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P20~P42(PDF形式:2.32MB)

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P20~P42(PDF形式:2.32MB)
5.本邦周辺海洋資源開発
「基本方針」個別事項(P.74)
9 日本周辺海域の石油・天然ガス資源ポテンシャルを把握するため、「海洋エネ
ルギー・鉱物資源開発計画(21年3月)」に基づき、平成20年度から30年度に
かけ、総調査量62,000km2を目標に三次元基礎物理探査を実施中。
• 平成22年度は、年間目標(5,000km2)を上回るデータ収録(三次元調査
6,400km2、二次元調査 1,900km)を完了。
⁃ 三陸沖海域(東方海域:4月~5月、北西海域:6月)、天北西方海域(7月)、宮崎沖南部海
域(8月)、能登東方海域(9月~10月)、奄美~沖縄海域(10月~23年1月)
三次元物理探査船「資源」
• 取得したデータの処理作業、解釈作業を実施中。
• 要員の日本人化に向け、欧州物理探査会社から探査技術の移転推進中。
⁃ 調査員必要数44名のうち、現在、16名に対し技術移転推進中。今後さらに増員する予定。
• 「資源」運航業務を巡る収賄容疑で元職員逮捕(11月16日):P.85に記載
中期目標・計画のポイント
• 我が国の保有する各種リソースを有効に活用し、日
本周辺海域等での石油天然ガス資源の賦存状況に
関する資源探査を着実に進める。
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 三次元物理探査船による調査
⁃ 漁業調整作業に注力した結果、一部3年越の調整海域含を含めて当初計画通りの調査を実施。
⁃ 平成22年度計画された5海域のうち、1海域については荒天・サメ被害などの影響により、一部未実施。
y 取得済みデータの解析
⁃ 宮崎沖海域(20年度取得)、三陸沖北西・常磐沖・八重山南方・対馬沖南西各海域(以上21年度取得分)
y 要員の日本人化
⁃ 操船部門(船員)の技術移転は平成20年度に完了済み。
20
6.技術プラットフォーム機能強化
(1)天然ガス液体燃料化技術(GTL)実証研究
9 GTL技術により、石油代替液体燃料ソースの確保、技術的・経済的に開発困難な既発見・未開発ガス田の
開発可能性拡大、並びに随伴ガス、炭層ガス(CBM)の活用手法拡大を図る。
① GTL技術の確立
• 昨年度実証運転でFT合成系に見出された課題への対応を中心に取組み。
• リアクター本体及びFT触媒に係る検討・改良を重ね、課題であった流動性改善、触媒の耐性向上・粉化抑制
を確認するなど、商業化技術の確立に向け前進。
• 関係者間の協議を経て研究期間の1年延長を決定し、平成23年度実証運転に向けた諸準備を実施。
② GTL技術の商業適用
• JAPAN-GTLに関心を示すベトナム、タイ、ロシア、オーストラリア等の国営石油会社、政府関係者、民間企業
を対象に、実証研究後の商業化に向けた情報交換・事業化調査を実施中。
18FY
GTL実証プラント全景(新潟市)
19FY
20FY
21FY
22FY
プラント設計
建設
試運転
実証運転
23FY
研究スケジュール
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 2030年を見据えたTRC技術戦略に挙げた重点技術
6分野を対象とする。
y 特にGTL等によるガス田開発、重質・超重質油田開
発、CO2EORなどの増進回収法、大水深油ガス田
開発に必要となる技術、メタンハイドレート開発を当
面の最重要課題とし、これらにリソースを集中する。
y FT合成系:GTLを構成する主な3工程のうちの一つで、触媒を用いて一酸化炭素と水素から合成油を作るプロセス。
y FT合成系に見出された課題の改善効果
⁃ リアクターの流動性改善により、原料となる一酸化炭素の転化率は目標値の90%を達成。
⁃ 触媒の劣化・微粉化対応により、1,300時間の連続運転を安定的に遂行。
y GTL商業化に係る情報交換・事業化調査
⁃ オーストラリアから、天然ガス以外にCBM(炭層ガス)利用に関する興味が示されているほか、油田随伴ガスへのGTL適用に
関心を示す国もあり。
21
(2)メタンハイドレート調査・技術開発
9 新たな国産資源;メタンハイドレート(MH)開発に向け技術的知見を蓄積。平成21年
度から、日本周辺海域のMHを対象とした世界初の海洋産出試験を行うフェーズ2へ
• 平成22年度は以下の海洋産出試験準備作業を実施し、試験の詳細設計を開始。
⁃ 基本計画策定(試験地点選定含む)、漁業調整、試験候補海域での地質・環境調査等
東部南海トラフ海域
• フェーズ1の成果に基づき国際シンポジウムを開催(カナダ天然資源省と共催)、我が
国の成果を内外にアピール(11月@東京、22カ国330名(うち海外76名)が参加)。
⁃ フェーズ1の成果に対して、平成22年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)(4月)、及び
石油技術協会第54回業績賞(6月)を受賞。
フェーズ1
フェーズ2(予定)
スケジュール H13年度 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度
陸上産出試験
海洋調査
カナダ
1回目
東部南海トラフ
地震探査等
カナダ
2回目
東部南海トラフ
基礎試錐
東部南海トラフ原始資源量評価
海洋産出試験候補地の選定
長期陸上産出試験(情報収集~試験地選定~試験)
フェーズ3(予定)
減圧法の概念図
H28年度 H29年度 H30年度
海洋産出試験準備
第1回
海洋産
出試験
第2回
海洋産
出試験
商業的産出準備
総合評価
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 2030年を見据えたTRC技術戦略に挙げた重点技術
6分野を対象とする。
y 特にGTL等によるガス田開発、重質・超重質油田開
発、CO2EORなどの増進回収法、大水深油ガス田
開発に必要となる技術、メタンハイドレート開発を当
面の最重要課題とし、これらにリソースを集中する。
y 海洋産出試験候補海域で実施した調査
⁃ 海底地盤ボーリング調査;JAMSTEC「ちきゅう」、海底地形・地質調査;JAMSTEC「うらしま」、海域環境調査;第七海工丸
y 長期陸上産出試験:より長期的なMH分解挙動把握のため、別途陸上産出試験の実施についても検討中。ただし、実施可能な
地域が極めて限られることから、中長期的課題と位置付け、内外の関係者と具体化に向け協議・情報収集を継続。
y 日本周辺のMH濃集帯評価:BSR分布域の2海域について既存3D震探データを活用しMH濃集帯の賦存可能性を評価。うち、1
海域については高密度速度解析を実施。その結果をふまえて23年度も同評価を継続。
y シンポジウムで公表したフェーズ1の主な成果
⁃ 東部南海トラフの原始資源量を40兆立方フィートと評価。
⁃ カナダ陸上において、減圧法を用いた世界初の連続生産(6日間)に成功。
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(3) CO2EOR関連技術開発の促進
9 JOGMECのCO2EOR技術を戦略的ツールとして活用し、我が国企業が関与する
油田の生産量及び権益の維持拡大を図る。
• ベトナム:海洋油田の操業現場技術支援
⁃ これまでのCO2EOR適用スタディに基づき、パイロットテスト実施に合意(23年2月)。
• メキシコ:生産性低下油田へのCO2EOR適用スタディ
⁃ 陸上チコンテペック油田群に対する各種スタディ実施中。
⁃ メキシコ側要請により、広域のCO2EOR適用に向けた(有償)新スタディにつき協議中。
• アブダビ及びクウェート等:CO2EOR共同研究
⁃ アブダビ側の要請に基づく、巨大海洋油田における(有償)スタディを実施中。
⁃ 日-クウェート政府間共同声明に基づくCO2EOR共同研究実施に向け、クウェート国営石油
とMOUを締結(7月)し詳細技術協議を開始。
中期目標・計画のポイント
CO2 EOR適用の例
(ベトナム洋上油田、CO2濃度分布)
CO2EOR
CO2を地中に圧入することにより、油田の
回収率を改善して生産量を増加させるもの
で、CO2を地中に圧入することから地球温
暖化問題にも貢献する新たな増産技術。
これまで欧米等では実績があるが、中東・
アジア地域ではほとんど事例がなく、シミュ
レーションスタディに加え、パイロットテスト
による実証化が求められている。
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 特に、我が国が強みを有する技術の活用、産油・産 y ベトナム
⁃ 対象油田へのCO2EOR、富化随伴ガス圧入EOR適用評価のため、実験、シミュレーション及び圧入関連施設を検討し報告書
ガス国との関係強化に資するか否か、我が国企業
提出。同油田での23年のパイロット(Huff&Puff)テスト実施につき合意。生産油田への適用は東南アジア初事例。
の上流プロジェクトへの参画が継続・確保されること
⁃ CO2EORの経済性向上及び周辺油田へのCO2EOR適用を目指し、 Petrovietnam(ベトナム国営石油会社)傘下のVPIと共同
につながる可能性が高いか否かといった観点を踏
でCuu Long Basin全体の油田データをレビューし、CO2EORのプレスクリーニングを実施。
まえ、天然ガス液化技術(GTL)等によるガス田開発、
y メキシコ
重質油田・超重質油田開発、CO2EORなどの増進
⁃ PEMEX(メキシコ国営石油会社)との陸上チコンテペック油田群における水攻法・CO2EORによるパイロットテスト計画策定を
回収法、大水深油ガス田開発に必要となる技術、メ
継続し、現在、フェーズ3実施中。CO2EORパイロットテストの開始(7月)に伴うデータ収集と共に、フェーズ3延長を決定。
タンハイドレート開発を当面の最重要課題とし、これ
⁃ PEMEXから新規(有償)スタディの提案を受け、PEP本社、PEP北部鉱業所、IMP(Mexican Petroleum Institute)とチコンテ
らに技術開発リソースを割り当てる。
ペック北部での広域地質評価及びパイロットテストを含め協議中。
y アブダビ
⁃ ADNOC(アブダビ国営石油会社)の操業会社と締結した(有償)サービス契約を実施中。情報共有システムを構築し、進捗を
タイムリーに共有するとともに、実験・シミュレーションを実施。
⁃ ADMA OPCOからスタディ参加者(Participant)2名を受入れた(7~8月)他、中間会議(Milestone meeting)を開催(9月)。
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(4)環境調和型油ガス田開発構想
9 随伴水・随伴ガス・その他排出物の有効利用と排出量削減を図りつ
つ、石油天然ガス生産の最適化を目指す開発手法。
⁃ 要素技術を組み合わせたパッケージディールとして産油国にスタディを提案。
⁃ 要素技術は、新規開発と共に、EOR、GTL等の既存重点技術の活用・高付加
価値化を図る。
• 平成22年度はリビアを対象に、排ガス/随伴ガス処理・随伴水処理・
低負荷ユーティリティー技術(太陽熱利用等)を統合した開発モデル
の概念構築、及び同モデルのF/S提案に向けたリビアNOCとの事前
折衝(6月、8月)、現地油田の予備調査等を実施。
環境調和型油ガス田構想の概念
NOC担当部から、CO2利用を含めた具体的提案の要請あり
随伴水処理技術開発に係る現地試験
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 2030年を見据えたTRC技術戦略に
挙げた重点技術6分野(原油回収率
向上技術、油ガス層把握技術、坑井
掘削・開発技術、非在来型油ガス田
開発技術、油ガス有効利用技術及び
環境調和型油ガス田開発技術)を対
象とする。
y リビアNOCとの事前折衝等
⁃ 上記開発モデルのF/S提案概要について、リビアNOC関係者に説明(6月末、8月)。
⁃ 23年度以降、この提案を元に環境調和型油ガス田開発FSのフェーズ1(既存データに基づく複数油田対象の国内机上検討)、さらにフェーズ
2(実油田データに基づくスタディ)実施に向けてNOC側と交渉継続の予定。
⁃ リビアNOCと自然性放射物質(NORM)調査に係る共同研究契約を締結(10月)、7油田でNORM調査を実施し、併せてF/S提案のための予
備的な調査を実施(11~12月)。
⁃ 同開発モデルの要素技術の1つとなるJOGMEC-GTLに関して、Libyan-Gas会議(6月@ローマ)で発表。
y 環境調和型油ガス田開発構想における要素技術である随伴水処理技術については、メキシコPEMEXとの共同研究が順調に進展中。
⁃ 凝集磁気法水処理技術共同研究(日立プラントテクノロジー、PEMEX)について、メキシコPEMEX陸上基地に設置したデモ試験機による実証
試験を実施(7~12月)。実証試験結果は良好、かつ先方の関心も高い。今後、海洋油田での実証研究に移行予定。
⁃ 海外展示会「EXPETRO2010」「WHOC」で展示・デモンストレーションを行い注目を集めた(8月、3月)。
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(5)成果普及・技術者育成
• 技術者層の拡大と産学官の交流促進
⁃ 国際資源開発人材育成プログラム構築を継続実施(METI委託事業)。
• TRC所有知財を活用し約6.6億円の実施許諾料収入(23年3月)。
平成22年度新規特許取得22件。
⁃ ジオパイロット(掘削方向を制御する装置: 特許収入 約637百万円)や、
⁃ エコスコープ (油・ガス田特性を測定する検層ツール:同 23百万円)など
• 「JOGMEC-TRCウィーク2010」開催(11月第2週目(5日間))
JOGMEC職員による大学講義風景
⁃ セミナー、パネルディスカッション、ポスターセッション等により技術者間のネットワー
ク構築の場を提供。延べ608名参加。
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 大学との共同事業、各社との人材交流の深化、ベテ
ラン技術者の活用、国内技術者の育成などを図る。
y 大学・研究機関連携事業(21年度継続:早稲田大学、22年度新規:京都大学、東京大学)
⁃ 早稲田大学 共同研究1件を実施:「油層内多相流挙動の解明と回収率向上に関する研究」
⁃ 京都大学 共同研究4件を実施:「坑壁安定性評価における中間主応力の影響評価」「X線CT撮影下における三軸圧縮試験を
用いた流体挙動モニタリングによる研究」「生分解性ゲルを用いた貯留層内ブロッキングによる掃攻率改善に関する研究」
「分子モデリングとナノスケールレベルでの実験による鉱物-油-水システムの挙動解明」
⁃ 東京大学 共同研究3件を実施:「重質油アップグレーディングを想定した高機能微生物脱硫法の開発に関する研究」「大偏距
掘削時のECD管理に関わる諸問題へのカッティングストランスポート技術からのアプローチ」「固液共存系における多元的物
性評価のラボ実験とミクロスケール岩石物理モデルによる弾性波動伝播メカニズムの研究」
y 国内技術者養成
⁃ 基礎講座Ⅰ、Ⅱ開催。国内専門講座 Well Control等を実施。
y 国際資源開発人材育成事業
⁃ 大学連携等に有効なツール類の調査を実施中。
⁃ 21年度末に実施した全国一般大学生対象理解促進授業の資料の教材化を実施中。
⁃ アブダビPetroleum Instituteと本邦大学との交換留学について、PIの積極的な意思を確認。内容具体化の検討中。
⁃ 22年度事業の実施内容等について産業界委員との間でタスクフォース会議を開催(9月)。
y 「JOGMEC-TRCウィーク2010」
⁃ 「セミナー」「パネルディスカッション」「ポスターセッション(55件)」等の多彩なアプローチにより喫緊の技術課題を議論。
y 21年度版「技術センター年報」和(8月)・英(10月)発行。(各々冊子とCD)
25
26
金属資源開発
JOGMECのミッション(金属資源開発)
金属鉱物資源確保のため、民間企業が進出できない資源国やフロンティア地域での案件組成・先行的調査を通
じた権益確保支援、企業プロジェクトへのリスクマネー供給等、JOGMECの有する支援機能を有機的に連携させ、
我が国企業の自主開発を促進する。
平成22年度の主な成果
‹活発な首脳外交と連携し、レアメタル探鉱開発協力等に係るMOU11件締結。
‹日越首脳会談にて、越首相から、レアアース探鉱・開発のパートナーに日本を指名。
‹有望鉱化帯を確認したJV調査3案件を譲渡。他のJV案件でも有望な調査成果相次ぐ。
‹JOGMEC法改正で可能となった資産買収出資制度を活かし、第1号(ニオブ)、第2号(レ
アアース)のいずれも大型案件を採択。
‹債務保証案件:チリ・エスペランサ銅鉱山から日本向け精鉱出荷開始。
‹世界最新鋭の新調査船「白嶺」建造が順調に進捗。
‹廃超硬工具リサイクル技術開発:大幅な生産コスト削減に成功、事業化レベルに到達。
27
金属資源開発関連の事業戦略
金属資源開発関連の事業戦略
Ⅰ.支援の強化
- 従来のベースメタルに加えて、レアメタル、レアアース、ウラン等を重点鉱種として位置付け、支援体制を強化
Ⅱ.戦略的取り組み (※右図参照)
- ベースメタル⇒先進国や環太平洋地域
- レアメタル・ウラン⇒従来の豪州・カナダに加え、中央アジア・アフリカ等新規国
●:MOU締結国
Ⅲ.戦略的アプローチ・手法
●カザフスタン、ウズベキスタン、モンゴル
- 金融支援
(ウラン・レアメタル等の共同調査、
技術⽀援、⾦融⽀援)
資産買収出資
債務保証基金の拡充・強化
中国
- JV探査
18ヶ国44地域で実施
(レアアース等の情報交換)
●ブラジル・ƒŽ‡
(共同調査)
●ベトナム
- 技術開発
(レアアース等の共同調査)
回収プロセス確立によるレアメタルの権益
取得支援。
探査能力向上及び参入機会の増大(リモセン、SQUITEM)
●ペルー
(鉱害防⽌⽀援)
- 情報提供、人材育成等
●チリ
(情報交換、鉱害防⽌)
Ⅳ長期的視点での投資
- 海底熱水鉱床の資源量評価と新海洋資源調査船建造
- 低品位・難処理化への対応技術研究
●ボツワナ、南ア、 ザンビア、
アンゴラ、マラウイ、ナミビア、タンザニア
(レアメタル等の共同調査)
ウラン・レアメタル重点地域
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ベースメタル重点地域
●ボリビア
(リチウム開発⽀援、
共同調査)
1.政府資源外交の支援強化、機構トップによる資源外交強化
(1)首脳会談への関与と協力枠組み構築
① 金属資源開発は首脳会談でも主要議題となり、 6カ国7首脳との会談でJOGMECは政府と連携
⁃
⁃
⁃
⁃
⁃
⁃
⁃
モンゴル:バトボルド首相来日時の菅総理主催資源関連企業懇談会に理事長出席(10月)
ボツワナ:カーマ大統領と菅総理の会談【資源探査協力】(10月)
インド:シン首相と菅総理の会談【レアアース開発にむけた協力】(10月)
ベトナム:ズン首相と菅総理の会談【レアアース開発パートナーに日本を指名】(10月)
モンゴル:エルベグドルジ大統領と菅総理の会談【鉱物資源開発協力】(11月)
ボリビア:モラレス大統領と菅総理の会談、共同声明発表【リチウム資源開発】(12月)
ウズベキスタン:カリモフ大統領と菅総理の会談【鉱物資源分野の協力】(23年2月)
ベトナム・ズン首相と菅総理の
共同声明署名式(10月、ハノイ)
② 資源国との協力枠組み構築:新規11件
⁃
⁃
⁃
⁃
⁃
出典:首相官邸ホームページ
カザフスタン:国営鉱山会社とMOU締結【資源開発分野での関係強化】
ウズベキスタン:地質鉱物資源国家委員会等と計4件のMOU締結【探査・開発等における協力】
モンゴル:鉱物資源・エネルギー省、産総研と三者間MOU締結【レアメタル共同探査】
南部アフリカ4カ国:アンゴラ、ナミビア、マラウイ、タンザニアとMOU締結【資源開発分野での関係強化】
ボリビア:国営鉱山公社とMOU締結【ウユニ塩湖リチウム資源産業化に向けた研究開発】
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 国営鉱山公社や主要企業とのトップ会談を実施、
協力枠組み(10件)を構築。
y 閣僚レベルが頻繁に行けない鉱物資源国での資
源外交支援。
y ウズベキスタン(4月, 23年2月)、アンゴラ(5月)、ナミビア(7月)、カザフスタン(7月)、マラウイ(7月)、モンゴル(7月)、ボリビア
(11月)、タンザニア(12月)と計11件のMOUを締結(平成20年度、21年度締結の7件とあわせ、第2期中でこれまで計18件)。
y 日本政府が実施する資源外交を情報面で支援
y 過去に締結したMOUに基づき、具体的協力事業を実施
y チリ銅委員会との定期意見交換会を実施し、日本企業より今後の自動車分野のリチウム需要について講演。
29
(2)金属資源国との共同事業の推進
① ベトナム:レアアース開発
• 我が国企業への鉱床採掘権付与につき、JOGMECがベトナム政府・関係国営
企業と度重なる協議を実施。
日越首脳会談にてズン首相から、「レアアース探鉱・開発等につき日本を
パートナーとする」旨表明(10月)
② ボツワナ・地質リモートセンシングセンター
• 平成22年度4カ国を加え、SADC諸国(南部アフリカ開発共同体)の計8カ国と
事業実施中。
⁃ ボツワナ、南アフリカ、ザンビア、モザンビーク、アンゴラ、ナミビア、マラウイ、タンザニア
センター事業への参加国から、これまでに白金・ニッケル等JV案件5件を
形成、探査実施中。
ボツワナ・地質リモートセンシングセンター
の地質調査風景
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 国営鉱山公社や主要企業とのトップ会談を実施、
協力枠組み(10件)を構築。
y 閣僚レベルが頻繁に行けない鉱物資源国での資
源外交支援。
y ベトナム:レアアース開発
⁃ 首脳会談を受け、両国政府はレアアース共同開発に係る作業部会を設置して協定書を交わす作業に着手。
y ボツワナ・地質リモートセンシングセンターの活動
⁃ 新規MOUを締結したアンゴラ、マラウィ及びタンザニアから、各国の地質調査所技術者(アンゴラ4名、マラウィ5名、タンザニア
5名)をセンターへ招聘し、リモートセンシング技術移転及び各国鉱物資源ポテンシャルに係る共同解析に着手。
⁃ SADC リモートセンシングセミナー・ワークショップを開催(7月)
30
③ ボリビア:リチウム開発
9 世界最大のリチウム資源国ボリビアに対し、JOGMECは平成20年から共同開
発を働きかけ。
• 仏、韓、中、ブラジル等が競合する中、我が国は、広範な人材育成・産業振興
パッケージを伴う共同開発提案を通じて互恵関係構築を目指す。
JOGMEC作成
⁃ JOGMECとボリビア鉱山公社 (COMIBOL)が、リチウム資源産業化に向けた研究・開発
に係るMOU締結(11月)。
⁃ モラレス大統領・菅総理の首脳会談にて、リチウム開発・産業化へ向け両国が共同で取
り組むことを盛り込んだ共同声明を発表(12月)。
⁃ 第2回経済開発セミナーをラパスで開催(23年2月)。ボリビア側はモラレス大統領出席。
⁃ JOGMEC-COMIBOL間のMOUに基づき、ボリビア側パイロットプラント設備に日本の資機
材・技術者を導入・派遣し、試験開始予定(23年7月以降)。
ボリビア・モラレス大統領と菅総理の
首脳会談(12月、東京)
出典:首相官邸ホームページ
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 国営鉱山公社や主要企業とのトップ会談を実施、
協力枠組み(10件)を構築。
y 閣僚レベルが頻繁に行けない鉱物資源国での資
源外交支援。
y ウユニ塩湖かん水からのリチウム回収プロジェクトに際し、日本企業による周辺インフラF/Sを支援。
y モラレス大統領来日時、経済産業大臣との会談に理事長が同席。日本へのリチウムの安定供給を要請すると共に、経済開発
セミナーの開催を提案(12月)。
y 第2回経済開発セミナーへの参加機関
⁃ ボリビア側:開発企画省、鉱業冶金省、炭化水素・エネルギー省、大統領府、経済・財務省、水・環境省、生産開発省、国営鉱
山公社、国立大学等(総勢約500名)
⁃ 日本側:経産省、JOGMEC、在ボリビア日本大使館、JICAボリビア事務所、産総研、京都大、自動車メーカー、電池メーカー等
y JOGMECが協力・関与するボリビア支援事業
⁃ 京都大学でのリチウム利用技術に係る研究員受入れ
⁃ 地熱資源利用可能性調査
⁃ サン・クリストバル鉱山(住友商事100%)における地下水の最適利用のための技術支援
⁃ 鉱山技術紹介ショートコース(JICAと共催)
⁃ 鉱山跡地に残る尾鉱等からの有価金属回収可能性調査
31
(3)人的ネットワーク構築
① メタルサルーン
9 在京大使館とメタルサルーンを共催。資源国大使館、内外企業、経済産業省、
大学等が一堂に会し、鉱物資源分野に留まらない意見交換を通じたネット
ワーク構築を図る。
⁃ 在京南アフリカ大使館(5月):6カ国86名参加
⁃ 在京チリ大使館(11月):7カ国65名参加
② 国際会議への参加・出展、要人往訪
• 探鉱・レアメタル・アフリカ鉱業等に関する主要国際会議に出展(7件)及び参
加(20件)
• 閣僚級 13名、各国大使等と会談。
在京チリ大使館で開催したメタルサルーン
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 国営鉱山公社や主要企業とのトップ会談を実施、
協力枠組み(10件)を構築。
y 閣僚レベルが頻繁に行けない鉱物資源国での資
源外交支援。
y 国際会議への出展、講演
⁃ 国際マイナーメタルズ会議@ロンドン(4月)、AMEC National Mining Congress 2010@パース(5月)、国際銅研究会@ニュー
ヨーク(6月)、Mining 2010@ブリスベン(10月)、コチルコとの情報交換会@サンティアゴ(12月)、Mining INDABA@南アフリカ
(23年2月)、PDAC@カナダ(23年3年)
y 要人面談の例
⁃ ウズベキスタン・ガニエフ副首相(4月)、カンボジア・ソック副首相(5月)、カナダ・パラディス天然資源大臣(6月)、モンゴル・ゾ
リグト鉱物資源・エネルギー大臣(7月)、コンゴ民主共和国・レイモン国際地域協力大臣(9月)、ボツワナ・マレス貿易産業大臣
(10月)、チリ・ゴルボーン鉱業大臣(11月)、サハ共和国・ボリソフ大統領(11月)、マラウイ・カンドド財務大臣(23年1月)、カメ
ルーン・バデル産業・鉱山・技術開発大臣(23年2月)、ウズベキスタン・アジモフ第1副首相(23年2月)、ザンビア・ムタティ商工
大臣(23年3月)、ボリビア・ピメンテル鉱業冶金大臣(11月)、ロシア・ベールイ駐日特命全権大使(23年2月)、エチオピア・リケ
駐日全権大使(23年2月)、SADC大使会議にて講演(23年2月)、VALE・アネェリ社長(5月)
32
2.知識・情報センター機能強化
(1)情報収集・分析・提供
① 金属資源の自給率に係る情報収集
• 政府の金属資源自給率目標や戦略レアメタルの策定に資するため、我が国の金属資源調達の状況を把握
するマテリアルフロー調査(46鉱種)を実施。
② レアメタル、レアアースの安定供給へ向け、日本企業へ情報提供
• 国内のレアメタル関係組織47者による会合「レアメタル・フォーラム」を事務局として開催。
③ 鉱業情報発信
• 各種の定期ニュース、調査レポート、成果報告会を通じ、タイムリーかつ大量に情報発信(次頁参照)。
ユーザー評価:刊行物/セミナーに対する肯定評価:86%/93%
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 近年の資源情勢を踏まえ、国の資源外交戦略や
我が国企業の資源戦略の検討・立案に貢献するた
め、情報提供を実施する。
y マテリアルフロー調査:鉱種毎に国内市場規模、輸出入動向、リサイクル率、我が国企業の海外投資状況等を調査し、マテリア
ルフローを定量的に推計。
y 海外事務所と連携し、我が国企業の活動に資する資源国投資環境調査(12ヶ国)、資源メジャー等動向調査(11社)、鉱業関連
法令調査、鉱産国における鉱業政策等調査(56ヶ国)、ベースメタル国際需給動向調査、SD・CDR調査(5ヶ国)等の調査研究を
実施。
y 中国での国際会議に7件参加し、情報収集を実施。
y レアアース鉱山等の放射性鉱物に関し、処理・処分技術の現状に係る調査を実施。
y 情報提供事業につき、5ヶ国の鉱業投資セミナーを開催。
y 刊行物の有料出版や有料広告掲載を実施。
y 成果発表会を12回開催。
y 「金属資源情報評価委員会」で企業の有識者に対するアンケート調査、評価委員会を実施。
33
調査レポートの発行
各種の調査結果を報告書やレポートとして発行。
・金属資源レポート
・資源国投資環境調査(12カ国)
・ウラン投資環境調査
・世界の鉱業の趨勢
・鉱物資源マテリアルフロー
・レアメタル・ハンドブック
・メタルマイニング・データブック
等々
最近の刊行物(金属資源情報センターの新着レポートコーナー)
定常的な情報発信
前中期期間実績
成果発表会
H22年度
ニュースフラッシュ
年平均1560件
1637件
カレントトピックス
年平均 94件
71件
成果発表会
年12回開催、平均39⼈/回
12回開催、853⼈参加 平均71⼈/回
⾦属資源レポート
年6回発⾏
メールマガジン
H19年度末登録者2710名
月
7%
27%
66%
参加者
4月
金属資源開発の動向
33名
5月
深海底鉱物資源の開発
90名
6月
レアメタルの動向
89名
6回発⾏、毎号で有料広告を掲載
7月
H21年度探査事業結果の概要
56名
H22年度末現在登録者数3657 名
8月
金属生産技術の開発
69名
9月
デマンド&サプライ(銅、亜鉛、鉛、ニッケル)
86名
9月
主要国の鉱業事情(駐在員帰国報告)
73名
11月
資源開発における水処理の最新技術開発
118名
11月
主要国の鉱業事情(駐在員報告)
72名
普通
12月
主要非鉄金属需給動向
40名
やや不満
1月
鉱害防止技術開発の実績と成果
23名
3月
資源メジャーの動向
108名
アンケート結果
セミナー
肯定的評価93%
テーマ
刊行物
肯定的評価86%
14%
大変良かった
31%
良かった
55%
不満足
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(2)人材育成
① 資源開発基礎講座
• 資源業界の若手職員をターゲットに、3回開催。
⁃ 第14回:鉄鉱石資源の基礎知識と最近の動向(7月、159名参加)
⁃ 第15回:深海底鉱物資源(海底熱水鉱床)の探査開発(23年2月、143名参加)
⁃ 第16回:鉱山開発と環境・社会規制(23年3月、74名参加)
② 大学との連携講義
• 包括連携協定等に基づき、JOGMEC職員を講師として派遣
⁃ 東京大「資源戦略学」(22年度前期講義)
⁃ 九州大「資源経済学」(22年集中講義)
⁃ 早稲田大「鉱物資源技術の最先端」(22年後期講義)
第15回資源開発基礎講座
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 公的知識・情報センターとして、セミナーや大学の
特別講義等人材育成機能を強化する。
y 資源関連テキストの発行・改訂
⁃ 「ベースメタル国際事情と我が国鉱物資源政策の変遷」:改訂発行(4月)
⁃ 「非鉄金属のしおり」:改訂発行(7月)
⁃ 「金属資源開発技術のしおり」:改訂発行(9月)
⁃ 「資源技術用語集」:発行(12月)
⁃ 「鉱物資源鉱床発見事例集」:編集中
y その他の人材育成支援・講演
⁃ (財)国際資源大学校が主催する国内若手技術者向け研修「資源開発研修」に、JOGMEC職員8名を講師として派遣。
⁃ 以下の講義・講演を実施:東北大学「エネルギー資源論」(6月、7月)、秋田大学あきたアーバンマイン開発アカデミー「最近の
資源動向と金属リサイクルの概要」(7月)、青山学院大学「モンゴルの鉱業事情」(12月)、日本鉱業協会「中国の鉛需要」(10
月)、日本無機薬品協会「海外鉱物資源の動向」(10月)、社団法人特殊鋼倶楽部「特殊鋼で使用される5種金属の現状」(12
月)、AOTS横浜研修センターカンボジア研修コース「Resources Business」(23年1月)、環境監査研究会「金属資源の持続可
能性」(23年1月)、エネルギー資源学会「世界の資源問題と日本の資源確保」(23年1月)
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3.金属資源探査
(1)外国鉱山会社・企業等との共同調査
① JV(ジョイント・ベンチャー)案件の引き継ぎ
• 有望鉱化帯を確認したブラジル・カラジャス、米国・モンテクリスト、チリ・アイスラーダの3案件
を我が国企業等へ譲渡。
⁃ 今中期目標期間中の案件引き継ぎ目標:6件以上に対し、これまで計5件を譲渡。
⁃ 平成22年度のJV調査は、113件の案件情報から抽出・契約に至った新規7件、前年度からの継続37
件と併せ、18カ国44地域でJV調査を実施(譲渡3件を含む)。
ベトナムにおけるボーリング調査
② レアメタル案件の進展
• チリ、米国、ボツワナ、ベトナムのレアメタルJV案件で、有望な調査成果相次ぐ。
(2)海外地質構造調査
• 地質構造調査・助成金交付により、初期段階の本邦企業探鉱を促進。平成22年度は6カ国
13件のプロジェクトを採択。
⁃ ラオスでの調査で鉱徴を確認。
⁃ モンゴルで初の企業探鉱支援を実施。
⁃ アルゼンチンでの探鉱は、開発に向けた調査を継続。
中期目標・計画のポイント
y レアメタル、ウラン、ベースメタルについて賦存状
況調査を実施し、そのうち6件以上を我が国企業に
引き継ぐ。
y 案件の発掘・形成については、独自の探査技術や
人的ネットワークを有機的に活用し、特に、レアメタ
ル、ウラン等についてはトップ資源外交と連携して
行う。
y 我が国企業が権益を保有する地域における地質
構造調査の実施及び助成金の交付を行い、レアメ
タル、ベースメタルについては9件、ウランについて
は4件を企業による精密探鉱、開発評価等に引き
継ぐ。
y 我が国企業からの申請受付後、採択を決定するま
での期間を6週間以内とする。
米国におけるボーリング調査
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 3案件の譲渡
⁃ ブラジル・カラジャス:入札(6月)により、住友金属鉱山(株)へ譲渡。
⁃ 米国・モンテクリスト:入札(6月)により、我が国企業の海外子会社へ譲渡。
⁃ チリ・アイスラーダ:入札(23年3月)により、丸紅(株)へ譲渡。
y 平成22年度JV調査の主な成果
⁃ チリ、米国、ボツワナ、アルゼンチン等において地質・地化学探査、ボーリング調査等を実施。これにより有望な鉱化帯を捕捉。
y ベトナムからの技術者を研修員として日本に受入れ(11月:9名、23年2月:2名)。
y 地質構造調査
⁃ 公募により1件(ラオス前期・後期)を採択。JOGMEC調査団が地質構造調査を実施。前期調査の沢砂地化学探査結果を踏ま
えて後期にグリッド地化学探査、トレンチ調査、物理探査等を実施し、鉱徴を捕捉。
y 企業探鉱費助成
⁃ 公募によりベースメタル4件、レアメタル1件、ウラン7件の計12件を採択。このうち2件は、JOGMECのJV調査から我が国企業
へ譲渡したプロジェクトを継続的に支援するもの。
y 以上の案件採択にあたっては、採択手続きを迅速化して企業からの申請を受付後6週間以内に採択決定を行った。
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4.リスクマネー供給等
(1)資産買収出資:法改正による新制度第1号・2号となる大型案件を採択
• 我が国フェロニオブ輸入の9割を供給する世界最大の生産企業へ出資(3月)。
高級鋼材に不可欠なレアメタルの安定調達に貢献。
⁃ ブラジルCBMM社株式の15%を日韓連合で取得。
⁃ 日本側(JOGMEC・双日・新日鉄・JFE)10%、韓国側(POSCO・政府年金基金)5%
⁃ JOGMEC 出資額:187億円
ブラジル・アラシャ鉱山全景
• 豪州で開発中のレアアース鉱山への出融資案件を採択(3月)。年間最大9,000ト
ン(日本消費量の約3割相当)×10年間のレアアース製品引取権を確保。
⁃ 豪州ライナス社の第2フェーズ開発資金:約200億円をJOGMEC・双日が出融資。
⁃ 平成22年度「レアアース総合対策」補正予算を活用。
開発中の豪州マウント・ウエルド鉱山
中期目標・計画のポイント
平成22年度実績
y 我が国企業の探鉱・開発活動に対し、出融資・債
務保証による金融支援を適切かつ効果的に実施
する。
y その際、政府保証付き長期借入金等を活用した海
外鉱山権益の資産買収出資や債務保証を効果的
に活用するとともに、長年の金属探査の技術的蓄
積を十分活用した審査・評価により優良案件を採
択する。
y ブラジル・CBMM社
⁃ ミナス・ジェライス州アラシャに世界最大のニオブ鉱山(埋蔵量:17億トン、生産量:72,000トン(H22年))と精製工場を保有。
⁃ 日本は、フェロニオブの総輸入量の約9割(年間約7,000t)を当該鉱山から確保している。
y 豪州・ライナス社
⁃ 西オーストラリア州でマウントウェルド・レアアース鉱山を開発中の豪企業。並行してレアアース製錬所をマレーシアに建設中。
⁃ 平成23年第3四半期から第1フェーズ(生産能力:11,000トン/年)の操業開始予定。同年末からジジム、セリウム、ランタン等レ
アアース製品の日本向け供給が開始の見込み。
⁃ 第2フェーズで鉱山・製錬所の拡張(追加生産能力:11,000トン/年)を行い、平成24年第4四半期から操業開始予定。
⁃ 双日は、第2フェーズ完工後10年間、年間最大9,000トンのレアアース製品引取権を獲得。
y 財務・法務等の国内外の外部専門家等の知見も
活用し、一層厳格なリスク審査体制を構築する。
y 企業ニーズを踏まえた、より利便性の高い制度を
構築する。
y 財務/税務、法務、HSEの外部専門家と案件審査支援に係る業務委託契約を締結(10月)。個々の案件に応じて、委託先の知
見も活用し、案件採択審査を一層厳格に実施。
y 積極的な制度利用促進のため、鉱山会社・商社等に対し制度改正を広報するとともに、集中的なヒアリングを実施。
37
(2)債務保証
• 資産買収出資案件(ブラジル・ニオブ)に係る債務保証を採択(3月)。
⁃ 日本勢が共同設立するSPCの市中借入の一部に対する債務保証:元本約100億円
• 平成21年度債務保証採択案件:チリ・エスペランサ銅鉱山から日本向け精鉱
出荷開始(23年1月)。
⁃ エスペランサ鉱山からは年間約30 万トン(我が国銅精鉱輸入量の約6%に相当)が日
本の製錬所に供給される見込み。
(3)探鉱出・融資
• ナミビア出資案件を検討中。
• 新規案件(フィジー)1件を含め、7件約41億円の探鉱融資を実行。
中期目標・計画のポイント
y 我が国企業の探鉱・開発活動に対し、出融資・債
務保証による金融支援を適切かつ効果的に実施
する。
y その際、長年の金属探査の技術的蓄積を十分活
用した審査・評価により優良案件を採択する。
平成22年度実績
y 探鉱出資案件
⁃ ナミビアのカントリーリスク対抗の観点から出資実行を検討中。
y 探鉱融資案件
- ベースメタル案件(フィジー1件、豪州2件、ペルー1件):貸付額29.1億円
- レアメタル案件(米国1件、ソロモン1件):貸付額5.06億円
- 金案件(日本1件):貸付額7.3億円
y 融資先企業の21年3月期決算を基にした財務分析・担保再評価を行い、全融資案件における債権リスク管理を実施。
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(4)鉱山周辺インフラF/S支援
• 我が国企業の資源開発プロジェクトの周辺インフラ整備に係るF/S支援を実
施。提案公募により、以下の5件を採択。
⁃ ボリビア:資源開発における熱供給発電事業計画調査
⁃ ラオス:産業道路等整備調査
⁃ ブルキナファソ:鉄道整備調査
⁃ フィジー:道路・橋梁等インフラ整備調査
⁃ ペルー:小規模水力発電インフラF/S
橋脚付近でのボーリング調査@ラオス
⁃ ボリビア経済開発セミナー(23年2月)において、過年度実施の「資源開発に関する熱供
給インフラ」に係る調査結果を報告。
中期目標・計画のポイント
y 公的知識・情報センターとして、我が国企業の探
鉱・開発・関連技術戦略の検討・立案に対してニー
ズにあった情報を提供する機能の強化を図る。
平成22年度実績
y 採択案件の提案企業
⁃ ボリビア案件:住友商事・三菱商事・日鉄鉱コンサルタント
⁃ ラオス案件:日鉄鉱業・双日・日鉄鉱コンサルタント
⁃ ブルキナファソ案件:三井物産・オリエンタルコンサルタンツ
⁃ フィジー案件:三菱マテリアル・三菱マテリアルテクノ
⁃ ペルー案件:三井金属鉱業・三井金属エンジニアリング・三井金属資源開発
39
5.深海底鉱物資源開発
(1)海底熱水鉱床
• 第1期中間評価を実施し、「海洋エネルギー・鉱物資源
開発計画」に沿った着実な進捗を確認。
⁃ 資源量評価:第2白嶺丸を用い、沖縄海域及び伊豆・小笠原海
域のモデル鉱床を詳細調査。概略資源量を推定。
⁃ 環境影響評価:現時点では、両海域に固有の生物は認められ
ず、開発対象にできること確認。
⁃ 採鉱技術:気象条件などを踏まえ、採掘、揚鉱、採鉱母船シス
テムの全体構成を決定。また、小型の要素試験機の製作に着
手し、陸上試験データ等、着実にデータを取得。
⁃ 選鉱・製錬技術:ビーカースケールでの実験の結果、最適な金
属回収プロセスを提案。
鉱床の推定断面図(鉱床モデル)
採鉱システムのイメージ図
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 海洋資源権益確保を図るための海洋資源調査を
実施。
y 海底熱水鉱床を対象に資源ポテンシャル把握。並
行して環境影響評価、採鉱技術等について検討し
予備的経済性評価を実施。
y 海底熱水鉱床
⁃ 資源量評価では沖縄及び伊豆・小笠原海域において第2白嶺丸を用いて7航海225日の調査を行い、沖縄海域で35孔
(298.8m)、伊豆・小笠原海域で10孔(65.6m)のボーリング調査を実施。鉱床モデルを構築し、海域の概略資源量を推定。
⁃ 環境影響評価において、沖縄及び伊豆・小笠原海域において、JAMSTECの調査船を活用し、各海域の環境データ収集を行う
と共に、底生生物・微生物を採取し遺伝子解析を実施。また、予測モデルを開発。
⁃ 採掘・揚鉱・採鉱母船システムから構成される採鉱システムの概念検討に着手し、気象条件などを踏まえ、採鉱システムの全
体構成を決定した。また実証試験機の設計に反映させるため、小型の要素技術試験機の製作と陸上試験を実施。
⁃ 海底熱水鉱床鉱石からの金属回収技術について、既存プロセス及びその応用技術についての基礎的検討を行い、現時点で
の最適選鉱・製錬プロセスを提案。
⁃ 中間評価を実施し、海洋実証試験候補海域を選定した。
40
(2)コバルトリッチクラスト
• 有望海域選定に資するデータを取得
⁃ 低潮線保全法及び閣議決定に基づいて南鳥島周辺海域を調査中。
(3)成果の発信
コバルトリッチクラスト(海底写真)
• 成果発表会、ブース出展、国内外の学会、講演会、学会誌等でJOGMEC
の取り組み状況を積極的に発表することにより、民間企業、研究者、国民
に広く情報を提供。
船の祭典2010(高松)でのセミナー風景
中期目標・計画のポイント
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 海洋資源権益確保を図るための海洋資源調査を
実施。
y コバルトリッチクラスト
⁃ 南鳥島周辺海域において、第2白嶺丸を用いて1航海27日間の調査を実施。ボーリング調査により詳細なクラスト層厚・品位
等の資源情報を取得するとともに、過年度データを含めたデータコンパイルを実施。
y 海外動向の把握
⁃ 公海域における探査規則案等に関する動向調査【4/19-5/7】:ジャマイカ・キングストンで開催された国際海底機構の年次総会
に、JOGMECは法律技術委員及び我が国代表団の技術アドバイザーとして出席。海底熱水鉱床の探査規則案の審議状況及
び各国動向を把握。また、コバルトリッチクラストの探査規則の情報収集も併せて実施。
⁃ 開発動向情報収集【5/3】:米国・ヒューストンで開催された国際会議(OTC2010)の海底熱水鉱床開発に関する技術セッション
に参加し、民間企業による熱水鉱床の開発動向を把握。
⁃ 【10/4-10/6】:ロシア・ゲレンジックで開催された海底鉱業国際会議(UMI2010)に参加し、ロシア、韓国等による公海域での資
源調査の動向等を把握。
y 成果の発信
⁃ 成果発表会(5/27)、ブース出展(船の祭典2010(高松)、テクノオーシャン2010(神戸))、海洋資源・産業ラウンドテーブル
(7/28)、資源開発基礎講座(2/2)、国内外の学会、学会誌等を通じてJOGMECの取り組み成果を広く民間企業、研究者、国民
に情報提供を行った。
41
(4)新海洋資源調査船の建造調達
• 平成24年2月の就航を目指し、世界最新鋭の新調査船建造は順調に進捗
⁃ 平成22年1月12日: 三菱重工業㈱と建造調達契約を締結。
⁃ 平成22年7月8日: 下関造船所で起工。
⁃ 平成23年3月23日: 命名・進水式。船名は「白嶺」。
⁃ 平成24年1月末: 今後の艤装(内装)工事を経て、完成予定。
⁃ 搭載する付属大型調査機器や各種室内分析機器等の調達にかかる製造、購入契約
を締結完了(~12月)。
⁃ 艤装員の派遣等運航関連業務の委託先を選定し、12月から業務開始。
⁃ 新調査船基地(付属調査機器保管庫)に船橋市の千葉港葛南東部地区を選定、確保。
④
①
「白嶺」の概要
(諸元)
②
・総トン数:約6,200トン
・全長×幅:118m×19m
③
・航続距離:約9,000マイル ①船尾大型クレーン(Aフレーム)
※船尾からの機器等の投入/揚収時に使用
・航海速度:15.5ノット
②アジマススラスタ
③バウスラスタ
④船上設置型ボーリングマシン
河野理事長による支綱(しこう)切断
中期目標・計画のポイント
y 海洋資源調査試験船の仕様を決定し、調達に必
要な手続きを行う。
進水した新調査船 「白嶺」
上記以外の平成22年度実績・補足事項
y 付属大型調査機器(船上設置型ボーリングマシン、海底着座型ボーリングマシン、遠隔操作探査機、パワーグラブ、海底熱水鉱床採掘要
素技術試験機等)は、企画競争または一般競争入札で調達先を選定。
y 今年1月から下関造船所に艤装員3名を派遣。また、定点保持操作講習や有索潜水調査機の操作訓練を受講。
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