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P-21 - kek

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P-21 - kek
Characteristics of Low Temperature Thermometer in High Magnetic Field
H. Wakabayashi, T. Isono, K. Matsui, H. Hanawa, M. Osikiri
S. Seki, K. Takano, Y. Uno, T. Nakamura, H. Tsuji
Japan Atomic Energy Research Institute
Superconducting Magnet Laboratory
高磁場中における極低温用温度計の特性
概要
超伝導は温度及び磁場により特性が変化するため、超伝導磁石の開発に於いて、その特性を評価するには、磁
場中で正確に温度を測定することが非常に重要となる。現在、核融合炉用超伝導磁石(導体)の開発に於いて温
度計に要求される条件は、測定精度:±0.05K、測定範囲:4∼18K、磁場環境:0∼17Tとなってい
る。その為、市販されている3種類の極低温用温度計(CGR、Cernox、酸化ルテニウム)について高磁
場中での特性を調査した。
1 調査した温度計の諸元
・カーボングラス温度計
・Cernox温度計
Lake Shore 社製 CGR-1-1000(1KΩ at 4.2K)
Lake Shore 社製 CX-1070(100KΩ at 4.2K)
測定範囲 : 1K∼325K(較正範囲:1.4K∼40K)
測定範囲 : 0.3K∼325K(較正範囲:4K∼325K)
測定誤差 : ±5mK at 4.2K
測定誤差 : ±3mK at 4.2K
・酸化ルテニウム温度計
SI 社製 RO-600D(1KΩ at 4.2K)
SI 社製 RO-104D1(200KΩ at 4.2K)
測定範囲 : 0.05K∼20K(較正範囲:1.5K∼20K)
測定範囲 : 1.5K∼273K(較正範囲:2.0K∼20K)
測定誤差 : ±0.042K at 4.2K
測定誤差 : ±0.05K at 4.2K
各温度計のカタログに記載されている磁場による誤差を表 1 に示す。
表1 カタログ記載の磁場による誤差
0.05
0.00
誤差(K)
-0.05
-0.10
-0.15
-0.20
CGR at 4.2K
CX-1050 at 4.28K
-0.25
RO-600 at 4.2K
-0.30
RO-104 at 4.2K
-0.35
0
2
4
6
8
磁場(T)
10
12
14
2 評価方法
CGR、酸化ルテニウム温度計は、研究室保有のIcテストスタンド試験装置に組込まれているバックアップ
コイル(液体ヘリウム中)に取付け(図1)評価した。
(磁場の向き:温度計に対して長手方向)
CGR、Cernox温度計は、13T超伝導マグネット(図2)を用いて評価した。
(磁場の向き:温度計に
対して垂直方向)
各コイルとも掃引中はコイルからの発熱等の影響で温度計指示値の変化が大きいので、コイル電流値を一定に
した後、温度計の指示値が落ち着いた時の値と、その時のデュワーの内圧を測定しその圧力から液体ヘリウムの
温度を求め、液体ヘリウムの温度と温度計の指示値の差(ΔT)を評価した。
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LH e
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図2 13T超伝導マグネット試験装置
+,-
./01232456773
..245879:
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<=
3 結果
1)カーボングラス温度計(CGR-1-1000)表2
印加磁場が増加し始めるとともに誤差が出
GHIHK
始める。
った。また、13Tマグネットで評価した温
度計の方が、Icスタンドで評価した温度計
より指示値の下がり幅が少ない(カタログ値
の2/3程度)
それぞれの素子が違うので個体差があるの
SQPTR
Icスタンドで評価した温度計は、多少ば
らつきが出たがカタログ値とほぼ同じ値とな
@ABCD)*+EF
HIHH
GHILH
GHILK
UVWXYLZ[
UVWXYJZ[
L\]^_Y`aX
bVc_Yd
GHIJH
GHIJK
H
J
か。(抵抗値は 1030Ωat4.2K と 1010Ωat4.2K
と多少違う。)
また、素子に対する印加磁場の方向の違いが影響しているのか。
Icスタンド :-0.04K at 3T、-0.1K at 8T、-0.13K at 10T
13Tマグネット:-0.03K at 4T、-0.07K at 8T、-0.09K at 10T
M
N
O
PQR
LH
LJ
LM
2)Cernox温度計(CX-1070) 表3
0∼2Tでは指示値が上がり、2T以上に
HIHJ
なると指示値が下がり始める。
HIHH
+0.02K at 2T、-0.03K at 6T、-0.07K at 10T
い。(10Tで 4 倍、13Tで2.5倍)
GHIHM
カタログ値は CX-1050(100kΩ at 1.4K)の
GHIHN
もので、評価に用いたのは CX-1070(100kΩ
GHIHO
at 4.2K)と抵抗特性が異なる。
3)酸化ルテニウム温度計(RO600) 表4
印加磁場が増加し始めるとともに誤差が出
始める。他の温度計より誤差が大きい。0∼
1T付近でばらつきが多い。
-0.3K at 3T、-0.5K at 8T、-0.6K at 10T
カタログ値よりも全体的に誤差が大きい。
(2∼6Tでは倍)
Bopqeq
GHIHJ
SQPTR
カタログ値よりも全体的に下がり幅が大き
@hijklmn)*+EF
GHILH
Bopqrq
LZ[
JZ[
bVc_Yd
H
J
LH
LJ
LM
!"#$%
LH
LJ
LM
@e8fGLHMg)*+EF
HIHK
-0.04K at 5T、-0.09K at 8T、-0.13K at 10T
N
O
PQR
4)酸化ルテニウム温度計(RO104) 表5
0∼2T変化無し、
2T∼誤差が出始める。
M
HIHH
た。カタログには7T以下のデータしか記載
されていないが、7T以上はCGRとほぼ同
SQPTR
7T以下はカタログ値とほぼ同じ値となっ
GHIHK
GHILH
LZ[
JZ[
\Z[
bVc_Yd
じ誤差であった。
GHILK
GHIJH
H
J
M
N
O
PQR
4)まとめ 表6
今回試験した3種類の温度計を比較すると、
0.10
低磁場(2T以下)では RO104 が、ご差が
0.00
-0.10
カタログ値どおり一番悪かった。
どの温度計も磁場の影響により抵抗値が変化
していると思われる。
低磁場(2T以下)での温度測定には RO104
が一番適している。また、測定範囲が273
ΔT(K)
無く成績が良かった。2T以上では RO104
と CGR は同程度の誤差となった。RO600 は
表6 測定結果のまとめ
-0.20
-0.30
-0.40
CGR(Icスタンド)
CGR(13Tマグネット)
Cernox
RO-600D
RO-104D
-0.50
-0.60
-0.70
0
2
Kまであるので低磁場、広範囲の温度測定に
4
6
8
磁場(T)
10
12
14
使用出来そうである。
表
表7 目標測定精度(±0.05K)を満足する磁場範囲
温度計名称
満足する磁場範囲
CGR温度計
∼ 3T 以下
CERNOX温度計(CX−1070)
∼ 8T 以下
酸化ルテニウム温度計(RO−600)
1T 以下
酸化ルテニウム温度計(RO−104)
∼ 5T 以下
表8 測定結果からの比較
温度計名称
特徴
CGR温度計
中程度
CERNOX温度計(CX−1070)
高磁場測定に最も適している
4K∼325Kと広範囲な測定に適している
酸化ルテニウム温度計(RO−600)
我々の使用に適していない
酸化ルテニウム温度計(RO−104)
2T以下の測定に最も適している
1.5K∼273Kと広範囲な測定に適している
注1)RO104は高抵抗(200kΩat4.2K)な為、入力インピーダンスの高いアンプが必要。
今回は入力インピーダンス1TΩの試作アンプを使用した。
注2)RO104は高抵抗(200kΩat4.2K)な為、被測定体や測定雰囲気によっては発熱も問題となる。
注3)酸化ルテニウム温度計(RO-104)は液体窒素温度域での磁場影響が少ない。
(カタログ記載)
注4)酸化ルテニウム温度計(RO-600)は4K以下(数mK)領域での磁場影響が少ない。
(カタログ記載)
4 今後
CGR温度計についてIcテストスタントと13Tマグネット試験時との違いを調査する。
・素子個体差によるものか?
・印可磁場方向によるものなのか?
高磁場環境で有望なCernox温度計(CX−1070)の素子個体差について調査する。
また、印可磁場方向による影響を調査する。
4.2Kだけで無く、使用環境温度(4∼18K)での磁場影響を調査する。
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