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平成22年度 山形県環境科学研究センター年報
山形県環境科学研究センター 年報 第 18 号 平成22年度 平成24年1月 山形県環境科学研究センター 目 Ⅰ Ⅱ 次 環境科学研究センターの概要 1 沿 革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 施設の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 組織及び職員配置 (1) 組 織 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) 職員配置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 主要機器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 業務概要 1 環境企画部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 大気環境部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 水環境部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 環境化学部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 調査結果 (1)平成 22 年度水生生物による水質調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2)平成 22 年ブナ・ナラ豊凶調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3)平成 22 年度環境大気常時監視測定結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4)平成 22 年度有害大気モニタリング調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5)平成 22 年度酸性雨大気汚染調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6)平成 22 年度航空機騒音測定結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (7)平成 22 年度自動車騒音測定結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8)平成 22 年度公共用水域水質測定結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (9)平成 22 年度地下水水質測定結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (10)平成 22 年度環境中ダイオキシン類調査結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 2 2 3 4 9 12 17 18 22 23 31 32 34 36 37 42 45 Ⅲ 調査研究 1 Ox 二次標準器による三次標準器校正結果の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 2 排水中の全シアン測定方法の検討について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52 3 山形県内の河川の水質の状況について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 4 山形県における光化学オキシダント高濃度事例について ・・・・・・・・・・・・・・ 55 5 CE-MSを用いた芳香族化合物の微生物分解代謝物の測定と土壌汚染モニタリングへ の応用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 6 環境科学研究センターで実施している共同研究一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・ 59 Ⅳ その他 1 学会等への研究発表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 職員の講師派遣 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 JICA草の根技術協力事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 学会及び会議等出席 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 職員技術等研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 来所・利用団体等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 出版物等の編集・発行状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 61 62 63 64 65 66 Ⅰ 環境科学研究センターの概要 1 沿 革 昭和 48 年4月 「山形県公害センター」(山形市十日町)が設置される。 総務課、大気科、水質科の1課2科制 49 年4月 特殊公害科が新設され、1課3科制となる。 (54 年3月、特殊公害科は廃止) 55 年4月 1課2科制から1課2部制(総務課、大気部、水質部)へ組織が改正される。 平成 5 年4月 環境情報部が設置され、1課3部制となる。 6 年4月 「山形県環境保全センター」に名称が変更される。 11 年4月 環境化学部が新設され、1課4部制となる。 15 年4月 「山形県環境科学研究センター」に組織が改正され、村山市に移転。 総務課、環境企画部、大気環境部、水環境部、環境化学部の 1 課 4 部制 2 施設の概要 所 在 地 山形県村山市楯岡笛田三丁目2番1号 敷地面積 11,847.43m2 延床面積 3,646.39m2 事務棟 888.22m2 1階 所長室、事務室(総務課)、会議室、文献資料室 2階 事務室、大気環境監視室(テレメーター室) 研究棟 1階 1,416.40m2 第1機器分析室、第2機器分析室、第1化学研究室、第2化学研 究室、ダイオキシン分析施設(ケミカルハザード施設)、データ 解析室 2階 大気研究室、第3機器分析室、第4機器分析室、第1前処理室、 第1水質・廃棄物研究室、第2水質・廃棄物研究室 環境情報・自然環境棟 917.04m2 環境情報室、セミナー室、実験室、実習室、資機材保管庫、 自然環境研究室、自然環境作業室、環境大気自動測定局(村山局) 付属棟 424.73m2 1 3 組織及び職員配置 (1) 組 織(平成 23 年度) 所 長 副所長 予算、決算、経理、施設管理等 総務課 (兼)総務課長 環境学習事業の推進、環境教育の支援、環境情報の収集・提供、 副所長 環境企画部 環境活動団体の支援等、自然生態系保全モニタリング調査、希 (兼)環境企画部長 研究主幹 少種保全のための調査、自然環境の調査研究等 大気汚染、騒音、酸性雨等の調査・監視、環境保全のための 大気環境部 調査研究、技術指導等 (兼)大気環境部長 水質汚濁、地下水・土壌汚染、廃棄物等についての調査・監 研究主幹 水環境部 視、環境保全のための調査研究、技術指導等 (兼)水環境部長 ダイオキシン類の調査・監視、化学物質の調査、環境保全のた 環境化学部長 環境化学部 めの調査研究、技術指導等 (2) 職員配置 (平成23年4月1日現在) 職 名 現 計 総 務 課 環境企画部 大気環境部 所 長 1 1 副所長 1 1 2 研究主幹 2 1 総務課長 (1) (1) 部 長 1(3) (1) (1) 環境企画専門員 1 1 研究企画専門員 2 総務主査 1 1 主任専門研究員 3 2 1 庶務係長 (1) (1) 専門研究員 1 1 研究員 10 3 合 計 24(5) 3(2) 5(1) 5(1) 備考:1 ( )内は兼務者数である。 2 嘱託職員は、総務課1人、環境企画部1人、水環境部1人である。 2 水環境部 環境化学部 1 (1) 1 1 1 4 6(1) 3 5 4 主 要 機 器 (平成23年4月1日現在) 品 名 分光蛍光光度計 ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフ 分光光度計 環境騒音測定装置 航空機騒音レベル処理装置 分光光度計 ヘッドスペースオートサンプラー 一酸化炭素測定装置 非メタン炭化水素自動測定装置 ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフ質量分析装置 オキシダント動的校正装置 顕微鏡生物観察計測システム サーモグラフィ 超音波洗浄装置 ガスクロマトグラフ質量分析装置 加熱導入装置(ガスクロマトグラフ質量分析計用) 高速液体クロマトグラフ マイクロウェーブ分解装置 窒素酸化物自動測定装置 オキシダント自動測定装置 高分解能ガスクロマトグラフ質量分析装置 中分解能ガスクロマトグラフ質量分析装置 ガスクロマトグラフ質量分析装置 高速溶媒抽出装置 ダイオキシン用排ガス測定装置 CO-O2連続測定装置 環境大気常時監視テレメーターシステム 煙道排ガスダスト採取装置 イオンクロマトグラフ 煙道排ガス分析計 ICP発光分光分析装置 ガスクロマトグラフ質量分析装置 液体クロマトグラフ質量分析装置 二酸化硫黄・浮遊粒子状物質自動測定装置 浮遊粒子状物質自動測定装置 型 式 日立 650-10S 島津 GC-9A 島津 GC-15A 日本分光 Ubest-55 リオン NA-33 リオン SV-72A 日立 U-3300 パーキンエルマー HS-40 電気化学計器 GIA-72M 電気化学計器 GHC-75M 島津 GC-17A アジレント 5972A 東亜ディケーケー OZ-100 オリンパスBX50 日本アピオニクス TVS-2600TE-S シャープ MU-624 アジレント 5973A クロムパック CP4010 島津 LC-VP マイルストーンゼネラル ETHOS900 東亜ディケーケー GLN-154,254,354 東亜ディケーケー GUX-153,253,353 日本電子 JMS-700D 日本電子 JMS-GCMATE2 島津 GCMS-QP2010 日本ダイオネクス ASE-300 濁川理化工業 NGZ-6DS他 島津 CGT-7000 ㈱神戸製鋼所製 環境テクノシステム KF-8808Ⅲ ダイオネクス ICS-1000 堀場ポータブルガス分析計 PG-250 パーキンエルマー Optima7300DV 島津 GCMS-QP2010Plus 日本ウォーターズ ACQUITY UPLC TQD 東亜ディケーケー GFS-327 東亜ディケーケー DUB-357 3 数量 購入年度 S57 1 S61 1 H2 1 H3 1 H3 1 H4 1 H5 1 H5 1 H5 1 H5 1 H6 1 H6 1 H6 1 H7 1 H7 1 H8 1 H9 1 H9 1 H9 1 H12 1 H12,15,21 14 H12,15,21 8 H13 1 H13 1 H13 1 H13 1 H13 1 H13 1 H14 1 H17 1 H18 1 H20 1 H21 1 H21 1 H21 1 H21 12 H21 4 Ⅱ 業 務 概 要 1 環境企画部 CD-ROM等の閲覧・貸出及び環境パネル、環境 学習用教材・器材の貸出、環境に関する相談 県民、民間団体、事業者等への環境保全に への対応等を行った(表1)。 関する情報の提供、環境教育・環境学習の推 進、環境学習施設の管理運営を行うほか、自 表1 環境学習用教材・器材等の利用状況 項 然環境部門において、自然生態系保全モニタ リング調査及び保全対策、自然環境保全活動 に関する普及・啓発を行うとともに、自然環 目 件 等 図書 567 冊(529) 24 本(41) 図書、ビデオ、 85 件 ビデオ CD-ROM・DVD の貸出 (302) CD-R0M・ 11 枚 (34) DVD 境に関する調査研究を実施している。 パネル・環境教材等 27 件 (29) の貸出 施設(セミナー室、 《環境学習部門》 1 数 実験室、展示スペー 28 件(28) ス)の貸出 環境情報の提供 19 件(35) 環境相談 (1)環境情報誌の発行 (注) ( ) 内の数字は平成 21 年度 県内の環境に関する各種情報をとりまとめ た「やまがたけんの環境情報」(A4判カラー、 3 環境学習施設の利用・見学等 4頁)を、平成 22 年6月(No.63)、9月(No. 環境情報・自然環境棟を午前9時から午後 64)、12 月(No.65)、平成 23 年3月(No.66) 5時まで(土日祝日及び年末年始の休日を除 の計4回、各 1,000 部発行し、県内の学校、 く)開放し、見学者を受け入れるとともに、図 環境保全団体、図書館、市町村等に配布し 書・資料の閲覧及びインターネットによる環 た。 境情報の検索等の利用のほか、希望団体には また、環境科学研究センターの事業や業務 セミナー室での環境教室や実験室での環境実 の内容を紹介するため、「環研センターNEWS」 験等を行った(表2)。 (A4判カラー、2頁)を3回/年(第 37 号~ 表2 環境情報・自然環境棟利用者数 第 39 号)作成しホームページに掲載した。(66 ページ参照) 区 小学生 分 以下 人数 (2)ホームページによる情報提供 (人) 1,094 中学生 高校生 大学生 成人 合 25 9 44 875 2,047 環境科学研究センター利用案内や各種情報 (環境情報、イベント情報、環境学習支援 4 やまがた環境リーダー養成講座 等)を提供した。 地域や職場において、環境保全に主体的に 取り組む人材である「環境リーダー」の養成を 2 環境学習用教材等の貸出及び環境情報相談等 図るための講座を開催した。 環境関連の図書や資料、ビデオソフト、 (1)環境教育担当者研修 4 計 市町村等環境教育担当者を対象に、平成 22 を深めることを目的に、平成 22 年 11 月 29 日 年 10 月 8 日に環境科学研究センターで開催し、 に村山総合支庁において開催し、19 名が参加 8 名が参加した。 した。 (2)地域環境リーダー研修 地域における「環境リーダー」の育成及び資 5 秋の親子環境教室 質向上を図ることを目的に、地域で活動して 秋の里山の自然に触れ合い、自然の材料を いる方を中心に研修会を開催した。 使ったリースづくりを行い、自然の豊かさを ア 置賜地域 体験するため「自然観察会」 (平成 22 年 10 月 平成 22 年 10 月 20 日に置賜総合文化セン 31 日、村山市河島山)、「リースづくり」 (平 ターにおいて開催し、12 名が参加した。 成 22 年 12 月5日、環境科学研究センター)を 開催し、延べ 38 名が参加した。 (ア)講演「地球はいま~これからの宇宙~」 講師 落合重忠氏 6 (山形県地球温暖化防止活動推進員) 野外環境教室 (1)水生生物調査 (イ)体験学習「エコトランク」の使い方について 身近な河川の水質の状況を知るとともに、 講師 環境科学研究センター職員 水環境の保全の大切さを学習することを目的 イ 庄内地域 として、小・中学校、高校、一般市民など 平成 22 年 11 月 17 日に庄内総合支庁にお に参加を呼びかけて、水生生物調査を実施し いて開催し、15 名が参加した。 た。 (ア)講演「地球温暖化によつて何がどう変わ 平成 22 年度は、91 団体、延べ 2,336 名が参 る?」 加して県内の 63 河川、145 地点で調査が行わ 講師 松村靖弘 氏 (山形県地球温暖化防止活動推進員) れた。参加者に調査方法のテキスト、水生生 (イ)体験学習「エコトランク」の使い方につい 物の写真入り下敷きを配布したほか、調査器 て 材の貸出や指導者講習会を実施した。指導者 講師 環境科学研究センター職員 講習会は、3回(山形市、米沢市、庄内町) 実施し、15 名が参加した。 また、調査結果をとりまとめ、河川水質マ (3)環境アドバイザー研修 ップ(A1判カラー1,000 枚)を作成し、参 山形県環境アドバイザーに県の環境施策を 加団体等に配布した。(21 ページ参照) 理解してもらい、活動をする上で役に立てて (2)星空観察 もらうことや、環境アドバイザー相互並びに 星空の観察をとおして大気環境保全の大切 県との意見や情報交換をすることにより連携 5 さを考えていただく機会とするため、学校や 9 環境アドバイザー・職員の講師派遣等 天文愛好家たちに参加を呼びかけて星空観察 学校、企業、団体が実施する環境に関する 会を実施した。 講演会や学習会の講師を派遣した。 夏期と冬期に観察が行われ、平成 22 年度 (1)環境アドバイザー は夏期は7団体 93 名、冬期は 3 団体 24 名が 環境に関する専門的な知識を有する人材と 参加した。 して県が委嘱した環境アドバイザーを 50 回派 観察会を支援するため、参加団体に観察の 遣した。派遣一覧は表4のとおり。 手引き等を配布したほか、星空観察用双眼鏡 (2)環境教室 の貸出を行なった。 学校等の団体からの申込により、環境科学 研究センターのセミナー室や実験室で行う環 境に関する学習会や実験教室を8回(206 名参 7 こどもエコクラブの支援 加)、職員を講師として学校等に派遣する出前 平成 22 年度は 7 クラブ(クラブ員 115 名、 講座を 10 回(278 名参加)実施した。 サポーター43 名)が登録し、活動を行った。 環境科学研究センターでは、こどもエコク 10 親子で楽しむ環境科学体験デー ラブ県事務局として「やまがたこどもエコクラ 環境月間事業の一環として、環境への関心 ブ通信」によるエコクラブへの情報提供を行な を深めるとともに、環境科学研究センターの った。 業務や施設を県民に知っていただくことを目 的に平成 22 年6月6日に開催し、196 名が来 8 夏休み親子科学教室 所した。 子どもの創造性を育み、次代の科学技術を 担う青少年を育成するため、平成 13 年度から (1)環境科学体験コーナー 県の各試験研究機関において体験型学習教室 エコカーを体験してみよう、次世代照明を を開催している。 見てみよう、自分で発電した電気でミニ四駆 を走らせてよう、ジャンボビー玉コースター、 環境科学研究センターでは、平成 22 年度は 2教室を開催し、合計 49 名の親子が参加した 炭から電池を作ってみよう、里山を観察して (表3)。 みよう、紫いもで酸性雨を調べよう、水生昆 表3 夏休み親子科学教室一覧 虫を見てみよう、ほか 教 室 名 紫いもで酸性雨を調べ よう 水をきれいにする方法 について調べよう 開催日 7月 28 日 参加者 (2)展示コーナー (人) こどもエコクラブ壁新聞、太陽光発電・風 21 力発電・水力発電のしくみ ほか 8月 10 日 28 (3)環境科学研究センター施設見学会 6 表4 環境アドバイザー派遣実績 No 月 日 演 題 講 師 参加者数 1 酒田南高等学校 申請団体名 4月13日 松村靖弘 329 2 山形県立山形工業高等学校 5月1日 河合直樹 20 3 天童舞鶴ライオンズクラブ 5月12日 地球温暖化の防止について 企業における低炭素社会に向けた取組みの実態と意義及び工 業技術者としての必要な心構えについて 地球にいいことしてますか! 武内賢二 33 4 鶴岡市中央公民館 6月4日 くらしの中のエコアクション 石井範子 13 5 河北町衛生組合協議会 5月27日 自然環境の保全に向けて何をすべきか 水野重紀 70 6 稲生町内会(鶴岡市) 6月19日 動植物観察 水野重紀 23 7 鶴岡市立豊浦中学校 5月26日 いま、地球のために私たちができること 水野重紀 46 8 山形県地区衛生組織連合会 6月17日 不法投棄、リサイクルを考える 長岡文明 145 9 ㈱丹野 情野 彰 26 橋本聡 120 89 5月31日 快適な大気環境を求めて 10 西川町婦人会 6月5日 楽して得して豊かに暮らそう 11 日本大学山形中学校 5月28日 地球の環境とぼくらの未来 三浦秀一 12 月よう会 7月30日 山形からわかる環境問題 柳澤文孝 18 13 西川町高齢者大学 6月8日 おうちでできる省エネ講座 松村靖弘 300 14 ジャスコ山形南店 6月27日 ホタルについて勉強しましょう 長岡康雄 19 15 尾花沢市立尾花沢小学校 6月4日 地球の環境について 武内賢二 77 橋本聡 109 16 米沢市立第五中学校 6月10日 私たちを取りまく環境問題 17 酒田市衛生組織連合会 6月8日 地球温暖化の影響と対策について 齋藤安和 52 18 鶴岡市第一学区コミュニティ振興会 8月5日 自然生態系にあたえる温暖化の影響 長岡康雄 35 19 東陽会青少年育成事業部 8月1日 蜜蝋キャンドル作り講座 安藤竜二 39 20 生活協同組合共立社 山形生協 7月6日 上野和子 13 21 川西町立第一中学校 7月15日 橋本聡 30 橋本聡 50 遠藤弘夫 7 橋本聡 37 22 ケアハイツ西川 9月1日 エコクッキング 環境問題から食糧事情を考える。 ~継続可能な社会のために~ 楽して得して豊かに暮らそう 23 大江町中央公民館 7月25日 さがそう川の虫 24 土と食 環境の会米沢 8月24日 楽して得して豊かに暮らそう 25 山辺町大門3丁目子供会 7月25日 山形のすばらしい自然と環境保全 安藤竜二 23 26 高木イバラトミヨ保存会 8月6日 イバラトミヨとその生息環境保全 永幡嘉之 38 27 ㈱ウンノハウス 7月20日 三浦秀一 102 28 遊佐町立稲川小学校 8月3日 太田 威 10 29 成生小学校2学年PTA 30 ㈱矢萩土建 31 山形県立荒砥高等学校 10月3日 9月25日 9月8日 環境問題といま企業が取り組むべき課題 地域の自然の中で「まなび」のある授業をつくるための実地 研修 自然観察 ハチ蜜の森体験教室 山形県の森と養蜂について 地球環境の現状と今私たちにできること 安藤竜二 安藤竜二 橋本聡 57 21 70 32 神町地区環境衛生組合連絡協議会 9月10日 不法投棄、リサイクルを考える 長岡文明 38 33 朝日町立宮宿小学校2学年 学年委員 10月2日 蜜ろうそく作りを通して朝日町の自然の豊かさを感じよう 安藤竜二 60 34 みはらしの丘子供育成会 9月18日 すばらしい山形の自然 安藤竜二 78 35 山形県行政書士会産業廃棄物ワーキンググループ 10月30日 廃棄物処理法の現場 長岡文明 15 36 長井市衛生組合連合会 10月29日 不法投棄、リサイクルを考える 長岡文明 70 37 長井市中央地区衛生組合 11月26日 エコクッキング教室 上野和子 32 安藤竜二 50 小関正実 26 40 ㈲田島製作所 10月17日 養蜂と森のつながり 地球温暖化防止の現状と生物多様性条約における今後のビジ ネスのあり方 10月28日 最近の環境状況について 小関正実 30 41 八千代田精密㈱ 11月1日 小関正実 30 42 村山市立袖崎小学校 10月21日 廃油を利用した石けんを作ろう 43 湯田川地区自治振興会 45 東根地区環境衛生組合連絡協議会 11月24日 庄内地方の自然 ~外来動植物と希少種~ 地球温暖化と企業の関わりについて 12月14日 ~地球温暖化に伴う環境変化に対し、企業としてどのように 取り組むか~ 12月2日 地球温暖化防止に向けて私たちができること 46 環境を守る三地区連絡協議会 2月12日 おれたちは土の化身だった 47 天童市立寺津小学校6学年PTA 1月30日 48 白鷹町美しい郷づくり推進会議 38 河北町立溝延小学校2学年 39 丸本器械株式会社 10月20日 地域に根ざした環境保全活動について 山崎多代里 13 水野重紀 37 大場健一 23 松村靖弘 25 菅野芳秀 75 養蜂を通した自然について 安藤竜二 51 2月13日 水環境とくらし 佐藤五郎 90 49 川西町立東沢小学校 1月28日 21世紀を生きる子ども達へ 50 米沢女子短期大学 2月23日 学校における省エネルギー・リサイクル研修会 44 山形県中小企業団体事務局協議会 7 橋本聡 26 大場健一 21 内海岸外3箇所)で調査を実施した。 11 イベントへの参加 県、市町村等が開催する環境イベント等で、 2 牛乳パックを利用したリサイクル工作教室を ブナ・ナラ豊凶調査 動植物の生息・生育動向に大きな影響を与 開催した。 (1)子育て応援団「すこやか 2010」 えるブナ、ミズナラ、コナラの豊凶について、 県内 30 箇所、36 林分(ブナ 16 林分、ミズナ (平成 22 年5月 29、30 日、山形国際交流プラ ラ9林分、コナラ 11 林分)において継続調査 ザ(山形ビッグウイング) ) を実施した。 (2)環境フェアつるおか 2010 ブナについては、堅果の豊凶予測を試み、 (平成 22 年9月 26 日、鶴岡市小真木原公園総 合体育館) 8月に予測結果をホームページに公表した。 (3)もったいないやまがた 780 大会 予測では、全県的に凶作という結果が得られ た。 (平成 22 年 10 月 2 日、3 日、山形国際交流プラ ブナは、予測のとおり凶作、ミズナラは凶 ザ(山形ビッグウイング) ) 作~並作、コナラは並作の傾向が見られた。 (22 ページ参照) 《自然環境部門》 1 自然生態系保全モニタリング調査 3 森林を取り巻く自然環境の異変等を早急に 希少種保全対策 (1)イバラトミヨ(特殊型) 察知し、その原因を解明して保全対策を行っ 県天然記念物であり県絶滅危惧種ⅠA類 ていくため、山岳森林地域や里山の自然環境 に 選定されているイバラトミヨ(特殊型)に の変化についてモニタリング調査を行った。 ついて、東根市「イバラトミヨ生息地」保存 平成 22 年度は庄内地域において調査を実施 した。 連絡協議会の依頼を受けて、生息数や営巣数 (1)自然環境現況調査 に関する調査を行うと共に、保全対策につい 過去の調査記録があり、過去との比較が可 て提言した。 能な場所(鳥海山外5箇所)で調査を実施し (2)ヒシモドキ 県絶滅危惧種ⅠA類に選定されているヒ た。 シモドキの保全を図るため、ヒシの除去等 (2)希少野生生物保全調査 の環境改善を行った。 過去に希少種の生息・生育が確認されて いるが、現状は把握されておらず絶滅が危 惧される場所、希少種の生息・生育が確認 されていないが、その可能性が高い場所(庄 8 2 大気環境部 測定局は、一般環境大気測定局が、県中央部の 大気汚染防止法に基づく環境大気の常時監視、 村山地区に6局、火力発電所等が立地している庄 有害大気汚染物質のモニタリング調査及び工場・ 内地区に6局、県南部の置賜地区に2局及び県北 事業場のばい煙測定並びに酸性雨に関する調査、 東部の最上地区(新庄市)に1局の計15局であり、 騒音規制法等に基づく各種調査・測定を主な業務 自動車排出ガス局は村山地区に1局、発生源監視 としている。また、これらに関連する調査研究を 局は庄内地区に1局設置している。 各測定局における測定項目は、表5のとおりで 実施している。 あり、測定データは、環境科学研究センターの中 央監視局に常時伝送され、パソコンや携帯電話を 1 環境大気の監視 通じてリアルタイムで県民に提供している。 環境大気の常時監視は、環境基準の達成状況の 平成22年度の結果は、二酸化硫黄、浮遊粒子状 把握、緊急時の対応などを目的とし、テレメータ 物質、二酸化窒素及び一酸化炭素について全ての システムにより図1に示した17地点で行った。 測定局で環境基準を達成していたが、光化学オキ シダントについては、全ての測定局で環境基準を 達成できなかった。(なお、平成21年度の光化学 オキシダントの環境基準達成率は、全国の一般測 定局で0.1%である。) また、公害防止協定の遵守状況を把握するため、 酒田共同火力発電所に設置されている発生源監視 局において、テレメータシステムでばい煙の排出 状況等の常時監視を実施した。監視項目は、表6 のとおりであり、平成22年度の監視結果は、公害防 止協定値を遵守していた。(23~30ページ参照) 図1 環境大気常時監視測定地点図 9 ロロメタン、テトラクロロエチレン及びトリクロ 表5 環境大気常時監視測定局及び測定項目 測 定 項 目 区 地 測定局 分 区 山形十日町 村 山 用 途 地 域 二 酸 化 硫 黄 浮 遊 粒 子 状 物 質 二 酸 化 窒 素 等 光 化 学 オ キ シ ダ ン ト 山形飯田 住 ○ ○ 天童老野森 住 ○ ○ ○ ○ 上山元城内 住 寒河江西根 住 ○ ○ ○ ○ 般 村山楯岡笛田 住 ○ ○ ○ ○ 米沢金池 住 ○ ○ ○ ○ 置 賜 長井高野 住 ○ ○ ○ ○ 境 酒田若浜 住 ○ ○ ○ ○ 大 酒田光ヶ丘 住 ○ ○ ○ 酒田上田 未 ○ ○ ○ 遊 佐 住 ○ ○ ○ 余 目 住 ○ ○ ○ 気 自動車 排ガス 庄 内 ジ参照) 炭 化 水 素 3 ばい煙測定 工場・事業場から排出されるばい煙の排出基準 商 ○ ○ ○ ○ 一 環 一 酸 化 炭 素 ロエチレンは、全て基準を下回っていた。(31ペー の遵守状況を監視するため、ばい煙発生施設のう ち主な23施設(表7)について測定を行った結果、 1施設でばいじんの排出基準を超過し、22施設で 排出基準を遵守していた。 なお、排出基準を超過した1施設については、 総合支庁等でばいじん除去施設の改善指導を行っ た。 表7 平成22年度立入検査施設数 鶴岡西新斎 住 ○ ○ ○ ○ 管轄総合 最 上 新庄下田 住 ○ ○ ○ ○ 支庁 村 山 山形下山家 住 ○ ○ ○ ○ 表6 発生源監視項目 発生源監視局 監 視 項 目 酒田共同火力発電所 硫黄酸化物濃度及び排出量、 1号ボイラー 窒素酸化物濃度及び排出量、 2号ボイラー 酸素濃度、排出ガス温度、発電出力 ボイラー 廃棄物 乾燥炉 焼却炉 その他 計 村山 2 6 0 8 最上 2 2 0 4 置賜 2 2 0 4 庄内 1 5 1(1) 7(1) 計 7 15 1(1) 23(1) ( )は排出基準超過数 表8 大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設 届出数(平成22年度末現在) 管轄総 合支庁 2 有害大気汚染物質モニタリング調査 ボイラー 廃棄物 乾燥炉・ 施設数 工場・事 焼却炉 その他 合計 業場数 村山 1,107 26 82 1,215 563 最上 136 8 11 155 89 大気汚染物質による大気の汚染の状況を把握する 置賜 451 9 67 527 234 ため、毎月1回(アルデヒド類は隔月)モニタリ 庄内 467 16 39 522 264 2,161 59 199 2,419 1,150 大気汚染防止法第18条の23の規定により、有害 計 ング調査を実施した。 平成22年度は、上山元城内局、長井高野局及び 4 酸性雨大気汚染調査 山形下山家局の3地点で調査を行ったが、測定結 酸性雨とは、pH5.6以下の雨をいい、その降水 果は、環境基準が定められているベンゼン、ジク の汚染状況の実態を把握するため、山形市及び酒 10 田市の2地点で降水を一定期間(原則として2週 形県内の奥羽本線、羽越本線、陸羽西線、左沢線 間)毎に採取し、表9のとおりpHなど11項目の測 及びフラワー長井線の5沿線において、在来鉄道 定、分析を行った。 に係る騒音の実態調査を行った。 pHの測定結果は、年平均値が山形市4.86 8 やまがた酸性雨ネットワーク事業の支援 (4.57~6.02)、酒田市4.74(4.40~6.06)で 酸性雨に係る調査研究等を実施している大学や あった。(32~33ページ参照) 表9 調査項目及び分析件数 調査地点 山形市 (山形十日町) 酒田市 (酒田若浜) 調査項目 公設試験研究機関、行政機関が広く情報交換を図 採取周期 ることを目的に、平成13年7月にやまがた酸性雨 pH、電気伝導率、 2- 4 SO - 3 、NO 、 Cℓ -、NH4+、K+、Na+、 2+ ネットワーク(会長:山形大学理学部教授 柳澤文 2週間 2+ Ca 、Mg 、降下物量 孝)が設立され、県民参加の酸性雨調査や情報交流 会などを実施しており、その支援を行なった。 5 航空機騒音環境基準監視 山形空港周辺における航空機騒音に係る環境基 準の達成状況を監視するため、7地点 (東根市5 地点、天童市2地点)で、各地点7日間の連続測 定を行った。 平成22年度の監視結果は、48~58 WECPNLであり 全ての地点で環境基準(75 WECPNL)を達成してい た。(34~35ページ参照) 6 自動車騒音常時監視 自動車騒音の状況を常時監視し、道路に面する 地域について騒音に係る環境基準の達成状況を把 握するため、山形市を除く12市14地点で騒音レベ ル及び交通量等の測定を行った。平成22年度の監 視結果は、環境基準評価区間にある住居等の環境 基準の達成率は、99.1%であった。 (36ページ参照) 7 在来鉄道騒音実態把握調査(環境省委託事業) 今後の在来鉄道騒音対策(鉄道騒音の評価手法 等)に資する基礎的資料の収集を目的として、山 11 3 水環境部 山形県地下水水質測定計画に基づき、山形市 水質汚濁防止法に基づく公共用水域及び地下水 と分担して地下水の水質測定を実施した。 の水質測定、工場・事業場立入検査の排出水の分 測定は、地域の全体的な状況を把握するため 析、産業廃棄物や最終処分場放流水等の分析及び の概況調査、汚染が判明した場合の汚染範囲を 湖沼の酸性雨影響調査等の水環境に関する調査研 確定するための汚染井戸周辺地区調査、長期的 究を主な業務としている。 な水質変化を監視するための継続監視調査であ り、測定地点数は、表11のとおりである。 1 公共用水域水質測定 表 11 地下水水質測定地点数 公共用水域の水質汚濁の状況を把握するため、 調査区分 山形県公共用水域水質測定計画に基づき、県、国 土交通省及び山形市が分担して常時監視を実施し 市町村数 概況調査 6(山形市、庄内地区) 汚染井戸周辺 3(鶴岡市、酒田市、 地区調査 遊佐町) 継続監視調査 ている(表10)。環境科学研究センターでは、カド 18 地点数計 ミウムなどの健康項目その他について測定監視を 調査地点数 36(5) 71(22) 42(19) 149(46) 調査地点数の( )は環境基準超過地点数 ア 概況調査 行った。 6市町の36地点で実施し、鶴岡市藤島、酒田市 表10 公共用水域測定地点数 水域名 国土交通省 山形県 山形市 計 河 川 27 49 9 85 湖 沼 4 3 1 8 海 域 - 16 合 計 31 68 - 10 広栄町、三川町青山及び横山の4地点で砒素、遊 佐町藤崎で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が環境 16 基準を超過した。 109 イ 汚染井戸周辺地区調査 平成22年度の結果は、健康項目については71地 概況調査等により新たに汚染が確認された鶴 点(河川55、湖沼8、海域8)で測定を行った結果、 岡市藤島地区、酒田市広栄町地区及び宮内地区、 すべての地点で環境基準を達成した。生活環境項 並びに遊佐町比子地区、江地地区、藤崎地区、 目は類型指定をしている53水域中、工事中の2水域 庄泉地区及び菅里地区の71地点で実施した。そ を除く51水域(河川47、湖沼1、海域3)で測定を の結果、鶴岡市藤島地区の2地点で砒素、酒田市 行った結果、天王川及び村山野川の二つの水域(河 宮内地区並びに遊佐町比子、江地、藤崎及び庄 川)でBODの環境基準を達成できなかったが、 泉地区の20地点で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 その他のすべての地点でBOD及びCODの環境 が環境基準を超過した。 基準を達成している。(37~41ページ参照) なお、三川町の2地区については、周辺井戸が なかったため実施しなかった。 2 地下水水質測定 ウ 継続監視調査 (1)水質測定計画に基づく調査 18市町村42地点について実施したところ、砒素 12 については2市3町の5地点で、ふっ素は1市1地点 点で環境基準を超過した。本地域では以前から で環境基準を超過した。また、揮発性有機塩素化 環境基準を超過しているが、基準を超過してい 合物についてはテトラクロロエチレンが3市4地点 る地点数は減少傾向にある。また濃度もほとん で、トリクロロエチレンが1市2地点で、1,2-ジク どの地点で減少傾向にあり、浄化対策の効果が ロロエチレンが1市1町2地点で、硝酸性窒素及び亜 表れている。 硝酸性窒素については3市1町1村の5地点で環境 ウ 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による地下水 汚染対策調査 基準を超過した。 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による広域的な なお、基準超過井戸については総合支庁で飲用 地下水汚染が確認されている東根市神町・天童 指導を行っている。(42~44ページ参照) (2)地下水汚染対策調査 市川原子地区8地点及び鶴岡市下川・酒田市浜 ア 東根市蟹沢地区における揮発性有機化合物によ 中・十里塚地区9地点について、定期的に水質調 る地下水汚染対策調査 査を実施した。平成22年度の結果は、東根市神 地下水汚染対策を実施している東根市蟹沢地区 町・天童市川原子地区では、すべての地点で環 において、地下水の汚染物質(トリクロロエチレ 境基準を満たした。全体的な濃度推移も低下傾 ン等)の濃度変動を把握するため、年4回一般井戸 向にあり、硝酸性窒素削減対策計画の効果が表 12地点、観測井戸7地点の19地点で水質調査を実施 れている。 した。平成22年度の結果は、トリクロロエチレン 鶴岡市下川・酒田市浜中・十里塚地区では3 が11地点で、四塩化炭素が3地点で環境基準を超過 地点で環境基準を超過した。この地点では濃度 した。以前から環境基準を超過している地点であ の変動が大きく今後も推移を注視する必要があ り、これまでと同様の傾向を示している。 る。 汚染地域全体としては濃度が若干の減少傾向に 3 特定事業場の排水測定 ある地点も存在するものの、ほとんどの地点では 排水基準の遵守状況を監視するため、各総合支 横ばい傾向であり、一部には上昇傾向が確認され 庁が採取した延べ124件の特定事業場排水につい る地点もある。 て測定を行った結果、8事業場(6.5%)が排水基準 イ 米沢市大町・中央地区における揮発性有機化合 を超えて排水していた(表12)。 物による地下水汚染対策調査 地下水汚染対策を実施している米沢市大町・中 不適合事業場は、野菜果実保存食料品製造業が2 央地区において、地下水の汚染物質(テトラクロ 件(BOD、SS)、豆腐・煮豆製造業が2件(B ロエチレン等)の濃度変動を把握するため、定期 OD、SS)、酸・アルカリ表面処理施設が1件(B 的に一般井戸11地点の水質調査を実施した。平 OD)、電気めっき施設が1件(BOD、Zn)、 成22年度の結果は、テトラクロロエチレンが6地 非鉄金属製造業が1件(pH、SS)、及び米菓製 13 造業・こうじ製造業が各1件(pH、SS)であっ 水の測定を行った。 た。 平成22年度は抜取検査を6処分場について年5回 表12 排水分析特定事業場数 業種 酸・アルカリ表面処理施設 野菜果実保存食料品製造業 電気めっき施設 し尿処理施設 紡績業・繊維製品製造・加工業 畜産食料品製造業 飲料製造業 下水道終末処理施設 畜産農業・サービス業 冷凍食品製造業 特定事業場の排出水の処理施設 動植物油脂製造業 みそ・しょう油製造業 豆腐・煮豆製造業 無機化学工業製品製造業 非鉄金属製造業 水道施設 その他 計 実施し、すべての検体において基準を下回ってい 事業場数 26 14 12 11 9 7 5 5 4 4 3 3 2 2 2 2 2 11 不適事業場 1 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 1 0 1 124 8 た。放流水・浸透水については18処分場において 年2回実施し、安定型処分場において1箇所1回、鉛 が基準を超過していた。 (2)廃棄物関連調査 平成22年度は不法投棄2箇所の浸出水及び周辺 地下水等について、水質汚濁に係る環境基準項目 及び農業用水基準項目等の分析を行ったところ、 すべての地点で基準を下回っていた。 5 土壌汚染対策 表13 水質汚濁防止法に基づく特定事業場数 (平成22年度末現在、規制対象事業場) 号番号 業種および施設 1の2 畜産農業・サービス業 2 畜産食料品製造業 村山 最上 置賜 庄内 山形市 18 2 8 4 野菜果実保存食料品製造業 19 紡績業・繊維製品製造・加工業 6 53 ガラス・ガラス製品製造業 2 63 金属製品・機械器具製造業 5 65 酸・アルカリ表面処理施設 66 67 18 2 1 計 36 37 5 98 1 5 2 16 7 5 32 5 3 14 2 1 4 1 1 3 10 2 23 13 7 61 電気めっき施設 8 3 7 5 7 30 洗濯業 5 5 3 3 9 25 9 1 1 11 し尿処理施設 合計 の土壌の汚染状況を把握するため、平成22年度は 村山地区2町、最上地区1町1村、置賜地区2町及び 10 16 71の5 TCE,PCE,DCM洗浄施設 72 その他 不特定多数が出入りする公園など、一般環境中 28 18 27 61 15 149 64 42 87 106 80 379 178 75 208 241 133 835 庄内地区1町の公園7地点において、土壌環境基準 適合調査を実施した。 調査項目は表14のとおりであり、すべての地点 で基準を下回っていた。 また、公害防止協定の遵守状況を把握するため、 酒田共同火力発電所の排水のpH、COD、浮遊物 質、ふっ素及びn‐ヘキサン抽出物質の5項目につい て年2回の測定を行ったところ、平成22年度の結果は すべて公害防止協定値を遵守していた。 4 廃棄物対策 (1)産業廃棄物抜取検査試料及び放流水等の分析 産業廃棄物最終処分場の監視及び排出事業者の 指導を目的として、最終処分場に搬入された産業 廃棄物の抜取検査及び最終処分場の放流水・浸透 14 表14 一般環境土壌調査の調査項目 区分 今神御池のpHは5.75~6.47(平均6.06)で、 調査項目 過去5年間のデータと比較して変動の範囲内であ [第二種特定有害物質] り、酸性沈着の明確な影響は確認されなかった。 カドミウム及びその化合物、 土壌環境基準適合調査 六価クロム化合物、シアン化合物、 水銀及びその化合物、砒素及びその化合物、 セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、 7 最上川中流部水質悪化原因調査 ふっ素及びその化合物、 平成20年度にBOD75%値が環境基準を超過し ほう素及びその化合物 [第三種特定有害物質] た最上川中流部において、汚濁要因の解明のため、 シマジン、チオベンカルブ、チウラム、 水質調査を表16のとおり実施した。 ポリ塩化ビフェニル、有機りん化合物 土壌含有量調査 表16 最上川中流部水質悪化原因調査 カドミウム及びその化合物、 六価クロム化合物、シアン化合物、 調査 年月 調査 地点 水銀及びその化合物、砒素及びその化合物、 セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、 ふっ素及びその化合物、 調査 項目 ほう素及びその化合物 H22年4月~H23年3月 最上川本川4地点、支川14河川 pH、電気伝導率、BOD、C-BOD、N-BOD TOC、SS、全窒素、各態窒素、流量等 調査結果の解析及びとりまとめは平成23年度に 行うが、結果の概要は以下のとおりである。 6 酸性雨モニタリング(陸水)調査(環境省委託 事業) ①長崎大橋から碁点橋(約20km)においてBO 本調査は、酸性雨による陸水生態系への中長期 Dが上昇し、夏季(平成22年7月~9月)に碁点 の影響を把握することを目的とした調査で、平成5 橋の環境基準値(2mg/ℓ )を超過したが、その 年度から継続して戸沢村の今神御池の水質調査を 約42km下流の堀内橋では自浄作用により長崎大 実施している。調査概要は、表15のとおりである。 橋より低下していた。 ②碁点橋におけるBOD負荷量は、長崎大橋上 表15 酸性雨モニタリング(陸水)調査 調査 回数 調査 地点 流、須川に加えて、本調査河川以外に由来する 4(6、7、9、11月) 負荷量の割合が大きかった。 湖心(水質及び底質) ③最上川中流部において、硝化による酸素消費 水温、pH、電気伝導率、アルカリ度(pH4.8)、 (N-BOD)がBOD値に影響することが確認 NH4+、Ca2+、Mg2+、Na+、K+、SO42-、 調査 項目 (水質) NO3-、Cl-、プランクトン、透明度、水色、 され、夏季にBODを押し上げる要因となって 湖水色、COD、NO2-、PO43-、溶存態全 いた。 Al、クロロフィルa、DO (ただし、プランクトン、透明度は表層のみ、 溶存態全Al、COD、NO2-、PO43-は 8 水質汚濁事故に係る水質分析 6月のみ) 調査 項目 (底質) 魚類へい死による水質汚濁事故(1件)の原因調 NH4+、SO42-、NO3- 査のために、河川水等について農薬類(73項目) (底質調査は 5 年に 1 回、9 月に実施) 15 発表している。(58ページ参照) の分析を行った。 分析の結果、クロロタロニルが検出されたが、 原因の特定には至らなかった。なお、総合支庁で 農薬の適正使用や管理についての指導を行ってい る。 表17 水質汚濁事故の発生件数 区 分 油流出 魚類へい死 その他 計 H18年度 128 20 54 202 H19年度 135 39 28 202 H20年度 139 29 24 192 H21年度 133 21 29 183 H22年度 200 30 51 281 9 鉱油による土壌・地下水汚染の微生物分解に関 する研究 微生物分解は、鉱油による土壌・地下水汚染の 有力な原位置浄化法の一つであるが、有害な分解 生成物の評価方法がないといった課題がある。 そこで、環境基準物質であるベンゼンの微生物 分解系をモデルとして、有害な分解生成物の迅速 な同時分析法を開発した。 また、分解生成物の濃度推移や環境・生態リス クを評価することで、ベンゼン汚染地における微 生物分解法の可否、浄化対策の効果、対策終了の ための判断基準の確立を目的としている。 本研究は慶応大学先端生命科学研究所及び独立 行政法人産業総合技術研究所を共同研究機関とし、 当センターは分解生成物の分析と解析、慶応先端 研はベンゼン分解菌の培養・分析、産総研はリス ク評価手法による解析を行う。研究期間は平成22 年~24年度の3ヶ年計画であり、平成22年度におけ る研究成果を「第45回水環境学会年会」において 16 表 19 発生源検査の件数 4 環境化学部 管轄 排ガス 排出水 ばいじん 最終 総合 (廃棄物 (特定 (廃棄物 処分場 視及び事業場の排ガス測定を主な業務としている。 支庁 焼却炉) 施設) 焼却炉) 放流水 また、環境省から受託した「化学物質環境実態 村山 9(1) 1(1) 4 最上 3 置賜 3 庄内 5(1) 1 計 20(2) 1 ダイオキシン類対策特別措置法に基づく環境監 調査」を行っている。 1 ダイオキシン類対策推進事業 1 計 14(2) 4 3 6 1(1) 1 8(2) 3(2) 8 32(4) ( )は排出基準等超過数 (1)環境中ダイオキシン類調査 環境基準の達成状況を把握するため、表18に示 2 化学物質環境実態調査(環境省委託事業) す調査を行なった。その結果、基準を超えるもの 平成14年度から環境省が行っている「化学物質 はなかった。 環境実態調査」に参加し、 最上川河口において水 なお、試料の採取は、大気については環境科学 質及び底質を採取し指定分析機関に送付した。 研究センターが行い、その他は総合支庁環境課が 調査結果は、「平成23年度版化学物質と環境」 採取したものを、環境科学研究センターで分析し (環境省環境安全課)で公表される。 た。(45~50ページ参照) 表 18 環境調査の件数 地点数 調査回数 大気 水質 底質 土壌 計 4 4回 12 12 各1回 18 46 (2)ダイオキシン類発生源検査 排出基準の遵守状況を把握するため、表19に示 す検査を行なった。その結果、排ガス20検体のう ち2検体、ばいじん3検体のうち2検体が基準を 超えたため、循環型社会推進課で改善を指導した。 事業場1施設の排出水及び最終処分場8施設の 放流水は、基準を超えるものはなかった。 なお、試料の採取は、排ガスについては環境科 学研究センターが行い、その他は総合支庁環境課 が採取したものを、環境科学研究センターで分析 した。 17 5 調 査 結 果 (1)平成 22 年度水生生物による水質調査結果 (環境企画部) 1 参加状況 今年度は 86 団体、延べ 2,068 人の参加があり、昨年度の 96 団体、延べ 2,737 人に比較して、10 団体、延べ 669 人減少した。市町村別の参加団体数は表1のとおりで、27 市町村からの参加があっ た。 また、参加団体の内訳では、表2のとおりであり、小学校、中学校、高校・大学など、学校とし ての参加が半数以上を占めている。 表1 市町村別参加団体数 市町村名 団体数 市町村名 団体数 市町村名 団体数 市町村名 団体数 山 形 市 11 新 庄 市 9 米 沢 市 4 鶴 岡 市 8 上 山 市 2 金 山 町 1 南 陽 市 4 酒 田 市 3 天 童 市 1 最 上 町 3 高 畠 町 1 庄 内 町 3 山 辺 町 2 舟 形 町 1 川 西 町 4 遊 佐 町 1 寒河江市 1 真室川町 3 飯 豊 町 2 河 北 町 1 鮭 川 村 1 朝 日 町 1 戸 沢 村 2 大 江 町 1 村 山 市 3 東 根 市 3 尾花沢市 3 大石田町 1 合計 表2 28 市町村 80 団体 参加団体の内訳 区 分 団体数 区 分 団体数 % 小 学 校 37 46.3 各 種 団 体 13 16.3 中 学 校 0 0 公 共 団 体 2 2.5 17 21.3 1 1.3 5 6.3 2 2.5 0 - 3 3.8 その他の学校 子 % 供 会 等 こどもエコクラブ 観 察 個 そ 会 人 の 他 ※四捨五入による端数処理のため、割合の合計が100%になっていない。 18 2 調査河川及び地点 調査河川は表3のとおりであり、62河川(昨年度は65河川)の134地点(昨年度は143 地点)で調査が行われた。 水系別で見ると、表4のとおり最上川水系が最も多く、50河川、115地点となっている。 表3 水 調査河川 系 河川名 最上川 表4 最上川 水 系 最上川 河川名 丹生川 水 最上川 河川名 月布川 水 系 赤 川 河川名 大山川 立谷沢川 赤井川 朝日川 少連寺川 角川 銀山川 置賜白川 谷定川 鮭川 沢の目川 萩生川 濁沢川 富並川 犬川(川西町) 升形川 白水川 織機川 月光川 月光川 指首野川 日塔川 万福寺川 三瀬川 三瀬川 大以良川 古佐川 吉野川 降矢川 降矢川 泉田川 倉津川 屋代川 五十川 五十川 金山川(金山町) 寒河江川 鬼面川 庄内小国川 中田春木川 須川 天王川 天竜川 安楽城小国川 立谷川 羽黒川 最上小国川 馬見ヶ崎川 大滝川 舟形川 村山高瀬川 からじゅく川 大横川 滑川 正法寺川 最上白川 逆川(山形市) 玉川(庄内町) 小野尻川 小鶴沢川 赤 水系別調査地点数 水 系 河川数 地点数 最上川 水系 50 115 赤 川 水系 4 8 荒 川 水系 0 0 その他の水系 8 11 62 134 合 系 計 19 川 赤川 日向川 日向川 荒瀬川 合計 庄内小国川 天竜川 62河川 3 調査結果 結果を水質階級別にまとめると表5のとおりであり、調査年度毎の調査河川や調査地点の違いは あるものの、水質階級Ⅰ(きれいな水)は、全体の約70%を占めている。 表5 水質階級の内訳 水 質 階 級 件 数 21 年度(%) 20 年度(%) Ⅰ きれいな水 92 68.7 69.9 67.4 Ⅱ 少しきたない水 20 14.9 10.5 10.1 Ⅲ きたない水 20 14.9 15.4 20.7 1 0.7 2.1 1.8 1 0.7 2.1 0.0 Ⅳ 大変きたない水 指標生物なし 4 22 年度(%) 支援事業 県内3地区において調査指導者を対象とした講習会を開催した。その状況は表6のとおりで、 計15名の参加があった。 また、各総合支庁環境課及び環境科学研究センターにおいて調査機材等の貸出を実施したが、 その状況は表7のとおりであった。 表6 講習会実施状況 講習日 講習会場 参加人数 5月20日 庄内(庄内町瀬場) 4人 5月21日 置賜(米沢市塩井町) 6人 5月24日 村山(山形市釈迦堂) 5人 表7 器材等の貸出件数 関係機関 器材貸出団体数 器材貸出セット数 ビデオ貸出数 村山総合支庁 5 18 3 最上総合支庁 6 14 1 置賜総合支庁 4 39 1 庄内総合支庁 10 68 1 9 46 2 34 157 8 センター 合 計 20 21 (2)平成 22 年ブナ・ナラ豊凶調査結果 (環境企画部) 1 調査の目的 森林の更新や野生動物の生息動向に大きな影響を与えるブナ・ナラ等堅果類の豊凶をモニタリン グし、森林生態系の異変を早急に察知すると共に、原因を解明する。 2 調査結果 (1)ブナ 県内 16 林分で調査、全県的に結実が見られず、凶作であった(図1)。 ※ 豊作(200 個/m2以上)、凶作(50 個/m2未満)、並作(50 個/m2以上、200 個/m2未満):北海 道の方式による 900 800 ブ ナ 健 全 700 600 種 子 数 500 400 (個/m2) 300 200 100 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22(年) 図1 ブナの健全種子数 (2)ミズナラ 県内 9 林分で調査、過去7年間の状況から判断すると凶作~並作の傾向であった(図2)。 120 ミズナラ健 100 80 全 種 子 数 60 (個/m2) 40 20 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22(年) 図2 ミズナラの健全種子数 (3)コナラ 県内 11 林分で調査、過去3年間の状況から判断すると並作の傾向であった(図3)。 200 コナラ健 全 種 子 150 100 数 50 (個/m2) 0 H19 H20 H21 図3 コナラの健全種子数 22 H22(年) (3)平成22年度環境大気常時監視測定結果 (大気環境部) 1 平成22年度の大気汚染の状況 平成22年度環境大気常時監視測定計画に基づき、一般環境大気測定局15局及び自動車排出ガス 測定局1局において測定を行った結果は次のとおりであり、環境基準の設定されている項目につい ては、光化学オキシダントを除く項目で環境基準を達成していた。 (1)二酸化硫黄(12測定局) 12測定局における日平均値の2%除外値は表1のとおり0.001ppm~0.005ppmであり、長期的評 価により全ての測定局において環境基準を達成していた。 表1 市町村 二酸化硫黄の測定結果 測 定 局 令別表 第3の 区分 (単位:ppm) 有 効 測定時間 年平均値 用途 測定日数 地域 (日) (時間) (ppm) 1時間値が0.1 ppmを超えた時間数 とその割合 日平均値が0.04 ppmを超えた日数 とその割合 (時間) (%) (日) (%) 1時間値 の最高値 日平均値 の2%除 外値 日平均値が0.04 ppmを超えた日が 2日以上連続した ことの有無 環境基準の長期的 評価による日平均 値が0.04ppmを超 えた日数 (ppm) (ppm) (有×・無○) (日) 山形市 山形十日町 14-2 商 357 8,598 0.002 0 0.0 0 0.0 0.020 0.005 ○ 0 寒河江市 寒河江西根 100 住 355 8,579 0.001 0 0.0 0 0.0 0.021 0.004 ○ 0 村山市 村山楯岡笛田 100 未 357 8,597 0.001 0 0.0 0 0.0 0.012 0.002 ○ 0 米沢市 米沢金池 100 住 356 8,575 0.001 0 0.0 0 0.0 0.013 0.003 ○ 0 長井高野 100 住 357 8,593 0.000 0 0.0 0 0.0 0.009 0.002 ○ 0 酒田若浜 15 住 357 8,592 0.001 0 0.0 0 0.0 0.012 0.002 ○ 0 酒田光ケ丘 15 住 320 7,753 0.001 0 0.0 0 0.0 0.015 0.002 ○ 0 酒田上田 15 未 357 8,604 0.000 0 0.0 0 0.0 0.012 0.001 ○ 0 遊佐町 遊佐 100 住 357 8,597 0.000 0 0.0 0 0.0 0.010 0.002 ○ 0 庄内町 余目 100 住 353 8,544 0.000 0 0.0 0 0.0 0.008 0.001 ○ 0 鶴岡市 鶴岡西新斎 100 住 358 8,611 0.001 0 0.0 0 0.0 0.013 0.002 ○ 0 新庄市 新庄下田 100 住 357 8,601 0.001 0 0.0 0 0.0 0.011 0.002 ○ 0 長井市 酒田市 (注)「環境基準の長期的評価による日平均値が0.04ppmを超えた日数」とは、日平均値の高い方か ら2%の範囲の日平均値を除外した後の日平均値のうち0.04ppmを超えた日数である。ただし、日平 均値が0.04ppmを超えた日が2日以上連続した延日数のうち、2%除外該当日に入っている日数分に ついては除外しない。 23 (2)浮遊粒子状物質(16測定局) 16測定局における日平均値の2%除外値は、表2のとおりである。 一般局では0.037mg/m3~0.052 mg/m3、自排局では0.046 mg/m3であり、長期的評価により全ての測 定局において環境基準を達成していた。 表2 市町村 (単位:mg/m3) 浮遊粒子状物質の測定結果 測 定 局 有効 測定時間 年平均値 用途 測定日数 地域 (日) (時間) (mg/m3) 1時間値が0.20 mg/m3を超えた 時間数とその割合 日平均値が0.10 mg/m3を超えた 日数とその割合 環境基準の長期的評 日平均値 日平均値が0.10mg/m3 価 1時間値 の2%除 を超えた日が2日以上 による日平均値が0.10 の最高値 外値 連続したことの有無 3 mg/m を超えた日数 (時間) (%) (日) (%) (mg/m3) (mg/m3) (有×・無○) (日) 山形十日町 商 363 8,700 0.019 0 0.0 0 0.0 0.102 0.047 ○ 0 山形飯田 住 363 8,711 0.020 0 0.0 0 0.0 0.174 0.049 ○ 0 天童市 天童老野森 住 363 8,723 0.020 0 0.0 0 0.0 0.139 0.050 ○ 0 上山市 上山元城内 住 363 8,716 0.018 0 0.0 0 0.0 0.099 0.046 ○ 0 山形市 寒河江市 寒河江西根 住 361 8,690 0.016 0 0.0 0 0.0 0.124 0.042 ○ 0 村山市 村山楯岡笛田 未 363 8,709 0.014 0 0.0 0 0.0 0.097 0.037 ○ 0 米沢市 米沢金池 住 365 8,736 0.017 0 0.0 0 0.0 0.091 0.044 ○ 0 長井高野 住 362 8,703 0.016 0 0.0 0 0.0 0.107 0.043 ○ 0 酒田若浜 住 363 8,695 0.015 0 0.0 0 0.0 0.168 0.039 ○ 0 酒田光ケ丘 住 326 7,834 0.017 0 0.0 0 0.0 0.199 0.051 ○ 0 酒田上田 未 363 8,704 0.016 0 0.0 0 0.0 0.171 0.048 ○ 0 遊佐町 遊佐 住 363 8,713 0.015 0 0.0 0 0.0 0.183 0.046 ○ 0 庄内町 余目 住 342 8,246 0.016 0 0.0 0 0.0 0.180 0.044 ○ 0 鶴岡市 鶴岡西新斎 住 365 8,725 0.017 0 0.0 0 0.0 0.145 0.052 ○ 0 新庄市 新庄下田 住 363 8,704 0.016 0 0.0 0 0.0 0.140 0.043 ○ 0 山形市 山形下山家(自排) 住 363 8,715 0.018 0 0.0 0 0.0 0.104 0.046 ○ 0 長井市 酒田市 (注)「環境基準の長期的評価による日平均値が0.10mg/m3を超えた日数」とは、日平均値の高い方か ら2%の範囲の日平均値を除外した後の日平均値のうち0.10mg/m3を超えた日数である。ただし、日平 均値が0.10mg/m3を超えた日が2日以上連続した延日数のうち、2%除外該当日に入っている日数分に ついては除外しない。 24 (3)二酸化窒素(16測定局) 16測定局における日平均値の年間98%値は、表3のとおりである。 一般局では0.005ppm~0.031ppm、自排局では0.038ppmであり、長期的評価により全ての測定局に おいて環境基準を達成していた。 表3 二酸化窒素の測定結果 市町村 山形市 測 定 局 用 途 地 域 (単位:ppm) 1時間 年平 値の 均値 最 高値 1時間値 が0.2ppm を超えた 時間数と その割合 有効 測定 日数 測定 時間 (日) (時間) (ppm) (ppm) (時間) 1時間値が 0.1ppm以 上0.2ppm 以下の時 間数とその 割合 日平均値 が0.06ppm を超えた 日数とそ の割合 98%値評 日平均値が 日平均 価による 0.04ppm以上 値の年 日平均値 0.06ppm以下 間98% が0.06 の日数と ppmを超 値 その割合 えた日数 (%) (時間) (%) (日) (%) (日) (%) (ppm) 山形十日町 商 357 8,598 0.011 0.060 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.031 (日) 0 山形飯田 住 355 8,555 0.011 0.063 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.026 0 天童市 天童老野森 住 336 8,142 0.010 0.066 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.025 0 上山市 上山元城内 住 357 8,599 0.006 0.051 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.018 0 寒河江市 寒河江西根 住 353 8,560 0.006 0.062 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.019 0 村山市 村山楯岡笛田 未 356 8,589 0.005 0.042 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.017 0 米沢市 米沢金池 住 359 8,627 0.007 0.063 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.023 0 長井市 長井高野 住 356 8,579 0.006 0.060 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.018 0 酒田若浜 住 336 8,154 0.005 0.054 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.015 0 酒田光ケ丘 住 295 7,190 0.005 0.047 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.014 0 酒田上田 未 355 8,583 0.002 0.037 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.006 0 遊佐町 遊佐 住 355 8,574 0.001 0.031 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.005 0 庄内町 余目 住 336 8,125 0.005 0.047 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.012 0 鶴岡市 鶴岡西新斎 住 347 8,367 0.007 0.061 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.025 0 新庄市 新庄下田 住 354 8,569 0.007 0.060 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0.025 0 山形市 山形下山家(自排) 住 355 8,580 0.018 0.068 0 0.0 0 0.0 0 0.0 7 2.0 0.038 0 酒田市 (注) 「98%値評価による日平均値が0.06ppmを超えた日数」とは、1年間の日平均値のうち低い方か ら98%の範囲にあって、かつ、0.06ppmを超えたものの日数である。 25 (4)光化学オキシダント(8測定局) 各測定局における昼間の1時間値の最高値は0.082ppm~0.092ppmであり、全ての測定局で環境基 準を超え、昼間の1時間値が0.06ppmを超えた日数は、表4のとおり25日~46日で山形十日町局が 最も多かった。(全国の環境基準超過率 99.9%(平成21年度)) 表4 光化学オキシダントの測定結果 市町村 測 定 局 昼間 昼間 用途 測定日数 測定時間 地域 (日) (単位:ppm) 昼間の1時間 値の年平均 値 (時間) 昼間の1時間値が 0.06ppm を超えた日数と時間数 (ppm) (日) (時間) 昼間の1時間値が 0.12ppm を超えた日数と時間数 (日) (時間) 昼間の1時 昼間の日最高1 間 時 値の最高値 間値の年平均値 (ppm) (ppm) 山形市 山形十日町 商 361 5,353 0.031 46 209 0 0 0.084 0.044 寒河江市 寒河江西根 住 365 5,386 0.031 25 146 0 0 0.082 0.043 村山市 村山楯岡笛田 未 365 5,412 0.033 33 147 0 0 0.089 0.045 米沢市 米沢金池 住 365 5,420 0.032 26 156 0 0 0.090 0.042 長井市 長井高野 住 365 5,414 0.031 31 192 0 0 0.092 0.042 酒田市 酒田若浜 住 363 5,330 0.032 30 169 0 0 0.085 0.040 鶴岡市 鶴岡西新斎 住 364 5,405 0.034 30 152 0 0 0.086 0.044 新庄市 新庄下田 住 364 5,393 0.030 30 134 0 0 0.089 0.041 (注) 昼間とは5時から20時までの時間帯をいう。 (5)一酸化炭素(自動車排出ガス測定局) 日平均値の2%除外値は表5のとおり0.7ppmであり、長期的評価により環境基準を達成してい た。 表5 市町村 一酸化炭素の測定結果 測 定 局 山形市 山形下山家 有効 測定 用途 日数 地域 住 (単位:ppm) 8時間値が20 測定 年平均値 ppmを超えた回 時間 数とその割合 日平均値が10 ppmを超えた日 数とその割合 日平均値が10ppmを 環境基準の長期的評 1時間値が30ppm 1時間値 日平均値の 超えた日が2日以上 価による日平均値が 以上となったことが の最高値 2%除外値 連続したことの有無 10ppmを超えた日数 ある日数とその割合 (日) (時間) (ppm) (回) (%) (日) (%) (日) (%) (ppm) (ppm) (有×・無○) (日) 361 8,348 0.4 0 0.0 0 0.0 0 0.0 2.4 0.7 ○ 0 (注)「環境基準の長期的評価による日平均値が10ppmを超えた日数」とは、日平均値の高い方から 2%の範囲の日平均値を除外した後の日平均値のうち10ppmを超えた日数である。ただし、日平均値 が10ppmを超えた日が2日以上連続した延日数のうち、2%除外該当日に入っている日数分について は除外しない。 26 (6)非メタン炭化水素(自動車排出ガス測定局) 非メタン炭化水素について、午前6時~9時の3時間平均値の最高値は表6のとおり0.69ppmC であり、指針値(光化学オキシダント生成防止のための大気中濃度として午前6時~9時の3時間 平均値が0.20ppmC~0.31ppmC以下)の0.20ppmCを超えた日数が121日(34.0%)あった。 表6 非メタン炭化水素の測定結果 測定時間 市町村 山形市 測 定 局 山形下山家 年平均値 用途地域 住 (単位:ppmC) 6~9時 における 年平均値 6~9時 測定日数 6~9時3時間平均値 最高値 最低値 6~9時3時間平均値が 0.20ppmCを超えた 日数とその割合 6~9時3時間平均値が 0.31ppmCを超えた 日数とその割合 (時間) (ppmC) (ppmC) (日) (ppmC) (ppmC) (日) (%) (日) (%) 8,433 0.17 0.18 356 0.69 0.01 121 34.0 36 10.1 27 大気汚染の経年変化 2 山形県の日本海側(酒田若浜局)と内陸(山形十日町局)を代表する一般環境大気測定局及び自 動車排出ガス測定局(山形下山家局)における大気汚染の経年変化は次のとおりである。 (1)二酸化硫黄年間値経年変化(年平均値) (ppm) 0.018 山形十日町 酒田若浜 0.016 0.014 0.012 0.01 0.008 0.006 0.004 0.002 0 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 (年度) (単位:ppm) 年度 山形十日町 酒田若浜 S50 - 0.009 S51 - 0.006 S52 - 0.005 S53 - 0.005 S54 0.015 0.004 S55 0.016 0.004 S56 0.014 0.003 S57 0.008 0.003 S58 0.009 0.003 S59 0.008 0.003 S60 0.008 0.003 S61 0.008 0.002 年度 山形十日町 酒田若浜 S62 0.009 0.003 S63 0.008 0.002 H1 0.007 0.005 H2 0.007 0.005 H3 0.008 0.005 H4 0.008 0.003 H5 0.007 0.003 H6 0.008 0.003 H7 0.007 0.003 H8 0.007 0.004 H9 0.007 0.001 H10 0.006 0.001 年度 山形十日町 酒田若浜 H11 0.006 0.001 H12 0.007 0.001 H13 0.006 0.001 H14 0.005 0.001 H15 0.005 0.001 H16 0.005 0.001 H17 0.005 0.000 H18 0.005 0.000 H19 0.005 0.000 H20 0.004 0.000 H21 0.004 0.000 H22 0.002 0.001 28 (2)浮遊粒子状物質年間値経年変化(年平均値) (mg/m3) 0.05 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 0.04 0.03 0.02 0.01 0 S63 H2 H4 H6 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 (年度) H22 (単位:mg/m3) 年度 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 S63 0.032 - - H1 0.033 - - H2 0.030 0.026 - H3 0.027 0.022 - H4 0.024 0.022 - H5 0.021 0.019 - H6 0.025 0.021 0.042 H7 0.025 0.020 0.036 H8 0.029 0.022 0.039 H9 0.029 0.019 0.040 H10 0.026 0.018 0.036 年度 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 H11 0.024 0.017 0.033 H12 0.026 0.020 0.034 H13 0.023 0.019 0.030 H14 0.024 0.018 0.026 H15 0.020 0.016 0.024 H16 0.019 0.016 0.022 H17 0.019 0.017 0.022 H18 0.019 0.015 0.020 H19 0.019 0.015 0.021 H20 0.019 0.014 0.019 H21 0.016 0.014 0.017 年度 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 H22 0.019 0.015 0.018 (3)二酸化窒素年間値経年変化(年平均値) (ppm) 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 0.035 0.03 0.025 0.02 0.015 0.01 0.005 0 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 (年度) (単位:ppm) 年度 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 年度 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 年度 山形十日町 酒田若浜 山形下山家 S50 - 0.009 - S51 - 0.009 - S52 - 0.010 - S53 - 0.010 - S54 0.015 0.010 - S55 0.017 0.008 - S56 0.016 0.008 - S57 0.014 0.006 - S58 0.016 0.006 - S59 0.015 0.007 - S60 0.015 0.007 - S61 0.013 0.008 - S62 0.015 0.008 - S63 0.015 0.008 - H1 0.015 0.009 - H2 0.015 0.009 - H3 0.016 0.009 - H4 0.015 0.009 - H5 0.015 0.009 - H6 0.016 0.011 0.029 H7 0.016 0.011 0.028 H8 0.017 0.011 0.029 H9 0.017 0.011 0.030 H10 0.016 0.010 0.029 H11 0.017 0.010 0.027 H12 0.018 0.010 0.030 H13 0.017 0.009 0.029 H14 0.017 0.009 0.027 H15 0.018 0.009 0.027 29 H16 0.017 0.009 0.027 H17 0.016 0.008 0.024 H18 0.015 0.007 0.023 H19 0.015 0.006 0.022 H20 0.013 0.006 0.021 H21 0.011 0.005 0.019 H22 0.011 0.005 0.018 (4)光化学オキシダント昼間の日最高1時間値の年平均値の経年変化 (ppm) 0.06 0.04 山形十日町 酒田若浜 0.02 0 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 (年度) (単位:ppm) 年度 山形十日町 酒田若浜 H3 0.035 0.041 H4 0.040 0.044 H5 0.040 0.045 H6 0.044 0.047 H7 0.039 0.049 H8 0.044 0.049 H9 0.041 0.046 H10 0.046 0.046 H11 0.046 0.049 H12 0.045 0.050 年度 山形十日町 酒田若浜 H13 0.046 0.050 H14 0.045 0.047 H15 0.046 0.048 H16 0.043 0.050 H17 0.043 0.041 H18 0.043 0.047 H19 0.044 0.048 H20 0.043 0.046 H21 0.045 0.044 H22 0.044 0.040 (5)一酸化炭素年間値経年変化(年平均値) (ppm) 1 山形下山家 0.8 0.6 0.4 0.2 0 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 (年度) (単位:ppm) 年度 山形下山家 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.4 0.4 0.4 30 (4)平成 22 年度有害大気モニタリング調査結果 (大気環境部) 本調査は、大気汚染防止法第 18 条の 23 の規定により、有害大気汚染物質による大気の汚染状況を 把握するため実施した。 1 平成 22 年度調査結果 ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンの4物質については 環境基準が設定されている。平成 22 年度の結果は表1のとおりであり、いずれも環境基準を下 回っていた。また、指針値が設定されている物質についても、全て指針値を下回っていた。 表1 平成 22 年度対象物質測定結果 (単位:μg/m3(重金属類は ng / m3)) 測定地点の年平均値 対 象 物 質 ベンゼン ジクロロメタン テトラクロロエチレン トリクロロエチレン 塩化ビニルモノマー クロロホルム 1,2-ジクロロエタン 1,3-ブタジエン アクリロニトリル 水銀及びその化合物 ニッケル化合物 ヒ素及びその化合物 上山元城内 長井高野 山形下山家 (上山市) 0.73 1.5 0.11 0.33 0.0061 0.13 0.12 0.017 0.024 1.8 1.2 0.89 (長井市) 0.94 0.82 0.92 0.44 0.0086 0.11 0.14 0.034 0.018 1.7 2.8 1.2 (山形市) 1.1 環境基準値 3 150 200 200 (10) (18) (1.6) (2.5) (2) (40) (25) (6) 基準値の( )は指針値 2 ベンゼンの経年変化(年平均値) 毎年継続して調査を実施している山形下山家局の経年変化は次のとおりである。 山形下山家 (μg/m3) 環境 基準 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 H9 年度 山形下山家 H10 H11 H9 1.5 H12 H10 1.5 H13 H11 1.5 H14 H12 1.5 H15 H13 1.5 H16 H14 1.4 31 H17 H15 1.5 H18 H16 1.0 H19 H17 1.2 H20 H18 1.1 H21 H22 (年度) (単位:μg/m3) H19 H20 H21 H22 1.0 1.2 1.5 1.1 (5)平成 22 年度酸性雨大気汚染調査結果 (大気環境部) 酸性雨とは、一般に水素イオン濃度(pH)が5.6以下の雨水をいい、大気汚染物質である硫黄酸化物や 窒素酸化物が原因で生じている。 本調査は、県内における雨水や雪等の汚染状況を把握することにより、今後の酸性雨対策に資する ことを目的として、平成3年度から山形市と酒田市において調査を実施しているものである。 1 pH及びイオン成分濃度等 pH、電気伝導率(EC)及びイオン成分濃度の降水量で重み付けした年平均値(以下「年平均値」 という。)は、表1のとおりである。 pHの年平均値は、山形市が4.86(4.57~6.02)(注-1)、酒田市が4.74(4.40~6.06)であった。 なお、環境省における酸性雨長期モニタリング調査は、本県で行っている調査とは調査期間、捕 集方法が異なることから同一条件ではないが、参考として比較すると、全国平均値は4.68(4.51~4. 95)(注-2)であり、山形市、酒田市とも全国平均値よりやや高い値であった。 両地点における年平均値の推移は図1のとおりであり、両地点とも前年度と同程度のレベルで あった。 (注-1)範囲は、年間に採取された25試料についての最低値及び最高値を示した(以下、同じ)。 (注-2)「全国平均値」とは環境省の酸性雨長期モニタリング報告書(平成21年3月)から引用した値であり、範囲は 各地点の平均値の最低値及び最高値を示した。 表1 pH、EC及びイオン成分濃度の年平均値 地点 pH 山形市 酒田市 4.86 4.74 EC SO42- NO3- Cl- NH4+ 36.5 56.1 17.5 22.5 33.8 220.3 19.1 21.6 (μS/cm) 16.4 43.7 Ca2+ Mg2+ (μeq/ℓ) 34.1 16.0 9.1 195.2 21.5 45.7 K+ nss-SO42- nss-Ca2+ 1.8 5.8 32.4 32.6 14.5 13.0 Na+ (注)「nss」は non-sea-saltの略で、海塩に由来しないイオン濃度を表す (pH) 山形市 酒田市 pH5.6 6.00 5.50 5.00 4.50 4.00 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 年度 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 山形市 5.03 5.00 4.83 4.84 4.93 4.99 4.81 4.92 4.94 4.83 4.73 4.65 4.66 4.65 4.67 4.96 4.91 4.83 4.90 4.86 酒田市 4.91 4.75 4.88 4.43 4.53 4.54 4.55 4.81 4.75 4.51 4.53 4.66 4.59 4.55 4.55 4.63 4.59 4.66 4.72 4.74 図1 pH年間値経年変化 32 (年度) 2 各イオン成分の沈着量(水溶性) 各イオン成分の沈着量(当量濃度と降水量の積)を表2に示した。 酸性成分(SO 4 2-、NO 3 -)、中和成分(Ca 2 +、NH 4 +)ともに山形市よりも酒田市が高くなっており、 酒田市では全国平均値を上回っていた。 沈着量は、濃度に降水量を乗じて算出する成分の絶対量であり、高い値ほど対象成分の存在量が 大きいこととなる。酒田市では、越境大気汚染などにより山形市と比較して酸性成分量が大きくな っているが、主に国内起源といわれる中和成分量も大きく、中和されるため、pHは山形市と比べ ても極端に低くはなっていない。 表2 イオン成分の年沈着量(水溶性) 地点 H+ SO42- NO3- Cl- NH4+ 山形市 酒田市 19.0 31.0 50.4 96.3 24.1 38.6 46.6 378.0 26.4 37.0 Na+ Ca2+ 2 (meq/m /y) 47.1 22.0 335.1 36.9 33 Mg2+ K+ nss-SO42- nss-Ca2+ 12.6 78.5 2.5 9.9 44.7 56.0 20.0 22.3 降下物量 (g/m2/y) 7.32 7.30 (6)平成 22 年度航空機騒音測定結果 (大気環境部) 山形空港周辺地域における航空機騒音の測定を図1に示す地点で行った。測定結果は表1のとおり であり、平成 22 年度は各監視地点で環境基準(75 WECPNL(加重等価持続感覚騒音レベル)以下) を達成していた。 なお、航空機離発着時の直下に位置する地点6及び地点9における WECPNL の経年変化は図2の とおりであり、減少傾向を示している。 1 2 3 4 5 8 6 7 9 10 図1 山形空港周辺航空機騒音監視地点 34 表1 山形空港航空機騒音監視結果 監視地点 No. 1 2 5 6 7 9 10 測定日別測定結果(WECPNL) 9/2~8 9/4~10 9/2~8 9/2~8 9/2~8 9/4~10 9/2~8 51 49 51 50 42 53 56 52 45 42 47 51 53 55 50 54 54 54 49 52 59 48 50 49 52 47 55 58 55 50 60 59 51 55 59 51 50 52 53 46 52 59 50 50 52 51 44 53 58 WECPNL (7日間) 52 50 54 54 48 53 58 備考 WECPNL(7日間):連続する7日間の WECPNL のパワー平均値。 (WECPNL) 80 地点6 地点9 75 環境基準 70 65 60 55 50 S57 S59 S61 S63 H2 H4 H6 H8 H10 H12 年度 地点6 地点9 S57 72 73 S58 69 71 S59 71 63 S60 73 67 S61 71 73 S62 73 72 S63 75 70 H18 H20 H22(年度) (単位:WECPNL) H1 H2 H3 72 73 71 73 69 67 年度 地点6 地点9 H4 70 64 H5 69 65 H6 69 65 H7 71 69 H8 70 64 H9 72 64 H10 68 59 H11 69 58 H12 66 57 年度 地点6 地点9 H14 68 62 H15 64 54 H16 60 55 H17 62 59 H18 63 59 H19 62 60 H20 63 55 H21 56 53 H22 54 53 図2 WECPNLの経年変化 35 H14 H16 H13 67 61 (7)平成 22 年度自動車騒音測定結果 (大気環境部) 騒音規制法第 18 条に基づき、環境基準の類型指定地域内において自動車騒音の常時監視調査を実 施した結果は、表 1 のとおりであった。 評価対象区間内の住居等戸数は 10,548 戸あり、そのうち昼夜とも環境基準を達成していた住居等 戸数は 99.1%にあたる 10,448 戸で、昼夜とも環境基準を達成できなかった戸数は 0.5%にあたる 53 戸であった。 また、昼夜とも環境基準を達成していた戸数の割合は、国道が 96.3%、県道が 100%と、国道の環 境基準達成率がやや低くなっている。これは、国道は県道と比較して交通量が多いことから、道路近 傍の騒音レベルが高くなっているためと考えられる。 環境省がまとめた全国の平成 21 年度調査結果によると、昼夜とも環境基準を達成した戸数の割合 は 90.6%で、本県は全国と比較して環境基準達成率が 8 ポイントほど高くなっている。 表1 環境基準達成状況の評価結果 区 分 全 体 (割合) 国 道 内 訳 (割合) 県 道 (割合) 全 国 (割合) 評価区 間延長 評価区 間数 (km) (区間) 105.4 85 48.6 30 56.8 55 30,901 17,892 住居等戸 数 ① +②+ ③+④ (戸) 評価結果 昼夜とも 昼のみ 夜のみ 基準値以 基準値以 基準値以 下 下 下 ① ② ③ (戸) (戸) (戸) 昼夜とも 基準値超 過 ④ (戸) 10,548 10,448 0 47 53 (100.0%) (99.1%) (0.0%) (0.4%) (0.5%) 2,726 2,626 0 47 53 (100.0%) (96.3%) (0.0%) (1.7%) (1.9%) 7,822 7,822 0 0 0 (100.0%) (100.0%) (0.0%) (0.0%) (0.0%) 5,072.2千 4594.8千 221.1千 25.2千 231.0千 (100.0%) (4.4%) (0.5%) (4.6%) (90.6%) 36 (8)平成 22 年度公共用水域水質測定結果 (水環境部) 1 平成 22 年度公共用水域の結果 水質汚濁防止法に基づき「平成 22 年度公共用水域水質測定計画」を策定し、国土交通省、 県及び山形市が分担して 75 水域、109 地点の水質監視を行った。 (1)「人の健康の保護に係る環境基準」に定める項目(健康項目) 71 地点(河川 55 地点、湖沼 8 地点、海域 8 地点)において測定し、すべての地点で環 境基準を達成した。 (2)「生活環境の保全に関する環境基準」に定める項目(生活環境項目) 75 水域 109 地点(河川 85 地点、湖沼 8 地点、海域 16 地点)で測定した。このうち、類 型指定している 53 水域中、工事中の 2 水域を除く 51 水域(河川 47、湖沼 1、海域 3)に おいては、下記の水域を除き環境基準を達成した。 BOD75%値 水域名 地点名 類型 指定年度 達成期間 天王川 天王川橋 A 平成 20 年 直ちに達成 2.1 A 平成 17 年 5 年以内で可及的速やかに達成 2.3 村山野川 最上川 合流前 (mg/ℓ) (3)要監視項目 EPNを河川 3 地点、フェニトロチオン、イソプロチオランを河川 10 地点でそれぞれ年 2 回測定した。その結果、以下の地点でイソプロチオランが検出されたが、指針値以内で あった。 水域名 地点名 検出項目 濃度 (mg/ℓ) 指針値 (mg/ℓ) 最上小国川 舟形橋 イソプロチオラン 0.001 0.04 (4)きれいな川・汚れた川 BOD値が高い汚れた河川及びBOD値が低いきれいな河川は、それぞれ表 1 及び表 2 のとおりである。汚れた河川はいずれも生活排水などの影響が大きい河川である。 表1 よごれた川(BOD値による順位) (単位:mg/ℓ) 平成 22 年度 順位 BOD 値 河川名 1 11 逆 川 2 4.2 沼 3 3.9 須 <参考>平成 21 年度 地点名(所在地) 順位 BOD 値 堰川橋(山形市) 1 14 逆 川 堰川橋(山形市) 川 最上川合流前(寒河江市) 2 4.5 沼 川 最上川合流前(寒河江市) 川 こだま橋(上山市) 3 4.1 小牧川 37 河川名 地点名(所在地) 中島橋(酒田市) 表2 きれいな川 (BOD値による順位) (単位:mg/ℓ) 平成 22 年度 順 位 1 BOD 値 <0.5 河川名 <参考>平成 21 年度 順 地点名(所在地) 温海川 温海橋(鶴岡市) 庄内小国川 位 1 BOD 値 地点名(所在地) 立谷川 山寺橋(山形市) 岩川橋(鶴岡市) 寒河江川上流 高瀬橋(西川町) 荒川 赤芝発電所(小国町) 寒河江川下流 溝延橋(河北町) 玉川 荒川合流前(小国町) 庄内小国川 岩川橋(鶴岡市) 鼠ヶ関川 蓬莱橋(鶴岡市) 荒瀬川 八幡橋(酒田市) 大樽川 浄水場利水点(米沢市) 2 大樽川 浄水場利水点(米沢市) <0.5 河川名 0.5 (5)最上川の水質 最上川の水質をBOD値で縦断的にみると、図 1 のとおりであり、すべての地点で、環 境基準値(上流部 3mg/ℓ、中下流部 2mg/ℓ)を達成しているが、中流部の谷地橋及び碁点橋 において高い値で推移している。 3.5 3.0 環境基準 過去5年間(H17~H21)の最大値 過去5年間(H17~H21)の最小値 平成22年度BOD値 BOD値(mg/ℓ) 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 新 糠 田 野 橋 目 橋 幸 長 来 井 橋 橋 黒 滝 橋 長 崎 大 橋 谷 碁 地 点 橋 橋 堀 内 橋 高 屋 砂 両 越 羽 橋 は、環境基準地点を示す。 横軸は地点間の流路距離に対応している。 図1 最上川の水質(BOD値)縦断変化図 38 最上川の水質(BOD値) 表3 (単位:mg/ℓ) 越 両 羽 橋 ※ 1.3 1.6 1.5 1.1 0.7 0.9 0.8 過去 5 年間 (H17~H21) の最大値 1.4 1.8 1.8 1.6 1.6 1.8 2.1 2.1 1.3 1.1 1.1 1.0 過去 5 年間 (H17~H21) の最小値 1.0 1.0 1.2 1.3 0.6 1.6 1.9 1.9 0.9 0.9 0.8 0.8 砂 屋 1.4 内 滝 来 橋 橋 橋 橋 (3.0) 堀 1.6 地 1.9 黒 1.5 (環境基準値) 幸 1.1 田 橋 高 碁 点 橋 ※ 谷 長 崎 大 橋 長 井 橋 ※ 糠野目橋※ 新 平成 22 年度BOD値 測定値点名 (2.0) ※は環境基準地点を示す。 2 主要河川の水質の経年変化 (1)最上川 最上川の環境基準地点におけるBOD値は図 2 及び表 4 のとおりである。 平成元年度以降、上流部の糠野目橋および下流部の両羽橋においては長期的には改善の 傾向にあるが、中流部の碁点橋においては近年悪化の傾向にある。 山形県においては、生活排水対策(下水道や浄化槽の普及)や事業場排水対策(上乗せ 基準や排水の自主管理)は確実に進んでいるが、中流部の水質悪化については、汚濁負荷 量の増大や河川水量の変化などの観点から調査・検証する必要がある。 このため、県では最上川中流部の水質悪化の原因調査を行っている。 BOD (mg/ℓ) 5 糠野目橋 碁点橋 両羽橋 環境基準(上流部) 環境基準(中・下流部) 4 3 2 1 39 0 2 H2 H2 8 H1 6 4 2 最上川の水質(BOD値)経年変化図 H1 H1 0 1 S6 H1 9 S5 H1 7 S5 H8 5 S5 H6 3 S5 H4 1 S5 3 H2 9 S4 図2 S6 7 S4 0 年度 最上川の水質(BOD値) 表4 年 度 (単位:mg/ℓ) S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 糠野目橋 2.4 3.5 2.1 2.3 2.5 2.6 3.3 3.9 3.3 3.7 3.2 2.4 2.3 碁 点 橋 2.2 2.5 1.7 1.7 1.8 1.9 1.7 1.8 1.9 1.5 1.5 1.5 1.2 両 羽 橋 1.4 1.9 1.9 1.4 1.5 1.4 1.3 1.8 1.6 1.4 1.3 1.0 1.1 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 糠野目橋 2.4 2.2 2.2 1.5 2.9 2.5 2.6 2.4 2.3 2.6 2.7 3.4 2.4 碁 点 橋 1.3 1.5 1.6 1.3 1.6 1.3 1.6 1.3 1.4 1.6 1.6 1.8 1.4 両 羽 橋 1.0 1.3 1.2 0.9 1.3 1.1 0.9 1.1 0.9 1.2 1.1 1.1 1.2 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 糠野目橋 2.1 1.8 1.7 1.7 1.9 2.1 1.7 1.8 1.0 1.6 1.6 1.5 1.5 碁 点 橋 1.5 1.8 1.8 1.8 2.4 1.8 1.9 2.0 1.9 2.0 2.1 2.0 1.5 両 羽 橋 0.8 1.1 0.9 0.9 1.1 0.9 0.9 1.0 1.0 0.9 0.9 0.8 0.8 年 度 年 度 (2)赤川 赤川の環境基準地点におけるBOD値は図 3 及び表 5 のとおりである。赤川の水質は良 好な状態が継続している。 BOD (mg/ℓ) 5 東橋 蛾眉橋 新川橋 環境基準 4 3 2 1 図3 40 2 0 H2 8 H2 6 H1 4 赤川の水質(BOD値)経年変化図 H1 2 H1 0 H1 H1 H8 H6 3 H2 H4 1 S6 S6 9 7 S5 5 S5 3 S5 1 S5 9 S5 S4 S4 7 0 年度 表5 年 赤川の水質(BOD値) S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 橋 1.4 1.9 1.9 1.7 1.8 1.2 1.1 1.1 0.9 0.6 0.9 0.8 0.6 蛾 眉 橋 1.6 2.4 1.7 1.7 1.6 1.8 1.7 1.4 1.6 1.6 2.0 1.7 1.1 新 川 橋 1.6 2.3 2.5 1.7 1.7 1.7 1.4 1.4 1.5 1.1 1.5 1.5 0.9 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 橋 0.9 0.9 1.0 0.8 0.9 0.7 0.5 0.7 0.5 0.9 0.8 0.8 0.9 蛾 眉 橋 1.3 1.3 1.3 1.1 1.3 1.5 0.8 0.9 1.0 1.4 1.2 1.1 1.0 新 川 橋 1.2 1.2 1.3 1.3 1.6 1.1 0.9 1.1 1.1 1.2 1.4 1.0 1.1 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 橋 0.5 0.5 0.5 0.6 0.6 0.5 0.6 0.8 0.5 0.5 0.5 0.6 0.5 蛾 眉 橋 0.8 1.0 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 1.0 0.8 0.7 0.7 0.8 0.5 新 川 橋 1.2 1.0 1.0 0.9 1.0 1.0 0.8 1.1 0.8 0.8 0.8 0.9 0.7 東 年 東 年 東 度 (単位:mg/ℓ) 度 度 41 (9)平成 22 年度地下水水質測定結果 (水環境部) 1 地下水水質測定計画に基づく調査 (1)調査の種類 ア 概況調査 地域の全体的な地下水の水質状況を把握するための調査 県内を村山(山形市は別途計画)、庄内、最上、置賜の 4 地区に分け、4 年で一巡する。 イ 汚染井戸周辺地区調査 概況調査等により新たに確認された汚染について、その汚染範囲を把握するために実施する調 査 ウ 継続監視調査 汚染井戸周辺地区調査等により確認された汚染について、継続的な監視を行う調査。ただし、 砒素、ほう素及びふっ素の汚染において、その原因が自然的要因によるものであり、測定値の変 動の少ない地点は概ね 4 年で一巡する。 (2)調査地点 表1 ① 地下水水質測定計画調査地点数 調 査 区 概況調査 分 ② 汚染井戸周辺地区調査 ③ 継続監視調査 市町村数 6(山形市、庄内地区) 調査地点数 36( 5) 3(鶴岡市、酒田市、遊佐町) 18 地点数計 調査地点数の( 71(22) 42(19) 149(46) )は環境基準超過地点数 (3)測定項目 測定項目は、表2のとおり人の健康の保護に関する環境基準が定められている 27 項目とした。 表2 水質測定項目 カドミウム、全シアン、鉛、六価クロム、砒素、総水銀、PCB、ジクロロメタン、 四塩化炭素、塩化ビニルモノマー、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、 1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン、 チオベンカルブ、ベンゼン、セレン、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素、 1,4-ジオキサン (4)調査結果 ア 概況調査結果 山形市及び庄内地区の 6 市町 36 地点で調査した結果、表3のとおり鶴岡市、酒田市、三川町 及び遊佐町の 5 地点で砒素と硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が環境基準を超過した。 42 表3 概況調査の環境基準超過地点 調 査 地 項 鶴岡市 藤島 酒田市 広栄町 目 名 測 定 結 果 0.024 砒素 0.034 横山 遊佐町 環 境 基 準 0.015 青山 三川町 イ 区 (単位:mg/ℓ) 0.01 以下 0.046 藤崎 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 15 10 以下 汚染井戸周辺地区調査 概況調査等により新たに汚染が確認された鶴岡市藤島地区、酒田市広栄町地区及び宮内地区、 並びに遊佐町比子地区、江地地区、藤崎地区、庄泉地区及び菅里地区の 71 地点で実施した。そ の結果、表4のとおり鶴岡市藤島地区の 2 地点で砒素と酒田市宮内地区並びに遊佐町比子、江地、 藤崎及び庄泉地区の 20 地点で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が環境基準を超過した。 なお、三川町の 2 地区については、周辺井戸がなかったため実施しなかった。 表4 汚染井戸周辺地区調査の測定結果 調 査 地 鶴岡市 調 区 藤島 広栄町 宮内 比子 江地 藤崎 庄泉 菅里 酒田市 遊佐町 査 超 (単位:mg/ℓ) 過 地点数 地点数 4 1 2 9 6 40 4 5 2 0 2 1 1 14 2 0 項 目 名 砒素 硝酸性窒素及び 亜硝酸性窒素 測定結果 0.014 0.007 23 21 12 25 15 10 環境基準 0.01 以下 10 以下 注)測定結果は、調査地点のうち調査地区ごとの最高値 ウ 継続監視調査結果 山形市を含む、18 市町村の 42 地点で実施した。 (ア)砒 素 砒素については、表5のとおり 2 市 3 町の 5 地点で環境基準を超過した。 表5 砒素の環境基準超過地点 調 南陽市 高畠町 川西町 鶴岡市 査 地 区 元中山 竹森 下奥田 渡前 (単位:mg/ℓ) 項 目 名 砒素 測 定 結 果 平成 22 年度 <参考>平成 21 年度 0.031 0.016 0.031 ― 0.028 0.042 0.020 ― 43 環境基準 0.01 以下 押切新田 三川町 0.050 ― (イ)ふっ素 ふっ素については、表6のとおり山形市の 1 地点で環境基準を超過した。 表6 ふっ素の環境基準超過地点 調 査 山形市 地 区 新開 (単位:mg/ℓ) 項 目 名 測 定 結 果 平成 22 年度 <参考>平成 21 年度 1.0 1.0 ふっ素 環境基準 0.8 以下 (ウ)有機塩素系化合物 有機塩素系化合物については、表7のとおりテトラクロロエチレンが 3 市の 4 地点で、トリク ロロエチレンが東根市の 2 地点で、1,2-ジクロロエチレンが 1 市 1 町の 2 地点で環境基準を超過 した。 表7 有機塩素系化合物の環境基準超過地点 調 査 山形市 地 区 項 目 名 十日町 大町 米沢市 テトラクロロエチレン 中央 三日町 東根市 野田 トリクロロエチレン 蟹沢 長井市 今泉 高畠町 根岸 1,2-ジクロロエチレン (単位:mg/ℓ) 測 定 結 果 平成 22 年度 <参考>平成 21 年度 0.013 0.026 0.045 0.037 0.033 0.024 0.011 0.015 0.056 0.048 0.13 0.11 0.14 ※ 0.25 0.16 ※ 0.28 環境基準 0.01 以下 0.03 以下 0.04 以下 ※ 平成 21 年度の測定結果は、シス-1,2-ジクロロエチレン (エ)硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素については、表8のとおり 3 市 1 町 1 村の 5 地点で環境基準を超 過した。 表8 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の環境基準超過地点 調 査 地 区 大石田町 小菅 大蔵村 作之巻 南陽市 砂塚 鶴岡市 酒田市 下川 十里塚 項 目 名 (単位:mg/ℓ) 測 定 結 果 平成 22 年度 <参考>平成 21 年度 13 17 硝酸性窒素 15 16 及び 22 18 亜硝酸性窒素 22 16 15 14 44 環境基準 10 以下 45 (10)平成 22 年度環境中ダイオキシン類調査結果 (環境化学部) ダイオキシン類対策特別措置法に基づき実施した環境中のダイオキシン類の測定結果は、以下のとおりで ある。 なお、毒性等量の算出に際しては、平成 20 年度から世界保健機関(WHO)の毒性等価係数(TEF:2006 年)を用い、定量下限値未満の数値の取扱については、次のとおりとした。 ① 大気、水質及び底質については、検出下限値以上の数値はその測定濃度を用い、検出下限値未満の数 値は検出下限値の1/2の値を用いて各異性体の毒性等量を算出した。 ② 土壌については、定量下限値未満の数値を0として毒性等量を算出した。 1 大気 大気環境は、一般環境調査として酒田市若浜町、尾花沢市若葉町の2地点、発生源周辺調査として山形 市大字風間及び天童市大字荒谷の2地点の計4地点において、年4回測定を行った。その結果、いずれも 環境基準(0.6pg-TEQ/m3)を達成していた。 また、環境省がまとめた「平成 21 年度ダイオキシン類に係る環境調査結果」(以下「全国調査」という。) と比較すると、いずれも平均値(一般環境調査:0.031pg-TEQ/m3、発生源周辺調査:0.035pg-TEQ/m3)よ り低い値であった。 さらに、過去の調査結果(平成 11~13 年度は試料採取方法・測定頻度が異なる)と比較すると、酒田市 若浜町の年平均値は平成 11 年度の約1/10であり、平成 20 年度までの値よりさらに減少していた。ま た、尾花沢市若葉町、山形市大字風間及び天童市大字荒谷の 3 地点は平成 14 年度に調査しているが、一般 環境調査の尾花沢市若葉町では約1/2に、発生源周辺調査の 2 地点では1/5以下に減少していた。 表1 大気中のダイオキシン類測定結果 区分 測定地点名 一般 酒田若浜局 環境 一般 尾花沢市役所 環境 発生源 山形市楯山公民館 周辺 発生源 山形県警察学校 周辺 測定年月日 (単位:pg-TEQ/m3) 年平均値* 測定値 H22/05/25~06/01(春季) 0.0075 H22/08/04~11(夏季) 0.010 0.0094 H22/10/06~13(秋季) 0.0079 H22/12/02~09(冬季) 0.012 H22/05/25~06/01(春季) 0.0085 H22/08/04~11(夏季) 0.024 0.016 H22/10/06~13(秋季) 0.012 H22/12/01~08(冬季) 0.019 H22/05/31~06/07(春季) 0.015 H22/08/05~12(夏季) 0.014 0.020 H22/10/07~14(秋季) 0.021 H22/12/03~10(冬季) 0.031 H22/05/31~06/07(春季) 0.013 H22/08/05~12(夏季) 0.012 0.014 H22/10/07~14(秋季) 0.012 H22/12/03~10(冬季) 0.018 * 年平均値は「ダイオキシン類環境測定結果報告システム(大気)」により算出 45 ***** 参考 ***** 3 <H21年度全国調査結果> (単位:pg-TEQ/m ) 地点数 最小値 ~ 最大値 平均値 大気全体 712 0.0049 ~ 0.37 0.032 一般環境 536 0.0051 ~ 0.20 0.031 発生源周辺 147 0.0049 ~ 0.37 0.035 注) 数値は、夏季及び冬季を含む年2回以上の調査が実施された地点のものである。 3 <過去の測定結果> (単位:pg-TEQ/m ) 測 定 値 年平均値 備 考 春季 夏季 秋季 冬季 24時間採取/年2回 H11 0.090 0.081 0.086 24時間採取 H13 0.014 0.023 0.0074 0.011 0.014 酒田市若浜町 H16 0.019 0.016 0.014 0.015 0.016 H18 0.0087 0.013 0.016 0.018 0.014 H20 0.0098 0.0081 0.0099 0.015 0.011 尾花沢市若葉町 H14 0.033 0.020 0.049 0.029 0.033 山形市大字風間 H14 0.048 0.055 0.17 0.17 0.11 天童市大字荒谷 H14 0.049 0.12 0.11 0.18 0.11 注1) H11~14年度の調査は、分析業者に委託して実施。 注2) 毒性当量の算出には、 平成19年度以前はWHO-TEF(1998)、平成20年度以降 はWHO-TEF(2006)を用いている。 測定地点名 pg-TEQ/m3 年度 ダイオキシン類濃度の経年変化 (環境大気:酒田市若浜町) 環境基準 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 H11 H13 H16 H18 46 H20 H22 年度 2 公共用水域水質 河川9地点、湖沼3地点の計 12 地点で測定を行った。その結果、いずれも環境基準(1pg-TEQ/ℓ 以下) を達成していた。 また、これら公共用水域水質12地点の平均値(0.38pg-TEQ/ℓ )は 、平成21年度の全国調査の平均値 (0.19pg-TEQ/ℓ )より少し高い濃度となった。これは環境基準に近い値の地点が2箇所あったことによる。 表2 公共用水域水質のダイオキシン類測定結果 区分 河川 河川 河川 河川 河川 河川 河川 河川 河川 湖沼 湖沼 湖沼 水域名 羽黒川 天王川 吉野川 沼川 倉津川 松尾川 京田川 月光川 大山川 水窪ダム 蔵王ダム 神室ダム ***** 参考 ***** (単位:pg-TEQ/ℓ) 所在地(又は位置) 地点名 採取年月日 測定値 H22/07/26 羽黒川橋 米沢市大字川井地内 0.083 H22/07/26 0.29 天王川橋 米沢市大字下新田地内 H22/07/26 大橋 南陽市大橋地内 0.69 H22/07/09 0.64 最上川合流前 寒河江市大字日田地内 H22/07/09 窪野目橋 天童市大字窪野目地内 0.94 H22/07/14 半郷橋 山形市蔵王半郷地内 0.23 H22/07/29 0.98 亀井橋 酒田市大字広野地内 H22/07/29 菅里橋 遊佐町大字菅里地内 0.20 H22/08/02 0.45 観山橋 鶴岡市大字面野山地内 ダムサイト 米沢市大字三沢字水窪地内 H22/08/18 0.027 H22/07/14 0.023 ダムサイト 山形市大字上宝沢地内 H22/06/16 ダムサイト 金山町大字有屋地内 0.023 <全国調査との比較> 河川の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) 湖沼の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) 公共用水域全体の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) 47 (単位:pg-TEQ/ℓ) 0.50 (0.083~0.98) 0.21 (0.011~2.8) 0.024(0.023~0.027) 0.21 (0.016~3.1) 0.38 (0.023~0.98) 0.19 (0.011~3.1) <これまでの調査結果> ○河川 水域名 地点名 羽黒川 羽黒川橋 天王川 天王川橋 吉野川 大橋 最上川合流前 沼川 倉津川 窪野目橋 松尾川 半郷橋 京田川 亀井橋 月光川 菅里橋 大山川 観山橋 * H13 0.046 0.53 0.37 0.60 H16 0.24 0.50 0.72* 0.48 0.39 0.10 0.45 0.60* 0.17 0.29 0.090 0.23 0.12** 0.52 ** 倉津川はH19年度まで倉津川橋で測定 ○湖沼 水域名 水窪ダム 蔵王ダム 神室ダム 地点名 ダムサイト ダムサイト ダムサイト H12 0.056 0.053 0.067 H14 0.11 0.11 0.043 (単位:pg-TEQ/ℓ) H19 H22 0.24 0.083 0.97 0.29 0.24 0.69 0.57 0.64 * 0.94 0.66 0.23 0.23 0.27 0.98 0.25 0.20 0.31 0.45 吉野川はH16年度は尾嶋橋で測定 H16 0.029 0.028 0.034 H18 0.043 0.040 0.040 (単位:pg-TEQ/ℓ) H20 H22 0.029 0.027 0.021 0.023 0.032 0.023 (注) 毒性等量の算出には、平成19年度以前はWHO-TEF(1998)、平成20年度以降はWHO-TEF(2006)を用いている。 3 公共用水域底質 河川9地点、湖沼3地点の計 12 地点で測定を行った。その結果、いずれも環境基準(150pg-TEQ/g 以下) を達成していた。 全国調査と比較すると、公共用水域底質 12 地点の平均値は 1.4pg-TEQ/g であり、全国調査の平均値 (6.3pg-TEQ/g)の1/4以下の値であった。 表3 公共用水域底質のダイオキシン類測定結果 区分 河川 河川 河川 河川 河川 河川 河川 河川 河川 湖沼 湖沼 湖沼 水域名 羽黒川 天王川 吉野川 沼川 倉津川 松尾川 京田川 月光川 大山川 水窪ダム 蔵王ダム 神室ダム (単位:pg-TEQ/g) 所在地(又は位置) 地点名 採取年月日 測定値 H22/07/26 1.2 羽黒川橋 米沢市大字川井地内 H22/07/26 2.2 天王川橋 米沢市大字下新田地内 H22/07/26 3.4 大橋 南陽市大橋地内 H22/07/09 0.87 最上川合流前 寒河江市大字日田地内 H22/07/09 0.45 窪野目橋 天童市大字窪野目地内 H22/07/14 1.2 半郷橋 山形市蔵王半郷地内 H22/07/29 1.9 亀井橋 酒田市大字広野地内 H22/07/29 0.50 菅里橋 遊佐町大字菅里地内 H22/08/02 0.54 観山橋 鶴岡市大字面野山地内 5.4 ダムサイト 米沢市大字三沢字水窪地内 H22/08/18 H22/07/14 2.0 ダムサイト 山形市大字上宝沢地内 H22/06/16 5.6 ダムサイト 金山町大字有屋地内 48 ***** 参考 ***** <全国調査との比較> (単位:pg-TEQ/g) 1.4 (0.45~3.4) 6.3 (0.059~390) 4.3 (2.0~5.6) 10 (0.18~40) 2.1 (0.45~5.6) 7.1 (0.059~390) 河川の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) 湖沼の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) 公共用水域全体の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) <これまでの調査結果> ○河川 水域名 地点名 羽黒川 羽黒川橋 天王川 天王川橋 吉野川 大橋 最上川合流前 沼川 倉津川 窪野目橋 松尾川 半郷橋 京田川 亀井橋 月光川 菅里橋 大山川 観山橋 * H13 1.2 0.15 0.17 0.68 H16 0.25 0.29 0.47* 0.43 2.9 0.28 0.41 3.5* 0.85 0.78 0.25 0.42 倉津川はH19年度まで倉津川橋で測定 ○湖沼 水域名 水窪ダム 蔵王ダム 神室ダム 地点名 ダムサイト ダムサイト ダムサイト H12 5.7 2.8 7.4 0.22** 0.87 (単位:pg-TEQ/g) H19 H22 3.6 1.2 0.54 2.2 1.4 3.4 0.41 0.87 * 0.45 0.40 0.65 1.2 7.8 1.9 0.95 0.50 0.27 0.54 ** 吉野川はH16年度は尾嶋橋で測定 H14 4.0 3.1 16 H16 6.2 2.8 8.2 H18 6.5 3.6 7.2 (単位:pg-TEQ/g) H20 H22 4.6 5.4 1.9 2.0 4.5 5.6 (注) 毒性等量の算出には、平成19年度以前はWHO-TEF(1998)、平成20年度以降はWHO-TEF(2007)を用いている。 4 土壌 発生源周辺調査として 18 地点で測定を行った。その結果、いずれも環境基準(1,000pg-TEQ/g 以下)を達 成していた。また、発生源周辺調査の結果は調査指標値(環境基準が達成されている場合であって、他媒体 への影響等の調査を開始する目安となる値)の 250pg-TEQ/g も下回っていた。 全国調査と比較すると、土壌 18 地点の平均値は 1.1pg-TEQ/g であり、全国調査における発生源周辺状況 把握調査の平均値 3.5pg-TEQ/g の約1/3の値であり、一般環境把握調査の平均値 2.1pg-TEQ/g をも下 回っていた。 49 表4 発生源周辺の土壌中のダイオキシン類測定結果 区分 発生源周辺 発生源周辺 発生源周辺 発生源周辺 発生源周辺 発生源周辺 ***** 調査地点 山形市大字中野 山形市大字中野 山形市大字船町 大石田町大字鷹巣 尾花沢市大字荻袋 大石田町大字海谷 新庄市泉田 新庄市泉田 新庄市泉田 南陽市若狭郷屋 南陽市三間通 南陽市若狭郷屋 酒田市広栄町 酒田市広栄町 酒田市広野字下中村 鶴岡市田川字高田 鶴岡市田川 鶴岡市田川 地点名 市立大郷小学校グラウンド 中野児童遊園 船町多目的集会所 町立大石田保育園 市立荻袋小学校グラウンド 町立亀井田小学校グラウンド ふれあい広場遊園地 横根山運動広場 最上中部牧場 赤湯駅西団地子ども広場 市庁舎前グラウンド 若狭郷屋地内稲荷神社 十五軒公園 広栄町公園 下中村自治会館 たがわやすらぎ公園 石山公民館ゲートボール場 宮野前公園 (単位:pg-TEQ/g) 採取年月日 測定値 H22/08/17 0.011 H22/08/17 0.037 H22/08/17 0.93 H22/08/11 0.042 H22/08/11 2.7 H22/08/11 1.4 H22/07/13 1.5 H22/07/13 2.3 H22/07/13 0.67 H22/08/04 0.018 H22/08/04 0.061 H22/08/04 1.6 H22/07/30 2.6 H22/07/29 6.1 H22/07/29 0.53 H22/07/23 0.0078 H22/08/02 0.035 H22/08/02 0.047 参考 ***** <全国調査との比較> 発生源周辺の平均値(最小値~最大値) H21年度全国調査 平均値(最小値~最大値) 50 1.1 3.5 (0.0078~6.1) (0~50) Ⅲ 調 査 研 究 Ox 二次標準器による三次標準器校正結果の検討 山形県環境科学研究センター 森田 浩行 1.はじめに 光化学オキシダントについては、近年、濃度レベルが上昇傾向にあり、注意報の発令地域も広域化する状況にあ ることから国民の関心が高まっており、より信頼性の高い常時監視体制を構築していくことが求められている。 環境省はオキシダントの観測に関して常時監視マニュアルの改訂を行い、国内の観測基準のトレーサビリティを 図るべく、独立行政法人国立環境研究所の所有する標準参照光度計を一次標準器とした校正体制のシステムを今年 度から構築している。このシステムでは、一次標準器のスケールは地域ブロックごとに設置した二次標準器に伝え られ、二次標準器を用いて各自治体の標準器のオキシダントの濃度校正が行なわれるようになっている。 当センターでは、ブロック内の校正結果を用いて、トレーサビリティの検討を行った。 2.校正の内容 決められたメソッドで 10 回測定(500ppb コンデショニング後、0-250ppb 間 50ppb ステップ)し、後ろ 5 回分の平均を とり精度管理内であることを確認して、スパン値及びゼロ値を変更した。 スパン値を変更後、決められたチェック条件で 4 回測定し精度管理内であることを確認した。 3.校正結果 北海道・東北ブロック7自治体の三次標準器の校正結果を表に示した。 ゼロの安定性は、 1基の標準器を除き offset 変動係数が 0.3ppb 以内であった。 また、 ゼロ調整は offset が offset 変動係数内であることが条件のため、ゼロ調整が必要とされる標準器が4基あった。 スパンの安定性は、各標準器とも slope 変動係数(%)が 0.5%以内であり安定していた。また、スパン調整に ついては、スパンの偏差が 0.3%以内であることが条件のため、スパンを再調整し、再度 check が必要とされ る標準器が2基あった。 直線性は、相関係数 0.9999 以上必要という条件のため、各標準器とも相関係数 0.999 以上を示したものの悪 いと評価された標準器が3基あった。 200ppb での偏差は、1基の標準器を除き 0.5%以内であった。 表 校正結果 (チェック条件の4回測定) 自治体 メーカ モデル slope offset R スパンの偏差(%), slope変動係数(STD) offset変動係数(STD) slope変動係数(%) 200ppbでのずれ(%) A A社 A-1 B A社 A-1 C B社 B-1 D B社 B-1 E B社 B-1 F B社 B-2 G B社 B-2 0.999 0.12 1.0000 0.1 0.002 0.20 0.23 0.0 0.996 0.61 1.0000 0.4 0.001 0.08 0.11 -0.1 1.004 1.29 0.9998 -0.4 0.003 0.47 0.27 1.1 0.999 0.86 0.9993 0.1 0.002 0.25 0.21 0.3 0.998 0.51 0.9998 0.2 0.001 0.26 0.09 0.0 1.000 0.15 0.9999 0.0 0.002 0.16 0.22 0.1 1.000 0.23 0.9999 0.0 0.003 0.26 0.32 0.2 評 価 ゼロ安定性(STD<0.3ppb以下) ゼロ調整(offsetがSTD内) スパン安定性(slope変動係数<0.5%) スパン調整(スパン偏差0.3%内) 直線性(R>0.9999) 200ppbでの偏差(ずれ<0.5%) 総合評価 1 1 1 1 1 1 6 1 0 -1 0 0 0 0 0 1 -2 1 1 2 1 -2 -1 -5 -8 1 1 -1 1 1 -1 1 2 1 2 1 1 1 1 1 1 0 1 1 1 1 1 6 5 4.まとめ 校正結果から、その三次標準器が良好と判断されるためには総合評価5点以上が必要であるとされている。今 回の校正において、7基中4基の三次標準器が不安定であると判断されたものの、今年度は UV 法での値付けを 行っている。今後は、各機器に適した暖機時間、コンディショニング及びサイクル数等を確認しトレーサビリテ ィの検討を行う必要がある。 51 排水中の全シアン測定方法の検討について 山形県環境科学研究センター 早坂 翔 1.はじめに シアン化合物は強い毒性から有害物質として厳しく規制されており、環境水及び排水中の全シアン分析 方法は工場排水試験法(JIS K0102、以下「JIS」という)により規定されている1)。全シアン分析ではいくつ かの妨害が存在し2)、その一つに硫化物によるものが挙げられる。硫化物はシアンとのSCN-生成により蒸 留での留出抑制や、比色時にクロラミンTの還元による発色妨害を生じる3)。また、金属イオンのマスキン グのために添加するEDTAは、蒸留中に生成した窒素酸化物と反応してシアンを生成する場合がある1)。 今回は石炭火力発電所が所有する石炭灰処分場の放流水において、硫化物を含む可能性のある検体での 全シアン検出が見られたため、種々の方法で分析を行い最適な分析方法について検討した。 試料50 mL 2.手順 (1)分析方法の検討 酢酸亜鉛(20 g/L) 10 mL 水酸化ナトリウム(200 g/L)で pH13以上とする 図 1 に示すフローにより、分析方法の比較検討を行った。 得られた留出液については、4-ピリジンカルボン酸―ピラゾ 撹拌(30 min) ロン吸光光度法により濃度を測定した。 A: JIS記載の手順1) ろ過(5Cろ紙) 4) B: 酢酸亜鉛により硫化物を沈殿分離する方法 C: 硫化物をKMnO 4 で酸化除去し、再蒸留する方法1) それぞれEDTA添加(A 1 , B 1 , C 1 )、無添加(A 2 , B 2 , C 2 )で 検討を行った。 H2O 200 mL 試薬添加 H3PO 4(1+2)で弱酸性とする 10 % アミド硫酸アンモニウム 1 mL 蒸留装置組立 (2)添加回収試験 試料にシアン濃度が 0.5 mg/L 増加するようにシアン標準 試薬添加 液を添加して(1)と同様の操作を行い、回収率を求めた。 蒸留 H 3PO 4 10 mL EDTA sol. 10 mL (3)標準溶液を用いた回収率確認 0.5 mg/Lシアン標準液 50 mLについて、EDTA添加を除い た(1)A及びBの操作を行い、回収率を求めた(A 0 , B 0 )。 KM nO4で酸化処理 (微紅になる点 + 1 mL) 3.結果及び考察 再蒸留 表 1 に測定結果を示す。 測定濃度はA 2 , C 2 < C 1 < A 1 < B 1 , B 2 という結果が得られた。JISにはEDTAが妨害となる可能性が (A) (B) ある場合、EDTAを除いて操作を行うとの記載があるが、EDTA 無添加の場合に留出しないシアノ錯体も数種類存在するとの報告 がある2)。A 2 , C 2 はEDTA無添加であるため、錯体として存在するシ アンが一部を除いて留出せず、A 1 , C 1 はEDTA添加によりシアンが 留出した一方で硫化物により蒸留時または比色時に妨害が生じた と考えられる。B 1 , B 2 は硫化物およびシアノ錯体を形成する金属イ オンが除去されたため、EDTAの有無によらず同程度の値となった 可能性がある。B 1 , B 2 ともに回収率は約 70 %と低いが、B 0 も 70.6 % (C) 図 1 分析フロー 表1 各測定結果 測定濃度 添加試験 回収率 分析法 [mg/L] [mg/L] [%] A1 0.35 0.93 115.2 A2 0.08 0.70 124.0 B1 0.67 1.00 65.0 B2 0.69 1.04 70.4 C1 0.18 0.49 63.2 C2 0.08 0.45 74.2 の回収率を示した(A 0 の回収率は 89.8 %)。このことを考慮すると、現状で回収できるシアンがほぼ全量回収 され、硫化物による妨害を除いた結果が得られたと考えられる。また、A 1 , A 2 において回収率が 100 %を越 えた原因については更に検討が必要である。 以上より、今回検討したこの検体の分析方法の中では B の方法が適していると考えられる。しかし、70 % 程度の回収率では十分とは言えず、更に分析法の改善が必要であると考えられる。 1) JIS K0102, 工場排水試験方法, p. 129 (2008)、2) 野々村誠, 分析化学 Vol.58, No, 2 , 57 (2009)、3) 野々村誠, 土壌分析セ ミナー資料 (2009) 、4) 並木博, 詳解工場排水試験方法, p. 247 (2008) 52 山形県内の河川の水質の状況について 山形県環境科学研究センター 大岩 敏男 ○草苅 裕樹 佐藤 勉 會田 健 東海林 香代 辻 浩子 早坂 翔 1. はじめに 山形県は、秀麗な山々、緑豊かな森林、豊かな水、澄んだ空気など美しい自然に囲まれた 地域である。こうした豊かな環境は県民のかけがえのない財産である。最上川に代表される豊 かな水資源は、こうした環境の中核を担っており、これら貴重な環境を保全し、次世代へと受 け継いでいくことが必要となっている。 昭和50年頃の高度経済成長期には、県内河川においても水質状況が悪化していた。しか し、その後のさまざまな取り組みによって、県内河川の水質は改善してきている。 県内河川の水質状況について、経年的な変化を中心に発表する。 2. 山形県内河川の水質経年変化 山形県内河川の水質測定は、公共用水域測定計画に基づき行っており、平成21年度は85 地点で水質測定を実施した。図1に昭和58~62年度と平成16~21年度における山形県内 河川の水質状況を示した。 各期間の水質状況を比較すると、昭和58~62年度当時に比べ 水質が大きく改善している。水質改善の要因として、工場・事業場の排水規制や適正管理指 導、下水道などの生活排水処理施設の整備などが挙げられる。しかし、依然として BOD の高 い河川もあるので、良好な水質の維持、更なる水質改善のために、今後もこれらの取組を継 続・強化していく必要がある。 きれい BOD75%値の平均値 ≦ 1.0 mg/L ≦ 2.0 mg/L ≦ 3.0 mg/L ≦ 5.0 mg/L 5.0 < mg/L 汚れている S58~S62 年度 BOD75%値の平均値 H16~H21 年度 BOD75%値の平均値 図 1 山形県内河川の水質状況(BOD) 53 3. 最上川の水質経年変化 「母なる川」と呼ばれるように、最上川は山形県を代表する河川であり、その流域面積は県土 の約 76%を占めている。また、流域には県人口の約 8 割が生活をしている。 最上川の継続的な水質測定は昭和47年度に始まっており、平成21年度は計12地点(環境 基準地点は4地点)で測定を行っている。図2に最上川環境基準地点の BOD の推移を示した。 20年前と比べ上流部の糠野目橋や中流部の長井橋までは大幅に水質が改善し、下流部の 両羽橋でも着実な水質の改善が見られる。これらの水質改善は、前述の排水規制や生活排 水対策などによるものである。 一方、中流部の碁点橋においては、同様に水質保全対策を進めているにもかかわらず他 の地点と異なり BOD75%値が近年上昇傾向にある。このため、平成22年度からその原因に ついて調査している。河川の水質は水量と密接に関わっているので、汚濁負荷の増大、河川 水量の変化などの観点から中流部の本川とその流入河川を合せて細密調査を行っている。 BOD75%値(mg/L) 4 H元年度 H10年度 H20年度 環境基準 3 2 両羽橋 最上川 碁点橋 1 長井橋 0 糠野目橋 長井橋 碁点橋 両羽橋 糠野目橋 環境基準地点 図2 最上川環境基準地点の BOD の推移 54 山形県における光化学オキシダント高濃度事例について ○渡邉英治、村岡悟、安彦政信、小松秀一 気温が上昇し、最高気温は平年の5月下 旬並み(21.8℃)まで上がった。風につ いても、1 日を通して概ね北西の弱い風 (大陸側からの風)で安定していた。11 日以降も高濃度が観測されているが、同 じような天候が続いた。 1 はじめに 平成 21 年4月 11 日に山形県で初めて光 化学オキシダント注意報発令基準を超えた ため、注意報が発令された。県内8局で測 定しているが、当日は県南の4局を中心に 高濃度となり、注意報発令基準を超えたの は長井高野局のみであった。 本報では、当日の気象状況や濃度推移な どについて、衛星画像なども用いて解析を 行ったのでその結果を報告するとともに、 近年の山形県における濃度推移の傾向につ いても併せて報告する。 2 測定局の概要と4月 11 日の Ox 最高値 長 井 高 野 局は 山 形 県 南西 部 、 標高 200m の住居地域(長井市人口;3 万人)に位置 する。 図2 天気図(平成 21 年 4 月 11 日 9 時) 4/8 4/9 4/10 4/11 4/12 4/13 平均気温(℃) 9.6 12 13.2 13.8 12 13.4 最高気温(℃) 18.4 19.7 22.8 22.2 22.5 21.6 平均風速(m/s) 1.4 2.7 2 2.1 1.2 1.6 Ox最大値(ppb) 93 86 103 123 105 95 ●100ppb超過 ○100ppb未満 表1 酒田( 92) 鶴岡( 88) (2) 気象(高層) 長井高野局に最も近い高層気象観測地 点である秋田の高層気温を図3に示す。 4月 10 日には観測されなかった逆転層 が4月 11 日に 800~900m 付近で観測され ていた。 新庄( 99) 村山( 94) 寒河江(100) 山形(104) 村上(108) 長井(123) 米沢(106) 気温及び風速(アメダス:長井) 4/11 4/10 白石(99) 20 20 気温(℃) 会津若松( 99) ( )内は4/11の最高値 図1 気温(℃) 新発田(108) 0 0 測定局位置図及び Ox 最高値 0 3 注意報発令時の状況 (1) 気象 図2に示すとおり、当日は日本海北部 に高気圧が存在し、東北地方を中心に広 く覆われて、安定した天候であった。 また、気温、風速については表1のと おりであり、前日の4月 10 日から急激に 500 1000 高度(m) 図3 1500 0 500 1000 1500 高度(m) 高層気温(アメダス:秋田) (3) オキシダント濃度推移 通常は夜間から早朝にかけて 30ppb 程 度まで低下していたが、当日は全県的に 60ppb 程度までしか濃度が低下せずに朝 を迎えた。その後、長井高野局では毎時 30ppb の速さで上昇し、11 時に 119ppb、 55 12 時に 123ppb を観測した。近隣の米沢 金池局においても同様に推移し 11 時に その日のピークを迎えた。 4月9日から 11 日までの衛星 画像を 図 7に示す。白く表示されているものが 雲で、薄く透けて見える霧状のものが汚 染物質とされている。9日に大陸に汚染 物質が確認でき、10 日は北海道方面へ移 流していることが確認できる。11 日は汚 染物質の流れが南下し山形県に流れ込ん でいることが確認された。 4/11のOx濃度推移 ppb 120 長井高野 米沢金池 60 0 1 5 9 13 17 21 1 5 時 図4 オキシダント濃度の時間推移 (4) 隣県の状況 隣県測定局における時間推移は図5の とおりであり、新潟県北部(新発田、村 上(最大値 108ppb))、福島県西部(会津 若松(最大値 99ppb))で同様の推移を示 しているが、11 日早朝については山形県 内の局の方がやや高かった。また、福島 県会津若松で長井高野局と同程度の速さ で濃度上昇していた。県内の局や会津若 松は盆地に位置するため、新潟県内より も大気が安定しており、その結果、上昇 が速かったと推測される。 4/11のOx濃度推移 ppb 120 4月9日 新発田(新潟) 村上(新潟) 会津若松(福島) 4 月 10 日 4 月 11 日 図7 60 汚染物質の衛星画像 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 ( JAXA ) / 東 海 大 学 (TSIC/TRIC)提供 0 1 5 9 図5 13 17 21 1 5 時 隣県(近接局)の濃度推移 (5) 汚染物質の越境 (国立環境研究所による予測システム) 予測システムを用いて広域的な濃度分 布をみると、図6のとおり4月9日に大 陸に高濃度帯(91~119ppb)が確認でき、 翌 10 日には大陸の高濃度帯はさらに大 きくなり、11 日には県内においても高濃 度帯が確認された。 このことから、発令当日及び前日の大 陸からの移流が確認できる。 (6) 汚染物質の越境(衛星画像) <凡例> 黄 91~119 緑 61~ 90 青 31~ 60 4/10 4/9 最大値 103 ppb 最大値 86 ppb 図6 4/11 最大値 123 ppb (7) まとめ 平成 21 年4月 11 日に山形県長井高野 局 において注意報発令基準を超過した要 因として、①大陸から移流してきたオゾ ンがベースラインを引き上げたこと。② 高気圧に覆われ逆転層も存在したことで、 風が弱く大気状態が安定しており、汚染 物質やオゾンの生成因子などが拡散しに くい環境だったこと。特に長井高野局に おいては地理的要因から大気の安定度が 高かった。③気温が高く、日射も強く、 微風であったことで光化学反応が進行し たこと。などの要因が重なったことが推 測された。 また、広域 的なモニタリングする上で、 予 測システムや衛星画像が有効であるこ とが確認できた。 4 近年の濃度推移 濃度予測図 56 山形県内における オキシダントの濃度推 移 については、図8のとおり年平均値(昼 間)でみるとほぼ横ばいを示しているが、4 ~6月の春平均値では明らかな増加傾向が 認められた。 越境汚染は、 衛星画像で示されたように 局 所的に影響を与える場合があり、また、 大気の流れは気圧配置などの大気の状態に 左右される。春先に山形県内に影響を及ぼ すような大気の状態になるケースが年々増 加している可能性が示唆された。 60 ppb 50 春平均値 年平均値 40 30 20 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 図8 ※ 年度 オキシダント濃度推移(米沢金池局) この研究は、第 37 回環境保全・公害防止研究 発表会(埼玉県さいたま市、平成 22 年 11 月 15~17 日)で発表しております。 57 環境科学研究センターで実施している共同研究一覧 No. 課題名 参加機関 実施期間 (概要) 1 地球温暖化がもたらす日本沿岸域の水質変化と 国立環境研究所、 その適応策に関する研究 地方環境研究所 26 機関 平成 20~22 年度 全国の地方自治体が所有する海水温データ及び海域水質データを活用して、地球温暖化の沿岸域水環境に対 する影響、兆候を全国レベルで解析する。これらの結果を基に地球温暖化を見据えた日本沿岸域の水質保全の あり方を提言することを目的とする。 2 Ⅱ型共同研究「PM2.5と光化学オキシダント 国立環境研究所 の実態解明と発生源寄与評価に関する研究」 地方環境研究所 50 機関 平成 22~24 年度 全国の 50 地方環境研究所とともに、光化学オキシダント等に関するⅡ型共同研究に参加し、国立環境研究所 の指導のもとに、PM2.5と光化学オキシダント高濃度発生に関する実態解明、発生源寄与評価に関する解 析を行なう。 59 Ⅳ そ の 他 1 学会等への研究発表 学会等への発表(平成 22 年度) 番号 学 会 等 名 称 発表日 開催地 Ox二次標準器による三次 全国環境研協議会北海 10 月 8 日 標準器校正結果の検討 道・東北支部研究連絡会議 新潟県新潟市 排水中の全シアン測定方法 全国環境研協議会北海 10 月 8 日 の検討について 道・東北支部研究連絡会議 新潟県新潟市 山形県内の河川の水質の状 第6回もがみがわ水環境 11 月 7 日 況について 発表会 山形県山形市 研究者名 22-1 森田浩行 22-2 早坂翔 22-3 草苅裕樹 題 名 山形県における光化学オキ 22-4 渡邉英治 シダント高濃度事例につい て 22-5 西塚一茂 第37回環境保全・公害防 止研究発表会 CE-MSを用いた芳香族 第45回日本水環境学会 化合物の微生物分解代謝物 年会 の測定と土壌汚染モニタリ (平成 23 年東北地方太平洋沖地 ングへの応用 震のため中止) 60 11 月 15 日 埼玉県さいた ま市 (誌上発表) 年報掲載 ページ 3 JICA 草の根技術協力事業 (独)国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業「残留農薬分析技術の普及による松花江 の環境保全支援事業(平成 21~23 年度) 」を県(経済交流課国際室)が受託し、環境科学研究セン ターにおいて、友好県省となっている中国黒竜江省から研修員の受入と専門家(職員)の派遣を行 なった。 (1) 研修員の受入(平成 22 年 8 月 25 日(水)~9 月 21 日(火) ) ・研修員:黒龍江省環境監測センター蒋 智偉、黒龍江省牡丹江市環境監測センター郎 貴林 ・研修内容:残留農薬分析技術(抽出操作 GC/MS 等) 、県内環境関連施設の視察 (2) 職員の派遣(平成 22 年 10 月 17 日(日)~29 日(金) ) ・派遣職員:環境科学研究センター 研究主幹兼水環境部長 佐藤 勉、研究員 東海林 香代 ・現地活動内容:牡丹江市環境監測センターにおいて、省内を流れる松花江でサンプリングした 河川底質を使った農薬分析の技術指導を行った。黒竜江省及び省内各都市の環 境監測センターの技術職員約 20 名の参加があった。 62 4 学会及び会議等出席(平成 22 年度) 年月日 平成 22 年 5.11 学会及び会議等 主催者 全国環境研協議会 全国環境研協議会第1回理事会 5.13~14 C 型共同研究「PM2.5 と光化学オキシダントの実態解明と発生源 寄与評価に関する研究」第1回全体研究会 5.27~28 全国環境研協議会北海道・東北支部総会 5.27~28 6.1 6.17~18 6.21~23 7.26 C 型研究会議 日本水環境学会東北支部講演会 第 16 回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 環境化学討論会 環境測定分析統一精度管理調査結果説明会 7.27 環境測定分析統一精度管理ブロック会議 8.24 製薬セミナー 10.7~8 全国環境研協議会第 36 回北海道・東北支部研究連絡会議 国立環境研究所 全国環境研協議会 北海道・東北支部 国立環境研究所 日本水環境学会 日本水環境学会ほか 日本環境化学会 環境省 全国環境研協議会北海 道・東北支部 日本ウォーターズ㈱ 全国環境研協議会 北海道・東北支部 開催地 東京都 つくば市 札幌市 横浜市 仙台市 仙台市 名古屋市 仙台市 仙台市 山形市 新潟市 JICA 草の根技術協力事業職員派遣 JICA(受託事業) 黒龍江省 牡丹江市 10.21 自然系調査研究機関調査研究・活動事例発表会 環境省 名古屋市 10.22 第 13 回自然系調査研究機関連絡会議(NORNAC) 環境省 名古屋市 10.17~29 11.7 11.15~17 11.25~26 11.26 平成 23 年 1.12 1.13~14 1.14 2.1 2.2 第 6 回もがみがわ水環境発表会 全国環境研協議会環境保全公害防止研究発表会 C 型共同研究「PM2.5 と光化学オキシダントの実態解明と発生源 寄与評価に関する研究」グループ会議 全国環境研協議会表彰選考委員会・第 2 回理事会 全国環境研協議会北海道・東北支部臨時総会 環境科学セミナー 平成 22 年度環境教育担当者会議 全国環境研協議会総会 地方公共団体環境試験研究機関等所長会議 2.16~17 第 26 回全環研交流シンポジウム 2.17~18 国立環境研究所との協力に関する検討会 3.2~3 全国環境研協議会北海道・東北支部酸性雨専門部会担当者会議 63 美しい山形・最上川フ ォーラム 全国環境研協議会 国立環境研究所 全国環境研協議会 全国環境研協議会 北海道・東北支部 環境省 環境省 全国環境研協議会 環境省 国立環境研究所 国立環境研究所 全国環境研協議会 北海道・東北支部 山形市 さいたま市 東京都 福岡市 仙台市 東京都 東京都 東京都 東京都 つくば市 つくば市 秋田市 5 職員技術等研修(平成 22 年度) 研修名 特定機器分析研修Ⅱ(LC/MS) 期間 平成 22 年 5.10~21 主催 開催地 受講者名 環境調査研修所 所沢市 辻浩子 機器分析研修(Aコース:LC/MS) 6.23~7.9 環境調査研修所 所沢市 森田浩行 機器分析研修(Cコース:ICP、原子吸光) 6.23~7.9 環境調査研修所 所沢市 東海林香代 7.1 日本電子(株) 山形市 早坂翔 GC/MSソリューションセミナー 平成 22 年度音環境セミナー 7.15~16 日東紡音響エンジニアリング㈱ 東京都 渡邉英治 環境汚染有機化学物質(POPs 等)分析研修 7.26~8.6 環境調査研修所 所沢市 土屋勇一 光化学オキシダント自動計測器の校正に係る研修 9.14 国立環境研究所 村山市 基礎から学ぶ土壌汚染と企業の対応セミナー 9.28 (社)産業環境管理協会 山形市 早坂翔 宮城県 渡邉英治 東北6県行政課題研修(環境問題コース) オキシダント二次標準器による較正に係る研修・ 運営会議 環境大気常時監視技術講習会 ダイオキシン類環境モニタリング研修(専門課程) 11.9~10 東北自治研修所 小松秀一 森田浩行 富谷町 小松秀一 11.17~19 国立環境研究所 村山市 11.25~26 (社)日本環境技術協会 東京都 森田浩行 環境調査研修所 所沢市 新関祐輔 平成 23 年 1.17~2.4 64 村岡悟 6 来所・利用団体等(平成 22 年度) 年月日 平成 22 年 4.19 機関・団体等 文部科学省地域科学技術振興室 5.20 東根市立小田島小学校 6.3 山形県立村山農業高等学校 6.3 東根市立東根小学校 7.7 山形市立山形第一小学校 人数 4名 24 名 2名 73 名 2名 18 名 7.9 知恵袋委員会 7.13 山形県人事課若手職員 7.13 平成22年度環境保全行政業務研修会 11 名 7.26 山形酸性雨ネットワーク 18 名 7.30 村山市立楯岡中学校 7.30 レッドデータブック打ち合わせ 14 名 8.2 山形県立山形東高等学校科学部 6名 8.4 河北町立河北中学校 1名 8.5 たてやまキッズクラブ 8.6 東根市立東根第一中学校 1名 8.31 山形大学医学部 2名 9.17 水環境関係業務研修会 17 名 9.24 山形県地球温暖化防止活動推進センター 24 名 9.27 山形大学農学部基礎農学研修 43 名 9.27 山形県産業科学館ボランティア研修 35 名 7名 5名 41 名 10.8 やまがた環境リーダー養成講座 8名 10.22 東北公益文科大学 6名 10.25 埼玉県加賀市騎西地域区長会 35 名 10.25 北谷地農地・水・環境地域保存会 15 名 11.18 オキシダント二次標準器による較正に係る研修・運営会議 16 名 11.22 尾花沢市宮沢公民館女性のつどい 18 名 11.25 東根市公民館連絡協議会地域づくり推進員部会 15 名 12.16 山形県化学物質環境教室普及研修会 39 名 平成22年度環境保全行政業務研修会 13 名 2.8 長井市衛生組合連合会研修 13 名 2.24 平成 22 年度環境関係の業務検討会 23 名 平成 23 年 1.27 65 7 出版物等の編集・発行状況(平成 22 年度) 出版物等の標題 発行年月 発行部数等 ページ数等 1 やまがたけんの環境情報(No.63) 平成 22.8 1,000 部、HP 掲載 A4 判 4 ページカラー 2 やまがたけんの環境情報(No.64) 平成 22.9 1,000 部、HP 掲載 A4 判 4 ページカラー 3 やまがたけんの環境情報(No.65) 平成 22.12 1,000 部、HP 掲載 A4 判 4 ページカラー 4 やまがたけんの環境情報(No.66) 平成 23.3 1,000 部、HP 掲載 A4 判 4 ページカラー 5 水生生物でみた山形県の河川水質マップポスター 平成 23.3 1,000 部 A1 判片面カラー 6 環研センターNEWS 第 37 号~第 39 号(3回発行) 平成 22.6~22.12 HP 掲載 A4 判 2 ページ 7 やまがたこどもエコクラブ通信(2回発行) 平成 22.5,11 HP 掲載 A4 判 2 ページ 8 山形県環境科学研究センター年報第 17 号 平成 23.1 HP 掲載 A4 判 54 ページ 9 平成 21 年度自然生態系保全モニタリング調査報告書 平成 23.3 150 部、HP 掲載 A4 判 159 ページ 上記出版物等の掲載 URL: 1~4:http://www.pref.yamagata.jp/ou/seikatsukankyo/053001/joho/kankyo_joho_backnumber.html 6 :http://www.pref.yamagata.jp/ou/seikatsukankyo/053001/joho/kanken_news_backnumber.html 7 :http://www.pref.yamagata.jp/ou/seikatsukankyo/053001/support/kodomo_eco_club.html 8 :http://www.pref.yamagata.jp/ou/seikatsukankyo/053001/about_center/nenpo/nenpoH21/H21-all.pdf 9 :http://www.pref.yamagata.jp/ou/seikatsukankyo/053001/joho/monitoring21.html 66 山形県環境科学研究センター年報 第18号(平成22年度) 発行年月 平成24年1月 編集・発行 山形県環境科学研究センター 〒995-0024 山形県村山市楯岡笛田 3-2-1 電 話(0237)52-3121 FAX(0237)52-3135