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資 料 編
資 料 1 編 1 1 新エネルギーの技術と特性 1.新エネルギーの概要 (1) 新エネルギーとは 新エネルギーとは、自然の力を利用したり、今まで使わずに捨てられ ていたエネルギーを有効に使ったりする地球に優しいエネルギーです。 新エネルギーの導入によって、石油や天然ガスなどの化石燃料の消費 が軽減されます。また、それに伴って排出されていた CO2 の排出量を減 らすことができるなどのメリットがあります。 新エネルギーは、「新エネルギーの利用等の促進に関する特別措置法 (新エネルギー法) 」において、 「新エネルギー利用等」として、 石油代替エネルギーを製造、発生、利用すること等のうち 経済性の面での制約から普及が進展しておらず、かつ、 石油代替エネルギーの促進に特に寄与するもの と規定されており、積極的にその導入促進を図るべき政策的支援対象 に位置付けられています。 図 1 住宅用太陽光発電 図 2 風力発電 出典:NEDO「新エネルギーガイドブック」 1 表 1 新エネルギーの導入に際しての課題 新エネルギーは、技術的には十分実用可能な段階に達しつつあるが、現時点では、経済 性等の面における課題が存在している。このため、さらに技術面での対応を講じるととも に、以下のような経済性、出力安定性等の課題の解決を図るための対策を講じる必要が ある。 新エネルギーは、全般的に、現時点では、競合するエネルギーと比較してコ ストが高い状況にあり、その導入に際しての課題となっている。このため、製 経済性 造コスト低減のための技術開発を推進するとともに、適切な政策的支援に よる初期需要創出を通じて量産化や習熟効果の実現を図ることにより、経 済性の向上を図ることが必要である。 太陽、風力といった自然条件に左右される新エネルギーは出力が不安定で あり、そのエネルギーを利用できる機会や地点が限られる。さらに新エネル 出力安定 ギーの電力系統への連系が増加するにつれて、電力品質が悪化し、一般需 要家への影響を及ぼす可能性も指摘されている。今後、系統対策、安定化 対策のあり方について検討する必要がある。 新エネルギーの中には、太陽、風力のようにエネルギー変換効率や設備利 用率が低く、利用効率の面で課題を有するものがある。このため、発電効率 等のエネルギー変換効率や設備利用率の向上等に資する技術開発を行うこ 利用効率 とが必要であり、そうした取り組みを通じ、新エネルギーの潜在的な導入可 能地点、導入可能量の拡大を図るとともに実際的な潜在量の把握が期待さ れる。なお、このような利用率の向上を図ることは、経済性の向上にもつなが るものと考えられる。 大規模な風力発電施設等による騒音や景観への影響、廃棄物発電・熱利用 その他 の導入に際して必要となる廃棄物処理施設に係る環境影響、地域住民の理 解の増進などについても対応を図ることが必要である。 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 2 2.新エネルギー種類別の技術動向 (1) 太陽光発電 ① システムの原理 シリコンなどの半導体に光が当たると直流の電気が発生する効果を 応用した太陽電池を使用し、太陽光から直接電気を発生させるのが太 陽光発電です。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 4 太陽光発電システムのイメージ ② 特徴 自然条件、つまり、日照時間や日射量に左右されやすいが、設備と してのエネルギー供給の持続性が高く、発電時において全く排出物を 出さないクリーンなシステムであり、エネルギー・セキュリティおよ び地球環境保全の観点からも極めて良好です。 システムが単純なことから保守費用はあまりかからない上、既設の 住宅や公共施設にも、場所、面積等にあわせて設置できます。 ③ 経済性 日本は、太陽光発電の累積導入量が 1997 年から 2004 年まで 8 年 連続で世界一になりました。2005 年にはドイツに抜かれ 2 位になり ましたが、太陽光発電システムの導入において、日本は諸外国をリー ドしてきました。 太陽電池の生産量が増加し、技術が進歩するにつれて、導入にかか 4 る費用も年々低下しています。2003 年には、住宅用太陽光発電シス テム価格が 69 万円/kW 程度までコストダウンしましたが、従来の 電源と比べると依然として大きな格差があり、更なるコストダウンが 求められています。 表 2 年度 価格(万円/kW) 住宅用太陽光発電システム価格 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 370 200 170 120 104 102 93 84 75 71 69 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:喜多方市都市農山村交流センター(慶徳ふれあい館) 出力:4.6kW 年間発生電力量:約 5,300kWh 系統連系の有無:有 運転開始年月:平成 18 年 5 月 所在地:福島県喜多方市 概要:グリーン・ツーリズム等による都市住民と地元住民の交流活 動の場として建設した都市農山村交流センターには、パネル 式の太陽電池モジュール(4.56kW)に加え、地元工場関連 のシースルー太陽電池モジュール(0.045kW、光透過率 30%)を設置しています。これは屋根に設置することで屋内 への採光も可能にしています。 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 5 太陽光発電の導入事例 5 (2) 太陽熱利用 ① システムの原理 太陽熱利用には、太陽熱発電システムと太陽熱給湯システムなどが あげられます。従来、家庭で利用されてきた太陽熱利用は、太陽熱給 湯システム(太陽熱温水器)です(自然循環式) 。太陽熱発電システム は大規模であるためコストが高く導入が進んでおらず、実用化にはコ スト低減(高効率化)が必要です。 近年、熱交換の効率を高めるため、熱媒体となる不凍液を強制的に 循環させたり、蓄熱槽を設けて温水を電気などで加温したりするソー ラーシステムが主流となりつつあります。ソーラーシステムの利用形 態には、給湯の他、最近では蓄熱床による暖房もあります。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 6 太陽熱利用システムのイメージ ② 特徴 天気のいい日には、約 60℃の温水が得られます。真夏には 90℃近 くまで上昇することもあります。これは燃料や電気を使わなくても家 庭で使う暖房や給湯をまかなえる温度です。冬は追い炊きが必要な時 もありますが、冷たい水から温水をつくるよりも燃料が少なくて済み ます。また太陽熱を利用した新しい冷房システム(吸収式冷凍機等) も、技術開発が進められています。 ③ 経済性 太陽熱温水器の設備コストは、集熱面積 3 ㎡で約 30 万円、ソーラ 6 ーシステムの設備コストは集熱面積 6 ㎡で約 90 万円となっています。 太陽熱温水器およびソーラーシステムの設置による経済効果は、そ れぞれ電気料金で換算すると 51,456 円/年、102,936 円/年となりま す。 表 3 住宅用太陽熱利用システム価格 全国平均集 経済効果 熱面日射量 電気 2 (5,442MJ/m ・年) (7.88 円/MJ) 6,530MJ/年 51,456 円/年 13,063MJ/年 102,936 円/年 LP ガス 都市ガス (4.78 円/MJ) 灯油 (4.24 円/MJ) (1.65 円/MJ) 31,213 円/年 27,687 円/年 10,775 円/年 62,441 円/年 55,387 円/年 21,554 円/年 太陽熱温水器 ・集熱面積 3m2 ・設備コスト 300,000 円 ソーラーシステム ・集熱面積 6m2 ・設置コスト 900,000 円 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:女川町温泉温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」太陽熱利用システム 設置容量:100.9m2(有効集熱面積) 年間集熱量:391,406MJ(灯油 16,254L に相当) 運転開始年月:平成 18 年 3 月 所在地:宮城県牡鹿郡女川町 概要:女川温泉の源泉は、27.8℃と入浴には低すぎることから加熱 が必要です。そのため当施設では、灯油焚きのボイラーを 2 基使用しています。その補助熱源として、太陽熱利用システ ムを利用しています。 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 7 太陽熱利用の導入事例 7 (3) 風力発電 ① システムの原理 風力エネルギーは、数千年前から帆船等に利用されている他、最近 まで揚水や水車等の製粉に利用されてきました。原理は、風車のブレ ード(翼)が風を受け、発電機を回して発電するものです。 風力発電に適した地域は、ユーラシア大陸の西海岸沿いであるとさ れており、わが国のようにユーラシア大陸の東岸に位置し、また風に 乱流成分の多い地域は発電には不向きとされてきましたが、技術の向 上などにより、国内でも多くの実施例が見られるようになっています。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 8 風力発電システムのイメージ 現代に入って、風車や風力発電システムに関する多くのアイデアや 理論が体系化され、空気力学に基づく風車の翼型等、多くの新技術が 盛り込まれた新しい風車があります。 今日では、風力発電用としての風車は、風力エネルギーの利用効率 が高いこと等の理由でプロペラ型が多く用いられており、その他にダ リウス型が用いられています。 8 図 9 様々な風車の形状と風車 ② 特徴 風の持つエネルギー「風力エネルギー」は風の受ける面積と空気の 密度と風速の 3 乗に比例します。風の受ける面積や空気の密度を一定 とすると風速が 2 倍になると風力エネルギーは 8 倍になります。この ことから風の強い地域を選ぶことが必須の条件です。 定格出力が数百 kW 以上の大型風力発電の場合、年間を通じて強い 風力(一般的には地上 30m 高で年平均風速 6m/s 以上)が必要とさ れています。また、風力発電を設置するためには、その場所までの搬 入道路があることや、近くに送電線が通っているなどの条件を満たす ことが必要です。 ③ 経済性 風車は大型になるほど割安になる(規模のメリットが働く)ため、 大型化すればコストが下がるのが一般的です。以前は数百 kW 級が主 流であった日本の風力発電も、現在では大型化が進んでいます。 欧米では日本よりも安い費用での設置が可能ですが、これは風車の 量産化や運搬コスト、設置による費用負担や環境対策などの違いによ るものと考えられます。 9 表 4 年 項 フィールドテスト事業 (単基) 1996 事業者支援事業 (単基~複数基) 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 平均風車規模(kW) 目 445 314 486 428 596 660 - - - 建設単価平均(千円/kW) 368 466 407 378 365 344 - - - - - 450 600 711 766 664 918 900 - 283 290 278 264 268 280 273 地域新エネ導入促進事業 平均風車規模(kW) (単基~複数基) 風力発電システム価格 建設単価平均(千円/kW) 平均風車規模(kW) - 400 600 864 1,142 1,082 1,120 1,481 - 建設単価平均(千円/kW) - 151 276 178 190 171 187 178 - 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 表 5 国 地域 各国の設置コスト(2004 年)例 規模(MW) オーストラリア Mount Millar 風車(MW) 台数 事業費(百万) EURO/kW 70 2.00 3.5 A$130.0 1,077 カナダ Alberta 30 1.50 20.0 C$48 1,008 フィンランド Raahe 12 2.30 5.0 13.0 ユーロ 1,130 Picardie 12 2.00 6.0 12.8 ユーロ 1,067 アイルランド Donegal 72 Mixed 38.0 80.0 ユーロ 1,111 15 1.00 15.0 $27.00 1,350 132 - - 115.0 ユーロ 871 74 1.75 27.0 60.0 ポンド 1,176 300 2.00 190.0 $380.00 950 フランス 日本 長崎 スペイン 3-Gamea PJ イギリス Scotland アメリカ Tug Hill, New York 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:あおもり市民風力発電所(市民風車わんず) 出力:1,500kW(1,500kW×1 基) 年間平均風速 約 6.0m 年間発生電力 約 370 万 kWh(一般家庭約 1,100 世帯分) 運転開始年月 平成 15 年 2 月 所在地:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町 概要:鰺ヶ沢町の国道 101 号バイパス沿いに単機で立つ風力発電所 です。全国の市民出資者 776 名の協力によって建設された、 市民参加型の発電所「市民風力発電所」です。北海道浜頓別 町の「はまかぜちゃん」に次いで全国 2 例目の市民風車とな ります。 10 平均 388 277 190 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 10 風力発電の導入事例 11 (4) 中小水力発電 ① システムの原理 水力発電は、水の位置・運動エネルギーを電力エネルギーに変換す るものです。発電量は落差と水量の積によって決まります。一般的に は、出力 10,000kW 以下を中水力、1,000kW 以下を小水力、100kW 以下をマイクロ水力と呼んでいます。 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 図 11 中小水力発電システムのイメージ ② 特徴 発電時に CO2 を排出しないクリーンなエネルギーです。再生可能な 純国産エネルギーであるため、石油消費量の低減やエネルギー資源の 輸入依存度の低減に貢献します。 技術的には既に成熟しており、中小規模の河川や農業用水路も中小 水力発電に用いられるようになってきています。 ただし、水利権なども考慮する必要があります。 ③ 経済性 中規模のものは導入地点の地域特性に合わせて、ひとつひとつ生産 されます。また、設置の際の土木工事も設置費用の大部分を占めるこ とから、場合によってコストは大きく変わります。 特に中水力発電に適した地域での開発が進むにつれ、搬入や工事に 手間のかかる山間部への導入が中心になるため、機器のコスト低減と ともに、土木工事のコスト低減も求められています。 12 表 6 一般水力発電のコスト 設置に必要なコスト 項目 イニシャルコスト 規模 設置コスト総額 数値 76 万円/kW - - 備考 モデルプラントより - - 発電コスト 項目 利用コスト コスト比 競合コスト 数値 14 円/kWh 約2倍 約 7.3 円/kWh 備考 ヒアリング 発電コスト/競合コスト 火力発電単価 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:鍬台トンネル(設備愛称:キッピンエネルギー) 設備概要発電出力:45kw 使用水量:0.1m3/S 落差:65m 水圧管路:300mm¢ 288m 運転開始年月:平成 14 年 3 月 所在地:岩手県大船渡市 概要:鍬台トンネルでは、道路(管理)施設に自然エネルギーを活用 することにより、地球環境への負荷の軽減とコスト縮減を図 る取り組みを行っている。鍬台トンネル(L=2,305m)に、 付近の沢水を利用した小水力発電設備があり、トンネル内の 照明や排気関係の動力源として使用されている。 図 12 中小水力発電の導入事例 13 (5) 地 熱 ① システムの原理 地熱は火山の多いわが国に豊富かつ広範に賦存する純国産エネルギ ーであり、地熱エネルギーは地下数 km にある高温のマグマ溜まりで 熱せられた高温高圧の熱水や蒸気から得られるエネルギーをいいます。 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 図 13 地熱システムのイメージ ② 特徴 熱水や蒸気を利用して蒸気タービンをまわし、発電を行う方法が一 般的であり、その他、温水をそのまま利用する方法もあります。 発電に用いた後の蒸気・熱水を、植物栽培用の温室、魚の養殖、木 の皮のなめし、地域の暖房などにも利用されている他、暖房や融雪に 温熱供給を行った後、逆に冷熱源として冷熱を供給するシステムも作 ることが可能です。 14 ③ 経済性 地熱発電は掘削費用や設備の建設コストが高額になりますが、導入 する規模も非常に大きいため、経済性の面ではすでに実用段階にある と考えられています。また、わが国の開発可能地熱資源は既存開発量 の 5 倍以上と推定されています。 しかし、発電規模が小さく、掘削費用も高いため発電コストが高い こと等の理由から、開発は停滞傾向にあります。 ④ 導入事例 名称:柳津西山地熱発電所 導入事業者:東北電力株式会社 運転開始年月:1995 年 5 月 概要出力:65,000kW(単機出力では国内最大) 所在地:福島県柳津町 概要:柳津西山地熱発電所は、65,000kW と単機出力では、国内最 大の地熱発電所です。福島県会津盆地西方の奥会津地域に位 置し、発電所本館、冷却塔などの外観をレンガ調に統一し、 自然景観との調和を図っています。 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 図 14 地熱の導入事例 15 (6) 温度差熱利用 ① システムの原理 外気との温度差がある海・川の水温や、工場や変電所などから排出 される熱は、ヒートポンプや熱交換器を使って冷暖房などに利用でき ます。特に、ヒートポンプを使って利用するものは、 「温度差熱利用」 と定義されています。 出典 :メーカーホームページ 図 15 温度差熱利用システムのイメージ ② 特徴 温室栽培、水産養殖などの地場産業や、寒冷地などの融雪用の熱源、 冷暖房などの地域熱供給の熱源として有効に利用できます。 温度差熱利用などは、公共性の高い性格を持つ所に多くあります。 これらは、今後需要が拡大すると見込まれる民生用の冷暖房・給湯等 に対応したエネルギーレベルであり、熱源の水質や環境管理を行うこ となどから公益事業である地域熱供給システムの熱源に適しています。 ③ 経済性 未利用エネルギー設備については、その導入の機会が都市開発計画 の進展等に大きく依存するものであり、地点等の状況、供給エリア、 需要家の用途(業務用、家庭用等)に対応した設備能力により、設備 規模や経済性が大きく異なります。 温度差熱利用などの利用には設備工事が必要となるため、都市ガス 16 の料金に比べて、初期投資、運転費用を含め、熱利用にかかるコスト が高くなります。このため各種の助成措置が導入されています。 表 7 容量 温水吸収ヒートポンプのコスト 通常の貫流式ボイラ 温水吸収ヒートポンプ 比率 800Mcal/h 1.1 万円/Mcal/h 4 万円/Mcal/h 360% 1600Mcal/h 0.8 万円/Mcal/h 3 万円/Mcal/h 375% 2400Mcal/h 1.0 万円/Mcal/h 2.5 万円/Mcal/h 250% 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:釜石市立釜石中学校地中熱利用施設 想定年間取得エネルギー:約 500,000~600,000MJ (地中帯水温度を 10~16℃とした場合) 運転開始年月:平成 18 年 4 月 所在地:岩手県釜石市 概要:年間を通して温度が安定した地中熱を利用して、24 時間換気 を行っています。夏は 16℃の地中熱で簡易冷房として、冬は 10℃の地中熱で暖房の負荷を軽減するとともに、余熱は屋内 運動場の床下へ送り簡易床暖房として利用しています。24 時 間換気は、シックハウス対策としても有効に機能します。 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 16 温度差熱利用の導入事例 17 (7) 雪氷熱利用 ① システムの原理 北海道や東北を中心とした豪雪地域では、昔から、雪氷を夏期まで 保存し、雪室、氷室として農産物の冷蔵用に用いられてきました。 雪氷冷熱のエネルギー利用の方式は、冷気の直接利用、又は送風機 を介在したシステムである「雪室・氷室方式」と、熱交換器等を介在 した高度なシステムである「雪冷房方式」があります。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 17 雪氷熱利用システムのイメージ ② 特徴 自然エネルギーである雪を有効活用して冷熱を得ることで、電気等 を削減できます。近年、地方自治体が中心として、雪氷を夏期の冷房 用の冷熱源とするなどの取り組みが活発化しています。 ③ 経済性 現状では事例も余り多くないことから高コスト構造になっています が、今後の更なる技術開発の進展と相俟って、より一層のコスト低減 が必要です。 18 表 8 対象分野・施設 項目 代表的な稼働コスト 単位 利用技術分野 雪冷房冷蔵 ※1 生鮮農産物倉庫 雪氷貯蔵量 t (庫内温度 5~7℃) 初期投資額 千円 生鮮農産物倉庫 雪氷貯蔵量 t 1,101 (雪室馬鈴薯) 初期投資額 千円 35,575 オフィスビル 雪氷貯蔵量 t 初期投資額 千円 雪氷貯蔵量 t 集合住宅 熱交換方式 アイスシェルター ※2 762 920 76,488 64,558 人口凍土 ※3 1,130 直接熱交換 68,179 冷風方式 自然対流 1089 1,300 直接熱交換 174,356 212,657 382 420 冷風方式 冷風方式 直接熱交換 初期投資額 千円 73,707 83,855 冷水循環方式 ※1 雪冷房冷蔵:倉庫に雪・氷を蓄え、空気や水を循環させることで、雪や氷の冷熱の取得します。 ※2 冬の寒冷な外気を利用して氷を作り、気温が上昇する季節に氷を冷熱源として冷房や冷蔵に利用します。 ※3 貯蔵庫など施設の周辺土壌を人工的に凍らせ、その冷熱により貯蔵庫内を長期低温に保つシステムです。 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:会津高原たかつえ雪室 設備の特徴:雪氷貯蔵量 250t、冷房冷蔵冷熱能力 11MJ/h 利用施設:隣接する公共浴場への冷房、保冷庫の保冷 運転開始年月:平成 18 年 5 月 所在地:福島県南会津郡会津町 概要:南会津町舘岩地域は冬になると 2~3m の雪が積もる国内屈 指の豪雪地帯です。この雪を利用し、夏の冷房と特産品の開 発、雪氷エネルギーの学習を目的に「会津高原たかつえ雪室」 を建設しました。 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 18 雪氷熱利用の導入事例 19 (8) 木質バイオマスエネルギー ① システムの原理 バイオマスエネルギーは、生物体を構成する有機物から酸化・燃焼 などの化学反応を介して利用されるエネルギーです。 間伐材を含めた林地残材、オガクズやプレカットクズなどの工場残 材を直接燃焼させる方法やこれらを高温で蒸すことによって可燃性ガ スを取り出し燃料とする方法があります。 図 19 木質バイオマスエネルギーシステムのイメージ 表 9 種類 (発熱量) 木質バイオマスの現状 利点 欠点 ・製造が容易 薪 (16.8MJ/kg) 炭 (33.5MJ/kg) チップ (9.0MJ/kg) ペレット (15.9MJ/kg) ガス化 (12.6MJ/m3) 活用方法 ・含水率が高く燃焼効率を ・ストーブによる熱 上げにくい 利用 ・煙が多い ・火力調整が困難 ・エネルギー密度が薪等に比 ・利用形態は熱利用が中心 ・火鉢、コンロによ べて高い る熱利用 ・軽量 ・日持ちが良い ・煙が出ない ・製造が比較的容易で流通形 ・含水率が高く搬送、燃料供 ・中大規模ボイラー 態として普及している 給および燃焼装置が大きく による熱利用や なる。 発電 ・利用原理は薪と同じ。 ・取扱いが容易 ・製造するために紛化処理 ・ストーブや 小・中 ・小型機器でも燃焼効率が良 が必要である。 規模ボイラーによ い ・製造コストがかかる。 る熱利用や発電 ・エネルギー密度がチップに比 べて高い ・ボイラーでの使用が普及段階 ・エネルギー効率が高い ・タール処理が問題であった ・中小規模の熱利 ・発電、熱利用、水素生産が可 が解決されつつあり、検証 用や発電 能 段階 20 ② 特徴 以下にチップ、ペレット、ガス化について紹介します。 ア.チップ 海外の中・大規模ボイラーは、チップ燃料の設備が一般的であり、 チップや木くずを燃料に用いる地域熱供給や熱電供給が稼動してい ます。国内(宮城県石巻市、築館町、秋田県能代市、五城目町およ び新潟県など)では、大規模製材業者、製紙業者、組合等がチップ や木くずを燃料として利用しています。 図 20 木質チップ イ.ペレット 木質ペレットは、木材、木質系廃棄物(端材、廃材、オガコ、樹 皮)等の木質資源を粉砕、加圧、成形した固形燃料です。岩手県の 葛巻町等で樹皮や樹皮と木部を原料にするペレットが生産されてい ます。海外ではペレット原料に樹皮を利用しないのが一般的で、燃 焼機器も灰分の少ないホワイトペレット(木部ペレット)を使用す ることを前提に製造されています。 出典:岩手・木質バイオマス研究会ホームページ 図 21 木質ペレット 21 ウ.ガス化 木質ガス化は、木質バイオマスに熱を加え、一酸化炭素や水素を 含む発生ガスを燃料や資源として利用します。国内では NEDO の 補助事業により開発が進められています。 特に、今後の水素社会を念頭において、高い水素濃度ガスが得ら れる熱分解+水蒸気改質が注目を集めています。 出典:メーカーホームページ 図 22 ガス化 ③ 経済性・導入事例 名称:木質バイオマスガス化発電施設(黒滝温泉) 発電量:20kW チップ処理能力:20kg/h 運転開始年月:平成16年10月 所在地:岩手県奥州市 概要:木材チップを熱分解してガスを取り出し、その一部を 800~ 1,000℃の高温で燃焼させてガス化し、熱交換して冷却した 後に発電機に送り込み発電するシステムです。発電した電力 は、黒滝温泉で使用する電力の3割程度を賄っています。ま た、熱交換により取り出される熱は、ガス化炉の熱源にする 他、黒滝温泉の暖房・給湯用にも使用されています。 経済性:設置費用は、本来1億円以上ですが、いずれも実証段階で 性能保証ができないことから、施工会社が工事費の半分程 度を負担したため、 村の負担は約 6,000 万円で済みました。 22 6,000 万円のうち半額について環境省からの補助金受給、 残り半分は辺地債で賄いました。 出典:メーカーホームページ 図 23 木質バイオマスエネルギーの導入事例 23 (9) 農産バイオマスエネルギー ① システムの原理 農産物加工品の残材、稲わら、もみ殻をエネルギー源として利用す るものです。サトウキビやトウモロコシなどの糖化植物も農産バイオ マスに含まれます。 図 24 バイオエタノール製造の流れ ② 特徴 農産廃棄物の有効活用となります。またエネルギー作物を栽培する ことで、休耕田の有効活用に貢献できます。 ③ 経済性 生産コストは原料価格に大きく依存する他、用途と品質、流通手段 により大きく変動しますが、国内におけるバイオマスエネルギーは既 存のエネルギーよりコスト高になっています。 エタノール価格を日本と海外で直接比較するのは困難ですが、ブラ ジルでは大規模生産が可能なこと、当地の主原料となる砂糖キビの栽 培に気候が適していることから日本より低価格となっています。 ④ 導入事例 名称:青系飼161号(バイオ燃料に向く多収穫米の開発) 開始年月日:2007 年度 所在地:青森県黒石市 概要:休耕田活用の有効対策として、青森県は 2007 年度からバイ オ燃料を生産できる米の研究に乗り出しています。青森県農 林総合研究センターではバイオ燃料に向く多収穫米の開発を 24 スタートさせ、多収品種で出穂が早い「青系飼161号」と 「駒の舞」 「むつほまれ」とを比較した研究に着手しました。 2008 年度まで 2 年間、試験圃場(ほじょう)で施肥や植え 付け株数などのデータを集め、有望と判断すれば一般農家で 栽培してもらう考えです。 今後の方針:米の他、牧草やトウモロコシ、サツマイモ、ヒマワリ についてもバイオエタノールやバイオディーゼル燃料 の原料としての可能性を探ることにしています。 25 (10) 畜産バイオマスエネルギー ① システムの原理 畜産バイオマスは、家畜糞尿をエネルギー源として利用するもので す。1999 年(平成 11 年)度制定され、平成 16 年 11 月 1 日に完全 施行された、いわゆる「家畜排せつ物法」により、家畜排せつ物の適 正な管理が求められています。 家畜排せつ物を微生物によりメタン発酵させ、発生したメタンガス を発電熱利用する事例があります。メタン発酵でつくられるバイオガ スは、発電機やボイラーの燃料として利用が進んでいます。 出典 :NEDO「北の大地 自然エネルギーとの共存」 図 25 バイオガスプラントの仕組み ② 特徴 畜産廃棄物の有効活用となります。 ③ 経済性・導入事例 名称:大型気密サイロ有効利用モデル事業バイオガスプラント バイオマス投入量:家畜ふん尿 11.05t/日 バイオガス発生量:330m3/日 発酵槽:277m3 一次貯留槽:30m3 既存スラリータンク:660m3 発電機:20kW×1 基 ボイラー:27kW×1 基 開始年月日:平成 13 年 3 月 所在地:北海道野付郡別海町 概要:国内では、北海道でも有数の大規模酪農専業地帯である別海 町にバイオガス・プラントが建設されました。協力農家 11 戸 か ら 乳 牛 約 1,000 頭 分 の 糞 尿 を 搬 入 し 、 1 日 当 り 2,320kWh 発電され、1,000kWh を温室など施設内で消費し 26 ています。 経済性:事業費が 10 数億円と高額であり、糞尿の運搬費用、発酵 後に残された液肥の処理など実用化に向けては多くの課題 があります。 出典 :NEDO「北の大地 自然エネルギーとの共存」 図 26 畜産バイオマスエネルギーの導入事例 27 (11) バイオマス燃料製造(BDF) ① システムの原理 菜種油や天ぷら油などの植物性油を改質した軽油代替燃料を BDF といいます。植物性油は、ディーゼルエンジンの燃料に活用できます。 通常は植物性油を化学反応させ、メチルエステルに変えて使用しま す。メチルエステルは、軽油に似た燃料特性があり、ディーゼルエン ジンの燃料として使用できます。軽油に比べて発熱量が低く、燃料消 費量は若干多くなります。 出典 :NEDO「よくわかる!技術解説」 図 27 廃棄物燃料利用(BDF)のイメージ ② 特徴 調理などで使用済みの植物性油を活用すれば、廃棄物の有効活用と なります。 ③ 導入事例・経済性 名称:むつ市福祉車両にバイオ燃料活用 運転開始年月日:平成 19 年8月 所在地:青森県むつ市 概要:むつ市は十五日、市社会福祉協議会が管理する市所有の外出 支援サービス用福祉車両で、使用済み食用油を再生したバイ オディーゼル燃料(BDF)の活用を始めました。燃料は、同 市の知的障害者授産施設(通所)工房「歩み」が事業の一環 で精製・販売しています。同施設では 2 年前から、市内のホ テルや食堂、小中学校の学校給食用などから月約 2,000L の 28 廃油を買い取り、ほぼ同じ量の BDF を精製・販売し、同施 設の送迎バスや職員の自家用車などに主に活用してきました。 経済性:BDF の販売価格は 1L 当たり 80 円で、軽油の市販価格よ り 40 円近く割安であり、 燃費は軽油とほぼ変わりません。 出典:東奥日報 図 28 福祉車両にバイオディーゼル燃料を給油する市社会福祉協議会職員 29 (12) バイオマス由来廃棄物発電・廃棄物熱利用 ① システムの原理 搬入された生ごみからバイオガスを発生させ、発電用のマイクロタ ービン内で高速で燃やし、タービンを回して発電させます。発電によ り出る排気の熱を利用し、排熱ボイラで温水を作ることができます。 生ごみ 受入ホッパー ( ご み 焼 焼 却 却 場 分別機 上水道 ) 42.4t スラリータンク 各施設 温水 バイオリアクタ (加温) (メタン発酵 槽) 排水 処理 処理水 公 共 下 水 道 肥料 温 水 ボ イ ラ LPG 脱硫塔 ガスホル ダ バイオガス 温室 バイオガス 電力 マイクロガス タービン 放 熱 熱 排熱ボイラ 温水 図 29 バイオマス廃棄物発電・廃棄物熱利用システムのイメージ 30 給 タ食 セ ン ー 購入電力 (水道水 の加温) ② 特徴 バイオマス由来廃棄物の有効活用となります。 ③ 導入事例・経済性 名称:白石市生ごみ資源化事業所(シリウス) 種類:生ごみからバイオガスを発生 出力:30kW(マイクロガスタービン) 運転開始年月:平成 15 年 4 月 所在地:宮城県白石市 概要:市内の給食センター、病院、ホテルなどから排出される食品 廃棄物をメタン化し、製造されたバイオガスにより施設内の 電気の一部を賄います。また、併設する市民農園(温室)と 給食センターで温水を利用します。 経済性:総事業費は5億5,000万円で、農林水産省の食品リサイ クル先進モデル事業の補助を受け整備しました。 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 30 バイオマス由来廃棄物発電・熱利用の導入事例 31 (13) 天然ガスコージェネレーション ① システムの原理 発電後の熱エネルギーを温水もしくは水蒸気として取り出し、冷暖 房給湯等に用いるものです。ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼ ルエンジンおよび燃料電池を動力源とするものがあります。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 31 廃棄物発電熱システムのイメージ ② 特徴 一般の発電システムはエネルギー効率が約 40%であるのに対し、コ ージェネレーションは利用エネルギーが複合型(電気・熱)であるた め 80%程度と高効率です。そのため、燃料の有効利用になります。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 32 総合効率 32 ③ 経済性 導入は毎年順調に増加しており、電力の卸売り・小売り自由化が実 現したことから、有力な分散型電源の一つとして、産業用の大規模な ものから家庭用の極小規模のものまでパッケージ化され、メンテナン ス性に優れた製品がラインアップされてきています。 設置に必要なコストは規模やシステム構成にもよりますが、民生用 ビルでは 30 万円/kW 程度です。 表 10 天然ガスコージェネレーション設置価格・稼働コスト 単位 発電出力 kW/台 設置価格 千円 産業用 GT 民生用 GE 産業用 DE 民生用 DE 5,400 230 1,200 320 648,000 69,000 180,000 70,400 300 150 220 7.10 2.81 5.49 単価 千円/kW 120 発電量あたり単価 円/kWh 1.63 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 ④ 導入事例 名称:仙台市健康増進センター 出力:80kW 発電効率:25~27% 熱効率:43~45% 運転開始年月:平成 16 年 3 月 所在地:宮城県仙台市 概要:80kW 天然ガスマイクロガスタービンを運転し、電力を建物 設備に供給すると同時に排熱を温水ボイラーに供給し、暖房 や浴槽等に利用しています。システム設計時および導入時に エンジニアリングを実施し、ガスタービンの総合効率 60%以 上、建物施設の省エネ効果約 5%、CO2 削減効果約 100t を 実現しました。 出典 :NEDO「新エネニッポン」 図 33 コージェネレーションの導入事例 33 (14) 燃料電池 ① システムの原理 水素と酸素を化学的に反応させると、電気が発生する原理を応用し たものです。 「電池」という名前はついていますが、蓄電池のように充 電した電気を溜めておくものではありません。水素は天然ガスや LP ガス等の多様な燃料から生成され、酸素は空気中の酸素を利用します。 スペースシャトルでは燃料電池により電気と水を供給しました。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 34 燃料電池システムのイメージ ② 特徴 発電時には水のみを排出し、環境汚染がなく、比較的低温の熱出力 が得られ低騒音です。 ③ 経済性 一般汎用型(50~200kW 級)の価格が周辺設備を含めて 60~80 万円/kW 台となっており、依然として業務用電力よりも割高です。 ④ 導入事例 名称:燃料電池排熱高度利用コージエネレーションシステムの研究 燃料電池:700W 級 用途:融雪パネル約 30m2、床暖房パネル 約5畳 運転開始年月:平成 19 年 2 月~20 年 3 月 所在地:青森県工業総合研究センター内 概要:出光興産株式会社は、青森県工業総合研究センターと共同で、 平成 18 年 9 月から燃料電池により発生する「熱」を融雪と 暖房に利用するシステムの研究を進め、平成 19 年 2 月から 34 同センターにおいて実証運転を開始しました。 寒冷地では、除雪作業にかかる個人の経済的、肉体的負担が 大きく、その軽減のために融雪装置の設置が普及しています が、灯油ボイラを用いた温水で融雪を行うと、設置費用に加 えてランニング費用が年間で約 5 万円かかります(車 2 台分 の床面積、灯油価格 80 円/L、年間 500 時間運転で算出) 。 「熱」を有効利用することにより、燃料電池の経済メリット を高めるとともに、除雪の負担軽減に生かして、寒冷地にお ける燃料電池普及を目指しています。 出典 :出光興産株式会社 図 35 住宅における燃料電池の利用例 35 (15) クリーンエネルギー自動車 ① システムの原理 クリーンエネルギー自動車は、従来のガソリン車やディーゼル車に 比べ高効率であり、かつ排ガスがクリーン(若しくは排出しない)と いう特徴があり、電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス自動車、メ タン自動車等の種類が既に実用化されています。 また、クリーンエネルギー自動車の増加に伴い、天然ガスの補充や 充電を行なうエコステーションの建設・増設も進められています。 出典 :財団法人新エネルギー財団 図 36 クリーンエネルギー自動車システムの原理 ② 特徴・経済性 ハイブリッド車は既存のガソリンスタンドで燃料を供給することが できますが、その他のクリーンエネルギー自動車は、燃料供給施設が 必要になります。しかし、燃料供給施設の新設には、数千万円~数億 円程度の初期投資が必要になることもあるため、燃料供給施設数は容 易に増加しません。 36 表 11 天然ガス 自動車 メタノール 自動車 小型~バス 長距離 小型~バス 短中距離 11 万台程度 211 万台程度 100 万台程度 ・走行中に排 出ガスが出 ない。 ・騒音が小さ く、振動が少 ない。 ・燃費向上に 効果がある。 ・排気ガスを削 減できる。 ・既存のインフ ラを利用でき る。 ・走行距離が 既存者と同 等以上 ・窒素酸化物 (NOx)をデ ィーゼル車 の 10~30% に抑制でき る。 ・粒子状物質 (PM)が排出 されない。 ・車体価格が 既存車の 2 ~3.5 倍程 度 ・交換バッテリ ーの価格が 高い。 ・一充電あたり の走行距離 が短い(100 ~200 ㎞) ・車体価格が 既存車の 1.04~1.7 倍 程度 ・バッテリーの 交換が必要 ・車体価格が 既存車の 1.4 ~2 倍程度 ・一充填あたり の走行距離 が短い(150 ~350 ㎞) ・タンクの容積 が大きく重い ・燃料供給施 設が少ない (全国約 180 ヶ所程度) 区分 電気自動車 性能 軽~小型 短距離 2010 年 導入目標 長所 短所 クリーンエネルギー自動車の普及状況 ハイブリッド 自動車 エタノール 自動車 ディーゼル代替 LPガス自動車 小型トラック 等長距離 - 小型トラック 短中距離 200 台程度 - 26 万台程度 ・粒子状物質 (PM)が排出 されない。 ・窒素酸化物 (NOx)をディ ーゼル車の 約 50%に抑 制できる。 ・自動車用燃 料として用い た場合、ガソ リンよりオク タン価が高く セタン価は 低いため、火 花点火方式 のエンジンに 適している。 ・窒素酸化物 (NOx)をディ ーゼル車の 10 ~30%に抑制 できる。 ・粒子状物質 (PM)が排出さ れない。 ・車体価格が 既存車の 2 倍程度 ・低温時のスタ ート性能に 問題 ・燃料供給施 設が少ない (全国約 50 ヶ 所程度) ・燃料に毒性 がある。 ・起動時にホ ルムアルデ ヒドを排出 ・ガソリンや軽 油にエタノー ルを 10~20 数%程度混入 する場合と、 エタノールの みで走行す る場合とが ある。 ・後者の場合、 エンジンおよ び燃料供給 装置の腐食 対策などが 必要となる。 ・車体価格が既 存車の 1.1~2 倍程度 ・燃料供給施設 が少ない(全 国約 2,000 ヶ 所程度) ・石油代替の効 果はない。 出典 :NEDO 新エネルギーガイドブック 37 ③ 導入事例 国からの補助もあり、自家用車をはじめ、官公庁公用車、路線バス、 地方公共団体ごみ収集車等で利用が進んでいます。 表 12 「地域新エネルギー導入促進事業」による導入一覧(平成 17 年度) 補助事業者 事業実施者 補助事業名 福島県 福島県 クリーンエネルギー自 動車導入促進事業 栃木県 宇都宮市 宇都宮市 宇都宮市クリーンエネ ルギー自動車導入推 進事業 千葉県 柏市 柏市 柏市クリーンエネルギ ー自動車導入事業 東京都 中野区 中野区 中野区クリーンエネル ギー自動車導入事業 神奈川県 小田原市 小田原市 ZEVRA(低公害車実現 行動)プランⅡ推進事 業 神奈川県 相模原市 相模原市 東京都 杉並区 杉並区 事業概要 クリーンエネルギー自動車を公用車として導入するとと もに、クリーンエネルギー自動車優先駐車スペースの設 置等を行う。(合計 22 台:ハイブリッド車 17 台、天然ガス 車 5 台) 公用車としてクリーンエネルギー自動車を導入するとと もに、優先的に取り扱う各種処置を実施する。(合計 24 台:ハイブリッド車 9 台、天然ガス車 15 台) 公用車としてクリーンエネルギー自動車を導入するとと もに、クリーンエネルギー自動車導入に対する融資制度 等を行う。(合計 27 台:天然ガス車 25 台、ハイブリッド車 2 台) 区所有の清掃車に天然ガス車を導入するとともに、公共 駐車場に優先スペース 2 ヶ所の設置等を行う。(合計: 天然ガス車 14 台) 公用車としてクリーンエネルギー自動車を導入するとと もに、クリーンエネルギー自動車の有料駐車場料金の 割引措置等を行う。(合計 17 台:電気自動車 3 台、天然 ガス車 11 台、ハイブリッド車 3 台) 相模原市クリーンエネ ルギー自動車普及・導 天然ガスを利用したクリーンエネルギー自動車を中心に 入事業/相模原市クリ 公用車を導入し、各種施策を効果的に実施する。(合計 ーンエネルギー自動車 17 台:天然ガス車 16 台、ハイブリッド車 1 台) 普及啓発事業 低公害車の普及促進事業の一環として天然ガス自動車 杉並区クリーンエネル を導入し、CEV を優先的に取り扱う各種処置などの施策 ギー自動車導入事業 を行う。(合計:天然ガス車 42 台) 出典:NEDO 新エネルギー関連データ 17 年度版 38 2 エネルギー消費量と二酸化炭素排出量 算定の考え方 1.原油換算について 発熱量 1GJ=原油換算 0.0258kL として、電気および燃料(LPG、 灯油、A 重油、ガソリン、軽油)の単位あたりの原油換算量を算出し ました。 なお、より町の現実に即したエネルギー消費を算定するため、一次 1 2 エネルギー 換算ではなく、最終エネルギー 換算しました。このため、 電気の単位あたりの発熱量は、電力発電端投入熱量ではなく、電力消 費時発生熱量を用いました。 表 13 項目 電気 単位あたりの発熱量 電気の原油換算量 原油換算係数 a 3.60(GJ/千 kWh) 表 14 項目 単位あたりの発熱量 単位あたりの原油換算量 b 0.0258(kL/GJ) c=a×b 0.093(kL/千 kWh) 燃料の原油換算量 原油換算係数 単位あたりの原油換算量 e f=d×e d LPG 灯油 A 重油 50.2(GJ/t) 36.7(GJ/kL) 39.1(GJ/kL) 0.0258(kL/GJ) 0.0258(kL/GJ) 0.0258(kL/GJ) 1.30(kL/t) 0.95(kL/kL) 1.01(kL/kL) ガソリン 軽油 34.6(GJ/kL) 38.2(GJ/kL) 0.0258(kL/GJ) 0.0258(kL/GJ) 0.89(kL/kL) 0.99(kL/kL) 出典:単位あたりの発熱量は経済産業省資源エネルギー庁「エネルギー別標準発熱量一覧表」 原油換算係数は「エネルギーの使用の合理化に関する法律施行規則」第 4 条第 1 項第一号 2.二酸化炭素排出量について 電気および燃料(LPG、灯油、A 重油、ガソリン、軽油)の使用に 伴う二酸化炭素の排出を計算しました。その結果、電気と燃料を比較 すると、1GJ あたりの二酸化炭素排出量は電気の方が多くなっていま す。この要因としては、主に他のエネルギーを電気エネルギーに変換 する際の効率によるものですが、電気エネルギーはその分、容易に動 力や熱等他のエネルギー源として利用できるという利点もあります。 1 一次エネルギー:消費されるエネルギーを最終エネルギーといい、この最終エネルギーを補うために利用さ れたエネルギー量を一次エネルギーといいます。 2 最終エネルギー:産業活動や交通機関、家庭等、需要家レベルで消費されるエネルギーの総量を最終エネル ギー消費といいます。 39 また、近年は自然エネルギーを活用した電気エネルギーも作られてお り、この分野が進むと電気の二酸化炭素の排出係数は低くなることに なります。 表 15 項目 電気 単位あたりの発熱量 a 3.60(GJ/千 kWh) CO2 排出原単位 1GJ あたりの二酸化炭素の量 b c=b/a 0.441(t-CO2/千 kWh) 表 16 項目 電気の二酸化炭素排出量 d=b 0.1225(t-CO2/GJ) 0.441(t-CO2/千 kWh) 燃料の二酸化炭素排出量 単位あたりの発熱量 1GJ あたりの炭素の量 1GJ あたりの二酸化炭素の量 e 単位あたりの二酸化炭素の量 f 単位あたりの二酸化炭素の量 g=f×(44/12) h=e×g LPG 50.2(GJ/t) 0.0163(t-C/GJ) 0.0598(t-CO2/GJ) 3.00(t-CO2/t) 灯油 36.7(GJ/kL) 0.0185(t-C/GJ) 0.0678(t-CO2/GJ) 2.49(t-CO2/kL) A 重油 39.1(GJ/kL) 0.0189(t-C/GJ) 0.0693(t-CO2/GJ) 2.71(t-CO2/kL) ガソリン 34.6(GJ/kL) 0.0183(t-C/GJ) 0.0671(t-CO2/GJ) 2.32(t-CO2/kL) 軽油 38.2(GJ/kL) 0.0187(t-C/GJ) 0.0686(t-CO2/GJ) 2.62(t-CO2/kL) 出典:単位あたりの発熱量は経済産業省資源エネルギー庁「エネルギー別標準発熱量一覧表」 CO2 排出原単位は「東北電力 環境行動レポート 2007」資料編 主要環境指標の推移 1GJ あたりの炭素の量は「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」第 3 条第 1 項第 2 号イ 3.具体例(七戸総合福祉センターの電気を例に) 例えば七戸総合福祉センターの電気を例にとれば、電気使用量が 256(千 kWh)だとすると、これに単位あたりの原油換算量 0.093(kL/ 千 kWh)を乗じ、電力使用量を原油換算で表すと 24(kL)になります。 また、この電気使用量 256(千 kWh)に、単位あたりの二酸化炭素の 量 0.441(t-CO2/千 kWh)を乗じ、電気の使用に伴う二酸化炭素排出量 を計算すると 113(t-CO2)となります。 【算定式】 七戸総合福祉センターの電力消費量 × 単位あたりの原油換算量 =七戸総合福祉センターの電力消費量の原油換算量 =256(千 kWh) × 0.093(kL/千 kWh) =24(kL) 【算定式】 七戸総合福祉センターの電力消費量 × CO2 排出原単位(単位あたりの二 酸化炭素の量) =七戸総合福祉センターの電力消費に伴う二酸化炭素の量 =256(千 kWh) × 0.441(t-CO2/千 kWh) =113(t-CO2) 40 3 視察の概要 1.先進地調査の概要 (1) 調査日 平成 19 年 10 月 8 日(月)~10 日(水) (2) 調査場所 北海道帯広市、士幌町、足寄町 (3) 調査対象 バイオエタノール製造施設 バイオガスプラント 木質ペレット工場、木質ペレット導入組合 (4) 参加者 ① 策定委員長 藤田 成隆 ② 策定副委員長 小又 勉 ③ 策定委員 加賀 誠 新谷 勝弘 太田 悦朗 天間 優彦 三上 正二 山形 勝美 寿美 塚尾 義春 附田 繁志 作田 健 中村 陽一 佐々木和博 八嶋 靖希 ④ 庁内委員 坪 ⑤ 事務局 中野渡伯貴 ⑥ 調査委託会社 東北緑化環境保全株式会社 2 名 41 森田 耕一 坪 和昭 事業主体 施設名称 概要 十勝圏振興機構(とかち財団、帯広市) バイオエタノール生産技術試験 十勝圏振興機構(とかち財団、帯広市)は規格外小麦からエタノールを製造する設 備を平成 18 年 4 月に導入した。平成 16 年度の事業で十勝地方におけるバイオエタノ ールに適した原料を量・質・経済性から評価し、規格外小麦と生産調整ビートであると の結論に達した。現在は、本来であれば堆肥となる規格外小麦からのエタノールを研 究している。 平成 16 年度~平成 17 年度の環境省補助事業で製造されたエタノールを自動車燃 料に混合(E3)し走行試験を行った。ガソリンと比較した内容は、点火・排ガス・運転等 の差であり、ガソリンと大きな差はなく E3 に問題がないことがわかった。平成 17 年度~ 平成 18 年度の補助事業ではエタノール生産効率の向上、残渣物の付加価値の研究 を行った。また、小麦のエタノール化に適当な酵素や酵母の試験も行った。平成 18 年 度の補助事業では、E3 で一般車 9 台と公用車 9 台で走行試験をし、乗り心地等をアン ケート調査により把握したが、大きな差が見られなかった。 製造施設の費用は約 4,000 万円で半額を北海道、残りを帯広市、十勝市町村でまか なった。小麦からは重量費で 3 割のエタノールが製造される。小麦を約 22 円/kg とする と製造コストは約 76 円/L、エタノールの価格は約 98 円/L と試算した。規格外小麦から は 10%のエタノールが製造できる。また、今回の施設に特許は使用されていない。 今度は E10 の支障実験や木のエタノール化を研究予定である。 構成フロー 小麦からのエタノール製造の工程(出典:北海道開発局) 【規模】 100L/week (実験用生産プラント) 設備能力 実施時期 その他 十勝圏振興機構の概観(太陽光発電と地熱利用を実施) 平成 19 年 1 月~ 北海道経済産業局 平成 16 年度バイオマス等未活用エネルギー調査事業、 環境省 平成 16・平成 17 年度地球温暖化防止対策技術開発事業、 農林水産省 平成 17・18 年度 農林水産省バイオマスリサイクル研究、 国土交通省 平成 18 年度 地域プロジェクト支援調査事業 42 視察風景 視察風景 遠心分離機(12 時間で糖化させる) 200L 培養装置(アルコール発酵:33℃24 時間) 蒸留装置(95%エタノール:76℃加温) 脱水装置(99.5%の工業用エタノール :ゼオライト吸着) 残渣は家畜飼料として利用予定 ポイント ・地域の主要作物から地域で利用が有望な作物を選定し、生産対象としてい る。 ・生産されたエタノールの使用に関しても調査している。 ・様々な補助事業を活用して調査している。 43 事業主体 施設名称 概要 北海道士幌町 士幌町新田地区房谷牧場バイオガスプラント 士幌町は人口が約 6,700 人であり、60%が農地で、主に大型酪農と寒冷地農業が 営まれている。人口は、昭和 55 年から約 7,000 人を維持している。畜産は、乳牛が約 18,000 頭、肉牛は約 43,000 頭と、全体で約 60,000 頭を超える道内有数の酪農地帯で ある。 以前の家畜ふん尿は、堆肥として利用がされていたが、発酵が十分でないための悪臭 や堆肥をまく作業の労力等の問題があった。 平成 15 年 9 月に農林水産省の「平成 15 年度バイオマス利活用フロンティア整備事 業」に採択され、バイオガスプラント 3 基の建設が開始された。町が事業主体となり、国 の事業を活用してプラントを建設し、酪農家に数十万円で貸し出す方式で運営してい る。平成 16 年度に 2 基、平成 17 年度に 1 基が完成、現在順調に稼働している。 新田地区の房谷牧場に設置したのは、土谷・共成経常建設共同企業体によるコンク リート半地下式メタン発酵プラントである。事業費は約 1 億円。原料槽、計量槽、発酵 槽は、防寒対策として半地下式、消化液貯留槽は全地下式とし、建屋はない。生産さ れたメタンガスは、出力 40kW のバイオガス・灯油を燃料とするデュアルフュエルエンジ ン(コージェネレーションシステム)で発電し、電気と熱をプラント運転と牧場内で消費、 発電量が需要量を上回った場合は、余剰電力を電力会社に販売している。消化液貯 留槽は、半径 35.5m と大きいが液肥の撹拌をトラクターの駆動を利用して循環ポンプを 動かす方式を採用している。 現在、道内には約 40 箇所のバイオガスプラントがある。しかし、メーカー主導で導入 したプラントは、牧場経営の実態にそぐわない例が多く、問題が起きている。ただし、士 幌町のプラント導入にあたっては、地元業者が積極的に参画したことで成功した。実際 に牧場の売電料金、買電料金、燃料費を比較すると、約 70 万円/年のエネルギーコス トがかかるが、今後改善されるとのことであった。 構成フロー コンクリート半地下式メタン発酵フロー図(出典:士幌町バイオガスプラントシステム) 設備能力 実施時期 その他 【糞発生量】 4,000t/年 【発電機】 デュアルフュエルエンジ ン 40kW 【発酵槽】 671m3 【消化液槽】 メタン発酵層の概観 3,959m3 平成 17 年 1 月~ 平成 15 年度バイオマス利活用フロンティア整備事業 44 視察風景 視察風景 原料投入槽 コンテナ型発電機(ドイツ製 40kW) コンテナ型ガスホルダー 清潔感のある牛舎 液肥と土の混合装置(悪臭対策:15t 車) ポイント ・エンジン以外は地域業者が製造している。地元企業が積極的に参画したこと で牧場の実態にあったプラントが建設され、順調に稼動している。 ・経済的には数十万円の赤字ではあるが、堆肥処理や牧場の衛生環境の向 上、地球温暖化防止等の付加価値を見込んでいる。 45 事業主体 施設名称 概要 とかちペレット協同組合(北海道足寄郡足寄町) 木質ペレット工場 森林が全面積の 84%を占める北海道足寄町は、平成 13 年度新エネルギービジョン で、町の豊かな森林資源を有効活用するため、木質バイオマスに特化したビジョンを 策定した。平成 15 年 3 月に町、林業関係者を中心として「足寄町木質ペレット研究会」 を発足させ、木質ペレットの造粒機を購入し、製造実証試験を行った。平成 17 年 1 月、 足寄町を中心とした十勝の 14 企業(現在 17 企業)で「とかちペレット協同組合」を発足 させ、試行錯誤の末、平成 17 年 10 月に道内最大級の木質ペレット製造工場が完成し た。 ペレットの原料はカラマツの林地残材である。事業を成功させるため、事業費を削減 する努力を行った。例えば、伐採原木の収集場所がある地区の旧足寄西中学校を工 場利用するため地域再生計画の認定を受けて使用可能にし、体育館にプラント本体、 グラウンドを資源置き場、校舎を事務所、製品倉庫、研修場所として利用している。事 業費は 7,000 万円であり、林野庁が 1/2、足寄町が 1/4 の補助をした。 とかちペレット協同組合では全木ペレットを製造している。ペレットの販売価格は 52.5 円/kg である。平成 18 年 7 月からの 1 年間で 350t を販売した。このうち 200t は足寄 町からである。 構成フロー ペレット製造のフロー図 設備能力 【バイオマス投入量】 製 材 所 端 材 : 1,400m3/ 年 【生産能力】 500kg/h、3.5t/日 【ペレット生産量】 700t/年 (カラマツ丸太 2m3 →ペレット 1t =6m3 →灰 3kg) プラント 概観 実施時期 その他 平成 17 年 10 月~ 国、町の補助を受けている。 46 視察風景 視察風景 原料となる間伐材(旧足寄西中学校校庭) 製造設備投入前の原料 ペレタイザー(金子農機製) 製造されたペレット(卸価格 52.5 円/kg) 施設内の無電源式ペレットボイラー ポイント ・地域のペレット製造に積極的な人が組織的に活動し、事業化に成功した。 ・事業に成功に向けて、初期投資を削減した。 47 事業主体 施設名称 概要 足寄(あしょろ)町(北海道足寄郡足寄町) 足寄町新庁舎エネルギー棟 森林が全面積の 84%を占める北海道足寄町は、平成 13 年度新エネルギービジョン で、町の豊かな森林資源を有効活用するため、木質バイオマスに特化したビジョンを 策定した。平成 17 年 1 月、足寄町を中心とした十勝の 14 企業(現在 17 企業)で「とか ちペレット協同組合」を発足させ、平成 17 年 10 月に木質ペレット製造工場が完成した。 足寄町は新庁舎建設にあたり、新庁舎の床暖房、消防署の給湯、ロードヒーティン グの熱源を供給するエネルギー棟を建設した。木質ペレットボイラー(二光エンジニア リング社製)の規模は 50 万 kcal であり 2 基を設置し、補助・夏季用に灯油ボイラーを 導入している。エネルギー棟の建設費用は約 8,000 万円であり、約半額の補助を受け た。 本格操業は平成 17 年 10 月から開始した。ペレットは町内のとかちペレット協同組合 から供給され、ペレット燃料については完全な地産地消となっている。 構成フロー 設備能力 実施時期 その他 足寄町のペレットによる地産地消のイメージ図 【ペレット消費量】 約 1t/日(冬季) 【暖房供給面積】 5,555m2 (新庁舎:3,508m2 消防庁舎:2,047m2) 【ボイラー】 50 万 kcal/h×2 基 ペレットボイラー(出典:メーカーホームページ) 平成 18 年 3 月~ 資源活用モデル実証事業(交付主体:北海道) 48 視察風景 2 台設置されたペレットボイラー正面 ペレットボイラー背面 ペレットボイラーの燃焼炉 予備の石油ボイラー ロードヒーティング 庁舎内のペレットボイラー ポイント ・地域で製造されたペレットを消費するため、行政が消費先を確保した。 ・家庭でのペレット消費を促すため、普及啓発用としてペレットストーブを設置し ている。 49 2.ヒアリングの概要 ヒアリング実施日 場所 ご担当 目的 設備能力 開始時期 概要 ヒアリング実施日 場所 ご担当 目的 設備能力 開始時期 概要 ヒアリング実施日 場所 ご担当 目的 設備能力 開始時期 概要 平成 19 年 10 月 16 日 農事組合法人 あづま 代表 三上 様 バイオエタノール製造 の可能性 2 万 L/年(エタノール) 写真 食品残渣利用の取り組み 農事組合法人あづまでは長いもの皮やにんにくのくず等の食品廃棄物(発生量 1~ 2t/日)からバイオエタノールを製造する取り組みを行っている。製造したエタノール は、重油と混合して施設内で利用する予定。エタノールは食品製造の過程で冷凍用 (65%,-40℃,10,000L 容器)として使用するため、現在購入しているエタノール(80 円 /L)の代替として利用を検討している。 平成 19 年 10 月 26 日 天間林体育館 温水プール 写真 重油ボイラ(前田鉄工 業)の使用状況 出力:60 万 kcal 燃料消費量:75L/h 重油ボイラーとボイラー室 平成 3 年 天間林体育館では温水プールのシャワーの給湯に A 重油を使用しており、その消 費量は年間 5 万 L である。なお、温水プールは源泉 40℃の温泉熱を利用しており、 熱交換器で 37℃~38℃を保っている。隣接するふれあいセンターや天間林老人福 祉センターでも給湯に温泉熱を利用している。 平成 19 年 10 月 26 日 七戸町総合福祉センタ ー(ゆうずらんど) 写真 灯油ボイラ 2 台(昭和 鉄工)使用状況 出力:291kw (1 台当たり) 灯油ボイラーと施設概観 平成 13 年 灯油ボイラーは温泉とシャワーの給湯に利用されている。利用時間は 8:30~15:00 で、1 日 50 人ほどが訪れる。土日祝日は休館で、年間約 250 日稼動している。館内 には床暖が導入され、空調は事務室のみに設置されている。 50 ヒアリング実施日 場所 ご担当 目的 設備能力 開始時期 概要 ヒアリング実施日 場所 ご担当 目的 設備能力 開始時期 概要 平成 19 年 10 月 26 日 写真 加賀木材工業 株式会社 代表取締役 加賀 様 バークの有効利用の 可能性 バーク発生量:30t/日 稼動日数:250 日/年 バークと工場概観 平成 19 年 工場では木材チップの製造等を行っているが、バークが産業廃棄物に指定され、処 理が課題であった。従来は六ヶ所村の堆肥センターに譲渡し、堆肥として利用され ていたが、平成 19 年 7 月より五戸町の発泡スチロール製造工場へ売却し、バーク ボイラーの燃料として使用されている。 平成 19 年 11 月 12 日 東八甲田ローズカント リー 写真 重油ボイラ(ネポン株 式会社)の使用状況 ビニールハウスと重油ボイラー 平成 8 年 東八甲田ローズカントリーでは、重油で加温したビニールハウス内で、バラを栽培し ている。ビニールハウスは全部で 4 棟で、各棟 2 機ずつ重油ボイラーが設置されて おり、平成 18 年度の重油使用量は 79,520L である。1 月~3 月にかけては段階的加 温しており、常に 15℃に保っていかなければならないため、重油の使用量が多くな っている。 51 ヒアリング実施日 場所 ご担当 目的 設備能力 開始時期 概要 ヒアリング実施日 場所 ご担当 12 月 5 日(水) 写真 株式会社木村産業 代表取締役社長 木村 様 バークの有効利用の 可能性 バ ー ク 発 生 量 : 30 ~ 35t/日 バークと工場概観 平成 18 年 プラントは日本車輌で、ボイラーは新柴設備。新技術は、バークを粉末にし乾燥させ 含水率を下げること、重油を一切使わず熱効率が良いことである。 稼動日数は、24 時間である。季節変動はあり、5 月の空っ風が吹く時期が良い。冬 は燃焼効率が低下する。5 月:12 月=1:3 ぐらいである。 バークの含水率は 70~80%で、30~35t/日発生する。 炉の温度が下がった時、立ち上げ時に端材を投入している。 熱の用途は工場の暖房、木材の乾燥、木とバークを置く床暖房である。灰は 3 日で ドラム缶 10 缶程発生する。 総事業費は 3 億円。バークボイラーの導入により、灯油を 40~50 万 L 削減した。従 来は、全て堆肥センターで処理しており、燃料費とオガ粉の処理で月 1,000 万円削 減した。NEDO の補助を受けており、補助率は 1/2 である。 今後は老人保健施設、温水プールへの熱供給も検討している。 12 月 27 日(木) 社会福祉法人 美土里会 総合施設長 盛田 様 副園長 盛田 様 写真 目的 ペレットボイラー(日本サ ーモエナー)の使用状況 設備能力 開始時期 概要 出力:20 万 kcal ペレットボイラーと建屋概観 平成 19 年 地球温暖化対策、従来ボイラーの老朽化および灯油価格の高騰により、ペレットボ イラーを導入した。 総額費は約 2,600 万円で、うち約 1,000 万円は NEDO の補助である。ペレットは岡山 県の銘建工業から、25 円/kg(輸送費・保管費込で 36~37 円/kg)で購入している。 従来は 15 万 kcal の灯油ボイラー2 台(燃料費 700 万円/年)で運転していたが、現 在は 20 万 kcal のペレットボイラー1 台で、施設の給湯・暖房を賄っている。 厳冬期で 600kg/日のペレットを使用している。灰は産業廃棄物として処理している。 52 4 新エネルギービジョン策定の体制 1.七戸町地域新エネルギービジョン策定委員会設置要領 (設 置) 第1条 七戸町において、新エネルギーの推進を図り、環境に優しいまちづく りを進めるにあたり、新エネルギーに関するビジョンを作成するため、七戸町地 域新エネルギービジョン策定委員会(以下「委員会」という。 )を設置する。 (職 務) 第2条 (組 委員会は、前条の結果を町長に報告するものとする。 織) 第3条 委員会は、専門的な知見を有する学識経験者をはじめとする、町に関 係した農業関係者、商業関係者、住民及び新エネルギー関係者等から町長か委嘱 したものをもって組織する。 2 委員会の定数は、12人以内とする。 (委員の任期) 第4条 委員の任期は、委嘱の日から平成20年2月29日までとする。 (委員会) 第5条 委員会に、委員長及び副委員長を置く。 2 委員長及び副委員長は、委員の互選により選任する。 3 委員長は、会務を総理し、会議の議長となる。 4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代行 する。 (会 議) 第6条 委員会の会議は、委員長が招集する。ただし、初回のみ町長か招集す る。 2 会議の議事は出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長が 決するところによる。 (資料提出の要求) 第7条 委員会は、必要かあるときは関係者に対し、資料の提出、意見の聴取、 説明その他必要な協力を求めることかできる。 (庶 務) 第8条 委員会の庶務は、企画財政課において処理する。 53 (委 任) 第9条 この要領に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委 員長が定めるものとする。 附 則 この要領は、平成19年7月2日から実施する。 2.七戸町地域新エネルギービジョン策定委員会名簿 表 17 № 区 分 1 学識経験者 2 地場産業関係者 3 地場産業関係者 4 地場産業関係者 5 住民代表 6 住民代表 7 住民代表 8 エネルギー事業者 9 行政関係者 10 教育関係者 オブザーバー オブザーバー オブザーバー 事務局 事務局 事務局 氏 名 藤田 成隆(委員長) 太田 悦朗 米内山正義 天間 優彦 佐藤 吉也 加賀 誠 三上 正二 山形 勝美 小又 勉(副委員長) 新谷 勝弘 松本 孝 竹下 政弘 石戸 彰 坪 寿美 中野渡伯貴 附田 真治 策定委員会名簿 役 職 学長補佐 代表理事組合長 会長 支所長 会長 代表取締役社長 代表取締役社長 所長 七戸町副町長 教育長 新エネルギー対策官 主査 主査 課長 主幹 主幹 54 所 属 八戸工業大学 上十三地区森林組合 七戸町商工会 とうほく天間農業協同組合天間林支所 コミュニティ推進地区連絡協議会 加賀木材工業(株) 農事組合法人 あづま 東北電力(株)十和田営業所 七戸町役場 七戸町教育委員会 東北経済産業局 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策局エネルギー開発振興課 企画財政課 企画財政課 企画財政課 5 新エネルギー関係補助制度 新エネルギーに関する補助制度の一覧です。制度の詳細については各 お問い合わせ先にご確認下さい。 表 18 新エネルギー関係補助制度 ○ ○ ○ ○ ● ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ● ○ ○ ● ● ○ ○ ○ △ △ ● ● ○ ○ ○ ○ ○ △ △ ● ● 個人 NPO等 企業 対象事業者 地方公共団体 マイクログリッド 地熱発電 水力発電 クリーンエネルギー自動車 雪氷熱利用 バイオマス燃料製造 バイオマス熱利用 ● - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ バイオマス発電 新エネルギー対策導入指導事業 新エネルギー等事業者支援対策事業 燃料電池 エネ庁 バイオマス等未活用エネルギー事業調査事業 エネルギー種別 天然ガスコージェネレーション 経済局 温度差エネルギー 申請先 事業名 太陽熱利用 風力発電 太陽光発電 調査費等 設備費等 対象 費目 地域新エネルギー等導入促進事業 地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事 ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ △ ● ▲ ▲ 業 新エネルギー・省エネルギー非営利活動促進事業 ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ △ ● 新エネルギー利用等債務保証制度 ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● ○ ● ● ● ● NEDO 中小水力発電開発費補助金補助事業 地熱発電開発費補助金補助事業 ● ○ ● ● ● ● 太陽光発電新技術等フィールドテスト事業※ ● ○ ● ● ● 風力発電フィールドテスト事業(高所風況調査)※ ● ○ ● ● ● 太陽熱高度利用システムフィールドテスト事業※ ● ○ ● ● ● 地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業※ ● ○ ○ ○ ● ● ● 各窓口 クリーンエネルギー自動車等導入促進事業 ● ○ ● ● 頑張る地方応援プログラム ○ ○ ○ ● ○ ○ ○ ● 農水省 地域バイオマス利活用交付金 強い林業・木材産業づくり交付金 ○ ○ ○ ● ※は NEDO との共同研究事業、△▲は一部事業のみ募集を行う。 1.バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業 (バイオマス等未活用エネルギー事業調査事業) (1) 制度の概要 地域に賦存するバイオマス及び雪氷(以下、 「バイオマス等」という。 ) のエネルギー利活用事業について、事業化に際し必要なデータの収集・ 分析等を行うフィージビリティースタディ(事業化可能性調査)事業に 55 対し補助します。 なお、「バイオマス・ニッポン総合戦略」 における「バイオマスタウ ン構想」に基づき行われるバイオマスエネルギー利活用事業については、 バイオマスの発生から利用までの総合的利活用が期待できることに鑑み、 応募枠を別に設けています。 (2) 対象事業者 ① 一般枠 自らがバイオマス等のエネルギー利用に係る事業化を将来的に展望 する民間企業、地方公共団体、地方公共団体が出資・出捐をおこなう 法人、公益法人、特定非営利活動法人、法人格を有する協同組合 ② バイオマスタウン枠 バイオマスタウン構想を公表済み、もしくは未公表だが現在策定・ 申請中である市町村及び東京都特別区(以下「市町村等」という。 )で あって、かつ自らがバイオマスのエネルギー利用に係る事業化を将来 的に展望している市町村等 (3) 対象事業 以下に例示するバイオマス等未活用エネルギー事業の実施に際して必 要なデータの収集・蓄積・分析やエネルギー利用システムに関する調査 事業が対象となります。単なる資源の賦存量調査やエネルギー転換・利 用設備の性能調査を行うだけの事業は対象となりません。エネルギー利 活用事業の事業化のために必要な関連データであることを要します。 バイオマス及び雪氷の賦存量・利用可能量調査、資源の収集・運 搬に係る経済データ、社会システム上の特質・課題等 エネルギー変換システムの変換効率、環境特性、運用パターン等 の運転特性に関わるデータ、運転経費、保守経費等の経済データ、 経年劣化等データの特質・課題等 エネルギー利用に関する利用率、利用方法等に関わる運用データ や外部供給とのコスト比較データの特質・課題等 (4) 地域関係者との連携に関わる現状や課題 補助率 定額(ただし、概ね 1,000 万円を上限) なお、補助金の交付に当たっては、申請額から減額して交付すること があります。 56 (5) 問合せ先 東北経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー課 2.新エネルギー対策導入指導事業 (1) 制度の概要 市民や事業者等への新エネルギーの普及啓発のため、地方公共団体が 行う地域新エネルギーセミナー等の開催に対しNEDO技術開発機構に よる支援を行います。 (2) 対象事業者 地方公共団体 (3) 対象事業 セミナー開催、専門家等の講師派遣に係る費用 (4) 問合せ先 東北経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー課 3.新エネルギー等事業者支援対策事業 (1) 制度の概要 新エネルギー利用等の加速的な導入促進を図ることを目的とし、新エ ネルギー等を導入する事業者を対象として、事業費の一部に対する補助 を行います。なお、平成19年度から新エネルギーの種別により資源エ ネルギー庁と NEDO に申請先が分かれます。 (2) 対象事業者 民間企業等 (3) 対象事業 新エネルギー等利用設備であって、以下に示す規模要件を満たす設備 を導入する事業 表 19 申請先 種類 太陽光発電 エネ庁 風力発電 太陽熱利用 新エネルギー等事業者支援対策事業 対象事業 要件等 太陽電池出力 50kW 以上 (太陽電池出力は JIS に基づく試験成績表の実績値の合計とする) 発電出力 1,500kW 以上 有効集熱面積 100m2 以上 (OM ソーラーシステムについては、有効集熱面積=ガラス集熱板面積+(金属集熱 板面積/4)となります。) 57 ・熱供給能力 6.28GJ/h 以上 ・省エネ率 10%以上又は総合エネルギー効率 80%以上 ・温度差エネルギー依存率 40%以上 【高効率型天然ガスコージェネレーション設備】 ・発電出力 : 10kW 以上(単機の発電出力は 3,000kW 未満) ・省エネ率: ①10kW 以上 500kW 未満 : 10%以上 ②500kW 以上 : 15%以上 ・ほか発電効率条件あり。 【天然ガスコージェネレーション活用型エネルギー供給設備(地域熱供給、特定電気 天然ガス 事業等)】 コージェネレーション ・設備能力 : 温・冷熱供給量 41.86GJ/h(10Gcal/h)以上、単機の発電出力は 3,000kW 未満 ・省エネ率 5%以上 ・天然ガスコージェネレーションヘの排熱依存率 40%以上 ・ほか発電効率条件あり。 ・発電出力 50kW 以上 燃料電池 ・省エネ率 10%以上 冷気又は冷水の流量を調節する機能を有する設備であって、雪氷熱の供給に直接 雪氷熱利用 的に供される設備に限る。 本補助制度においてマイクログリッドとして扱うものは以下の要件を満たすものに限 る。 ・一定地域内(一需要場所、集合住宅、商業地域、工業団地、集落、市町村等)にお いて、太陽光発電や風力発電等の新エネルギーを含む複数の分散型電源、電力貯 マイクログリッド 蔵設備及び制御装置等を組み合わせてネットワーク化し、エネルギー(電力・熱)を供 給する設備であること。 ・系統における現状の供給品質(安全性を含む)と同程度の電力供給が行える供給 システムであること(30 分 3%同時同量程度)。(ただし、需要家の品質ニーズを勘案 し、品質の目標値は事業者にて設定すること。) ・バイオマス依存率 60%以上 【蒸気タービン方式】発電効率 10%以上(発電出力 10,000kW 未満の場合)、発電効率 バイオマス発電 20%以上(発電出力 10,000kW 以上の場合) 【その他の発電方式】 発電効率 25%以上、発電出力 50kW 以上 【バイオマス熱供給設備】 ・バイオマス依存率:60%以上 ・バイオマスから得られ、利用される熱量:1.26GJ/h(0.3Gcal/h)以上 ただし、バイオマス利用型製造設備については バイオマス熱利用 ・バイオマス熱利用量:高炉の場合 12.56GJ/h(3Gcal/h)以上 セメントキルンの場合 25.12MJ/t(6,000cal/t)以上 【バイオマスコージェネレーション(熱電併給)設備】 NEDO ・バイオマス依存率 60%以上、発電出力 50kW 以上、省エネ率 10%以上 製造された燃料は、原則として全量が発電又は熱利用等されるものであること。 【メタン発酵方式】 ・ガス製造量 300Nm3/日以上、発熱量 18.84MJ/Nm3(4,500kcal/Nm3)以上 【メタン発酵方法以外】 バイオマス燃料製造 ・バイオマス依存率 60%以上、エネルギー回収率 50%以上 ・発熱量 :固形化 12.56MJ/㎏(3,000kcal/㎏)以上 液 化 16.75MJ/㎏(4,000kcal/㎏)以上 ガス化 4.19MJ/Nm3(1,000kcal/Nm3)以上 中小水力発電 発電出力 1,000kW 以下 地熱発電 バイナリーサイクル発電方法に限る 温度差エネルギー 利用 (4) 補助率 1/3 以内 58 (5) 問合せ先 ① 申請先が資源エネルギー庁 経済産業省資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課 事業者支援グループ ② 申請先が NEDO 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部 地域エネルギーグループ 4.地域新エネルギー等導入促進事業 (1) 制度の概要 地域における新エネルギー等の加速的促進を図ることを目的とし、地 方公共団体及び営利を目的としない民間団体等が策定した新エネルギー 等導入のための計画に基づき実施する新エネルギー等設備導入事業及び 普及啓発事業に必要な経費に対して補助します。 (2) 対象事業者 地方公共団体及び非営利民間団体(地方公共団体が行うPFI事業、 地方公共団体の出資に係る法人が行う事業を含む) (3) 対象事業 新エネルギー等導入のための計画に基づき実施する事業であって、新 エネルギー等設備導入事業と普及啓発事業を併せて実施する事業。設備 導入事業については以下の要件等を満たすこと。 表 20 地域新エネルギー等導入促進事業 対象事業(地方公共団体の場合) 種類 要件等 太陽光発電 太陽電池出力 10kW 以上 発電出力 500kW 以上 風況調査 1.風況観測の期間は 1 年間以上であること 風力発電 2.風況観測の地点は、単桟の場合風車の設置予定地点、複数基の場合は 当該地域の代表的な 風況特性を取得できる地点とすることを原則とする ・有効集熱面積 : 100m2 以上 太陽熱利用 ・省エネ率 : 10%以上(空調用途の場合) ・熱供給能力 : 6.28GJ/h(1.5Gcal/h)以上 温度差エネルギー利用 ・省エネルギー率 10%以上又は総合エネルギー効率 80%以上 ・温度差エネルギー依存率 40%以上 【高効率型天然ガスコージェネレーション設備】 天然ガス ・発電出力 : 10kW 以上(単機の発電出力は 3,000kW 未満) コージェネレーション ・省エネルギー率 : ①10kW 以上 500kW 未満 : 10%以上 ②500kW 以上 : 15%以上 【天然ガスコージェネレーション活用型エネルギー供給設備(地域熱供給、特定電気事業等)】 59 燃料電池 バイオマス発電 バイオマス熱利用 バイオマス燃料製造 雪氷熱利用 クリーンエネルギー 自動車 中小水力発電 地熱発電 (4) ・設備能力 : 温・冷熱供給量 41.86GJ/h(10Gcal/h)以上 ・省エネルギー率 5%以上 ・天然ガスコージェネレーションヘの排熱依存率 40%以上 ・発電出力 50kW 以上 ・省エネルギー率 10%以上 ・バイオマス依存率 60%以上 【蒸気タービン方式】 発電効率 10%以上 【その他の発電方式】 発電効率 20%以上、発電出力 10kW 以上 【バイオマス利用型製造設備】 ・バイオマス熱利用量:高炉の場合 12.56GJ/h(3Gcal/h)以上 セメントキルンの場合 25.12MJ/t(6,000cal/t)以上 【バイオマス熱供給設備】 ・バイオマス依存率:60%以上 ・バイオマスから得られ、利用される熱量:1.26GJ/h(0.3Gcal/h)以上 【バイオマスコージェネレーション(熱電併給)設備】 ・バイオマス依存率 60%以上、発電出力 10kW 以上、省エネ率 10%以上 【メタン発酵方式】 ・ガス製造量 300Nm3/日以上、発熱量 18.84MJ/Nm3(4,500kcal/Nm3)以上 【メタン発酵方法以外】 ・バイオマス依存率 60%以上、エネルギー回収率 50%以上 ・発熱量 :固形化 12.56MJ/㎏(3,000kcal/㎏)以上 液 化 16.75MJ/㎏(4,000kcal/㎏)以上 ガス化 4.19MJ/Nm3(1,000kcal/Nm3)以上 冷気又は冷水の流量を調節する機能を有する設備であって、雪氷熱の供給に直接的に供 される設備に限る。 ・車種:電気自動車(一部のハイブリット車を含む)、天然ガス自動車(バイオガスを含む天 然ガスを燃料とすること) ・台数:乗用車 5 台相当以上(ただし複数年度導入の場合、毎年度の導入台数は、原則乗 用車 5 台相当以上) なお、自動車の導入と併せて行われる充電設備、天然ガス充填設備の設置も対象とする。 発電出力 1,000kW以下 バイナリーサイクル発電方式に限る 補助率 ① 新エネルギー等設備導入事業 1/2 以内(又は 1/3 以内)※一部の新エネルギーについては、補助 率が異なる場合があります。 ② 新エネルギー等普及啓発事業 定額もしくは 1/2 以内(上限あり) (5) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部 地域エネルギーグループ 5.地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業 (1) 制度の概要 地域レベルでの新エネルギー・省エネルギーの取り組みを円滑化する ため、地方公共団体等が当該地域における新エネルギー・省エネルギー 60 の推進を図るため、また新エネルギーの導入や省エネルギーの地域住民 への普及啓発を図るために必要となる「ビジョン」策定に要する費用及 びフィージビリティースタディ(事業化可能性調査)に要する費用を補 助 します。調査段階に応じた以下の3つの調査事業に分かれます。 ①地域エネルギービジョン策定調査 ②重点テーマに係る詳細ビジョン策定調査 ③事業化フィージビリティスタディ調査 (2) 対象事業者 ① 地域エネルギービジョン策定調査 地方公共団体(広域地域を含む)及び地方公共団体の出資に係る法 人 ② 重点テーマに係る詳細ビジョン策定調査 地方公共団体(広域地域を含む)及び地方公共団体の出資に係る法 人 ③ 事業化フィージビリティスタディ調査 当該事業を実施するもの (3) 対象事業 ① 地域エネルギービジョン策定調査 新エネルギーに係るもの、省エネルギーに係るもの、新エネルギー および省エネルギーに係るもの ② 重点テーマに係る詳細ビジョン策定調査 新エネルギーに係るもの、省エネルギーに係るもの ③ 事業化フィージビリティスタディ調査 新エネルギーに係るもの、省エネルギーに係るもの (4) 補助率 定額 (5) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部 普及・啓発グループ 6.新エネルギー・省エネルギー非営利活動促進事業 (1) 制度の概要 地域草の根レベルでの効果的な新エネルギー導入や省エネルギー推進 の加速化を図るため、営利を目的としない民間団体等が営利を目的とせ 61 ずに行う新エネルギー導入及び省エネルギーの推進に資する普及啓発事 業に必要な経費に対して補助 します。 (2) 対象事業者 特定非営利活動法人(NPO法人) 、公益法人等の営利を目的としない 事業を行う法人格を有する民間団体又はこれらに準じるもの (3) 対象事業 営利を目的としない民間団体等が営利を目的とせずに新エネルギー又 は省エネルギーに係る普及啓発を実施する事業 (4) 補助率 1/2 以内 (5) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部 地域エネルギーグループ 7.新エネルギー利用等債務保証制度 (1) 制度の概要 太陽光発電、風力発電、太陽熱利用、温度差エネルギー利用、雪氷熱 利用、バイオマス発電、バイオマス熱利用及びバイオマス燃料製造事業 を行おうとする事業者が、その加速的な導入促進を図るため、 「新エネル ギー利用等の促進に関する特別措置法」第8条により主務大臣の認定を 受けた利用計画の実行に要する資金を金融機関から借り入れる場合に、 その借り入れが円滑に行われるための支援措置として、債務保証を行い ます。 (2) 対象事業者 民間企業等 (3) 対象事業 「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」に基づき、主務大 臣の認定を受けた利用計画に従って実施される新エネルギー導入事業。 (4) 補助率 債務保証枠:基金の 15 倍 (5) 保証範囲 :対象債務の 90% 保証料率 :保証残高の 0.2% 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 62 エネルギー対策推進部 企画・調整グループ 8.中小水力発電開発費補助金補助事業 (1) 制度の概要 初期投資が大きく初期の発電単価が他の電源と比較して割高であり、 また、今後開発地点が奥地化して・小規模化していく傾向にある水力発 電を促進するため、中小水力開発を行う電気事業者に対して建設費等の 一部を補助します。 (2) 対象事業者 電気事業者、自家用発電所設置者 (3) 対象事業 ① 揚 水 式 を 除 く 一 般 水 力 発 電 の う ち 、 出 力 が 1,000kW を 超 え 30,000kW 以下の水力発電施設の設置、改造を行う事業 ②事業者の責に帰すことができない損壊の復旧に伴って、水車発電機 の改造を行い、100kW 以上の出力が増加する事業 ③出力が 1,000kW を超え 30,000kW 以下の水力発電所の建設に当た り新技術の導入を行う事業 (4) 補助率 ① 上記① ・出力が 5,000kW 以下 1/5 以内 ・出力が 5,000kW 超 3,000kW 以下 1/10 以内 ② 上記② ・出力が 5,000kW 以下 出力増加割合以内 ・出力が 5,000kW 超 3,000kW 以下 出力増加割合の 1/2 以内 ③ 上記③ 新技術を導入した部分 (5) 1/2 以内 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部 地熱・水力グループ 9.地熱発電開発費補助金補助事業 (1) 制度の概要 開発から運転までのリードタイムが長く、多額の投資が必要である地 63 熱発電開発の促進を図るため、調査・建設段階に進んだ地点における調 査井、バイナリーサイクル発電設備を除く生産井及び還元井掘削、蒸気 配管等敷設、発電機等及び熱水供給施設等設置に対して補助 します。 (2) 対象事業者 地熱を利用する地熱発電施設の設置又は、改造に係る事業であって、 調査井掘削又は、地熱発電施設の設置事業を行おうとする者 (3) 対象事業 ① 調査井掘削事業 調査井の掘削、抗井内調査及び附帯工事 ② 地熱発電施設設置事業 (バイナリーサイクル発電設備を除く) 生産井及び還元井の掘削並びに蒸気配管等の敷設、発電機及び熱水 供給施設等の設置又は改造に関する工事及び附帯工事 (4) 補助率 ① 調査井掘削事業 1/2 以内 ② 地熱発電施設設置事業 1/5 以内 (5) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部 地熱・水力グループ 10.太陽光発電新技術等フィールドテスト事業 (1) 制度の概要 太陽光発電の導入をさらに推進するためには、住宅分野に匹敵する潜 在導入可能量を有する工場等の産業分野への導入拡大が不可欠です。こ れら中規模太陽光発電システムは産業分野や公共施設等に設置されるシ ステムであり、2010 年度における導入目標 482 万 kW を達成するため の一般家庭用向け小規模システムと並ぶ重要なセグメントの一つです。 同システムについては公共施設等用及び産業等用の各太陽光発電フィー ルドテスト事業にてシステムの標準化及びデータを収集・分析・公表す る事により、発電設備としての有効性の実証と競争原理に基づく大幅な コストダウンが図られてきました。しかしながら、依然として住宅用シ 64 ステムに比べて導入が進んでいないのが現状です。この対策として、平 成 15 年度より新型モジュール採用型、建材一体型等の新技術を用いた 太陽光発電システムの実証について、NEDO との共同研究や研究助成を 実施しています。 (2) 対象事業者 民間企業、各種団体等(地方公共団体含む)で、太陽電池の合計出力 が 4kW 以上(効率向上追求型は 10kW 以上)で具体的な太陽光発電シ ステムの設置計画を有する者 (3) 対象事業 ① 新型モジュール採用型 新しい太陽電池による利用用途の拡大や、従来製品に比して大幅な 高効率化・低コスト化が期待できるシステム。 ② 建材一体型 屋根材や窓材等の建築材料としての機能を持つ太陽電池モジュール を採用したシステム、その他、従来にない施工方法等により、一層の 利用用途拡大が期待できるシステム。 ③ 新制御方式適用型 パワーコンディショナや蓄電装置等の従来にない性能や機能を向上 させた周辺機器等を採用したシステム。 ④ 効率向上追求型 既に商品化されている太陽電池であって、設計、工法等に工夫を加 えることで、コスト低減やシステム効率の向上が期待できるシステム。 (4) 補助率 原則として 1/2 以内(共同研究の場合) 11.風力発電フィールドテスト事業(高所風況精査) (1) 制度の概要 電力系統における導入制約のない地域等、かつ風力発電の立地が有望 と考えられる地域において、2 基以上の風況観測機器の設置を行い、当 該地域における高所での詳細な風況精査(観測)を1年間実施し、風況 条件からみた風力開発の可能性を風況観測データや環境条件の概略から 評価します。実施内容としては、事業者を公募により決定し、NEDO 技 術開発機構との共同研究として実施します。 65 (2) 対象事業者 民間企業、各種団体等(地方公共団体) (3) (4) 対象事業 50m クラス(地上高 50m、40m、30m の3層観測) 40m クラス(地上高 40m、30m、20m の3層観測) 補助率 共同研究 1/2 以内 (5) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 新エネルギー技術開発部 太陽・風力 FT グループ 12.太陽熱高度利用システムフィールドテスト事業 (1) 制度の概要 公共施設、集合住宅及び産業施設等における中規模太陽熱高度利用シ ステムを実際に導入し、有効性を実証すると共に、現状問題点の把握、 今後取り組むべき技術開発課題の抽出、システムの性能向上及び価格低 減を促すことを目的とします。実施内容としては、中規模太陽熱高度利 用システムを実際に導入し、4年間の運転 研究を行って設置に係る諸デ ータ・運転データ等を収集・分析し、今後の研究開発及び導入普及に有 用な資料(太陽熱利用ガイドライン等)としてとりまとめ、広く一般に 公開することで、新エネルギーとしての太陽熱の重要性を PR し、新エ ネルギーの導入普及に貢献するもので、公募により共同研究者及び助成 事業者を決定し、共同研究及び研究助成により実施します。 (2) 対象事業者 地方公共団体等 (3) 対象事業 太陽集熱器の合計面積(有効集熱面積)が 20m2 以上で以下のシステ ムの設置計画を有するもの ① 新技術適用型 新たに開発された機器・新利用システム形態等、並びに周知の技術 であって新技術と同等の開発要素があるもの ② 新分野拡大型 従来では利用されていない、又は利用が極めて少ない分野に導入さ 66 れたもので、太陽熱利用の新分野拡大が期待されるシステム ③ 魅力的デザイン適用型 建築物としての美観を損なうことなく、デザイン的要素が高いもの で、太陽熱システムの啓発普及が期待されるシステム ④ 最適化・標準化推進型 従来給湯・冷暖房システムで、効率向上及びコスト低減を 目指した もので、その実証効果が期待されるシステム (4) (5) 補助率 共同研究 1/2 研究助成 1/2 以内(上限額設定) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 新エネルギー技術開発部 太陽・風力 FT グループ 13.地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業 (1) 制度の概要 政府では、2010 年度におけるバイオマス熱利用導入量として、原油 換算 308 万 KL(輸送用バイオマス由来燃料 50 万 KL を含む)を目標 に掲げています。本事業は、バイオマス熱利用に係るシステムを実際に 設置し、熱利用を最大限行った場合における長期運用データの収集・蓄 積・分析を行い、今後の本格的な導入を促進させ、ひいては国が掲げる バイオマス熱利用の導入目標達成に資することを目的とし、公募により 決定した事業者との共同研究事業として実施します。 (2) 対象事業者 企業、地方公共団体、公益法人等の法人 (3) 対象事業 目に見える形でのバイオマス熱利用導入事例を創出するとともに、事 業を通して技術の有効性を実証し、長期 的に運用できるシステムの構 築・低コスト化/高性能化 などの普及に資するものを対象としています。 (4) 補助率 1/2 相当額 (5) 問合せ先 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 67 新エネルギー技術開発部 バイオマス・廃棄物グループ 14.クリーンエネルギー自動車等導入促進補助事業 (1) 制度の概要 運輸分野における新エネルギー利用促進、省エネルギーの推進及び二 酸化炭素、窒素酸化物等有害物質の排出抑制を図るため、クリーンエネ ルギー自動車を導入する者や非事業用燃料供給設備の設置を行う者に対 して、その導入に必要な費用の一部を補助し、クリーンエネルギー自動 車の普及を促進します。 (2) 対象事業者 ① 自動車 民間事業者等 ② 燃料供給設備 非事業用天然ガス燃料供給設備:主に自家用として天然ガス燃料等 供給設備を設置する者、非事業用充電設備:自家用として充電設備を 設置する者 (3) 対象事業・補助率・問合せ先 表 21 新エネルギー等事業者支援対策事業 対象事業 補助率 自動車 燃料等 供給設備 電気自動車 ハイブリット自動車(除く:乗用車) 天然ガス自動車(除く:乗用車) 非事業用天然ガス燃料供給設備 非事業用充電設備 通常車両との 価格差の 1/2 以内 1/2 以内 1/2 以内 申請窓口 有限責任中間法人電動車両普及センター 有限責任中間法人都市ガス振興センター 有限責任中間法人都市ガス振興センター 有限責任中間法人電動車両普及センター 15.頑張る地方応援プログラム (1) 制度の概要 やる気のある地方が自由に独自の施策を展開することにより「魅力あ る地方」に生まれ変わるよう、地方独自のプロジェクトを自ら考え、前 向きに取り組む地方自治体に対し、地方交付税等の支援措置が新たに講 じられる制度です。 (2) 対象事業者 地方自治体 68 (3) 対象事業 ① 地方交付税による支援措置 地方自治体がプロジェクトに取り組むための経費について3年間地 方交付税による支援を行います。 ② その他の支援措置 総務省ホームページ上で公表された地方自治体のプロジェクトに対 して、総務省のほか、関係各省の補助事業の優先採択について配慮さ れます。 (農林水産省との連携)地域バイオマス利活用交付金 強い林業・木材産業づくり交付金 (4) 補助率 単年度 3,000 万円(3 年まで措置する) (5) 問合せ先 総務省大臣官房頑張る地方応援室 16.地域バイオマス利活用交付金 (1) 制度の概要 バイオマスタウンの実現に向けた地域の創意工夫を凝らした主体的な 取り組みを支援します。 (2) 対象事業者 地方公共団体 (3) 対象事業 バイオマスタウン構想の策定、バイオマスの変換・利用施設等の一体 的な整備等 (4) 補助率 1/2 (5) 問合せ先 農林水産省 農村振興局 17.強い林業・木材産業づくり交付金 (1) 制度の概要 望ましい林業構造を実現させるための対策として、森林施業の集約化 を図り、持続的な林業生産活動を推進するため、作業道の整備と高性能 林業機械(貸付用を含む)の導入など林業の生産性の向上に資する 69