Tummy Time - AHS Japan

Tummy Time Tools
SM
赤ちゃんの体位調整、移動、抱擁、遊戯を手助けする運動
Colleen Coulter-O’Berry, P.T., M.S., P.C.S., Children’s Healthcare of Atlanta
Dulcey Lima, C.O., O.T.R./L., Orthomerica Products, Inc.
Tummy Time Toolsは、赤ちゃんの目が覚
め て い て 付 き 添 い が い る 状 態
で、腹ばいで過ごす時間を十分に取るこ
とができるようなアイデアや運動方法を
提供します。運動には赤ちゃんの取扱
い、移動、おむつ交換、体位調整、授
乳、遊戯が含まれています。赤ちゃんが
腹ばいで過ごす時間を増やすことで
一方に傾いたり回旋したりすることで
す。持続的にひとつの姿勢をとることで
筋繊維が短縮します。
• 首と肩の筋肉の発達を促進します
• 首の筋肉の硬直を防ぎ、頭部に平坦面
Tummy Time Toolsの運動で、抱擁時間、
赤ちゃんとの接触を増やし、共に過ごす
時間をより良いものにします。これらの
運動を家族の人や他のヘルパーに教えれ
ば、赤ちゃんにとって一日の大切な運動
となります。
ができないようにします
• 転がったり、座ったり、ハイハイした
りするときに必要な筋肉の発達を助け
ます
なぜ赤ちゃんには腹ばいの時間
が必要なのか？
詳細は、かかりつけの小児科医を
受診するか、あるいは以下で入手
できます。
The Children’s Healthcare
of Atlanta Orthotics and
Prosthetics Department
5445 Meridian Mark Road,
Suite 200, Atlanta, GA 30342
Phone:404-785-3229
Fax: 404-250-5690
Web: www.choa.org
赤ちゃんに腹ばいの時間が必要なのは、
時代とともにより多くの時間を仰向けで
過ごすようになってきているからです。
1990年代初頭、アメリカ小児科学会の
「Back
to
Sleep」プログラムによっ
て、両親に赤ちゃんを仰向けに寝させる
ようにしたところ、アメリカのSIDS（乳
幼児突然死症候群）の発生率を40%減少
させることに成功しました。ちょうど同
じ頃、カーシートとキャリアーの普及の
おかげで、赤ちゃん用キャリアー数は2
倍になりました。仰向け寝と日中の頭部
への圧迫の組み合わせが頭蓋骨の平坦化
をもたらします。
赤ちゃんの後頭部や、場合によっては前
額部に平坦面ができることは、斜頭と呼
ばれています。通常、この平坦化は斜頸
と呼ばれる状態により悪化します。斜頸
とは、首の片側の単一筋肉もしくは筋肉
群が硬直化したり弱くなり、赤ちゃんが
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乳児を仰向けにして寝かせることはとて
も大切です。しかしながら、親の付き添
いのもとでうつ伏せの時間を過ごし、一
日を通じて姿勢をこまめに変えることも
また大切です。
腹ばいの時間とは：
• 赤ちゃんがひとつの姿勢で硬い面に横
になることを避ける運動
• 赤ちゃんを腹ばいの状態で運んだり、
置いたり、遊んだりする時間
• 全年齢層の赤ちゃんに効果的
• 楽しく、赤ちゃんにとって簡単にでき
意欲をそそられるようにつくることが
できます
• 順応性があり、赤ちゃんの成長と力の
発達に伴って変化させていくことがで
きます
• 常に付き添います。腹ばいのまま赤ち
ゃんを放置することはありません
• 赤ちゃんとの絆を深める絶好の時間
• 音楽をかけたり、赤ちゃんが興味のあ
るおもちゃを与えたりすると、より楽
しむことができます
抱える
1
赤ちゃんがまたいでいる腰を左右交互に変え、赤ち
ゃんの見ようとする力、ひねり、バランスを両方向
に促進します。
2
赤ちゃんを肩に担ぎます。中心にくるように頭をや
さしく支えます。担ぐ肩を変えることで、赤ちゃん
が両方向にひねるよう促します。赤ちゃんの力や頭
と胴体をコントロールする力が発達してきたら、支
1
えは少しだけで大丈夫です。
3
抱える
体の前面で赤ちゃんを持ち、顔は前方を見させるよ
うにします。赤ちゃんの頭を中心にくるようにやさ
2
抱える
4
抱える
7
抱える
しく支えます。
4
赤ちゃんを腹ばいにし、胸の部分を下から腕で支え
て抱きかかえます。年少乳児には頭と胸の支えが必
要ですが、首と胴体の力が発達してきたら、支えは
少しだけで済むようになります。
5
赤ちゃんの力が発達したら、飛行機遊びをしたり、
支えたり移動させているときに赤ちゃんが飛んでい
るような状態にすることができます。
3
5
6
赤ちゃんの顔が自分の方を向かないように持ち、赤
ちゃんが頭をひねって部屋の様子を見るよう促しま
す。
抱える
抱える
7
赤ちゃんが自分を向かないように抱え、右側に横向
けにします。同様に左側にも抱えます。
6
抱える
添い寝時間
赤ちゃんを肩の上に乗せ自分の方を向くように横にす
るか、もしくは自分の腕にやさしく包みます。これは
添い寝時間で、赤ちゃんが自分を見るために頭を上げ
ようとする動作を促進します。中心にくるように頭を
支え、両方向にやさしくひねります。
添い寝時間
2
添い寝時間
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遊ぶときの体位
1
腹ばいの時間をつくる素晴らしい方法は、自分がう
つ伏せになり、胸で赤ちゃんが自分を向くように抱
えることです。赤ちゃんが自分を見ようとすること
で、頭を上げようとする動作を促進します。やさし
く赤ちゃんの頭を左右にひねります。赤ちゃんが成
長すれば、強い支えは必要なくなり、赤ちゃんは自
分で頭を中心に持っていき、腕で押し上げるように
1
なります。
遊ぶときの体位
2
枕や小さなタオル、ブランケットを赤ちゃんの胸の
下に置き、赤ちゃんが頭を持ち上げ、中心に持って
2
遊ぶときの体位
いきやすいようにします。
3
床で赤ちゃんと遊びます。両側におもちゃを置いて
頭のひねり動作や両手の伸びを促します（遊ぶこと
によって、赤ちゃんの社交性強化や母、乳、兄弟、
姉妹、祖父母との交流を促します）。
3
4
赤ちゃんを膝の上に乗せます。片方の膝を高く上げ、
5
赤ちゃんと一緒に床に座ります。おもちゃを真ん中
赤ちゃんが頭を持ち上げやすいようにします。
に置いて遊び、その後左右にも置きます。
4
遊ぶときの体位
遊ぶときの体位
5
遊ぶときの体位
着替えと入浴
Tummy Time Toolsで学んだことを赤ちゃんの着替えや
入浴中にも利用できます。腹ばいの機会を増やすこと
になり、着替えが楽しい運動になります。
1
1
タオルで乾かし、赤ちゃんの体勢を腹ばいにします。
赤ちゃんを左右にやさしく回転させ、シャツとパン
ツを着せます。
着替えと入浴
2
入浴し、おむつをつけた後、頭からつま先に向かっ
て赤ちゃんをマッサージします。
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2
着替えと入浴
3
体位調整
1
赤ちゃんの頭が、片方に傾くことなく中心にきて自
分を見ることができるように、赤ちゃんの姿勢を調
整します。赤ちゃんを、自分と向かい合うように膝
の上に乗せます。歌を歌ったり、目を合わせたり、
抱き寄せたり、頭を中心に戻したりといったことを
適宜行います。赤ちゃんの体を少し左右に傾け、バ
ランス感覚を養います。赤ちゃんは体をまっすぐに
1
戻そうとし、力が発達します。
体位調整
2
もしカーシートにすでに湾曲したヘッドサポートが
ついている場合、その中心に赤ちゃんの頭を持って
2
体位調整
きてください。もし無い場合、アメリカ小児科学会
は、ブランケットかタオルを丸めて赤ちゃんの頭と
肩の両側に置くことを推奨しています。そうするこ
とで、赤ちゃんがどちらか一方に寄ってしまうこと
を防ぎ、頭と体を中心に保つことができます（パッ
ドやクッションを赤ちゃんの下や後部に置かないで
ください）。ヘッドサポートは、乳児キャリアーと
ベビーカー用のみ購入でき、カーシート用は販売さ
れていません。
3a
3
楽しく面白い動く物やおもちゃを赤ちゃんの両側に
均等に置き、腹ばいまたはうつ伏せ状態での両方向
への体のひねりを促します。赤ちゃんがどちらか一
体位調整
3b
体位調整
方の向きを好んだとしても、時々赤ちゃんの体の向
きを変えてあげます。
おむつ交換
1
赤ちゃんの姿勢を、おむつを替えるテーブルの上で
入れ替えます。赤ちゃんを左右に回転させ、おむつ
のタブを締めます。おむつを替えながら、両側から
赤ちゃんに話かけます。
2
ベッドまたは床の上で、赤ちゃんと向かい合った状
態でおむつを替えます。これによって頭を中心に持
ってくる姿勢や、介護者とのアイコンタクトを促し
ます。
3
1
おむつの交換が終わったら、赤ちゃんを持ち上げる
前に腹ばいにします。よく注意しながら、この体勢
を数分間保ち遊ばせます。
おむつ交換
3
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2
おむつ交換
おむつ交換
4
授乳
1
授乳するために赤ちゃんを抱えている腕を変えます。
そうすることで赤ちゃんが両側へ均等に振り向くよ
うになります。またこれは赤ちゃんの後頭部への腕
の圧力を抑える効果もあります。片方の腕で授乳を
し、次の授乳でもう片方の腕を使って授乳します。
こうすることで首の両側が柔軟になります。
1
授乳
2
背もたれにもたれ、膝を曲げます。膝の上に赤ちゃ
んを乗せ、向かい合います。赤ちゃんの頭が中心に
くるようにして授乳します（授乳中は赤ちゃんの頭
2
授乳
を中心に保ってください）。
3
ゲップさせるときは、赤ちゃんを腹ばいにし膝のうえに
乗せるよう試みてください。これは年少乳児に腹ばいの
時間を取り入れる方法となります。
4
3
両側を向くことができるように赤ちゃんの乳児シート
の位置を設定します。スプーンで食事を与え、その際、
真ん中、左、右からスプーンを差出し、頭の回転を促
すとともに、唇や口まわりの小さな筋肉を左右均等に
発達させます。
授乳
4
授乳
睡眠
1
仰向けにして赤ちゃんを寝かせます。毎晩赤ちゃんを
反対の向きにしてベビーベッドに寝かせます。赤ちゃ
んの向きを変えることを忘れないようにカレンダーを
側に置いてください。
2
1
毎晩赤ちゃんの頭の向きを変え、平坦面ができないよう
にします。
2
睡眠
睡眠
仰向けで寝て、腹ばいで遊ぶ
5
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追加運動法
1
赤ちゃんを膝の上に乗せ、向かい合います。必要に
応じて支えながら、赤ちゃんが頭を上げ、中心に持
っていくよう働きかけます。赤ちゃんの頭を左右均
等にひねります。これも授乳に適した姿勢です。
1
2
赤ちゃんと共に床に寝そべり、向き合います。赤ち
ゃんが肘を使って頭を持ち上げ、自分を見ようとす
るのを手伝います。
追加運動法
3
胸の下に支えを置き、頭を持ち上げて中心に持ってい
4
赤ちゃんが腹ばいの状態でおもちゃを前方に置き、
2
追加運動法
きやすくします。
手の伸びや、両腕をつかって遊ぶことを促します。
赤ちゃんは両腕で支えながら腹ばいで床を移動する
ようになるかもしれませんし、この姿勢からハイハ
3
イを始めるかもしれません。
5
追加運動法
テレビを見ている間や、友人を訪ねた時は、赤ちゃ
んを膝の上に腹ばいにさせます。赤ちゃんの位置を
.
変えて両側を見させるようにします。
5
4
追加運動法
追加運動法
頭の形を変える他の方法
幼児の中には、ここで紹介した方法と同じくら
合もありますし、矯正士と呼ばれる、特殊成形バ
い積極的な発育プログラムを行った後でも、頭
ンドで赤ちゃんの頭部を整形できる専門家の受診
部が平坦化したり非対称になったりする子がい
を勧められる場合もあります。この特殊バンドは
ます（斜頭）。もし赤ちゃんの頭部形状が生後
頭蓋再成形用整形器具と呼ばれています。1?23時
4ヵ月を過ぎても改善しない場合は、かかりつ
間の着用で、赤ちゃんの頭部の形を通常の形に徐
け小児科医が頭蓋骨専門医を紹介してくれる場
々に成形していきます。
赤ちゃんに合せて個別のプログラムを作る
これらの運動は赤ちゃんの状態に応じて適宜変えられることを
んとより親密な関係を築くことができます。中には斜頸により硬直
覚えておくことが大切です。赤ちゃんによって能力の習得時間
した筋肉を伸ばしたり、弱った筋肉を強化するために追加エクササ
には差があります。赤ちゃんのすべてに首の硬直が見られるわ
イズが必要となる赤ちゃんもいます。それらのエクササイズは、か
けではなく、多くの赤ちゃんはとても形の良い頭部を持ってい
かりつけ医、作業療法士、理学療法士の指導のもとで受けられます。
ます。このプログラム中の運動はすべての赤ちゃんの正常な発
Tummy Time Toolsの運動を使って素晴らしい時間を過ごし、赤ちゃ
達を促進します。これらの運動に時間を費やすことで、赤ちゃ
んを強く育ててください。
Orthomerica Products, Inc.対し特に御礼申し上げます。
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