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NCS/VTCS
NCS/VTCS NCS/VTCS について MVS ソフトウェア バージョン 6.2 E28880-01 2011 年 4 月、リビジョン 01 このマニュアルに関するご意見は、[email protected] にお送りください。 Copyright © 2006, 2010, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. このソフトウェアおよび関連ドキュメントの使用と開示は、ライセンス契約の制約条件に従うものとし、知的財産に関する法律により 保護されています。ライセンス契約で明示的に許諾されている場合もしくは法律によって認められている場合を除き、形式、手段に関 係なく、いかなる部分も使用、複写、複製、翻訳、放送、修正、ライセンス供与、送信、配布、発表、実行、公開または表示すること はできません。このソフトウェアのリバース・エンジニアリング、逆アセンブル、逆コンパイルは互換性のために法律によって規定さ れている場合を除き、禁止されています。 ここに記載された情報は予告なしに変更される場合があります。また、誤りが無いことの保証はいたしかねます。誤りを見つけた場合 は、オラクル社までご連絡ください。 このソフトウェアまたは関連ドキュメントを、米国政府機関もしくは米国政府機関に代わってこのソフトウェアまたは関連ドキュメン トをライセンスされた者に提供する場合は、次の通知が適用されます。 U.S. GOVERNMENT RIGHTS Programs, software, databases, and related documentation and technical data delivered to U.S. Government customers are “commercial computer software” or “commercial technical data” pursuant to the applicable Federal Acquisition Regulation and agency-specific supplemental regulations. As such, the use, duplication, disclosure, modification, and adaptation shall be subject to the restrictions and license terms set forth in the applicable Government contract, and, to the extent applicable by the terms of the Government contract, the additional rights set forth in FAR 52.227-19, Commercial Computer Software License (December 2007). Oracle USA, Inc., 500 Oracle Parkway, Redwood City, CA 94065. このソフトウェアもしくはハードウェアは様々な情報管理アプリケーションでの一般的な使用のために開発されたものです。このソフ トウェアもしくはハードウェアは、危険が伴うアプリケーション (人的傷害を発生させる可能性があるアプリケーションを含む) へ の用途を目的として開発されていません。このソフトウェアもしくはハードウェアを危険が伴うアプリケーションで使用する際、安全 に使用するために、適切な安全装置、バックアップ、冗長性 (redundancy)、その他の対策を講じることは使用者の責任となりま す。このソフトウェアもしくはハードウェアを危険が伴うアプリケーションで使用したことに起因して損害が発生しても、オラクル社 およびその関連会社は一切の責任を負いかねます。 Oracle は Oracle Corporation およびその関連会社の登録商標です。Oracle と Java は Oracle Corporation およびその関連企業の登録商 標です。その他の名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。 AMD、Opteron、AMD ロゴ、AMD Opteron ロゴは、Advanced Micro Devices, Inc. の商標または登録商標です。Intel、Intel Xeon は、Intel Corporation の商標または登録商標です。すべてのSPARCの商標はライセンスをもとに使用し、SPARC International, Inc.の 商標または登録商標です。UNIXはX/Open Company, Ltd.からライセンスされている登録商標です。 このソフトウェアまたはハードウェア、そしてドキュメントは、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセス、あるいはそれら に関する情報を提供することがあります。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスに関して一切の責 任を負わず、いかなる保証もいたしません。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセスま たは使用によって損失、費用、あるいは損害が発生しても一切の責任を負いかねます。 ii NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 まえがき Oracle の StorageTek Nearline Control Solution (NCS) は、StorageTek 社の Automated Cartridge System (ACS) 対応ハードウェアの機能を高めるソフトウェアです。NCS は複 数のソフトウェアコンポーネントで構成されており、それぞれが連携しながら業界トッ プの ACS ストレージソリューションを実現します。 Oracle の StorageTek 仮想テープ制御システム (VTCS) は、MVS ホストソフトウェア で、VTCS をサポートする NCS の一部と仮想テープストレージサブシステム (VTSS) と ともに Virtual Storage Manager (VSM) を構成します。 対象読者 このマニュアルは、VSM ソリューションの購入やプラニングに関わるすべての人を対 象としています。対象読者には、MIS マネージャー、システムプログラマ、ストレージ 管理者、パフォーマンススペシャリストなどが含まれます。 E28880-01 • リビジョン 01 iii このマニュアルの構成 表 1。 このマニュアルの構成 第 1 章「NCS について」 NCS およびそのソフトウェアコンポーネントについて 第 3 章「NCS の FAQ」 詳細情報へのクロスリファレンスが記載された NCS FAQ 第 4 章「SMC クライアント /サーバー機能の使用」 SMC クライアント/サーバー機能の概要と利点 第 5 章「NCS/VTCS ポリ シー」 SMC 6.2 には、テープ割り振りとマウント要求のポリシーを指定する新 しい方法が導入されています。この章では、その詳細について説明して います。 第 6 章「VSM について」 VSM およびそのハードウェアとソフトウェアコンポーネントについて 第 7 章「重要な VSM の利 点と機能」 VSM ソリューションの主要な利点 第 8 章「VSM の FAQ」 詳細情報へのクロスリファレンスが記載された VSM FAQ 第 9 章「VSM の機能」 ソリューションを構成する VSM コンポーネントの連携について 第 10 章「VSM パフォーマ ンス」 VSM によるシステムのパフォーマンスの改善について 第 11 章「HSM/TMM に対 する VSM の利点」 競合するテクノロジーに対する VSM アーキテクチャーの優位性 付録 A「NCS/VTCS の用 語」 VSM 用語の定義 このマニュアルで説明する新機能 リビジョン D および 01 では、技術的な更新および訂正について記載しています。 リビジョン C では、 5 ページの「VTCS/NCS 6.2.0 にはどのような機能拡張があるので しょうか。」が NCS/VTCS 6.2 への新規 SPE に関する情報で更新されています。 iv NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 目次 まえがき iii 対象読者 iii このマニュアルの構成 iv このマニュアルで説明する新機能 目次 1. iv v NCS について 1 Storage Management Component (SMC) 2 Host Software Component (HSC) HTTP Server 2 2 Near Continuous Operations (NCO) 3 MVS/CSC および LibraryStation ExPR と ExLM 2. 3 3 VTCS/NCS 6.2.0 にはどのような機能拡張があるのでしょうか。 5 SMC 6.2 の POLicy コマンドと TAPEREQ 文の機能拡張 6 VTV のアーカイブと再統合 7 Display STORCLAS 8 条件付きの VTV の複製 9 ラージ VTV ページ 9 2 GB/4 GB の VTV 9 MVC あたり最大 65000 の VTV 数 1 VTSS あたり最大で 32 個の RTD スタックマイグレーション 同期複製 E28880-01 • リビジョン 01 10 10 10 10 v DISPLAY 出力の拡張機能 10 INVENTRY ユーティリティー MVCATTR 制御文 11 11 MIGRSEL SCHLIMIT パラメータ 12 CONFIG GLOBAL MAXVTVSZ パラメータ Tapeless VSM 12 ネイティブ IP の複製 3. NCS の FAQ 12 12 13 TapePlex とは何ですか。またどのように定義しますか。 回答: 13 13 SMC クライアント/サーバー機能とは何ですか。またその利点は何ですか。 回答: 13 SMC ポリシーとは何ですか。 回答: 14 14 SMC ポリシーはどのように実装しますか。 回答: 13 14 14 SMC TAPEREQ 文を SMC ポリシー方式に変換する簡単な方法はありますか。 回答: 14 SMC POLicy と TAPEREQ 検索をテストする方法はありますか。 回答: 15 15 UUI とは何ですか。 回答: 15 15 VTCS マネージメントクラスについて教えてください。 回答: 14 15 15 NCS の障害回復のタイプは何ですか。 16 回答: 16 4. SMC クライアント/サーバー機能の使用 5. NCS/VTCS ポリシー 17 19 SMC ポリシーの定義 20 例: 実メディアおよび仮想メディアの SMC ポリシー 20 例: StorageTek DFSMS インタフェースと SMC ポリシー 21 例: TAPEREQ 文と SMC ポリシー 23 vi NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 VTCS マネージメントおよびストレージクラス 24 6. VSM について 25 VSM ハードウェア 26 VTCS ソフトウェア 26 VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature Concurrent DR Test Feature 7. 重要な VSM の利点と機能 8. VSM の FAQ 27 29 33 VSM で得られる利点は何ですか。 回答: 26 33 33 VSM のパフォーマンスは TMM よりも優れていますか。 回答: 33 VSM に移行するとよいデータセットはどれですか。 回答: 34 34 VSM に不適切なデータセットはどれですか。 回答: 33 34 34 VSM の対象データセットを特定できるツールはありますか。 回答: 34 どのようにして VSM にデータセットを送りますか。 回答: 34 35 35 VSM と HSC の VSM 以外の部分はリソースを共有できますか。 回答: 35 35 VSM がサポートする仮想トランスポートとメディアはどれですか。 回答: 36 VSM ではいくつの VTV をサポートできますか。 回答: 36 36 RTD は共有できますか。 回答: 36 36 VTD は複数の MVS ホスト間で共有できますか。 回答: 37 37 VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature とは何ですか。 回答: E28880-01 • リビジョン 01 36 37 37 vii Concurrent DR Test ユーティリティーとは何ですか。 回答: 37 37 上限 AMT を超過するとどうなりますか。 回答: 38 38 VSM の障害回復のタイプは何ですか。 回答: 38 38 クラスター VTSS 構成とはどのようなもので、どのように機能しますか。 9. 回答: 39 VSM の機能 41 39 VSM が VTSS スペースを自動的に管理し、VTV をマイグレーションする方法 43 VSM がマイグレーションされた VTV を自動的にリコールする方法 45 MVC 上のスペースのリクレイム 46 VTV を 1 つの MVC から他へ移動する際に VSM が行うデータの整合性と可用性 の維持方法 46 スクラッチされた VTV を VTCS で管理する方法 インポートおよびエクスポート機能 VTV のアーカイブと再統合 47 47 47 クラスター VTSS 構成 49 10. VSM パフォーマンス 51 VSM はマウント時間およびテープのマウント数を減らします。 割り振り回復の問題を緩和する VSM 11. HSM/TMM に対する VSM の利点 HSM の仕組み 51 53 53 HSM の不利な点 TMM の仕組み 53 54 TMM の不利な点 VSM の仕組み 54 54 HSM/TMM の不利な点を改善する VSM の仕組み A. 51 NCS/VTCS の用語 54 55 viii NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第1章 NCS について Nearline Control Solution (NCS) は、StorageTek 社の Automated Cartridge System (ACS) 対応ハードウェアの機能を高めるソフトウェアです。NCS は複数のソフトウェア コンポーネントで構成されており、それぞれが連携しながら業界トップの ACS スト レージソリューションを実現します。次のセクションでは、これらコンポーネントのそ れぞれについて説明します。 E28880-01 • リビジョン 01 1 Storage Management Component (SMC) SMC は、IBM の OS/390 および z/OS オペレーティングシステムと HSC および MVS/CSC 間のインタフェースです。SMC は必須の NCS コンポーネントであり、 Nearline 実テープや VSM 仮想テープにアクセスするすべての MVS ホストに必要です。 SMC は JES2 システムと JES3 システムの両方で実行されて次の処理を行います。 ■ テープデバイスの割り振りの操作 (実テープと仮想テープ)。 ■ テープ管理、オペレーティングシステムのマウント、ディスマウント、スワップメッ セージのインターセプト、これら機能の要求の作成、HSC または MVS/CSC への要 求の経路指定。 ■ 複数の StorageTek TapePlex 間での要求の調整。これらの要求は、マウント、ディス マウント、スワップ、およびクエリー (構成、ボリュームルックアップ) で構成され ます。 TapePlex (以前は、「ライブラリ」と呼ばれていました) は、単一の HSC 制御データ セット (CDS) である、1 つの StorageTek ハードウェア構成です。 TapePlex には、複数の ACS と仮想テープストレージサブシステム (VTSS) を含める ことができます。 SMC はいくつの TapePlexe とでも通信できます。同じホストで実行している HSC また は MVS/CSC との通信にはクロスアドレス空間機能、ほかのホストで実行している HSC システムとの通信には TCP/IP を使います。 Host Software Component (HSC) HSC は次のことを行います。 ■ TapePlex の物理ドライブと仮想ドライブ、および対応するメディアに関する情報を 格納している CDS の維持。 ■ SMC からのマウント、ディスマウント、スワップ、およびクエリーに関する要求の 受信、およびこれら操作を実行する LMU へのこれら要求の送信。 ■ カートリッジの消失など、エラー状態の管理。 HTTP Server StorageTek HTTP サーバーは、SMC (クライアント) とリモート HSC サブシステム (サー バー) 間の通信を可能にするミドルウェアを提供します。HTTP Server は、リモート HSC サブシステムが常駐している MVS ホスト上にある個別のサブシステムとして動作 します。SMC のみが実行されているホスト上には、HTTP Server は必要ありません。 2 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 Near Continuous Operations (NCO) NCS/VTCS はNear Continuous Operations (NCO) を提供します。NCO とは、 NCS/VTCS を一旦停止してから再起動しなくても、ハードウェアコンポーネント (Nearline トランスポート、RTD、LSM、VTSS) を動的に追加、変更、削除できること を意味します。 NCO の詳細については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファレンス』およ び『HSC システムプログラマーズガイド』を参照してください。 MVS/CSC および LibraryStation NCS 6.2 では、MVS/CSC を使って LibraryStation と通信します。ただし、NCS の次の リリースでは MVS/CSC クライアントは LibraryStation サーバーに接続できません。 LibraryStation を使って MVS 以外のクライアントを HSC サーバーに接続することもで きます。 ExPR と ExLM Nearline と VSM システムの管理作業を容易にするために、次のStorageTek 社製品を別 途購入することができます。 ■ ExPR。PC およびメインフレームのパフォーマンスレポートを生成し、Nearline お よび VSM システムの両方の容量計画に使用できるツールです。 ■ ExLM。Nearline ACS のコンテンツ、VSM のリソース (MVC と VTV)、さらに VTV の統合、マイグレーション、リコールを効率よく管理することができます。 E28880-01 • リビジョン 01 第1章 3 4 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第2章 VTCS/NCS 6.2.0 にはどのような機 能拡張があるのでしょうか。 NCS/VTCS 6.2.0 は、以前のリリースに構築して VSM の機能セットを拡張することが できます。詳細については、以下を参照してください。 ■ 6 ページの「SMC 6.2 の POLicy コマンドと TAPEREQ 文の機能拡張」 ■ 7 ページの「VTV のアーカイブと再統合」 ■ 8 ページの「Display STORCLAS」 ■ 9 ページの「条件付きの VTV の複製」 ■ 9 ページの「ラージ VTV ページ」 ■ 9 ページの「2 GB/4 GB の VTV」 ■ 10 ページの「MVC あたり最大 65000 の VTV 数」 また、NCS/VTCS 6.2 は次の SPE 経由でさらに拡張されています。 ■ 10 ページの「1 VTSS あたり最大で 32 個の RTD」 ■ 10 ページの「スタックマイグレーション」 ■ 10 ページの「同期複製」 ■ 10 ページの「DISPLAY 出力の拡張機能」 ■ 11 ページの「INVENTRY ユーティリティー」 ■ 11 ページの「MVCATTR 制御文」 ■ 12 ページの「MIGRSEL SCHLIMIT パラメータ」 ■ 12 ページの「ネイティブ IP の複製」 E28880-01 • リビジョン 01 5 SMC 6.2 の POLicy コマンドと TAPEREQ 文の機能拡張 SMC の POLicy コマンドは、1 つの名前付きポリシーオブジェクトのテープポリシーを 指定します。ポリシーは TAPEREQ 文または SMC DFSMS ACS ルーチンで指定できま す。テープポリシーを作成および指定するこの方法により、POLicy コマンドで作成す るポリシーおよびそのポリシーのみを得ることができます。 たとえば、NCS 6.1 以下では、PRODSL2 というジョブ名を持つジョブによって作成さ れたボリュームを、VSM が選択した VTD 上にマウントされている VTV へルーティン グし、マネージメントクラス MGMTCLS1 を指定するために、次の TAPEREQ を使用し ます。 TAPEREQ JOB(PRODSL1) RECT(VIRTUAL) MGMT(MGMTCLS1) SMC 6.2 では、同じマネージメントクラスで同じジョブルーティングを実行するために、 次の SMC/HSC 文を作成します。 POLICY NAME(VSMPOL1) RECT(VIRTUAL) MGMT(MGMTCLS1) TAPEREQ JOB(PRODSL1) POLICY(VSMPOL1) 6.2 のポリシー方法論に「変換する」には、追加の POLicy 文を作成し、自分の TAPEREQ 文を書き直す必要がありました。その値によって何が追加されるのでしょう か。要約すると、SMC の POLicy コマンドは、 1 つの名前付きポリシーオブジェクトの テープポリシーを指定します。TAPEREQ 文が POLicy パラメータを介してポリシーを 指定すると、SMC が指定されたポリシーを検索します。その後、SMC は、そのポリシー のパラメータ、およびそれらのパラメータのみを、割り振りおよびマウントプロセスに 適用します。これで TAPEREQ 検索は実行されなくなります。 6 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 VTV のアーカイブと再統合 MGMTclas 文の ARCHAge と ARCHPol パラメータを使って、マネージメントクラス の VTV にアーカイブポリシーを設定できます。VTV の古さが ARCHAge 値を超えてい る場合、VTV は ARCHPol パラメータで指定されているストレージクラス別のアーカイ ブに適していることになります。実際のアーカイブは、次の 2 つの方法のいずれかにな ります。 ■ 次に VTV のリコールと再マイグレーションが実行されるときに自動的に行われる ■ ARCHIve ユーティリティーからの要求に応じて行われる StorageTek のストレージ管理ストラテジーである Information Lifecycle Management (ILM) の主要概念は、データは企業内での重要性や再利用パターンに適合するメディア に保存するということです。つまり、アクティブで重要なデータは高速アクセスが可能 なメディアに格納すると共に複数のコピーを作成し、非アクティブで重要性の低いデー タは大容量の低価格メディアにアーカイブします。このプロセスの自動化は、データス トレージを管理する上で最もコスト効率に優れた方法です。アーカイブでは、ILM を 使って非アクティブなデータをアーカイブできます。VTCS アーカイブを使えば、VTV を異なるメディア (たとえば、高速アクセス 9840 メディアから大容量 9940 メディア) や 異なる位置 (たとえば、ローカル ACS からイジェクトやボールト用のリモート ACS) に 移動できます。 RECONcil ユーティリティーでは、あるストレージクラスから別のストレージクラスに VTV を移動して、VTV メディアと位置を再統合できます。通常、VTV の再統合は次の 場合に行ないます。 ■ VTV が間違ったメディア、間違った ACS、またはその両方にある場合 ■ 利用できない状態が相当期間続いていた ACS がオンラインに戻った場合。この場合、 まず、影響を受ける VTV の MGMTclas 文の MIGpol パラメータを変更して別の ACS (必要に応じてメディア) を指示するようにします。元の ACS がオンラインに 戻ったときに、MGMTclas 文の MIGpol パラメータを元の ACS を指示するように変 更し、更新された MGMTclas (または STORclas) ステートメントを指定している RECONcil を実行して VTV を元の ACS に移動します。 VTV のアーカイブと再統合の詳細については、『VTCS コマンドおよびユーティリティー リファレンス』を参照してください。 E28880-01 • リビジョン 01 第2章 7 Display STORCLAS VTCS 6.2 では、Display/Query コマンドおよびユーティリティーに STORCLas オプショ ンが追加されました。Display STORCLas により、次が示されます。 ■ ストレージクラスの特性 (ACS、MVC プール、およびメディア)。 ■ VTSS からストレージクラスへのマイグレーションを待機中の VTV。 ■ マイグレーションに使用する MVC の要件。 ■ マイグレーション MVC への書き込みに必要な RTD のデバイスタイプ。 ■ マイグレーションの要件を満たすにあたって発生したエラー。 Display STORCLas には、次も用意されています。 ■ ■ マイグレーションエラーに対するメッセージの詳細についてのより大きな粒度 (1 つのメッセージが 7 つのメッセージに置き換わる)。 一般的な設定エラーをチェックするための MVC プールおよび MVC ストレージク ラスの検証機能の拡張。 全体としては、これらの機能拡張により、マイグレーションエラーを防止、診断、およ び修正するための機能が改良されます。 8 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 条件付きの VTV の複製 VTCS/NCS では、条件付きの複製で VTV の複製が機能拡張されます。新しい CONFIG GLOBAL REPLicat パラメータでは、次の値が選択できます。 ALWAYS VTV がマウントされていた間の変更の有無に関係なく、VTV がマウント解除さ れるごとに、複製要求が VTCS 複製キューに追加されます (デフォルト)。 CHANGED VTV が次の場合に、複製キューが VTCS 複製キューに追加されます。 ■ ■ マウントされていた間に変更された場合、または マウントされていた間に行われたのが読み取りだけであっても、存在する VTV の MVC コピーの数が設定値より少ない場合 注 – CONFIG GLOBAL REPLicat の設定に関係なく、複製にはこのほか次の条件も必要 です。 ■ 複製をサポートする VTSS において VTV がマウント解除されており、かつ、クラス ターのほかの VTSS に VTV の同一のコピーがないこと。 ■ 複製を行うには、CONFIG GLOBAL REPLicat 値のほかに、REPLICAT(YES) が VTV のマネージメントクラスで指定されている必要があります。 ラージ VTV ページ NCS/VTCS 6.2 では、VTV ページサイズポリシーが追加されました。CONFIG GLOBAL 文または MGMTclas 文の VTVPAGE パラメータを使用して、VTSS および VTV の VTV データの格納に使用するデフォルトのページサイズ (STANDARD または LARGE) を指定できます。ラージページサイズ (CDS が G レベル以上である必要があり ます) により、VTSS 内とマイグレーションおよびリコールでのパフォーマンスを向上で きます。 2 GB/4 GB の VTV NCS/VTCS 6.2 では、MGMTclas 文の MAXVtvsz パラメータを使用して、VTV の最大 VTV サイズを 400 MB および 800 MB の既存値に加えて 2 GB または 4 GB として指定 できます。新しいより大きな VTV サイズ (CDS が G レベル以上である必要があります) をラージ VTV ページオプションと併用すると、VTSS 内とマイグレーションおよびリコー ルでのパフォーマンスを向上できます。 E28880-01 • リビジョン 01 第2章 9 MVC あたり最大 65000 の VTV 数 NCS/VTCS 6.2 では、CONFIG GLOBAL MAXVTV パラメータを使用して、G レベル の CDS に対して MVC あたり最大 65000 の VTV 数を指定できます。この新しい最大値 により、大容量メディアへの投資を最大限に活用できます。 1 VTSS あたり最大で 32 個の RTD この SPE を使用すると、VTCS 6.2 で 1 VTSS あたり最大 32 個の RTD をサポートでき ます。これは、CONFIG GLOBAL MAXRTDS パラメータで指定されます。前提条件およ び追加情報については、『VTCS のインストールおよび構成』および『VTCS コマンド およびユーティリティーリファレンス』を参照してください。 スタックマイグレーション この SPE を使用すると、スタックマイグレーションを有効化できます。スタックマイグ レーション機能を有効にすると、RTD に対して複数のマイグレーションを許可すること によって、マイグレーションパフォーマンスを向上できます。前提条件および追加情報 については、『VTCS のインストールおよび構成』および『VTCS コマンドおよびユー ティリティーリファレンス』を参照してください。 同期複製 この SPE では CONFIG GLOBAL SYNCHREP パラメータを使用して、同期または非同期 で複製を発生させるかどうかを指定できます。前提条件および追加情報については、 『VTCS のインストールおよび構成』および『VTCS コマンドおよびユーティリティー リファレンス』を参照してください。 DISPLAY 出力の拡張機能 これらの SPE では、次のように DISPLAY 出力が拡張されています。 ■ 共有 RTD の DISPLAY RTD 出力は、次のように拡張されています。 ■ ■ 現在の単一行表示では、共有 RTD のグローバルステータスが、接続されているす べての VTSS に適用されるかどうかが示されます。 接続されているすべての VTSS に共有 RTD のグローバルなステータスが適用され ない場合、各 VTSS のステータスを示す個々の行が表示されます。 10 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 ■ DISPLAY MVCP コマンド出力は、Named MVC プールで次のことを実行できるよう に拡張されています。 ■ ■ 現在 Named MVC プールで有効なオプションパラメータの値を表示する。 現在 Named MVC プールで有効なオプションパラメータの値を示す XML タグを 生成する。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』を参照してください。 INVENTRY ユーティリティー INVENTRY ユーティリティーは、指定した MVC 上にあるすべての VTV を一覧表示し ます。また、INVENTRY を使用すると、次のことを実行できます。 ■ 指定した MVC の内容と CDS に記録されている情報を照合確認します。 ■ MVC の物理的なテープ終了位置ではなく、MVC の CDS に記録されているテープ終 了位置に基づいて処理を終了します。 ■ CDS の情報と VTV の間に互換性がないことがわかった時点で、MVC の処理を終了 します。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』を参照してください。 MVCATTR 制御文 RTD 上の MVC を読み込んでいるときにエラーが発生した場合、VTCS は別の RTD に MVC をスワップし、操作を再試行します。スワップ が MVC AUDIT 用の場合、デバイ スタイプ「へのスワップ」を選択すると、エラーが発生したデバイスタイプが除外され ます。それ以外の場合は、デバイスタイプ「へのスワップ」がネイティブなデバイスタ イプ (MVC が作成されたデバイスタイプ) に制限されます。ただし、次の点に注意して ください。 ■ 任意の T9840 デバイスタイプ (T9840A/T9840B/T9840C/T9840D) で作成された MVC を読み取る際には、T9840D デバイスが優先されるデバイスタイプになります。 ■ 任意の T10K デバイスタイプ (T10KA/T10KB) で作成された MVC を読み取る際には、 T10KB デバイスが優先されるデバイスタイプになります。 この拡張機能では、MVC メディア名ごとに RTD デバイスタイプ「へのスワップ」を指 定できる MVCATTR 制御文が用意されています。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』を参照してください。 E28880-01 • リビジョン 01 第2章 11 MIGRSEL SCHLIMIT パラメータ MIGRSEL SCHLIMIT を使用すると、ストレージクラスがマイグレーションでどのよう に扱われるかを細かく制御できますが、方向は反対です。つまり、MIGRSEL SCHLIMIT は、ストレージクラスごとのマイグレーションリソース (RTD/MVC) の制限 が適用され、VTSS またはホスト (あるいは両方) ごとに制御できます。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』およびELS のインストールを参照してください。 CONFIG GLOBAL MAXVTVSZ パラメータ 現在、CONFIG GLOBAL 文およびMGMTCLAS 文で最大 VTV サイズを指定できます。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』およびELS のインストールを参照してください。 Tapeless VSM 「Tapeless VSM」の基本的な意味は、VTSS に RTD を直接接続せずに VTSS を持つこと ができるということで、Tapeless VTSS の場合、CONFIG デッキに RTD 文がありませ ん。Tapeless VSM は VSM4 および VSM5 に適用されます。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』およびELS のインストールを参照してください。 ネイティブ IP の複製 VTSS のネイティブ IP 接続機能を使用すると、TCP/IP プロトコルを使用して、VTV 複 製対象の 2 つの VTSS を接続できます。各 VTSS には、TCP/IP ネットワークへの接続 用のイーサネットポート付きの IFF3 カードが搭載されています。以前の複製では、 ESCON または FICON 接続に制限されていました。CLINK で TCP/IP を使用すると、 ESCON または FICON プロトコルよりも複製のパフォーマンスを改善できるため、必 要に応じて、既存の ESCON または FICON ポートは RTD およびホスト接続専用に使用 することもできます。 前提条件および追加情報については、『VTCS コマンドおよびユーティリティーリファ レンス』およびELS のインストールを参照してください。 12 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第3章 NCS の FAQ TapePlex とは何ですか。またどのように 定義しますか。 回答: TapePlex (以前は、「ライブラリ」と呼ばれていました) は、VTSS、ACS、実ドライブと 仮想ドライブ、単一の CDS で定義されるボリュームなどの実際のハードウェア構成で す。TapePlex は SMC TAPEPLEX コマンドで定義します。使用方法の詳細については17 ページの「SMC クライアント/サーバー機能の使用」を参照してください。 SMC クライアント/サーバー機能とは何で すか。またその利点は何ですか。 回答: SMC クライアント/サーバー機能では、SMC をクライアントホストのみで実行し、 HSC/VTCS と HTTP サーバーは 1 つ以上のサーバーホストで実行できます。SMC クラ イアント/サーバー構成の利点は次のとおりです。 ■ HSC/VTCS を実行するホストの数を減らせる。 ■ LibraryStation と通信する MVS/CSC が必要なくなる。 ■ HSC を保守のために再起動する際にフェイルオーバー機能を提供できる。 詳細については 17 ページの「SMC クライアント/サーバー機能の使用」を参照してく ださい。 E28880-01 • リビジョン 01 13 SMC ポリシーとは何ですか。 回答: SMC ポリシーは、SMC POLicy コマンドで定義されるもので、あらゆるポリシー属性 (MEDIA、RECTECH または MODEL、ESOTERIC、SUBPOOL、VTCS MGMTCLAS、 TAPEPLEX および IDAX パラメータ) を単一の名前付きオブジェクトで指定できます。 詳細については19 ページの「NCS/VTCS ポリシー」を参照してください。 SMC ポリシーはどのように実装します か。 回答: SMC ポリシーは、TAPEREQ 文で、または SMC DFSMS ACS ルーチンを介して指定で きます。詳細については、以下を参照してください。 ■ 20 ページの「SMC ポリシーの定義」 ■ 23 ページの「例: TAPEREQ 文と SMC ポリシー」 ■ 21 ページの「例: StorageTek DFSMS インタフェースと SMC ポリシー」 ■ 24 ページの「VTCS マネージメントおよびストレージクラス」 SMC TAPEREQ 文を SMC ポリシー方式 に変換する簡単な方法はありますか。 回答: あります。SMC SAMPLIB メンバー POLCVT02 は、新しい SMC POLicy 方式を使用す るように既存の TAPEREQ 文を変換できる REXX スクリプトです。このスクリプトは、 既存の TAPEREQ 文を読み取り、次の出力を生成します。 ■ 既存のポリシーパラメータ (MEDIA、RECTECH など) を新しい POLicy 名パラメー タで置き換えた TAPEREQ 文 ■ 元の TAPEREQ 定義から取得した POLicy 定義。 使用方法の詳細についてはSMC 構成および管理ガイドを参照してください。 14 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 SMC POLicy と TAPEREQ 検索をテスト する方法はありますか。 回答: あります。SMCUTRQ ユーティリティーを使用します。POLicy および TAPEREQ 検索 基準を入力すると、SMCUTRQ は指定した基準でジョブやジョブステップのように検索 を実行します。SMCUTRQ は、TREQDEF ファイル内にある、指定した基準に一致した TAPEREQ 文の番号を示すレポートを生成します。TREQDEF ファイルにアクセスでき る場合、指定した順番の TREQDEF TAPEREQ 文に対応する実際の文も、あればリスト されます。詳細についてはSMC 構成および管理ガイド を参照してください。 VTCS マネージメントクラスについて教 えてください。 回答: 14 ページの「SMC ポリシーとは何ですか。」で説明した SMC ポリシー方式の利点を 活かすために、現在 VSM マネージメントクラスを返している DFSMS ACS ルーチンを SMC ポリシー名に置き換えて使用することを強くお勧めします。ただし、24 ページの 「VTCS マネージメントおよびストレージクラス」で説明したように、SMC DFSMS ACS ルーチンを使えば、VTCS マネージメントクラスを指定できます。 UUI とは何ですか。 回答: Universal User Interface (UUI) では次の操作が可能になります。 ■ SMC コンソールから SMC ROUTE コマンドを使って UUI をサポートするコマンド を発行する。 ■ SLUADMIN または SMCUUI ユーティリティーから UUI をサポートするコマンドを 発行する。 ■ UUI をサポートするコマンドやユーティリティーの出力を XML またはコンマ区切り (CSV) 形式で作成する。 E28880-01 • リビジョン 01 第3章 15 NCS の障害回復のタイプは何ですか。 回答: NCS に用意されている障害回復機能は次のとおりです。 ■ CDS の複数のコピー ■ テープライブラリのAUDIT ■ 複数サーバーを定義する SMC クライアント/サーバーのオプション 16 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第4章 SMC クライアント/サーバー機能の 使用 SMC が提供するクライアント/サーバー機能では、SMC をクライアントホストのみで 実行し、HSC/VTCS と HTTP サーバーは 1 つ以上のサーバーホストで実行できます。 SMC クライアント/サーバー機能を使用すると、次の利点が得られます。 ■ HSC/VTCS を実行するホストの数を減らせる。StorageTek では、HSC/VTCS を 2 台のホストのみ (プライマリとバックアップ) で実行することを推奨しています。少 ないホストで HSC/VTCS を実行すると CDS の競合が減るほか、複数の MVS syslog ファイルを管理せずに済むようになります。 ■ 物理的に異なるハードウェア構成の複数の HSC/VTCS TapePlex システムと通信で きる。 ■ HSC を保守のために再起動する際にフェイルオーバー機能を提供できる。 たとえば、18 ページの図 4-1 のように、クライアント MVSA は SMC のみを実行しなが ら、HSC/VTCS と HTTP サーバーを実行する 2 台のサーバーに接続します。 E28880-01 • リビジョン 01 17 サーバー SMC アドレス空間 アドレス空間 MVSB VTD 制御およびデータ経路 (VTCS から) HSC/VTCS RTD 制御経路 (HSC から) LSM 制御経路 (HSC から) SMC TapePlex CGI ルーチン StorageTek HTTP サーバー RTD MVSC TCP/IP スタック データ 経路 RTD アドレス空間 CDS 図 4-1 VTSS1 (VTD、VTV) アドレス空間 CGI ルーチン イニシエータ TCP/IP スタック MVSA StorageTek HTTP サーバー TCP/IP スタック クライアント LSM 制御経路 (HSC から) HSC/VTCS アドレス空間 RTD 制御経路 (HSC から) データ 経路 VTD 制御およびデータ経路 (VTCS から) VTSS2 (VTD、VTV) SMC アドレス空間 SMC の構成: 1 台のクライアント、2 台のサーバー 図 4-1 に示すクライアント/サーバー接続を確立するために、MVSA は SMC TAPEPLEXと SERVer コマンドの組み合わせを使います。たとえば、次のとおりです。 TAPEPLEX NAME(SHRLIB) SERVER NAME(REMPATH1) TAPEPLEX(SHRLIB) HOST(MVSB) SERVER NAME(REMPATH2) TAPEPLEX(SHRLIB) HOST(MVSC) TAPEPLEX コマンドでは、TapePlex、または実際のハードウェア構成、つまり、VTSS、 ACS、実ドライブと仮想ドライブ、および共有リモート CDS で定義されるボリューム などに名前を割り当てることができます。SERVER コマンドは、TapePlex 名を指定しま すが、HSC/VTCS を実行するサーバーホスト上の HTTP サーバーへのパスを指定して 接続を確立します。SMC クライアント/サーバーの実装の詳細については、『SMC 構 成および管理ガイド』を参照してください。 18 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第5章 NCS/VTCS ポリシー SMC 6.2 には、テープ割り振りとマウント要求のポリシーを指定する新しい方法が導入 されています。SMC POLicy コマンドでは、あらゆるポリシー属性 (MEDIA、 RECTECH または MODEL、ESOTERIC、SUBPOOL、VTCS MGMTCLAS、 TAPEPLEX、および IDAX パラメータ) を単一の名前付きオブジェクト、または SMC ポリシーで指定できます。SMC ポリシーは、TAPEREQ 文または SMC DFSMS ACS ルーチンを介して指定できます。詳細についてはSMC 構成および管理ガイド を参照し てください。 E28880-01 • リビジョン 01 19 SMC ポリシーの定義 18 ページの図 4-1に示す構成では、クライアント MVSA は SMC のみを実行し、 HSC/VTCS と HTTP サーバーを実行する 2 台のサーバー (MVSB と MVSC) に接続して います。MVSB と MVSC で構成される、TapePlex SHRLIB を定義しました。 例: 実メディアおよび仮想メディアの SMC ポリシー たとえば、MVSA にスクラッチマウントに関する次の 4 つのポリシーが必要だとしま す。 ■ 1番目のサブプールから T9840C メディアをマウントする。 ■ 2 番目のサブプールから T9940B メディアをマウントする。 ■ 3 番目のサブプールから実稼動 VTV および VTSS1 に割り振られたすべての VTV を マウントする。 ■ 4 番目のサブプールからテスト VTV および VTSS2 に割り当てられたすべての VTV をマウントする。 POLicy コマンドは次のようになります。 POLICY NAME(P19840C) SUBPOOL(SP1) MEDIA(STK1R) RECTECH(STK1RC) POLICY NAME(P9840B) SUBPOOL(SP2) MEDIA(STK2P) RECTECH(STK2PB) POLICY NAME(VTVPOL1) SUBPOOL(SP3) MEDIA(VIRTUAL) IDAXESOTERIC(VTSS1) - MGMTCLAS(PAYR) POLICY NAME(VTVPOL2) SUBPOOL(SP4) MEDIA(VIRTUAL) IDAXESOTERIC(VTSS2) - MGMTCLAS() 20 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 例 : StorageTek DFSMS インタフェース と SMC ポリシー StorageTek DFSMS インタフェースでは、マネージメントクラス名が SMC ポリシー名 を参照できるようになりました。StorageTek では、SMC ポリシーを参照するマネージ メントクラスを返すために StorageTek DFSMS ACS ルーチンの変換が推奨されます。こ のメソッドでは、エソテリックをストレージグループとして定義する必要がなく、追加 のポリシーオプションを指定できるためです。また、SMSDef MGMTPol(ALL) パラ メータを指定する必要があります。詳細については、SMC 構成および管理ガイドを参照 してください。 たとえば、23 ページの「例: TAPEREQ 文と SMC ポリシー」で説明するのと同じ構成と ポリシーが有効になっているが、図 5-1 に示すような DFSMS ACS ルーチンを使用して データセットを送るとしましょう。 PROC STORCLAS IF &ACSENVIR = ‘STKTAP1’ THEN SET &STORCLAS = ‘STKSTORC’ END END ====================================================================== PROC MGMTCLAS FILTLIST FILTLIST FILTLIST FILTLIST PAYR BACK PROD TEST INCLUDE(PAYR*) INCLUDE(BACK*) INCLUDE(PROD*) INCLUDE(TEST*) IF &ACSENVIR = ‘STKTAP1’ THEN SELECT WHEN (&DSN = &PAYR) SET &MGMTCLAS = ‘P19840C’ WHEN (&DSN = &BACK) SET &MGMTCLAS = ‘P9840B’ WHEN (&DSN = &PROD) SET &MGMTCLAS = ‘VTVPOL1’ WHEN (&DSN = &TEST) SET &MGMTCLAS = ‘VTVPOL2’ END END 図 5-1 例: StorageTek DFSMS インタフェースと SMC ポリシー E28880-01 • リビジョン 01 第5章 21 注 – 図 5-1 では、STORCLAS ルーチンがストレージクラスをすべての呼び出しに割り 当てます。これにより、ACS ルーチンが処理されると MGMTCLAS ルーチンも実行さ れます。SMSDef MGMTPol が ALL に設定されている場合は、IDAX、割り振り、およ びマウント時に SMC ポリシーを参照する際に、マネージメントクラス名が使用されま す。ALL 以外に設定すると、マネージメントクラスは VTCS MGMTCLAS として解釈 されます。 22 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 例 : TAPEREQ 文と SMC ポリシー 20 ページの「例: 実メディアおよび仮想メディアの SMC ポリシー」では、T9840C、 T9940B、仮想メディアに別々のスクラッチマウントポリシーを定義しました。次に、そ れぞれの HLQ に従って次のようにデータセットを指定します。 ■ PAYR* を T9840C メディア ■ BACK* を T9940B メディア ■ PROD* を仮想メディア (VTV) および VTSS1 ■ TEST* を仮想メディア (VTV) および VTSS2 対応する TAPEREQ 文は次のようになります。 TAPEREQ TAPEREQ TAPEREQ TAPEREQ DSN(PAYR*) DSN(BACK*) DSN(PROD*) DSN(TEST*) POLICY(P19840C) POLICY(P9840B) POLICY(VTVPOL1) POLICY(VTVPOL2) さらに、IDAX エソテリック置換を有効化するには、IDAX コマンドの POLICY(ON) パ ラメータを指定する必要があります。 E28880-01 • リビジョン 01 第5章 23 VTCS マネージメントおよびストレージ クラス 最先端のインプリメンテーションの多くで必須の VTCS マネージメントとストレージク ラスは次の処理を実行します。 ■ VTCS マネージメントクラスは、VTCS が VTV を管理する方法を指定します。HSC MGMTclas 制御文はマネージメントクラスとその属性を定義します。たとえば、 MGMTclas 文の DELSCR パラメータで、VTSS からスクラッチされた VTV を VTCS が削除するかどうかを指定します。また、マネージメントクラスでは VTCS ストレー ジクラスの指定もできます。 ■ ...VTCS ストレージクラスは、マイグレーションされた VTV がどこに存在するかを 指定します。HSC STORclas 制御文でストレージクラスとその属性を定義します。 たとえば、PAYR* データセットに対して VTCS マネージメントクラスと付属するスト レージクラスをすでに動作させている場合は次のようになります。 MGMT NAME(PAYR) MIGPOL(S9840C) STORCLAS NAME(S9840C) MVCPOOL(SP1) MEDIA(STK1RC) このマネージメントとストレージクラスの組み合わせは、「マネージメントクラス PAYR について、MVC プール SP1 (HSC サブプール SP1 と同じ) から 9840C メディア にマイグレートする」ということです。 次に、マネージメントクラスを指示する POLicy コマンドを記述します。 POLICY NAME(P29840C) MGMTCLAS(PAYR) 最後に、PAYR* データセットにポリシー P29840C を割り当てる TAPEREQ 文を記述し ます。 TAPEREQ DSN(PAYR*) POLICY(P29840C) これで、マネージメントクラス PAYR を割り当てます。VTCS マネージメントとスト レージクラスの詳細については、Beyond the Basics: VTCS Leading Edge Techniquesを参照 してください。 24 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第6章 VSM について Virtual Storage Manager (VSM) は、テープメディアやトランスポートの使用効率を改善 する StorageTek 社の仮想ストレージ製品です。VSM は仮想ストレージサブシステム (VTSS) 上のディスクバッファーに仮想テープボリューム (VTV) を保存することで使用 効率の問題を解決します。VSM はその後 VTV を、マルチボリュームカートリッジ (MVC) と呼ばれる、実 Nearline テープボリュームにマイグレーション (およびスタッ ク) します。これらのボリュームは、Nearline 実テープドライブ (RTD) にマウントされ ています。ホストがマイグレーションされたテープボリュームを必要としたときに、そ れらが VTSS に常駐していない場合は、自動的に VTSS にリコールされます。VTSS と VTV によって、VSM はアクセス時間、スループット、物理メディアとトランスポート の使用状況を最適化できます。VSM は、MVS ホストソフトウェアである仮想テープ制 御システム (VTCS)、NCS の VTCS をサポートする部分、および VTSS で構成されてい ます。 HSC では、MVC のマウントおよびディスマウントサービスが提供されます。また、 NCS は VTCS と連動して SMC と HTTP サーバーを実行する 16 以上の MVS ホストに 対応できます。18 ページの図 4-1 に、NCS/VTCS クライアント/サーバー構成を示しま す。詳細については、『SMC 構成および管理ガイド』を参照してください。 E28880-01 • リビジョン 01 25 VSM ハードウェア VSM 対応の VTSS ハードウェアとは、次の内容を備えた RAID-6+ ディスクになりま す。 ■ VTSS コントローラーマイクロコードによるテープトランスポートとメディアのエ ミュレーション ■ ディスクバッファー ■ ホストと VTSS の接続、VTSS と RTD の接続、VTSS と VTSS (VTSS のクラスター構 成の場合) の接続に使用できる ESCON または FICON ポート ■ RAID-6+ の耐障害性設計。RAID-6+ に組み込まれている冗長性により、アレイ中の 障害が発生していないドライブの冗長データを使って、障害が発生したドライブの データを「ホットスペア」に再構築できます。 ■ 中断する必要のない保守性。VTSS は中断せずにハードウェアの保守や主要コンポー ネントの取り付けができます。ほとんどがホットプラグ対応で、現場交換可能ユニッ ト (FRU) です。 VTCS ソフトウェア VTCS は、HSC/SMC の拡張機能として動作し、次を行います。 ■ 仮想テープドライブ (VTD) の割り振り操作 ■ VTV の使用の管理 ■ 仮想ボリュームのマイグレーションとリコールの管理 ■ VSM で使用される実テープメディアとトランスポートの管理 VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature VSM Offsite Vault Disaster Recovery (DR) Feature は、オプションのオーダー可能な VTCS の機能です。VSM Offsite Vault DR は、VSM Vault ユーティリティーと『VSM Offsite Vault Disaster Recovery Guide』で構成されています。このガイドでは、「Pickup Truck Access Method」 (PTAM) を使ってオフサイトボールトを実装する方法について 説明されています。PTAM は一般的な DR ストラテジーであり、保護を必要とするデー タセットを外部に保管される MVC にマイグレーションします。VSM では、MVC 上に VTV を効果的にスタックできるため、さらに PTAM の性能が高められます。さらに、 VSM Vault ユーティリティー、および IMPORT や EXPORT 機能、付属のマニフェスト ファイルなどによって、DR ボールトは簡単に管理できます。Offsite Vault Feature は、 次の TMS と連携します。 ■ CA-1 ■ CA-TLMS 26 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 ■ Control-M/Tape ■ DFSMSrmm ■ Zara (Zara のサポートには PTF L1H12IE が必要) Concurrent DR Test Feature 障害回復 (DR) 構成を使用する顧客は、実際の障害が発生する前に、通常の本稼動処理 を継続することができるのかを検証する必要がある場合があります。実際に、特定のビ ジネスでは、ビジネス継続モデルの準備が整っていることの証明が監査人により要求さ れています。Concurrent Disaster Recovery Test (CDRT)1 ソフトウェアを使用すれば、 追加の Nearline や VSM ハードウェアを購入しなくても、この検査を実行できます。 DR テストソフトウェアでは、同時に本稼動作業を実行しながら DR 環境をテストでき ます。このソフトウェアは、本稼動システムおよびアプリケーションの並行テストを完 全にサポートしており、本稼動システムと DR テストシステムの双方から本稼動データ に同時にアクセスできます。DRTEST ユーティリティーは、本稼動 CDS の DR テスト バージョンを作成するため、これにより DR テストシステムは Nearline や VSM 環境の ビューを独自に表示できます。さらに、DRTEST ユーティリティーと HSC および VTCS への変更は、CDS の準備段階と実際の DR テスト中に一部の機能をプログラム的 に制限するため、システムの整合性が保証されます。 CDRT では、回復サイトで表示された本稼動処理についてのテスト実行中に使用される Nearline/VSM ハードウェアの一部を分離する方法が提供されます。この DR テスト環 境では、分離されていないハードウェアで通常の本稼動処理を継続しながら、分離され たハードウェアの検証を行います。DR テストハードウェアは、最低 1 つの ACS が必要 です。オプションで、1 つ以上の VTSS を DR テストハードウェアとして使うことがで きます。ACS は、本稼動システムと DR テストシステム間で共有され、DR テストシス テムでは、DR テスト中に DR テスト VTSS が排他的に使用されます。DR テストの終了 時に、テストシステムから作成されたすべてのデータが破棄され、分離されたハード ウェアを通常の本稼動環境に再配備できます。 1.これまで Concurrent Disaster Recovery Test (CDRT) は、「Concurrent VSM Disaster Recovery Test (CVDT)」と呼ばれていました。 E28880-01 • リビジョン 01 第6章 27 28 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第7章 重要な VSM の利点と機能 表 7-1 重要な VSM の利点と機能 機能 利点 仕組み 仮想ボリュームスタックに よるカートリッジの最大限 の活用。 メディアの使用効率を高めます。 MVC 上に VTV をスタックすることで メディアの使用効率を高めます。デー タセットは VTV に書き込まれるとき に圧縮されます。VTV は、MVC に書 き込まれて、スタックおよびマイグ レーションされます。VSM は MVC 上 にできるだけ多くの VTV を無駄なく スタックすることによって、テープ カートリッジを十分に活用します。 VTV のホスト表示は MVC 上のスタッ クとは関係ないため、現在のスタック ソリューションによくあるボリューム 競合は発生しません。 • データ圧縮。 • 高速トランスポート。 テープトランスポートの使用効率を高 めます。 ディスクバッファーのデータ圧縮と高 速トランスポートの相乗効果で、トラ ンスポートのパフォーマンスが大幅に 高まります。トランスポートに送られ るデータは平均 4:1 の割合で圧縮され ます。VSM に使われるトランスポート はデータを超高速で移動するため、 データの可用性がさらに高まります。 ロボットやトランスポート に対する要求の軽減。 Nearline ハードウェアリソースを節約 します。 VSM は、VTV のマイグレーションお よびスタック先となる MVC、または VTV をリコールする MVC のみをマウ ントします。他はすべて仮想マウント です。ロボット、ロード、装着プロセ スは、より多くのデータ転送で利用さ れます。 • 効率的なボリュームス タックとトランスポート エミュレーションおよび バッファリング • より少ない物理マウント ピーク割り振り時の補償。 各 VTSS には 64 (VSM2/3 の場合) また は 256 (VSM4/VSM5 の場合) の仮想ト ランスポートがあり、これらは読み取 り/書き込み操作で VTV をマウントし ます。トランスポートエミュレーショ ンでは、ピーク割り振り時の RTD への 実物理マウントを減らしながら、より 多くの同時仮想マウントが可能になり ます。 E28880-01 • リビジョン 01 29 表 7-1 重要な VSM の利点と機能 機能 利点 仕組み VSM では既存カートリッジ の 100% 自動化が可能にな り、追加 LSM とドライブの コストが削減できます。 将来の Nearline 投資を最適化しなが らスペースを作成できます。 • 1) データ移動ユーティリティーを使 用して、利用不足のメディアを含む 既存の LSM から VSM にデータを移 動します。 • 2) LSM で解放されたスペースを次の 処理に使用できます。 • 手動テープ操作の自動化。 • より長い期間 LSM にデータを保持 し、カートリッジの移動を減らす。 • ストレージを集中的に使用するアプ リケーションからデータを格納す る。 • 新しいアプリケーションをテープに 移動する。 • 高速仮想マウント。 • 物理マウントに伴うオー バーラップ時間を伴わな い多数の同時マウント。 パフォーマンスが高められます。 • エミュレートされたトランスポート 上の仮想マウント (VTSS 常駐の VTV) がほぼ瞬時に行われます。 • VTSS 上の仮想マウントによって、 オーバーラップ時間を短縮する、64 (VSM2/3 の場合) または 256 (VSM4/VSM5 の場合) の同時マウン トが可能です。 使用方法の詳細については51 ページの 「VSM パフォーマンス」を参照してく ださい。 • ホストでなく、VSM で データ移動を実行しま す。 管理負荷を削減し、CPU とチャネルリ ソースを節約します。 VSM は コストが高く付く MVS CPU サイクルと I/O チャネルリソースを節 約しながらデータ書き込みと移動を実 行します。HSM 環境の場合、HSM は MVS CPU および I/O チャネルを使用 し、HSM ML0 ディスクから ML1 圧縮 ディスクにデータを実際に移動してか ら ML2 テープアーカイブに移動する 必要があります。基本的に、HSM は データを 2 回移動する必要がありま す。一方、VSM はデータの移動に MVS CPU サイクルを使用しません。 VTCS、および NCS 6.0 と 6.1 で顧客に提供される主要 な新機能。 データと VSM システムを管理する強 力なツールが提供されます。 30 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 表 7-1 重要な VSM の利点と機能 機能 利点 仕組み VSM の機能セットの拡張が 以前のリリースにて出来る VTCS および NCS。 継続的に VSM システムに付加価値を 提供し、投資を保護します。 使用方法の詳細については5 ページの 「VTCS/NCS 6.2.0 にはどのような機 能拡張があるのでしょうか。」を参照 してください。 オーダー可能な VTCS の機 能であり、基幹業務データ を保護できる VSM Offsite Vault Disaster Recovery (DR) ソリューション。 データ可用性を高め、優れた業務保護 機能を提供します。 使用方法の詳細については26 ページの 「VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature」を参照してください。 オーダー可能な VTCS 機能 であり、VSM または Nearline DR テスト環境を提 供する Concurrent DR Test (CDRT)。 DR ストラテジーをテストできます。 使用方法の詳細については27 ページの 「Concurrent DR Test Feature」を参照 してください。 E28880-01 • リビジョン 01 第7章 31 32 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第8章 VSM の FAQ VSM で得られる利点は何ですか。 回答: VSM はメディアとトランスポートの使用効率を高め、Nearline ハードウェアリソース を節約します。これらの利点およびそのほかの利点の詳細については、29 ページの「重 要な VSM の利点と機能」を参照してください。 VSM のパフォーマンスは TMM よりも優 れていますか。 回答: はい。VSM は CPU や I/O チャネルリソースを使わずに、すべての D2T (disk-to-tape) データのマイグレーションを管理します。詳細については、53 ページの「HSM/TMM に対する VSM の利点」を参照してください。 E28880-01 • リビジョン 01 33 VSM に移行するとよいデータセットはど れですか。 回答: VSM 管理に最適なデータセットのタイプには、次のものがあります。 ■ 順次データセット ■ カートリッジ容量を効果的に使用しないデータセット ■ カートリッジをデータでいっぱいにするシステムで作成されていないデータセット VSM に不適切なデータセットはどれです か。 回答: VSM 管理に不適切なデータセットのタイプには、次のものがあります。 ■ HSM アーカイブ ■ 直接アクセスを必要とするデータセット ■ カートリッジ容量を効果的に使用するデータセット ■ 高性能のデータ転送を必要とするファイル VSM の対象データセットを特定できる ツールはありますか。 回答: 導入計画ツールが用意されており、VSM によって利点が得られるデータセットを特定 できます。このツールでは、ボリュームの分析のほか、実テープ活動やシミュレーショ ンされた VSM 活動に基づくトランスポート活動の分析を行います。導入計画ツール は、ビジネスニーズに最適な VSM ソリューションを定義する際に役立ち、 VSM 対象 のデータセットを識別するためのデータを生成します。具体的に、このツールでは次の ものが得られます。 ■ VSM 対象データセットリスト 34 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 ■ 次の内容を示す、実際の活動およびシミュレーションした仮想活動に関するサイズレ ポート ■ VTSS サイズ ■ RTD の数 ■ VTV プールサイズ ■ MVC プールサイズ ■ チャネルの数 どのようにして VSM にデータセットを送 りますか。 回答: VSM にデータセットを送る方法には、次の 2 つがあります。 ■ SMC TAPEREQ 文 ■ SMC DFSMS インタフェース また、SMC ユーザー出口または JCL を使ってデータセットを VSM に送ることもできま すが、StorageTek はこの方法を推奨しません。 VSM と HSC の VSM 以外の部分はリソー スを共有できますか。 回答: 一般に、Nearline ジョブは VSM 専用の MVC やトランスポートに直接アクセスするこ とはできません。ただし、通常 VSM が所有するトランスポートと MVC は、ACS のト ランスポートやボリュームの一部に過ぎません。物理的なトランスポートは、ユーザー が手動でトランスポート共有を管理する静的共有を通してのみ、HSC と VSM 間で共有 できます。 E28880-01 • リビジョン 01 第8章 35 VSM がサポートする仮想トランスポート とメディアはどれですか。 回答: 3490E デバイスとメディアをエミュレートする VTSS。 VSM ではいくつの VTV をサポートでき ますか。 回答: VSM は VTSS あたり、最大で 100,000 (VSM2 と VSM3 の場合) または 300,000 (VSM4 と VSM5 の場合) の VTSS 常駐 VTV をサポートします。これは、VTV のサイズ、VTSS の容量、CDS のサイズによって決まります。MVC にマイグレートする VTV の数に制 限はありません。MVC にマイグレートできる VTV の数は、割り振られている MVC ス ペースの合計によって制限されます。 VTD は複数の MVS ホスト間で共有でき ますか。 回答: できます。IBM の GRS やコンピューターアソシエーツの Multi-Image Manager などの テープ共有製品を使えば、複数のホスト間で VTD を共有できます。これらの製品に、 そのほかのテープデバイスのように VTD も定義します。 36 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 RTD は共有できますか。 回答: RTD は 2 通りの方法で共有できます。 ■ 2 つ以上の VTSS で 1 つの RTD を動的に共有する。 ■ MVS ホストと VTSS で RTD を共有できるが、ユーザーは手動で共有を管理する必要 がある。 VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature とは何ですか。 回答: オプション機能の VSM Offsite Vault DR は、VSM Vault ユーティリティーと『VSM Offsite Vault Disaster Recovery Guide』で構成されています。使用方法の詳細については 26 ページの「VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature」を参照してください。 Concurrent DR Test ユーティリティーと は何ですか。 回答: 障害回復 (DR) 構成を使用する顧客は、実際の障害が発生する前に、通常の本稼動処理 を継続することができるのかを検証する必要がある場合があります。実際に、特定のビ ジネスでは、ビジネス継続モデルの準備が整っていることの証明が監査人により要求さ れています。Concurrent Disaster Recovery Test (CDRT)1 ソフトウェアを使用すれば、 追加の Nearline や VSM ハードウェアを購入しなくても、この検査を実行できます。 DR テストソフトウェアでは、同時に本稼動作業を実行しながら DR 環境をテストでき ます。詳細については、27 ページの「Concurrent DR Test Feature」を参照してくださ い。 1.これまで Concurrent Disaster Recovery Test (CDRT) は、「Concurrent VSM Disaster Recovery Test (CVDT)」と呼ばれていました。 E28880-01 • リビジョン 01 第8章 37 上限 AMT を超過するとどうなりますか。 回答: 43 ページの「VSM が VTSS スペースを自動的に管理し、VTV をマイグレーションする 方法」を参照してください。 VSM の障害回復のタイプは何ですか。 回答: VSM は次のタイプの回復をサポートしています。 ■ CDS 回復。VTCS AUDIT ユーティリティーは、CDS (VTV 目録と MVC リストを含 む) の消失から完全に回復できます。MVC AUDITは各 MVC の内容も検証できま す。 ■ VTV の複数コピー。マイグレーション時、VSM は VTV のコピーを 4 つまで作成で きます。各コピーは、必要に応じて別々の ACS の異なる MVC に書き込まれます。 あるコピーから VTV をリコールする際にエラーが発生した場合、VSM は自動的に別 のコピーを使ってリコールを再試行します。 ■ VTSS 回復。VTSS の Check 0 エラー回復が処理されるため、通常、VTSS で実行さ れるジョブには何ら影響はありません (エラー状況の原因となったジョブは例外にな る場合があります)。 ■ RTD 回復。VSM はホストシステムで提供されるのと同等のエラー回復を提供しま す。具体的に言うと、この回復には、別の RTD で失敗した操作の再試行 (デバイスの 障害の場合) や別の MVC の使用 (メディア障害の場合) なども含まれます。 ■ RTV ユーティリティー。このユーティリティーは、MVC 常駐 VTV を従来の Nearline ボリュームに変換します。通常は、VTV のリコールに使用できる VTSS が ない場合にこのユーティリティーを使います。 ■ VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature を使った災害時回復。詳細について は、6 ページの「VSM Offsite Vault Disaster Recovery Feature」を参照してくださ い。 38 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 クラスター VTSS 構成とはどのようなも ので、どのように機能しますか。 回答: クラスター VTSS 構成は、VSM システムのビジネスの継続性とビジネスの復旧機能をさ らに強化します。詳細についてはBeyond the Basics: VTCS Leading Edge Techniques を参照 してください。 E28880-01 • リビジョン 01 第8章 39 40 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第9章 VSM の機能 VTCS と HSC を併用することにより、VSM にデータをルーティングする方法が数種類 提供されます。VTSS は、VSM2 および VSM3 にそれぞれ 64 台の仮想テープドライブ (VTD)、VSM4 および VSM5 に 256 台の VTD を提供します。VTDは3490Eデバイスを エミュレートします。VTD を使用することにより、VSM はデータセットを VTSS 上の 仮想テープボリューム (VTV) に書き込みます。VTSS ストレージは、RAID-6+ の DASD で構成されています。VTSS の自動マイグレーション限界値 (AMT) の上限値と下限値を 指定して、VTSS スペース管理または VTV マイグレーションサイクルを制御することが できます。実テープドライブ (RTD) では、マイグレーションされた VTV が物理的な複 数ボリュームカートリッジ (MVC) に書き込まれます。VTCS が制御するのは RTD です (ただし MVC のマウントとディスマウントは HSC の制御)。一方、HSC は VSM へ割り 振られていない、従来のNearline テープドライブを制御します。デフォルトでは、VSM は VTV のコピー 1 つをマイグレーションします。ただし、NCS/VTCS ポリシーを使用 して、VSM に VTV の複数のコピーを別の MVC にマイグレーションさせることもでき ます。 MVC にマイグレーションされて VTSS に常駐していない VTV のマウントをホストが要 求した場合、VSM はマイグレーションされた VTV を VTSS に自動的にリコールしま す。42 ページの図 9-1 は、VTV のマイグレーション/リコールサイクルを示していま す。 注 – VSM は、VTSS 間における RTD の動的共有をサポートしています。ただし、 VTSS が RTD を共有する場合、VTSS は同じホストすべてに対してアクセス権が必要 になることに注意してください。 また、VSMでは、VSMとMVSとの間でのトランスポートの動的共有はサポートされて いないことにも注意してください。つまり、1 台のトランスポートを、MVS および VSM の RTD として、同時にオンラインにすることはできません。ただし、手動でトラ ンスポートをMVSに対してオンラインに、逆にVSMに対してオフラインに変更できま す。 E28880-01 • リビジョン 01 41 䝬䜲䜾䝺䞊䝅䝵䞁 /䝸䝁䞊䝹䝃䜲䜽䝹 䝬䜲䜾䝺䞊䝅䝵䞁 䝸䝁䞊䝹 ௬䝬䜴䞁䝖 䝕䞊䝍䝉䝑䝖䛾 VTV 䜈䛾᭩䛝㎸䜏 VTSS ௬䝬䜴䞁䝖 ௬䝕䜱䝇䝬䜴䞁䝖䚸 VTV 䛿 VTSS 䛻ᖖ㥔 VTV 䛿 VTSS 䜈 䝸䝁䞊䝹 VTV 䛿䛾 VTV 䛸 䛸䜒䛻㞟 ᐇ䝬䜴䞁䝖䚸 VTV 䛿 MVC 䜈䝇䝍䝑䜽䚸 ᐇ䝕䜱䝇䝬䜴䞁䝖 VTV 䛾䝸䝁䞊䝹䛾䛯䜑䛾 ᐇ䝬䜴䞁䝖 LSM 図 9-1 VTV マイグレーション/リコールサイクル ここでは、VTV マイグレーションとリコール、MVC スペースリクレイム、VTCS と NCS 拡張機能、VTV 統合の詳細、データのインポートおよびエクスポート方法の概 要、およびクラスター VTSS 構成の概要を記載します。 42 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 VSM が VTSS スペースを自動的に管理 し、VTV をマイグレーションする方法 VSM が VTSS スペースを自動的に管理し、VTV をマイグレーションする方法は次のと おりです。 1. 仮想メディアと VTCS 管理クラスを指定する SMC ポリシーを使って、データセット を VSM にルーティングします。 2. VTCS は、VTD に VTV をマウントし、データセットを VTV に書き込んでから、 VTSS 常駐になっている VTV をディスマウントします。 3. ディスクバッファー使用率 (DBU) は、VTSS の容量に対する使用スペースの割合を示 すパーセント値です。DBU が自動マイグレーション上限値 (HAMT) 以上になるか、 または VTV の数が VSM2 と VSM3 では 97,000、VSM4 と VSM5 では 291,000 を超え ると、VTCS によって VTV の自動マイグレーションが開始されます。自動マイグ レーションは、DBU が自動マイグレーション下限値 (LAMT) に下がるまで続行され ます。 注 – VSMは、最初、MINMIGとMAXMIGの制限内でワークロード特性に対応した数の 自動マイグレーションタスクを開始します。マイグレーションのプロセス中、DBU、 HAMT、およびマイグレーションの目標値 (LAMT またはマイグレーション限界値) に 基づいて、VTCS はタスクの数を継続的に調整します。 VTCS は、自動マイグレーション時に、normal、high および space release の 3 つの モードで VTV を選択します。 ■ ■ ■ DBU が自動マイグレーション上限値 (HAMT) 以下の場合、VTCS は normal モー ドで稼働します。このモードでは、VTCS は、マイグレーション対象として (VTV の古さに基づいて判断された) 再度参照される確率が最も低い VTV を選択しま す。また、VTV のサイズおよび個々の VTV の常駐時間 (RESTIME) のための推奨 値も考慮します。VTCS は、DBU が自動マイグレーション下限値 (LAMT) を下回 るまで、選択した VTV をマイグレーションし、VTSS 内に常駐するコピーを削除 し続けます。 DBU が HAMT を上回り、かつ 95% より小さい場合は、VTCS はhigh モードに切 り替わります。DBU が 95% に近づくにつれて、VTCS は次第に VTV の古さより もサイズを重視してマイグレーション対象の VTV を選択するようになります。 VTCS は RESTIME の推奨値を引き続き考慮します。VTCS は、DBU が LAMT を 下回るまで、選択した VTV をマイグレーションして VTSS 内に常駐するコピーを 削除し続けます。 DBU が 95% に達すると、VTCS は space release モードに切り替わります。この モードでは、常駐しているが既にマイグレーション済みの VTV が最初に VTSS か ら削除されます。VTCS はその後、DBU が LAMT に下がるまで、サイズを基準に して VTV をマイグレーションし続けます。space release モードでは、VTCS は RESTIME 推奨値を考慮しません。 また、自動マイグレーションが候補の VTV を選択する場合、1 つのデータセッ トが またがって使用する複数 VTV のグループに関連付けられているすべての VTV は、 後続の マイグレーション操作に含められることにも注意してください。 E28880-01 • リビジョン 01 第9章 43 強制マイグレーション 自動マイグレーションに代わる方法として、MIGRATEコマンド を使用して、強制マイ グ レーションを実行することもできます。 指定した VTV に対して強制マイグレーションを行う場合、VTCS は単一のマイグレー ションタスクを開始します。マイグレーション限界値を指定したマイグレーションで は、指定された VTSS について自動マイグレーションが開始され、一時的に LAMT が指 定された限界値に設定されます。マイグレーションタスクの数が決まる仕組みは、21 ページの手順 3で説明しています。 VTCS が、VTV のマイグレーションをディスマウント時に即時にスケジュールするよう に指定することもできます。自動マイグレーションおよび限界値を指定し た強制マイグ レーションと同様に、即時マイグレーションでは、CONFIG VTSS MINMIG と MAXMIG で指定された制限値内で、VTSS ごとに 1 つ以上のマイグレーション要求が発 行されます。 44 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 VSM がマイグレーションされた VTV を 自動的にリコールする方法 ホストがマウントを要求した VTV が、現在 VTSS に常駐している有効な VTV の場合、 VSM は VTV をマウントします。それ以外の場合、VSM は VTV を次のように自動的に リコールします。 1. 拡張管理ポリシーによって管理される複数の MVC のコピーを持つ VTV について は、VTCS は次のように MVC を選択してリコールを行います。 ■ ■ 1 つの MVC がマウントされている場合は、VTCS はその MVC を選択します。 MVC がマウントされていない場合は、VTCS は MGMTclas 文の MIGpol パラメー タで指定された最初のストレージクラスから MVC を選択します。最初のストレー ジクラスの MVC にエラーのマークが付いている場合は、VTCS は MIGpol パラ メータで指定された 2 番目のストレージクラスから MVC を選択します。 2. VTCS は、マウント要求で指定された VTD を含む VTSS に接続されている RTD を選 択します。 3. VTCS は HSC に対し、選択した RTD に MVC のマウント要求を指示します。 4. VTCS は要求された VTV を MVC からリコールします。 5. VTCS から HSC に指示が出され、(そのほかの VTV リコール要求の必要がなければ) MVC がディスマウントされます。 6. VTCS が VTV を VTD 上にマウントします。 注 – ホストが複数の VTV に渡るデータセットのマウントを要求した場合、マウントが そのデータセットから参照されている任意の VTV に対して発行されると、VTCS は次 の VTV も (必要に応じて) 順番にリコールします。このため、VTCS は同じデータセッ トから参照されている複数の VTV を「プレステージ」しようとします。 7. ホストが VTV にアクセスします。ホストが VTV の内容を変更すると、VTCS は、 MVC 上の VTV スペースをリクレイム処理可能としてマーク付けします。 8. ジョブが終了すると、ホストが VTD をアンロードします。 注 – また、RECALL コマンドを使用して、リコールを要求することもできます。 デフォルトにより、VTCS は読み取りデータチェック付き VTV をリコールすることに も注意してください。たとえば、MVC が不良である場合、特定の VTV の一部だけが読 み取り可能になりますが、VTCS はさらに読み取り可能な部分をリコールします。これ によって、VTSS には「部分的な」VTV が作成されます。読み取りデータチェック付き VTV に重要なデータが含まれている場合、読み取り可能な部分だけのリコールを選択、 または単に VTV 全体のリコールを選択することがあります。 E28880-01 • リビジョン 01 第9章 45 MVC 上のスペースのリクレイム MVC 上のスペースのリクレイム - VTCS CONFIG ユーティリティーを使って MVC ス ペースリクレイムパラメータを設定し、VTCS RECLAIM コマンドやユーティリティー を使ってこれらのパラメータを調整できます。MVC が指定された制限値に達すると、 VTCS は自動的に MVC スペースリクレイムを開始して、一度に 1 つの MVC スペース をリクレイムします。VSM は、選択した MVC から VTSS に有効な VTV のみをコピー してスペースをリクレイムし、その後、これら VTV を十分なスペースがある別の MVC にコピーしなおします。VSM は、MVC 上の最初の空きスペースの直後にある VTV だ けをコピーします。この操作により、I/O サイクルが節約されます。このように、ス ペースリクレイムは MVC の断片化を緩和し、マイグレーションを正しく実行できま す。 システムの MVC の断片化が深刻な場合、強制 MVC スペースリクレイムを時間外バッ チジョブとしてスケジュールすることができます (VTCS RECLAIM を使います)。 注– ■ ■ メディアタイプが混在するシステムでのリコール処理を最適化するために、MVC プールには、それぞれの RTD タイプと互換性のあるメディアタイプを 1 つ以上確保 する必要があります。 STORclas制御文(記憶クラスを定義する)のMEDIAパラメータには、MVCメディ アタイプの優先順位リストを指定します。このリストは、デフォルトよりも優先され ます。詳細についてはELS コマンド、制御文、およびユーティリティーリファレンス を参照してください。 VTV を 1 つの MVC から他へ移動する際に VSM が 行うデータの整合性と可用性の維持方法 ドレイン処理 (MVC のドレインまたはスペースリクレイム) 中に、VTCS は、VTV のリ コールが完了および新しい MVC に正常にマイグレーションされるまで、VTV レコード の MVC 参照を変えることなく、データの整合性と可用性を維持します。さらに、 VTCS は、VTV のマイグレーションを自動マイグレーションに行わせる代りに、ドレイ ン処理で即座に VTV のマイグレーションを行います。ドレイン操作が未完了 (キャンセ ルされた、システムがダウンしたなど) の場合、ドレイン操作を再実行する必要があり ますが、すべての移行中の VTV は引き続きドレインされていた MVC を指していま す。VTV が複数の MVC にマイグレーションされ、1 つの MVC がエラー状態になった 場合、VTCS はエラー状態になった MVC の続きの処理を待たずに、代替の MVC から VTV をリコールして即座にマイグレーションを行います。 MVC のドレインとスペースリクレイムの両方について、VTCS はリコール段階のあと にマネージメントクラス検索を行い、どのようなマネージメントクラス変更でも受け付 けることに注意してください。 46 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 スクラッチされた VTV を VTCS で管理す る方法 VTV がスクラッチされると、VTCS は CDS の VTV レコードのステータスを 「scratch」に設定します。ただし、VTCS は VTSS バッファーから VTV を削除しませ ん。その代わりに、VTCS は、次のように VTV がスクラッチボリュームとして再利用 されるまでリンク解除されない最後の 1 つを除く、すべての MVC のコピーをリンク解 除します。 ■ VTV が単一化されている場合は、VTV がスクラッチボリュームとして再利用される まで、単一の VTV コピーが保持されます。 ■ 複数の VTV コピーが存在する場合は、VTV コピーが 1 つだけになるまで、MVC の リクレイム時にコピーが削除されます。前述のように、この最後の MVC コピーは、 VTV がスクラッチボリュームとして再利用されるまでリンク解除されません。 インポートおよびエクスポート機能 EXPORT および IMPORT を使用して MVC 上の VTV をある VSM システムから別のシ ステムに移動することができます。この場合、各システムは、異なる CDS を含め、独 自のリソースを保有しています。したがって、EXPORT および IMPORT によって、シ ステム間で VTV の移動に使用できるポータブルな MVC を作成する機能が提供されま す。 VTV のアーカイブと再統合 MGMTclas 文の ARCHAge と ARCHPol パラメータを使って、マネージメントクラス の VTV にアーカイブポリシーを設定できます。VTV の古さが ARCHAge 値を超えてい る場合、VTV は ARCHPol パラメータで指定されているストレージクラス別のアーカイ ブに適していることになります。実際のアーカイブは、次の 2 つの方法のいずれかにな ります。 ■ 次に VTV のリコールと再マイグレーションが実行されるときに自動的に行われる ■ ARCHIve ユーティリティーからの要求に応じて行われる StorageTek のストレージ管理ストラテジーである Information Lifecycle Management (ILM) の主要概念は、データは企業内での重要性や再利用パターンに適合するメディア に保存するということです。つまり、アクティブで重要なデータは高速アクセスが可能 なメディアに格納すると共に複数のコピーを作成し、非アクティブで重要性の低いデー タは大容量の低価格メディアにアーカイブします。このプロセスの自動化は、データス トレージを管理する上で最もコスト効率に優れた方法です。アーカイブでは、ILM を 使って非アクティブなデータをアーカイブできます。VTCS アーカイブを使えば、VTV を異なるメディア (たとえば、高速アクセス 9840 メディアから大容量 9940 メディア) や 異なる位置 (たとえば、ローカル ACS からイジェクトやボールト用のリモート ACS) に 移動できます。 E28880-01 • リビジョン 01 第9章 47 RECONcil ユーティリティーでは、あるストレージクラスから別のストレージクラスに VTV を移動して、VTV メディアと位置を再統合できます。通常、VTV の再統合は次の 場合に行ないます。 ■ VTV が間違ったメディア、間違った ACS、またはその両方にある場合 利用できない状態が相当期間続いていた ACS がオンラインに戻った場合。この場合、 まず、影響を受ける VTV の MGMTclas 文の MIGpol パラメータを変更して別の ACS (必要に応じてメディア) を指示するようにします。元の ACS がオンラインに戻ったと きに、MGMTclas 文の MIGpol パラメータを元の ACS を指示するように変更し、更新 された MGMTclas (または STORclas) ステートメントを指定している RECONcil を実行 して VTV を元の ACS に移動します。 48 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 クラスター VTSS 構成 クラスター VTSS 構成には、次の 2 種類があります。 ■ 単一方向性クラスター (1 つ以上のクラスターリンク (CLINK) で接続されたプライマ リ VTSS と セカンダリ VTSS で構成される)。図 9-2 は、単一 ACS に接続された単方 向性クラスターを示しています。CONFIG CLUSTER 文はクラスターを定義し、 CONFIG CLINK 文はこのクラスターを単一方向性として定義します。 単一方向性クラスターでは、MGMTclas 文の REPLICAT パラメータ (拡張管理機能が 必要) を使用して、クラスターリンク (CLINK) を介してプライマリ VTSS からセカン ダリ VTSS に VTV を複製 (コピー) することができます。プライマリ VTSS が使用不 能になった場合には、VARY VTSS コマンドを使用して、VTCS からプライマリ VTSS をオフラインにすることができます。次に、MVCに対してセカンダリVTSSのVTDを オンラインにし、処理を引継がせることができます。したがって、セカンダリは、プ ライマリ VTSS の「ウォームスタンバイ」として機能する。セカンダリは複製された VTV だけでなく、実処理を受け入れることもできるため、注意してください。 図 9-2 ■ 単一 ACS に接続された単方向性クラスター 双方向性クラスター (1 つ以上のクラスターリンク (CLINK) で接続された 2 つの ピア VTSS で構成される)。図 9-3 は、単一 ACS に接続された双方向性クラスターを示し ています。CONFIG CLUSTER 文はクラスターを定義し、CONFIG CLINK 文はこの クラスターを双方向性として定義します。 E28880-01 • リビジョン 01 第9章 49 双方向性クラスターでは、MGMTclas 文の REPLICAT パラメータ (拡張管理機能が必 要) を使用して、クラスターリンク (CLINK) を介してピアツーピアでどちらかの方向 に複製が可能です。どちらか一方の VTSS が使用不可になった場合、VARY VTSS を 使用して、VTCS への接続をオフラインに切り替えることができ、ピア VTSS にワー クロードが引き継がれます。したがって、各ピア VTSS は、その他への「ウォームス タンバイ」として機能し、それぞれが本稼動作業を承認したり、VTV を送受信した りできます。 図 9-3 は、災害時回復機能など冗長性の向上のために、2 つの ACS と相互接続されたピ アツーピア VTSS クラスターを示しています。 図 9-3 2 つの ACS に接続された双方向性クラスター クラスター以外の構成と比較した場合、クラスター VTSS 構成を使用すると、VSM シス テムに対するデータの可用性 (ビジネスの継続性) を向上させ、災害時回復機能 (ビジネ スの復旧) を向上させることができます。 50 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第 10 章 VSM パフォーマンス VSM はマウント時間およびテープのマウ ント数を減らします。 VSM では、物理的なアクションが必要ないため、仮想マウントはほぼ瞬時に行われま す。実テープのマウント数は、データをバッファーに書き込むことで減らしています。 データは VTSS にバッファーされ、マウント要求はディスク速度で処理されます。ロ ボットや機械的なテープ I/O は必要ありません。 マウント時間は別の方法で短縮されます。従来の Nearline トランスポートでの同時ジョ ブでは、複数のマウントがロボットやトランスポート割り振り、マウント、ロード、ス レッドプロセスの完了を待機するためオーバーラップ時間が生じます。オーバーラップ 時間は実稼動時間の消失につながります。VTD を使った仮想マウントによる同時マウン トでは、従来の Nearline トランスポートで必要であったオーバーラップ時間が必要あり ません。 VTSS あたり、64 台の VTD (VSM2 と VSM3) や 256 台の VTD (VSM4 と VSM5) の場 合、仮想マウントであれば 1 日に従来のマウント数を数千回分節約できます。 割り振り回復の問題を緩和する VSM 割り振り回復は、従来のトランスポートが割り振られており、あるジョブが別のジョブ によってドライブが解放されるのを待機している、ドライブ使用のピーク時間に発生し ます。割り振り回復は、トランスポートを待機してハングアップしているジョブが多数 ある場合は数時間継続することがあります。VSM システムには、各 VTSS に 64 台の VTD (VSM2 と VSM3) または 256 台の VTD (VSM4 と VSM5) があります。これらは、 VTSS あたり最高 8 台の RTD (VSM2 と VSM3)、または 16 台の RTD (VSM4 と VSM5) で処理されます。このため、VTD は大幅に割り振り回復の問題を緩和できます。さら に、VSM が小さなテープファイルの処理や低い I/O 速度のファイルの処理に使われる 場合、実テープシステムの効率性は非常に高められます。 E28880-01 • リビジョン 01 51 52 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 第 11 章 HSM/TMM に対する VSM の利点 HSM の仕組み HSM はディスク上のファイルを自動的に管理してストレージを最適化します。各マイ グレーションレベルでの HSM による管理は次のとおりです。 ■ マイグレーションの最初のレベル ML0 で、HSM はディスク上にあるアクティブファ イルを監視します。ユーザーは、HSM の管理データがどのアプリケーションからも アクセスされない時間を定義しますが、この時間が経過した後、HSM はデータをマ イグレーションの第 2 レベルに移動します。 ■ マイグレーションの第 2 レベル ML1 で、HSM はデータを HSM 専用のディスクボ リュームに圧縮してコンパクト化します。このレベルでは、データは HSM を除くど のアプリケーションからも使用できません。データは、読み取り/書き込み操作のた めに参照されるまで、またはユーザーが定義したアクセス不可時間を経過するまで、 ML1 に残ります。 ■ ■ ■ データが読み取り/書き込み操作のために参照されると、元の状態でユーザーの ディスク領域に復元され、ML0 期間が再度開始されます。 アクセス不可時間を経過すると、データは参照されていないほかの ML1 データ セットと一緒に収集され、マイグレーションの第 3 レベルに移動します。 収集されたデータセットは、マイグレーションの第 3 レベル ML2 で HSM テープボ リュームに書き込まれます。データは ML2 に残り、テープボリュームとして管理さ れます。データがユーザーまたはアプリケーションから参照されると、HSM はテー プボリュームのリコールを開始します。テープボリュームがマウントされ、指定した データが元の状態でユーザーのディスク領域に復元されます。HSM マイグレーショ ンサイクルが再度開始されます。 HSM の不利な点 ディスクのある領域から別の領域に、およびディスクからテープにデータを移動するこ とで、HSM は多くの CPU とチャネルリソースを消費します。 E28880-01 • リビジョン 01 53 TMM の仕組み TMM は、SMS で機能する方法論です。テープマウントを減らすことによってテープメ ディアの使用を最適化します。HSM は、SMS がディスクにリダイレクトしたデータを 収集し、テープにマイグレーションします。具体的には、TMM は次の 2 つの方法で機 能します。 ■ 小さなテープデータセットを、HSM の最初のマイグレーションレベルで予約されて いるディスクボリュームにリダイレクトします。 ■ TMM は 1 時間ごとに HSM を使用して選択されているすべての TMM データをディ スクバッファーから ML2 テープに移動し、ML2 テープボリューム上の「テープ」 データセットを効果的にスタックします。 TMM の不利な点 ■ HSM は SMS ディスクで TMM データセットを管理するため、データが 2 回書き込 まれます。これにより、CPU とチャネルの余分なリソースが使用されます。 ■ TMM ディスクプールがいっぱいになると、ディスクスペースの割り振りエラーが発 生して TMM のテープジョブが失敗します。 VSM の仕組み VSM はディスクバッファーを使ってテープトランスポートをエミュレートします。 データは、直接 VTSS から実テープにマイグレーションされます。 HSM/TMM の不利な点を改善する VSM の 仕組み ホストではなく、VSM がデータ移動を管理して、必要なリソースを提供するため、 VSM はディスクからテープへのデータの移動で CPU サイクルやチャネルリソースを消 費しません。 54 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 付録 A NCS/VTCS の用語 次の表では、NCS/VTCS に関連する用語および略語の説明を示します。 表 A-1 NCS/VTCS の用語と略語 用語 説明 ACS (1) StorageTek 製の自動カートリッジシステ ム。(2) マルチ LSM 構成。 ACS ルーチン 自動クラス選択ルーチンを指す SMS 用語。 HSC 用語の ACS (自動カートリッジシステ ム) と混同しないこと。 AMT 自動マイグレーション限界値 (automatic migration threshold)。AMT 値は仮想テープ ボリュームのマイグレーションの開始時期と 終了時期を決定するユーザー定義のパーセン ト値である。VTV マイグレーションは、 VTSS バッファーが上限 AMT に達すると開 始され、下限 AMT を下回ると終了する。こ の上限値と下限値は、すべての VTSS に適用 される。 CAP 人手で LSM に挿入することなく、複数の カートリッジを LSM から出し入れできる機 構。 CDS 制御データセット。HSC データベース。 VSM は、CDS 内の現在の情報と VSM に関 するすべての不変データを維持する。 クラスター VTSS 構成 1 つ以上の Nearlink 接続で接続されたプライ マリ VTSS およびセカンダリ VTSS からなる 構成 (クラスターリンク)。 MGMTclas 文の REPLICAT パラメータ (拡張 管理機能が必要) を使用して、クラスターリ ンクを介してプライマリ VTSS からセカンダ リ VTSS に VTV を複製 (コピー) することが できる。プライマリ VTSS が使用不能になっ た場合には、VT VARY VTSS コマンドを使用 して、プライマリ VTSS をオフラインにでき る。次に、MVC に対してセカンダリ VTSS の VTD をオンラインにし、処理を引継がせ ることができます。したがって、セカンダリ はプライマリ VTSS に対して「ウォームスタ ンバイ」として機能します。 E28880-01 • リビジョン 01 55 表 A-1 NCS/VTCS の用語と略語 DBU ディスクバッファー使用率 (disk buffer utilization)。VTSS バッファー容量全体に対 する使用容量の割合。 ExPR エキスパートパフォーマンスレポーター (Expert Performance Reporter)。ExPR は、 パフォーマンスデータを収集して、 StorageTek Nearline ACS に関するレポート や VTSS の状況およびパフォーマンスに関す るレポートを生成する。 HSC ホストソフトウェアコンポーネント (Host Software Component)。 HSM 階層記憶管理プログラム (Hierarchical Storage Manager)。 LMU 1 つ以上の LSM を制御するライブラリ管理デ バイス。 LSM カートリッジ、ドライブパネル、CAP のスト レージセルを含むライブラリ格納モジュール (Library Storage Module)。 マイグレーション VTSS から RTD へのデータの移動。RTD で は、VTV が MVC へスタックされる。マイグ レーションは、上限 AMT レベルに達すると VSM によって開始される。VTV は使用状況 とサイズに基づいてマイグレーションに選択 される。使用されていない期間が長い、最も 大きな VTV がまず選択される。VSM は要求 に応じて VTV をマイグレーションする機能 や VTV の複数のコピーをマイグレーション する機能がある。 MVC マルチボリュームカートリッジ。1 つまたは 複数の VTV を含む、またはまったく VTV を 含まない LSM の物理カートリッジで、VTV スタックに選択できるボリュームとして特定 されている。このデータは CDS に保存され る。 Recall VTV を MVC から VTSS へ戻すこと。VSM は必要に応じて VTV をリコールできる。 リクレイム MVC スペースリクレイム処理に関する用 語。VTCS では MVC 上で断片化されている 空きスペースの容量と、移動する必要がある VTV データの量に基づいて、スペースリクレ イム処理が必要かどうか判別される。VSM は必要に応じて MVC をリクレイムできる。 RTD 実テープドライブ。VSM/HSC で制御される 物理トランスポート。トランスポートは 1 つ の VTSS へのデータ経路を持つ。また、MVS やほかの VTSS へのデータ経路を持つことも できる。 SMC Storage Management Component。IBM の OS/390 および z/OS オペレーティングシス テムと HSC および MVS/CSC 間のインタ フェース。 56 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01 表 A-1 NCS/VTCS の用語と略語 SMS システム管理記憶方式 (System Managed Storage)。 TMM テープマウント管理 (Tape Mount Management)。 VSM Virtual Storage Manager。VTSS バッファー の仮想ボリュームと仮想トランスポートに よって、メディアとトランスポートの使用効 率を改善するストレージ製品。ハードウェア には、ディスクバッファーである VTSS と RTD がある。ソフトウェアには、VTCS、 HSC ベースのホストソフトウェア、および VTSS マイクロコードが含まれる。 VTCS 仮想テープ制御システム (Virtual Tape Control System)。VTSS、VTV、RTD、MVC に関する情報や動作を制御する基本ホストソ フトウェア。このソフトウェアは、HSC と同 じアドレス空間で動作し、HSC と緊密に通信 する。 VTD 仮想テープドライブ。物理 3490E を MVS に エミュレートする VTSS のトランスポート。 VTD へ書き込まれたデータは、実際にはディ スクに書き込まれる。VTSS には、VTV の仮 想マウントを行う 64 の VTD がある。 VTSS 仮想テープストレージサブシステム (Virtual Tape Storage Subsystem)。仮想ボリュームと トランスポートを含むディスクバッファー。 VTSS は、32 台または 64 台のトランスポー トのエミュレーションを可能にするマイクロ コードを備えた StorageTek RAID 6+ ハード ウェアデバイスである。RAID デバイスは、 ディスクからのデータの読み取りとディスク への書き込み、RTD からのデータの読み取り と RTD への書き込みを実行できる。 VTV 仮想テープボリューム (Virtual Tape Volume)。MVS カタログと TMS (テープ管理 システム) にボリューム番号がテープデータ セットとして通知されている「カートリッ ジ」。 E28880-01 • リビジョン 01 付録 A 57 58 NCS/VTCS について • 2011 年 4 月 リビジョン 01 • E28880-01