Comments
Description
Transcript
ISDN回線の申し込みと設置
付 録 D ISDN回線の申し込みと設置 この付録では、ISDN (Integrated Services Digital Network) BRI (Basic Rate Interface) WANイン タフェース・カードが搭載されたCisco 1700ルータを使用する場合にISDN BRIをどのように 申し込み、設定したらよいかについて説明します。 この章の具体的な内容は次のとおりです。 ● ISDN BRI回線の設定要件 ● ISDN BRIスイッチ・タイプ ● スイッチ・タイプ別のISDN BRIサービス内容 ● ISDNサービス・プロファイル番号の定義 ● ISDNの設定オプション ISDN BRI回線の設定要件 ISDN BRI WANインタフェース・カードが搭載されたCisco 1700ルータを使用する場合は、あ らかじめ当該地域の電気通信サービス・プロバイダに正しく設定されたISDN BRI回線を申し 込む必要があります。 回線の設定は、プロバイダによっても、また国内利用か国際利用かによっても大きく異なり ます。ただし、一般的なガイドラインとして役立つ事項がいくつかありますので、これらを 以下に記載します。 ● 1つの番号で呼び出されるチャネルを2本申し込みます。 ● 発信番号識別を申し込みます。発信番号識別は、発信者番号識別または発信者番号自動 識別(ANI)と呼ばれることもあります。 ISDN回線の申し込みと設置 D-1 ISDN BRIスイッチ・タイプ ● ISDN BRI回線に接続される装置がこのルータだけの場合は、ポイントツーポイント・サー ビスとデータのみの回線を申し込みます。 ● ISDN BRI回線に他のISDN装置(ISDN電話など)も接続する場合は、ポイントツーマルチポ イント・サービスと音声およびデータの回線を申し込みます。 ISDN BRIスイッチ・タイプ ISDN BRIはさまざまなサービス・プロバイダのスイッチをサポートしています。表D-1に、Cisco 1700ルータのISDN BRIインタフェースでサポートされているISDNスイッチ・タイプを地域別にリ ストします。isdn switch-typeコマンドの後ろに対応するキーワードを入力してください。変更を 有効にするためには、このコマンドを入力した後に、ルータを再起動する必要があります。 表D-1 ISDN BRIスイッチ・タイプ スイッチ・タイプ キーワード オーストラリア TS013スイッチ basic-ts013 ヨーロッパ German 1TR6スイッチ basic-1tr6 Norway NET3スイッチ(フェーズ1) basic-nwnet3 NET3 ISDNスイッチ(UKなど) basic-net3 VN2 ISDNスイッチ vn2 VN3 ISDNスイッチ vn3 日本 NTTスイッチ ntt 北アメリカ Basic 5ESSスイッチ basic-5ess NT DMS-100および5ESSカスタム・スイッチ basic-dms100 National ISDN-1(NI1)スイッチ basic-ni ニュージーランド Net3スイッチ D-2 basic-nznet3 Cisco 1700ルータ・ハードウェア・インストレーション・ガイド スイッチ・タイプ別のISDN BRIサービス内容 スイッチ・タイプ別のISDN BRIサービス内容 ISDN BRI回線では、ISDN BRIサービス・プロバイダによって、さまざまなタイプのサービス が設定(提供)されています。したがって、ISDN回線を申し込む場合は、ここで説明するような サービス内容を指定する必要があります。 表D-2に、このルータで使用する場合に申し込む必要のあるサービス内容をスイッチ・タイプ 別にリストします。 表D-2 スイッチ・タイプ別のISDNサービス内容 スイッチ・タイプ サービス内容 5ESS Custom BRI データのみの場合 データ用のBチャネル×2 ポイントツーポイント 端末タイプ=E サービス・プロバイダによって指定される電話番号(Directory Number:DN)×1 MTERM=1 セントレックス(Centrex)線上での発信番号のリクエスト・デリバリ 市内交換局の外側でのISDNコールの速度を56 kbpsに設定 5ESS Custom BRI 音声およびデータ (以下の値を使用するのは、ISDNの電話接続がある場合のみ) 音声またはデータ用にBチャネル×2 マルチポイント 端末タイプ=D サービス・プロバイダによって指定される電話番号(Directory Number:DN)×2 サービス・プロバイダが必要とし、指定するサービス・プロファイル番号(SPID)×2 MTERM=2 コール・アピアランスの数=1 表示=No リンギング/アイドル・コール・アピアランス=アイドル 自動保留=no ワンタッチ=no セントリックス(Centrex)線上での発信番号のリクエスト・デリバリ 市内交換局の外側でのISDNコールの速度を56 kbpsに設定 電話番号1による電話番号2へのハンティングが可能 ISDN回線の申し込みと設置 D-3 ISDNサービス・プロファイル番号の定義 スイッチ・タイプ サービス内容 5ESS National 端末タイプ=A 音声およびデータ用にBチャネル×2 サービス・プロバイダによって指定される電話番号(Directory Number:DN)×2 サービス・プロバイダが必要とし、指定するサービス・プロファイル番号(SPID)×2 市内交換局の外側でのISDNコールの速度を56 kbpsに設定 電話番号1による電話番号2へのハンティングが可能 ISDN (NI1) BRI DMS-100 BRI 音声またはデータ用にBチャネル×2 サービス・プロバイダによって指定される電話番号(Directory Number:DN)×2 サービス・プロバイダが必要とし、指定するサービス・プロファイル番号(SPID)×2 機能信号 端末エンドポイント識別番号(Terminal Endpoint Identifier:TEI)の動的な割り当て 最大キー数=64 リリース・キー=no、またはキー数=no リンギング・インジケータ=no EKTS=no PVC=2 セントリックス(Centrex)線上での発信番号のリクエスト・デリバリ 市内交換局の外側でのISDNコールの速度を56 kbpsに設定 電話番号1による電話番号2へのハンティングが可能 ISDNサービス・プロファイル番号の定義 ISDNサービス・プロバイダ(通常は電話会社)はさまざまなサービスを提供している可能性があ ります。電話会社が標準電話サービスの識別に電話番号を使用するのと同様に、多くのプロ バイダはISDNサービスを使用する装置を識別するためにサービス・プロファイル番号(SPID) を使用します。このようなサービス・プロバイダを利用する場合、加入者が最初にサービス に加入したときに、プロバイダはその加入者のISDN装置に1つ以上のSPIDを指定します。プ ロバイダによって番号の付け方はさまざまですが、通常、SPIDは7桁の電話番号にいくつかの 任意選択の番号を加えたものとなっています。 さらに、プロバイダは加入者の装置に1つまたは2つの市内電話番号(LDN)も指定します。こ のLDNは、ルータの電話番号であり、リモート・ルータからこのルータに接続しようとする 際には、この番号をダイヤルすることになります。 D-4 Cisco 1700ルータ・ハードウェア・インストレーション・ガイド ISDNの設定オプション (注) SPIDが重要なのは、ローカル・アクセスISDNインタフェースの場合だけです。サービ ス・プロバイダは、ISDNを使用する各ルータにSPIDを指定しなければなりません(そのサービ ス・プロバイダがSPDを使用している場合)。 ルータがサービス・プロバイダの局のISDNスイッチに接続する場合、ルータはスイッチに SPIDを送信します。したがって、ルータに正しいSPIDが設定されていないと、コールを送受信 することはできません。次のようにisdn spidコマンドを使用して、両方のISDN BRI Bチャネ ル用のSPIDとLDNをルータに定義してください。 Router(config-if)# isdn spid1 spid-number [ldn] Router(config-if)# isdn spid2 spid-number [ldn] (注) 通常、LDNは任意選択ですが、ルータが第2の電話番号に対するコールに応答するよ うにするためには、LDNの指定が必要となる場合もあります。 ISDNの設定オプション 中央サイトのルータにISDNを通じてダイヤルするようにCisco 1700ルータを設定する方法に ついては、購入されたルータに添付されている『Cisco 1700 Router Software Configuration Guide』を参照してください。 Cisco 1700ル ー タ に 対 す る 上 級 の ISDN設 定 に つ い て は 、 購 入 さ れ た ル ー タ 付 属 の Documentation CD-ROMに収められている『Dial Solutions Configuration Guide』の「Configuring ISDN」を参照してください。この資料には、次のような内容が解説されています。 スナップショット・ルーティング ルータのISDNインタフェースにスナップショット・ルーティングを設定することもできます。 スナップショット・ルーティング中、ルータはISDNを起動し、リモート・ルートを動的に学 習してから、ISDN回線の接続を終了するように設定されます。ルータは、たとえISDN回線 のダウン中にルーティング更新が交換されなくても、学習したルートを指定時間だけ保管しま す。スナップショット・ルーティングに関する詳細は、『Wide-Area Networking Configuration Guide』の「Configuring ISDN」を参照してください。 ISDN回線の申し込みと設置 D-5 ISDNの設定オプション ダイヤルオンデマンド・ルーティング ISDNインタフェースでコールを送信するためには、ダイヤルオンデマンド・ルーティング (DDR)を設定する必要があります。DDRの詳細は、『Wide-Area Networking Configuration Guide』の「Configuring DDR」を参照してください。 帯域幅オンデマンドおよびダイヤル・バックアップ 帯域幅オンデマンドおよびダイヤル・バックアップの詳細は、 『Wide-Area Networking Configuration Guide』の「Configuring DDR」を参照してください。 D-6 Cisco 1700ルータ・ハードウェア・インストレーション・ガイド