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ハリナシバチの繁殖戦略と血縁認識に関する行動生態学
的研究( Dissertation_全文 )
須賀, 丈
Kyoto University (京都大学)
1998-03-23
http://dx.doi.org/10.11501/3135551
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
author
Kyoto University
)
3
ハリナシバチの繁殖戦略と血縁認 識に関する
行動生態学的研究
8
9
9
1
須賀丈
目次
第 1章 序 論
l縁 選 択
l
f
1- ] 社会進化と I
8
J- 2 1læ4<認説とその川凶)~(
1- 3 ハ リ ナ シ バ チ の 生 態 特 性
J
1!
.
J
1!
1-3-2 巣 の 素 材 と 梢 造
16
1- 3- 3 分封と移封
16
j
1-3-;
日と齢間分業
1
個体の発計 J~J I
_卵 過 程
[
i
'
1- 3- 5 給 餌 J
1-3-6 ワーカー産卵
7812
11I22
1-3-1 系 統 関 係 、 化 石 、 分 布
1-3-7 この論文の構成
υ
つ
円ノ白
2-3-2 天 敵 の 影 響
I
ワ A1po
2-3-1 ワーカー産卵
I
ワ
2-3 結 果
つム
2-2 材 料 と 方 法
円、
3- 1 はじめに
u における識別行 動
a
b
a
k
g
n
a
n
i
am
n
o
g
i
r
3- 2 T
3-2-1 材 料 と 方 法
3-2-2 結 果
3-2-3 考 察
a における識別行 動
l
u
l
s
u
g
n
aa
n
o
g
i
r
3-3 T
3-3- 1 材 料 と 方 法
3-3-2 結 果
3-3-3 考 察
apan丘ml~ω
n
o
p
i
l
c
3-4 M
における識別行動
3-4-1 材 料 と 方 法
3-4-2 結 果
3-4-3 考 察
4A1555566666667
ハリナシバチにおける巣仲間および血縁者の識別行動
44002900233460
第 3章
U
2-4 考 察
斗
2- 1 はじめに
円/﹂つLη ,
L
ハリナシパチの繁殖戦略
A A1Fhd
第 2章
ln びのびのむ
3-5-3 考狭
ヴ
3-5-2 *占栄
ワi
3- 5- 1 材料と方法
44089
s における:?品目刊行動
i
s
n
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r
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l
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r
r
.
l
lb
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f
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g
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r
l
o
l
p
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c
3-5 S
第 1章 序 論
1- 1 社会進化と血縁選択
J比較
U
3-6 種 I
93
生物の個休群において、 一般にその個体間関係を社会行動へと飢餓だてるうえで'11心
1 -1 はじめに
93
的な役割を演じてい ると考えられるのが 、性と血縁関係であ る。これらはいずれ も、繁
4-2 材料と方法および体 表化学成分の同定
93
第 4章
jI
ハリナシバチの体表 化学成分と血縁認識
3 結果
0午
殖に直接かかわって いる。この性と血縁 関係の重要性は、し かしたとえば今から 3
99
4-3-1 体表化学成分の種間 比較
4-3-2 休表化学成分のコロ ニ一間差
4-3-3
条例ニづ、け J の効果
r
4-4 考 察
99
前には、多くの生態 学者にとって、あた りまえなものでも理 論的に十分な恨拠の あるも
103
)らに
3
5
9
1
c(
n
a
1d
)、Ha
0
3
J9
r(
c
h
s
i
)や F
9
5
18
n(
i
w
r
a
のでもなかった。基 木的なアイデアは D
107
)、このような考えノjが広く
7
8
9
s,J
c
i
v
a
s& D
b
よってすでに述べら れていたとはいえ( Krc
112
0年代以降、進化生態 学、行部j生態学、社会生物学 などとよ
6
9
定着するのは、おも に 1
1 16
ばれる分野(以下単 に進化生態学とよぶ )が急速に発展する のにともなってのこ とであ
5- 1 はじめに
116
;
9
7
9
r,1
e
d
n
a
x
e
J
;A
8
7
9
a,1
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2
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6,1
7
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;Dawkins,1
5
7
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n,1
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;W
4
6
9
n,1
o
t
l
i
am
H
る(
血縁認識の逃伝的基 盤
5- 2 1
116
) 。現在では、地球上 の生物の多段性をう みだ
1
9
9
7,1
8
9
s,1
c
i
v
a
s& D
b
;Krc
5
8
9
s,1
r
c
v
i
r
T
5-3 際識遺伝子の頻度と 識別の効率
121
第 5章
社会性昆虫における 血縁認識の集団遺伝 学的モデル
したプロセスをとき あかすうえでさけて とおることのできな い基本的な考え方の 枠組み
5-3-1 体表化学成分の l遺伝子座支配仮説
121
5-3-2 二倍休に関するモデ ル
122
をこれらの考え方が 提供している、と多 くの生物学者たちが みとめるにいたって いる。
i倍数体に│刻するモデル
j
5-3-3 l
129
)の論文の引川さ
4
6
9
1
n(
o
t
l
i
m
a
血縁選択説をとなえ この分野に大きな前 進をもたらした H
5-4 考 然
5-3-3-1 超姉妹の場合
129
i妹の場合
l
r
5-3-3-2 半t
133
136
れた累積回数が年を 経るにしたがって文 字どおり指数的に憎 加しつづけてきたこ とが、
。
)
9
8
9
s,1
n
i
k
w
a
D
このことをよく物語 っている (
これらの考え方が定 説として広く通用す るようになってしま ったため、このよう な問
第 6章 総 合 考 察
143
要約
148
題設定の出発点にあ った疑問のもつ意味 が、逆に今では、と もすればわすれられ がちに
なっている。生物にとって、
種 j とは、
「
J とは、
「個体制:
「社会 J とは、何だろうか。
それらの概念のあい だの相互関係を、 一体どのように理解 するべきなのだろう か。この
謝辞
154
ような問題設定がも っ木来の意味をあら ためて思いおこすた めに、われわれは、 われわ
れ自身の「種 J やその移ろいやすい 「文化 j に慣れ親しんだ、考え方から離れて、生物に
引用文献
156
とって「社会 J というものがはっき りした形をとって出 現する以前の、たと えば 30億
年まえの原始の海の 「有機物のスープJ のなかにただよう単 細胞生物のような段 階にま
1
で、概念をさかのぼらせるべきなのかもしれない。そのような世界では、個体と個体が
的なプロセスを生みだすメカニズムの Ilfd 題としてあっかううえで、進化 'I~ t,段、戸は、現任
互いにまだ均質な単位として存布し 、それらは海巾とい う比較的均一 な空間の 1
1
=1をただ
生物学における最も生産的なアプローチのひとつを促供しつづけているのである。
よいながら、互いに近づいたり離れたりしていたことだろう。そのような生物の世界に
おいて、
このアプローチを大きく前進させた r
i
i
j述の Hamilton(
1
9
6
4
)は
、 1
1
'分
1'1
身の紫抗'
I
i
_
を
悦
中:
1
「個体制~ J とは、何だろうか。また、われわれが現在「社会 J と
にして他例体の繁殖をたすけるようなーμ 「利他1'1
切な行動が、 j
h
l紘,
行に対してむけら
│呼んでいる生物個体問のさまざまな相互作用の総体は、そこからどのようにして生まれ
れるときに進化しうること、また、このことが、 (
1分の遺伝子をのこすという制点から
てきたのだろうか。さらに、われわれが実際に自にすることのできるそのような相互作
は伝統的な意味での「自己犠牲 J とはいえないかたちでおこるということを、 Jlli 論ì(1~ に
用のひとつひと つは 、どのような機梢によって、今現実にあみだされつづけているので
あきらかにした。たとえば、二倍休の生物において、両親が共通な兄弟j
l
¥
i
i
妹(
f
u
l
ls
i
h
l
i
n
g
s
)
あろうか。
は、自分がもっているのと同じ辿伝子を ]/2の椛本で共有している(この 11'(を j
h
l級以と
「
積 J とは、
進化生態学が展開する以前にも、近代的な数理生態学や個体群生態学は 、このような
いう)。したがって、もし白分自身の繁舶を犠牲にするような行動をとったとしても、
本質的な問いかけともむすびつきうるような仕方で、動物社会の研究をたいへんゆたか
そのことで、兄弟9ilî~ょの繁殖を自分が犠牲にした分の 2 倍以上の割合で附大させること
に発展させていた。たとえば悔抑 (
1
9
4
9
)は、動物における社会という概念を抽象化して
ができるとすれば、そのような行動をおこさせる冶伝 子は集団 r
l
lに広がる だろう。 j
f
l
l縁
理論 f
内にあっかうことを意識的に表明し、動物の集合性とい うこと ばがふくむ内容を自
皮は自分と相手とのあいだの j
h
l縁関係によ って 決まる他である。 二(自体の J
7
_物において
明の前促とはせず、
は、この値が、親子関係や兄弟姉妹で 1
/
2、おば ・おじ ・妓 ・i
Jなどで ]
/
4、通常のい
「集団と個体との関係というかたちではなくて、個体と個体との関
係をまずつかみ 、それから集団においてあらわれる現象をときほぐしてゆく j という 立
とこでは 1
/
8になる。["不J
I他行動 j をむける相手の l
f
l
l縁皮が小さいときほど、その「不)
1
場をあきらかにした。そしてその立場から、
他行動 j によって相手の不|出.~を明大させなければならない割 合 は大きくな る 。これは、
1
寺聞をきりすてた空間における均質な個体
i
l
円の干渉を量的に表現する方法を展開した。村区神が検証のためにもちいた実験材料は、
一般的に言って 、血縁度の小さい相手に対する「不)
1他行動」は進化しにくいことをな l
床
i
詳細胞生物ではなくオタマジャクシや魚類、であったが、そのモデルには性や血縁関係は
する。
くみこまれていなかった(悔神, 1
9
6
0
)
I
w
a
o(
1
9
6
8
)や森下(19
7
6
)もまた、個体問の誘
以上のことを、より一般的に、次のような式のかたちで表現することができる。すな
引性と反発性にもとづいて均質な個体群の空間分布を量的に判定する方法を大きく発展
わち、相手のlI
[
l縁度を r、その相手に対する「手J
I他行動 J によって相手が狩る適応皮の
させた。
増加分を b、それによって自分自身が失う適応度を cとすると、その「不)
1他行動 j が進
0
新しい進化生態学にもとづく生物社会の概念は、このようなアプローチと対立するも
のではない。むしろこのようなアフローチによってそのうえに仮説を展開するべき概念
の前提条件をきびしい検証のもとにおいてきたのであり、また、それによっていっそう
硫かな 土台をあたえられてきた、と考えることができる。たとえば悔神は、動物が「な
化しうる条件は、
br-c>u
がみたされることである。この式は、しばしば H
a
m
i
l
t
o
l
lの公式とよばれる。
不
「)
1
他行動 j の進化に関するこのような H
a
m
i
l
t
o
l
lの仮説は、 r
f
I
l縁選択説とよばれ、生
ぜ J~作れるのか、と!日j いかけることを意図的にさけたが 、そのことによ って 、動物の社
態学や動物行動学のその後の発展に大き な影響をおよぼした。それ以前には、種のため
会的干渉を、われわれの主飢的なイメージの投影としてではなく数学的なモデルとして
あるいは集団のための利誌といった観点がしばしば強制され、遺伝子をいかに子孫につ
再引することができたのである。しかし、われわれはいまや、この「なぜ」にたちもど
たえるかという生物の進化を考えるうえで決定的に重要な観点がみおとされることが少
らなければならない。このいわば目 f
印論的な問いかけを、目 f
内論としてではなく、歴史
なくなかった。しかし、 Hamiltonの血縁選択説によって、このような進化生態学的な似
2
3
}I~ の重 要性が広く認識されるようになり、生態学や動物行動学における研究上の解釈の
はJ1英麹目の社会性昆虫の行動や生態に実際に大きな影響をあたえている (Hamilton,1964;
s
r
c
v
i
r
;T
9
7
9
;Alcxandcr,]
2
8
9
976,]
枠組みに、大きな変化が生じたのである (Dawkins,]
)。
3
9
9
, ]
lcxandcr& Sherman,1977;辻
;A
6
7
9
s& Hare,1
r
c
v
i
r
T
;Krcbs& Davies,1987,1991) 。
5
8
9
1
ところで、 Hamiltonの血縁選択説との関辿で、当初から大きな関心をあつめて きたの
ハチ、アリ、シロアリなどの社会性昆虫は、このよ うなアプローチをおしすすめるに
が、ミツバチ、アリなど多くの社会性 L~1~ にみられる不灯のワーカーの fバ E とかれらの
あたって、たいへん興味ぶかい問題を数多く提供してきた 。なかでもとりわけ目をひく
「利他的」な行動の進化をどのよ うに説明するかという問題であった。この問題の解決
集
のは、彼らが数多くの個体からなる「集団 J をつくって生活することである。この 「
にはじめて科学的に明確な表現をあたえたのが血縁選択説であったからである。
団J があたかも統合されたひとつの有機体であるかのようにふ るまう度合いは、生物界
この問題に一番最初に筋道のとおった進化学的な説明をあ たえようと試みたのは、自
今体の中でもきわだ っている。しかも、それらの社会の巾には、注意ぶかくみ ると、形
然選択説の提唱者 Darwinである。最初、 Darwinにとって、この現象は臼分の学説全体
態においても行動においてもさまざまなバリエーションが 存在することが知られている
に対して致命的なものであるようにおもわれた。不妊の個体は、 子孫を直肢のこすこと
(奴上, 1970,1975,1992;岩田, 1971;Wilson,1971,1975;Michener,1974;Holldobler&
ができないからである。しかし、育種における人為選択の方法から類批して「選択が、
;松浦, 1995)。このような彼らの生活を生みだすにいたった進化的なメ カニ
0
9
9
Wilson,1
個体に対してと同織に家族に対しでも適用できる J ということからこの問題を解決でき
ズムは、どのようなものだろうか。こうした問題を考える とき、進化生態学的な観点 、
るだろう、という見通しを Darwin(1859)は述べている。
とりわけ生物の社会において性と血縁関係が重要であると いう前述の観点は、来たして
このような着想の延長線上にあるアイデアが Darwinの想定できなかった今世紀の逃伝学
どのような意味をもっているだろうか。このような問いか けは、本研究の放題と深いつ
の知識を前提としたかたちで定式化されている。すなわち 、血縁個体は自分と共通の辿
ながりをもっている。そこでこの観点にかかわる基本的な問題を整理しておこう。
伝子を個体群全体の平均値よりも高い割合で共有している 、とい う事実にもとづいて羽!
まず第一に、社会性昆虫の「集団 J は、基本的によく似た梢追をもっ血縁集団である。
n.縁選択説では、
l
のf
1
I
to
Hami]
論が組み立てられている。しかし、前掲の Darwinの言葉からも 批測し うるように 、 この
)とよばれ、多くの場合ーか所に巣をつくっ て定住し、共同
y
n
o
ol
c
その集団はコロニー (
理論はただ社会性昆虫の不妊ワーカーの存在を説明するだけにとどまるものではない。
f仔をおこなう。 コロニーはしばしば少数の繁殖個体とその血縁者で ある多数
t
で探加や 7
l縁皮にも
R
)の概念をこえて、 J
s
s
e
n
t
i
f
個体を中心とした進化の従来の尺度である適応度 (
のワーカーからなり、この二つのグループの分化の度合い は、迎統的なものか ら形態 的
)の概念を 定式化することにより、一般に「利
s
s
e
n
t
i
ef
v
i
s
u
l
c
とづく遺伝子の包括適応度(in
にはっきり災なるものまで、さまざまな段附のものがある 。形態的に完全に分化したも
己性 J と「利他性 j の生物学として知られる動物の社会行動の進化に関する新 しい研究
のでは、ワーカーは不妊であり、みずから子供を産むことがない。
のアプローチをひらいたのである。進化生態学のなかで特 に動物の行動をあ つかう領域
また、社会'1"1:見~の 11 1 で大きな部分を占めるハチ目(ハチとアリ)は単倍数性 (haplo­
) の性決定版式をもち、未受精卵がオス、受精卵がメスになる。このことから、
y
d
i
o
l
p
i
d
l縁度に性による非対称性が生じる。たと
l
f
ひとつのコロニーを梢成する個体のあいだ、の l
を行動生態学あるいは社会生物学と よぶが、包括適応度は、そのなかで最も霊安な概念
のひとつである。
印行動の研究のための実践的な道具で、ある。……それは、
fHamiltonの公式は、社会 f
ミの血縁皮の方が高くなる(第 2章で詳述する)。
)
Y
i
d
j
えば、メスからみて一般に兄弟よりも l
生物学的な木質をとらえているがゆえに 、社会的行動のモデルとして比類のない視野の
また、このことと関述して 、次世代を 生み育てるためにおこなう投資を子供の 性に応じ
寺期 、理論生物学者たちの間で、前述の仮定のひとつを倒した
1
広さをそなえている。 -[
てどのように配分するかといういわゆる 'I~ I: 比の川胞にも、通常の 二 似体の生物とはちが
モデルを作り上げ、 Hamiltonの公式が正しくないことを証明してみせるのが流行のよう
本のあいだに生じると考えられる。このこと
f
l
j
1
l
力学がそれ らの n
った非 対称性をは らんだ、
になったことがあった。しかし現在では、社会的相互作用 に関する Hamiltonのモデルの
4
5
)はこのように述べている。
a
1
9
9
1
n(
e
f
a
r
価値は、広く認識されている。 JG
の分業が 、成虫が
n
休日
!
!Uと労働のWi
段附を それぞれ代表するものである。すなわち、繁 9
)のコロニー内の血縁
a
t
a
n
i
g
r
a
am
i
d
・
i
1
)は、チビアシナガパチの 1種 (Ropa
6
9
9
1
r(
a
k
g
a
d
a
G
1的 にも完全
1
羽化した段階で、前者-では未分 化 であるのに対し 、 後者-では形態 (I'~ にも f l.=_ 1
度を測定し、ワーカーが養 っている個体の血縁度が、そのワーカーが自分で子どもを 産
に分化した段|併に 述している。 rìíj 才í. のメスは }J~ U! I] として l P. 独で m づくりをはじめ火: I ~ に
んだ場合 の血縁 度よ りも低いことをあきらかにした。この社会では、成長した メスはワ
[は分川(!.,),1分か れ {
I
f
(ではそのようなことが不可 能であり 、繁 I
なることができるが、 後才
ーカーとなる以外に、交尾して自分のコロニーをつくるこ とも、女王を追い出して自分
) によるしかな い。前者 の コロニ ーは一年性など短期間で終わるものが多いの
g
n
i
m
r
a
w
s
が女 王 になることもできる。これは一見したところ、利他的な行 動の進化にとって血縁
低次
。 普通、 前者のタイプの 社会を 「
に対し、後者のコロニーはしばしば多年性にな る
意しな
関係が重要であるという上の論理と矛盾しているようにみ える。しかしここで汀:
J
i叫)
c
n
s
u
ycusocial)J 、後者 の タイ フの 社 会を 「 高次 ~{L 会性 (hi ghl y c
l
c
v
i
t
i
m
i
r
p
支社会性 (
nの公式 (br-c>O) に 血 縁 度 (r)のほかに bと c
o
t
l
i
m
a
ければならないのは、 H
行のノJ
.よりも後,
i
(
j
i
i
区別する。ひとつの巣の個体数 は、一般 的な 傾向として 、 r
とよんで、
という別のふたつの変数がふくまれていることである。つ まり、このチビアシナガパチ
f認知│
]
L
は巣内 の社会 的関 係が例体 I
バチで、
がはるかに多い。そのため、たとえばアシナガ、
の場合、羽化したメスがそれぞれちがった選択肢をとった とき、繁殖上の利議(b) と
にもとづく順位性によ って決まるといわれているのに対し、ミツバチでは女 王とワー カ
損 失 (c)の期待値がどのように変わってくるかを判断に加えなけ ればならない。実際、
ーの関係が化学的に認知されている。昆虫の社会 には、このほかに、繁殖と労働 の分業
rによれば、あるメスが女 王ではなくワーカーにな るという選択肢を選んだ場合
a
k
g
a
d
a
G
(低次京社会性)が成立するまでの途中の段│併の共同生活の隊式として、
rTI Etl~ 会 '1"1:
に、それによる包括適応度への見返 りは次のよ うな理由で十分なものになると期待で き
r,
cJ1c
h
c
i
M
)J などの社会 形態があるとされてい る (
l
a
i
c
o
s
a
r
)J 、 「側社会性(pa
l
a
i
c
o
s
ub
s
(
るという。まず、すべての成長したメスが同じ産卵能力を もっているわけではなく、他
) 。社会進化の問題として、社会以前から低次京社会性の成 立ま
6
8
9
;坂上、前田, 1
4
7
9
1
個体の抑圧がなくても産卵できないメスや、産卵開始の時 期が遅いメスが存在する。こ
l総
f
での雌移と、高次真社会性の山現とは、分けて考える必要 があるだろ う。 とり わけ r
のような個体にとっては女王になることによる利益はまっ たくないか、あるいは他の個
選択がその過程で果たしている役割は、同手?において異な ったものである可能性 がある 。
体の場合よりも少ない。また、単独で巣づくりをする女王 はワーカーに比べて死亡率が
高次真社会性の社会においては女王とワーカーの関係が入 れ杯わることがない。ワ ー
はるかに高く、産んだ子どもを最後まで育てきれない場合 が多い。つまり、単独創設メ
カーは交尾することがなく、通常は自分の労働を血縁者に ふりむけることによ って間後
スになることには大きなリスクがともなう。さらに、多数の メスが共同生活を営んで、い
的に遺伝子をのこすしかない。しかしこのタイプの社会においても、比!被的まれに、 ワ
っ と多くの子をのこすことができるので、ワーカ
メスよりもず、
t
る巣の女 王は、単独自!日;
ーカーが卵を産むことがある。ハリナシバチでは、このワ ーカーによる兆卯の有無やそ
ーとして巣にのこり女王になるチャンスを待つことによる 見返りは、十分に高いものと
の頻度が積によって大きく異なり、多いものではその頻度 がミツバチの場 合 をはるかに
nの公式を現実のデータに適用したとき r以外の変数が
o
t
l
i
m
a
なりうる。このように、 H
i
l
W
'
,
iを淀んでもそれは未受 f
1
上回る(詳細については後述する)。ただし、ワーカーが 0
大きな意味をもっ場合もあることに留意する必要がある。
であり、 ~If化しでもオスにしかならない。そこで、自分の労働をどの個体にどのよ う に
ところで、このアシナガパチとミツバチやハリナシバチと では、その社会の成り立ち
配分するのかとい うことが、ワーカーの繁殖戦略上重要な問題となる。それ は次世代の
に基本的なちがいがある。アシナガバチでは、普通、羽化 したメスが女王になることも
[l縁皮に応じた投資の配分
j
オスとメスへの投資の配分の問題であると同時に、子ども の f
ワーカーになることもできる。 一方、ミツバチやハリナシバチでは、特定のメスが女王
の問題でもある。木研究があっかうのは、このような高次 真社会性の社会におけるワ ー
になるかワーカーになるかは羽化した│時点ですでに決まっ ており、その後に変化するこ
l縁認識の問題である。
r
[
カーの繁殖戦略と、それに関わるワーカ一間の r
とはまったくない。この向者のちがいは、昆虫の社会性の 進化におけるふたつの大きな
6
7
1-2 血縁認識とその問題点
てきた(総説集として、 F
l
e
t
c
h
c
r&Michcncr,1987および Hcppcr,1
9
9
]a
) 。これらの研-究
の多くは、血縁関係のわかっている個体を使った尖験的な条件下での行動観察によるも
動物の社会進化のモデルとしては、血総選択説以外にいくつかのものが知られている。
のである。その結果、 ]980年代後半まで、に節足動物から 1
1
1日乳知までの r
p
M広い系統昨で、
相互利他行動 (
T
r
i
v
e
r
s,1971)、籾による保護投資 (
T
r
i
v
e
r
s,]
9
7
2
)、親による 子の操作
動物が他例休との J
l
f
l縁関係を l
lJ定できるとい うデータがえられてきた。これらの研究で
(
A
l
c
x
a
n
d
e
r,]
9
7
4
)などである (Wil
s
o
n,1
9
7
5
;Dawkins,1989 も参照)
は、あらかじめ隔離して育てられた他個体と山会ったときに、動物がその相手を l
r
[
l
緑度
0
Dawkins(
J976)は
似体よりも辺伝子の観点から行動生態学の論理をみなおすことを強調し、そのなかで、
親による保護投資は血縁選択説の枠組みのなかで、理解で、きると論じた。
親による子の保護は生物界に広くみられる。しかし、親が保護し投資すべき自分の子
に応じて識別することが示されている。
社会性昆虫では、現象自体は古くから知られていたコロニ一間の防許可行動を中心に、
ミツバチ、コハナバチの一種、アリ、アシナガバチなどであたらしいデータが活発に収
供を常に正般に認識しているとは限らない。たとえば、 Dawkins(1976)も指摘している
集されてきた。略奪行動ゃなわばりの防衛などをめぐるコロニ一間の闘争においては、
ように、カッコウは他の 鳥の巣に自分の卵を j
主みこみ、その烏に自分の子 供を育て させ
巣仲間認識 (nestmatcr
e
c
o
g
n
i
t
i
o
n
)の能力が必要で ある。コロニーは血縁集団なので、この
る。托卵される側の鳥は、自分がつくった巣のなかにいる小さな鳥に投資する というル
現象は血縁認識と深い関連があると考えられる。このような関心にもとづいておこなわ
ールにしたがっており 、それが木 当に自分の子供であるかどうかを認識してはいない。
れたあたらしい rVf究の多くが、社会性昆虫のワーカーが ~H11n1J とそうでない者とを尖際
また、つがいで巣をつくる鳥のなかには 、メスの「不倫 J でできた子供をオスが育てる
に識別できることを示している(総説とし て
、 Michcncr& Smith,]987;Brccd& Bcnnctt,
はめになるものがいる (Dixonela
l
. 1994)。動物に血縁者を認識する 能力があれば、こ う
1
9
8
7
;J
a
i
s
s
o
n,]
9
9
1
;井上, 1993など)。さらにセイヨ ウミツバチ (Api
sm
c
l
l
i
f
とr
a
)では、コ
した「誤り」をふせぐことができ、
ロニ一間のレベルだけではなくコロニー内のよ り微妙な血縁度のちがいが識別されてい
1
1
1
1縁選択をつうじてより効率的 に自分の遺伝子をの
こすことが可 能になるだろう。このように、血縁認識 (
k
i
nr
e
c
o
g
n
i
t
i
o
n
)はJ
f
Jl縁選択 (
k
i
n
るかどうかについても数多くの研究がなされてきた。ミツバチでは女王が複数回交尾を
叩lcction) の必~条件ではないが、それをより治力に機能させる効呆をもっと考えられる。
おこなうため、ひとつのコロニー内に父親の異なる複数のグループが生ずることが知ら
自然界には、 l
f
l
l縁認識が有効に機能しうる状況として多くの研究者にみとめられてい
れている。したがって、ある個体(特にワーカー)が父親が共通の超州i
妹(
s
u
p
c
rs
i
s
t
c
r
s
)
るものが、これ以外にもうひとつある。交尾である。近親交配をさけることの有利さは
と父親が異なる半姉妹(ha
l
fs
i
s
t
e
r
s
)のちがいを識別できるかど うかによって、その例体の
よく )
:
1られているが、Batcsol
1(
J983)は
、 この近別交配による必影響 (
inbrccuingd
c
p
r
c
s日i
Ol1)
包括適応度には大きなちがいが生じる可能性がある。この仮説にもとづく一連の研究の
と生態的に Y
と
な った環境に適応し 逃伝的に陥たりすぎた個体との交尾による忠影響
結果は 、肯定的なものと否定的なものとに分かれている(総説として、 B陀 吋 &Bcn
n
c
t
t,
(
o
u
t
b
r
c
e
d
i
n
gd
c
p
r
c
s
s
i
o
n
)の双方をさけて中間の交尾相 手を えらぶという、よ設 j
菌外交配
1
9
8
7
;井 上,1993) 。
(
o
p
t
i
m
a
lo
u
t
b
r
c
c
d
i
n
g
)戦略の観点を提起した。
このような研究のながれに対して 1990年の時点で包括的な批判をくわえたのが、
f
l
l
l
縁認識の適応的意義としては、このほかにも、血縁者は自分とよく似た免疫システ
G
r
a
f
e
nの「動物はほんとうに血縁を認識しているのか ?J と題する論文である。 G
r
a
f
c
n
ムをもっているので病気の感染をふせぐために血縁者と の共食いを回避するという観点
は前掲のように血縁選択説の強力な支持者だが (Grafcn,]
984,199]aなど)、彼は この論
などが提起されている (Shcrmanela
J
.,J
9
9
7
)。
文の中でそれまでに得られた野外および実験室でのデータを批判的に検討し、これらの
以上のような似点から、 1970年代後 半以来 、動物を "
1
心とする生物の血縁認識につい
ての尖託研究が 、アメリ力、イギリスを 1
11
心にたいへん問先におこなわれるようになっ
8
データは必ずしも血縁認識を実証したものとはいえず、種の認識やグループの認識ある
いは個体の認識の能力が実験的操作にともなう人為的な副産物としてあらわれており、
9
これがあたかも血縁認識の能力で、
あるかのように解釈されているにすぎないともいえる
である。しかしここでも、尖験手法上の川題点が別なかたちで f
パ:
1
する (
Ca
r
l
i
nclal
.
,
のではないかと述べた。種や グルー フや個体の認識においても、遺伝的なマーカーが標
1990) 。た と え ば 、 いくつかの研 '先で尖際におこなわれていたように 、 ~r!j !Ltとこ I ~ j
l
!
r
i
妹を
識として つかわれる こと があり うるので、遺伝的な差異にもとづいて個体を識別したか
研究者がみわけ られ るよう!
日l組問
で
、Y
となる 体色 のような 泣伝マーカーを 使って火-験をお
らとい って、必ず、
しも血縁関係を認識したことにはならないと論じたのである。
こな っ た場 合 、そ の 辿 伝マーカーが 、 1f1 l 総皮ではなくもっと大きな系 M~U\J の 桁 以として
たとえば B
l
a
u
s
t
c
i
nela
J
.(
1
9
8
7
a
)が総説しているオタマジャクシの集合性に関する研究
ハチたちに つかわれてい るかも しれな い。
は、血縁認識ではなく種の認識のシステムと考えることができるという。これらの研究
このように、 G
r
a
f
c
nの問題促起は、それ までの研究のアフ ローチのあり かたに ,
T
}巧
を
は血縁関係にある個体がより集合しやすいことを示しており、確かに遺伝的な基盤にも
せまるとともに、この分野の研究者にそれま で I~JI僚に 意識さ れ ていなかった難 題 をあら
とづく認識がおこっている 。 しかしそれらのデータが統計的に有意であるのは、効果が
ためでは っきりと 認識させる結果 をもた らした 。 また、それ と同 時 に、 この 問題民起は
大きいからではなくサンフル数が大きいからであった。また種間や種内の個体~~下問でこ
やや混乱した状態にあ ったこの分野の概念の枠組みをかな り明快 に推理し なお した側 I
I
(
I
の能力に大きな変 ~I~ が存在することも知られており (B l au s t ein ela
l
.,1
987b)、 このことも
もある。
血縁認識でなく種の認識であるという説明を支持している。しかし、オタマジャクシに
G
r
a
f
c
n(
1
9
9
0
)が述べたことのうち、 今後 の研究を進める うえで主主!な指針とな る以は、
種の認識の能力があるという発見は、このような種がその進化の過程で血縁認識が重要
大き くい ってふたつある。ひとつは、積によ ってそれぞれ異なる同イJ
の社会的 .~~ IIJJ 的
となる 局面をむかえたとき、こ うした弱い認識の能力を前適応としてそれに改良を加え
状況において血縁認識の能力が進化する必然性(選択圧)があるかどうかを:
卜分に考慮
ていくという道筋をとることができることを示しており、その意味でたいへん興味深い、
しなくてはならないとい うこと、もうひとつは、 l
仇縁認識の進化を可能にする辿伝的な
という趣旨のことを Gr
d
J
e
nは述べている。
システムの柿造を考察するための枠組みを従来より i
列般に山併でき るかた ちに終 f
i
l
[しな
社会性昆虫においては、血縁認識に関連する現象を、前述のようにコロニー問の認識
おさなければならないということである。府j
'
:
に、後者については G
r
a
f
c
nI
守身が )
k本 (
1
<
]な
とコロニー内の認識というふたつのレベルの認識に大別することができる 。 この双方の
枠組みと考えるものを提出しており 、木研究でも 主 としてこの枠組みをもと に巧然を す
側面において 、Gi
c
l
f
.
e
nの提起 した問題 のもつ意味 を検討 してみよう 。前者の側面、すな
すめる。その骨子は、 1 f11縁認識に関与する例体や集団の逃伝的な~~椴として、認識のた
わちコロニーの防衛においては、巣仲間である血縁集団がそのまま互いに排他的なグル
めの標識 ・認識における判断 ・判断にもとづく行動を支配する 3つの遺伝子座を考え る
ー プをなしている。かれらは 1
1
f
1
縁関係そのものを認識しているのだろうか? それとも
べきであること 、標識の辿伝子座と判断の泣伝子庄は強く述鎖しないと 予処
!され ること 、
環境条件に山来する巣のにおいのようなグループの指標を認識しているのだろうか?
標識の遺伝子座では対立遺伝子が多型化しているべきであるということである。詳細に
かれらが栄'
{
I
'
l
mを認識できるという事実だけでは、このちがいを分 けることができない 。
ついては、これに対する最近の有力な反論 (
Shc
rma
nclal
.
,]
9
9
7
)もふくめて、本研究の
栄仲間と血縁集団というこのふたつのカテゴリ ーを分縦すること自体、 このように考え
当該箇所で、
あらためてくわしく論ずることにする。前者の問題、すなわち血縁認識の進
ると、概念的にも実験的にもそれほど容易なことではないことがわかる (
St
ua
r
t,]
9
9
1
;
化をもたらす社会的な文脈については、社会性ハナバチ類を対象に、ここでさらに検討
Gr
a
f
c
n,1
9
9
1
b
) 。一方、後者の側面、すなわちコ ロニー内での識別に関するミツバチの
を加えておく。
研究においては 、このカテゴリーの分離の問題がひとまず自然に回避されているように
木研究の対象であるハリナシパチは、ミツバチ問機、高次真社会性の社会を営んでい
みえる。 II~J Jmは起姉妹か半 ~rlj 妹かという 1ill 縁度のちがいそのものであって、認識される
る。 この社会には、女王 ・ワーカー ・オスという 3つのカテゴリーの間に、次のような
べき個体がともに栄仲間であるとい う条件はひとまず共通のものであると忠われるから
個体間関係の組み合わせがある。(1)女 王と女 王、 (2) ワーカーとワーカー、
1
0
1
1
(3)
オスとオス、
(4)女王とワー力一、
(5)女王とオス、
(6)ワーカーとオスの 6通
りである。これらの関係の組み合わせに応じて、血縁認識が必要となる社会的文脈はそ
れぞれちがったものになると予想される。これらをひととおり見たうえで、本研究が対
象とする問題をあきらかにしておこう。
ワーカーの関与する l
f
r
l縁認識としては、これらのほかに従米本栴的な /
i
J
f究がなされて
いない領域がある。それは、ワーカーがオス(未受 fltj~[i)を 'p'(~ むときの lhl 総認識である。
ここでも、ワーカーが巣の労働力をになう存在であることから、ワーカーが認識する側
の個体となる状況が主要な問題となるであろうと予怨される。すなわち、
(1)女王どうしの問には 、羽化した 未受付の個体の中か らと、
れが新女 王に なるかと
いう午いがある。この際に女王どうしの直接の血縁認識がどのような役割を淡じている
(2)ワーカ
ー聞の認 識と(6)ワーヵーによるオスの認識である。ワーカ一間の認識は、 i
r
Ii述の巣
の防衛(巣仲間認識)とオ スを産むときの巣の内部での j
J
l
l縁認識のふたつを分けて考え
かはあきら かでない。 (3)同級に、オスどうしの血縁認識についてもその役割や実体
るべきことがここからわかる。本研究が対象とするのは、この問題である。木研究では
はわかっていない。
このワーカー問の認識の問題をあっかい、ワーカーによるオスの出版の認識はあっかわ
(5)女王とオスの問には、配偶者選択に関わる場面で、 1
I
l
1縁認識が霊袈な役割を果
たしている可能性がある。これは理論上、 l
f
l
l縁選択で、はな く、最適外交配に│刻わる問題
ない。しかし、ワーカーか らみた次世代のオスの血縁度が 、 ワーカ一間の lfTl~承認識にも
とづく判断にと って重要な変数となるであろう 。
である。社会性昆虫では、低次真社会性のカンサスコハナバチ (Lasioglossumzephyrym)
社会性昆虫の血縁認識の研究においては、前述のような行動の飢祭と同時に、認識に
やその近縁種 (
L
.malac
J
1
U
rum)において、オ スがメスの r
f
r
l縁度を認識 しているらしいこと
もちいられている化学信号の解明にも大きな関心がもたれている。これは、 G
r
a
f
c
n(
1
9
9
0
)
が知られている (Smith,1983;Smith& Ayasse,1987)。
のいう血縁認識にかかわる 3 種類、の遺伝子座(認識のための標識・認識における ~1:iJ I
析
・
ワーカーは、通常自分では卵を産まないので、認識される側よりも認識する側の個体
としての立場にたったとき、血縁認識がより大きな意味をもってくると考えられる。実
際、従来この傾城でおこなわれてきた研究の大部分は、
判断にもとづく行動)の うち 、 「認識のための標識 J の表引型レベルでの解明という課
題である。
(4)ワーカーによる女 王の認
一般に昆虫のコミュニケーションにおいては、さまざまな化学物質を広く 利川し I
l的
識 と (2)ワー力一間の認識に関するものである。ワー力一間の認識は、巣の防衛のた
に応じてつかいわけることが知られている。たとえばチョウ目の性フェロモンでは、そ
めにも重安である。
の物質が遠くまでとどくことが必要なため、適度な出発性をもったものがつかわれる。
(!
l) ワーカーによる女王の認識については、前述のように、セイヨウミ ツバチ にお
一方、社会性昆虫の警報フェロモンには、有効 H
寺問も有効距離も 短い開発性の高い物質
いて火王が復数回交尾することから、女王育仔(sr
c
e
dc
la
J
.
,1
9
8
4
;Pagc& E
r
i
c
k
s
o
n,1984,
がつかわれる。しかし、多数の個体が密集して生活している社会性昆虫のコロ ニー内で
]9
8
6
a
;V
i
s
s
c
h
c
r,1
9
8
6
;Pagec
la
.
11
9
8
9
) 、分対 (Boch& Morsc,]
り 74,1979,1981,1
9
8
2
;
侵入個体や巣仲間の血縁度を認識するためのものとしては、触角で直接相 手のからだに
s
r
c
c
d,1981,G
c
t
zc
la
J.
,
1
9
8
2
)、王位継承 (
P
a
g
c& E
r
i
c
k
s
o
n,1
9
8
6
b
)といった過程において、
さわって認知することのできる揮発性に乏しい物質が適していると考え られる。
研究がなされてきた。
近年、アリを中心とする社会性昆虫において、クチクラ上層部の体表に付着したワッ
(2)一方 、栄 の防衛に関わるワーカ一間の認識(巣仲間認識)については、アリ、
クスの化学組成(主成分は炭化水素)が種によって異なり、これが稀の認識につかわれ
アシナガバチなど社会 性昆 0
1のさまざまなグルーフで研究がおこなわれてきた。ハナバ
ていること がわかって きた何oward& Blomquist,1982;山岡, 1990,1994)。サムライアリ
チ郊では、セイヨウミツバチ(sr
c
c
d,1
9
8
3
;B陀 ω c
la
J
.
, 1
9
8
5
;G
c
t
z& Smith,1983,1
9
8
6
)、
とそのドレイアリ、アリやシロアリとそれに労働寄生する昆虫などが、同じ体 表炭化水
カンサスコハナパチ (Grじcnbcrg,197り
;Buc
k
Jc& G
rccnbcrg,1
9
8
1
)などのほか、ハリナシバ
素の組成を もっている 例が多いこ ともあきら かになって いる何owardc
la
l
.,1
9
8
0
;V
a
n
d
c
r
チでも Mc
I
伊ona""~ 3泊に│失!する報告がある(s
rωd&Pagc,1
9
9
1
)。
Mccr& Wojcik,1
9
8
2
;山岡, 1990,1
9
9
4
)。これらは、労働寄生性の厳による化学擬態であ
12
1
3
る と解釈されてい る。さらに、ア リの栄仲間認識 においても、こ うした組成のち がいが
DNA 、 r 附~A の分子レベルのデータと形態のデータをあわせて分 j皮肉を作成し た もので
;山岡, 1990,
8
8
9
, 1
.
1
ta
le
e
r
o
M
利川されている ことを 示唆するデータ が得 られてきた (
i次点社会性 の起源はひとつ
f
ある。この系 統 関係 が正しいならば 、 ミツバチ科における l
)。コハナパチや ミツバチに お いても、こうし た側面に関する 研究がおこなわ れて
4
9
9
1
であ る と雌測 され る ことになる。
)。ミツバチのワ ーカーは、巣仲 間のワーカ
8
8
9
, ]
.
1
ta
ze
t
;Ge
8
8
9
いる (Smith& Wenzel,1
)。
8
8
9
, 1
.
1
ta
ー を、体表 ワック ス とナサノ フ腺の分泌液で 区別できるとい う (Ge也 e
n縁認識の 全体像を理解す るためには、以 上のような側面 の研究
f
社会性昆虫に お ける l
U、今から 約 9600h~ I ~ から
I
E紀後 J
D
現在知 られている最 も古い ハナバチの 化石は 、 正I
r
c
n
7400万年前のニュー ジャージー 州 の域別か ら発凡 されたハ リナシバチである (Michc
sに非常 によく 似ており 、腹
c
p
i
l
i
gonac
"
)。この化石 の形態は現存積 Tn
a
8
8
9
i,1
d
l
a
m
i
r
&G
が不可欠であ る。血縁認識に おいては、こう した化学信号 の組成がどのよ うに表現型レ
部の小さいメス であることから あき らか にワー カーであり 、花粉かごなと、の体毛の生 え
ベルの多段性を うみだしうるの かを理解するこ とが、特に重要 な課題であろう 。本研究
i,
d
l
a
m
i
r
r& G
c
n
c
h
c
i
M
かたなどから複 雑な採餌行動を すでに発達 させていたこ とがわ か る (
では、ハリナシパチでこのような側面へのアプローチを試みる。
]988b) 。この年代推定が正しければ、ハナバチ 類 は 白 部紀後期ま で にか なりの 迎 )1~\Jj!x. 1 放
Iまで にすでに者
をとげていたこ とになる。ハナ バチ類の仰とな る被子他物は、 この 1与W
しい適応放散をとげていた(力的案、 1993) 。草花問中 のハナバチの化 石 で これまでに 記述
されているもの の多くは、今か ら約 4000万年前、走行::t代始新│止のころの ものであ る
1-3 ハリナシバチの 生態特性
lとかさな っ
U
J
.
1
)。この│時期は、被子他物が最も多織化したといわれている11"
4
9
9
r,1
a
n
i
o
P
(
1-3-1
ている(戸部、 1994) 。
系統関係、化石 、分布
に
I
r
F
ハリナシバチ亜 科は、現在世界 で 400積以上が知られており、 ミツバチ而科の 8,
)・マルハナパチ亜科
e
a
n
i
p
A
)は、ミツバチ亜 科 (
ae
n
i
n
o
p
ハリナシバチ亜 科 (Mcli
で
)を椛成する系統制i
Bombinac)・シタパチII.E科 (Euglossinae)とともにミツバ チ科 (Api由 e
(
ある (Michcncr1990)。これらの 4つの亜科のうち 、ハリナシパチ 並科とミツバチ 亜科が
次真社会性の段 階に達している 。すなわちこの 2つのグループは 、女王とワーカ ーが
日j
I
しており、分封によ って繁殖する多 年性
形態的にも生理 的にも完全に分 化した段階に達ー
科は単独性のも の
の栄をつくる。 マルハナパチ並 科は低次真社会 性であり、シタ バチヨE
と側社会性のも のをふくんでい る。側社会性と は、同 一世代の成虫が ひとつの巣で共 存
する状態である 。ミツバチ亜科 以外の 3つの亜科は、以 上のほかに寄生 性の種をふくん
lr,ld 米・束 r~J アジア ・ オース ト ラ リ
l
くらべてはるか に多い (Sakagami,1982) 。分布は、 r
を
:
i
ア・アフリカの熱帯・血熱帯を中心とする地域に│彼られている。ミツバチ も本来熱イ;
)やアジア ミツバチ (A
a
r
c
f
i
l
l
c
巾心に繁栄する グループだが、 セイヨウミツバ チ (Ap広 m
印 刷
)は瓶帯にも生息 する。セイヨウ ミツバチは、義 的川に家諮化さ れた ものが人為的
a
広大してきた。 現在アメリカ大 陸やオーストラ リアに分布
な移動をつうじ てその分布を t
、
するミツバチは このようにして 導入されたもの である。逆に東 南アジアとアフ リカ で は
ミツバチとハリ ナシバチが人為 の介入以前から その生態的地位 をわけあ ってきたことに
なる。ハリナシ バチの種数が最 も多いのは、本 来ミツバチが生 息していなか ったけ l南米
)。ハリナシパチは熱川;林
2
8
の熱川地域であ り、半数の約 200種が分布する (Sakagami]9
でいる。
ミツバチ科に関 する最近の系統 学的な研究によ ると、まず最初 にシタパチ亜科 と他の
3~l下の共通ネ1l先が分化し、次いでマルハナパチヨ E 科がわかれ、最後にハリナシバチ班科
E科にわかれたと されている (Chavarria& Carpcntcr,]994)。この科の系統 樹は
l
とミ ツバチ l
従来さまざまな ものがえがかれ てきたが、この 研究は、従来個 別にあっかわれ てきた mt
4
1
の送粉者として 重要な存在であ り、これらの地 域の生物多段性 をかたちづくる 種間関係
)。
3
9
9
.,]
l
ta
cc
u
o
n
[
の網の自のなか でたいへん重要 な位置を占めて いる (
aminangkabau は京市アジ
n
o
g
i
r
本研究では 4磁のハリナシバ チをもちいる。 このうち T
; は鼠勢、%に
<
i
s
n
c
d
a
r
o
J
o
c
m
r
a
ab
n
o
g
i
r
t
o
l
p
a
c
apanamica 、 S
n
o
p
i
J
a、Mc
J
u
l
s
u
g
n
プ、のこちの T a
5
1
分布する。
ハリナシバチにみられるこの巣問のワーカーの作来は、 [
f
1
1緑認識の間以からも興味深
い。古い巣のワーカーは、新しい巣からもどってくるワーカーを血縁者-として受け入れ
1-3-2 巣の素材と構造
なければならない。このような運搬は、新しい栄の存続の可能性を山めるので、 [
(
n縁関
係にある古い巣のワーカーの包括適応皮を高めることにも役立つ。しかし、もし侵入し
ハリナシパチの仲間は、多くが樹洞などの空洞に栄をつくる。しかし、木の校の上 、
てくるのが [
(
l
l縁関係にない別の巣の個体ならば、そのような例体による資源の J
5ち/1¥し
木の組元、 二
:
iの r
j
lに栄をつくるもの、さらに、アリやシロアリがつくった巣の内部の空
はマイナスになるので、古い巣のワーカーはこれを排除しなければならない。新しい栄
洞を利川するものもいる (Michcner,1
9
7
4
)。
からもどってくる血縁者はすで、に巣仲間で、はないので、この区別はi
i
i.なる栄 {
l
l
ln
.n認識で
巣の内部梢造は、野外の他物から集められた樹脂とワーカーが腹部から分泌したワッ
クスの混合物であるフロポリスでできている。内壁はこれでぬりつぶされ、付属物のつ
はない。ここでは、異なる巣の個体の認識が、巣問の血縁関係の認識をともなうことで
意味をもちうるのである。
いたチューブ状の制[1い入口が外部に突き出ていることが多い。巣の中は、周辺自 I~ に蜜や
ところで、営巣場所の環境条件が悪化したり、~ミが捕食苧í' や寄 ~I三者の侵入を受けたり
r
l心部に育房がつくられ、プロポリスの支柱で相互に回定さ
したとき、コロニー全体が他の場所に移ることがある。これを移封 (
a
b
s
c
o
n
d
i
n
g
)と呼ん
花粉をためこんだ貯食査、
れている。育房は一室一仔であり、ほとんどの種で育房の入口が上を向く。新しい育房
でいる(坂上、 1983) 。移封は分封と異なり、新女王の生産をともなわない。ミツバチ
は竹い T
iJ
J
Jの l
ニにつくられる。幼虫が M化するとその材料は回収され、あたらしい育!万
はこれをしばしば起こすことが知られている。ハリナシバチではこれが起こりにくいと
づくりにつかわれる。種によって、多数の育房が般につながった巣般(カム)をつくる
されてきたが、現実に移封を起こし新しい場所への定着に成功した例も報告されている
ものと、 n
l
1
i
l
々のず7
房が不規則に配列されたクラスターをつくるものとがある (
S
akagami,
(
I
n
o
u
ec
ta
l
.,1
9
8
4
a
)。
]9
8
2
;Sakagamicla
1
.,1983b
)。本研究でもちいる種のうち T minangkabau は後者 (
S
a
k
a
g
a
m
i
c
la
l
.,1
9
8
3
a
;Sakagami&
I
n
o
u
c,1
9
8
5
)、のこりの 3磁は前者のタイプである。
1-3-4 個体の発育期間と齢間分業
生息地の熱帯林地域で成虫のいなくなった巣を放世しておくとすぐにカビが生えるが、
正常に活動している栄にはカビは生えない。南米には、感染症にかかったときハリナシ
バチの巣の蜜をなめるという民間療法があるという(須賀、未発表)。
ハリナシバチのワーカーが発育し採餌に出るまでに要する期間は、一般に、セイヨウ
ミツバチで知られているよりもはるかに長い (Sa]mahcl8,
.
11
9
9
6
)。この j
問問は、 j
)
l
r
まれ
た卵が羽化して成虫になるまでの発育期間 (
i
n
c
u
b
a
t
i
o
np
c
r
i
o
d
)と、羽化 した成虫が係餌の
1-3-3 分封と移封
ため外役に出るようになるまで前採餌期間とに分けられる。セイヨウミツバチでは、発
育期間が約 20 日、前採餌期間が約 20 日の合計約 40日であるのに対し、本研究でもち
ハリナシバチでは、分封 (swarming)に際して新女王が出栄し、ワーカーが新しい巣の
いる種のひとつ T minangkabauでは、発育期間が約 42口、前 j
采餌 j
何回が約 30円の合計
場所へもとの栄から栄の材料を運搬する。この運搬が約 1年にわたってつづいたという
約 72日である。こうしたちがいは、コロニー単位の個体併の齢精進やその動態にちが
制作もある(In
o
l
l
ccla
l
.,1
9
8
4
b
)。この分対の版式は、同じ i
;
1次氏主1
:会性のミツバチと対照
いをもたらす要因となるであろう。利用できる餌の量が大きいときには、ミツバチの方
f
内である。ミツバチでは、新 !(Tが;誕生するとはおJ
がワーカーをともなって山巣し、ふ
がコロニーサイズを急速に大きくすることができると考えられる。
たつのコロニーのあいだの関係はほ籾が II\~ した 11与点でとぎれる。
1
6
羽化した直後のハリナシバチは、体が白くやわらかい。その後数週間にわたって体色
1
7
が日を追ってしだいに黒化し ωigmentation)、体が硬くなる。 種によって、この体色の変
.,1984,1987,
l
ta
化の度合いを、羽化後の日齢の進行と対応づけることができる (Salmahe
)。
6
9
9
1
ハリナシバチのワーカーでは、羽化後の日齢に応じて分担する仕事がかわっていく。
aの例で示す(図 1- 1)。羽化
c
i
m
a
n
a
その依子を、本研究でもちいる種のひとつ M.p
後数日間のワーカーは、活発に動かず、巣盤の上でじっとしていることが多い。その後、
2週間目の終わりぐらいまでは、育房づくりや育房への給餌など、育仔に直接関
1
羽化推1
Callows
n
o
i
t
i
s
o
p
i
v
O
4
-
係する作業を分担する。ワーカー産卵がみられるのもこの時期である。ついで 、羽化後
圃
2週間後から 3週間あまり後にかけての時期に、巣内のパトロールや掃除をおこなう。
・
且
broodcarers
Young,
0日目ぐらいから、巣の入口でのガードや係餌などの外役を分担する
さらに、羽化後 2
nestcleaners
lguards,
a
d
i
n
a
r
t
n
I
寺期や長さは、種によっても季節や飼育条件な
1
ようになる。それぞれの仕事を分担する 1
)。しかし、
6
9
9
.,1
l
ta
ee
u
o
n
I
どによっても異なり、また個体問でもばらつきが存在する (
仕事をかわっていく順序は基本的に共通である (Salmah,1987)。
このことは、本研究で試みるようにワーカ一間でおこなわれるクラスの認識を巣仲間
。
10
20
30
40
e
c
n
e
g
r
e
m
re
e
t
f
sa
y
a
D
認識と巣の内部での血縁認識とに分離しようとするとき、認識される側のワーカーの日
齢に注目するべきであるということを示している。つまり 、巣仲間認識は巣の防衛に関
わるものであるから 、認識の対象となるのは外役個体である。それに対し、巣の内部で
の血縁認識ではワーカーによる産卵が問題であるから 、認識の対象となるのは羽化後の
日齢があまり進んでいない個体で、ある。
を
c
J
1・
均舵移。 それぞれの{:
J分業の平均 f
U
. Mcl伊onapanamicaのワーカーの齢 r
図 1-1
や飼育条件などによって兵なり、個体問でもばらつきがあ
f
寺期や長さは、五l
1
分担する 1
1をおこなう
1
i1序は共通である。木研究でもちいたワーカ一皮 9
J
る。しかし、基本的なI
]J~J はほぼ同じである。
.
1
sでも、産卵の 1
i
s
n
c
d
a
r
o
l
o
c
o
r
r
a
ab
n
o
g
i
r
t
o
t
p
a
c
もうひとつの積、 S
1-3-5 給餌産卵過程
ハリナシバチには、育房づくりや給餌・産卵の過程に、他の多くの真社会性昆虫には
みられない特徴があり、さらに、その細部に種間でさまざまな多様性がみられる
)o
6
9
9
,1
.
u
t;
;Drumonde
1
9
9
.,1
l
ta
ne
n
a
m
t
t
i
;羽l
c
3
8
9
.,1
l
ta
;Sakagamie
2
8
9
(Sakagami,1
.
.
,
.
、
l_.
:POP)とよんで
s
s
c
c
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r
np
o
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p
i
v
do
n
ga
n
i
n
o
i
s
i
v
o
r
の過程をまとめて、給餌産卵過程。∞ dp
いる。 POP パターンは、系統 ~l下ごとに特徴的であり、ハリナシバチヨE 科内の系統関係を
里li 解するうえでも韮~だとされている。
8
1
9
1
ミツバチ、マルハナバチ、スズメバチ、アリ、シロアリなど、多くの真社会性の昆虫
2などを参照)。育房がつくられているあいだの火主の行動や火王とワ
8
9
,1
は Sakagami
e
v
i
s
s
c
gr
o
は、卯から羽化した幼虫に少しずつ加をあたえる。これを随時給餌(pr
1員}j-:で給加するかとい ったことに
ーカーの相互作用、さらに、多数の育房にどのような )
)とよんでいる。これに対しハリナシバチは、社会性がそれほど進化してい
g
n
i
n
o
i
s
i
v
o
r
p
も、種や系統群によってさまざまなタイプのものがある。
s
s
a
m
ない他のハナバチの仲間と同段、産卵前に餌を一度にあたえる一括給餌 (
こういった多機性の意味は、いまだ十分には解明されていない。しかし、これらはす
) 。その結巣 、 ミツバチとハリナシパチでは、給
0
7
9
)をおこなう(坂上、 1
g
n
i
n
o
i
s
i
v
o
r
p
べて外部の環境から遮断された高次真社会性の巣の中のできごとであり、それぞれの系
I序やパターンが大きく異なっている。
T
飢産卵過程全体のJ!l
.作
i
統群の歴史と種に固有の社会構造、そしてそれにもとづく個体問(遺伝子間)の相 I
ミツバチでは、成虫が羽化するたびに同じ育房がくりかえしっかわれる。女王は中空
用といった観点からの解明が待たれてい るといえるだろう。
の育房に卵を産み、卯は約 3日後に貯化する。幼虫はその後約 5 日間にわたってワーカ
ーによる給似を受け、その後、育房のふたが閉じられる。これに対しハリナシパチでは 、
1-3-6 ワー力一産卵
背房はそのっと、新しいものがつくられる。ひとつの脊房がつくられるのに最低 2 II~j 間程
度を要し、その後、ワーカーによる給餌・女王による産卵 ・ワーカーによる育房のふた
このような観点と関連してとりわけ興味深いと思われるのが、ミツバチで非常に低い
0分以内と
多くの種で 1
がけというプロ セスが、コロニー全体を興奮状態にまきこんで、
頻度にお さえられている女王存在下でのワーカーによる 産卵がハリナシパチでは広くみ
いう短時間のうちにおこなわれる。このようなきわだった時間の分節化は、ミツバチの
られること、しかもその内容が穏問で大きく異なり多様なことである。そのなかには
1i'i序が、ミツバチとハリナシパチでは逆転
給餌産卵過程にはみられない。給餌と産卵の )
i
m
a
g
a
k
a
S
i のようにワーカーがまったく卵を産まないものもあれば (
r
c
J
J
e
u
am
n
o
g
"
n
Hypol
している。ひとつの育房への給加が、ミツバチでは 5 日にわたっておこなわれるのに対
)。
2
8
9
i,1
m
a
g
a
k
a
S
aのよ うに 2種類、の卯を産み分けるものもある (
c
I
l
S
o
.p
)、S
4
7
8
i,1
h
c
c
u
&Z
2分で終わる。
'
'
"
'
し、ハリナ シバチで は強い興奮状態のうちに 1
)という形態
g
g
cc
v
i
t
c
u
d
o
r
p
c
r
)と生殖卵 (
g
g
cc
i
h
p
o
r
t
後者における 2種類の卵とは、栄養卵 (
後者では、これが、多数のワーカーが入れかわり立ちかわり育房の中にからだをつっ
t卵よりも体制が大 きく、
f
均にも機能的にも異なった 2種類の卵である。栄養卵は、生 l
f
こみ、そこに餌を吐きもどすというかたちでおこなわれる 。女王はその餌のうえに産卵
かたちがまるみをおび、核がない。これはできあがった育房のふちに産まれ、おもに派
し、そのあとワーカーは育房のふたを閉める。貯化した Øl~ は育房内にとじこめられたま
卵前の女王によって食われる。生殖卵は、栄養卵よりもず、っと制1長いかた ちをしており 、
踊になると、育房の外壁のフロポリスをワーカ
の加を食べて育つ。幼虫が l
11
まの状態で 1
給餌された育房の内部に産まれる。これは未受精卵なので、成長するとオスになる。こ
ーが外側からかじりとり、ほとんどまゆだけにつつまれた状態になる。産卵されて数週
うしたワーカー産卵の多様性とその意味については、この論文でも、 当該箇所でよりく
間後、
f房を内側からやぶって羽化してくる。
t
見出が 7
J
)
女王は 1H~こ何度も産卵する。必 32 な育房は、毎日育仔期のワーカーによってつくら
わしくあっかう。
ワーカーによる生殖卵の産卵がおこると 、コロニー内の血縁関係は変化する。これは
OP
寺に並行してつくられ、 P
1
れている。段、あるいは系統併によ って、多数の育房が同1
)は、交
8
8
19
s(
k
c
i
n
t
a
コロニー内での血縁認識のありかたにも影響をあたえるだろう。 R
7房が時間的に独立に
4
T房でほぼ一斉におこるものもあれば、ひとつひとつの 7
t
が多数の 7
王の交尾回数にもとづくコロニー内の血縁関係がワーカー産卵のおこりやすさに影響す
OPがおこるものもある。また、育房づ くり
つくられていき、完成したところから随時 P
)
0
9
9
1
n(
c
f
a
r
疫は、 G
1
ると論じている。こうした社会構造のちがいに応じた血縁認識の比 1
的にばらば らに進み 、 しだいに I~il 訓して、品後に POP が多数の 7ti・ 1万ー
IJ
¥
I
'
.
j
1
がはじめのうち 1
による前述の問題提起にこたえていくうえで、有効なアプローチとなりうるであろう。
でほぼ一斉におこるというタイプのものもある(よりこまかい分知やその説明について
この意味で、ハリナシパチはたいへん興味深い材料である。ミツバチのような特定の祖
0
2
1
2
に関する詳細な研究のデータを正当に意味づけていく上で も、このような比較は不可欠
であろう。
の枠組みを佳昭!し、単純な ~I 、 Jlili イム乍i't'J モデルを つ か つ てその i治以のぷ l見えするところを
椛かめた。このなかで、 l
f
l
l紋 ,
行の識別が i
l
iイ心的なれ::識をもちいておこなわれるためには、
しかし、ハリナシバチは、そのほとんど種の分布が熱帯や 亜熱帯の地域に限られてい
ることもあり、その社会行動にはいまだ十分に知られていない点も多い。なかでも血縁
認識については、ミツバチにくらべると、限られた量の研 究しかおこなわれていない
(
Inoue& Roubik,1
9
9
0
;B陀 e
d& Page,1
9
9
1
)。
標識を支配する辿伝子が大きな午前内変災をも っていなければならないことをあきらかに
した。最後に、
t
n6;;í では、ハチ円の社会 'ltL~1{ における lfll 紋認減および m f
i
I
'I
I
n認織の
進化のプロセスについて一般的とおもわれる見取り阿を示し、十!:会 'Itl~ 虫における f!l,1 体
レベルの選択とコロニーレベルの選択の関係について、治 伝子 I
l
i
JのキI
J
1
1
:
作川という制以
からの総指を試みた。
1-3-7 この論文の構成
本研究では、ハリナシバチの以上のような特性をいかして、その血縁認識のシステム
の種間比較を中心とした体系的な研究を試みた。すなわち、ワーカー産卵の有無とその
タイプの異なる 4種のハリナシパチ(東南アジア産の Tn
"
gonaminangkabau 、新熱帯産の
Ta
n
g
u
s
l
u
l
a 、Meliponapanamica、S
c
a
p
l
o
l
n
"
gonab
a
r
r
o
c
o
l
o
r
a
d
e
n
s
i
s
) をもちいて、血縁設J
識
にかかわる行動とそのため襟識となる物質の両面から比較をおこない、以下に述べるよ
うな角度から検討をくわえた。
第 2章では、 4種のハリナシバチの繁殖戦略について、特にワーカー産卵に注目して
観察した結果を記述し、またその意味を包括適応度の概念にもとづいて考察した。第 3
章では、血縁者および巣仲間の認識とそれにもとづく識別行動について、 4種のハリナ
シバチをもちいておこなった実験とその結果を述べた。そして、ワーカー産卵の有無に
もとづく種間比較という単純な方法によって、グループの認識と血縁認識の区別という
G凶
ヒn(1990)が提起した問題にあたらしい角度から光をあてることができることを示し
た。第 41
詳で は、血縁や巣イ1'
聞の認識のための標識としてもちいられていると考えられ
ている個体ごとの体表化学成分の組成について、ガスクロマトグラフィーと多変量解析
を組み合わせて種間・コロニ一間での比較・分析をおこない、また羽化後の環境条件が
これらの物質の組成にどのような影響をあたえるかを調べた。そして標識となる物質の
コロニー内での個体変異とコロニーレベルでの斉一性という矛盾するふたつの必要性の
1
バランスの 1
/,
]Jliiがどのように解決されているかを検討した。第 51
主では、 Grafcnの問題
提起にもとづいて、血縁認識の進化を成り立たせる遺伝的なシステムについての考え方
22
23
第 2章
)。
8
8
9
s,1
k
c
i
n
t
a
R
たためだ、 というみかたさえうまれている (
ハリナシバチの繁 殖戦略
ハチ目では、受粕卵がメス、未受精卵がオスになるため、交尼したメスだけがメスを
4
・
a
・
・
円JL
産むことができる。十1:会性ハチ口のワーカーは交尼をしていないため、
はじめに
z王
F通1'1分で !
f
化するとすべてオスになる。たとえばミ
やワーカーを産むことができず、産んだ卵は身1
ミツバチ、 アリなどの社会性昆虫は、 その組織だ、った社会によって古くからひとの目
をひいてきた。プラトンやアリストテレスをはじめとする古代の知識人も、 それぞれの
知識にもとづいてミツバチの社会について論じている (波辺, 1994) 。夕、、ーウィン以来、
その進化についてはコロニーレベルの選択を強制するみかたが一般的であった。 しかし
このみかたは、近年の社会生物学の発展にともない 、個体または遺伝子レベルの選択が
z& Southwick,
t
i
r
o
;M
5
8
9
リ金 ~JM されるようになったことにより、大きく変化した (Sceley , 1
)。
2
9
9
1
の
カ
ワ
Hamiltonの血縁選択説は、
ツバチでは、何らかの事故によってコロニーが女王を失い、 あたらしい女王をつくりだ
すことができない場合、 一部のワーカーがそれまで女王物質によってその成熟をおさえ
られていた卵巣を発達させて女王的にふるまい、未受精卵を産みはじめる (Sakagami,
)。 このような場合には、 コロニーを成熟させて分封するという通常の方法で繁航
4
5
9
1
するのぞみが断たれているので、 自己の遺伝子を直接自分の息子につたえるのが引にか
なっている。 しかし、女王存在下でも、 ワーカーは産卵することがある。
ハリナシバチでは、 このような女王存在下でのワーカー産卵が広くみられ、活によっ
)によると、
2
8
9
1
てはその割合が非常に大きいことが報告されている。 Sakagami(
「自己犠牲」が逃伝子の観点からみると伝統的
)
6
7
9
1
c(
r
a
s& H
r
c
v
i
r
な意味での「白己犠牲」 とはいえないことをあきらかにした。 また T
、 コロニー内の性比が女王よりもワーカーの利益にしたがうかたちで制的されている
は
Tを促 1包し、
ことを示唆して、社会性昆虫の性比に関する女王とワーカーの葛藤という問足I
n,
e
f
a
r
;Boomsma&G
9
8
9
地近までつづく活気にみちた論争の導火線となった (Boomsma,1
, 1993)。整然たる秩序のもとに活動しているようにみえるコロニーも、 そのなか
;辻
0
9
]9
には似体問のはげしいお勝、別のことばでいえば、進化的な 寺│前のなかでの逃伝 子と泣
ω では、 ワーカーによってオス卯(生殖卵) の産まれる育房の割合が
i
l
s
o
ap
n
o
g
n
l
O
l
p
a
c
S
1 %にも達するという。 しかもこのワーカーの産む卵には栄養卵と生煎卯という形
'2
5"
のちがったふたつのタイフのものがあり、栄養卵は無核でもっぱら女王がPi'~mi するまえ
に女王によって食われるためにのみ産まれる。 同じハリナシパチでも、 Tagona
)。
c
3
8
9
l1
.
,
la
ic
m
a
g
a
k
a
S
m白 angkabau では卵巣が退化しておりワーカー産卵はみられない (
ミツバチでは、女王が健全なコロニーでもワーカーによるオス卵のp'(,~ 9Ii が 0.12 %の別
1
;
6
8
9
Dawkins,1976,1982,1
伝子のあいだのはげしいせめぎあいがうずまいている (
)。
5
り8
s,]
r
c
v
i
r
T
ミツバチのワーカーは、
本章では、 まずハリナシバチ 4種の繁殖戦略について、 ワーカー産卵をr11心に、 1988
年から 1992年にかけておこなった観察の方法とその結来をまとめる。考察では、
「働きバチ J ということばのつかわれかたにあらわれている
J己犠牲の象徴とされてきた。 このイメージはしかし、 必ずしも実際の
ように、勤勉と L
似終結見:とは一致しなし)(坂上, 1983)。 しかも近年の知見によれば、彼女らは女王存在
ドで「ひとの I ~l をぬすんで」
合でみられることがわかっている。 このような現象をどう理解したらいいのだろうか。
Iし
Hamiltonの包括適応度の概念をもちいてワーカー産卵の意味を逃伝子の飢点から張主!
たのち、 ワーカーの相互監視やコロニーの性比、 あるいはコロニーサイズなどの問題と
関連づけて、それぞれの種にみられるパターンの繁殖戦略上の意味を考える。
I~I 分自身の卯を産むことがあるばかりではなく (Visschcr ,
広が非常にイ尽くおさえられているのは、 コロニーのなかでそれぞれ
U
S
t
]8り)、泊市その l
り
のワーカーが 1' 1 分の繁航上の利訴を ilA 大 I~l~ に{tf11 似しようとした結果 、
fを集約するのが
1
) しあって火正に比 0
g
n
i
c
i
l
o
rp
c
k
r
o
w
似(
24
2-2 材料と方法
i
i
Tl
I
ワーカーが杯I
高いいという乱り以;にたどりつい
観察にはすべて、野外で巣ごと採集し、観察用の巣箱に導入したコロニーをもちいた。
5
2
観察の一部は採集された国でおこない、残りの観察は日本に空輸した巣でおこなった。
Jにインドネシア 、スマトラのパ ダン市近郊
8年 3j
8
9
uの栄は、 1
a
b
a
k
g
n
a
n
i
am
n
o
g
i
r
T
で巣箱に導入され、同 6月に日本の松江へ航空便でもちこまれた。そして同年 7月から
aはパナマで
l
u
l
ωu
g
n
aa
n
o
g
i
8月にかけて、島線大学術内の施設で観察をおこなった。升"
9年 4月に松江に空輸された。そして同年 6月に、上と同様に島根
8
9
巣箱に導入され、 1
8年にパナマで巣箱に導入され、そ
8
9
ωは1
i
m
a
n
a
ap
n
o
p
i
l
e
大学で観然をおこなった。 M
~l験にもちいたコロニーは、川にかかわらず、すべて、 ワー カーがイとから採加できる
l引に栄仰を
l
i
cに似たれた判 j
0'
-]
5¥1にある 2
1
,~起大乍の tll~ }
]
1
条件に仰いた。日本では、,;
間き、県の 111 入り円を応外またはグリーンハウス 1)\1の ~~I IlJ に以枕した。ワ ー カーは、わ(
主の間四に月]怠した花々や1'1然の花、またはグリー ンハウス内のイとから採制した。パ
I
i
花
!jの
I
1
リ
'
j
Q
r
W
!然の花から係似した。 N
:林の I
1
1
ナマでは、巣箱 を屋外に泣き、 ワーカーは熱 ?
。
別に並行しておこな った
1J
;
1
l縁認識の尖験と 同 1
l
f
観察は、第 3章で述べる I
9年
8年から 8
8
9
s の一部の巣は 1
i
s
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d
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l
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c
o
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ab
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g
a
l
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l
p
a
c
こで飢祭がおこなわれた。 S
9年 3月から 4月
8
9
にかけての時期 にパナマで巣箱 に導入された。 そのうちの一部 は 1
9年
8
9
9年 6月に松江に空輸された。後者の観察を、 1
8
9
にパナマで観察され、一部は 1
1
tがある。
1
V
.
見で従 う7
J
7房域の周聞をプロポリスの被I
u以外の 3秘には、 7
a
b
a
k
g
n
a
n
i
Tm
i
Jに支附をきたさない他聞でできる
l
%
i
1
観察中にはこれ を適宜とりのぞ いて、コロニー の 7
だけ栄内の機子を広く観察できるよ うにした。
0月にかけて前述 と同織に島根大 学でおこなった 。この種ののこ りの巣は
の 9月から 1
2年にパナマで巣 箱に導入し、同 年 2月から 5月までパナマのバロコロラド島で観察
9
9
1
2- 3 結果
をおこなった。 バロコロラド島 は、パナマ運河 の人造湖に残さ れた熱帯雨林に おおわれ
2月までが雨季である
た島である。この地域では 1月から 4月までが乾季、 5月から 1
2-3-1 ワ-力一産卵
)。
2
8
9
, 1
.
1
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he
c
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t
c
i
ρ
なお、 Meliponapanamica
aおよび
l
a
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c
s
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は、~執 Melipona [
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旨は
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aはメキシコ、 M.r
l
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c
s
a
の双方の名でよばれていた。現在では、 M.l
aは、以前
c
i
m
a
n
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ap
n
o
p
i
1
南米に分布がかぎられていることがわかっている。また、 Me
k,
i
b
u
o
R
a とよばれていたアマソン流域の種類をふくんでいる (
s
o
1
pJ
o
c
s
u
a cbumea[
n
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p
i
l
e
M
私信)。
] 1のあいだ、そ
]2
6日か ら 8)
8年 7月 2
8
9
uのふたつの巣で、 1
a
b
a
k
g
n
a
n
i
まず T m
寺山、合計 56n引出ず つ飢祭をおこなった。このあいだ火 I~
1
時間から 31
1
れぞれ 1日に 2
による産卵は 1日に数卜伺という鋲度でみられたが、ワーカーによる産卵はまったく飢
i
7
'
i
J
r1
初出、同じ_!,i1:をつか つて島組大学の手塚俊行氏がワーカーの 1
1
祭されなかった 。この1
による分業の観察をおこな っていたが、やはりワーカ ーによる政卯は飢然されていない
巣箱は木の板で つくった矩形の 箱で、上面には ガラスのふたを かぶせる。側面 に穴を
あけ、プラスチ ックチューブを つなぎ、巣の出 入り口とする。 これとは別の側 面にも穴
(
ic
n
r
a
g
a
ak
S
京地の スマ トラにおける飢祭でも同級である (
[j
S
J
) 。これは }
]
9
9
(手塚ほか, ]
)。女王を失ったコロニ ーでも産卵はみられないという(手塚 、私{心。
c
3
8
9
,]
.
1
♂
をあけておく。これは、第 3章で述べる血縁認識などの実験の際、に、外から巣のなかへ
ハチを人為的に 導入するための ものである。こ の穴は通常、脱 脂綿などで外か らふさい
でおく。
。 このあいだ火
Jずつ飢祭をおこな った
1与W
1
7
刊行、合計 2
1
か ら 31
日
与n
1
に 11
れぞれで] n
王による産卵は 1Il に数 l'fl,~1 とい う ~Jü1r でみ られたが 、ワ ーカーによる応卯はまったく
野外の巣から巣 箱に導入したコ ロニーは、すべ ての出入り口を ふさぎ、ガラス ぶたの
上に光をさえぎる黒い裂いをかぶせ、導入後数日間以上室内に/浄歯した。このあいだに
コロニーは将入作業にともなう批乱から回復した。この後、
動し、
9ハのあいだ、ふたつの mのそ
J2
01か ら 6)
J1
16)
9イ:
8
9
]
/ においては、
i
l/Jl
g/Js
T i/n
tかに移
jを似祭場所へ m
f
+
m
U入り口をあけてワーカーが外にとびたって採餌できるようにした。
mのL
6
2
2年にパナマのパロコロラド烏に初任したときには、屋外にから
9
9
観察されなかった。 ]
aのコロニーが営巣をはじめた。まもなく女主
l
u
l
s
u
g
n
の巣箱を{泣いておいたところ、 T a
が産卵をはじめ、コロニーは成長をはじめたが、ワーカーによる p'(~fjj{ はみられなかった。
判明に、 2つの栄を つかつて合計
1
9年にかけての1
8年から 8
8
9
aでは、 1
c
nfU17i
a
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M
27
3001
I
.
'
n
J
Jの拡!然がおこなわれた。その結果、有房のなかの吐きもどされた加の表面に、
t
ワーカーが臼分の卵を産みつける行動がみられた。しかし、これらの卵の大部分は女王
によって食われた。女王は、産卵にやってきてワーカーの産んだ、卵をみつけるとこれを
食べ、そのあとに自分の卵を産む。女王の産卵がすむと育房はワーカーによって閉じら
れるので、貯化してくるのは女王の産んだ卵で、ある。ところが、ワーカーのなかには、
自分で卯を産んだあと、すぐに育房を閉じはじめて自分の卵をのこそうとする個体がい
る。女王は、触 j
{
Jをつかつてそのワーカーをたたく行動を、攻般的なげと子で、おこなう。
しかし、飢祭された 200個の育房のうち 2つの育房で、ワーカーが自分の卵をのこすこ
とに成功するのが維認された。女王によって食われる卯とワーカーが育房のなかにのこ
す卯とのあいだには、形態的なちがいがなく、産みつけられる場所も同じである。この
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J
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s の観察は、まず 1
9
8
9年の 3月から 4月にかけての時期に、パナマ
γA-1- -3J
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s とは災なっている。
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凶Amm
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人J~ で、次にのべる SCé.ψ loω'gona
Reproductiveeggs
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dfood
でおこなわれた。ワーカーは女王存在下で 2種類の卯を産む。 一方は、加の吐きもどし
のおこなわれた育房のふちに産まれ、女 王 によって食われる。もう 一方は 、│吐きもどさ
れた餌の上に産まれ、そのまま育房のふたで閉ざされる。これに対する女王による妨害
はみられない。両者は形もちがっており、前者が球形に近いのに対し、後者は細長い(図
2-1)。そこで以下、女王によって食われる卵を栄養卵、ワーカーが息子をのこすため
の卯を生地卵とよぶことにする。このような 2つのタイフの産み分けは、S.pOSlIω のワ
ーカー産卵でもみられる (
S
a
k
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i,1
9
8
2
)。前述の M. panami
ω の場合のように、卯の積
図 2- 1
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gonab
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sのワーカーが産むふたつのタイプの卵。
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J
'lを形態的に区別できず、文王によって食われるかどうかという結果でしか判断できな
い場合で、
も、-021
1
:的にこれらのことばをもちいることにする。 S
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s のこの
ときの飢然では 、ワーカーが生殖 o
j
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をのこした育房は、つくられていく育房のうち 1
0%
"
'2
5%の割合を占めた。 M. panami
切では、前述のように、この割合が 2
/
2
0
0、すなわ
ち 1%であった。
S
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J
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s
u
; においては、ついで、島根大学に導入された 2つの巣で、 1
9
8
9年
のり凡 1
7I
lから 2
1 日にかけてと 2
7 日から 3
0日にかけての計 9日間、飢然をおこな
っ た。しかし、
lìíj の飢然とは対照的に、どの m でも~ :
E.
(
[
-イE
下でワーカーによると│
ミ
地卵
m
O
lは似然されなかった。
の
,
j
28
29
さらに 、同じ種について、 1
9
9
2年 2月か ら 5月にかけて、パナマのパロコロラド 島で
6つの巣を観察し た。し かしこの ときは後述するように天敵の攻撃をうけるなどの原因
で 4つの巣がダメージ を うけ
、 健全な状態で継続 して観察 できた巣は 2つであ った。健
全な巣での観察 は、最初の パナマでの観察と同じ 3月から 4月にかけての時期に集中し
ておこなっ た。し か し
、 や は り最 初の観察 とは対照的に、どの巣でも女 王存在下でワー
カー による生殖卵 の産卵は観察 されなか った。たとえば S5と名づけた健全なコロニー
1
寺1
5分から 2
5分までと、 1
2I
1
寺1
0分から 1
5
における 1
9
9
2年 4月 24日の観察では、 81
分 まで、1
61
1
寺0
0分か ら 04分までの 3回 にわた って女 王による 産卵 (POP)がみられた。
女 王 によ って産卵 された育房 はそれぞれ 22個
、 2
1個
、 1
8個であり、ワーカーによる栄
、
養卵はそれぞれ 4個
0個
、
1個であった。しかし栄養卵はすべて女王に食われ、ワー
カー によ る生殖卵の 産卵はなか った。また、 S2と名づけたもうひとつの健全なコロニ
ーでは
、
4月 2
5日の 1
5時 5
1分から 57分までの女 王の産卵時において、女王が産 んだ、
卵 が 26個、ワーカーの 産 んだ栄養卵が 1
6個で、ワーカーの産 んだ生殖卵は確 認できな
か った。それぞれの POPで産卵される育房 は、ワーカーによってつくられていくその形
寺に
態からあらかじめ特定できるので、見落としはあっても少ないはずで、初回の観察 H
み られたような 1
0%から 2
5%という値に達することは考えられない(図 2-2、図 2
-3
) 。まれに、生殖卵型の細長い卵が、栄養卵のように育房のふちに産まれることが
あ ったが、すべて女 王かワーカーに食われた。
産卵 11
:
'
j京I
J
. ]2: 10
.
.
.
.
.]2 :15
16 :0
0
-16 :O!
J
0 そ れ以後
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s で、ワーカーによる生殖卵の産卵があった巣となかった巣のあいだ
S
.b
o
にみ られたほかの大きなちがいは、コロニーサイズと女 王の時間あたり産卵数である(表
2- 1) 。ワーカーが生殖卵を産んだ、コロニーは、この種のコロニーとしては成熟した
かなり大型のもので、女王の産卵はおよそ 2時間おきにみられ、
1回の女王の産卵数は
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sのコロ ニー S5におい て交 王が y
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lした f
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;
}
の 分イi
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図 2- 2. S
(
1992年 4月 2-1日)。巣鍛の外縁にそ ってあた らしい 7
7房がつくら れ ていき、
女 王は短 時間に集中して卵を産む。
1
0
0をこえていた。 一方、ワーカーが生殖卯を産まなかったコロニーは、いず、れも小型
もしくは中程度のものであり、
2回目のパナマでの健全な巣での観察では、女王による
寺問
、
産 卵の間隔がおよそ 3時間か ら 8n
1回の女 王の産卵数は平均すると 20から 30程
度 で あっ た。こ の騒 の十分成長 したコロニ ー には 8000頭程度のワーカーが存在するが
(
R
o
u
b
i
k,1
9
8
3
)、烏線大 学での観察にも ちいた 2つの栄のワーカー数は 500から 700玖
で 、観察のお わ りご ろには、秋の本 さのためか、 300頭程度にまで減少していた。
30
3
1
。
1・
'
"
一
一
sのコロニーサイズがコロニーの生産性とワーカーに
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. S
表 2- 1
よる生殖卵の産卵におよぼす効果。大型のコロニーは 1989年の 3月から 4月、小型のコ
ロニーは 1992年の 3月から 4月に、それぞれいずれもパナマで観察をおこなった。
。
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>1
200
>1
0-25%
1
Small
.
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3-8h
20-30
120-400
0%
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i似 t
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s
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ad
ネ
0:ワーカーが栄養卵を産む
。
一割~女 王が育房 をチェックする
A:女王が栄養卯を食う
。 ① : 女 王が産卵する
、
sの女王による産卯行動の 一例。コロニ -S2で
i
s
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. S
図 2-3
1992年 4月 11日、午前 9:45'"'-'9:55に観察されたもの。
32
33
パナマで似然した巣のうちのひとつで S 1と名づけたコロニーでは、途中から女王の
姿がみえなくなり、そのあとワーカーによる生殖卵の産卵がみられた。この巣は 2月 7
口に巣符への導入をおこなった。その後、 3月の中旬までに多数のワーカーの羽化があ
ったが、女王の姿は確認できず、新女王も産み出されなかった。 3月下旬にワーカーに
よる産卵がはじまった。このときの給飢産卵過程 (POP)は、女王存在下での POPとか
なり具な っていた。女王存在下では 、この磁の POPは前述のように 5分前後のあいだ
に約 20以上の育房で集中しておこった。それに対し、女王を失ったこの巣では、産卵
のためにつくられる育房の数そのものがすくなく、それにつづく POPも、統一性を欠き
1
1
.
1間的にも長くひきのばされたかたちでおこった。
1
寺40分過ぎから、そのとき完成していた
3月 3
0日の観察によると、午前 1
1
8つの育房で 1
0分以内のあいだに集中して給
餌がおこったが、そのあとにワーカーが産んだ卵は大部分が食われ、育房はすぐには閉
じられなかった。このときにワーカーが産んだ卵は、まるい栄養卯と細長い生殖卵の 2
種類であ った。栄養卵は女王存在時と同様育房のふちに産まれ、生殖卵は育房のふちに
産まれるものと育房のなかに産まれるものとがあった。生殖卵はどちらに産まれたもの
もすぐにワーカーに食われたが 、まるい栄養卵は食われるまでの 1寺聞が長く 、産卵後
1
0分間以上そのまま放置されているものもあった。閉じられた育房がふたたびかじりあ
けられることも多く、同じ育房がくりかえして凶じられたりかじりあけられたりした。
品初の給餌から 11寺問 30分あまり経過した時点で、閉じていた育房は 8つのうち 2つ
だけであった。この│切に 1
8個の生殖卯と 4個の栄養卵を確認した。この日の観察のあ
とワーカーの羽化がみられない J~I 間がしばらくつづき 、コロニーの個体数がかなり減少
したあと、
4月下旬からオスの羽化がはじまり、 5月 10日ごろまでつづいた。もともと
小型のコロニーであったが、品後には個体数がいちじるしく減少し、やがて自然消滅し
た
。
2つをふくむ全部で 4つが、途 r
l
lでヌスミハリナ シパチ L
C
S
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t
t;J やノミバエ
Pscudohypoccra の攻墜を うけるなどして左足退し、 {
i
j
'
l
i
点した(凶
2-t
1)。コロニーを町
外の巣から似祭巣箱に移した出後はノミ バエの発生がおこりやすく、 6つのうち 4つの
巣で発生がおこった。夜間などに l
汲山行でとりのぞくことで発/.
1
:
をおさえたが 、1
'1)刊の
コロニーのうちのひとつ(S 4)では、急激な地抗1'[をおさえきれず、コロニーを人為的
につぶした。
この巣は 4月 1
2 日に巣箱への導入をおこなった。導入 n
寺のダメージが大きかったの
か、巣箱を外に出した 1
5 日の時点でかなりワーカー数が減少してお り、羽化山後 の色
のうすい伺体以外ほとんどみあたらなかった。その認円にも、 r
1
1
:食爺がこわれ径がこぼ
れだして修復されないままの状態になっていた。 ]
7 円にはノミバエの成虫を 2
0
0y
J
I以上
とりのぞいた。侵入しようとするノミパエが多く、l+lに接 i
丘するミツバチの資もみられ
たので、ふたたび室内に避難させた。 ]
8円になると、ノミバエの幼虫がj
足利の巾に大 i
,
1
に発生しており、ガラスぶたの内側や貯色涜の表而のかなりの m~ 分がうじ虫におおわれ
るような状態になっていた。このような状態になると、栄内の正常な活動が営まれず、
女王も産卵しない。そこで、ほかの栄への忠彩枠も考慮して、この!.nを jJ~ 来した。
もうひとつの中型のコロニー (S 1) は、)!l~~ζ 王状態、にな ったあと、 lì i
j述のようにワ
ーカーがオスを産み、やがて消滅した。小型のコロニーの うちのひとつ (S3)は、
J
!
t
女王状態にな って個体数が減少したところにヌスミハリナシバチの攻幣を うけた。もう
ひとつの小型のコロニー (S6) は、巣箱へ導入して 1週間後に天敵の攻般を うけたと
みられ、巣の入口付泣にワーカーの死体が多数溶ちており、これで巣内のfIli
l
体数が激減
した。観察巣箱はすべて同じ場所に栄の入口のげI
Jきだけをかえてならべて おい たが、'11
型のコロニーの 2つ (S2、 S5) は、別究修了 1
.
1
1
まで他全な状態が似たれた。
パナマでの 1回目および島恨大学での観然 1
1
寺には、ノミパエの発生など による 打幣は
なかった。
2-3-2 天敵の影響
2-4 考察
2日卜│のパナマでの訓査与
昨
│
川
1
1における
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;
λ
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J
.
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7
沼
郎
幻
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幻
加
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I
s
I
,
は;栄
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ミ 京箱白に移したときの大きさが rl~' 型、 2 つは小型のものであつた。このうち 小型のもの
34
ハチ目 (
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)の昆虫は、受 f
j
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l0
1
1がメスになり受粕されずに産まれた卯がオスに
3
5
S 1 (中)
S 2 (中)
ap
1
)の性決定版式 をも っ。こ のため 、同籾が 1玖のオス
y
d
i
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l
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l
なるという単 倍数性 0
2/ 7
l縁 皮
r
f
籾と似のあい だの l
ー
リ
5となり、 l
7
.
としか交尾していないとき、姉妹聞の血縁度が 0
導入
ノミバエ
発生
2/2 1
5を上回る。つ まり、こども を自分で、産んで、育てるよりも州j妹の繁舶をた すけるプjが
.
0
2/1 9
巣を島へ
進化 (I~ に有利になりやすい。このことがハチ円で、兵社会性が何度も進化した耳目山である
似絶
3/ 6
と
っ
久
民
1
!
A
lE
i
を{J
nは考えた。血 縁度の計算方 法にはいくつ かの部知があ るが、ここで 、は最近広
o
t
l
i
と Ham
S3 (小)
n,
c
f
ra
G
)の 回帰による血 縁度をもちい る (
2
7
9
0,1
7
9
1
n(
o
t
l
i
m
a
くうけいれら れている H
コロニ~I 芳成王
時はコロニ一間での
分割
導入実験を示す。
第 3章)
(
3/6
3/24
) 。しかし母親 の交尾相
2
9
9
れているが、 議論の大筋は みとめられて いる(伊厳ほ か, 1
手 の オ ス が 1頭ではないと すると、姉妹 問の血縁度は 低くなり 、話はもっと 複線になる。
3/下旬
) のあいだの血縁度は、
s
r
c
t
s
i
fs
l
a
母 親 が 同 じ だ が 父 親 は 同 じ で は な い 姉 妹 (半 姉 妹 :h
ワーカーが
オスをうむ
r
c
p
u
5になる。これ は、単倍数体 で両親が同じ 姉妹(超姉妹 :s
2
.
単倍数休の場 合 、 0
4 ←一一一〉
3/30
S1と S2
S4 (中)
導入
卜
4/ 17
フーカー数
かなり減少
4/1 9
1/23
根絶を
諦める
外役の
死体多数
5/ 9
5/ 10
S 2' 時
S 2' 吟
5/1 3
ヌスミハ
リナシの
襲撃
S6 (小)
ノミバエ
発生
4/ 25
ほぼ~:W絶
5よりも
.
l緑 皮 0
l
f
3に す ぎ ず、母親と娘 のあいだの l
/
5の 1
7
) の あ い だ の 血 縁 度 0.
s
r
c
t
s
i
日
低 い 。 ミ ツ バ チ で は 実 際 に 女 王 が 複 数 回 交 尾 を お こ な っている。こ れには 、コロニー の
}/1 3
1
導入
│ノミバエ
V大 発 生
1
時
S5 (中)
4/ 12
1
境問
i
のl
S2
行動は進化し にくい 。 実際に 、 ハ チ 目の社会にあ らわれたワー カーはすべて メスである。
これらの点に ついて、近年 ではさまざま なモデルをつ かったより詳 細な検誌がお こなわ
王
女
{
t
!
?
状態
多数の粁齢
フーカーを
1
体認
4/ 19
5で、オ ス に よ る 利 他
2
.
aも参照)。こ の場合、オス からみた姉妹 の回帰血縁度 は 0
1
9
9
1
4/16
導入
遺伝的多機性 が高まり コロニ ーの活力が大 きくなるとい う理巾で、
女王にとって繁殖上
l縁皮が低い
T
I
)。ワ ーカーからみ ても、巣仲間 の l
5
8
9
y,1
e
l
c
e
S
十分な利誌が あるのだろう (
4/ 23
ことがただち に利他行動を おこなわない という結果に むすびっくわ けではない。 不1他 的
外役の
死体多数
支 の大小
縁j
1
l
f
が、 遺 伝子の包括適 応度によって 決まるからで 、 1
な社会行動の 進化の条何二
のみによって 決まるわけで はないからで ある。
5/9
S 2' 時
5/1 1
2の記号を改変)。
9
9
缶適応度はつ ぎのように定 義されている (伊藤ほか, ]
包J
。・
:br
If=W - c +2
S 2'
体
i
1fは個体 A の包括適応度、 W は 他 個 体 と 社会関係がな いときの適応 度、 cは他府l
への社会行動 をつうじて失 う適応度、 bは A の 社会 行 動 を つ う じ て 他 個 体 Bが得 る 適 応
5/6
5/下旬
5/下旬
5/下 旬
5/下旬
ほぼ全滅
似全
ほぼ全滅
他全
全滅
度の増加分 、 rは A の B に対する血縁度で、 Zは A の社会 行 動 が 向 け ら れ る 血 縁 者 に つ
いて和をとる ことを 示す。
利他行動が進 化する条件は 、 c>O、 b>Oの もとで If>W となることである。
1サイズの
1
oJO[adensisのコロニー。 小から '
fOc
f
a
.b
殺にもちいた S
2-!J. パナマで飢然 、尖 j
火1
│
の他巣の攻撃
~6 つのうち 4 つがほぼ全滅。そのすべてがノミバ 工、ヌスミハリナシ、同組
したがって、 ある特定の個 体に対して利 他行動を向け るこ とが進化的に 有利になる条
を受けた。~の|りj 1f(j に対する選択庄の強さをうかがわせる。
37
36
件は、 I
f- W > Oよ り、
法などでハリナシパチの交尾 回数を 災際 に測定することによ
り 、今後、 R
a
t
n
ic
ksの仮説
br-c>O
を検証することができるだろう。すなわ ち 、 この仮説に よ れば
、久~_F_ イj三イ E ドでワーカー
となる。これが、第 1章でのべた H
a
m
i
l
t
o
nの公式である。さらに変形すれば
が産卵しない T
.minangkal
Ja
L
Jや T
.angLJs(LJ!a で久~ J~ の交 J己 が 惚数! i1 ] であり 、 ワーカーが
r>c/b
而い頻度で、
生9
l
W
!
iを産む S
.posliω や S
l]
.l
Ja
r
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C
n
S
l
:
可で友七 の交 j己が 1r
であると
となる。
cと bがそれぞれあらわすのは、不I
J他行動をおこなった場合と
予測できる。結果がこのとおりならば、仮説は 支持されるこ
とになる。 M.pananl1ω にお
おこなわなかった場合
の行為者(のと受け 手 (
b
)における子孫の数の 差 である。
ここで、真社会性のハチにおけるワーカーの 立場から、次
ける 1% とい う他を、相 互杭祝によ ってワーカー産卵が
おさえ
られた結束とみるか 否か
は微妙なところであろう。この他はミツバチにおける 0
.
1
2% よりも日い。な お、こ の柿
世代のオスの生産について
で京王がワーカーの産卵を妨害しよ うとする現象は、包 j
舌適応度の飢点か ら説明 できる。
卵は鮮化しでもオスにしか
ならない。このようにして生まれてくる息子の回帰血縁度は
女王にと っては、たとえ [
f
[
l縁者であ っても他例体が m
iを産むのよ
、ワーカーからみて 1であ
る。卵細胞の遺伝子は、すべて母親由来のものだからである
むほ うが有利だからである。しかし、ワーカーによる生殖
。ワーカーが巣の中のほか
.barmco!oradcnsl:5 の場合、このよ うな変災が生ずる似[大!
ーによって災なる S
として考え
れてくるオスの回帰血縁度
られるものを検討しておかなければならない。今のところ、
考えてみよう。ワーカーは交尾しないので、ワーカーが産む
のメスがオスを産むのをたすけたとき、そのようにして生ま
は、ワーカーからみて、そのオスを産んだメスの血縁度に
1をかけたものになる。すな
わち、起姉妹の産んだオスが 0
.
7
5、母親の産んだオスが 0
.
5、半 t
!
l
j
妹の産んだオスが
0
.
2
5となる。したがって、単純に血縁度だけで優先順位を
考える
でオスを産むのが一番よく、ついで超姉妹、母親、半姉妹の
なら、ワーカーは自分
順にオスを産むのをたすけ
るのがよいことになる。問題は、母籾の交尾回数によって結
果が異なることである。
母籾の交尾が 1固ならば、ワーカーにとっては、母親(女王)
にオスを産ま
せるより
も川妹(ワーカーまたは女王)にオスを産ませるほうが包括
適応度が高くなりやすい。
母机の交 H~ 回数が地えるにしたがって、 Þdî 妹に対
する血縁度の平均値は低くなり、母親
にオスを注ませることを優先した方がよくなるだろう。 R
a
t
n
I
c
k
s(
1
9
8
8
)は、とのような
ことから、女王が l回交尾のときワーカー産卵がおこりやす
く、複数回交尾のと
きおさ
えられると考えた。ミツバチでワーカー産卵が 0
.
1
2%という非常に低い頻度におさえら
れているのは、これでうまく説明できる。しかしこれは、第
3章であっかう血縁認識の
問題ともかかわ っている。ハチのワーカーは巣内の「血縁度の
平均値」を認
識できるの
だろ う か。それとも疋iþ"î~ と半姉妹をも識別できるの
だろう
か。後者の場合、遺伝子問
のも っと復維な相互作川がはたらくことも考えられる。
本研究では、v.・王の交尾回数の測定はおこなわなかった。
38
i
を陀
りも (
1分が p
'
(版 0
1
卯の花卯の有無口体がコロ ニ
すくなくとも 3つの可能性
が考えられる。(なお、このような原因によ っ てほかの杭にもワー
ヵ ~ tc;: 0 11 の積内変災
が存在するという可能性もないとはいえない。)
第 1の可能性は、コロニーによ って女 王の交 尾回数がちが
うとい う可能 '
1
"
1
:
である 。 こ
れは、女王が 1 回しか交尾していない栄ではワ ー カ ー が生別卵を比
み 、久ー 1 :. が 惚数 rl l ] ~ぐ
尾のときワーカーが生研卵を旅まないという Ratnick只 (1988) の仮説
を相内 変 !l~ に i白川す
るものである。この場合、ワーカーは女王の交尾回数、した
j
f
l
l縁皮の大小かぱらつきを、相対的にでも認識できなけ
が ってすくな くとも県内の
ればならない。
第 2 の可能性は、ワーカー産卵が、ワーカーによる性比~IiIJ
仰の機
.f,'li としてはた ら いて
いるという可能性である。よ上 (
1
9
9
3
)は、fV
1
i々のコロニーにと っての j
l
U
創性比が{I.l
]
i
体仰の
平衡性比と 一 致しない場合についての議論i をまとめている。ア
リの性比 の 分布は 三 山}~,~
になることが少なくないという。
第 3の可能性は、コロニーサイズによ ってワーカ一応卯の
パタ ー ンが変化す るとい う
可能性である。結果でみたように、ワーカーが ~t~la卯を産んだ.w:は
、コロ ニー サイ ズが
大きく女王の時間あたり花卵数も多か った。逆にワーカー
が生ダ1
(
(
0
I
iを派まなか った栄は、
コロニーサイズ、 が小さく女王の時間あたり Jm01~ 数も少なか
っ た。
DNAフィンガープリント
現時点ではどの可能性も否定できない。しかし、第 1 と第 2 の可能
性がワ ー カ ー p印I~
39
m変災があるという事実のみにもとづくものであるのに対し、第 3の可能性
にコロニー r
われるということである。さらには、探餌にはじまるコロニーの祈到j全体をささえるエ
はコロニーサイズのちがいという尖際の観察との対応にもとづくものなので、よりくわ
き
で
l
l
IJ
ネルギーのフローも大きいということだろう。このような状況は、熱川林内で不J
しく検討しておくべきだろう。
J~こ IriJ ;iJM したかたちであら
'
1
i
,jJ~J'
l
I
t
J
J
t
l
,山内のほかの_mともある r
本
{
l
Rを介して、{Vi
る花粉の i
これは、
(1)成熟して大きくなったコロニーにおいてのみワーカーが次世代の繁猫
われやすいにちがいない。ワーカーが次|立代の繁賄側体に D1~妾投資することの見返りは、
似体に大きな投資をおこなうことへの凡返りが大きくなる 、 (2)大きくなったコロニ
このような条件ではじめて大きくなると考えられる。ワーカーにとって、生航卵の派卵
ーでは女王によるワーカー産卵の抑制が機能しにくくなる、という 2つの観点から考え
が次世代のオスを直接産むことであるのに対し、栄養卵は女王への投資で、あり、どちら
ることができる。この 2つは必ずしも町立不可能なものではない。
lの公
l
o
l
l
i
m
a
かといえばコロニー全体の生産力に投資しようとするものだろう。前述の H
まず第 lの観点に関連して、観察されたようなコロニーサイズのちがいは単なるコロ
I間と協力することによる利議
I
I
式 (br-c>O)にあてはめるならば、小さな*では巣 {
吃季に応じた 1年間のライフサイク
i
?林の雨季と;
i
ニ一間変災であるばかりではなく、熱 f
)が他伺休へ投資することによる自分自身の直接の適応度の 出失(c)に比して相対
(br
ルを反映したものである可能性がある。ワーカーがオスを産んでも、繁姐シーズンから
[内に大きいのに対し、大きな巣では自分でオスを産む利採が大きくなり、この関係が逆
はずれていれば、つまりその交尾相手がいなければ、結局逃伝子をのこすことはできな
になりやすい、と解釈できる。以上のような見方を椛かめるには、今後、さらに多くの
)によると、パナマ中火部では、ミツバチの分封の頻度に季節に応じた
9
8
19
。 Roubik(
い
巣をつかつて現地で少なくとも 1年をとおした観察をおこなわなければならない。なお、
f数
{
f
大きな変動がみられる。また、 1;~1 米のハリナシバチ M. hlvosaでは、コロニーの f
7てられていないかぎり、分対によっ
無女王状態になった巣では、そのときに新女王が 7
の変動がその時点で利用できる花粉の量の変動によく一致することが知られている。島
て繁殖する見込みがないので、ワーカーは自分でオスを産む以外に辿伝子をのこす方法
~H 大学で1íQ然したコロニーで、は個体数がかなり減少していたが、これは飼育条件がコロ
はない。
ニーの健全な成長に適していなかったためかもしれない。しかし、パナマでの観察は、
第 2の飢点、すなわち女王によるワー力一政卯の抑制についてはどうだろうか。ミツ
1回目のものも 2回目のものも、同じ 3月から 4月にかけての時期におこなっており、
)では典型的なコロニーで約 3万のワーカーがいるが、火 T物質によ
a
とr
/
バチ (Apismcl/i・
ワーカーによる生川卯の産卵が|泊 ~(í- で、みられ後者でみられなかったのは 、 たまたまその
)。
5
8
9
y,]
c
l
c
c
S
ってワーカー産卵は事実上ほとんどゼ口に近い頻度におさえられている (
j点でのコロニーの成熟の度合いが泣ーっていたためだと忠われる。
!
l
I
このような場合には、ワーカー数の地加によって女王による産卵抑制が機能しなくなる
コロニーがある程度大きくなっていなければ、仮に分対しでもあたらしい栄が十分な
ω では、交
とは考えにくい。一方、研究にもちいたもう 1純のハリナシバチ M.panami
大きさをもつことができない。 Ürí] 脊した栄では、小さい~の力があきらかにヌスミハリ
王がワーカー産卵を直接妨害しようとふるまうのが観察された。ワーカ ~p旬 ri の抑制が
ナシバチなどの天敵の攻般をうけやすく、それによるダメージも大きい。したがって、
このような直接の行動のみによっておこなわれているなら、ワーカー数の片山f1によって
分対するにはコロニーがある程度以上大きくなっていることが必要であり、分封後も、
Ji1i1l1Jが機能しきれなくなることも考えられる。
J
コロニーが十分大きくなるまではワーカー数を増やして巣の防衛力を高めることが個々
の妨害行動は確認できなかった。もし仮に女王がなんらかの抑制手段をとろうとしてし
のワーカーにとっても死活の問題であろうと予測される。ミツバチでは、ワーカーの個
I従に合致するかぎりに
るとしても、ワーカーは第 lの観点で述べたような自分自身の不J
iz&
rt
Mo
体数が削えると、ワーカー 1顕あたりの防衛反応が強く山るようになる (
おいてこれにしたがっていると推察される。なお、無女王になった巣でワーカー比卵が
k,]りり2)。ワー力一数が月1 えると、コロニー全体の ~ 1 ;j() J も JJi まる。火 二1 :- の y'(~ 卯
c
i
w
h
l
u
o
S
おこることは、女王による抑制仮説と矛盾しない。
]r~\~ が似くなり 1 I日l の Jmøl~ 数が附えるということは、それだけ育房づくりも辿くおこな
J
I
I
40
,
表
1
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i では、久二 による
'
:
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L
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S
u長
'
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2-2に、社会性ハチ目のいくつかの種でワーカー産卵があるかどうか、あるとす
1
4
. ハリナシバチにみられるさまざまなタイプのワーカー産卵。
表 2-2
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斗
よ
(~
第 3章
ハリナシバチにおける巣 仲間および血縁者の識別 行動
3-1 はじめに
社会性昆虫が.uミイ1I間や逃伝的に近い個体をほかの個体から識別できることが、近年、
ミツバチ、コハナバチ、アリ、アシナガバチなどをあつかった数多くの研究によって示
)。観
3
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M
されてきた (
I経系のレベルで認識する能力 が存
祭される識別行動の基盤には、巣仲間や血縁個体をや J
在すると考えられている。しかし 、グループの認識と真の血縁認識を実験的に区別する
s
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cf
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n
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g
ことは必ずしも容易ではなく、社会性昆虫においてはコロニーを柿成するメンバーがグ
ループであると同時に一般に血縁集団でもあるというこ重の性格をもっているため、真
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b
1
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縁認識を純粋にとりだすのはむずかしいとされてきた (
l
[
J
の1
)として、たとえば環境に由来しひとつの栄で共有さ
s
e
u
c
)。認識のための手がかり (
]
9
9
1
れるにおいの成分のようなものがもちいられていれば、これはグループの認識といえる。
nestdefence
fJl縁皮のちがいを
l体の表現型にあらわれる遺伝的な差災にもとつ、いて 1
i
して、 W
これによJ
) 。したがって、ハチが巣仲
認識するのが、せまい意味での血縁認識である(図 3- 1
間とそうでない個体を識別してふるまうのが観察されても、それだけで単純に血縁認識
の能力があるとはいえない。また、個体が血縁認識の能力をもっていても、包括適応度
. 狭義の血縁認識と巣仲間認識や種の認識との関係。
図 3- 1
からみて適切な条件に置かれていなければ、それが識別行動のかたちで外にあらわれて
J ということばは、社会性昆虫
)
n
o
i
t
i
n
g
o
c
e
nr
i
k
こない可能性がある。なお 、 「血縁認識 (
J などをふくんだ広い意味でもちいら
)
n
o
i
t
i
n
g
o
c
c
cr
t
a
m
t
s
e
n
で広くみられる「巣仲間認識 (
,
.
J
;Shermmanela
5
9
9
g& Sherman,1
i
n
n
e
f
;P
b
1
9
9
れることもあり(たとえば、 Hepper,1
nが「真
e
f
a
r
) 、それには十分な理由があるが、木章では、概念を区別するため、 G
り7
り
]
J とよんだ、せまい意味に限定してつかうことにする。
)
n
o
i
l
i
n
g
o
c
c
nr
i
k
印 c
1
1縁認識 (
l
f
の1
ここで r~能川 J Jおよび「認識 J ということばの定義をおこなっておく。
識別 J は
r
nの訳誌としてつかい、行動レベルで飢祭できる個体の反応が対象の属する
o
i
l
a
n
mi
i
r
c
s
di
nの訳誌としてつ
o
i
l
i
n
g
o
c
c
となることを さす。それによすして「認識 j は r
クラスによって y
44
45
かい、個体がや'
l
経系のレベルで対象を特定のクラスに属するものとしてとらえることを
さす。しかし、どのような「認識 Jがおこっているかを「識別 J行動の観察から単純に
決定することはできない。逆にまた、特定の「認識Jがつねに「識別 J行動にむすび、つ
くとも限らない。
G
r
a
f
e
nの議論にしたがえば、血縁認識が血縁選択と直接むすびつき血縁選択を強める
ものとして機能するためには、以下のことが必要である。すなわち 、認識する個体が認
識の対象となる個体のあいだの表現型レベルの差異を「認識 J し、その差異が血縁度の
ちがいにもとづく遺伝的な差異を反映したものであること 、またその直接の結果と して
「識別 J行動をともなうことである。この条件がみたされた場合に 、血縁認識は、認識
される個体の遺伝子の存在頻度をその血縁度に応じて左右する ことができる(図 3- 2)。
高次真社会性のハチ目の昆虫では、 2頭の個体が出会う場面のカーストの組み合わせ
が 6通 り 考 え ら れ る 。 (1)女王と女王、
ス
、
(4)女王とワーカ一、
(2)ワーカーとワーカー、
(5)女王とオス、
r
e
c
o
g
n
i
t
o
nー
cues司守二『ー r
e
c
o
g
n
i
t
i
o
n
templates
1
1
1
1
1
1
1
r
e
c
o
g
n
i
t
i
o
n
:n
e
u
r
o
p
h
y
s
i
o
l
o
g
i
c
a
lprocess
(3)オスとオ
(6)ワーカーとオス。この 6種類で
ある。このうち、ハリナシパチで血縁認識が実際に関係すると考えられる状況は、第 1
i~i. で述べたように、
(phenotype)
(1) と (3)以外の 4つの場合である。
r
e
c
o
g
n
i
z
e
di
n
d
i
v
i
d
u
a
l
s
r
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匂nizingindi;idials
d
i
s
c
r
i
m
i
n
a
t
i
o
n
/ ' :a
c
t
u
a
l附 … ce
(5)新女王が交尾するとき、新女王とオスはたがいに相手を血縁度に応じて識別し
ようとするかもしれない(ハリナシバチやミツバチでは新女王は結婚飛行をおこない、
同じ巣の中にいるオスと交尾することはない)
0
(
4)ワーカーは、女王育仔や分封時、
王位継承1
1
寺に 、女王をその血縁度に応じてえらぼうとするか もしれない。(2)多量の
relatedness (genefrequency)
:
r=?
図 3- 2
. 認識と識別、および認識する側とされる側の関係。
餌が貯蔵されている巣を防衛することは、天敵に対するものとしてばかりではなく、同
種の略奪者に対するものとしても必要になる場合があり、その場合には巣仲間をほかの
個体と識別するだろう。また、巣の中にさまざまな血縁関係にある個体がいるとき、よ
り血縁度の高い個体を識別して優先的にその繁殖をたすけるようにすれば、包括適応度
を高めるのに役立つだろう。これは、
(6)ワーカーによる次世代のオスへの投資の場
面での選択に関わっている。
本章では、ハリナシバチにおいて 、 (6)の問題との関連に注目しつつ(2)の点に
関する郡山比 l肢をおこなう。
I
D
2掌でのべたように、ハリナシバチではワーカー産卵に
種によって異なるさまざまなタイフのものがみられる。そのため、巣内の血縁認識がそ
46
47
れに応じてちがったパターンをとる可能性がある。 T
r
i
g
o
n
aminangkabau や T
.a
n
g
u
s
l
u
l
aの
ように火王存 {
J
:下でワーカー産卵のない種の場合、巣の防衛のための WJ
I
I
間認識は必要
だが、同栄内のワーカ一間で血縁度に応じた識別をする必要はない 。問題となるのは繁
f
l
l縁度で、あり、同じ巣に別のワーカーが存在することによる 利益がその血縁度
航個体の j
e
l
i
p
o
n
ap
a
n
a
m
i
c
aや S
c
a
p
l
o的
以o
n
ap
o
s
l
i
ω のように
によって変化することはない。一方、 M
Colony
Colony
火王存在下で ワーカーが生殖卯を産む砲の場合、ワーカーは、巣仲間のうち血縁度の高
いワーカーを受け入れ血縁度の低いワーカーを排除することで包括適応度を高める こと
a
r
r
o
c
o
l
o
r
a
d
e
n
s
i
sのようにワーカーが生殖卵を産むか
ができる可能性がある。さらに、 S.b
どうかが巣の状態によって異なる磁の場合にどうなるかも 、単純なかたちでは予測でき
.p
o
s
l
i
c
a以外の 4種につい
ないとはいえ、興味深い問題である。本章では、このうち S
n
{
ll
q
出認識と血縁認識の
て、知 2立であつかったのと同じ栄をつかつて、ワー力一間jのt
行動飢祭をおこなった。 M.p
a
n
a
m
i
c
a とS.b
a
r
r
o
c
o
l
o
r
a
d
e
n
s
i
sでは、認識される側の個体の
J
I
f
l
縁皮のほか、その個体が羽化後しばらくすごす環境や羽化後の日齢などを段階的に操
作して、環境山来の要因がどのように影響するかをあきらかに しようと試みた。
縄問比較をおこなうため 4積でおこなった実験に共通する方法上の枠組みについて、
ここでのべておく。それぞれの種でおこなっ たより詳細な実験の手順については、あと
i
.
'
+
'
:もふくめて順次のべる。
でれ'
Subcol
ony
Subcol
ony
まず、別々の場所で、民集され互いに血縁関係にないと考えられる 2つの巣を 、それぞ
れの
mでJI]なする(図 3-3) 。仮に 2つのコロニーの一方を M
(
m
o
t
h
c
rの頭文字)、
他
ノJを A (
a
l
i
c
nの頭文字)と名づける。これらをそれぞれ、第 2章でのべた観祭巣箱に
(
1
)Nestmatec
a
l
l
o
w
s
(
2
)Non-nestmatec
a
l
l
o
w
s
(
3
)Nonnestmatef
o
r
a
g
e
r
s
踊が入 った巣盤の一部 をもとの巣から移して
導入する。次に、それぞれの巣を分割し 、l
サブコロニ -M'および A'をつくる。(種によっては、育仔則のワーカーと花粉や蜜の
人った貯食壷の 一部をサブコロニーに一緒に移した場合もある。)女王はコロニー M お
阜が飛び立って
よび A にのこしておく。 M と A は、巣の活動を健全に保つため、外役 1
花から採似できるようにしておき、
M'と A
'は、巣のにおいが分割したときの状態から
図 3-3
. 外役または羽化後まもない個体を導入する実験のシェマ。
4積のハリナシバチすべてでこのタイプの実験をおこなった。
できるだけ変化しないように 、巣箱の入口をとじておく 。
'からワーカーの脱が多数羽化してくる。これらの個体を、
やがてサブコロニ -M'と A
コロニー M に導入する。導入する個体には、個体識別できるようにマー キングをほどこ
48
49
しておき、マーカーが十分に乾燥してから導入する。 M
'から導入する羽化直後のワーカ
1頭の女王が正常に産卵をつづけるコロニ - 2つをえらんで、それぞれコロニー M 、
ーは、 M のワーカーにとって母親を同じくする姉妹である。実験の操作による影響がな
A と名づけた。各コロニーのワーカー数は、 700から 800であ った。本不n
の成熟したコ
ければ、栄仲間が通常の状態で羽化してくるのと同じである 。これに対し、
A
'から導入
ロニーのワーカー数は 2000から 3000なので (Sakagamicla
l
.,1
9
8
3
a
)、これらはその約
M のワーカーにとって非血縁個体である。羽化後 7日まで
1
/
3のサイズである。第 2市でも述べたように、ワーカ -y
旬 1はみられなか ったが、こ
する羽化直後のワーカーは、
の内役がはじまる前の時期のワーカーについて、 4種すべてでこの ようなサブコロニー
からの導入をおこない、
mのワ
M のワーカーの反応を記録した。
コロニ - Aからも、外役個体にマーキングをほどこし、コロニー
れは原産地での観察でも同級である (Sakagamicla
l
.,1
9
8
3
c
)。
ほかの磁の外役例体を導入したときの反応をしらべるため、 T
r
i
g
o
n
aa
n
g
u
s
l
u
l
aの
M に導入する。こ
ーカーをもちいた。これらはブラジル、サンパウ口州のリベラン ・プレト
"
Tから :
{
E
'
愉
れは、栄の防衛行動を確認するためである。これらは非血 縁者という点でサブコロニ-
れたものである。これらの巣箱も 7
てm
inangkabau と同級の方法で、
維J
守した。この何でも
A
'からの導入個体と同じだが、羽化後の日齢がちがっている。
ワーカー産卵はみられない(第 2J';i)。ワーカーのサイズが T minang灼 b仰 と ほ ぼ f
r
i
]じ
包j
舌適応度の観点から、羽化直後に導入するワーカーに関して、
の極の場合でも受け入れられると予測されるのに対し、
ある場合に識別がきびしくなると予測される。
M'からの個体がど
で、これはハリナシパチのなかでは小さい方に属する。
A
'からの個体はワーカー産卵の
Aからの外役個体は、略奪者として排除
されると予測される。
実験 1 同種および他種の外役個体の導入
木部では、非 l
l
l
l縁者の外役個体の導入を、 M と A 以外の 2つのコロニーから M と A
こうした外からの導入をおこなわない通常の状態でも、コロニー内のワーカーは、出
会ったときに相手のからだの表面に触角で短くふれる行動 (
a
n
t
e
n
n
a
t
i
o
n
)や、口うつしに
の双方におこなった。これらの別のコロニーを B 、C と名づける。 B は女王が行列する
コロニーであり、 C は女王のいないコロニーである。導入前にこれらの外役柄│休にペイ
えさをあたえる栄養交換 (
t
r
o
p
h
a
l
l
a
x
i
s
)なと、の行動を、たがいにおこなっている。このよ
ントをほどこし、数時間別の位i
に隔離しておいた。 T
.a
n
g
u
s
l
u
l
a はすぐに見分けがつくの
うな行動と同じ行動 、あるいは災なった行動が、導入個体に対してどのように、またど
でマーキングをおこなわなかった。
のような頻度でみられるかに注目して観察をおこなった。
1988年 8月 2 日
、 3日
、 14 日から 17 日の計 6日間導入をおこな った。ひとつの巣に
導入したのは 1日に 1頭か 2頭で、
3- 2
Trigona minangkabau における識別行動
2頭の場合は 1
5分以上間隔をあけた。個体の導入
は、コロニーを不必要に撹乱しないよう、観察巣符i
の側而にあらかじめあけておいた小
さな穴から!怜かにおこなった。その後 30分から 2
1
1与
l
I
rJにわたって、導入された
3-2-1
mのワ
ーカーの導入例体に対する 反応を記録した。
材料と方法
実験にもちいたのは Tn
'
gonaminangkabau の 4つの巣で、 1998年 3月にインドネシア、
スマトラ・パラット州のパダン市近郊で採集され、同年 6月に巣箱に入った状態で航空
実験 2 同種の同巣および他巣由来の羽化直後の個体の導入
1988年 7月 25 日、コロニー M 、A からそれぞれ育房域の一部(羽化直前の 蜘を ]00
使で日本にもちこまれたものである。巣箱本体を島権大学農学部構内の恒温室に置き、
頭程度ふくむ部分)をとりだして別の容認 (
M
'およびA')に入れた。翌日以降、羽化
恒温室を 25~ 30t に保った。そして栄の出入り口をグリーンハウス内の空間に接続し
してくるワーカーの胸部背板に、複数の色のペイントマーカーを組み合わせて例体識別
た。ワーカーは栄の出入り口から飛び立って、ハウス内の花から採餌した。
できるマーキングをほどこした。マーキングした個体は、数時間別の箱に隔離したのち
50
5
1
険
制
市
M または A に導入した。 M'由来のもの、 A
'山来のもの、いず‘れも同数ずつ M と A の
双方に導入した。
1日に 1玖から 10U
Jfまでのワーカーを、 7月 26日から 8月 14日ま
でのあいだ、
のうちの 1
5n
間導入した。ワーカーの体色は、羽化直後はうすく、日齢を
追うにつれてしだいに J
l
lくなっていく (Salmahela
J
.
, 1
9
8
4
)。
7)
J 26 U
から 8凡 2
1 日までの旬円、 2つのコロニーをそれぞれ 2時間から 3時間、
合,~' I' でそれぞれ 56 I
l
!
j
I
l
i
jずつ観察して、導入したワーカーが導入された巣のワーカーに
どのようにあっかわれるかを観察した。マークされた導入個体を発見するたびに、その
I
3r
i
c
fa
n
t
c
n
n
a
t
i
o
n
{!日休日子けを雌認し、見失うまでのあいだにほかのワーカーからうけた反応の砧類と回数
を記録した。また、その個体を追跡できた│
時
間j
の長さを 1回ごとに秒単位で記録した。
1~~íl 体の 1 回の飢然は 5 分間でうちきり、その後、別の個体の追跡にきりかえた。
3-2-2 結 果
実験 1 同種および他種の外役個体の導入
コロニー M および A のワーカーは、同種の他巣由来の外役個体を、女王がいるコロ
B
i
t
e
l
e
g
s& wings
I
n
s
i
s
t
e
n
t
a
nt
e
n
n
a
tlOn
ニ- Bからのもの (n=6
)も、女王がいないコロニー Cからのもの (n=6
)も、い
G
l
a
p
p
l
i
n
g
ずれも完全に排除した。また、他布!士 angu
s
l
u
J
a の外役個体も排除した (n= 2)。これ
らの導入された外役個体は 、すべて、 1 日以内に導入された巣から姿を消した。導入さ
れた巣のワーカーの反応は 、導入した 3つのカテゴリーの外役個体いずれに対しても 、
必本的に 1
,可じであった(図 3-4) 。外役 {
!
1
i
l休を導入するとすぐに、作H
TiI体かがそのま
Yes
m
わりをとりかこみ、そのうち一部は!1 や麹にかみつき、ほかの個体はからだのいろいろ
なf
tl)分をせわしげに触角でさわりはじめた。この触角による妓触は、通常
m仲間どうし
Chase
が/
11,会ったときにおこなわれるものよりも攻撃的で長くつづいた。導入された外役個体
はまわりをとりかこむワーカーから逃げようと試み、しばしばそれを防ごうとするかの
ようにまわりのワーカーのうち l似体か 2個体かがその上に,1
5
釆りになった。導入され
た外役仏l
i
'
体が逃げだすと、導入された巣のワーカーはそれを追いかけた。導入された外
役 ~/íl 体が反些した場合、相手の個体と jl~ 自1) をきっくかみあった状態、になり 、このまま双
方とも死んだ。この場合に限らず、死体は常にほかのワーカーによって栄の外に姶てら
52
図 3- 4. Trigo刀f
Im
inangkabauのガード伺休が他巣 r
l
]来の外役個体と山会ったとき
の行動の連鎖。導入された外役個体がガード個体に反撃すると、 「とつくみあい j
がおこり、互いに胴体をきっくかみあって死にいたる。
5
3
れた。
以下の記述では、導入された個体に反応したワーカーをガード個体とよぶことにする。
これはおおむね、羽化後 20日以上経過した個体だとおもわれる(I
nouee
la
1
.,1
9
9
6
)。
同巣由来であるか他巣由来であるかにかかわらず、羽化直後の同種のワーカーを、ガ
ード個体はほとんどすべて受け入れた(図 3- 5) 。羽化直後に導入された個体に出会
品
川
胤吋
実験 2 同種の同巣および他巣由来の羽化直後の個体の導入
うと、そのからだをガード個体は触角で短くふれた。この出会いの反応は巣仲間ど うし
が通常出会ったときにおこなう反応と区別できなかった。そのあと 、ガード個体はその
まま立ち去る場合もあれば、導入された個体を調べつづける場合もあった。後者の場合
しばしば、触角で短くふれる行動をガード個体はくりかえした。たまに、 導入された個
Bricfantennation
体の上にガード個体が馬釆りになることがあった。この場合、ガード個体は、いくぶん攻
般的で、そのからだをしきりに触角でさわって訓べているようにみえた。導入された個
体は反撃しなかった。このような反応のあと、両者のあいだでときどき栄養交換がおこ
なわれた。観察された限り、いつも最後には、相 手のそばからガード個体は‘立ち去った。
Mount
羽化直後に導入された個体がこのようにして 1日以上生き残った割合は、同巣由来のも
5)、他巣由来のものすなわち非血縁者で 98%(n=64)
のすなわち血縁者で 92%(n=6
,
Lt i o n ψ
Rcpci
ofb
r
i
c
f
antcI1Jl日 t
l
0
1
1
匂京湾脅
であった。
Trophallaxis
血縁者か非血縁者かを問わず、ガード個体の触角による接触は、導入直後に頻繁にみ
られ、その後有意に減少した(図 3- 6) 。図の羽化後 1'
"
'
'4日
、
5'
"
'
'1
1日
、 1
2'
"
'
'20
日は、 Salmahela
l
.(
1
9
8
4
)による本種の羽化後の体色変化 (
p
i
g
m
e
n
t
a
t
i
o
n
)のステージ区分
I、 11、 111にそれぞれ対応する。コロニー M の 1
'
"
'
'
4 日とコロニー A の 5'
"
'
'20
日においては、非血縁者の方が有意に高頻度で触角でさわられたことがわかった。血縁
者の方が有意に高頻度でさわられることはなかった。馬乗り行動は、どちらのコロニー
でも非血縁者に対して有意に高頻度でみられた(図 3- 7) 。栄養交換は、どちらのコ
ロニーでも有意差がなかった(図 3- 8) 。
.m
i
n
a
n
g
k
a
b
a
uのガード例体が同巣または他巣 r
l
1来の
図 3- 5. T
羽化直後のワーカーと山会ったときの行動の述鎖。
3乗り行動をうけるのが 2回以上観察された個体は、羽化直後に導入
ほかの個体から,M
された全部で 129個体のワーカーのうちの 8個体であった。導入された個体でほかの個
5
4
55
30
口 Nestmates
図 Non-nestmates
25
NestM
pく 0
.
0
1
15
ε
﹂
ωωωDFO ω心 コZ
20
口 Ne山 川es
10
図 Non-nestmates
1
.
2
5
NestM
図
。。
NestA
0
.
8
2
「一寸
3
4・
Frequencyo
fmounts
0
.
6
NS
30
0
.
4
25
0
.
2
。
1
4
12-20
12-20
20
NestA
pく 0
.
0
5
15
ε
﹂
1
4
5-11
Daysa
f
t
e
ri
n
t
r
o
d
u
c
t
i
o
n
5-11
ωωω2FO ω心 コZ
c
ω さの﹄ 0 トo
E¥ωco一芯c
c
ω コσωよ
C
一
1
.
4
10
5
図 3- 6. T minangkabαuのガード個体が導.
入された羽化直後の個体に対して
おこなった触角による後触の 1分間あたりの頻度 (同巣と他巣のあいだの差の
ann-WhitneyUt
e
s
tをもちいた)。
倹定には M
。。
2
3
4-
Frequencyo
fmounts
図 3一7
. 主T~ mina
なつた馬のり行重到動)]の頻度分布(同巣と他巣のあいだだ、の差の検定には Mann
トWh
吋
i
t
i
川
n
e
りyU
1
旬
e
s
剖1をもちいた)。
56
57
体に応釆りになるの が観察さ れた何体 は、4例体であった。たとえば s
'l
1と吊 けをつけ
20
口 Nestmates
図N
呼∞
On
r
られた個体は、サブコロニー
M' か らコロニ ーA
に導入された 非 f
l
f
l
紘者 で、ほかの例体
から馬釆り行動をうけるのが 8回限察された。 このうち の 1日は s'24という肝 リーをつ
ω
ω
ω
15
けられた個体によるもので、 この s'24は、やは りサブコロ ニー M'か らコロニー 八 に将
心﹄O
NestM
入された非 f日縁者で、B
'l1とは姉妹関係にある似体であ った。導入 された
﹂
ωDEコZ
ように自分の姉妹に馬釆りになる例が、ほかにも 一度観察さ れた。
NS
10
J
I
:
I
l
f
l
紋将が この
3-2-3 考察
5
。。
T
.m
i
n
a
n
g
k
a
b
a
u のガード個体は、他布!の外役個体および同種の他巣
1 2 3
F
r
e
q
u
e
n
c
yo
ft
r
o
p
h
a
l凶x
e
s
r
l
J来の外役 f
l
i
l体を
識別し、排除した(実験 1)
。 このような識別能力は、自然条件下で、巣内にたくわえ
4-
られたえさや巣の建築材料を略奪者から守るためのものとして必 3
2なものである。
これに対し、同磁の他巣由来の羽化直後の何体を、ガード例休は羽化 l
立後の
20
I
l
fl
縁者と
同級に受け入れた(尖験 2
) 。 しかしこれは、 必ずしも両者の [
1来 (I
f
l
l縁皮) のちがい
を認識していないということを意味しない。なぜならば、触 1(1 での以触
1
.
.
.
.
.
コ
エ
ε
ことはないので、 これがw:の防衛にとって欠陥となることはない。 m
i
>
1t
手有-として機能し
コ
Z
もかかわ らず 、
羽化直後の非血縁者を受け入れたと考えられる。羽化直後のfIlil{本が附
符行動をおこな う
NS
ω
EJ
。10
ガード個体は両者の由来のちがいにもとづく何 らかの差 災を認識したに
うるのは、外役個体だけである。
5
本種において、巣仲間認識の手がかりとしてもちいられている衣現型上
。。
の以識 (
c
u
c
s
)
としては、泣伝的なもの、環境 [
1来のものの双方が考え られる。 しかしい ずれにせよ 、
2
3
F
r
e
q
u
e
n
c
yo
ft
r
o
p
h
a
l
l
a
x
e
s
4-
その個体レベルでの発達のプロセスは、同府!の他巣からの U
l
o
t
写省を排除す るのに 十分役
立つものとなっている。羽化直後の導入個体をガード個体がチェックす
る以度が、iI有名・
が他巣由来ものか同巣由来のものかで量的にちが っていること(図 3-6 3- 7) か
、
図 3-8. T
.m
inangkabauのガード個体が導入された羽化直後の個体に対しておこ
なった栄養交換の頻度分布(同巣と他巣のあいだの差の検定には MannWhitncyU
t
e
s
tをもちいた)。
ら、認識のための標識の 一部が羽化前の安囚で決ま っていることがわかる。羽
化前の2f
因としては、逃伝的なものと幼虫のえさのような環境要因の双方が考え
られる。羽化正[
後に導入されたワーカーのうちごく 一部の個体だけがくりかえし応釆り
行動を うけたの
5
8
5
9
。
NestA
斗ー
ワl
0
2
、,
、
頻度は他巣 [
1来のものに対して有意に日頻度でみ られたか らで ある (
図 3-6、
ω
円ベリ
ω15
や ,1 .!~ * り 行動 の
変異を無視しえないかもしれない。
) 、標識の例体問j
をみると(凶 3-7
実験 2)か外役個
導入されたのが他巣由来の個体であってもそれが羽化直後の個 体 (
aの 2つのコロニー (M と A) を実験にもちいた。巣箱木体を烏似大学
l
u
l
s
u
g
n
gonaa
"
n
T
.30C に保った。そして巣の出入り口をグリ
.
.
.
農学部構内の恒温室に置き、恒温室を 25.
0
体(実験 1)かでガード個体の反応が異なることから 、標識の一部が羽化後に変化し、
ーンハウス内の空間に接続した。ワーカーは巣の出入り口から飛び‘立って、ハウス内の
H齢が進むにつれてしだいに巣間で差が大きくなることがわかる。しかし一方 、これに
花から採餌した。どちらの巣も 1頭の女 王が正常に産卵をつづけていた。
一見相反するかのように、羽化直後に導-入された個体に対する触角による接触の頻度が
sの
i
m
o
c
aα i
l
s
c
al
n
o
g
i
r
t
o
n
n
a
ほかの種の外役個体を導入したときの反応を調べるため、 N
日がたつにつれて減少する傾向もみられた(図 3- 6) 。これには 2通りの理由が考え
a と同様の方法で維持されて
J
u
l
s
u
g
n
巣のワーカーをもちいた。この種も、恒温室で T a
られる。ひとつめの可能性は、羽化直後に導入された個体の遺伝的に決め られた標識 に
いたものである。
ガード fl~1 体が慣れた(他巣由来の羽化直後の個体をとった巣と外役個体をとった巣は別
のものである)というも のであり、も うひ とつの可能性は、羽化直後に導入され受け入
れられた個体の標識が導入先の巣のにおいとまざりあって差がなくなったというもので
実験 1 同種および他種の外役個体の導入
非血縁者の外役個体の導入を、 A から M へおこなった。導入前にこれらの外役個体に
ある。現時点ではどちらとも決めがたい。栄仲間認識のための標識に遺伝的な要因と環
sは M と A 双方
i
m
o
c
i
c
c
a
何 t
ペイントをほどこし、数時間別の箱に隔離しておいた。 N.t
d,
e
e
r
)でも知られている(B
a
r
e
l
i
l
J
sme
i
p
A
境要因の双方がかかわっている例はミツバチ (
に導入した。これは見分けがつくのでマーキングをおこなわなかった。
)が同じように導入された
4
2
'
B
)。導入されて受け入れられた非血縁者 (
1
9
9
z,1
t
e
;G
3
8
9
1
非血縁個体の導入を 1989年 6月 20 日と 21 日におこなった。 1 日に導入したのは 1
)が羽化後の周囲の環
s
c
at
l
p
m
e
t
)を攻躍したことは、識別する側の基準 (
11
'
s
臼分の姉妹 (
頭か 2頭で、 2頭のときは 2時間以上間隔をあけた。導入は、観察巣箱の側面にあらか
境条件から(すくなくとも部分的には)学習されることを示している。このしくみは、
、
sの導入は、 6月 7 日
i
m
l'
c
c
a
ωl
じめあけておいた小さな穴から静かにおこなった。 N.l
栄仲間認識を効率的に機能させるのに役立つはずである。
20日に 1頭または 2頭ずつおこなった。
∞
;がある場合には 、たとえ羽化直後の個体であっても、その血縁皮に応じ
1
0
K
ワーカ た識別をおこなう方が、包指適応度を高める上で有利になることがありうる 。しかし、
本滋ではワーカー産卵がみられないので 、羽化直後のワーカーを血縁度に応じて(おそ
らくある程度認識はしているにもかかわらず)識別しないことが、ガード個体にとって
不利にな らない 。むしろワーカーが少しでも抱えることで、コロニーの活動にと ってプ
)。
3
9
9
c,1
u
o
n
ラスになるだろう (Suka& I
実験 2 同種の同巣および他巣由来の羽化直後の個体の導入
1989年 6月 6 日に、コロニー M 、 A からそれぞれ育房域の 一部 (羽化直前の腕を多
)に入れた。翌日以降、 ペイントマ
'
数ふくむ部分)をとりだして別の容器 (M'および、 A
ーカーをつかつて、羽化してくるワーカーの胸部背板に個体識別できるマーキングをほ
どこした。マーキングした個体は、数時間別の箱に隔離したのち、 M または A に導入し
'由来のもの、いずれも同数ずつ M と A の双方に導入した。ひと
。 M'由来のもの、 A
た
3-3 Trigonaangustu/a における識別行動
つの巣あたり 1日に 5頭から 25頭までの数のワーカーを、 6月 8 日から 17 日までのあ
いだのうちの 8日間導入した。
0 日から 29 日までの、 22 日をのぞく毎日、 2つのコロニーをそれぞれ 1時間か
6月 1
3-3-1 材料と方法
ら 3時間、合計でそれぞれ 30時間ずつ観察して、導入したワーカーが導入された巣の
パナマで探集され、 1989年 4月に巣箱に入った状態で航空便で日本にもちこまれた
60
ワーカーにどのようにあっかわれるかを観察した。マークされた導入個体を発見するた
1
6
びに、その個体若手号 を確認し、見失うまでのあいだにほかのワーカーからうけ た反応の
えした。導入された例体は反幣しなか った
。 この よ うな反応があっ たあと、 I
,
T
,
j
X
'のあい
種類と回数を記録した。また、その個体を追跡、できた時間の長さを 1回ごとに秒単位で
だでときどき栄益交換がおこなわれた。観察した限 り、 いつも 応後に は、+
1
1
Tのそばか
記録した。 1個体の 1回の観察が 5分間つついた場合には、その時点、で別の個体の追跡
らガード個体は 立ち去 った。羽化直後に導入された炉│体がこのよ うにし て 1r
J以 i
二'
1
=
.
き
にきりかえた。
残 っ た割合は、同~山来の lfn 縁者で、 83% (n=9
6)、他栄 1
1
1来の非 r
f
l縁手?、
で 84%(n=
1
0
0)であった。
3-3-2 結果
3-3-3 考察
実験 1 同種および他種の外役個体の導入
コロニー M のガード個体は、同種の他巣由来の外役個体(nニ 3)を攻撃し排除した。
導入された外役個体は、すべて 1日以内に導入された巣から姿を消した。また、
M とA
本有!における結果は、基木的に T minang
ねb
a
u のものと 同 じである。すなわ ち、 a
l
o存
者となりうるような他積および同磁の他栄由来の外役個体 を排除したのに対し、同ぬの
いずれのガード個体も 、他種の N.l
e
s
l
a
c
e
i
ω'm1
旨の外役個体 (n=5)をはげしく攻撃して
羽化直後の個体はその由来にかかわらず受け入れた。巣の 防衛はおこなうが、羽化直後
すべて殺した。
のワーカーを 1
f
I
l縁皮に応じて識別することはしないのである。木砲でも、 ワーカー産卵
導入された巣のワーカーの反応は、導入したのが同種の非 血縁者であるか他種である
がみられないので、結果は予測どおりといえる。
かでちがっていた。同種の非血縁者の外役個体を導入する と 、何個体でそのまわりをと
他巣由来の導入個体が羽化直後のものか外役個体かでガード個体の反応が~'~なること
りかこみ触角でせわしげにさわる ・脚や麹にかみつく・馬乗りになってその場におさえ
から、標識の少なくとも一部が、羽化後に変化することが わかる。巣仲間認識の標識の
こむ、なと、の行動がみられた。死体はほかのワーカーによって巣の外に捨てられた。 N.
個体における発達のしかたが、
l
e
s
l
a
c
e
i
c
o
m
i
sの外役個体を導入したときは、コロニー全体がはげしい興奮 状態になり、
は十分役立つようなしくみになっている。しかし、標識を決める遺伝的要因と環境要, .
-
攻撃も徹底していた。導入した直後にまわりからガード個 体が殺到してその場におさえ
のどちらがどの程度重要なのかは、この実験からはわからない。
こもうと試み、ひとたびつかまえるとヤニ状の褐'
色の物質でその場所にだんご状にぬり
(やはり T minangkabau のものとおなじく)巣の防衛に
T mina
刀'
g
k
a
b
a
u とのちがいとして目立ったのは、他種に対する攻撃のしかたである。
同右n
の他巣から外役例体を導入したときよりもその攻曜は激し く、ヤニ状の分泌物で同
かためてしまった。
めてしまうという同種に対してはもちいない攻撃手段をも ちいた。士 minangkabauが束
実験 2 同種の同巣およ び他巣由来の羽化直後の個体の 導入
羽化直後の個体に対する反応は、 T minangkabau のものとよく似ていた。同巣由来で
あるか他巣由来であるかにかかわらず、ガード個体はこれ らをほとんどすべて受け入れ
た。導入されたこれらの個体に出会うと、そのからだをガー ド個体は触角で短くふれた。
i
%アジアに生息、するのに対し、木荘n
士a
n
g
u
s
l
u
l
aの生息場所は新熱帯で、ある。新熱帯に
はヌスミハリナシバチ L何 的 問 e
l
i
l
l
a が生息し、しばしばハリナシバチの巣をおそう
(
R
o
u
b
i
k,1
9
8
9
)。このような生息場所に応じた天敵による選択圧のちがい が、他磁への攻
撃手段を具なったかたちに進化させたのかもしれない。
そのあと、ガード個体はそのまま立ち去る場合もあれば、 導入された個体を調べつづけ
る場合もあった。後者の場合、しばしば、触角で短くふれ る行動をガード個体はくりか
6
2
3-4 Meliponapanamica における識別行動
63
3-4-1
材料と方法
鉱日韓
Om
Oa
木種の尖験は 1988年から 89年にかけてパナマ市 でおこなわれた。実 験にはパナマ国
民集され観察巣箱に 導入された複数のコ ロニーをもちいた 。巣の
内のさまざまな場所 で、
Mar.19
入口を屋外に接続し 、ワーカーが野外の 花から係餌できるよ うにした。本種では 女王存
Od
布下でワーカーによ る生殖卵の産卵がみ られたので(第 2章)、コロニー内で の血縁認
5
.
r
p
A
識が存有すると予測 され、種間比較の対 象として興味深い。
f
to
r
a
t
S
n
o
i
t
i
s
o
p
i
v
o
)と同程度で、上述の 2種よりはかなり大きい。
a
とr
J
i
J
J
e
sm
i
p
A
個体のサイズはミツ バチ (
実験 1 血縁度の異なるワー 力ーの導入
y
n
o
l
o
c
b
u
S
aのコロニーを 3つ用 意した。すなわち 、女 王が互
c
i
m
a
n
a
ap
n
o
p
i
J
c
血縁関係の異なる M
25
Apr.
いに母親と娘の関係 にあるふたつのコロ ニーと、血縁関係の ないコロニーひとつ である
:
:
!
:
;
1
P
ゴ2
ミ
図 3- 9) 。まず、別々の場所 で係集した 2つのコロニー (M と A) を 1989年 2月
(
にそれぞれ観察巣箱 に移し、ワーカーが 野外の花から採餌で きるようにした。娘 のコロ
(⑧)
(⑩)
れ
ふ
ド
n
4I
U U﹂
フ
CJy
O
ua
こした。 D の女王(娘)を M でも A でもない別の巣から のオスと交尾させる ため、コ
ωM
&E
VE
n‘
ニー D をつくるため、 3月 19 日に M をほぼ等しく分割し た。女王(母親)は M にの
n11
o
i
t
c
u
d
o
r
t
n
I
2
May
、ミコ
ロニー D を 20k mはなれた場所にしば らくのあいだ移して おいた。 4月 5日には D の
D をもとの場所にもどした。
1
e
h
日と 12口
l5日にコロニー M に導入した(図 3- 9) 。羽化は毎日おこるので、
、 6J
羽化直後からのさま ざまな日齢のワーカ ーを導入したことに なる。一部のワーカ ーは、
それ自身の山白とは 別のサブコロニーに 移されたのち、導入 された。 6月 5日に導入さ
れたものの一 部は、コロニー D の新女王によって産 卵され羽化してきた もので、
ワーカーにとっては 姪にあたる。これら の「条件づけ J したワーカーを、
64
Mの
a における血縁者および巣仲間の識別行動をあきらかにする実験の概要
c
i
m
a
n
σ
ap
n
o
p
i
l
e
. M
図 3- 9
(詳細は本文)。
M の内部に注
5
6
円切
d
v
町山内
体識別できるようマ ークして、最高 3迎問までサブ コロニーに入れてお いたあと 5月 2
n
n
o
u
h
q
E
お世れれお色村♂
ω川
O 引
﹂
│
│
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﹂
一/ J
1 きEmergence
May3
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会o
Bworkers
A﹃ ‘
.
Fhu
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n
‘
・
冒
ゐ
B
に移したが、未成熟 な女王は入れなかっ た。サブコロニーか ら羽化したワーカー は、個
O
・
・
A1 をつくった。羽化後 まもない個体・姉の 入った育房・貯食査 をそれぞれサブコロ ニー
cn
uu
V﹄
ゐ曹‘
1
1
識別行動の変化をし らべるために 、 M 、D 、A のそれぞれからサブ コロニー M 、D 、
AUld
o
n
)の変化とその結果と してのガード個体の
e
cu
導入似体の羽化後の 生息環境による標識 (
ad
p¥ 、
U ¥ !、
γ
、
p !¥半
女王の E~ 卯が確認されたので、
意ぶかく導入した。
実験 2 コロニーへの撹乱をつづけることによる影響
コロニーへの天敵の攻撃による影響をシミュレートするため 、人為的にコロニーの撹
乱をおこなった。もちいたコロニーは、上の実験 1でっかったものとは別のものである。
⑥=
2月にかけて、毎日ひとつの巣箱の上のガラスぶたをあけて育房域
0月から 1
8年の 1
8
9
1
のまわりを覆っている被膜をとりのぞいた。このコロニーに由来する羽化直後のワーカ
ーにマーキング をほどこして導入し、どの時点で導入した個体がどれだけ生きのこるか
を記録した。
@
@←
3-4-2 結果
実験 1 血縁度の異なるワー力一の導入
コロニー M のガード個体は、導入された個体に出会うと、最初そのからだに触角でふ
t
s
i
s
n
I
'
d
o
o
f
'
request
@
れ、ときには、さらに口器の部分で腸内の物質か分泌腺の由来の物質をチェックした。
Chase
)をあけて静止し、分泌物のチェックをうけいれた。
s
e
l
b
i
d
n
a
m
このとき、導入個体は大顎 (
このあと、特に、相手が非血縁者のとき 、あるいは日 齢の進んだ個体のとき、そのから
~8
だにガード個体がかみつくことが多かった。このとき 、ほかのガード個体も、か らだの
別の部分をかんだ、りやわらかいヤニの小さなかたまりを相手の胴体になすりつけること
によってこの攻撃に加勢した。導入された個体が受け入れられるか排除される(殺され
W2
t
s
i
s
n
I
'
d
o
o
f
'
request
A
る)かは、大低導入後 1日以内で決まった。一度受け入れられれば、たとえ 非血縁者 (
1
間と同じようにあっかわれた(図 3- 10、図 3- 11)。
'
からの個体)であっても、巣イ1
I
1
I
/一一¥
eave)
~( L
~
さまざまなレベルの反応の割合でみると 、ガード個体は、導入された個体をその条件
づけのさまざまなカテゴリー(日齢、血縁度など)に応じて識別したことがわかった。
Mに由来する個
なかでも 1日以内に殺された個体の割合は、たとえ導入されたのが姉妹 (
体)であっても、羽化後まもない個体(羽化後 6 日以内)で 7% であったのに対し 20日
)。
5%と 、日齢が進むにつれて大きく上昇した(図 3- 12
後に導入されたものでは 4
6
6
aのガー ド個体が導入個体 (wr) に出会って相手を受け入れる
c
li
7
1
al1a
. M.p
図 3- 1O
場合の行動の述鎖。
7
6
r
e
t
n
Encou
eodor?
il
t
a
l
o
V
50
40
ω
℃
30
~
e
t
i
B
s&
g
e
l
wmgs
ω
ω
.0
20
#
10
。
。
5
10
15
20
25
)
s
y
a
d
Age(
図 3- 12. M.panamicaの導入個体の日齢とガード個体に殺される割合の関係。
羽化後 6日目を過ぎると殺される割合が急に高くなる。
αのガード個体が導入 個体 (Wr) に出会って相手を殺 す場合
c
a11li
n
a
. M.p
図 3- 11
。
の行動の述釘{
8
6
9
6
30
l来する個体)が 1日以内に殺さ れる割合は、羽 化後まもない個 体で
l
1縁者 (Aに r
l
f
I
:
:
1
1
00
8%、より日齢のすすんだ、個体では 1
6日後)で 6
'1
6%、わかい個体(羽化後 7"
4
%だ、った。姪 (Dに由来し、あた らしく羽化した 個体)を導入し た実験では、こ の割合
8% )、よく似た条件におけ
7
7% )よりも小さく (
9
が同じ条件にお ける非血縁者の 値 (
る姉妹の値 (50% )よりも大きかった。このように、ガード個体は、ほかの要因が等し
)。
ければ、血縁度を識別できた(図 3-13
コ
。
C
羽化後まもない 個体において、 最終的な導入先 の M に似た環境のサ プコロニーで非 血
Non-kin
守ー
縁者を前もって 「条件づけ」し ておくと M で 1日以内に殺される割合は 9 %にさがった
Nieces
。
、 A に似た環境のサブコロニーで姉 妹を「条件づけ J しておいても悪影響はなか った。
が
∞
//
6日)では、 A に似た環境の中 に置いておいた こと
'1
より日齢をへた 姉妹(羽化後 7"
でこの割合が 57%に上昇した 。このように、 より日齢をへた 個体に対しては 識別がき
刀
ω
びしくなった。
'由来の非血縁者 は、ガード個体 の日齢に達する と、あとで導入 され
受け入れられた A
た自分にとって本来姉妹である個体を攻撃した。
Cコ
0
.
<
Sisters
¢
よ
ω
ω
ω
4コ
High
Cコ
守
~
実験 2 コロニーへの撹 乱をつづけるこ とによる影響
k
s
i
nr
o
i
s
a
v
n
I
Cコ
c4
、
実験をはじめた とき、羽化直後 に導入される個 体が 1日以内に殺され る割合は、実験
1の羽化後まもな い姉妹 (7% )と等しかった。 1か月にわたって毎日巣箱を撹乱すると、
この割合は 50%に上昇した(図 3- 14) 。
Low
Cコ
。
0.2
0.4
0.6
0.8
0
.
1
)
r
Degree 01 relatedness (
3-4-3 考察
aのガード個体は、同種の他巣由来の外役個体を識別し、排除した(実
c
i
m
a
n
a
ap
n
o
p
i
l
e
M
a の羽化直後の導 入個体に対する 血縁認識。
c
i
z
nαn
a
p
. M.
剖 3- 13
験 1)。このような 識別能力は、自 然条件下で、巣 の防衛に必要な ものである (Roubik,
ワーカー産卵の あるこの種では 、非血縁者を羽 化直後であって も識別
する 。 コロニーの撹乱 がつづくと、殺 される割合は全 体に高くなる 。
姪の受け入れ率は、姉妹と非血縁者の中間になる。
)。
9
8
9
1
)
また、ガード個 体は、同種の羽 化直後の個体を その血縁度に応 じて識別した( 実験 1。
1iを産む
羽化直後の個体が│略奪行動をおこなうことはないが、木砲ではワーカーが生殖 0
ので、これは包 括適応度からの 予測と一致する (ただし、羽化 直後の個体も分 封にはく
0
7
1
7
わわるので飛べないわけで はない)
0
'の有限 な資源とエネルギーが
1
)
.
fイfにはコ ロニー 1
f
縁皮 に応じ た識別を おこなったプjが包抗迎
1
f
1
もちいられるので、その投資に際しては、 1
Iのようにワーカ
H
応度を高める上で有利になることがありうる。これに対し、前述の 2
ー産卵のない種では、羽化直後のワーカーを識別しないことがガード個
体に とってむし
ろフラスになると予測され、実際にも識別をおこな っていなか った。ワ
ーカー産卵の有
て、包日 適応
無に応じて積によってこのように異なる結果が得られたことは、 全体とし
0
6
度にもとづく仮説の枠組みを支持している。
こと(実
サブコロニーにおける「条件づけ j によって受け入れられ る割合が変化した
50
験 1)から、認識のための標識を決める要因として、羽化後の環境条件もか
な り重要で
刀
ω 40
あることがわかる。導入時の日齢が受け入れ率に大きく影響することも
、これに関連し
~
ているかもしれない。しかし日齢がすすむにつれて遺伝的な要因が発現
してくることも
ω 30
ω
考えられ、また識別する側の基準が相手の日齢によって変化する可能性
もある。本部に
20
おいては、巣仲間認識と巣内での血縁認識の両方が存在するため、日齢
c
.
手
王
に応じた標識の
予想される。
発達や基準の変化が、双方を両立させるようなかたちで成り立っている
0
1
。。
受け入れられた非血縁者があとで導入された自分の姉妹を攻撃したこと
は、識別する
側の基準が羽化後の周囲の環境条件から(すくなくとも部分的には) 学習
5
0
1
5
1
20
25
30
35
)
s
y
a
d
1disturbance(
Duration0
示すものかもしれない。これは巣仲間認識を効率的に機能させるのに役
されることを
立つしくみであ
に決まっ
、 T minngkabauでもこれと同じことがみられた。ただし純粋に遺伝的
り
た標識
章)。
によ って認識している場合でも、姉妹を攻撃することはありうる(第 5
i縁者を殺す割合とコロニー
l
f
. M.panamicaのガード個体が羽化直後の l
図 3- 14
血縁者-であっても殺さ
の批乱のつづく J~J 問との関係。コロニーの 批乱がつづくと 、
れる 割合 は高 くなる。
7 %の
コロニーの撹乱をおこなっていない状態でも、羽化直後の姉妹を導入すると、
個体が殺された。この租では、マーキングなどの 実験操作をおこな っていな
の個体に対する攻撃も観察されている 。 したがって、姉妹殺しは実験の悪影
のだけに起因するとはいえない。しかし 、撹乱をくりかえすとこの割合は
い羽化直後
響によるも
50%に達し
)が、巣への侵略
87
9
,1
cr
zi
o
実験 2) 。このことは、識別の生存にかかわる価値 (Cr
た (
の危険に反応して変化したことを示しているとおもわれる。この仮説で
は、コロニーの
危険が小さいとき、ガード個体は巣仲間に非血縁者が加わることをある
程度ゆるしてで
たとえ姉妹
も姉妹への「不慮の J 攻撃を最小化しようとするが、危険が大きくなると、
誤り J をおかしてでも非血縁者の侵略を最小化しよ うとすることにな る。
を殺すという 「
2
7
73
実験 1において、段初の導入から約 1か月後の 6月 5日におこなった導入では、ガード
個体が姪と非血縁者を識別したが、受け入れ率はどちらもかなり低かった。これは、実
験上の操作によって撹乱がくりかえされ、ガード個体の攻撃性が高まった時点で導入が
おこなわれたためと解釈できる(図 3- 13) 。このときは、羽化後 6日目までの非血
7%が 1日以内に殺された。
縁者の 9
1989 年 6 月にパナマで採集され ~m に導入された状態で日本に 空輸された 2 つのコ
ロニー (M と A)
を尖験にもちいた。巣箱本体を烏桜大乍 j史学部七時内 の↑l i1/1~ 市に抑 Jiq し、
0oc に保った。~の山入り口を野外に後続した。ワーカ ーは栄の U\ 人り
'3
'
"
5'
恒瓶室を 2
nなした花や野の花から採似した。 2つのコロニーの
口から飛び立って恒侃室の周囲に J
久
の
i
J
a
史的小さく観察し やすい方を M 、も う一方を A とした。どちらの巣も 1:
'
うち比1
;1で述べたように 、この磁の 十分成長したコロニ
王が正常に産卵をつづけていた。第 21
a barroc%radensis における識別行動
n
o
g
i
r
t
o
t
p
a
c
3- 5 S
)、観察にもちいた 2つの-*の
3
8
9
k,1
i
b
u
o
R
ーには 8000玖程度のワーカーが存在するが (
0顕れ皮 に
0
ワーカー数は 500から 700頭で、観祭のおわりごろには秋の寒さのためか 3
3-5-1 材料と方法
まで減少していた。またこの積は原産地においてはコロニーを悦乱すると強い刺激央を
iにかみつく攻般的な性質をもっているが、日本で飼育をつづけるうちに
発して皮脂や 2
s は、女王存在下でワーカーが形のはっきり異なった生殖
i
s
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d
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l
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r
r
a
ab
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g
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t
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l
p
a
c
S
その性質は弱まった。
予備調査として、前述の 3種同級、他巣由来の外役個体の導入を 、M か ら A 、 A か
卵と栄養卵の 2つのタイプの卵を産み、生殖卵の産卵の有無がコロニーによって異なる
ら M へと相 互におこなった。また別種の外役個体を導入したときの反応をしらべるため、
積である(第 2章)。
2年にパナマで、本種の識別行動を観察する実験を
9
9
9年に日本、 1
8
9
本研究では、 1
おこなった。日本では、ほかの 3種と共通する実験(図 3- 3) のほか、飼育上の 4つ
aのコロ
n
a
y
r
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ad
i
c
b
s と月e
i
m
o
c
i
c
c
a
l
s
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刀 al
恒温室で同様の方法で維持されていた Nannotrigo
ニーのワーカーをもちいた。
の条件を操作していくつかの異なったカテゴリーのワーカーをつくり、それらをひとつ
羽化直後の伺体については、以下のような実験をおこなった。
のコロニーに導入して、それぞれがガード個体からうける反応を比較した。操作した条
0日にコロニー M をそれぞれ分割して、合計 4
、 1
9年 9月 9日にコロニー A を
8
9
1
件は、
(1)羽化前に決まる条件(遺伝的要因と羽化前の環境要因をあわせたもの)、
(2) 羽化後に接触するサブコロニーの他個体、
のえさ、
(3)羽化後に妓食するサブコロニー
(4)羽化後導入までにサブコロニーですごす期間 4つである。パナマでは 、
) 。そのなかみは次のとおりである。(1)
つのサブコロニーをつくった(図 3-15
) サブコロニ
サブコロニ一 mm 焔・ワーカー・貯食査をいずれも M からとった。(2
~
ma: ワーカーを M から貯食壷を A からとった。(3)サフコロニ~ am ワーカー
!食査をい
j
t
踊 ・ワーカー.I
天敵のいない日本でコロニーを維持した条件が結果に影響していないことを確かめるた
を A から貯食壷を M からとった。(4)サブコロニ一泊
め、種間比 I険に必要なデータの追試を中心に 、いくつかの確認のための実験をおこなっ
ずれも A からとった。各サブコロニーの大きさは、 ~U 約 300 ・ワーカー約 60 ・貯食 fiE の
た。実験にもちいたどの巣でも、女王存在下でワーカーによる生殖卵の産卵は観察され
5になるようにした。 M と A はコロニーの大き
/
'1
'
"
置はもとのコロニーのそれぞれ1/3'
9年の観察でワーカーが生殖卵を産んだコロニーで
8
9
なかった(第 2章のパナマでの 1
さがちがっていたが、サブコロニーはほぼ同じ大きさになるようにした。サプコロニー
は本章の笑験をおこなわなかった)。
に移したワーカーには、すべてその日のうちに胸部背板にペイントマーカーでマークし
J
。
た
実験 1 導入前の個体の発育条件による影響
1 日以降、
9月 1
mm と泊で羽化してくるワーカーに個体識別できるマークをほどこ
した。マークであらわされる搭号は、最後にコロニー M に導入するときのワ ーカーのカ
74
75
テゴリー ごとのまとま りに 対応 しない ように し
、 観察中は各例体の経歴がわからないよ
うにした。 これは主観的判 断が入 るの を防 ぐためである。マーキングした個体は、数日.}
問別の容認に隔縦したの ち、それぞれの巣 に由 来するもの をおのおの 3つのサフコロニ
queen
queen
ー に分けて導入した。すなわ ち、m mか ら羽化した個体は m m・ma・拙に、泊から 羽化
した個体は mm.am・泊に導入した。このマーキ ングとサ ブコロニーへの円導入の作業
は
、 9月 1
1日
、 1
3日
、 1
5日
、 1
9日
、 20日の計 5回お こな った。この操作によって、
Co]ony
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o
n
遺伝的にはそれぞれのコロニーの女 王に由 来する 2つの系統 のワー カー が、羽化後に接
Sep.9,
1
0
触するワーカーとえさの組み合わせによ って異なるそれぞれ 3種類の環境条 件で「条件
づけ J されるよう にした(表 3- 1
)。
Marking
これ らのワーカ ー を
、 9月 1
7 日と 28日の 2回、コロニー M に導入して、 それに対
するガード個体の反応を観察した。マーキングした日付・
が異なるワーカーを 2回にまと
Odor
c
o
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めて導入したので、導入個体の日齢の影響を分析することができる。 1
7日に導入したワ
R
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(
c
a
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]
o
w
s
)
ーカーの日齢は羽化後 2
7日
、 28 日に導入したワーカーの日齢は羽化後 8-1
8日で
Sep.17
ある。 4つのサブコロニーを 最初につく ったときに貯食壷 と一緒に M または A か ら直
接移したワ ーカーも、 2回の導入1
1
寺に一緒に M に導入した。これ らのワーカ ーの 日齢は、
O
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n
サブコロニ ーで羽化し たワーカー の日齢(2-7日または 8-1
8日)よりも高 か った
。
R
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(
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u昭 s
)
本種でも、ワーカーの体色は羽化直後に 白く、日齢を追ってしだいに黒 くなるのがみら
S
c
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.2
8
れた。
このような導入個体のカテゴリーを、その個体が羽化した巣箱をあらわす記号 と M へ
O
b
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n
の導入前に「条件づけ J したサブコロニーをあらわす記号の組み合わせで、 表現するこ
とにする(表 3- 1
) 。羽化した巣箱は M 、A 、m m、組のいずれかなので、これ らを
図 3- 15
. ScaplolrigonabarrocoJoradensisにおける血縁 者および
巣仲間の識別行動をあきらかにする実験の概要(詳細は本文)。
それぞれ M 、A 、m 、aという記号であらわす。 一方
、
「条件づけ J したサブコロニー
にはその 記号 m m、ma、am、組をそのままもちいる。そして両者をハイフンでむすん
で、それぞ
し拙で「条件 づけ J された個体ないしその集合であり、 A引a
剖m は A で、
羽化し amで「条
件づけ J された個体ないしその集合である。
観察は導入当日をふくめて 5 日間おこなった。 5日目の観察終 了後
、 巣箱をひらいて
マーク個体を回収し、個体ごとに冷凍保存して、第 4章で述べる体表化学成分の分析に
76
7
7
もちいた。
実験 2 生息地における識別 行動
1
9
9
2年 2f
jか ら 5月まで、 パナマ述仰 のガツン仰l
にう かぶバロ コロ ラド向で 6つの巣
箱を飼い、このうち 4つをつか つて実験をおこな った(図 2-4)
0
-1つのうちの 1つ
は人工的に巣を分割 してつく ったものであ り、の こりは
、 実験に つかわ なかった 2つも
表 3- 1
. Scaptot
r
i
g
o
n
aba
r
r
oc
o
J
o
r
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ns
i
sにおける導入個体に 対する「条件づけJ 。
コロニ -MとAは、互いに血縁関係 の な い女王の存在するコ ロ ニー。 mmは姉・ ワ
ーカー ・貯食壷を Mからとってつくった サフコロ ニー。 aaはl
踊・ ワーカー -貯食
壷を Aからとってつ くったサフコ ロニー。 m aはワーカ ー をMから 、貯食壷を Aか
ら、また a mはワーカーを Aから 、貯食壷 を Mからとってつ くったサ ブコロニー。
Colonyi
nwhich Colonyi
nwhichworker
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M
民4
A
A
mm
ma
am
a
a
ふくめて、野外で採 集し巣符に移したも のである。栄の出入 り 口か らワーカーは
u山に
飛 び立 って野外の花から採餌した。 6つの栄の うち実験に つかわなか った 2つは 、加 2
章で述べたよ うに天敵の襲墜を うけ、(住全 な状態で維持できな か ったもので ある
。
まず、w:イ1
'
'
間認識が白然状態、で意味をも つ ことを確かめるため、
3月 30日の 昼間
、
すぐそばに置いた 2つの巣箱のふたをあ けて人為的 にコロニ一間の戦闘 状態を つ くりだ
してみた。もちいた コロニーは S1および S2と名づけたもので 、それぞれ別々に野 外
から採集されたものである。 実験時には S1は無女 王 になっていたが、 まだワーカー数
はそれほど減少して いなか った
。 S2は健全な状態で活 !
fUJしていたコロニーである。
次に 、他県 d
l来の羽化直後のワー カーを導入する実験 を 、 4月下旬と 5rJ上旬に、上
述の健全 なコロニー S 2からほかの 3つのコロニーに対し ておこな った。導入先の 3つ
のコロニーは 、上述の無女 王のコロニー S1、 S2を分割してつく った烈女 王のコロニ
-S3、女王が存在する健 全 なコロニー S5である(図 2-4)
0
S2からの導入個体
は、 S1と S5のガード個体にとっ ては非血縁者 、 S3のガード個体にと っては血縁者
である。女 王のいるコロニー (S2、 S5) ではワーカーは栄養 卯しか産まなか ったが、
無女王のコロニー (S1) ではワーカーがオス を産んで、
いるのが椛認された (第 2j'~)。
S 3でのワーカー産卵は 不明である。導入個 体は 、 S2から体色のうすい個 体を直接と
ったものか、 S2の一部を移してつく ったサブコロニー (S21
) から羽化してきたも の
かのどちらかをもち いた。羽化直後の個 体は、休色がうすい だけでなく、腹部が 老齢 の
個体にくらべてふく らんでおり 、巣鍛の上に密集し てじ っとしていることが 多い ので
、
S 2のように健全に活動 しているコロニーで は 、 これを容易に見分け られる。これ らの
個体に 、ペイントマーカー で個体識別できるマ ークをほどこして、 ペイント が乾燥 して
から観察巣箱に導入 し 、その後 5日間観察してどの程 度生きのこるかをし らべた。
7
8
7
9
mo
ー -cr,
3-5-2 結果
90
80
実験 1 導入前の個体の発育条件による影響
同種の他
70
m由来の外役個体を導入すると、ガード個体はこれを完全に排除した。導入
60
個体の周囲をとりかこみ、触角ではげしくたたく、応釆り になる、かみつく、ひっぱる
50
などの攻撃を お こない、導入個体は導入後 1時間以内にすべて殺された。別種のハリナ
40
aの外役個体を導入したときにも同じような反応がお
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a
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r
.d
ヒomisと P
l
C
C
a
l
s
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シバチ N.l
30
20
こり、導入個体はすべて殺された。
ba
¥
be
b司
ba
10
。
サブコロニーで「条件づけ J してから導入したわかいマーク個体は、激しい反応にさ
2
らされるものもあれば、通常とかわらない触角による接触 のみで受け入れられるものも
3
5
4
あった。導入個体に対してガード個体がとった反応を以下 のように区分して、それぞれ
の反応をうけた回数を導入個体ごとに記録した。触角によ る接触は、その時間の長さに
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1onga
)、 1a(
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よって ba(
:馬乗り
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m
:突進する)、 m 0 (
e
g
r
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h
c
3段階に分けた。より攻撃的な反応として、 c r(
になる)、
mo
- cr,
ー一ー一一ー、
ー
ifr
80
.a
1
∞
:かみつく)
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b
:強制的にえさをはきださせる)、 b t(
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s
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tf dr
s
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ifr(
を記録した。反応の内容は、導入当日がもっとも激しく、 2日目以降はいちじるしく鎖
70
60
50
/f化して攻般的な反応がほとんどみられなくなった(図 3- 16) 。
行
ba
ba
ba
ba
2
3
4
5
40
表 3-2、表 3-3に、各カテゴリーの個体の生存率と生存日数を示す。導入 当日に
殺された個体の割合は、カテゴリー問で有意差がみられなかった。どのカテゴリーでも、
l 回 目 の導入(日齢 2~7 日)ではほとんどの個体が受け入れられ、
2回目の導入(日
0%まで増加した(図 3-17)02回目の
8日)になると殺される個体が約 2
齢 8~ 1
)のあ
a
a
a
導入で「条{'I:づけ J の内容を M にそろえた個体 (m-mm)と A にそろえた個体 (
30
20
ba
10
。
DAYSAFTERINTRODUCTION
いだには、 生存率 に有意な 差がみられた。観察をつづけた 5日間にコロニーから消失し
合は抱えるものの、基本的には導入当日だけでみ
1
J
1
、 全体にその 1
合 をみ ると
l
J
j
l
;
た個体の_
たのと同じよ うな結果にな った。サブコロニーをつくるときに A から成虫の状態でサブ
mおよび A-凶)に限つては、殺さ
a
A
コ ロ ニ -amおよび出に移した日齢の進んだ個体 (
sにおけるガード個体の導入個体に対する反応の経時
i
s
n
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d
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J
o
c
o
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r
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.b
. S
図 3- 16
)。下段:導入個体
a
a
m
m-ma,
変化。上段:導入個休がガード個体の妹の場合 (111-111111,
ll.縁者の場合。
f
がガード個体にとって非 J
8%といちじるしく日か った(表 3-2、表 3-3) 。
5~ 8
れる割合が 2
0
8
1
8
だの各カテゴ リーの導入個体の数とその生存率
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J
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ハ
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U
ハ 一
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ハ
U
ハ
U
ハ
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0101
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ハ 一
U U
UnU ハ
nu--i
ハ
ハ 1i 一
ハ nu--inU U
nunU U
ハ
ハ nunu-nU1inu-- 一勺ん一勺コ
U u
ハ 1i 一
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(1回目の導入) 。
名カテゴリ ー の導入例休に 対する反応の差 S~ をより詳細にみるため、導入、''1円の反応
のうちわけの頻 度分布をし らべ た (図 3- 18) 。その結果 、羽化後のサブ コロニーが
aのあいだに有意 廷がみ られ、羽化前 の:2Q閃も認識のための標識に彩
a
aと a
a
共通の m
%
70
9に共通な ものどう しのあいだでも 羽化後
'
(
響をあたえるこ とが示唆された。 一方、逃伝 1
60
50
) ・ー泊とかわるにつれて後者ほど 攻般的な反応にさ
世n
ma (
のサブコロニー が -mm .-
40
らされやすくな ること、また、 羽化後のサブコ ロニーが共通の m-mmと a-mmで非常に
条件づけ J) もワー カー
よく似た頻度分 布を示すことな どから、羽化後 の環境条件( r
30
工二L:callows
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)
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(age=O-18days)
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のもつ認識のた めの標識を変化 させることがわ かった。さらに 、環境条 件として 、羽化
。
後に接触するワ ーカーとえさの 双方が影響をあ たえていること がわか った
a-aa
CATEGORY
実験 2 生息地における 識別行動
3時 40分ごろ、 S 1と S2を覆っているガ ラスぶたをあけ ると、ただ
3月 30日の 1
ちに両者のワー カーのあいだで 激しい戦闘がお こった。攻撃に 参加したワーカ ーの数は、
%
80
。
栄の内部に実験 的に 1頭ずつ外役個休 を導入したとき とは比較になら ないほど多か った
Y
70
2つのコロニーか ら飛び立 ったおびただし い数の個体が興 笛した様子であ た り飛び‘まわ
60
り、地面の上で 、何頭 もの個体が 1頭をとりかこん でかみついたり 、馬釆 りに な った り、
50Y
触角ではげしくたたいたりする様子や、
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いく綴子が観察 された。すぐに ガラスぶたを閉 めたが戦闘はお さまらず、 3
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0分までにひろい あっ
9時 3
0日の 1
体が外で夜を越 して、翌日の昼 近くまでつづい た。 3
0個休をかぞえ、そのうちわけは、
8
めることのでき た死体の数だけ で 2
2個体がかみあ
3、外
いるものが 1
2、頭や腹などを かみやぶられて 死んで、
った状態で死ん でいるのが 9
5であった。
6
いるのが 1
見上は損傷なく 死んで、
CATEGORY
一方、羽化直後 の個体を別の巣 に導入した結果 は、日本での飼 育条件で得られ た実験
結果を支持する ものであった。 表 3-4に示すように、 血縁関係にない 無女王 の巣 (S
sにおいて、導入個体がガード個体によって殺された割合。
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図 3- 17
上段 :導入後 1日以内。下段: 導入後 5日以内。
4
8
1)、血縁関係に ある無女王の巣 (S3) 、血縁関係にな い女王のいる巣 (S5) 、い
0%を越えていた。
ずれにおいても 、導入個体の生 存率は 9
5
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に対して示した反応。羽化後まもない個体の受け入れやすさは、環境由来の成分を 人為的に操
作することによっ てかえることができた。
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図 3- 18
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87
布;可能な仮説で、ある。
3-5-3 考察
1988)による「ワーカーの相互取
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女王の交尾回数と関連して興味深いのが、 R
本邸においても、巣の防衛のために必要な識別行動は明日立にみられた。すなわち、他
)の仮説(第 2~)である。これによれば、女王が 1 回交尾ならワー
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視J(
lに導入すると完全に排除したこと、また、巣問の戦闘
桶および同積の外役個体を栄の r
カー産卵(ここでは生殖卵の産卵の意味でっかう)がおこりやすく、逆に複数回交尾な
をひきおこした実験により、野外において同種の異なる巣のあいだに潜在的な緊張関係
らワーカーが互いに産卵をさまたげあって女王にオスの生産を集中させることになる。
が存在していることを確認できた。他巣由来のわかい個体の受け入れ率が羽化後の日齢
このワーカー産卵のさまたげあいは、ワーカーが卯を産むのを直後さまたげる、ワーカ
が進むにつれて低くなること、また羽化後の環境要因で認識にもちいられる標識が変化
ーが産んだ卵をとりのぞく、卵巣の発達したワーカーを攻撃する、栄養交換で差別する、
することは、コロニ一間の排他的な識別を効率化するのに役立つているとおもわれる。
旨でワーカー産卵がみられ
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といったかたちでおこると考えられている。S.b
一方、同組の羽化直後の個体をガード個体は識別(排除)しなかった。ただし、攻撃
5%に達すること、これに対して M.
'2
'
"
0'
るときその割合が産卵される育房の 1
.minangkabau と同級
的な反応の頻度には有意差がみられることから(図 3- 18) 、 T
切のワーカー産 卵が産卵される 育房の 1%を占めるのにすぎないこと(第
panaml
(3- 2) 、表現型にあらわれる何らかの差異を「認識」しているとおもわれる。羽化
は、このシナリオに一致しているようにもみえる。
2章)
切ではワーカー 産卵を直
M.panami
直後の個体が略奪行動をおこなうことはなく、実験にもちいたコロニーでは女王存在下
接妨害する行動みられたが、この妨害は他のワーカーではなく女王によるものである。
でワーカーが生殖卵を産まなかったので、これは一応包括適応度からの予測にもとづく
aのようにワーカー産卵がみら
l
u
l
s
u
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.a
.minangkabauや T
この仮説のひとつの難点は、 T
これまでの解釈と矛盾しない。しかし、 1989年にパナマで観察されたような女王存在下
1縁度の識別もみられない磁の位置づけがむず、かしいことである。
l
f
れず巣仲間どうしでの 1
でワーカーによる生殖卵の産卵がみられるコロニー(第 2章)においても今後実験をお
∞loradensis には栄養卵もみられるが、このように形態的に異なった 2種類
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r
r
a
.b
また、 S
こなった上でなければ、この種について明確な判断を下すことはできない。もし、その
の卵を産む種はこれまで Scaptolngona属でかたまってみつかっており、系統の制約のよ
ような巣で M.panamica とおなじように羽化直後の個体に対する血縁度の識別があるとし
うな他の要因をも十分に考慮しなければならない。本実験では、他巣由来のわかい個体
たら、これまでの解釈の図式どおり、ワーカーは自分の巣で巣仲間が生殖卯を産んでい
'18 日とある程度進んだ段階で低くなっているが
'
"
のうけいれ率が、羽化後の日齢が 8'
るかどうかに応じて識別の基準をきりかえていると考えられる。一方、逆にもしそのよ
図 3- 17) 、これはちょうどワーカー産卵をおこなえる時期と重なっている。この
(
うな巣で羽化直後の個体に対する血縁度の識別がないとしたら、これまでの解釈とは別
ことは、この種でも条件によってはワーカーの相互監視が作用していることを示唆する
の山山を考えなければならない。そのような理由として検討に値するのが、女王の交尾
ものかもしれない。第 2章で検討したようにコロニーサイズがワーカー産卵の有無と関
連しているとしたら 、 このような可能性も十分にありうることと考えなければならない
回数である。
女王が 1回しか交尾していなければ、巣仲間のワーカーは 、女王の交替したときをの
だろう。
) となり、血縁度のばらつきがなくなる。
5
7
)どうし(血縁度 0.
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)とに分かれ、識
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女王が複数回交尾したとき、巣仲間どうしが超姉妹と半姉妹 (
3-6 種間比較
)。この考えかたによれ
8
8
9
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1
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別しあうことが意味をもってくると考えられる (Morcle
.barrocoloradensú' は女王が 1 日交尾であり、~ミイ'l ' 問ど
mどうしの識別のない S
l
'
I
'
ミ{
1
、 4
ば
ω は女王が複数回交尾であるということになる。これは検
うしの識別のある M.panami
,
8
8
以上のようにワーカーの繁殖戦略の異なるハリナシバチ 4砲で巣仲間認識および血縁
認識の比較をおこなった結果、ガード個体の行動は包括適応度の理論にもとづく予測と
9
8
ほぼ一致することがあきらかになった。すなわち 、ワーカ一 間の識別のルールはその種
の繁殖戦略に応じて異なり、それぞれの個体がその包括適応度を高 めるのにふさわしい
やり方で識別をおこなっているという仮定にもとづいて 、実際の識別行動のパターンを
おおむね説明できた。
4つの種で共通におこ なった実験の結果を図 3- 19にまとめた。すなわち、他巣由
来の外役個体を巣の中に導入すると、どの種でもすべてガード個体に攻撃されて殺され
100
巣の材料やえさの略奪 をおこなう可能性があるため、血縁者でない限り、これを排除し
aでは、
l
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u
g
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.a
なければならない。また、ワーカー産卵のない種 T minangkabau と T
羽化直後のワーカーを他巣由来のものであっても血縁者同様に受け入れるのに対し、約
1%の割合でワー カー産卵がみられる M.panamicaでは、羽化直後の非血縁者のワーカ
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ーの約 50%が殺された。ワーカー産卵の有無が巣によって異なる S
場合、実験につ かったワーカー産卵のなかったコロニーの条件下では、羽化直後のワー
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↓
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後者の場合、むしろあたらしいワーカーをできるだけ受け入れた方が、コロニーのメン
バーを増やし労働力を増大させることをつうじて包括適応度を高めることができるだろ
う。羽化直後の非血縁者に対する 4種のハリナシバチのガード個体の反応は、このよう
な予測と一致している。羽化直後の個体を識別した M.panamicaは、巣仲間認識のほか
に、コロニー内で巣仲間の血縁度を識別する能力をもっているものと推測される。しか
. ハリナシバチ 4積の同巣および血縁度の識別の比較。どの種の
図 3-19
a
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o
9
ガード個体も、外役個体は完全に排除した。ワーカー産卵のない升1
l
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/他巣
い個体を、同巣由来
では、羽化後まもな
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minangkabauとT a
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ワーカー産卵率が
ように受け入れた。
来にかかわらず同じ
では、他巣由来の羽化後まもない個体を識別して 5 0 %近くを殺した。観察
sのコロニーはいずれも比較的小さく、 ワーカ
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ー産卵はおこっていなかった。この場合、ガード個体は、羽化後まもない個
l来にかかわらず同じように受け入れた。
l来/他t+1d
l
1r
+
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体を、│百J
がはいっていた育房や産卵前にあたえられたえさのような
i
i
し、本章の実験方法では、1J
羽化前の環境要因の影響を排除できていない。したがって 、得られたのは比較にもとづ
く状況証拠であり、血縁度のちがいにもとづく遺伝的な差異を認識したという証明はな
されていない。
旨
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羽化直後の非血縁者を血縁者同級に受け入れた T minangkabauやS.b
においても、それらの導入個体に対する反応の内容をくわしくみると、触角でさわる、
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1
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になりうる。しかし、ワーカーが卵を産まなければ、そのような識別は必要ではない。
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応じて識別することが、ガード個体にとって自分自身の包括適応度を高めるうえで有利
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ワーカーが生殖卵を産むときには、あたらしく羽化してくるワーカーをその血縁度に
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カーを他巣由来のものであっても血縁者同様に受け入れた。
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た。これは社会性昆虫で広 くみられる巣の防衛行動(巣仲間認識)である。外役個体は
1縁者よりも非血縁者に対して有意に高頻度で観察された。
[
(
の行動は、 1
応釆りになるなと、
第 4章
ハリナシバチの体 表化学成分と血縁 認識
これらの利!では、ガード個体は相手が羽化直後の個体であってもある程度そのちがいを
t釈できる。つまり
t
(
l
IIl縁者を攻撃しないものと f
認識しているが、それにもかかわらず非 1
この場合、
「認識 J はあるがそれが「識別」には結びつかないないのである。
4-1 はじめに
s においては、導入するワーカーをあらかじめ導入先
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J
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a とS.b
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M.p
の巣に似た環境で「条件づけ J しておくと、他巣由来のものでも受け入れられやすくな
り、逆に他の巣に似た環境で「条件づけ」しておくと、同巣のものでも受け入れられに
日
1
'
I
1
くくなった。これは、羽化後の後触で個体の標識が互いにまぜあわされており、栄 {
認識の効率を高めるメカニズムとして機能しているものとして解釈できる。
さらに、他巣由来の個体を導入したときの受け入れ率は、どの種でも外役個体と羽化
直後の個体とでちがっていた。このことは 、巣仲間認識につかわれる標識が羽化後の日
齢によって変化するか、あるいは識別する側の基準が相手の日齢によって異なることを
Jによる接触が重要な役割を
{
ハリナシパチの血縁認識においては、相手の体表への触 f
果たしていることが、第 3章の行動観察から示された。したがって、識別の手がかりと
なるのは何らかの化学成分で、それはハリナシバチの体表に存在しているものと推察 さ
民党が主要な役割を果たしている。
れる。 一般に 、昆虫による環境の認知においては、 l
しかし、フェロモンや花のにおいのような揮発性物質は、血縁認識には適していない。
たくさんの個体が密集する巣のなかで、出会った 1頭 1頭の個体の特徴を認識しなけれ
ばならないからである。
aminangkabau 、
n
o
g
i
r
木章では、まずこれまでの観察にもちいたハリナシバチ 4種 T
示している。
ガード個体による識別の基準がコロニーのおかれた社会環境によってどのように変化
するかは、今後の重要なテーマであるとおもわれる。
aでは、コロニーへの
c
i
m
a
n
a
M.p
批乱をつづけることによって導入個体の受け入れ率が大きく変化した。
.
S
) では、ワーカーが生殖卯を産むような巣で羽化直後の個体に対する識別
'
u
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b
がどうなるか、という課題が残されている。女王の交尾回数がこういった識別のパター
ンとどのように対応しているかも、今後に残された大変重要な研究課題である。
一般に、生態学において近縁種間の種間比較をおこなうことは、血縁選択説のような
特定の選択圧に関する仮説 を検証するための良い方法であり、そのような実例は数多く
知られている。本研究では、巣仲間認識および血縁認識の問題にこの方法をあてはめ、
apanaml~旬、
n
o
p
i
J
e
a、 M
J
u
l
s
u
gona却 g
'
Tn
Scaplolrigona
s のワックスを中心
i
s
n
e
d
a
r
o
J
o
c
o
r
r
a
b
とした体表化学成分を分析し、種間差があるかどうかをしらべた。次に、 M.panamica と
s をもちいて、同種内のコロニー聞に体表化学成分のちがいがあるかど
i
s
n
e
d
a
r
o
ωd
o
r
r
a
.b
S
うかを調査した。さらに、この 2種において、第 3章で述べたような「条件づけ J が体
表成分をどのように変化させているかについての分析もおこなった。
第 3章であつかったのが認識する側の行動であったのに対し、本章であっかうのは、
そのための標識としてもちいられると考えられる認識される側の表現型の差異である。
この両方の側面がどのように対応しあっているかについても、結果にもとづいて考察を
加える。
ほぼ予測どおりの結果を得た。しかし 、種間比較の方法そのものに関する問題点ものこ
されている。種間比較は系統関係 をふまえた上でのものでなければならないという指摘
4-2 材料と方法および体表化学成分の同定
) 。ハリナシバチの血縁認識に関する研究
5
9
9
が近年あらためてなされている(粕谷, 1
疫を 進め、系統関係に関する情報に十分な考 慮を
1
においても、将来より多くの種での比 1
加えることで、このような問題提起にこたえていかなくてはならない。
a においては、分析に用いるサンフルを採集するコロニーとして、 第 3章の
c
i
m
a
n
a
M.p
実験でっかわれたコロニーをもちいた。すなわち、 3つのコロニー M 、A 、D を用 意し、
'をつくった。 M と D は女王が母娘の関係にある。
'、D
'、A
それぞれのサブコロニー M
92
3
9
サブコロニ ー は元の コロ ニーから 腕・ワーカー(成虫 ) ・貯食壷を移し、そのなかです
ごすワーカ ーが「条 件づけJ され るよ うにした。
け J されたワーカーのグ ルー
、
づ
条例二
r
スクロマトグ ラフ ィ - 1:t lll 分析 (GC-MS) により 、 炭 化 水:J~の内作は 、 M. p丘四mJω およ
Jじ民来数で 二 前
i
r
)も しくは [
nc
a
k
l
a
n
友化水 素 (
i
l
nの飽,f:l
i
i の場合 、厄
u
s
n
c
d
a
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J
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c
o
r
r
a
.
びS. b
'で「条件づ
プとして、 X 、Y を分析した。 X はサブコロニー A'で羽化し、そのまま A
) 。そのうちいくつか は 、
11-1
結合を 1例か 2例もつものが大部分 を占めていた(似1
けJ され、その後 M に導入されて 5日間以上生きのこった個体のグループ、 Y は A'で
= Hl 間で同じ物質を共有していることがわか っ た。リテ ンション ・タイ ムの ~lìïE!!日介に
羽化し、 M'で「条件づけ J され、その後 M に導入されて 5日間以上生きのこっ たグル
じ炭化水 ぷを
J
l
i
a においても I
J
u
l
s
u
g
n
.a
u、 T
a
b
a
k
g
刀'
ina
.m
fT
l
E
より、分析にもちい た他の 2-
ー プである。分析にも ちいた標本は、パナ マでの一連の実験が 終了したのち冷凍し て白
1部共有していること が推測された。しか しキャピラリー GCのプ ロフィ ールは柏 ごと
木にもちこまれた。
に特徴的であり、保 有する炭化水素の積 知や母の組み合わせ が郡によ って
の白木での実験にも ちいたコロニー M 、A をそのままも
;
f
:
s は第 31
i
s
n
c
d
a
r
o
J
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c
o
r
r
a
.b
S
ちいた。また、
「条件づけ J の効果をみるため 、マークキングをほ どこして導入し観察
後回収した個体のうちから、
3つのカテゴリーを分析の対象としてえらんだ。すなわち、
wな っていた
図 4- 2) 。
(
)のスタンダード (nC24、nC28、
c
n
a
k
l
a
n
多数の標本を統計的 に処理するため、ア ルカン (
nC30、nC32、 nC34、 nC36ならびに内標の nC22)のリテ ンシ ョン・タイムと各サ ンプ
泊:サブコロニ一回 で羽化し、組で「条 件づけ j され、 M に導入されたグルー プ、問
a
ルの内容物のリテン ション・タイムを比 較して、各物資のア ルカンの炭 素量当量
凶を単にグルー
機に、 a-mmならびに m-mmである(第 3章参照)。以下の分 析では a
:以下、 ECLとよぶ)を求めた。たとえば、ある日の標昨のリテ
h
t
g
n
c
nl
i
a
h
tc
n
e
l
a
v
i
u
q
E
(
フ B 、a-mmをグルーフ C 、m-mmをグループ D とよぶ。
2分 であるとき、個体の サンプル
9
5
4.
、 nC26で 1
8分
5
5
.
3
ンション・タイムが nC24で 1
aは、第 3章の日本での実験に もちいたコロニーも しくは
J
u
l
s
u
g
n
.a
u、 T
a
b
a
k
g
n
a
n
i
.m
T
同時期におなじ場所 でおなじ条件で飼育 されていたコロニー の個体をもちいた。
量 (ECL) を
分析に用いたワーカ ーは、コロニーから 1個体ずつ採集して生 きたままプラスチッ ク
容器に入れ、すぐに 冷凍して保存した。 分析直前に冷凍庫か ら取り出した標本を しばら
く常温に置き、解凍後、
1個体ずつ約 1mlのヘキサンに 5分間浸した。この抽 出液 1サ
容液を 30μ]ずつ入れた。すなわち、
ンフルごとに、内標として nC22の 0.1μg/μ1i
8分であったとすると 、その物質の炭 素当
5
0
.
4
のあるピークのリテ ンション・タイムが 1
l
7
6
9
.
4
)=2
4
6- 2
2
)X (
8
5
5
.
3
2- 1
9
5
.
4
1
)/ (
8
5
5
3.
8- 1
5
0
.
4
1
ECL=24+(
と舵定した。このよ うにして求めた ECLの値をもちいて、サ ンプル中のすべての ピーク
を以下のように整理 した。すなわち、区 画ごとに ECLの下限値と上限値を 定め、その 区
間内にあらわれたピ ークの面積の合計 をその区画の総量と して扱った。各 区画の下限値
サンプルの抽出液に 対し 3μgの nC22を入れた。 このサンプルをキャ ピラリー・ガスク
) 。含有する炭化水 素
と上限値は実際のデ ータの最小値、最大 値から求めた(表 4-1
ロマトグラフィー (GC) で分析した。サッカ ーであらかじめヘキ サンを吸引して濃縮 し
ω を基準にして炭化水 素の ECLの範囲を定め、それ 以外の
l
i
m
a
n.
a
の梢造のわかった M.p
ておき 1個体のサンフルの 1% (200μl中2μ1) を注入した。温度設 定は 80t に 1分間
領域は、 4積ハリナシバチのデ ータを広くみわたし て特徴的なピークが ひろいだせるよ
5分間 300C に保った。
保ったのち、毎分 16tの割合で 300C まで昇温させ、その 後 1
うに分割し、
'
'
"
"
4
2
C
リテンション・タイ ムのずれを補正する (後述)ために 、分析を行った日ご とに n
タイムのばらつきは わずかで、また化学 椛造が特定されてい るアルカンの下限値 と上限
nC36のスタンタード・デ ータをとった。記録 計には各ピークのリ テンション・タイム と
足分類はおこらなかった。また、各探木には内
i
値の l隔は狭くと ったので(表 4- 1) 、!
面積、サンプルに占める組成比が自動的に出力される。
標として nC22が 3μgふくまれているので 、このピークの面積 で各区画の総而秘を 割
0
0
シリカゲルカラムク ロマトグラフィーお よび薄層クロマトグ ラフィーにより 、分析に
'95%以上)が炭化水素で あることがわかった 。ガ
'
"
0"
7
もちいたヘキサン抽 出液の大半 (
94
) 。日ごとのスタンダードのリテンション・
A Uと名づけた(図 4-1
",-,
って物質の絶対量 (μg) を求めた。
i で多くみられ、シリ カゲルカ ラムクロ マ ト
<
i
s
n
c
d
a
r
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J
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.b
ECLで 20以下の物質は S
5
9
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ん山 門
U
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,
,
U
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一
J
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川
川
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3
rhu
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町
よ﹁
し﹁小一
川MUH
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EtMM山川川MM
⋮
川
い
此
戸叶叶川川
F
川
山
川
肌
山
山 HHHHHH札
一
山
11A1川
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5 ーーにいに
_J.JU1L~_L~
4
2
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U
、
U
U
U
前向
唱 内U
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U
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咽向
白
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u
l
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叫 門U
u
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I
I
、
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a
門
U
一 一
しー」ー
NTIONTlME
1E
RE
RETENTIONTlME
ωのワーカー]個体のガスクロ マトグラフィー (GC)
ml
n
図 4- 1. 上段 Meliponapan.
¥力炉!とその成分の炭化水索。八 "'Uは、統計処理のために定めた未 同定物質の分間。
1
の1
lのG Cデータ。
Z
6棋 J
3
C
n
'
'
"
'
4
2
C
下段:n
a、
c
i
1
7
u
m
a
. ハリナシバチ 4種のワーカーの代表的な G Cの例。 1 Meliponap
図 4- 2
、
u
a
b
a
k
g
n
a
n
i
m
a
n
o
g
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4
a、
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gonaa
"
s、 3 Tn
i
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c
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l
o
c
o
r
r
a
2 Scaptouigonab
6標品の G Cデータ。
3
C
n
4
2
C
5 :n
96
97
グラフィ ーな らびに湾局クロマトグ ラフィ ーを用 いた分析か ら、 これらは炭化水素でな
表 4- 1. ハリナ シパチのヘキサン抽出液にふくまれる成分を統計処理するために定めた
eの炭素数 舵 定 値 (詳細!は本文)。
n
a
k
l
a
各分回の n
pu
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・
Component
n
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.
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0
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1
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G
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7
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5
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.
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.
8
1
750
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1
0
0
0
.
9
1
9
49
20.
J
0
0
9
.
0
2
500
20.
9
9
2
.
1
2
K
.970
21
300
1.
2
9
3
6
.
2
2
と推測される。また、分間 Jおよび O 、S も炭化水 素以外 の物質が多 く、とりわけ M
lのかな り大 きいもの (30%)がしばしばみら
i
l
ω では、似体によ って O 、Sの合イ r
ml
a
.
n
a
p
aのフロポリス(樹脂とワック スが混合 された巣の材料) の分析結*か
c
i
m
a
n
a
れた。 M.p
Iされた。
ら、この O、S は他物山来の樹脂と雌狽J
4-3 結果
4-3-1
体表化学成分の種間比較
C23:1
23
0
6
7
.
2
2
640
22.
9
7
8
.
2
2
C23
23
0
4
0
.
3
2
880
22.
9
9
1
.
3
2
5
1
9
.
3
2
0
0
2
.
3
2
9
2
6
.
4
2
しかし、同じ砲でも個体によ って組成比や保有する各成分の絶対量に大きなばらつ きが
1個体すべてのデータを多変量解析にかけて、統計的に有
7
みられた。そこで 4積合計 1
L
C25:1
25
0
5
7
.
4
2
0
3
6
.
4
2
9
6
8
.
4
2
C25
25
5
3
0
.
5
2
0
7
8
.
4
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9
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1
.
5
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9
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0
0
2
.
5
2
9
2
6
.
6
2
M
キャピラリー GCのフロフィールは、積ごとに具なっていた(図 4-2、図 4- 3) 。
意な積問変異が検出できるかどうかを 主成分分析でしらべた。
C27:1
27
5
5
7
.
6
2
0
3
6
.
6
2
879
26.
C27
27
040
27.
0
8
8
.
6
2
9
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1
27.
0
5
8
.
7
2
0
0
2
.
7
2
499
28.
としておこなった主 成分分析の結果、以下の点があきらかにな った。すなわち、まず、
種間で重なる部分はあるものの、 全体には積ごとの特徴を反映して、それぞれが一定の
N
C29:1
29
8
5
6
.
8
2
0
0
5
.
8
2
5
1
8
.
8
2
C29
29
8
5
0
.
9
2
816
28.
9
2
2
.
9
2
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0
8
.
9
2
300
29.
299
30.
EA
噌
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30.
0
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0
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30.
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.
0
3
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30.
EA
噌
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31
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31
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‘、
4
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内d
‘
巧
‘
司
、
司
、
C33:2
司
C31:2
34343
Mo 一
品 N一
12345678901234567890123456789012345
n.11111111112222222222333333
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いことがわか った。これはこの積 に特徴 的 な 刺 激 央 (響判 フェロモ ン)に関与するもの
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es
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98
) すべての絶対量を変数
U
'
'
"
'
分画した 35の区画(構造決定された炭化水 素並び‘に A
範囲にまとまるような分布を 示 した(図 4- 4) 。ただし、第 l主成分 (PRIN1)で全分
2% しか説明されておらず、これは体表成分の変異が大きい
散の 20% 、第 2主成分で 1
ことを 示 している。くわしくみると、内容物の J、C27、N 、O 、Q 、C33:2、C33、S
)、C 、B 、F 、H の多
a
c
i
m
a
n
a
.p
M
の多い標本で第 l主成分 (PRIN1)の値が大きくなり (
旨)。また、 I、K、L、C25、
I
刀S
c
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o
J
o
c
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r
r
a
.b
5
い標本で第 1主成分の仙が小さくな った (
)。
a
J
u
l
s
u
g
n
PRIN2)の値が大きくなった(士 a
M の多いもので第 2主成分 (
。
とな った (図 4- 5)
同じデータを変数とした正準判別分析の結果、種間差がより明日芳、
全分散のうち、
l判別変数 (CAN1)で 77%、第 2判別変数 (CAN2)で 19% 、つま り
m
これら 2変数で全分散の 96%が説明できた。内容物の I、J、C25、C27、C31:1 など
)、B 、C23、L、
a
c
i
m
a
n
a
.p
M
別変数 (CAN1)の値が大きくなり (
I
J
の多いもので、第 1平
9
9
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印
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一一一
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'
令
.'.. ﹃.,.'.
NZHNH仏
PRINl
. ハリナシパチ 4種の体表ワックス成 分の種間変異の 主成分分析。
図 4-4
主成分 2(PRIN2)を主成分 1(PRINl)に対してプロットした。
!4
13
12
11
10
-1
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-)
s
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-6
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C33の多いもので第 2判別変数 (CAN2)の仙が大きくな り (
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積内でよくまとまり 変異の l
C
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3
4-3-2 体表化学成分のコロ ニ一間差
巣仲間の認識に体表 成分がもちいられて いるとすれば、 同種のコロニ一間に なんらか
のかたちで体表成分 の差が存在するはず である。そこで、同 邸内における個体問 のばら
.
臼と 5
つきがコロニー問の ちがいとして説明で きるかどうかを調べ るため、 M.pane1lηi
ここでは M.panamJ~α
i で正準判別分析をおこなった。
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:
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i の結果は次郎にまとめて示す。
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5の全区画の絶対量を 用いた分析の結果を 図 4- 6に示した。 M と D は母親が母娘
3
)、
'
D
) 、E (
'
M
の関係にあり、 A は M 、D にとって血縁関係のないコロニーである。 N (
9%、
CAN1)で 5
) は、それぞれ M 、D 、A のサプコロニーであ る。第 1判別変数 (
'
A
B(
第 2判別変数 (CAN2)で 31%が説明できる。図に みられるようにコロ ニ一間差がはっき
りとあらわれており、 全体に M 、D のグルーフと A のグルーフに大きく分かれている。
2の多
:
1
3
1, C25 C
:
5
2
C
1の多い個体で第 1判別変数が大きくな り 、 C23 C27 C
:
1
3
図 4- 7) 。 これは、 コロニー M
い個体で第 1平Ij別変数が小さくなる (
D のワーカー
は 2重結合を 1個持った炭化水素を相対的に多く持っており、 コロニー A のワ ーカーは
これらが少なく、逆 に直鎖と 2重結合を 2個もつ炭化水素をよ 勺多く持っているこ とを
意味する。 N 、E (M、D のサブコロニー) を特徴づけるのは区 画 R 、Sが少ないこと
、 とりわけ Sは他物の樹脂に閃係 があると批測された ことから(前述)、 これはコロ
で
ニー全体の活動のあ り方にも影響を受け ていると考えられる 。
種類、) のみをもちい、同じ く正準判別分析をお こな っ
次に、同定された炭 化水素(14
た(図 4- 8) 。第 l判別変数で 73%、第 2判別変数で 19%が説明できる。 全体の
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図 4- 7
第 1正準判別変数(下) への各成分の寄与率 を示す標準化判別係 数
)。各成分はそのコード (1"'35) で示
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示す。
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0
1
5
0
1
傾向は上の全区間の場合とよく似ている。 M
D に C25:1
C25
C31:
1が多く 、A に
はC23、 C27、C31:
2が多いことがあらためて椛認された。
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第 31
;1で示したように 、羽化直後のワーカーをサブコロニーに導入し人為的に操 作 さ
れた環境であらかじめ「条件づけJ しておくと、正常に活動しているコロニーに導入さ
れたとき、ガード個体がひきおこす反応に差が生じた。 このような「条件づけJ の効果
が体表化 学成分の差として存在するかどうかをしらべるために、 M.pa
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切においておの全区画の絶対量を用いた分析の結果を図
,
4-9に示す。 M
D _A 、N 、E 、B はさきほどと同じコロニーおよびサフコロニーをあらわす。 グルー
プ X 、 Y は、A および 1
3(=
A'
)と M
i!J;tcの関係にあり、 それぞれ B、N(=M'
)で「条 件
づけ」 された 後 、M に導入 されて 5日以上生きのこった個体 である 。第 1判別変数
(
CAN1)で 63%、2
H2判別変数 (CAN2)で 16%が説明できる。 X 、Y が入ることによ っ
て
、 M_ D _A
N 、E 、B の位置は図
4-6と比べて多少変化するが 、全体の配置は
大きくは変わらない。グループ X 、Y は M と A のあいだに位置し て いる。 しかし 、受
け入れ られるからといっ て M や N と重なってしまうわけでなく 、 む しろこれらは A に
近い位置にあるといえる 。 このことは、 「
条件づけJ によって体表成分が完全に変化す
るわけではなく 、遺伝 的要因もしくは羽 化前の環境要因が霊安である ことを示している。
それぞれの コロ ニーとグルー フに属するサンフルの組成の平均値を図 4- 10に示した。
M 、D の例体 を特徴づけるのは C25
:
1 、 C25および C31:
1であり 、A の個体 を特徴づけ
るのは C27であること 、A 由来の若い個体のグルーフ X と Y はこれらの特徴 的なピー
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てし らべた。梢 造決定さ れた 1
4種類の炭 化水 素のみ を変数と してもちいた結果を図 4
-12に示す 。 コロ ニー
M 、 A は第 3~ で 用 い た ものと同じものであり 、
グルー フ B、
-mm、mC 、D はそれぞれ「条 件づけ j のカテゴリー 仕組 、 a
mmをあらわす。第 1~1: 1j
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凋外司
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ーのワーカーの体表ワックス各成分の平均値
)で示されて
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'
1"
)。各成分はそのコード (
1
μ
(
いる(対応は表 4-1を参照)。コロニー A
の外役個体は No.19(nC27)が多く、コロニ
1,
:
5
2
C
5(
2
6,
5,1
ーMや D の外役個体は No.1
C31:1) が多い。コロニ ~A 由来で M に
nC25,
受け入れられたワーカー (X, y) は両者の
中間的なパターンを示す。
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図 4- 12. Sc
素成分のみを変 数として正準判 別
れた炭化水
にともなう変化 を、構造決定さ
分析で解析した結果。詳細は本文参照。
2• ~
ι.0
7% が説明jできる。おのお ののコロニ
8%、第 2半Ij別変数 (CAN2)で 1
I変数 (CAN1)で 6
J
万
観察が示すところとよく 一致する。
一 、グループの個体がそれぞれは っきりとしたまとまりをもって分かれたことから、コ
では羽化
i
ごf
、 前
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、
づ
sの「条何ニ
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前の要因が相対 的に大きかった のに対し(図 4- 9) 、後者では羽化後 の ~閃 の ノj が大
けることがわかる。 C33:1、C33の多いもので第 l判別変数の値が大きくなり (M、A)、
きかった(図 4- 12) 。これは、他巣由来の羽化直後の例休を排除する行動が、前者
1の多いもので第 1判別変数の値が 小さくなった (B、C 、D)。ま
1、C29、C31:
C29:
ではみられ後者 ではみられなか ったこと(第 3章)とよく対応している。
た、 C25:1 、 C25 、 C29 、 C33 の多いものでZí~ 2判別変数の値が大きくなり (M、C)、
C23、C31 の多いもので第 2判別変数の値が 小さくなった (M、C)。第 1判別変数で
大きく分航されるのが、
aではコロニー問 の血縁度に対応 する個体間差で あ
c
・
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m
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M.p
s では羽化後の日齢に対応する個体間差であった。
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ったが、S.b
. barrocoJoradensかにおいて第 2 判別変数で分離された外役伺体のコロニ ~njJ 差 を、ガ
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J変
I
]
ード個体は識別 できる(第 3章)。この種ではコロニー内の日齢による 差が第 1判}
数で分離されていることを考えあわせると、ガード個体は相手の日齢を認識しており、
それに応じて識別の基準を変えているのかもしれない。この日齢のちがいは、外見上も
ハリナシバチの 個体の体表ワッ クスの成分組成 が、その由来し たコロニーや「 条件づ
肉fI艮で容易に区別ほどはっきりしている。羽化直後の個体は、からだの治色がうすくて
け」に対応してこのよ うにそれぞれひ とまとまりのも のとして分離で きたことは、各 カ
やわらかく動きもにぶい。女王ほどではないとはいえ、腹部もふくらんでいる。日齢が
テゴリーの個体 が導入されたと きのガード個体 の識別行動がそ れぞれに対して 微妙に具
進むにつれて身体は黒く硬くなり、外役個体になると腹部がかなり小さく縮んだ形にな
な っていたこと(第 3章)とよく対応している。
ってしまう。いうまでもなく、個体は血縁関係や巣仲間だけを「認識J して生きている
わけではない。その社会生活には、文脈に応じてさまざまな樋類の「認、 ~ì~J が関与して
いるはずである。このような個体の発達過程や社会生活全体にかかわる各積の「認識 j
4-4 考察
M
w
システムの中にどのように血縁認識や巣仲間認識を位置づけるかは、今後の大 きなa
問あるいは種内 にお
以上の化学成分 の分析から、ハ リナシパチの各 個体は 、尖際に租i
けるコロニ一間 のちがいを識別 するのに十分な だけの化学成分 組成の多段性を 体表に保
n仰問では、コロ ニ一間で比較し たとき、コ
a
持していることがあきらかになった。 M.p
1
[
(
ロニーの女王が 母と娘の関係に あれば外役個体 の休表成分も互 いによく似てお り、非 1
縁 f円であれば互いに大きく災なっていた(図 1- 6) 。これは、通常 他巣由来の外役 個
体が侵入すれば 巣の防衛のため 排除すること( 第 3章)、しかし分 封時には娘女王 のコ
ロニーが誕生し たあとも母親の コロニーとのあ いだにワーカー の往来がつづく こと
)と関連があるのではないかとおもわれる。
b
4
り8
J1
.
,
ta
Inoucc
(
また、サブコロニーでの「条件づけ J によって体表化 学成分の組成は 羽化後に 変化す
ることがわか った。しかし、
「条件づけ」の操作のみで非血縁側体を血縁側体とまった
) 。すなわち、遺 伝的
Iじものに変えることはできなかった(図 4-9、図 4-12
J
I
くI
~Ik]や羽化市]の環境要因も rrI ~ であることがわかった。これらの結果も 、 第 3 章の行動
112
r,1991b)。しかしここでは、体表成分と識別行動の関係にしぼ って、も う
e
p
p
である(He
すこし考察をふかめてみることにしよう。
上述のような化学組成の大きな変 ~I~ を、実際の識別行動に結び、 つけるどのよ う なメカ
ニズムが考えられるだろうか。すなわち、識別しようとしているワーカ ーがこのよ うな
化学組成の個体変異を利用できるとした場合に、相手を受け入れるかど うかを 一体どの
ような基準で決めるのがよいのだろうか。たとえば図 4-9において、コロニー M の例
休は、コロニー A の個体を必ず排除したが、グループ X やグループ Y の個体は受け入
れた。ここで、化学成分組成を共有する度合いにもとづく識別のための閥値が存在する
) 。受け入れるべき巣仲間のあいだ、にも、その組成には伊!
と考えてみよう(図 4-13
体によってばらつきがある。他のコロニーの個体とのあいだに化学成分組成の重なりが
まったくなければ、受け入れの閥値の I隔を広くして巣仲間を完全に受け入れ、他のコロ
ニーの個体を完全に排除することが可能である(図 4- 13下段)。しかし、コロニー
3
1
1
間でその組成が似ている場合には、他のコロニーの例休を完全に排除しようとすれば│謝
Oiscriminant
threshold
I(narrow)
I
│(
w
i
d
e
)
Percentages o
f
acceptance
Nestmates Nonィ1
e
st
mates
00
/
0
50%
500
/
0
100%
1
1
値の l隔を狭くせざるを得ず、その結果、 ~{III 間の - ifl~ も誤って排除してしまうことにな
る(図 4-13上段の I
)。逆に JÆHI'lm をすべて受け入れようとすれば、|羽仙の I~{~ は jよ
がりすぎ、1+i{
r
l
'
f
l日でないものの 一部も受け入れてしまうことになる(関1¥- 13 :
1段の
I)。このどちらをえらぶべきかは、その時の条件、すなわち識別する側の例体にとっ
ての繁殖上の得失に依存して決まるであろう。
ハリナシバチの分封時のように、娘女王のコロニーが誕生したあと同お1
のコロニーと
の問にワーカーの往来がつづくような場合を考えてみよう。分封直後は、双方のコロニ
ーのワーカーが互いに姉妹であり、識別信号である化学成分組成がよく似ているので、
母親のコロニーは娘のコロニーからの個体を受け入れるだろう(図 4- 13、上段の I。
)
しかしその後、新巣であたらしいワーカーが生まれると、これはもとの巣のワーカーか
Di
scriminant Variable
らみて姪という関係になる。このように、│時間が経過するとコロニ一間の血縁皮が低く
なるうえ、環境条件のちがいにもとづく要因も加わるので、識別信号の化学組成がI
l
:
jと
ともにへだ、たっていき、最後には新巣からの個体を受け入れなくなる(図1}- 13下段)
Oiscriminant
threshold
Percen
tages of
acceptance
Nestmates Nonnestmates
00
/
0
100%
と考えられる。
逆に、サブコロニーでの「条件づけ J によって他巣山来のワーカーが受け入れられや
すくなるといった現象は、このような「条件づけ j の操作によって識別信月-の化学組成
を受け入れ先のコロニーに近づけている(図 4-13下段から上段へ)と考えることが
Range of acceptance
できる 。 このとき 、 「条件づけ J された他巣由来のワーカーを受け入れるべきか何か(凶
4-13上段の Iまたは Hのどちらをえらぶべきか)は、おそらく先に述べたワーカー
によるオスの産山などともかかわって、その砲の習性やコロニーの[白かれた状削などに
よって決まるであろう。
ここでの議論は、モデルを簡単にするために識別信号を l次元の変数としてあらわし
たが、体表ワックス成分の組み合わせのような多変長を考えるためには、モデルを多次
Discriminant Variable
図 4- 13
. 判別基準の幅と受け入れ率の関係を示すシェマ。横網h
は仮想的な判別変数
(ここでは 1次元としたが、実際は多次元であってもか まわな い)。縦割h
は認識され る
は本文参照
。
各クラス(たとえばコロニー)ごとの個体の頻度分布に占める割合。詳細l
11
4
元に拡張すればよく 、本質的な差は存在しない。この問題については、次の
別の角度から考察する。
1
1
5
m5J';Lでも
第 5章
社会性昆虫に おける血縁認 識の集団遺伝 学的モデル
l縁認識 j を実証するものとはいえず、単にさまざまな利類、の「識別J行動のデー タが
l
f
I
みかけ上あたか も血縁認識の結 果であるかのよ うに解釈されて いるにすぎない のではな
いかと論じた。普通、個体の !l討が認識できるのは表現型レベルの民兵である。その:if~ W
5-1 はじめに
刊に遺伝子型の差災を反映している。
は部分 l
般に泣伝子~の差)'~には、似体・ I[rl 総j支・
地域個体群・車 種・種・属など さまざまなレベ ルに対応するも のがあるだろう 。たとえ
u縁認識はみかけよりもはるかに複維な現象である。 そこでは、認識 する側とされる
f
I
側、遺伝子型と表現型、
l縁者社会の状態、などいった、
U
'間と l
l
r
{
m
互いに対立した り重な
第 3草)。血縁認識 の進化を考える
りあったりする 現象がいくつも からみあってい る (
とき、それに影 響をあたえそう な間接的な外部 要因を無視して テーマそれ自身 だけを手
にとって考えよ うとしても、翼 や角の長さや特 定の捕食行動な どの単一の形質 の進化の
Iの単純な相互作 用系
場合のような具 合にはいかない 。それは、何か をする側とされ る侃J
の進化ではない。 ここでは、認識 する側が同 1寺に認識される 側でもあり、識 別するとき
の基準(どうい う相手に対して どうふるまうか ) とそのための標 識(たとえば体 表の化
学成分) という 2つの異なる表現 型がそれぞれの 個体に発現しつ つ、個体をこえ た相互
作川をつうじて 、社会システム として統合され ながら共進化し ているのである 。
l縁認識の進化、 特にその遺伝的 な基盤について の実証的な研究 がはじまったの は、
l
f
l
)。 したがって、将来そ
4
9
9
;Brown& Eklund,1
1
9
9
l]
.
,
ta
比較的最近のこ とである (Boysee
の全体像をわれ われが手にとっ てながめること ができるように するため、現時 点ででき
るだけそれに関 連する概念を整 理し 、今後の研究の 方向づけに役立 つような思考実 験を
おこなっておく ことは、有益な ことであるばか りでなく必要な ことでもであろ う。
)の問題促起に
0
9
]9
n(
c
f
a
r
l縁認識の従来の 実験の解釈の枠 組みに関する G
l
f
本市では、 I
もとづいて血縁 認識を可能にす る遺伝的な基盤 についての概念 を整理したのち 、簡単な
~ミト11 遺伝学的モデルをもちいて、 血縁認識の手が かりとなる体表 化学成分のよう な襟識
観察中の個体が 対象の遺伝的な 差異にもとづく 表現型の差異を 認識して識別行 動をとっ
たとしても、そ の差異が血縁度 のちがいに応じ た遺伝子型の差 異に対応したも のでなけ
れば(たとえば種や亜種などのレベルの差異にもとづくなら)、
「点の血縁認識 J とは
いえない。種の 認識やグルーフ の認識の能力が あれば、血縁認 識の能力がなく ても、は
じめて出会った別の個体を遺伝的な差異にもとづいて認識することが可能である。
、 コルドバンという淡色の系統
)で
a
r
c
f
i
1
1
たとえば、 1980年代には、 ミツバチ (Apismc
と暗色のダークという系統をもちいた人工受精をおこない、
lつの巣の中に父親の異な
る 2つの系統をつく ってそのあいだ の識別行動を観 察するという実 験がいくつもお こな
われ、その結果 が血縁認識の証 拠として論じら れた (Ge包
z&
t
c
;G
2
8
9
.,1
J
la
c
;
3
8
Smith,]9
987など)。 しかし、 こうした体色そのもの、あるいは体色のちが
]
r,
e
d
i
e
n
h
c
Frumhoff& S
いをもたらす遺 伝子と連鎖した ほかの遺伝子群 から発現した表 現型の差異をミ ツバチが
認識しているとしたら、それは血縁認識ではなく、 もっと大きなレベルの元 51~ の認識で
あろう。たとえそれが実験条件下で血縁認識と同じ効果をもっとしても、 これだけでは
自然条件下で血縁認識がおこっているという証拠にはならない。
nによれば、真の 血縁認識のシス テムが進化する かどうかは次の
e
f
a
r
G
に依存している。すなわち、
、
合
日
(1)表現型の n
(2)その判断、
3つの遺伝子政
(3)その判断の
) 。 これらは表現 Jr~ レベルで、
結果の使用にそれぞ、れかかわる遺伝子座である(図 5- 1
(1)認識にもちいられる(休表化学成分のような)標識、
が大きな磁内変異をもつべきことを示す。
の基準、
(2)識別をおこなうとき
(3)その結果としてとる協力や排除の行動に、それぞれ対応づけることがで
きるだろう。本 研究では、第 2章から第 4章までで、ハリナシバチのこの 3つの側面を
5-2 血縁認識の遺伝 的基盤
すべてとりあげた。判断と行動を支配する遺伝子座は、標識を支配する巡伝子座と強く
連鎖せず、 また標識を支配する遺伝子座が多型になることが真.の血縁認識にとって本質
り)は、 これまで l
]9り
n(
c
J
a
r
G
l縁認識の証拠と してだされたデ ータのほとんど は「真の
l
{
6
1
1
nは論じている。
e
f
a
r
的な条件だと G
7
1
1
仮に原識の逃伝 子とその判断や 行動の泣伝子が 強く辿鎖してい るとした jお介、これは、
n
c
c
r
g
)が最初にその名を提案し、それにもとつ、いてしばしば紋髭辿イム(-(
6
7
9
1
Dawkins(
)。総髭辿伝
7
8
9
r,1
c
i
z
o
r
C
)と呼ばれている モデルであらわ されるものにな る (
cs
]
]c
]
da
e
r
a
b
子は、緑色の髭のような特徴的な表現引と、その表別問をよ包;躍するÎì~)J 、そして1' 1 分が
もっているのと 同じ表現型(緑 の髭)をもった 他例休に利他行 動をおこなうと いう性質
、
を
)。
4
6
9
n,1
o
t
l
i
m
a
H
3っとも同時にコ ードしていると いう仮想的な遺 伝子である (
Dawkinsが言うように、 このような遺伝 子が集団中で長 期間維持される ことは、通常は
不可能である。 なぜならば、緑 の髭という表現 型をもちながら 利他行動をおこ なわない
AA
という遺伝子が 突然変異で出現 した場合、その 集団はこの遺伝 子をもつものに たちまち
一
一
一
一
、
園
"
一
一
一
一
、国圃."
釆つ取られてし まうと予想され るからである。 集団選択が強く 作川するという 特殊な条
b
o
n
d
・ 咽EA
泊
'
m
ko
a
j
n uSlng
o
i
t
c
e
t
e
d
i
c
o
l
i
c
o
l
polymorphism
立伝了・は、
件のもとでしか 、緑髭逃伝子の ようなものは進 化することがで きない。緑髭i
血縁認識にふさわしいモデルではない。
血縁選択は、血 縁者のみが自分 と同じ遺伝子を 集団の平均値よ りも高い確率で 共有し
)。こうした血縁者-を正確に認識する
a
1
9
9
n,1
c
f
a
r
G
ているという事 実にもとづいて いる (
ためには、認識 の能力やその結 果としてと る行動と遺伝的に弧く述鎖しておらず、しか
つ
aa
一
一
一
一
、
町
園
,
〆
、
一
一
一
一
つ
も集団中において希少な形質を、標識としてもちいなければならない。それはたとえば、
n
第 4章の体表化学成 分のような、多 くの石 類の物質からなる成分の複合体かも知れない。
、
)は
0
9
9
1
n(
c
f
a
r
G
n
n
i
u
g& O
r
c
b
s
o
r
「真の血縁認識 J を示す 1住ーの研究例として、 G
IBolryJJusschJo‘<)scn・の研究をあげてい
T
I
)による回 着性の群体を形 成するホヤ 類の 1f
6
8
9
1
(
る。この磁のプランクトン|笠の幼休が回折するとき、兄弟州 j 妹どうしは集合する似 I(I} カ~.
体ど
,T;J析した炉l
あるのに対し、非血縁者どうしは集合せずランダムに分布するという。 I
. 血縁認識にかか わる 3種類の遺伝子座の関係。
図 5-1
うしが融合する と、血管を共有 するようになる 。融合するかど うかは、組織迎 合性
i!t-*であっても似然同じ対
l
l
j
)を支配する遺伝 子座で決まり、 たとえ兄弟 l
y
t
ii
bl
i
at
mp
o
c
o
t
s
hi
(
立遺伝子を共有 していなかった 個体どうしは集 合せず、非血縁 者であっても同 じ対立逃
伝子を共有していれば集合する。例体どうしが集合して大きな群体を形成することは、
さまざまな理由 で繁殖に有利で ある。しかし、 もし非血縁者と 融合することが 頻繁にお
こると、自分自 身の繁殖のため に非血縁者の投 資を利用すると いう「裏切り Jが進化し
やすくなる。しかし実際、には、組織迎合性を支配する遺伝子が多型になっているため、
8
1
1
9
1
1
であり、そのような「裏切り J を
縁者・
1
I
l伝子を共イIする似体は、ほとんどの場合 J1
l
対立 i
しかし、社会性昆虫には、巣仲間認識以外に
m内での(狭義の) Jfll緑認識が存在する
血縁者が同じ対立遺伝子をもっていることは、
:
:
I
ふせぐことが事実上可能になっている。 J
)の立場にたつとしても、この向者を分自任するという
7
9
9
1
.(
J
ta
可能性がある。 Shcnncne
このホヤの場合、めったにないのである。
課題は依然としてのこされている。巣仲間のうちに存在する血縁皮の差異を環境由来の
J他行動をより椛尖に血縁者にむけておこなう
1で述べたように、血縁認識は、不 I
;
第]]
成分のみを際識として認識するというしくみは考えにくい。したがって、以識が巡伝的
ためのしくみとして機能しうると同時に、近親交配を回避するためのしくみとしても機
なものである場合について考える意味は失われていない。また、その場合に、標識を支
能しうる。近税交配がおこると、集団中において希少な劣性の致死遺伝子がホモになり
配する遺伝子座と認識を支配する遺伝子座が連鎖していないにもかかわらず対立遺伝子
やすくなる。それゆえ近親交配は回避されなければならない。これは、集団中において
のレベルでいかにして統計的に正のむすびつきをもちうるのかということも、これまで
希少な泣伝子を近縁者だけが高い確率でもっているという事実にもとづいている。この
の議論だけでは必ずしもあきらかとはいえない。
ぷ│沫で、近籾交配を回避する理由と血縁認識を可能にする逃伝的なしくみとのあいだ、に
そこで、このような問題をもうすこしはっきりと考えることができるようにするため、
はある極の共通の梢造があるともいえそうである。このように、血縁認識を可能にして
nの基本的な論点を確かめてみることにしよう。
e
f
a
r
できるだけ単純なモデルをつかつて G
いるシステムの全体像をとらえるには、表現型レベルにあらわれる現象だけではなく、
認識の手がかりとしてもちいられる標識を支配する遺伝子に、どの程度の多型があれば、
集団の辿伝的な梢造をも視野におさめなければならない。
どの程度有効に血縁者を認識することができるのだろうか。また、識別するときの判断
nの考え方(図 5- 1)を批判して、血縁認識にも
c
f
a
r
)は G
7
9
9
1
1(
.
.
t8
、 Shcrmenc
一方
の基準が変われば、そのことでどういう結果が生ずるのだろうか。さらに、ハチやアリ
ちいられる標識は必ずしも遺伝的なものである必要はなく、個体の表現型以外のものを
のような単倍数体の生物と普通の二倍体の生物とでは、狭義の血縁認識のありかたに、
l縁認識を広義に解釈する立場であ
U
以識としていてもかまわないと論じている。これは l
どのようなちがいが存在すると予測されるのだろうか。そして、社会性昆~の栄内で、お
nの 3つ
e
r
a
Gr
1縁認識とは、認識を支配する対立遺伝子 (
r
f
.によれば、 l
。 Shcrmcnela1
る
こると考えられる狭義の血縁認識には、そのしくみにおいて巣仲間認識とどのようなち
イ
lぷ
l
のi
:の 2昨日に位位するもの)が他個体のなかに存在する自分自身のコピーをふ
w
r
がいがあるのだろうか。
やすための 1決断である。しかしその対立逃伝子が他個体のなかにある自分自身の コピー
立後みることはできない。そこで、その対立辿伝子は、自分自身のコピーが存在する
をl
5- 3 標識遺伝子の頻度と識別の効率
ことをしめすなんらかの以識を手がかりとすることでその目的をとげる。必要なのは、
その以識と
u分自身のコピーの存在とのあいだに統計的に正の関係があることである。
5 -3- 1 体表化学成分の 1遺伝子座支配仮説
そうした統計的なむすびつきが「間接的 J なものであることは、際識が逃伝的なもので
あってもそうでなくても同じである。
)は、ミツバチの体表化学成分のパターンが l逃伝子座支配で決ま
4
9
9
1
taJ.(
ae
w
a
g
a
s
a
S
この議論は、標識を支配する遺伝子座と認識を支配する遺伝子座が連鎖しているべき
nによって「真の J 血縁認識
e
f
a
r
ではないという G凶叩の議論をふまえている。また、 G
ではないとされた多くの研究例が、この立場によれば血縁認識とみなされることになる。
たとえば、十 1: 会 '1/ 1: 1止虫で m の材料などに山来する成分を棋識として ~{lll 問認識をおこな
う JJ/~ 令も、~イIlqUj が jrll縁者で、あるかぎり、
J fIl縁認識であるということになる。
0
2
1
っているのではないかという仮説を述べている。それによると、第 4章の図 4- 1のよ
うな休表成分のパターンをミツバチの 1つのコロニーで多数の例体をつかつて調べ、よ
く似たプロフィールをもつものどうしをまとめると、メスが数種類以上のグループに分
かれるのに対し、オスは 2つのグループにまとまってしまうという。ミツバチは、友王
が複数回交尾する。この女王の遺伝子型を A Bとし、交尾するオスの巡伝子型を C、 D、
1
2
1
E、…・・・などとすると、これらの組み合わせから生まれてくる個体の遺伝子型が、メス
。 八Aの巡伝子引をも っ例休 が、八八 、八 a、 バパという 巡 伝 f・ J~~ をもっ十IJT を
えよ う
B C、 B D、 B E、・・・・・・などとなるのに対し、
、 および‘
・
・
・
・
・
の場合 AC、 A D、 A E、・
識別するとする。 aとい う遺伝子 は A と異 なる対立泣伝子であって、集問 中には B、 C、
オスでは(未受付卵から生まれるので ) AとBのみとなる。このように、体表成分のパ
、 これ らをまとめて aと表現すると与えてもよい
D、・・・・・・などの多型が存在 し
ターンが個体ごとに 1逃伝子座支配で決まっていると仮定すると、そのコロニー内の変
災をうまく説明できるというのである。
Iにふくま
JI
j
-衡が成 り立つとき 、%1'
F
gI
r
c
b
n
i
c
-W
y
d
r
a
Aの逃伝子頻度を qとすると、 H
れる各遺伝子型の頻度は、よく知られているように、
1的)形質ではなく、このような単純なしくみで決まっている表現型を手がかり
Eな5
全i
復
遺伝子野
辺伝子型頻度
縁認識を果たして有効におこないうるのだろうか。このことは直感的
l
I
l
とすることで、 I
AA
q2
には理解しがたい。しかし、理論上こうしたことは可能である。そこで、どのようにし
八
a
2q Cl-q)
てこのことが可能となるのかを示すために、ここでは、血縁認識の手がかりとしてつか
aa
Cl-q) 2
われる掠識が、あえて 1遺伝子座支配で決まっているものと仮定して、集団遺伝学的モ
nのいう「真の
e
f
a
r
デルにもとづいて検討してみることにしよう。こうした単純化は、 G
である。
それでは、 A Aの個体にとって肉親が共通の兄弟姉妹
)の逃伝子頻度はど
s
g
n
]i
b
i
]s
]
1
1
[
(
*
血縁認識 j という概念が何を意味しているのかをあきらかにするのに役立つとおもわれ
うなるだろうか。ここで、遺伝子が Aであるか aであるかわからない場合、これを i J
るし、血縁認識の遺伝的な基盤を解明するために今後どのような方向で研究を進めてい
とあらわすことにする。
けばよいかを考える際にも役立つからである。
)。この
a
1
9
9
n,]
c
f
a
r
G
A *J とあらわすことができる (
A Aの両親の遺伝子型は、ともに i
以下で記述するモデルに類似したモデルは、ハチ自の社会性昆虫における巣仲間認識
)によってすでに分析がなされている。
9
7
9
1
x(
i
r& D
e
i
z
o
r
に関するモデルというかたちで C
aらが分析したミツバチにおいても本研究のハリナシバチにおいても、
w
a
g
a
s
a
しかし、 S
m仲間認識だけでなく、巣内の個体問での狭義の血縁認識が同時に関心の対象となって
いる。そこで、ここでは巣仲間認識を一旦わきに置いて、個体問の狭義の血縁認識を考
*
i Jが Aである確率は q、 aである確率は
両親から生まれてくる兄弟姉妹の遺伝子担は、
lであるから、それぞれの頻度は、
八 *J : i**J= l: 2:
iA八J : i
4
/
2、 i**J = ]
1
A *J = 1
4、 i
/
A AJ = 1
i
*
である。このうち iA Jが実際に八 A 、八 aである椛 取は、それぞれ q、 ]- qであ
、 2qCl- q)、
る。また i* *Jが実際に A A、 A a、 a aである硫率は、それぞれ q2
、
Cl-q) 2である。したがって、兄弟姉妹が実際に A Aである確率は
える。体表化学成分などの標識が個体問でまぜあわされるフロセスはないものと仮定す
A AJ
1X i
xのモデルでは、標識を支配する遺伝子座の数をさまざまに変えた分析
r& Di
c
i
z
o
r
。 C
る
4
/
2 + q2X 1
1
4 + qX 1
1
1X 1
がおこなわれており、その点も以下で記述するモデルと異なっているが、こうした点に
関しては、モデルの意味づけにかかわる他の問題と同級、あとでまとめて議論すること
=
十
q X iA*J + q2 X i**J
+q) 2/4
C1
と計算できる。同様に、八 a、 aaである確率は、それぞれ
にする。
] -q) X i**J
八 *J + 2 q C
Cl-q) X i
C1- q) X
5-3-2 二倍体に関するモデル
4
/
2+ 2q C1-Q) X 1
1
1
Cl+q) Cl-q) / 2
および
認識のための標識を支配する遺伝子について、 二倍体の生物の 1遺伝子座モデルを考
122
1- qである 。
Cl-q) 2X i**J
3
2
1
4
/
(1- Q) 2x1
;
1
9
9
l1
.
,
ta
cc
s
y
o
;B
7
8
9
r,1
c
i
z
o
r
C
反応に大きな関心をもっているのは、このためである (
(}-q) 2/4
)。しかし、今は血縁認識にしぼってさらに考・然を進めてみよう。
4
9
9
d,1
n
u
l
k
Brown& E
である。結果だけをまとめると、次のようになる。
泣伝子型
AA
Aa
aa
泣伝子型頻度
(1十 Q) 2/4
(1+q) (1-q) / 2
(1-q) 2/4
) であっても、
認識する側の個体がホモ接合体 (AA) ではなくヘテ口俊合体 (AB
認識される側がもっている標識と、識別する側の )~t~f~ とは、分けて考えなければなら
Y
J
ない。識別する側のルールに、次のような 3つのタイプが あるものとし よう。(1) ;
容型:相手が自分と同じ対立遺伝子を 1つでも共有していたら受け入れる。
[
1
'1月
(2) 1
型:相手が自 分と同じ対立 遺伝子を共有 する確率に比 例して受け入 れる。(3)排他~\y. :
相手が自分と異なる対立遺伝子を 1つでももっていたら排除する。識別される側の各遺
伝子型に対するそれぞれの識別ルールにもとづく受け入れ率を、表 5- 1にまとめた。
支がともに qで等しいと仮定すれば、認識される側の個体の逃伝子
八 と B の逃伝子以 j
これらのルールはいずれも、相手の標識を自分自身の標識と比較することによって判
型と!照合したときの 一致の度合いに関して、上の場合に対応した同じ椛率がそれぞれ得
断がなされるという仮定にもとづいている。しかし、社会性昆虫の巣仲間認識に関する
られる。つまり、 A でも B でもない逃伝子を x とするとき、 ABの兄弟姉妹が AB:
)をあらかじめ周囲の個体の標識か
s
c
t
a
l
p
m
e
t
研究では、相手を認識する際の比較の基準 (
(Ax+Bx) :xxとなる確率は、上の場合の AA:Aa aaに等しい。集団全体
r& Smith,
c
n
c
h
c
i
M
ら学習する可能性が指摘されており、これを支持するデータも多い (
の遺伝子型頻度についても、同じことがいえる。したがって以下の考察では、認識する
)。 血縁認識一般に関する議論においても、こうした可能性は
7
8
9
,1
tt
c
n
c
;B陀 吋 &B
7
8
9
1
側の個体の逃伝子型を AAで代表させることにする。
)。けれどもここでは、狭義の血縁認識を単純化した形で
7
8
9
r,1
e
i
z
o
r
C
指摘されている (
tのモデルでは、標識をコードする逃伝子座の遺伝子型のちがいが、表現型レベル
;
本i
μwとして判断するもの
なるべく厳密に理解することが目的なので、自分自身の標識を J
r& Dix
e
i
z
o
r
の似誠ちがいにそのまま対応するものと仮定する。この仮定は、前述の C
と仮定する。実際、女王が複数回交尾するミツバチのような砲において、*内での狭義
)のモデルとも共通するものである。
9
7
9
1
(
の rffl縁認識が機能しうるためには、巣仲間の標識を平均的に ~f・ 1111 するのではなく、
1" 分
l縁者-を正しく認識するためには qが小さいほうがいいということは、ここで簡単な
l
i
t
自身の遺伝子型にもとづく標識を基準として巣イ中間の血縁皮を認識し分けなければなら
1のとき、 AAの遺
0
.
0
数仙を代入してみるだけでも直感的によくわかる。たとえば q=
z&
t
c
G
ないはずである。その能力が実際に存在することを示すデータもえられている (
伝子 )~hl をもっ個体が、集団全体では 0.0001 の割合を占めるにすぎないのに対し、兄弟姉
)。
1
9
9
,1
z
t
;Ge
6
8
9
h,1
t
i
Sm
6の制合を占める。これに似た別象は免疫反応においてみられる。
2
.
妹ではが~ 0
した遺伝子の複
1LAとよばれる述釘i
骨造液を提供できるのは、 1
'
l病などの出者に',J
l
f
I
"
,
合体が迎合する人だけである。この遺伝子の領域は、移植の成否を決める組織適合反応
)。このl-IL Aが迎合する人がみつかる割合は、家族では 2
3
8
9
に関与している (Crow,1
) 。ここでは、ひと
5
9
9
0だという(朝日新聞、 1
0
0
0
1
1
"1
0"
0
5
/
l緑将では 1
l
f
""3初、非 I
{ではなく波数の辿伝子庄が関与している。しかし、集団中で一致すること
j
つの巡伝子 }
致しやすいという山山は、このように、組織迎合性のよ
l総点で 一
l
f
のまれな辿伝子 )fjl~ カ\ I
うな免疫反応と血縁認識において共通する側而をもっている。血縁認識の研究者が免疫
4
2
1
次に 、それぞれの識別ルールにもとづいた集団平均または兄弟姉妹平均の受け入れ率
をもとめる。それには、各遺伝子型の頻度に表 5- 1の受け入れ率をかけて、各遺伝子
型の合計をとればよい。式であらわすと、次のようになる。
平均受け入れ率
=
各遺伝子型の頻度
L (
,
× 各泣伝子型の受け入れ率)
pとする)は、
たとえば、中間型の識別ルールをとった場合、集団平均の受け入れ率 (
P
=
q2X 1
+
2 =
/
2q (1- q) X 1
Q
同様に 、兄弟姉妹平均の受け入れ率 (Rとする)は、
R
-
/4 X1
(1+q) 2
2
/
+ (1-q) (1+q) / 2 X 1
5
2
1
] +q) / 2
(
となる。さらに、識別の正確さの指標として、上の Pを Rで割ったもの(誤認ユが:ドと
する)をもとめることにしよう。この値は、集仔l の fl~立の11!í1 体を受け入れる隊本を兄弟
lに
Iったものであるから、兄弟姉妹として受け入れた例休の r
姉妹を受け入れる確率で、害J
「誤って J 非血縁者がまぎれこんで、いる硫率を示す指標と 一応考えることができる。
今の中間型の識別ルールでは、
F = P/ R = 2q/ (] +q)
.がまぎれ
x
縁l
f
1
である。 Fの値が小さいほど、兄弟姉妹として受け入れた個体の中に非 1
こんで、いる確率が小さい。
以上の P、 R、 Fを、それぞれの識別ルールにしたがって計算することができる。 P
. 1遺伝子座支配の標識遺伝子を認識すると仮定
表 5- 1
したモデルにおける 3種類の識別ルールにもとづく各遺伝
子型の受け入れ率。A Aの個体が相手を識別するとする。
1
5
.
0
2q- q2
R
=
(l+q) (3-q) / 4
中間型
P
q
R
=
(l+q) / 2
排他型
q
。
。。 。
1
1
P
一
一
AA
Aa
a
a
1:[容型
PA
e
t
a
Acceptancer
e
h
ft
Gcnotypeo
s T
u
c
o
matchingl
e
v
i
s
u
l
c
x
t Medium E
n
a
r
e
l
o
と R の結果のみを示すと、次のようになる。
R
(l+q) 2/4
主
u
これらはいずれも qの関数なので、適当な数値を代入することにより、その遺伝子M
')をもとめることができ
<
に対応したおのおのの平均受け入れ率 (P、 R) と誤認、率([
る。いくつかの数値を代入した計算結果を図 5-2に示す。
l縁
l
f
図からあきらかなように、集団中の標識遺伝子の頻度が小さければ小さいほど、 I
者を効率よく識別することができる。つまり、認識の手がかりとしてつかわれる標識が
-分
l遺伝子座支配であるという条件のもとでも、その泣伝子座の対立遺伝子の頻度が 1
l縁認識を有効におこなうことができる。もし、集団 11の大郎分の似体
l
t
に小さければ、 1
がこのような方法で、血縁認識をしているとしたら、この述伝子皮には、八以外に B、
1紘
1
1
などのさまざまな種類の対立逃伝子が存在するはずである。 1
-一C、 D、 E、 F、一
認識は、それにもとづく識別行動自体をつうじて、標識遺伝子を選択するからである。
j見(:としてこの
l縁認識は、私i
l
f
遺伝子頻度の小さいものほど有利に選択されるのだから、 1
)。遺伝子頻度が一定という条件のもとでは、
0
9
9
n,]
c
f
a
r
G
遺伝子座の多型化を促進する (
識別のルールを寛容なものから排他的なものに変えることで、誤認、率を小さくすること
ができる。しかし、そうすることで、血縁者を排除してしまう椛率も同時に日くなる。
6
2
1
7
2
1
1iny
U
ハ
、 コロニーへの撹乱をつづけると識別の Jμ~fI がきびしく
aは
c
i
m
a
n
a
ap
n
o
p
i
l
e
第 3章の M
1
なり、羽化直 後の血縁者と 非血縁者を殺 す割合がとも に日くなった (図 3- 13) 。じ<
戸
-5zho
u
E
)
仏
(
ωお
﹄ ωυ ロcEωυυ ︿
-tolerant
ー
.
_
・
-mcdium
e
v
i
s
u
l
c
x
一 色 -e
)
/
c
~
qu
J
コ
u
q
ヱ~
/
.
_
、
、 ~
超姉妹の場合
4
0.
識別のための 標識を支配す る遺伝子につ いて、やはり 1遺伝子座のモデルを仮定する。
3
.
0
2
.
0
1
.
0
0
メスは受精卵から生まれるので、 二倍体のとき と同様に 、 A Aの遺伝子型をもっ何体が
A A、 A a、 aaという遺伝子型をもっ相手を識別するものとしよう。 a という泣伝子
、 A と異なる対立遺伝子 (=B、 C、 D、一....) をまとめて表現するものとする。:uミ
は
団中の遺伝子 型頻度をメス とオスに分け て表現しよう 。遺伝子頻度 は共通だが、 考えや
U
U ハU ハU ハ
U ハ
U ハU n U ハ
ハU ハ
ε
ω11
単倍数体に関 するモデル
ハチやアリのような単倍数体の生物で、 メスどうしの認識がどうなるかを考えよう。
1987654321
、
.
.
,
ど
む に
二
己
司ベU
0
コ﹄﹄
.
.
.
.
.
.
.
.
.
,
同じような計算を単倍数体の仮定にもとづいておこなってみよう。
qu
∞52z=
ω
肖)
(
υ︿
υ
ωuzg己ω
出回﹄
v
o
r
1-
1
9
.
0
8
.
0
7
.
0
6
.
0
5
.
0
しかし、 この計算結果は、 二倍休の生物という仮定にもとづいていた。そこで今度は、
ζu
。
5-2の計算結果は、 一見このようなパターンをうまく説明しているようにおもわれる。
RU
8
.
0
7
.
0
6
.
0
5
.
0
4
0.
3
.
0
2
.
0
1
.
0
すくするために、 これもメスとオスに分けて表現することにする。 A の辿伝子頻度を q
として、メスとオスの遺伝子型の初期頻度を次のように仮定する。
メス
ハ
U
ハU
5
0.
y (
c
)
n
q
e
u
q
e
r
Genef
1
図 5-2.二倍体の生物で、 1遺伝子座支配 の標識遺伝子 をもちいて
l縁皮を認識す ると仮定した 場合における 標識の遺伝子 頻度(q) に
l
f
j
i妹の
応じた例体肝平均 (~I三 nll 縁者)の受け入れ率 (p :上)、兄弟 M
ほ
子頻度が低い
:下)。泣伝
F
(
とその誤認率
)
l
l
r
:
R
(
受け入れ率
その
排除できる。
行を効率よく
縁,
l
l
f
l
~I:
ど、また排他的なルールほど、
妹の受け入れ率もさがる。
i
r
!
l
かわり、兄弟j
128
オス
遺伝子型
遺伝子型頻度
AA
qZ
Aa
2q (1- q)
aa
(1- q)
遺伝子型
2
遺伝子型頻度
A
q
a
(1- q)
-Wcinberg平衡における遺伝子型頻度と同じ、オスの遺伝
y
d
r
a
メスの遺伝子型頻度は H
子型頻度は遺伝子頻度と同じ形になっている。 この初期集団から、 ランダム交配による
1回交尾でオスとメスが同数ずつ産まれるとすると、 この遺伝子型頻度が毎山代変化す
129
識別のルールも、さきの 二倍体のときと同じ究特型、
ることなく維持される。
)の遺伝子頻度が
s
r
e
t
s
i
rs
e
p
u
次に、 A Aの個体からみて、肉親が共通の姉妹(超姉妹:s
どうなるかを考えよう。二倍体のときと同じように、遺伝子が
Aであるか aであるか
!
l
J}\Il 、f) 1: 他~~の 3 つのタイプ
r
1
rl
。
があるものとしよう(表 5- 1)
i~ほの、 IÎ. 均受け入れ本 Iミ、誤
l
l
体に関する平均受け入れ来 P、t
1
さらに、集団全体の1Jli
わからない場合、これを 1*J とあらわすことにすると、母親と父親の遺伝子型はそれ
Iの対象を
率 Fを、それぞれの識別ルールにもとづいてもとめなければならない。識日J
、
認
AJ とあらわせる。この両親から生まれてくる超姉妹の遺伝子型は、
A *J、 I
ぞれ I
jじに
i
l
メスだけに限定して考えることにすると、集団の遺伝子型頻度が二倍体のときと I
2、
/
AAJ - 1
IAAJ: IA*J=l:lであり、それぞれの頻度は I
A *J
r
なるから、 Pの値は二倍体のとき(図 5- 2) と等しくなる。 R の他は、泣伝子 }\~MU主
2である。このうち
/
1
A *Jが A A、 A aである確率は、それぞれ q、 1-qである。
I
誌に
H
i
'
がちがうので、計算方法が同じでも異なった結果になる。 Rに関してさきほどと l
妹が
i
したがって、超lji!
AAである確率は、
中間型の場合の計算方法を示すと、
1X
八 AJ
r
/2
1
+
qX
+
A *J
r
平均受け入れ率
2
/
q X1
: (各遺伝子型の頻度
L
× 各遺伝子型の受け入れ;存)
の定義により、
(l+q) / 2
R =
である。同級に、 A a、 aaである確率は 、それぞれ
(l-q) X
=
=
IA*J
2
/
(1+ q) / 2 x1 + (1-q) / 2 X 1
(2+2q+l-q) /4
(3-q) / 4
2
/
= (1- q) X 1
となる。他の識別ルールについても同版の方法で計抗1し、それらの結果をまとめると、
= (l-q) /2
次のようになる。
および
oX
1**J
=0
P
2q- q2
R
中間型
P
q
R
(3+q) / 1
排他型
P _
q2
R
(l+q) / 2
1
遺伝子頻度 qにさきほどの二倍体の場合と同じ数値を代入した計算結果を関 5-3に
である。結果をまとめると次のようになる 。
逃伝子型
寛容型
遺伝子型頻度
示す。
AA
(l+q) / 2
)本
l秘者をえJ
l
f
図からあきらかなように、集団仁1Iの遺伝子頻度が小さければ小さいほど l
a
(l-q) / 2
よく識別することができる。辿伝子 ~ii皮が 一 定ならば、 j;在日l のルールを江作なものから
八
。
縁
i
l
l
f
3率を小さくすることができるが、そうすることで j
4
3
1
1
排他的なものに変えることで i
認識する側の個体がホモ接合体 (AA) ではな くヘテロ接合体 (AB) であっても、
者を排除してしまう椛率も同時に日くなる。これらの傾向は、 二倍体のときと同じであ
aa
A と B の逃伝子頻度がともに qで等しいとすれば、二倍体のときと同様 に、認識され
る側の個体の逃伝子型と!照合したときの一致の度合いに関して、上の場合と同じ確率が
、
それぞれ得られる。したがって 、以下の考察 では認識する 側の個体の遺 伝子型 を
AA
。
る
_
p
注目すべきことは、図 5-2と図 5-3の絶対値のちがいである。二倍体の場合と l
i倍数体の超姉妹の認識の方が、同じ迎伝子頻度における
i
倍数体の場合をくらべると、 i
1
f
{
i
i
姉妹の受け入れ率が布く、誤認、率がわずかながら低いことがわかる。ハチのような l
で代表させることにする。
0
3
1
1
3
1
数休の生 物におい ては、見 かけ上単 一 とみなせる逃伝子照に支配される標識をもち
円/﹄
qu
2
ペu
門
(/)
3章で、ハリナシバチのガード個体は
.panamilα で~の批乱を
M
(
ような受け入れが、 この方法で可能であることがわかる。
只U
司
弘
"
'
て '
コ
コ
標識遺伝 子の頻度 が低くて も受け入 れ率が 1になることである。 このようなことは 二倍
つづけた場合をのぞき)、 いずれも羽化直後の巣仲間を 100%近く受け入れたが、 この
半姉妹の 場合
これまでのモデルでは、母親と父親がともに共通であることを仮定してきた。 しかし、
ミツバチ、ハリナシパチのような社会性昆虫の血縁認識では、女王の複数回交尾
がしば
)について、
s
r
c
t
s
i
fs
)
a
しば問題になる。そこで、母親が同じで父親が異なる 9ilj~ (半姉妹:h
上と同じ計算をおこなって比較してみよう。
遺伝子が
U
ハU ハU ハU ハU ハU ハU ハU ハU ハ
υ
υ
1
1
注目すべきもうひとつの点は、単倍数イ本の超姉妹に寛容型の識別ルールを適川すると、
体ではお こらない 。第
19876543210
ω~
exclusive
一 色-
4 ・-︺勺 L1inu
こ
Ec
medium
ー 畠-
意味している。
勺/ / O
む0:::
ハU ハU ハU ハU
戸ハU ハU ハU ハU ハU
コ
'
ー、
〆
-tolerant
。
一
寸上ハツ 06
己コ∞﹄0
.
.
,
u
4 ・ ﹁3 4 L 1ょn
Ifb
勺
ハU ハU ハU ハU ハU
ハu n u n U ハU
戸
コ
ω
a
z
ω
(戸)凶﹄
25ωυ 己dEωυυ ︿
・9
ー
+
姉妹問の認識システムが、 二倍休の場合よりも有効に機能しやすいとい うことをこれは
1 i oノ QU
(仏)Eu--C02 ﹄0
υ︿
υ
E 己ω
ωHEωυ ロ
v
o
r
1-
いた
J とあらわすこ
*
A であるか aであるかわからない場合、やはりこれを r
とにする。半姉妹の母親と父親の遺伝子型は、それぞれ rA川 、
Jである。
*
r
では母親が女王であることを仮定しているので、母親は認識する側の例体(八八
.
-.
-
l- l-
) のほ
頻
親と同じでなくてはならない。 この組み合わせから生まれてくる半姉妹の遺伝子型の
度は
A*J
r
2、
/
1
J
**
r
2である。 このうち
1
1
ある確率はそれぞれ q、 1-qであり、
、
Jが実際に A八
A*
r
八
aで
J が実際に AA、 A a、 aaである確率
**
r
はそれぞれ q2、 2q (1- q) 、 (l-q) 2 である。 したがって、 こI~ý"j!* が八八で
ハU
5
.
0
1
)
q
y (
c
n
e
u
q
e
r
cf
G巳n
i倍数体の生物で、 1泣伝子座支配の標識逃伝子をもちい
i
l
l縁)Jrを認識すると仮定した場合における標識の泣伝子頻度(q)
l
,f
て
i姉妹
l縁者)の受け入れ率 (p :上)、 M
l
f
"'1L均(非 l
i
l
l体 l
i
'
l
に応じた n
7 :下)。泣伝子
1
) とその誤認、本 (
'
1
)の叉け入れ本(lミ:1
s
r
c
t
s
i
rs
c
p
u
s
(
去が低いほど、また排他的なルールほど、非血縁者を効率よく排除
.
5-3
│1
火
u
u
できる。そのかわり 、 mý"j !L~( の受け入れ本もさがる。
2
3
1
ある確率は、
*
qX r
A J + q2 X
J
**
r
2
/
2+ q2X 1
/
= qX 1
=q
(l+q) / 2
である。同様に、 A a、 aaである椛率は、それぞれ
(1- q) ×
J + 2q
A*
r
3
3
1
(1- q) ×
J
**
r
(1- q)
2
2
1
X 1
-ロOC
u
E
)
J
**
r
(l-q) 2X
仏
(
25ωυSEωυυ
および
0
﹄
︿
(l-q) 2/ 2
である。結果をまとめると次のようになる。
遺伝子型頻 度
迎伝子型
︿
問全体の逃伝子型頻度は、 上の超姉妹と半姉妹の遺伝子型頻度の平均になる。 この値は、
) の遺伝子型 頻度 (5-3-2) の
s
g
n
i
J
b
i
ls
l
u
二倍体のと きの兄弟姉 妹(両親が 共通の f
場合と同じ になる。女 王の交尾回 数が増えれ ば、それに ともなって 、巣仲間の 遺伝子型
i妹の平均受 け入れ率 R と、誤認率 F をもとめる ことが
これまでと 同じ方法で 、半 M
できる。集 団全体(た だしメスの み) の平均受け 入れ率 P は、 上の 2つの場合と 同じ
Fの値は P/Rなので、
ここでは Rの結果のみを示しておく。
)
l
<
o
r
同
」
.-
と
さ
υ
u
2容型
7
/'ー¥
ど
む に
二
E 己
1
司
弘
川叫
型
巾U
型
H
υ
)/2
(1+2q-q2
;
_
.
.
て コ
コ
R
(1+3q) /4
2
ミ
l
q (1+q) / 2
R
(/)
識別の効率 と遺伝子頻 度、識別の ルールのき びしさと誤 認率や血縁 者を排除し てしまう
す る全体の傾向は、 これまでと同じである。
則
冊;本に !
これらの Rや Fの値 を超姉妹の 場合(図 5-3) と比較する と、半姉妹 の場合の方
交における 交け人れ本 が低く、誤 認率が向い ことがわか る。 これは 、
i
1
lじ逃伝子 U
i
I
、 [
が
l縁者の受け入れ率がクラインをなしており、
f
mþllj~ ・ ~ I': þllj~ ・ jr~ J
134
ゅに固定された
立伝 f
i
ハU
治伝子 ~m[支 q にこ れまでの場合と同じ数値を代入した計算結果を、図 5-4 に示す。
c
v
i
s
lu
c
x
一色.--c
4 勺 ん 寸i n u
1inY06 勺I f O J A 斗 1
戸ハU ハU ハU ハU ハU
、
ハU ハU ハU ハU
頻度は、集 団全体の遺 伝子型頻度 にしだいに 近づいてい くはずであ る。
-mcdium
一畠
A 守 司 コ ペ ノ ム 1inu
{[I~
ちなみに、女王が 2 回交尾し双方の父親の精子が同数ずつ使われると仮定すると、巣
戸
コ
/2
(l-q) 2
unununU
U ハU ハ
U ハ
ハU ハU ハ
aa
(肖)己記∞一的同一司戸{ーち
(1- q) (1+2q) /2
υ
υ
ω
a
5
ω百
﹄ ωυ ロ.
Aa
-tolcrant
・
→
一
ノ 只u m / バ U
-AQ
q (l+q) / 2
AA
である。
U
U ハ
Uハ
U ハ
Uハ
U ハ
Uハ
Uハ
U ハ
ハ
(1- q) (1+2q) /2
19876543210
2
/
2 + 2q (1- q) X 1
/
(1- q) X 1
5
.
0
1
)
q
r巳qucncy (
Gcncf
図 5-4.単倍数体の生物で、 l遺伝子座支 配の標識遺 伝子をもち い
て血縁度を 認識すると 仮定した場 合における 標識の遺伝 子 頻 度 (q)
l縁者)の受 け入れ率 (P :上)、 半 þltí~
r
f
に応じた個 体昨平均( 非 J
(R :中)とその誤認率 (F :下)。泣伝子
率
)の受け入れ
s
r
e
t
s
i
fs
l
a
h
(
m縁者を効 率よく排除
J
:
r
頻度が低いほど、また排他的なルールほど、 J
できる。そ のかわり、 半姉妹の受 け入れ率もさがる。
5
3
1
ー の認識システムで、
1
.
以識にもと づく 1
l縁認識の双 方を処理す
U
認識と巣内 での J
'j
1
日
'
mイ1
f
yo
c
n
e
u
q
e
r
Genef
s
e
l
e
l
l
na
o
t
i
n
g
o
c
e
er
h
t
火
ることがあ る程度可能 なことを意 味している 。このこと をわかりや すく示すた めに、 l
l
.
O
=
q
5-3の Eの仙、図 5-4の Rの伯、図 5-11の Pの値を、共 通のグラフ の上にプロ ッ
i妹・非血縁 者の受け入 れ率をそれ ぞれあらわ し
d
j
トしてみよ う。これら は、起姉妹 ・半 l
1
5の 2つの場合
.
1 と q=0
.
ている。標 識遺伝子の 頻度によっ て数値が異 なるので、 q=0
に分けて示 そう。結果 は図 5-5のようになる。
=0.1の場合の方 が、あきら かにグラフ の傾きが大 きい。この 場合には、 非血縁者を
5
.
Acceptance 0
e
t
a
r
効率よく排 除でき、必 姉妹と半姉 妹の受け入 れ率にも差 をつけるこ とができる 。しかも、
O
Q
t
n
a
l巳r
o
t
medium
e
v
i
s
u
l
c
x
e
s
e
l
u
nr
o
i
t
a
n
i
m
i
r
c
s
i
D
識別のルールを変えることで、 主l~lj, ljlj~ をどの程度受け入れるかを制的i することができる。
ただし、識 別のルール をきびしく すると、
i姉妹を排除 してしまう 割合も高く なる。一
E
J
s
r
e
k
r
o
Recognizedw
︻﹂
1EA
d
c
e
fd
ρULU
VJa
旧b
mm
α
右
anamica において識 別の強さが 変化したと きの実験結 果のパター ン
刀 ap
第 3草の Mclipo
aa--'EA
n
n'r
e
受け入れてしまい、血縁認識や巣イ'11間認識には役立ちそうにない。
tα
nl
e
e
G 出
5の場合は、 どの識別の ルールをと ったときに もかなり高 い割合で非 血縁者を
.
、 q=0
方
s
r
c
t
s
l
p巳rs
u
s
s
r
c
t
s
i
fs
l
a
h
s
c
t
a
m
t
s
c
n
n
o
n
5
.
O
=
q
1の場合のグ ラフは全体 としてかな りうまく説 明している 。
.
0
凶 3- 13) を、上の q=
(
0程 度
1
1
i.{日数体のメスどうしの認識では、標識を支配する遺伝子の頻度が集団全体の 1
q
1
であれば、 これだけの 村度で、巣 仲 間認識と狭 義の血縁認 識を、とも におこなう ことが
5
.
Acceptance 0
e
t
a
r
できるのである。
O
5-4 考察
t
n
a
r
e
l
o
t
medium
e
v
i
s
u
l
c
x
c
s
e
l
u
nr
o
i
t
a
n
i
m
i
r
c
s
i
D
まざまな「 利他行動 J を支配する 逃伝子群を 、現尖には 社会性昆虫 のひとつの 種を
s
r
c
t
s
l
p巳rs
u
s
s
r
e
t
s
i
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l
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h
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o
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s
r
e
k
r
o
dw
e
z
i
n
Recog
自体
あI~)J.えするほとんどの個体が共有している場合が多いだろう。それなのになぜ、それ
Jが
'
I他行部J
していない 希少な標識 遺伝子をも つもののみ を標的とし て、その「 不 J
と辿釘i
官
l
、j
]けられるよ うにしなけ ればならな いのだろう か。つまり 結局のとこ ろ 、なぜ血縁認
1
[
1
が必~なのだ、ろうか。
それは、野 外では突然 変呉が生ず る可能性つ ねにがあり 、その「利 他行動 j の遺伝子
をもたない似体が集団'11に伝入して くる危険が 、いつでも 存在するか らである 。 非血縁
i倍数体の社 会性昆虫の ワーカーが 、 l遺伝 子 }j~ の標識 辿伝子をもちいて
i
図 5-5. l
血縁認識を おこなうと したときの 、標識遺伝 子の頻度に よる識別の 効率の差。 数値は、
)の計
s
c
t
a
m
t
s
e
n
n
o
n
)および‘ P(
s
r
c
t
s
i
fs
l
a
s、h
r
e
t
s
i
rs
c
p
u
s
図 5-3、図 5-4に示した R (
算結果にも とづく。黒 塗りの部分 は受け入れ 率が 50%以上である ことを示す 。遺伝子
頻度が小さ い方が(上 段)、あき らかに血縁 者を効率よ く識別でき る。識別の ルールを
排他的にす るほど、非 血縁者の侵 入を減らせ るが、血縁 者を排除し てしまう確 率も布く
なる。
弁は「必切 る J 可能性があ る。希少な 標識泣伝子 を共有して いるという ことは、相 手が
6
3
1
7
3
1
率で血縁者であるということ、それゆえ「利他行動 J の遺伝子を集団全体
f
f
l
かなり日い{t
の平均値よりも高いある程度以上の確からしさで共有しているということを意味してい
間認識が機能しうる。しかもこれは、
)である。
0
り9
]
l,
l
c
f
a
r
G
:J(
l
t
,
!
,
認
l紋
l
f
1の I
J
「
しかしこうしたことは、かなり特別な仮定が組合わさ った条
nのもとでしか成り 立た
る。血縁認識の進化は、単なる「不 1他行動 j の進化ではない。それは、複数の異なる遺
Jどうしの収 l識のまぜ
I
I
I
'
!
'
縁認識のみをあ っかい 、栄 (
l
l
r
ない。木市のモデルでは、狭義の f
)。
伝子座のあいだでおこる共進化なのである(図 5- 1
J認誠の効本が
I
I
I
'
!
'
あわせを考慮していない。標識のまぜ、あわせがおこると、 一般に、!n{
認識にもちいられる標識が 1つの遺伝子座できまるという仮定にもとづいた本章の集
。
よくなる 一方、巣内での狭義の血縁認識はむずかしくなるだろ う
)が示唆したように体表化学成分が 1つの遺
4
9
9
1
.(
1
aela
w
a
g
a
s
a
団巡伝学モデルにより、 S
)によ ってすでに分
9
7
19
x(
i
r& D
c
i
z
o
r
前述のように、W:{'!'間認識に関するモデルは、 C
伝子座で決まっていると仮定しでも、それをもちいて血縁認識をおこなうこと が可能で
日!という
が 1I
.
f
倍数{本の社会性昆虫で、女王の交 J
、 ii
xは
i
r& D
c
i
z
o
r
析がなされている。 C
あることが示された。だが、これはあくまでも論理的な可能性であって、実証的に解明
t
l
a
t
s
c
lと G
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
l
c
n
1間認識に関して、 l
!
I
仮定のもとで、メスのワーカ一間の_m{
された事実ではない。体表化学成分の組成は、実際にはこれとは別の遺伝的機構にもと
lという 2つのタイプのモデルを提案した。そして、それぞれのモデルにおいて、
e
d
o
m
づいて決まっているかも知れず、たとえばそれは、もっと多くの遺伝子座が関与した量
l
l
標識を支配する泣伝子座の数を変えた場合に、各遺伝子座あたりどの程度の数の対立 i
的なものかも知れない。そのような量的な形質が血縁認識の標識であってもかまわない
l伝了-の以皮は、
l
伝子があれば栄仲間認識が有効に機能しうるのかを訴jべた。兵なる対立i
だろう。もしかしたら、それは体表化学成分の全体的なフロフィールとは別の何かかも
M休の標識がまぜ‘あわ
f
lにおいては、 f
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
d
n
それぞれ等しいと仮定された。 I
知れない。こうした実証を要する問題の解明はすべて今後の課題である。しかしここで
されることがなく、個体どうしは、各遺伝子座の対立巡伝子の少なくとも 一力を共有し
は、そうした実証的な問題へのアフローチの糸口をつかむためにも、モデルから得られ
1容型の受け入れル
1のモデルにおける 1
ていれば互いに相手を受け入れる。これは、木 J
た結果にもとづいて、もう少し考察をすすめておくことにしよう。
μwをみたしている。これに
ールと同じである。したがって、これは狭義の血縁認識の J
たとえば、標識が l遺伝子座支配であることで血縁認識がかえってうまく機能しうる
と意味づけられるような積極的な理由が何か考えられるだろうか。
lにおいては、個体の泣伝子型によって決まる標識がコロニー内でまぜ
c
d
o
tm
l
a
t
s
c
対し G
立が-'jy_し
あわされて平均化され、個々の対立遺伝子に対応するそれらの成分の相対泌 j
二倍体の生物で、これまで血縁認識の研究の大部分がおこなわれているのは、哨乳類
ていなければ相手を巣仲間として受け入れない。解析の結果は、次のよ うなものであっ
iJJ!助である。こうした大型の動物と対比するかたちで、単倍数体の社会
!
なと、のせきついI
lによる方が巣仲間認識がず、っと効本
c
d
o
tm
l
a
t
s
c
lよりも G
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
d
n
た 。 (1) I
u
よく(少ない 遺伝子座や対 立遺伝子の数 でもうまく) 機能する。(2)どちらのモデル
性昆と におけるこのような可能性を考えてみよう。
IIlrr~L 奈良などにくらべると、昆虫の脳ははるかに小さい。単純な認識のルールで繁殖上
でも泣伝子座の数が多い方が遺伝子座あたりの対立泣伝子の数は少なくてよい。(け3)
の得失に関わる判断がうまく機能するならば、進化的にはその方が有利になるだろう。
i
;
常
非:
J
!
泣立伝子の数がド
な対立 i
E
要
巡伝子座の数が少ないときには必 3
lで、
c
d
o
cm
i
叫t
s
i
日
l
l
a
凶
叫
山
u
ω
d
吋i
v
副i
d
n
I
桜識の 1逃伝子座モデルでは、認識する側の個体は 3種類、の遺伝子型をもっ相手を区別
X は、このような結果とそれま でに知られていた実験的な証拠から、
以
i
r& D
c
i
z
o
r
くなる。 C
するだけでいい。すなわち、自分と比較して対立遺伝子が 2っとも同じもの・ 1つだけ
Jでは久'
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
d
n
lの方がよいと結論づけている。 I
c
d
o
tm
l
a
t
s
c
巣仲間認識には G
同じもの・どちらも呉なるもの、この 3種類、である。前述のように、女王の交尾回数が
王が複数回交尾の場合にコロニーの分裂が不可避となることも、その坦!山として述べ ら
l回であれば、
2容型の識別ルールをとることで、姉妹を
3
100%受け入れることができ
る。この場合には、羽化してくる巣仲間の標識 (AAとA a) を記憶してこれらをすべ
'
I
'
て受け入れ、それ以外のもの (aa) を排除するというルールにしたがうだけで、巣 {
138
れている。
標識をコードする泣伝子座のお(が多いほど逃伝子山あたりの対立泣伝子の数が少なく
t縁認識にも共通したものであろう。
f
f
てよいという傾向は、w::仲間認識だけでなく狭義の 1
9
3
1
lでもこの傾向が確認されていることが、このことを強く示唆してい
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
d
n
l
では、巣仲間認識の標識として餌などの環境 [11 来の成分が少なくとも部分I'l'~ につかわれ
2する
る。しかし、実際にどの程度の数の辿伝子座が標識に関与しているかは、実証を 3
d,1983)。木研究のハリナシパチでも、
e
e
ていることが知られている(Br
xモデルにおいても、対立造伝子の頻度が非常に小さけれ
r& Di
e
i
z
o
r
問題である。尖際 C
よって標識の一部が変化することが示された(第 3章、第 4了立)。コハナバチの 一稲
、
ば
lで逃伝子座が 1つという条件下でも巣仲間認識が機能しうるこ
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
d
n
l
とが示されている。これは、本章で記述した狭義の血縁認識に関する モデルからみちび
かれた結論と 一致している。しかしこれは、前述のように、巣仲間認識と狭義の血縁認
「条f'I:づ、け」に
)として羽化後に学科
s
c
t
a
l
p
m
c
t
yrum)では、巣仲間認識の比較の基準 (
1
i
p
c
mz
u
s
s
o
l
g
o
i
s
a
L
(
)。
1
8
9
g,1
r
c
b
n
c
c
r
c& G
l
k
c
した巣仲間の標識をもちいることが知られている(Bu
しかし、これらのしくみはいずれも、狭義の血縁認識を機能させるのには適していな
識が一致するかなり特殊な条件である。仮定を少し変えれば、このふたつの認識が両立
い。つまり、巣仲間認識と狭義の血縁認識には、原理的にそれぞ
不可能になる条件を、すぐにっくりだすことができる。
がふくまれている。女王が複数回交尾するもので巣仲間認識が完全に機能しているもの
lにおいて究容型の識別ルールを仮定
c
d
o
cm
i
t
s
i
l
a
u
d
i
v
i
d
n
xのモデルでは、 I
i
r& D
c
i
z
o
r
C
では、巣仲間認識と血縁認識が同じ標識と同じ認識方法にもとづいているかぎり、狭義
lでは排他型に似たルールになっている)。これは、
c
d
o
tm
l
a
t
s
c
していた(それに対し G
の血縁認識が純粋に維持されていることはありえないであろう。このふたつのタイプの
彼らのモデルでは認識する側の識別ルールがそれ自体分析の対象として主題化されてい
認識が同時に機能するには、たとえば相手の羽化後の日齢に応じて標識や認識方法を変
ないためでもあるが、それ以上に、これらのルール以外ではコロニー内での仲間割れを
えるといったしくみが必要であろう。本研究であつかったハリナシパチ Mclipona
防ぐことができないと彼らが考えたためであろうと忠われる。実際、寛容型の識別ルー
pananJJ~ω では、ワーカー産卵をおこなう羽化後まもない個体に対しては遺伝的な要因に
1間以外の個体の侵入を防ぐのには最も効率の悪い方法だが、標識のまぜあわ
1
1
ルは、1>>:{
もとづく標識をもちいて狭義の血縁認識をおこない、外役個体に対しては巣仲間どうし
疫の基準にするという厳密な意味での狭義の血縁認識
1
せがなくれ分自身を認、識の際の比1
の標識のまぜあわせやそれらの標識の学習をつうじて巣仲間認識をおこなっている可能
の定義をみたす基準のもとでは、これ以外に栄の分裂を防ぐ方法がない(図 5- 3) 。
で
;、
か
し
i手
I1
l
性がある。相手の発育程度に応じたこうした認識の基準のきりかえは、鳥類や
xも桁摘しているように、女王の交尾が 1回という条件のも
i
r&D
c
i
χ
o
r
しかもこれは、 C
997)。
,1
.
J
la
ne
a
m
r
e
h
S
も知られている (
とでのみ成り立つことであり 、複数回交尾のもとでは、狭義の血縁認識は、どのような
識別ルールであっても必然的に巣仲間どうしの排除をもたらす(図 5- 4) 。
xが
r& Di
c
i
z
o
r
避するための方法は 3つある。ひとつは C
こうしたコロニーの分裂を!日 l
)は、生物の認識システムに関するより 一般的な議論のなかで、 認
7
9
9
1
.(
J
Shermanela
識をともなう反応がもたらす適応上のコスト・ベネフィットがそのためにもちいられる
.
l
標識の種類とどのような関係にあるかを整理している。その議論のなかで Shcrmancla
いうように標識をませ'あわせるという方法、もうひとつは似のような外部の環境由来の
sという 2つのタイフの標識の穎型を対比 させている。
c
u
'c
t
n
c
s
b
a
、U
sと
c
u
'c
t
n
c
s
c
r
p
は、、 D
成分をとりこんで、共通の標識としてつかうという方法、 3つめは巣仲間の標識を学習し
前者は受け入れたい相手のほとんどと受け入れたくない相手の一部がもっている標識で
)にもちいて自分自身の標識を比較
s
c
t
a
l
p
m
e
t
それを無条件に認識 11.'1における比較の基準 (
ある。後者は受け入れたい相手の一部がもっており受け入れたくない相手のほとんどが
の JμIf~ にはしないという万法である。女王が複数回交尾 して栄仲間認識が円滑に機能し
もっていない標識である。前者には受け入れたくない相手の 一部を受け入れてしまうと
ているものでは、これらのうち少なくともどれかひとつを必ず係川しているはずである。
いうリスクがあり、逆に後者には受け入れたい相手の 一部を排除してしまうというリス
L来のものかというちがいが
l
l吊 1と 2吊 1の方法は、その山来に逃伝的なものか探境 I
クがある。本章のモデルで寛容型の識別ルールを採用した場合には前者、排他型の識別
体を平均化するというものである。それ に対し 3番目の方法は、
あるが、どちらも以誠仁i
ルールを採用した場合には後者のタイフ。の標識を使ったのとそれぞれ同じことになる。
)
a
必r
l
l
c
sm
i
p
A
体を機能させる仕方にかかわっている。セイヨウミツバチ (
I
i
必識する能ノ)'
sをもちいることが有利になるのは、
e
u
'c
t
n
e
s
e
r
p
. によると、、 D
J
la
Shcrmanc
0
4
1
1
4
1
(1)相互
(2)受け入れたい相手を受け入れ
作用する相手の大部分が受け入れたい相手であり、
たときの適応度の利得が大きく、
第 6章
総合考察
(3) 受け入れたくない相手を (誤って)受け入れた
ときの適応度の損失が小さい場合である。 一方、
sをもちいることが有利
e
u
'c
t
n
e
s
b
a
U
、
つかった内容にこれ
になるのは、 これら 3つの条件が逆であるときである。本研究であ
s、 Meliponapanamicaで
e
u
'c
t
n
e
s
e
r
p
l間認識では、 D
らの条件を対応させると、通常の巣イr
観祭された巣内での血縁認識やコロニーをくりかえし撹乱したときの巣仲間認識 (3sをもちいることがそれぞれ相対的に有利になりやすいと
e
u
'c
t
n
e
s
b
a
4)では、 U
考えら
れる。 このことは、本章でおこなってきた考察の内容とよく一致する。
1縁認識に関する本研究の内符からねられた結果を、本市
1
(
攻略と 1
i
!
l
f
ハリナシバチの繁 f
ではハチ目(Hymcnoptcra)の社会性昆虫の進化というひとまわり大きな炭引のもとで巧-ぇ
I間認識をふくむ血縁認識の研究は、 これまで、
I
I
る。ハチ目の社会性昆虫において、W:{
sh~め
、 アシナガバチ (
c
)
l
s
i
m成
l
u
o
P
s
s
o
l
g
o
i
s
)、 コハナバチ (
a
a
L
とr
f
i
l
l
c
;m
C
:
l
p
A
ミツバチ (
ア
J 1986;Michcncr&Smith,1987;
.
,
ta
リ類 (Fonnicidac)を中心におこなれてきた (Gむ nboac
;Gctz,1991)。 このなかでコハナバチは、
1
9
9
n,]
o
s
s
i
a
;J
7
8
9
t,1
t
c
n
n
c
B児 吋 &B
'l.独性のも
q
、
〉
メ
)そのものの進化について、 つ
s
e
u
c
社会性昆虫の巣仲間認識や血縁認識における標識 (
面
後あきらかにすべきことを、大きく 2つの側面から考えることができる。 ひとつの側
は、標識となるべき形質の表現型レベルでの多様度の推定である。単一のコロニー内の
オスの体表化学成分のパターンが、 さまざまな種で、 またその中のさまざまなコロニー
でどうなっているか。女王の交尾回数のわかっているコロニーでのメスの体表化学成分
のパターンはどうなっているか。あるいは、人工受精などにより系統関係のわかってい
る伺体どうしでこれを比較するとどうなるか。 さらにまた、体表成分の中にふくまれる
特定の物質で、血縁認識や巣仲間認識に適した大きな種内変異をもつものがあるかどう
か。そして、泣伝的な要因と環境要因を分自在するため、そうした形質を量的遺伝学の方
秤析することも必要であろう。 もうひとつの側面は、そのような多様性をもっ標識
法でf
の発現を可能にする分子生物学的な機構の解明である。 ここではむしろ、 せきつい動物
でおこなわれている MHCなどの免疫機柿との関連性をさぐる研究などを参考にしなが
コ
、
t
これに対応するようなメカニズムのありかたをさぐっていくべきであるかもしれな
)が示唆したように血縁認識のための標識が 1遺伝子座支配で決
4
9
9
1
.(
J
。 Sasagawacla
い
まっているとしても、その分子生物学的な機椛の解明は、たいへん興味深い課題である
というべきだろう。
のから Lasioglossumzcphyrumのような低次真社会性のものまでのさまざまな段附の磁を
ふくみ、 ミツバチやハリナシバチをふくむ社会性ハナパチ類の進化を考えるうえで主民
なグループである (Michener,1974;坂上, 1970; 1992)。
血縁認識にかかわるコハナバチの研究は、
cphyrum を'1'心に、おもに配{凶行動と
.z
L
)。
7
8
9
;Smith& Ayassc,]
7
8
9
よ~{'II 間認識に集中しておこなわれてきた (Michcncr & Smith,]
'問認識
I
H
'
)
'
!
1
'
問認識のしくみをミツバチやハリナシパチにおける _
cphyrum における巣イ1
.z
L
nfJ認識や血縁認識
l
l
n縁認識のそれと比較することは、巣イI
(
やr
・えるうえで
5
1
般の進化を J
n認識において、認識され
r
も興味深い。木積におけるよく知られた研究によれば、 t~HII :
)は辿伝的な要因でほぼ決まっているが、認識する側のの比較の
s
e
u
c
る側の個体の標識 (
g,
r
c
b
n
c
c
r
G
)は巣仲間の標識を学習することによって羽化後に習得される (
s
c
t
a
l
p
m
c
t
基準 (
)。
1
8
9
;Bucklc& Grccnberg,]
9
7
9
1
)を羽化後に習得することは、
s
c
t
a
l
p
m
e
t
あとの点、すなわち認識の lír~t (
F
これまでに N
究がなされた他の社会性昆虫においても共通しているようにおもわれる(Brωd&Bcnnctt,
apanamicaで、ぬ奈良
n
o
p
i
J
aminagkabau と Mc
n
o
g
i
r
)。本研究のハリナシパチでも、 T
7
8
9
]
縁者があとで導入された白分の妹を攻繋するのが飢然さ
1
f
I
箱に導入し受け入れられた非 r
れた(第 3章)。社会性昆虫は、 自然状態では血縁者によって営まれる巣の巾に羽化し
そして、 このような方法で標識の多段性の度合いとそれをうみだすしくみがあきらか
見は、 その標識をもちいた血縁認識による適応上のコスト・ベネフィ
になれば、その匁 l
ットがどのようなものであるかをあきらかにするのに役立つであろう。
てくるので、それらの巣仲間の標識を学習して認識の基準にもちいるのが、 ~{'llnn 認識
を村~成するメカニズムの一部分として有効であり、
またそれが広い意味での血縁認識と
間jに
しでも機能することだろう。 しかし、 M.panamicaでみられたように羽化直後の巣仲
対する血縁度の識別が同 1寺に存在するためには、w:仲間の標識を平均的に学習するよう
142
3
4
1
なしくみだけでは不十分で、自分白 身が保持し ている標識 との照合 (
表現型をつ うじた
l
U
l縁度の「測定 J)が何らかのかたちでおこ なわれてい なければならない。こうした 認
識する側の Mt
l
g
が個体の生涯の巾で どのように発達 し変化していくかとい う問題に関し
ては、今後研究をおしすすめていく べ き未知の領域が大きくのこされてい る。
これに対して前者 、すなわ ち認識 される側の標識 (
c
u
e
s
)をかたちづくる要因について
は、社会性昆虫のグルー フに よっ て異な り、低次真社会性のコハナパチでは遺伝的な要
因が大き く
、 高次真社会性のア リ類やミツバチでは羽化後の環境条件によ って変化する
要因が相対的 に大 きい とされている(低次真社会性のアシナガパチでは、環境要因が重
要 とされ る一方 で、遺伝的要因も 重要である可能性があるとされている) (Mi
c
h
e
n
c
r&
S
m
i
t
h,1
9
8
7
;B陀 ω&B
e
l
u
1
c
t
t,1
9
8
7
)。本研究の結果か ら、ハリナシパチも、巣仲間との接
触や餌による標識の変化というほかの高次真社会性のものと共通のパターンをとること
が強 く示唆された(第 3章、第 4草)。こうした大まかなパターンからとはいえ、社会
性の進化の度合 いと巣イ'1'問認識をふくむ血縁認識の進化の道筋の関係について、ここで、
今後検証をお こなう 土台となるべき仮説を 示 しておくことができるようにおもわれる。
昆虫におけ る社会性の進化の道筋については 、 これまでにもさまざまなシナリオが示
されてきているが(たとえば Mic
he
n
er
,1
9
7
4
;坂上、前田, 1
9
8
6
) 、基本的にはいずれも、
巣の中で子育てを娘が手伝う ・創設メスが協同で、
巣づくりをおこなうといった、コハナ
バチ、ア シナガバチなどにみられる比較的少数の個体からなる未分化な段階の社会から、
繁殖力一ストと労働力一ストの形態的な分化をともなうミツバチ、ハリナシパチ、アリ
究
員などにみ られるタイフ。
の社会への進化を考 えてきた。このことと同時に、栄仲間認識
のための標識が低次真社会性のものにおいて泣伝的な比重が大きく高次真社会性のもの
におい て栄 に共通な環境要因(餌 、巣仲間の標識)で変化する部分の比重が大きいこと
を考えあわせる と、それぞれのタイプの社会において個体に作用する自然選択の性絡の
ちが いについて 、次のよ うな考委4
にみちびかれる。
個体数の少ない未分化な社会 においては 、個体に対する自然選択がよりダイレクトに
作川 し、個体がグルーフに 「溶かし込まれる」以前の 、相対的にせまい意味での血縁認
識が重姿であると考 え られる。たとえば、あたらしく羽化してくる個体がその栄にのこ
って子育 てを 手伝うヘルパーにな るかそれとも独立 して創設メスになるかという選択肢
1
4
4
をもっ 場合、あるい は、別の個体と 協同 であた らしい巣の創設メスになるという場合、
個々の個体は、巣仲 間認識以前の血縁認識の能力をもつかど うかによってその包指適応
度を大きく 左右されるであろう。そのような能力をも つ ことは、 巣の防衛に必要な巣仲
間認識を機能させることにも有効に作用し、結果 として社会性の進化を おしすすめるの
にも役立つであろう。しかし個休の選択肢が大きい条件のもとでは、血縁認識が巣仲間
認識に完全 にのみこまれてしま うことはないと予想される。
一方、カーストが形態的に分化し、分封でしか繁殖できないタイフの社会に達すると 、
ワーカーが血縁者への 一見利他的な行動をつうじて結果的に 自分の遺伝子 をのこし てい
ることにはかわりないとはいえ、その成功の度合いは、コロニー全体の防衛力や 生産 力
といった間接的な要 素に大きく依存することになる(第 2章)。そのため、ワーカ ー に
とっては、せまい意味での血縁認識よりも、その変形したものとしての巣仲 間認識の能
力を高める方が、自身の包括適応度を大きくするのに役立つ機会が多くなるだろう。奴
隷狩りをするアリのような労働寄生性のもののなかには、労働寄生する相 手の巣の標識
に自分の標識を 一致させるものや、奴隷となる種のわかい個体に自分の標識を 学習させ
てしまうものが存在することが知られている(B
r
∞d&Bennett,1987)。こうした戦略は、
巣仲間でひとつの標識を共有するという木来巣の防衛を効率化するためのものであった
機構を逆手にとって、むしろそこから搾取することを可能にするべく進化してきたもの
であると理解することができる。個体ごとに異なった遺伝的な標識のちがいを認識する
コハナパチのようなタイプの社会に対してこうした方法をとることは、非常にむずかし
いにちがいない。高次真社会性のハナバチを代表するセイヨウミツバチ (Ap芯 me
J
I
必r
a
)
のように、女王が複数回交尾するため巣仲間どうしのあいだで狭義の血縁認識が存在す
る可能性に注目して数多くの研究がおこなわれてきた昆虫においてさえ、そうした個体
レベルの認識はあまり 重要な役割をはたしていないという議論が近年ではなされるよう
になっている (
Mo
r
it
z
,1
9
9
1
)。それによると 、ワーカーが姉妹 ・半姉妹・非血縁者を識別
する行動をミツバチの系統問で比較するとその遺伝分散が大きいことから、この能力 を
つよめる方向にはあまり大きな選択圧がかかっておらず 、むしろコロニーレベルの選択
によっておさえられているのではないかという。ミツバチが狭義の血縁認識の研究に 向
いているという従来の期待が裏切られつづけてきたのは 、個体だけに作用する 自然選択
1
4
5
に焦点をあわせることができず、いろいろなレベルに作用する選択を分離することがむ
j、餌)が
j
i}
f
することができる。ただし、木研究の実験方法では、羽化前の環境条件 (
zは論じている。
t
i
r
o
ずかしいからだ、と M
Zを認識しているという証明
j
E
jなi
l
l伝(
l
標識におよぼす影響を分離できていないので、 i
)は、ここからさらにすすんで、このような生物に複数のレ
2
9
9
1
k(
c
i
w
h
t
u
o
z& S
t
i
r
o
M
s (超個
m
z
i
n
a
g
r
o
r
e
p
u
ベルで姑抗的にはたらく自然選択の実態を理解しやすくするため、 s
n(1990) による「去の rfrl 紋認識 J の Jμ~f; をみたして
c
f
a
r
はできていない。したがって、 G
1},',~では刊:られていない。
.
1
いるとはいえない。しかし、その可能性を否定する証拠も、引1
体)という用語を復活することを提案している。これは古いグルーフ選択説の復活では
組個体のみかたでは、コロニーの成長を、例体の成長に似たものとしてみる。したが
なく、血縁選択説などにもとづく最近の研究の成果をふまえて、これらをいわばことば
って、個体と同様に、コロニーにも成長のステージと繁航のステージがあり、そのあい
の上で理解しやすくするためのものとして提案されているものである。その説明によれ
だのきりかえの時期があると予測することができる。植物の成長と繁殖のきりかえをめ
ば、必個体は、それ自体個体のあつまりであるが、圧の成長と似た仕方で成長し、もう
段階のモデルに似た考えかたを、ハチのコロニーにもつかえるだろう。しかし
ぐる最適 i
ひとつの必個体をつくりだすことによって繁殖する。ミツバチやハリナシバチのコロニ
Jの利
f
l縁度のちがいや羽化した│時期のちがいにもとづく例体 n
l
l
もっとくわしくみれば、 J
ーは「必個体 J である。つまり、このようなハチの コロニーは、個体が成長して次の世
害の「ずれ J が、繁殖へのきりかえの時期の決定にも関与しているはずである。これが
超個体 Jの繁殖競争は、コ
r
変数に入ることで、繁殖時期の決定の過程は、植物のような普通の個体におけるものよ
代の個体を産むように、次の「世代 Jのコロニーを生む。
ロニーサイズやコロニーの生産力といったそれ自身のレベルに固有な形質に対する選択
をつうじて、
「超個体 J を梢成する個体の遺伝子頻度に影響をあたえるだろう。ただし、
普通の個体が成長するとき、その個体をかたちづくる細胞問の「血縁度 j はすべて受精
卵のクローンなので 1であるのに対し、ハチのコロニーの場合、コロニーをかたちづく
りもず、っと複雑なものになっているはずである。しかしこのような方向で考えなければ、
l緑認識のシス
f
i のワーカー産卵の有無や、これに関述した r
'
:
l
S
n
aぬ n
r
0
. baJTO∞1
たとえば S
テムの全体像を、十分に理解できるようにはならないだろう。
tに注したグループに共通する
I
r縁認識は、高次真相:会 '
i
ハリナシパチの栄仲間認識と J
活性にもとづく さまざまな特徴をも
境問各の多 4
'
i
I
とおもわれる性栴をもっ一方で、その繁折(
る個体問の血縁度は平均してつねに 1より小さい。
「超個体 j 問の認識である巣仲間認識は、個体問の認識である免疫現象
ち、今後の解明に待つべき各種の問題をなげかけている。その背後からみえかくれする
超個体J では、コロニーを構成する
r
のは、自然界に遍在するとおもわれる「逃伝子問 J の相互作用が、それぞれの例体のな
個体のあいだにまず血縁度のばらつきがあり、それにくわえてコロニ一間の血縁度のよ
かで、また個体を越えてそれぞ、れのコロニーのなかで、さらにコロニーを必えてそれぞ
り大きなばらつきがある。こうしたコロニー内の個体問相互の認識とコロニー問の個体
れの種の他のコロニーや他の磁の個体とのあいだで、ときには払=抗しあいながら、さま
の認識である巣仲間認識の双方が、結果としてシステム全体をかたちづくっている。そ
ざまにせめぎあう姿である。こうした動きつつ、けてやまない地球 kの大きな進化の流れ
のため、個体問の差災の論理としての血縁認識と、同質的な集団の論理としてのコロニ
のなかでこそ、生物はその血縁認識の能力を生みだしてきた。遺伝的な技館をふくめた
一間の認識とが、災なるベクトルをもっ選択圧にそれぞれ反応することにより、微妙な
血縁認識に関する広範囲の比較研究を、このような展望のなかでおしすすめることで、
lでは、巣仲間認
Ce
│児係をはらみながらも互いに姑抗しあうことになる。事実、 M.panami
今後、生物界のさらなる未知の側面を、ときあかすことができるにちがいない。
したがって、
などにくらべて一段階複雑な柿造をもっている。
識があると同時に、羽化直後の個体に対して血縁度に応じた識別行動がみられた(第 3
f,i)。これは、ワーカー産卵があるために高次真社会性でありながらシステムが全面的
に栄仲間認識へと流れてはしまわず、認識する側の個体の利益にもとづいて羽化直後の
個体を識別できる程度に、遺伝的な差異を認識するしくみが維持されてきたものと推測
146
7
4
1
[行動
従来血縁認識 の研究が数多 くおこなわれ てきたミ ツバチでは、ワーカーによる戸初i
要約
i類のハリ
f
Jf究では、I}t
が、女王物質 によって非常 に低い頻度に おさえ られている。本 f
動物の炉!体併において、繁殖に泣肢かかわる性と血縁関係は、個体問の社会的関係を
生みだす進化的な要因として、重要な役割を果たしている。このような観点から近年、
動物の社会行 動の進化生態 学的な研究、 すなわち行動 生態学的な研 究が、急速な 発展を
ナシバチをもちいて、ワーカーの繁 ffil彼自白とよ~{II' 問および rrll 縁者の識別行動を比 11皮した。
,
戸 nl
a、 Mch
J
u
l
s
u
g
n
u と、新熱北:に分布する T.a
a
b
a
k
g
n
a
n
i
am
n
o
g
"
アジア産の Tn
j
:
(
束f
panam問、
)
i
;
である。(第 1i
I
T
i
f
問 、 以 上 の 4:
l
c
d
a
r
o
J
o
c
o
r
r
a
lb
m
o
g
i
r
l
o
l
p
a
c
5
)の社会進化は 、そのなかで も中心
a
r
e
t
p
o
n
e
m
y
H
l縁選択をつうじたハチ同 (
l
f
とげてきた。 I
観察したハリナシバチのワーカーの繁殖戦略には、 3つのタイプのものがふくまれて
的なテーマのひとつである。
)に近縁な高次真社会性のミ
e
a
n
i
p
A
)は、ミツバチ亜科 (
e
a
n
i
n
o
p
i
l
e
M
ハリナシバチ亜科 (
?地域の他物の送粉者として霊安な生態、的地位を
i
)のハナパチ類で、熱 f
e
a
d
i
p
A
ツバチ科 (
占めている。全世界での積数がミツバチの 8積に対して約 400種と多く、そ の社会行
動も多段であ る。本研究で は、ハリナシ バチのワーカ ーの繁殖戦略 と血縁認識の 関係を
疫を中心とする方法によってあきらかにすることを試みた。
1
沼間比1
。 M
aでは、ワー カー産卵はま ったくみられ なか った
J
u
l
s
u
g
n
uと士 a
a
b
a
k
g
n
a
n
i
いた。士 m
aでは、給餌 された育房の なかにワーカ ーがオス卵を 産んだ。しか しこの産卵は
c
i
m
a
n
a
p
しばしば女王 に妨害され、 ワーカーの産 んだ卵の半分 は女王に食わ れた。ワーカ ーがオ
ス卵をのこす ことのできた 育房は全体の 1%であった。
旨の場合、ワ
i
s
n
c
d
a
r
o
J
o
c
o
r
r
a
.b
5
ーカーは女王 に食わせる栄 養卵とオスを 産むための生 殖卵とを産み 分けた。この ふたつ
切を認識し、それによって巣の防衛をおこなうことはよく知られて
r
社会性 μ虫が栄イ11
のタイプの卵 は形も異なり 、生殖卵が育 房のなかに産 まれたのに対 し、栄養卵は 育房の
いる。しかし 、これまでに さまざまな社 会性昆虫を対 象とした数多 くの研究で、 巣仲間
ふちに産まれ た。小型のコ ロニーでは栄 養卵しか産ま なかったが、 大型のコロニ ーでは
1米のにおいの 成分もつかわ れており、グ ループの認識 とも解釈でき る
1
の認識には探 JJ'~ 1
場合のあるこ とがわかって いる。また一 方で、遺伝的 な要因にもと づく認識がた だちに
l縁認識 J を意味するとはかぎらないということも指摘されている。そのため、
U
1の I
)
「
迎切なレベル の遺伝的要因 にもとづく狭 義の血縁認識 の能力を巣仲 間認識から分 縦する
ことが必2rである。ハリナシバチは、その社会行動の多岐性のゆえに、種間比較を通じ
てこうした問題にアフローチするのに迎している。
ハリナシバチ では、ワーカ ーによる繁殖 への寄与のし かたに、積に よって異なる さま
7房が全体の JO-25
両方のタイプ の卵を産み、 後者の場合ワ ーカーが生殖 卵をのこした 7
%に達した。ワーカーにとって、栄養卵は女王をつうじたコロニー全体への投資だが、
生殖卵はより利己的な次世代への投資で、ある。小型のコロニーでは、
m全体のエネルギ
ーのフローが小さく天敵に対する防御など巣の生存の条件もよくない。また炉1{~~1l 全体
が繁殖シーズンにはいっていなければ、オスを産んで、もそれがほかの巣の走行女王と交尼
できる見込み は少ない。逆 に大型のコロ ニーでは、巣 全体のエネル ギーのフロー が大き
く巣の生存の 条件もよい。 このような条 件のときには 、オスが交尾 できる見込み も大き
sのワーカーはコロニーサイズに応じて次│立
i
s
n
c
d
a
r
o
J
o
c
o
r
r
a
.b
S
ざまなタイプ のものがみら れる。そのな かには、女王 存在下でのワ ーカー産卵( 未受精
いだろう。このように、
卵からオスがうまれる)が高い頻度でみられるものから、 ~uJ切に卵巣が完全に退化して
代への投資を 切り替えてい るのではない かと推測され る。これらの ハリナシバチ のワー
.でもワーカー が産卵しない ものまでがふ くまれる。こ うしたちがい は 、巣内
j
l
火王死亡I
線認識の有無 のちがいを生 みだす可能性 がある。ワー カーが直接オ ス卯を
l
1
I
の狭義の 1
で、
カーには羽化 後の日齢に応 じた分業があ り、卵を産む のはわかい内 役個体で、巣 の略奪
をおこなえる ような外役個 体は卵を産ま なかった。( 第 2章)
1
'
問認識があれ ばよく、巣内 での狭義の血 縁認識
比まない場合、分対 1寺をのぞけば、巣イ1
をつうじた識 別行動はなく てもよい。反 対に、ワーカ ーがオス卵を 産む場合には 、この
能ノJをもつことが進化的に有利になる。このことは、包活迎応皮の理論から予測できる。
8
4
1
次に、このよ うなワーカー 産卵の有無に 注目しつつ、 この 4:fillにおける巣仲間および
すの実験には、
:
l
s
n
c
d
a
r
o
J
o
c
o
r
r
a
血縁者の識別行動を比較する実験をおこなった。ただし、S.b
9
4
1
ワーカーによる生殖卵の産卵のない小型のコロニーのみをもちいた。
結果は、おおむね包活適応度の理論から予測されるとおりのものであった。すなわち、
Uのハリ
│l
二
:1j別分析すると、 ー
!
'
Y
かふたつのものが多かった。例体ごとの多数の資料を正 i
J
I
I
問先があることがわかった。さらに川内でもコロニー I
ナシパチ 4:fiHで、その組成に有i
l来の外役個体を巣のなかに導入すると、どの種でも、すべて攻撃されて殺
まず、他栄 r
iによ
f
i
差があるほか、コロニー内でも個体によるぱらつきがあった。これは羽化後の 1U
された。これは社会性昆虫で広くみられる巣の防衛行動(巣仲間認識)と解釈できる 。
って変化し、人為的に他j誌に似た環境で「条件づけ J をおこなうことによっても nl~ 分i'1~
aでは、羽化直後のワーカー
1
u
l
s
u
g
n
.a
uと T
a
b
a
k
g
n
a
n
i
.m
また、ワーカー産卵のない種 T
n縁認識の標識として十分な表現型レベルの多機
[
に変化した。つまりこれらの成分は、 1
l来のものであってもほとんどすべて受け入れるのに対し 、約 1%の育房にワー
t
を他巣 [
性をもっており、またその個体発生のパター ンは 、羽化後の後触で互いの標識がまざる
l縁者のワーカーの約 50%が殺
l
f
2 では、羽化直後の非 r
1ι・
n
a
n
a
カーが卯をのこした M.p
)
江
i
J:
という識別行動の観察にもとづいて批測されたフロセスとも一致する。(加 I
s
I
i
即
幻
幻
s
.
広
郎1
f
e
a
化
a
r
o
'
わ
1
1
0
ω
c
o
r
r
a
I~ なる S. b
された。ワ一カ一産卵の有 1無照がコ口ニ一サイズによつて 5具果史
合、実験につかったワーカー産卵のない小さなコロニーで、は、羽化直後のワーカーを他
r縁認識ための標識としてつかわれる体表成分を決める対立遺伝子の以皮が、
r
f
次に、 l
巣由来のものであってもほとんどすべて受け入れた。つまり 、巣仲間認識はどの種でも
識別の効率とどのようにかかわるかについて、簡単な遺伝学的モデルをつかつて考去をを
みられたが、羽化直後の個体に対する巣内での血縁度の識別は、ワーカーがオス卵を産
くわえた。この場合、認識の基準としてもちいられる標識と、それにもと づく認識やそ
むときにのみみられた。
の結果としての識別行動を 、区別して考えなければならない。認識にかかわる辿伝子や
a以外の種でも、羽化直後の導入個体に対する反応をくわしくみると、触タ]
c
I
1
n
a
n
a
M.p
識別行動をするための遺伝子と、標識を発現させるための遺伝子は、強く辺鎖しないか
でさわるなと、の行動は 、非血縁者に対して有意に高頻度でみられた。つまり 、これらの
1縁者1
1
r縁者をほかの個体から見分けるためには、 1
r
1
たちで進化すると考えられている。 1
積では、羽化出後のちがいを認識していたが、非血縁者を排除するという識別行動をと
l縁者とは迫った枚倣しにくい特徴をも っていなければな
r
(
が、自分によく似た特徴で非 r
らなかった。
l縁者だけが日い確本で共イ jして
l
(
らない。これは、自分がもっている希少な遺伝子を、 1
また、導入前の個体に、導入先の巣に似た環境で「条件づけ J しておくと、他巣由来
いるということを意味する。したがって、標識を支配する対立遺伝子の頻度が小さいほ
併が
f)
のものでも受け入れられやすくなり、逆に他巣に似た環境で「条件づけ」しておくと、
1縁者識別の効率は高くなる傾向があり、その結果、集団全 体ではこの泣伝
1
1
、 1
ど
同巣のものでも受け入れられにくくなった。これは、羽化後に同じ環境条件におかれた
多型化するだろう。また、識別の基準をきびしくすると、血縁者-を殺して しまう 椛本も
ことや個体問が互いに接触したことなどによって、認識にもちいられる個体の標識が互
高くなる 。さ らに、二倍体の生物よりもハチのような単供数体の生物の方が、認識のた
いにまぜあわされた結果と解釈できる。このようなプロセスは、自然条件下で巣仲間認
)本よく
めの標識が 1遺伝子座支配で決まるというような単純な仮定のもとでも、 よりえJ
第 3章)
(
血縁認識をおこなうことができる。これらの予測によ って 、実験から符 られたデータの
識の効率を市めるのに役立つだろう。
パターンをよく説明することができた。
こうした識別行動には、かならず触角で相手のからだにさわる行動がともなう。その
I(rl 縁認識システムの遺伝的な lJ~ を尖花的に解
明することが、この分野にのこされた今後の大きな課題であろう。(第 5本)
ため、認識のための標識として体表の化学成分がもちいられていると推定された。そこ
で、これらの成分を、ガスクロマトグラフィーや GC-MSなどをもちい て分析した。
ミツバチやハリナシバチなどの高次又社会性は、より単純な社会性の段│併か ら進化し
その結果、体表化学成分のほとんどはさまさやまな炭化水素であることがわかった。炭化
1
!
J
縁認識とW:{
l
f
1
てきたと考えられている。おそらく社会進化の初期の段│併から、狭義の l
水素としては、炭素数 23から 33までの奇数のもので、直鎖または二重結合がひとつ
問認識の双方が血縁選択に有利にはたらいたで、あろう 。そして社会進化がすすみ、コロ
150
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ニーサイズが大きくなるにつれて、
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くなってきたのであろう。狭義の血縁認識をもたらす遺伝的な基盤があったことも、巣
皮を市めるのに役だ、ったであろう。そしてワーカーが生殖卵をうむような
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砲では、狭義の血縁認識が維持され、巣イ1
化してきたのではないだろうか。しかし、こうした惟測を確かめるには、今後いっそう
者に
多くの純で比較研究を進めなければならない。その際に考慮、すべき問題点を、第 6J
おいて論じた。
木研究をおこない完成させるにあたって、非常に多くのみなさんが、さまざまな而か
ら力強くささえてくださいました。こうしたご支援がなければ、木研究を完成させるこ
とはできませんでした。みなさんに、深く感謝の言葉をもうしあげます。
京都大学生態学研究センター(元農学部昆虫学研究室)の故・井上民二教段には、本
ω のデータと
研究の構成上欠かすことのできない第 2章および第 3章の Mcliponapanan】i
s のデータの一部を快く促供していただいたうえに、
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第 2章の Scaplol
研究上のあらゆる面にわたって、考えうる限りの懇切なご指導、ご支援を賜わりました。
7年9月にサラワクでの突然の飛行機事故で亡くなられるすこし前、電話でこの論文の
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原稿についてコメントをいただいたのが最後の会話になりました。このとき、それまで
幾度にもわたってご指導をいただき、それにしたがって修正をくりかえしたこの論文の
原稿に関して、修正すべき箇所はもうない、というお言葉をいただいたのでした。
京都大学農学部昆虫学研究室の久野英二教授からは、研究のはじめからおわりまで、
たえず有採なご指導とあたたかいはげましのお言葉を賜わりました。
高藤晃雄教授、大崎直太博士、西田隆義博士、矢野修一博士をはじめとする同研究室
のみなさんからも、さまざまな面からのご助言とご協力をいただきました。
有に
2年のパナマでの初任と訓j
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スミソニアン熱帯研究所の D
あたって、うけいれに尽力してくださったばかりでなく、熱帯におけるハナバチの生態
学的研究に関して、実地に、さまざまな角度か ら、懇切に、指導してくださいました。
同研究所のスタッフのみなさんからも、バロコロラド島での 4か月間の滞在と訓交のた
めにさまざまなご支援をいただきました。さらに、バロコロラド島に滞在した期間中、
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たちから、惜しみない友情と協力をうけました。
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シバチの巣を提供してくださいました。
島根大学農学部の前田泰生教授、手塚俊行博士、石田一博さん、そのほかのみなさん
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は、ハリナ シパチの日 本での困難 な飼育、管 理に力をつ くしてくだ さり、また 研究上の
有益なご助 言、ご協力 を数多く賜 わりました 。
最後に 、 研究の生活をつづけたいというわたしの気持ちを:Qn~~~ し、物心阿而にわたる
援助を惜しみなくそそいでくれた両親、敬 一 ・ 美和1 と、妹、令子に(~~く感謝します。
京都大学農 学部農薬研 究施設の高 橋正三教授 、福井 昌夫博士、 武川恒博士 は、体表化
学成分分析 の伎術修得 のために多 大な労力 をさいてくださいました。
京都工芸繊 維大学繊維 学部の山岡 亮平助教授 は、体表炭 化水素の構 造決定をし てくだ
さり 、また化学 的な分析の ためのあら ゆる有益 なご指導と ご助言 を賜わりま した。実験
1'1を懇切におしえてくださっ た久保はる みさんをは じめ、同研 究室のその ほかのみな
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さんにも 、化学分析 の手法 を修得し 実験 を進める上 で、たいへ んお世話に なりました 。
0年にインド でひらかれ た国際
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社会性昆虫 学会での発 表1
訂博士から
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民主なコメ ントをいた だきました 。インド生 態学研究セ ンターの R
4年にフラン スでひらか れた国際社 会性昆虫学 会で、有益 な
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0年にインド、 1
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、 1
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コメントと 得がたいは げましのお 言葉をいた だきました 。
このほか、 すべてのみ なさんのお 名前をあげ ることはで きませんが 、 坂 上 昭一 博士、
ommeijer博士、佐々 木正己博士 、小
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、 M.J
士
学
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野正人 I~'l- 士、手了旧 JE- u青 IW 士、笹 川 浩美同士 、伊藤嘉日百 |専 士、長谷 川英祐博 士 、辻手口希博
士 、伊藤文紀!専士、寸l村浩 二 同士、加藤 真降士、曽 田貞滋博士 、市野隆雄 博士、大津 直
塚
哉 I~j. 士、 jfJ 谷岳彦 IW 士、厳 圭 介防士、市岡孝朗博士、長坂幸吉博士、五箇公一博士、
l-士、小川秀司同士、日高敏隆博士、山田勇博士、福井勝義博士、
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~'j. 士、 t/l'6狼星氏、黒田真氏、大和清氏など、さまざまなみなさんから、折りに
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ふれてあた たかいご教 示やはげま しをいただ きました。
R所長をはじ めとする長 野県自然保 護研究所の スタッフの みなさんに も、論文の
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宮J
完成にあた ってさま ざまなご支 援をいただ きました。 中でも、堀 田昌伸博士 、井田秀行
1士 、│位斉氏には パソコンの 使用に関し て便宜をは かっていた だき、田所 恭子氏は第 4
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iの入力の一 部を手伝っ てください ました 。 生 活 環 境 部 を は じ め と す る 長 野 県 峨
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草の文 1
員のみなさ んか らも有形無 形のさ まざまなご 助力をいた だきました 。
ここにお名 前をあげる ことのでき なかった方 々もふくめ 、みなさん に、こころ からお
礼も うしあげます。
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山岡亮平
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山岡亮平
. 社会性昆 虫の多様 性と化学 情報物質 述鎖一体 表炭化水 素の多般 的;とケ
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. 社会性膜 麹目の性 比の理論 . 松本忠夫 、東正剛 共編『社 会性昆虫 の
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. 海海舎,東京.
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. 動物の社 会的干渉 について の実験的 ならびに 理論的研 究. (京都大学
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央公論社,東京.
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