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ネットワーク基盤を実現する通信管理"XNF”

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ネットワーク基盤を実現する通信管理"XNF”
高度情報通信システム
特集
∪.D.C.〔る81.324.078:る21.395.49〕:〔821.394.7る:る81.323・0る占〕
ネットワーク基盤を実現する通信管理"XNF”
XNF-CommunicationManagementPrograms
】nfrastructureBased
HNA/EX
ProvidinganOpenNetwork
情報システムは,業務の拡大による大規模化,高速回線の普及による広域化,
各部門のデータ共同利用などにより,ネットワーク中心の形態に急激に変化し
てきている。
このような状況下で,ホストコンピュータやワークステーションなど多彩な
システムを結合し,必要に応じて自由に相手と通信できるネットワークシステ
峰尾
晃*
A々gm
〟才乃β()
松崎高典*
7七々α乃0γ才肋由〝ヱα鬼才
重田明男*
Aゑわ
山田公稔*
方言m∠わ5ぁざ‡′α7形α(ね
柳生和男**
助ヱ〟0‡竣り虎
山川
秀***
Sカなど′α
Sゐなどγ〟i匂桝αたβ以′α
ムが強く求められている。
SystemsInterconnection)に準拠した拡張HNA
これに対し,OSI(Open
(HitachiNetwork
Architecture)の思想に基づき,VOS3(Virtual【StOrage
OperatingSystem3),VOS
K(Virtual-StOrageOperatingSystemKind-
ness),HトUX/W(HitachiUNIX削)/Workstation)それぞれのシステムの中核
HNA
based
Communication
Networking
となる通信管理ⅩNF(Extended
Facility)を開発した。この結果,大規模なネットワークの構築,異機種間での
対等通信,アプリケーションの開発と利用の容易化,および新しい通信形態で
の従来のHNA資源の活用が可能となった。
緒
n
言
これまでデータ通信は,オンラインシステムなどに見られ
(2)通信技術の発達によi),各種のネットワークが出現して
るようにホストコンピュータを中心として,ホストコンピュ
おり,ネットワークを構築するときに,各種のネットワーク
ータと端末との通信を主体として発展してきた。これはホス
を有効利用の観点から選択し,相互に接続してグローバルネ
トコンピュータがデータ処理に優れた能力を持ち,この機能
を遠隔地に設置した端末などから利用する方法が主流を占め
ットワークを構築する。
従来のコンピュータ中心の通信形態から,ネットワーク中
ていたことによる。
心の通信形態への変遷を図=に示す。
しかし,最近の論理素子の発達や通信技術の発達などによ
これらのネットワーク中心の通信形態に対応するために,
り,データ処理をホストコンピュータだけに依存しなくても
これまでHNA(HitachiNetwork
済むようになってきた。また,通信する内容も文字データだ
た技術を生かし,さらにOSI(OpenSystemsInterconnection)
けでなく,画像,音声などデータのマルチメディア化が進展
を取り込んで拡張した拡張HNAの基本思想に基づいて,大形
している。
コンピュータシステムVOS3(Virtual-StOrage
こうした背景にあって,データ通信でのネットワークの位
System
Architecture)で築いてき
3),部門コンピュータシステムVOS
Operating
K(Virtual-
置づけ,役割が変わってきている。今後のネットワークでは,
StOrageOperatingSystemKindness),ワークステーション
これまでのデータ通信での利用形態を残しながら,さらに次
システムHI-UX/W(HitachiUNIX菜1ソWorkstation)それぞ
のような利用形態が考えられる。
(1)ネットワークに接続するホストコンピュータおよび各種
※1)UNIX:UNIXオペレーティングシステムは,米国AT&T
の端末などが自由に相手を選択して,相互接続,対等通信を
社ベル研究所が開発したソフトウェアであり,AT&T社が
行う。
ライセンスしている。
*r一川製作叶ノブトウ_Lア ̄ ̄r二場
**しh工∫出作巾システム即削汁`先巾
***=Jニソフトウエアエンジニアリンク判拭会什
61
914
日立評論
VOL.71No.9い989-9)
通信形態の変更
コンピュータ中心の通信
ネットワーク中心の通信
コンピュータ網
XNF網
ホスト
E卜正三]
ホスト
/
CCP
\
電話網
パケット交換網
専用回線
\
パケット交換
専用回線
ヽ
、
SD N
LANJ
P
DD ><
端末
●ホスト一端末の非対称接続
●ネットワーク構成が単一だけ
●相互接続,対等通信
●複数ネットワークを接続した構成
●オープンコンセプトによる異機種相互接続
●相互接続(異機種)に閉鎖的
注:略語説明
XNF(ExtendedHNAbasedCommunicationNetwork山gFacil巾)
CCP(Commu[icatio[ControIProcessor)
tSDN(l=tegratedServicesDigita】Network),PBX(PrivateBra〔ChExchange)
なおHNAは,HitachiNetwo「k
A「chitect]reの略称である。
図l
ネットワーク中心の通信形態への変遷
構築が柔軟になる。
れのシステムで基盤となる通信管理ⅩNF(Extended
ネットワーク中心の通信形態にすると,ネットワーク
HNA
basedCommunicationNetworkingFacility)を開発した。
切
開発のねらい
VOS3,VOS
KおよびHトUX/Wで稼動する通信管理ⅩNF
は,従来HNAも含めたネットワーク中心のアーキテクチャで
源を活用できることが重要である。このため,OSIとHNAの
共存を可能とする。
(4)大規模ネットワークヘの対応
ネットワークに接続するコンピュータ,通信制御処理装置,
端末の台数の増大に十分対応でき,国際番号計画とも整合性
のあるアドレス体系を採用する。
ある拡張HNAの基本思想に基づき,次の4点を開発のねらい
また,通信メディアの高速・大容量化が急速に進んでおり,
とした。
ネットワークが大規模化することによって,その信頼性も高
(1)相互接続性の強化
いものが要求されている。このため,障害に強いネットワー
VOS3,VOS
KおよびHトUX/Wが構築する通信基盤によ
って,エンドユーザーが必要に応じて自由にだれとでも通信
できるようにする。また,マルチベンダで構成きれているネ
ットワークとの相互接続性も強化する。
(2)HAAへの対応
HAA(HitachiApplicationsArchitecture)に準拠したアプ
クの構築を可能とする。
B
ソフトウェアの種莞頁と特徴
拡張HNAの思想に基づき通信基盤を実現する通信管理プ
ログラムを,図2に示すようにⅩNFという名称で統一し,フ
ァミリー化して提供する。
リケーション間通信インタフェースを提供し,ネットワーク
(1)ⅩNF
を利用したアプリケーションの開発,利用を容易にする。
(2)ⅩNF/K(ⅩNF/VOS
(3)従来HNAとの共存
(3)ⅩNF/W(ⅩNF/Workstation)※3)・‥・‥‥‥‥HI-UX/W
……・……‥………‥……………‥…‥VOS3
K)※2)…・……・・……VOS
従来HNAの世界の特徴は,ホストコンピュータと端末とい
った階層形のアーキテクチャを基本としている。このアーキ
テクチャをベースにして,さまぎまなアプリケーションが開
発され蓄積されている。新たなネットワークの導入に当たっ
ては,既存の設備やソフトウェア,データなど蓄積された資
62
栄2)ⅩNF/Kは,VOS
Kの基本プロダクトに含まれている。
※3)HトUX/Wでは,OSI対応部(ⅩNF/W)とHNA対応部に分
けて提供している。
K
ネットワーク基盤を実現する通信管理``xNF”915
○
AP
AP
O
○
○
AP
AP
5層∼7層
1層∼4層
l
x古わ応
(Hl-〕×/W)
(VOS3)
+
 ̄i
○
\1.一-rハ.■■●●●
l
苅仰
′Kり
S-モデル
1
×NF
ネットワーク層中継機能を
_J
l
注:略語説明
VOS3,VOS
×NFファミリー
2050/32
VOS3
塵
AP
VOS3(VirtuaトstorageOpe「ati=gSystem3)
VOS
K(VOS
Kindness)
Kindness)
×NF/K(×NF/VOS
〉OS3,VOS
K,CS
で構成するシステム
全体が一つのネット
XNF/W(×NF/Workslation)
Hト〕×/W(Hitach=+NlX/Workstation)
図2
サポートすることによって,
てD
-
r
ネットワークを経由して自由
に接続できる。
\
1
○
ネットワーク
ワークとなる「
/
′t
ネットワーク
層中継機能を
持つ。,
CCPJ
KおよびH卜∪×・ノWシステム相
K
VOS
互の通信基盤とLて×NFファミリーが存在する。
\
2050/32
塵
/
、--■
AP
CS
+AN
AP
 ̄トー×.25
3.1XNFファミリーの特徴
VC(HNA,OSり
インタフェース
ⅩNFファミリーの製品は共通する次の特徴を持っており,
腰
互いに連携し合っている。
(1)充実した中継機能(相互接続性の強化)
必要に応じて自由に相手と通信を行うためには,通信相手
VOS
K
`壁暫
2050/32
との問に通信を中継する機能が必要である。
注:略語説明
よびHトUX/Wで構成するシステム全体を,あたかも一つのネ
ットワークのようにして自由に相手を選択し,接続できるネ
KおよびCS
CS(Communicatio〔Stal10∩)
AP(Application Program)
OPl(Open Systemslnterconnection)
Kお
この考えに基づいて,図3に示すようにVOS3,VOS
AP
×.25VC(X.25VirてUalCall)
図3
ネットワーク層中継機能
ネットワーク層中継機能により,
相手を自由に選択して接続することが可能になる。
ットワーク層中継機能を開発した。VOS3,VOS
(CommunicationStation)が交換機の役割を持つため,通信
相手ごとに専用線を設置しなくても済むようになった。
ホストコンピュータ,端末はⅩ.25VC(VirtualCall)プロ
トコルで,ネットワーク層のサービスアクセス点NSAP
(Network
Layer
Service
Access
Point)アドレスを傾い,
相手を自由に選択し接続できる。
VOS3で稼動する通信管理ⅩNFが構築するⅩNF網と,他の
網との接続での中継機能の構造を図4に示す。ⅩNF綱は,そ
との網間接続は,ネットワーク層での中継と考え,OSIモデル
のIWU(InterWorkiりgUnit)により,属性の異なるネットワ
ークどうしを論理的に接続することにした。このIWUの機能
をCCPに実装することによって,他のネットワークとの綱間
接続を実現した。これにより,ⅩNF綱自体をⅩ.25VCによるネ
れ自身が独自の番号体系を持つネットワークであり,ホスト
ットワーク層中継機能を持つ基幹綱とすることが可能となった。
ネットワーク層中継機能による接続例を図5に示す。ネッ
コンピュータおよび通信制御処理装置CCP(Communication
トワーク層中継機能は,専用線,ネットワークが混在した構
ControIProcessor)で構成するネットワークである。.XNF綱
成でも相互に自由に接続できる。
では,他のシステムとの相互接続のためにOSIプロトコルを採
(2)アプリケーション間通信インタフェースの統一(HAAへ
用し,OSIプロトコルを効率よく実行するためにOSIの基本参
の準拠)
照モデルに従った内部構造を採用した。
図4では,ホストコンピュータと端末が2台のCCPとパケ
各種アプリケーション間通信を実現するための共通機能と
して,OSIアプリケーション共通機能OSAS(OSIApplication
ット交換網を経由して通信している例である。ⅩNF網内では,
SupportCommonFacility)を提供している。OSASの位置づ
複数のホストコンピュータおよびCCPが網状に接続されてお
けを図6に示す。
り,効率よく通信を行うために独自のネットワーク層プロト
コルによって中継を行っている。ⅩNF網と他のネットワーク
OSASは,OSI上位層(5,6層および7層の一部)の共通部を
カバーしており,アプリケーション固有のプロトコルをこの上に
63
916
日立評論
VOL.71No.9‥989-9)
ホストコンピュータ
⊂亘コ
XNF網
他のネットワーク
CCP
XNF
CCP
端末
×NF
XNF
lW〕
OSトAL
OSl-AL
OSトP+
OS卜P+
OSl-SL
OS卜S+
OS卜TL
OS卜丁し
注:略語説明
NL
中継
N+
NL
IWU‥nter
w〕rkj[gUnit)
A+(アプリケーション層)
lxNF網内独自のネットワーク層プロトコルl
l他のネットワークのネットワーク層プロト]ルl
PL(プレゼンテーション層)
DL
DL
DL
DL
Ph+
PhL
Ph+
Ph+
l通信媒体Il通信媒体I
S+(セション層)
T+(トランスポート層)
N+(ネットワーク層)
DL(データリンク層)
l通信頚 集体Il通信媒体
Ph+(物王里層)
l
図4
×NFでの中継機能の構造
基幹網である×NF網内では,独自のネットワーク層プロトコルによって通信効率を上げ,外部との接続はIWU
によってプロトコル変換する。
VOS3(×NF)
巨]
AP
ネ由T
CCP(×NF)
ツ
碧
ワ
ク 層能
ト継
ー機
ll11\
ヽ、
ll
lヽ
広域網
l
(XNF/W)
2050/32
ヽ
ヽ
ヽ
ヽ
言\、、
HT-2001CS
VOS
K
(XNF/K)
[:互□、
ネットワーク層
中 継 機 能
′
′
′
ネットワーク層
継 機 能
.中
■一一一一
LAN
ヽ
ヽ
′
+AN
1
′′′′
塵
ロ
腰
NSAP=Y
醤
端末B
2050/32
注:略語説明
端末A
NSAP(NelworkJayer
(a)接続例1
(×NF/W)
2050/32
(×NF/K)
VOS
(XNF/K)
K
VOS
ネットワーク層
巨ナーー
中
継
機
専用線
ServiceAccessPoint)
(×NF)(×NF/K)
K
VOS3,VOS
ネットワーク層
中
能
継
機
専用線
Xシステム
能
専用線
ーー[二重∃
Yシステム
(ZシステムのNSAPを指定することによってX,Yシステムを中継し,AP間通信も可能である。)
(b)接続例2
図5
となる。
64
ネットワーク層中継機能による接続例
K
各システムの接点にネットワーク層中継機能を置くことによって,柔軟なシステム構築が可能
Zシステム
ネットワーク基盤を実現する通信管理■lxNF''917
開発することによって,各種のアプリケーションを実現できる。
に,図8に示すように,NSAPアドレスを用いた。NSAPア
(3)HNAとOSIの共存
ドレスに,日立製作所独自にHNAとOSIを区別する値を付加
することによって,HNAコネクションとOSIコネクションを
HNAアプリケーションとOSIアプリケーションを混在でき,
区別する方式を採用Lた。
既存の設備やソフトウェア,データなど蓄積された資源をそ
図8の例では,システムⅩとシステムYを接続する場合,
のまま従来どおり活用できる。
HNAコネクションではおのおのNSAPアドレスとしてⅩA,
従来,HNAアプリケーションとOSIア70リケーションが一
つのシステムで共存する場合,HNAとOSIのコネクションを
YAを,OSIコネクションではおのおのNSAPアドレスとして
サブネットワークアドレスで区別するために,図7(a)に示す
ⅩB,YBと定める。通信管理は,NSAPアドレス中にあるプ
ように,回線を別々に設定しなければならなかった。しかし,
ロトコルを区別する値を見ることによって,HNAコネクショ
K
VOS3ⅩNFおよびVOS
XNF/Kでは,同図(b)に示すよう
ンであるか,OSIコネクションであるかを識別する。
HトUX/WシステムのⅩNF/Wの特徴を述べる。
クアドレスで区別する必要がな〈なった。
K
KシステムのⅩNF/Kおよび
VOS3システムのⅩNF,VOS
る機能を開発した。このため,HNAとOSIをサブネットワー
VOS3ⅩNFおよびVOS
各システムのXNFの特徴
3.2
に,1本の回線上でHNAとOSIコネクションを自由に確立す
(1)VOS3ⅩNFの特徴
XNF/Kでは,サブネットワー
(a)基幹綱の提供
ク上でHNAコネクションとOSIコネクションを区別するため
各種
ファイル転送
アプリケーション
部
固
有
電子メールサービスAP間通信サービス AP間通信サービス ネットワーク管理
電子メール
ファイル転送
サービス
プロトコル
プロトコル
アプリケーション業務
ユーザー独自の
UA
NIF
NETM
プロトコル
プロトコル
プロトコル
アプリケーション
アプリケーション
70ロトコル
固有プロトコル
ACSE
ROSE
アプリケーション
共
通
部
O
O
S
A
インタフェース
提供
S
S
レ
イ
ヤ
lSDN,+ANなどの通信機能
注:略語説明
NIF(Networklnterface
Feat]re)
ROSE(RemoteOperationServ旧eElement)
UA(UserAge[t)
ACSE(Association
図6
0SASの位置づけ
Common
OSAS(OSIApplicat10nSupport
ControIService
Facility)
Element)
アプリケーション固有部を開発するだけで,各種アプリケーションを実現できる。
システムA
システムB
サブネットワーク
システムA
HNA
HNA
l
アプリ
/
J
ケーション
通信管理
OSl
\
l
アプリ
アプリ
l
ケーション
ノ
\
/
′
J
\
/
IJ
OSl
OSl
アプリ
アプリ
アプリ
は
ケーション
サブネットワークアドレスが異なる。
J
ヽ
′
l
HNA
\
\
l
l
J
Jl
/llJI
通信管理
1
ケーション
【NA
ケーション
l
ノ
HNA
システムB
/
/
/
ケーション
アプリ
ケーション
OSl
アプリ
ケーション
OSl
サブネットワークアドレスが一つ
サブネットワークアドレス:各種サブネットワークに接続するシステムを
一意に認識するためのアドレス
サブネットワーク:公衆網,私設網,LANなどの現実のネットワーク
(a)従来の共存の形態
図7
HNA,OSlの共存
(b)同一サブネットワークアドレスでの共存
×NFを導入すると,HNAコネクションとOSlコネクションを回線上で共用できる。
65
918
日立評論
VOL.71No.9(1989-9)
システムX
(c)充実した障害回復機能
システムY
HNA
OSl
OSl
HNA
アプリ
アプリ
アプリ
アプリ
ケーション
ケーション
ケーション
ケーション
NSAP=×A
NSAP=×B
NSAP=YB
NSAP=YA
図9に示すように,ホストコンピュータ障害,CCP障害,
中継回線の障害および端末接続回線の障害に対する回復機
能を持っている。
(d)ネットワーク定義の簡素化
サブネットワーク
XNF
×NF
従来のネットワーク定義では,ホストコンピュータ中心
アドレス
の観点で定義を行っていたため,通信経路などの複数のノ
/
ネットワーク
ードに共通する項目を,複数の個所で定義しなければなら
ず,定義量の増大や定義矛盾が発生することがあった。
\
図8
HNAとOS】コネクションの識別
通信管理XNFがNSAP中の
識別子によって,HNAコネクションとOSlコネクションを分離する。
VOS3ⅩNFでは,ⅩNF綱およびⅩNF網と接続する他の
ネットワークを定義するとき,図川に示すように,ネット
ワークの形態を鳥観図的にとらえてネットワーク全体を一
括して定義する方式をとっている。これにより,複数のノ
VOS3ⅩNFが構築するⅩNF綱は,一つまたは複数のホス
ードに共通する項目を一か所で定義すればよくなり,重複
定義・定義矛盾の排除,定義量の削減に効果がある。
トコンピュータとCCPを相互に接続した構成から成ってい
る。ⅩNF綱はそれ自身で自律したネットワークの機能があ
(2)VOS
り,必要に応じて自由に相手を選択して接続することがで
K
XNF/Kの特徴
(a)垂直,水平ネットワークの提供
きる。また,ⅩNF網では,パケット交換網,LANなどの他
VOS
の網との相互接続,対等通信はもちろん,さまぎまなネッ
VOS
トワークを組み合わせた複合ネットワークを構築できる。
K
XNF/Kが提供する通信基盤により,VOS
K,VOS
KとVOS3およびVOS
Kと他システムを相
互に接続し,接続したワークステーションを使用して対話
ⅩNF網自体をパケット交換網とし,使用することも可能で
業務を実行することができる。VOS
ある。
テムは,メッセージのやり取r)をして互いの機能や資源を
(b)大規模ネットワークを構築可能
あたかも一つのシステムであるかのように使用できる。こ
ⅩNF網では,ネットワークアドレスを最大32ビットとし
れをVOS
Kと相互接続したシス
Kでは,ネットワークベースシステムと呼ぶ。
た。これにより,最大1,000万台までの端末をⅩNF綱に接続
ネットワークベースシステムでの業務の分散を図11に示す。
できることになり,大規模なネットワークの構築を可能と
ネットワークベースシステムは,VOS
している。
VOS
ホストコンピュータ
Kどうしの水平分散,
KとVOS3の垂直分散およびVOS
ホストコンピュータ
ホストの障害
●再開始
●CCP管理ホストの交代
(他の通信に影響なL)
CCPの自律運転
●管理ホスト不在時運転継続
CCP
●管理ホスト交代時通信への影響なL
端末回線の障害
中継回線の障害
三醤
●障害復旧の自動監視
●障害復旧の自動監視
●ルートの交代
CCP
CCP
CCP
CCPの障害
(予備)
●予備CCPへの交代
●ルートの交代
ホストコンピュータ
図9
る。
66
Kと
×NFの障害回復機能
 ̄vos3システム下の×NFは,基幹網である×NF網を構成するため,障害回復磯能を強化Lてい
Kとワークステーシ
ネットワーク基盤を実現する通信管理"XNF”919
サブネットワーク(×NF)
大阪
東京
ホスト
ホスト
ホスト3
2
\
d
/
aトレト1
、
■
.-■.■■
CCP3l
2
l
ルート2
箪
パケット交換網
J′
CCP
CCPl
\
サブネットワーク
(パケット網)
ターミナル1
腰塵塵
C CP
4
ターミナル
L
ホスト4
営業所・支店
福岡
\
(b)ネットワークの鳥観図的表現
(a)ネットワークの地理的表現
図川
鳥観図的なネットワーク定義を行うことによって,定義の矛盾を発生Lにくくしている。
ネットワークの表現形態
●他ホストコンピュータ
●ホストコンピュータ
●
VOS3
●
L
L
[=:コ
[:::::コ
& J〕
足よ〕
垂直分散
垂直分散
●部門コンピュータ
[
VOS
]
口
瑚
VOS3
●
水平分散
[
VOS
K
□
瑚
ロ
ロ
瑚
水平分散
]
K
ロ
「 ̄ ̄「
ロ
:xN叫
+__+
MMC
MMC
ワークステーション
「も
(ノンインテリジェント端末)
注:略語説明
MMC(Micro
2050
塵
2020
遥遠
汐
2050
MainframeCo[neCtio[)
図Ilネットワークベースシステムでの業務の分散
×NF/′Kは,業務の水平分散および垂直分散を行うための通信機能
を提供する。
67
920
日立評論
VOL.71No.9(1989-9)
VOS3システム
VOS
VOS3システム
Kシステム
AP
AP
AP
/
■ ̄ ̄T ̄ ̄
/⊂垂≡コ
XNF/K
些J
×NF
CCP
×NF網
イン
ス
ェ
l111、
).2フ
紙
0V<
2(
×タ5
フf一一-一つ+
一一一一
\
■■
′′
/
\X.25インタフェース
/
/′
一 ̄ ̄ ̄フ' ̄●キ、
/
ヽ
ヽヽ、
/
\
\\②
ヽ
.,CCP
\
2050/32
(×NF/W)
/
\
ヽヽ\
、-・・・・-..__′
2050/32
(XNF/W)
ヾJ
′-′/
[二重∃/
LAN
など)
ヾも
AP
VOS3システム
CS
2050/32
(XNF/W)
注:
VOS
一卜一_(相互接続)
LAN
Kシステム
PBX
′
⊂)(XNF綱)
AP
O(国際標準ネットワークISDN,×.25パケット網,】EEE802準拠LANなど)
′
一
l
①(×NF網内対等通信)
XNF/K
②(×Nト他網間対等通信)
図12
×NFファミリーが実現するネットワークの構成例
XNF/Wの特徴
ムあるいは2050/32は,CCPからの回線経由で接続する。
VOS3,VOS
(a)垂直,水平ネットワークの混在
HトUX/W
2050/32
(XNF/W)
2050・32ワークステーション右よぴAPどうしが対等通信できる∼
ヨンによるマイクロメインフレーム結合によって構成される。
(3)HトUX/W
2050/32
(XNF/W)
Kおよび2050/32上のアプリケーションは,互
いに対等通信を行うことができる。また,2050/32上でHNA
XNF/Wがサポートするネットワークには,ホ
ストコンピュータとの垂直ネットワークと,ワークステーシ
アプリケーションとOSIア70リケーションを同時に実行できる。
切
結
言
ョンどうしの水平ネットワークがある。この二つのネットワ
ークは,1台のワークステーション上で混在することができる。
(b)ワークステーション間通信
拡張HNAの統一した思想で,大形コンピュータからワーク
ステーションそれぞれのシステムの基盤となる通信管理プロ
同一LAN内およびネットワーク中継機能を経由したLAN
問で,ワークステーション間の通信が可能である。また,
シングルステーション構成のワークステーションが,ネッ
グラムⅩNFを開発し,異機種接続,対等通信,アプリケーシ
ョンプログラム間インタフェースの統一,およびOSIアプリケ
トワーク中継機能を経由して,LAN上のワークステーショ
ーションと従来のHNAアプリケーションの共存が可能となっ
た。また,小規模ネットワークから大規模ネットワークまで,
ンや他のシングルステーション構成のワークステーション
広範囲なネットワークの構築が容易になった。
との通信が可能である。
情報化社会の進展に伴い,通信メディアの多様化,アプリ
(c)複数ホスト接続
ケーションの多様化および通信する情報量の増大が予想され,
1台のワークステーションを,異なるホストコンピュー
ネットワーク基盤である通信管理プログラムに対する要求が
タへ接続できる。
巴
ますます厳しくなると思われる。ユーザーの立場に立って,
社会のニーズに合ったシステムを開発してゆく考えである。
ネットワークの構成例
ⅩNFファミリーが実現するネットワークの構成例を図12に
示す。
参考文献
VOS3ⅩNFは,VOS3ホストコンピュータとCCPを網状に
接続し,基幹網であるⅩNF網を構成している。VOS
68
1)小机
Kシステ
外:ネットワークソフトウェアの相互接続への取組み,
目立評論,69,9,833∼839(昭62-9)
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