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暦について - 金沢学院大学

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暦について - 金沢学院大学
暦の話
自然科学概論の補足資料
2016年10月10日
金沢学院大学経営情報学部
藤本祥二
恒星日と太陽日
• 日周運動
• 太陽日
• 普段使ってる一日
• 太陽が南中してから次
に南中するまでの時間
• 約361°自転する時間
• 24時間
• 恒星日
• 恒星(星座)が南中して
から次に南中するまでの
時間
• 360°自転する時間
• 約23時間56分
= 約1°
画像元:恒星時について - 国立天文台暦計算室
地球の公転(1日に約1°)
360°
1°
≒
365日 1日
恒星日は4分ずれる
361°
15°
1°
≒
=
24時間 1時間 4分
地軸の傾きと季節
• 地球の自転軸が公転軸に対し
て傾いてる
• 公転の位置関係で太陽光線
が入射する角度が変わる
• 季節が変わる(垂直なほど暑い)
画像元:天体(2) Hello School 中学理科(ハロ理科) No.23
黄道12宮と季節
黄道は天球での太陽の通り道
画像元:黄道十二星座
•
•
•
•
•
昔は地球中心の天球という考え方で宇宙を考えていた
恒星(星座)は天球に張り付いていて、太陽や月、惑星は星座の中をさまよう
誕生月の星座は昼間の地球から見て太陽の裏側にある星座
太陽がまぶしすぎて邪魔になるので、誕生月には誕生月の星座は見えない
地球を中心にみると太陽の位置は1日に約1°黄道十二宮を移動する
長周期の変動
• 地球の公転軌道は正確に
は太陽を焦点とする楕円軌
道(円軌道ではない)
• 2万6千年周期の歳差運動
(地軸の向きが現在の北極
星の向きから変わる運動)
で春分点が移動する
• 木星の重量の影響等のた
め約11万年周期で近日点
が移動する
• 短い年代ではそれほど大き
く季節に影響はないが,数
千年規模の長い年月を考
えるときは長周期の変動も
必要になる
画像元:暦Wiki/近日点の移動 - 国立天文台暦計算室
朔望月と恒星月
• 朔望月
•
•
•
•
普段使ってる一月
朔(さく)新月のこと
望(ぼう)満月のこと
朔から朔への周期
• 恒星月
• 月が地球を公転する時間
• 恒星(星座)を基準に測る
画像元:三日月朔望月と恒星月
黄道と白道
• 黄道(ecliptic)
地球中心に見た天球(星座)
上に描かれる太陽軌道
• 白道(moon’s path)
地球中心に見た天球(星座)
上に描かれる月軌道
• 黄道と白道の交点で
日食(eclipse)
月食(lunar eclipse)
が起こる
• eclipse の語源
εκλειπσισ ギリシャ語
ékleipsis ラテン語
「力を失う」の意味
太陽中心視点
画像元:Kameno's Digital Photo Log: サロス周期と今月の天文現象
地球中心視点
画像元:星のささやき ~ 月夜のダイアリー ~ 日蝕クイズ第二弾の答えあわせ<5>
月の周期は複雑
• 太陽の重力と地球の重力
の両方の影響が大きいの
で月の運動は複雑
• 楕円運動の近地点方向の
ずれの影響が大きい
• 朔望月
• 29.3日~29.8日で変化
• 平均朔望月
29.53日
画像元:暦Wiki/月の満ち欠け/周期の変動 - 国立天文台暦計算室
近地点方向のずれ
暦について
• 太陽年と朔望月,どう折り合いをつけるか
• 平均太陽年
365日5時間48分45秒 ≒ 365.2422日
• 平均朔望月
29日12時間44分02秒 ≒ 29.530589日
• 平均朔望月の12倍
354.367068日 ⋯ 平均太陽年に約11日足りない
• 大きく分けて3種類
• 太陰暦,太陰太陽暦,太陽暦
太陰暦,太陰太陽暦,太陽暦
• 太陰暦(イスラム歴)
•
•
•
•
朔望月は実際に月を観測して決める(29日か30日)
1年は354日か355日
季節がずれてもかまわない(農耕民には不便)
36年で1歳年を多くとってしまう
• 太陽暦(古代エジプト,帝政以降のローマ,西暦)
• 閏年(うるうどし)をもうけて季節がずれないように帳尻を
あわせる
• 太陰太陽暦(古代ギリシャ,近代以前の中国や日本)
• 基本的には太陰暦(月の形を見れば日にちが分かる)
• 何年かに一度,閏月を入れて1年を13カ月にして調整
ロムルス歴(古代ローマ)
• 紀元前8世紀頃,ロムルスがローマを建国した時の暦
ラテン語
読み
日数 月名の由来
1月
Martius
マルティウス
31
軍神マルスの月
2月
Aprilis
アプリーリス
30
美の女神アフロディテの月
3月
Maius
マーイウス
31
豊穣の女神マイアの月
4月
Junius
ユーニウス
30
結婚生活の女神ユーノーの月
5月
Quintilis
クィーンティーリス
31
5番目の月
6月
Sextilis
セクスティーリス
30
6番目の月
7月
September
セプテンベル
30
7番目の月
8月
October
オクトーベル
31
8番目の月
9月
November
ノウェンベル
30
9番目の月
10月
December
デケンベル
30
10番目の月
11月
なし
全304日
12月
なし
王様の宣言で次の1月が始まる
ヌマ歴(古代ローマ)
• 紀元前8世紀頃,ロムルスの後継者ヌマが改定
(改定月)
ラテン語
1月(3)
Martius
2月(4)
Aprilis
3月(5)
読み(備考)
日数 全355日
31
小の月は29日に
29
紀元前4世紀頃に改定
Maius
31
2年ごとに,22日と23日の閏月を
4月(6)
Junius
29
12月の中に挿入
5月(7)
Quintilis
31
4年に45日加えることに相当
6月(8)
Sextilis
29
改定マヌ歴
7月(9)
September
29
8月(10)
October
31
9月(11)
November
紀元前153年
10月(12)
December
11月を1月に改定 29
11月(1)
Januarius
ヤヌアリウス
29
ローマの門神ヤヌス
12月(2)
Februarius
フェブルアリウス
28
贖罪の神
29
355 × 4 + 45 = 1465日
4太陽年
365.25 × 4 = 1461日
4年で4日ずれる
ユリウス歴
ラテン語
日数
大小月
1月
Januarius
31
大
2月
Februarius
29(30)
小
3月
Martius
31
大
4月
Aprilis
30
小
5月
Maius
31
大
6月
Junius
30
小
7月
Julius
31
大
8月
Sextilis
30
小
9月
September 31
大
10月 October
30
小
11月 November
31
大
12月 December
30
小
ユリウス・カエサルの改定
(紀元前45年)
• 太陰暦から太陽暦に
(エジプトの暦を参考)
• 大(31日)小(30日)月の並
びが分かりやすい
• 閏年を4年に1度入れる
(2月を1日増やす)
• ユリウス歴で4年
365 × 4 + 1 = 1461日
• 4太陽年
365.25 × 4 = 1461日
• 7月「Quintilis」は「Julius」と
呼ばれるようになった
ユリウス歴の改定
ラテン語
英語
日数
大小
1月
Januarius
January
31
大
2月
Februarius
February
28(29)
小
3月
Martius
March
31
大
4月
Aprilis
April
30
小
5月
Maius
May
31
大
6月
Junius
June
30
小
7月
Julius
July
31
大
8月
Augustus
August
31
大
9月
September
September
30
小
10月 October
October
31
大
11月 November
November
30
小
12月 December
December
31
大
アウグストゥスの改定
(紀元前6年)
• カエサルの死後,4年に
1度の閏年が,間違いで
3年に1度入れられてた
• 10日ほどずれたので閏
年を一端停止して調整
• 調整後,再び4年に1度
に戻した
• 8月「Sextilis」は
「Augustus」と呼ばれる
ようになった
• 8月以降の大(31日)小
(30日)の並びを反対に.
2月を1日減らす
• この暦はその後1500年
ほど続く
グレゴリオ暦(現在の西暦)
• ローマ教皇グレゴリウス十三世の改定(1582)
• ユリウス歴は1年を365.25日とする近似だった
• 4年に1回の閏年,400年に100回の閏年
ユリウス歴の平均一年
1
365 + = 365.25日
4
• 平均太陽年は365.2422…日
• 1600年ほど経って春分の日が10日ほどずれてしまった
• キリスト教にとっては復活祭の日取りに関係する大問題
• 閏年の入れ方を改定
西暦年が4で割り切れる年を閏年とする
ただし西暦年が100で割り切れても,400で割り切れない年は平年
とする(400年に3回閏年をやめる)
グレゴリオ歴の平均一年
1
3
• 要は400年に97回閏年を入れるということ
365 + −
= 365.2425日
4 400
1.
2.
• グレゴリオ暦で400年
365 × 303 + 366 × 97 = 146097日
• 400太陽年
365.2422 × 400 = 146096.9日
400年で0.1日
4000年で1日程のずれ
• ユリウス歴の1582年10月4日(木曜日)の次の日を
グレゴリオ暦の1582年10月15日(金曜日)とした
キリスト紀元について
• キリスト教はローマ帝国に迫害されていた
• 西暦392年,キリスト教がローマ帝国の国教になる
• ディオクレティアヌス紀元
• 4世紀頃のキリスト教徒が使っていた紀元
• キリスト教徒を迫害していたディオクレティアヌス帝が即
位した年(西暦284年)を元年とする
• 殉教者が大量に出たたことを記念していた
• 現在でもエジプトのコプト教徒が使っている
• キリスト紀元(現在の西暦)
• 西暦525年,神学者ディオニュシウスが提唱
• 迫害者の皇帝の名前が残ることはやめて,キリストの誕
生年を元年とする
曜日について
• 一週間を7日にしたのは古代バビロニアが起源
• 月の朔望周期29.5を大体で4等分したという説
• ギリシャ文化のエジプト占星術(紀元前1世紀頃)
曜日に惑星の名前を当てた
• 1日を24に分けて各時間を支配する守護星が
土星,木星,火星,太陽,金星,水星,月
の順(当時考えられてた地球から遠い順)とした.
(次のページ参考)
• 古代ローマは(A,B,C,D,E,F,G,H)の八曜だった
• 数え始めの文字を2回使う9日周期
• 西暦1世紀ごろからキリスト教の影響で少しずつ7曜に変
わっていった
(当時考えられてた)地球から遠い順,♄(土星),♃(木星),♂(火星),☉(太陽),♀(金星),☿(水星),☽(月)
昼と夜を12等分,地球から遠い順にその時間の守護星とする
夜の第1時間の守護星
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1日目昼
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
1日目夜
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
2日目昼
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
2日目夜
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
3日目昼
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
3日目夜
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
4日目昼
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
4日目夜
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
5日目昼
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
5日目夜
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
6日目昼
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
6日目夜
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
7日目昼
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
7日目夜
♂
☉
♀
☿
☽
♄
♃
♂
☉
♀
☿
☽
その日の第1時間の守護星を並べると,土,日,月,火,水,木,金,の順になる
24 = 3 × 7 + 3
24時間で
3周回って3進む
太陽
火星
金星
曜日の順番
木星
水星
地球から遠い順
土星
月
画像元:曜日 - Wikipedia
惑星の名称の語源
星
太陽
月
英語
Sun
Moon (Luna)
ギリシャ語で「月 = mene」
ラテン語で「月 = luna」
地球
Earth
ギリシャ語で「土地 = era」
ラテン語で「土地 = tellus,terra」
水星
マーキュリー(Mercury)
金星
ヴィーナス(Venus)
火星
マーズ(Mars)
木星
ジュピター(Jupiter)
土星
サターン(Saturn)
ギリシャ神話
予言・弓術・音楽の神(+太陽神)
アポロン(Apollon)
太陽神
ヘリオス(Helios)
狩猟・弓術・純潔の神(+月の女神)
アルテミス(Artemis)
月の女神
セレネ(Selene)
大地の女神
ガイア(Gaia)
伝令神
ヘルメス(Hermes)
愛と美の女神
アフロディテ(Aphrodite)
軍神
アレス(Ares)
主神(天空神、雷神)
ゼウス(Zeus)
二代目の支配者、ゼウスの父
クロノス(Cronus,Kronos)
「時間 chronos」と混同され、時の神とも
ローマ神話
アポロ(Apollo)
ソル(Sol)
ディアーナ(Diana)
英語読み ダイアナ
ルナ(Luna)
テルス(Tellus)
メルクリウス(Mercurius)
ウェヌス(Venus)
マルス(Mars)
ユピテル(Jupiter)
農耕神
サトゥルヌス(Saturnus)
参考:御使のお部屋 2 辞典 惑星名、月名、曜日名の語源早見表
曜日名の語源
曜日
ラテン語
英語
英語語源
日曜日
Solis
Sunday
太陽の日(Sun + day)
月曜日
Lunae
Monday
月の日(Moon + day)
火曜日
Martis
Tuesday
北欧神話の軍神(天空神)Tyr(テュール)
水曜日
Mercurii
Wednesday
アングロサクソンの主神Woden(オーディン)
木曜日
Jovis
Thursday
北欧神話の雷神Thor(トール,ソー)
金曜日
Veneris
Friday
北欧神話の女神Freyja(フレイヤ)
土曜日
Saturni
Saturday
ローマ神話の土星の守護神Saturn(サターン)
旧約聖書の悪魔のサタン(Satan)とは綴りがちがう
参考:【世界の曜日の表記】日曜から土曜(9カ国語) +α 六曜 | iso.labo
参考:曜日 - Wikipedia
英語の成り立ち
• 古英語(英語の基盤)(450年頃~9世紀)
• ゲルマン人のアングロ・サクソン語部族の侵入
古代イギリス
•
ストーンヘンジなどの遺跡を作った民族
•
ケルト人の侵入(紀元前9~紀元前5世紀)
•
ローマ人の支配(紀元前55~紀元後410年)
• ヴァイキングの侵略(9世紀~11世紀)と中英語(12世紀~15世紀)
• デーン人(デンマーク付近のノルマン人)の侵略(9世紀)
• 古英語(アングロサクソン人)
• ノルド語(デーン人)ノルウェー語,スウェーデン語,デンマーク語の元になる北欧言語
• ノルマン人(フランス系のノルマン人)の侵略(1066年)
• 支配層は全てフランス語で公用語もフランス語に
• 100年戦争などを経て民族が同化,1356年に公用語が英語に戻る(中英語)
• 大母音推移(15世紀)
• 母音の発音の仕方が変化し,綴りと発音に大きな差異ができる
• 近代英語(16世紀~19世紀)
• イタリアルネサンスの影響でラテン語やギリシャ語が大量に入る
• ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)が3000語以上の単語を作る
• 現代英語
• 大英帝国が世界の覇権を握り英語が世界中に広まる
• アメリカ英語,オーストラリア英語,・・・
参考:英語は言語のルツボ!学校で習わない英語の歴史!
参考:5分でわかる!英語の歴史
英語で数を表す接頭語
数
ラテン語系 用例
ギリシャ系 用例
1
uni-
unicorn(一角獣)
mono-
monochrome(単色)
2
bi-, duo-
bicycle(自転車)
di-
dioxide(二酸化物)
3
tri-
tricycle(三輪車)
tri-
triangle(三角形)
4
quadr-
quadrangle(四角形)
tetr-
tetrapod(四つ足)
5
quint-
quintuple(五倍)
pent-
pentagon(五角形)
6
sex-
sextant(六分儀)
hex-
hexagon(六角形)
7
sept-
septet(七重奏)
hept-
heptagon(七角形)
8
oct-
octopus(タコ)
oct-
octahedral(八面体)
9
nove-
novena(九日間の祈り) enne-
10
dec-
Decameron(十日物語)
dec-
decimal(十進法)
11
undec-
undecagon(十一角形)
hendec-
hendecagon(十一角形)
12
duodec-
duodecimal(十二進法) dodec-
多数 mult-
multiple(複数)
poly-
enneagon(九角形)
dodecahedral(十二面体)
polynomial(多項式)
参考:数を表す接頭辞 - Wikipedia
参考:ワン、ツー、スリーだけでない――英語の様々な数の表現
日本語音読み(漢字の伝来)
• 呉音(古代中国の南方系の音)
• 漢音が伝わる前に日本で使われていた漢字の音読み
• 南北朝時代の南方中国地方(呉)の発音に近い
• 倭の5王の時代(413~502)の中国への朝貢
• 飛鳥時代(592~710)朝鮮半島の百済(南朝と多く貿易していた)を通じた仏教伝来
• 漢音(古代中国の北方系の音)
• 遣隋使,遣唐使(600~894)によって日本に伝わった漢字の音読み
• 41代持統天皇(645~702)は唐から音博士を招き,漢音の普及に努めた
• 50代桓武天皇(737~806)はそれまで使っていた呉音を改め,漢音を正式の音読みと
する漢音奨励の勅命を792年に出した.
• 鮮卑族(北方騎馬民族)と漢族の融合を目指した隋と唐の発音に近い
• 唐音(漢音以降に日本に伝わった音読み)
中国の漢字の発音は時代や地域で様々
それを日本人が聞き,音を当てたのが音読み
画像元:【日本語の漢字の不思議】コラム西池
呉音と漢音
漢字
訓読み
呉音
漢音
漢字
呉音
漢音
一
ひ
イチ
イツ
億
オク
ヨク
二
ふ
ニ
ジ
兆
ジョウ
チョウ
三
み
サン
サン
京
キョウ
ケイ
四
よ
シ
シ
零
リョウ
レイ
五
いつ
ゴ
ゴ
口
ク
コウ
六
む
ロク
リク
頭
ヅ
トウ
七
なな
シチ
シツ
怒
ヌ
ド
八
や
ハチ
ハツ
美
ミ
ビ
九
ここ
ク
キュウ
音
オン
イン
十
と
ジュウ
シュウ
金
ゴン
キン
百
もも
ヒャク
ハク
極
ゴク
キョク
千
ち
セン
セン
若
ニャク
ジャク
万
よろず
マン
バン
行
ギョウ
コウ
干支(えと)について
• 十干(じっかん)
古代中国(殷)で,十本の指を表していた
こう おつ へい てい
ぼ
き
こう
しん じん
き
(日本語の音読み)
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
の10の要素の集合
• 一月を,上旬,中旬,下旬,に分けた10日の日付を数える文字
等,様々なことに使われるようになる
• 十二支(じゅうにし)
古代中国,木星(公転周期12年)が見える方向を表して
いた ね うし とら う たつ み うま ひつじ さる とり いぬ い (日本語訓読み)
し ちゅう いん ぼう
しん
し
ご
び
しん ゆう じゅつ がい
(日本語音読み)
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
• 一年の十二カ月を割り当てる文字になる等,様々なことに使わ
れるようになる
• 後に漢字が読めない人のために動物に対応させるようになる
陰陽
• 古代中国の宇宙観,「陰」と「陽」互いに対立する属性を持った気で宇宙
の神羅万象を表す.陰陽に基づいた思想や学説を「陰陽道」「陰陽説」
「陰陽論」という
春秋戦国時代の諸子百家の一つである陰陽家によって説かれた
両義
四象
八卦
画像元:その2 「カンタン風水用語講座1。」 ~やさしい風水入門
五行
• 自然界のあらゆる物を生成させる根本元素は,木・火・土・金・水
である,という五行説は陰陽家の一人である鄒衍(紀元前305頃~
紀元前240頃)によって説かれた.
•
•
•
•
•
木(もく):樹木の成長・発育する様子を表す
火(か):火のような灼熱の性質を表す
土(ど):万物を育成・保護する性質を表す
金(ごん):金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表す
水(すい):湧き水のように生命の源,あるいは下方向に流れる性質
• 五行の互いの関係
• 相生説
木は火を,火は土を,土は金を,金は水を,水は木を生む
• 相剋説(相克説)「克」には「勝つ」という意味がある
木は土を,土は水を,水は火を,火は金を,金は木を剋す
• 干支や陰陽と合わせて五行は古代中国の思想の中心となる
• 儒家や道家の思想と結びつきが強い,仏教にも影響を与える
• その後の東アジアの様々な文化に大きな影響がある
相生説と相剋説
画像元:東洋医学のベースにある2つの考え方 その2「五行」 | 東洋医学ライフクリエイティブ協会
五行配当
陰陽家があらゆるもの
を五行に当てはめる
ほぼ「こじつけ」に近い印象
科学的ではないが
歴史的な影響は大きい
中国の元々の惑星の呼び名
• 辰星(しんせい):水星
• 太白(たいはく):金星
• 螢惑(けいこく):火星
• 歳星(さいせい):木星
• 鎮星(ちんせい):土星
• 日:太陽
• 月:太陰
五色
青
赤
黄
白
黒
画像元:陰陽道の基本原理:Dear安倍晴明さん:So-netブログ
十干と陰陽五行
十干
音読み
甲
こう
乙
おつ
丙
へい
丁
てい
戊
ぼ
己
き
庚
こう
辛
しん
壬
じん
癸
き
五行
木
火
土
金
水
陰陽 訓読み
陽
木の兄(きのえ)
陰
木の弟(きのと)
陽
火の兄(ひのえ)
陰
火の弟(ひのと)
陽
土の兄(つちのえ)
陰
土の弟(つちのと)
陽
金の兄(かのえ)
陰
金の弟(かのと)
陽
水の兄(みずのえ)
陰
水の弟(みずのと)
十干十二支(干支60周期)
(音読み)
十干 順番.干支 (訓読み)
甲
01.甲子(こうし)
(きのえね)
乙
11.甲戌
21.甲申
31.甲午
41.甲辰
51.甲寅
02.乙丑(きのとうし)
(いっちゅう)
12.乙亥
22.乙酉
32.乙未
42.乙巳
52.乙卯
丙
03.丙寅(へいいん)
(ひのえとら)
13.丙子
23.丙戌
33.丙申
43.丙午
53.丙辰
丁
04.丁卯(ひのとう)
(ていぼう)
14.丁丑
24.丁亥
34.丁酉
44.丁未
54.丁巳
戊
05.戊辰(つちのえた)
(ぼしん)
15.戊寅
25.戊子
35.戊戌
45.戊申
55.戊午
己
06.己巳(きし)
(つちのとみ)
16.己卯
26.己丑
36.己亥
46.己酉
56.己未
庚
07.庚午(こうご)
(かのえうま)
17.庚辰
27.庚寅
37.庚子
47.庚戌
57.庚申
辛
08.辛未(かのとひつじ)
(しんび)
18.辛巳
28.辛卯
38.辛丑
48.辛亥
58.辛酉
壬
09.壬申(みずのえさる)
(じんしん)
19.壬午
29.壬辰
39.壬寅
49.壬子
59.壬戌
癸
10.癸酉(みずのととり)
(きゆう)
20.癸未
30.癸巳
40.癸卯
50癸丑
60.癸亥
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10と12の最小公倍数60で一回りの干支を,日付や年の周期に用いる,60年を還暦という
今年(2016年)は丙申の年,今日(10月10日)は乙丑の日
甲子園球場は大正13年(1924年)完成,戊辰戦争は慶応4年(明治元年)(1868年)勃発
参考:干支カレンダー - 高精度計算サイト
五行と季節
画像元:土用の丑の日にうなぎを食べる由来
• 春(木),夏(火),秋(金),冬(水)
• 季節の変わり目の約18日間が(土用)
• 日本には立秋前の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣がある
四神と陰陽五行
• 風水思想の四神は陰陽五行思想の五行配当
「五方」「五神」
• 平安京や江戸の町の設計に影響を与えた
画像元:京都の四神相応図 - 今日もArt & Science
画像元:東京(江戸)名の由来、四神に守られた江戸の町、とは
方位
• 八卦で八方位
• 十二支で十二方位
• 二十四方位
画像元:方位 - Wikipedia
恵方巻きは歳徳神のいる方角を向いて食べる
参考:歳徳神 - Wikipedia
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うしとら
北東:「丑・寅」 「艮」
たつみ
南東:「辰・巳」 「巽」
ひつじさる
南西:「未・申」 「坤」
いぬい
北西:「戌・亥」
「乾」
きのえ・きのと
東:「卯」 「甲・乙」(木)
ひのえ・ひのと
南:「午」 「丙・丁」(火)
かのえ・かのと
西:「酉」 「庚・辛」(金)
みずのえ・みずのと
北:「子」 「壬・癸」(水)
つちのえ・つちのと
中央:「戊・己」(土)
太陰太陽暦
• 太陰暦(1年は354日か355日)
• 太陰太陽歴(19年に7回閏月を入れて季節がずれな
3年に1回閏月を入れるとすると
いようにする)
かなり精度が悪くなる
• 19太陽年の日数
19 × 365.2422 = 6939.6018日
• (19×12+7)朔望月,つまり235朔望月の日数
235 × 29.530589 = 6939.6884日
• 誤差は19年で0.0866日,約2時間
累積すると誤差は220年で約1日
• 古代ギリシャ(メトン法,メトン(紀元前414頃)が考案)
第3, 5, 8, 11, 13, 16, 19年に1回づつ閏月を入れる
• 中国(章法)
太陽の位置(黄道)を15°ごとに区切る「二十四節気」を利
用して閏月を入れる調整
二十四節気図
黄道を24等分
したものが
二十四節気
西洋の黄道12宮
は黄道を12等分
したもの
日付は現代の暦
グレゴリウス歴の日付
画像元:【簡易に出生時間を推測する①】 二十四節気とは
日付は現代の暦
グレゴリウス歴の日付
画像元:和暦を知る | 07. 二十四節気と雑節
二十四節気一覧(春,夏)
名称
月(旧暦) 太陽黄経 説明
立春 (りっしゅん)
正月節
315°
寒さも峠を越え、春の気配が感じられる
雨水 (うすい)
正月中
330°
陽気がよくなり、雪や氷が溶けて水になり、雪が雨に変わる
啓蟄 (けいちつ)
二月節
345°
冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる
春分 (しゅんぶん) 二月中
0°
太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜がほぼ等しくなる
清明 (せいめい)
三月節
15°
すべてのものが生き生きとして、清らかに見える
穀雨 (こくう)
三月中
30°
穀物をうるおす春雨が降る
立夏 (りっか)
四月節
45°
夏の気配が感じられる
小満 (しょうまん)
四月中
60°
すべてのものがしだいにのびて天地に満ち始める
芒種 (ぼうしゅ)
五月節
75°
稲や麦などの(芒のある)穀物を植える
夏至 (げし)
五月中
90°
昼の長さが最も長くなる
小暑 (しょうしょ)
六月節
105°
暑気に入り梅雨のあけるころ
大暑 (たいしょ)
六月中
120°
夏の暑さがもっとも極まるころ
二十四節気一覧(秋,冬)
名称
月(旧暦) 太陽黄経 説明
立秋 (りっしゅう)
七月節
135°
秋の気配が感じられる
処暑 (しょしょ)
七月中
150°
暑さがおさまるころ
白露 (はくろ)
八月節
165°
しらつゆが草に宿る
秋分 (しゅうぶん) 八月中
180°
秋の彼岸の中日、昼夜がほぼ等しくなる
寒露 (かんろ)
九月節
195°
秋が深まり野草に冷たい露がむすぶ
霜降 (そうこう)
九月中
210°
霜が降りるころ
立冬 (りっとう)
十月節
225°
冬の気配が感じられる
小雪 (しょうせつ)
十月中
240°
寒くなって雨が雪になる
大雪 (たいせつ)
十一月節 255°
雪がいよいよ降りつもってくる
冬至 (とうじ)
十一月中 270°
昼が一年中で一番短くなる
小寒 (しょうかん)
十二月節 285°
寒の入りで、寒気がましてくる
大寒 (だいかん)
十二月中 300°
冷気が極まって、最も寒さがつのる
二十四節気一覧(雑節)
名称
太陽黄経
説明
土用 (どよう)
27, 117, 207, 297°
太陰太陽暦では立春,立夏,立秋,立冬の前18日間を指した.最近
では夏の土用だけを指すことが多い.
節分 (せつぶん)
季節の分かれ目のことで、もとは立春,立夏,立秋,立冬,にあった.
最近では立春の前日だけを指す.
彼岸 (ひがん)
春分と秋分の前後の3日ずつの計7日のこと。初日を彼岸の入り,当
日を中日(ちゅうにち),終日を明けと呼ぶ.
八十八夜
(はちじゅうはちや)
立春から数えて88日目をいう.霜が降りることが少なくなる頃.
入梅 (にゅうばい)
80°
太陰太陽暦では芒種の後の壬(みずのえ)の日.つゆの雨が降り始
める頃.
半夏生
(はんげしょう)
100°
太陰太陽暦では夏至より10日後とされていた.
参考:こよみ用語解説 二十四節気 – 国立天文台暦ケイ酸質
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二十四節気(にじゅうしせっき)は,1年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められている.
二十四節気は太陽暦を表している.(二十四節気に合わせて調整すれば季節がずれない)
閏月を設ける基準とされており,中気のない月を閏月としていた.
せっき ちゅうき
全体を春夏秋冬の4つの季節に分け,さらにそれぞれを6つに分けて,節気と中気を交互に配している。
月名,閏月の決め方
朔望月の間に入った中気で月名を決める
• 「雨水」が入る朔望月は「一月」
• 「春分」が入る朔望月は「二月」
• 「穀雨」が入る朔望月は「三月」
• 「小満」が入る朔望月は「四月」
朔望月の間に中気が入らない月が閏月
ひとつ前の月名に閏をつけたものが月名になる
画像元:魏志倭人伝をそのまま読む
日本の暦改定の歴史
• 中国の暦の輸入(690~1686)
• 元嘉暦,儀鳳暦,大衍暦,五紀暦(690~861)
• 宣明暦(862~1684)
• 江戸時代の幕府天文方による改正(1685~1872)
• 貞享暦(1685~1755)
• 改定者は渋川春海(江戸幕府天文方)日本独自の暦
• 冬至の日が2日ずれていたため改定 西洋:春分を重視(春分を観測で求める)
• 宝暦暦,寛政暦(1755~1844)
• 天保暦(1844~1872)
中国:冬至を重視(冬至を観測で求める)
• 1873年から旧暦と呼ばれるようになる
• 明治の改暦(太陽暦の導入)明治5年11月9日(1872)布告
• 明治5年12月3日を(グレゴリオ暦1873年1月1日に相当)
明治6年1月1日とすることなどを定めた
明治5年の12月と翌明治6年の閏月の2か月分の公務員給料が削減できた
参考:日本の暦
参考:太陰太陽暦と歴史表記、乱暴な明治改暦
れきちゅう
歴注について
• 暦注
• 暦に記載される日時・方位などの吉凶,その日の運勢な
どの事項のこと.
• インドや中国の占星術を起源としてる
• 六曜,十二直,二十八宿,九星,等がある
• 明治7年に迷信,占い,狐憑き等が禁止される
• 由緒正しい歴注家が全滅 (民間の歴注家がいっぱい現れる)
• 一般人にも簡単な六曜や九星が広まり戦後に大ブームになる
• 六曜
• 起源は中国三国時代(諸葛孔明発案)ともいわれる
• 日本には鎌倉時代から室町時代に伝来
大安 留連 速喜 赤口 小吉 空亡
• 江戸時代に変遷
泰安 流連 則吉 赤口 周吉 虚亡
• 最終的に今の形に
先勝 友引 先負 仏滅 大安 赤口
参考:六曜のこと
参考:六曜(大安・仏滅・・)のはなし
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