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設計コンセプト [PDFファイル/43KB]
設計コンセプト 3.土地利用計画:校舎棟とアリーナ棟・プール棟を分棟にする。 箕面市の(仮称)水と緑の健康都市小中一貫校整備に伴う全体設計趣旨は、 小中一貫教育という特性をいかし、計画的・継続的な学習を通して、児童・ 生徒ひとりひとりの能力や可能性を十分に引き出し、豊かな人間性や創造力 を育む環境をつくることにある。この計画には、以下に述べるようないくつ かの特記すべき理念と特徴があり、それは設計の与条件を反映したものでも ある。 ●校舎棟 開校当初、児童生徒数が全体で数十人のため、閑散とした印象を与えない空 間をつくることが重要である。そこで、主要な活動領域である普通教室を 2 階デッキ周りに集中配置し、児童生徒がお互いを意識することができる計画と する。 また、当初はできるだけ壁を少なくして児童生徒の相互の活動の気配が伝わ るようにする。 1階は、管理・メディアセンター・特別教室ゾーン、2階は普通教室ゾーン とする。 1階の図書室・FLA(フレキシブルラーニングエリア)・PC 教室を児童生徒 達の自由な学習の場として有効に活用できるよう学校の中心的な施設として とらえ、将来メディアセンターとして一体的に利用することを前提とした計画 とする。 前期学年の体育の授業や、その他様々な利用が可能なプレイルームを校舎棟 中央に配置する。 2 階のデッキレベルに昇降口を設け、児童生徒はここまで土足でアプローチ する計画とする。 昇降口は分散型とする。前期学年は2クラス毎とし、中・後期学年は各 LS (ロッカースペース)にクラス毎の昇降口を配置する。 前期学年はオープンプランタイプの教室とし、クラスルームの近くにワーク スペースや図書コーナー、アルコーブなどを配置し、ティームティーチングや 少人数での展開授業をスムーズに行える計画とする。 中・後期学年はセミクローズタイプの教室とし、教室とセットで生徒の居場 所となるロッカースペースを配置する。また、将来の教科教室運営も視野に入 れた計画とする。 1.モノとしての建築ではなく、アクティビティを設計する 校舎が立派なのではなく、子ども達がいきいき活動していることが「いい学 校」である。子ども達の活動のきっかけとなるように空間を構成する。子ども 達に押しつけるのではなく誘う空間を設計する。 2.小中一貫教育、かつ中・後期学年の教科教室運営の可能性を排除しないこと 学級教室運営にも教科教室運営にも対応できるプランニングとして、2階に 学年教室ゾーンを配置する。 中期学年(第5学年−第7学年)及び後期学年(第8学年−第9学年)は、 CR(クラスルーム)+LS(ロッカースペース)のセットとし、英語教室を 加えて主要4教科の教科教室(各2)として利用できるように配置する。 3.伝統ある集落と新都市の子どもたちが一緒になる場であること 本校は、普通教室 13 クラス(予備教室、学童保育室等含む)、児童生徒数 520 人の学校と想定されているが、開校当初は止々呂美地域の子ども達が主体 であり、新都市街区の居住者の増加に伴って児童生徒数も増加することになる ため、当面は学校規模に比して少人数となることを考慮し、閑散とした印象を 与えない空間となるように計画する。 止々呂美地域の子ども達と、新都市の子ども達がいっしょに学ぶ場として、 児童生徒数の変動やその間に予想される少人数教育への変更など、将来の流動 的な事柄に柔軟に対応できる設計とする。(教室配置の工夫と可動建具による 将来の仕切りの追加など) 4.コスト縮減 これからの時代に耐えうる教育の場を実現するために、コスト縮減の観点か ら、可能な限り合理的で効率的な建築をめざす。 計画概要 1.敷地の特性 計画地は、止々呂美地域と新都市を結ぶ高台に位置し、計画地から止々呂美 地域やその背後の山々を眺望できる環境にある。 計画地東側の芝生の丘が開放感を与えている。その特性を活かす計画を行う ものとする。 2.配置計画 地盤状況を考慮し、切り土部分に建築を配置、盛り土部分にグラウンドや駐 車場を配置することにより、建築物の基礎構造のコストを抑制する。 正門と南門を結ぶ南北のパスを児童生徒の主動線とし、パスに対して校舎棟、 アリーナ棟・プール棟を配置する。 前期学年(第1学年−第4学年)用グラウンドはアリーナ棟と近い場所に、 中・後期学年用グラウンドは校舎棟や部室に近い場所に配置することにより、 学校全体に児童生徒のアクティビティが広がるように計画している。 ●アリーナ・プール棟 アリーナ棟をパスに面して配置することにより、体育館が離れた寂しい場所 とならず、校舎棟と対になった子ども達の活動の場となるよう計画する。 プールは、児童生徒等の視線への配慮から2階に配置するとともに、フェン スなどで囲う。 4.動線計画 幹線道路である東西線と敷地の高低差により、敷地へのアクセスが一箇所し か取れないため、児童生徒と自動車の出入り口を別に確保することが困難であ る。 上記の条件に対しては、児童生徒が利用する歩道と自動車路とを明確に分け、 自動車のゾーンを限定することで敷地内における歩車分離を実現した計画と する。 児童生徒は正門及び南門から入り、校舎棟の東西南各面にそれぞれ 1 ヶ所 ある児童生徒エントランスから外部階段を上がり、2 階デッキレベルへアプロ ーチする。 敷地内、校舎内ともに、行き止まりがなく、校舎内をぐるりとまわることが できるサーキュレーションを実現したコンパクトな計画とする。 校舎棟からアリーナ棟・プール棟へは児童生徒の主な活動領域である2階か ら直接アプローチできる。 5.安全管理 児童生徒エントランスへ上がる外部階段の横には、校務・警備室及び保健室 を配置し、児童生徒の登下校の際には常に大人の目線が行き届くように配慮し、 敷地の周りにはネットフェンスを配置し、外部からの動線を遮断する。 正門及び南門にはゲートを設け、正門には警備員を配置する予定。正門、南 門は、児童生徒の登下校時以外は施錠する。加えて、機械警備システムの設置 を盛り込むとともに、グランド周囲には防球ネットを設置する。 また、校舎内の動線に行き止まりをなくすことにより、常に安全な避難路を 確保する。 6.地域利用 グランドやアリーナ棟などを地域開放ゾーンと想定し、地域開放時に利用者 の活動拠点となる地域開放室は、駐車場に近いプール棟1階に配置する。 7.○構造計画 校舎棟、プール棟は教室を構成するグリッドと一体となったコンクリート造 壁式構造とし、アリーナ棟は S+SRC 造のラーメン構造とする。 基礎は、地盤を考慮して直接基礎(布基礎+独立基礎)とする。 8.設備計画 ●給排水衛生設備 受水槽を設置するが、開校当初は児童生徒数が少ないため2槽式とする。 ワークスペースなど教室に近い位置に手洗いを設置し、カランの1/2は自 動式水栓、1/2はレバーハンドルとする。 2階の床は床組みを行い、暖房用のチャンバーとして利用する他、配管スペ ースとして将来の変更に対応できるように配慮する。 ●電気設備 受変電設備は、将来の給食調理室の電化等を見込んでトランス増設のスペー スを確保する。 風力発電(1KW/h)を設置し、太陽光発電パネルと組み合わせて、自然 エネルギー利用の教材とするとともに、バッテリーを設置して夜間の外灯用電 力の一部として利用する。 ●空調設備 自然の風や自然の光を教室に取り込むことを基本とし、各教室の2面採光を 確保するように建築的な配慮を行う。 計画地は箕面市街地に比べ冬季の気温が平均3∼4℃低い反面、夏季は風通 しが良いことから、暖房を重視した空調とする。 本校はオープン形式の教室が多いことから、児童生徒のアクティビティを高 め、学習環境として快適な温熱環境を得るために、温風式の床下暖房システム とする。床下全体を空調用のチャンバーとし、ペリメーターゾーンである窓側 床に吹出口を設けることにより、2面採光によって生じるコールドドラフトを 防ぐ計画とする。 用途地域等 都市計画区域の内外の別等:市街化区域 防火地域:指定なし 用途地域等:第1種中高層住居専用地域 建ぺい率:60% 容積率:200% その他の区域、地域、地区、街区: 高度地区:第3種高度地区(暫定) 地区計画:水と緑の健康都市特定土地区画整理区域 市街地開発事業:水と緑の健康都市地区地区計画区域 施設概要 校舎:13 クラス(各学年 1 教室+予備教室 4 室、当初予備教室の2室は学童 保育等で利用を予定) 想定人数:40 人/クラス 特別教室:理科室、図工室、音楽室 1、音楽室 2、英語室、生物室、化学室、 絵画室、金工木工彫塑室、被服室、調理室、ランチルーム、プレイルーム、図 書室、コンピュータ室、養護教室 管理室:校長室、職員室、事務室、校務室、警備室、印刷室、休憩更衣室、 会議室、和室、PTA 室、放送室、保健室、教育相談室、進路指導室 アリーナ:31m×25m プール:25m×13m、15m×7m 中・後期学年用グラウンド:200mトラック、100m直線、(90m×60mサッ カーグラウンド可) 前期学年用グラウンド:遊具 テニスコート:公式 2 面 駐車場:地域開放、保護者・来客用等 50 台 地域施設:地域開放室 給食形態:単独調理室(当面はスペースのみ確保)