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FDC2006-07年秋冬トレンド 2005年4 月20日Modern Inuit(

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FDC2006-07年秋冬トレンド 2005年4 月20日Modern Inuit(
テキスタイル&ファッション Vol.22 No.3 (2005.6.)
■ セミナー
ネリーロディ社・2006/07年秋冬トレンド
4つのテーマとカラー、素材のポイント
変革、ロマンチック、歴史的かつ荒涼とした世界にようこそ。
素晴らしく創造的ではあるが、相変わらず極めて混沌としている分裂症の時代の、
引き裂かれた状況の中で生きることは、さほど簡単なことではない。
中央アジアの乾燥した砂漠とますますはびこる上海の高層ビルの間で、
世界とファッションは、すばやく回転している。
私達は、相も変わらず、官能的で美的な事柄、歴史と過去の栄光の名残に心を奪われている。
それらは、私達の心と衣裳の中に残る痕跡のようなものである。
今シーズン、それは、私達の記憶に蘇る19世紀の産業革命時代の社会闘争や
ロマンあふれる征服が凝縮される時期だ。
19世紀の産業革命と21世紀のテクノロジー革命が類似している点も興味深い。
ファッションは、時にフォークロア、しばしばプリミティブ、
はてはワイルドとさえ言えるアクセントを採用する。
冬のリッチさは、これまでにない大胆な美的対比にある:
悲劇と栄光、ワイルドとドール風、宮廷風。
HISTORICAL PRINCESS ヒストリカル・プリンセス
――歴史調のプリンセス――
過去の時代の古色、悲劇、栄華の歴史にイ
ンスパイヤーされたテーマ。おとぎ話の中の
ように、妖精の衣装が、時に、ロバの皮に変
わる。
このテーマでも、ペーパードレスなど存在
しなかった時代の小さな侯爵夫人の衣装の
豪華な生地、
時間の経過と共に使い古し、擦り切れた未晒
しの素材にもインスパイヤーされた。シフォンや磁器の人形にもインスパイヤーされたプリンセス。
(カラー)
カラーは、2つのレベルのトーンで処理:
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磁器やタフタのデリケートで、くすんだ色合い:グレー・ブルー、モーヴ、セラドン・グリーン、
明るいピンク。
ベルベットや壁掛けの深いトーン、濃いトーン:カーディナル・バイオレット、ブラウン/プル
ーン、ペトロール・ブルー、エンパイヤ
・グリーン。
この2つのカラーレンジを、無地のカラーだけでなく、微妙なコントラストをつけて、2つのカ
ラーで展開し、玉虫色効果、色あせたトーンを出す。
ブラックは、ベーシック・トーンとして利用するか、同じレンジのその他のカラーと併用する。
(素材のキーポイント)
ベルベット、ビロード仕上げがメイン。
伝統的なシルクの織りを、ウール、オットマン、畝織り、ファイユ、タフタ・ツイルなどで
解釈し直す。
18 世紀の衣装のサテン、インド縞、幾何学模様のジャカード、ウールとシルクの混紡。古びた感じ、
重ね染めのクレープ。
ツイードでは、ラスティックな糸とビスコース糸を組み合わせて、やや退廃したルックを実現。
GENTLEMAN WORKERS ジェントルマン・ワーカーズ
――労働紳士――
産業革命の世界(
「明治時代」
)にインスパ
イヤー:ロンドンやパリの労働区と人口が密
集した
街区、職人の露店、工場の出入口。
2つの世界の軋轢と対比に興味をひかれ
て:エミール・ゾラの小説『レ・ミゼラブル』、
チャールズ・ディケンズの小説にあるような
19 世紀の貧困と富裕、大衆階級と大企業の
経営者階級、ブルジョワ階級との軋轢。
ジェントルマン・スタイルとワーカー・スタイル。
(カラー)
明るいフランネル・グレー、ブルー・グレー、薄いマリン・ブルー、ナイト・ブルー、アース・
ブラウン、ウォーム・ブラウン、コール・ブラックまでのダーク系のカラーレンジ。
エクリュとホワイトを、ゴマ塩風のハーモニーを作り出す為の、ストライプ地とツイードに網目
状に使用。
これらのニュートラルカラーに色合いを加えるために、「Historical Princess」のカラーレンジ
のくすんだパステルカラーを効果として使用することも。
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(素材のキーポイント)
マスキュリンなウーステッドや紡毛織物。
銀行家の三つ揃えのスーツからシャルロ(チャーリー・チャップリン)が無声映画で着ていた服
まで、19 世紀の紳士服のあらゆるストライプを採用。
マスキュリンとフェミニンのミックスは、常にモダンで、仕立て屋やお針子の仕事場の世界がイ
ンスピレーションを与え、手縫いのようなレトロなファンタジー、ディテールを作り出す。
おばあちゃんの繕いや裁縫にインスパイヤーされた細かいディテール。
MODERN INUIT モダン・イヌイット
――モダンヌイット――
グリーンランドから、シベリアを経てアラ
スカまで、南極や北極のいてつくような風が
吹き
付ける景色の中で、北方のあらゆる地方、寒
冷地の砂漠が、我々にインスピレーション
を与える。手強い自然:雪の砂丘、視界不
良のステップ、不毛のツンドラ、氷河が、
我々を魅了する。
サバイバルのために闘ってきたかつての種族から、伝統を受け継いできた今日の人間にいたる
まで。それぞれの居住地、遊牧民のユルト(パオ)、イグルー(エスキモーの雪小屋)、丸みを帯び
た心地よく保護してくれるかのようなそのボリューム感。
海からとれる希少材料(流木)
、狩猟によりとれる材料(クマやアザラシの毛皮、なめし皮、
セイウチやクジラの骨や牙)。
あらゆる未加工の材料を、人間の手で最適化し、理想的なものにする。骨に彫刻し、皮をなめし、
毛皮に手を加える。
(カラー)
明るいニュートラルカラー(スノウ・ホワイト、ソルト・ホワイト、クリーム、
ニュートラルボーン・イエロー)を中心に、ブルー・グレー、マロン・グラッセ、
凍土のようなコールド・ブラウンといったダーク系カラーを加える。
寒さ焼けした植物の赤茶色により、ちょっぴり暖色を加える。
織りや装飾には、メタル・カラー(酸化銅、酸化青銅)を控え目に加える。
(素材のキーポイント)
ラフなルックであるが、ソフトさを残した手触り。
ボリュームと快適性を追求:ウールとモヘアの混紡。
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ソフトなフェルト状ウール、縮絨ウール。
過酷なスポーツ、犬橇レースからインスピレーションを得て、テクニカル素材、ポリアミドの混
紡、極薄素材、ボンデッド・ファブリック、防雪、防風用のコーティング素材をウールに組み合わ
せる方法を追求する。
装飾も排さず、彫刻した骨や木をイメージして、トーン・オン・トーンの装飾、かなり直線的な
装飾(織り、刺繍、キルティングによる波形装飾、渦巻装飾)を残す。
DANDY FOLK ダンディ・フォーク
――民族風な伊達男――
世界を旅するエレガントで、おしゃれな英
国人のストーリー。旅の道すがら発見したテ
キスタイルにインスパイヤーされ、新しい柄
や混紡を作り出す。
カラーにしろ、素材にしろ、柄にしろ、イ
ギリスの伝統とフォークロアのファンタジ
ーを組み
合わせる。
このテーマでは、ジュール・ヴェルヌの『80 日間世界一周』小説のヒーロー、フィレアス・フォ
ッグの雰囲気をちょっぴり漂わせる。
(カラー)
クラシックな暖かみのあるニュートラルカラー:キャメル、ブロンズ、シナモン、カーキを、
無地、無地ライクのベースカラーとする。
これらを、リッチなカラーと組み合わせる:アンバー、ターコイズ/青緑色、深紅、コンフィ・
オレンジ、フランボワーズ、パープルなど。
これらのカラーは、無地のカラーとしてだけでなく、ジャカードやストライプ地のあらゆる
ファンタジーのためのアクセントとしても使うことができる。
(素材のキーポイント)
イギリスの伝統的なタイプのあらゆるムリネ・ウール。これに、ジャカードやストライプ地を加
える。
高級素材、クラシック素材にあらためて手を加え、職人的技法によるディテールを加える:
絞り染め、くくり染めなど。
ネップのあるファンシー・ヤーン、シュニール糸を多用。
トルコやモンゴルのじゅうたんにインスパイヤーされたジャカードなど。
マルチカラーのストライプ。
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