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投資環境マンスリー
M 情報提供資料 投資環境マンスリー 2017年1月号 投資環境マンスリー 2017年1月号 経 済 調 査 部 M Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ①米国 2017年の景気は堅調見込むも、新政権の政策は未知数 ②欧州 ③日本 ④オーストラリア ⑤中国 ⑥ブラジル ⑥為替 2017年のユーロ圏景気加速の鍵は個人消費と、米英政治に揺さぶられそうな外需 2017年は政府主導で構造改革が進み、国内投資の拡大を促進できるか 2017年も通貨の底堅さが続くのか 2017年は秋の共産党大会を控え、景気安定を最優先か 2017年のレアル上昇には、テメル政権の財政改革進展と景気浮揚が不可欠 2017年は行き過ぎた世界経済楽観論が修正され、円安ドル高の勢いは鈍化へ Ⅱ. 国際金融市場の動向 Contents ①株式 ・・・ 15 ②金利 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ 16 ③為替 p.1-14 1-2 3-4 5-6 7-8 9-10 11-12 13-14 p.15-17 ・・・ 17 Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.18 Ⅳ. 2017年1月の主要な政治・経済日程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.19 Ⅴ. 2017年の主要な政治・経済日程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ p.20 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 0 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国:2017年の景気は堅調見込むも、新政権の政策は未知数 新政権陣容は概ね固まり、トランプ公約を色濃く反映 M 2017年1月20日の大統領就任が迫り、新政権を担う人事が相次いで発表され、 異色の顔ぶれが並びました。政治経験のない企業経営者や投資家が多く登用 され、安全保障政策担当には軍人出身者からの起用が相次ぎました。共和党 内からは主流派とのパイプ役のほか、選挙戦におけるトランプ氏の主張を踏 襲する強硬派の起用が目立ち、選挙公約の実現を最優先する布陣で固めた模 様です(図1)。今後は就任後の3大教書を通じて新政権が提示する具体的な 政策の全容に焦点が移りそうです。長期の成長見通し改善につながる政策を 選択し、議会と協調して法案の早期成立を実現できるかに注目が集まります。 米国景気は消費中心に良好、米国株は史上最高値を更新 足元の景気は良好です。2016年7-9月期の実質GDP(確定値)は前期比年率 +3.5%と前期の同+1.4%から加速、個人消費と輸出がけん引しました(図2 左)。消費堅調の背景は良好な雇用環境が一因です。11月非農業部門雇用者 数は前月差+17.8万人と昨年平均の+23万人を下回るものの、失業率の低下が 続く等安定した伸びを維持しています(図2右)。11月平均時給は前年比+2.5% と緩やかながらも雇用環境の改善が賃金上昇に波及する姿がみられます。 【図1】 実業家偏重政権で米国利益の最大化を追求へ 経済 目標 大統領選以降、米国株は史上最高値を更新するなど堅調です。良好な企業 業績に加えてトランプ氏の政策期待が下支えしているようです(図4左)。一 方、米10年国債利回りは2.5%台まで上昇、日米金利差拡大が円安ドル高の一 因になったとみられます。2017年もこの傾向が続くのかは、今後、明らかと なるトランプ氏の具体的な政策に左右されそうです。国債利回りの動向を考 える上では、潜在成長率が上昇するのか、民間資金需要が強まり実質金利が 上昇するのか、インフレ見通しが強まり期待インフレ率の上昇が加速するの かなどが注目されます(図5)。(吉永) 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 ❆ 実質GDP成長率を10年平均で+3.5%に引上げ(最大年間+4.0%) 【就任初日】※大統領権限で対応可能 通商 【就任100日以内】※立法化を 目指す 米国エネル キ ゙ ー・イ ン フラ スト ラ クチャー法 ・10年間で1兆ドルの投資 中間層減税及び 課税簡素化法 ▪ 子供が2人の中間層に35%減税 ▪ 所得税区分簡素化(7→3段階) ▪ 連邦法人税減税(35%→15%) ▪ レパトリ減税(10%に) 税制 移民 1月3日 ❆ 10年間で2,500万人の新規雇用創出(月平均:20.8万人) インフラ 投資 ▪ 犯罪歴のある移民を強制送還 ▪ テロ頻発地域からの移民受入れを一時中止 ▪ ビザの悪用調査を指示 ▪ 大統領権限の不法移民恩赦撤回 不法移民終結法 ▪ 南部国境に壁を建設 ▪ 不法移民の入国禁止 ▪ ビザ規則の変更 大統領首席戦略 担当兼上級顧問 国家安全保障 担当首席補佐官 国務長官 国防長官 ・ゴールドマン・サックス出身 ・扇動的ニュースサイトの元会長 ・前防衛情報局長 マイケル・フリン氏 ・イスラム嫌悪を扇動 ・エクソンモービルCEO レックス・ティラーソン氏 ・ロシアと親交 ・元中央軍司令官 ジェームズ・マティス氏 ・アフガン・イラク戦争で現場指揮 スティーブ・バノン氏 国土安全保障長官 ジョン・ケリー氏 ・元南方軍司令官 出所) 各種報道資料より当社経済調査部作成 大統領就任演説は、通常の一 般教書演説に該当 2月下旬 2月中 大統領経済報告 (経済教書)公表 2月頃まで ■ トランプ新政権主要人事の指名状況(2016年12月26日時点) 略歴 1月20日 大統領就任式 上下院合同議会 にて施政方針演説 上院にて新政権 人事承認 ▪ 新規規制1つ設ける毎に 現行規制2つを廃止 ▪ 最高裁判事の後任人事選定開始 ▪ 政府高官のロビイスト転身禁止等 候補者 ↓ ↓ ▪ シェールガス・石炭等の生産規制撤廃 ▪ 国連気候変動プログラムへの資金拠出停止 ▪ エネルギーインフラ計画の再開 役職 連邦議会両院合同会議を 開催し、その場で集計・承認 予算教書を 議会へ提出 オバマケア廃止・置換法 ▪ オバマケア廃止(一部維持を検討) ▪ 州を越えた保険加入を可能に ▪ メディケアの管理を州政府に任せる 大統領首席補佐官 ラインス・プリーバス氏 ・共和党全国委員長 1月6日 選挙人票の開票 ↓ 国家安全回復法 育児・介護費用適正化法 地域安全回復法法 学校選択・教育機会法 ワシ ン トン 腐敗一掃法 出所)「Donald Trump」HP、政権移行チームHP、 各種報道資料より当社経済調査部作成 その他 上・下院 新議会開会 ↓ ~2月6日 ▪ NAFTAの再交渉もしくは離脱 オフショアリング終了法 ▪ TPPからの離脱(代わりに2国間交渉) ▪ 企業の海外移転阻止のための ▪ 中国を為替操作国に指定(対抗措置:45%関税) 関税率設定 ▪ 外国による不公正貿易の阻止を指示 社会保障 エネルギー 12月13-14日の米FOMC(連邦公開市場委員会)は、1年ぶりに0.25%の利上 げを実施、FF金利の誘導目標を0.50~0.75%に変更しました(図3左)。経済 見通しは景気や物価に対する見方を上方修正、2017年の利上げペースを0.25% を2回から3回に引き上げています(図3右)。声明文の「緩やかな利上げを予 測」とあるように、2005年頃の年8回の利上げに比べると緩やかなペースです。 ■ 今後の主な日程 ■ トランプ政権の100日計画(一部抜粋) 役職 ↓ 3月15日 債務上限 引上げ期限 民間出身(政治経験無し) 候補者 共和党 軍人出身 略歴 財務長官 スティーブン・ ムニューチン氏 ・ゴールドマン・サックス出身 ・映画投資で有名 商務長官 ウィルバー・ロス氏 ・企業再建を得意とする投資家 国家経済 会議委員長 ゲーリーコーン氏 労働長官 アンディー・ パズダー氏 保健福祉長官 トム・プライス氏 エネルギー長官 リック・ペリー氏 ・ゴールドマンサックス社長兼 最高執行責任者 ・ファーストフード大手CEO ・労働条件規制に批判的 ・下院予算委員長 ・オバマケアの強硬な反対論者 ・前テキサス州知事 ・地球温暖化に懐疑的 1 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図2】 景気は消費と輸出が主導し高成長、雇用環境は良好 米国 実質GDP(前期比年率) 6 M 米国 失業率と非農業部門雇用者数 (%) 住宅 投資 4 100 設備 投資 2016年 7-9月期 +3.5% 実質GDP 【図3】 2016年12月のFOMCは経済見通しを上方修正し利上げ (万人) (%) 非農業部門雇用者数 (前月差、左軸) 50 12 (%) 7 (米ドル) 9 2 5 失業率 15,000 6 3 0 政府 支出 -2 在庫 投資 個人消費 純輸出 (輸出-輸入) 2014 2015 3 10,000 物価上昇率 2 2016 -100 2000 2004 2008 2012 2016 (年) 0 5,000 0.75% 1 FF金利 0 1995 2000 2005 2010 (年) 0 2017年 2018年 2019年 長期 1.9 2.1 2.0 1.9 1.8 2016年9月 1.8 2.0 2.0 1.8 1.8 変化 +0.1 +0.1 +0.0 +0.1 +0.0 2016年12月 4.7 4.5 4.5 4.5 4.8 2016年9月 4.8 4.6 4.5 4.6 4.8 変化 ▲0.1 ▲0.1 +0.0 ▲0.1 +0.0 2016年12月 1.5 1.9 2.0 2.0 2.0 2016年9月 1.3 1.9 2.0 2.0 2.0 変化 +0.2 +0.0 +0.0 +0.0 +0.0 2016年12月 0.625 1.375 2.125 2.875 3.000 0.625 1.125 1.875 2.625 2.875 2016年9月 2015 +0.000 +0.250 +0.250 +0.250 +0.125 変化 注)左図の直近値は2016年12月23日時点。 右表の色の反転部分は見通しを上方修正した部分。 注)左図は確定値。右図のFOMC予測は2016年12月時点。 2016年 (0.50~0.75%) FF金利目標 (左軸、レンジの上限) 失業率(右軸) (年) 2013 2016年11月 4.6% FOMC予測 失業率の長期水準 4.8% -50 -4 実質GDP 2016年12月 20,000 4 0 25,000 NYダウ(右軸) 6 2016年11月 +17.8万人 米国 FOMCの経済見通し(中央値、%) 米国 NYダウとFF金利目標 出所)FRB、Bloombergより当社経済調査部作成 出所)米商務省、米労働省、FRBより当社経済調査部作成 【図4】 大統領選後の株価は金融中心に上昇、業績利益は良好 【図5】 利回り上昇が継続するか実質金利と期待インフレに注目 20 S&P500 業種別騰落率 (2016年11月8日~同年12月19日) (%) 米国 一株当り予想利益 (各年12月末時点) 250 米国 潜在成長率と実質金利 (2007年12月末 =100) 5 一般消費財 15 米国 物価と期待インフレ率 (%) 3 (%) 10年期待インフレ率 (インフレ連動国債) 米国潜在成長率 (米議会予算局予測) 4 2016年 12月23日 2.00% 200 10 ヘルスケア 3 2 150 5 2 0 S&P500 100 1 1 10年実質金利 (インフレ連動国債) -5 公 益 生 活 必 需 品 ヘ ル ス ケ ア 情 報 技 術 一 般 消 費 財 S & P 5 0 0 素 材 バ リ ュ ー 資 本 財 エ ネ ル ギ ー 電 気 通 信 金 融 50 0 2008 注)右図の予想はBloombergの当期予想で直近のみ2016年12月19日時点。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 0 エネルギー 2010 2012 2014 (年) 2016 物価目標2% 2016年9月 1.56% -1 2000 2016年 12月23日 0.55% 2004 2008 2012 2016 (年) 2016年10月 +1.7% コア個人消費支出 デフレーター (前年比) 0 2000 2004 2008 2012 2016 (年) 注)10年国債利回り=10年実質金利+10年期待インフレ率。 出所)Bloomberg、米商務省、米議会予算局より当社経済調査部作成 2 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ②欧州 : 2017年のユーロ圏景気加速の鍵は個人消費と、米英政治に揺さぶられそうな外需 ユーロ圏景気加速の条件は個人消費と外需 M 【図1】 投資は改善も家計債務重く消費は伸び悩み 米ユーロ圏 固定資本投資(左)と家計債務(GDP比)(右) 2016年のユーロ圏景気は年初の予想よりは比較的堅調な回復軌道を辿りまし た。個人消費は総じて底堅く、設備投資も2014年から始まった投資促進策である ユンケルプラン(ユンケルEU(欧州連合)委員長発案)がようやく芽を出し始 めその伸びは米国を上回りました(図1左)。もっとも、これら内需の活性化も 景気を過熱(潜在成長率を持続的に上回る)させるほどの力はまだありません。 15 (%:前年比) 150 10 英BREXIT、米通商政策、そしてユーロ圏各国政治問題 英メイ首相は、BREXIT(英国民によるEU離脱)に向けたEUとの交渉開始を 2017年3月までに宣言と表明するも、英最高裁はBREXIT法制定の要否を2017年1 月にも判断するとしています(図4)。もし法制化が必要となれば、EU離脱交渉 の開始宣言、及びその2年後となるEU離脱は後ずれすると共に、英国が目指すと みられる単一市場アクセス権(EUとのヒト・モノ・カネの自由移動)の維持に も暗雲が立ち込めましょう。仮にEUと英国の間で単一市場アクセス権が失われ れば、英国はもちろんのこと、ユーロ圏外需にも大きな打撃となりましょう。 また米トランプ次期大統領が2017年1月20日の就任以降、どういった通商政策 を打ち出すかはユーロ圏外需にとっては極めて重要です。2000年代以降、米国が 世界の貿易取引の担い手となり巨額の貿易赤字を計上、ユーロ圏各国はその恩恵 を得て巨額の貿易黒字を計上しているためです(図5)。米通商政策が保護主義 化へと向かえば、ユーロ圏貿易黒字は縮小し景気の足かせとなりましょう。 更に、域内の政治的不透明感の高まりにも注意が必要です。EU(欧州連合) の是非が焦点となりそうな2017年の独仏選挙は注目です。但し英BREXITとは違 い独仏世論はEUに好意的、大きな波乱はないとみています(図6)。(徳岡) 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 140 +3.0% 130 ▲0.8% 120 5 0 ▲5 2017年のユーロ圏景気は、個人消費と外需の活性化が加速の条件となりましょ う。前者では各経済主体の債務調整(図1右)の進行と共に、失業率が改善(図2 左)し家計の可処分所得改善に繋がる必要がありましょう(図2右)。また後者 では、過去最大規模に膨張する貿易黒字の一段の拡大を要しましょう(図3)。 もっとも、お得意様といえる英国、米国との貿易取引を展望すると不安が残りま す。両国との間で各々複雑な通商上の課題に直面するとみられるためです。 米国 固定資本投資 ユーロ圏 固定資本投資 ▲ 10 (%:GDP比) ユーロ圏 家計債務 135% 110 米国 111% 家計債務 100 ▲ 15 90 ▲ 20 ▲ 25 80 2000 2004 2008 2012 2016 (年) 2000 2004 2008 2012 2016 (年) 注)直近値は左図が2016年7-9月期、右図はユーロ圏家計債務が同年4-6月期、米国家計債務は同年7-9月期。 出所)Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成 【図2】 失業率と可処分所得回復は必要条件 ユーロ圏主要4ヵ国 家計可処分所得伸び(前年比) ユーロ圏主要4ヵ国と米国 失業率とNAIRUの乖離 12 (%) 12 10 8 6 米国 4 イタリア 2 3.6 2.3 0.6 0 -2 -4 フランス 9.8 10 スペイン 8 (%:前年比) ドイツ▲0.6 米国▲0.0 6 4 2 2016年 2010年 5.8 4.2 2000年 2.7 2.6 2.5 2.4 2.4 1.7 2.8 0 -0.1 -6 -2 -8 1992 1997 2002 2007 2012 2017(年) -4 -1.5 ドイツ フランス イタリア スペイン 注)左図NAIRU(インフレを加速させない失業率の水準)はOECD(経済協力開発機構)推計、2018年まで 、ドットはOECDによる予想。図中数値は直近実績値(2016年7-9月期)とNAIRUの差。右図2016年は4-6月 期までの平均値。 出所)OECD、Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成 3 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図3】 ユーロ圏貿易のお得意様、米英では政治的不透明感漂う M 250 世界主要国の貿易収支と米国貿易赤字 ユーロ圏貿易収支(相手国別) (億ユーロ) 2016年9月 200 106 150 英国 100 88 50 米国 0 中国 ▲ 50 ▲ 100 ▲82 ▲0.9 ▲25 日本 ▲ 150 ロシア ▲ 200 ▲ 250 1999 2003 2007 2011 2015 (年) 2019 注)新興国は、中国、香港、マレーシア、フィリピン、ロシア、シンガポール、南アフリカ、韓国、タイ、トルコ、 ブラジル、インド、インドネシア、メキシコ、ポーランド、ハンガリー、アルゼンチン、チリ。貿易収支の直近値は 2016年4-6月期。 出所)IMF、各国統計局より当社経済調査部作成 出所)Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成 【図4】 まずは英最高裁判断が待たれる 【図6】 独仏選挙は波乱なしを見込む 英国のEU離脱に向けたスケジュール(想定)と主な争点 EU委員会アンケート調査 EUを支持するか否か(2016年5月調査) 英ロンドン高等法院 リスボン条約第50条(Article50)発動 には英議会承認が必要との判断下す 2016年 6月23日 国民投票結果 英国 EU離脱 (BREXIT) 2019年2月 英国EU離脱 (BREXIT) 【英議会での焦点になるとみられる論点】 ユーロ圏主要国 主な選挙日程 22-29日 フランス社会党 予備選 ■ハードBREXITか、ソフトBREXITか (ハードBREXIT = 単一市場アクセスなしのEU離脱) 但し、投票結果は法的 拘束力を持たない 23日 フランス 大統領選 投票 ■EU離脱はそもそも必要か? ■EU離脱のコスト・ベネフィット再考 2016年 6月 【図5】 米保護主義はユーロ圏外需に打撃 2017年 10月 11月 1月? 英最高裁判断 議会は本質議論を 避けて通れず 2018年 2019年 3月 EU離脱交渉開始 は大幅に後ずれも 英メイ首相 「Brexit is Brexit」(BREXITはもう決まった事) EUとの離脱交渉2年 Article50 難しいか? 議会承認を経ず2017年1-3月期にArticle50(EU離脱交渉開始宣言)発動の意向 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 2月? 出所)各種資料より当社経 済調査部作成 18日 フランス下院選 15日 オランダ総選挙 極右自由党支持率高 (EU離脱主張) 7日フランス 大統領選決選投票 (予想)イタリア 選挙制度改正後 解散総選挙? 日程未定 ドイツ総選挙 注)左図若年層は16-39歳、高齢層は40歳超。灰色はどちらとも いえないとの回答。右図イタリアは当社経済調査部による予想。 出所)EU委員会、各種報道より当社経済調査部作成 4 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ③日本: 2017年は政府主導で構造改革が進み、国内投資の拡大を促進できるか M2016年後半に踊り場を脱した日本経済、持続性はあるか 【図1】 2017年の実質成長率はプラス基調に 日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率) (%) 15 2016年7-9月期の実質成長率は3四半期連続のプラス成長となりました(図 1)。GDP統計は1993SNAから2008SNAへの対応を含む平成23年基準改定を 反映し足元の成長率を上方修正、2015年度の名目GDPは31兆円増加し532兆 円となりました。新基準では個人消費が堅調な姿となっています。ただし消 費マインドの低迷など消費に力強さはなく、外需主導の成長が続いています。 実質GDP (前期比年率) 公的需要 10 (予想) 純輸出 在庫投資 5 0 景気は2016年後半に停滞から再拡大に転じました。内閣府は10月景気動向 指数一致CIの基調判断を足踏みから改善へ1年10ヵ月ぶりに上方修正、日銀 短観でも12月大企業製造業の業況判断DIが6四半期ぶりに改善しました(図 2)。株価も2016年6月に底入れしており、日本経済が拡大局面にあることを 示しています。2017年は米中経済の牽引で緩やかな経済成長が予想されます。 輸出→企業収益→雇用者所得→消費の拡大で企業の需要見通しが改善し投資 が増えれば、好循環が生じ成長率は高まるでしょう。 -5 2016年7-9月期 実質GDP+1.3% (2次速報値) 個人消費 -10 民間住宅投資 -15 民間設備投資 -20 (年) 2012 2013 2014 2015 2016 2017 注) 2016年10-12月期から2017年10-12月期までが当社経済調査部の予想値。 出所)内閣府より当社経済調査部作成 企業は国内需要の成長性へ懐疑的、マネーだけでは解決困難 【図2】 景気は足踏みから改善へ、再拡大の動き ただし、企業は内需の成長性に懐疑的とみられます。団塊世代の退職が増 えるなか中小企業中心に人手不足感は強まり、失業率は21年半ぶりの水準に 低下しています。ただし、実質賃金の上昇にもかかわらずインフレ率は加速 していません(図3)。その背景にはGDP需給ギャップの需要不足がなかな か解消しないことがあり、期待成長率の低下で投資は国内から海外へシフト しています(図4)。マネー増だけで潜在成長率の引き上げは困難であり、 安倍政権は構造改革を進め、企業に国内投資へ眼を向かせる必要があります。 40 30 (%ポイント) 105 大企業非製造業 20 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 (2010年=100) (2010年=100) 鉱工業生産(左軸) 125 120 10 0 115 95 -10 -30 130 100 110 -20 企業はトランプ相場に対しても慎重な見方をしています。円安進行にもか かわらず、12月日銀短観で企業収益予想は下方修正されました(図5)。一 方、株価は期待の高まりで上昇、事業計画と株価が織り込む業績に乖離があ り、今後業績予想の上方修正で乖離が埋まるのかが焦点です(図6)。企業 は余剰資金を自社株買い、M&Aにシフトしており、2017年は政府主導で構 造改革が進展し、企業の成長期待を引き上げられるのか注目です。(向吉) 日本 景気動向指数と鉱工業生産 日銀短観 業況判断DI 90 3ヵ月移動平均 105 大企業製造業 -40 100 85 -50 -60 (年) 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 注)直近値は2016年12月実績。点線は先行き見通し。 出所)日本銀行 80 景気動向指数 一致CI(右軸) 95 (年) 90 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 注)直近値は2016年10月。生産は11・12月予測指数(実現 率修正済み)の伸びで延長。 出所)内閣府、経済産業省 5 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図4】 期待成長率の低下で投資は国内から海外へシフト 【図3】 労働需給は逼迫、ただしインフレ率の加速はみられず (%ポイント) 50 M ( 雇用人員判断DIと賃金上昇率 (%) (%) 5 雇用過剰 40 中小企業雇用人員判断DI(左軸) 3 20 2 日本 消費者物価と失業率 (%) 0 消費者物価(生鮮食品除く総合、前年比) (左軸) 4 30 10 4 3 3 -20 -2 -30 -3 -1 -4 実質賃金前年比(右軸) 雇用不足 -60 (年) 109 108 107.97 107.92 107 想定為替レート 106 5 -2 -5 104 (%) 大企業製造業 0 -2 -4 -6 -8 -10 -12 -14 -16 -18 -20 (年) 6 1991 1995 1999 2003 2007 2011 2015 注)直近値は2016年10月。消費者物価は消費増税 の影響を除く。 出所)総務省 (円/ドル) 50 日本 企業の想定為替レート 45 2016年度想定レート (日銀短観12月調査) 40 104円95銭 25 想定為替レート (右軸) 15 9 調 月査 12 調 月査 9 調 月査 12 調 月査 注)直近値は2016年12月日銀短観における事業計画。 出所)日本銀行 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 5 0 -5 -10 経常利益予想の為替感応度 全産業 製造業 非製造業 0.58 0.82 0.28 (円/ドル) 130 110 10 売上高計画 (前年度比) 経常利益計画 (前年度比) 0 0 15.0 2.0 -2 10 14.5 1.5 20 14.0 1.0 30 13.5 GDP需給ギャップ (左軸) -6 -8 1993 2001 2005 2009 2013 2017 (年) 40 13.0 1997 2005 2009 (年) 2013 0.0 2017 ( 30 2016年度事業計画 20 情報サービス -20 40 (年) 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 -70 日本 日経平均PERとEPS (倍) 24 20 金属製品 平均=15.4倍 18 卸売 2,800 (2016年 12月26日) 16.47 16 窯業・土石製品 食料品 繊維 業務用機械 紙・パルプ 全産業 非鉄金属 電気機械 生産用機械 自動車 汎用機械 -11.6% 化学 トレンドライン 予想EPS(一株当り利益) (右軸) 1303 1178 (+10.7%) (+6.9%) 104 105 106 107 108 想定為替レート(円/ドル) 2 110 注)2016年12月調査。対象は大企業。 出所)日本銀行、Bloomberg 1,400 800 600 400 200 0 109 1,600 1,000 2017 年度 予想 4 104.95円 2,200 1,200 6 鉄鋼 2,400 1,800 12 10 2,600 2,000 14 8 103 (円) 3,000 予想PER(左軸) 22 木材・木製品 10 経 0 100 常 利 -10 90 益 前 -20 80 年 度 -30 70 比 ( -40 % 60 ) -50 注)直近値は2016年12月26日。対象は大企業全産業。為替 感応度は日銀短観事業計画をもとに算出。出所)日本銀行 2001 注)直近値は2016年7-9月期。名目GDPベース。 出所)内閣府、財務省 日銀短観 想定為替レートと経常利益予想 -60 ドル円相場-想定為替レート (左軸) 1997 【図6】 円安・景気拡大による収益増を織り込み株価は上昇 50 -15 0.5 設備投資対GDP比(左軸) 注)直近値は短観加重平均DIが2016年12月、その他は同年 4-6月期。GDP需給ギャップは日銀推計。出所)日本銀行 120 ドル円相場 (右軸) 20 大企業非製造業 2.5 需要不足・供給超 完全失業率(右軸、逆メモリ) -6 -3 35 105.09 104.90 -10 15.5 -4 30 105 2 4 【図5】 円安ドル高が進むも企業は想定為替レートを円高に修正 日銀短観 2016年度事業計画 3.0 潜在成長率 (左軸) 0 1991 1995 1999 2003 2007 2011 2015 注)直近値は雇用人員判断DIが2016年12月、実質賃 金が同年7-9月期。 出所)日本銀行、厚生労働省 (円) -20 16.0 短観加重平均DI (右軸、逆目盛) 1 -1 -50 直接投資対GDP比(右軸) 3.5 4 0 大企業雇用人員判断DI(左軸) (%) 4.0 -40 17.0 -30 16.5 1 2 日本 設備投資と直接投資 (%) (%ポイント) 需要超・供給不足 2 -10 -40 8 6 1 0 日本 需給ギャップ (%) (年) 2011 2012 2013 2014 2015 2016 0 2017 注)直近値は2016年12月26日。予想EPSは日経平均株価を 予想PERで除して算出。2017年度予想はBloomberg予想を用 いて延長したもの。 出所)Bloomberg、日本経済新聞 6 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ④オーストラリア: 2017年も通貨の底堅さが続くのか M2016年は底堅く推移したオーストラリア(豪)ドル相場 2016年の豪ドル相場は、5月と8月に利下げを実施する中でも底堅く推移 (図1左)、2016年2月の原油価格底打ちをきっかけに国際的な資源価格が下 げ止まったことで輸出が持ち直したことが一因です。投機筋による通貨先物 のポジションをみると豪ドルが選好されています(図1右)。相対的に高い成 長率や国債利回りが投資魅力になっているとみられます。 【図1】 豪ドルは底堅く推移、市場は相対的に豪ドルを買い越し 投機筋建玉(2016年12月13日時点) オーストラリア 為替相場 (円/ 120 (米ドル/ オーストラリアドル) オーストラリアドル) 2016年 12月20日 85.561 対円(左軸) 100 1.8 -2 2017年の焦点は中国経済と国際的な資源価格 2017年も豪ドル相場は底堅い動きが続くのか、輸出金額の回復が焦点と考 えます。輸出金額は2015年12月を底に回復しています(図4左)。観光収入な どのサービスに加え、資源など財輸出の増加が寄与しました。資源輸出量の 増加基調と国際的な資源価格の底打ちが大きな要因です(図4右)。2017年の 輸出金額は、主要輸出先である中国の景気動向(図5)や国際的な資源価格に 影響を与える原油相場の影響を受けるとみています。中国では、インフラ投 資等の景気対策で資源需要が増加しているものの、構造的には鉄の生産過剰 で原料である鉄鉱石や石炭の需要が抑制される恐れがあります。一方、原油 価格は、OPECや非OPEC加盟国の減産合意が実現されなかった場合、反落す る恐れがあります。しかし、米国の生産量が調整弁となって原油の需給環境 は安定的な状態が保たれそうです。少なくとも2015年のような供給過剰に逆 戻りし、豪ドル安が再燃する可能性は低いと予想します(図6)。(石井) 60 40 ↑オーストラリアドル高 ↓米ドル高↓円高 1.0 0.7259 20 対米ドル(右軸) 0 2000 2004 2008 (年) 2012 買い越し ↑ 1.6 1.2 2016年7-9月期実質GDPは、2011年1-3月期以来の前期比マイナス成長とな りました(図2左)。しかし公的需要の大幅増加の反動や大雨による住宅建設 遅延などの一時的要因が影響した模様です。2016年12月の豪州政府の経済見 通しによると、輸出や個人消費の回復を背景に成長加速を予想しています。 一方、消費者物価上昇率は、インフレ目標を下回るペースにとどまっていま す(図2右)。賃金上昇率の鈍さが一因とみられますが、今後も雇用環境の改 善が続き、失業率が5%近辺に達すると物価上昇圧力が強まる可能性がありま す(図3)。しかし政府の予測では、物価上昇は2017年度(2017年7月~2018 年6月)にインフレ目標の下限2%に達する程度の緩やかなペースです。当面、 低めの政策金利が維持され、景気や株価を下支える局面が続きそうです。 (万枚) 0 1.4 80 2 -4 -6 ↓ 売り越し -8 0.8 -10 豪 ド ル 0.6 日 本 円 ユ ー ロ 英 ポ ン ド 0.4 2016 カ ナ ダ ド ル ブ ラ ジ ル レ ア ル メ キ シ コ ペ ソ 出所)Bloomberg、CMEより当社経済調査部作成 【図2】 実質GDPは天候悪化や公的需要の反動減で一時的に失速 オーストラリア 消費者物価と政策金利 オーストラリア 実質GDP(前期比年率) 15 (%) 8 公的需要 10 (%) 政府見通し 民間設備投資 純輸出 2017年度 +2.75% 2016年度 +2.0% 5 政策金利 6 消費者物価 (前年比) 消費者物価 政府見通し 4 0 -5 個人消費 民間住宅投資 在庫投資 2016年 7-9月期 実質GDP ▲1.9% -10 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (年) 2018 2017年度 +2.0% 2016年度 +1.75% 2 インフレ目標 +2~3% 2016年12月 1.5% 2016年7-9月期 +1.3% 0 (年) 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 注)政府見通しは2016年12月経済財政見通し。2016年度は2016年7月~2017年6月。 出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局、オーストラリア政府より当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 7 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図4】 輸出の金額と数量の回復は資源国豪州に追い風 【図3】 失業率が5%を下回ると賃金上昇圧力が強まる見込み オーストラリア 失業率 8 M 7 2016年 11月 5.7% オーストラリア 輸出数量と資源価格 オーストラリア 輸出金額 オーストラリア 賃金(前年比) (%) (%) 300 (億豪ドル) (億豪ドル) 全体 (左軸) 6 6 200 全体 4 小売業 3 5.0% 政府の長期見通し 1999 2002 2005 2008 2011 2014 鉱業 0 (年) 2006 2017 2009 2012 2015 サービス輸出(右軸) (年) 0 2006 2008 2010 2012 2014 出所)オーストラリア政府、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成 【図5】 2017年は主要輸出先・中国の経済回復が焦点の一つ (%) ① 世界の供給 10 アセアン 20 50 120 40 100 30 80 (年) 米国 2013 2014 2015 2016 (年) -20 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 注)直近値は左右いずれも2016年10月。 出所)オーストラリア統計局、中国国家統計局より当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 800 2015年 12月 600 2015年 12月 資源価格 (左軸) 2009 2012 400 (年) 2015 9,578 9,614 9,742 産油国が減産を遵守した場合の 世界原油需給のシミュレーション 2017年 (シミュレー ション) 200 (バレル/日量) +155 9,620 米国の増産幅 (2016年対比) 150 5,685 5,720 5,662 米国 1,512 1,480 1,500 1,480 3,174 3,252 3,315 3,250 9,408 9,543 9,699 9,699 +170 +71 +42 ▲80 ①-② -10 0 2012 140 0 欧州 2011 60 5,747 ② 世界の需要 日本 160 うち非OPEC うちOPEC 20 40 70 (万バレル) (米EIA予測) (米EIA予測) 30 60 180 【図6】 原油価格は需給改善で安定する見込み 2015年 2016年 2017年 40 中国 80 実質輸出 (右軸) 出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀より当社経済調査部作成 中国 粗鋼生産(前年比) 50 80 2016 世界の原油需給 オーストラリア 国別輸金額 (億豪ドル) 200 注)直近値は左図が2016年10月、右図の輸出数量が同年7-9月期、資源価格は同年11月。 資源価格はオーストラリアドル建てで輸出品目の価格を輸出ウエイトで加重平均した値。 注)直近値は左図の政府見通しは2016年12月時点、右図の直近値は2016年7-9月期。 100 90 1,000 財輸出(左軸) 100 2 1 2 (億豪ドル) 100 220 2015年12月 5 4 (2014-2015年度 =100) シミュレーションの条件 ・OPEC:2016年11月30日の減産合意に 従い日量3,250バレルに減産。 ・非OPEC(米国除く):12月10日の減産合意 に従い日量55.8万バレルの減産。 ・米国: 原油価格に応じて生産量が変化。 増 100 産 幅 50 と 0 世 界 の -50 需 -100 給 +96 +75 +38 ▲ 21 +16 ▲ 42 ▲ 80 ▲ 101 -150 世界の需給 ▲ 160 -200 (米ドル/バレル) 0 20 40 60 80 100 120 WTI原油先物価格 注)左右の予測は2016年12月時点の米EIA。 左表の 非OPECの減産は2016年11月対比と仮定。 出所)米EIA、OPECより当社経済調査部作成 8 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ⑤中国: 2017年は秋の共産党大会を控え、景気安定を最優先か M 2017年の中国政府はまず景気安定を最優先か 2016年の景気は徐々に安定感を増す展開となりました。実質GDPは1-3月 期より3四半期連続で前年比+6.7%を記録、通年で政府目標の+6.5~7.0%は 達成可能な模様です。業況面でも幅広く明るさを取り戻しています(図1)。 主因は政府主導のインフラ投資です(図2)。当局が投資計画認可を加速、 資金繰り支援(地方政府傘下のノンバンク債務を低利の地方債へ置き換え)、 も行い固定資産投資を下支えました。今後民間部門への波及も期待されます。 個人消費も政策に支えられた面があります。政府は消費主導の経済成長を 目指すべく、家計所得引き上げを推進してきましたが、近年は賃金の高い伸 びが企業の経営圧迫や競争力低下を招いたこともあり、伸びは徐々に鈍化し ています(図3)。12月、政府は小型乗用車の取得税減税(従来は価格の 10%、2016年末まで5%→2017年から7.5%)の延長を決めましたが、今後も 消費下支えには、こうした的を絞った小刻みな措置が必要といえそうです。 【図1】 2016年の中国経済は政府目標に沿い軟着陸に成功 中国 実質GDP (業種別、前年同期比) (%) 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 2010 (ポイント) 中国 製造・非製造PMI (総合、国家統計局) 60 非製造業 58 56 第3次産業 全体 +7.6% +6.7% 改善 54.7 54 51.7 52 50 +6.1% 第2次産業 2012 2014 2016 (年) 悪化 48 製造業 46 2010 2012 2014 (年) 2016 注)左図:直近値は2016年7-9月期時点。 右図:直近値は2016年11月時点。 出所) 中国国家統計局より当社経済調査部作成 資本流出圧力根強いなか、当局は元安を制御できるか? 政府は景気安定を図る一方、不動産市場の調整にも留意しています。住宅 価格高騰を抑えるべく、9月末以降、各地方政府が住宅購入制限などの措置 を導入しました。住宅需要は減速が見込まれますが(図4)、関連消費など 波及効果も大きいため、柔軟な政策調整で底堅い伸びは維持されましょう。 2017年、政府は秋の党大会に向け、過剰設備削減に目を光らせつつも景気 安定を最優先すると予想します。外需に期待しづらいなか、インフラ・不動 産投資を高水準に保ち、国内生産減速を最小限に抑えると考えます(図5)。 元安への対処も当局の課題です。貿易(経常)黒字下での外貨準備減少は 資本流出圧力が強い様子を示唆するものです(図6)。2015年8月と2016年1 月の中国ショックは、中国株安と元安が同時進行し、当局が金融市場を制御 出来ないとの懸念が広がったことが契機でした。当局は国内勢による資本取 引への制限・監視を強めていますが、厳しい環境が続きそうです。(瀧澤) 【図2】 国主導のインフラ投資が支えた2016年の固定資産投資 中国 都市部固定資産投資 (業種・属性別、年初来累計、前年比) (%) (%) 30 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 国有企業 インフラ 25 +20.2% 20 +18.9% 15 10 +6.0% 除くインフラ 5 民間企業 0 2013 2014 2015 +3.1% 2016 (年) 2017 中国 都市部固定資産投資 (年間増加額に占める割合) ■2015年 ■2016年 77.5 65.4 40.8 29.4 インフラ 34.9 国有企業 23.9 民間企業 注)左図:インフラは電力除くベース。直近値は2016年11月時点。 右図:2016年は1-11月累計ベース。 出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 9 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図3】 所得の伸びは鈍化、個人消費は政策面の下支えが必要か M 20 (%) 中国 小売売上高と可処分所得 (実質、前年比) 中国 自動車販売台数 (12ヵ月移動累計、前年比) (%) (%) 16 ■小型車の 取得税減税期間 100 小売売上高(実質) +8.5% 10 10 40 +17.1% 5 20 8 0 0 6 都市部1人当たり 可処分所得(実質) 4 +5.7% 2 2008 2010 2012 2014 2016 (年) -20 100 15 60 12 中国 新築住宅価格調査(主要70都市) および住宅販売面積(前年比) (%) 都市部一人当たり可処分所得 (年初来累計、名目) 20 80 14 中国 可処分所得と新築住宅価格 (前年比) 25 120 18 【図4】 当局は住宅価格高騰を警戒、住宅市況は今後減速へ 2009年1月 ~2010年12月 -40 2008 2010 -5 2015年10月 ~2016年12月 2012 2014 2016 新築住宅価格(70都市平均) -10 (年) (年) 2007 2009 2011 2013 2015 2017 100 90 (都市) 80 80 70 60 60 55 50 40 40 30 20 20 +24.5% 10 0 0 -10 -20 -20 住宅販売面積(年初来累計、左軸) -30 -40 -40 (年) 2010 2012 2014 2016 新築住宅価格が前月比で 上昇した都市数(右軸) 注)左図:小売売上高は社会消費品行理想額、消費者物価で実質化。可処分所得は年初来累計ベース。 直近値は小売売上高が2016年11月(月次)、可処分所得が同年7-9月期(四半期)時点。 右図:直近値は2016年11月時点。 出所)中国国家統計局、中国汽車工業協会より当社経済調査部作成 注)左図:新築住宅価格は70都市の単純平均値。 直近値は可処分所得が2016年7-9月期(四半期)、新築住宅価格が同年11月(月次)時点。 右図:直近値は2016年11月時点。 出所)中国国家統計局、Bloombergより当社経済調査部作成 【図5】 好調なインフラ・不動産投資が素材生産回復にも波及 【図6】 根強い資本流出圧力、中国ショック再燃を回避できるか 中国 鉱工業生産 (品目別、前年比) (%) 35 30 25 20 15 10 5 0 -5 -10 -15 -20 -25 (%) 中国 鉱工業生産と輸出数量 (前年比) 60 平板ガラス +7.1% +5.0% +3.7% 20 鉱工業生産(右軸) 50 粗鋼 15 40 +6.2% 0 0 2012 2014 2016 (年) -30 -5 財輸出数量(左軸) 2010 2012 2014 2016 (年) -10 注)左図:直近値は2016年11月時点。 右図:直近値は2016年11月時点。 0 -500 -1,500 外貨準備高 (前月差、左軸) -2,000 2008 2010 2012 2015年8月 2016年1月 2014 2016 (年) 800 6.0 600 6.1 6.2 400 6.3 200 6.4 0 6.5 -200 6.6 6.7 -400 6.8 -600 6.9 -800 7.0 (ポイント) 6,000 人民元相場(左軸) 2015年8月、2016年1月 中国ショック 元高 元安 5,500 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 上海総合株価指数(右軸) 2,000 2015 2016 2017 (年) 注)左図:直近値は2016年11月時点。 右図:直近値は2016年12月26日時点。 出所)中国国家統計局、中国海関総署、CEICより当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 貿易収支(右軸) 500 -1,000 +8.2% -10 2010 10 5 10 -20 2,000 1,500 中国 為替と株価 (億米ドル) (元/米ドル) (億米ドル) 1,000 30 20 セメント 中国 貿易収支と外貨準備高 (%) 出所)中国海関総署、中国人民銀行、Bloombergより当社経済調査部作成 10 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ⑥ブラジル: 2017年のレアル上昇には、テメル政権の財政改革進展と景気浮揚が不可欠 M 2017年は翌年の大統領選挙を控え、政治的駆け引き激化も ブラジルレアル(以下レアル)相場は、景気悪化・政治不信の逆風下で急 落した2015年から一転、2016年は対米ドル騰落率で主要通貨トップとなりま した(図1)。同国の信用リスクと為替の動きが示すように、大統領交代で 政治が正常化し財政改革が進むとの期待が高まったことが主因です(図2)。 とはいえ、テメル政権も発足当初から汚職絡みで閣僚が相次ぎ辞任、大統 領自身も2014年大統領選挙での不正献金疑惑が払拭されておらず、国民の高 い関心の下で汚職捜査が続くなか火種を残します。また、2018年の大統領選 挙(テメル氏は不出馬の意向)をにらみ、2017年2月の下院議長選挙や5月の PSDB(現与党第2党)党首選などで政治的駆け引きが激化する展開も予想さ れます(図3)。こうした状況下、12月に成立した歳出上限設定法と並び、 財政改革の本丸である社会保障制度改革(年金受給開始年齢引き上げなど) といった国民の反発も大きい法案の審議の行方は予断を許さないと考えます。 【図1】 レアルは2015年の急落から一転、2016年に急反発 ブラジルレアル相場 50 (レアル/米ドル) (円/レアル) 対米ドル(右軸、逆目盛) 2.5 45 レアル高 3.0 40 レアル安 3.5 35 4.0 30 4.5 対円(左軸) 25 2015 主要新興国通貨 対米ドル騰落率 (%) 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 20.8 ▲32.9 ■2016年 ■2015年 各国通貨安 ブロ南コチイペタイマフポメト ラシアロリンルインレィーキル ドーリラシコ ドー ジアフン シピンコ ネ リビ ル アンド シ カア ア 5.0 2017 (年) 2016 各国通貨高 注)左図:直近値は2016年12月26日時点。 右図:簡略化のため通貨単位は省略。2016年は12月26日時点。 出所)Bloombergより当社経済調査部作成 けん引役不在のブラジル経済、一段のレアル上昇の見込みは? 景気面で明るい材料は、中央銀行が10月から利下げに転じたことです。 2015年の干ばつや公共料金引き上げの影響がはく落、レアル安に歯止めがか かり、インフレ率は2016年に大きく低下(図4)、2017年は最低賃金の伸び 鈍化を考慮すれば、インフレ率低下傾向は続く見込みです。中銀は財政改革 の進展具合や米国金融政策(および米ドル)動向に左右されやすいレアル相 場の変動に注意を払いつつ、慎重に利下げを進めると予想されます(図5)。 ただし、景気は最悪期を過ぎたとはいえ楽観視は出来ません。2016年2月 以降の資源価格底打ちは穀物・鉱物輸出面で追い風ですが、国内に目を向け れば、家計が高失業率や賃金低迷に直面、消費・投資回復の兆しは依然見ら れません(図6)。大統領交代を機に期待先行で改善した民間心理面も足元 頭打ち感がうかがえます。2016年のレアル相場は、売られ過ぎの反動もあり 反発しましたが、2017年もその勢いが続く公算は低いと考えます。(瀧澤) 【図2】 テメル政権による財政改革の行方がレアル相場を左右か ブラジル レアル相場とCDSスプレッド 600 (bp) (レアル/米ドル) ソブリンCDSスプレッド(5年物、左軸) 500 400 100 0 2015 5.5 5月 12日 5.0 信用リスク 拡大 4.5 300 200 2016年 テメル政権の動向 4.0 レアル安 3.5 注)左図:直近値は2016年12月26日時点。 右図:カッコ内は政党名の略称。 8月 10月 11月 3.0 レアル高 レアル相場(対米ドル、右軸) 2016 6月 7月 2017 12月 2.5 (年) 24日 30日 16日 7日 14日 31日 2日 25日 30日 18日 25日 30日 4日 6日 12日 13日 15日 ルセフ大統領(PT)が職務停止 テメル副大統領(PMDB)が大統領代行に ジュカ企画予算管理相(PMDB)辞任 シルベイラ透明性監察監督相(無所属)辞任 アウベス観光相(PMDB)辞任 クーニャ下院議長(PMDB)辞任 マイア下院議長(DEM)就任 ルセフ大統領の弾劾決定、テメル大統領正式就任 統一地方選挙 歳出上限設定のための憲法改正案が下院で承認 統一地方選挙(決選投票)で与党勝利 カレロ文科相辞任 ヴィエイラ・リマ大統領府総務室長官(PMDB)辞任 汚職防止法の修正案(改悪案?)を下院で承認 汚職防止法の修正案に対し全国で大規模デモ 社会保障制度改革のための憲法改正案を議会提出 連邦検察庁がカリェイロス上院議長(PMDB)を起訴 歳出上限設定のための憲法改正案が 上院で承認され成立 2017年度の予算基本法・予算法を議会承認 景気対策第1弾を発表 出所) Bloomberg、各種報道より当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 11 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図3】 国民の支持率低いテメル大統領、議会運営は依然綱渡り 【図4】 2017年も緩やかな鈍化が期待されるインフレ率 ブラジル上下院の政党別議席数 M 与党 ブラジル民主労働党 ブラジル社会民主党 進歩党 共和党 社会民主党 民主党 ブラジル共和党 ブラジル労働党 連帯 国民労働党 社会人民党 キリスト教社会党 (他6党) 下院 上院 370 57 PMDB 67 19 PSDB 48 12 PP 48 7 PR 42 4 PSD 36 4 DEM 28 3 PRB 22 1 PTB 18 3 SD 14 PTN 13 PPS 8 1 PSC 8 3 18 野党 労働者党 ブラジル社会党 民主労働党 ブラジル共産党 社会秩序共和党 社会自由党 緑の党 持続可能ネットワーク (他2党) ブラジル 消費者物価 (前年比および項目別寄与度) (%) (※赤枠白抜きは前ルセフ政権時の与党) 14 下院 上院 142 24 PT 58 10 PSB 31 6 PDT 19 3 PCdoB 11 1 PROS 7 PSOL 6 PV 6 1 REDE 4 1 2 ①自動車燃料(ガソリンなど) 12 ②家庭用電力料金 10 ③食品 総合 8 +6.99% 2017年 中銀目標 6 上限+6.0% 4 +4.5% 下限+3.0% 2 0 その他(①・②・③除く総合) -2 2010 2012 2014 2016 (年) 【図5】 中銀は利下げを開始、レアル安発のインフレリスクも注視 50 ブラジル 政策金利と実質GDP 16 政策金利(右軸) 13.75% 40 10 2017年末 市場予想 10.5% 10 8 6 0 -10 14 12 30 20 (%) ▲3.3% 実質GDP (前期比年率、左軸) 4 2 -20 0 2007 2009 2011 2013 2015 2017 (年) (%) ブラジル 消費者物価と通貨 30 25 20 15 10 5 0 -60 レアル相場(対米ドル) -50 (前年比、3ヵ月先行、左軸) -40 -30 レアル安 -20 -10 レアル高 0 10 20 30 消費者物価 40 (IPCA、前年比、右軸) 50 2010 2012 2014 2016 (年) 出所)ブラジル中銀、ブラジル地理統計院より当社経済調査部作成 【図6】 景気はけん引役不在、期待感がはく落する可能性も ブラジル 消費・生産・投資・輸出 (%) 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 注)左図:政策金利はSELIC金利誘導目標。市場予想は中銀公表値(2016年12月16日時点)。 直近値は政策金利が2016年12月、実質GDPが同年7-9月期時点。 右図:直近値はレアル相場が2016年12月、消費者物価が同年11月時点。 出所)ブラジル中銀、ブラジル地理統計院、Bloombergより当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 11 消費者物価(サービス、左軸) 10 9 8 7 6 2016年 5 +11.7% 4 2017年 +7.5% 3 2 最低賃金(右軸) 1 0 (年) 2005 2008 2011 2014 2017 注)左図:拡大消費者物価(IPCA)ベース。直近値は2016年11月時点。 右図:消費者物価の直近値は2016年11月時点。 出所) ブラジル上院・下院HPより当社経済調査部作成 (%) ブラジル サービス物価と最低賃金 (%) (前年比) (%) 130 (2010年平均=100) 小売売上高(実質) 120 140 輸出数量 100 改善 2012 2014 70 2016 (年) 80 50 期待 60 90 60 悪化 80 固定資本投資 (実質) 100 70 2016年5月 テメル政権誕生 90 鉱工業生産 70 2010 期待 現況 110 100 80 製造業(右軸) 130 120 110 90 ブラジル 製造業・消費者信頼感指数 消費者(左軸) 現況 50 40 30 20 2015 2016 2017 (年) 注)左図:指数化は当社経済調査部。直近値は2016年10月(固定資本投資のみ同年7-9月期)時点。 右図:中立水準は100。直近値は2016年12月時点。 出所)ブラジル地理統計院、ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)より当社経済調査部作成 12 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ⑦為替: 2017年は行き過ぎた世界経済楽観論が修正され、円安ドル高の勢いは鈍化へ M 急速な米ドル高と米国金利上昇に死角はないのか? 2016年のドル円相場は、年明けから円高ドル安が進んだものの、年末にか け円安ドル高に転じました。流れを変えたのが11月の米国大統領選挙です (図1)。トランプ氏の公約である巨額の財政出動が米国の景気加速とイン フレを促し、FOMC(連邦公開市場委員会)の利上げ速度が増すとの見方が 市場で強まりました。実際、FOMCは12月に1年ぶりの利上げを実施、2017 年の利上げ見通しを、従来の+0.25%×2回から3回へ引き上げました(図2)。 問題は、急ピッチの米ドル高・金利上昇が米国景気の腰折れにつながらな いかです。足元は高値更新を続ける株式市場が示唆するように、景気楽観論 が支配的な印象です。ただし、2014年後半からの米ドル高で製造業が失速 (図3)、FOMCが利上げを先送りせざるを得なくなった点は記憶に新しい ところです。製造業は在庫調整が進むなど安定感を増していますが、米ドル 指数が2016年1月の高値を超えるなか、増産基調を維持できるか注目です。 【図1】 ドル円相場の流れを変えたトランプ氏の大統領選勝利 2016年 ドル円相場 日米金利差とドル円相場 (円/米ドル) (%) 125 2.6 日米金利差(米-日、左軸) 2.4 2.2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 ドル円相場(右軸) 0.8 0.6 2015 2016 11月9日 米国大統領選挙で トランプ氏勝利 120 6月24日 英国国民投票で EU(欧州連合)離脱決定 115 110 105 100 11月9日 101円20銭 6月24日 99円02銭 95 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 (月) (円/米ドル) 145 140 135 130 125 120 115 110 105 100 95 2017 (年) 注)左図:凡例は全て日本時間。 右図:日米金利差は10年国債ベース、直近値は2016年12月26日時点。 出所)Bloombergより当社経済調査部作成 2017年、市場が描く世界経済楽観シナリオは実現するか? 選挙中のトランプ氏は、中国の為替操作国指定や不公正な貿易相手国への 対抗措置など保護主義姿勢を強調し、製造業従事者の支持を集めてきました。 2016年初、米財務省が他国の通貨安政策を批判したように、同氏も製造業に 逆風となる米ドル高を看過しない姿勢を徐々に強めると予想します(図4)。 米国金利の動向も要注意です。過去、米国の利上げは米国のみならず様々 な危機の引き金となりました(図5)。特に新興国は、度々危機に見舞われ た1980~90年代に比べ、マクロ経済の健全化が進んだものの、かつての高成 長期待が薄れ、常に資本流出圧力にさらされている印象があります(図6)。 2015年9月、直前の中国ショックで国際金融市場が激しく動揺、FOMCは 既定路線であった利上げを見送った苦い記憶があります。2017年のドル円相 場は、前のめり過ぎる米国主導の世界経済回復や米国利上げへの期待がはく 落するのに伴い、円安ドル高の勢いが弱まる展開を予想します。(瀧澤) 【図2】 FOMCは2017年末のFF金利見通しを初めて引き上げ 2016年3・6・9・12月FOMCにおける 2017年末のFF目標金利見通し 2.750 2.625 2.500 2.375 2.250 2.125 2.000 1.875 1.750 1.625 1.500 1.375 1.250 1.125 1.000 0.875 0.750 0.625 ● ● ● ● ● ●●●●● ●●● ●●●● ●●●● ●● ● ●● ● ●●● ●●●●●● ● ●●●●●● ●●●●●●● ●●●● ● ●● 3月 長期 参加者中央値 (塗りつぶし枠) ●●● FOMCのFF目標金利見通し (参加者中央値) 4.0 ● ● ●●● (%) ● ●● 6月 9月 12月 3.5 3.0 2018年末 2019年末 3.0% 2.875% 2.5 2017年末 2.0 1.5 2.125% 1.375% 1.0 2015 2016 2017 (年) 注)右図の直近値は2016年12月14日(FOMC結果公表日)時点。 出所) FRBより当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 13 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 【図3】 米国製造業は米ドル高への耐性を増した印象も M 米ドルと米国製造業景況感 (%) 米国 製造業の出荷・在庫ギャップ (2014年初=100) 68 米ドル指数<対主要26通貨ベース> 66 (逆目盛、右軸) 米ドル安 64 62 60 米ドル高 58 56 54 業況改善 52 50 48 業況悪化 46 ISM製造業景気指数(左軸) 44 2014 2015 2016 2017 【図4】 米国政府は米ドルの急騰かつ独歩高を許容できるか? 90 95 100 105 110 115 120 125 130 135 140 145 150 (年) 米国 実質実効為替相場 (%) (長期平均=100) 20 140 15 130 出荷>在庫 10 1985年3月 134.2 5 0 110 -5 100 -10 -20 2004 2007 2010 2013 年率 上昇 +4.6% 年率 +4.5% 1978年10月 87.9 1995年7月 87.8 米ドル安 2016 2016年11月 105.8 上昇 80 ※出荷・在庫ギャップ =出荷(前年比)-在庫(前年比) -25 +6.8% 90 在庫>出荷 -15 米ドル高 2002年2月 117.8 年率 120 (年) 70 1973 注)左図:指数化は当社経済調査部。 直近値は米ドル指数が2016年12月16日(日次)、ISM製造業景気指数が同年11月(月次)時点。 右図:直近値は2016年10月時点。 出所) FRB、米ISM、米商務省より当社経済調査部作成 主要国 実質実効為替相場 (2012年12月=100) 上昇 2011年7月 83.8 (年) 1984 1995 2006 125 120 115 110 105 100 95 90 85 80 75 70 2017 米国 通貨高 中国 ユーロ圏 英国 日本 通貨安 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (年) 注)左図:対26通貨ベース。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年11月時点。 右図:対61ヵ国・地域ベース。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年11月時点。 出所)FRB、BISより当社経済調査部作成 【図5】 過去、米国利上げは景気鈍化や経済・金融危機の引き金に 【図6】 新興国は全体で経常赤字に転落、債務は近年急拡大 米国 FF目標金利と景気先行指数 (%) -10 40 FF目標金利(前年差、左軸、逆目盛) -8 -6 30 金利 -4 上昇 -2 0 20 2 (見通し) 4 10 6 8 10 0 12 景気 14 減速 -10 16 景気先行指数 18 (前年比、右軸) 20 -20 1977 1987 1997 2007 2017 (年) (%) 22 1980年代 新興国累積債務危機 20 1980年代後半 米国S&L危機 18 1987年 ブラックマンデー 16 1994年 メキシコ通貨危機 14 1997年 アジア通貨危機 1998年 ロシア通貨危機 12 2000年 ITバブル崩壊 10 2007年 サブプライム問題 8 2008年 リーマン・ショック 6 4 2 0 (年) 1977 1987 1997 2007 2017 注)左図:見通しは2017年6・9・12月に0.25%利上げを実施した場合を想定。直近値は景気先行指数が2016年11月時点。 右図:網掛け■は利上げ局面(継続的な局面含む)。直近値は2016年12月時点。 出所)FRB、カンファレンス・ボード、Bloombergより当社経済調査部作成 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 先進・新興国 経常収支 (対名目GDP比) 米国 FF目標金利と経済・金融危機 (%) (%) 6 3 200 1997年 5 4 先進・新興国民間債務と米ドル指数 (%) 180 アジア通貨危機 1994年 メキシコ通貨危機 1 先進国 140 2017年 +0.6% 120 150 140 新興国 民間債務 (対GDP比、左軸) 130 120 100 0 -1 新興国 -2 2017年 ▲0.4% -4 160 先進国 民間債務 (対GDP比、左軸) 160 2 -3 (2000年1月=100) 1980年代 累積債務危機 1980 1989 1998年 ロシア通貨危機 1998 2007 2016 (年) 110 80 100 60 40 米ドル指数 (対新興国通貨、右軸) 20 2000 2004 2008 米ドル高 新興国通貨安 2012 90 80 2016 (年) 注)左図:IMF World Economic Outlook (2016年10月)に基づく。2016-17年はIMF予測。 右図:債務は非金融部門。指数化は当社経済調査部。直近値は民間債務が2016年6月(四半期)、 米ドル指数が同年12月(月次)時点。 出所)IMF、BIS、FRBより当社経済調査部作成 14 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 Ⅱ.国際金融市場の動向 M (すべて2005年初=100) 180 日本 140 120 100 80 60 40 20 0 2005 2008 2014 2017 (年) 中国 450 新 興 国 2011 400 350 300 300 250 250 200 200 150 150 100 100 50 50 0 0 2008 2011 2014 2017 (年) メキシコ 350 250 200 150 100 50 0 2008 2011 50 0 2014 2017 (年) 2011 2014 2017 (年) インド 2005 2008 2011 2014 2017 (年) インドネシア 600 2008 2011 2014 2017 (年) 2014 2017 (年) 2014 2017 (年) トルコ 300 250 400 200 300 150 200 100 100 50 0 2005 2008 2011 2014 2017 (年) ブラジル 2005 2008 2011 0 2005 2008 2017 (年) 2014 2017 (年) ポーランド 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 2014 2011 2005 2008 2011 南アフリカ 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 2005 2008 2011 2014 2017 (年) 注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年12月23日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 2005 350 500 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 300 2005 100 2008 オーストラリア 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 150 450 350 ドイツ 250 200 2005 400 2005 米国 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 160 先 進 国 ①株式: 高値更新続く先進国株式、2017年はスピード調整に注意か 2005 2008 2011 出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成 15 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ②金利: 2017年は先進国の金融緩和策修正が焦点となり、金利は上昇圧力かかりやすい展開へ M (単位はすべて%) 先 進 国 8 日本 米国 8 ユーロ圏 8 6 6 6 6 4 4 4 4 2 2 2 0 0 0 利回り(10年物国債) 2 0 オーストラリア 8 政策金利 -2 -2 2006 新 興 国 2008 2010 2012 2014 2016 中国 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 2006 2008 2010 2012 2008 2014 2016 2006 (年) 2008 2012 2014 2016 2010 2012 2014 2016 8 4 3 0 0 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 2008 2012 2014 2016 2010 2012 2014 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 2008 2016 2006 (年) 2008 15 12 12 9 9 6 6 3 3 2012 2014 2016 (年) 2010 2012 2014 2016 (年) 2016 (年) 南アフリカ 18 15 2010 トルコ 27 24 21 18 15 12 9 6 3 0 0 2006 2006 (年) ポーランド 18 9 2010 インドネシア 2006 (年) 12 6 2008 27 24 21 18 15 12 9 6 3 0 16 12 -2 2006 (年) ブラジル 20 15 2010 インド 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 メキシコ 18 -2 2006 (年) 0 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 2006 2008 2010 2012 2014 注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、 インドネシア:2016年8月18日までBI金利、以降は7日物リバース・レポ金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、 ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。 注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。 注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、日本は2013年4月4日までが無担保コールレート(翌日物)、2016年9月21日以降は日銀当座預金のうち政策金利残高適用金利(▲0.1%)を図示。 出所)Bloombergより当社経済調査部作成 注4)直近値は2016年12月23日。注5)一部データの欠損あり。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 16 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 ③為替: 2017年の米ドルはトランプ政権の政策が明らかになるにつれ反落するリスクも (円/米ドル) M 70 各国・地域通貨高 米ドル(日本円)安 先 進 国 日本・円 (米ドル/ユーロ) 1.8 80 100 円高 110 各国・地域通貨安 米ドル(日本円)高 中国・人民元 (円/元) 22 6.0 20 18 7.0 16 7.5 14 8.0 12 円安 8.5 (INR/米ドル) 30 インド・ルピー 0.9 1.2 120 0.8 10 (MXN/米ドル) 8 メキシコ・ペソ 3.2 3.0 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 45 50 55 65 70 12 10 (BRL/米ドル) 1.0 ブラジル・レアル 12 14 8 16 18 6 20 2.0 4 3.0 3.5 インドネシア・ルピア (円/IDR) 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 0.5 1.0 12000 0.7 30 4.0 20 4.5 60 40 4.0 ポーランド・ズロチ (円/PLN) (ZAR/米ドル) 60 40 20 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 20 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 2.5 3.5 80 2.5 3.5 (PLN/米ドル) 40 100 0.9 16000 3.0 120 3.0 14000 50 (円/TRY) 2.0 1.1 2.0 トルコ・リラ 1.3 10000 70 40 (年) 1.5 8000 1.5 60 (TRY/米ドル) 1.5 30 4.5 注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年12月23日。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 (IDR/米ドル) 80 60 2.5 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 80 2006 2008 2010 2012 2014 2016 50 4.0 22 100 0.6 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) (円/BRL) 1.5 10 80 6000 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) (円/MXN) 100 対日本円 (右軸) 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) (円/INR) 35 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 120 1.0 0.8 60 新 興 国 オーストラリア・ドル (円/豪ドル) 1.1 140 1.0 40 6.5 160 (米ドル/豪ドル) 1.2 1.4 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) (元/米ドル) 180 0.7 120 130 5.5 (円/ユーロ) 対米ドル (左軸) 1.6 90 ユーロ 4 南アフリカ・ランド (円/ZAR) 20 6 18 8 16 10 14 12 12 14 10 16 8 18 6 2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年) 出所) Bloombergより当社経済調査部作成 17 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス 期間別 各資産の投資収益率(%) M 基準日: 現地通貨ベース 1ヵ月 地域別 業種別 その他 1ヵ月 3ヵ月 1年 2011年 2012年 2013年 2014 年 2015 年 2016 年 15.5 2.3 6.9 15.5 2.3 ▲ 18.6 21.8 54.8 9.8 10.3 1.3 4.6 10.7 3.0 2.5 8.3 7.3 18.7 5.3 ▲ 9.2 30.2 48.8 20.1 ▲ 0.8 6.6 ▲ 1.8 ▲ 5.2 6.7 ▲ 1.6 ▲ 8.0 7.7 2.7 8.1 4.7 ▲ 23.4 31.4 19.1 11.9 ▲ 14.2 6.2 素材(景気敏感) 2.1 8.0 24.3 1.2 3.1 21.2 5.4 19.2 18.3 ▲ 24.8 24.6 25.3 9.1 ▲ 14.5 19.8 エネルギー 6.0 14.6 28.2 5.6 12.2 24.5 9.9 28.3 21.6 ▲ 4.5 15.3 40.2 2.7 ▲ 21.8 25.6 IT(情報技術) 2.3 3.7 12.7 2.0 2.3 12.5 6.3 18.4 9.5 ▲ 7.4 26.6 50.7 30.4 5.6 10.9 ヘルスケア 2.0 ▲ 4.4 ▲ 4.9 1.6 ▲ 6.7 ▲ 6.3 5.9 9.4 ▲ 9.3 5.0 31.2 58.5 32.4 7.5 ▲ 8.6 ▲ 0.3 ▲ 1.4 3.3 ▲ 0.3 ▲ 1.4 3.3 2.2 1.8 2.1 4.5 1.2 3.3 0.1 ▲ 3.9 2.4 ▲ 0.3 ▲ 6.9 ▲ 0.9 4.0 9.2 ▲ 3.9 1.2 19.8 21.7 17.1 ▲ 3.4 ▲ 3.2 ▲ 0.2 ▲ 0.6 8.3 0.6 ▲ 4.5 5.9 4.9 11.7 3.0 ▲ 5.2 24.1 15.0 13.9 ▲ 9.0 3.8 0.9 ▲ 4.4 9.9 5.2 11.7 6.9 2.2 30.2 16.1 21.2 1.6 7.4 0.0 ▲ 4.3 1.2 6.8 4.9 ▲ 1.5 9.4 0.6 1.2 7.5 新興国(米ドル建て) 海外先進国 0.8 ▲ 5.3 7.7 6.9 17.2 ▲ 5.7 7.0 0.8 ▲ 0.0 ▲ 5.0 3.4 4.2 11.1 0.4 ▲ 0.7 23.9 21.5 16.9 ▲ 3.4 1.0 ハイイールド 1.7 0.3 14.6 6.0 16.5 11.6 ▲ 2.6 32.1 29.4 13.6 ▲ 3.8 11.9 投資適格 新興国 (米ドル建て) ハイイールド 0.2 ▲ 3.0 6.0 4.4 13.2 3.0 0.5 26.0 19.5 19.3 0.2 3.6 1.4 0.6 17.6 5.6 16.8 14.6 ▲ 8.7 33.9 21.9 12.9 3.8 14.9 新興国(米ドル建て) 世界 その他 債券 円換算ベース 1年 3.3 新興国(現地通貨建て) 社債 3ヵ月 6.9 海外先進国 ヘッジ有 1ヵ月 海外先進国 日本 国債 米ドルベース 1年 日本 新興国 株式 3ヵ月 2016年12月23日 投資適格 先進国 1.3 2.4 8.7 0.8 ▲ 0.3 7.8 5.1 15.9 4.9 ▲ 10.4 25.1 38.6 17.5 1.6 5.3 新興国 ▲ 1.1 ▲ 3.6 ▲ 1.7 ▲ 1.4 ▲ 5.7 ▲ 3.5 2.9 10.5 ▲ 6.5 ▲ 17.0 28.6 33.9 15.5 4.3 ▲ 6.1 物価連動 先進国 国債 新興国 ▲ 0.4 ▲ 6.4 2.2 3.9 9.8 ▲ 0.8 5.5 19.7 16.6 17.8 ▲ 4.3 0.0 4.0 ▲ 3.0 21.6 8.2 13.2 18.6 ▲ 8.1 30.6 6.3 15.6 ▲ 18.8 19.3 先進国 3.1 ▲ 8.0 5.0 7.4 8.2 2.0 ▲ 3.4 36.3 24.6 37.1 1.6 2.2 新興国 1.0 ▲ 9.6 2.3 5.3 6.5 ▲ 0.7 ▲ 13.1 49.5 9.4 22.8 ▲ 17.2 1.1 1.1 2.4 10.8 5.4 18.6 7.9 ▲ 18.5 11.7 11.9 ▲ 3.3 ▲ 24.3 7.8 転換社債 リート 商品 注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、 債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。 2016年は2015年末から基準日までの数字。 上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成 18 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 Ⅳ.2017年1月の主要な政治・経済日程 月 1/1 M (中) 火 3 水 4 木 5 12月 製造業PMI(国家統計局) 2 (中) 12月 製造業PMI(マークイット) 9 (米) (米) (米) 11月 建設支出 12月 ISM(米供給管理協会) 製造業景気指数 10 (米) FOMC議事録 (12月13日~14日開催分) 11 (日) 12月 消費者態度指数 (米) 11月 卸売売上高 (日) 金 6 (日) 12月 新車登録台数 (米) (米) (米) 12月 ADP雇用統計 12月 ISM(米供給管理協会) 非製造業景気指数 12月 新車販売台数 (他) ブラジル 11月 鉱工業生産 12 11月 景気動向指数 11月 消費者信用残高 11月 経常収支 12月 銀行貸出 12月 景気ウォッチャー 11月 鉱工業生産 (仏) 11月 鉱工業生産 (英) 11月 鉱工業生産 (米) 12月 輸出入物価指数 11月 小売売上高 ブラジル 11月 小売売上高 ブラジル 12月消費者物価(IPCA) 11月 住宅建設許可件数 (豪) (他) (他) (豪) (欧) (伊) 11月 鉱工業生産 11月 鉱工業生産 16 17 11月 第3次産業活動指数 11月 機械受注統計 12月 企業物価指数 23 (日) 18 1月 ニューヨーク連銀景気指数 (独) (英) (英) 1月 ZEW景況感指数 12月 消費者物価指数 12月 生産者物価指数 24 (米) (米) (米) (日) (日) (日) (日) (日) (米) (米) 19 (日) 12月 マネーストック (米) (米) (米) (米) (米) 11月 企業売上高・在庫 12月 生産者物価 12月 小売売上高 12月 月次財政収支 1月 ミシガン大学 消費者信頼感指数(速報) 20 12月 住宅着工・許可件数 1月 フィラデルフィア連銀景気指数 (欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会 1月 消費者信頼感指数 (豪) 12月 雇用統計 12月 貿易統計 (日) 12月 企業向けサービス価格 (日) 12月 消費者物価指数(総務省) 12月 消費者物価指数(日銀) (米) 12月 新築住宅販売件数 (米) (米) (米) 1月 ifo景況感指数 (独) (英) 2月 GfK消費者信頼感指数 10-12月期 実質GDP(1次速報) 10-12月期 実質GDP(1次速報) 12月 耐久財新規受注 1月 ミシガン大学 消費者信頼感指数(確報) (日) (米) (他) 1月 新車登録台数 12月 建設支出 1月 ISM(米供給管理協会) 製造業景気指数 1月 ADP雇用統計 ブラジル 12月 鉱工業生産 (他) (米) ブラジル 12月 失業率 1月 消費者信頼感指数 (豪) 25 26 12月 中古住宅販売件数 31 日銀金融政策決定会合(~31日) 12月 商業販売統計 12月 個人所得・消費 12月 中古住宅販売仮契約指数 10-12月期 実質GDP(1次速報) 1月 製造業PMI(速報) 10-12月期 実質GDP(1次速報) 連邦公開市場委員会(FOMC) (~2月1日) 11月 貿易収支 11月 製造業新規受注 12月 雇用統計 (米) (米) (独) 30 (米) (米) (米) 12月 鉱工業生産 12 消費者物価 1月 全米住宅建築業協会 (NAHB)住宅市場指数 (日) (日) (日) (米) (米) (欧) (欧) (仏) (米) 11月 毎月勤労統計 11月 製造工業 稼働率指数 (米) (米) (日) 13 (日) (日) (日) (独) (日) (日) (日) 発表日未定経済指標など 2/1 黒田日銀総裁定例記者会見 経済・物価情勢の展望 (基本的見解) 12月 鉱工業生産 12月 家計調査 12月 労働関連統計 11月 S&P/ケース・シラー 住宅価格指数 1月 シカゴ購買部協会景気指数 (日) (米) (米) 27 2 3 1月 消費者態度指数 (米) (米) (豪) 12月 住宅建設許可件数 (米) 12月 製造業新規受注 1月 ISM(米供給管理協会) 非製造業景気指数 1月 雇用統計 注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。 日程は変更になる可能性があります。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成 19 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 Ⅴ.2017年 世界の主要な政治・経済日程 M 1月 米国 ・ECB(欧州中銀)理事会 (19日) 金 融 政 策 欧州 日本 世界 4月 ・COPOM (金融政策委員会) (10・11日) ・COPOM(21・22日) ・世界経済フォーラム 年次会合(17-20日) ・IMF(国際通貨基金) 世界経済見通し公表 (未定) ・G20(20ヵ国・地域) 外相会合(16-17日) 6月 ・FOMC(25・26日) ・ECB理事会(27日) ・BOE MPC(11日) ・スウェーデン中銀 BOE Inflation Report 金融政策会合(26-27日) ・ECB理事会(8日) ・BOE MPC(15日) ・ECB理事会(20日) ・スウェーデン中銀 金融政策会合(3-4日) ・金融政策決定会合 (15・16日) ・金融政策決定会合 (展望レポートの公表あり) (26-27日) ・金融政策決定会合 (15-16日) ・金融政策決定会合 (展望レポートの公表あり) (19-20日) ・日銀佐藤審議委員、 木内審議委員 任期満了(23日) ・金融政策決定会合 (7日) ・金融政策決定会合 (4日) ・金融政策決定会合 (2日) ・金融政策決定会合 (6日) ・金融政策決定会合 (4日) ・COPOM(11・12日) ・COPOM(30・31日) ・IMF ・世界銀行 春季総会(21-23日) ・IMF(国際通貨基金) 世界経済見通し公表 (未定) ・OPEC (石油輸出国機構)総会 (25日) ・G7首脳会議(26-27日) ・G20 財務相・中銀総裁会議 (17-18日) ・財務省 半期為替報告書発表 (月中) ・仏社会党大統領候補 予備選(22-29日) ・伊最高裁: 労働改革法 の合憲判断(未定) ・オランダ総選挙(15日) ・フランス大統領選(23日) ・フランス大統領選 (決選投票、7日) ・フランス下院選 (11、18日) 欧州 英国 ・英最高裁 国民投票の 立法措置要否判断 ・リスボン条約第50条宣言 するとした期限(31日) ・自民党大会(5日) ・働き方改革実現会議が 実行計画とりまとめ ・天皇陛下の生前退位 を巡り、有識者が 論点取りまとめ ・ガス自由化(1日) ・衆議院選挙区画定審議 会(ゼロ増6減)を勧告 日本 ・通常国会召集(20日) ・2017年度予算案 ・日米首脳会談(下旬) の審議入り ・2016年度 ・春闘(2-3月) 第3次補正予算案 の成立(月中) ・改正「育児・介護休業法」 施行(1日) ・通常国会会期末(中旬) ・東京都議会選挙 ・成長戦略 (日本再興戦略)、 骨太方針を閣議決定 (下旬) ・中国旧正月休暇 (27日-2月2日) ・中国全人代開幕 (月中、会期約1週間) ・香港行政長官選挙 ・エクアドル大統領選挙 (決選投票、2日) ・イラン大統領選挙(19日) ・OPEC定例総会(25日) ・イスラム教圏、ラマダン (断食月、27日-6月25日) ・プーチン露大統領訪中 ・メキシコ統一地方選挙 (4日) ・米中戦略・経済対話 ・モンゴル大統領選挙 ・エクアドル大統領選挙 (第1回投票、19日) 新興国 など 注)一部未定のものに関しては日付を省略。日程は変更になる可能性があります。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 7月 ・FOMC(13・14日) ・経済見通し発表 ・イエレンFRB議長 記者会見(14日) ・BOE(英中銀)MPC(金融 ・ECB理事会(9日) 政策委員会)(1-2日) ・BOE MPC(16日) BOE Inflation Report (物価報告書) ・スウェーデン中銀 金融政策会合(14-15日) ・金融政策決定会合 (7日) 5月 ・FOMC(2・3日) ・上・下院開会(3日) ・予算教書提出(6日まで) ・連邦債務法定上限 引上期限(15日) ・次期大統領 ・施政方針演説(月中) ・副大統領就任式(20日) ・経済教書公表(月中) 米国 政 治 ・ 経 済 な ど 3月 ・FOMC(14・15日) ・経済見通し発表 ・イエレンFRB議長 記者会見(15日) ・金融政策決定会合 (展望レポートの公表あり) (30-31日) オーストラリア ブラジル 2月 ・FOMC (連邦公開市場委員会) (31日・2月1日) 8月 9月 10月 11月 ・FOMC(19・20日) ・経済見通し発表 ・イエレンFRB議長 記者会見(20日) ・FOMC(31・11月1日) ・ECB理事会(7日) ・BOE MPC(14日) ・ECB理事会(26日) ・金融政策決定会合 (20-21日) ・金融政策決定会合 (展望レポートの公表あり) (30-31日) ・金融政策決定会合 (5日) ・金融政策決定会合 (3日) ・COPOM(25・26日) ・COPOM(5・6日) ・COPOM(24・25日) ・G20首脳会議(7-8日) ・IMF(国際通貨基金) 世界経済見通し公表 (未定) ・世界経済フォーラム サマーダボス会議 (11-13日) ・国連総会(12-25日) ・IMF・世界銀行 年次総会(13-15日) ・IMF(国際通貨基金) 世界経済見通し公表 (未定) ・BOE MPC(3日) BOE Inflation Report ・金融政策決定会合 (1日) 12月 ・FOMC(12・13日) ・経済見通し発表 ・イエレンFRB議長 記者会見(13日) ・BOE MPC(2日) BOE Inflation Report ・ECB理事会(14日) ・BOE MPC(14日) ・金融政策決定会合 (20-21日) ・金融政策決定会合 (7日) ・金融政策決定会合 (5日) ・COPOM(5・6日) ・国連気候変動 枠組み条約 第23回締約国会議 (COP23)(未定) ・財務省 半期為替報告書発表 (月中) ・ドイツ総選挙 (9月~12月) ・インド大統領選挙 (未定) ・ASEAN首脳会議 (フィリピン) ・BRICS首脳会議 (未定) ・第45回 東京モーターショー (27日~11月5日) ・2018年度税制改正大綱、 2018年度政府予算案 (月中) ・中国国慶節休暇(1-7日) ・チリ大統領・ 上下院議員選挙 ・アルゼンチン 国会議員選挙(未定) (19日) ・APEC首脳会議 (ベトナム) ・中国共産党全国大会 ・中国一中全会 ・ニュージーランド総選挙 (18日) ・OPEC総会 ・中国 中央経済工作会議 出所)各種資料より当社経済調査部作成 20 M 投資環境マンスリー 2017年1月号 留意事項 ◎投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や 為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落 により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。 投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が 異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を よくご覧ください。 M ◎投資信託に係る費用について ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。 ■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用 ・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込) ※一部のファンドについては、 購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。 ■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用 ・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算 方法を表示することができません。 ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 ・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込) ※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。 ■その他の費用・手数料 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完 書面等でご確認ください。 ※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま たはこれらの計算方法を表示することができません。 お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に 応じて異なりますので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ 国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に 係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、 目論見書補完書面等をご覧ください。 各資産のリスク ◎株式の投資に係る価格変動リスク :株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の 活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。 ◎公社債の投資に係る価格変動リスク :公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金 利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。 ◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク :REITへの投資には価 格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。 ◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク :オルタナティブ への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資 するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元本を割り込むこと があります。 ◎信用リスク :信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払 いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本 を割り込むことがあります。 ◎カントリーリスク :新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制 の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込む可能性が高まることがあり ます。 本資料に関してご留意頂きたい事項 ■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。 ■投資信託は、預金等や保険契約とは異なり、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。銀行等の登録金融機関 でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の補償の対象ではありません。 ■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。 ■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。(作成基準日:2016年12月27日) ■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。 ■各ページのグラフ・データ等は、過去の実績・状況であり、また、見通しないし分析は作成時点での見解を示したものです。したがっ て、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また税金・手数料等は考慮しておりません。 ■本資料に示す意見等は、特に断りのない限り本資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設 定・運用する各ファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。 ■投資信託をご購入の場合は、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご 判断ください。 ■クローズド期間のある投資信託は、クローズド期間中は換金の請求を受け付けることができませんのでご留意ください。 本資料中で使用している指数について 「日経平均株価」に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。 MSCI WORLD、MSCI EM、MSCI Japan、MSCI USA、MSCI EMU(出所:MSCI):ここに掲載される全ての情報は、信頼の置ける情報 源から得たものでありますが、その確実性及び完結性をMSCIは何ら保証するものではありません。またその著作権はMSCIに帰属してお り、その許諾なしにコピーを含め電子的、機械的な一切の手段その他あらゆる形態を用い、またはあらゆる情報保存、検索システムを用 いて出版物、資料、データ等の全部または一部を複製・頒布・使用等することは禁じられています。 BofA メリルリンチの指数に関する知的所有権、その他一切の権利はBofA メリルリンチに帰属します。 J.P. Morgan EMBI Global Diversified、J.P. Morgan GBI-EM Broad、J.P. Morgan CEMBI Broad Diversified:情報は、信頼性があると信じられる 情報源から取得したものですが、J.P. Morganはその完全性・正確性を保証するものではありません。本指数は許諾を受けて使用していま す。J.P. Morganからの書面による事前承認なしに本指数を複製・使用・頒布することは認められていません。Copyright 2016, J.P. Morgan Chase & Co. All rights reserved. バークレイズ・インデックスは、バークレイズ・バンク・ピーエルシーおよび関連会社(バークレイズ)が開発、算出、公表をおこなう インデックスであり、当該インデックスに関する知的財産権およびその他の一切の権利はバークレイズに帰属します。 ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)およびブルームバーグ(Bloomberg®)は、ブルームバーグ・ファイナンス・ エル・ピー(Bloomberg Finance L.P.)およびその関係会社(以下「ブルームバーグ」と総称します。)のサービスマークであり、三菱 UFJ国際投信による一定の目的での利用のためにライセンスされています。ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)は、 ブルームバーグとUBSセキュリティーズ・エル・エル・シー(UBS Securities LLC)の間の契約に従ってブルームバーグが算出し、配信し、 販売するものです。ブルームバーグ、ならびにUBSセキュリティーズ・エル・エル・シーおよびその関係会社(以下「UBS」と総称しま す。)のいずれも、三菱UFJ国際投信の関係会社ではなく、ブルームバーグおよびUBSは、当ファンドを承認し、是認し、レビューしま たは推奨するものではありません。ブルームバーグおよびUBSのいずれも、ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)に 関連するいかなるデータまたは情報の適時性、正確性または完全性も保証するものではありません。 S&P先進国REIT指数の所有権及びその他一切の権利は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーが有してい ます。三菱UFJ国際投信株式会社は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーとの間で同指数の算出・管理 に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等 に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。 S&P新興国REIT指数の所有権及びその他一切の権利は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーが有してい ます。三菱UFJ国際投信株式会社は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーとの間で同指数の算出・管理 に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等 に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。 Markit Economics Limitedの知的財産権およびその他の一切の権利はMarkit Economics Limitedに帰属します。 ◎流動性リスク :有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十 分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可 能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。 国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴 います。 ◎為替変動リスク :海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。 そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元本を割り込むことがあります。 新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。 巻末の留意事項等を必ずご覧ください。 21