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96 2016年11月 PDFファイル

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96 2016年11月 PDFファイル
福岡市医師会臨床検査センター会報
お願い
VOL.
細菌検査依頼書ご利用・ご記入上のお願い
検体ラベルには
●検体材料 ●患者氏名 ●採取日
●年齢/性別 記入をお願いします。
血液ボトルなど検体が複数ある場合は、そ
れぞれに検体ラベルをお願いします。また1
人の患者様で複数の検体を提出の際は、必
ず材料コメントの記入をお願いします。
例)
右 左 など
赤く囲まれたボトルのバーコードは検査に必
要なものです。この部分には検体ラベルを
貼らず、空いている余白に貼ってください。
ここに検体ラベルを
貼らない!
!
レッド !!
カード
認知症の前駆段階での発見・介入が必要
プレクリニカル期
アミロイドβペプチド
シナプス障害
認知機能障害
MCI
良い
健常
検体ラベルで
ボトルのバーコードが
隠れてる
検体ラベルで
ボトルのバーコードが
隠れていない
抗酸菌
MCIスクリーニング
検査
バイオマーカー量
★細菌検査ご依頼時の注意点を、ご説明いたします。下記をご参照ください。
悪い
96
2016年11月
無症状期
MCI
アルツ
ハイマー病
Ann Neurol.(2012)
より
アルツハイマー病(AD)
MCIスクリーニング検査は、認知症
(アルツハイマー病)
の
前段階
(MCI)
のリスクを調べる新しい血液検査です。
軽度認知障害(MCI)
とは、
認知症予備軍とも呼ばれ、
認知症ではないが、
年相応(加齢)
の物忘れよりも悪い状
態が継続的に続く事を指します。
日常生活に支障はありませんが、
そのまま過ごすと約5年で約50%の方が認知
症に移行すると言われています。一般的に、
認知症(アルツハイマー病)
を発症する20年∼25年前から主な原因
物質であるアミロイドベータペプチドが脳内に溜まり始めます。
その後、神経原線維変化、
ニューロン損失、最終
的に認知機能が低下しアルツハイマー病を発症します。MCIスクリーニング検査等のバイオマーカーを使ってリス
抗酸菌の
感受性の
依頼です
一般細菌
クを早期に把握し、
早期に予防介入することで、
発症を防いだり、
遅らせることが出来る事が分かってきています。
一般細菌感受性チェックはこちらへセットor単薬剤チェック
Contents
MCIスクリーニング検査/ みんなの広場/
と
ちょっ !
ひと言
11月も半ば過ぎ、日々寒くなり重ね着枚数の厚みで背中が丸くなるこの季節、私にとって
は、年に一度の大イベントの到来で心がザワザワ・
・
・そう!
「大相撲九州場所」
。毎年2.
3回ほ
ど観戦に出向き力士たちの熱戦に一喜一憂しております。本場所だけでは飽きたらず巡業
場所まで追っかけ観戦。最近では、もう一度相撲を取ってみたいと思うほど・
・
・歳も重ね脂
肪でお腹が丸くなっているこの体型、十両力士になれるかも? (微生物検査 有吉 英二)
編集委員 山屋 雅彦 杉本 清美 吉村 寿昭 佐竹 竜一 石原 大輔 松本 綾 田丸 幸
福岡市医師会臨床検査センターの紹介【微生物検査室紹介】/
お願い/
ちょっとひと言!/
中綴じ(∼病態へのアプローチ∼VOL.91)
福岡市医師会臨床検査センター 〒814-0001 福岡市早良区百道浜一丁目6番9号 TEL 092-852-1506 FAX 092-852-1510
http://www.city.fukuoka.med.or.jp/kensa/kensa.html E-mail:[email protected]
MCIスクリーニング検査
福岡市医師会臨床検査センターの紹介
■検査の内容
アルツハイマー病はアミロイドベータペプチド
(Aβペプチド)
という老廃物が脳に蓄積し、神経細胞を破壊す
ることで発症します。MCIスクリーニング検査は、
認知症の前段階であるMCIのリスクを調べる血液検査です。
この検査では、
アミロイドベータペプチドの排除や毒性を弱める機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べる
【微生物検査室紹介】
2016年4月より部門名称が、
細菌検査から微生物検査へ変更となりました。依頼される検体数は年間、
一般
細菌検査55,000件、
抗酸菌検査2,000件あり、
職員10名、
パートスタッフ2名で日々の業務に取り組んでいます。
患者様から採取された検体(尿、
喀痰、
便など)
から感染症の原因となる微生物を検出し、
さらにその菌にはど
ことで、
MCIのリスクを判定します。 *このマーカーはアルツハイマー病に特化しています。
の様な薬が有効なのかを調べるのが主な業務です。
■検査項目
微生物検査は、他部署の検査に比べて時間を要し、結果報告まで最低2∼4日程かかります。
また、嫌気性
測定するのはアミロイドベータペプチドの蓄積の排出と毒性の防御にかかわる3つのタンパク質です。
測定項目
説 明
アポリポタンパク質A1
(ApoA1)
アポリポタンパク質のApoA1は、Aβペプチドと結合してその凝集や毒性を防ぐといわれ
ています。ApoA1は高比重リポタンパク
(HDL)
の主要な成分であり、別名を”
善玉コレス
テロール”
といいます。ApoA1は抗酸化特性を有し、神経細胞が引き起こす炎症を和らげ
ることが出来るといわれます。それ故に、ApoA1の量の減少は、神経の炎症を悪化させる
可能性があると考えられています。
補体第3成分
(C3)
補体には中枢神経系における免疫担当細胞とも呼ばれるミクログリアを活性化する働き
があります。
ミクログリアは神経の損傷に応答して、活発に動き回って死んだ細胞を貪食
したり、修復を促進するための因子を遊離したりして、神経細胞を維持する働きがありま
す。Aβペプチドはシナプス毒性があるため、脳内ではミクログリアによって貪食されて排
除されます。
この過程には補体C3、C4の働きが必要です。
トランスサイレチン
(TTR)
トランスサイレチン
(TTR)
は、4 量体を形成しており、
プレアルブミンとも呼ばれています。
TTRはAβペプチドと結合して、
そのシナプス毒性を抑制します。アルツハイマー病の他に
も、
うつ病や統合失調症などの精神疾患においてその量が減少することが報告されてい
ます。
■検査結果
検査結果の判定は、3つのタンパク質の測定値をもとに統計的手法でMCIのリスクを推定するものです。専
門医によって厳密に臨床診断が行われた検体(教師モデル)を用いた統計解析によって作成した判別式に、
検
査受診者の ApoA1、
C3、
TTR のタンパク質の測定値を代入することにより MCI のリスク値を算出します。判
定結果はMCIのリスク値により、
A∼Dの4段階に分けられます。
みんなの広場
フットサルについて
本誌をご覧いただいております、
読者の皆様はフットサルというスポーツ競技をご存知でしょうか。簡潔に述べ
ますと、
バスケットやテニス位のサイズのコートで行う5人制のサッカーとでも言いましょうか。
福岡都市圏は県内他地区に比べフットサル場が数多く点在しており、
5人揃わなくても、個人参加の人たち
でチームを組んで対戦する個人フットサルなる枠が設けられていたり、初心者や女性を対象にしたスクールが
安価に開催されていたり、
気軽に取り組み易い環境にあります。
この駄文が掲載される頃には、
サッカー日本代表がW杯最終予選の天王山を迎えている頃かと思います。
スポーツの秋ですので、
サッカー熱に便乗していい汗を流してみてはいかがでしょうか。
かくいう私もサッカー未経験ながら、
はじめて10年がたちました。上達具合と筋肉痛の直り具合の反比例がお
もしろい位ありますが、
気軽に楽しめています。
システム管理係 武井 博昭
菌や真菌、
抗酸菌はさらに多くの日数を要します。
昨今、
社会問題となっている耐性菌には、
MRSA、
ESBL産生菌、
MDRP(多剤耐性緑膿菌)
などがあり、
加
えてCRE(カルバペネム耐性腸内細菌)
が2014年9月から5類感染症となりました。耐性菌を最初に見つけるの
が我々、
微生物検査室であり、
正確かつ迅速で質の高い検査結果を提供出来るよう心掛けています。大学病
院等では質量分析機の導入が進み、
同定検査の迅速化によって微生物検査は新しい時代に突入していま
す。
日々進化していく検査や複雑になっていく耐性菌検査にも対応できるよう、
様々な学会へ参加したり、
毎月1
回、
部署内での勉強会を行ったり、
一人一人が自己研鑽に励んでいます。
また、
ホームページでは各材料毎の検出菌情報、薬剤感受性情報、耐性菌検出情報などを掲載しておりま
す。右端のQRコードよりアクセスできます。
【http://www.city.fukuoka.med.or.jp/kensa/kensa.html】
主な自動機器
同定・薬剤感受性
(Walk Away 96Si, IA20MIC mkⅡ)
血液培養装置
(BACTEC FX)
MCIスクリーニング検査
福岡市医師会臨床検査センターの紹介
■検査の内容
アルツハイマー病はアミロイドベータペプチド
(Aβペプチド)
という老廃物が脳に蓄積し、神経細胞を破壊す
ることで発症します。MCIスクリーニング検査は、
認知症の前段階であるMCIのリスクを調べる血液検査です。
この検査では、
アミロイドベータペプチドの排除や毒性を弱める機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べる
【微生物検査室紹介】
2016年4月より部門名称が、
細菌検査から微生物検査へ変更となりました。依頼される検体数は年間、
一般
細菌検査55,000件、
抗酸菌検査2,000件あり、
職員10名、
パートスタッフ2名で日々の業務に取り組んでいます。
患者様から採取された検体(尿、
喀痰、
便など)
から感染症の原因となる微生物を検出し、
さらにその菌にはど
ことで、
MCIのリスクを判定します。 *このマーカーはアルツハイマー病に特化しています。
の様な薬が有効なのかを調べるのが主な業務です。
■検査項目
微生物検査は、他部署の検査に比べて時間を要し、結果報告まで最低2∼4日程かかります。
また、嫌気性
測定するのはアミロイドベータペプチドの蓄積の排出と毒性の防御にかかわる3つのタンパク質です。
測定項目
説 明
アポリポタンパク質A1
(ApoA1)
アポリポタンパク質のApoA1は、Aβペプチドと結合してその凝集や毒性を防ぐといわれ
ています。ApoA1は高比重リポタンパク
(HDL)
の主要な成分であり、別名を”
善玉コレス
テロール”
といいます。ApoA1は抗酸化特性を有し、神経細胞が引き起こす炎症を和らげ
ることが出来るといわれます。それ故に、ApoA1の量の減少は、神経の炎症を悪化させる
可能性があると考えられています。
補体第3成分
(C3)
補体には中枢神経系における免疫担当細胞とも呼ばれるミクログリアを活性化する働き
があります。
ミクログリアは神経の損傷に応答して、活発に動き回って死んだ細胞を貪食
したり、修復を促進するための因子を遊離したりして、神経細胞を維持する働きがありま
す。Aβペプチドはシナプス毒性があるため、脳内ではミクログリアによって貪食されて排
除されます。
この過程には補体C3、C4の働きが必要です。
トランスサイレチン
(TTR)
トランスサイレチン
(TTR)
は、4 量体を形成しており、
プレアルブミンとも呼ばれています。
TTRはAβペプチドと結合して、
そのシナプス毒性を抑制します。アルツハイマー病の他に
も、
うつ病や統合失調症などの精神疾患においてその量が減少することが報告されてい
ます。
■検査結果
検査結果の判定は、3つのタンパク質の測定値をもとに統計的手法でMCIのリスクを推定するものです。専
門医によって厳密に臨床診断が行われた検体(教師モデル)を用いた統計解析によって作成した判別式に、
検
査受診者の ApoA1、
C3、
TTR のタンパク質の測定値を代入することにより MCI のリスク値を算出します。判
定結果はMCIのリスク値により、
A∼Dの4段階に分けられます。
みんなの広場
フットサルについて
本誌をご覧いただいております、
読者の皆様はフットサルというスポーツ競技をご存知でしょうか。簡潔に述べ
ますと、
バスケットやテニス位のサイズのコートで行う5人制のサッカーとでも言いましょうか。
福岡都市圏は県内他地区に比べフットサル場が数多く点在しており、
5人揃わなくても、個人参加の人たち
でチームを組んで対戦する個人フットサルなる枠が設けられていたり、初心者や女性を対象にしたスクールが
安価に開催されていたり、
気軽に取り組み易い環境にあります。
この駄文が掲載される頃には、
サッカー日本代表がW杯最終予選の天王山を迎えている頃かと思います。
スポーツの秋ですので、
サッカー熱に便乗していい汗を流してみてはいかがでしょうか。
かくいう私もサッカー未経験ながら、
はじめて10年がたちました。上達具合と筋肉痛の直り具合の反比例がお
もしろい位ありますが、
気軽に楽しめています。
システム管理係 武井 博昭
菌や真菌、
抗酸菌はさらに多くの日数を要します。
昨今、
社会問題となっている耐性菌には、
MRSA、
ESBL産生菌、
MDRP(多剤耐性緑膿菌)
などがあり、
加
えてCRE(カルバペネム耐性腸内細菌)
が2014年9月から5類感染症となりました。耐性菌を最初に見つけるの
が我々、
微生物検査室であり、
正確かつ迅速で質の高い検査結果を提供出来るよう心掛けています。大学病
院等では質量分析機の導入が進み、
同定検査の迅速化によって微生物検査は新しい時代に突入していま
す。
日々進化していく検査や複雑になっていく耐性菌検査にも対応できるよう、
様々な学会へ参加したり、
毎月1
回、
部署内での勉強会を行ったり、
一人一人が自己研鑽に励んでいます。
また、
ホームページでは各材料毎の検出菌情報、薬剤感受性情報、耐性菌検出情報などを掲載しておりま
す。右端のQRコードよりアクセスできます。
【http://www.city.fukuoka.med.or.jp/kensa/kensa.html】
主な自動機器
同定・薬剤感受性
(Walk Away 96Si, IA20MIC mkⅡ)
血液培養装置
(BACTEC FX)
福岡市医師会臨床検査センター会報
お願い
VOL.
細菌検査依頼書ご利用・ご記入上のお願い
検体ラベルには
●検体材料 ●患者氏名 ●採取日
●年齢/性別 記入をお願いします。
血液ボトルなど検体が複数ある場合は、そ
れぞれに検体ラベルをお願いします。また1
人の患者様で複数の検体を提出の際は、必
ず材料コメントの記入をお願いします。
例)
右 左 など
赤く囲まれたボトルのバーコードは検査に必
要なものです。この部分には検体ラベルを
貼らず、空いている余白に貼ってください。
ここに検体ラベルを
貼らない!
!
レッド !!
カード
認知症の前駆段階での発見・介入が必要
プレクリニカル期
アミロイドβペプチド
シナプス障害
認知機能障害
MCI
良い
健常
検体ラベルで
ボトルのバーコードが
隠れてる
検体ラベルで
ボトルのバーコードが
隠れていない
抗酸菌
MCIスクリーニング
検査
バイオマーカー量
★細菌検査ご依頼時の注意点を、ご説明いたします。下記をご参照ください。
悪い
96
2016年11月
無症状期
MCI
アルツ
ハイマー病
Ann Neurol.(2012)
より
アルツハイマー病(AD)
MCIスクリーニング検査は、認知症
(アルツハイマー病)
の
前段階
(MCI)
のリスクを調べる新しい血液検査です。
軽度認知障害(MCI)
とは、
認知症予備軍とも呼ばれ、
認知症ではないが、
年相応(加齢)
の物忘れよりも悪い状
態が継続的に続く事を指します。
日常生活に支障はありませんが、
そのまま過ごすと約5年で約50%の方が認知
症に移行すると言われています。一般的に、
認知症(アルツハイマー病)
を発症する20年∼25年前から主な原因
物質であるアミロイドベータペプチドが脳内に溜まり始めます。
その後、神経原線維変化、
ニューロン損失、最終
的に認知機能が低下しアルツハイマー病を発症します。MCIスクリーニング検査等のバイオマーカーを使ってリス
抗酸菌の
感受性の
依頼です
一般細菌
クを早期に把握し、
早期に予防介入することで、
発症を防いだり、
遅らせることが出来る事が分かってきています。
一般細菌感受性チェックはこちらへセットor単薬剤チェック
Contents
MCIスクリーニング検査/ みんなの広場/
と
ちょっ !
ひと言
11月も半ば過ぎ、日々寒くなり重ね着枚数の厚みで背中が丸くなるこの季節、私にとって
は、年に一度の大イベントの到来で心がザワザワ・
・
・そう!
「大相撲九州場所」
。毎年2.
3回ほ
ど観戦に出向き力士たちの熱戦に一喜一憂しております。本場所だけでは飽きたらず巡業
場所まで追っかけ観戦。最近では、もう一度相撲を取ってみたいと思うほど・
・
・歳も重ね脂
肪でお腹が丸くなっているこの体型、十両力士になれるかも? (微生物検査 有吉 英二)
編集委員 山屋 雅彦 杉本 清美 吉村 寿昭 佐竹 竜一 石原 大輔 松本 綾 田丸 幸
福岡市医師会臨床検査センターの紹介【微生物検査室紹介】/
お願い/
ちょっとひと言!/
中綴じ(∼病態へのアプローチ∼VOL.91)
福岡市医師会臨床検査センター 〒814-0001 福岡市早良区百道浜一丁目6番9号 TEL 092-852-1506 FAX 092-852-1510
http://www.city.fukuoka.med.or.jp/kensa/kensa.html E-mail:[email protected]
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