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平成27年度研究報告

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平成27年度研究報告
平成27年度「慶應義塾大学SFC 富士吉田プロジェクト」
富士吉田市の地域活性化に関する調査研究
報告書
平成28年3月
慶應義塾大学SFC研究所
1
目次
Ⅰ.事業概要
P.2
1-1.目的と対象地域
1-2.活動方針と活動体制
1-3.実施内容
Ⅱ.「富士山じかん」の地域連携支援
P.6
2−1.活動方針
2−2−1.富士山じかんカードのリニューアル
2−2−2.富士山じかんアプリコンテンツの追加整備①
2−2−3.富士山じかんアプリコンテンツの追加整備②
2−3−1.富士山じかん利用促進施策 (1)ポスター・POP作成と設置
2−3−2.富士山じかん利用促進施策 (2)富士山登山スタンプラリー広報
2−3−3.富士山じかん利用促進施策 (3)富士山登山スタンプラリー実施体制整備
2−4−1.貯金箱プロジェクト概要
2−4−2.貯金箱プロジェクト運用方法
2−4−3.貯金箱プロジェクト 参加店舗一覧
2−4−4.貯金箱プロジェクト 助成先団体(まちのプロジェクト)一覧
2−4−5.貯金箱プロジェクト 活動実績
2−5.
次年度への展開
Ⅲ.富士吉田市の地域活性化の実践モデルの検証と普及に関する調査研究
P.23
3−1.経緯
3−2.ヒアリング調査
3−3.解説リーフレット作成
添付資料:解説リーフレット
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2
Ⅰ.事業概要
平成27年度 富士吉田プロジェクト
3
1-1.目的と対象地域
目的
■富士吉田市の地域活性化に関する調査研究
「現代版・富士講」のコンセプトをもとに、多様な主体による検討の場としての研究会の設置・開催の支援や、基礎調査の実施、実践的試
行の調査研究等を行ってきた。これまでの研究をもとに、富士吉田市の歴史文化・自然資源・水・食・農産物などの地域資源を活かした活
性化方策の検討および課題解決に向けた実証実験や実践的な活動に取り組み、富士吉田市地域における新たな価値共創の具体化を図る
対象地域
■ 富士吉田市
富士吉田市は、山梨県の南東部、日本一の標高3,776メートルと美しさを誇る富士山
の北麓に位置し、海抜750メートルの市街地を形成する高原都市です。 古くから、
富士山信仰の町として栄え、御師文化の面影が今も残されています。 また、明治以
降、織物が近代産業として脚光を浴びて以来、政治・経済・文化の面で富士北麓の中
核都市としての役割を果たしてきました。
・人口:
男性 24,809人 女性 25,617人 計50,426人 ※平成28年2月1日現在
○年少人口(0~14歳) 割合: 12.3 %
○生産年齢人口(15~64歳) 割合: 61.1%
○老年人口(65歳以上) 割合:26.6%
・産業:
○第1次産業15歳以上就業者数(割合) :
266人(1.0%)
○第2次産業15歳以上就業者数(割合) : 9,167人(36.7%)
○第3次産業15歳以上就業者数(割合) :15,273人(61.1%) ※平成22年国勢調査
<富士吉田市ホームページより抜粋>
<富士吉田市ホームページより抜粋>
平成27年度 富士吉田プロジェクト
4
1-2.活動方針と活動体制
活動方針
平成23年度の調査事業で提案された「現代版・富士講」のコンセプトのもとに行ってきた、多様な
主体が参加をする協議会や研究会の設置や開催の支援、様々なプロジェクトにおける連携支援、また
、富士吉田市の地下水水質や年代調査研究等を踏まえ、富士吉田地域の価値や認知向上・ブランディ
ングに関する調査研究、富士吉田市と慶應義塾大学の連携をもとに推進して来た富士吉田市の地域活
性化の実践モデルの検証と普及等に関する調査研究等に取り組む。
活動体制
全体統括
玉村雅敏
(慶應義塾大学総合政策学部教授)
スタッフ
齊藤智彦 (慶應義塾大学SFC研究所所員)
齋藤萌
(慶應義塾大学SFC研究所所員)
斎藤和真 (慶應義塾大学SFC研究所上席所員)
西塔大海 (慶應義塾大学玉村研究室研究員)
田中佳代子(慶應義塾大学SFC研究所所員)
菅井奈美 (慶應義塾大学玉村研究室)
平成27年度 富士吉田プロジェクト
5
1−3.実施内容
実施内容
◇「富士山じかん」の地域連携支援
場づくりマーケティングコンソーシアムが開発するアプリケーション「富士山じか
ん」の富士吉田地区情報のコンテンツの追加整備及び、富士吉田市の地域団体が行う
社会実験の支援。
◇富士吉田市の地域活性化の実践モデルの検証と普及に関する調査研究
富士吉田市の地域活性化のために、富士吉田市と慶應義塾大学の連携をもとに推進し
て来た地域活性化の実践モデルを検証し、そのモデルの普及を推進するために、富士
吉田での実践や特性に相応しいアプローチでの情報発信活動を推進。
平成27年度 富士吉田プロジェクト
6
Ⅱ.「富士山じかん」の地域連携支援
平成27年度 富士吉田プロジェクト
7
2−1.活動方針
◇ 昨年度の調査研究からの示唆
昨年度、吉田じかんカード・富士山じかんカードの実践と、富士山じかんアプリのコンテンツ
収集を行なった。実際の運用方法や利用される様子を観察し、下記三つの検討課題が挙がった。
(1)富士山じかんアプリのコンテンツを充実させ利便性を図ること
(2)富士山じかん各ツールの更なる利活用を促進すること
(3)市民財団との連携による市民活動支援の取組を進めること
◇ 活動方針
検討課題に基づいて、「富士吉田の魅力発信に関する事業」や、地域おこし協力隊、富士吉田
みんなの貯金箱財団などの活動と連携し、下記の実践活動に取り組む。
・富士山じかんカードと富士山じかんアプリのリニューアル・コンテンツの追加整備
・市民や観光客の利用促進に向けた広報活動(イベントの企画・実施・広報媒体作成等)
・富士山じかんツール掲載事業者との協働による市民活動支援の取り組み「貯金箱プロジェク
ト」の実施
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−2−1.富士山じかんカードのリニューアル
8
◇実施内容
2014年5月より配布している富士山じかんカードのデザイ
ンをリニューアルし、アプリのデザインとの共通性を高める
とともに、各スポット写真をより印象的に訴えるビジュアル
とすることを目指した。
[実施時期]:2015年4月
[種
類]:57
-景観・まち歩き:26
-買い物・体験 :8
-食事・食べ歩き:23
(内、2015年度新規掲載10件)
[枚
数]:1000枚(2015年10月時点)
[形
態]:名刺サイズ(55mm×91mm)両面カラー
[設置場所]:道の駅富士吉田観光案内所
富士吉田市観光案内所(富士山駅バス停前)
富士吉田市立図書館
富士山駅待合室
他、宿泊施設や観光案内所、各掲載店など
平成27年度 富士吉田プロジェクト
9
2−2−2.富士山じかんアプリコンテンツの追加整備①
◇実施内容
大目的
富士山
(英語表
記)
Mt. Fuji
(1)コンテンツの追加整備
アプリのリニューアルの際、各スポットのメインビ
ジュアルとなる写真の追加撮影と整備を行った。
(2)目的の再設定・分類
ユーザーの目的別にスポットを検索する機能について、
スポット数のバランスや利便性の点から再編を行なっ
た。(右・下図参照)
小目的
富士山を眺める
富士山に登る
富士山の水
世界遺産構成資産
自然を楽し
む
Scenery
公園
自然・景観
食べる
Food &
Cafe
カフェ・レストラン
居酒屋
テイクアウト
まちを歩く
Stroll
信仰のまち
レトロなまち
歴史を感じ
る
Culture
神社・仏閣
史跡
休む
Rest
温泉
宿泊
リラクゼーション
買う
Goods
他
織物・雑貨
食べ物・スイーツ
平成27年度 富士吉田プロジェクト
10
2−2−3.富士山じかんアプリコンテンツの追加整備②
富士信仰を辿る上吉田散策コース
金鳥居
旧外川家住宅
(3)「コース」「イベント」の内容検討
アプリのリニューアルの際、おすすめのスポットを巡
る7つのコースの設定(右表)と、2015年度の年間
のイベントスケジュールの掲載を行なった。
北口本宮冨士浅間神社
昭和レトロな下吉田街歩きコース 1
子の神通り
新世界通り
月江寺大門商店街
月江寺池
昭和レトロな下吉田街歩きコース 2
下吉田駅
小室浅間神社
ハモニカ横丁
絹屋町
道の駅周辺のお散歩コース
道の駅富士吉田
ふじさんミュージアム
鐘山の滝
富士散策公園
富士山と信仰の史跡ドライブ
新屋山神社
船津胎内樹型
中の茶屋
湧水のめぐみ探索ドライブ
西町出水湧水
白糸の滝
葭之池温泉
富士山ビュースポットをめぐるドライブ
農村公園
パインズパーク
Q-STA富士山展望台
イベント一覧画面
コース一例
忠霊塔
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−3−1.富士山じかん利用促進施策 (1)ポスター・POP作成と設置
11
◇実施内容
富士山じかんアプリの周知を広め、地域住民や外国人観光客を
含めた人々の利用を促進する目的でポスター・POPを作成した。
各内容としてはビジュアルイメージ、QRコード、ダウンロード
案内等を記載し、カードラック周辺や掲載店に掲示した。
・ポスター
(A2サイズ)
[内容]:画面イメージ/キャッチコピー/QRコード
[場所]:カードラック周辺、カード掲載店、富士吉田市役所等
・POP
(名刺サイズ)
[内容]:アイコン/ダウンロード案内文(英語表記)
[場所]:カードラック上部に取り付け ※QRコード併設
(富士山駅待合室、富士吉田市観光案内所、道の駅富士吉田)
[実施時期]:2015年10月より順次設置
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−3−2.富士山じかん利用促進施策 (2)富士山登山スタンプラリー広報
12
◇実施内容
富士山じかんアプリを活用したイベント「富士山登山スタンプラリー
2015」(場づくりマーケティング・コンソーシアム実施)における
実施体制整備と広報活動を行なった。
[実施時期]:2015年8月1日〜31日
[場
所]:スタンプ…馬返し、六合目安全指導センター、八合目太子館
記念品受取…道の駅富士吉田、富士吉田市観光案内所
◇スタンプラリー広報媒体
・ポスター作成・設置
[形
態]:A2サイズ片面カラー
[部
数]:200部
[設置場所]:富士急行線各駅、道の駅富士吉田、富士吉田市観光案内
所、富士北麓駐車場、登山道内スタンプスポット、アプリ掲載店 他
・フライヤー作成・設置
[形
態]:A4サイズ両面カラー
[部
数]:1500枚
[設置場所]:富士急行線各駅、道の駅富士吉田、富士吉田市観光案内
所、富士北麓駐車場、登山道内スタンプスポット、アプリ掲載店 他
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−3−3.富士山じかん利用促進施策 (3)富士山登山スタンプラリー実施体制整
備
13
◇記念品Tシャツの作成・配布
スタンプラリーをコンプリートしたユーザーを対象に、オリジナルTシャツの配
布(または販売)を行なった。
(1)麓から登山コース
馬返し、六合目安全指導センター、八合目太子館、山頂の4箇所を回ると
コンプリート。麓からバージョンのTシャツをプレゼント。
(2)五合目から登山コース
六合目安全指導センター、八合目太子館、山頂の3箇所を回るとコンプリー
ト。五合目からバージョンのTシャツが500円で購入可。
◇富士山課・ふじよしだ観光振興サービスとの連携
富士吉田市富士山課・ふじよしだ観光振興サービスと連携し、下記の取組を行なった。
・富士山登山認定書との連動
富士山課が発行する富士山登山認定書を受け取った人に、アプリの広報
とともにTシャツを配布した。
・スタンプラリー利用者への特典付与
スタンプラリー期間中、富士山じかんアプリ利用者はふじさんミュージ
アム、富士山レーダードーム館の入館を無料とした。
平成27年度 富士吉田プロジェクト
14
2−4−1.貯金箱プロジェクト概要
◇ 概要
富士山じかんカードに掲載された店舗で買い物をすると、市民団体への寄付ができるプログラム。
支援先は富士吉田みんなの貯金箱財団によって公募が行なわれ、提携団体「まちのプロジェクト
(まちプロ)」として選出された4団体。
貯金箱財団のアイコンであるぶたの貯金箱と、店舗情報や寄付先を記したPOPを目印として店頭
に設置している。
◇ 富士吉田みんなの貯金箱財団とは
富士吉田みんなの貯金箱財団は、「やりたいことができる街の実現」をテーマに2013年
8月に設立された市民財団である。街で生まれる様々な思いやプロジェクトを、市民自らが
行動し実現するサポートを行なっている。
◇ まちのプロジェクト(まちプロ)について
財団は2015年度4月より1年間パートナーシップを持ち、地
域の活力の創出を目指す団体を「まちのプロジェクト(まちプ
ロ)」として公募。提携する団体に対して、活動中に直面する
様々な悩みごとを明らかにし、地域と共に育ち発展するためのマ
ネジメント施策の検討と実践を行なっている。
平成27年度 富士吉田プロジェクト
15
2−4−2.貯金箱プロジェクト運用方法
◇貯金箱プロジェクト運用体制
・富士山じかんカード掲載者からの寄付を財団で集め、まちのプロジェクトへ助成する。
助成
制作費+寄付
貯金箱財団
掲載
店
プロダクト制作
制作担当
まちのプロ
ジェクト
(4団体)
◇貯金箱プロジェクトへの参加方法
・富士山じかんカード掲載店は、助成先となるまちのプロジェクトを選択。
・売上の一部が寄付金となる「寄付商品」(または月々一定の寄付金額)を設定する。
・---・-----・---・----・-----
1.提携団体を
一つ選択
2.寄付商品または
月毎の金額設定
3.店頭の貯金箱や
POPで周知
4.商品売上による寄付
(または月々の定額)を
プロジェクトへ送金
平成27年度 富士吉田プロジェクト
16
2−4−3.貯金箱プロジェクト 参加店舗一覧
◇2015年度貯金箱プロジェクト参加店舗/助成先一覧(32軒)
貯金箱プロジェクトには下記の32軒が参加し、まちのプロジェクトへの寄付金を拠出している。
遠藤商店
全プロジェクトに配分
岡本屋履物店
映画館をつくる会
きっちん だいこん畑
全プロジェクトに配分
鮮笑
映画館をつくる会
望月商店
全プロジェクトに配分
富士町家
映画館をつくる会
道の駅富士吉田
全プロジェクトに配分
ウィークエンドシャッフル
映画館をつくる会
LONGTEMPS
映画館をつくる会
ふじやまビール
全プロジェクトに配分
鍼灸ともや堂
映画館をつくる会
丸新製麺
全プロジェクトに配分
アーヴェント
映画館をつくる会
広瀬商店
全プロジェクトに配分
四川龍都
cocooking
えびすや
全プロジェクトに配分
仙瑞
cocooking
まいさんち
全プロジェクトに配分
YAKINIKU竜ヶ丘
cocooking
鶏焼 やみつき
全プロジェクトに配分
大西肉店
cocooking
湯座
全プロジェクトに配分
炭火やきとり 恵
全プロジェクトに配分
リトルロボット
路地裏の僕たち
手打蕎麦 而今庵
路地裏の僕たち
nid
路地裏の僕たち
東京屋製菓
路地裏の僕たち
やきとり 帳
全プロジェクトに配分
葭之池温泉
全プロジェクトに配分
kai's organic farm
テバタトラベル
牛焼 やみつき
全プロジェクトに配分
ヤマナシハタオリトラベル
テバタトラベル
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−4−4.貯金箱プロジェクト 助成先団体(まちのプロジェクト)一覧
17
◇2015年度まちのプロジェクト(4団体)
2015年度、公募と審査により提携したまちのプロジェクトは下記の4団体である。
[団体名]
富士吉田に映画館を
つくる会
[団体名]
テバタトラベル
[代表]渡辺正樹
[代表]渡辺麗
富士吉田にはかつて何軒も映画館があり、憩いの場と
なっていました。私たちは上映イベントを通じて日常
的に映画文化を楽しむ場をつくること、将来的にはま
ちの映画館を復活させることを目指しています。
富士吉田の伝統産業である織物を次世代に受け継ぐべく、
保育園や幼稚園などへ出張授業で手機による機織りを体験
してもらい、まちの魅力を知ってもらうプロジェクトです。
ハタオリトラベルや織り手の人々の連携により行ないます。
[団体名]
Cocooking
(コークッキング)
[団体名]
路地裏の僕たち
[代表]川越一磨
[代表]渡辺雅人
「一緒に料理すること」を通じて、人と食、そして地
域のつながりをより豊かにする試みです。移住者や学
生と、地域で食育・食の情報発信活動を行なう団体と
の連携体制で様々なイベントを行ないます。
「フジファブリック」のフロントマンであり、若くして亡
くなった志村正彦は富士吉田市の出身。その同級生を中心
としたメンバーが、ファンや市民に彼の生き様や人となり
を伝えていくために、ゆかりの品の展示や街中へのシカケ
作りをしていきます。
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−4−5(1).貯金箱プロジェクト 活動実績「映画館をつくる会」
18
◇映画館をつくる会への助成金額
2015年度寄付額(見込み):¥56,000
◇2015年度活動実績
富士吉田市内の様々な場所で映画を楽しみ、映画について語り合うイベント「シネマ
ミーティング」を開催。軽トラックの荷台を使った出張映画館や、映画と食事を一緒
に楽しむ会など、ユニークな企画を多数行なった。
開催月
イベントタイトル
会場
2015.5
清志郎映画上映会
ハモニカ横丁
2015.6
聖者たちの食卓上映会
正福寺
2015.7
フジファブリックライブ上映会
下吉田第一小
2015.7
シネマカフェ
リトルロボット
2015.8
大野智史アトリエシネマMTG
アトリエ
2015.8
野外シネマ
山中湖きらら
2015.9
紅葉祭りで軽トラシネマ
ふじさんミュージアム
2015.10
シネマツーリズムMTG
逗子シネマアミーゴ
2015.11
シネマ合宿
SARUYA
2016.1
どんど焼きシネマ
子の神通り
2016.2
バレンタインシネマMTG
アーヴェント
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−4−5(2).貯金箱プロジェクト 活動実績「テバタトラベル」
19
◇テバタトラベルへの助成金額
2015年度寄付額(見込み):¥120,000
◇2015年度活動実績
地域の手機織り講師と、繊維業者の協力のもと、富士吉田市立の各保育園にて年長
組児童を対象に手機織り体験教室を開催。また、市内開催の祭りや県外でのイベン
トにも出展し、多くの人に機織り文化を周知する機会となった。
イベント名
会場
保育園年長組対象手機織り体験教室
各市立保育園(270名)
恩賜林祭り
恩賜林後援
富士吉田市制祭
まるさくたなべ
オンジャパンカフェ
原宿
物産展
小瀬スポーツ後援
中小企業祭り
アイメッセ
昭和大学手機織り体験教室
SARUYA
げんき祭りで手機織り体験教室
ハモニカ横丁
福島避難児童向けプログラム
正福寺
富士吉田市役所婚活ツアー
ふじさんミュージアム
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−4−5(3).貯金箱プロジェクト 活動実績「路地裏の僕たち」
20
◇路地裏の僕たちへの助成金額
2015年度寄付額(見込み):¥38,430
◇2015年度活動実績
「路地裏の僕たち」は、富士吉田市出身のアーティスト「フジファブリッ
ク」のボーカル、故・志村正彦氏の生き方や文化をファンや地域住民に伝
える企画を有志で行なっている。
2015年7月には、富士五湖文化センターでのライブ映像を上映するイベ
ントを、志村氏の出身校である下吉田第一小学校で開催した。
当日は、富士吉田市内にとどまらず、山梨県外からも多数のファンが来場。
会場で配布された近隣の地図を見ながらまち歩きを楽しむ来場者の姿も見
られた。
[開催日時]:7月11日(土)10時〜17時(3回上映)
[会
場]:下吉田第一小学校
[内
容]:フジファブリックのライブ映像の上映、
志村正彦氏の写真や遺品の展示、地域の商店の出店
[来場者数]:約1000人
平成27年度 富士吉田プロジェクト
2−4−5(4).貯金箱プロジェクト 活動実績「cocooking」
21
◇cocookingへの助成金額
2015年度寄付額(見込み):¥37,950
◇2015年度活動実績
「一緒に料理すること」を通して、参加者やテーマによって違う学びや体験を得られるプ
ログラムを実施。富士吉田の郷土料理である吉田うどんをテーマにしたものや、婚活イベ
ントや社員研修など様々な場面に応用したイベントを開催した。またプロジェクト代表で
ある川越氏は2015年4月に富士吉田市に移住、12月には株式会社Cocookingを起業し
た。
テーマ
会場
高校生×Cocooking
ひばりが丘高校
外国人向けうどん打ち体験
リトルロボット/ひばりが丘高校/Mt.fuji
hostel マイケルズ/山中湖トーチベアラーズ
かまぼこ×Cocooking
かまぼこハウス
餃子作り×Cocooking
銀座コミュニティスペース
社員研修×Cocooking
リコーフューチャーハウス
保育園児うどん打ち体験
市立第四保育園
婚活イベント×Cocooking
リトルロボット
日本製年会議所×Cocooking
リトルロボット
合宿×Cocooking
山中湖宿舎
平成27年度 富士吉田プロジェクト
22
2−5.次年度への展開
◇今年度の成果
・スタンプラリーによるまちなか周遊促進の取組、市民活動支援への展開など
富士山じかん各ツールの多様な活用策が見出せた。
・イベント等を通じて、富士山観光に関わる事業者(山小屋・行政機関等)、交通機
関、まちなかの事業者、市民活動団体といった多様な主体が関わる契機を創出できた。
◇課題・次年度への展開
・地域の観光の担い手である宿泊施設や交通機関、掲載店を中心とした事業者など、
地域住民が積極的・継続的に運用に携わる体制の整備が必要である。
・富士吉田市、富士五湖地域の観光振興施策の重要なツールの一つに位置づけ、
行政や観光事業者(富士山課、ふじよしだ観光振興サービス等)が主導しながら
運用していくという方向性が考えられる。
運用体制(案)
技術支援等
運営
事業者管理
店舗情報操作
慶應義塾大学
等
富士吉田市
ふじよしだ観光
振興サービス
掲載事業者
(富士山課等)
平成27年度 富士吉田プロジェクト
23
Ⅲ.富士吉田市の地域活性化の実践モデルの検証と普及に関する調査研究
平成27年度 富士吉田プロジェクト
24
3−1.経緯
◇これまでの流れ
平成22年度から市内の地域活性化に向けた実践モデルの研究を行ってきた。平成24年度には
「『現代版・冨士講』モデルに基づく都市と富士吉田市の新たな関係作りに関する調査研究」を
行い、食を通じた地域ブランディングの実践や、市民財団の設立、地域おこし協力隊の導入など
を提案。
平成25年以降は、同研究の研究スタッフらが富士吉田市に移住し、市民財団「富士吉田みんな
の貯金箱財団」を立ち上げ、実践活動をスタートさせた。さらに、3名の慶應義塾大学の大学生
が地域おこし協力隊として着任し、地域ブランディング等の地域活性化に取り組んできた。
本年度、「富士吉田みんな
の貯金箱財団」は設立から
3年が経過する。
また、第1期の富士吉田市
地域おこし協力隊 (H25年度
着任の2名) が、3年の任期
を終了する。
『現代版・冨士講』モデルに基づく都市と富士吉田市の
新たな関係作りに関する調査研究」より
平成27年度 富士吉田プロジェクト
25
3−2−1.ヒアリング調査
◇目的
本調査の目的は、『現代版・冨士講』のモデルにもとづく「富士吉田みんなの貯金箱財団」の事
業概要と、地域おこし協力隊の3年間の活動 ( 地域ブランディング、空き家活用、市民活動支援
等) を中心として、富士吉田市の地域活性化実践モデルをまとめることである。
さらには、この実践モデルの普及させるため、解説リーフレットを作成し情報発信を推進してい
くことである。
◇実施内容
(1) 富士吉田市と慶應義塾大学の連携活動や
地域活性化の実践モデルに関する
ヒアリング等による調査を行うこと
(2) ⑴の結果を「解説リーフレット」としてまとめる
平成27年度 富士吉田プロジェクト
26
3−2−2.ヒアリング調査
◇ 対象
①富士吉田みんなの貯金箱財団
代表理事 齊藤智彦氏
②富士吉田地域おこし協力隊
赤松智志氏、齋藤萌氏、斎藤和真氏
③富士吉田市役所 まちづくり課
水越欣一氏、渡辺英之氏、荒井慶悟氏
◇ 質問項目
各プロジェクトの経緯、目的、運営、予算、実施概要
◇スケジュール
平成27年 10月18日(日)~10月20日(火)
11月18日(水)~11月19日(木)
11月27日(金)~11月29日(日)
12月11日(金)、12月30日(水)
3日間
2日間
3日間
2日間
平成28年 1月25日(月)
2月1日(月)~2月3日(水)
3月10日(木)~3月12日(土)
1日間
3日間
3日間
→以上のヒアリング調査をもとに解説リーフレットを作成
平成27年度 富士吉田プロジェクト
27
3−3−1.解説リーフレット作成
◇ 対象者/読者想定
まちづくりに取組む自治体職員、大学関係者、NPO団体、地域おこし協力隊及び受け入れ団体
→富士吉田市の取組みが新たな実践モデルとして普及していくことを目指す
◇ 制作・編集方針
①実践向け
読者がすぐに参考できるよう、
実践者向けのTips(ヒント)を多く盛り込む
②具体性
プロジェクトの予算やスケジュール、
ステークホルダーなど具体的な内容とする
③見やすさ
多くの方に手に取ってもらえるよう、
見やすい構成とビジュアルデザイン
平成27年度 富士吉田プロジェクト
28
3−3−2.解説リーフレット作成
◇タイトル
『 山梨県富士吉田プロジェクト 地域活性化の実践モデル Tips集』
〜大学と行政の連携にもとづく新たなまちづくりの方法
まちづくり会社「富士吉田みんなの貯金箱財団」と『地域おこし協力隊』の活動〜
◇目次
1. 富士吉田プロジェクトの概要 〜慶應義塾大学と富士吉田市の連携にもとづく地域活性実践モデル〜
1.1
富士吉田プロジェクトメンバー
1.2
プロジェクトの歩み
1.3
事業一覧(富士吉田みんなの貯金箱財団と地域おこし協力隊)
……2
……3
……4
2. 富士吉田みんなの貯金箱財団」▶ 齊藤智彦
2.1
廃屋スナック街再生『新世界通り復活プロジェクト』
2.2
地域デザインコンペティション
2.3
クリエーター誘致活動
2.4
ふじよしだ未来キャンプ
2.5
外国人ガイド育成
2.6
定住促進事業
……5
……6
……9
……12
……14
……16
……18
3. 地域おこし協力隊
3.1
地域ブランディング▶ 齋藤萌 〜スタディツアーの提言を地域おこし協力隊となり実現〜
3.1.1
『吉田ごはんプロジェクト』
3.1.2
『富士山じかんアプリ』
……20
……21
……23
3.2
3.2.1
3.2.2
3.2.3
空き家活用▶ 赤松智志
〜空き家改修の経験からゲストハウスをオープン〜
空き家活用プロジェクト『アキナイ』
6軒長屋の再生『ハモニカ横丁』
ゲストハウス『SARUYA』
……25
……26
……28
3.3
3.3.1
3.3.2
市民活動支援▶ 斎藤和真 〜やりたいことができるまちにしたい〜
『まちプロ』
事例紹介[ 富士吉田に映画館をつくる会、路地裏の僕たち、テバタトラベル、Cocooking ]
……30
……31
平成27年度 富士吉田プロジェクト
3−3−3.解説リーフレット作成
29
◇ 第1章「富士吉田みんなの貯金箱財団」
「地域おこし協力隊」の概要
1.1 富士吉田プロジェクトの主要メンバーの解説
富士吉田市、慶應義塾大学、財団の関係図 (右上)
1.2 プロジェクトの変遷を解説する年表 (左下)
1.3 市民財団と協力隊の多様な活動をカテゴリーごと
に整理し、新たに事業一覧を作成 (右下)
平成27年度 富士吉田プロジェクト
30
3−3−4.解説リーフレット作成
◇ 第2章「富士吉田みんなの貯金箱財団」
2.1 「新世界通り復活プロジェクト」
街の誇りを取り戻すことを目的とした下吉田
地区の廃屋スナック街10店舗の再開発
2.2 「地域デザインコンペティション」
地域に新しい仲間を増やすための方法として
行われたプロダクトや建築のコンペティション
2.3 「クリエーター誘致活動」
芸術祭やアーティストインレジデンスを通して
「やりたいことができる街づくり」を目指す
2.4 「ふじよしだ未来キャンプ」
20年後の未来を自分の言葉で語れる人を増やす
ための場づくり
2.5 「外国人ガイド育成」
外国人留学生による観光ツアー開発の試行
2.6 「定住促進事業」
移住者を受け入れる土壌をつくる取組み
以上、6事業を中心として、事業内容と実施後の検証
及び今後の展望をまとめた。
〈一般財団法人 富士吉田みんなの貯金箱財団〉
代表理事 齊藤智彦
設立
2013 年8 月8 日
基本財産 300 万円
スタッフ数 15 名(2016 年3月現在)
所在地
山梨県富士吉田市富士見1-1-5
平成27年度 富士吉田プロジェクト
3−3−5.解説リーフレット作成
31
◇ 第3章「地域おこし協力隊」
3.1
3.1.1
3.1.2
「地域ブランディング」 (実施担当:齋藤萌)
『吉田ごはんプロジェクト』
『富士山じかんアプリ』
3.2
3.2.1
3.2.2
3.2.3
空き家活用
(実施担当:赤松智志)
空き家活用プロジェクト『アキナイ』
6軒長屋の再生『ハモニカ横丁』
ゲストハウス『SARUYA』
3.3
3.3.1
3.3.2
市民活動支援
(実施担当:斎藤和真)
『まちプロ』
事例紹介 [映画館をつくる会,路地裏の僕たち
テバタトラベル、Cocooking ]
・ 3名の富士吉田市地域おこし協力隊の活動を、それぞれの
テーマごとに整理し、活動実施後の検証と今後の展望を
まとめた。
以上、解説リーフレット(全35ページ)を別途添付いたします
平成27年度 富士吉田プロジェクト
平成27年度 山梨県富士吉田市
「富士吉田市の地域活性化に関する調査研究」
報告書
平成28年3月
慶應義塾大学SFC研究所
〒252- 0882 神奈川県藤沢市遠藤5322
E-Mail: [email protected]
(全体責任者:玉村雅敏)
※本書の全部または一部の複写・複製・転訳載及び電子媒体への無断入力を禁じます。
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