.9.9-2015.9.11)
13. Saki Fukui, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Optical and Electrical Characteris tics of ZnO Films
Prepared by the Solution Reaction Method, International Conference on Traditional and Advanced
Ceramics 2015 (ICTA2015), Thailand, Bangkok ,(2015.9.9-2015.9.11)
14. Makoto Hamanaka, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Solvothermal Synthesis of Nb Doped TiO2 and
NIR Shielding Ability, International Conference on Traditional and Advanced Ceramics 2015 (ICTA2015),
Thailand, Bangkok ,(2015.9.9-2015.9.11)
15. Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, UV, visible and NIR lights responsive up-conversion phosphors
coupled C-TiO2 composites, 14th International Union of Materials Research Societies-International
Conference on Advanced Materials (IUMRS-ICAM2015), Korea, Jeju ,(2015.10.25-2015.10.29)
16. Mikihiko Kobayashi, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Developing the Optimum Dispersion for Light
Shielding Thin Films, The 32nd International Japan-Korea Seminar on Ceramics (JK-Ceramics 32), Japan,
Nagooka (2015.11.18-2015.11.21)
17. Shu Yin, Xiaoyong Wu, Tsugio Sato, Development of High Sensitive Photocatalyst and its Applications on
Environmental Cleanup Functionality, The 32nd International Japan-Korea Seminar on Ceramics (JKCeramics 32), Japan, Nagooka,(2015.11.18-2015.11.21)
18. Mikihiko Kobayashi, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Developing the Optimum Dispersion for UVor IR-Shielding Films, Eighth French Research Organizations - Tohoku University Joint Workshop on
Frontier Materials (Frontier2015), Japan, Sendai, (2015.11.29-2015.12.3)
19. Jun-ichi Matsushita, Naoya Iwamoto, Koichi Morozumi, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Preparation
and Characterization of Photocatalyst Materials using Titanium Base Nonoxide Powders, Eighth French
Research Organizations - Tohoku University Joint Workshop on Frontier Materials (Frontier2015),Japan,
Sendai, (2015.11.29-2015.12.3)
20. Tsugio Sato, Shu Yin, Chong-shen Guo, Hisaya Hama, Solvothermal Synthesis of Metal Oxide
Nanoparticles for Heat-Ray Shielding, 2015 MRS Fall Meeting & Exhibit,USA, Boston, (2015.11.292015.12.4)
21. Saki Fukui, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Electrical and optical properties of ZnO films prepared
by solution film forming method, Collaborative Conference on Crystal Growth (EMN 3CG 2015), China,
Hongkong, (2015.12.14-2015.12.17)
22. Mizuki Yoshida, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Morphological Controlled Synthesis of ZnO for the
application to sunscreen cosmetic, Collaborative Conference on Crystal Growth (EMN 3CG 2015), China,
Hongkong, (2015.12.14-2015.12.17)
23. Makoto Hamanaka, Xiaoyong Wu, Shu Yin, Tsugio Sato, Synthesis and NIR-Shielding Ability of Nbdoped TiO2 by Solvothermal Approach, Collaborative Conference on Crystal Growth (EMN 3CG 2015),
China, Hongkong, (2015.12.14-2015.12.17)
【学術関係受賞】
1.
殷
澍(佐藤(次)グループ), 第56回日本無機マテリアル学会賞 学術賞, 「無機物質の構造制
御による環境浄化機能の高度化に関する研究」(2015.6.4)
2.
殷
澍(佐藤(次)グループ), 第69回(平成26年度)日本セラミックス協会 学術賞「グリーンプ
ロセスによるセラミックスの高度光応答機能性創出」(2015.6.5)
3.
佐藤次雄(佐藤(次)グループ), Tech-connection of Advanced Materials (TAM) Prize 、Tech-co
nnection of Advanced Materials 2015, 「For the excellent Research in the Technological Contributio
n for Advanced Materials」(2015.8.7)
4.
福井早紀(佐藤(次)グループ), TAM Presentation Award, 「Optoelectronic properties of ZnO fi
lms prepared by the solution reaction method」(2015.8.7)
5.
Atchara Rungchet(佐藤(次)グループ),TAM Presentation Award 、Tech-connection of Advance
d Materials 2015,「Synthesis of Calcium Sulfoaluminate-Belite Cement via Hydrothermal-Calcination
Method」(2015.8.7)
6.
吉田
瑞希(佐藤(次)グループ), Best Poster Award - 1st Runner-up, ICTA2015
(International
Conference on Traditional and Advanced Ceramics 2015,「Morphological Controlled Synthesis of Z
inc Oxide for the application to sunscreen cosmetics」(2015.9.9)
7.
浜中
諒(佐藤(次)グループ), Best Poster Award - 1st Runner-up, ICTA2015 (International
Conference on Traditional and Advanced Ceramics 2015,「Solvothermal Synthesis of Nb Doped TiO
2 and NIR Shielding Ability」,(2015.9.9)
8.
福井早紀(佐藤(次)グループ), 公益社団法人日本セラミックス協会 第28回秋季シンポジウム
優秀発表賞, 「溶液製膜法による酸化亜鉛薄膜の作製とその電気・光学特性評価」, (2015.9.17)
【特許申請】
1.
特願 2015-134866, 光触媒, 今川晴雄、板原浩、佐藤次雄, 殷シュウ, 出願日:平成 27 年 7 月 6
日
2.
特願 2015-043253、球状酸化亜鉛及びその製造方法並びに化粧料、佐藤次雄、殷シュウ、吉田瑞
希、田中巧、後藤武弘、出願日:平成 27 年 3 月 5 日
3.
特願2015-112566、光触媒材料及びその製造方法、殷シュウ、佐藤次雄、出願日:平成27年6月22
日
4.
特許第5771065号、光触媒組成物、壁材、建材、および光触媒組成物の製造方法、佐藤次雄、殷
しゅう、田中洋、登録日:平成27年7月3日
5.
特許第5843431号、花弁状酸化セリウム粉体及びその製造方法並びに化粧料、佐藤次雄、殷シュ
ウ、田中巧,西本健治,粂井貴行,渡部敬二郎、登録日:2015年11月27日
6.
特願 2016-029372, Ni 系光触媒, 今川晴雄、板原浩、佐藤次雄, 殷シュウ、呉暁勇、秩父 重英、
山崎 芳樹、小島 一信、出願日:平成 28 年 2 月 18 日
7.
特願 2016-30194, 窒化物の合成方法、藤井瑞保、佐藤次雄, 殷シュウ、外川大海, 出願日:平成
28 年 2 月 19 日
【特記事項】
溶液製膜法による酸化亜鉛粒子の形態制御に関する電子顕微鏡写真は2015年10月号の表紙に採用され
た。
Functional Materials Letters, Vol.3, Number5, Oct., 2015
佐藤(次)グループ
シンポジウム報告
第7回
新機能無機物質探索研究センターシンポジウム
主
催
:東北大学多元物質科学研究所 新機能無機物質探索研究センター
協
賛 :5 大学間附置研究所ナノマクロ物質・デバイス・システム・創製アライアン
ス,物質・デバイス領域共同研究拠点,日本化学会東北支部,
日本セラミックス協会東北北海道支部,日本金属学会
開催日時:平成 27 年 8 月 21 日(金)13:15 – 17:05
開催場所:東北大学多元物質科学研究所 南総合研究棟 2(1 階) 大会議室
<プログラム>
13:00 – 13:05 開会挨拶
東北大学 多元物質科学研究所
村松淳司 所長
13:05 – 13:50 招待講演1
東海大学 工学部材料科学科
松下純一 教授
「ホウ化物系セラミック材料」
13:50 – 14:35 招待講演2
物質・材料研究機構 WPI 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
ネットワーク構造物質グループ
森
孝雄 グループリーダー
「新規なホウ化物の創製と磁気的・熱電的性質の解明」
14:10 – 14:30 招待講演3
東京大学 新領域創成科学研究科
木村
薫 教授
「ホウ素クラスターとクラスター固体・液体の結合転換と自己補償」
15:20 – 15:45
休憩
15:45 – 16:30 招待講演4
名古屋工業大学 つくり領域・工学研究科 福田功一郎 教授
「新規イオン伝導体の探索と組織化による高機能発現」
16:30 – 17:15 依頼講演
東北大学 多元物質科学研究所 殷 澍 准教授
「水を溶媒に用いたチタン含有材料の合成と開発」
17:15 – 17:20 閉会挨拶
17:20 – 19:00
懇親会
山根久典
センター長
<概要>
第7回新機能無機物質探索研究センターシンポジウムは2015年8月21日に南総合研究
棟1F の大会議室において開催された。
今回は外部から4名の先生及びセンターから殷先生が講演を行った。新しい試みとして、
“ボ
ロンやホウ化物”というキーワドに絞って、国内のこの分野において3名の著名な研究者に講
演して頂いた。東海大学の松下純一先生は焼結によって作製されたホウ化物のプロセスとその
特性を紹介した。物質材料研究機構の森孝雄先生は希土類金属系のホウ化物を創製し、その構
造と熱特性を調べた上、種々のパラメーターのチューニングし、熱電材料へのアプローチを紹
介した。東京大学の木村薫先生は、ホウ素と同じ20面体構造を有する金属と結合様式との違
いから生じた電気抵抗等物性について解説した。さらに、昨年で話題となった、液体中のホウ
素に複合的な結合状態を明らかにしたことについても分かりやすく紹介した。名古屋工業大学
の福田功一郎先生は、一連のイオン伝導体の構造を制御しながら高い品質の薄膜の作製し、そ
の組織制御ならびに高機能の発現について解説した。最後にセンターからは、殷先生による、
最新の成果として“エステル化反応による無機ナノ粒子の合成と機能性発現”と題する講演を
行った。全体の講演に対して、多くの質疑がかわされていて、熱気が溢れるシンポジウムとな
った。また、懇親会においても、熱い討論が続けられていて、研究において更なる深みのある
議論ができたに違いない。
今回のようにある課題や物質に焦点を当てることで、連続的に同じトピクスを聴講すること
ができるため、聴衆にとって
好都合なので、54名の参加
者を得た。この参加者の数字
は今回のシンポジウムの成
功を物語っているが、これも
山根センター長をはじめ、セ
ンターの皆様のご支援ご協
力による賜物であり、この場
を借りてお礼を申し上げる
次第である。
第 8 回 新機能無機物質探索研究センターシンポジウム
主 催 :東北大学多元物質科学研究所 新機能無機物質探索研究センター
協 賛 :5 大学間附置研究所ナノマクロ物質・デバイス・システム・創製アライアンス,物質・
デバイス領域共同研究拠点,日本化学会東北支部,
日本セラミックス協会東北北海道支部,日本金属学会東北支部
開催日時:平成 27 年 12 月 11 日(金)13:15 – 17:05
開催場所:東北大学多元物質科学研究所 南総合研究棟 2(1 階) 大会議室
<プログラム>
13:15 – 13:20
開会の辞
東北大学 多元物質科学研究所 所長・教授 村松 淳司
13:20 – 13:40
研究報告1 東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教 小嶋 隆幸
「磁性材料と触媒材料の融合研究」
13:40 – 14:10
招待講演 1 東京工業大学大学院 理工学研究科化学専攻 助教 古川 森也
「規則性合金を用いた表面反応場の精密設計と高効率触媒系の開拓」
14:10 – 14:30
研究報告 2 東北大学 多元物質科学研究所 助教 呉 暁勇
「Development of UV, Visible and Near-infrared Lights Induced Photocatalyst
Composites for Environmental Cleanup」
14:30 – 15:00
招待講演 2 東京工業高等専門学校 物質工学科 助教 小林 靖和
「微少吸着熱直接測定によるミクロ多孔質 SAPO-34 ゼオライト
の吸着特性評価」
15:00 – 15:20 休憩
15:20 – 15:40
研究報告 3 東北大学 多元物質科学研究所 助教 小林 亮
「水を溶媒に用いたチタン含有材料の合成と開発」
15:40 – 16:10
招待講演 3 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 講師 宇根本 篤
「新しい固体電解質群としての錯体水素化物
ーその全固体二次電池への実装」
16:10 – 16:30
研究報告 4 東北大学 多元物質科学研究所 助教 森戸 春彦
「新規ホウ化物 Na-Si-B の機械的特性と熱電特性」
16:30 – 17:00 招待講演 4 北海道大学大学院 工学研究院 准教授 鱒渕 友治
「機能性酸窒化物セラミックスの創製」
17:00 – 17:05 閉会の辞
新機能無機物質探索研究センター長・教授 山根 久典
17:20 – 19:00 懇親会
<概要>
第 8 回 新機能無機物質探索研究センターシンポジウムを開催いたしました.新機能無機物質
探索研究に関する 4 名の若手研究者より招待講演を賜り,4 名のセンターで研究活動を行ってい
る若手研究者から最新の研究成果を報告して頂きました.例年,年度後半のシンポジウムは,2
月に開催されておりましたが,今回は 12 月に開催され,宮城県内の企業からの聴講者も含め学
内から 53 名の皆様にご参加頂きました.
研究報告 東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教 小嶋 隆幸
「磁性材料と触媒材料の融合研究」
本研究のアイデアとして,金属触媒には Fe, Co および Ni といった強磁性金属元素を含むもの
が多いため,これらの元素の磁性が触媒機能に及ぼす影響を明らかにすることで,より精密な触
媒設計が実現する可能性が示された.研究の背景と着眼点や,実験・計算の実施方法等などが紹
介された.
東京工業大学大学院 理工学研究科化学専攻 助教 古川 森也
「規則性合金を用いた表面反応場の精密設計と高効率触媒系の開拓」
電子的な性質の異なる 2 種類の金属から構成される金属
間化合物の規則的な原子配列構造が反映されることにより,
その表面において活性金属と他の金属の原子の特異な配列
構造を持たせることができる.この表面構造を活用した新
たな高効率触媒の開発が紹介された.
研究報告 東北大学 多元物質科学研究所 助教 呉 暁勇
「 Development of UV, Visible and Near-infrared Lights Induced Photocatalyst Composites for
Environmental Cleanup」
ソルボサーマル法による炭素をドープした TiO2 とアップ
コンバージョン蛍光体の(Yb,Er)-NaYF4 との複合粒子の合
成と,その近赤外,可視,紫外の幅広い波長における優
れた光触媒特性が紹介された.
招待講演 東京工業高等専門学校 物質工学科 助教 小林 靖和
「微少吸着熱直接測定によるミクロ多孔質 SAPO-34 ゼオライトの吸着特性評価」
新たに開発された微小吸着熱量計やガス分析のシステムを用いてミクロ多孔質ゼオライト
SAPO-34 のジメチルエーテルの吸着挙動の計測し,その結果をもとに吸着挙動の理論解析を行っ
た結果,2 タイプの吸着サイトがあることを明らかにされた.
研究報告 東北大学 多元物質科学研究所 助教 小林 亮
「水を溶媒に用いたチタン含有材料の合成と開発」
水熱処理による酸化チタンの合成において,添加物により結晶成長方向や結晶形態が変化する
ことを示し,その変化の原因について分子動力学シミュレーションの結果を用いた考察がなされ
た.また,水溶媒中で階層構造を有する新規シート状のチタンを含む錯体化合物の合成が報告さ
れた.
招待講演 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 講師 宇根本 篤
「新しい固体電解質群としての錯体水素化物ーその全固体二次電池への実装」
アルカリ金属を利用した高効率二次電池の概要と全固体電池の必要性について紹介がなされ,
新たな固体電解質材料としての Li や Na のホウ水素化物の結晶化学的特徴やイオン伝導特性,お
よび開発された電解質を用いた全固体電池の動作特性などの研究成果が紹介された.
研究報告 東北大学 多元物質科学研究所 助教 森戸 春彦
「新規ホウ化物 Na-Si-B の機械的特性と熱電特性」
ナトリウム-ケイ素-ホウ素の 3 元系で物質探査が行われ,2 つの新規物質が合成された.これら
の物質の単結晶およびバルク体の合成と X 線回折法による結晶構造解析結果,機械特性や熱電特
性について紹介があった.
招待講演 北海道大学大学院 工学研究院 准教授 鱒渕 友治
「機能性酸窒化物セラミックスの創製」
ペロブスカイト型構造を有するストロンチウム-タンタルの
酸窒化物を中心に,その多結晶焼結体の合成方法や中性子
回折法による結晶構造解析の結果と,高温熱重量変化など
の挙動と誘電特性や強誘電性などが紹介され,高誘電率の
発現機構が議論された.
「環境調和機能材料2016」国際シンポジウム
International Symposium on Environmental Harmony Materials (ISEHM2016)
主催:東北大学多元物質科学研究所・東北大学多元物質科学研究所新機能物質探索研究センター
協賛:5大学間附置研究所ナノマクロ物質・デバイス・システム・創製アライアンス
物質・デバイス領域共同研究拠点、
日時:2016 年 3 月 1 日~2016 年 3 月 3 日
場所:東北大学多元物質科学研究所南総合研究棟 2 大会議室(1F)及びホテル岩沼屋
<プログラム>
March 1st, 2016
15:00-18:00
Registration (IMRAM, Sozai Building No.1, 3F-Room 306)
18:00-20:00
Welcome reception (IMRAM, Sozai Building No.1, 3F-Room 306)
March 2nd, 2016
Oral (Zaibutsu 1F, Katahira, Tohoku University, 9:00-12:40)
Chair(9:00-10:20): Dr. Shu YIN (Tohoku University, Japan)
9:00-9:10 Opening Address
Atsushi MURAMATSU
(Director, Professor, IMRAM, Tohoku University, Japan)
9:10-9:20 Welcome Message
Tsugio SATO
(Chairman of ISEHM2016, Professor, IMRAM, Tohoku University, Japan);
9:20-9:40
I-01
Invited Lecture
Electrolytes in Dye-Sensitized Solar Cells.
Jihuai WU
(Vice-President, Huaqiao University, P.R.China)
9:40-10:00
I-02
Solid
Invited Lecture
State Reactions at Low Temperature by Environmentally Friendly Process in Water Vapor
Atmosphere
Kazumichi YANAGISAWA
(Director, Professor, Research Laboratory of Hydrothermal Chemistry, Kochi University), Japan
10:00-10:20
I-03 Invited Lecture
Green Cement Synthesis via Dissolution and Polycondensation Reactions
Kedsarin PIMRAKSA
(Chiangmai University, Thailand.)
10:20-10:40 Coffee Break
Chair(10:40-12:00):
10:40-11:00
Dr. Kedsarin PIMRAKSA
I-04 Invited Lecture
Design and Fabrication of Metal Oxide Based Composites.
Jinshu WANG
(Professor/ Dean, Beijing University of Technology, P.R.China)
11:00-11:20
I05 Invited Lecture
Panoscopic Composites for Thermal Insulation Materials
Satoshi YODA
(Group Leader, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology(AIST))
11:20-11:40
I-06 Invited Lecture
Solvothermal Synthesis of BiOCl-TiO2 Heterostructureds with Enhanced Photocatalytic Activity.
Ruixing LI
(Professor, Beihang University, P.R.China.)
11:40-12:00
I-07 Invited Lecture
Oxidation Behavior of Non-oxide Materials.
Junichi MATSUSHITA
(Professor, Tokai University, Japan.)
Chair(12:00-13:20):
12:00-12:20
Prof. Jinshu WANG (Beijing University of Technology, P.R.China)
I-08 Invited Lecture
Morphological Control of Inorganic Oxides and their Applications on Cosmetics Takehiro GOTO
(DAITO KASEI, Japan)
12:20-12:40
I-09 Invited Lecture
One Pot Synthesis of Lithium Metal Phosphates and Lithium Metal Silicates Cathode Materials
and Their Characterization.
Murukanahally Kempaiah DEVARAJU
(University of South Australia, Australia)
12:40-13:00
I-10 Invited Lecture
Development of Innovative Visible-light Responsive Photocatalyst for Enhancing Environmental
Cleanup Performance
Pornapa SUJARIDWORAKUN
(Chulalomgkorn University, Thailand)
13:00-13:20 I-11 Invited Lecture
Nano/Micro-Structures Induced in Ar Ion Excited Reaction Field
Shun-Ichiro TANAKA
(Tohoku University, Japan)
13:20-14:00 Lunch Time
14:00: Move to Hotel Iwanumaya by Bus
15:20-18:20 March 2nd, 2016
Poster Session (21 poater presentations)
(Hotel Iwanumaya, Akiu Hot Spring, Sendai)
18:30-20:30 Dinner Time
20:45-22:45 Meeting for Information Exchange
March 3rd, 2015
8:10-10:50 Group discussion on environmental harmony materials:
10:50 Closing & Group Photo
11:00-12:00 Move to Katahira, by Bus
13:00-15:00, March 3rd, 2015
Special Memorial Lecture by Prof. Tsugio SATO
“Chemistry and Engineering for Environmental Harmony”
Sakura Hall, Tohoku University
<概要>
環境東北大学片平キャンパス及び秋保温泉岩沼屋にて、
「調和機能材料2016」国際シンポジ
ウムを開催しました. 11 名の先生より招待講演、23 名の国内外参加者によるポスター発表を賜
り、本シンポジウムでは、環境調和機能材料関連研究者や企業の皆様による環境調和機能材料の
研究開発の最新成果を紹介されると共に、大学・企業等を横断した分野連携等を通じて、より先
端的な研究開発及び実用化を目指し、新規物質及び新規機能性・マルチ機能性材料探索を通して、
サイエンスの原理探索及び生活環境の改善を実現することを目指した議論の場を提供し、最近の
成果および環境調和機能材料や新機能無機物質発見に向けた戦略を紹介して頂きました.日本を
含む計 4 ヶ国 60 名の方にご参加いただきました.
開会の挨拶
東北大学多元物質科学研究所長 教授
村松淳司
ISEHM2016 ウエルカムメッセージ
国際シンポジウム議長
東北大学多元物質科学研究所 教授
佐藤次雄
招待講演1
中国華僑大学
副学長
呉 季懐 教授
「色素増感太陽電池用電解質」
色素増感太陽電池の原理、作成、メリット、デメリット等に
ついて分かりやすく解説して頂いた.特に電解質の役割、湿式
太陽電池の実用化・産業化の可能性と課題について詳細に説明
を行い、固体電解質の使用、色素太陽電池の光電変換効率及び
使用寿命の向上に関する内容は特に参加者に強く印象付けるも
のであった.
招待講演 2 高知大学理学部付属水熱化学実験所長
柳澤
和道 教授
「環境に優しい水蒸気雰囲気下における低温固相反応」
水熱化学やソルボサーマル反応の基礎や応用などについて分
かりやすく解説して頂いた。特に水蒸気が存在するソフト的な
反応条件下における低温固相反応により様々な機能性化合物の
合成が可能であることが示された。尚、水蒸気が存在する反応
条件では、少量の塩化ナトリウムの存在が、MTiO3[M=Ba,
Sr,Ca,Mg]などの機能性物質の生成を促進することが
特に参加者に強く印象付けるものであった。
招待講演 3
タイ王国
チンマイ大学理学部
Kedsarin PIMRAKSA 博士
「溶解―重縮合反応を利用したグリーンセメントの合成」
環境に優しいグリーンセメントの背景、歴史などについて紹
介され、環境に優しい 100oC 以下での合成できるグリーンセメン
トを利用することによって、エネルギーの使用及び二酸化炭素
排出量の大幅低減につながると共に。セメント材料の物理化学
的特性評価を行い、熱絶縁性を有する建材への応用について紹
介された。
招待講演 4
中国北京工業大学
材料科学工程学院・院長
王 金淑 教授
「金属酸化物ベースコンポジットの合成と設計」
金属酸化物ベースコンポジットの分類・研究の現状、特に環
境における応用等について解説していただいた。尚、金属酸化
物ベースコンポジットは光機能材料としても有効であり、酸化
チタン/グラフィン、TiO2/g-C3N4 等は光触媒と入して利用でき、
高い電荷分離効果を有し、優れた環境浄化機能を示したことに
関する内容は特に参加者に強く印象付けるものであった。
招待講演 5 産業技術総合研究所化学プロセス研究部門研究グループ長
依田
聡
「断熱材のパノスコピック構造制御」
窓に貼り付けられるような断熱材の開発取組について紹介
された。ポリマーとシリカのナノハイブリッド化によって光透
過性・柔軟性・断熱性の実現を目指し、この新規機能材料のス
ケールアップ及び新規応用について紹介された。
招待講演 6
中国北京航空航天大学
材料科学工程学院
李
鋭星 教授
「ソルボサーマル反応によるヘテロ構造 BiOCl-TiO2 の合成と優れた光触媒活性」
光触媒の歴史、進展等について解説していただき、特に、ヘ
テロ構造 BiOCl-TiO2 光触媒の合成や優れた光触媒活性を中心
に最新の研究成果を紹介していただき、Bi/Ti の割合を制御す
ることによって、優れた活性を実現し、そのメカニズムについ
ても解説していただいた。
招待講演 7
東海大学工学部
松下純一 教授
「チタン基非酸化物系光触媒材料」
室温常圧下において化学的安定な非酸化物系チタン基セラミ
ックスの表面を最適な条件下で酸化させ、試料の酸化物生成挙
動について紹介していただきた。TiC, TiN, Ti(CN), TiB2 を出
発原料として利用する場合、得られた光触媒の deNOx 活性を検
討し、導電性を有する TiC は優れた光触媒活性を有することを
明らかにした。
招待講演 8
大東化成工業(株)研究開発部
後藤
武弘
主任
「無機酸化物の形態制御と化粧品への応用」
化粧品・化粧品原料の安全性や化粧品の評価パラメーターと
粉体の形態制御の重要性について紹介され、酸化亜鉛及び酸化
セリウムの形態制御及び化粧品としての利用する際の特性評価
を中心に解説を行った。特に粒子サイズがそろった球状粒子、
星状粒子等は優れた紫外線遮蔽特性を示すと共に、ソフトフォ
ーカス効果が観察され、マルチ機能性化粧品として利用可能で
あることを参加者に強く印象付けるものであった。
招待講演 9
オーストラリア南オーストラリア大学 Murukanahally Kempaiah DEVARAJU 博士
「リン酸リチウム及びケイ酸リチウムカソード材料のワンポット合成と特性評価」
リチウムイオン電池材料の背景と重要性について紹介され、
リン酸リチウム及びケイ酸リチウムカソード材料のワンポット
合成と特性評価について詳細に紹介され、超臨界流体を利用し、
粒子サイズ及び粒子形態を制御する手法を解説した。溶媒及び
添加剤による粒子形態制御の実例を示し、リチウムイオン電池
材料としての特性評価を紹介された。
招待講演 10
タイ王国
チュラーロンコーン大学 Pornapa SUJARIDWORAKUN 博士
「環境浄化機能を有する革新的な可視光応答性光触媒の開発」
光触媒プロセスは、環境修復に加えて、
「グリーン・テクノロ
ジー」として認識・注目されることが紹介された。優れた可視
光光触媒活性を有する BiVO4 ,BiOX(X=Cl,Br,I)等光触媒材料の
更なる触媒活性向上のため、共沈法、水熱・ソルボサーマル反
応、マイクロ波水熱反応等あらゆるプロセスを利用する効果を
検証した結果が紹介された。
招待講演 11 東北大学
田中
俊一郎
名誉教授
「アルゴンイオン励起反応場におけるナノ/マクロ構造制御」
アルゴンイオン励起反応場のコンセプト及び環境における応
用にいて解説された。Cu, Cu2O, Zn, Cu0,Zn, Cu-Fe、Ag 等の金
属及び合金の表面微細構造制御、応用及びそのメカニズムにつ
いて紹介された。
会議の様子
佐藤次雄教授 最終講義
Special Memorial Lecture by Prof. Tsugio SATO
演題:「環境調和の化学と工学」
Title: Chemistry and Engineering for Environmental Harmony
場 所: 東北大学 片平さくらホール2階会議室
主催:東北大学多元物質科学研究所
日時:2016 年 3 月 3 日(木) 13:00-15:00
<概要>
環境無機材料化学研究分野教授佐藤次雄先生は、H28 年 3 月をもって定年退職されることにな
り、平成 28 年 3 月 3 日、片平キャンパスさくらホールにて最終講義が行われた。東北大学教員・
学生、及び他大学・研究機関・共同研究先の関係者等約 100 名の参加者が佐藤先生の最終講義を
拝聴した。垣花真人先生の司会の元、冒頭に村松淳司多元所長による挨拶が行われ、佐藤次雄先
生より、約 2 時間に渡って「環境調和の化学と工学」というタイトルで、ご自身の研究・教育理
念、目指す目標、約 40 年間の研究生活及び普段あまり知られてなかったエピソード等などについ
て沢山語られました。佐藤先生は長年、
「地球環境・環境調和」のために、研究・開発・挑戦を続
け、尽力されたと共に、世界的に大変活躍され、参加者感動を与えた。
最終講義を終了後、研究室より花束が贈呈され、記念写真が撮影された。
佐藤次雄教授最終講義の様子
東北大学多元物質科学研究所 新機能無機物質探索研究センター
平成26年度 成果報告書
発 行 : 2016年3月23日
発行者 : 東北大学多元物質科学研究所 新機能無機物質探索研究センター 山根 久典
Tel & Fax : 022-217-5813, e-mail : [email protected]
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