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道徳「無償の愛に気づく」

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道徳「無償の愛に気づく」
道徳「無償の愛に気づく」
指導者
第一部
1
主題名
2 資料名
3
2年2組
佐藤
道徳学習指導案
由美
平成23年9月14日
ごみ出しまかせて 2―(2)親切 思いやり
HAPPY NEWS
主題設定の理由
(1)ねらいとする価値について
「心温まる出来事にふれ、代償をもとめない思いやりの大切さを知る。」
学級の目標が「心ぽっかぽか」
「スマイル2組」で、学級の目標を実践にしていくのにぴっりの内容で
ある。人のために進んで行動する・継続して行うことの温かさに共感し、実践につなげたい。
(2)指導にあたって(男子13名、女子7名
計20名)
本学級の児童は、元気いっぱいで休み時間など、体を動かすことが大好きな児童が多い。いいと思った
ことは、継続して取り組んだり、すすんで取り組んだりして、物事に前向きな児童が多い。感情的に人と
関わることは減り、
「そういうのは変だよ」と友だちの行動に対して、意見する場面も見られるようにな
った。何でも話したい男子に対して女子の発言が少なかったが、徐々に女子も自信をもって手を挙げる場
面も増えてきた。が、隣同士で話したり、意図的に指名したりして発言する場面の設定を継続している。
また、道徳の時間に実践につながる活動も意識して取り入れるようにしている。
2年生になり、学校生活にも慣れ、考えながら生活している。物が落ちていればひろってくれたり、手
伝ってくれたり、進んでしてくれる子が多いが、思ってもなかなか行動にうつせなかったり、その場限り
のものになったりする傾向もある。また、賞状がもらえるから、ほめてもらえるから頑張る姿も見られる。
本教材は、そんな子どもたちに、あったかいものを伝えてくれるはずである。代償を求めていないから、
相手も自分もHAPPYになること・笑顔になることに気づくはずである。少しずつだが、心ぽっかぽか
になる行動も見られるので、継続の自信につながることを期待したい。
(3)資料について
新聞記事「HAPPY NEWS」に登場した中学 1 年生、奥下雅士君は、近所の駄菓子やの川口菊子
さんのゴミだしを週二回している。きっかけは雨の日に見た光景で、奥下君の決心につながる。誰でも遭
遇するような出来事で、その場で手伝うことはそんなに難しいことではないように思われる。しかし、そ
の場限りで終わらせず、継続していくこと、それも気負うことなくスーッとやってしまうことに、彼自身
の考え方が投影されている。
(自分で決めたことを実行する)
授業では、新聞記事の内容を二人の関係を説明を加えながら想像させたり、奥下君の気持ちを考えさせ
たりしていく。駄菓子やのおばちゃんが大変そうだったから自分で決め、やり続けている奥下君のフット
ワークの軽さ。頼まれたからでも、お礼をいってもらいたいからでもなく、自分がやりたいから、気負う
ことなく取り組んでいる姿に気づかせたい。その気持ちがHAPPYにしてくれるということに。
・本資料を通してめざす姿
お互いを心ぽっかぽかにする行いがお互いの笑顔につながること。その代償を求めない行動に「そ
うなんだ」
「大事なことなんだ」と気づく。
26
4
他の教育活動との関連
各教科
道徳の授業
2-(2)
特別活動
・親切・思いやり
・ 人の話をよく聞き、
思ったことを進んで
・ 学活や帰り会で
題名 ごみ出しまかせて
話題にする。
ねらい
(帰りの会での今日の
発表しようとする。
近所のおばちゃんのごみ出し
・ 隣りの人と話し合う
スマイル発表)
を続ける奥下君の行いを通して
代償を求めない思いやりの大切
・
気づいたこと・思っ
さを知る。
家庭・地域との連携
たことを書く
・ 学級通信で道徳の授業
ぐみの木とことり(9月)
様子、生活の様子を知ら
友だちのことを思い、行動す
ることりの行いを通して、思い
せる。
(昨日今日スマイル)
やりの大切さを知る。
<資料分析表>
主要場面
価値との関連
HAPPY なときはどんなときか出し合う
考えさせたいこと
・HAPPY の意味
うれしい 楽しい
資料の写真を見て気づいたことを隣の人と言い合う
元気 幸せ
・写真の二人が笑っている。幸せそう。
・笑顔のわけは
なぜごみ出しをしようと思ったか。
資料の話を聞く
お礼を受け取ったか。
親切
思いやり
「そうか」
実践化
奥下君の行いをどう思うか。同じような経験はないか書く。
同じような経験→心ぽっかほか
HAPPY
新聞記事のコピーを見せる。
27
5
本時の指導
(1) 目標
笑顔で、自分で決めた行動をする奥下君を通して、代償を求めない思いやりの大切さを知る。
(2)視点との関連
視点1 言葉の力をつける指導法について
・HAPPY な時を自分で想像し、発表させる。
・自分の気づきを友だちに伝えるための場面を全員に設定し、考えを出し合わせる。
視点2 進んで伝え合い高め合う指導法について
・ 写真を見て、気づいたことをとなりの人と話す時に、お互いの考えを「どう」と聞きあいながら
進めさせて、全員の発言につなげる。
・ お小遣いをあげようとしたおばちゃんに対して奥下君がどうしたか、理由も含めて考えさせて、友
達と話し合わせる。
(3)展開
学習活動
①
導
発問(○) 反応(・)
指導上の留意点(◇)
評価
HAPPY の読み ○なんと読むでしょう。
方を想像する。
入
・?
○ハッピーと読みます。
どういう意味かな。
・うれしい
・元気
5`
楽しい
・幸せ
◇HAPPY の言葉を想像することで、意欲
をもたせる。幸せと押さえる
◇HAPPY な場面を各自思い浮かべ出さ
・ハッピーバースデイ
せる。
○みんなはどんな時に HAPPY
(発言の少ない子に話を聞く)
と感じますか。
・食事のとき
・百点をとった時
・ほめられた時
・プレゼントをもらった時
・誕生日
②写真を見て、気づ ○今日は「ハッピー」について ◇となり同士、写真のコピーを見て、話し、
展
いたことをとなり
の人と出し合う。
開
考えていきます。
一致したことを全体で話すようにする
○写真を見て、気づいたことを
ことで、言いっぱなしにしない。
「どう」
となりの人と話しましょう。
と聞くようにさせる。(発言の少ない児
それからみんなの前でも言っ
童も話す機会に)
てもらいます。
◇「そうだね」と二人で一致したことを発
・笑ってる。
表させる。
・玄関で楽しそう。
・中学生かな
となりの人に自分が感じたことを話し、
○すごくうれしいことがあった
10
のかな。二人とも笑顔ですね。
③奥下君と駄菓子や
何をしているのでしょう。
相手の気づきも聞くことができたか。
(発言)
◇二人の笑顔に気づかせる。
のおばちゃんの話 ・孫がおばあちゃんの手伝いを ◇笑顔のわけを楽しく想像させる。
を聞く。
したので「ありがとう」と言
28
っている。
・今日の出来事を話してる。
○この人は奥下君、中学生で野
◇二人の関係を話し、つながりを想像させ
る。
球部に入っているよ。隣は近
所の駄菓子やのおばちゃん。
展
奥下君は、このおばちゃんの
開
代わりにしていることがあり
ます。何だと思う。
・いっしょに歩くこと
・そうじ
・ゴミ袋があるから、
○そうです。週2回のゴミだし
です。ゴミだしを続けてやが
て2年半になるそうです。奥
下君はどうして、ごみ出しを
しようと思ったんだろう。
10
◇子どもたちの発言後、おばちゃんがたい
・お菓子をかったお礼
へんそうだったから、自分の出来ること
・トレーニングのかわり
をしようと決心をした奥下君の気持ち
・おばちゃんが大変だから
を想像させる。一年半も続けたことから
も、その場限りの気持ちではなかったこ
とにふれる。
④奥下君の無償の行 ◎ある日、おばちゃんは、お礼 ◇奥下君の「ぼく、それがほしくてしとる
為に気づく。
にと奥下君にお小遣いを上げ
んじゃないけん」の言葉を考えさせた
ると言いました。奥下君はど
い。自分で決めて始めたことであること
うしたと思う。理由も考えて。
継続して続けていること。決めたことは
・受け取らなかった。自分で始
遣り通す気持ちももっていること。
めたことだから
・少しはもらった。頑張ってい
るから
(発言)
○奥下君の「ぼく、それがほし
くてしとるんじゃないけん」
の言葉です。お小遣いもいら
ないと言って、どうして続け
ているの?
・おばあちゃんが大変そうだっ
た
15
奥下君の気持ちに気づいたか。
・自分で決めた
○おばあちゃんは奥下君にお礼
の気持ちを伝えるために、心
の中で「ありがとう」と言っ
ているそうです。
29
④
自分の経験を書 ○みんなも奥下君のような経験
く。
はありませんか。書いてくだ ◇奥下君が難なくしている様子、笑顔から
さい。奥下君への気持ちでも
奥下君への共感、継続していることへの
いいよ。
賞賛。自分の経験を想起させる。
・一年半も続けてすごい。
・普通に奥下君はやっていてす
ごい。二人ともうれしそう
・笑顔っていいね
・1 年生に毎日あいさつしてる
よ。
・毎日、お手伝いをしている。
○発表してください。
発表する。
・お手伝いのすみれ
・弟の面倒みてるたいすけ
・
あゆい
・毎日けんこう観察版を 1 年生に届けて
いるT君、
・奥下君について
○小林先生からお話あります。
・毎日 1 年生にあいさつをしいているみ
◎奥下君と同じようなことした
んな、6年生。
時の気持ちは、どうだったか
・お手伝いを4月毎日した人
な。
・近所の人とのふれあい
など
・すっきりした ・・笑顔
◇自分で決めて継続していることを紹介
・心ぽっかぽか
○実は先生もちょっぴりしてい
し、自信と励みにしていく。
ることあります。
教室でみんなを待っていてみ
んなのあいさつを聞くこと、
⑥年生のあいさつに返すこと
◇みんなうれしくなるから、継続できるこ
など
とにもふれる。
終
末
⑤奥下君の記事のコ ○新聞記事のコピーです。
ピーを見る。
奥下君のことがよく分かる
5
と、ますます二人がうれしそ
`
うに見えるね。HAPPY 幸せ
◇HAPPY な二人の様子を見て、お互いを
思いやる気持ちにひたらせる。
そうだね。
○奥下君から笑顔をもらい、今 ◇今の様子、経験を書いてる時の子どもた
日のみんなも笑顔になりまし ち様子についてもふれる。
た。
●評価 代償を求めない思いやりに気づいたか。
参考にした資料・文献
・文渓「みんなのどうとく」指導書
・とっておきの道徳指導
日本標準
・授業のネタ 道徳
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Ⅱ第二部
1
実践の様子
視点1:言葉の力をつける指導法
について
○HAPPYの意味と、そんな気もちになった時の具体例を
思い描く。
○となりの人と言葉で伝え合う。
・
「HAPPY」と読むことはできなくても、音としては知っていて、
HAPPYな場面を言うことができた。学校生活全般に関わり、
好きな科目、友達との遊び時間、読書、給食などたくさん出てきた。
・
「うれしい」だけでなく、心がぽっかぽかになる時間であることにも
気づけた。
○となりの人に考えを伝えることは結構出来たし、そういう活動を好ん
でいる。
○「にてるなあ」
「ちょっと似てるけど言い方がつがう」など聞こうとしている姿、比べて聞く姿も少しずつ
見られた。
視点2:進んで伝え合う指導法
について
○写真をみて、気づいたことを言い、
「どう」と聞きあいながら進める。
○主人公がどうしたか、理由も含めて考えさせて、友達と話し合わせる。
○自分だけのハッピーから、人と関わったハッピーに気づくことは出来た
○2人で写真のプリントを見て、気づいたことを話し合い、書き込む。書き込んだことで、話がひろがった。
○2人で話し合うと自信をもって発言できた。たくさんメモすることで、もっと気づくぞという気もちにつな
がった。
●提示の仕方の工夫が必要だった。写真一枚たではなく、絵などで訴えるなど。見やすくすることで、主人公
の決心や気持ちに気づける。
●資料に寄り添えない児童への手だてとしてを考える必要があった。2人の顔や「どんなこと話してるのだろ
う」など具体的に問う形で進める必要があった。
気づいたことを全体に広げる場面で
○自信をもって発言し、他の人たちの発言に同意したり、付け加えたりすることができた。
31
● 気持ちのくみ取りをする。
・傘をさし、足をひきづり、荷物を重そうにもつおばあちゃんの様子を具体的に動作や絵で示すことで、おば
あちゃんへのへの思いをもっと語らせる。
・
「杖」に気づいた子がいたので、そり子の気づきを語らせることで、何のための杖か、そのことからどれほ
どゴミ出しが大変かと想像せることが出来たのではないか。
・ゴミ出し回数をの具体化にきくことで、教室のゴミを出しに行く時の大変さも合わせて考えそせることでそ
の大変さ想像させる。
●お小遣いはもらっていないが、別のものはもらっている。何かと問いかけることで考えが広がり、主人公の
無償の行為に気づかせる。
視点3:学んだことがつながる場の設定
について
○日ごろの生活で、実際にやっていることを先生に話してもらう。
友達にしてもらって、うれしかったことを話してもらう。
○自分がしていることに気づく
○実際に1年生のためにしている「健康観察板」配りのことやあいさつをしている様子を晴らしてもらうこと
で、自分が誰かのためにしていることに気づけた。友達の行為に賞賛を送ることができた。
○資料にはなかなかよりそえないが、自分の経験なら語ることが出来た児童がいた。
○自分だけのハッピーから、人と関わったハッピーに気づくことは出来た。
○教師の思いはそれなりには伝わったようだ。心なしか、翌朝の子どもたちのあいさつ、笑顔が生き生きして
いた。
視点4:伝え合う力を支える日々の実践
について
○帰りの会での「今日のがんばり」
「今日のスマイル」発言。プリントを配る時の「はいどうぞ」
「ありが
とう」発言の日常化を図る。
○朝、教室にはいってくる時の「おはよう」友達への「おはよう」の日常化を図る。
○授業中は自分からそんなに話せなくても、友達の頑張りやスマイルになることについては、話せるので、
時間を確保して、発表を促している。
○朝、教室で待ち「おはよう」と言って入ってくる子どもたちに「おはよう」と答えること・「図書館行っ
てきます」などと自然に言うことの延長線上に、友達と自然に話すことが出来、みんなの前でも話すこと
へつながっていくと考え、取り組んでいる。
32
第三部
1
成果と課題
(○:成果
●:課題)
視点1:言葉の力をつける指導法
○となりの人に考えを伝えることは結構出来ているが、話がつながるかというと、なかなか進まないないこと
もある。機会を見つけて取り組み相手の気持ちを受け止めるようにしていきたい。
○相手の話を聞く気もちはもっているので、視点を設けて着目させていくことで、話がつながり、修正もでき
るようになると思われる。
○資料と自分を比べたり、自分ならどうするか語ることで、資料により添うことも出来ることも多くなると思
われる。
●資料提示の仕方の工夫で、気もちを掘り下げられるので、写真や絵の枚数をふやし、構造的に板書する必要
がある。
2
視点2:進んで伝え合う指導法
○2人で気づいたことを話し合い、メモすることで確認したり、話をつなげたりたりすることになる。
○2人で話し合うと全体で話すときも自信をもって話が出来、発言の少ない児童も話せることが多い。
全体で話し合う場で
○2人で話し合ったことを
全体の場で話すときに、他の人たちの発言に同意したり、付け加えたりして、よ
く聞きあうことが出来た。
●無償の行為について、2年生はほめられるとうれしい。だからいいことをするというのでもいいのではない
か。
●もませる所はじっくり時間をかけて話し合い、気持ちのくみ取りをする。考えが広がるような問いかけが必
要だ。
●板書の構造化することで、主人公の決心の固さや気もちの深まりが明確になる。
3
視点3:学んだことがつながる場の設定
○自分が誰かのために何かをする、していることは相手に喜んでもらい、自分も笑顔になる。そういうことを
続けていこうという自信ももてた。
☆今までしたことを認められることで、更に実践する力につながるのではないか
4
視点4:伝え合う力を支える日々の実践
○日々の誰かのためにという行為をみんなで認め、奨励していく。
●相手の話を聞く気持ちに差がある。共感や「どうして」「もっとあるよ」という反を多くの児童にもたせた
い。
5
授業者の変容と課題
無償の行為を言葉で語ることは難しい。でも、人として誰かのためにやる、その気持ちは2年生なりに感
じとらせたいし、そうだからこそ続けられることら気づかせたい。そういう思いで設定した内容だった。ほ
められなくても、お礼を言われなくても自分でいいと思って決めたから実行する。そんな強さがあれば、他
のいろいろなこともクリアできると思う。子どもたちのそんな行為をしっかり支え、認め合う時と場を確保
していきたいと考えている。
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