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あなたの命が輝くために~助産師・永原郁子さん講演会
甲高通信 発行日 第29号 平成 25 年 11 月 11 日(月) 県立西宮甲山高等学校 教頭 天知吾郎 電話 0798-74-2460 あなたの命が輝くために~助産師・永原郁子さん講演会 10 月 23 日(水)、マナ助産院主宰の永原郁子先生から「あなたの命が輝くために~愛とは・性とは・ 生きるとは」というタイトルでお話を伺いました。 みなさんがこの世に生を受ける前、等しくお母さんのお腹の中でへその緒を通じて酸素と栄養 を受けとりながら大きくなりました。おへそは、今は役に立たない部分ですが、かつてあなたが お母さんのお腹の中にいたとき、無償の愛を受けた証拠の場所です。 女子のみなさんは、すべからくお母さんになる可能性があります。お産がひどく痛いものだという巷の噂がありますが、 しっかりした知識を持ち、リラックスして臨めばそれほどでもありません。私は不安がるお母さんたちに「だいじょうぶ よ!」とやさしく声をかけるようにしています。なぜならお母さんには、限界の痛みが近づくと、それを乗り越える力が 次々と湧いて出てくるからです。私の子どもはすでに 30 歳と 28 歳になっていますが、お産の時に出した力をもう一度出 せと言われたら難しいと思います。そのくらいみなさんが生まれるとき、普段は出せないほどの大きな力がお母さんに授 けられるのです。お産はお母さんだけのものではありません。男性と女性の役割分担がきちんとあります。男性には女性 を支え、励まし、感動を共にする大切な役割があるのです。そして赤ちゃんはたくさんの人の笑顔を周囲に集めます。み なさんも生まれたときは、たくさんの人に幸せをもたらしたのです。 私たちは皆たった一個の細胞から生まれます。先の尖った鉛筆で紙に打った点くらいの大きさです。その源は男性の精 子と女性の卵子の出会いです。どちらも普段は下着で隠した場所にあります。それは恥ずかしいから隠しているのではあ りません。 「大切な場所」だからです。そこは自分の次の命を残すところだから、簡単に見せたり、乱暴に扱ったりしては いけないのです。 「性被害」や「レイプ」という言葉があります。男性には「それは犯罪です」とはっきり言っておきます。 女性の傷は癒えることはありません。これは人が傷つくさまざまな方法の中で、最も深く、最も治りにくいものです。逆 に女性はこの部分をお金で売ることは「命を売るに等しい」ことだと考えてください。絶対にしてはダメです! そしてみなさんは命の元(精子・卵子)が赤ちゃんになる前に、 「しっかりと大人として成長しておく」必要があります。 それは収入があること、家や部屋があること、赤ちゃんを迎える心の準備ができていること、そして何より赤ちゃんを一 緒に育てる「愛するパートナー」に出会うこと!それもできるだけ大きな愛を持った人に出会ってください。今、みなさ んは自分が頑張ることが幸せにつながる時期です。勉強でも部活動でもそうでしょう?しかし結婚生活は自分の努力だけ で幸せになれるとは限りません。パートナー次第なのです。 今のあなた方がしなければならないことは、 「自分の心の中の愛」を大きくすることです!そのためにできることが三つ あります。一つは「自分のことのように他の人を大切にすること」 、二つ目は「他の人の喜びや悲しみを知りたいと思うこ と」 、三つ目は「元気の出る言葉をいっぱい持っておくこと」です。 大きな愛が確かめられないうちに、また子どもを育てるだけの条件が整わないうちに、赤ちゃんを授かる原因となる行 為はすべきでありません。今、巷には「高校生が男女交際したら、セックスするのは当たり前」 「避妊をすれば大丈夫」と いう情報が氾濫しています。でもそれは間違いです!私は「ノーセックスこそ完全な避妊方法」 「赤ちゃんに責任をとれる までセックスしてはダメ」という考えを持っています。実はこれは性教育を行う人の中では少数派です。でも私は声を大 にして言います。みなさんにも今日の私の話を聞いたことをきっかけに間違った情報には毅 然として「ノー」と言い、私とともに正しい考えを発信してほしいのです。私の元には赤ち ゃんができてしまい、途方に暮れて相談に来る中高生のカップルがたくさんいます。残念で すが、男の子で最後まで責任をとってくれた人は一人もいません。 今日、西宮甲山高校でお話しをした記念に私の書いた本を一冊プレゼントします。 「命のこ とが分かる本~生と性のはなし」です。この本の最後には宣誓書がついています。 「自分と将来のパートナーの夢と健康、そして小さな命を守るために、一生共に生きようと決心で きるパートナーと出会うまで、セックスをしません」 保護者の方にも読んでもらいましょう!