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カボチャ(PDF : 1268KB)

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カボチャ(PDF : 1268KB)
ウリ科
カボチャ
露地栽培(普通・抑制)
栽培暦
栽培型
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下
露地普通
●
◎
●
抑制栽培
■
◎
1,800
(kg/10a)
■
●
◎
●
目標収量
■
◎
■
2,000
(kg/10a)
●播種 ◎定植 ■収穫
作型の特徴
雪化粧
トンネル・マルチ等資材費や労力も他品目に比べ
果実は2.3kg前後の扁円形で果皮は白色。果肉
て比較的少ないので、大面積の栽培が可能である。
はごく粉質で淡い黄色、ゆでると鮮やかな黄色と
抑制栽培では、直播きも可能でほ場の有効活用
なる。収穫後の腐敗や肉質の裂化が少なく、日持
の面からも有望な作型である。抑制作型では、親
ちが良い。抑制栽培にむく。
づる1本仕立ての密植栽培が適する。
栽培方法
品種と特性
えびす
果実は平均1.2kg前後で扁平、肩の色は淡緑色
□育苗
種子の準備
のチラシ斑があり、果肉は濃い黄色で澱粉質であ
播種量は品種、栽植密度、仕立て方によって異
る。草勢は 強い方で低温伸長性もあり、トンネ
なる。必要種子量は、露地栽培の子づる2本仕立て
ル栽培に適する。抑制栽培にもむく。
の場合は2∼3dl、親づる1本仕立ての場合は4∼
みやこ
6dl必要。
果実は平均1.2kg前後でやや腰高の扁円形、果
色は緑色、果肉は橙黄色の澱粉質である。雌花の着
生は良く着果に優れる。早生品種で側枝の発生が
少なく密植栽培が可能である。1∼2番果は果実肥
育苗床
ビニールハウス内に、1.5m幅のベットをつくり、
3.3㎡当たり250Wの電熱温床をつくる。
10a当たりの必要苗床面積は、播種床8㎡、移
大は良いが、
遅く着果した場合は小果になりやすい。
植床17㎡である。
くりあじ
床土の準備
果実は1∼1.2kgで他の品種には見られない濃
熟成床土が最適だが、無い場合は速成床土を用
緑色、さかさ栗形の果形である。果肉は粉質で糖
いる。12cmのポリポットを使用する場合1鉢当た
度が高く食味が良好である。草勢が強く、土質を選
り0.8Lの床土を必要とする。1
ばず、低温伸長性にも富む。着果習性は10節前後
づる2本仕立ての場合で約25a分に相当する。
に第1雌花を着け、以後3∼4節おきに着果する。
くりじまん
の促成床土で子
床土の堆積は有機物の分解には高温時が最適で
あるため、前年の7∼8月に準備にとりかかる。土
果実は平均1.7∼2kgの大型扁円形で、果色は
を15∼20cm積んでから苦土石灰をまき、その上
濃緑色で表面にチラシ斑が入り、果肉は濃緑色で
に堆肥を敷いてから肥料をまく。この方法を4∼5
厚く粉粘質である。草勢が強く、低温伸長性に富
回繰り返して堆積する。肥料の流亡を防ぎ、適温
み、低温時でも着果肥大が良好である。抑制栽培
を保ち、堆肥や肥料の分解を早めるためビニール
にもむく。
等で雨よけする。堆肥の腐熟化の促進及び土と堆
肥の混和をよくするため1∼2か月おきに切り返し
をおこなう。
100 カボチャ
育苗中・後期の管理
床土1 当たりの必要資材
・無病原土:0.5
・ようりん:4kg
一般にウリ類は共通して低温と短日によって雌
・堆 肥:0.5
・野菜複合:3kg
花の形成が促進されるものといわれているが、洋
・苦土石灰:8
種カボチャでは主に、低温条件によって分化が促
播種
進され、高温条件によって顕著に抑制されること
種子は半日水(冷水は不可)に浸漬し、湿った
布で包んで1昼夜放置し、ハト胸状態に催芽する。
都合により播種できない場合は冷蔵庫に保管する。
育苗箱に播種する場合は、床土を8∼9分目入れ
灌水し、予め地温を上げておく。
が知られている。
本葉2枚目が展開したら、温度を日中20∼22℃、
ズッキーニ
定植の5∼7日前になると葉が混み合うので、鉢
子づる2本仕立て栽培を行なう場合は、この時期
し、種子を横方向に揃えて播く。覆土は1cm位と
に本葉3∼4枚を残して摘心する。外気に慣らすた
し、その後軽く鎮圧し、床土の地温程度のぬるま
めに夜温を10℃位まで下げる。
トマト
ミニ
トマト
ナス
ベイナス
シシトウ
ピーマン
パプリカ
本葉が3枚展開したら小づる2本仕立てでは4枚
残して摘心する。この時期までは温度、水管理に
ポリ鉢(9∼12cm)に直播きする場合は、1ポッ
小玉
スイカ
カボチャ
夜間10∼12℃として雌花の分化を促す。
播種は、条間4∼6cm、種子間隔1.5cmの条播き
温し乾燥を防ぐ。
メロン
スイカ
の間隔をあけ(ズラシ)光線に良くあてる。
湯を灌水する。この後、新聞紙やポリをかけ、保
キュウリ
充分留意して、軟弱徒長を防止する。
オクラ
イチゴ
スイート
コーン
エダマメ
ト当たり1∼2粒播きし、移植と同様の管理をする。
サヤエン
ドウ
サヤイン
ゲン
播種後の管理
ソラマメ
地温を25∼30℃に保ち、一斉に発芽させる。発
キャベツ
芽後は、直ちに新聞紙やポリを除去し、徐々に地
ハクサイ
温を下げ乾燥ぎみに管理して、徒長を防ぐ。
ブロッコ
リー
カリフラ
ワー
温度管理
ハウス内の気温を30℃以上にしないように換気
する。寒い日であっても湿度の高い場合は軽い換
25∼30℃
20∼22℃
発芽∼本葉抽出
が適する。
気 温
地 温
20∼23℃
昼
夜
22∼25℃
18∼20℃
気 温
18∼20℃
最適土壌酸度はpH5.6∼6.8である。乾燥地では、
夜
すい土壌では、リンサンを多く施用する。深耕に
20∼25℃
17∼20℃
心掛け、また排水不良地では、明きょを設置し排
水を良好にする。
20∼25℃
16∼18℃
朝に行ない夕方に床土が乾くくらいの量が適当で
多すぎると徒長し、病害が発生しやすくなる。
仮植
仮植の適期は、発芽後2日位(子葉展開時)で、
遅れると活着が悪くなる。植え付けの深さは3cm
位である。
仮植時は、地温をやや高め、活着を促す。活着後
は、徐々に地温を下げていく。
ニラ
ニンニク
モロヘイヤ
食用ギク
ミョウガ
セリ
ダイコン
【施肥例】
カブ
成分量(kg/10a)
ニンジン
チッソ
リンサン
カリ
基 肥
7.5
9.7
14.5
ジャガイモ
追 肥
5.6
5.6
サツマイモ
水分管理
土の表面が白くなったら灌水する。灌水量は、
ネギ
タマネギ
切ミツバ
施肥
夜
コマツナ
アスパラ
ガス
昼
気 温
チンゲン
サイ
ミズナ
土壌改良
火山灰土壌や黒ボク土壌等のリンサン欠乏の出や
昼
シュンギ
ク
ナバナ類
保水性を高めるため、堆肥などの有機物を施す。
育苗後期
地 温
ホウレン
ソウ
畑の選定
でも栽培できる。早出しをするには、砂土や壌土
育苗中期
地 温
リーフレ
タス
吸肥性や耐寒性が強いので、やせ地や干ばつ地
気が必要である。
発芽までの
気 温
レタス
□本畑準備
ゴボウ
サトイモ
ナガイモ
施肥量(kg/10a)
肥料名
ツクネイモ
基肥
土 完熟堆肥
2,000
改 苦土石灰
100
ようりん
60∼80
備考
75
山ウド
クサソテツ
(コゴミ)
モミジガサ
(シドケ)
ミヤマイラクサ
(アイコ)
イヌドウナ
(ホンナ)
24 (23-0-23)
肥 高度化成
有機配合肥料
追肥
(10-13-13)
フキ
ジュンサイ
タラノメ
ギョウジャ
ニンニク
カボチャ 101
吸肥力が強く、前作がある場合は減肥しなけれ
ばならない。多肥栽培するとつるぼけしやすく、
つる先にバラまきするが、草勢を見て行なう。生
育過剰の場合は追肥を控えるか追肥量を減らす。
また、着果不良となるため、チッソ過多には注意
する。カボチャの根は広く分布するため、肥料は
中耕・除草
つるがまだ伸びていない段階で、マルチ間の雑
全面に施用する。
定植2週間前までに、基肥や土壌改良資材を施し
草が気になる場合はトラクターで除草を兼ねた中
ておく。
耕を行なう。
畝立て
整枝・誘引・摘心
転作地など排水の劣るほ場では高畝にする。
定植1週間前に厚さ0.03mmのマルチをして地
整枝は、基本的には着果節位の腋芽をすべて早
めに除去する。つるの誘引方向は風向きを考えて
温を上げる。5月上旬の気温の低い時期に定植する
行ない、風の強い場所はつるを針金等で固定する。
場合は、厚さ0.05mm程度のトンネルを準備する。
2本仕立ての場合は、隣のつると交差させるように
1条植えの場合は、畝幅3m、20∼30cmの高畝と
するが、大面積の場合は、管理作業の関係で2条並
親づる1本仕立て
1条植え
×30節前後で摘芯
木植えにし、中央でつるをかみ合わせるようにする。
15節前後までで着果
□定植
させる
定植方法
40cm
混み合って節数がわ
5月上∼中旬、本葉3∼4枚の苗を定植する。定
からない場合は株元
植は、無風温暖な日に行なう。鉢土をこわすと細
から1,5m位で着果
根が切れ、しおれやすくなるので、定植前に鉢や
300cm
植え穴に灌水する。
また、深植えしないように注意し、日中暖かい
2条植え
うちに作業を完了させる。
40cm
栽植様式
子づる2本仕立て
親づる1本仕立て
畝幅3m×株間70cm
(460株)
畝幅3m×株間40cm
(820株)
側枝の出にくい、みやこなどの品種は親づる1本
600cm
仕立てがむく。
子づる2本仕立て
□定植後の栽培管理
温度管理
特に、トンネルをかけた場合には、高温に注意
する。本葉5枚で約16節位まで花芽が分化してい
70cm
るため、トンネル内の気温が30℃以上になると1
番果の落下、2番果以降の着果や品質低下を招きや
すいので、風下のすそから換気を図る。つるがト
ンネルからはみ出すようになったら無風曇天の日
300cm
にトンネルを除去する。
追肥
追肥は、1番果が着果し、コブシ大になった頃に
40cm
草勢の目安(つる先から判断)
45度の角度で立ち上がっている
つるがまくれている
正常
生育過剰
下を向いている
生育停滞
102 カボチャ
600cm
誘引する。
摘心は、着果を確認してから30節前後で行なう
が、葉やつるが混み合っている場合は、傷つけや
梗は、ハサミを使用して切るが5mm程度残す。果
梗切断後は、切り口からツユが出ない程度に半日
位、直射日光にあてて乾燥させる。
すいので、あまり遅くまで整枝をしない。
キュウリ
キュアリング
交配
メロン
風通しの良い日陰に2段重ねにして行なう。果梗
みつばち交配を基本に行なうが、人口交配をす
の切り口、擦り傷などが完全に固化し、治癒する
る場合は気温に注意する。雄花は10∼12℃が開花
まで7∼10日程度行なう。キュアリングの温度は
適温であり、早朝に行なう。雌花の花弁を取り除
28∼35℃、湿度は80∼88%とする。
疫病
シシトウ
地際部の茎がアメ色に変色して、細くくびれる。
のち枯死する。果実は果皮が黒色になり柔らかく
させているが、商品化率は低下する。
なる。やがて白色のかびを生じ、軟腐する。
葉、茎、果実を侵す。被害植物残査で越冬し、
泥はねと疫病を防ぐため、6月下旬に敷わらをす
トマト
ベイナス
せる。多収を目的とした場合は、5∼7節から着果
敷わら
カボチャ
ズッキーニ
ナス
□病害虫防除
1つる1∼2果どりの場合は、15節前後に着果さ
小玉
スイカ
ミニ
トマト
き、1花で3∼4雌花への授粉が可能である。
着果
スイカ
降雨時に土壌、水、空気伝染する。潜伏期間は1∼
2日で、排水不良のほ場で発生しやすい。収穫後、
ピーマン
パプリカ
オクラ
イチゴ
スイート
コーン
エダマメ
サヤエン
ドウ
サヤイン
ゲン
ソラマメ
る。大面積で対応しきれない場合は、マルチ間の
貯蔵方法が悪いと発病することがある。排水を図
粗起こしをして、土とつるが密着することをでき
るとともに、高畝にし、つるが溝に落ちないよう
ハクサイ
るだけ少なくするように配慮する。
にする。収穫後は、2段階程度に重ね、日陰で風通
ブロッコ
リー
キャベツ
最近は敷きわらが困難な場合は雑草抑制も兼ね
てマルチ間に黒ラブシートを敷く場合が多い。
しの良い所において、果面と果梗を乾燥させキュ
アリングを行なう。
カリフラ
ワー
レタス
リーフレ
タス
ホウレン
ソウ
マット敷き・玉直し
着果後15∼20日を目途に行なうが、花梗部分を
折らないように丁寧に行なう。その後、玉直しを
シュンギ
ク
うどんこ病
チンゲン
サイ
降雨の少ない多湿条件下で発生しやすく、空気
伝染する。
コマツナ
ナバナ類
ミズナ
行ない果実全体の着色を良くする。
葉全体が汚白色のかびで覆われる。多肥や密植
により症状が助長される。
ネギ
□収穫・調整
収穫適期、品質保持対策等
品種によって収穫時期が異なり、みやこは35日
位、えびすは50日位である。
収穫適期になると、果皮色が変化し、果梗にコ
アスパラ
ガス
タマネギ
ニラ
モザイク病
ニンニク
病原ウイルスにキュウリモザイクウイルス
(CMV)、カボチャモザイクウイルス(WMV)及び
ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)等があ
モロヘイヤ
食用ギク
ミョウガ
セリ
ルク状のヒビが入り、果面の縞模様が次第に緑白
り、病徴での判別は重複感染等もあって困難であ
切ミツバ
色に変化する。果梗部のヒビ割れが5∼6本以上入
る。一般にCMVは新葉に黄色斑点が現れ、後にモ
ダイコン
った時期が適期になる。
ザイク症状となるが、WMVとZYMVでは葉脈の透
収穫前に数個試し切りを行い、果肉が充分に黄
化、緑帯、葉の奇形を伴い、果実も奇形となりや
色くなっていること、種子も充実していることを
すい。一般にWMVよりZYMVの症状が激しい。ウ
確認してから収穫作業に入る。
イルスはアブラムシ類によって伝搬される。また、
収穫は晴天日の朝露が消えてから行う。果梗の
管理作業や風ずれ等によっても、汁液伝染する。
カブ
ニンジン
ゴボウ
ジャガイモ
サツマイモ
サトイモ
ナガイモ
ツクネイモ
切り直しができるように長めに切る。泥を落とし、
数日、風乾した後出荷規格に応じて選別し、箱詰
めして出荷する。
山ウド
アブラムシ類
クサソテツ
(コゴミ)
ワタアブラムシ、モモアカアブラムシによりウ
イルスを媒介する。
モミジガサ
(シドケ)
ミヤマイラクサ
(アイコ)
イヌドウナ
(ホンナ)
貯蔵方法
フキ
ジュンサイ
収穫は晴天の日、朝露が乾いてから行なう。果
タラノメ
ギョウジャ
ニンニク
カボチャ 103
タネバエ
播種時から発芽初期に幼虫が加害する場合が多
い。種子が発芽しない場合がある。
カボチャミバエ
果実の中を幼虫(ウジ)が食い荒らすため、寄
生を知らずに出荷するとクレームの原因となる。
幼虫は1cm前後、黄白色のウジムシで脚はない。
果実内を食い荒らして十分に成長した幼虫は果実
に丸い孔をあけ、そこから外に這い出して地中で
蛹になる。残さ果実はほ場内に残さず処分し、幼
虫の脱出を防止する。
□生理障害
日焼け果
茎葉が少なく果実が露出すると直射日光により
果面に日焼けを生じる。そのため、つるか新聞紙
等日陰をつくる。収穫後のキュアリング中にも発
生するので、必ず日陰に貯蔵する。
外傷とコルク化
肥大中の果実は風によって茎葉とこすれあった
り、整枝時に傷ついたりするとかさぶた状のコル
ク層を形成する。著しい場合は、規格外品となる。
104 カボチャ
ウリ科
ズッキーニ
ハウス栽培(促成・抑制)
キュウリ
メロン
栽培暦
栽培型
スイカ
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
小玉
スイカ
11月
上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下 上 中 下
目標収量
カボチャ
ズッキーニ
トマト
ハウス促成栽培
●
◎
250
(kg/100㎡)
●∼●◎
ハウス抑制栽培
ミニ
トマト
ナス
ベイナス
シシトウ
ピーマン
● 播種 ◎定植 ■ 収穫
パプリカ
オクラ
イチゴ
作型の特徴
温度を徐々に低くし、外気にならしていく。
スイート
コーン
エダマメ
生育適温は20∼25℃であり、高温には比較的弱
サヤエン
ドウ
いので夏期でも比較的涼しい中山間地域での栽培
□本畑準備
に向いている。
土壌改良
サヤイン
ゲン
ソラマメ
ハウス促成栽培では定植が5月中旬になるため地
土壌適応性は広いが、カボチャに比べて根張り
温の上昇に努める。また、雄花が咲かないうちに
が弱く、排水性が優れ、膨軟な土壌が適する。さ
雌花が開花しやすいので、あらかじめ早播きした
らに明きょ等の排水対策を行う。
キャベツ
ハクサイ
ブロッコ
リー
カリフラ
ワー
レタス
受粉用の株を用意すると良い。
ハウス抑制栽培は生育初期が高温条件となり、
しなび果や小果が発生し商品化率が低下しやすい
ので、できるだけ涼しい環境とする。
ハウス促成栽培とハウス抑制栽培を組み合わせ
ることで6月∼10月までの長期出荷が可能である。
リーフレ
タス
施肥
ホウレン
ソウ
基肥量が多いと草勢が強くなり過ぎ、果実の品
質低下を招くことから追肥主体の施肥体系とする。
【施肥例】
アスパラ
ガス
リンサン
カリ
品種と特性
15
15
15
ラベン
追 肥
8
2
8
果実はツヤのある黒緑色で、ツル伸びせずに節
果実は濃黄色で、完全ツルなしで、節間がごく
詰まる。
ゴールドラッシュ
果実は黄色で、ツルなしの品種である。
コマツナ
ミズナ
成分量(kg/10a)
チッソ
オーラム
チンゲン
サイ
ナバナ類
基 肥
なりに次々に着果する。
シュンギ
ク
ネギ
タマネギ
ニラ
ニンニク
モロヘイヤ
施肥量(kg/10a)
肥料名
食用ギク
基肥
土 完熟堆肥
3,000
改 苦土石灰
200
BMようりん
肥 緩効性高度化成
速効性高度化成
追肥
備考
ミョウガ
セリ
切ミツバ
ダイコン
60
カブ
(15-15-15)
100
50 (16-4-16)
ニンジン
ゴボウ
ジャガイモ
サツマイモ
栽培方法
畝立て
サトイモ
排水性を高めるため高畝とする。
□育苗
促成栽培では地温上昇効果が高い黒マルチ、抑制
ナガイモ
ツクネイモ
山ウド
播種用のポットは促成栽培では12cm径を、抑制
栽培では地温上昇抑制型の白黒マルチを使用する。
栽培では若苗定植のため10.5cm径を用いる。ポッ
トに1∼2粒ずつ播種し、2粒播きの場合には子葉
展開時に間引きを行い1本立ちとする。
温度は20∼25℃で管理し、定植1週間前からは
クサソテツ
(コゴミ)
モミジガサ
(シドケ)
ミヤマイラクサ
(アイコ)
□定植
促成栽培では4葉期、抑制栽培では2葉期に定植
する。
イヌドウナ
(ホンナ)
フキ
ジュンサイ
タラノメ
ギョウジャ
ニンニク
ズッキーニ 105
穫の目安とする。
栽植様式
幅3.5間のハウスでは畝幅90cm、通路80cm、
夏期は肥大が早いので朝晩の2回収穫する。
株間100cmを基準とする。
未受粉果は収穫できる大きさに肥大しても、収
3.5間ハウスでの栽植様式例
100cm
90cm
80cm
90cm
果梗を1cm程度残して調製する。
穫後すぐに腐敗するため出荷できない。
80cm
90cm
100cm
□病害虫防除
うどんこ病
100cm
樹勢が低下する秋口や抑制作型の定植期に発生
しやすい。
灰色かび病
6.3m(3.5間)
□定植後の栽培管理
温度管理
30℃以上の高温には弱く、日中25℃、最低気温
10℃を目標に温度管理を行う。
秋雨時に発生しやすく、主に花弁で発生する。
軟腐細菌病
葉柄や葉柄基部近くの主茎の小さな亀裂から水
浸状に腐敗し、主茎や葉柄部分が折れる。
多肥で発生しやすいため施肥量を多くしない。
収穫や摘葉作業で使用するハサミで伝染する。
灌水
定植後は十分に灌水し、その後1週間は活着を早
めるために灌水をやや控えめにする。
土の表面が乾いて白くなったら2L/株/日程度
を畝間に灌水する。
モザイク病
葉にモザイク症状が見られ、奇形となる。高温
乾燥でアブラムシ類の発生が多いときに発生する。
アブラムシ類による伝搬のほかに栽培管理による
汁液伝染がある。
整枝
定植後、支柱を株の両側に畝と並列に立てて誘
引する。
誘引が遅れると茎の先端が折れたり、曲がり果
アブラムシ類
ウイルスを媒介する。
多発すると樹勢が低下する。
が発生しやすくなるので早めに行う。
奇形果や未受精果は早めに摘果し、樹への負担
を軽くする。下葉は1果収穫するごとに摘葉し、
ヨトウガ
葉を食害し、多発すると被害が多くなる。
風通しを良くして病害の発生を防止する。
ズッキーニはマイナー野菜であり、登録農薬が
追肥
追肥は1番花の開花ころから月に1∼2回、1回あ
たりの窒素成分量は3kg/10aとする。
受粉
確実に受粉させるために雌花の開花に合わせ人
工受粉する。1個の雄花で3個の雌花に受粉できる。
促成栽培の初期には雌花が発生しやすいので、
播種を早めて受粉用の株を用意し、雄花を確保す
る。
□収穫・調整
開花後3日目で果長が16∼19cmになった時を収
106 ズッキーニ
少ないため害虫の防除はシルバーマルチや反射テ
ープ、粘着板、防虫ネットの利用など耕種的な防
除に努める。
Fly UP