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平成26年度 成長分野における中堅・中小IT関連企業

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平成26年度 成長分野における中堅・中小IT関連企業
経済産業省関東経済産業局事業
平成 26 年度
成長分野における中堅・中小 IT 関連企業の
知財活用によるイノベーション創出に向けた実態把握調査
調査報告書
平成 27 年 3 月
みずほ情報総研株式会社
「平成 26 年度成長分野における中堅・中小 IT 関連企業の知財活用によるイノベーション
創出に向けた実態把握調査」は、経済産業省関東経済産業局との請負契約に基づき、みず
ほ情報総研株式会社が実施したものです。本報告書の引用・転載には、経済産業省関東経
済産業局の許可が必要です。
目
第1章
次
事業概要 .........................................................................................1
1.
調査の背景 .............................................................................................................. 1
2.
調査の目的 .............................................................................................................. 2
3.
実施内容 ................................................................................................................. 3
4.
実施体制 ................................................................................................................. 4
第2章
1.
2.
3.
広域関東圏の成長分野を支える IT 関連企業の実態 ........................ 5
広域関東圏における IT 関連企業の立地分布・集積状況・業種構造 ....................... 5
1.1
我が国における IT 関連企業の広域関東圏への立地・集積状況 ................................. 6
1.2
広域関東圏内における IT 関連企業の立地・集積状況 ............................................... 13
広域関東圏における IT 関連企業に関するアンケート調査結果 ............................ 68
2.1
調査概要 ........................................................................................................................... 68
2.2
調査結果要約 .................................................................................................................... 70
広域関東圏における IT 関連企業の事業動向ヒアリング調査結果 ........................104
3.1
静岡県(浜松地域)における組込みシステム・ソフトウェア産業動向と振興施策 .... 104
3.2
長野県における組込みシステム・ソフトウェア産業動向と振興施策 ................... 107
3.3
群馬県における組込みシステム・ソフトウェア産業動向と振興施策 ................... 110
3.4
多摩地域(八王子)におけるソフトウェア産業動向と振興施策 ........................... 112
4.
広域関東圏における IT 関連産業の特徴と期待 .................................................... 115
5.
IT を活用したイノベーション創出に係る課題 ..................................................... 118
第3章
1.
2.
3.
成長分野における IT 活用の先行事例 ......................................... 121
中堅・中小 IT 企業による IT を活用したイノベーション創出事例 ......................121
1.1
中堅・中小 IT 企業による成長分野への参入動向 ..................................................... 121
1.2
成長分野への参入事例 .................................................................................................. 126
IT を活用したイノベーション創出事例の事業者ヒアリング ................................230
2.1
調査概要 ......................................................................................................................... 230
2.2
調査結果 ......................................................................................................................... 233
IT を活用したイノベーション創出プロセスにおける課題と成功ポイント...........256
第4章
IT 活用によるイノベーション創出のための支援策の在り方の検証.... 259
1.
支援策の在り方の検討 .........................................................................................259
2.
実施した支援策の内容 .........................................................................................267
3.
支援策の有効性に関する検証 ...............................................................................286
4.
3.1
調査方法 ......................................................................................................................... 286
3.2
調査結果 ......................................................................................................................... 287
3.3
調査結果からみた今回の支援策の総括 ...................................................................... 310
3.4
支援策としてのアイディアソン・ハッカソンの有効性についての検証結果 ........ 313
今後求められる支援策の在り方 ...........................................................................315
4.1
アイディアソン・ハッカソンによるイノベーション創出支援策のポイント ........ 315
4.2
今後のイノベーション創出促進に向けて................................................................... 317
第5章
【補足資料】企業アンケート集計結果 ....................................... 319
1.
回答企業属性 .......................................................................................................319
2.
設問回答結果 .......................................................................................................329
第1章 事業概要
1.
調査の背景
平成 26 年 3 月に策定された「関東地方産業競争力強化戦略」では、広域関東圏におい
て成長ポテンシャルがあり、かつ、政策投入により更なる発展が見込まれる「成長産業」
として、ヘルスケア産業1、環境・エネルギー関連産業2、先端ものづくり産業3、クリエ
イティブ産業の4つの産業が注目されている。広域関東圏4において新たなイノベーショ
ンの創出を図るためには、成長分野における知的財産(知財)やノウハウ活用、様々な
分野の融合によるオープンイノベーションの支援など、いわゆる「成長産業」の育成と
一体となった総合的な支援策を講じることが重要である。
成長産業の発展を促進する鍵の一つとして、情報通信技術(IT)の活用が挙げられる。
インターネットが経済活動や日々の生活に浸透する中、あらゆる産業分野において、IT
はその産業の成長を支えるとともに、課題解決及びソリューション提供の役割を担って
いる。特に広域関東圏は、我が国の中でも IT に関する企業が非常に多く立地・集積して
いる地域であり、例えば、「高度 IT」に関する特許出願の比率をみると、広域関東圏が
全国の約 90%を占めている。
成長産業と IT の融合によるイノベーションとして、IoT(Internet of Things)や M2M
(Machine to Machine)の進展により、IT の活用を起点として、多様な産業が構造変化を
遂げて生み出す新ビジネスに注目が集まっている。例えば、ユーザーの健康維持や医療
費抑制といった社会ニーズの高まりを背景に、健康・医療・介護分野における IT 活用が
注目されている。こうした状況を踏まえると、広域関東圏への集積度が高い「高度 IT」
と「成長産業」の融合によるイノベーション創出を推進することによって、「成長産業」
の発展が、今後より一層加速されることが大いに期待される。
「高度 IT」の担い手として、地域の中堅・中小 IT 関連企業が成長分野に参入し、競
争力を高める上では、単なるソフトウェアメーカーや部品供給メーカーとしての貢献に
とどまるだけでなく、戦略的な知財マネジメントを実施し、成長を自社ビジネスに取り
込むことが重要である。例えば、知財のオープン・クローズ戦略の重要性が指摘されて
いるが、成長分野において付加価値を獲得していくためには、地域の中堅・中小 IT 関連
企業は、セットメーカー・サービス提供事業者等が、ビジネスの上流工程から連携し、
適切な知財マネジメント等を実施しながらイノベーションを創出し、国内外の市場を攻
略していくことが求められる。
1
「ヘルスケア産業」とは、医療機器産業、介護・福祉機器及び関連サービス産業、革新的医薬品産業、高齢者向け
食品・機能性食品関連産業、健康・未病関連産業をいう。
2
「環境・エネルギー関連産業」とは、エネルギー・マネジメント関連産業、再生可能エネルギー等関連産業をいう。
3
「先端ものづくり産業」とは、航空宇宙産業、次世代自動車産業、先端ものづくりを支える産業をいう。
4
「広域関東圏」とは、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、山梨県及
び静岡県の 1 都 10 県を含む地域である。
1
他方、
「高度 IT」の担い手と期待される地域の中堅・中小 IT 関連企業は、成長分野に
参入しづらい構造的な課題を抱えている。例えば、関東地方に集積する情報サービス・
ソフトウェア業(受託システム・ソフトウェア開発等を担う業種)は、大手企業を頂点
とする多重下請構造と呼ばれる産業構造を持ち、高い技術力を持つ中堅・中小 IT 企業で
あっても、大手企業のシステム・ソフトウェア開発業務の部分的な請負や人材派遣等の
労働力の提供を主力事業としている場合が多くみられる。また、ハードウェア分野にお
いても、中堅・中小企業が大手メーカーの下請先としてハードウェア部品の提供を主力
事業としている場合が多く、高い技術力を必ずしも自社の成長に結びつけていないこと
が課題となっている。
また、中堅・中小 IT 関連企業の事業創出過程においては、事業開発のための資金調達
や販路確保等の課題も山積しており、事業展開に至る前段の構想過程に“深く大きな溝”
(キャズム)が存在している。さらに、人材不足や組織に関する課題の中には、規模の
小さい中小企業単独では解決が難しい課題も存在する。このような様々な課題を乗り越
え、地域の中堅・中小 IT 関連企業が成長分野への参入やそこでの成長を実現するために
は、中堅・中小 IT 関連企業が抱える課題の解決を後押しすることができるような効果的
な支援策が必要である。
2.
調査の目的
上述の背景を踏まえて、本調査では、成長分野を支える広域関東圏の中堅・中小 IT
関連企業の事業動向や課題等の実態について把握するとともに、IT を活用した成長分野
の先行事例についての調査を行った。
また、これらの調査の結果を踏まえて、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参入を
促進するための支援策について検討を行った上で、その支援策の有効性に関する検証を
実施し、結果を取りまとめた。
これらの結果を通じて、本調査では、中堅・中小 IT 関連企業の実態を把握するととも
に、今後、成長分野において中堅・中小 IT 関連企業のイノベーション創出を促進するた
めの課題や方策等を整理した。
2
実施内容
3.
本事業の実施内容は、以下のとおりである。
1
広域関東圏の成長分野を支える
IT関連企業の実態把握
2
成長分野における
IT活用の先行事例研究
 各種既存統計・データ等に基づく文献調査
 各種既存文献を活用した事例抽出(文献調査)
 自治体・産業支援機関等に対するヒアリング調査
 注目すべき中堅・中小IT関連企業に対するヒアリング調査
 中堅・中小IT関連企業に対するアンケート調査
 商品・サービス提供企業(ユーザー)に対するヒアリング調査
3
IT活用によるイノベーション創出のための
支援策の在り方の検証
 ①及び②の調査結果に基づく課題の整理
 中堅・中小IT関連企業の新たな支援策の在り方に関する検討
 支援策の有効性に関する検証
図 1-1
本事業の全体像
(1) 広域関東圏の成長分野を支える IT 関連企業の実態把握
広域関東圏における成長分野を支える中堅・中小 IT 関連企業の立地分布、集積状況、
業種構造等について地域の実態を明らかにするほか、中堅・中小 IT 関連企業の事業動向
等について文献調査、アンケート調査、ヒアリング調査等により実態把握を行い、成長
分野を支える IT 関連企業の特徴や課題を抽出した。
(2) 成長分野における IT 活用の先行事例研究
成長分野において IT を活用して新たなイノベーションを創出している事例(IT×「成
長産業」)を抽出し、商品・サービスを提供している事業者及び中堅・中小 IT 関連企業
のビジネスモデルを分析するほか、参入しているプレイヤーの知財管理・活用の現状及
び参入障壁等の課題について整理・検討した。課題の整理・検討にあたっては、参入の
きっかけや成長分野の特性・ステージ、中堅・中小 IT 関連企業の経営環境等に着目した。
(3) IT 活用によるイノベーション創出のための支援策の在り方の検証
(1)、
(2)の調査結果にもとづき、広域関東圏における中堅・中小 IT 関連企業の成長
分野への参入を促進するため、IT 活用によるイノベーション創出のための支援策の在り
方について検討を行った上で、検証事業を行い、支援策としての有効性等について考察
した。また、支援策の今後の在り方や実施上の留意点等についてもあわせて取りまとめ
た。
3
4.
実施体制
本事業の実施体制を、以下に示す。
本事業は、経済産業省関東経済産業局との請負契約に基づき、みずほ情報総研株式会
社が実施した。
経済産業省
関東経済産業局
地域経済部情報政策課
みずほ情報総研株式会社
コンサルティンググループ
経営・ITコンサルティング部
図 1-2
実施体制図
4
第2章 広域関東圏の成長分野を支える IT 関連企業の実態
本章では、広域関東圏における成長分野を支える中堅・中小 IT 関連企業の立地分布、
集積状況、業種構造等について地域の実態を示した。また、中堅・中小 IT 関連企業の事
業動向等に関するヒアリング調査結果を踏まえ、成長分野を支える IT 関連企業の特徴や
課題を抽出した。
1.
広域関東圏における IT 関連企業の立地分布・集積状況・業種構造
本節では、広域関東圏における IT 関連企業の立地分布・集積状況・業種構造を文献、
Web 公表資料等の基に調査した結果を示す。
IT 関連企業は、電子デバイス~ソフトウェア・サービスに渡る広範囲な業種を対象と
し、明確に定義することが難しい。そのため、以下では、IT 関連企業を①情報サービス
業、②組込みソフトウェア業、③インターネット付随サービス業、④IT 関連ハードウェ
ア関連業(電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械
器具製造業)と置いた上で、企業の立地・集積状況を分析した。
企業の立地・集積状況の分析に用いた情報は、基本的に、総務省が実施した「平成 24
年経済センサス‐活動調査」の調査結果5である。
なお、産業分類上、①情報サービス業に②組込みソフトウェア業が含まれるが、②組
込みソフトウェア業の事業所全国総数は、①情報サービス業の事業所全国総数の 2.1%と
小さいため、情報サービス業を基本的にはソフトウェアおよび IT サービス全般等を担う
業種として取り扱う。
5
http://www.stat.go.jp/data/e-census/2012/index.htm
5
1.1
我が国における IT 関連企業の広域関東圏への立地・集積状況
本節には、「平成 24 年経済センサス‐活動調査」の都道府県別の事業所数の調査結果
に基づき、①~④の業種別に、全国の地域別6の事業所数の割合を示す。これらの結果を
見ると、我が国における IT 関連産業の事業所のうち、広域関東圏が占める割合は、①~
④のいずれの業種においても他の地域に比べて高く、全国の半数を超える事業所が広域
関東圏に立地していることが読み取れる。
(1) 情報サービス業
情報サービス業は、広域関東圏への集中度が高く、53%に及ぶ。また、従業員数の割
合に関しては、広域関東圏への集中度が高く、67%が広域関東圏の事業所の従業員が占
める。情報サービスに関しては、特に東京に立地する事業所数は、全国の 31%に及び、
集中的な立地状況にあることが伺われる。他地域における立地状況も、関東に続いて近
畿、中部の順であり、大都市を抱える地域に集積している。その理由として、情報サー
ビスの発注元であるユーザー企業の本社や拠点が大都市部に所在していること、労働集
約的な産業である情報サービス業に従事する従業員(エンジニア)を確保しやすいこと
などが挙げられる。また、従業員の広域関東圏への集積率が高い理由として、他地域と
比較して、従業員数規模の大きい事業所が東京やその周辺部に多いためと考えられる。
沖縄, 311, 1%
四国, 662, 2%
中国, 1,506, 4%
北海道, 1,219, 3%
東北, 1,498, 4%
九州, 2,664, 8%
北海道
東北
関東
関東, 7,739, 22%
近畿, 5,637, 16%
東京
中部
近畿
中国
中部, 3,152, 9%
四国
東京, 10,911, 31%
九州
沖縄
図 2-1
6
地域別事業所数の割合(情報サービス業)
各経済産業局が所管する都道府県を集計した。関東に関しては、東京の事業所数が多いため、関東から分離し集
計した。そのため、広域関東圏の事業所数は、関東と東京の合計数となる。この調査結果は、事業所や帰属する
企業の規模の大小は考慮していない。そのため、中小・中堅~大企業を問わない業種の立地状況を示したもので
ある。
6
沖縄, 7,026, 1%
九州, 50,088, 5%
四国, 9,442, 1%
北海道, 22,709, 2%
東北, 25,985, 2%
中国, 25,770, 2%
北海道
東北
関東, 191,010, 18%
近畿, 130,981, 13%
関東
東京
中部
中部, 68,597, 7%
近畿
中国
四国
九州
東京, 513,171, 49%
図 2-2
沖縄
地域別従業員数の割合(情報サービス業)
(2) 組込みソフトウェア業
組込みソフトウェア業に関しても、広域関東圏に立地する事業所数が全国の 52%を占
める。製造業が盛んな近畿、中部地区を合算した割合も、30%と一定の割合を占めるが、
広域関東圏と比べ割合は低い。情報サービス業と比べると、東京に立地する割合がやや
低く、相対的に東京以外の広域関東圏に立地する事業所の割合が高い。
四国, 6, 1%
九州, 40, 沖縄, 2, 0%
5%
北海道, 21, 3%
中国, 17, 2%
東北, 49, 7%
北海道
東北
関東
東京
近畿, 136, 18%
関東, 218, 30%
中部
近畿
中国
中部, 90, 12%
四国
九州
沖縄
東京, 159, 22%
図 2-3
地域別事業所数の割合(組込みソフトウェア業)
組込みソフトウェア企業の発注元あるいは組込みソフトウェアと関連性が高いと考え
られる、④IT 関連ハードウェア関連業(電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機
械器具製造業、情報通信機械器具製造業)の事業所数との相関を図 2-4 に示す。
この結果を見ると、組込みソフトウェア業の事業所数と IT 関連ハードウェア業の事業
所数には相関が見られ、IT 関連ハードウェアに組み込まれるソフトウェアを開発する組
7
込みソフトウェア業が、同地域に立地する傾向が高いことが伺われる。ただし、広域関
東圏に関しては、全国の相関からはやや外れ、電機・電子・情報関連のハードウェア業
の発達した地域以外に、別の理由が立地に影響している可能性もある。
14000
関東(東京を除く)
電機・電子・情報機器製造
12000
10000
R² = 0.8671
8000
近畿
6000
東京
中部
4000
2000
0
0
図 2-4
50
100
150
組込みソフトウェア
200
250
組込みソフトウェア業と IT 関連ハードウェア業の地域別事業所数の相関
7000
関東(東京を除く)
6000
機械系製造
5000
中部
R² = 0.5559
4000
3000
2000
近畿
東京
1000
0
0
図 2-5
50
100
150
組込みソフトウェア
200
250
組込みソフトウェア業と機械系製造業の地域別事業所数の相関
同様の相関を図 2-5 の機械系製造業の地域別の事業所数でみると、IT 関連ハードウェ
ア業と類似の相関は見られるが、IT 関連ハードウェアと比較して、東京や広域関東圏の
みならず中部地区も含めややばらつきが大きい。
8
組込みソフトウェア業の従業員数の割合に関しては、広域関東圏への集中度が約 50%
と高いが、情報サービス業とは異なり東京以外の広域関東圏の従業員が占める割合が高
い。また、中部の組み込みソフトウェア業の従業員数の割合は全国の 22%を占め、情報
サービス業と比較して割合が高い。また、事業所数が占める割合に比べ従業員数の占め
る割合が高いことから、他地域に比較して規模の大きい事業所が所在していると推測さ
れる。
四国, 69, 0%
九州, 873, 3%
沖縄, 11, 北海道, 0%
843, 3%
中国, 727, 2%
東北, 1,207, 4%
北海道
東北
近畿, 4,422, 13%
関東
東京
関東, 10,834, 32%
中部
近畿
中部, 7,322, 22%
中国
四国
九州
沖縄
東京, 7,193, 21%
図 2-6
地域別従業員数の割合(組込みソフトウェア業)
9
(3) インターネット付随サービス業
インターネット付随サービス業は、広域関東圏への集中度が高く、55%に及ぶ。また、
従業員数の割合に関しては、広域関東圏への集中度が高く、74%が広域関東圏の事業所
の従業員が占める。全国の 37%の事業所、従業員数の 65%を東京が占めるなど、インタ
ーネットによる情報発信等の業務が東京および大都市に集中していることが分かる。事
業所数と比較して、従業員数の割合が東京に集中している理由は、東京に所在するイン
ターネット付随サービス企業の規模が地域と比べて相対的に大きいためと考えられる。
沖縄, 43, 1%
四国, 56, 1%
中国, 144, 4%
北海道, 121, 3%
東北, 137, 4%
九州, 253, 7%
北海道
東北
関東
関東, 669, 18%
近畿, 617, 17%
東京
中部
近畿
中国
中部, 284, 8%
東京, 1,373, 37%
四国
九州
沖縄
図 2-7
地域別事業所数の割合(インターネット付随サービス)
四国, 九州, 2,170, 4%
267, 1%
沖縄, 618, 1%
北海道, 1,333, 3%
東北, 1,643, 3%
中国, 779, 1%
中部, 2,802, 5%
近畿, 4,485, 8%
関東, 4,643, 9%
北海道
東北
関東
東京
中部
近畿
中国
東京, 35,421, 65%
四国
九州
沖縄
図 2-8
地域別従業員数の割合(インターネット付随サービス業)
10
(4) IT 関連ハードウェア業
IT 関連ハードウェア業に関しては、広域関東圏に立地する事業所が占める割合が高い
が、広域関東圏のうち、東京に立地する事業所の割合が相対的に低く、東京以外の広域
関東圏に事業所が立地する割合が高い点が特徴的である。また、近畿の割合も 18%と割
合が高い。IT 関連ハードウェアに付随する組込みソフトウェア等の事業所数が東京以外
の広域関東圏、近畿に多い背景の一つとなっている。
九州, 1,405, 5%
沖縄, 21, 0%
北海道, 265, 1%
四国, 428, 1%
東北, 2,259, 7%
中国, 1,245, 4%
北海道
東北
関東
東京
近畿, 5,559, 18%
中部
関東, 12,043, 39%
近畿
中国
中部, 3,679, 12%
四国
九州
沖縄
東京, 4,046, 13%
図 2-9
地域別事業所数の割合(IT 関連ハードウェア業)
IT 関連ハードウェア業に従事する従業員数の地域別の分布は、概ね事業所数分布と類
似した分布であり、東京を除く広域関東圏の割合が高い。
沖縄, 313, 0%
四国, 26,022, 2%
中国, 63,453, 5%
北海道, 10,013, 1%
九州, 東北, 103,280, 129,775, 10%
8%
北海道
東北
関東
東京
中部
近畿, 228,018, 17%
関東, 459,664, 34%
近畿
中国
四国
中部, 173,295, 13%
九州
沖縄
東京, 140,906, 10%
図 2-10
地域別従業員数の割合(IT 関連ハードウェア)
11
IT 関連ハードウェア関連業以外の機械系ハードウェア業(はん用機械器具製造業、生
産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業、輸送用機械器具製造業)の事業所数の割
合を見ると広域関東圏の占める割合が高いが、近畿、中部の割合も比較的高いことが分
かる。近年、機械分野においても IT による制御機能が重要となっており、こうした業種
に対応する組込みソフトウェアの需要が存在すると見られる。
IT 関連ハードウェア業や機械系ハードウェア業の企業の中には、
(2)で示した組込み
ソフトウェア業として独立することなく、企業・事業所内で機械やデバイス向け組込み
ソフトウェアを開発している例もあると想定される。
九州, 4,015, 5%
四国, 2,082, 2%
沖縄, 73, 0% 北海道, 1,040, 1%
東北, 3,772, 4%
中国, 5,100, 6%
近畿, 16,793, 19%
関東, 31,437, 35%
北海道
東北
関東
東京
中部
近畿
中国
四国
九州
沖縄
中部, 16,370, 18%
東京, 8,584, 10%
図 2-11
地域別事業所数の割合(機械系ハードウェア業)
12
1.2
広域関東圏内における IT 関連企業の立地・集積状況
本節では、広域関東圏内における IT 関連企業の立地状況等を調査した結果を示す。
また、産業集積把握の観点から広域関東圏内における各都県の IT 関連産業振興施策、
産業振興拠点に関する調査結果を示す。
1.2.1
広域関東圏内の IT 関連企業の立地概況
(1) 情報サービス業
① 事業所分布
図 2-12 には、広域関東圏内の情報サービス業の事業所数分布を示した。広域関東圏
内の約 60%は東京に立地している。東京についで事業所数が多い地域は、神奈川県、埼
玉県、千葉県の順であり、東京に隣接した地域に情報サービス業が集中している。それ
以外の県では、静岡県の事業数が比較的多い。
山梨, 159, 1% 長野, 470, 3%
新潟, 438, 2%
静岡, 760, 4%
栃木, 317, 2%
群馬, 355, 2%
茨城, 542, 3%
千葉, 905, 5%
埼玉, 1,097, 6%
東京, 10,911, 58%
神奈川, 2,696, 14%
図 2-12
東京
神奈川
埼玉
千葉
茨城
群馬
栃木
静岡
山梨
長野
新潟
広域関東圏内の都県別事業所数の割合
(情報サービス業)
② 従業員分布
広域関東圏の情報サービス業に従事する従業員数の分布は、事業所数の多い東京、神
奈川に集中している。特に、東京への集中度が高く、広域関東圏の 73%に及び、東京一
極集中の傾向が強い。こうした傾向は、従業員の多い、大手情報サービス企業が東京に
立地していることや、人口が多い東京が情報サービスに従事する人材を確保しやすいこ
となどが背景になっていると推測される。
13
群馬, 5,973, 1%
静岡, 12,997, 2%
栃木, 5,218, 1%
山梨, 長野, 7,744, 1%
1,987, 新潟, 7,635, 1%
0%
茨城, 13,574, 2%
千葉, 20,841, 3%
埼玉, 14,307, 2%
東京
神奈川
埼玉
千葉
茨城
群馬
栃木
静岡
山梨
長野
新潟
神奈川, 100,734, 14%
東京, 513,171, 73%
図 2-13
広域関東圏内の都県別従業員数の割合
(情報サービス業)
③ 企業規模分布
図 2-14 には、従業員数規模別に広域関東圏内各都県別の企業数の割合を示した。こ
の結果を見るといずれの都県においても 100 名未満の情報サービス企業の割合が高く、
情報サービス業では、中堅・中小の企業の割合が高いことが分かる。広域関東圏の都県
別には、東京は、比較的従業員数の多い企業が立地する割合が他県に比べて高く、埼玉
県、栃木県、千葉県は 30 人未満の企業の割合が高く、中小企業の比率が高い。
100%
90%
92
198
448
14
32
65
186
0
5
18
44
1
6
37
0
4
10
13
1
3
10
1
3
14
41
0
1
18
0
4
50
11
0
3
8
21
0
3
9
29
1141
80%
70%
60%
1,000人~
50%
40%
1807
612
6513
795
226
300~999人
169
298
460
90
272
221
100~299人
30~99人
30%
0~29人
20%
10%
0%
図 2-14
従業員規模別の企業数割合(情報サービス業)
14
(2) 組込みソフトウェア業
① 事業所分布
図 2-15 には、広域関東圏内の組込みソフトウェア業の事業所数分布を示した。広域
関東圏内の約 42%は東京に立地している。東京についで事業所数が多い地域は、神奈川
県、静岡県、埼玉県・長野県の順であり、東京に隣接した地域に集中的な立地が見られ
る情報サービス業とは分布が異なる。東京の集積に関しても、情報サービス業では 6 割
近くの事業所が東京に立地するの対し、組込みソフトウェア業は、4 割強に止まってい
る。精密機械などの製造業が多く立地する長野県の事業数も比較的多い。
新潟, 3, 1%
山梨, 6, 2%
長野, 23, 6%
栃木, 7, 2%
静岡, 26, 7%
東京
神奈川
埼玉
千葉
茨城
群馬
栃木
静岡
山梨
長野
新潟
群馬, 13, 3%
東京, 159, 42%
茨城, 15, 4%
千葉, 11, 3%
埼玉, 23, 6%
神奈川, 91, 24%
図 2-15
広域関東圏内の都県別事業所数の割合
(組込みソフトウェア業)
5,000
R² = 0.6392
4,500
電機・電子・情報機器製造
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
0
図 2-16
20
40
60
80
100
組込みソフトウェア
120
140
160
180
組込みソフトウェア業と IT 関連ハードウェア業の地域別事業所数の相関
15
組込みソフトウェア業と IT 関連デバイス業の立地には相関が見られることを示した
が、広域関東圏でも同様な傾向が見られる。
② 従業員分布
組込みソフトウェア業に従事する従業員数では、神奈川県、東京都の順であり、これ
に埼玉県が続いている。事業所数と比較して神奈川県が占める割合が高く、神奈川県に
比較的従業員数の多い事業所が立地していると推測される。
図 2-17
広域関東圏内の都県別従業員数の割合
(組込みソフトウェア業)
16
(3) IT 関連デバイス業
① 事業所分布
IT 関連デバイス業の事業所数は東京都、神奈川県、埼玉県の順であり、これに長野県、
静岡県、群馬県が続く。情報サービスや組込みソフトウェア業と比較して、東京、神奈
川県に集中する割合が低く、埼玉県、長野県、静岡県、群馬県などが占める割合が相対
的に高い。特に、長野県、静岡県の割合が高い点は特徴的である。
新潟, 689, 4%
東京
長野, 1,544, 10%
山梨, 481, 3%
神奈川
埼玉
東京, 4,046, 25%
千葉
茨城
静岡, 1,398, 9%
群馬
栃木
栃木, 585, 4%
神奈川, 2,721, 17%
群馬, 982, 6%
静岡
山梨
長野
茨城, 881, 5%
新潟
埼玉, 2,137, 13%
千葉, 625, 4%
図 2-18
広域関東圏内の事業所数の割合
(IT 関連デバイス業)
② 従業員分布
IT 関連デバイス業の従業員数は東京都、神奈川県、静岡県、長野県の順であり、これ
に埼玉県が続く。事業数と比較して、静岡県、長野県の割合が高く、比較的従業員数の
多い事業所が所在していると考えられる。
新潟, 30,274, 5%
東京
山梨, 18,769, 3%
神奈川
長野, 64,698, 11%
東京, 140,906, 23%
埼玉
千葉
茨城
静岡, 63,886, 11%
群馬
神奈川, 99,183, 17%
栃木, 28,745, 5%
群馬, 31,723, 5%
静岡
山梨
茨城, 38,085, 6%
長野
埼玉, 58,340, 10%
千葉, 25,961, 4%
図 2-19
栃木
広域関東圏内の従業員数の割合
(IT 関連デバイス業)
17
新潟
(4) インターネット付随サービス業
① 事業所分布
インターネット付随サービス業の事業所数は東京都に立地する事業所が多く、広域関
東圏の 68%と東京一極集中の傾向が強い。これは、インターネット付随サービスの業務
として情報やコンテンツの発信が含まれ、情報が集中する東京に立地している割合が高
いためと考えられる。
長野, 47, 2%
静岡, 71, 3%
栃木, 16, 1%
山梨, 16, 新潟, 38, 2%
1%
群馬, 36, 2%
茨城, 30, 1%
千葉, 72, 4%
埼玉, 76, 4%
神奈川, 253, 12%
東京, 1,373, 68%
図 2-20
東京
神奈川
埼玉
千葉
茨城
群馬
栃木
静岡
山梨
長野
新潟
広域関東圏内の事業所数の割合
(インターネット付随サービス業)
② 従業員分布
静岡, 390, 1%
栃木, 71, 0%
長野, 179, 新潟, 395, 1%
茨城, 106, 山梨, 71, 0%
千葉, 960, 2%
1%
群馬, 214, 1%
0%
埼玉, 467, 1%
神奈川, 1,701, 4%
東京, 35,421, 89%
図 2-21
東京
神奈川
埼玉
千葉
茨城
群馬
栃木
静岡
山梨
長野
新潟
広域関東圏内の従業員数の割合
(インターネット付随サービス業)
18
インターネット付随サービス業の従業員数は、広域関東圏の 89%が東京都に集中し、
東京への一極集中の典型的産業である。
③ 企業規模分布
インターネット付随サービス業の事業規模別の分布をみると、30 名以上の事業所が所
在する都県は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、新潟県であり、従業員数
が多い事業所も東京都に集中している。
100%
3
13
41
90%
131
0
1
6
0
1
0
1
0
3
0
1
0
0
0
0
0
0
1
80%
70%
60%
1,000人~
50%
40%
206
58
53
31
23
26
48
13
31
26
300~999人
100~299人
939
30~99人
30%
0~29人
20%
10%
0%
図 2-22
従業員規模別の企業数割合
(インターネット付随サービス業)
19
1.2.2
都県別の IT 関連企業の立地・集積状況
(1) 東京都
① 情報サービス業
東京都特別区、市単位の情報サービス業の事業所数は、千代田区、港区、中央区、新
宿区に集積している。千代田区は、企業の本社や官公庁が所在し、情報サービスの発注
元であるであるユーザー企業が多く立地しており、その周辺に情報サービス企業も数多
く立地している。中心部周辺の市部では、人口の多い、八王子市、立川市、武蔵野市、
町田市に情報サービス企業が多く立地している。
事業所あたりの平均従業員数を見ると、市区別に特徴が見られる。再開発地区のオフ
ィスビル群に情報サービス企業が入居している地域では、1 事業所の平均従業員数が多
い。江東区の豊洲地区や品川区の港南地区は、複数の大手情報サービス企業のオフィス
が立地し、事業所あたりの平均従業員数が多い理由となっている。これに対し、千代田
区は、事業所数は多いが、事業所あたりの平均従業員数は江東区や品川区等と比較して
少なく、中小も含め比較的規模の小さい事業所が集積していることが伺われる。中堅・
中小企業の情報サービス業の立地が東京におけるオフィス事情と関連していると考えら
れる。
千代田区
西東京市
あきる野市
1,600
羽村市
稲城市
中央区
港区
多摩市
新宿区
文京区
1,400
台東区
1,200
武蔵村山市
東久留米市
墨田区
江東区
1,000
清瀬市
品川区
800
東大和市
目黒区
600
狛江市
大田区
400
世田谷区
福生市
200
国立市
渋谷区
0
中野区
国分寺市
東村山市
杉並区
日野市
豊島区
小平市
北区
小金井市
荒川区
町田市
板橋区
調布市
練馬区
昭島市
足立区
府中市
青梅市
図 2-23
三鷹市
武蔵野市
葛飾区
江戸川区
立川市 八王子市
東京都内・市区単位の事業所数
(情報サービス業)
20
西東京市
あきる野市
羽村市
稲城市
千代田区
180
中央区
港区
新宿区
文京区
160
多摩市
台東区
140
武蔵村山市
東久留米市
120
清瀬市
100
墨田区
江東区
品川区
80
東大和市
目黒区
60
狛江市
大田区
40
福生市
世田谷区
20
国立市
渋谷区
0
国分寺市
中野区
東村山市
杉並区
日野市
豊島区
小平市
北区
小金井市
荒川区
町田市
板橋区
調布市
練馬区
昭島市
足立区
府中市
青梅市
図 2-24
葛飾区
江戸川区
立川市 八王子市
三鷹市
武蔵野市
東京都内・市区単位の事業所あたりの従業員数
(情報サービス業)
② インターネット付随サービス業
比較的新しい業種であるインターネット付随サービス業の事業所分布をみると、情報
サービス業の分布とは異なる。市区部の事業所数分布をみると、情報サービス業の事業
所数は、千代田区、港区、中央区、新宿区に集積しているのに対し、港区、渋谷区への
集中が見られ、インターネット系企業と情報システム企業で立地特性が異なる。
事業所あたりの平均従業員数を見ると、品川区の従業員数が多い。品川区に立地する
事業所数は、港区、渋谷区等と比較して少ないことから、特定企業の大規模な事業所が
存在していることが伺える。また、事業数が多い港区、渋谷区の 1 事業所の平均従業員
数は、他地区と大きな差異がなく、これらの地域では、比較的規模の小さい企業が多数
立地していると推測される。
21
千代田区
西東京市
あきる野市
250
羽村市
中央区
港区
新宿区
稲城市
文京区
多摩市
台東区
200
武蔵村山市
墨田区
東久留米市
江東区
150
清瀬市
品川区
東大和市
目黒区
100
狛江市
大田区
50
福生市
国立市
世田谷区
渋谷区
0
国分寺市
中野区
東村山市
杉並区
日野市
豊島区
小平市
北区
小金井市
荒川区
町田市
板橋区
調布市
練馬区
足立区
昭島市
府中市
青梅市
図 2-25
三鷹市
武蔵野市
葛飾区
江戸川区
立川市 八王子市
東京都内・市区単位の事業所数
(インターネット付随サービス業)
西東京市
あきる野市
羽村市
稲城市
千代田区
100
多摩市
中央区
港区
新宿区
文京区
90
台東区
80
武蔵村山市
墨田区
70
東久留米市
江東区
60
清瀬市
品川区
50
東大和市
目黒区
40
30
狛江市
大田区
20
福生市
世田谷区
10
国立市
渋谷区
0
国分寺市
中野区
東村山市
杉並区
日野市
豊島区
小平市
北区
小金井市
荒川区
町田市
板橋区
調布市
練馬区
昭島市
足立区
府中市
青梅市
図 2-26
三鷹市
武蔵野市
葛飾区
江戸川区
立川市 八王子市
東京都内・市区単位の事業所あたりの従業員数
(インターネット付随サービス業)
22
③ IT 関連ハードウェア業
組込みソフトウェア業と関連があると考えられる電子デバイス等、IT 関連デバイス業
の立地状況を見ると、情報サービス業やインターネット付随サービス業の立地状況は大
きく異なる。23 区内では、モノづくりが盛んな大田区、品川区等への集中が見られ、市
部では、八王子に立地する事業所が多い。大田区は情報サービス業、インターネット付
随サービス業の事業所は少ないが、八王子では、情報サービス業の事業所が他地域と比
較して多数立地していることから、組込みソフトウェア開発を行う事業所が一定数ある
と見込まれる。
千代田区
西東京市
あきる野市
600
羽村市
稲城市
中央区
港区
新宿区
文京区
多摩市
台東区
500
武蔵村山市
墨田区
400
東久留米市
江東区
清瀬市
品川区
300
東大和市
目黒区
200
狛江市
福生市
大田区
世田谷区
100
国立市
渋谷区
0
国分寺市
中野区
東村山市
杉並区
日野市
豊島区
小平市
北区
小金井市
荒川区
町田市
板橋区
調布市
練馬区
昭島市
足立区
府中市
青梅市
図 2-27
三鷹市
武蔵野市
葛飾区
江戸川区
立川市 八王子市
東京都・市区単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
千代田区
西東京市
中央区
あきる野市
港区
400
羽村市
新宿区
稲城市
文京区
350
多摩市
台東区
武蔵村山市
墨田区
300
東久留米市
江東区
250
清瀬市
品川区
200
東大和市
目黒区
150
狛江市
大田区
100
福生市
世田谷区
50
国立市
渋谷区
0
国分寺市
中野区
東村山市
杉並区
日野市
豊島区
小平市
北区
小金井市
荒川区
町田市
板橋区
調布市
昭島市
府中市
青梅市
三鷹市
武蔵野市
図 2-28
練馬区
足立区
葛飾区
江戸川区
立川市八王子市
東京都・市区単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
23
事業所あたりの平均従業員数を見ると、港区の従業員数が多い。次いで府中市、昭島
市、江東区の順に多い。府中市、昭島市等は、電子機器等の製造事業者が立地している
ことがその理由と考えられる。
24
④ IT 関連産業振興施策例
東京都における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
東京都産業振興基本戦略
東京都では、2011 年に「東京都産業振興基本戦略(2011~2020)」を策定している。
同戦略では、新たな成長に向けた 5 つの戦略として、
「新しい成長機会を取り込む」、
「経
営基盤を強化する」、「産業の集積を維持・発展させる」、「都民生活・地域社会のニーズ
に対応した事業を活性化する」、「産業を牽引し、支える人材を確保・育成する」ことを
示している。
「新しい成長機会を取り込む」戦略では、重点産業(健康、環境・エネルギ
ー、コンテンツ・ファッション、航空機、ロボット等)を戦略的に育成し、中小企業の
参入を促進することが示されており、実証実験の場の提供や、戦略的なアドバイス、製
品開発に係る支援、ビジネスマッチング、知的財産の創造・活用・保護等を行うとして
いる。同戦略においては、明示的に IT 関連産業を重点産業と位置付けているわけではな
いが、ソフトウェアがコンテンツ産業の一カテゴリとして整理されている。
図 2-29
東京都内のコンテンツ産業の集積状況
出所:文化創造都市戦略:東京都におけるクリエイティブ産業の集積
(http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/10092201.html)
2)
千代田区商工振興基本計画
千代田区は、2011 年に「千代田区商工振興基本計画」を策定した。「千代田区商工振
興基本計画」では、
「顔づくり」、
「絆づくり」、
「人づくり」、
「土台づくり」の多く 4 種類
25
の基本施策が計画されている。特に、「土台づくり」の内の情報化の推進では、「新しい
情報関連産業の集積促進」や「ソーシャルメディアを活用した情報発信支援」に関する
施策が盛り込まれている。
例えば、ソーシャルメディアを活用した情報発信支援では、
「千代田区情報サイト千代
田 day”s の充実」や「ビジネス情報ネットワーク chibiz の活用」等を進めるとしている。
新しい情報関連産業の集積促進では、千代田区シリコンバレープロジェクトの検討や、
情報関連産業の基盤整備事業等を行うとしている。
3)
新宿区産業振興プラン
新宿区は、2008 年に「新宿区産業振興プラン」を策定している。「新宿区産業振興プ
ラン」では、情報発信力の高いエンターテイメント産業や音楽産業、コンテンツ産業、
ファッション産業の集積が多くみられることから、これらの産業の振興を図り、様々な
産業間での交流を推進する取組を行うとしている。
上記のような産業が世界で競争力を発揮するためには、商品・サービスの差別化、高
付加価値化、産業の高度化、知識化を推進する必要があることに加え、時代を担うクリ
エーターやデザイナーの人材が不足していることが指摘されている。
そのため、例えば、コンテンツ産業では、発表会やプロモーションの場づくり、才能
をビジネスチャンスにつなげるための交流機会や経営支援、産業会館のインキュベーシ
ョン機能の活用や大学・専門学校との連携強化に努め、クリエーターの育成に努めるこ
ととしている。
4)
八王子市産業振興マスタープラン
八王子市は、2013 年に「八王子市産業振興マスタープラン【第 2 期】」を策定した。
「八
王子市産業振興マスタープラン【第 2 期】」の施策の一つである「高度な技術の集積を生
かした産業振興」では、製造業と情報通信産業の振興に取り組むとしている。情報通信
産業の振興では、IT 企業の技術力向上や企業間連携により経営基盤を強化するとともに、
市内 IT 企業による一般の中小企業の IT 活用支援を促進する。例えば、産学連携等を通
じた技術力の向上、一般企業の情報化支援等の地元への貢献、人材の確保等を行うとし
ている。
今後は、八王子市には IT 企業の連携組織である「八王子 IT ネットワーク」や、事業
を共同で受注する協同組合「八王子 IT 協同組合」もあり、よりこのような活動を促進す
るとともに、中小 IT 企業の技術力向上・経営基盤強化のために一層の相互連携や人材育
成等の支援を進めることが重要としている。
26
(2) 埼玉県
① 情報サービス業
埼玉県の情報サービス業の事業所は、さいたま市に最も集中しており、その他では、
川口市、越谷市、熊谷市の事業所数が多い。商業の中心であるさいたま市の集中度は高
く、その中心となるさいたま市大宮区への集中度が高い。
事業所あたりの平均従業員数を見ると、さいたま市桜区、浦和区の従業員数が比較的
多く、中心都市部に規模の大きい企業が多いことが分かる。
ふじみ野市
吉川市
日高市
鶴ヶ島市
さいたま市西区
90
80
さいたま市北区
さいたま市大宮区
さいたま市見沼区
さいたま市中央区
幸手市
さいたま市桜区
70
坂戸市
さいたま市浦和区
60
蓮田市
さいたま市南区
50
三郷市
さいたま市緑区
40
富士見市
さいたま市岩槻区
30
八潮市
川越市
20
北本市
熊谷市
10
久喜市
川口市
0
桶川市
行田市
新座市
秩父市
和光市
所沢市
志木市
飯能市
朝霞市
加須市
入間市
本庄市
戸田市
東松山市
蕨市
越谷市
春日部市
狭山市
草加市
図 2-30
上尾市
深谷市
鴻巣市
羽生市
埼玉県内・市区単位の事業所数(情報サービス業)
ふじみ野市
吉川市
日高市
鶴ヶ島市
さいたま市西区
60
さいたま市北区
さいたま市大宮区
さいたま市見沼区
さいたま市中央区
50
幸手市
さいたま市桜区
坂戸市
さいたま市浦和区
40
蓮田市
三郷市
さいたま市南区
さいたま市緑区
30
富士見市
さいたま市岩槻区
20
八潮市
川越市
北本市
10
久喜市
0
熊谷市
川口市
桶川市
行田市
新座市
秩父市
和光市
所沢市
志木市
飯能市
朝霞市
加須市
入間市
本庄市
戸田市
東松山市
蕨市
越谷市
春日部市
狭山市
草加市
図 2-31
上尾市
深谷市
鴻巣市
羽生市
埼玉県内・市区単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
27
② インターネット付随サービス業
埼玉県のインターネット付随サービス業の事業所も、さいたま市に最も集中しており、
その他では、川口市、春日部市、熊谷市の事業所数が多く、情報サービス業と類似して
いる。ただし、インターネット付随サービス業の事業所数は数事業所程度であり、東京
と比較すると少ない。
事業所あたりの平均従業員数を見ると、川口市が最も多く、次いでさいたま市大宮区、
川越市が比較的従業員数が多い。
ふじみ野市
吉川市
日高市
鶴ヶ島市
さいたま市西区
8
7
幸手市
さいたま市北区
さいたま市大宮区
さいたま市見沼区
さいたま市中央区
さいたま市桜区
6
坂戸市
蓮田市
さいたま市浦和区
さいたま市南区
5
三郷市
さいたま市緑区
4
富士見市
さいたま市岩槻区
3
八潮市
川越市
2
北本市
1
久喜市
0
熊谷市
川口市
桶川市
行田市
新座市
秩父市
和光市
所沢市
志木市
飯能市
朝霞市
加須市
入間市
本庄市
戸田市
東松山市
蕨市
越谷市
春日部市
狭山市
草加市
図 2-32
上尾市
深谷市
鴻巣市
羽生市
埼玉県内・市区単位の事業所数
(インターネット付随サービス業)
ふじみ野市
吉川市
日高市
鶴ヶ島市
幸手市
さいたま市西区
25
さいたま市北区
さいたま市大宮区
さいたま市見沼区
さいたま市中央区
さいたま市桜区
20
坂戸市
さいたま市浦和区
蓮田市
さいたま市南区
15
三郷市
さいたま市緑区
富士見市
さいたま市岩槻区
10
八潮市
川越市
5
北本市
熊谷市
久喜市
川口市
0
桶川市
行田市
新座市
秩父市
和光市
所沢市
志木市
飯能市
朝霞市
加須市
入間市
本庄市
戸田市
東松山市
蕨市
越谷市
春日部市
狭山市
草加市
図 2-33
上尾市
深谷市
鴻巣市
羽生市
埼玉県内・市区単位の事業所あたりの従業員数
(インターネット付随サービス業)
28
③ IT 関連ハードウェア業
埼玉県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、川口市、さいたま市、川越市に集中し
ている。次いで入間市、所沢市に立地する事業所が多い。さいたま市では、南区、見沼
区、桜区の順に多く、さいたま市の中心である大宮区、浦和区は 10 社以下に止まってい
る。川越市は埼玉県内最大級の工業都市で、機械製品の生産が大きい。
事業所あたりの従業員数に関しては、鶴ヶ島市、深谷市、羽生市の順に多い。次いで
飯能市、蓮田市、ふじみ野市が多く、比較的規模の大きな事業所が立地していることが
伺える。川越市、坂戸市、鶴ヶ島市には 3 市にまたがる工業団地が立地している。
日高市
鶴ヶ島市
さいたま市西区
ふじみ野市
さいたま市北区
吉川市
さいたま市大宮区
250
さいたま市見沼区
さいたま市中央区
幸手市
さいたま市桜区
200
坂戸市
さいたま市浦和区
蓮田市
さいたま市南区
150
三郷市
さいたま市緑区
富士見市
さいたま市岩槻区
100
八潮市
川越市
50
北本市
熊谷市
久喜市
川口市
0
桶川市
行田市
新座市
秩父市
和光市
所沢市
志木市
飯能市
朝霞市
加須市
入間市
本庄市
戸田市
東松山市
蕨市
越谷市
春日部市
狭山市
草加市
図 2-34
上尾市
深谷市
鴻巣市
羽生市
埼玉県内・市区単位の事業所数
(IT 関連デバイス業)
ふじみ野市
吉川市
日高市
鶴ヶ島市
さいたま市西区
90
80
さいたま市北区
さいたま市大宮区
さいたま市見沼区
さいたま市中央区
幸手市
さいたま市桜区
70
坂戸市
さいたま市浦和区
60
蓮田市
さいたま市南区
50
三郷市
さいたま市緑区
40
富士見市
さいたま市岩槻区
30
八潮市
川越市
20
北本市
熊谷市
10
久喜市
川口市
0
桶川市
行田市
新座市
秩父市
和光市
所沢市
志木市
飯能市
朝霞市
加須市
入間市
本庄市
戸田市
東松山市
蕨市
越谷市
春日部市
狭山市
草加市
図 2-35
上尾市
深谷市
鴻巣市
羽生市
埼玉県内・市区単位の事業所あたりの平均従業員数
(IT 関連ハードウェア業)
29
④ IT 関連産業振興施策例
埼玉県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
埼玉県 IT 推進アクションプラン
埼玉県では、2014 年に「埼玉県 IT 推進アクションプラン」を策定し、今後3年間に
おける、新たな課題・技術への対応や県民生活に関する重要なシステムの構築、システ
ムの再構築と危機管理等の方向性を示している。
IT 産業振興に関する具体的施策としては、IT を活用した創業・ベンチャー企業の支援
や、IT を活用したモノづくり産業の支援、IT 推進を担う人材の育成等を行うこととして
いる。IT を活用した創業・ベンチャー企業の支援では、創業を目指す方やベンチャー企
業に対して、創業・ベンチャー支援センター埼玉を設置しているほか、IT に関する各種
セミナーや無料相談等も実施し、IT 利活用による経営力強化支援を行っている。また、
IT を活用できる人材の育成として、高等学校等の新規学卒者や就職を希望する若年者等
の職業訓練の一環としての IT 研修のほか、IT 推進を担う人材を育成するための専門研
修等を実施することとしている。
2)
「第 3 次さいたま市情報化計画」や「さいたま市情報化アクション・プラン 2011」
2011 年に策定した「第 3 次さいたま市情報化計画」や「さいたま市情報化アクション・
プラン 2011」では、地域活動を IT の面から主導できる「地域 IT リーダ」を育成すると
している。また、さいたま市 ICT 政策課では、上記のような自治体等の地域コミュニテ
ィにおいて、IT を積極的に活用し、コミュニティ内の他のメンバーに IT に関するアド
バイスをするような地域の情報化の推進役や相談役となる人材である「地域 IT リーダ」
の育成に向けて、地域 IT リーダ活動支援講座を開催している。
30
(3) 神奈川県
① 情報サービス業
神奈川県の情報サービス業の事業所数は、横浜市、川崎市に集積し、その他の地域で
は相模原市の事業所数が他市に比べて多い。横浜市では、横浜市の中心地区である西区、
中区の事業所数が多く、次いで新横浜が含まれる港北区に立地する事業所が多い。川崎
市では、川崎区に立地する事業所が多い。
事業所あたりの従業員数に関しては、川崎市幸区、中原区が多く、比較的規模の大き
い企業が立地している。横浜市では戸塚区の 1 事業所当たりの従業員数が多い。横浜駅、
みなとみらいのエリアがある西区の 1 事業所当たりの従業員数は、60 名以下に止まり、
比較的規模の小さい事業所も立地していることが伺える。
南足柄市
座間市
綾瀬市
横浜市鶴見区
250
海老名市
横浜市神奈川区
横浜市西区
横浜市中区
横浜市南区
200
伊勢原市
横浜市保土ケ谷区
大和市
横浜市磯子区
150
厚木市
横浜市金沢区
秦野市
横浜市港北区
100
三浦市
横浜市戸塚区
50
逗子市
茅ヶ崎市
横浜市港南区
横浜市旭区
0
小田原市
横浜市緑区
藤沢市
横浜市瀬谷区
鎌倉市
横浜市栄区
平塚市
横浜市泉区
横須賀市
横浜市青葉区
相模原市南区
横浜市都筑区
相模原市中央区
川崎市川崎区
相模原市緑区
相模原市
川崎市麻生区
川崎市宮前区
図 2-36
川崎市幸区
川崎市中原区
川崎市高津区
川崎市多摩区
神奈川県・市区単位の事業所数(情報サービス業)
南足柄市
座間市
海老名市
綾瀬市
横浜市鶴見区
140
横浜市神奈川区
横浜市西区
横浜市中区
横浜市南区
120
伊勢原市
横浜市保土ケ谷区
100
大和市
厚木市
横浜市磯子区
横浜市金沢区
80
秦野市
横浜市港北区
60
三浦市
横浜市戸塚区
40
逗子市
横浜市港南区
20
茅ヶ崎市
横浜市旭区
0
小田原市
横浜市緑区
藤沢市
横浜市瀬谷区
鎌倉市
横浜市栄区
平塚市
横浜市泉区
横須賀市
横浜市青葉区
相模原市南区
横浜市都筑区
相模原市中央区
相模原市緑区
相模原市
川崎市麻生区
川崎市宮前区
図 2-37
川崎市川崎区
川崎市幸区
川崎市中原区
川崎市高津区
川崎市多摩区
神奈川県・市区単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
31
② インターネット付随サービス業
神奈川県のインターネット付随サービス業の事業所は、横浜市の西区、中区、青葉区、
相模原市に多いが、事業所数は 20 以下であり、東京都市部と比べ少ない。
事業所あたりの従業員数に関しては、川崎市川崎区、幸区が多く、比較的規模の大き
い企業が立地している。横浜市では戸塚区の 1 事業所当たりの従業員数が多い。横浜市
の西区、中区の 1 事業所当たりの従業員数は、15 名以下に止まり、比較的規模の小さい
事業所が立地していることが伺える。
南足柄市
座間市
綾瀬市
横浜市鶴見区
18
16
海老名市
伊勢原市
横浜市神奈川区
横浜市西区
横浜市中区
横浜市南区
横浜市保土ケ谷区
14
大和市
横浜市磯子区
12
厚木市
横浜市金沢区
10
秦野市
横浜市港北区
8
6
三浦市
横浜市戸塚区
4
逗子市
横浜市港南区
2
茅ヶ崎市
横浜市旭区
0
小田原市
横浜市緑区
藤沢市
横浜市瀬谷区
鎌倉市
横浜市栄区
平塚市
横浜市泉区
横須賀市
横浜市青葉区
相模原市南区
横浜市都筑区
相模原市中央区
川崎市川崎区
相模原市緑区
相模原市
川崎市麻生区
川崎市宮前区
図 2-38
川崎市幸区
川崎市中原区
川崎市高津区
川崎市多摩区
神奈川県・市区単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
南足柄市
座間市
海老名市
綾瀬市
横浜市鶴見区
35
横浜市神奈川区
横浜市西区
横浜市中区
横浜市南区
30
伊勢原市
横浜市保土ケ谷区
25
大和市
厚木市
横浜市磯子区
横浜市金沢区
20
秦野市
横浜市港北区
15
三浦市
横浜市戸塚区
10
逗子市
横浜市港南区
5
茅ヶ崎市
横浜市旭区
0
小田原市
横浜市緑区
藤沢市
横浜市瀬谷区
鎌倉市
横浜市栄区
平塚市
横浜市泉区
横須賀市
横浜市青葉区
相模原市南区
横浜市都筑区
相模原市中央区
相模原市緑区
相模原市
川崎市麻生区
川崎市宮前区
図 2-39
川崎市川崎区
川崎市幸区
川崎市中原区
川崎市高津区
川崎市多摩区
神奈川県・市区単位の事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
32
③ IT 関連ハードウェア業
神奈川県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、情報サービス業やインターネットサ
ービス業と異なり、相模原市、横浜市港北区、川崎市高津区等の都市中心部からやや離
れた地区に集積している。特に、横浜市港北区の新横浜地区は、新幹線や各種交通機関
によるアクセス、都市インフラが整備され、半導体関連や組込みソフトウェア関連など
の IT 企業が多数立地している。
事業所当たりの従業員数に関しては、川崎市中原区、小田原市、横浜市栄区が 100 人
以上と多い。次いで鎌倉市、横浜市戸塚区が多く、比較的規模の大きい事業所が立地し
ていると伺える。
南足柄市
座間市
綾瀬市
海老名市
横浜市鶴見区
400
横浜市神奈川区
横浜市西区
横浜市中区
横浜市南区
350
伊勢原市
横浜市保土ケ谷区
300
大和市
横浜市磯子区
250
厚木市
横浜市金沢区
200
秦野市
横浜市港北区
150
三浦市
横浜市戸塚区
100
逗子市
横浜市港南区
50
茅ヶ崎市
横浜市旭区
0
小田原市
横浜市緑区
藤沢市
横浜市瀬谷区
鎌倉市
横浜市栄区
平塚市
横浜市泉区
横須賀市
横浜市青葉区
相模原市南区
横浜市都筑区
相模原市中央区
川崎市川崎区
相模原市緑区
相模原市
川崎市麻生区
川崎市宮前区
図 2-40
川崎市幸区
川崎市中原区
川崎市高津区
川崎市多摩区
神奈川県・市区単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
南足柄市
座間市
綾瀬市
横浜市鶴見区
120
海老名市
伊勢原市
大和市
横浜市神奈川区
横浜市西区
横浜市中区
横浜市南区
100
横浜市保土ケ谷区
横浜市磯子区
80
厚木市
横浜市金沢区
60
秦野市
横浜市港北区
40
三浦市
逗子市
横浜市戸塚区
横浜市港南区
20
茅ヶ崎市
横浜市旭区
0
小田原市
横浜市緑区
横浜市瀬谷区
藤沢市
横浜市栄区
鎌倉市
平塚市
横浜市泉区
横須賀市
横浜市青葉区
相模原市南区
横浜市都筑区
川崎市川崎区
相模原市中央区
相模原市緑区
相模原市
川崎市麻生区
川崎市宮前区
図 2-41
川崎市幸区
川崎市中原区
川崎市高津区
川崎市多摩区
神奈川県・市区単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
33
④ IT 関連産業振興施策例
神奈川県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
神奈川県地域産業活性化基本計画
神奈川県では、2007 年に県内 27 市町及び経済団体で「神奈川県地域産業活性化協議
会」を設立し、2012 年「神奈川県地域産業活性化基本計画」を策定している。
「神奈川県地域産業活性化基本計画」は、横浜市、川崎市等の 18 市 9 町を集積区域と
し、
「IT・エレクトロニクス」や「自動車」、
「新エネルギー」、
「ロボット」、
「航空宇宙」、
「いのち」に関連する分野の集積を図る計画である。
IT・エレクトロニクス分野は、横須賀リサーチパーク等の先端的な研究開発拠点や、
新横浜エリア・KSP(かながわサイエンスパーク)等を中心とする半導体関連ベンチャ
ーの集積、理科系大学・研究機関の立地があり、補助金等の支援策である「インベスト
神奈川」等により、県内への大手電機メーカー研究所の新規立地・再投資が進んでいる。
2)
横浜エンベデットコンソーシアム
組込み企業の高度な集積を活かし、企業・エンジニア間のネットワークを構築するこ
とで連携を促進させるだけでなく、研究開発・人材育成・開発手法の共有等、組込み技
術に関する取組を積極的に推進するために横浜エンベデットコンソーシアムを設立した。
横浜エンベデッドコンソーシアムでは、企業同士の交流の場である「エンベデットフォ
ーラム」や、経営者向けセミナー「エンベデットサロン」、技術者向け技術研修会「組込
み技術研修会」等を開催している。
3)
横浜市企業誘致・産業立地促進計画等
グローバル化や情報化等の経済社会の環境変化や急成長するアジア諸都市との都市間
競争等に対応し、優良企業や今後の成長が見込める新産業分野の企業集積を進める必要
があることから、外国人研究者等に対する支援措置を構築している。
IT 関連では、「外国人研究者等に対する永住許可弾力化」や「外国人研究者等に対す
る入国申請手続きに係る優先処理」等の規制緩和による支援措置に取り組んでいる他、
横浜の新産業 IT 企業ディクショナリの公開や、横浜 IT クラスター交流会、市内中小企
業をまとめた Web サイト「はまリンク」等、IT 産業の振興に関する様々な取組を実施し
ている
4)
かわさき産業振興プラン新実行プログラム
川崎市では、2011 年に「かわさき産業振興プラン新実行プログラム」を策定している。
「かわさき産業振興プラン」では、12 の産業成長戦略を掲げており、そのうちの一つに
コンテンツ・ICT 産業の振興が含まれている。
34
コンテンツ・ICT 産業の振興では、川崎市内に所属している映像・音楽等を創造する
場や、クリエイター、魅力的なコンテンツ、高度なものづくり企業、先端的な研究開発
機関等の様々な地域資源を有機的に連携するため、クリエイター・ICT 事業者としない
事業者との交流会、研究会等を通じて、新たなビジネスの創出やコンテンツを活用し製
品・サービスの高付加価値化の推進を図る施策が検討されている。2010 年から 2014 年
までコンテンツ活用研究会が開催され、コンテンツ活用研究会の事例をまとめたコンテ
ンツ活用ガイドブックの発行等が行われている。
35
(4) 千葉県
① 情報サービス業
千葉県の情報サービス業の事業所数は、船橋市、千葉市、柏市に集積し、その他の地
域では松戸市、市川市が他市に比べて多い。千葉市では、千葉市の中心地区である中央
区の事業所数が多く、次いで幕張エリアが含まれる美浜区に立地する事業所が多い。
1事業所当たりの従業員数に関しては、印西市が多く、比較的大きい企業が立地して
いる。その他の地域では我孫子市、香取市が他市に比べて多い。千葉市では、幕張エリ
アのある美浜区が多く、千葉駅がある中央区の 1 事業所当たりの従業員数は、23 名に止
まり、比較的規模の小さい事業所も立地していることが伺える。
いすみ市
山武市
千葉市中央区
120
香取市
匝瑳市
千葉市花見川区
千葉市稲毛区
千葉市若葉区
千葉市緑区
100
南房総市
千葉市美浜区
80
富里市
銚子市
60
白井市
印西市
市川市
船橋市
40
八街市
館山市
20
袖ケ浦市
木更津市
0
四街道市
松戸市
浦安市
野田市
富津市
茂原市
君津市
成田市
鎌ケ谷市
佐倉市
鴨川市
東金市
我孫子市
旭市
八千代市
習志野市
流山市
図 2-42
市原市
勝浦市
柏市
千葉県・市区単位の事業所数(情報サービス業)
千葉市中央区
いすみ市
山武市
千葉市花見川区
千葉市稲毛区
千葉市若葉区
120
香取市
匝瑳市
千葉市緑区
100
南房総市
千葉市美浜区
80
富里市
銚子市
60
白井市
印西市
市川市
船橋市
40
八街市
館山市
20
袖ケ浦市
木更津市
0
四街道市
松戸市
浦安市
野田市
富津市
茂原市
君津市
成田市
鎌ケ谷市
佐倉市
鴨川市
東金市
我孫子市
旭市
八千代市
習志野市
流山市
図 2-43
市原市
勝浦市
柏市
千葉県・市区単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
36
② インターネット付随サービス業
千葉県のインターネット付随サービス業の事業所は、船橋市、柏市、市川市に多いが、
事業所数は 15 以下であり、東京都市部と比べ少ない。
事業所あたりの従業員数に関しては、野田市、松戸市が多い。千葉市では、花見川区、
中央区、若葉区の1事業所当たりの従業員数が多いが、1事業所当たりの従業員数は、5
名以下に止まり、比較的規模の小さい事業所が立地していることがうかがえる。
いすみ市
山武市
千葉市中央区
12
香取市
匝瑳市
千葉市花見川区
千葉市稲毛区
千葉市若葉区
千葉市緑区
10
南房総市
千葉市美浜区
8
富里市
銚子市
6
白井市
印西市
市川市
船橋市
4
八街市
館山市
2
袖ケ浦市
木更津市
0
四街道市
松戸市
浦安市
野田市
富津市
茂原市
君津市
成田市
鎌ケ谷市
佐倉市
鴨川市
東金市
我孫子市
旭市
八千代市
習志野市
流山市
図 2-44
市原市
勝浦市
柏市
千葉県・市区単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
いすみ市
山武市
香取市
千葉市中央区
匝瑳市
南房総市
富里市
8
千葉市花見川区
千葉市稲毛区
千葉市若葉区
7
千葉市緑区
千葉市美浜区
6
銚子市
5
白井市
市川市
4
3
印西市
船橋市
2
八街市
館山市
1
袖ケ浦市
木更津市
0
四街道市
松戸市
浦安市
野田市
富津市
茂原市
君津市
成田市
鎌ケ谷市
佐倉市
鴨川市
我孫子市
八千代市
流山市 市原市
図 2-45
東金市
勝浦市 柏市
旭市
習志野市
千葉県・事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
37
③ IT 関連ハードウェア業
千葉県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、船橋市、松戸市、柏市が多い。次いで
野田市、市川市、茂原市が多い。千葉市では、情報サービス業、インターネット付随サ
ービス業と異なり、事業所数は少ない。
事業所当たりの従業員数に関しては、茂原市、木更津市、館山市、市原市が多く、比
較的規模の大きい企業が立地している。次いで我孫子市、習志野市、成田市が多い。千
葉市は美浜区が多いが、1事業所当たりの従業員数は 50 名に止まっている。
千葉市中央区
いすみ市
山武市
香取市
千葉市花見川区
千葉市稲毛区
千葉市若葉区
50
45
匝瑳市
千葉市緑区
40
南房総市
千葉市美浜区
35
富里市
銚子市
30
25
白井市
市川市
20
印西市
船橋市
15
10
八街市
館山市
5
袖ケ浦市
木更津市
0
四街道市
松戸市
浦安市
野田市
富津市
茂原市
君津市
成田市
鎌ケ谷市
佐倉市
鴨川市
東金市
我孫子市
旭市
八千代市
習志野市
流山市
図 2-46
市原市
勝浦市
柏市
千葉県・市区単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
千葉市中央区
いすみ市
千葉市花見川区
180
山武市
千葉市稲毛区
香取市
千葉市若葉区
160
匝瑳市
千葉市緑区
140
南房総市
千葉市美浜区
120
富里市
銚子市
100
白井市
市川市
80
印西市
船橋市
60
40
八街市
館山市
20
袖ケ浦市
木更津市
0
四街道市
松戸市
浦安市
野田市
富津市
茂原市
君津市
成田市
鎌ケ谷市
佐倉市
鴨川市
我孫子市
八千代市
流山市 市原市
図 2-47
東金市
勝浦市 柏市
旭市
習志野市
千葉県・市区単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
38
④ IT 関連産業振興施策例
千葉県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1) 千葉新産業振興戦略
千葉県では、2011 年に「千葉新産業振興戦略」を策定し、
「新製造技術」、
「情報通信・
エレクトロニクス」、「バイオ・医療・福祉・健康サービス」、「素材・環境・新エネルギ
ー」、「物流」、「食品」、「観光・レジャー」の重点分野を設定し、各分野別に産業クラス
ターを形成することで発展を推進していくことが示されている。
情報通信・エレクトロニクス分野では、組込みシステムや次世代インターネット等の
高度な情報技術を活用した製品の開発、事業化を促進するため「先端情報技術活用研究
会」を開催し、先端情報技術に関する情報提供、意見交換等を促進し、県が中心となっ
て地域の資源や人的資源の発掘、地域コーディネータ等の育成をし、IT 関連企業の発展
を支援するとしている。さらに、千葉県は 2004 年に東京大学やマイクロソフト等と「千
葉県 IT フロンティア産業支援協議会」を設立し、IT 中小・ベンチャー企業に係る支援
等を行っている。
2) 柏市産業振興戦略プラン
柏市では、2011 年に「柏市産業振興戦略プラン」を策定している。「柏市産業振興戦
略プラン」の重点プロジェクトには、スマートコミュニティプロジェクトが含まれてい
る。スマートコミュニティプロジェクトでは、事業としてのスマートシティプロジェク
トを支援するために環境・エネルギー・IT 分野の企業の立地促進、地場 IT 企業への需
要創出を目指すことや、ITS 関連プロジェクトの支援を通じて、地域 IT 企業のビジネス
拡大を支援することが示されている。
39
(5) 茨城県
① 情報サービス業
茨城県の情報サービス業の事業所数は、つくば市、水戸市、日立市に集積し、その他
の地域では、ひたちなか市の事業所数が他市に比べて多い。つくば市はかつて農村が広
がっていた地域であったが、1960 年代から筑波研究学園都市として開発が進み、現在は
日本国内最大の学術都市となっており、市内には国や大手企業の研究拠点が多数存在し
ている。
事業所あたりの従業員数は、日立市が最も多く、次いで鹿嶋市、土浦市が多い。
水戸市
小美玉市
つくばみらい市
日立市
100
土浦市
90
鉾田市
古河市
80
行方市
石岡市
70
60
神栖市
結城市
50
桜川市
龍ケ崎市
40
30
かすみがうら市
下妻市
20
10
稲敷市
常総市
0
坂東市
常陸太田市
筑西市
高萩市
那珂市
北茨城市
常陸大宮市
笠間市
守谷市
取手市
潮来市
牛久市
鹿嶋市
つくば市
ひたちなか市
図 2-48
茨城県・市単位の事業所数(情報サービス業)
水戸市
小美玉市
つくばみらい市
日立市
80
土浦市
70
鉾田市
古河市
60
行方市
石岡市
50
神栖市
結城市
40
桜川市
龍ケ崎市
30
20
かすみがうら市
下妻市
10
稲敷市
常総市
0
坂東市
常陸太田市
筑西市
高萩市
那珂市
北茨城市
常陸大宮市
笠間市
守谷市
取手市
潮来市
牛久市
鹿嶋市
つくば市
ひたちなか市
図 2-49
茨城県・市単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
40
② インターネット付随サービス業
茨城県のインターネット付随サービス業の事業所は、水戸市、日立市、つくば市に多
いが、その数は 5 事業所以下に止まっている。
事業所あたりの従業員数は、日立市が最も多く、次いで常総市が多い。
水戸市
小美玉市
つくばみらい市
日立市
4
土浦市
4
鉾田市
古河市
3
行方市
石岡市
3
神栖市
結城市
2
桜川市
龍ケ崎市
2
1
かすみがうら市
下妻市
1
稲敷市
常総市
0
坂東市
常陸太田市
筑西市
高萩市
那珂市
北茨城市
常陸大宮市
笠間市
守谷市
取手市
潮来市
牛久市
鹿嶋市
つくば市
ひたちなか市
図 2-50
茨城県・市単位の事業所数(インターネットサービス業)
水戸市
小美玉市
つくばみらい市
鉾田市
日立市
12
土浦市
古河市
10
行方市
石岡市
8
神栖市
結城市
6
桜川市
龍ケ崎市
4
かすみがうら市
下妻市
2
稲敷市
常総市
0
坂東市
常陸太田市
筑西市
高萩市
那珂市
北茨城市
常陸大宮市
笠間市
守谷市
取手市
潮来市
牛久市
鹿嶋市
つくば市
ひたちなか市
図 2-51
茨城県・市単位の事業所あたりの従業員数(インターネットサービス業)
41
③ IT 関連ハードウェア業
茨城県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、日立市が最も多く、全体の 20%以上
を占めている。次いで、古河市、ひたちなか市が多い。
事業所あたりの従業員数は、神栖市が最も多く、次いでひたちなか市が多い。神栖市
は、1960 年に始まった鹿島開発によって、鉄鋼・石油を中心とした重化学コンビナート
が発達している。
水戸市
小美玉市
つくばみらい市
日立市
200
土浦市
180
鉾田市
古河市
160
行方市
石岡市
140
120
神栖市
結城市
100
桜川市
龍ケ崎市
80
60
かすみがうら市
下妻市
40
20
稲敷市
常総市
0
坂東市
常陸太田市
筑西市
高萩市
那珂市
北茨城市
常陸大宮市
笠間市
守谷市
取手市
潮来市
牛久市
鹿嶋市
つくば市
ひたちなか市
図 2-52
茨城県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
水戸市
小美玉市
つくばみらい市
日立市
250
土浦市
鉾田市
古河市
200
行方市
石岡市
150
神栖市
桜川市
結城市
龍ケ崎市
100
かすみがうら市
下妻市
50
稲敷市
常総市
0
坂東市
常陸太田市
筑西市
高萩市
那珂市
北茨城市
常陸大宮市
笠間市
守谷市
取手市
潮来市
牛久市
鹿嶋市
つくば市
ひたちなか市
図 2-53
茨城県・市単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
42
④ IT 関連産業振興施策例
茨城県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
いばらき IT 戦略推進指針
茨城県では、平成 23 年に茨城県 IT 戦略会議において「いばらき IT 戦略推進指針」を
策定している。同指針では、基本目標として「未来につながる
地域につながる
スマ
ートいばらき」と設定し、整備の進んだ情報通信基盤の積極的な利活用に加え、地域の
多様な情報化の担い手との連携や、業務・システムの最適化による行政サービスの向上
を基本姿勢として、誰もが IT の利便性を享受できるようになるための各種施策を積極的
に展開していくとしている。他にも、茨城県情報政策課では、
「茨城県高度情報化推進協
議会」を設置しており、いばらきデジタルコンテンツ・ソフトウェア大賞 2014 やアイデ
アソン・ハッカソン等のイベントの開催や、各種セミナーの開催等を行っている。
2)
第 2 次つくば市産業振興マスタープラン
つくば市では、2013 年に「第 2 次つくば市産業振興マスタープラン」を策定し、
「第 2
次つくば市産業振興マスタープラン」では、ベンチャー、科学、出会い、ミュージアム
をテーマに 4 つのビジョンを検討し、実施方策を進めている。
例えば、実施方策の「クリエイティブ人材の集積を図り、
「知の交流」を促進する」で
は、技術開発の町つくばブランドの向上、産業拠点化、つくば国際戦略総合特区の推進
をめざし、技術開発支援プラットフォームや中小企業等経営安定化のための各種セミナ
ーの開催、新技術の販路拡大等を行うとしている。また、つくば市の事業者同士でワー
キンググループを形成し、企業同士が交流する場づくりだけではなく、様々なニーズ・
シーズの発掘や、研究開発プロジェクトの立ち上げ支援等を行うとしている。
43
(6) 群馬県
① 情報サービス業
群馬県の情報サービス業の事業所数は、ほぼ高崎市と前橋市に集積している。次いで
多いのは太田市、伊勢崎市である。
事業所あたりの従業員数は、桐生市が最も多く、次いで館林市、前橋市が多い。桐生
市は、古くから発展した絹織物によって育まれた高い技術により、パチンコ産業や自動
車部品産業などでいくつもの優良企業が誕生した。また、地元に国立群馬大学工学部が
ある利点を活かし、産学官連携による次世代のエネルギー産業の育成にも積極的に動い
ている。
みどり市
前橋市
120
100
高崎市
80
安中市
桐生市
60
40
20
富岡市
伊勢崎市
0
藤岡市
太田市
渋川市
沼田市
館林市
図 2-54
群馬県・市単位の事業所数(情報サービス業)
みどり市
安中市
富岡市
前橋市
35
30
25
20
15
10
5
0
高崎市
桐生市
伊勢崎市
藤岡市
太田市
渋川市
沼田市
館林市
図 2-55
群馬県・市単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
44
② インターネット付随サービス業
群馬県のインターネット付随サービス業の事業所数は、情報サービス業と同様に、ほ
ぼ前橋市と高崎市に集積しているが、その数は 10 事業所程度に止まっている。
事業所あたりの従業員数は、太田市が最も多い。太田市は大正期以降、現在の富士重
工業(スバル)の企業城下町として飛躍的な発展を遂げた。現在も工業製品出荷額は、
北関東 3 県の都市の内第 1 位である。
みどり市
前橋市
12
10
高崎市
8
安中市
桐生市
6
4
2
富岡市
伊勢崎市
0
藤岡市
太田市
渋川市
沼田市
館林市
図 2-56
群馬県・市単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
みどり市
前橋市
20
高崎市
15
安中市
桐生市
10
5
富岡市
伊勢崎市
0
藤岡市
太田市
渋川市
沼田市
館林市
図 2-57
群馬県・市単位の事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
45
③ IT 関連ハードウェア業
群馬県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、高崎市が最も多く、次いで伊勢崎市、
富岡市、太田市が多い。伊勢崎市は市の積極的な誘致により郊外に広大な工場が建設さ
れ、北関東有数の工業都市である。製造品出荷額は、太田市に次いで県内第 2 位の地位
を持つ。
事業所あたりの従業員数は、高崎市が最も多く、次いで太田市、安中市、藤岡市が多
い。
みどり市
安中市
富岡市
前橋市
160
140
120
100
80
60
40
20
0
高崎市
桐生市
伊勢崎市
藤岡市
太田市
渋川市
沼田市
館林市
図 2-58
群馬県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
みどり市
前橋市
50
高崎市
40
30
安中市
桐生市
20
10
富岡市
伊勢崎市
0
藤岡市
太田市
渋川市
沼田市
館林市
図 2-59
群馬県・市単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
46
④ IT 関連産業振興施策例
群馬県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
群馬県第 3 次情報化推進計画
群馬県では、近年、スマートフォンに代表されるモバイル端末が普及したことに加え、
最新技術であるクラウド・コンピューティングが注目される等、インターネットがより
身近なものとなり、様々な用途で ICT が利活用されている背景を受け、第 2 次情報化推
進計画に次いで、2012 年に「群馬県第 3 次情報化推進計画」を策定。
その産業振興では、ICT を利活用できる人材の育成支援や、ICT を活用した求人・県
内企業情報を提供する支援、ICT 関連企業の誘致等を行うことととしている。その一環
の ICT 利活用推進事業として、各種セミナーの開催や、ICT 地域マネージャ派遣事業を
行っている。また、
「群馬県情報化推進協議会」も設置し、各種セミナーの開催や情報発
信等も行っている。
2)
前橋市情報化推進基本方針
前橋市では、2014 年に「前橋市情報化推進基本方針」及び「前橋市情報化推進アクシ
ョンプラン 2014」を策定している。その中で、大学等との連携を進めるとして前橋市に
所属する群馬大学や前橋工科大学等の様々な大学・研究機関と連携しながら、専門機関
が有する人材や技術を生かし、ICT を活用した新たなサービスの検討や調査・研究、人
材育成等を行っていくとしている。
また、平成 26 年度~平成 28 年度の 3 年間の産業振興に関する基本目標を掲げた「前
橋市産業振興ビジョン」を策定している。
「前橋市産業振興ビジョン」では、各種セミナ
ーや、既存産業の総合的な支援策として、企業の情報化(IT 化)を進めるための融資や、
人材獲得に向けた支援等を進めることとしている。他にも、前橋市情報政策課、前橋工
科大学、前橋国際大学の主催で前橋アイデアソン等のイベントも行われている。
47
(7) 栃木県
① 情報サービス業
栃木県の情報サービス業の事業所数は、栃木県の中心地区である宇都宮市に集積し、
その割合は 50%以上に上る。次いで多いのは小山市で、全体の 10%を占める。宇都宮市
は東部に大規模な内陸型工業団地が開発され、1984 年(昭和 59 年)には関東地方では
唯一「テクノポリス」に地域指定されるなど工業都市としての顔を有し、県内では工業
製品出荷額が第 1 位、また年間商品販売額においては県内はもとより北関東第 1 位であ
り、北関東で最大、また国内でも有数の地域商工業都市となっている。
事業所あたりの従業員数は、大田原市が最も多く、50 名弱となっている。次いで小山
市、宇都宮市が多い。大田原市は、市内 4 ヶ所の工業団地を中心とした企業誘致を推進
している。特に、野崎地区の国道 4 号沿いに位置する野崎工業団地は、東芝、東芝メデ
ィカルシステムズ、富士通、大日本塗料といった大手企業またはそのグループ企業の集
積が目立っている。
宇都宮市
下野市
200
足利市
150
那須烏山市
栃木市
100
50
さくら市
佐野市
0
那須塩原市
鹿沼市
矢板市
日光市
大田原市
小山市
真岡市
図 2-60
栃木県・市単位の事業所数(情報サービス業)
宇都宮市
下野市
50
足利市
40
那須烏山市
栃木市
30
20
さくら市
佐野市
10
0
那須塩原市
鹿沼市
矢板市
日光市
大田原市
小山市
真岡市
図 2-61
栃木県・市単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
48
② インターネット付随サービス業
栃木県のインターネット付随サービス業の事業所数は、情報サービス業と同様、宇都
宮市に集積しているが、その数は 10 事業所程度に止まっている。
事業所あたりの従業員数は、宇都宮市が多く、次いで佐野市が多い。
宇都宮市
下野市
10
足利市
8
那須烏山市
栃木市
6
4
さくら市
佐野市
2
0
那須塩原市
鹿沼市
矢板市
日光市
大田原市
小山市
真岡市
図 2-62
栃木県・市単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
宇都宮市
下野市
那須烏山市
さくら市
7
6
5
4
3
2
1
0
足利市
栃木市
佐野市
那須塩原市
鹿沼市
矢板市
日光市
大田原市
小山市
真岡市
図 2-63
栃木県・市単位の事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
49
③ IT 関連ハードウェア業
栃木県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、宇都宮市、栃木市、足利市が多く、次
いで小山市、鹿沼市が多い。
事業所あたりの従業員数は、矢板市が最も多い。矢板市は大きな産業としては、一時
は花形であった関西系大手家電メーカーの工場があるが、組立工場が主であり、海外移
転の影響を受けている。ついで、小山市、下野市、那須塩原市が多い。
下野市
宇都宮市
80
70
足利市
60
那須烏山市
栃木市
50
40
30
20
さくら市
佐野市
10
0
那須塩原市
鹿沼市
日光市
矢板市
大田原市
小山市
真岡市
図 2-64
栃木県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
宇都宮市
下野市
那須烏山市
さくら市
200
175
150
125
100
75
50
25
0
足利市
栃木市
佐野市
那須塩原市
鹿沼市
矢板市
日光市
大田原市
小山市
真岡市
図 2-65
栃木県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
50
④ IT 関連産業振興施策例
栃木県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
とちぎ ICT 推進プラン
栃木県では、2011 年に「とちぎ ICT 推進プラン」を策定し、ICT 環境を安全性にも留
意しながら有効に活用して、地域の活性化や課題の解決、様々な分野における新たな仕
組みや付加価値の創出、さらには効率的な行政運営を図るための栃木県の取組みを示し
ている。
産業振興面では、中小企業のための ICT 利活用支援として、研修等の人材育成支援や、
専門家派遣等を行い具体的な方策等の提示を行うことや、電子商取引等に取り組む意欲
のある事業者等を対象に、ネットビジネスの仕組みやノウハウについて学ぶネットビジ
ネス・スタートアップ支援事業等を行うとしている。その他、栃木県において地域情報
化を推進するために設置した「栃木県市町村情報化推進協議会」において、地域情報化
の情報誌や、具体的な進行管理等を示した「とちぎ ICT 推進アクションプラン」等の策
定を行っている。
2)
第 3 次宇都宮地域情報化計画
宇都宮市では、2012 年に「第 3 次宇都宮地域情報化計画」を策定した。同計画では、
「中小企業等の ICT 利活用の促進」に関する施策も含まれており、県・関連団体との連
携を図りながら、企業経営における ICT の利活用に精通している専門家のデータベース
化や専門家の紹介、効果的な ICT 投資を支える市融資制度の活用促進等、中小企業等の
ICT 利活用の効果的な促進に向けた取組を推進することとしている。
また、宇都宮市では「航空宇宙」、「自動車」、「ロボット」、「情報通信」を次世代モビ
リティ産業と総称し、企業 OB やコーディネータ人材派遣による、イノベーション支援
や人材育成を支援するための戦略「宇都宮市次世代モビリティ産業集積戦略」を策定。
同時に、
「次世代モビリティ産業集積推進会議」を設置し、自律型ロボットのイベントの
開催や、補助金等の支援を行っている。
51
(8) 静岡県
① 情報サービス業
静岡県の情報サービス業の事業所数は、ほぼ静岡市と浜松市に集積しており、両市で
ほぼ 60%に上る。静岡市内では中心エリアである葵区、駿河区に多く、浜松市では中心
エリアである中区に多い。
事業所あたりの従業員数は、磐田市、静岡市葵区、駿河区が多い。磐田市はオートバ
イメーカのヤマハ発動機や、自動車メーカーのスズキが所在し、製造業が発達した工業
都市である。
静岡市葵区
牧之原市
伊豆の国市
静岡市駿河区
静岡市清水区
140
120
菊川市
御前崎市
浜松市中区
浜松市東区
100
80
伊豆市
浜松市西区
60
湖西市
浜松市南区
40
裾野市
浜松市北区
20
0
下田市
浜松市浜北区
袋井市
浜松市天竜区
御殿場市
沼津市
藤枝市
熱海市
掛川市
三島市
焼津市
富士宮市
磐田市
図 2-66
富士市
島田市
伊東市
静岡県・市区単位の事業所数(情報サービス業)
静岡市葵区
牧之原市 30
静岡市駿河区
伊豆の国市
静岡市清水区
菊川市
浜松市中区
25
御前崎市
浜松市東区
20
伊豆市
浜松市西区
15
湖西市
浜松市南区
10
裾野市
5
浜松市北区
下田市
0
浜松市浜北区
袋井市
浜松市天竜区
御殿場市
沼津市
藤枝市
熱海市
掛川市
焼津市
磐田市
富士市
図 2-67
三島市
富士宮市
伊東市
島田市
静岡県・市区単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
52
② インターネット付随サービス業
静岡県のインターネット付随サービス業の事業者は、情報サービス業同様、静岡市、
浜松市に集積している。静岡市内では中心エリアである葵区、駿河区に多く、浜松市で
は中心エリアである中区に多い。
事業所あたりの従業員数は、磐田市と菊川市が多い。菊川市は茶業のほか、自動車関
連部品、精密工作機械などを生産する企業が立地する工業都市でもある。
静岡市葵区
牧之原市
伊豆の国市
静岡市駿河区
静岡市清水区
14
12
菊川市
御前崎市
浜松市中区
浜松市東区
10
8
伊豆市
浜松市西区
6
湖西市
浜松市南区
4
裾野市
浜松市北区
2
0
下田市
浜松市浜北区
袋井市
浜松市天竜区
御殿場市
沼津市
藤枝市
熱海市
掛川市
三島市
焼津市
富士宮市
磐田市
図 2-68
富士市
島田市
伊東市
静岡県・市区単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
静岡市葵区
牧之原市 25
静岡市駿河区
伊豆の国市
静岡市清水区
菊川市
浜松市中区
20
御前崎市
浜松市東区
15
伊豆市
浜松市西区
10
湖西市
浜松市南区
裾野市
5
浜松市北区
下田市
0
浜松市浜北区
袋井市
浜松市天竜区
御殿場市
沼津市
藤枝市
熱海市
掛川市
焼津市
磐田市
富士市
図 2-69
三島市
富士宮市
伊東市
島田市
静岡県・市区単位の事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
53
③ IT 関連ハードウェア業
静岡県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、静岡市清水区が最も多く、次いで沼津
市が多い。沼津市は、戦後まもなく大手電気機械メーカーが多数進出し、産業の核とな
っている。これに伴い地域の中小企業も集積が進んでいる。
事業所あたりの従業員数は、湖西市が最も多く、次いで掛川市が多い。湖西市は自動
車工業が発達しており、静岡県内では浜松市、磐田市、静岡市に次いで第 4 の工業都市
である。
静岡市葵区
牧之原市120
静岡市駿河区
伊豆の国市
静岡市清水区
菊川市
浜松市中区
100
御前崎市
浜松市東区
80
伊豆市
浜松市西区
60
湖西市
浜松市南区
40
裾野市
20
下田市
0
浜松市北区
浜松市浜北区
袋井市
浜松市天竜区
御殿場市
沼津市
藤枝市
熱海市
掛川市
三島市
焼津市
磐田市
富士市
図 2-70
富士宮市
伊東市
島田市
静岡県・市区単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
静岡市葵区
牧之原市
伊豆の国市
静岡市駿河区
静岡市清水区
250
菊川市
浜松市中区
200
御前崎市
浜松市東区
150
伊豆市
浜松市西区
100
湖西市
浜松市南区
50
裾野市
浜松市北区
0
下田市
浜松市浜北区
袋井市
浜松市天竜区
御殿場市
沼津市
藤枝市
熱海市
掛川市
三島市
焼津市
富士宮市
磐田市
図 2-71
富士市
島田市
伊東市
静岡県・市区単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
54
④ IT 関連産業振興施策例
静岡県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
新ふじのくに ICT 戦略
静岡県では、2014 年に「新ふじのくに ICT 戦略」を策定している。
「新ふじのくに ICT
戦略」では、平成 26 年~平成 29 年までの期間に、ICT 利活用推進による安全・安心を
通じた快適な暮らしの実現、地域の活性化、産業の活性化を目指すための施策が示され
ている。
産業活性化に関しては、ICT を導入する小規模・中規模事業者が少ないことや、中小
企業の情報化を推進する ICT 人材の不足を課題認識とし、情報通信産業の育成及び ICT
活用による地域産業振興に関する施策として各種セミナーの開催や専門家派遣による人
材育成や、静岡県産業振興財団による創業者・ベンチャー支援の強化や、クリエイティ
ブ産業の振興を図るための場づくり等の支援を行っていくとしている。
他にも、静岡県では、県のオープンデータを利用したハッカソンの開催や、ふじのく
に静岡 ITS 推進協議会を通じた情報通信技術を利用した道路交通の高度化のための ITS
の推進等、様々な取組を実施している。
2)
静岡市産業振興プラン
静岡市では、2005 年に「静岡市産業振興プラン」を策定している。「静岡市産業振興
プラン」では、
「まちを楽しむ産業の振興」、
「生活の質を高める産業の振興」、
「次代を担
う産業集積の構築」、「チャレンジ精神に富む人材・企業の輩出・育成」を基本方向に定
め、それぞれについての方策を示している。
「次代を担う産業集積の構築」では、静岡情報産業協会等からなるコンテンツバレー
構想調査研究会等によって構築された「しずおかコンテンツバレー構想」に関する施策
が含まれる。この産業振興プラン策定に伴い、コンテンツ産業の発展のために「しずお
かコンテンツバレー推進コンソーシアム」が設立され、ビジネスマッチングに関する支
援等を行っている。また、
「チャレンジ精神に富む人材・企業の輩出」では、インキュベ
ーション施設や起業家セミナー等を通じて、起業を目指す人材に対する支援策等が含ま
れている。
55
(9) 山梨県
① 情報サービス業
山梨県の情報サービス業の事業所は、山梨県の中心エリアである甲府市に集積してお
り、その割合は 50%以上に上る。
事業所当たりの従業員数は、甲斐市、笛吹市が最も多い。甲斐市(旧竜王町地域)は、
戦後から甲府市の発展により甲府郊外として宅地化や商業地域化が進み、工業団地の造
成や情報通信産業の誘致などが行われている。
甲府市
100
中央市
富士吉田市
80
60
甲州市
都留市
40
20
上野原市
山梨市
0
笛吹市
大月市
甲斐市
韮崎市
北杜市
図 2-72
南アルプス市
山梨県・市単位の事業所数(情報サービス業)
甲府市
35
中央市
富士吉田市
30
25
甲州市
都留市
20
15
10
5
上野原市
山梨市
0
笛吹市
大月市
甲斐市
韮崎市
北杜市
図 2-73
南アルプス市
山梨県・市単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
56
② インターネット付随サービス業
山梨県のインターネット付随サービス業の事業所は、40%弱が甲府市に集積している
が、その数は 6 事業所と少ない。
事業所あたりの従業員数は、甲斐市が多く、次いで甲府市、富士吉田市が多い。
甲府市
6
中央市
富士吉田市
5
4
甲州市
都留市
3
2
1
上野原市
山梨市
0
笛吹市
大月市
甲斐市
韮崎市
北杜市
図 2-74
南アルプス市
山梨県・市単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
甲府市
5
中央市
富士吉田市
4
3
甲州市
都留市
2
1
上野原市
山梨市
0
笛吹市
大月市
甲斐市
韮崎市
北杜市
図 2-75
南アルプス市
山梨県・市単位の事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
57
③ IT 関連ハードウェア業
山梨県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、上野原市、都留市の順に多く、次いで
南アルプス市、甲府市に多い。
事業所当たりの従業員数は、甲府市、甲斐市、南アルプス市、中央市、富士吉田市に
多く、いずれも 50 名前後である。
甲府市
中央市
60
富士吉田市
50
40
甲州市
都留市
30
20
10
上野原市
山梨市
0
笛吹市
大月市
甲斐市
韮崎市
北杜市
図 2-76
南アルプス市
山梨県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
甲府市
中央市
60
富士吉田市
50
40
甲州市
都留市
30
20
10
上野原市
山梨市
0
笛吹市
大月市
甲斐市
韮崎市
北杜市
図 2-77
南アルプス市
山梨県・市単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
58
④ IT 関連産業振興施策例
山梨県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す
1)
山梨県地域 ICT 推進協議会
山梨県は、1995 年に県内における民間企業、各種団体、地方公共団体等が連携、協力
し、ICT の利活用を推進することにより、活力に満ちた地域社会の実現に寄与すること
を目的として、「山梨県地域 ICT 推進協議会」を設立している。
「山梨県地域 ICT 推進協議会」では、各種セミナーのほか、ICT 利活用支援、ICT 利
活用に関する情報提供等を行っている。例えば、県内のものづくり、情報通信関連企業
が集まる展示会「山梨テクノ ICT フェア」の開催等を行っている。
また、山梨県産業振興室では、県内に情報サービス業等を新設、増設する企業に対し
て、土地取得費を除く投下固定資産額やオフィス等の賃料の一部を助成する山梨県情報
通信関連企業立地促進費補助金や、オープンデータの促進等を実施している。
2)
甲府市情報通信関連産業立地促進事業補助金・甲府市産業集積促進助成金
甲府市では、情報通信関連産業の企業立地を促進するため、市内全域に所属する情報
通信業(情報サービス業・インターネット付随サービス業)、コールセンター事業の事業
所貸借料を支援する甲府市情報通信関連産業立地促進事業補助金を交付している。
他にも、製造業や情報通信業、卸売業等を対象にした甲府市企業誘致条例奨励金や、
製造業やバイオテクノロジー利用産業等を対象にした甲府市産業集積促進助成金等の交
付も行っており、それぞれの産業の集積を図っている。
59
(10) 長野県
① 情報サービス業
長野県の情報サービス業の事業所は、長野県の二大中心エリアである長野市と松本市
に集積されている。次いで上田市に多い。
事業所当たりの従業員数は、長野市が最も多く、次いで須坂市、松本市の順に多い。
須坂市には 8 つの工業団地が立地している。
長野市
安曇野市
松本市
140
120
東御市
上田市
100
千曲市
岡谷市
80
60
40
佐久市
飯田市
20
0
塩尻市
諏訪市
茅野市
須坂市
飯山市
小諸市
大町市
伊那市
中野市
図 2-78
駒ヶ根市
長野県・市単位の事業所数(情報サービス業)
長野市
安曇野市
東御市
松本市
30
上田市
25
20
千曲市
岡谷市
15
10
佐久市
飯田市
5
0
塩尻市
諏訪市
茅野市
須坂市
飯山市
小諸市
大町市
伊那市
中野市
図 2-79
駒ヶ根市
長野県・市単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
60
② インターネット付随サービス業
長野県のインターネット付随サービス業の事業所数は、松本市が最も多く、次いで長
野市、上田市が多い。
1事業所当たりの従業員数は、小諸市が最も多く、次いで上田市、松本市が多い。
長野市
安曇野市
東御市
千曲市
佐久市
松本市
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
上田市
岡谷市
飯田市
塩尻市
諏訪市
茅野市
須坂市
飯山市
小諸市
大町市
伊那市
中野市
図 2-80
駒ヶ根市
長野県・市単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
長野市
安曇野市
松本市
14
12
東御市
上田市
10
千曲市
岡谷市
8
6
4
佐久市
飯田市
2
0
塩尻市
諏訪市
茅野市
須坂市
飯山市
小諸市
大町市
伊那市
中野市
図 2-81
駒ヶ根市
長野県・市単位の事業所あたりの従業員数(インターネット付随サービス業)
61
③ IT 関連ハードウェア業
長野県の IT 関連ハードウェア業の事業所数は、上田市、佐久市の順に多く、次いで長
野市、松本市、飯田市、岡谷市に多い。
事業所当たりの従業員数は、飯山市、中野市が共に 100 名以上と多く、次いで塩尻市
が多い。
長野市
安曇野市
松本市
140
120
東御市
上田市
100
千曲市
岡谷市
80
60
40
佐久市
飯田市
20
0
塩尻市
諏訪市
茅野市
須坂市
飯山市
小諸市
大町市
伊那市
中野市
図 2-82
駒ヶ根市
長野県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
長野市
安曇野市
東御市
松本市
140
120
上田市
100
千曲市
岡谷市
80
60
40
佐久市
飯田市
20
0
塩尻市
諏訪市
茅野市
須坂市
飯山市
小諸市
大町市
伊那市
中野市
図 2-83
駒ヶ根市
長野県・市単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
62
④ IT 関連産業振興施策例
長野県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
長野県ものづくり産業振興戦略プラン
長野県は、2012 年に「長野県ものづくり産業振興戦略プラン」を策定し、重点プロジ
ェクトとして、
「ICT(情報通信技術)産業の振興」を掲げている。そこでは、県内もの
づくり産業が競争力を強化するための信州大学等との産学連携の支援や、健康・医療分
野、環境・エネルギー分野、次世代交通分野等の次世代県内産業と相互に連携し、地域
産業の新たな価値を創造するために、次世代産業関連企業へのプレゼンや地域企業・大
学生等によるシステム開発コンペ等を通じ事業活動により地域の ICT 産業振興の支援が
計画されている。また、長野県中小企業振興センターと連携し、新たな情報通信技術に
関する相談対応や、各種セミナー等を開催し、地域の IT 関連企業の振興を進めている。
2)
長野市産業振興ビジョン後期振興計画
長野市は、2013 年に「長野市産業振興ビジョン後期振興計画」を策定し、重点プラン
である「ものづくり産業応援プラン」では、ソフトウェア開発等の ICT 産業を含むもの
づくり産業の振興を図るため、企業の新技術・新製品の開発、人材育成、情報発信の促
進が計画されている。具体的には、
「長野市ものづくり再生マザープロジェクト」として、
テクノ財団、UFO Nagano・金融機関の各コーディネータによる新技術開発支援チームを
編成するとともに、パッケージ型の開発支援資金の整備を実施し、ものづくり研究開発
事業等補助金、新産業創出ワークショップ支援事業補助金等の支援を行うこととしてい
る。また、UFO Nagano ものづくり競争塾を開催し、企業の経営力強化や、ソフトウェ
ア・ものづくり企業等人材育成補助制度等を実施することも計画されている。
63
(11) 新潟県
① 情報サービス業
新潟県の情報サービス業の事業所は、55.5%が新潟市に集積している。そのうちの 70%
が新潟市の中心エリアである中央区に立地している。
1事業所当たりの従業員数は、新潟市南区が多く、次いで中央区、長岡市の順に多い。
新潟市北区
胎内市
南魚沼市
新潟市東区
200
新潟市中央区
180
160
魚沼市
新潟市江南区
140
佐渡市
新潟市秋葉区
120
100
阿賀野市
新潟市南区
80
60
40
上越市
新潟市西区
20
0
五泉市
新潟市西蒲区
妙高市
長岡市
糸魚川市
三条市
燕市
柏崎市
村上市
新発田市
見附市
小千谷市
十日町市
図 2-84
加茂市
新潟県・市区単位の事業所数(情報サービス業)
新潟市北区
胎内市
新潟市東区
40
南魚沼市
新潟市中央区
35
魚沼市
新潟市江南区
30
25
佐渡市
新潟市秋葉区
20
阿賀野市
新潟市南区
15
10
上越市
新潟市西区
5
0
五泉市
新潟市西蒲区
妙高市
長岡市
糸魚川市
三条市
燕市
柏崎市
村上市
新発田市
見附市
小千谷市
十日町市
図 2-85
加茂市
新潟県・市区単位の事業所あたりの従業員数(情報サービス業)
64
② インターネット付随サービス業
新潟県のインターネット付随サービス業の従業員数は、新潟市中央区が最も多く、次
いで長岡市に多い。
1事業所当たりの従業員数は、新潟市中央区が最も多い。
新潟市北区
胎内市
南魚沼市
新潟市東区
新潟市中央区
14
12
魚沼市
新潟市江南区
10
佐渡市
新潟市秋葉区
8
6
阿賀野市
新潟市南区
4
上越市
新潟市西区
2
0
五泉市
新潟市西蒲区
妙高市
長岡市
糸魚川市
三条市
燕市
柏崎市
村上市
新発田市
見附市
十日町市
図 2-86
加茂市
小千谷市
新潟県・市区単位の事業所数(インターネット付随サービス業)
新潟市北区
胎内市
南魚沼市
魚沼市
佐渡市
新潟市東区
新潟市中央区
25
20
新潟市江南区
新潟市秋葉区
15
阿賀野市
新潟市南区
10
5
上越市
新潟市西区
0
五泉市
新潟市西蒲区
妙高市
長岡市
糸魚川市
三条市
燕市
柏崎市
村上市
新発田市
見附市
十日町市
図 2-87
加茂市
小千谷市
新潟県・市区単位の事業所あたりの従業員数
(インターネット付随サービス業)
65
③ IT 関連ハードウェア業
新潟県の IT 関連ハードウェア業の事業所は、長岡市が最も多い。新潟市では、江南区、
西区を除く 6 区に 20 事業所前後ずつ立地している。そのほかでは、燕市、上越市が多い。
長岡市は、機械産業が発達し、現在も精密機械や工作機械を生産している企業が多い。
1事業所当たりの従業員数は、妙高市が最も多い。妙高市は半導体の生産が盛んであ
る。
新潟市北区
胎内市
南魚沼市
新潟市東区
新潟市中央区
120
100
魚沼市
新潟市江南区
80
佐渡市
新潟市秋葉区
60
新潟市南区
阿賀野市
40
上越市
新潟市西区
20
0
五泉市
新潟市西蒲区
長岡市
妙高市
糸魚川市
三条市
燕市
柏崎市
新発田市
村上市
見附市
十日町市
図 2-88
加茂市
小千谷市
新潟県・市区単位の事業所数(IT 関連ハードウェア業)
新潟市北区
胎内市
新潟市東区
140
新潟市中央区
南魚沼市
120
新潟市江南区
魚沼市
100
佐渡市
新潟市秋葉区
80
60
阿賀野市
新潟市南区
40
上越市
新潟市西区
20
0
五泉市
新潟市西蒲区
妙高市
長岡市
糸魚川市
三条市
燕市
柏崎市
村上市
新発田市
見附市
小千谷市
十日町市
図 2-89
加茂市
新潟県・市区単位の事業所あたりの従業員数(IT 関連ハードウェア業)
66
④ IT 関連産業振興施策例
新潟県における自治体等による IT 関連産業振興施策例を以下に示す。
1)
新潟県情報化プラン
新潟県では、2013 年に県内の情報化に関する方針等を記載した「新潟県情報化プラン
(2012~2015)」を策定している。「新潟県情報化プラン(2012~2015)」では、「地域情
報化」と「行政情報化」の大きく 2 種類の方針を記載。産業・観光の分野では、
「財団法
人にいがた産業創造機構(NICO)」等を通して、県内の ICT 産業の育成に取り組む旨が
記載されている。そこでは、地域が抱える ICT 実用化に対する支援や、地域情報化のた
めのイベントや「新潟県 IT&ITS 協議会」等の ICT 関連行事等の支援、クラウド活用型
ICT サービスの創出と普及を行うとしている。
2)
新潟市ソフトウェア産業協議会
新潟市は、コンピュータ応用の各種ソフトウェア産業並びに情報処理産業に携わる会
員の相互協力により、情報サービス産業の健全な発展を図るため、諸問題を協議し、地
域社会の活性化に寄与することを目的に新潟市ソフトウェア産業協議会を昭和 63 年に
設置している。新潟市ソフトウェア産業協議会では、会員企業間での情報共有のための
イベントの開催や、各種セミナーの開催等の活動を行っている。
67
2.
広域関東圏における IT 関連企業に関するアンケート調査結果
2.1
調査概要
(1) 目的
本調査では、中堅・中小 IT 関連企業の新ビジネス領域への参入(例えば、ヘルスケア、
環境・エネルギー、先端ものづくり、クリエイティブ関連等の成長分野における製品や
サービスの提供等)に向けた取組の状況や課題を把握することを主な目的として、広域
関東圏の中堅・中小 IT 関連企業に対するアンケート調査を実施した。
アンケート調査では、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参入の実態や意向のほか、
今後のさらなる成長・飛躍に向けた戦略や取組、今後の新たな支援施策に関する意見等
についての把握を試みた。
(2) 調査方法・調査対象
アンケート調査の実施期間や調査方法・調査対象は、表 2-1 のとおりであった。
アンケート調査は、郵送アンケート調査(郵送回答方式)として、2014 年 12 月上旬
~下旬の期間に実施された。また、配布数 1,000 件に対して、回収数は 252 件(回収率
25.2%)であった。
表 2-1
アンケート調査の概要
実施期間
2014 年 12 月上旬から下旬
調査方法
郵送配布・回収方式
広域関東圏内の中堅・中小 IT 関連企業(1,000 社)
配布数
(受託開発ソフトウェア業、組込みソフトウェア業、インターネット付随サービス業の業種
に属する広域関東圏内の企業から、従業員数 5 名~100 名の規模の企業を抽出)
回収数
252 件(回収率 25.2%)
(3) 調査内容
アンケートにおける調査項目を、表 2-2 に示す。
本アンケートでは、調査対象として抽出した受託開発ソフトウェア業、組込みソフト
ウェア業、インターネット付随サービス業のそれぞれの企業に対して、現在及び今後の
事業戦略のほか、知的財産の活用状況、今後の変革に向けた支援ニーズ(例えばハッカ
ソンのような昨今の新しい取組に対する考え方)を尋ねた。また、企業の属性情報の一
部として、同業者からの受注比率7を尋ね、これをクロス集計時の軸として用いた。
7
同業者からの受注比率が高い企業は、いわゆる多重下請構造における下請業務を多く受注している可能性が高い
と考えられる。受注比率別の分析を行うことで、ビジネスモデルが異なる企業間での比較を行うことができる。
68
表 2-2
アンケート調査項目
区分
調査項目
企業基本情報





従業員数
創業年
資本系列
主要顧客、主要法人顧客業種
同業者受注比率
現在及び今後の
事業戦略について








現在の主な事業
今後特に拡大/縮小すると考える事業
今後特に重点的に取り組みたい事業
今後の事業展開方針
今後の参入の余地があると考える顧客業種
成長分野における事業展開の状況と今後の参入意向
今後の事業展開に向けた課題
IT を活用した新製品・サービスの創出プロセス別の取組状況
今後の変革に
向けた
支援ニーズ
知的財産の活用
について
(ハッカソン等の最近の新たな取組に対する企業の考え方)
 IT を活用した新製品・サービスの創出に向けて、自社の従業員
にハッカソン等の新しい取組に参加して欲しいか
 自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件




現在活用している知的財産の種類
知的財産活用の重要度
知的財産活用の取組の状況
知的財産活用に関する課題
69
2.2
調査結果要約
今回の調査において実施したアンケート調査の集計結果を以下に示す。なお、本章に
示す結果は主な集計結果の要約であり、すべての集計結果は第 5 章に掲載した。
(1) 回答企業属性
① 業種分布
今回のアンケートに回答した中堅・中小 IT 関連企業の業種分布は、図 2-90 のとおり
であった。受託開発ソフトウェア業、組込みソフトウェア業、インターネット付随サー
ビス業の企業にそれぞれほぼ同数の調査票を配布したが、受託開発ソフトウェア業の企
業から、最も多くの回答を得た。
0%
25%
n=252
50%
53.6%
75%
30.2%
受託開発ソフトウェア業
インターネット付随サービス業
図 2-90
100%
15.9%
0.4%
組込みソフトウェア業
無回答
回答企業の業種分布
② 従業員数
アンケートに回答した中堅・中小 IT 関連企業の業種別の従業員数分布を、図 2-91 に
示す。従業員数の分布についても、
「10 名以下」、
「11~30 名」、
「31 名以上」がほぼ同じ
割合となるように調査票を配布したが、回収票の構成比は、図 2-91 のとおりとなった。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
28.9%
組込みソフトウェア業 (n=76)
30.3%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
36.3%
75%
100%
34.8%
48.7%
32.5%
40.0%
10名以下
11~30名
21.1%
27.5%
31名以上
※業種不明の1件は除く
図 2-91
従業員数(業種別)
③ 創業年
アンケートに回答した中堅・中小 IT 関連企業の創業年代の分布を、図 2-92 に示す。
インターネット付随サービス業では、2000 年以降に創業された企業の占める割合が高い
という顕著な傾向がみられる。
70
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
25%
8.1%
50%
22.2%
75%
24.4%
2.6% 15.8%
21.5%
30.3%
27.6%
47.5%
2.5%
40.0%
100%
16.3%
7.4%
15.8%
7.9%
10.0%
0.0%
1970年代以前
1990年代
2000年代後半(2005~2009年)
1980年代
2000年代前半(2000~2004年)
2010年代
※業種不明の1件は除く
図 2-92
創業年代(業種別)
④ 同業者受注比率
今回のアンケート調査では、同業者(IT 関連事業者)からの受注業務の大まかな比率
を尋ねた。前述のとおり、同業者からの受注比率が高い企業は、いわゆる多重下請構造
における下請業務を多く受注している可能性が高いと考えられる。よって、受注比率別
の分析を行うことで、ビジネスモデルが異なる企業間での比較を行うことが可能となる。
図 2-93 をみると、アンケートに回答した中堅・中小 IT 関連企業のうち、受託開発ソ
フトウェア業や組込みソフトウェア業では、同業者受注比率が「3割以上」と回答した
企業がいずれも4割を超えており、インターネット付随サービス業とは、状況が異なっ
ていることがうかがえる。
0%
25%
50%
9.2%
36.8%
組込みソフトウェア業 (n=76)
9.6%
13.3%
27.4%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
52.5%
インターネット付随サービス業 (n=40)
1割未満
75%
1~2割未満
100%
46.7%
7.9%
3.0%
43.4%
15.0%
2~3割未満
15.0%
3割以上
2.6%
15.0%
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-93
同業者受注比率(業種別)
⑤ 主要顧客
回答企業の主要顧客については、図 2-94 のとおり、
「民間法人」と回答した企業の割
合が9割を超えている。また、インターネット付随サービス業のほうが、
「個人」という
回答の割合が高くなっている点が注目される。
71
0%
個人
25%
4.4%
9.2%
50%
75%
22.5%
97.8%
93.4%
92.5%
民間法人
18.5%
18.4%
12.5%
公的法人
無回答
100%
2.2%
0.0%
0.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-94
主要顧客(業種別)
⑥ 主要法人顧客業種
主要な法人顧客について、その業種を尋ねたところ、図 2-95 のとおり最も多い回答
は、
「IT・情報サービス業」となった。その他、受託開発ソフトウェア業及び組込みソフ
トウェア業については、
「製造業」という回答の割合が高い。これに対して、インターネ
ット付随サービス業では、
「卸・小売業」や「飲食・宿泊業」、
「不動産業」なども含めて
全体的に図下部のサービス業系の業種を顧客とする傾向がみられる。
72
0%
農林水産業・鉱業
25%
製造業(機械・電機・電子関連)
27.6%
10.0%
製造業(製鉄・化学等)
6.7%
5.3%
5.0%
製造業(繊維・木材等)
6.7%
5.3%
2.5%
9.6%
7.9%
5.0%
11.1%
7.9%
7.5%
運輸業
21.5%
26.3%
27.5%
通信業
金融・保険業
23.7%
13.2%
17.5%
卸売・小売業
12.6%
14.5%
20.0%
不動産業
38.5%
10.4%
14.5%
7.5%
製造業(食品等上記以外)
飲食・宿泊業
75%
13.3%
7.9%
7.5%
建設業
電気・ガス・水道業
50%
2.2%
0.0%
2.5%
4.4%
5.3%
17.5%
8.9%
6.6%
17.5%
74.1%
73.7%
72.5%
IT・情報サービス業
9.2%
医療・介護サービス業
行政・公共関連
無回答
17.5%
20.7%
14.5%
25.0%
その他サービス業
法人取引はない
17.0%
7.5%
20.0%
15.8%
0.0%
0.0%
0.0%
3.0%
1.3%
2.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-95
主要法人顧客業種(業種別)
73
100%
(2) 現在及び今後の事業戦略
① 現在の主要事業
図 2-96 は、アンケート回答企業の現在の主要事業の回答結果を抜粋したものである。
現在の主要事業としては「受託システム・ソフトウェア開発」の占める割合が多い。ま
た、
「技術者派遣」という回答も多く、受託開発ソフトウェア業と組込みソフトウェア業
では、4割超の企業が「技術者派遣」を主要業務としていることがうかがえる。
0%
25%
受託システム・ソフトウェア開発
技術者派遣
50%
75%
63.2%
30.0%
100%
75.6%
45.2%
40.8%
7.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-96
現在の主要事業(業種別)~ 受託開発と技術者派遣の実施割合
② 今後特に重点的に取り組みたい事業
現在の主要事業のほか、今後特に重点的に取り組みたい事業を尋ねたところ、図 2-97
のとおりとなった。
受託開発ソフトウェア業では、
「受託システム・ソフトウェア開発」、
「パッケージソフ
トウェア開発・販売」、「システム企画コンサルティング」の順となっている。
また、組込みソフトウェア業では、「パッケージソフトウェア開発・販売」、「ASP サ
ービス」、「WEB コンテンツ・アプリ制作」の順となった。
インターネット付随サービスでは、
「WEB コンテンツ・アプリ制作」、
「WEB サイト構
築・運用」の順となっている。
いずれの業種でも「WEB コンテンツ・アプリ制作」への関心が高くなっている点は注
目される。
74
0%
25%
システム企画コンサルティング
19.7%
15.0%
受託システム・ソフトウェア開発
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
上記以外のITアウトソーシングサービス
21.5%
15.8%
0.0%
17.0%
13.2%
7.5%
20.0%
26.3%
15.0%
11.9%
17.1%
20.0%
3.9%
5.0%
13.3%
8.9%
6.6%
10.0%
31.1%
26.3%
35.0%
21.5%
17.1%
30.0%
WEBサイト構築・運用
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
45.9%
33.3%
36.8%
2.5%
WEBコンテンツ・アプリ制作
WEB関連その他
75%
28.1%
14.5%
10.0%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
SaaS・PaaSサービス
27.6%
15.0%
システムインテグレーション(SI)
パッケージソフトウェア開発・販売
50%
32.6%
5.9%
2.6%
5.0%
17.5%
13.2%
23.7%
14.1%
10.5%
7.5%
5.9%
3.9%
5.0%
8.9%
14.5%
17.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-97
今後特に重点的に取り組みたい事業(業種別)
75
100%
③ 今後の事業展開方針
今後特に重点的に取り組みたい事業とあわせて、今後の事業展開の方針についても尋
ねたところ、その結果は図 2-98 のとおりとなった。回答企業の多くは、
「現在の主力事
業の拡大」とともに、
「競争力のある新製品・サービスの創出」を重視していることが分
かる。
「競争力のある新製品・サービスの創出」については、回答企業の約半数が「非常
に重要」と回答しているほか、
「ある程度重要」とあわせると全体の約8割の企業が重要
であると考えていることが読み取れる。
0%
25%
50%
33.3%
15.5%
現在の主力事業の転換
26.2%
24.6%
18.7%
下請・派遣業務からの脱却
BtoB(法人顧客)からBtoC(個人顧客)への転換 6.0%
17.5%
27.0%
34.5%
7.5%
8.3% 3.2% 4.4%
11.9% 4.4%
21.8%
ある程度重要
まったく重要ではない
9.1% 5.6%
15.1%
29.8%
非常に重要
あまり重要ではない
図 2-98
11.9%
30.6%
49.6%
競争力のある新製品・サービスの創出
4.8%
1.2%
0.8%
0.0%
10.3%
22.2%
26.6%
成長率の高い新たな業種への参入
100%
31.3%
61.9%
現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)
1)
75%
15.5%
2.0%
2.4%
4.8%
(n=252)
どちらとも言えない
無回答
今後の事業展開方針(全体)
現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)
図 2-98 の各事業展開方針のうち、「現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)」について
の回答を業種別にみたものが図 2-99 である。業種間の差異はそれほどみられない。
0%
25%
50%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
61.5%
組込みソフトウェア業 (n=76)
61.8%
インターネット付随サービス業 (n=40)
100%
31.9%
28.9%
65.0%
非常に重要
あまり重要ではない
75%
4.4% 0.0% 1.5%
0.7%
7.9%
0.0%
1.3%
32.5%
ある程度重要
まったく重要ではない
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-99
今後の事業展開方針 1「現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)」
(業種別)
76
0.0% 2.5%
2)
現在の主力事業の転換
図 2-100 のとおり、「現在の主力事業の転換」という回答に関しては、業種間で大き
な差異は見られないが、組込みソフトウェア業において「非常に重要」という回答の割
合がやや高くなっている。受託開発ソフトウェア業と組込みソフトウェア業では、約半
数の企業は「非常に重要」または「ある程度重要」と回答しており、多くの企業が現在
のビジネスモデルの変革に向けた問題意識を持っていることがうかがえる。
0%
25%
50%
14.1%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
36.3%
18.4%
組込みソフトウェア業 (n=76)
24.4%
32.9%
15.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
75%
10.4%
20.0%
12.5%
ある程度重要
まったく重要ではない
8.1% 6.7%
9.2%
31.6%
25.0%
非常に重要
あまり重要ではない
100%
17.5%
6.6%
1.3%
10.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-100
今後の事業展開方針 2「現在の主力事業の転換」
(業種別)
3)
下請・派遣業務からの脱却
図 2-101 の「下請・派遣業務からの脱却」という回答については、受託開発ソフトウ
ェア業及び組込みソフトウェア業の半数近くの企業が「非常に重要」または「ある程度
重要」と回答しており、
「現在の主力事業の転換」と同様に問題意識を持っている企業が
多いことがうかがえる。特に、受託開発ソフトウェア業及び組込みソフトウェア業では、
約2割の企業が、
「下請・派遣業務からの脱却」について「非常に重要」と回答している。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
21.5%
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
28.1%
19.7%
7.5%
12.5%
75%
23.7%
25.0%
17.5%
非常に重要
あまり重要ではない
21.1%
20.0%
ある程度重要
まったく重要ではない
100%
10.4%
10.5%
14.5%
32.5%
今後の事業展開方針 3「下請・派遣業務からの脱却」
(業種別)
77
9.2%
10.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-101
10.4% 5.9%
4)
成長率の高い新たな業種への参入
図 2-102 の「成長率の高い新たな業種への参入」という回答については、業種を問わ
ず、「非常に重要」または「ある程度重要」と回答した企業が半数を超えている。特に、
インターネット付随サービス業では、回答の割合が高くなっており、新規分野への参入
意欲が高いことが読み取れる。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25.2%
組込みソフトウェア業 (n=76)
23.7%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
75%
5.3% 3.9%
34.2%
27.6%
ある程度重要
まったく重要ではない
3.0%
5.3%
5.0% 0.0% 7.5%
22.5%
27.5%
非常に重要
あまり重要ではない
11.1% 3.7%
24.4%
32.6%
37.5%
100%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-102
今後の事業展開方針 4「成長率の高い新たな業種への参入」
(業種別)
5)
競争力のある新製品・サービスの創出
図 2-103 の「競争力のある新製品・サービスの創出」という回答については、いずれ
の業種でも「非常に重要」という回答が多い。受託開発ソフトウェア業及び組込みソフ
トウェア業では、約半数の企業が「非常に重要」と回答しているほか、「ある程度重要」
という回答をあわせると全体の4分の3を超える企業が「重要」と回答している。また、
インターネット付随サービス業では、実に6割を超える企業が「競争力のある新製品・
サービスの創出」について「非常に重要」と回答している。この結果からは、中堅・中
小 IT 関連企業が、「競争力のある新製品・サービスの創出」を非常に重要な課題として
捉えていることが分かる。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
46.7%
組込みソフトウェア業 (n=76)
47.4%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
75%
29.6%
100%
12.6%
32.9%
65.0%
非常に重要
あまり重要ではない
13.2%
25.0%
ある程度重要
まったく重要ではない
5.2% 3.0% 3.0%
3.9%
1.3%
1.3%
7.5%
0.0% 2.5%
0.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-103
今後の事業展開方針 5「競争力のある新製品・サービスの創出」
(業種別)
78
6)
BtoB(法人顧客)から BtoC(個人顧客)への転換
図 2-104 の「BtoB(法人顧客)から BtoC(個人顧客)への転換」という回答につい
ては、いずれの業種も「非常に重要」または「ある程度重要」と回答した割合はそれほ
ど高くはない。特に、受託開発ソフトウェア業や組込みソフトウェア業ではその割合が
低いことから、これらの業種では、BtoB(法人顧客)向けの業務を事業の柱と考える割
合が高いことが読み取れる。
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25%
3.7%
組込みソフトウェア業 (n=76) 5.3%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
20.7%
29.6%
17.1%
15.0%
75%
23.7%
38.2%
7.5%
45.0%
非常に重要
あまり重要ではない
ある程度重要
まったく重要ではない
100%
17.8%
22.4%
15.0%
4.4%
11.8%
5.3%
12.5%
5.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-104
今後の事業展開方針 6 「BtoB(法人顧客)から BtoC(個人顧客)への転換」
(業種別)
④ 将来的に成長が見込める顧客業種
今後の有力な参入先として、「将来的に成長が見込める顧客業種」を尋ねた結果を図
2-105 に示す。
図 2-105 をみると、受託開発ソフトウェア業では、「医療・介護サービス業(ヘルス
ケア関連業)」という回答が最も多く、次いで「IT・情報サービス業」の順となった。
組込みソフトウェア業では、
「IT・情報サービス業」、
「医療・介護サービス業(ヘルス
ケア関連業)」の順となっている。また、インターネット付随サービス業では、「IT・情
報サービス業」に続き、「医療・介護サービス業(ヘルスケア関連業)」と「ゲーム・コ
ンテンツ関連業」が同率となっている。
「IT・情報サービス業」を除くと、いずれの業種においても「医療・介護サービス業
(ヘルスケア関連業)」という回答が多く、医療・介護・ヘルスケア関連業は、今後の新
たな参入先として注目を集めているといえる。
79
0%
25%
農業
林業・水産業・鉱業
建設業
製造業(機械・電機・電子関連)
9.6%
6.6%
5.0%
20.0%
5.3%
5.0%
7.4%
1.3%
0.0%
製造業(繊維・木材等)
3.0%
1.3%
0.0%
電気・ガス・水道業(エネルギー関連業)
運輸業
3.0%
9.2%
7.5%
19.3%
14.5%
7.5%
8.1%
9.2%
5.0%
17.8%
15.8%
15.0%
通信業
21.5%
15.8%
20.0%
金融・保険業
卸売・小売業
飲食・宿泊業
不動産業
7.4%
18.4%
12.5%
4.4%
9.2%
7.5%
3.7%
5.3%
12.5%
54.1%
61.8%
70.0%
IT・情報サービス業
16.3%
ゲーム・コンテンツ関連業
26.3%
9.2%
10.0%
その他
7.4%
1.3%
7.5%
当てはまるものは特にない
2.2%
7.9%
2.5%
無回答
45.0%
57.0%
51.3%
45.0%
医療・介護サービス業(ヘルスケア関連業)
行政・公共関連
75%
4.4%
3.9%
5.0%
製造業(製鉄・化学等)
製造業(食品等/上記以外)
50%
20.7%
23.7%
15.0%
20.7%
3.7%
0.0%
5.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-105
将来的に成長が見込める顧客業種(業種別)
80
100%
⑤ 代表的な成長分野への参入状況
今回の調査では、代表的な成長分野として、
「関東地方産業競争力強化戦略」で広域関
東圏においてさらなる発展が見込まれる「成長産業」として挙げられた、先端ものづく
り、環境・エネルギー、ヘルスケア、クリエイティブの4つの分野に着目し、これらの
代表的な成長分野への中堅・中小 IT 関連企業の参入の実態について尋ねた。
1)
先端ものづくり関連分野
先端ものづくり関連分野(図 2-106)について、すでに「この業種の法人顧客と取引
がある」と答えた企業の割合は、最も高い受託開発ソフトウェア業でも2割程度となっ
た。「今後参入したい分野である」、「今後参入を検討する可能性がある」という回答は、
いずれの業種においてもそれぞれ1割~2割程度となっている。
インターネット付随サービス業では、受託開発ソフトウェア業や組込みソフトウェア
業と比べて取引実績が少なく、
「今のところ関心はない」という回答も半数に上っている。
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
今後ぜひ参入したい分野である
25%
7.5%
75%
100%
21.5%
15.8%
0.7%
1.3%
0.0%
12.6%
15.8%
15.0%
23.0%
17.1%
17.5%
今後参入を検討する可能性がある
33.3%
39.5%
今のところ関心はない
無回答
50%
50.0%
9.6%
10.5%
10.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-106
2)
代表的な成長分野への参入状況:先端ものづくり関連分野(業種別)
環境・エネルギー関連分野
環境・エネルギー関連分野(図 2-107)に関しては、
「この業種の法人顧客と取引があ
る」と答えた企業の割合は、最も高い受託開発ソフトウェア業でも1割程度となった。
ただし、
「今後参入したい分野である」、
「今後参入を検討する可能性がある」という回答
はそれぞれ2割前後となっており、一定の参入意向があることがうかがえる。
先端ものづくり関連分野と同様に、インターネット付随サービス業では、受託開発ソ
フトウェア業や組込みソフトウェア業と比べて取引実績が少なく、
「今のところ関心はな
い」という回答も半数に上っている。
81
0%
25%
50%
75%
100%
11.9%
9.2%
2.5%
この業種の法人顧客と取引がある
0.0%
0.0%
2.5%
この分野の個人向け製品等がある
22.2%
18.4%
17.5%
今後ぜひ参入したい分野である
今後参入を検討する可能性がある
15.0%
28.9%
25.0%
27.4%
今のところ関心はない
36.8%
50.0%
9.6%
10.5%
12.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-107
3)
代表的な成長分野への参入状況:環境・エネルギー関連分野(業種別)
ヘルスケア関連分野
ヘルスケア関連分野(図 2-108)に関しては、
「この業種の法人顧客と取引がある」と
答えた企業の割合は、最も高い受託開発ソフトウェア業で2割程度となっている。しか
し、
「今後参入を検討する可能性がある」という回答は先端ものづくり関連分野や環境・
エネルギー関連分野よりもやや高く、特に組込みソフトウェア業やインターネット付随
サービス業では、3割を超える結果となった。この分野に対する中堅・中小 IT 関連企業
の関心の高さが示されているといえる。
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
25%
11.8%
7.5%
75%
100%
23.7%
3.7%
3.9%
2.5%
18.5%
19.7%
15.0%
今後ぜひ参入したい分野である
25.2%
32.9%
32.5%
今後参入を検討する可能性がある
25.2%
28.9%
35.0%
今のところ関心はない
無回答
50%
5.2%
5.3%
7.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-108
代表的な成長分野への参入状況:ヘルスケア関連分野(業種別)
82
4)
クリエイティブ関連分野
クリエイティブ関連分野(図 2-109)に関しては、
「この業種の法人顧客と取引がある」
と答えた企業の割合は、最も高いインターネット付随サービス業で3割を超えている。
まだ参入していない受託開発ソフトウェア業と組込みソフトウェア業では「今後参入を
検討する可能性がある」という回答がやや高くなっており、特に組込みソフトウェアで
は3割を超えている。
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
今後ぜひ参入したい分野である
今後参入を検討する可能性がある
25%
1.5%
5.3%
75%
100%
35.0%
20.0%
13.3%
13.2%
10.0%
12.5%
今のところ関心はない
無回答
50%
11.9%
9.2%
25.9%
34.2%
20.0%
34.8%
34.2%
12.6%
6.6%
7.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-109
代表的な成長分野への参入状況:クリエイティブ関連分野(業種別)
83
⑥ 今後の事業展開に向けての課題
今後の事業展開方針等に続いて、今後の事業展開に向けた課題を尋ねたところ、その
結果は図 2-110 のとおりとなった。
全体としては、「他社と差別化するための技術力の向上」のほか、「将来に向けた社内
の変革・危機意識の喚起」、「新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上」という
回答が多くなっている。また、これらの回答に続き「新たな製品・サービスの創出に向
けた組織(雰囲気・場・しくみ)づくり」や「新たな製品・サービスの創出に向けた個々
の社員の発想力の強化」が上位となっており、全体としては、技術力の強化と新たな製
品・サービス創出力の向上が課題となっていることが読み取れる。
0%
25%
50%
他社と差別化するための技術力の向上
100%
42.1%
将来に向けた社内の変革・危機意識の喚起
34.9%
新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上
31.0%
新たな製品・サービスを創出に向けた組織
(雰囲気・場・しくみ)づくり
30.6%
新たな製品・サービスの創出に向けた
個々の社員の発想力の強化
29.0%
ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上
23.0%
プロジェクトマネジメント力の向上
22.6%
近年の新しい市場動向やニーズの把握
18.7%
経営者自身の意識改革
16.7%
同業他社との連携の強化
15.5%
新規顧客や人脈形成のためのネットワークづくり
13.1%
最近注目されている先端技術の獲得
4.8%
ユーザーとの対等な関係の構築
4.8%
図 2-110
75%
その他
1.2%
無回答
2.0%
n=252
今後の事業展開に向けての課題(全体)
84
図 2-110 の今後の事業展開に向けての課題を業種別に見ると(図 2-111)、「他社と差
別化するための技術力の向上」という課題は、特に組込みソフトウェア業と受託開発ソ
フトウェア業で高いことが分かる。
インターネット付随サービス業では、
「新たな製品・サービスの創出に向けた組織(雰
囲気・場・しくみ)づくり」のほか、
「新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上」
という回答が多くなっている。
0%
25%
50%
41.5%
47.4%
他社と差別化するための技術力の向上
35.0%
将来に向けた社内の変革・危機意識の喚起
37.0%
34.2%
30.0%
新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上
27.4%
34.2%
37.5%
新たな製品・サービスを創出に向けた組織
(雰囲気・場・しくみ)づくり
28.9%
27.6%
新たな製品・サービスの創出に向けた
個々の社員の発想力の強化
29.6%
28.9%
27.5%
ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上
23.0%
25.0%
17.5%
プロジェクトマネジメント力の向上
25.9%
21.1%
15.0%
経営者自身の意識改革
18.5%
15.8%
12.5%
同業他社との連携の強化
16.3%
13.2%
17.5%
最近注目されている先端技術の獲得
ユーザーとの対等な関係の構築
42.5%
18.5%
17.1%
22.5%
近年の新しい市場動向やニーズの把握
新規顧客や人脈形成のためのネットワークづくり
75%
13.3%
15.8%
7.5%
1.5%
9.2%
7.5%
4.4%
5.3%
2.5%
その他
0.7%
1.3%
2.5%
無回答
2.2%
0.0%
5.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-111
今後の事業展開に向けての課題(業種別)
85
100%
図 2-110 の今後の事業展開に向けての課題を同業者受注比率別に見ると(図 2-112)、
同業者受注比率が高い企業では、
「他社と差別化するための技術力の向上」や「プロジェ
クトマネジメント力の向上」と回答した割合が高くなっている。他方、同業者受注比率
が低い企業では、
「新たな製品・サービスの創出に向けた個々の社員の発想力の強化」と
いう回答が同率で最も多くなっている。同業者受注比率が高い企業と低い企業では、他
社との競争優位性を確保する際の課題が異なることを示しているといえる。
0%
25%
50%
75%
38.4%
46.4%
45.1%
他社と差別化するための技術力の向上
27.9%
将来に向けた社内の変革・危機意識の喚起
42.9%
36.3%
36.0%
35.7%
新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上
25.5%
31.4%
26.8%
33.3%
新たな製品・サービスを創出に向けた組織
(雰囲気・場・しくみ)づくり
38.4%
新たな製品・サービスの創出に向けた
個々の社員の発想力の強化
25.0%
22.5%
24.4%
21.4%
22.5%
ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上
17.4%
16.1%
プロジェクトマネジメント力の向上
29.4%
15.1%
17.9%
20.6%
近年の新しい市場動向やニーズの把握
経営者自身の意識改革
15.1%
17.9%
18.6%
同業他社との連携の強化
12.8%
17.9%
16.7%
9.3%
8.9%
新規顧客や人脈形成のためのネットワークづくり
19.6%
最近注目されている先端技術の獲得
5.8%
3.6%
4.9%
ユーザーとの対等な関係の構築
5.8%
1.8%
4.9%
その他
1.2%
0.0%
2.0%
無回答
3.5%
1.8%
1.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-112
今後の事業展開に向けての課題(同業者受注比率別)
86
100%
⑦ 新事業創出に向けた取組の状況
今回のアンケート調査では、中堅・中小 IT 関連企業が、新事業の創出を課題として掲
げるだけでなく、新事業の創出に向けて具体的にどのような取組を進めているかという
点についても尋ねた。
図 2-113 をみると、いずれの取組についても、具体的な成果を挙げている企業の割合
は1割以下にとどまっているが、
「現在取り組みを進めているところ」、
「取り組みの必要
性は感じている」という企業の割合はおおむね8割程度に上っている。特に、
「新しい販
路の検討・拡大」や「新たな製品・サービスの考案・試作」に取り組んでいる企業の割
合は、全体の半数程度にも上っている。中堅・中小 IT 関連企業の多くが、新事業の創出
を課題として感じるとともに、その実現に向けて何らかの取り組みを進めているという
状況が把握された。
0%
新事業創出に向けた事業戦略の策定
25%
新たな市場ニーズの把握・分析
4.8%
参入先市場や顧客の絞込み
3.2%
新たな製品・サービスの考案・試作
7.9%
新しい販路の検討・拡大
6.7%
75%
40.9%
38.9%
8.7%
新事業創出に向けた具体的な目標の設定 6.0%
50%
46.0%
35.3%
46.0%
35.3%
47.2%
31.3%
41.3%
100%
7.9% 3.6%
8.3% 4.4%
8.3% 5.6%
11.9%
33.7%
45.6%
33.3%
6.3%
11.5% 5.6%
9.5% 4.8%
(n=252)
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
図 2-113
新事業創出に向けた取組の状況(全体)
続いて、図 2-113 に示した各取組の回答を業種別及び同業者受注比率別に集計した結
果を示す。
87
1)
新事業創出に向けた取組の状況 1 「事業戦略の策定」
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「事業戦略の策定」の取組状況について
の回答を業種別にみると(図 2-114)、インターネット付随サービス業では、特に「現在
取り組みを進めているところ」と回答した企業の割合が高くなっている。
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
25%
8.9%
50%
31.9%
10.5%
75%
45.9%
39.5%
インターネット付随サービス業 (n=40) 5.0%
100%
9.6% 3.7%
42.1%
62.5%
5.3% 2.6%
20.0%
7.5% 5.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-114
新事業創出に向けた取組の状況 1 「事業戦略の策定」
(業種別)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「事業戦略の策定」の取組状況について
の回答を同業者受注比率別にみると(図 2-115)、「事業戦略の策定」に関しては、同業
者受注比率による違いはあまりみられないという結果となった。
0%
25%
1割未満 (n=86)
9.3%
1~3割未満 (n=56)
8.9%
3割以上 (n=102)
7.8%
50%
75%
41.9%
37.5%
37.3%
36.0%
7.1% 3.6%
44.1%
6.9% 3.9%
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
新事業創出に向けた取組の状況 1 「事業戦略の策定」
(同業者受注比率別)
88
10.5% 2.3%
42.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
図 2-115
100%
新事業創出に向けた取組の状況 2 「目標の設定」
2)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「目標の設定」の取組状況についての回
答を業種別にみると(図 2-116)、「事業戦略の策定」と同様に、インターネット付随サ
ービス業で「現在取り組みを進めているところ」と回答した企業の割合が高くなってい
る。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135) 4.4%
75%
51.1%
31.1%
7.9% 2.6%
25.0%
55.0%
インターネット付随サービス業 (n=40) 5.0%
100%
8.9% 4.4%
47.4%
32.9%
9.2%
組込みソフトウェア業 (n=76)
50%
7.5% 7.5%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-116
新事業創出に向けた取組の状況 2 「目標の設定」
(業種別)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「目標の設定」の取組状況についての回
答を同業者受注比率別にみると(図 2-117)、同業者受注比率が低い企業で「取り組みに
より具体的な成果を挙げている」という回答や「現在取り組みを進めているところ」と
いう回答の割合がやや高くなっている。
0%
1割未満 (n=86)
25%
7.0%
1~3割未満 (n=56) 5.4%
3割以上 (n=102) 5.9%
50%
38.4%
75%
40.7%
50.0%
32.1%
49.0%
35.3%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-117
新事業創出に向けた取組の状況 2 「目標の設定」
(同業者受注比率別)
89
100%
11.6% 2.3%
7.1% 5.4%
5.9% 3.9%
3)
新事業創出に向けた取組の状況 3 「市場ニーズの把握・分析」
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、
「市場ニーズの把握・分析」の取組状況に
ついての回答を業種別にみると(図 2-118)、受託開発ソフトウェア業で具体的な成果を
挙げていると回答した企業の割合がやや高くなっている。
「現在取り組みを進めていると
ころ」という回答は、インターネット付随サービス業に多い。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135) 5.9%
組込みソフトウェア業 (n=76)
3.9%
インターネット付随サービス業 (n=40)
2.5%
50%
75%
45.2%
31.9%
10.4%
51.3%
35.5%
6.7%
6.6% 2.6%
40.0%
45.0%
100%
5.0% 7.5%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-118
新事業創出に向けた取組の状況 3 「市場ニーズの把握・分析」
(業種別)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、
「市場ニーズの把握・分析」の取組状況に
ついての回答を同業者受注比率別にみると(図 2-119)、同業者受注比率が低い企業のほ
うが、
「取り組みにより具体的な成果を挙げている」という回答や「現在取り組みを進め
ているところ」という回答の割合がやや高くなっている。
0%
1割未満 (n=86)
25%
7.0%
1~3割未満 (n=56) 5.4%
3割以上 (n=102) 2.9%
38.4%
32.1%
50%
75%
40.7%
48.2%
34.3%
50.0%
100%
10.5% 3.5%
7.1% 7.1%
7.8% 4.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-119
新事業創出に向けた取組の状況 3 「市場ニーズの把握・分析」
(同業者受注比率別)
90
4)
新事業創出に向けた取組の状況 4 「参入先市場や顧客の絞込み」
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「参入先市場や顧客の絞込み」の取組状
況についての回答を業種別にみると(図 2-120)、受託開発ソフトウェア業では、「現在
取り組みを進めているところ」と回答した企業の割合がやや高い一方で、
「特に取り組み
の必要性を感じていない」と回答した企業の割合も高く、二極化傾向がみられる。
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25%
3.7%
組込みソフトウェア業 (n=76) 3.9%
インターネット付随サービス業 (n=40)
0.0%
50%
34.1%
75%
40.7%
27.6%
14.8%
55.3%
30.0%
100%
6.7%
9.2% 3.9%
52.5%
7.5%
10.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-120
新事業創出に向けた取組の状況 4 「参入先市場や顧客の絞込み」
(業種別)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「参入先市場や顧客の絞込み」の取組状
況についての回答を同業者受注比率別にみると(図 2-121)、同業者受注比率による大き
な違いはみられないものの、同業者受注比率が低い企業では、
「取り組みの必要性は感じ
ている」という回答割合がやや低めになっている。
0%
25%
1割未満 (n=86) 3.5%
1~3割未満 (n=56) 3.6%
3割以上 (n=102) 2.9%
50%
30.2%
75%
45.3%
33.9%
46.4%
32.4%
50.0%
100%
17.4%
8.9%
3.5%
7.1%
8.8% 5.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-121
新事業創出に向けた取組の状況 4 「参入先市場や顧客の絞込み」
(同業者受注比率別)
91
5)
新事業創出に向けた取組の状況 5 「製品・サービスの考案・試作」
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「製品・サービスの考案・試作」の取組
状況についての回答を業種別にみると(図 2-122)、受託開発ソフトウェア業と組込みソ
フトウェア業で「具体的な成果を挙げている」と回答した企業が1割程度という結果に
なった。一方、インターネット付随サービス業では、具体的な成果を挙げている企業は
ないものの、「現在取り組みを進めている」と回答した企業の割合は7割に上っている。
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
25%
8.9%
50%
33.3%
10.5%
75%
39.3%
39.5%
インターネット付随サービス業 (n=40)
0.0%
100%
12.6%
14.5%
31.6%
70.0%
20.0%
5.9%
3.9%
2.5% 7.5%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-122
新事業創出に向けた取組の状況 5 「製品・サービスの考案・試作」
(業種別)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「製品・サービスの考案・試作」の取組
状況についての回答を同業者受注比率別にみると(図 2-123)、同業者受注比率がやや高
い(3割以上)企業では、具体的な成果を挙げている企業や取り組みを進めている企業
の割合が低くなっている。
0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
25%
9.3%
50%
43.0%
12.5%
3割以上 (n=102) 4.9%
75%
35.3%
15.1%
29.1%
48.2%
100%
30.4%
41.2%
3.5%
3.6% 5.4%
13.7%
4.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-123
新事業創出に向けた取組の状況 5 「製品・サービスの考案・試作」
(同業者受注比率別)
92
新事業創出に向けた取組の状況 6 「販路の検討・拡大」
6)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「販路の検討・拡大」の取組状況につい
ての回答を業種別にみると(図 2-124)、受託開発ソフトウェア業では、他業種と比べて
具体的な成果を挙げている企業や現在取組を進めている企業の割合がやや低くなってい
る。
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135) 5.2%
100%
38.5%
50.0%
10.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
75%
42.2%
7.9%
組込みソフトウェア業 (n=76)
50%
9.6% 4.4%
9.2% 2.6%
30.3%
47.5%
22.5%
10.0%
10.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-124
新事業創出に向けた取組の状況 6 「販路の検討・拡大」
(業種別)
図 2-113 の新事業創出に向けた取組のうち、「販路の検討・拡大」の取組状況につい
ての回答を同業者受注比率別にみると(図 2-125)、同業者受注比率が1~3割未満の企
業で、具体的な成果を挙げていると回答した企業の割合が高くなっている。
0%
25%
1割未満 (n=86) 5.8%
1~3割未満 (n=56)
43.0%
14.3%
3割以上 (n=102) 3.9%
50%
75%
34.9%
44.6%
48.0%
15.1% 1.2%
32.1%
33.3%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-125
新事業創出に向けた取組の状況 6 「販路の検討・拡大」
(同業者受注比率別)
93
100%
3.6%
5.4%
8.8% 5.9%
(3) ハッカソン等の最近の新たな取組に対する企業の考え方
ハッカソン(Hackathon)とは、「ハック」(hack)と「マラソン」(marathon)を組み
合わせた造語である。プログラマやデザイナーから構成される複数の参加チームが、マ
ラソンのように短時間(数時間から数日間)でアイディアやソフトウェア開発の成果を
競い合うイベントが近年このように呼ばれ、数多く開催されるようになった。あるコン
セプトやデータを元に、新しいサービスの創出等を目的として開催されることが多い。
類似のイベントとして、新しいアイディアを競い合うアイディアソン(Ideathon)など
もある。
今回のアンケート調査では、このようなハッカソン・アイディアソンといった形式の
イベントが新製品・新サービスの創出に有効なのではないかとの仮説のもとに、こうし
た取組に対する中堅・中小 IT 関連企業の考え方を尋ねた。
① 自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
中堅・中小 IT 関連企業の経営層に対して、自社の従業員にハッカソン等の取組に参加
して欲しいかを尋ねたところ、全体の6割を超える企業が「強くそう思う」、「ある程度
そう思う」と答えており、多くの企業は関心を持っているといえる(図 2-126)。
0%
n=252
25%
13.9%
75%
49.2%
強くそう思う
図 2-126
50%
100%
34.1%
ある程度そう思う
あまりそう思わない
2.8%
無回答
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか(全体)
図 2-126 の結果を業種別にみると(図 2-127)、インターネット付随サービス業の関心
が最も高く、7割を超える企業が自社の従業員に参加して欲しいと考えていることが読
み取れる。
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
25%
50%
47.4%
17.1%
100%
37.8%
46.7%
12.6%
75%
32.9%
強くそう思う
ある程度そう思う
2.6%
25.0%
60.0%
12.5%
3.0%
あまりそう思わない
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-127
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
(業種別)
94
図 2-128 は、図 2-126 の結果を同業者受注比率別にみたものであるが、同業者受注比
率による大きな差異はみられないという結果になった。
0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
25%
50%
12.8%
75%
51.2%
16.1%
46.4%
12.7%
34.9%
1.2%
37.5%
0.0%
34.3%
50.0%
強くそう思う
100%
ある程度そう思う
2.9%
あまりそう思わない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-128
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
(同業者受注比率別)
② 自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件として、図 2-129 のような条件
を挙げたところ、
「市場の動向やニーズが理解できること」、
「発想を形にするプロセスが
経験できること」、「自分の発想で開発する楽しさが経験できること」などの項目が上位
となった。
「開発に必要な技術力が強化できること」や「最新技術が学べること」という
回答は下位となっていることから、中堅・中小 IT 関連企業は、ハッカソンに対して、技
術力の向上よりも、市場動向やユーザーニーズの理解、発想を形にするプロセスを経験
すること等に対する期待が高いことがうかがわれる。
0%
25%
50%
市場の動向やニーズが理解できること
38.5%
自分の発想で開発する楽しさが経験できること
36.9%
発想力の強化が期待できること
34.9%
開発に必要な技術力が強化できること
32.1%
同業他社間での人脈拡大が期待できること
29.8%
最新技術が学べること
24.2%
3.2%
無回答
図 2-129
100%
39.7%
発想を形にするプロセスが経験できること
その他
75%
14.7%
n=252
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件(全体)
95
0%
25%
50%
100%
39.3%
36.8%
47.5%
市場の動向やニーズが理解できること
38.5%
38.2%
40.0%
発想を形にするプロセスが経験できること
36.3%
42.1%
自分の発想で開発する楽しさが経験できること
30.0%
34.1%
35.5%
37.5%
発想力の強化が期待できること
31.1%
38.2%
開発に必要な技術力が強化できること
25.0%
25.9%
30.3%
同業他社間での人脈拡大が期待できること
42.5%
23.0%
28.9%
20.0%
最新技術が学べること
その他
75%
5.2%
0.0%
2.5%
16.3%
11.8%
12.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-130
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件(業種別)
図 2-129 の結果を業種別にみると(図 2-130)、インターネット付随サービス業では、
「市場の動向やニーズが理解できること」に続いて、
「同業他社間の人脈拡大が期待でき
ること」という回答が多いことが注目される。
組込みソフトウェア業では、
「自分の発想で開発する楽しさが経験できること」という
回答が最多となっているほか、
「開発に必要な技術力が強化できること」という回答が続
いている。
図 2-130 には、業種によって、ハッカソンへの期待が少しずつ異なっていることが示
されている。
96
(4) 知的財産活用の状況
今回のアンケート調査では、新製品や新サービスの創出の際の重要な課題の一つであ
ると考えられる知的財産にも着目し、中堅・中小 IT 関連企業に対して、知的財産の活用
状況や活用時の課題等について尋ねた。
① 自社における知的財産活用の重要度
自社における知的財産の活用の重要度について尋ねたところ、図 2-131 のとおり、全
体の約3割の企業が「非常に重要である」と回答しているほか、「ある程度重要である」
をあわせると7割を超える企業が、その重要性を認識していることが把握された。
0%
n=252
25%
50%
29.8%
75%
42.1%
非常に重要である
ある程度重要である
図 2-131
100%
25.8%
2.4%
今はそれほど重要ではない
無回答
知的財産の活用の重要度(全体)
図 2-131 の結果を業種別にみると(図 2-132)、インターネット付随サービス業で知的
財産の活用が重要であると回答した企業の割合が高くなっている。
0%
25%
50%
42.2%
27.4%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
32.9%
インターネット付随サービス業 (n=40)
32.5%
75%
38.2%
ある程度重要である
28.1%
2.2%
26.3%
2.6%
15.0%
50.0%
非常に重要である
100%
今はそれほど重要ではない
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-132
知的財産の活用の重要度(業種別)
0%
25%
1割未満 (n=86)
34.9%
1~3割未満 (n=56)
35.7%
3割以上 (n=102)
50%
38.4%
43.1%
24.4%
ある程度重要である
今はそれほど重要ではない
知的財産の活用の重要度(同業者受注比率別)
97
2.3%
14.3% 1.8%
33.3%
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-133
100%
48.2%
22.5%
非常に重要である
75%
1.0%
無回答
また、図 2-131 の結果を同業者受注比率別にみると(図 2-133)、同業者受注比率が高
い企業では、知的財産の活用の重要性を認識する企業の割合が低いという傾向がみられ
る。
② 自社で活用している知的財産の種類
中堅・中小 IT 関連企業が自社で活用している知的財産の種類をみると(図 2-134)、
「特許」に関しては約 16%であり、活用している企業の割合は必ずしも高くない。自社
で活用している知的財産として最も回答が多いのは「商標」であり約 35%に上る。なお、
約 35%の企業が活用している知的財産は「特に無い」と回答している点も注目される。
0%
25%
50%
100%
34.9%
商標
著作権
29.8%
営業秘密
29.0%
16.3%
特許
3.2%
その他
35.3%
特に無い
0.8%
無回答
図 2-134
75%
n=252
自社で活用している知的財産の種類(全体)
0%
25%
25.9%
商標
営業秘密
19.7%
10.4%
特許
100%
57.5%
31.9%
37.5%
22.4%
25.0%
5.2%
0.0%
2.5%
特に無い
無回答
39.5%
75%
28.1%
35.5%
25.0%
著作権
その他
50%
20.0%
38.5%
36.8%
0.7%
1.3%
0.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-135
自社で活用している知的財産の種類(業種別)
98
図 2-134 の結果を業種別にみると(図 2-135)、インターネット付随サービス業では、
「商標」を活用している企業の割合が半数を超えているほか、
「特許」を活用している企
業の割合も高く、他業種よりも知的財産の活用が進んでいることがうかがわれる。これ
に対して、受託開発ソフトウェア業では、
「特許」を活用していると回答した企業の割合
は1割程度であり、他業種と比べて知的財産の活用はあまり進んでいないとみられる。
また、図 2-135 の結果を同業者受注比率別にみると(図 2-136)、同業者受注比率が低
い企業では、「商標」や「著作権」等を活用していると回答した割合が高くなっている。
一方、同業者受注比率が高い企業では、知的財産を活用している企業の割合が全体的に
低く、「特許」に関しては1割以下となっている。
0%
25%
商標
20.6%
7.8%
39.5%
33.9%
22.1%
23.2%
4.7%
3.6%
1.0%
26.7%
21.4%
特に無い
無回答
100%
29.1%
33.9%
28.4%
営業秘密
その他
75%
47.7%
50.0%
15.7%
著作権
特許
50%
49.0%
0.0%
0.0%
2.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-136
自社で活用している知的財産の種類(同業者受注比率別)
③ 知的財産活用に関する取組の状況
図 2-137 は、知的財産に関する企業としての取組の状況について尋ねた結果である。
この結果をみると、半数を超える企業は、知的財産活用の必要性が生じた場合にケー
スバイケースで対応を行っていることが分かる。知的財産の活用に関する目標や方針を
策定するほか、知的財産に関する担当者・担当組織を設けるなどの対応を取っている企
業の割合は、それぞれ 5%未満にとどまっており、知的財産活用に関する組織的な対応
を行っている企業の割合は少ないことが読み取れる。
99
0%
25%
n=252
50%
75%
4.8%
4.0%
52.0%
100%
37.3%
2.0%
必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバイケースで)対応を
行っている
特許出願やノウハウ・営業秘密の保護等、知的財産の活用に関する目標や方針を
策定している
知的財産に関する目標・方針を策定しているほか、担当者や担当組織を
設置している
上記には特に当てはまらない
無回答
図 2-137
知的財産活用に関する取組の状況(全体)
図 2-137 の結果を業種別にみると(図 2-138)、知的財産の活用が進んでいるインター
ネット付随サービス業では、
「必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバ
イケースで)対応を行っている」という回答も含めて、何らかの対応を行っている企業
が約8割に上っている。
「特に当てはまらない」
(特に何も行っていない)という回答は、
受託開発ソフトウェア業、組込みソフトウェア業の順に多くなっている。
0%
25%
50%
43.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
5.9% 3.7%
59.2%
組込みソフトウェア業 (n=76)
75%
70.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
100%
45.2%
3.9%
3.9%
2.5% 5.0%
2.2%
31.6%
20.0%
1.3%
2.5%
必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバイケースで)
対応を行っている
特許出願やノウハウ・営業秘密の保護等、知的財産の活用に関する目標や方針を
策定している
知的財産に関する目標・方針を策定しているほか、担当者や担当組織を
設置している
上記には特に当てはまらない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 2-138
知的財産活用に関する取組の状況(業種別)
図 2-137 の結果を同業者受注比率別にみると(図 2-139)、同業者受注比率が高い企業
では、「特に当てはまらない」(特に何も行っていない)という回答が半数を超える結果
となっている。
100
0%
25%
1割未満 (n=86)
50%
2.3%
3.5%
59.3%
1~3割未満 (n=56)
75%
62.5%
3割以上 (n=102)
33.7%
10.7%
3.9%
39.2%
100%
7.1%
1.2%
19.6%
52.0%
2.9%
0.0%
2.0%
必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバイケースで)対応を
行っている
特許出願やノウハウ・営業秘密の保護等、知的財産の活用に関する目標や方針を
策定している
知的財産に関する目標・方針を策定しているほか、担当者や担当組織を
設置している
上記には特に当てはまらない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-139
知的財産活用の取組の状況(同業者受注比率別)
④ 知的財産活用に関する課題
知的財産の活用に関する課題を尋ねたところ、図 2-140 のとおり、「知的財産の活用
には費用が掛かりすぎる」という回答が最多となった。次いで「自社における対策や活
用方策が必要なのかどうか、その必要性が判断できない」、「対策や活用方策の必要性を
感じていても、具体的に何をすればよいのか分からない」となっており、中堅・中小 IT
企業は、知的財産の具体的な活用に至る以前の段階での課題を抱えているといえる。
0%
25%
自社において対策や活用方策が必要なのかどうか、
その必要性が判断できない
100%
15.5%
対策や活用方策の必要性は感じていても、
具体的に何をすればよいのか分からない
15.5%
まず誰に相談すればよいのか、
相談先が分からない
5.6%
知的財産が何を指しているのか、
その内容が具体的にイメージできない
5.2%
1.6%
課題として感じていることは特にない
34.1%
無回答
図 2-140
75%
28.2%
知的財産の活用には費用が掛かりすぎる
その他
50%
9.9%
知的財産活用に関する課題(全体)
101
n=252
0%
25%
50%
24.4%
25.0%
知的財産の活用には費用が掛かりすぎる
75%
100%
45.0%
14.8%
18.4%
12.5%
自社において対策や活用方策が必要なのかどうか、
その必要性が判断できない
15.6%
17.1%
12.5%
対策や活用方策の必要性は感じていても、
具体的に何をすればよいのか分からない
5.9%
6.6%
2.5%
まず誰に相談すればよいのか、
相談先が分からない
4.4%
7.9%
2.5%
知的財産が何を指しているのか、
その内容が具体的にイメージできない
2.2%
1.3%
0.0%
その他
37.0%
32.9%
27.5%
課題として感じていることは特にない
10.4%
7.9%
12.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 2-141
知的財産活用に関する課題(業種別)
0%
25%
知的財産の活用には費用が掛かりすぎる
21.6%
その他
5.8%
5.4%
5.9%
4.7%
8.9%
3.9%
1.2%
3.6%
1.0%
課題として感じていることは特にない
無回答
31.4%
33.9%
16.3%
19.6%
13.7%
対策や活用方策の必要性は感じていても、
具体的に何をすればよいのか分からない
知的財産が何を指しているのか、
その内容が具体的にイメージできない
75%
16.3%
16.1%
15.7%
自社において対策や活用方策が必要なのかどうか、
その必要性が判断できない
まず誰に相談すればよいのか、
相談先が分からない
50%
21.4%
32.6%
44.1%
7.0%
8.9%
9.8%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 2-142
知的財産活用に関する課題(同業者受注比率別)
102
100%
図 2-140 の結果を業種別にみると(図 2-141)、相対的に知的財産の活用が進んでいる
インターネット付随サービス業では、
「知的財産の活用には費用が掛かりすぎる」という
回答が他の業種よりも多くなっている。インターネット付随サービス業と比較して知的
財産の活用が進んでいない受託開発ソフトウェア業や組込みソフトウェア業では、
「課題
として感じていることは特にない」という回答が最も多くなっている。
図 2-140 の結果を同業者受注比率別にみると(図 2-142)、同業者受注比率が低い企業
では、
「知的財産の活用には費用が掛かりすぎる」という回答がやや多くなっている。業
種別の結果と同じように、相対的に知的財産の活用が進んでいないとみられる同業者受
注比率が高い企業では「課題として感じていることは特にない」という回答が最も多く
なっている。
103
広域関東圏における IT 関連企業の事業動向ヒアリング調査結果
3.
本節には、広域関東圏内において IT 関連企業がある程度集積している地域の産業振興
機関のほか、地域において特色ある取組を進めている機関に対してヒアリング調査を行
った結果を記載する。なお、今回の調査では、静岡県(浜松地域)、長野県、群馬県、多
摩地域(八王子)の4つの地域に着目した。特に、今後の IT 活用においては IoT(Internet
of Things)が重要なキーワードであり、そこでは組込み系企業の活躍の機会が増える可
能性があるのではないかという仮説のもとで、静岡県、長野県、群馬県については、組
込みシステム・ソフトウェア産業の動向に重点を置いた調査を実施した。
3.1
静岡県(浜松地域)における組込みシステム・ソフトウェア産業動向と振興施策
(1) 浜松地域の IT 関連企業の集積状況
静岡県内では、歴史的に楽器、輸送機器、光電子技術等の大手製造業が浜松地区を中
心に立地してきたことが背景となり、浜松地区には組込みソフトウェアや組込みシステ
ムを取り扱う企業が多い。その一方、静岡県内において業務系のシステムを取り扱う企
業は県庁所在地である静岡市に集積している。正確な統計は存在しないが、浜松地区に
存在する組込みソフトウェア人材は約 3,000 人と試算8がある他、大手製造業の企業に属
する人材が組込みソフトウェアや組込みシステムを専業に取り扱う企業に属する人材と
比較して多いと見られている。
浜松地域に所在する組込みソフトウェア企業は、市内の特定地域に集中することなく
市内各所に点在し、特に、大手製造業の企業周辺に立地しているわけではない。しかし
ながら、中堅・中小企業の経営者や中核人材は、地場の大手企業からスピンアウトした
人材も多く、こうした人材供給が浜松地域の中堅・中小企業の立地の背景になっている。
(2) 地域の業務形態・構造
組込みソフトウェア開発業務は、浜松地域の大手企業からの発注もあるが、最近では、
必ずしも地場大手企業とは限らず、全国からの受注開発を行っている。受注開発の場合
の業務形態は、情報保護、セキュリティ対策の観点から引き入れ外注による業務形態が
増えており、大手企業内で開発を実施している例も多い。
製造業では、工場の海外移転など進みつつある一方で、大手企業の製品開発向け組込
みソフトウェア開発仕様が必ずしも明確でないため、発注・受注側で擦り合わせをしな
がら開発を進めていくのが実態である。そのため、現状その開発を廉価なだけで海外等
にアウトソースできる状況になく、国内の組込みソフトウェア・システム開発企業の存
在が不可欠な状況にある。
8
浜松地区でのヒアリング調査による。
104
(3) 新たな分野への参入の課題と可能性
製品開発においては、一般にメカ(機械)・エレ(電機・電子)・ソフト(ソフトウェ
ア)の設計の流れで進められるため、下流工程を担当する組込みソフトウェア開発側か
ら、製品の開発を提案するなど、新たな分野に参入するのは難しい。特に、浜松地区で
は製造業の歴史が長く、上述の事業構造が続いてきたため、変革は難しいのが実態であ
る。
その一方、医療分野や自動走行などの分野は、組込みソフトウェアも含めソフトウェ
アの比重が大きい。そのため、所謂メカ・エレ・ソフトの構造ではなく、三者がイコー
ルパートナーとして、新たな製品やビジネスを考えていける可能性もある。例えば、IoT
分野に注目が集まっているが、メカ・エレ・ソフトが密にかかわっている領域と独立性
が高い領域がある。前者の領域では、メカ・エレ主導となるため、機器内の組込みソフ
トウェアが新たな製品やビジネスを主導することは難しい。後者の領域は、メカ・エレ・
ソフトの独立性が高いため、ソフトウェアが主導した製品やサービス開発の可能性があ
る。こうしたソフトウェアは、従来の組込みソフトウェアの世界とは異なる。機器組込
みだけでなく、インターネットで繋がり機器とサーバーで処理されるようなシステムで
は、いわゆる組込みソフトウェアの技術分野外の広範囲なソフトウェアの技術が必要で
ある。浜松地域でも IoT 分野での参入に限らず、業務領域を広げるため、従来以上に組
込みソフトウェア以外の技術領域への関心が高まっていると認識している。
他方、中堅・中小企業の一部企業では、自社の持つ技術を既存分野以外に応用できな
いかを模索している企業が存在する。例えば、地域に立地する企業は、検査計測装置、
FA システム、各種制御ユニット、無人化省力化装置に実績を持つが、ハードウェア設計
技術、各種ソフトウェア設計技術、機構メカ設計技術などと最先端技術を応用し、アミ
ューズメントを含め、様々な分野でのソリューションを提供している。こうした高い技
術力を持つ企業がその技術の応用領域を広げていこうとする取組は注目される。こうし
た企業の経営者は、普段から自社技術の新たな応用領域を探索している。
(4) 静岡大学コンソーシアムの取組
文部科学省予算による産学連携による地域人材育成の取組のプロジェクトを経て、自
立的な継続体制として浜松地域の製造業と組込みソフトウェア関連企業、産業振興機関、
自治体、静岡大学等から構成される組込みソフトウェア関連の技術コンソーシアム(浜
松組込みソフトウェア技術コンソーシアム:HEPT)を形成している。コンソーシアムに
参加している企業は、大手製造業から中小の組込みソフトウェア企業にわたる 30 社とな
っている。
105
図 2-143
HEPT コンソーシアムの活動範囲(育成対象)
(出所:静岡大学 HEPT コンソーシアムホームページ)
同コンソーシアムでは、文部科学省プロジェクトにおいて、主にアーキテクト人材(組
込みソフト+メカ、エレが分かる設計人材)の育成プログラムを実施してきた。アーキ
テクト人材は、組込みソフトウェア人材全体の約 1 割程度と想定し、浜松地域では当面
300 人程度の育成を目標としている。他方、アーキテクト人材は、大量育成が必要な人
材ではないのため、現在は、組込みソフトウェア人材の裾野を広げるためのモデリング
や実践的なソフトウェア教育を拡充している。こうした講習を受ける人材は、大手企業
(製造業)と中堅・中小企業に所属する人材がいるが、最近は中小企業の人材は、時間
が確保できずやや大手の割合が高い。受講者の年齢は、文科省プロジェクトでは年齢層
が高めであったが、現在は、20 代後半といった比較的若手の受講も多い。
コンソーシアムとしては、人材育成のみならず、名古屋大学の組み込みリアルタイム
OS 開発等に見られた共同開発なども期待するが、共同開発の場合、コンソーシアム参
加企業間の競合関係もあり、コンソーシアム全体の合意形成は容易でない。そのような
問題を考えると、現在取り組んでいるソフトウェアの実力(モデリング等の設計技術)
を高める取組をコンソーシアムとして進めることが現実的だと考えている。
106
3.2
長野県における組込みシステム・ソフトウェア産業動向と振興施策
(1) 長野県の IT 関連企業の集積状況
長野県では、戦時中、それまで主要な産業であった製糸業が生糸輸出の停止によって
急速に衰えるとともに、京浜・中京地区に近いという地理的条件から、航空機部品、光
学機器、通信機、バルブ等の工場の疎開先となった。戦後、これらの工場が地元に残し
た技術により、諏訪・岡谷地区を中心にカメラ、腕時計、オルゴール等の精密機械工業
が発達したほか、その他の県内各地でも電気・一般・輸送用機械関連の企業が発展した。
1970 年代の第一次石油危機以降、それまでの重厚長大型産業に代わる軽薄短小型産業
が国内で成長し、長野県の電気・精密機械工業も飛躍的な発展を遂げた。特に、精密加
工技術と電子技術を融合させた分野であるプリンタ、パソコン、フロッピーディスクド
ライブ等の情報機器分野への進出が活発化し、長野県は国内有数の工業県へと成長した。
このような経緯により、情報機器関連の製造業が発展した長野県では、情報機器等に
搭載される組込みソフトウェア産業の存在感が比較的大きい状況にある。広域関東圏の
事業所数をみると、製造業との関連が深い IT 関連デバイス業の事業所数は、東京、神奈
川、埼玉に続く4番目となり、北関東や静岡を上回る状況となっている。また、情報サ
ービス業は 11 都県の中で7番目であるのに対して、組込みソフトウェア業は 11 都県中、
東京、神奈川、静岡に続く4番目となっている。
長野県内は、長野市を中心とする北信地方、上田市を中心とする東信地方、松本市を
中心とする中信地方、諏訪・飯田市を中心とする南信地方の4つに大きく区分される。
IT 関連企業の中でも特に情報サービス業の集積が最も多いのは北信地方であり、長野県
テクノ財団や長野県情報サービス振興協会等の振興機関も長野市に拠点を置いている。
一方、東信地方の中心地である上田市には、IT 関連デバイス業が県内で最も多く集積し
ており、長野県テクノ財団による「長野県組込みシステム研究会(旧長野県組込みシス
テムコンソーシアム)」などが上田市の信州大学内に拠点を置いている。
(2) 地域の業務形態・構造
長野県の組込みソフトウェア業の顧客業種としては、プリンタ等の情報機器のほか、
自動車や家電などの比重も大きい。その他にも、医療関係や建設・機械など、対象とな
る業種は幅広い。
組込みソフトウェア業を手がける中小企業の多くは、受託開発や技術者派遣を主な業
務としている。特に自動車のように、高度な技術を必要とする上に、自社への機器の“持
ち出し”が難しい場合は、高度な技術に対応できる技術者が製造業企業等に派遣される
という形態で業務を行うことも多い。そのような意味では、組込み分野における技術者
派遣は、下請構造の中における技術者派遣とは、やや異なる意味を持つこともある。
2008 年のリーマンショック以降、製造業による輸出が落ち込み、海外に進出する企業
が増えたため、長野県内の業務量はリーマンショック以前よりも減少している。ソフト
107
ウェア関連の企業の中には、受注を求めて県外(特に東京都)に進出した企業も多く、
それに伴って人材も県外に流出した。最近、少しずつ状況は改善しつつあり、県内に戻
る企業も見られ始めている。
(3) 新たな分野への参入の課題と可能性
長野県による「長野県ものづくり産業振興戦略プラン」では、成長が期待される分野
として「健康・医療」、
「環境・エネルギー」、
「次世代交通」の3分野が重視されている。
長野県内の組込み企業の間でも、今後参入すべき新分野の模索は続いており、上記の
3分野に加えて、「次世代ロボット」等の分野も注目されている。「次世代交通」の中で
は、電気自動車の開発や自動運転、衝突防止等の機能の実現が特に注目されており、多
くの組込み企業が関心を持っているが、実際に事業機会を見つけてその市場に参入する
ことは容易ではないのが現状である。医療やエネルギー等の分野も同様であり、関心を
寄せる組込み企業は多いものの、参入に成功した企業は少なく、試行錯誤の状況が続い
ている。前掲の「長野県組込みシステム研究会」で、注目分野を対象とする講演会やセ
ミナーが開催されると申込みも多く、組込み企業の関心や問題意識の高さがうかがわれ
るが、未だ成功事例が少ないことが課題となっている。
(4) 長野県テクノ財団の取組
公益財団法人長野県テクノ財団は、地域資源を活用した技術革新による地域産業の高
度化と産業創出の促進等を目指して、2001 年に設立された財団である。長野市内の本部
のほか、長野県内に、善光寺バレー地域センター、浅間テクノポリス地域センター、ア
ルプスハイランド地域センター、諏訪テクノレイクサイド地域センター、伊那テクノバ
レー地域センターの5つの地域センターを有し、県内各地域の特色を活かした産業支援
を展開している。
前掲の「長野県組込みシステム研究会」は、上記のうち東信地方の浅間テクノポリス
地域センターに事務局を置く組織であり、長野県内全域の組込みソフトウェア企業を対
象に活動を展開している。具体的には、新規参入を目指す産業分野に関するセミナー・
講演会等のほか、各種活動を通じた会員相互の交流支援等を実施している。なお、新規
参入先の産業分野に関しては、会員企業にアンケートを取るなどの方法により、組込み
企業の関心が高い産業を選定し、セミナーや講演会を企画・実施している。
IT 融合や IoT といったキーワードが示すとおり、組込み分野では、特に最近、組込み
システム単体のプラットフォーム開発に加えて、サーバー系のシステムと組込みプラッ
トフォームが連携して一つの大きなシステムを構成するような例が増えている。このよ
うに、組込みシステムもネットワーク化する IoT 時代においては、組込みソフトウェア
技術者にも、エンタープライズ分野のようにシステム全体を構想するような視点が必要
になる。また、IoT につながるセンサーを制御したり、センサーによって収集したデー
108
タを分析したりする業務は、結局ソフトウェアによって行うことになるため、IoT 時代
に付加価値を生み出すのはソフトウェアであると言っても過言ではない。こうした流れ
の中で、組込みソフトウェア技術者には、より付加価値の高いソフトウェアを生み出す
ことが求められており、今後、そのような力を持った人材を輩出していくことが重要な
課題となっている。
上記のような課題に対応するために、教育や人材育成関連の取組の強化の必要性が議
論されている。特に、組込み企業の新分野への参入に向けて、異業種との交流機会をさ
らに増やすことが必要であるといった議論も行われている。
109
3.3
群馬県における組込みシステム・ソフトウェア産業動向と振興施策
(1) 群馬県の IT 関連企業の集積状況
群馬県では、高崎・前橋地区、桐生地区、太田地区を中心に電機機械、自動車、自動
車部品等の製造業が立地し、これら製造業向けの組込みシステム開発を行う企業も立地
している。高崎・前橋地区では、特に沖電気工業を中心とした実際の製品への応用とし
てプリンタ、ATM、画像処理向けシステム、桐生地区では、モーター製造大手であるミ
ツバ等、自動車部品を対象とした組込みシステムの開発、太田地区では、富士重工(ス
バル)を中心とした自動車の組込みシステムが中心となっている。太田地区に立地する
富士重工では、従来、同社三鷹事業所だけで進めていた組込みシステム技術開発を太田
地区に移しつつあり、太田地区では自動車向けの組込みシステム開発需要増につながっ
ている。さらに、太田地区では、三洋電機の跡地に、パナソニックヘルスケア事業部が
移転しつつあり、主に医療機関向けの製品に対する組込みシステム開発が行われている。
(2) 地域の業務形態・構造
「組込み関連企業」は大きく3つに分類され、①組込み技術を応用した製品の開発・
製造を行っている企業(メーカ)、②メーカーが技術者の採用や賃金体系の分離等のため
に設立した企業(技術系子会社)③メーカーからの請負開発や、メーカーへの技術者派
遣を行っている企業(システムハウス)が存在する。群馬県内には以前から大手メーカ
ーの工場や技術部門が設置され操業していた。製品のインテリジェント化や省エネ化と
共に組込み技術が必要となり、メーカーによっては技術系の子会社が設立されたケース
が多い。更にメーカーや子会社の技術者だけでは不足する場合に、システムハウスへの
外注や派遣技術者派遣が行われている。システムハウスでは、製造業向けの組込みソフ
トウェア開発を受託しているが、組込みソフトウェアを専業としている企業は極めて少
なく、業務システム等のアプリケーション開発等も含めたソフトウェア開発は、事業全
体の1事業領域である場合が多い。
(3) 新たな分野への参入の課題と可能性
バブル崩壊やリーマンショックを契機としてメーカーの統廃合や縮小、群馬県内から
の撤退等が相次ぎ、メーカーの組込み需要は一時期大幅に縮小した。また会計機や POS
などの特定用途機に必要だった組込みソフト、ミドルウェアの開発はある程度収束し、
PC やスマホのソフト開発に代わられている。これに伴いシステムハウスは組込み技術だ
けで経営して行くことが難しくなり、また群馬県内の顧客だけで経営して行くことは困
難となりつつある。足元、自動車分野の需要は回復しているが、中長期的には、県内、
北関東地区に留まらない顧客への展開、および、医療、ロボットなどの新規分野への展
開が必要となっている。近年、健康・環境分野や医療・介護分野(家庭用医療器具も含
む)の製品への組込み技術適用が増加しつつあり、有望市場と期待され、地域のシステ
110
ムハウスには医療分野の情報処理を手掛けているケースもあり、将来的に医療機器への
組込み分野の応用といった可能性を持っている。また、太田地域に移転したパナソニッ
クヘルスケア事業部によるヘルスケア分野の製品開発により同分野の組込みソフトウェ
ア開発需要が拡大することが期待される。
しかしながら、地域の中小の IT 企業が成長分野を含めた新たな事業領域や新技術に挑
戦することは、容易ではない。その理由として、技術面では、組込み技術の進展が進み、
新たな技術の習得と実際の開発を通じて習得していくことが求められる中、主要顧客で
あるメーカーの安定的な業務の減少により、その機会が減少していること、自社内で新
規技術にチャレンジすることは、資金的なリスクが大きく困難である点などが指摘され
ている。そのため、組込み関連企業全体を視野に入れたサポート、例えば、組込み製品
を展開している大手企業の誘致、新規技術の開発・企業エンジニアに対する教育予算に
対する政策支援の必要性を指摘する意見もある。
また、組込みは製品の一部であり、組込み技術だけで成り立つ製品はなく、製品に特
化した技術で汎用性が低いと言う特徴がある。そのため、自社が独自に新市場に参入し
ていくことは難しく、成長分野への取組に関しても、顧客であるメーカーの動向に依存
せざるを得ない面がある。また、各企業独自の技術を高度化させているが、一般に汎用
性が低いことから、設計技術などの共有可能なところは共有し、オリジナルな技術をそ
の上に構築することで独自性を出すことも効果的な取組と期待できる。
(4) 群馬大学での取組
現在太田市に立地する群馬大学では、旧生産システム工学科において組込みプログラ
ムによるライントレースロボットの制御を経験させるなどの実践教育実施の実績を持ち、
社会人向けの実践教育を開催した実績を持つ。同学科では、ET ロボコン(組込み技術ソ
フトウェアデザインロボットコンテスト)にも参加し、企業との連携チームは、北関東
地区大会で、上位の成績を収めている。組込みソフトウェアに関する研究室では、モデ
ルベース設計手法を用いたシミュレーションに基づく高精度な設計を前提として、組込
みシステムの設計等に取り組んでいる。同研究室では、産学連携による研究開発にも積
極的であり、自動車、医療(脈波)、ロボット(ドローン)、非破壊検査、低電力センサ
ーの各分野の企業との共同研究テーマを現在進めている。
また、産業界とのネットワークとして EV 研究会、新たな分野への取組を促進するた
めの研究会(ブレークスルー研究会)を開催するなどの取組が行われ、研究開発シーズ
の発掘、企業同士の連携、ビジネスマッチング等の機会につながるケースもある。研究
開発拠点や企業数、産業振興推進機能が限られている地域では、地域の大学が研究開発
の一翼を担うとともに、企業と企業を結び付けるマッチング的な役割としても機能して
いる点は注目される。
111
3.4
多摩地域(八王子)におけるソフトウェア産業動向と振興施策
(1) 八王子周辺の IT 関連企業の集積状況
東京西部に所在する八王子市を中心とする地域は、都内の市町村で最も人口が多く、
政令指定都市・中核市・特例市のいずれにも属さない市では全国で最も人口が多い。情
報サービス業、インターネット付随業、IT 関連デバイス業等の IT 関連企業に関しても、
東京都内の特別区を除く市部では、事業所数が最も多く、都内市部において、最も IT
関連企業が集積している地域である。嘗て八王子市の産業施策として八王子地区の情報
通信インフラ整備や IT 関連企業の誘致を進めてきたことも、この地域に IT 関連企業が
集積した背景となっている。
八王子地区は、古くは繊維工業が盛んであったが、戦後、繊維工業が衰退し、1970 年
代以後、工業団地の造成後、電気機械・精密機器製造業の比重が高まり、関連する中小
の企業も市内各地に点在している。特に、北八王子工業団地には、半導体計測機器メー
カーのアジレントテクノロジー、オリンパス、カシオ計算機、コニカミノルタ等、各種
計測機器などの精密機器製造業が立地している。そのため、八王子地域には、ソフトウ
ェア開発を扱う企業として業務システムを担う企業だけでなく、地域の製造業に必要な
組込みソフトウェアの開発を扱う企業が比較的多く存在する。その割合は、全体の 3 割
~4 割に及ぶとの見解もあり、他の地域に比較して割合が高く、組込みソフトウェア開
発業の集積地域の一つにもなっている。
(2) 地域の業務形態・構造
地域の情報サービス業や組込みソフトウェア業は、比較的規模の小さい中小企業から
構成され、個人レベルで事業を行っている例もある。こうした中小 IT 企業の業務は、地
域のユーザー企業からのシステム開発受託がある一方、都心部の大手 IT 企業の業務シス
テム開発の一部機能開発の下請け、地域の製造業における組込みソフトウェア開発向け
人材派遣あるいは引き入れ外注の業務形態から構成される。大手 IT 企業からの下請け業
務は、需要が旺盛な時期には安定した事業が見込めるものの、景気変動等により需要が
減少した場合、元受企業の判断で、外部からの派遣人員数の大幅な削減が行われ、企業
経営に深刻な影響を与える場合もある。
地場では、比較的大きな情報システム需要である自治体の情報システム構築は、八王
子地区の IT 企業は規模が小さいため単独では調達に参画が出来ない場合もある。そのた
め、八王子地区の中小 IT 企業が法人格を持つ協同組合を設立し、複数 IT 企業が協同受
注により地域自治体の情報システムに係る公共調達に参画するなどの動きも見られる。
(3) 新たな分野への参入の課題と可能性
八王子地区の IT 企業の業務形態は、企業により様々であるが、都心部の大手 IT 企業
の業務システム開発の下請け業務では、中小 IT 企業の独自性や技術者のモチベーション
112
を向上させることが難しい、クラウド・コンピューティングの登場による情報システム
に係るビジネス構造の変化に伴うシステム開発の減少、それに伴う中小 IT 企業自体のビ
ジネスが変化の岐路にあることから、地域の中小 IT 企業においても、新たな分野への参
入やサービス創造への取組を進める IT 企業が存在する。例えば、経営者の判断により大
手 IT 企業への人材派遣の比重を下げ、直接ユーザー企業から開発業務を受託することに
取り組んでいる企業もあるが、こうした取組においては、新たなユーザー企業との接点
を如何に持つかということが鍵であり、そのチャネル形成が課題となっている。また、
ユーザー企業が仕様を提示して情報システムを開発するといった業務は減少しており、
地域においても IT 企業側から IT 活用による付加価値を提案していく必要が出ている。
こうした提案においては、技術的な提案だけでなく、IT 活用によるユーザー企業のビジ
ネスへの貢献を提案していくことが求められている。
従来、ユーザー企業の発注や仕様を起点としてシステムやソフトウェア開発が行われ、
中小 IT 企業自らが、投資的に独自にソフトウェア開発を行うことは少なかった。しかし
ながら、クラウド・コンピューティングの普及に伴いソフトウェアやサービスを低コス
トに構築することが可能となっており、中小 IT 企業でも、アイディアがあれば比較的コ
ストをかけずにソフトウェアやサービスのプロトタイプを構築できる時代となっている。
こうした中小 IT 企業自らによる取組が新しいサービスの創造につながるとの期待も高
い。こうした動きをユーザーも巻き込む形で活発化していく取組が八王子地域でも始ま
っている。
さらに、最近では、IT を活用した物品販売で成功している地場企業が存在するなど、
IT 企業がソフトウェアやシステムを作るという範囲を超えることでビジネスとして成
功する例も見られる。また、地域の企業 Web サイトのプラットフォーム提供のビジネス
においても、システム的に大きな差異がない場合でも、プラットフォーム運営を工夫す
ることでビジネスとして成功している事例があるなど、IT を活用したサービスの成功に
は技術以外の上手い“仕組み”や“ビジネスモデル”の構築が課題となっている。
新たな取組の牽引者は比較的若手の経営者や技術者が多く、産業振興の支援機関でも、
こうした積極的な人材を支援していくことが新たな分野への参入の方策と指摘している。
(4) サイバーシルクロード八王子等の取組
八王子市では、平成 13 年に八王子市長の私的諮問機関「八王子市地域産業振興会議」
の提言を受けて、 行政と商工会議所の連携により「首都圏情報産業特区・八王子」構想推
進協議会(サイバーシルクロード八王子)を設立し、企業間のネットワーク作り、ビジ
ネスチャンスの拡大を目指す実践的な産業活性化事業を進めている。サイバーシルクロ
ード八王子は、IT 産業の振興という視点だけでなく、製造業や商業と IT を結びつけて
いくことが産業活性化につながるとして、先端技術交流会「テクニカル・カンファレン
ス」を中心とした“産・産・学連携”の推進、「専門セミナー」の開催等を行っている。
113
また、サイバーシルクロード八王子では、八王子に拠点を置く「Android」の普及促進
団体である一般社団法人 OESF を中心に、行政ならびに市内 21 大学とも連携しながら、
将来の可能性と拡張性を多分に秘めた「Android」を基軸とした産業活性化事業「Android
City 八王子」も推進している。
平成 16 年には、サイバーシルクロード八王子のテクニカル・カンファレンスから誕生
した、IT 関連企業を中心としたグループとして、八王子 IT ネットワークが形成されて
いる。同ネットワークでは、中小企業の IT 活用、促進に向けた活性化事業や最新技術の
研究、また参加企業相互の交流や情報交換会を開催している。同ネットワークでは、八
王子駅近くにコワーキングスペース「8Beat(エイトビート)」をオープンさせる活動に
も協力するなど、IT 活用推進の新たな取組を展開している。このコワーキングスペース
カフェでは、
“そこへ行くと常に誰かいる”という状況を作り、気軽に相談できるスペー
スや IT 企業のプレゼンスペース、定期的なセミナー開催、起業家支援の拠点として運営
されている。
図 2-144
コワーキングスペース「8Beat(エイトビート)」
(みずほ情報総研撮影)
八王子 IT ネットワークは、中小 IT 企業の脆弱な経営基盤を強化していくため具体的
な取組として、地域の意欲ある IT 関連事業者が結集して、八王子 IT 協同組合を設立し
ている。同組合は、システム開発の共同受注、自治体のシステム関連調達への応札など
に取り組むなど、中小 IT 企業が抱える経営課題を地域 IT 企業の連携により克服してい
く実践的な活動に積極的に取り組んでいる。
また、八王子では、IT 活用の可能性を広げるための新たな取組も展開されている。2014
年 4 月には、〜 地域の魅力 × テクノロジー × おもてなし 〜「国際化都市八王子を目
指して」と題したバリューハッカソンが開催されている。このハッカソンでは、通常の
ハッカソンに「パワーコンセプト」という価値設計のトレーニングと方法論が盛り込ま
れ、より価値に重点を置いたサービス開発スタイルとスキルアップに重点を置いた取組
が実施された。
114
4.
広域関東圏における IT 関連産業の特徴と期待
インターネットが我が国の社会経済活動や生活に浸透する中で、あらゆる産業分野に
おいて、IT は他産業の成長を支えるとともに、課題解決やソリューション提供の役割を
担っている。あらゆる産業分野における IT 活用の浸透・高度化が進む昨今において、産
業の成長の牽引者として IT 関連産業への期待は大きい。こうした状況を踏まえて、以下
には、我が国の IT 関連産業の中核を担う広域関東圏の IT 関連産業の特徴を概観すると
ともに、IT 関連産業への期待を示す。
(1) 広域関東圏における IT 関連企業の特徴
本章の第1節に示したとおり、情報サービス、組込みソフトウェア、インターネット
付随サービス、IT 関連ハードウェアの各分野において、広域関東圏に所在する事業所は
全国の半数を超えており、広域関東圏は我が国の IT 関連産業の中心となっている。
関東経済産業局が平成 25 年 4 月にまとめた資料によれば、広域関東圏の情報サービス
業の年間売上高は 13 兆円規模に及び、広域関東圏の主力産業の一つとなっている。また、
広域関東圏における IT 関連産業の集積状況を見ると、情報サービス業やインターネット
付随業は、東京への集中傾向が著しいが、組込みソフトウェア業や IT 関連ハードウェア
業は、東京以外の神奈川、静岡、長野等においても一定の事業所が所在し、地域におけ
る有望産業の一分野となっている。
地域別の IT 関連企業の立地状況を見ると、東京では、都心部を中心に情報サービス業
が集中するだけでなく、23 区外の市部においても八王子市、立川市等に比較的小規模な
情報サービス業が多数立地している。また、東京以外の地域においても、県庁所在地や
中核都市において情報サービス業が集中的に立地する傾向がある。組込みソフトウェア
業に関しては、製造業、電子デバイス業の発達した地域に立地する傾向があり、神奈川
県、静岡県、群馬県、長野県等に数多くの企業が立地している。こうした地域では、組
込みソフトウェア業の振興施策に取り組んでいる自治体もある。
(2) 広域関東圏の IT 関連産業に対する期待
広域関東圏の IT 関連産業は、前述のとおり、我が国における IT 関連産業を牽引し、
広域関東圏の中核産業の一つとしての地位を占めているほか、社会経済活動における IT
を活用したイノベーションの担い手として、高い期待を背負っている。以下には、その
期待を3つの観点から示す。
① 広域関東圏の IT 関連産業の発展による我が国 IT 関連産業の牽引
広域関東圏の IT 関連産業は、我が国の IT 関連産業の過半数を占めており、広域関東
圏を特徴づける産業の一つとなっている。IT 関連産業の一分野である情報サービス業を
見ても広域関東圏で約 60 万人が従事するなど、雇用面での寄与も大きい。こうした状況
115
を踏まえると、IT 関連産業は、既に広域関東圏の中心産業としての地位を確立しており、
今後 IT 活用の浸透・高度化に伴う市場成長を見込めば、広域関東圏の経済発展を担う中
核産業としての位置付けを強めると期待される。
また、広域関東圏の IT 関連産業は、事業所数において我が国の IT 関連産業全体の過
半数を占めており、我が国全体の IT 関連産業を牽引する担い手としての期待も大きい。
さらに、東京都心部以外の地域では、中核都市を中心に情報サービスを中心とした中
堅・中小 IT 関連企業が立地するほか、製造業が盛んな地域では組込みソフトウェアを扱
う IT 関連事業が立地し、地域の経済発展の担い手としての期待も大きい。こうした期待
を裏付ける形として、各県や中核都市では、IT 関連産業の振興施策を推進している。
② 成長産業の発展への寄与
広域関東圏では、ヘルスケア産業、環境・エネルギー関連産業、先端ものづくり産業、
クリエイティブ産業の4つの産業分野の成長ポテンシャルが示されている。いずれの分
野でも、その成長を促進する鍵の一つとして、情報通信技術(IT)の活用が挙げられる。
例えば、ヘルスケア産業では、バイタルデータの収集によるユーザーの健康維持や介護
領域での IT 活用、環境・エネルギー関連産業におけるエネルギー・マネジメント等の最
適化、先端ものづくり産業では、自動走行や自動車の高機能化等、新たな領域での IT
活用の技術開発が進められている。IT 関連産業は、こうした技術開発の需要に応え、成
長産業の発展に寄与することが期待される。
また、IT の活用は、成長分野の製品やサービスの高機能化を実現するだけでなく、新
たなビジネスモデルの創出や異分野間の産業連携の促進など、産業構造の改革を促すこ
とも期待される。こうした IT 関連産業の役割を踏まえると、IT 関連産業は、成長産業
分野の需要に応えるという役割を果たすだけでなく、IT 関連産業自らが成長産業の発展
に向けた新たな切り口や需要を創出するという役割を担っており、こうした役割に対す
る期待も高まっている。
③ 中堅・中小 IT 関連企業の活性化への期待
東京都心部以外の広域関東圏では、中核都市を中心に、中堅・中小 IT 関連企業が多数
立地している。企業の数の割合から見れば、大規模な IT 企業よりも、中堅・中小 IT 関
連企業の割合が大きい。従って、広域関東圏の IT 関連産業の発展には、中堅・中小 IT
関連企業の活性化が不可欠であるといえる。
前述のとおり、成長産業における IT 活用の重要性が増す中、中堅・中小 IT 関連企業
の活性化を図るためには、これらの企業の成長産業への参入が重要な機会となると期待
されている。実際に、中堅・中小 IT 関連企業の中には、こうした成長市場への参入を進
めている例も出ている。特に昨今、クラウド・コンピューティングの普及に伴って、IT
インフラのコストが大幅に低減しているほか、スマートフォンやウェアラブルデバイス
116
等の新たなデバイスの登場により、IT の新たな活用やビジネスの可能性が広がりつつあ
る。こうした環境変化の中では、既成概念にとらわれず、成長産業の成長の新たな切り
口となる新たなアイディアやビジネスモデルの創出とその迅速な実現力が求められてお
り、機動的で迅速な意志決定に強みを持つ中堅・中小 IT 関連企業の役割が、これまで以
上に期待される状況にあるといえる。
117
5.
IT を活用したイノベーション創出に係る課題
前述のとおり、社会経済活動における IT 活用の高度化が進展する中で、広域関東圏の
IT 関連産業に対しては、成長産業等における IT を活用したイノベーション創出の担い
手として大きな期待が寄せられている。その一方で、その期待に応えるために、広域関
東圏の IT 事業者の多くを占める中堅・中小 IT 関連企業では、様々な課題を乗り越える
必要がある。以下には、前掲の調査結果を踏まえて、中堅・中小 IT 関連企業の課題とし
て以下の4点を取り上げる。
(1) 産業構造的課題と新たな事業展開に対する認識
中堅・中小 IT 関連企業によるイノベーション創出に関する最大の課題として、収益性
は低くても短期的には安定した収益が見込め、リスクも低い下請業務によるソフトウェ
ア開発や人材派遣の事業が優先されてしまうといった産業構造的な課題が挙げられる。
今回実施したアンケート調査では、広域関東圏の中堅・中小 IT 関連企業の主力業務で
ある受託開発ソフトウェア業や組込みソフトウェア業では、同業者受託比率が3割を超
えている企業が、回答企業の約4割を超えることが把握された。また、技術者派遣を主
要事業とする企業の割合も4割を超えており、広域関東圏の中堅・中小 IT 関連企業が、
いわゆる多重下請的な産業構造の中で事業展開を図っているという実態が明らかになっ
た。これらの結果にも示されているとおり、高い技術力を持つ中堅・中小 IT 関連企業で
あっても、大手企業のシステム・ソフトウェア開発業務の部分的な請負や人材派遣等の
労働力の提供が主力事業である場合や、大手メーカーの下請先としてハードウェア部品
の提供等を主力事業としている場合が多く、高い技術力を必ずしも自社の自立的な成長
に結びつけていないことが大きな課題となっている。
こうした状況に対して、アンケート調査からは、半数近い企業が下請業務や技術者派
遣業務からの脱却が重要であるとの認識を持っていることが把握された。さらに、成長
率の高い新たな顧客業種への参入を重要と考えている企業も5割を超える状況にあるこ
とが明らかとなった。中堅・中小 IT 企業の半数は事業の現状に問題意識を有していると
ともに、新市場への参入等の重要性を認識している状況にある。
(2) 新事業創出の取組の実態と意識改革の重要性
今回実施したアンケート調査では、中堅・中小 IT 関連企業が、事業の現状に問題認識
を持ち、新市場への参入等の重要性を認識する一方で、新事業創出に向けた具体的な取
組に関しては、現在取組を進めている企業の割合は半数近くに及ぶものの、それらの取
組により成果を挙げている企業の割合は1割以下に止まっており、取組の成果を挙げる
には至っていないということも把握された。
アンケート調査によれば、今後の事業展開に向けた課題として、技術力の向上と回答
した企業の割合が最も高いが、それに次いで、将来に向けた社内の改革・危機意識の喚
118
起が第2位となっている。社内改革や危機意識の喚起が重要な課題であると認識しつつ
も、本格的な取組に向けた意識改革や実際の改革が進んでいないことが課題になってい
るとみられる。こうした意識改革の推進には、企業の経営者のみならず、従業員一人一
人の意識を高めていくことが重要となる。例えば、後述する事例調査においてヒアリン
グを行った地域の IT 企業では、自社の持つ高い組込みソフトウェア開発の技術力を活か
して、様々な自社製品の開発や市場投入を実践しているが、こうした企業では、経営者
だけでなく従業員一人一人が新製品のアイディア出しを行い、新製品開発に貢献してい
る。また、こうした取組が従業員のモチベーション向上や新たな挑戦に結びつくなど、
イノベーション創出の好循環につながっている。
(3) 新たな事業創出を阻む諸課題
中堅・中小 IT 関連企業の中でも、新製品・サービス開発に関心を持つ人材は潜在的に
存在するが、その思いや関心を具体的な取組につなげる環境が脆弱であるため、実際の
開発に結びついていないということも大きな課題である。また、新たな製品やサービス
のアイディアを持っている場合でも、そのアイディアを収益性のあるビジネスとして実
現するためのビジネスモデルの検討力・構築力が弱いと、ビジネスとしてそのアイディ
アを具現化することは難しい。
さらには、IT 分野の技術革新が急速に進展する中で、中堅・中小 IT 関連企業は日々
の業務に追われ、従業員が新たな技術を習得することが難しい場合もある。特に組込み
ソフトウェア分野では、垂直構造型の開発が主流であるため、特定製品に特化した技術
に習熟する一方で、新たな分野で必要となる技術への対応が難しい状況にある。
その他にも、多重下請的な産業構造の中で、大手 IT 企業や特定の製造業メーカー等の
固定的な顧客以外との接点が少なく、本来のニーズを持つユーザー企業等の顧客のニー
ズに訴求する製品やサービスの開発が難しいといった課題や、顧客のニーズに接する機
会が乏しいために、成長分野での IT 活用の可能性やニーズを想起できないという課題も
ある。
(4) 新たな製品・サービス創出に向けた能力開発とオープンなイノベーション創出環境
の可能性
上述の課題のうち、アンケート調査によれば、事業創出に向けた環境整備や人材の能
力向上に関して、新たな製品・サービス創出に向けた組織づくりや個々の社員の発想力
の強化が課題であると考える企業は3割近くある。比較的規模の小さい中堅・中小 IT
関連企業では、経営資源、特に人的資源に制約があることも多く、目の前の現業に体力
を取られてしまうと、新たな製品・サービスの開発に経営資源を投入することは容易で
はない。そのため、新たな製品・サービス創出に向けた組織づくりや個々の社員の発想
力の強化が課題であるとしても、その取組を単独で具現化することは難しい場合も多い。
119
また、ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上が課題であるとしても、システム開
発の一部を行う下請業務や技術者派遣業務の中でこうした能力を高めることは容易では
ない。
こうした課題は簡単に解決可能なものではないが、最近、新たな取組の一つとして、
個々の企業の枠を超えたオープンなイノベーション創出の取組として、アイディアソン
やハッカソンが注目されている。
今回のアンケート調査で、中堅・中小 IT 関連企業に対して、自社の従業員にこうした
取組に参加して欲しいかを尋ねたところ、6割を超える多くの企業が参加して欲しいと
回答する結果となった。また、アイディアソンやハッカソンに対する具体的な期待とし
ては、市場動向やユーザーニーズの理解のほか、発想を形にするプロセスの体験等が挙
げられている。こうした取組は、自社単独では新たな製品・サービス創出に向けた組織
づくりが難しい中堅・中小 IT 関連企業において、新たな製品・サービスを創出するため
の従業員の能力開発を促進したり、ユーザー企業等を含めた異業種や同業他社との人的
ネットワーク形成を強化したり、さらには、社内外のオープンイノベーションを促進す
る上でも、十分に有効であると考えられる。
120
第3章 成長分野における IT 活用の先行事例
中堅・中小 IT 企業による IT を活用したイノベーション創出事例
1.
ヘルスケア産業 、環境・エネルギー関連産業 、先端ものづくり産業 、クリエイティ
ブ産業の成長ポテンシャルが見込まれるとともに、IT の活用によるイノベーションの重
要性が増す中、成長分野に参入する中堅・中小 IT 企業が登場している。こうした中堅・
中小 IT 企業は、従来型のシステム開発における下請開発や技術者派遣等とは異なり、異
業種を含む様々な企業等との連携により、中堅・中小 IT 企業自らの製品開発やサービス
提供に取り組んでいる。以下には、中堅・中小 IT 企業による成長分野への参入事例から
成長分野への参入状況を分析した結果を示す。
1.1
中堅・中小 IT 企業による成長分野への参入動向
本調査では、中堅・中小 IT 企業による成長分野への参入動向に関し、1.2 節に示した
65 事例(ヘルスケア産業 15 事例 、環境・エネルギー関連産業 14 事例、先端ものづく
り産業 19 事例、クリエイティブ産業 17 事例)を調査した。調査結果をまとめた一覧を
次頁に示す。この調査結果を見ると、中堅・中小 IT 企業による成長分野への参入動向に
関し、幾つかの特徴を見ることができる。

成長分野への参入は東京に立地する IT 企業が中心
本調査で収集した成長分野に参入している中堅・中小 IT 企業を地域別に見ると、71%
が東京に所在する企業であり、東京都心部に集中していることが分かる。
静岡県
3% 滋賀県
2%
茨城県
1%
栃木県
1%
大阪府
6%
東京都
千葉県
神奈川県
11%
神奈川県
栃木県
東京都
71%
千葉県
5%
茨城県
静岡県
滋賀県
大阪府
図 3-1
成長市場に参入した中小・中堅 IT 企業の地域分布
121
こうした状況の背景には、IT 関連企業、特に情報サービス、ソフトウェアに係る企業
が東京 23 区に集中していることや、IT ベンチャー企業等が都心部に集中しているため
と考えられる。また、成長分野の参入には、異業種や他の IT 関連企業等との連携が必要
な場合も多く、ネットワーク形成や最新情報の収集面で利便性が高い都心部に立地する
企業が多いと考えられる。

アプリケーションやソフトウェアによる成長分野への参入
本調査で収集した成長分野に参入している中堅・中小 IT 企業の事業内容に関しては、
先進的なデバイスやロボット等の開発を行う企業も存在するが、主力はアプリケーショ
ン等、ソフトウェアにより成長市場に参入している例が多い。例えば、ロボット等の開発
事例では、製造メーカとの連携により中小企業側が開発を行わない例もある。こうしたハー
ドウェア開発には、相応の設備と開発投資が必要なため、中小 IT 企業単独による開発が
難しいことが伺える。これに対し、ソフトウェア開発は、小規模な設備で開発できると
ともに、クラウド・コンピューティングの活用により IT インフラの低コスト化が進展し
ており、先行的な投資の資金力に制約のある中小 IT 企業の新規参入の敷居を下げている
と見られる。
表 3-1

成長市場に参入した中小・中堅 IT 企業の事業領域
事業領域
全事例に占める割合
先端デバイス
18%
ソフトウェア
62%
スマートフォン・タブレット
26%
ロボット
5%
サービス
58%
3D プリンタ
9%
IT ベンチャー企業等による参入
本調査で収集した成長市場に参入した中小 IT 企業の起業年数(起業してからの年数)
を見ると、起業年数が 47 年を超える IT 企業も存在するものの、起業年数が 6~10 年の
割合が高く、市場成長を見込んだ IT ベンチャー企業等の参入が目立ち、市場形成を牽引
していることが伺える。
122
31年~
11%
~5年
21%
~5年
6~10年
21~30年
18%
11~15年
16~20年
6~10年
25%

31年~
11~15年
22%
16~20年
3%
図 3-2
21~30年
成長市場に参入した中小・中堅 IT 企業の起業年数分布
企業連携を実施している割合が高い
中小 IT 企業は、技術、資金、人材等の経営資源に制約があるため、中小企業単独での
事業開発や市場参入に限界がある。また、成長分野に関する市場ニーズや販路、専門知
識を IT 企業が有していない場合もある。そのため、成長市場に参入している中小 IT 企
業では、成長市場分野の専門性を持つ企業や販路形成のための企業連携等を行っている。
本調査で収集した事例では、全事例のうち、65%の企業が、外部企業と連携している。
それらの企業は、成長分野の非 IT 企業をはじめ、通信キャリア、メーカー、広告代理店
等、異業種を含めた様々な企業に渡る。
表 3-2
成長市場に参入した中小・中堅 IT 企業の外部企業等との連携
外部企業等
全事例に占める割合
同業種(IT 企業等)
17%
成長分野非 IT 企業
14%
通信キャリア
6%
インターネット企業
11%
製造メーカー
9%
広告代理店
8%
その他
20%
123
中堅・中小 IT 関連企業によるイノベーション創出事例一覧
有無
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
ヘルスケア
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
環境・エネルギー
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
株式会社プラクテックス
ウエルネスデータ株式会社
株式会社iCARE
マッスル株式会社
キング通信工業株式会社
株式会社つくばウエルネスリサーチ
株式会社幸和製作所
アシアル株式会社
株式会社ウェルビー
コガソフトウェア株式会社
株式会社アニモ
CLIMB Factory株式会社
株式会社ウイングスタイル
マップソリューション株式会社
株式会社日本コンピュータコンサルタント
株式会社Sassor
株式会社ヴェリア・ラボラトリーズ
株式会社エービル
マウンテンフィールズ株式会社
株式会社環境経営戦略総研
日本ファシリティ・ソリューション株式会社
株式会社環境マネジメント研究所
イサナドットネット株式会社
トランスブート株式会社
株式会社エプコ
住宅ソリューションズ株式会社
株式会社ユビテック
ビックエコ株式会社
株式会社スマートパワーシステム
株式会社レイトロン
イーソル株式会社
株式会社ゼロワン
1,300万円
1,500万円
1,110万円
3億9,721万円
9,263万円
1億629万円
1,000万円
3,025万円
9,756万円
2億7,100万円
1,600万円
6,375万円
3,000万円
5,000万円
777万円
7,640万円
5,844万円
2億 4,575万円
4億9,000万円
7,813万円
1,000万円
1,000万円
8,700万円
1億2,300万円
8億9,100万円
1,300万円
2,000万円
3,000万円
2億6,500万円
1,000万円
5
3
43
239
15
93
5
8
95
35
7
5
9
252
10
12
20
50
69
6
20
11
149
67
28
10
52
360
24
東京都
東京都
東京都
大阪府
東京都
千葉県
大阪府
東京都
東京都
東京都
神奈川県
東京都
東京都
東京都
神奈川県
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
滋賀県
東京都
東京都
東京都
神奈川県
神奈川県
大阪府
東京都
神奈川県
港区
文京区
港区
大阪市
世田谷区
柏市
堺市
文京区
千代田区
台東区
横浜市
港区
港区
中央区
横浜市
千代田区
千代田区
新宿区
港区
新宿区
品川区
千代田区
渋谷区
大津市
足立区
新宿区
品川区
横浜市
相模原市
大阪市
中野区
横浜市
平成21年
平成23年
平成23年
昭和63年
昭和43年
平成14年
昭和62年
平成14年
平成23年
平成12年
平成6年
平成21年
平成17年
平成14年
昭和55年
平成22年
平成19年
平成22年
平成20年
平成16年
平成12年
平成15年
平成13年
平成21年
平成2年
平成23年
昭和52年
平成21年
平成13年
平成4年
昭和50年
平成18年
6
4
4
27
47
13
28
13
4
15
21
6
10
13
35
5
8
5
7
11
15
12
14
6
25
4
38
6
14
23
40
9
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
○
○
訳
他内
起
業
年
数
設立年
非IT企
業
キャリ
ア
インタ
ーネッ
ト 企業
製造
メーカ
ー
広告
代理
店
そ の他
所在地
通信
従業
員数
同業
種
資本金
分野
企業名
成長
分野(※)
分野
○
○
先端
デバイ
ス
ソフト
ウェア
スマー
トフォ
ン・ タ
ブレッ
ト
ロボッ
ト
サービ
ス
3 Dプ
リンタ
提携企業
連携
その
表 3-3
○ コンビニ、TV局
○
○
○
○
○
○
○ 住宅メーカー
○
○
○
○
○
○
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○ コンビニ
○
○ 電力会社
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
△
○
○
○
○
○
○ 社団法人
○ 住宅施工会社
△
○
○
○
○
○
△
○
△
△
△
○
○
○
○
○
○
○
○
△
△
○
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
凡例:○…自社サービス・製品
△
△…提携先企業によるサービス・製品
(※)分野は、各企業の事業領域や製品応用分野からみずほ情報総研が分類したもの
124
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
先端ものづくり
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
クリエイティブ
株式会社アンプレット
株式会社nomado
エバジャパン株式会社
株式会社ビッツ
アビー株式会社
株式会社アイツーアイ技研
ライフロボティクス株式会社
株式会社テクトム
ザインエレクトロニクス株式会社
株式会社サイフューズ
Emotional Brains株式会社
ユカイ工学株式会社
株式会社Cerevo
株式会社カブク
NSWテクノサービス株式会社
日本ノーベル株式会社
ピクシブ株式会社
チームラボ株式会社
株式会社インディ・アソシエイツ
株式会社 カヤック
Orinoco Peatix 株式会社
株式会社スタートトゥデイ
株式会社Donuts
株式会社オルトプラス
マガシーク株式会社
株式会社ワールドスケープ
ファーストザウェーブ株式会社
株式会社モンスター・ラボ
株式会社 フュートレック
株式会社 nanapi
ハートランド・データ株式会社
株式会社エヌエスティー
株式会社テクノサイト
1,000万円
2,800万円
1億円
1,000万円
300万円
1,344万円
7,705万円
11億7,526万円
2億8,700万円
788万円
2億460万円
1,000万円
2億円
1億円
1,000万円
7,000万円
2億3,500万円
2億9,602万円
13億5,990万円
7,777万円
12億5,175万円
11億5,661万円
989万円
4,980万円
2億4,880万円
7億1,657万円
3億111万円
3,200万円
5,000万円
6,000万円
- 東京都
11 東京都
- 東京都
233 東京都
- 神奈川県
- 東京都
- 茨城県
- 東京都
143 東京都
14 東京都
- 千葉県
6 東京都
10 東京都
6 東京都
300 東京都
120 東京都
- 東京都
300 東京都
122 東京都
199 神奈川県
7 東京都
579 千葉県
120 東京都
215 東京都
103 東京都
- 東京都
18 東京都
15 東京都
63 大阪府
26 東京都
53 栃木県
80 静岡県
173 静岡県
台東区
港区
港区
品川区
横浜市
江東区
つくば市
中野区
千代田区
文京区
千葉市
新宿区
千代田区
渋谷区
渋谷区
北区
渋谷区
文京区
渋谷区
鎌倉市
渋谷区
千葉市
渋谷区
渋谷区
千代田区
千代田区
港区
目黒区
大阪市
渋谷区
足利市
浜松市
島田市
昭和62年
平成23年
平成15年
昭和46年
平成16年
平成23年
平成19年
平成元年
平成4年
平成22年
平成23年
平成19年
平成19年
平成25年
平成2年
昭和55年
平成17年
平成13年
平成6年
平成17年
平成23年
平成10年
平成19年
平成22年
平成15年
平成23年
平成8年
平成18年
平成12年
平成19年
昭和57年
昭和60年
平成2年
起
業
年
数
28
4
12
44
11
4
8
26
23
5
4
8
8
2
25
35
10
14
21
10
4
17
8
5
12
4
19
9
15
8
33
30
25
有無
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○ タクシー会社
○
○
○ セキュリティ会社
○ トレカ会社、古書業
○ TV局
○
○
○
△
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○ 音楽レーベル、カラオケ会社
○ 化粧品ブランド
○
○
○ 書き起こし会社
○
凡例:○…自社サービス・製品
○
○
○
○
サー
ビス
3 Dプ
リンタ
設立年
先端
デバ
イス
ソフト
ウェア
スマー
ト フォ
ン・ タ
ブレッ
ト
ロボッ
ト
所在地
内訳
従業
員数
分野
その他
資本金
その他
企業名
同業
種
成長
分野
非IT企
業
通信
キャリ
ア
インタ
ーネッ
ト企業
製造
メーカ
ー
分野(※)
広告
代理
店
提携企業
連携
○
○
△
○
○
△
△
○
○
○
○
△
○
△
○
△
○
△
△
○
△…提携先企業によるサービス・製品
(※)分野は、各企業の事業領域や製品応用分野からみずほ情報総研が分類したもの
125
1.2
1.2.1
成長分野への参入事例
ヘルスケア分野
(1) 株式会社プラクテックス
企業名
株式会社プラクテックス
代表者名
代表取締役 北川和裕
従業員数
-
設立年
平成 21 年 10 月
資本金
-
本社所在地
東京都港区虎ノ門 2 丁目 7-16
事業概要
ヘルスケアデバイスドライバ開発、ヘルスケアアプリケーション開発。
ワイヤレスヘルス・テレヘルス・テレケアの分野、PC 以外のコミュニケ
ーションを中心にソフトウェアサービスを提供。
注目製品
・サービス
■HEALTHPLAYER
モーションコプロセッサー対応の
歩数計機能を搭載。血圧・体重・基
礎体温・食事など様々なデータもま
とめて管理でき、記録したデータを
元に健康になるためのおすすめコ
ンテンツを表示する、無料の健康ウ
ェルネスアプリ。
連携先
ユーザー企業
連携内容
エグゼクティブタワー虎ノ門 801
(アプリイメージ)
http://www.practechs.com/
株式会社 博報堂 DY メディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジン
グ・コンソーシアム 株式会社、琉球放送 株式会社、株式会社 沖縄ファ
ミリーマート、株式会社 NTT ドコモ、株式会社 アインファーマシーズ、
株式会社 タニタヘルスリンク
■歩くーぽんプロジェクト(同社はシステム開発担当)
企画:琉球放送 株式会社(RBC)
協賛:株式会社 沖縄ファミリーマート
企画開発:株式会社 博報堂 DY メディアパートナーズ
システム開発:デジタル・アドバイス・コーンソーシアム 株式会社、株
式会社 プラクテックス
「平均寿命の低下」
「肥満率の増加」などで健康神話が崩壊しつつある沖
縄にもう一度長寿を取り戻すため、琉球放送は平成 26 年4月から「RBC
おきなわ健康長寿プロジェクト」をスタート。
そのプロジェクトの一環として実施されたのが「みんなで歩こう」キャ
ンペーン。公式アプリ「歩くーぽん」はスマホ内臓の歩数計で歩数に応
じたクーポンがもらえる仕組み。県民の 2.5%、スマートフォン保持者の
5%が参加する“人が動く”O2O2O設計。「4 月 26 日からわずか 1
ヶ月間で沖縄県総人口の約 2.5%、スマートフォン保有者の約5%にあた
るユーザーが合計で 35,473 ダウンロードを達成。
126
■アインお薬手帳 ~あなたとご家族の服薬管理アプリ~
(同社は iOS/ Android アプリ開発担当)
提携:株式会社 NTT ドコモ、株式会社 アインファーマシーズ
お薬手帳、服薬チェックができるアプリケーションの設計・プロトタイ
プ開発。業界大手アインファーマシーズは NTT ドコモと組んで開発した
電子版お薬手帳の提供を昨年 7 月から全国 500 店で始めた。
薬局で発行された紙の保険調剤明細書の QR コードをスマホで読み取
ると、薬剤の用量、用法などのデータが取り込まれる。手元にスマホさ
えあれば患者はいつでも簡単に薬を確かめられるほか、設定しておくだ
けで飲み忘れをアラームで知らせる機能も使える。
薬の飲み方が分からなくなったりする患者は多いが、薬局での対面指導
には限界がある。スマホを服薬支援に活用したいというのが開発のきっ
かけ。東日本大震災では被災者が手帳などの服薬記録を失い、薬の処方
に苦慮した経験もある。普段はスマホで服薬状況を把握し、災害などで
紙の記録を失った際でもデータが見られ、記録のバックアップにもなる。
このため回線が途切れてもデータを見られるよう設計し、ライフライン
機能の性格を併せ持つ。
■ブリリアントボディ Checker (同社は iOS アプリ開発担当)
提携:株式会社 タニタヘルスリンク
株式会社タニタと予防医学コンサルタントの細川モモ著の共著『タニタ
とつくる美人の習慣』
(講談社)の本の中で紹介されている、ブリリアン
トボディのつくり方を指標化し、独自のアルゴリズムによる現状のプロ
ポーションを体重、体脂肪率、筋肉量、バスト・ウエスト、ヒップサイ
ズ、生活習慣記録から点数と9タイプの体形で判定するもの。自分がど
の体形に位置するのかを客観的に把握できるだけでなく、時系列的に記
録・グラフ表示していくことでがんばった成果を視覚的に見ることがで
きる。また、女性特有のホルモンバランスの変化に配慮したタニタ独自
の「女性ダイエットモード」を搭載。月経周期を入力するだけで、ダイ
エットに適している時期とそうでない時期とを画面上に表示する。過去
の生理日および次の生理予定日も時系列的に表示されるため、より効果
的な体調管理とダイエットが実現できる。
127
(2) ウエルネスデータ株式会社
企業名
ウエルネスデータ株式会社
代表者名
代表取締役 星野栄輔
従業員数
5名
設立年
平成 23 年 12 月
資本金
1,300 万円
本社所在地
東京都文京区本郷 1-11-6
事業概要
ヘルスケア情報提供サービス
受賞等
かわさき起業家オーディションビジネス・アイデア
かわさき起業家賞、インテル賞 受賞
注目製品
・サービス
■「wellcan」
自分の健康データを 100 万人デー
タと照らし合わせて健康づくりの
ヒントを得る健康管理サイト。
「健診値と病気の同年代分析コン
テンツ」では、ユーザーが健康診断
の結果を入力・保存することで、各
健診項目の同性別、同年代の自分の
健康状態の位置を知ることができ
る。さらに、自分と同じ位置の人が、
どの程度の頻度で当該健診項目と
関連性が高い病気で受診するかも
同時に把握可能。
連携先
ユーザー企業
東接本郷ビル 5F
シーズ市場
(wellcan web サイト)
https://wellcan.jp/
株式会社日本医療データセンター、アップ・スウェル 株式会社
■wellcan
提携:株式会社 日本医療データセンター
株式会社日本医療データセンターはウエルネスデータに 100 万人データ
を提供。ウエルネスデータ株式会社が独自に構築した病気データベース
と、データを元に wellcan を開発。
連携内容
■wellcan
提携:アップ・スウェル 株式会社
【背景】
例を見ない速度で少子高齢化が進む環境の中、一人ひとりが今の自分の
健康状態を把握するだけではなく、将来の健康も予測しつつ、主体的に
健康管理を行うことが求められている。
わかっていても、なかなか今の生活を変えられない、取組みを継続でき
ない要因としては、自分の健康のことを気にする機会が体調を崩したと
きなどに限られていること、自分の今の健康レベルや潜在リスクがわか
らないこと、取組みを続けることが楽しくないことなどが挙げられる。
128
これらの要因を取り除き、誰もが自分の健康を身近に感じ、かんたんに
楽しく取組みを継続するためには、専門性とエンターテイメント性の双
方が欠かせない。
【目的】
そこで、ウエルネスデータと世界中で楽しまれているエンターテイメン
トメディア『 Akinator(アキネイター)』を運営するアップ・スウェルは、
医療ビッグデータの活用、安定的かつ安全なメディア運用とユーザーエ
クスペリエンスの提供という両社の強みを活かし、共同で新たなヘルス
ケアサービスを開発していくことを目的に提携。新しく開発するサービ
スは、ウエルネスデータが提供している wellcan の現行サービスに加え
て、定期的な健康診断データと、日々の運動量、体重・体組成などの健
康データを、新たな視点で可視化し、誰もが気軽に楽しく健康への取組
みを続けられるアプリの提供を予定している。
129
(3) 株式会社 iCARE
企業名
株式会社 iCARE
代表者名
共同最高経営責任者・
代表取締役 山田 洋太
共同最高経営責任者・
代表取締役 飯盛 崇
従業員数
3名
設立年
平成 23 年 6 月
資本金
1,500 万円
本社所在地
東京都港区南青山 2-2-15 ウィン青山 738 号
事業概要
インターネット・携帯情報端末等を利用した各種情報処理及び情報提供
サービス業務、産業医による企業の健康管理指導受託業務、医師による
企業のヘルスケア管理指導受託業務ほか
受賞等
RISING EXPO 2014 in Japan SMBC 日興証券賞受賞
平成 26.3.31 東京 IT 新聞「PICKUP 医療ベンチャー」に掲載
平成 26.6.13 日本経済新聞「産業医紹介 きめ細かく」に掲載
ほかメディア掲載多数
注目製品
・サービス
■Catchball
中小ベンチャー企業向けの産業医業
務支援システム。従業員規模に応じ
た価格帯を用意。月額 1-3 万円の
低価格で基本サービスを提供。これ
により従来の紙運用、PC 内でエクセ
ルやワードで管理していた大量の記
録をクラウド上で記載・管理するこ
とができ、産業医の業務効率を大幅
に改善するとともに、企業人事側と
の連携も可能にする。
連携先
ユーザー企業
連携内容
(catchball 管理画面イメージ)
http://www.icare.jpn.com/
らでぃっしゅぼーや株式会社、株式会社 LIVESENSE、STARAFESTIVAL
株式会社、株式会社 Nanapi
Catchball の導入事例
■らでぃっしゅぼーや株式会社
社員のコンディションマネジメントとして本社人事労務機能強化が必要
となり導入。社内に発生するさまざまな「ヘルスケア問題」へのアプロ
ーチとして人事と産業医の情報共有ツール、ストレスチェック機能を活
用している。
■株式会社 LIVESENSE
エンジニアが多くいることから早期からメンタルヘルス対策を講じ、人
事と産業医との連携強化することで休職者数を激減させた。
■STARAFESTIVAL 株式会社
130
成長を遂げる際に必ず発生する人事労務上の課題の克服のために、全国
に散らばる各拠点の社員コンディションを見える化し、ストレスチェッ
クを実施。
■株式会社 Nanapi
従業員数 50 名以下にも関わらず今後の従業員数増大を見込み、早い段階
から人事労務周辺の強化を実践。人事・マネジメントライン・産業医が
一体となって社員コンディション UP を促進している。
131
(4) マッスル株式会社
企業名
マッスル株式会社
代表者名
代表取締役 玉井博文
従業員数
43 名
設立年
昭和 63 年 5 月 26 日
資本金
1,110 万円
本社所在地
大阪市中央区今橋 2-5-8 トレードピア淀屋橋 6 階
事業概要
FA 機器・ロボット・医療用機器等の制御システム
受賞等
中小企業庁がんばる中小企業・小規模事業者 300 に選出
TBS「夢の扉+」(平成 26 年 5 月 11 日放送)にて放送
注目製品
・サービス
FA 機器やロボット、医療用機器等
のモーションコントロール(制御シ
ステム)を得意とする。一体型 AC
サーボシステム「クールマッスル」
の開発に成功し、世界へ展開。
移乗介護機器(非装着型)
ROBOHELPER SASUKE を開発。
(ROBOHELPER SASUKE)
http://robotcare.jp/?page_id=110
連携先
ユーザー企業
積水ハウス 株式会社
連携内容
■積水ハウス株式会社とマッスル株式会社が、住宅内でのロボット技術
の応用に関する共同研究・開発を開始
【背景】
65 歳以上の要介護者等認定者数は、平成 22 年度末で 490 万人にのぼり、
そのうち男性の 42%、女性の 30%が「自宅での介護」を希望している。
自宅で快適に介護生活というニーズがある。
【目的】
人にやさしいロボット技術の導入による高齢者在宅介護の支援を目指
す。
【今後】
介護者の手のように扱えて、負担を軽減する移動介護ロボット技術を活
用し、要介護者のお風呂などの水回りや庭などの戸外空間へのスムーズ
な移動を可能にする空間設計について検証する。また、マッスル社のモ
ーションコントロール(制御システム)技術を活用し、「HEMS」での温
熱環境制御に合わせた開口部の開閉自動制御の他、設備機器類の高さ制
御、玄関の段差の解消などの住宅の可変性の向上についても共同研究・
開発を行う。積水ハウス総合住宅研究所 納得工房の施設を中心に、ロボ
ット技術が活かせる住空間について共同研究・検証を開始し、平成 26 年
内には、実際の居住空間での検証を行い、その後、積水ハウスの顧客に
よるモニター実証実験等を実施、2015 年末をめどに「共創」による技術
の実証やビジネスモデルの確立を目指す。
132
(5) キング通信工業株式会社
企業名
キング通信工業株式会社
代表者名
代表取締役 茂木秀敏
従業員数
239 名
設立年
昭和 43 年 3 月 4 日
資本金
3 億 9,721 万円
本社所在地
東京都世田谷区野毛 2 丁目 6 番 6 号
事業概要
セキュリティ情報機器・システムの開発・設計・製造ならびに販売
受賞等
経済産業省 ロボット介護機器開発推進事業補助事業者に選定
防犯機器とソフトを組み合わせた
防犯システムの販売。赤外線3D
レーザーセンサー方式を採用した
プラットフォーム開発(認知症の方
の見守り用)。
注目製品
・サービス
■高齢者見守りセンサー
介護される方の様子をシルエット
画像で確認。同装置は赤外線センサ
を用いており、対象をぼやかした画
像で撮影するのが特徴(写真下)。
プライバシーを守りつつ、要介護者
にも目を配れ、認知症患者の徘徊
(はいかい)防止に役立つ。
(シルエット見守りセンサ)
https://www.king-tsushin.co.jp/
133
(6) 株式会社つくばウエルネスリサーチ
企業名
株式会社つくばウエルネスリサーチ
代表者名
代表取締役社長 久野譜也
従業員数
15 名
設立年
平成 14 年 7 月 1 日
資本金
9,263 万円
本社所在地
千葉県柏市若柴 178 番地 4 柏の葉キャンパス 148 街区 2 KOIL505
事業概要
健康づくりに関するコンサルティング・事業推進支援、個別健康支援プ
ログラム提供他
業績等
平成 22 年度の売上は 5 億 3 千万円と初年度の 9 倍に成長。主な収入源は
自治体からのプログラム利用料と国の補助を受けた自治体事業。
これまで契約した自治体は約 50 にのぼり、現在も 30 近い。
(平成 24 年 6 月 29 日 朝日新聞)
注目製品
・サービス
■e-wellness システム
筑波大学における研究成果を基盤
に、多くの住民に対して個別指導と
継続支援を可能にする運動・栄養プ
ログラムを提供する管理システム。
IT を活用することで全国どこでも
プログラムを提供でき、少ない指導
者でも多数の住民に対して健康づ
くりを支援できることが特長。
(e-wellness システムのマイページ画面)
http://www.twr.jp/service/e-wellness/
連携先
ユーザー企業
イー・ライフ・グループ 株式会社
介護予防・リハビリデイサービス「nagomi」 運営のイー・ライフ・グル
ープと株式会社つくばウエルネスリサーチ、運動プログラム研究開発に
関する業務提携
連携内容
【背景・目的】
リハビリデイサービス「nagomi」
(イー・ライフ・グループ株式会社)は、
加速する高齢化を背景に、フィットネス型デイサービスという新しいコ
ンセプトが好評を得て FC 展開開始わずか 1 年余りで 21 施設(直営 4
施設、FC17 施設)のチェーンに成長した。同社では、これまで理学療法
士との共同開発で開発された運動生理学に基づくオリジナル運動プログ
ラムを提供し、歳を重ねることで生じる筋力の低下、軽度の要介護者に
は身体機能を改善させる、または要介護状態を進行させないようにする、
という成果を上げてきたが、より一層のサービス品質の向上を図るため
に、科学的なデータに基づいた検証をもとに行うことを検討した結果、
業務提携に至った。
134
【今後】
運動プログラムの分析・開発にノウハウを有する株式会社つくばウエル
ネスリサーチと提携することで、科学的根拠に基づいた運動プログラム
を提供し、リハビリデイサービス「nagomi」におけるより一層のサービ
ス品質の向上を図り、医療費、介護給付費の抑制に努めていく。
135
(7) 株式会社幸和製作所
企業名
株式会社幸和製作所
代表者名
取締役社長 玉田秀明
従業員数
93 名(平成 26 年 2 月末)
設立年
昭和 62 年 10 月
資本金
1 億 629 万円
本社所在地
大阪府堺市堺区海山町 3 丁 159 番地 1
事業概要
歩行車・歩行器、シルバーカー、車いす、杖、靴、入浴用品、食事・健
康関連、床周り・衣類関連、排泄関連、製造および販売全般
利用状況等
国内シルバーカーシェア 50%を占める。
ビジネス情報番組「賢者の選択リーダーズ」にて放送。
注目製品
・サービス
■「TacaoF(テイコブ)」
福祉用品のオリジナルブランド。
シルバーカーや歩行車、杖、入浴補
助用具など、トータルで生活のお手
伝いができる製品を提供。
安全性の徹底に取り組み、シルバー
カーの定期点検、台車貸出など、ア
フターフォローにも注力している。
連携先
ユーザー企業
KeePace (キーパス)
(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20
120921/241223/)
株式会社 村田製作所
株式会社村田製作所は、福祉用具の総合メーカー、株式会社幸和製作所
と電動歩行アシストカー「KeePace (キーパス) 」を共同開発。
連携内容
【目的】
高齢者や足腰の不自由な方向けのソリューションとして、その完成度を
高めるべく、国内のシルバーカーシェア 50%を占める福祉用具の総合メ
ーカー、幸和製作所と協業・共同開発を行った。
【内容】
KeePace は、村田製作所が電子部品 PR 用ロボット「ムラタセイサク君」
(平成 17 年発表)と「ムラタセイコちゃん」
(平成 20 年発表)の開発で
培った倒立振子制御などを活用した RT(Robot Technology)応用製品と
なる。足腰が不自由で歩行に不安がある人(介護保険制度の分類で要支
援 1~要介護 1 程度の人)に向けた歩行補助のための機器で、村田製作所
の MEMS ジャイロセンサーや傾斜センサー、およびそれらセンサーを用
いた倒立振子制御技術などが組み込まれた「アシスト制御システム」を
進化させたことにより、坂道での歩行サポートや旋回機能を強化してい
る。さらに、駆動機構や制御機器の設計を見直し、最適化したことで、
小型化にも成功している。
136
【今後】
計画では、平成 25 年度内にモニター販売を行い、平成 26 年度に一般販
売を予定。また、価格は 10 万~20 万円が想定されている。仮に平成 27
年度に、介護福祉支援ロボットへの介護保険の適用が実現すれば、実売
価格が 1 万~2 万円となり、その普及が大きく加速すると予想される。
137
(8) アシアル株式会社
企業名
アシアル株式会社
代表者名
代表取締役社長 田中正裕
従業員数
5名
設立年
平成 14 年 7 月 2 日
資本金
1,000 万円
本社所在地
東京都文京区本郷 2-15-13 お茶の水ウイングビル 10F
事業概要
システム構築・開発及びコンサルティング、アプリケーション構築・開
発、ヘルスケア情報提供サービスほか
受賞等
アシアル株式会社が開発したタニタヘルスリンクの健康管理アプ リ
「Health Planet」が Adobe AppBox Awards2013 最優秀賞を受賞。
急成長するアジアの有望なテクノロジーベンチャー企業 100 社を選出す
る Red Herring 社の『2014 Red Herring Top 100 Asia』を受賞。
■Monaca
注目製品
・サービス
世界の開発者に向けた Cordova を
内包した HTML5 ハイブリッドアプ
リ開発プラットフォーム。Web ブラ
ウザを通じて全サービスが提供さ
れるため、クライアントソフトをイ
ンストールしなくても、誰でも簡単
にアプリ開発が行える。
すでに Monaca を利用して作成され
た 2,000 以上のアプリが App Store
や Google Play を通じて公開されて
いる。
(Health Planet アプリアイコン)
(Health Planet アプリ トップ画面)
http://www.asial.co.jp/works/detail/687
連携先
ユーザー企業
株式会社タニタヘルスリンク
株式会社タニタの HealthPlanet アプリの開発
連携内容
【概要】
Health Planet は株式会社タニタが提供する Web サービスのスマートフォ
ンアプリ。体組成や歩数、血圧、血糖値などの健康データを管理するこ
とができる。本アプリでは、Web 版の Health Planet と連携して、健康デ
ータの入力や閲覧を行うことができる。また、Bluetooth 内蔵の体組成計
と連携して自動的に体組成データをアプリ内に取り込むことができる。
【特徴】
モバイルアプリ開発プラットフォーム Monaca を使って開発。
138
HTML5 と JavaScript などの Web 技術を駆使したハイブリッドアプリ
Bluetooth を使って専用の体組成計からデータを自動で受け取ることが可
能。
【課題と懸念点】
公開されているグラフライブラリを使用すると Andorid デバイスでうま
く動作しないことがあったため、フルスクラッチでグラフを実装する必
要があった。プリインストールアプリの納品期限に合わせるため 2 ヶ月
半という短期間で開発する必要があった。
【プロジェクトについて】
プロトタイプ開発により予想外の問題を早期発見できた。プロトタイプ
ではアプリの動きを観ることができるので、イメージを共有しながら開
発を進めることができた。プロトタイプを実際の実装で使えたことも短
期開発につながった。
Bluetooth 機能を使うことでスマートフォンと体組成計をペアリングし、
体組成計で計測したデータを自動取得できるようにした。取得したデー
タは端末とサーバーの両方に自動送信されるようにした。
HealthPlanet はサービス開始から長年使っているユーザーが多く、データ
の量が膨大なので、グラフ表示などにおいてはその膨大なデータを効率
よく分割して表示することで、ストレスのないユーザーエクスペリエン
スを実現した。
139
(9) 株式会社ウェルビー
企業名
株式会社ウェルビー
代表者名
代表取締役 比木 武
従業員数
8名
設立年
平成 23 年 9 月
資本金
3,025 万円
本社所在地
東京都千代田区九段北 1-2-1
事業概要
疾患ソリューション事業、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)事業、
医療データ調査事業
利用状況等
平成 23 年の世界糖尿病デー(11 月 14 日)に糖尿病患者向けに「Welby
シリーズ」のアプリのリリースをスタート。同シリーズが、平成 26 年 1
月末時点で利用者数が 1 万人を突破した。
注目製品
・サービス
■「Welby シェア」
「Welby マイカルテ」
スマートフォンアプリで入力した
データを医療者や家族などと共有
するサービス。入力したデータをグ
ラフやリストにして自己管理する
無料サービス。「医療×IT」の可能
性を追求し、生活習慣病をはじめと
する疾病治療分野にフォーカスし、
患者、医療従事者等、医療に関わる
方々のコミュニケーションの円滑
化、治療のサポートにつながるサー
ビスを開発、提供。
連携先
ユーザー企業
(Welby 画面イメージ)
http://www.welby.jp/
株式会社エス・エム・エス、株式会社ベネフィットワン・ヘルスケア
■株式会社エス・エム・エスと株式会社ウェルビーが業務提携
薬剤師向けサービスと患者向けサービスにおいて連携
【目的】
医薬品領域における両社の経営資源を活かし、既存サービスの更なる改
善、新規サービスの企画・開発等、事業促進と収益の拡大を目指す。
連携内容
【内容】
両社の運営する患者向け疾患治療ツールと、薬剤師向け業務支援サービ
ス(ココヤク)の連携によりサービスの強化を図るとともに、医療従事
者のクロスユースを促し、疾患治療における双方のユーザーの利便性の
向上、活性化を図り、双方の会員基盤、コンテンツ、ノウハウを組み合
わせることで、新たなサービス・商品の開発を行う。
製薬企業・医療機器メーカーなどへの営業・プロモーションを共同して
行い、薬剤師を巻き込んだアドヒアランス向上サービスと疾患患者向け
140
サービスをパッケージ化することで、両社サービス・商品の収益拡大を
図る。
■株式会社ウェルビー、株式会社ベネフィットワン・ヘルスケアが実施
する糖尿病予備群向け宿泊型糖尿病予防プログラム『スマート・ライフ・
ステイ』向けに、参加した糖尿病予備群と保健師等が共同で利用できる
デジタルプラットフォームを提供。
【目的】
糖尿病患者・予備群やその家族、そして企業・健康保険組合の更なる利
便性向上を目指し、慢性疾患分野における治療・自己管理のための総合
的なデジタルプラットフォームとしての機能拡充を実施していく。
【特徴】
『スマート・ライフ・ステイ』は、健康保険組合に所属する糖尿病予備
群を対象に、観光地に宿泊しながら糖尿病予防の保健指導プログラムを
受けることができるプログラムとして、本年 9 月より実施。同事業は経
済産業省「平成 26 年度健康寿命延伸産業創出事業」の一環として 実施
される。
プログラムの参加者は、有名観光地のホテル・保養所にて、座学やグル
ープワークを通じて正しい糖尿病の知識を学ぶほか、予防のための目標
プランニングと生活改善のための食事および運動に関するアドバイスが
受けられる。また、地域の特性を生かしたトレッキング体験やヘルシー
な地元料理による健康的な身体作りなどを体験し、楽しみながらプログ
ラムを受講する。宿泊型保健指導終了後は、管理栄養士や保健師などの
専門スタッフが 4~5 ヶ月に渡り、リモートにて継続的に糖尿病予防を
支援。今回株式会社ウェルビーが提供するデジタルツールでは、本プロ
グラムに参加した糖尿病予備群に対し、糖尿病の予防に特化した自己記
録ツールとなる。日々の体調、活動量のみならず、病気の理解度を継続
的に把握し、その内容を専門スタッフとリアルタイム共有と Web 上での
コミュニケーションを行うこともでき、利用されたログデータは効果検
証に利用される。
この取り組みを通じて、糖尿病患者・予備群やその家族、そして企業・
健康保険組合の更なる利便性向上を目指し、慢性疾患分野における治
療・自己管理のための総合的なデジタルプラットフォームとしての機能
拡充を実施していく。
141
(10) コガソフトウェア株式会社
企業名
コガソフトウェア株式会社
代表者名
代表取締役 古賀詳二
従業員数
95 名(平成 23 年 11 月)
設立年
平成 12 年 3 月 21 日
資本金
9,756 万円
本社所在地
東京都台東区上野1丁目 17-6
事業概要
システム開発事業、自社開発事業・社会貢献事業、ヘルスケア情報提供
サービス
受賞等
日本 SME(Small & Medium Sized Enterprise)格付けにて評価 a を付与
広小路ビル 3・4F
■ヘルスケア関連イベントでのコ
ンテンツ提供
同社が開発したバイタルデータの
解析技術を活用して、マラソンやウ
ォーキング等のヘルスケア関連の
催しで、イベントに合わせたオリジ
ナルコンテンツの提供をサポート。
注目製品
・サービス
■センシングデバイスを活用した
ヘルスケアマネジメントシステム
の開発
センシングデバイスの計測データ
をクラウド上で分析・管理すること
で、個々人の体調を遠隔から管理す
る際に必要となる一連の機能を提
供。
(ヘルスケア関連イベントでの
コンテンツ提供イメージ)
http://www.kogasoftware.com/solution/system_
development/developmental_results/
(ともだちクーポン概要図)
http://www.kogasoftware.com/casestudy/softwa
re/post-2881/
連携先
ユーザー企業
株式会社電通
■「ともだちクーポン」の受託開発
連携内容
ともだちクーポンは、ユーザー自身が SNS を通してクーポンを拡散する
ことができる電子クーポン配信サービス。お店で使えるクーポン、キャ
ンペーンとタイアップしたクーポン、ゲーム感覚で遊べるクーポン等、
いままでにないインタラクティブなクーポンを用意。クーポンの取得や
店 頭 利 用 の 状 況 は Facebook と 連 動 す る 。 お 気 に 入 り の ク ー ポ ン は
Facebook のウォールにシェアしたり、Facebook の友達に送ることも可能
142
【背景】
これまでクーポンといえば、単純な割引やサービスを提供するものだっ
たが、ともだちクーポンでは、飲食店店頭で使える割引券や、ネット上
のプレゼントキャンペーンへの応募券など、各種クーポンを配布。実際
に取得したユーザーは、規定枚数の範囲内で別のユーザーにもクーポン
を送ることができる。これにより、友達と一緒に使うと割引率が上がる
などの特典を設けることが可能になった。
株式会社電通とソーシャル性やエンタメ性を加味した新たなクーポン市
場の開拓を狙い、本システムの開発に至った。
【内容】
Facebook アプリ、iPhone ネイティブアプリ、Android ネイティブアプリを
提供。それぞれのアプリは Facebook アカウントで連携。また、店舗での
QR コードリーダアプリ、クーポン提供者(広告主)向けのクーポン発行
管理アプリを提供。
143
(11) 株式会社アニモ
企業名
株式会社アニモ
代表者名
代表取締役社長
茂手木正也
従業員数
35 名
設立年
平成 6 年 8 月 5 日
資本金
2 億 7,100 万円
本社所在地
神奈川県横浜市中区尾上町 2-27
事業概要
株式会社アニモは富士通株式会社のベンチャー第一号企業として創業。
音・音声関連ソフトウェア、ソリューション開発・販売。
受賞等
スマホアプリ「いびきチェック/ZooZii」が「第 26 回中小企業優秀新技
術・新製品賞」
(りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社共催)ソフト
ウェア部門 奨励賞受賞
注目製品
・サービス
■「声・音」をキーテクノロジーとし
たマルチメディア・ソフト、サービス
及びソリューションの開発、販売。イ
ンターネットを通じて、失語症のリハ
ビリ訓練を提供する「花鼓 SaaS」(は
なつづみ サース)を開発。
連携先
ユーザー企業
大洋建設関内ビル 4F
(花鼓 SaaS 利用場面)
http://hana.animo.jp/guide/
株式会社富士通研究所
日本初のキーワード型 音声検索ソフトウェア開発・販売
株式会社アニモと株式会社富士通研究所は、コールセンターはじめ数多
くの導入実績のある通話録音パッケージ「VoiceTracking(ボイストラッキ
ング)」で蓄積した通話録音データの活用を強化するラインナップとし
て、富士通研究所が新たに開発したワードスポッティング型音声認識エ
ンジンを採用したキーワード型 音声検索ソフトウェア『VoiceTracking/
KeywordFinder(ボイストラッキングキーワードファインダー)』を開発。
連携内容
【背景】
昨今、顧客と企業及び企業間取引においても、電話記録を録音し証跡管
理として活用することが「企業の信頼感」を醸成するようになりつつあ
るが、多くの企業は通話を録音し、万一のトラブルの際に聞きなおすだ
けで、十分活用出来ていない。『VoiceTracking/KeywordFinder』は、膨大
な通話録音データの中から、音声認識技術を活用し、キーワードの有無
をチェック。見える化することで、コンプライアンス上問題のある可能
性の高い通話を抽出し、迅速に確認することを可能にした。これにより
企業経営の透明性を高め、より「安心・安全」な企業体質の確立が実現
できる。
144
【導入メリット】
・コンプライアンス管理の効率化
全ての通話録音データから問題のある、疑わしい通話を検出することで、
監視対象となる通話の劇的な絞込みを実現。また監督官庁へのデータの
提出などを迅速に行うことが可能となる。
・コールセンター業務におけるモニタリングのコスト削減
コンプライアンス管理者は検出された通話内の疑わしい特定のキーワー
ド、語句を含む箇所をピンポイントで聴取することが可能となり、モニ
タリングにかかる労力、時間を大幅に削減する。
・企業経営の透明性確保
E-mail、fax だけでなく、音声通話も見える化し、確認が可能となること
でクロスチャネルでのコンプライアンス管理が可能となり、
「安心・安全」
な企業体質の確立を実現する。
145
(12) CLIMB Factory 株式会社
企業名
CLIMB Factory 株式会社
代表者名
代表取締役 馬渕浩幸
従業員数
7名
設立年
平成 21 年 7 月
資本金
1,600 万円
本社所在地
東京都港区麻布台 1-9-10 飯倉 IT ビル 4 階
事業概要
スポーツ現場に特化したシステム開発・情報分析、ソリューション提案、
コンディショニング維持・トレーニング成果把握のためのデータベース
開発・提供ほか
受賞・業績等
ベースボール・マガジン社”Soccer clinic”平成 26 年 5 月号掲載
平成 25 年度上期 6 ヶ月黒字決算(平成 25-平成 26 年度上期決算報告より)
注目製品
・サービス
■「CLIMB DB」
スポーツ選手管理データベース
ロンドン五輪『チーム「ニッポン」
マルチサポート事業』における現地
施設予約管理システム開発。
(選手コ ン デ ィ シ ョ ニ ン グ
管理システム概要図)
http://www.climbfactory.com/
連携先
ユーザー企業
株式会社日立システムズ
日立システムズと CLIMB Factory は、共同でコンディショニング管理支
援システムの実証実験を開始
連携内容
【目的】
日本ラグビー協会が進める女子セブンズの強化活動の中で、普段はそれ
ぞれのチームや会社で活動している選手のコンディショニング状況を適
切に把握し、コンディションに応じた選手の練習プランやスケジュール
の策定、アドバイスなどをより効果的に強化につなげるため。現在、女
子セブンズアカデミーは、直近の世界規模の大会である 2014 年 9 月の IRB
女子セブンズワールドシリーズコアチーム昇格決定大会および 9 月から
行われるアジア競技大会(韓国)をめざして強化中であり、今回のコン
ディショニング管理支援システムの実証は、大会に向けた強化の一環と
なる。
【内容】
具体的には、リストバンド型端末(ライフレコーダー)で日々の運動や
睡眠・休息を含む生活データを取得し、デジタル化・可視化する日立シ
ステムズのライフログクラウドサービスと、CLIMB Factory が得意とする
アスリートの体調管理に関するクラウドシステムを組み合わせ、先進的
146
なコンディショニング管理支援システムを構築する。
【今後】
本システムにより、選手本人が感じている自分の体調についての主観的
な情報と、ライフレコーダーや体組成計等で取得する客観的な情報を統
合してデータベースに蓄積できるため、自己の体調管理やコーチおよび
トレーナーが指導を行う際の各選手の状態把握のためのツールとして活
用できる。
平成 26 年 12 月 31 日までの本実証実験を通じて女子セブンズシニアアカ
デミー、さらには女子セブンズ日本代表のチーム強化に貢献するととも
に、実証実験の結果を踏まえ、他の競技団体への展開や、その他スポー
ツ関連のマーケットを開拓していく予定。
また、日立システムズと CLIMB Factory は、今回の実証実験を通じて得
られたアスリートのコンディショニングに関する新たな知見を今後女子
セブンズをはじめ、その他のスポーツ分野でも活用することを目指して
いく。
147
(13) 株式会社ウイングスタイル
企業名
株式会社ウイングスタイル
代表者名
代表取締役
設立年
平成 17 年 4 月 15 日
本社所在地
東京都港区六本木 4-1-16-411
事業概要
SNS 開発、運営他
注目製品
・サービス
■ジョグノート
運動やからだ管理を支援する SNS。
登録者数は 80,000 人を突破。
(平成
21 年 3 月)
平成 17 年 12 月よりサービスを開
始。昨今のジョギング・ランニング
ブームにより会員登録ペース が上
昇、平成 20 年 7 月時点で 40,000 弱
だった会員数は、約半年強で登録者
数が倍増。
荒井 啓
従業員数
5名
資本金
6,375 万円
(JogNote 利用画面)
http://www.wingstyle.co.jp/
連携先
ユーザー企業
株式会社タニタ
連携内容
株式会社 タニタが提供する「からだカルテ」と株式会社 ウイングスタ
イルが運営するジョグノートは体組成計などの健康計測機器で計測した
身体データの連携を開始。
【目的・内容】
データ連携により、タニタの通信機能を備えた体組成計などの健康計測
機器で計測した身体データを、入力の手間をかけることなく「ジョグノ
ート」上で記録・グラフ化できる。
タニタの通信機能を備えた体組成計や歩数計、血圧計といった健康計測
機器で計測した身体データがパソコンなどを介して自動的に「ジョグノ
ート」に登録できるようになることで、日々の記録の登録がより簡単に
なる。
148
(14) マップソリューション株式会社
企業名
マップソリューション株式会社
代表者名
代表取締役社長 山下靖人
従業員数
10 名
設立年
平成 14 年 2 月 25 日
資本金
3,000 万円
本社所在地
東京都中央区新川 1-17-27
事業概要
ASP 及びその関連サービス、カスタマイズ及び商圏分析サービス
MapInfo 及びデータの商品販売
注目製品
・サービス
■MiSol(マイソル)
エリアマーケティングによるビジ
ネス戦略を要求される営業分野に
おいて、営業活動と戦略立案を支援
するツールを ASP で提供するソフ
ト。通常、エリアマーケティング等
の高度な GIS は非常に高価である
が、MiSol のサービスは安価で利用
可能であり、情報分析に不可欠な各
種の地図データ、統計データ、豊富
な分析機能が提供されている。
連携先
ユーザー企業
横川ビル 6 階
(MiSol WEB サイト)
http://www.misol.ne.jp/
日本レンタカー、フォルクスワーゲンジャパン、メルセデスベンツ、ア
インファーマシー、日本調剤、大垣共立銀行ほか、医療系コンサル、医
薬品卸、住宅会社、リース会社、信用金庫、税理士事務所、学習塾など
多数
■汎用マーケット分析
様々なビジネスシーンで多角的なレポートや集計・分析を可能にする多
機能型のツール。多様なデータコンテンツから必要なデータを選ぶだけ
で、多様な業界にも対応。また、独自に作成した様々なデータベース(ユ
ーザデータ)を利用し、地図上での加工・編集を行うことができる。こ
れによって、オリジナルのポイントマップや統計データの作成、および
それらデータマップなどの共有化が可能になる。
連携内容
■診療圏分析
病院、診療所、歯科医院、薬局などの医療分野向けエリアマーケティン
グツール。分析基盤となる医療関連の豊富なデータコンテンツを最大の
特徴とする。医療機関の業務に求められる各種報告書の作成、施設・設
備の統廃合計画、経営戦略支援など、様々な目的に活用できる。
■介護圏分析
介護関連ビジネスに求められる地域密着型のサービス提供や営業・経営
を支援するための豊富なデータコンテンツを特徴とする。介護・福祉施
149
設や関連するビジネス分野における運営・サービスの最適化、エリア担
当者の業務支援、新規事業計画における候補地の策定など、多様なニー
ズに対応できる。
■学習塾市場調査分析
学習塾の新設計画やマーケティング調査のために最適化されたツール。
最新の消費支出データから、商圏内の補習教育費の実態や、数年先の予
測値を市区町村や丁目単位できめ細かく把握することが可能。簡単な操
作だけで、多様なレポートを素早く作成する。
■店舗売上ポテンシャル推計
ホームセンターや大型食品スーパーなど、主に大規模な店舗の集客力や
売上けなどを予測するためのツール。業態、店舗規模、立地条件や商圏
範囲などをパラメータとして指定するだけで、素早く高精度な分析・予
測が可能。
150
(15) 株式会社日本コンピュータコンサルタント
企業名
株式会社日本コンピュータコンサルタント
代表者名
代表取締役社長 冨田松平
従業員数
252 名
設立年
昭和 55 年 8 月 29 日
資本金
5,000 万円
本社所在地
横浜市神奈川区栄町 5-1
事業概要
システムの受託開発、IT コンサルテーション、介護総合支援システム
受賞等
2010 年、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)による、
「中小 IT ベンダ
ー人材育成優秀賞」を受賞。
2012 年、
「在宅医療機器サポートシステム」が第4回「フクオカ Ruby 大
賞」奨励賞を受賞。
注目製品
・サービス
■介護事業者向けソフト
『介舟ファミリー』
介護保険(予防含む)、障害者自立
支援、移動支援のスケジュール管
理、請求処理、給与計算、入金管理
まで全ての事務作業を一元管理す
るソフト。組み合わせ自由で必要な
システムだけ利用できる。月額使用
料(定額)に保守料も含まれる。
横浜クリエーションスクエア(YCS) 6F
151
(介舟ファミリーWEB サイト)
http://www.kaisyuf.jp/
1.2.2
環境・エネルギー関連分野
(1) 株式会社 Sassor
企業名
株式会社 Sassor
代表者名
CEO
設立年
平成 22 年 9 月 30 日
本社所在地
東京都千代田区猿楽町 2-8-11
事業概要
事業者向け消費電力管理サービス、メディア運営、データ分析
受賞等
『eco japan cup 2013』にて敢闘賞を受賞
石橋秀一
従業員数
10 名
資本金
777 万円
竹森ビル 3F
■「ELP(エネルギー・リテラシー・
プラットフォーム)」
消費電力を「見える化」する消費電
力管理サービス。
注目製品
・サービス
コンセントと家電の間にモジュー
ルをセットすることで、家電の消費
電力をオンラインで確認できるサ
ービス、ELP Lite。日常的に使って
いる電気の消費量を感覚的に学習
して家庭内電力に関するリテラシ
ーを高めていくことで、無駄な電力
消費を抑え、家庭内におけるエネル
ギーの利用効率化が促進されるこ
とを目的とする。
(ELP Lite)
(スマホサイトイメージ)
http://biz.sassor.com/
連携先
ユーザー企業
株式会社 スマイルズ(Soup Stock Tokyo)
ELP の導入
連携内容
【目的】
首都圏に約 50 店舗のスープ専門店を運営する「Soup Stock Tokyo」では
電力の可視化と店舗運営における環境負荷軽減を目的として、サッソー
の電力管理サービス「Energy Literacy Platform」を導入。
各店舗における厨房機器類の消費電力をリアルタムに可視化し、無駄な
消費電力の削減と業務オペレーションの最適化を目指す。同規模の店舗
において、売り上げに関係なく毎月の電気料金に大きな違いがある店舗
152
があったため、その原因究明と改善を検討していた。現状の設備では各
店舗毎の総使用量は分かるが、使っている機器も多いため、どこを改善
すれば消費電力削減に効果があるのかが分からない状況だった。
【導入まで】
電力モニタ製品の導入を社内で検討し、数社の製品を一度評価したが、
どれも「電灯」
「動力」という系統で全体をまとめて測定するものが多く、
どの機器がどれだけ消費電力を使っているのかを推測するものしかなか
った。Sassor 社の ELP 製品はコンシューマ向けを意識している製品だけ
あって、レポートが非常にグラフィカルでわかりやすく、使用している
炊飯器や加熱器といった電気機器毎に使用している機器の名称やアイコ
ンを登録できるなど、現場のスタッフを含め直感的に理解しやすいデザ
インだと感じた。また、管理データについても全てクラウドに保存され
ており、当社で管理用のサーバー機器を用意しなくても良いところもポ
イントだった。
【成果】
実際に導入を決めてからのスピードも速かったことに満足。
機器の設置は、閉店後の時間を利用して 90 分程度で完了させることがで
き、店舗業務に影響を与えなかった。あえて売上が近い店舗を比較して
いるにもかかわらず、機器の使われているバランスが大きく違っていた
りなど普通に営業しているだけではわからない色々なことが、定量的な
数字を見ることによってわかってきた。そのことによって今までわから
なかった店舗ごとのスタッフの微妙なオペレーションの違いが明確にな
り、店舗運営の最適化までつなげることができてきた。今後は電気機器
の使用パターンを分析し最適なオペレーションのマニュアルを作成する
ことが目標。機器ごとの消費電力の可視化によって定量的な数字を見る
ことができ、普段営業しているだけではわからない店舗ごとの微妙な業
務の違いや機器の使用バランスが明確化できた。ELP の導入により節電
だけでなく結果として店舗運営の最適化にまでつながった。
153
(2) 株式会社ヴェリア・ラボラトリーズ
企業名
株式会社ヴェリア・ラボラトリーズ
代表者名
代表取締役社長 筒見憲三
従業員数
12 名
設立年
平成 19 年 9 月
資本金
7,640 万円
(平成 25 年 11 月)
本社所在地
東京都千代田区神田神保町 1-27-3 東京堂神保町第 2 ビル 4 階
事業概要
Energy Information Analysis(EIA)サービス業、CO2 排出量削減、エネル
ギー使用量削減、エネルギーコスト削減等に関する支援事業等
業績等
第7期決算公告 平成 26 年 6 月 30 日現在 当期純利益 △ 53,783,133
大阪府より「おおさか版 BEMS 事業者」登録
注目製品
・サービス
経済産業省資源エネルギー庁が、中
小ビル等の BEMS 導入が遅れてい
る電力需要家に対し、支援・補助を
行う「エネルギー管理システム導入
推進事業(BEMS)」のアグリゲー
タとして採択される。(株式会社ヴ
ェリア・ラボラトリーズを基幹会社
とする計 5 社によるコンソーシア
ム)
連携先
ユーザー企業
(エネルギー管理システム導入推進事業
(BEMS)概要図)
http://www.veglia.co.jp/
オカガミ株式会社、デュプロ株式会社
BEMS 導入事例
連携内容
■オカガミ 株式会社
BEMS 装置を導入の少し前から、デマンド監視装置を導入していたが、
社内だけでは何から手をつければよいのか分からず、知識不足を感じて
いた。BEMS 装置を導入し、二次側の生産設備の電気使用量を把握する
事で機械の同時起動をなくし、時間差での起動にて作業計画をつくり、
低減に努めた。デマンド警報発生時においても、事前に機械の停止順位
を定め工場内にて連携し実施する事で、設定数値を超えることがなく契
約電力を低減できた。パソコンによる日々のデータの見える化と、アグ
リゲータのアドバイス及び毎月のレポートにより、今後も継続して契約
電力・電力使用量の低減に努める自信がついた。
■デュプロ 株式会社(デュプロ本社ビル)
デュプロ本社ビルは 2/3 を自社で使用し、1/3 をテナントに貸し出しをし
ている。各テナントに設置した電力量計(電灯と動力)の検針値をもと
に電気料金の請求をしていたが、数も多く正確さが求められるので大き
な負担となっていた。ヴェリア・ラボラトリーズから安価に多点数の電
力計測が簡単に自動化できるだけでなく、テナント別にデマンド値を算
154
出し、電力会社と同じ考え方で基本料金と電力量料金の計算が可能であ
ることを知り導入を決めた。H26 は例年と比較し夏の気温が低かったこ
ともありデマンド、電力使用量の大幅削減に成功。今回の取組みにより、
電力会社からの課金と同じ方法でテナントに電気料金を請求することが
できるようになった。電気代は利用した量に応じて負担してもらいたい
と考えていたので大変満足。また、H23 年度にエアコンの更新も行った
が、エアコン更新時による節電効果により、H25 年度の電気料金の値上
げ時においても電気料金の値上げをテナントに頼むことなく乗り切れ
た。テナント入居者に満足をしていただいた事は、ビルの価値を高める
事もにもつながった。
155
(3) 株式会社エービル
企業名
株式会社エービル
代表者名
代表取締役社長 水谷義和
従業員数
20 名
設立年
平成 22 年 5 月 20 日
資本金
-
本社所在地
東京都新宿区本塩町 19 番地 AOI ビル 2F
事業概要
エネルギー診断、マネジメント、改修プランニング
受賞等
経済産業省「平成 26 年度 エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」
に係る「エネマネ事業者」に採択
日経アーキテクチュア 平成 25 年 1 月 10 日号掲載
ほか日本経済新聞等メディア掲載多数
注目製品
・サービス
■日本発の建物治療本舗
建物における CO2 排出量削減実績
が環太平洋 NO.1 の省エネ治療サー
ビスの具現化を目指す。
■スーパー、冷蔵倉庫、リゾートホ
テルにおけるエービル処方(エービ
ル人工知能 R03 導入など)による
省エネ制御
(ローソン寒冷地特化型の環境配慮店舗)
http://www.lawson.co.jp/company/news
/082582/
連携先
ユーザー企業
株式会社ローソン
連携内容
株式会社ローソン寒冷地特化型の環境配慮店舗を秋田県由利本荘市にオ
ープン。エービルは雪冷房や太陽熱・井戸熱といった自然エネルギーを
利用した空調設備の計画と制御に協力。本店舗は、コンビニエンススト
ア業界で初めて雪を冷房に利用する寒冷地特化型の環境配慮店舗で、店
舗全体の電気使用量を平成 22 年度対比で約 50%削減でき、これまでの環
境配慮店舗で最大の電気量削減となる。
ローソンは毎年最新設備を導入した環境配慮型の実験店舗をオープン
し、省エネ効果の高かった設備を既存店舗にも導入している。今回の店
舗はローソン初の寒冷地特化型となる。コンビニエンスストア業界初の
「雪貯蔵空調連携システム」「太陽熱利用暖房システム」を導入し、夏には
雪を冷房に、冬には太陽熱で出来た温水を床暖房に使用する。
【主な環境配慮設備】
・「雪貯蔵空調連携システム」<業界初>
冬季に雪をコンテナ貯蔵し、夏季に冷却運転実施
・「太陽熱利用暖房システム」<業界初>
太陽熱で出来た温水でカウンター内を床暖房
・「地中熱利用ヒートポンプ空調」
冷暖房運転効率向上の為、地下水を予備熱源として利用
・「太陽光発電パネル」
発電だけでなく蓄電も行い、災害時の停電の際にも電力使用可能
156
(4) マウンテンフィールズ株式会社
企業名
マウンテンフィールズ株式会社
代表者名
代表取締役 山田芳幸
従業員数
-
設立年
平成 20 年 1 月
資本金
5,844 万円
本社所在地
東京都港区西新橋 3-24-5
事業概要
3−E Managed Service(エネルギーマネジメント事業、エコロジーマネジ
メント事業、エレクトロニックマネジメント事業)
沿革等
平成 25 年 10 月 株式会社 ACCESS 社と資本・業務提携契約を締結
平成 23 年「 東京都経営革新計画承認企業」第 987 号として認定
注目製品
・サービス
御成門ビル4F
■電力見える化マネジメントサー
ビス「EVR-Cloud」
当サービスを利用することにより、
各電力会社の請求が上がる前に毎
月/毎日/毎時/毎分使用電力量
並/毎分使用電力量並びに電力料
金の目安、そして Co2 排出量がい
つでも把握できる。
(「EVR-Cloud」画面イメージ)
http://www.mt-fields.com/sole2.html
■太陽光発電マネジメントサービ
ス「AEMS-Cloud」
さまざまなセンサーから集められ
た発電量や太陽光パネルの稼働状
況などの情報を Windows Azure に
蓄積し、ネットを通じて遠隔地から
でも運用監視できる。
(「AEMS-Cloud」画面イメージ)
http://www.mt-fields.com/sole2.html
連携先
ユーザー企業
日南町営 石見東太陽光発電所(鳥取県)、台湾 Powertech 社
連携内容
■日南町営 石見東太陽光発電所
石見東太陽光発電所は、遠隔地からの運用監視や障害対応などを目的に、
マウンテンフィールズ株式会社のクラウド型発電管理システム「AEMSCloud」を導入し、3 月に稼働を始めた。AEMS-Cloud は、さまざまなセ
ンサーで取得した発電量データや太陽光パネルの稼働状況などをマイク
ロソフトのクラウドサービス「Microsoft Windows Azure」上に蓄積し、イ
ンターネット経由で遠隔地からも運用監視できるようにするシステム。
同発電所はこのシステムの採用で、都内からの遠隔監視や障害対応を実
現するほか、将来的なデータ量の増大や施設規模の拡張などに備えると
いう。石見東太陽光発電所は、日南町内の 0.6 ヘクタールの敷地に太陽光
パネル 1428 枚を使って建設された総発電量約 340 キロワット、年間推定
発電量約 27 万キロワット/時の発電所。平成 24 年 12 月 5 日から発電を
行っている。
157
■台湾 Powertech 社
平成 25 年 7 月台湾 Powertech 社と業務提携を締結。今後はスマートタッ
プとマウンテンフィールズ社製電力見える化システム「EVR-Cloud」をセ
ットでユーザーに提供する。
158
(5) 株式会社 環境経営戦略総研
企業名
株式会社 環境経営戦略総研
代表者名
代表取締役社長 本多聰介
従業員数
50 名
設立年
平成 16 年 2 月
資本金
2 億 4,575 万円
(平成 25 年 6 月)
本社所在地
東京都新宿区四谷三丁目 14 番 1 号
事業概要
環境経営ソリューション、エネルギー・マネジメント
受賞等
平成 21 年第 6 回 エコプロダクツ大賞(エコサービス部門)『審査委員
長特別賞』受賞
平成 22 年第 8 回日本環境経営大賞(環境価値創造部門)『環境価値創造
賞』受賞
日本経済新聞、朝日新聞、ほかメディア掲載多数
注目製品
・サービス
■『見えタロー®』による「見える
化」を中心とした利益創出・環境評
価対応プログラム
導入実績 4,246 事業所(平成 24 年
1 月末日現在)
■BEMS
空調機器の自動制御により、店内の
環境を悪化させずに空調負荷を10
~25%(施設全体で 5~10%)削減で
きるシステム。
(見えタロー®概要図)
http://www.kankyo-keiei.org/business/energy_
management/mietaro.html
連携先
ユーザー企業
北海道電力株式会社、東京電力株式会社、関西電力株式会社、四国電力
株式会社、九州電力株式会社
連携内容
電力会社と株式会社 環境経営戦略総研はデマンドレスポンスにおいて
業務提携。各電力会社と業務提携し、昨夏に引き続き今夏の電力ピーク
需要抑制に共同で取り組む。
株式会社 環境経営戦略総研が提供するデマンドレスポンスプランは、電
力逼迫が懸念される今夏 7/1~9/30(電力会社毎に前後あり)において、
各電力会社管内の株式会社環境経営戦略総研顧客に節電の依頼をし、そ
の節電によって生まれる電力(=ネガワット)を取りまとめ、電力ピー
ク需要抑制に寄与する。尚、節電に成功された顧客には、インセンティ
ブを支払う。
デマンドレスポンスプランの最大の特長は、全国 4,700 箇所以上の節電コ
ンサルティング実績から生まれた「手動」による節電ノウハウによりピ
ーク需要抑制を行うことで、高価な節電機器の新規導入が不要であるこ
とが挙げられる。
159
(6) 日本ファシリティ・ソリューション 株式会社
企業名
日本ファシリティ・ソリューション株式会社
代表者名
社長
設立年
平成 12 年 12 月 14 日
本社所在地
東京都品川区大崎 1-6-4 新大崎勧業ビルディング 17 階
事業概要
ESCO 事業(効果保証付き省エネルギーサービス)
受賞等
日本ファシリティ・ソリューション 株式会社は、三菱商事、東京電力 株
式会社、株式会社 関電工、アズビル 株式会社との合弁による ESCO 事
業会社
一般財団法人省エネルギーセンター主催 平成 24 年度 省エネルギーセ
ンター会長賞受賞
注目製品
・サービス
■@energy
ASP サービス(インターネットを介
した共同利用型システム)を使用し
たエネルギーデータ管理システム。
省エネ・CO2 削減対策、法対応業
務をすすめる上で、まずは全体(グ
ループ全社)のエネルギー使用量、
CO2 排出量を「見える化」するた
めのサービス。
連携先
ユーザー企業
連携内容
岡 英樹
従業員数
69 名
(平成 26 年 4 月現在)
資本金
4 億 9,000 万円
(@energy サービスイメージ)
http://www.j-facility.com/eegm5/energy.html
法政大学、三井金属鉱業株式会社
■法政大学外濠校舎
新築型 ESCO サービスを導入
用途:学校
規模:地上 8 階、地下 2 階
延床面積:21,800m²
省エネルギー率:22%
CO2 削減量:444t-CO2/年
主な省エネメニュー
超高効率空冷ヒートポンプチラー、氷蓄熱+低温冷風空調、空調機の変
風量制御・外気量制御、BEMS、昼光利用照明制御
■三井金属鉱業 株式会社
施設更新型 ESCO サービスを導入
用途:工場
省エネルギー率:69% ※ 変更部分での比較
CO2 削減量:1,134t-CO2/年
主な省エネメニュー
蒸気吸収式冷凍機から高効率空冷チラーへの更新
160
(7) 株式会社環境マネジメント研究所
企業名
株式会社環境マネジメント研究所
代表者名
代表取締役 澤口宗徳
従業員数
6名
設立年
平成 15 年 12 月 12 日(株式
会社ピュアスピリッツ 環
境システム部を分社化)
資本金
7,813 万円
本社所在地
東京都千代田区内神田1丁目4-15
事業概要
エネ達 3、省エネルギー化設備改修、研究・コンサルティング
受賞等
平成 23 年度エネルギー管理システム導入促進事業(BEMS 事業)」にて、
エネルギー利用情報運営管理者(BEMS アグリゲータ)に採択
平成 21 年 3 月「省エネの達人 エネ達®」が JAPAN SHOP SYSTEM
AWARDS2009 において『奨励賞』を受賞
注目製品
・サービス
■ネットワーク管理型汎用 BEMS
「エネ達 3」
中〜小規模の店舗やオフィスビル
を対象としたコストパフォーマン
スに優れたネットワーク管理型汎
用 BEMS(ビル・エネルギー・マネ
ジメント・システム)を平成 21 年
から提供・運用している。
新誠ビル4階
(エネ達 3 概要)
http://www.enetatsu.jp/service/enetatsu.html
連携先
ユーザー企業
富士火災海上保険 株式会社、株式会社 コスモス薬品、ゴダイ 株式会社、
株式会社 ワーナーマイカル、日本生命保険 相互会社
連携内容
エネ達 3 導入事例
■富士火災海上保険 株式会社[全国の自社ビル約 80 物件 平成 21 年]
■コスモス薬品 株式会社[九州他 約 50 物件 平成 22 年]
■ゴダイ 株式会社[近畿圏の店舗物件 約 40 物件 平成 22 年]
■株式会社 ワーナーマイカル
[シネマコンプレックス 全国 60 物件 平成 23 年]
■日本生命保険 相互会社
[営業拠点物件 約 170 物件 平成 23 年~平成 24 年]
161
(8) イサナドットネット株式会社
企業名
イサナドットネット株式会社
代表者名
代表取締役 石谷伊左奈
従業員数
20 名
設立年
平成 13 年 2 月
資本金
1,000 万円
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷 4-10-8 ウイング 410 1F-B
事業概要
コンピュータソフトウェアの開発、情報システム開発・運用、ソフトウ
ェアの技術リサーチ・コンサルティング
受賞等
■停電検索 平成 23 年 節電スマートフォンアプリ大賞受賞
■災害対策 全国避難所ナビ
「デンソー・スマートテック・アワード 2013」ジャンル賞受賞
(環境・防災ジャンル)
注目製品
・サービス
■Feeling Controller
バイタルコネクト社製のウェアラブルセン
サーから心の動きを読み取り、ユーザーが
快適だと感じる空間を自動的に提供してく
れるスマートホームシステム。ストレスが
高い場合には音楽やアロマを操作してリラ
ックスできる空間を、就寝時には照明や加
湿器により、眠りやすい空間を提供する。
(本システムは東京大学生産技術研究所の
実験住宅 COMMA ハウスで動作するよう
に開発され、生研公開 2014 にて一般公開さ
れたものである。)
(停電検索スマホ画面)
http://isana.net/products/%E5%81%
9C%E9%9B%BB%E6%A4%9C%E
7%B4%A2/
(Feeling Controller イメージ)
連携先
ユーザー企業
バイタルコネクト社、シャープ
シャープ株式会社とイサナドットネットは、共同で HEMS とテレビ、SNS
(Facebook)に連携した独り暮らしの高齢者を見守るアプリを開発
連携内容
同アプリを利用し、子世帯と親世帯(独り暮らしの高齢者)が毎日簡単
にコミュニケーションを取れるようにすることで、子世帯が自然な形で
親世帯を見守る事を可能にする。HEMS から取得される電気の使用量の
変化を元に、親世帯の行動を予測。そこから子供世帯に、メッセージ送
信を行う。子世帯はそのメッセージをもとに、親世帯に簡単なメッセー
162
ジを返すことが可能になっている。操作はテレビ向けに最適化されたウ
ェブシステムとして提供されており、親世帯の世代でも簡単に利用でき
る。子世帯向けには、Facebook アプリとして利用できるほか、より手軽
に利用できるようにスマートフォン向けの専用アプリも開発した。
本アプリは大手家電メーカーや東京電力株式会社が企画した HEMS 道場
の活動から生まれた。イサナドットネットでは、HEMS や家電と連携し
たスマートフォンアプリの開発・研究を行なっており、今回の取り組み
もその一環となる。
163
(9) トランスブート株式会社
企業名
トランスブート株式会社
代表者名
代表取締役 田中允也
従業員数
11 名
設立年
平成 21 年 1 月 20 日
資本金
1,000 万円
本社所在地
滋賀県大津市瀬田大江町横谷 1 番 5
事業概要
コンピュータのシステム設計、プログラムの企画、作成、販売及びリー
ス業務他
受賞等
スマートリアス「HEMS 制御盤」が平成 25 年度補正予算「住宅・ビルの
革新的省エネ技術導入促進事業費補助金(HEMS 機器導入支援事業)」の
補助対象機器に採択
注目製品
・サービス
■スマートリアス HEMS 制御盤開
発、スマートリアスアプリ開発
(リアス 制御用分電盤 (ホームタ
イプ) と連動したアプリ)
電気の使用量、蓄電池の状態、太陽
光の発電量、ガス・水道の使用量な
ど家庭全体のエネルギーの見える
化を実現。蓄電池を使用する時間、
停電したときの動作を設定するこ
とによりエネルギーを最大限に活
用することが可能。
(HEMS 制御盤)http://reearth.jp/
(コントロールユニット)
http://reearth.jp/
連携先
ユーザー企業
オンキヨーディベロップメント&マニュファクチャリング株式会社
連携内容
トランスブート株式会社とオンキヨーディベロップメント&マニュファ
クチャリング株式会社は「ONKYO HEMS」の企画開発を行った。
両社は共同で「ENEX2014」に出展。平成 26 年4月より ODM が本格的
に生産を開始する、「ONKYO ELE」ブランドの第一弾製品「ONKYO
HEMS」を出品した。「ONKYO HEMS」は家庭内エネルギーの使用状況
を把握したり、太陽光発電や蓄電池と接続したりすることで家庭内のエ
ネルギーをトータルに管理することができる、HEMS 制御盤とコントロ
ールユニットがセットになった非系統連系機器で、蓄電池の使用時間を
設定したり、停電時に自動的に蓄電池の電力を使用できるようにしたり
するなど、電力の切り替えを自動で行うことができる制御機能が大きな
特長。システムの中核は HEMS 制御盤と、制御ソフトをインストールし
たタブレット端末(コントロールユニット)。太陽光発電システムや蓄電
池が別メーカーでも組み合わせられる柔軟性に加え、電力だけでなくガ
スや水道といった生活インフラを含めた家庭内のエネルギーをトータル
で管理できるのが特徴。メーカーの囲い込み施策によって、家中の機器
がオール電化でないと HEMS は使えないと思われがちだが、そうとは限
らないことを ONKYO HEMS が証明した。
164
(10) 株式会社 エプコ
企業名
株式会社 エプコ
代表者名
代表取締役グループ
CEO 岩崎辰之
従業員数
149 名
(グループ合計 394 名)
(平成 25 年 12 月)
設立年
平成 2 年 4 月 12 日
資本金
8,700 万円
本社所在地
東京都足立区千住仲町 41-1
三井生命北千住ビル 4 階
事業概要
スマートエネルギーサービス及び設計サービス・カスタマーサポートソ
リューション事業
注目製品
・サービス
■高性能 HEMS 連携サービス
「ぴぴパッ!」
簡単で快適な節電方法がわかる
WEB サービス。
HEMS データを活用した次世代の
節電と生活快適サービスを WEB で
提供する。気象情報をもとに太陽光
発電量・電力消費量を予測して、最
も節電効果の高い時間帯に蓄電池
を自動運転など、エネルギーの見え
る化、暮らし方に合った節電アドバ
イス、住まいのメンテナンス情報な
ど、多彩な機能でスマートハウスの
魅力を高める。パソコンはもちろん
スマホやタブレットにも対応。
(ぴぴパッ!概要図)
(ぴぴパッ!概要図・スマホ画像)
http://www.epco.co.jp/pipipa/index.html
連携先
ユーザー企業
日本アイ・ビー・エム 株式会社
連携内容
エプコと日本 IBM、エネルギー・マネジメント分野、くらし支援分野で
協業。
IBM のサービスデリバリープラットフォーム(SDP)とエプコのアプリ
ケーションサービス「ぴぴパッ!」および業務支援サービスを連携し、
電力小売分野でのエネルギーサービス市場の拡大と、家庭向けエネルギ
ー管理システム(HEMS)などのデータ利活用による新規ビジネスの創出
を目指すと共に、こうした事業を手がける企業を支援する。サービス提
供の対象として想定しているのは、電力小売自由化に向けて電力事業に
参入する事業者や、デマンドサイドマネジメントを提供する住宅関連事
業会社、電力供給事業者、エネルギー関連サービス事業者、自治体など。
ぴぴパッ!は、平成 26 年 6 月にエプコが取得したアルゴリズム特許を活
用した Web サービスで、気象予測や消費予測、買電予測、蓄電池制御、
太陽光発電予測を基に節電アドバイスを提供するというもの。
ECHONETLite のソフトウェア認証を取得しており、ベンダーに関係なく
165
ECHONETLite に対応した機器の制御が可能。
一方 IBM の SDP は、仕様の異なる複数の HEMS などの機器データを統
一的なフォーマットで収集し、サービスプロバイダーに API を提供する
ことで HEMS などのデータの利活用を促進するオープンプラットフォー
ム。今回の協業において両社はまず、ぴぴパッ!と SDP の接続仕様の検
討と接続検証を実施し、電力小売事業に参入する企業が迅速に事業を開
始できるよう、情報基盤と業務がそろっているパッケージ「電力小売事
業者向けユーティリティサービス(仮称)」を 10 月に提供開始する。
また、今後はぴぴパッ!の機能拡張に IBM の次世代クラウドプラットフ
ォーム「IBM Bluemix」の環境を活用していく。
166
(11) 住宅ソリューションズ株式会社
企業名
住宅ソリューションズ株式会社
代表者名
代表取締役社長 北上義一
従業員数
-
設立年
平成 23 年 4 月 1 日
資本金
1 億 2,300 万円
(平成 26 年 9 月)
本社所在地
東京都新宿区西新宿 7-22-37 ストーク西新宿福星ビル 5 階
事業概要
建材・設備資材などの販売、住宅、建設、不動産業種向け IT 化コンサル
住宅関連システム開発、運用、データ作成など
注目製品
・サービス
連携先
ユーザー企業
■優良な住宅を適正価格で提供す
る仕組み作りをめざし、中小規模の
工務店業務を支援する多様なサー
ビスを提供している。これまでに、
中小規模の工務店でも資材調達に
おけるコスト低減メリットが得ら
れる共同調達サービス「HS 共同仕
入」や、物件履歴を管理する住宅履
歴情報保管サービス「家続」、施主
の資金計画を支援する「はなまる資
金計画」などのサービスを提供。
(ビルダーズ HeMSweb サイト)
http://housol.com/solutions/oss4/hems
/index.html
株式会社 日立システムズ、株式会社 KSK
日立システムズが住宅ソリューションズ、KSK と住宅建設業界向けサー
ビスで協業。「住宅マネージャー on SaaS」を開始。
【背景】
近年の長引く景気低迷を背景に、住宅建設業界の経営環境は厳しさを増
しています。そのため、多数の中小規模工務店・ビルダーでは、パワー
ビルダーや大手ハウスメーカーへの対抗策として、サービス向上や業務
効率向上、コスト低減努力、BCP(事業継続計画)対策のニーズが高ま
っている。
連携内容
【内容】
こうした状況のもと日立システムズは、住宅建設業界で長年に渡り多く
の実績とノウハウを持つ KSK の基幹業務システムを自社データセンタ
ー内に構築したクラウド基盤に搭載し、月額料金で利用できる住宅ビル
ダー向け統合管理サービス「住宅マネージャー on SaaS」を開始する。サ
ービスの販売は、住宅建設業界に幅広い販路を持つ住宅ソリューション
ズが総代理店となり、日立システムズと協力して拡販する。
「住宅マネージャー on SaaS」は、KSK が開発した 10 種類の住宅建設業
向け業務システムから機能を厳選し、組み合わせた「顧客管理パック」、
167
「発注・業者管理パック」、「統合管理パック」の3種類で構成されて
いる。マルチテナント型クラウドサービスとして提供するので、サーバ
ーなど専用の IT 機器購入や個別のシステム開発が不要であり、インタ
ーネットに接続できる PC があれば、操作教育の期間も含め、申し込み
から最短2週間程度で利用可能。また、日立システムズでは、既存シス
テムからのデータ移行、個別操作教育、データ入力代行サービスなど、
ユーザーのサービス開始・運用を支援するオプションサービスも提供す
る。本サービスの利用により、ユーザーは業務のニーズに適したサービ
スパックを選択することが可能となり、最適なコストでシステムを利用
できる。また、初期導入コストを低減できるほか、バックアップ等のシ
ステム運用作業も不要になるため、運用コストを抑えることが可能とな
る。さらに、本サービスは強固な日立システムズのデータセンターで運
用するため、事業の継続性が高まり、BCP 対策にもつながる。
【今後】
日立システムズは、主力事業として強化中であるクラウドサービスの一
つとして、日立グループのクラウドソリューション体系「Harmonious
Cloud(ハーモニアスクラウド)」の下、「住宅マネージャー on SaaS」を
展開するとともに、住宅ソリューションズ、KSK と協業し、それぞれの
強みを生かして本サービスの機能強化・拡販を推進し、今後 4 年間で 300
社への販売を目指す。また、日立システムズが運営するオープンクラウ
ドマーケットプレース「MINONARUKI」でも販売予定。
168
(12) 株式会社ユビテック
企業名
株式会社ユビテック
代表者名
代表取締役社長
宮内健一
従業員数
67 名
(平成 26 年 6 月)
設立年
昭和 52 年 11 月 17 日
資本金
8 億 9,100 万円
(平成 26 年 6 月)
本社所在地
東京都品川区西五反田 1 丁目 18 番 9 号
事業概要
映像事業、画像事業、モバイル・ユビキタス事業における製品やサービ
スのコンサルティング、開発ほか
受賞等
平成 25 年 6 月 「品川区エコパワーカンパニー」に認定
平成 24 年度 省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞
注目製品
・サービス
■IT による省エネソリューション
BE GREEN Next
ビルの設備やエネルギーを管理す
るシステム。イントラネット内に設
置する「専有型」と、クラウド上で
利用できる「共用型(SaaS)」の 2 タ
イプがある。BE GREEN Next スマ
ート BEMS は、ビルや工場に
G-PILOT(ゲートウェイ端末)及び
デマンドコントローラーを設置し、
遠隔から電力の見える化及び照
明・空調等の設備機器の節電を行な
う。外部サーバーを利用するため、
導入コスト・工事期間を削減でき、
電力使用量等のグラフを社内パソ
コンやスマートフォンから利用で
きる。
連携先
ユーザー企業
連携内容
五反田 NT ビル 6 階
(スマート BEMS とは)
(システム構成イメージ)
http://service.ubiteq.co.jp/utq_service
/BeGreen_service/
一般社団法人 IIOT、株式会社プラスナレッジ
■一般社団法人 IIOT
一般社団法人 IIOT と株式会社ユビテックは、ネットワーク化された家電
やスマートフォンなど、ネットワーク連携機能を持つ組込み機器用セキ
ュリティ評価基盤構築で業務提携。
IIOT は「モバイル機器等検証拠点形成促進事業」を推進し、モバイル機
器等の検証・認証基盤を構築することにより沖縄 ICT 産業振興、及び産
業集積に貢献するために設立された一般社団法人。主に Android 機器等
の検証方法の策定、検証ツール開発、検証事業などを通じて、沖縄県で
の人材育成や雇用の創出を行っている。
169
【背景】
近年、政府機関、大学、企業などのサーバーや PC を対象としたサイバ
ー攻撃が深刻化しつつあるが、それに伴いセキュリティへの評価や対策
なども進んできている。現在、ネットワークは生活機器や組込み機器な
ど様々な機器とつながるようになってきており、今後これらに対する攻
撃も深刻化していくものと考えられている。しかし、この分野でのセキ
ュリティ対策については認知度も低く、評価や対策についての枠組みも
確立されているとは言えない。ユビテックと IIOT では、こういった状況
を深刻に受け止め、生活機器や組込み機器のセキュリティに関する評価
の枠組み作りとその運用が必要であるとの意見で一致した。
【内容】
今回の業務提携では、これまでの IIOT のモバイル端末や家電分野の評価
事業での実績と、ユビテックの持つ組込みセキュリティの知識や Android
端末評価技術、組込み電子機器の開発ノウハウを活用し、主にスマート
フォンなどとの連携機能装備が加速している家電や車載アクセサリなど
組込み機器のセキュリティ機能の検証が行える環境を構築する。評価基
盤構築にあたっては沖縄県内での開発を予定しており、沖縄ニアショア
ビジネスを展開している株式会社プラスナレッジとの共同開発を行う。
プラスナレッジとは既にモバイル機器検証事業で業務提携しており、今
回の共同開発により幅広い提携関係の構築を進めていく。
【今後】
その後、IIOT ではこの評価基盤を使い沖縄県での評価・検証サービスの
事業化を推進していくことになる。
■株式会社プラスナレッジ
株式会社ユビテックは、株式会社プラスナレッジと業務提携し、ネット
ワーク化された家電やスマートフォンなど、ネットワーク連携機能を持
つ組込み機器用セキュリティ評価基盤の構築において共同開発を行う。
両社は沖縄県うるま市に「沖縄セキュリティ&テスティングセンター」
(略称:OST)を設立し、スマートフォンの検証業務を開始する。
【背景】
携帯電話からスマートフォンへの移行が進み、特に Android OS を実装
したスマートフォンでは、市場クレームが年々増加する傾向にあり、エ
ンドユーザの目線に立った製品開発が求められる時代となった。
【内容】
ユビテックでは「ユーザーエクスペリエンス(UX)=ユーザーの利用体験」
や、
「セキュリティ」をテーマとした検証技術について、早期より研究開
発を行なってきた。今後、沖縄での検証事業を推進する事で、ユーザー
にとってより安心、安全で使いやすいスマートフォンを目指す検証サー
ビスに取り組んでいく。
実施業務:
・Android の脆弱性検証に重点をおいたセキュリティ検証
・UX を利用した新たなテスティングによる品質評価検証
これらの検証作業はプラスナレッジが中心となって実施。
・高効率テスティング手法の研究開発
ユビテックが中心となり、プラスナレッジと共同で開発を実施。
170
(13) ビックエコ株式会社
企業名
ビックエコ 株式会社
代表者名
代表取締役社長
設立年
2009 年 1 月
本社所在地
神奈川県横浜市中区長者町 4-9-6
事業概要
太陽光発電システムの販売、施工、保守
エコキュート、IH クッキングヒーター、エコフロア
(蓄熱床暖房設備機器)などの販売、施工、保守
受賞等
『PV AWARD 2013 上半期』販売部門、評価部門受賞(PVAWARD は国
内における太陽光発電販売を行う企業の実績および評価を表彰。)
注目製品
・サービス
■太陽光発電システム
太陽光発電は太陽の光エネルギー
を太陽電池(モジュール)で受け、
電気エネルギーに変える発電シス
テムである。石油や石炭などの化石
燃料を利用した発電は、地球温暖化
の原因となる温室効果ガス(CO2=
二酸化炭素)を発生するが、これに
対して太陽光は、二酸化炭素を全く
排出しない、環境にやさしいクリー
ンなエネルギーとなる。
我妻 昇
従業員数
28 名
資本金
1,300 万円
青柳パークビル 2 階
(太陽光発電システム)
http://www.bic-eco.jp/products/
連携先
ユーザー企業
株式会社 テイクアンドフォー
連携内容
太陽光発電システム販売のビックエコは、新築・リフォーム施工会社の
テイクアンドフォーと、家庭用エネルギー管理システム「HEMS」(ヘム
ス)の販売で業務提携。
県内の中小企業同士が連携し、同システムを販売するケースは、県内で
は初めての試みという。県も再生可能エネルギーの使用を拡大する「か
ながわスマートエネルギー構想」を進めており、今後は両社の計画を後
押しする。
両社は「スマートハウスホーム」のブランド名で共同展開する。すべて
の新築物件、受注したリフォーム物件の約7割に太陽光パネルとヘムス
の設置を目指す。具体的には、平成 26 年 1 月から 1 年間で、新築住宅で
約 40 戸、リフォームで約 70 戸の施工を計画する。ビックエコの我妻昇
社長は「施工価格は大手より2割から3割安く行える。安くてよいもの
を提供したい」と意欲を示した。
「スマートハウスホーム」は、太陽光発電や住宅用蓄電池などを活用し
たスマートハウスの概念に、スタイリッシュで心地よいデザイン性を融
合した、自由設計のデザイナーズ注文住宅。同社では、神奈川県下の横
浜、相模原、川崎、横須賀エリアを中心に、神奈川県の専門業者として
「スマートハウスホーム」の販売・施工を行っている。太陽光発電・オ
171
ール電化・住宅用蓄電池をネットワーク化したスマートハウスは、環境
にやさしく、家計にやさしい住宅として注目を集めており、センサーや
IT の技術を活用した HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント(管理)
・
システム)により、住宅のエネルギー管理や省エネをサポートする。モ
ニターを通じて家中のエネルギー状況をリアルタイムに把握できるた
め、光熱費のコストダウンにつながるだけでなく、電気自動車(EV)と
の連携など、便利で快適なこれからのくらしを実現できる。当社では、
数多くの実績をもとに、高品質で低コストなスマートハウスを提供する。
172
(14) 株式会社スマートパワーシステム
企業名
株式会社スマートパワーシステム
代表者名
代表取締役 石川和希
従業員数
10 名
設立年
平成 23 年 6 月 1 日
資本金
2,000 万円
本社所在地
神奈川県相模原市中央区東淵野辺 5-12-6
事業概要
家庭用・産業用大容量リチウムイオンポリマー電池の製造・販売、太陽
光等の新エネルギーを活用した蓄電システム販売
受賞等
パワミルが『平成 25 年度補正住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事
業費補助金(HEMS 機器導入支援事業)』に係る補助対象機器に認定
注目製品
・サービス
家庭用・産業用の大容量リチウムイ
オンポリマー電池の開発や、その蓄
電池を生かした住宅用 HEMS シス
テムの販売等を行っている。住宅用
HEMS システムパワミル、パワミル
lite は、
「住宅・ビルの革新的省エネ
技術導入促進事業費補助金」に係る
補助対象機器に選定されており、消
費電力のモニタリングや設置した
太陽光パネルによる発電量等をモ
ニタリングすることができる。
(スマートパワーホームシステム概要図)
http://www.smartpowersystem.co.jp/HEMS
/index_1.html
また同じ仕組みと蓄電池を利用し、
住宅だけではなく学校等の太陽光
発電システムの EMS 等にも導入さ
れている。
(パワミル lite 概要図)
http://www.smartpowersystem.co.jp
/HEMSLITE/index.html
連携先
ユーザー企業
連携内容
アイピー・パワーシステムズ 株式会社
アイピー・パワーシステムズ株式会社と株式会社 スマートパワーシステ
ムが、関東地区の既存マンション向け電力一括購入サービスで提携。
電力一括購入サービスとは、マンション居住者が個別に電力会社と契約
していたのに対し、マンション全体で電力を高圧で一括購入することに
より電力料金を削減するサービスで、個別の低圧電力(100V/200V)より
単価の安い高圧電力(6600V)をマンション全体で一括購入することが可
能。サービス導入により共用部電気料金を大幅に削減できる。
(アイピー・パワーシステムズの役割)
173
①東京電力株式会社との協業により現場立会い調査及び報告書の作成
②本サービス実施の為の導入工事、導入後の運営・サポート全般(保守、
点検、緊急対応他)
③サービス開始後の専有部電気料金の居住者への請求、課金業務
(スマートパワーシステムの役割)
①管理組合(理事会)/居住者に対する本サービスの営業活動及び導入ま
でのサポート全般
②管理組合総会の特別決議取得及び、全居住者からの申込書取得
③サービス開始後の共用部電気料金の管理組合への請求、課金業務
174
1.2.3
先端ものづくり分野
(1) 株式会社レイトロン
企業名
株式会社レイトロン
代表者名
代表取締役 吉田 満次
従業員数
52 名
(平成 26 年 7 月)
設立年
平成 4 年 10 月
資本金
3,000 万円
本社所在地
大阪市中央区本町 1-4-8 エスリードビル本町 11 階
事業概要
半導体システム LSI 設計・開発、要素技術の研究開発及び事業化、シス
テム機器開発・電子機器の販売、半導体、電子部品、電子機器の販売
■Chapit
注目製品
・サービス
「生活空間において家族の一員と
なり便利で楽しい日常を」という思
いから開発したロボットで、音声認
識機能、音声合成機能、家電制御機
能を備えている。音声認識機能は北
海道大学の宮永研究室、音声合成機
能は株式会社エーアイと、それぞれ
共同開発したものが実装されてい
る。話し掛けると言葉を認識して返
事をするうえ、目と口の動きで感情
を表現する。音声で命令を出すと、
赤外線通信によりテレビなどの家
電製品の操作も行うことができる。
(Chapit)
http://www.raytron.co.jp/chapit/chp/
(COCOROBO)
http://www.sharp.co.jp/cocorobo/
連携先
ユーザー企業
SHARP 株式会社
平成 24 年 8 月 SHARP 株式会社は、ロボット家電「COCOROBO」を発表
した。
株式会社レイトロンは音声認識エンジンにて協業。
連携内容
【背景】
近年、単身・共働き・高齢世帯が増加する中、
「家事を低減・代行する家
電」に加え、「生活に安心を提供する家電」へのニーズが高まっている。
同社は、人とコミュニケーションするロボット家電事業で新しい市場を
切り拓くための第一弾として、掃除機能と「高濃度プラズマクラスター
7000」を搭載し、お部屋をキレイにするロボット家電「COCOROBO(コ
175
コロボ)」<RX-V100>を発売する。
【内容】
人工知能「ココロエンジン」を搭載し、充電量や掃除の状況に応じた多
彩な反応が楽しめ、音声認識「ボイスコミュニケーション」機能による
対話操作も可能。また、無線 LAN と接続し、内蔵カメラで撮影した画像
をスマートフォンで確認でき、例えば、ペットやお部屋の様子などを外
出先から観察できる。当社独自の「強力吸じんシステム」により、フロ
ーリングの目地に詰まった細かなゴミまで吸い込むほか、超音波センサ
ーで障害物を検知して賢く自由に動き回り、プラズマクラスターイオン
を放出する。
176
(2) イーソル株式会社
企業名
イーソル株式会社
代表者名
代表取締役社長
長谷川勝敏
従業員数
360 名
(平成 25 年 12 月)
設立年
昭和 50 年 5 月
資本金
2 億 6,500 万円
本社所在地
東京都中野区本町 1-32-2 ハーモニータワー
事業概要
コンピュータならびにコンピュータ周辺機器のソフトウェアとハードウ
ェアに関する研究開発・製造・販売他
24 階
■組込みソフトウェア開発支援
注目製品
・サービス
eT-Kernel はイーソルの独自の技
術をもとに開発したリアルタイム
OS で、T-engine 開発ボード以外の
ハードウェアに搭載するソフトウ
ェアに組み込み、製品化することも
可能。
(ドライバーステータスモニター)
(取り付け写真)
http://www.denso.co.jp/ja/news/newsreleases/2
014/140403-01.html
連携先
ユーザー企業
株式会社デンソー
株式会社デンソーはドライバーの運転状態を検出する「ドライバーステ
ータスモニター」に、イーソルの T-Kernel ベースソフトウェアプラット
フォーム「eT-Kernel Platform」を採用した。
連携内容
【内容】
eT-Kernel Platform は、T-Kernel 拡張版リアルタイム OS「eT-Kernel」を中
心に、開発ツール「eBinder」、ファイルシステムや USB スタック、ネッ
トワークプロトコル、GUI などの各種ミドルウェア、プロフェショナル
サービスで構成されている。イーソルは eT-Kernel プラットフォームの提
供を通じ、優れたリアルタイム性および高い信頼性の確保と、効率的な
ソフトウェア開発の実現に貢献した。
ドライバーステータスモニターは、近赤外線カメラと ECU(電子制御ユ
ニット)から構成される。近赤外線カメラでは、リアルタイムにドライ
バーの顔を撮影し、撮影した画像をもとに ECU が顔の向きや目の開き具
合などを検出・解析し、ドライバーが一定時間、目を閉じたり正面を向
いていない状態が続くと、警報を鳴らしてドライバーに安全運転を促す。
ドライバーステータスモニターに採用されたのは、マルチコアプロセッ
177
サ対応リアルタイム OS「eT-Kernel Multi-Core Edition」とリアルタイムシ
ステム開発向けに特化した開発ツール「eBinder」。eT-Kernel Multi-Core
Edition は、平成 18 年のリリース以来、デンソーのカーナビゲーションシ
ステムをはじめとするさまざまな組込みシステムで採用実績をもつ、マ
ルチコア対応 SMP 型リアルタイム OS である。独自の「ブレンドスケジ
ューリング」技術により、ひとつのシステム/OS 上で、高いスループット
を達成する SMP のメリットと、シングルコア向けソフト資産の再利用や
リアルタイム性の保証を可能にする AMP のメリットの両方を実現でき
る。eBinder は eT-Kernel Multi-Core Edition と緊密に統合されており、シ
ングルコア向けのソフトウェア開発はもちろん、複雑なマルチコアシス
テムのデバッグや解析を強力に支援する様々なツールを提供する 。
eBinder の利用により、高品質なソフトウェアを効率的に開発できた。
eT-Kernel プラットフォームは、全方位型マルチカメラシステムなどの先
進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)に加え、
カーナビやカーオーディオをはじめとする車載情報機器、OA 機器、コン
シューマ機器など、幅広い分野で多数の採用実績がある。eT-Kernel プラ
ットフォームの採用により、多彩な実績が実証する高い信頼性と品質を
取り入れることができる。
【今後】
イーソルは現在、eT-Kernel と eBinder の機能安全規格の第三者認証の取
得に向けた取り組みを行っており、平成 26 年第 4 四半期には、自動車向
け 機 能 安 全 規 格 ISO26262 に お け る 車 載 向 け 安 全 度 水 準 ( ASIL :
Automotive SIL)B での認証を取得見込みである。
178
(3) 株式会社ゼロワン
企業名
株式会社ゼロワン
代表者名
代表取締役 高 智明
従業員数
24 名
(平成 25 年 4 月)
設立年
平成 18 年 3 月
資本金
1,000 万円
本社所在地
神奈川県横浜市都筑区仲町台 1-32-10
事業概要
中小企業専門、制御組込みシステム受託開発
試作ボード設計・FPGA 設計・カスタムボード設計などのハードウェアの
開発から、カーネル・ドライバ・ファームウェア・アプリケーションな
どのソフトウェアの開発を行い、先端ものづくりの支える事業を展開し
ている。
注目製品
・サービス
アーベイン仲町台 3 階
■リーズナブルな価格で確実な無
線ネットワークを構築できるワイ
ヤレスソリューションを提供して
いる。
無線モジュールの提供、無線ソフト
の開発、無線ネットワークの構築、
試作機の開発、システム全体の構
築、量産製品まで対応。
(920MHz 帯無線モジュール)
http://zerone-01.co.jp/products/
179
(4) 株式会社アンプレット
企業名
株式会社アンプレット
代表者名
代表取締役社長
根日屋 英之博士(工学)
従業員数
-
設立年
昭和 62 年 9 月 9 日
資本金
1,000 万円
本社所在地
東京都台東区台東 3-4-2
事業概要
無線通信機器、アンテナの受託研究、設計、開発、試作、及び、無線通
信技術、無線市場に関するコンサルティング。無線技術は、先端ものづ
くりにおける基盤技術の一つ。
注目製品
・サービス
ETRI(韓国電子通信研究院)と、2011 年 11 月に MoU を交し、近距離
無線通信として注目される人体通信の研究開発を開始。
連携先
ユーザー企業
ETRI(韓国電子通信研究院)
連携内容
共同研究
180
(5) 株式会社 nomado
企業名
株式会社 nomado
代表者名
代表取締役 小笠原 治
従業員数
11 名
設立年
平成 23 年 8 月
資本金
-
本社所在地
東京都港区麻布十番 2 丁目-9-8-902
事業概要
コワーキングスペース「NEW'S BASE」の運営、コミュニケーションスペ
ース「awabar」の運営、スタートアップ企業への投資及び支援
注目製品
・サービス
■NOMAD NEW'S BASE
1フロア約 27 坪の 3 階建 1 棟をワ
ーク・カフェ・イベントの3エリア
で構成されるコワーキングスペー
ス。
【1階:CAFE エリア】
【2階:WORK エリア】
【3階:EVENT エリア】
全てフリーアドレスとなっており、
最大 83 席を用意。
(NOMAD NEW'S BASE・WEB サイト)
http://newsbase.in/pc/
(DMM 3D プリント)
http://make.dmm.com/
連携先
ユーザー企業
株式会社 DMM.com、チームラボ株式会社
株式会社 DMM.com は、3D プリントサービス「DMM 3D プリント」の提
供を開始した。
なお、本サービスでは、開発パートナーとしてチームラボ株式会社が参
加し、サービス企画やシステム構築に協力している。株式会社 nomad は
専用プリンティングセンターを担当する。
連携内容
【背景】
3D プリンタへの関心が高まるにつれ、3D プリント出力サービスを行な
う業者が続々と増えている。近年、
「ものづくり革命」として世界で注目
を浴びる 3D プリントを、先行する海外サービスと同等価格を目指し、個
人ユーザーでも気軽に利用できる環境を提供する。
【内容】
「DMM 3D プリント」は、ユーザーが作成した 3D モデルデータをユー
ザー自身がインターネット経由でアップロードすることにより、高性
181
能・高品位 3D プリンタで出力してお届けする「ものづくり」支援サービ
ス。クリエイターがアイディアをすぐに「カタチ」にすることができる
ようになり、日本国内における「ものづくり革命」を強力に支援してい
く。スピード配送については、3D データのアップロード後、最短 7~9
日で配送されるという。例えば、海外大手の Shapeways の場合、配送ま
で 8~16 営業日となっており、配送に必要な日数もあわせるとかなり納
期が長くなってしまう。また、素材については、現時点で 5 種類から選
べ、国内サービスとしては充実している。さらに、プロ仕様の 3D プリン
タを複数台揃えることで、高い精度を実現していることも魅力だ。他の
3D プリント出力サービスと比べたときの DMM 3D プリントの利点は、
「お手頃価格」、「スピード配送」、「選べる素材」、「高性能」の 4 つであ
る。
価格については、海外大手サービスはかなり安いのだが、それとほぼ同
等の価格を実現しており、さらに DMM 3D プリントは送料が無料なので、
トータルでは海外大手サービスよりも安くなることも多い。
【今後】
今後も DMM.com は 3D プリント出力サービスの拡充を行なう予定であ
る。3D プリント出力サービスを利用するには、3D データを用意しなく
てはならないが、自分で一から 3D データを作成するには、3D CAD や 3D
CG に習熟する必要がある。現在、そこが一般ユーザーにとってハードル
になっているが、今後は、簡易に 3D データを作成できるようなソフトウ
ェアの開発を支援したり、ユーザーが作成した 3D データをネット上で流
通させるような仕組みも考えていく。
182
(6) エバジャパン株式会社
企業名
エバジャパン株式会社
代表者名
代表取締役 野呂直樹
従業員数
-
設立年
平成 15 年 10 月 2 日
資本金
2,800 万円
本社所在地
東京都港区高輪 2 丁目 17 番 12 号
事業概要
光分析技術の開発およびコンサルテーション、ハイパースペクトルカメ
ラの販売、スペクトル解析技術の産業応用
カスタリア高輪 301 号
■ハイパースペクトルカメラ
注目製品
・サービス
光を照射してその反射スペクトル
を測定するという技術は、宇宙開発
から生まれた最先端の技術である。
このカメラの特徴は、「見た目では
識別できない色の違い(色の質感の
違い)を判別できる」
(同社)こと。
それを利用することで、例えば目視
では分かりにくい、がん化した組織
を見つけだせる可能性があるとい
う。
(鮮度アシスト)
http://www.ebajapan.jp/
今後応用範囲は広がっていき、環境
や農業分野、医療やバイオ分野、ITS
分野、建築分野、食品や電子機器の
検査分野など、様々な企業から引き
合いが寄せられている。
(ハイパースペクトルカメラ)
http://www.ebajapan.jp/
連携先
ユーザー企業
東京大学、東京農工大学、東京工業大学、東京農業大学、昭和大学、日
本大学、芝浦工業大学、明治大学、東京家政大学、千葉大学、横浜国立
大学、総合研究大学院大学、桐蔭横浜大学、神奈川工科大学、埼玉大学
宇都宮大学、北海道大学、弘前大学、大阪市立大学、広島大学、広島市
立大学、山口大学、九州大学、九州工業大学、木更津工業高等専門学校
舞鶴工業高等専門学校、香川高等専門学校、滋賀県工業技術総合センタ
ー、国立情報学研究所、(独)海洋研究開発機構、(独)科学技術振興機
構、
(独)産業技術総合研究所、
(独)宇宙航空研究開発機構、
(独)日本
原子力研究開発機構、(独)農業環境技術研究所、(独)農業・食品産業
技術総合研究機構、株式会社東芝、パナソニック株式会社、シャープ株
式会社、ソニー株式会社、キヤノン株式会社、セイコーエプソン株式会
社、三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、凸版印刷株式会社、大日
本印刷株式会社、株式会社資生堂、ポーラ化成工業株式会社、サントリ
ー株式会社ヱスビー食品株式会社、株式会社富士通研究所、株式会社ト
183
プコンテクノハウス、株式会社アイシンコスモス研究所、株式会社デン
ソーウェーブ、株式会社日本同位体分析研究所、東洋製罐株式会社、HOYA
株式会社、ペンタックス株式会社、トヨタ自動車株式会社、株式会社豊
田中央研究所、株式会社 IHI、シーシーエス株式会社、株式会社ニレコ、
大阪チタニウムテクノロジーズ株式会社、英和株式会社、アズワン株式
会社、株式会社 NTT ドコモ、富士平工業株式会社、山崎製パン株式会社、
株式会社ローソン、エステー株式会社、ユニチャーム株式会社、株式会
社イシダ、株式会社寺岡精工、金井度量衡株式会社、中外テクノス株式
会社他
連携内容
ハイパースペクトルカメラの導入
184
(7) 株式会社ビッツ
企業名
株式会社ビッツ
代表者名
代表取締役社長
加賀谷 龍一
従業員数
233 名
(平成 26 年 4 月)
設立年
昭和 46 年 7 月 29 日
資本金
1 億円
本社所在地
東京都品川区西五反田 8-11-13
事業概要
ソフトウェア開発、アプリ開発、ハードウェア開発
車載機向け等の組込みシステム、公共・金融向け等のエンタープライズ
ソリューションの開発
注目製品
・サービス
設立当初より、独立系情報サービス
企業として様々なソリューション
を開発。大規模な VICS の道路交通
情報システムの開発から、カーオー
ディオやカーナビゲーション、カメ
ラコントロールユニット等の車載
器に関する組込みシステム等幅広
く事業を展開し、様々な企業と取引
をしている。
道路交通情報システムでは、主に管
制卓、アーカイブ機能、リアルタイ
ム地図紹介表示、統計・履歴情報出
力、提供図柄作成、VICS 連携、マ
ンマシン中継機能等大きく事業開
発に貢献。また、車載器では、カー
ナビゲーション地図描画ファーム
ウェア及びデバイスドライバの開
発や、リアとサイドに搭載されたカ
メラの映像にハンドル操作とアク
セル操作から計算した進路予想線
を重ね合わせて表示するシステム
等を開発。
連携先
ユーザー企業
(道路交通情報システム概要図)
http://www.bits.co.jp/development/enterprise
/public_sys1.html
(車載機向け組み込みシステム)
http://www.bits.co.jp/development/embedded
/onboard_sys1.html
マルエヌ株式会社、株式会社ミニマム
生産管理支援型
連携内容
五反田マークビル
在庫管理システム「みえぞう」導入事例
■マルエヌ株式会社
部品の在庫、単価、仕入先の管理と製品構成の管理、部品発注の登録が
できるシステムを探していた為、生産管理支援機能を搭載した在庫管理
システムである『みえぞう』を選んだ。社内の PC を WindowsXP から
Windows7 へバージョンアップした事もあり、Windows のバージョンアッ
プに影響を受けない点も魅力だった。
185
■株式会社 ミニマム
予算内に収まる部品管理ができるシステムを探していた。
多種多様な部品を扱っている為、自社の運用に合わせて汎用的な管理が
可能なシステムであることが決め手であった。
186
(8) アビー株式会社
企業名
アビー株式会社
代表者名
代表取締役 坂口信貴
従業員数
-
設立年
平成 16 年
資本金
1,000 万円
本社所在地
神奈川県横浜市神奈川区立町 6 番地 1
事業概要
PC、PC パーツ、PC 関連商品の企画、開発、販売
PC 関連プロダクトデザインの企画、設計、三次元工作機器の企画、開発、
販売ウェブサイト mono-logue(モノログ)運営、製作
注目製品
・サービス
■SCOOVO 3D プリンタ販売
SCOOVO MA30/ MA10
この 2 製品は、光造形方式を採用して
いることが特徴。これまでの SCOOVO
シリーズは、FDM 方式と呼ばれる、糸
状の樹脂を熱で融解して積層してい
く方式を採用していた。FDM 方式は仕
組みがシンプルで低価格化が容易な
ことが利点だが、積層跡が目立ちやす
く、造形精度もそれほど高くないこと
が弱点。それに対し、光造形方式では、
液状の光硬化樹脂に光をあてて硬化
させて積層することで造形を行うた
め、FDM 方式に比べて積層ピッチを小
さくでき、積層跡が目立たないこと
や、造形精度が高いという利点があ
る。その反面、装置が複雑で大きくな
りがちで、低価格化には向かない。こ
れまでの光造形方式の 3D プリンタ
は、数百万円以上のものが主流であっ
たが、MA30 の本体価格は 298 万円(税
抜)、MA10 の本体価格は 168 万円(税
抜)と、光造形方式の 3D プリンタとし
てはかなり安い価格を実現している
ことが最大の魅力である。
ANNI 横浜 EAST4 階
(COOVO MA10 とアビー株式会社
代表取締役社長の坂口信貴氏)
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs
/column/3dpnews/20140910_666051.html
(3D プリンタ MA)
http://abee.co.jp/3dp/
連携先
ユーザー企業
【導入先企業】川崎重工業/コクヨファニチャー/サムスン日本研究所/サン
スター技研/レノボ・ジャパン/住電オプコム/ソニー/タカラトミーエンジ
ニアリング/東京エレクトロンデバイス/日本たばこ産業/日立化成/富士重
工業/富士ゼロックス/富士通研究所/丸紅不動産/三井造船/三菱化学/三菱
電機/三菱マテリアル/ユニチカ/リクルートホールディングス 他多数
連携内容
3D プリンタの導入
187
(9) 株式会社アイツーアイ技研
企業名
株式会社アイツーアイ技研
代表者名
代表者 糸井成夫
従業員数
-
設立年
平成 23 年 12 月
資本金
300 万円
本社所在地
東京都江東区常盤 1-15-8
事業概要
食品関連機器・各種メカトロニクス製品の企画、開発、製造、販売及び
サポート
受賞等
ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金事業に採択
■深海 8000m に挑んだ町工場 無人
探査機「江戸っ子 1 号」プロジェク
ト。同社は制御回路(カメラ・照明・
通信)を担当。
注目製品
・サービス
■3D プリンタ ニンジャボットの
設計
ニンジャボットはフィラメントと
呼ばれるひも状に加工された様々
な種類の樹脂をヒーターで溶かし、
小さな穴の開いたプリンターヘッ
ドから薄く押し出して、それを少し
ずつ積み上げて立体物を作り上げ
る熱溶解積層方式(fused deposition
modeling/FDM)で、シンプルで基本
に忠実な構造、バランスのいい設計
を追求したビジネスユースのため
のデスクトップ型日の丸 3D プリン
タ。
(深海 8000m に挑んだ町工場 無人探査機
江戸っ子 1 号プロジェクト 山岡 淳一郎著)
http://i2i-tech.com/index.html
(ニンジャボット)
http://i2i-tech.com/index.html
連携先
ユーザー企業
連携内容
株式会社三豊工業
■3D プリンタ ニンジャボット
株式会社アイツーアイ技研が設計し、株式会社三豊工業が製造・販売す
る 100%国産の熱溶解積層方式 3D プリンタ。
【背景】
現在普及し始めているデスクトップ型 3D プリンタの多くはアメリカ製
188
で、精度やクオリティに問題があったり、パーツやサプライの供給に時
間がかかったりするケースが多かった。
【内容】
「ニンジャボット」は国内のアセンブリにこだわり、ハイクオリティな
仕上がりを実現した。また、パーツやサプライの供給も国内で対応して
おり、迅速な対応が可能である。
【今後】
三豊工業は昭和 60 年設立のスタンプ・コンクリート、ストリート・プリ
ントを中心とした景観建材の販売と施工の会社。社長が新規事業を模索
する中、アメリカで先行している 3D プリンタに出会い、日本での販売を
目指し本年事業化した。三豊工業では 3D プリンタ事業を戦略事業と位置
づけ、今後も各種の 3D プリンタの製品開発を始め、3D プリンタの教育
事業等の周辺事業を展開して行く予定。
189
(10) ライフロボティクス株式会社
企業名
ライフロボティクス株式会社
代表者名
代表取締役 CEO&CTO
尹 祐根
従業員数
-
設立年
平成 19 年 12 月 19 日
資本金
1,344 万円
(資本準備金含む)
本社所在地
茨城県つくば市吾妻 3 丁目 18-4
事業概要
ロボット機器およびロボットシステムの研究開発、ロボット利用者への
情報提供サービスの企画、開発、運営ほか
注目製品
・サービス
■産業用コ・ロボットアーム
NECO II
小型で安全設計な「NECO(ネコ)」
は、作業員の近くや狭小空間でも、
安全柵不要で使用できる。人が判断
や複雑な作業を担当し、NECO が単
純な繰り返し動作を担当すること
で、人の能力を最大限に活用でき
る。また、導入・運用にロボットの
専門知識は不要。
190
(産業用コ・ロボットアーム NECO II)
http://liferobotics.jp/product
(11) 株式会社テクトム
企業名
株式会社テクトム
代表者名
代表取締役 富田直樹
従業員数
-
設立年
平成元年 11 月
資本金
7,705 万円
本社所在地
東京都中野区本町 6-16-12 新中野 FK ビル
事業概要
自動車用電子制御装置および地球温暖化防止機器の開発
受賞等
燃費マネージャー「カーグッズ・オブ・ザ・イヤー 2013」受賞
2013/8/26 日経産業新聞1面にて「燃費マネージャーFCM-NX1」が掲載
■燃費マネージャー
車両コネクタに接続するだけで車
両情報を取得するカンタン接続リ
アルタイムデジタル燃費計。
注目製品
・サービス
ボディサイズの見直しを行い、コー
ド一体でより小型化、設置場所の自
由度を拡げ、表示部には、コントラ
ストに優れた有機 EL パネルを採用
し視認性が向上した。
(デジタル燃料計)
http://www.techtom.co.jp/
連携先
ユーザー企業
株式会社スマートバリュー、株式会社ブレインパッド
■スマートバリューは、急速に普及しているスマートフォンと、株式会
社テクトムが開発した「OBD コネクタ用 無線 LAN アダプタ」を活用
した、日本初の「CiEMS」サービスを開発、提供。
連携内容
この次世代型テレマティクスサービスでは、OBD 情報を取得する「OBD
コネクタ用 無線 LAN アダプタ」で、燃費情報をはじめとする車両の様々
な情報を取得し、ワイヤレスでその情報をスマートフォンへ送信するこ
とによって、エコドライブインジケーターとして活用することや、イン
ターネット上のデータベースへスマートフォンの回線を使って送信する
ことで、圧倒的な低コストと高付加価値なテレマティクスサービスを提
供することが可能となる。
収集したデータは運行日報としての数値化や点数制だけでなく、4パタ
ーンで運転者を分析し、対策の参考となる運転傾向分析も行い、運転改
善に有効なデータを提供する。また急ブレーキや速度超過などの危険運
転が発生した位置情報を地図上に記録し自動生成することで、危険ポイ
ントの把握が可能。
191
さらに、リアルタイムでも燃料情報をスマートフォンに表示できるほか、
速度超過やアイドリング・ストップなどを音声で注意を促すなど、エコ・
安全運転につながるガイダンスも行う。スマートフォンの GPS 機能でリ
アルタイムの運行管理も可能で、車両側の ID(車載器)と運転者 ID を
別々に管理することができるため、どの車に誰が乗ったのかを自動判別
できる。カメラや加速度センサーなどの拡張も可能。
システムの価格は、車両1台あたり初期費用が2万円(CAR〜Wi)、月額
は 980 円(CiEMS 利用料・ASP)となる。スマートフォンは別途必要だ
が、既存のスマートフォンでも対応可能。車両へ簡単に取り付けるだけ
でデータ収集ができ、スムーズに運用することができるよう事故抑止を
コンセプトに開発した。より低コストで正確な情報分析で安全対策、エ
コドライブの推進、車両利用の適正化が効率的に図れる。
【今後】
2011 年度内を目処に、スマートフォンをエコドライブインジケーターと
して活用する法人向けテレマティクスサービスを開始する。それに先立
ち、実証実験を行い、本次世代型テレマティクスサービスの有用性検証
を進めていく。また本サービスの開始に伴い、OBD 情報を活用したテレ
マティクスプラットホームの提供も検討している。
■ブレインパッドとテクトム、テレマティクスサービス分野で業務・資
本提携
テレマティクスとデータマイニングとを融合した安全運転やエコドライ
ブをサポートする独自のサービスを共同開発
【背景】
昨今のテクノロジーの向上により、
「ビッグデータ」という言葉に代表さ
れる、消費者が利用した購買履歴やウェブ上での行動履歴などの大量な
トランザクションデータや、M2Mと呼ばれるコンピュータネットワー
ク上の機械間の相互通信情報など、企業が収集・蓄積することのできる
データが爆発的に増加している。
ブレインパッドでは、2004 年の創業以来、データ分析及びその関連サー
ビスのパイオニア企業として、受託分析サービスやネット利用者のサイ
ト内行動に基づく「レコメンド(推奨)エンジン」の提供、大量データ
を蓄積・処理・分析するクラウド・プラットフォーム・サービスといっ
た企業が有する「顧客関連データ」領域でのデータ活用支援を積極的に
行ってきた。
テクトムは 1989 年に設立され、自動車の電子制御及び CAN 通信に関す
る独自の技術力をもとに、燃費計のデジタル化黎明期よりリアルタイム
デジタル燃費計「燃費マネージャー」などのカーエレクトロニクス製品
を展開し、これまでに国土交通省の「エコドライブ講習機器」など、数
多くの企業や自治体に製品やデバイス技術の提供を行っている。2012 年
1 月からは、車両情報取得用無線 LAN 端末「CAR~Wi®」の開発・提供
を行っており、無線 LAN などのネットワークを介し、車両コンピュータ
に集まる様々な情報を取得することが可能なデバイスとして、国内主要
メーカーのガソリン・HV 乗用車に対応している。
【内容】
今回の業務・資本提携により、テクトムのテレマティクスデバイス開
発技術とブレインパッドのデータマイニング・最適化技術のノウハウを
192
結集することで、専用のテレマティクスデバイスから毎秒単位の詳細な
車両情報をリアルタイムに収集し、従来のドライブレコーダーやデジタ
ルタコグラフではできなかった、危険な運転行動の予測などを行うこと
が可能となった。その結果、運転者に対して注意喚起を発信するといっ
た新たな付加価値サービスの提供が実現できるようになる。
【今後】
ブレインパッドとテクトムは、本サービスを官公庁などの行政機関や
自動車メーカー、リース会社、運輸関連業、保険業などの法人向けサー
ビスとして順次展開する予定。将来的には、コンシューマー向けのサー
ビス展開も視野にいれており、広く社会に貢献できる新たなサービス開
発を目指していく。
193
(12) ザインエレクトロニクス株式会社
企業名
ザインエレクトロニクス株式会社
代表者名
代表取締役会長
代表取締役社長
設立年
平成 4 年 6 月
本社所在地
東京都千代田区神田美土代町 9 番地 1
事業概要
ミックスドシグナル LSI の開発・製造・販売、半導体製品販売、VLSI 開
発、 IP ライセンス供与&サポート
注目製品
・サービス
■車載機器・産業機器向け
V-by-One® HS
飯塚哲哉
野上一孝
従業員数
143 名(連結)
(平成 26 年 6 月)
資本金
11 億 7,526 万円
(平成 26 年 6 月)
MD 神田ビル 4F
(THCV233/THCV234)
http://www.thine.co.jp/news_details/id=893
194
(13) 株式会社サイフューズ
企業名
株式会社サイフューズ
代表者名
創業者 口石幸治、中山功一
従業員数
14 名
設立年
平成 22 年 8 月 11 日
資本金
2 億 8,700 万円
本社所在地
東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ
事業概要
再生医療製品の研究・開発・製造・販売
受賞等
NHK NewsWeb 平成 26 年 7 月「臓器再生に挑むバイオ3Dプリンタ」と
して掲載
文部科学省の平成 26 年度版科学技術白書において、2020 年東京オリンピ
ック開催までに実用化が期待される技術として同社のバイオ 3D プリン
タが紹介
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する
研究開発プロジェクト「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工シス
テムの開発」に委託先として参加する事が決定
注目製品
・サービス
■バイオ 3D プリンタ
「レジェノバ®、Regenova®」の
販売
日本発の革新的なバイオ 3D プリン
タで世界最先端の立体臓器再生プ
ラットフォームを実現。Regenova®
は、細胞凝集塊(スフェロイド)を
3D デザイン通りに剣山に固定する
ことにより立体的な細胞構造体を
造形する、世界最先端のロボットシ
ステム。様々な細胞種に適用可能
で、移植用再生臓器の研究開発及び
ヒト細胞の立体組織を用いた創薬
研究に幅広く活用できる。
(レジェノバ)
http://www.cyfusebio.com/regenova.html
(プラットフォーム技術概要図)
http://www.cyfusebio.com/regenova.html
連携先
ユーザー企業
澁谷工業株式会社
連携内容
平成 24 年に澁谷工業 株式会社との共同開発によりバイオ 3D プリンタ
「レジェノバ」を開発。
バイオ 3D プリンタ「レジェノバ」による細胞立体化の技術普及を行い、
結果として見出される」再生医療シーズの実用化において特にその製造
面から、アカデミア・企業との協働を展開する。
195
(14) Emotional Brains 株式会社
企業名
Emotional Brains 株式会社
代表者名
代表取締役 横田洋一
従業員数
-
設立年
平成 23 年 7 月 7 日
資本金
788 万円
(平成 25 年 11 月)
本社所在地
千葉県千葉市緑区おゆみ野南 3-32-17
事業概要
3D クラウド・ファンディング・サービス「Okuyuki」企画、開発、運用、
3D プリンタ及び関連製品・サービス企画、開発、販売ほか
受賞等
第 7 回 JapanNight のピッチイベントのセミファイナリストに選出
ヨーロッパを目指す日本の起業家が参加するルクセンブルクのテック・
イベント「ICT Spring 2014」に選抜
注目製品
・サービス
■Okuyuki
国内唯一のイラストを立体化してフィギュア製作を行うワンストップ型
クラウド・ファンディング・サービスのプラットフォーム。3D モデリン
グする際にはコストが課題であったが、クラウド・ファンディングの共
同購入方式、及び 3D モデリング・3D プリントを内製化する仕組みを導
入し、購入コストを抑えることに成功。イラスト掲載は無料で誰でも申
請可能。プロジェクトが成立した場合は、売上の 10%をイラスト掲載者
に支払う仕組みになっている。
(WEB サイト)https://okuyuki.jp/
連携先
ユーザー企業
株式会社 サーチフィールド、ウィンクラー・オイア株式会社
連携内容
■株式会社 サーチフィールド
2014 年 4 月、スマートフォン向けソーシャルゲーム開発等を手がける株
式会社サーチフィールドと業務提携し、AppStore にて配信中のゲームア
プリ「召喚ビットコレクション」のキャラクターをフィギュア化するプ
ロジェクトを「Okuyuki」で公開していくことを発表。
■ウィンクラー・オイア株式会社
映像コンテンツの 3D モデリング企業と海外展開で協業。EB 社が持つ
Okuyuki を使って WO 社が持つ日米の映画・TV コンテンツを有効活用し、
国際市場に 3D モデル商材として展開できるメリットが大きいと考え、連
携を開始。今後 3D モデリング商材は海外市場での成長が期待出来ると睨
む。業務提携により、EB 社は Okuyuki の販売チャネルを WO 社が持つ海
外チャネルに容易に拡張可能になると同時に、WO 社はこれまでの映像
コンテンツを再利用し新たな商材として 3D モデルを販売可能に。さらに
両社の持つ強みを生かしてサービスの機能強化に繋げることも可能に。
196
(15) ユカイ工学株式会社
企業名
ユカイ工学株式会社
代表者名
代表 青木俊介
従業員数
6名
設立年
平成 19 年 12 月
資本金
-
本社所在地
東京都新宿区富久町 16-11
事業概要
ロボット/ハードウェア 開発・製造・販売
沿革等
同社代表の青木氏は、過去にチームラボ取締役、ピクシブ取締役を務め、
平成 22 年に同社を株式会社化するなど、IT を軸にものづくりにビジネス
ドメインを拡大させた経緯がある。
武蔵屋スカイビル 101 号
■ココナッチ
家庭用のロボットのココナッチを
IPA(独立行政法人情報処理推進機
構)の未踏事業の支援を得て平成
21 年に開発をスタート。現在では
量産化し、amazon でも販売中。
■Necomimi
世界中で話題の脳波で動くカチュ
ーシャ型ネコミミ。脳波を読み取っ
て、今の気分を耳の動きで表現する
まったく新しいコミュニケーショ
ンツール。
注目製品
・サービス
■Pepper のマホウノツエ
ソフトバンクロボティクス株式会
社 の パ ー ソ ナ ル ロ ボ ッ ト
「Pepper(ペッパー)」専用のホーム
コントロールデバイス。
オープンソースハードウェアであ
る IRKit をベースに Pepper にフィッ
トする魔法の杖を開発。コミュニケ
ーションロボットを中心に家全体
がつながる、自然なインターフェー
スのホームコントロールシステム。
(ココナッチ)
http://www.ux-xu.com/product/coconatch
(Necomimi)
http://www.ux-xu.com/product/necomimi
(Pepper のマホウノツエ)
http://www.ux-xu.com/product/pepper-remote
連携先
ユーザー企業
チームラボ株式会社、株式会社博報堂
197
■チームラボ株式会社
チームラボハンガー/TeamlabHanger
チームラボ株式会社、ユカイ工学株式会社の共同開発商品。
アパレルショップ向けのハンガー型販売促進システム。ショップ内のデ
ジタルサイネージと連動し、ハンガーが手に取られたことを検知すると、
ハンガーに掛けられたアイテムを判別、その服を用いたコーディネート
をビジュアルに映し出す。ハンガーが手に取られた際に、内蔵されたセ
ンサーでその動作を検出、無線通信でサーバー側に商品情報を送信する。
最新の無線通信規格である、省電力型の Bluetooth Low Energy を採用して
いるため、コイン型電池 1 つで約 1 年半の使用が可能となっているほか、
スマートフォンとの連動も可能。平成 22 年夏に発表・発売されて以降、
国内で約 30 店舗への導入。平成 23 年には、第 14 回文化庁メディア芸術
祭審査委員会推薦作品に選出。
ユカイ工学は、初期モデルハンガーのプロトタイプから、量産モデルハ
ンガーの設計・開発・量産を担当。
連携内容
■株式会社博報堂
博報堂とユカイ工学が、働く親と赤ちゃんをつなぐベビーモビールのコ
ンセプトモデルを共同で開発。
株式会社博報堂の企業内大学 HAKUHODO UNIV.(通称:博報堂大学)の社
内公募型インキュベーション・プログラムである「DeAL(Device Act Lab.)」
とユカイ工学株式会社は、ベビーモビールとスマ―トフォンを介して、
遠隔で親子がコミュニケーションをとることができるプロダクト「Paby
(Parent & Baby Cam)」のコンセプトモデルを開発した。
日本ではおよそ 60%が共働きの世帯であり、共働き世帯の増加傾向は日
本だけのことではなく、多くの先進国や新興国でも同様である。
「Paby(Parent & Baby Cam)」は、小さい子どもをもつ働く親を応援したい、
親子のコミュニケーションをサポートしたいという思いから、「DeAL」
が企画、ユカイ工学が制作に協力し、コンセプトモデルを開発した。
赤ちゃんの泣き声に反応して、離れた場所にいる親のスマートフォンに
メッセージが届く。
赤ちゃんのそばにあるモビールに取り付けられたカメラを通じて、スマ
ートフォンで赤ちゃんの様子を見たり、声をかけることができる。
スマートフォン上のアイコンを操作することでモビールを動かし、赤ち
ゃんと遊ぶことも可能。
198
(16) 株式会社 Cerevo
企業名
株式会社 Cerevo
代表者名
代表取締役 岩佐琢磨
従業員数
10 名
設立年
平成 19 年 4 月 10 日
資本金
2 億 460 万円
本社所在地
千代田区外神田 2-7-9
事業概要
ネット接続型家電の企画・開発
沿革等
平成 20 年 1 月にはインスプラウト代表取締役の三根一仁氏や現メルカリ
代表取締役の山田進太郎氏らがシード段階で支援をしており、その後、
平成 21 年 1 月に 1 億 2000 万円、平成 23 年 2 月には 2 億 5000 万円の第
三者割当増資を実施。
■LiveShell
PC 不要で Ustream 等に映像を配信で
きる、小型映像配信機器。簡単なの
に高画質・高音質。ビデオカメラと
HDMI ケーブルで繋いで、電源 ON
にするだけの簡単操作。
注目製品
・サービス
■OTTO
8 個口の電源ポートを内蔵し、雑然
としがちな AC アダプタを収容、上
部カバーで覆い隠すことができる電
源タップ。8 個口の電源ポートはい
ずれもインターネット経由での通電
オンオフ操作ができ、手元のスマー
トフォンやタブレットから手軽に操
作が可能。
■SmartTrigger
スマートフォンと連携し、離れた場
所からデジタル一眼カメラのシャッ
ターを切れる周辺機器。自分の好き
な場所やタイミングで写真を撮った
り、定点での連続撮影に利用したり
など、写真撮影の幅が広がるデバイ
ス。
(LiveShell)
http://static-shell.cerevo.com/first/ja
/product.html
(OTTO)
http://otto.cerevo.com/ja/
(SmartTrigger)
http://smart-trigger.cerevo.com/ja/
連携先
ユーザー企業
日本交通株式会社、株式会社日交データサービス
連携内容
タクシー都内最大手の日本交通株式会社と、その関係会社である株式会
社日交データサービスは、株式会社 Cerevo とのコラボレーションにより、
タクシー向けに特化したドライブレコーダーを開発し、平成 25 年 10 月
より販売する。
199
当製品は、タクシーの運行管理に必要な機能に特化した製品を、タクシ
ー事業者自らが開発したのが大きな特徴であり、3D プリンタの活用や小
ロット委託生産を通じて、ユーザー自らがハードを作ることができる「メ
イカーズ」時代の幕開けでもある。
今回の販売は「タクシー会社の、タクシー会社による、タクシー会社の
ための」プロジェクト第 1 弾と位置付けており、平成 26 年 4 月には第 2
弾として IP を利用した無線タクシー配車システムを発売開始する予定。
平成 24 年に誕生 100 周年を迎えた日本のタクシーにおいて、タクシーサ
ービスと IT 技術とを融合させることで“次の 100 年”に向けた取り組み
を積極的に展開していく。
日本交通においては平成 16 年よりドライブレコーダーを導入していた
が、代替時期が近づき次期機種の選定に入ったところ、現在販売される
機種には必要のない機能も多く、最適なコストパフォーマンスが得られ
る機種を選定することが出来なかった。近年は安全意識の高まりと防犯
対策の観点から、タクシーにドライブレコーダーを取り付ける会社も多
くなり、販売される機種も多くなってきたが、同様に選定が難しく、導
入や代替の障壁となるという声が多かった。
そこで日本交通が黒タクなどで培ったサービス品質管理のノウハウと、
日交データサービスが日本初のスマートフォン向けタクシー配車アプリ
「日本交通タクシー配車」
「全国タクシー配車」で培った IT 技術により、
無駄なコストを転嫁することなく、タクシー会社が納得する機能に絞り
込んだ「タクシー会社が作ったタクシー専用ドライブレコーダー」を開
発することとなる。
実際の製作にあたっては、デジタル家電ベンチャーである株式会 社
Cerevo と共同で設計。各方面から高い信頼と評価を得ている Cerevo がコ
ラボレーションすることで、スマートでハイクオリティな製品が実現で
きた。製品の試作に 3D プリンタを活用し、また小ロットでも委託生産が
出来るようになったことにより、ユーザーである日本交通の求める製品
をユーザー自ら製作・販売することが実現できた。
200
(17) 株式会社カブク
企業名
株式会社カブク
代表者名
代表取締役
設立年
平成 25 年 1 月
本社所在地
東京都渋谷区渋谷 3-26-8 第五清水ビル 4F
事業概要
インターネット関連サービス、コミュニティ運営、3D CAD・CG 系ソフ
トウェアプロダクトの研究開発、プロダクトデザイン・開発、先端テク
ノロジーの研究
沿革・受賞等
CAV、ニッセイ・キャピタル、フジテレビ系 VC から資金調達
平成 26 年度グッドデザイン賞・ベスト 100 受賞
「rinkak 凸凹(でこぼこ)地図」が、第 18 回文化庁メディア芸術祭 審
査委員会推薦作品に選出
注目製品
・サービス
稲田雅彦
従業員数
-
資本金
1,000 万円
「rinkak(リンカク)」は、3D プリ
ンタなどのデジタル製造技術を用
いた新しいものづくりマーケット
プレイス。高性能な製造設備でプロ
ダクトを製造・販売できる。受注毎
にオンデマンドで製造するため、ク
リエイターは在庫を持つことなく
販売が可能。多種多様な分野のクリ
エイターとユーザーによる創発性
の高いコラボレーションが行われ、
消費者が求める斬新で独自性の高
いプロダクトが世の中に生まれる
受け皿となることを目指している。
(rinkak(リンカク)Web サイト)
https://www.rinkak.com/
( rinkak 凸凹(でこぼこ)地図)
https://www.rinkak.com/map3d
連携先
ユーザー企業
連携内容
株式会社電通、株式会社 Studio 仕組
■株式会社 電通
株式会社カブクは、株式会社電通と業務提携し、デジタルファブリケー
ション領域で連携。既に国内外で展開している 3D プリント技術を使った
ものづくりプラットフォーム「rinkak」をベースに、電通とともに、「オ
ープンイノベーション型のものづくり」を支援する新たなソリューショ
ンを開発し、顧客企業に提供するとともに、日本のものづくりを世界に
浸透させる活動を展開。具体的には、両社は次の3つの領域において協
業。
201
1.地域におけるものづくりのサプライチェーン構築と新しいコンセプ
ト提案
rinkak プラットフォームをベースとした、全国自治体・工場連携 3D プリ
ンタ製造ネットワーク「地域ものづくりクラウド」を構築。地域の中小
ものづくり企業が持つ優れた仕上げ技術や伝統工芸手法と 3D プリント
を融合、国内外のクリエイターとの共創による製品づくりを支援。また、
世界市場での製品の認知獲得と販売を支援。
2.企業との連携
企業が持つ技術やシードを活用した商品やサービス開発のためのアイデ
ィア検討、ビジネスモデルの提案と構築、事業の切り出しと独立を支援。
β版の開発、ハードウェアのプロトタイピング、マスカスタマイゼーシ
ョンも推進。
3.自治体や教育機関との連携
3D プリンタを活用した最先端学習と新しいものづくりの普及・啓発活動
を推進。ワークショップやコンテストなどを行い、人材の掘り起こしと
ネットワーク化を推進。
カブクは企業向けにも 3D プリンタなどの製造設備をネットワーク化し
て提供し、短納期・中小ロットでの製造や試作に対応。現時点では主に
キャンペーンやイベントにおけるノベルティグッズの製造、スマホアク
セサリーの製造、ゲームなどのキャラクターコンテンツのフィギュア化、
建築・医療・歯科技工などの分野での試作・製造の引き合いがある。
■株式会社 Studio 仕組
株式会社カブクと株式会社 Studio 仕組は、400 年以上の伝統を引き継ぐ
刀職人と、最新の 3D プリンタを使ったデザインを融合させた、世界初の
アート作品を販売。これらの作品は、関西地域で 400 年以上の伝統技術
を引き継ぐ刀職人が渾身を込めた日本刀と、その美しさを映し出すため
に 3D プリンタを使ってデザインされた鞘「SUMISAYA」をセットで販売。
この鞘「SUMISAYA」によって、刀身が秘めている魅力が映し出され、
これまでにない全く新しい日本刀鑑賞を体験することができる。
202
(18) NSW テクノサービス株式会社
企業名
NSW テクノサービス株式会社
代表者名
代表取締役社長
設立年
平成 2 年 8 月
本社所在地
東京都渋谷区桜丘町 31-10
事業概要
ソフトウェアソリューション、ハードウェアソリューション
インフラソリューション、クラウドサービス
アウトソーシングサービス、ソフトウェアパッケージ
沿革等
2013 年 7 月、エヌエスダブリュ販売株式会社と合併し、社名を NSW テ
クノサービス株式会社に変更。売上高 17 億 3,000 万円(平成 25 年 3 月期)。
注目製品
・サービス
■ABLOY CLIQ(アブロイクリッ
ク)ソリューション
世界トップレベルの耐ピッキング
性能をもつシリンダー錠の内部に、
暗号化情報を記録したメモリーを
搭載することにより、機密性が高い
部屋や建物などの施錠施設に対し、
高度なアクセスコントロールが可
能になる。アブロイ社との業務提携
を機に発表。
連携先
ユーザー企業
木内和夫
従業員数
320 名
資本金
2 億円
(日本システムウエア
株式会社 100%出資)
NSW 渋谷 CI ビル
(ABLOY CLIQ ソリューション概要図)
http://www.nswt.jp/abloy.html
アブロイ社(本社:フィンランド)
セキュリティのリーディング企業・アブロイ社と販売店契約を締結。メ
カと IT を融合した新発想のセキュリティソリューションを国内で提供。
連携内容
2014 年 6 月、NSW テクノサービス株式会社は、セキュリティのグローバ
ルリーダーであるアブロイ社との業務提携を機に、通信・水道・ガス・石
油・輸送など社会インフラ設備向けのセキュリティソリューション
「ABLOY CLIQ ソリューション」の提供を開始。
「ABLOY CLIQ ソリ
ューション」は、耐ピッキング性能で世界トップレベルと評価されるア
ブロイ・シリンダー内部に、暗号化情報を記録したメモリーを搭載。メ
カニカル技術と IT 技術を融合させたセキュリティソリューションによ
り、管理者・利用者毎の権限レベルや時間・曜日などに応じた高度なアク
セスコントロールを実現する。
203
本サービスは、アブロイ・シリンダー、キー(管理者・利用者用)に加
えて、アクセス権情報をキーにダウンロードするためのプログラミング
デバイス(以下 PD、卓上型・壁掛け型・モバイル型)、およびキーやア
クセス権を設定する管理ソフトウェアで構成され、スマートフォンとモ
バイル型 PD にて、高レベルのセキュリティを確保しながら、いつでもど
こでもアクセス権のアップデートが可能。広域に分散設置された設備の
アクセスコントロールを柔軟に行うことができる。
204
(19) 日本ノーベル株式会社
企業名
日本ノーベル株式会社
代表者名
代表取締役 鈴木祥夫
従業員数
120 名
(平成 26 年 11 月時点)
設立年
昭和 55 年 4 月 9 日
資本金
1 億円
本社所在地
東京都北区王子 2-30-2
事業概要
ソフトウェア開発、システム開発
システム製品の販売、各種サービスの提供
受賞等
2004 年『Quality Commander』が「情報化月間推進会議議長表彰」を受賞
注目製品
・サービス
連携先
ユーザー企業
連携内容
■ 第三者検証
コンパイラ評価サービス
コンパイラ評価サービスは、世界最
大規模(ANSI-C 31 万本, ANSI-C++
14 万本)のテストスイートを用い
てお客様に代わってコンパイラの
品質を評価するサービス。コンパイ
ラのリリース前の検査や受け入れ
検査等に利用できる。これまで数多
くのコンパイラベンダーより、評価
の依頼の実績がある
(コンパイラ評価サービス WEB サイト)
http://www.jnovel.co.jp/service/compiler
/index.html
株式会社トレカラボ、株式会社ジオ・キュービック、株式会社テイツー
■トレカ自動査定システム「ピタカ」のサービスを開始(2014 年 8 月)
「ピタカ」は、トレーディングカード(以後トレカ)の販売・買取を行
う店舗・企業で活用できる自動査定システム。トレカラボが有するトレ
カ相場情報(買取、販売)と、ジオ・キュービックと日本ノーベルが開
発したスキャナによるトレカ自動査定システム(特許出願中)が融合し、
より強力なトレカ総合システムとなった。スキャナにトレカをセットし
てボタンを押すだけで査定を行うことができ、トレカについて詳しくな
いスタッフでも簡単に素早く買取作業を行うことが可能。
【背景】
トレカは本やゲームと違い、一度に数千枚の買取持ち込みも珍しくない。
中古トレカを扱う店舗では、トレカの買取業務が大きなウェイトを占め
るため、いかに買取のスピードを上げるかが重要となるが、トレカの査
定額は相場の変動が激しく、一方でカードの種類は増え続けるため、正
205
確な査定を行うにはトレカに精通したエキスパートの存在が欠かせず、
多店舗展開する上での障壁となっていた。
自動査定に対応しているトレカは、遊戯王、デュエル・マスターズ、ヴ
ァンガード、ドラゴンボールヒーローズ、バディファイトの 5 種類。自
動査定可能な 5 種類のトレカ以外に、8 種類のトレカの相場情報(手動査
定)も提供する。トレカの読取り速度は 100 枚連続スキャン時で 3 分 45
秒。先行導入した店舗において、買取作業の時間は手作業に比べ 10 分の
1 に短縮され、顧客を待たせる時間が大幅に減った。
専用スキャナには、トレカへのキズに対して細心の注意を払ったローラ
ーやガイドを付属。自動判定には超高精度の画像解析エンジンを使用し、
99%以上のトレカ適合率を誇る。このほか、トレカデータベースの集中
管理、週 2 回の価格更新、新弾トレカの即日追加など、トレカの取り扱
いをする方々が待ち望んでいた機能を合わせて提供する。
【導入事例
「ピタカ」は株式会社テイツーの「古本市場」、「トレカパーク」など 13
店舗にて先行導入、2014 年 7 月までに 100 店舗に採用されている。
206
1.2.4
クリエイティブ分野
(1) ピクシブ株式会社
企業名
ピクシブ株式会社
代表者名
代表取締役社長 片桐孝憲
従業員数
-
設立年
平成 17 年 7 月 25 日
資本金
-
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷 4-23-5 JPR 千駄ヶ谷ビル 5F
事業概要
インターネットサービス事業、インターネット広告事業、ライセンス&
マーチャンダイジング事業
利用状況等
創作(イラスト・マンガ・小説)を中心とした SNS の運営。
開設日:平成 19 年 9 月 10 日 月間 34 億 PV、3,700 万 UU、新規会員登
録 1 日 1 万人(海外含む)、平均投稿作品数が 30,000/日、総投稿作品数が
4,000 万作品、ユーザー数 930 万人もいる巨大メディア。
注目製品
・サービス
■Pixiv
「創作活動がもっと楽しくなる場所」
というコンセプトをもとに、平成 19
年から開始された SNS。イラスト・
漫画・小説の投稿や、タグと呼ばれる
キーワード付け、好きな作品のブック
マーク、作品に対してのコメント機能
など、「作品を介したコミュニケーシ
ョン」にフォーカスして開発。様々な
企業とタイアップしたイラストコン
テストや、ユーザー自身が考案した交
流企画など、日々新たな作品が生まれ
ている。世界 220 カ国からアクセスが
あり、9 ヶ国語に対応している。
連携先
ユーザー企業
連携内容
(pixiv WEB サイト)
http://www.pixiv.co.jp/
株式会社フジテレビジョン、NHN PlayArt 株式会社
■株式会社フジテレビジョン
ピクシブ株式会社と、株式会社フジテレビジョンは生放送イラストコン
テスト番組、「いらこん」において提携。
メジャー・マイナー問わない様々な企業や団体からのイラストやキャラ
クターの公募を WEB(pixiv)と連動して行い、視聴者の投票により生放
送で決定する、究極のリアリティショー。
■NHN PlayArt 株式会社
スマートフォン向けコミックサービス「comico(コミコ)」を運営する
NHN PlayArt 株式会社、ピクシブと提携。
イラスト SNS「pixiv」内に comico への作品投稿機能を設置し、pixiv 会
207
員が簡単に comico にマンガ作品を投稿できるようにする。
comico は、スマートフォンの画面を縦にスクロールして、コマ割りのな
いフルカラー漫画を閲覧できるサービス。アプリの累計ダウンロード数
は 350 万を超え、作品投稿機能を使って公式作家としてデビューした作
家はこれまでに 25 人にのぼるという。平成 26 年 8 月 12 日より、人気作
品である「ReLIFE」
(作:夜宵草)が単行本として販売されることも決ま
っている。
Pixiv とは双方の展開するサービスの親和性の高さから連携が実現した。
なお、comico 以外のサービスから直接、作品投稿が可能になるのは今回
が初めて。NHN PlayArt では、今後も作家の発掘や創作活動を支援する取
り組みを進めていくとしている。
208
(2) チームラボ株式会社
企業名
チームラボ株式会社
代表者名
代表取締役 猪子寿之
従業員数
300 名
設立年
平成 13 年 3 月
資本金
1,000 万円
本社所在地
東京都文京区本郷 1-11-6 東接本郷ビル 5F
事業概要
3D レンダリング、デザイン、アニメーション、メディアアート、インス
タレーション、Unity、プロジェクションマッピング、映像制作、SI(シ
ステムインテグレーション)、Web サイト構築、スマートフォンアプリ開
発、UI/UX 設計、デザイン、インフラ構築、プロモーション戦略
受賞等
平成 24 年 欧州最大のバーチャルリアリティ博覧会「Laval Virtual 2012」
にて、アート作品「世界はこんなにもやさしく、うつくしい」が「建築・
芸術・文化賞」を受賞。台湾で最も権威のある国立美術館にて、外国の
企業では初となる個展を開催など、海外での実績も多数。代表 猪子氏は
メディア出演多数。
Web サイトの構築やスマートフォ
ンアプリの開発等、最新技術を利用
したソリューションの開発や、デジ
タルサイネージ等の開発に加え、プ
ロジェクションマッピングを利用
したアートなど様々な事業を展開。
注目製品
・サービス
右上図は、ベイクルーズ株式会社が
展開する Demi Voo に設置したデジ
タルサイネージで、割引クーポンや
商品画像のランダム表示を行う。
右下図は、株式会社せーのが展開す
る VANQUISH に設置したデジタル
サイネージ+チームラボハンガー
で、ハンガーにかかった商品を手に
取ると、ディスプレイにその商品で
コーディネートされた写真等を表
示する。
(Demi Voo・デジタルサイネージ)
http://www.team-lab.net/all/other/demivoo.html
(VANQUISH・チームラボハンガー)
http://www.team-lab.com/
連携先
ユーザー企業
ベイクルーズ 株式会社、株式会社 せーの、博報堂生活総合研究所、株
式会社 Sansan
連携内容
■博報堂生活総合研究所
博報堂生活総研が 22 年にわたり調査した、生活者意識に関する統計デー
209
タ『生活定点』特設サイトを、チームラボが制作。生活定点公開データ
をもとに、回答同士の相関度が高い項目がわかる「似てるかもグラフ」、
グラフの形からデータを探す「逆引き」、グラフの推移を「自動で解説」
するテキストなどのコンテンツを開発。一見敬遠しがちな膨大な統計デ
ータを、身近なものとして楽しめるデザインとした。
■株式会社 Sansan
写真から探せて社風が伝わる受付システム FaceTouch の導入
すべての人の名前を正確に覚えたり、名前だけで相手を特定することは
難しい。 FaceTouch は、名前からではなく、写真から担当者を探すこと
ができる受付システム。 プロフィール情報が表示されるため、会社の雰
囲気や、どんな人が働いているのかということも感じてもらうこともで
きる。
210
(3) 株式会社インディ・アソシエイツ
企業名
株式会社インディ・アソシエイツ
代表者名
代表取締役 舘 昭利
従業員数
122 名
設立年
平成 6 年 11 月 1 日
資本金
7,000 万円
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷 4-23-5 JPR 千駄ヶ谷ビル 5F
事業概要
映像企画・制作、ウェブ・モバイルのサイト・アプリ企画制作、デジタ
ルサイネージ開発・導入、パチンコ遊技機のコンテンツの開発
沿革等
5 万台でヒットと言われるパチンコ業界で、20 万~30 万台を売り上げた
ビッグタイトルを手がける。株式会社カネイチエンタテインメント、及
び株式会社 ITTOCAN を、平成 26 年 7 月 1 日をもって吸収合併。
注目製品
・サービス
■東建コーポレーション株式会社
ホームメイト TV CM
『声を大にして』篇
(ホームメイト TV CM)
http://indy-net.co.jp/works
連携先
ユーザー企業
東京国際空港ターミナル 株式会社、日比谷総合設備 株式会社
■東京国際空港ターミナル 株式会社 平成 26 年 3 月
東京国際空港国際線旅客ターミナル拡張部に 36 面マルチディスプレイを
導入。画面解像度は 16K ウルトラワイドビュー(1 万 6320x2304 ピクセル)
の表示を実現し、コンテンツは就航都市の世界遺産の紹介映像やカメラ
センサーを利用したインタラクティブコンテンツの表示を行っている。
特殊な解像度にクオリティの高い映像表示を行う為、オリジナルのソフ
トウェアを自社開発した。
連携内容
■日比谷総合設備 株式会社 平成 24 年 3 月
デジタルサイネージを活用し、日比谷総合設備株式会社が提供している
サービスの紹介や、同社研修センターにて実際に設置運用されている太
陽熱利用システムとデータ連携を行い、リアルタイムの集熱量の可視化
や Live カメラ映像の表示などを行う。太陽熱コレクターのシステムから
逐次出力されるデータをデジタルサイネージ側で受け取り、画面上にビ
ジュアル化。数値だけでは分かりづらい項目をイメージし易いイラスト
やグラフで表すことで、どの程度節約できたか、あるいはどの位自然環
境に影響があったのかなどを分かりやすく表現できる。また、タッチパ
ネル向けのコンテンツとしており、日比谷総合設備株式会社が提供して
いるサービスをナレーションや映像を交えて紹介している。
211
(4) 株式会社カヤック
企業名
株式会社カヤック
代表者名
貝畑 政徳 (CTO)
柳澤 大輔 (CEO)
久場 智喜 (CBO)
従業員数
199 名
(平成 26 年 4 月)
設立年
平成 10 年 8 月 3 日
合資会社カヤック
平成 17 年 1 月 21 日
株式会社カヤック
資本金
2 億 3,500 万円
本社所在地
神奈川県鎌倉市小町 2-14-7
事業概要
日本的面白コンテンツ事業
業績等
平成 25 年
平成 23 年
平成 21 年
注目製品
・サービス
■1 案 500 円からの命名サービス
KOTODAMA
新しいサービス、会社名などの名付
案をカヤックのメンバーが 1 案 500
円で
かまくら春秋スクエア 2 階
売上高 2,802 百万、平成 24 年
売上高 2,316 百万、平成 22 年
売上高 0944 百万
売上高 2,505 百万
売上高 1,620 百万
(KOTODAMA WEB サイト)
http://kotodama.kayac.com/
連携先
ユーザー企業
KDDI 株式会社、インクリメント・ピー株式会社
■KDDI 株式会社
au スマートパス内に設置するゲームポータル au ゲームとのサービス連携
を実施。本連携では、日本最大級のスマートフォン向けゲームコミュニ
ティ「Lobi」と、1,100 万人以上が利用している国内最大級の有料会員制
サービス「au スマートパス」内のゲームポータル「au ゲーム」が双方の
強みを活用し、両サービスを拡大することで価値向上を図るもの。
連携内容
■インクリメント・ピー 株式会社
はい!こちらネコ屋台です。by MapFan
突然失踪した飼い主のお兄さんを捜して、3 匹のネコが大活躍する iPhone
向け位置ゲームアプリを開発。本作はインクリメント P が手がけるゲー
ムの 2 作目。以前から地図情報を活用したゲーム制作を行っていたが、
今回はカジュアルゲームに着目。さまざまなタイトルを研究する中で「モ
ンスターを集めてまいれ」
(カヤック)に出会ったのが、カヤックに依頼
するきっかけとなった。ここから地図の新たな楽しみ方を提供。
212
(5) Orinoco Peatix 株式会社
企業名
Orinoco Peatix 株式会社
代表者名
代表取締役 岩井直文
従業員数
7名
設立年
平成 23 年 12 月
資本金
2 億 9,602 万円
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 6-31-15
31 A 棟 6 階 E 室
事業概要
ソーシャルチケットサービス「PeaTiX(ピーティックス)」の運営。
海外ソーシャル系サービスの日本展開支援。スポーツイベント向けのサ
ービスに実績があることからクリエイティブに分類。
受賞等
東洋経済 ONLINE スタートアップのビジネスモデル 2014 年 06 月 18 日
に、手数料で稼がない、異端のチケットサービスとして掲載。
注目製品
・サービス
■ソーシャルチケットサービス
「PeaTiX(ピーティックス)」
誰でも数分でオンラインのイベン
ト告知・申し込みページを作成し、
簡単にフェイスブック、ツイッター
などソーシャルメディアへの告知
ができるソーシャルイベントサー
ビス。チケットの申し込みからイベ
ント当日の入場までペーパレスで
ご利用できる E チケット式。
(ピーティックス WEB サイト)
http://peatix.com/
連携先
ユーザー企業
東京ヴェルディ、横浜 FC、ほかビジネスセミナー、同窓会など多数
連携内容
日本ではまだ始まったばかりのサービスだが、米国や欧州ではオンライ
ン上でのチケット販売のマーケットはすでに確立されつつある。平成 20
年に創業した米国のイベントブラント社は、昨年度 160 億円のチケット
販売実績があり、今年はさらに倍増する勢いだ。
一般的に、コンサートや演劇などのチケットの国内市場規模は約数千億
円といわれており、その中でも最大手の「ぴあ」のシェアが約 50%、続
く「ローソンチケット」が約 30%と、大手 2 社だけで市場の約 80%を占
める寡占状態。しかし、PeaTiX の登場によって、その牙城が崩れる可能
性が出てきた。
個人や小さな団体のイベントオーガナイザーにとって、大手チケット販
売会社が提供している従来のチケット発行の仕組みを活用することは、
採算的に不可能に近かった。しかし、PeaTiX の誕生によって、これまで
チケットビジネスのマーケットとして未開拓だった、インディーズバン
ドのコンサートや小劇団の公演、ビジネスセミナーや勉強会、人数の多
い「飲み会」などでの、新たなチケット販売ニーズが見えてくる。それ
らすべてを勘案すると、数兆円規模の市場に拡大する見込み。
わかりやすいインターフェースと使い勝手のよさが、スタート直後から
ネット上での口コミで広がり、IT エンジニアの間で評判となった。そし
213
て、エンジニア同士の勉強会や IT 系イベントの集客などでの利用が始ま
り、さらに、そのユーザビリティの高さが個々のブログ上でどんどん取
りざたされるようになる。そんなプロセスを経て、IT 系以外のユーザー
への認知が広がり、横浜 FC の観戦チケット販売、タレントのダニエル・
カール氏のイベント、様々な小劇団の観戦チケット販売に採用されるな
ど、利用者は現在も急拡大している。
また、PeaTiX の利用が増える仕掛けとして、ソーシャルネットワークサ
ービスとの親和性の高さがある。設計時から Twitter や Facebook、ブログ
でイベント情報を告知してもらうことを前提に設計されたため、
「SNS で
告知するには PeaTiX が良い」という評判が立ち、次々とイベント情報が
登録されるようになっている。
利用イベント数は、リリース後から 2,000 以上を超えた。ユーザー属性は、
大きく 3 つのセグメントに分かれている。1 つ目は、ビジネスセミナー、
カンファレンス、勉強会などのビジネス系の分野。2 つ目はエンターテイ
ンメントの分野で、音楽コンサート、ライヴ、演劇、上映会など。スポ
ーツの世界にも広がっており、東京ヴェルディやスポーツ大会などでも
PeaTiX を利用している。3 つ目が、地域活性の分野。街コンや Hatoba 祭
り、豆まきといった地域レベルのイベント運営にも広がりを見せている。
最近では、NPO 団体での利用も広がっており、チャリティイベントや募
金活動等に使って頂くケースも増えている。2013 年2月に販売手数料を
1注文当たり 2.9%+70 円に値下げ。プレイガイドなどでは8%から 10%
が標準なので、かなりの低価格だ。
214
(6) 株式会社スタートトゥデイ
企業名
株式会社スタートトゥデイ
代表者名
前澤 友作
従業員数
579 名(平成 26 年 3 月)
設立年
平成 10 年 5 月 21 日
資本金
13 億 5,990 万円
(平成 26 年 3 月)
本社所在地
千葉県千葉市美浜区中瀬 2-6-1WBG マリブウエスト 15F,16F
事業概要
EC モール事業、自社 EC 支援事業、メディア事業
業績等
平成 26 年 3 月期の商品取扱高は約 1,146 億円。平成 26 年 3 月期の当社業
績は、商品取扱高 1,146 億円(前年同期比 19.6%増)。事業別の内訳は、
モール事業 992 億円(前期比 17.4%増)、自社 EC 支援事業 154 億円(同
35.7%増)。
■ZOZO TOWN
2448 ブランドのアイテムを公式に
取扱う日本最大級のファッション
通販サイト。
注目製品
・サービス
■WEAR
人気ブランドやトレンドアイテム
の着こなしが探せる日本最大級の
ファッションコーディネートサイ
ト。コーディネートは 100 万枚以
上。
(WEB サイト)
http://zozo.jp/
連携先
ユーザー企業
株式会社ユナイテッドアローズほか
連携内容
平成 16 年に『ZOZOTOWN』を立ち上げた当時は、
“ネットで服が売れる
わけない”、“ネットでの洋服販売は安売りのイメージを与える”という
障壁があったため、出店の営業は苦労が続く。そんな折、業界大手のユ
ナイテッドアローズ(以下、UA)との取引が決まる。この奇跡的な出会
いは、トップ同士が価値観や想いの部分で通じあえたことで叶ったが、
その後、「UA さんが出店しているなら」と他社大手アパレルブランドも
出店するようになり、これがその後の『ZOZOTOWN』の出店ブランド増
加に影響した。
215
2448 ブランドが出店
(7) 株式会社 Donuts
企業名
株式会社 Donuts
代表者名
代表取締役 西村啓成
従業員数
120 名
(平成 25 年 7 月末)
設立年
平成 19 年 2 月 5 日
資本金
7,777 万円
(平成 25 年 7 月末)
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂 1 丁目 10-8 渋谷道玄坂東急ビル 6 階
事業概要
モバイルゲーム事業、WEB サービス事業、ASP 事業。同社は、モバイル
ゲーム提供に実績を持つためクリエイティブ産業に分類。
業績等
売上高 28 億円(平成 24 年 7 月期)
注目製品
・サービス
■クラウド勤怠管理システム「JOBCAN(ジョブカン)」
インターネットに接続するだけで勤怠管理とシフト作成が同時に行え
る、クラウド型の業務支援システム。複数拠点の勤怠データをリアルタ
イムに確認・集計・抽出ができ、給与支払いまでの業務を簡素化、迅速
化する。 また、シフト管理機能も搭載している為、シフトに対しての勤
怠状況や予算管理をリアルタイムで把握することが出来る。
実績(平成 26 年 10 月末時点): 導入社数 900 社、利用人数 50,000 人
(ジョブカン WEB サイト)http://jobcan.ne.jp/
連携先
ユーザー企業
株式会社卑弥呼、株式会社グローバルキッズ、株式会社ワンオブゼム他
約 900 社
JOBCAN 導入例
■株式会社卑弥呼
シフト表が作業負荷の低減に間違いなく貢献している。意図しなかった
効果としては改めてシフトの確認をすることでシフトの無理や無駄がわ
かったこと。
連携内容
■株式会社グローバルキッズ
シフトと出退勤が一画面で確認でき修正が行なえることがメリット。PC
が苦手な職員が多いが操作が分かりやすい。 給与作業は導入してから作
業が半分に短縮した。
■株式会社ワンオブゼム
労務管理をより徹底することができる環境となり従業員数が増えても管
理コストを増やすことなく対応できるようになった。 給与計算前の集計
作業が軽減され満足。
216
(8) 株式会社オルトプラス
企業名
株式会社オルトプラス
代表者名
代表取締役 CEO
石井 武
従業員数
215 名
(平成 26 年 6 月末)
設立年
平成 22 年 5 月 6 日
資本金
12 億 5,175 万円
(平成 26 年 6 月末)
本社所在地
東京都渋谷区渋谷 3-12-18
事業概要
ソーシャルゲームの企画、開発及び運営
渋谷南東急ビル 9F
■聖闘士星矢アルティメットウォーズ
昭和 61 年にアニメとなって登場して以来、現在でも世代を超えて多くの
ファンに支持されている『聖闘士星矢』を題材にした、カードバトル RPG。
■アイドルマスター SideM
プロダクションに所属するアイドルの卵たちがアイドルを目指すゲー
ム。
注目製品
・サービス
(聖闘士星矢アルティメットウォーズ)
http://www.altplus.co.jp/service
(アイドルマスター SideM)
http://www.altplus.co.jp/service
連携先
ユーザー企業
グリー株式会社、株式会社コーエーテクモゲームス
連携内容
株式会社オルトプラスは、グリー株式会社が運営するソーシャル・ネッ
トワーキング・サービス「GREE」で配信中の、『バハムートブレイブ』
『精霊ファンタジア』
『聖闘士星矢 アルティメットウォーズ』
『サモンナ
イト コレクション』
『三国志レイヴ』
『ダービーズキングの伝説』の6タ
イトルに、株式会社コーエーテクモゲームスの『100 万人の Winning Post』
を新たに加えた合計7タイトルにて、コラボキャンペーンを行った。
本キャンペーンの参加タイトルを遊んで指定されたミッションを達成す
ると、エンブレムが入手でき、エンブレムを一定数集めると各タイトル
で使える『限定ガチャチケット』が入手できるほか、各タイトルの高レ
アリティカードを確実に受け取ることができる。
217
(9) マガシーク株式会社
企業名
マガシーク株式会社
代表者名
代表取締役 井上直也
従業員数
103 名(平成 26 年 3 月)
設立年
平成 15 年 4 月 1 日
資本金
11 億 5,661 万円
(平成 26 年 3 月)
本社所在地
東京都千代田区三番町 3-8 泉館三番町ビル 3 階
事業概要
インターネットでの婦人・紳士服の販売
注目製品
・サービス
■マガシークサイト
メンズからレディス、ドメスティック
からインポートブランドまで幅広い
商材を揃え、独自のレコメンドシステ
ムで使えば使うほどお客様の好みに
合った商品を提案する「自分のための
セレクトショップ」をコンセプトにし
た総合ファッション EC サイト。
連携先
ユーザー企業
(マガシーク WEB サイト)
www.magaseek.com
株式会社 NTT ドコモ
マガシークは平成 25 年 3 月にNTTドコモの傘下に入り、共同でファッ
ション専門の通販サイト「dファッション」を立ち上げた。ドコモポイ
ントが使えたり商品代金を月々の携帯電話料金と一緒に支払いできた
り、「d fashion」ならではの利便性が特長。ドコモだけでなく、各社スマ
ートフォン・タブレット・PC からのアクセスが可能。
連携内容
【背景】
同社はこれまで、テレビ CM を放映したりしながら『マガシーク』とい
うサービスの認知を広げ、使ってもらえるように取り組んできたが、新
客を獲得する手段として一番手っ取り早いのは、多くの会員を持ってい
るパートナーと組んでトラフィックを増やし、サービスを利用してもら
うことだと考えた。ドコモは会社の方向性として、通信事業だけでなく
サービス業に力を注ぐことを打ち出している。その一環として、EC を含
めた BtoC ビジネスを成長の柱に位置付けている。BtoC のファッション
EC で大きくなりたいマガシークとの思いが一致し、資本提携を結んだ。
【結果】
『マガシーク』出店ブランドの大半が『dファッション』にも参加して
いる。ブランドには売り上げを 20%くらい増やすと説明し、その分、在
庫も積み増してもらった結果、
『dファッション』はスムーズに立ち上が
り、当社の平成 26 年3月期売上高も前年の約 95 億円から2割程度の増
収となり、110 億円を超えた。とくに、『dファッション』がスタートし
た下期の伸びが大きい。
218
(10) 株式会社ワールドスケープ
企業名
株式会社ワールドスケープ
代表者名
代表取締役社長
海保堅太朗
従業員数
-
設立年
平成 23 年 2 月 3 日
資本金
989 万円
本社所在地
東京都千代田区富士見 2-6-10 三共富士見ビル 503 号室
事業概要
アーティスト支援サービス「フリクル」の制作・運営、イベント制作・
運営、その他
利用状況等
平成 24 年 5 月時点で 500 組以上のアーティストが利用、リスナー会員は
20,000 人ほど。
■アーティスト支援サービス
「Frekul(フリクル)」
注目製品
・サービス
Frekul は、アーティストがメールマ
ガジンを通じて「音源を無料配布」
し、ファンを獲得する事によって、
実際のライブの動員や関連商品の
販売に結び付ける事を企図したビ
ジネスモデル。
(フリクル WEB サイト)
http://frekul.com/
連携先
ユーザー企業
株式会社 kilk records、株式会社エクシング(カラオケ JOYSOUND)
■株式会社 kilk records
Frekul は音楽レーベル「kilk records」と提携し、「kilk records プレミアム
サポーター」を募集開始した。月額 790 円で、kilk records 所属アーティ
ストの楽曲ほとんど(350 曲以上)が聴き放題になる等の特典がある。
連携内容
■株式会社エクシング
Frekul は、カラオケ JOYSOUND と提携し、新サービス「キョクプロ」を
公開した。Frekul にアーティスト登録すれば、誰でもカラオケ JOYSOUND
に自作曲を配信できる。
219
(11) ファーストザウェーブ株式会社
企業名
ファーストザウェーブ株式会社
代表者名
代表取締役 大山隆史
従業員数
18 名
設立年
平成 8 年 10 月 28 日
資本金
4,980 万円
本社所在地
東京都港区南青山 6-2-9 南青山 NYK ビル 6F
事業概要
システム・アプリ開発、データベース設計・構築、ネットワーク設計・
構築、サーバー設計・構築・保守、SES、EC サイト運営、EC サイト制作・
コンサルティング、web 制作・コンサルティング
業績等
平成 23 年 2 月の決算でインターネット通販の年商が 5,6 億円となり、同
社の年商の約 50%をインターネット通販が占める結果となった。
注目製品
・サービス
■ブランドコレクト
ファッション・ブランド総合販
売・買取サイトとして、開発か
ら運営まで全てを行い、原宿や
高円寺に実店舗も出した。
(ブランドコレクト WEB サイト)
http://brandcollect.com/
連携先
ユーザー企業
株式会社マーケティングアイ(プラジェントラジャパン)
連携内容
インターネットを中心にブランド品リサイクルビジネスを行うファース
トザウェーブ株式会社は、韓国国内シェア TOP の妊娠線・肉割れケアク
リーム「プラジェントラ」を取扱うプラジェントラ ジャパンと提携して、
日本で唯一のプラジェントラジャパン公認通販サイト Ninpuline.com (ニ
ンプラインドットコム)をリリースした。マタニティケア専門ブランド
のプラジェントラプラスシリーズを中心に女性のさまざまな悩みに応え
る製品をセレクトしていく。プラジェントラは、平成 13 年の設立から臨
床代替え医学のリーダーとなる今日まで、妊娠線やアトピー性肌を改善
するために不断の努力と研究を重ねてきた韓国のマタニティ&ベビー用
品開発メーカーである(株)CA.PHARM が開発した専門ブランド。
韓国国内だけでなく、世界 24 ヶ国で多くの支持を集め、近年、日本国内
でも様々な女性誌に取り上げられ多くのファンを獲得している商品。
FTW は平成 11 年からブランド古着の E コマースに参入し、一点モノの
商材を実店舗と自社サイト、楽天・Yahoo!・DeNA などの様々なプラット
フォームで同時に販売してきたノウハウと、自社フルフィルメントセン
ターのインフラを別の商材にスライドすることを目的としている。
異業種の企業とのアライアンスは今回がはじめて。
220
(12) 株式会社モンスター・ラボ
企業名
株式会社モンスター・ラボ
代表者名
代表取締役社長 鮄川宏樹
従業員数
15 名
設立年
平成 18 年 2 月 3 日
資本金
2 億 4,880 万円
(資本準備金を含む)
本社所在地
東京都目黒区中目黒 3-3-2
事業概要
音楽配信サイト monstar.fm の企画・運営 、契約アーティストの楽曲の二
次使用を行う BtoB 事業、ソフトウェアの開発・運用
沿革等
平成 26 年 9 月モバイル・インターネットキャピタル株式会社が株式会社
モンスター・ラボへの投資を実行。
注目製品
・サービス
■セカイラボ
アプリケーション開発を世界中の
エンジニアチームに発注できる、グ
ローバルソーシングサービス。斬新
でイノベーティブなアイディアを、
スピーディかつ低コストで実現す
るプラットフォームとして、平成
26 年 2 月に開始。国境を越えてク
ラウド上でエンジニアチームと開
発・運用が可能な本サービスは、先
進的なプラットフォームとして注
目を集めている。
連携先
ユーザー企業
EG ビル 7 階
(セカイラボ WEB サイト)
http://www.sekai-lab.com/
株式会社サイバーエージェント、トヨタ自動車株式会社、
株式会社ベネッセコーポレーション、株式会社一休、
日本カーライフアシスト株式会社
セカイラボは、アイディアを形にしたい人材と世界中のチームをつなぐ
グローバルソーシング・プラットフォーム。ベトナムや中国、ミャンマ
ーなどの海外拠点を使うことで、エンジニアのコストを大幅に抑えるこ
とが可能。登録チームは日本企業への Web サービス・アプリ開発の実績
があるチームばかりなので、安心して利用することができる。
連携内容
■株式会社サイバーエージェント
スマートフォンアプリ 赤ちゃん写真共有 SNS
「Baby Days」の開発
■トヨタ自動車株式会社
スマートフォンアプリ 沖縄音楽ドライブアプリ
「OKINAWA DRIVE LABEL」の開発
■株式会社ベネッセコーポレーション
WEB サービス 読書コミュニティサービス「ブクフレ」の開発
221
■株式会社一休
スマートフォンアプリ
ホテル検索・予約アプリ「一休.com」の開発
■日本カーライフアシスト株式会社
全国で 314 の自動車教習所に広告を配信している日本カーライフアシス
トと提携して、同社が開設する「JACLA VISION」上にて楽曲や映像を配
信している。画面横の QR コードにアクセスして、楽曲を購入すること
もできる。現在、同社と共同で携帯電話向けのプロモーションサイトを
開設しているが、将来的には自社単独でもサイトを開設する予定。
222
(13) 株式会社フュートレック
企業名
株式会社フュートレック
代表者名
代表取締役社長
設立年
平成 12 年 4 月 17 日
本社所在地
大阪市淀川区西中島 6-1-1
事業概要
音声認識技術を利用したサービスの企画・提案及びそれを実現するため
のシステム設計。当社の技術は、クリエイティブ分野を含め音声による
機器操作に応用可能。
業績等
平成 26 年 3 月(第 14 期)売上高 2,421(百万円)、営業利益 431(百万円)
平成 26 年 9 月株式会社メディア総合研究所の株式取得(子会社化)
注目製品
・サービス
藤木英幸
従業員数
56 名
資本金
7 億 1,657 万円
新大阪プライムタワー18F
■対話型カーナビアプリ
v Gate Drive
音声エージェントのマイコちゃん
と会話をしてドライブを便利にす
るカーナビアプリ。
音声で目的地検索、楽曲再生(ボリ
ュームの調整含む)音声でレストラ
ン検索、音声で天気予報、音声でメ
モなどが可能。
(v Gate Drive スマホ画面)
http://www.fuetrek.co.jp/vGateDrive.html
連携先
ユーザー企業
連携内容
株式会社 NTT ドコモ、株式会社 SYSTRAN INTERNATIONAL(韓国)、
TranscribeMe,Inc.(アメリカ)、株式会社ゼンリンデータコム、住友電気
工業株式会社
■株式会社 NTT ドコモ、株式会社 SYSTRAN INTERNATIONAL
平成 26 年 9 月、2 社とともに、世界最高レベルの機械翻訳精度をもつ翻
訳技術の開発及びサービス提供を行うための合弁会社「株式会社みらい
翻訳」を設立。社長にはドコモの執行役員 R&D 戦略部長の栄藤稔氏が就
任。機械言語処理には学習データのベースとなる対訳コーパスが必要で、
これを「はなして翻訳」アプリを提供するドコモと、NICT が提供。翻訳
エンジン技術は SYSYTRAN と NICT が、言語処理技術は NTT のメディ
アインテリジェンス研究所が担当。フュートレックは NICT のエンジン開
発を担当。みらい翻訳では、日英の翻訳精度を 2016 年度、TOEC スコア
で 700 点以上を目指す。
■TranscribeMe, Inc.
フュートレックと TranscribeMe, Inc. が提携し、クラウドを活用した「音
声書き起こしサービス」を開始。TranscribeMe, Inc. との提携によって、
世界中に存在している多言語クラウドワーカーを利用できる可能性が生
223
み出された。
■株式会社ゼンリンデータコム
同社が提供しているスマートデバイス向けのナビゲーションアプリ「い
つも NAVI[ドライブ]」にフュートレックの音声認識技術 vGate(ブイゲ
ート)が採用された。
「いつも NAVI[ドライブ]」は、最新の地図や交差点付近での誘導案内
など、車載カーナビのように利用可能な iOS/Android 向けのカーナビアプ
リ。ナビゲーションアプリ「いつも NAVI[ドライブ]」が大幅にバージ
ョンアップされ、新たな機能としてフリーワード検索機能に音声認識機
能が追加された。
この音声認識機能に、フュートレックの音声認識技術 vGate シリーズの
ミドルウェアライブラリおよび音声認識エンジンが採用されている。ノ
イズが多い走行中の車内でも、フュートレックの音声認識技術を使い、
施設名や住所などの音声入力を行うことが可能。
■住友電気工業 株式会社
フュートレックの音声認識技術 vGate を用いた「業務日報ソリューショ
ン」が、住友電気工業株式会社が導入している営業管理システムの商談
記録および在庫検索用途に採用された。超硬工具業界において、音声認
識による業務日報作成が行われるのは初めての試み。
(超硬工具業界での
音声認識による業務日報作成導入事例として。同社調べ。)
224
(14) 株式会社 nanapi
企業名
株式会社 nanapi
代表者名
代表取締役
設立年
平成 19 年 12 月
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂 1-21-14 TOD ビル 5F
事業概要
インターネット上でのメディア事業
沿革・受賞等
KDDI Open Innovation Fund より出資を受け事業展開を行っており、平成
26 年 10 月 1 日付で KDDI の連結子会社化。(ベンチャー企業の一つのエ
グジットの形)
『Google play 平成 26 年ベストアプリ』にて弊社即レスコ
ミュニケーションアプリ アンサーが選出された。
古川健介
従業員数
26 名
資本金
3 億 111 万円
■nanapi
nanapi は、「ライフレシピ」と呼
ばれる、生活に役立つテクニック
の共有サイト。一般の方から、恋
愛や健康や仕事の HowTo を投稿
してもらい、平成 21 年 9 月にリ
リースから、現在までに 10 万件
を超えるレシピが集まっている。
注目製品
・サービス
■IGNITION
IGNITION は、「気付きを与える」
をコンセプトとした日本文化を世
界に発信するカルチャーマガジン。
平成 26 年 4 月リリース。
(生活に役立つテクニックの
共有サイト nanapi)
http://nanapi.jp/
(IGNITION)
http://ignition.co/
連携先
ユーザー企業
ヤフー 株式会社
連携内容
ヤフー 株式会社と株式会社 nanapi は業務提携し nanapi が運営するハウツ
ーサービス「nanapi」において連携を開始した。
本提携により「nanapi」内の投稿記事が、Yahoo! JAPAN トップページに
225
ある「みんなのアンテナ」コーナーの紹介対象に加わる。本取り組みを
行う事で、Yahoo! JAPAN はユーザーに対して提供する CGM サービス情
報の拡充を行う。「nanapi」は現在、ユーザー数を順調に伸ばしており、
更に多くのユーザー数増加が期待される。
また両社は、広告分野においても連携を行い、Yahoo! JAPAN からの誘導
遷移で発生した広告収益を両社で分配し、双方の利益拡大につなげてい
く。
今後も CGM サービスにおいて、付加価値の高い情報をより多くの利用者
に提供することを目指す。
本提携開始時における具体的内容
・「みんなのアンテナ」の紹介対象に「nanapi」を追加。
(但し、記事の掲載は「みんなのアンテナ」編集部による。また「nanapi」
の紹介箇所、紹介方法については変更の可能性あり)
・Yahoo! JAPAN からの誘導遷移で発生した広告収益を両社で分配。
226
(15) ハートランド・データ株式会社
企業名
ハートランド・データ株式会社
代表者名
代表取締役社長
設立年
昭和 57 年 1 月 18 日
本社所在地
栃木県足利市福居町 361
事業概要
ソフトウェアの受託開発、ホームオーディオやカーオーディオに採用さ
れている高速リッピングやワンセグ等の各種ソリューションの開発、組
込み機器開発者向け通信ラインモニタ等の自社製品の開発・販売。
ホームオーディオ、エンターテイメント等に応用される音響分野の高品
質化を支える技術を強みとする。
沿革・業績等
2008 年 8 月、株式会社ワイズマンへ M&A により会社を譲渡、100%子会
社となる。売上高の推移は以下のとおり。
4 億 2900 万円(2013 年 3 月期)
4 億 1200 万円(2012 年 3 月期)
3 億 8000 万円(2011 年 3 月期)
落合 亮
従業員数
52 名
資本金
3,200 万円
■デジタルオーディオ関連ソリュ
ーション
高速リッピングやワンセグ等の各
種ソリューション、高速エンコード
ィング製品を提供。
注目製品
・サービス
■動的テストツール DT10
「DT10」は、組込みソフトウェア
向け開発ツールである。ターゲット
機器の動作を止めずにトレース情
報を取得し、実行経路解析、動的カ
バレッジ解析、処理時間計測などを
一度に行うことで、テスト効率の飛
躍的な向上を可能にした。
227
(WEB サイト)
http://hldc.co.jp/
(16) 株式会社エヌエスティー
企業名
株式会社エヌエスティー
代表者名
代表取締役社長 服部貴應
従業員数
80 名
設立年
昭和 60 年 10 月 28 日
資本金
5,000 万円
本社所在地
静岡県浜松市北区新都田四丁目 3 番 1 号 テクノポリス内
事業概要
検査・計測・測定装置、FA システム、無人化・省電力化装置、各種制御
装置の開発・設計・製造
沿革等
平成 24 年、東京営業所開設
注目製品
・サービス
大手メーカーが応じないようなカ
スタマイズを得意とする。従業員の
うち 7 割をエンジニアが占めるた
め、自社で企画提案から開発・設
計・試作・量産・保守まで、一貫し
たソリューションの提供が可能。
測定・検査・計測技術や制御技術に
秀で、高精度・高速度・高安定度は
もとより、低コスト化・コンパクト
化に加え、洗練された操作性で、高
い評価を得ている。
ソフトウェア開発に関しては、基板
製作や組込みソフトからアプリケ
ーションソフトまで、お客様のニー
ズに応じて対応する。
同社では、自社の技術をアトラクシ
ョン等、アミューズメント分野にも
展開している。
連携先
ユーザー企業
ジョイポリス
228
危険体験装置
(http://www.nst-co.com/)
(17) 株式会社テクノサイト
企業名
株式会社テクノサイト
代表者名
代表取締役 大久保節夫
従業員数
173 名
設立年
平成 2 年 11 月
資本金
6,000 万円
本社所在地
静岡県島田市本通 5 丁目 4 番 4 号
事業概要
情報システム構築コンサルティング、PC ソフト開発、ネットワーク構築
サポート、大型汎用機基本ソフト開発、インターネットビジネス、コン
ピュータ運用サービス、ゲームソフト開発、電子玩具の企画~生産、マ
イクロコンピュータソフト開発
業績等
近年の業績の推移は、以下のとおり。
平成 21 年
159,500 万円
平成 22 年
166,000 万円
平成 23 年
162,500 万円
平成 24 年
176,200 万円
平成 25 年
215,952 万円
平成 26 年
187,893 万円
■ゲーム部門
LCD ゲームを中心に、アニメのな
りきり玩具やハイエンドユーザ向
けの玩具など様々なジャンルのア
イテムの開発を実施。
注目製品
・サービス
■開発部門
選挙投票率集計システムをはじめ、
安否確認システム、企業向けシステ
ムの企画・設計・開発・運用・保守
を幅広く行っている。
■マイコン部門
家電製品や車載機器に組み込まれ
ているマイコンの制御ソフトの開
発を実施。
229
ゲームアプリ
(http://www.technosite.co.jp/)
2.
IT を活用したイノベーション創出事例の事業者ヒアリング
2.1
調査概要
本調査では、前節の IT を活用したイノベーション創出事例調査の結果から、成長分野
において IT を活用して新たなイノベーションを創出している事例を選定し、商品・サー
ビスを提供している事業者(大手・中堅ユーザー企業 10 社程度)及び中堅・中小 IT 関
連企業(10 社程度)に対して、ヒアリング調査を実施した9。
ヒアリング調査では、商品・サービスを提供している事業者(大手・中堅ユーザー企
業)に対しては、IT 利活用の動向とともに、中堅・中小 IT 関連企業との連携の実態や
課題、今後の意向等について尋ねた。また、中堅・中小 IT 関連企業に対しては、新たな
製品・サービスを生み出すための取組の状況やそのポイント、取組を進める上での課題
などを尋ねた。以下には、ヒアリング調査の概要と結果を示す。
(1) 調査対象企業
今回のヒアリング調査対象の企業は、以下のとおりであった。
商品・サービスを提供している事業者(ユーザー企業)の選定にあたっては、本調査
で成長分野として注目する4分野を意識し、ヘルスケア関連産業として食品関連業と製
薬業を、環境・エネルギー関連産業としてライフライン・インフラ業を、先端ものづく
り関連産業として製造業を、クリエイティブ関連産業として通信・放送業と広告・メデ
ィア業を選び、それぞれの業種の企業にヒアリング調査を実施した。
表 3-4
ヒアリング調査対象企業①(商品・サービスを提供している事業者)
業
9
10
種
従業員規模10
1
食品関連業
約 05,500 名
2
製薬業
約 04,000 名
3
ライフライン・インフラ業
約 08,500 名
4
ライフライン・インフラ業
約 08,000 名
5
製造業
約 23,000 名
6
通信・放送業
約 10,000 名
7
通信・放送業
約 250 名
8
広告・メディア業
約 500 名
9
広告・メディア業
約 07,500 名
本調査にご協力をいただいた企業の皆様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げたい。
調査実施時点(2014 年 11 月~3 月)の公表情報による。原則として、単体・正社員のみ。
230
中堅・中小 IT 関連企業としては、独自の IT サービスや製品を提供している企業のほ
か、既存のビジネスモデルの変革に取り組んでいる企業や変革に向けた問題意識の高い
企業を対象として選定した。
表 3-5
ヒアリング調査対象企業②(中堅・中小 IT 関連企業)※50 音順
企業名
従業員規模11
設立年数
1
NSW テクノサービス株式会社
320 名
1990 年
2
株式会社エヌエスティー
080 名
1985 年
3
株式会社カブク
(非公開)
2013 年
4
株式会社コンセプト・スクリプト
002 名
2013 年
5
株式会社詩林堂
004 名
1994 年
6
株式会社テクノサイト
173 名
1990 年
7
株式会社日本コンピュータコンサルタント
252 名
1980 年
8
日本ノーベル株式会社
120 名
1980 年
9
ハートランド・データ株式会社
052 名
1982 年
10
株式会社フュートレック
056 名
2000 年
11
株式会社マップソリューション
010 名
2002 年
(2) 調査項目
ヒアリング調査の調査項目は、以下のとおりであった。
商品・サービスを提供している事業者(ユーザー企業)に対しては、表 3-6 のとおり、
中堅・中小 IT 関連企業との連携の実態のほか、今後の連携可能性等について尋ねた。ま
た、昨今、オープンイノベーションに関する取組を展開しているユーザー企業に対して
は、取組の概要のほか、ベンチャー支援等を実施している場合に、そのような支援を受
けるポイントについても尋ねた。さらに、中堅・中小 IT 関連企業によるイノベーション
創出のための支援策の実現に向けた行政の支援施策に対する意見等もあわせて尋ねた。
また、中堅・中小 IT 関連企業に対しては、表 3-7 のとおり、独自の製品・サービス
を有している中堅・中小 IT 関連企業のビジネスモデルのほか、新製品・サービスの創出
に向けた具体的な取組の内容や、競争力を維持し続ける上でのポイント、組織(制度)
的な取組などについて、尋ねた。また、中堅・中小 IT 関連企業に対しては、知的財産の
活用の状況や課題についてもあわせて尋ねた。
11
調査実施時点(2014 年 11 月~3 月)の公表情報による。原則として、単体・正社員のみ。
231
表 3-6
ヒアリング調査項目①(商品・サービスを提供している事業者(ユーザー企業))
(1) IT 企業との連携体制
(2) 中堅・中小 IT 関連企業との連携の実態
①
大手 IT 企業と中堅・中小 IT 企業との比較
②
中堅・中小 IT 関連企業との連携実績
③
中堅・中小 IT 関連企業との連携のきっかけ
④
中堅・中小 IT 関連企業との連携の際に重視するポイント
⑤
業種固有の知識について
⑥
中堅・中小 IT 関連企業との連携に対する関心
(3) 中堅・中小 IT 関連企業との連携可能性
①
ビッグデータ等のデータ分析・活用業務の参入可能性
②
中堅・中小 IT 関連企業に対する提案
(4) オープンイノベーションに関する先進的な取組について
①
オープンイノベーションに向けたユーザー企業の取組
②
大手ユーザー企業からのベンチャー支援を受けるポイント
(5) 行政の支援施策に対する意見
表 3-7
ヒアリング調査項目②(中堅・中小 IT 関連企業)
(1) 独自の製品・サービスを有している中堅・中小 IT 企業のビジネスモデル
①
競争力を維持し続けている企業
②
ビジネスモデルの転換を実現した企業
(2) 新製品・サービスの創出に向けた取組
①
新製品・サービス創出の背景にある経営層の考え方
②
新製品・サービス創出のきっかけ
③
アイディアを考える上でのポイント
④
アイディアを実現する体制
(3) 競争力を維持するポイント
①
取組の継続
②
人脈の重要性
③
販路拡大
④
撤退の決断
(4) 組織的な取組
①
事業開発体制の構築
②
社員の評価
(5) 知的財産の活用について
(6) 従来型の中堅・中小 IT 企業のビジネス変革に向けて
232
調査結果
2.2
以下には、ヒアリング調査の結果を、
「商品・サービスを提供している事業者(ユーザ
ー企業)」と「中堅・中小 IT 関連企業」に分けてそれぞれ示す。
2.2.1
商品・サービスを提供している事業者(ユーザー企業)
成長4分野において商品・サービスを提供している事業者(ユーザー企業)に対して、
中小・中堅 IT 関連企業との連携の実態や今後の可能性を尋ねたところ、その結果は以下
のとおりであった。
(1) IT 企業との連携体制
ユーザー企業と中堅・中小 IT 関連企業の連携実態について尋ねる前に、大手 IT 企業
を含む IT 企業との連携体制について尋ねたところ、次のような回答が得られた。特に規
模の大きなユーザー企業では、主要な連携先 IT 企業をパートナー企業等として固定化し
ている場合が多い。過去の長期的な信頼関係に基づき、パートナー企業が固定化されて
いることも多く、中堅・中小 IT 関連企業の新規参入という観点から見ると、パートナー
企業等としてのポジションを獲得することは非常に狭き門であるとみられる。
 当社の IT 子会社と連携する IT 企業(10 社程度)をパートナー企業として位置
づけており、これらの中には、大手 IT 企業も中堅・中小 IT 企業も含まれている。
パートナー企業は、当社の IT 子会社が 20 年以上にわたる長期の間に信頼関係を
築いてきた企業であり、かなり固定化されている。まれにパートナー企業の交替
があるが、その場合も過去に取引の実績があるところが優先的な候補になる。
 当社から発注する中小 IT 企業(10~50 名)は、当社のパートナー企業(20 社程
度)として固定化されている。パートナー企業全体の従業員は、当社と同じくら
いの規模に上る。パートナー企業はかなり固定化されており、あまり変化や入れ
替えはない。現在のパートナー企業とは長期的な付き合いが続いている。
 過去に数多くの IT ベンダーと取引する中で、IT ベンダーの数が多すぎるのは望
ましくないという議論があり、最近では、取引先の IT ベンダーを適切な数に絞
っている。全体としては大手 IT 企業が多いが、必要に応じて、技術力のある小
規模な IT 企業と連携することもある。
(2) 中堅・中小 IT 関連企業との連携の実態
① 大手 IT 企業と中堅・中小 IT 企業との比較
主要なシステムに関する中堅・中小 IT 関連企業との連携の実態を尋ねたところ、主な
回答は以下のとおりであった。大規模なユーザー企業ほど、システムの信頼性や継続性
を重視する傾向があり、ミッションクリティカルな基幹システムについては、リスク等
233
を総合的に判断すると、中小 IT 企業ではなく大手 IT 企業に発注せざるを得ないという
回答が複数得られた。また、グローバル展開を行っている企業で、グローバル対応が求
められる場合も、大手 IT 企業への発注が中心となっている。
 ミッションクリティカルなシステム(システムダウンが命取りとなるシステム)
の保守は、やはり大手 IT 企業に依頼したほうが、信頼性が高い。
 大規模な基幹システムの場合、例えば 100 名、200 名といった規模で技術者が必
要であり、こうした業務を 100 名の規模の中小 IT 企業にお願いすることはそも
そも難しい。
 大規模なシステム開発については、必要な要員数が多いため、要員の確保が可能
な大手 IT 企業に依頼する。
 完成形がイメージできないほど大規模なシステムは、失敗した場合、自社で引き
取ることが不可能である。このような大規模システムについては、最後まで責任
を持って完成していただくために、やはり大手 IT 企業にお願いせざるを得ない。
 企業の基幹となる IT インフラについては、信頼性の観点から大手 IT ベンダーの
パッケージソフトを選ぶことが多い。そのため、サポートについても、製造元に
近い企業に依頼することが多く、依頼先は大手 IT ベンダーが中心である。
 業務の基幹となるシステムについては、スクラッチで一から開発することはほと
んどない。グローバル展開に対応するために、新規システムには当然グローバル
標準に対応したパッケージを用いる必要があり、IT ベンダーもグローバルに対
応できるところと連携している。当社のようなグローバルな業界の基幹システム
については、実質的には中小 IT 企業の参入は難しいのではないか。
 製品に組み込まれるソフトウェアは、大手 IT 企業と連携しているケースがほと
んどである。製品のテストに関するソフトウェアであれば、中小 IT 企業にも参
入の可能性があると思うが、製品そのものに搭載されるソフトウェアとなると、
製品として 10 年以上使われることになるので、中小 IT 企業がそれを保証できる
のかという点が大きな課題となる。
 サービスインする以前の研究段階でのアプリケーションの開発を、技術力を持っ
た中小 IT 企業に依頼することは可能であるが、サービスインした後は、システ
ムダウンの影響がきわめて大きくなってしまうため、パートナー企業以外の企業
に依頼することは難しいのが実情である。
 IT 部門ではクラウド等の比較的新しい技術も導入しやすいが、現場の事業部門
では、既存のシステムの再構築や老朽化対応が多く、既存のシステムを知ってい
る企業でないと参入は難しい。
 初めて取引をする中小 IT 企業とは、十分な信頼関係が無いため、例えばデータ
漏えい等のリスクに対する懸念もある。発注先を選ぶ際に、特に経営層は、大手
IT 企業のほうが、信頼感があると考える傾向が強い。
234
② 中堅・中小 IT 関連企業との連携実績
一方で、大手ユーザー企業であっても、ミッションクリティカルではないシステムや
ニッチな領域のサービスなど、一部の業務については、中小 IT 企業や IT ベンチャーの
機動性や柔軟性、コストの安さ、機能の独創性などを評価して、積極的に活用している
という実態も明らかになった。その具体例を以下に示す。
 2~3日の間システムが止まっても、それほど大きな影響が出ないシステムにつ
いては、コスト減を狙って中小 IT 企業やベンチャーに発注することもある。
 大手 IT 企業を経由して中小 IT 企業に発注されていた販売管理システムを、当社
から中小 IT 企業に直接発注するように変更したケースもある。中小 IT 企業のほ
うが、大手 IT 企業よりも機動性が高く、コストが安い。
 当社独自の計算が必要な給与管理システムの運用・保守を、中小 IT 企業に発注
している。このシステムは、現状ではこの企業しか担当できない。
 現在、契約管理システムについては、IT ベンチャーが提供するシステムを活用
している。このシステムは、IT ベンチャー側が、先行投資的に当社用にカスタ
マイズしたシステムを構築し、実際に見せてくれたため、本当に当社で使えるか
どうかを十分に判断することができ、安心感があった。
 中小 IT 企業は、大手 IT 企業に比べて、コストが安いほか、スピードがあり、柔
軟に対応してくれることが多い。
 IT ベンチャー企業は、大手 IT 企業と異なり、バグがあれば即座に対応してくれ
ることが多い。また、大手 IT 企業にはない独創的な面白いパッケージソフトを
持っている。リスクの少ない業務については、これからもぜひ面白いパッケージ
を積極的に取り入れたいと思っている。
 必要な要員数が多い大規模なシステム開発は、大手 IT 企業に依頼するが、その
後の運用は、コスト面を考えて中堅・中小 IT 企業に依頼することが多い。
 サービスインする以前の研究段階でのアプリケーションの開発を、技術力を持っ
た中小 IT 企業に依頼することは可能である。
 ニッチな領域については、中小 IT 企業でも専門性の高い企業に依頼することは
ある。例えばプロジェクトマネジメントについては、専門性が高く当社での実績
も豊富な方に依頼することがある。
 大手 IT 企業から独立・転職した人材など、優秀で能力が高い人材が活躍してい
る IT ベンチャーは多い。大手 IT 企業が気づかないような部分に気づいてくれる
“気の利く IT ベンチャー”は、当社にとっても非常にありがたい存在である。
 ユーザー企業の中でも、技術力が高い企業は、規模の大きなシステムであっても、
中小 IT 企業や IT ベンチャーに分割して発注し、自社でそれを取りまとめること
が可能な場合がある。そこは、ユーザー企業の技術力の違いともいえる。
235
その他、IT 企業の規模よりも、実質的には「個人」を基準に連携先が選ばれていると
いう指摘もみられた。
 大手 IT 企業であっても、担当の SE が突然辞めてしまい、次の担当者に十分な
引き継ぎも行われず非常に困ったという経験がある。そのような意味では、大手
だからといって完全に安心できるわけではない。大手でも中小でも現場で形成さ
れる信頼感は、担当者個人に対するものであることが多い。そのような意味では、
大手でも中小でも、業務が属人化する傾向はある。
 他社との差別化を図る上で重要なマーケティングやリサーチの部門では、研究補
助員として IT ベンダーのエンジニアを派遣してもらっている。研究補助員は、
研究員について解析などの研究業務の一部を担当する。大手・中堅 IT ベンダー
からの派遣が多いが、企業規模等の企業の属性よりは、研究業務に対応できるか
というエンジニア個人のスキルが重視される。
③ 中堅・中小 IT 関連企業との連携のきっかけ
中堅・中小 IT 関連企業にとっては、ユーザー企業との連携のきっかけが重要である。
こうした観点から、現在、ユーザー企業が取引している中堅・中小 IT 関連企業とのきっ
かけを尋ねたところ、以下のような状況が把握された。全体としては、以前からの取引
実績によって信頼関係がすでに形成されていることが前提となっているほか、すでに取
引実績がある企業からの紹介や口コミなどが主要なチャネルとなっているのが実態とみ
られる。
 大手 IT 企業の傘下で中小 IT 企業が業務に参画している場合に、10 年くらいの
長い付き合いを経て、相手の企業の実力も分かり信頼関係ができると、部分的な
業務が切り出せる場合や小規模な業務については、大手 IT 企業を経由せず、直
接中小 IT 企業に発注することがある。大手 IT 企業との関係にも配慮する必要は
あるが、適切な規模の業務であれば、大手 IT 企業に発注するよりもコストが押
さえられる。
 中小 IT 企業や数名の規模の IT 企業とも取引はあるが、好んで中小 IT 企業を選
んでいるというより、信頼関係のある担当者が別の企業から分社化したり、スピ
ンアウトしたというケースがほとんどである。そのような意味では、当社と中小
IT 企業は「人」を介してつながっており、依頼したい人材が現在は中小 IT 企業
に所属しているということが多い。過去に取引がなかった中小 IT 企業と新規に
取引を始めたというケースは、ほとんど聞かない。
 取引先企業からの紹介や大手 IT ベンダーからの紹介、パッケージを購入した企
業からの紹介等により、中小 IT 企業を紹介されて発注したケースはある。そこ
236
で高いパフォーマンスを挙げた中小 IT 企業と取引が続くこともある。
 IT ベンチャーとの出会いは、同業他社からの口コミが主体。
 中小 IT 企業や IT ベンチャーからの飛び込み営業は週に何十件とあるが、当社側
が興味を持つというケースはほとんどない。当社として取組の必要性に迫られた
際に、その技術やノウハウを持っている企業を探すという流れが多い。
 中小 IT 企業から営業の電話を受けることがあるが、業界の常識的な専門用語を
知らなければ、依頼することは難しいと判断し、その場で電話を切ってしまう。
営業機会にまで発展しないことがほとんどである。
 飛び込み営業に訪れた中小 IT 企業の話を聞くこともあるが、偶然その企業の提
案が自社のその時点でのニーズに合っていたということがなければ、取引に発展
することはあまりない(過去にまったく無いわけではない)。実態としては、過
去に何らかの形で付き合いがあった中小 IT 企業への発注が多い。ただし、営業
があった中小 IT 企業の名刺は保管している。話を聞いた時点では特にニーズが
なくても、しばらく(例えば5年ほど)経ってから適切な業務が発生し、突然相
談してみることもある。
④ 中堅・中小 IT 関連企業との連携の際に重視するポイント
中堅・中小 IT 関連企業との連携の実現に重視・考慮するポイントとしては、担当者個
人に対する信頼感のほか、倒産リスクに対する見通しや人的リソースが限られているこ
とへの対応などが挙げられた。実際に中堅・中小 IT 関連企業と連携している大手ユーザ
ー企業の中には、リスクに対する慎重な対応を求めるケースもみられた。また、IT ベン
ダー等の活用のためには、ユーザー企業自身にも“目利き力”が必要であるという指摘
もみられた。
 IT ベンチャーなどの小規模な企業にお願いする場合は、担当者個人の能力を評
価して発注する場合が多い。大手 IT 企業のように「この会社に任せられるか」
という観点ではなく、「この人に任せられるか」という判断が主体になる。
 できるだけ長期間活用したいと思っているシステムの場合、中小 IT 企業のパッ
ケージ製品やサービスを使うと、10 年後もその企業が存続しているかという倒
産リスクを考慮しなければならない。パッケージソフトでもサポートは重要なた
め、経営状態や他企業との取引状況を含めて倒産リスクは厳密に判断せざるを得
ない。
 中小 IT 企業への発注の際は、会社が倒産するリスクも考慮する必要がある。現
在発注している IT ベンチャーの中には、倒産した場合は、バックアップデータ
を大手 IT ベンダーにそのまま移行できることを提案した企業もあり、その点が
評価して採用されたケースもある。
237
 業界固有の知識が求められるシステムを5名程度の小規模 IT 企業に発注したと
ころ、コストが大幅に抑えられたのはよかったが、社長と連絡が取れない、社長
が倒れてしまったなどの“社長リスク”が顕在化して問題となり、結局は大手
IT 企業に任せることになってしまった。
 自社内の管理部門への報告が求められるということもあり、数名程度の小規模な
IT 企業についても、年に2回くらいは相手先企業を訪問し、経営状態等も確認
する。従業員が2名しかいない企業に重要なシステムをお願いした際、その企業
の社員が出張するときは、新幹線や航空機の同じ便に乗らないように依頼してい
た。かなりの“おせっかい”であることは承知しているが、その企業に何かがあ
ったときの当社側の影響の大きさを考えると、相当に慎重にならざるを得ない。
 中小 IT 企業は、人員も限られているため、何かあったときに連携できる“連携
先企業”があるかどうかも重要である。必要に応じて人員を増員できる柔軟な企
業のほうが、発注する側としては安心できる。
 IT ベンチャーに発注する場合は、ユーザー企業側に、そのベンチャーの実力を
適切に評価する“目利き力”が必要である。
⑤ 業種固有の知識について
今回のヒアリング調査では、各分野・業界への参入にあたり、業界固有の業務知識が
どの程度必要なのかという点についても把握を試みた。その結果、対象となる業界やシ
ステムによっても大きく異なるものの、必ずしも業界固有の知識を求めないケースもあ
ることが把握された。
 業界特有の慣行などもあるため、IT 企業にも同じ業界の知識があったほうが仕
事は依頼しやすいが、同業他社に情報が“筒抜け”になるのも困るので、まった
く違う業界と取引しているほうが安心できるという面もある。(食品関連業)
 中小 IT 企業から営業の電話を受けることがあるが、業界では常識的な専門用語
を知らなければ、その場で電話を切ってしまう。前提となる制度等を知らなけれ
ば、この業界のシステムに携わることはそもそも難しい。(製薬業)
 業界特有の知識が必要なシステムもあれば、そうではない一般的な業務関連のシ
ステムもあり、必ずしも業界固有の知識が必要なわけではない。
(通信・放送業)
 業界の慣習や固有の知識が求められるシステムも一部にはある。このようなシス
テムは、すでに実績のある大手 IT 企業が得意としている場合が多いが、まれに
中小 IT 企業の安いパッケージ等を使ってみることもある。(通信・放送業)
 業界固有の知識が必要であることも多い。業務システムは、一般の企業に比べて
特殊なため、パッケージソフトは使わず一から開発することが多い。(広告・メ
ディア業)
238
(3) 中堅・中小 IT 関連企業との連携可能性
① 中堅・中小 IT 関連企業との連携に対する関心
大手ユーザー企業の中には、現在の連携実績は少なくても、今後の中堅・中小 IT 企業
や IT ベンチャーとの連携に関心を持っている企業もある。そのようなユーザー企業の例
を以下に示す。ユーザー企業によっては、IT 部門の担当者が、常日頃から IT ベンチャ
ーのサービス等について関心を持って動向把握に努めているケースもみられた。
以下の結果から、中堅・中小 IT 企業や IT ベンチャーに対しては、コストダウンのほ
か、先端的な技術領域、新しい発想や新規ビジネスのアイディア等が期待されているこ
とがうかがえる。
 システム開発等を外部に依頼する際の IT 企業は大手企業が中心であるが、コス
トダウンや新しいアイディアを取り入れるといった意味を含めて、もっとスター
トアップや IT ベンチャーと連携したいという意欲は高い。最近注目されている
IT ベンチャー企業については、日頃から関心を持ってウォッチしている。
 当社のようなシステム部門の人数が少ない企業では、今後重要な技術分野や注目
されている技術分野に対して力を入れることは難しい。そのような当社でカバー
できない先端技術を補ってくれる IT ベンチャーを、常日頃から探している。
 当社自体が、それほど大きな企業ではないので、大手 IT 企業を重視したいとい
う意識はそれほどない。ミッションクリティカルなシステムでなければ、コスト
や機能を優先したい。当社では得られないノウハウや能力を持っている IT ベン
チャーとは、積極的に連携したい。
 サービスインする以前の研究段階で、アプリケーションの開発を、技術力を持っ
た中小 IT 企業に依頼することは考えられる。
 ユーザー側では、IT 企業の製品ライフサイクルに合わせて製品をアップグレー
ドするのが難しいことがある。そのため、大手 IT ベンダーがサポートを終了し
たパッケージソフトの保守についてはニーズがあり、そうした領域を担当できる
中小 IT 企業があれば、ぜひ依頼したい。
 これまでは、大手 IT 企業にシステム開発を発注する場合、すべての業務を管理
も含めて丸ごとお願いするケースが多かったが、これからは、部分的に中小 IT
企業に発注することも考えられる。その場合、開発の進捗管理等を自社で行うこ
とになるが、そのほうが進捗状況もより見えやすいのではないかと思っている。
 当社側で管理業務が増えても、現状では、プロジェクトマネジメントを担当でき
る人材が少ない。ある程度規模の大きなシステム開発のプロジェクトマネジメン
トができる人材が中小 IT 企業にいればニーズが高い。
 大手企業の間で知名度の高い、勢いのある IT ベンチャーもある。取引先の選定
に慎重な当社では、おそらくそのような知名度の高いところから付き合いを始め
る可能性が高い。同業他社からの紹介等があることも重要である。誰も知らない
239
が技術力が高いといった IT ベンチャーを自力で探し当てて取引を始めることは
可能性としては低いと思われる。
 新しいビジネスの提案については、現状では、大手 IT 企業からの提案を受ける
ことが多いが、必ずしも大手企業である必要はないと考えている。ビジネスに関
する企画・構想段階では、発想が新しい IT ベンチャーともぜひ連携してみたい。
 先端的な技術や面白いアイディアを売り込みに来る IT ベンチャーは多い。当社
での新しい事業につながる可能性もあると思い、積極的に話を聞いているが、非
常に面白いものの、具体的に当社の課題解決や新規ビジネスにつながるような提
案は少なく、まだ実績にはつながっていない。
 よく「モノ」と「コト」が区別されるが、ある製品(モノ)そのものを提案され
ることはあっても、その製品をどう使うのが当社にとってよいのかというストー
リー(コト)までを含めた提案を聞くことは少ない。システム全体を視野に入れ
たアーキテクチャも含めて「コト」が提案できると、魅力的な提案になるのでは
ないか。
 サービスについては、面白いサービスを提供するベンチャー企業が数多く注目さ
れつつある。インフラやミッションクリティカルなシステムを小規模な IT 企業
が担うことは難しいかもしれないが、こうした独創的なサービスであれば、いく
らでも小規模な IT 企業の参入の余地はある。
 当社の業界も含めて、社会や制度は大きく変化しつつある。そのような中、新し
い IT ベンチャーからは、大手 IT 企業では発想できないアイディアが生まれる可
能性がある。既存の制度や仕組みにとらわれず柔軟な発想が可能な IT ベンチャ
ーは、今後ますます社会に求められる存在になるのではないか。
② ビッグデータ等のデータ分析・活用業務の参入可能性
最近特に注目を集めているビッグデータの分析・活用等に関する業務については、大
手 IT ベンダーも模索中の段階であり、中堅・中小 IT 企業や IT ベンチャーの参入の余地
があると考えるユーザー企業が多い。この分野におけるユーザー企業との連携にあたっ
ては、データ分析に関する製品やツールの提案以上に、
「そのユーザー企業において、そ
のツールがどう活用できるのか」という具体的なソリューションを期待しているという
意見が多く寄せられた。
 データ分析系の業務については、中小 IT 企業の参入の余地は大きいのではない
か。大手 IT 企業も、ビッグデータ関連の業務は最近始めたばかりであり、まだ
あまり経験豊富とはいえないように思う。
 データ活用については、まだこれからの領域であり、中小 IT 企業にとっても十
分に参入の余地があるのではないか。当社としても、企業規模にかかわらず、こ
240
の領域を得意とする企業と今後連携したいと考えている。
 ビッグデータの可能性については、当社も当社の IT 子会社も非常に興味を持っ
ており、中小 IT 企業やベンチャー企業の提案を受けるだけでなく、当社側から
も主体的に関係を築こうとしている。
 ビッグデータは、ニーズよりもシーズ先行になっている状況であり、データを使
って何が実現できるのかという点は難しい。特にデータの中には、個人の生活が
見える機微なデータもあり、それを活用したビジネスの検討は非常に難しい。
 ビッグデータについては、最近特に提案が多いが、当社でどう使えるのかという
点に踏み込んだ提案が少ないため、提案を聞いても、その活用方法が具体的に見
えず、残念ながら採用につながらないのが実情である。
 データ分析系の業務については、分析ツールに関する営業は多いが、ソリューシ
ョンやサービスに関する営業は少ない。当社にとって有益なソリューションがあ
れば、ぜひ活用を検討したいと思っている。
③ 中堅・中小 IT 関連企業に対する提案
今回のヒアリング調査では、中堅・中小 IT 関連企業と接しているユーザー企業から、
以下のような中堅・中小 IT 関連企業に対する助言や提案も得られた
 中堅・中小 IT 企業の営業の際は、
“何でもできます”という売り込み方より、何
でもよいので何か特徴を打ち出したほうがよい。“何でもできます”と言われる
と、特徴がないような印象を受けてしまい、結果的にあまり記憶に残らないこと
が多い。
 中小 IT 企業が集まって組織化し、人材登用の仕組みをつくれば、大手企業から
の発注を受けやすくなるのではないか。その場合は、各人材が持っているスキル
や資格、経験(どのようなポジションで何をしたか)などを、できるだけ可視化
しておくことが望まれる。業界についての常識的な知識を持っているかどうか
(過去に業務経験があるかどうか)も分かるようになっているとよい。
 現在でも、面白いサービスや高い技術力を持っている中小 IT 企業はあるが、
“売
り方”を十分に知らないのではないかと感じることがある。特に経営者の年齢が
高いと SNS や WEB を効果的に活用した販売方法を知らないことがあるように見
受けられる。
 老舗の中小 IT 企業があまり成長しない場合に、
「上場まではしなくてよい」など
と、経営者が現状で満足していることもある。若手が立ち上げた IT ベンチャー
と比べると、売り込みの必死感が異なると感じることもある。老舗の中小 IT 企
業は、急成長している IT ベンチャーの現状を知り、もっと危機感を持ったほう
がよいと思うこともある。
241
(4) オープンイノベーションに関する先進的な取組について
① オープンイノベーションに向けたユーザー企業の取組
ユーザー企業の中には、各種コンテストやベンチャー支援など、社外の知見を活用す
るためのオープンイノベーションに関する取組を進めている企業がある。今回の調査で
は、これらの企業に対してもヒアリング調査を実施し、その成果やオープンイノベーシ
ョンにおける中小 IT 企業やベンチャー企業等の可能性についても把握を試みた。
 ビジネスのアイディアは、最近はオープンイノベーション(例えばアイディアソ
ンやハッカソン)で仕入れたほうが、自分たちで考えるものよりも面白いものが
集まる。特に学生などの若い人材の柔軟な発想は、非常に面白いことが多い。
 当社初の試みとして、社外の知見を活用するためのアプリコンテストを実施し
た。世間の多様なニーズを収集したり、いろいろなアプリがあり得るという可能
性を示したりする意味で一定の成果はあった。今後、このような取組を継続すれ
ば、自主的に質の高いアプリが数多く生み出されることが期待できる。
 現在、自社の業界では、競合他社間で大きな差をつけることが難しくなっている。
今後の競争力の源泉はアプリケーションにあると言われており、人気のあるアプ
リを生み出すことが大きな課題となっている。こうした問題意識に基づき、アプ
リを開発する IT ベンチャーに対する支援を行っている。すぐに直接的なリター
ンにつながらなかったとしても、今後イノベーションを起こす可能性を持ってい
るベンチャー企業と幅広くつながりを持つことができればよいと考えている。
 最近になって、大手ユーザー企業にも声をかけ、スタートアップ(ベンチャー企
業)と大手企業が連携して新たなアプリケーションを生み出すための支援を開始
した。近年、イノベーションの促進や新しいアイディアの創出は、既存の大手企
業にとっても大きな課題となっており、この課題に応えるために大手企業の参画
も有望と考えた。この取組は、大手企業のイノベーション創出支援という面でも、
一定の成果を挙げている。
 スタートアップ(ベンチャー企業)は、大手企業にはない先端的なテクノロジー
や面白いコンセプトを持っている。しかし、人材や資金等のリソースが十分では
ないため、ビジネスを拡大しようとすると、本来の強みである開発に注力できな
くなってしまう。特に B to B ビジネスは手間がかかるため、体力の無いベンチ
ャー企業が B to B に参入することは非常に難しい。そのような可能性を秘めて
いるベンチャー企業を連携してサポートし、B to B ビジネスも含めて、これまで
にない新しいビジネスを立ち上げたいと考えている。
 日本のスタートアップ支援は、海外に比べるとやや保守的である。例えば、米国
などでは実現可能性がまったく未知数の技術に対しても投資する投資家が存在
する。日本では、実現可能性が未知数の技術に対して投資が行われることは珍し
く、リスクの取り方がやや保守的である。
242
② 大手ユーザー企業からのベンチャー支援を受けるポイント
今回のヒアリングでは、ベンチャー等の中小 IT 企業支援を実施しているユーザー企業
から、支援のポイントについても意見が寄せられた。それらのポイントを以下に示す。
ユーザー企業からは、自社の製品・サービスによって解決したい課題や自社が提供す
る価値を明確にしておくことに加えて、コンセプトを実現できるだけの技術を実装して
おくことなどの助言が得られた。
 技術が高度である企業よりも、アイディアが面白い企業のほうが採択されやす
い。どのような課題を解決したいのかという課題志向で考えられたサービスのほ
うが、具体的で有望なサービスになる傾向が強い。
 スタートアップ企業の支援のポイントは、その企業が提供したいと思っている価
値に自社が共感できるかという点である。社会に対して何を提供したいと思って
いるのか、そのビジョンに共感できる場合は支援する意義があると判断できる。
支援を行う大手企業からのサポートを得たい場合は、社会に対して自社がどのよ
うな価値を提供したいのか(どのように社会を変えたいのか、どのように社会に
貢献できるのか)を、明確に説明できるようにしておくことが重要である。
 コンセプトを十分に実現できていない技術は多い。技術を中核とするスタートア
ップが外部からのサポートを得るためには、提供価値やコンセプトを明確に固め
るとともに、それを実現できるレベルにまで技術を実装しておく必要がある。実
装が完了していない技術に対する支援は、現実的には難しいことが多い。
 支援プログラムの期間(3~4ヶ月)内に、サービスが実際に形になりそうな企
業を採択している。実現可能性が低い場合、採択は難しい。
 スタートアップに関心を持つ場合、それは会社が面白いのではなく、その会社が
示すコンセプトやビジョンが面白いということであり、それは結局それを考えて
いる人材が面白いということである。したがって、スタートアップに対する評価
は、結局は人に対する評価であり、その個人を応援できるかどうかという点が、
支援の決め手となる。
 スタートアップ支援プログラムの選考時の面接では、期間内にサービスが実現で
きるかどうかという点とともに、応募者の「熱意」と「素直さ」を見ている。支
援するメンターなどの他人の意見に耳を傾けることができるという「素直さ」が
意外と重要である。
(5) 行政の支援施策に対する意見
今回のヒアリングでは、中堅・中小 IT 関連企業によるイノベーション創出を目指して、
行政として実施する支援に対する意見も寄せられた。特に新しいビジネスの創出を目指
すのであれば、近年数多く開催されているアイディアソンやハッカソン、コンテストの
ような形で、数多くのアイディアを集めることが重要であるという意見が挙げられたほ
243
か、アイディアを持つ人材同士が出会う場やユーザー企業と IT 企業が気軽に出会える場
があるとよいといった意見が寄せられた。
 新しいビジネスのアイディアは、最近はオープンイノベーション(例えばアイデ
ィアソンやハッカソン)で仕入れたほうが、自分たちで考えるものよりも面白い
ものが集まる。特に学生などの若い人材の柔軟な発想は非常に面白いことが多
い。(再掲)
 支援策を通じて新しいビジネスの創出を目指すのであれば、まずはとにかく数多
くのアイディアを出すという取組を進めたほうがよい。たくさんのアイディアが
出てくる中で、いつか化学反応が起き、ビジネスの芽が生まれる。まずアイディ
アを出さないことには何も始まらない。
 アイディアの創出を促すために、今の社会には、例えばコーヒーやお酒などを飲
みながら、ビジネスのアイディアについて気軽にディスカッションできるような
場が必要である。ファイナンスなどの本格的な計画を練る以前の段階で、まずは
同じ興味を持つ人同士が出会い、アイディアが活発に交換されるような場や機会
が必要である。
 中小 IT 企業から突然電話を受けて話を聞いて欲しいと言われても、なかなか会
って話を聞くというところまで発展しない。しかし、一度会ったことがある方だ
と、こちら側(ユーザー企業側)の対応も異なる。そのような意味では、コミュ
ニティのように中小 IT 企業や IT ベンチャーと出会える場所が重要である。一度
顔を合わせているだけでも、その後の対応は大きく変わる可能性がある。中小
IT 企業が大きなビジネスマッチングイベント等に頻繁に出展することは難しい
と思われるため、もっと気軽に出会えるような場を設定していただけるとよい。
 地域では、大学が重要な役割を果たしている。実際に大学の先生を中核として、
地域のコミュニティが成立しているケースもある。地域で新しいビジネスを生み
出す場合も、やはり大学が担う役割が鍵となるのではないか。
244
2.2.2
中堅・中小 IT 関連企業
中堅・中小 IT 関連企業については、独自の IT サービスや製品を提供している企業の
ほか、既存のビジネスモデルの変革に取り組んでいる企業や変革に向けた問題意識の高
い企業に対してヒアリング調査を実施した。その結果は以下のとおりであった。
(1) 独自の製品・サービスを有している中堅・中小 IT 関連企業のビジネスモデル
① 競争力を維持し続けている企業
独自の IT サービスや製品を提供している中堅・中小 IT 関連企業のビジネスモデルの
具体例を以下に示す。IT サービス分野において高い競争力を有している企業には、ニッ
チな領域や先端的でまだ誰も手がけていない領域にいち早く挑戦したという経緯を持つ
企業が多い。また、組込み分野では、難易度が高く幅広い業務でも対応できるような高
い技術力を有している企業のほか、企画・製造・販売まですべてを自社で手がけるよう
な創造性の高い企業が高い競争力を有している。さらに、いずれの企業も、自社の競争
力を高める戦略に対して積極的であり、新しい分野への挑戦に対する柔軟性も非常に高
いという特徴を持っており、これは競争力の高い企業に共通しているといえる。
 マイコンや制御システムを中核にして、ゲームやノベルティグッズの企画・販売
まで、多彩な事業を手がけている。社員が自分たちのアイディアで企画を実現す
る社風が知られて企業の人気も上昇し、新卒採用の際は全国から多数の応募があ
る。自社で企画から製造まですべて実現できる分野として、ゲームの企画・製造
に取り組んでいる。今後、販売能力さえ獲得すれば、自社で一貫したビジネスが
展開できる。まだ取組は途上ではあるが、規模の大きい海外市場を狙って挑戦を
続け、現在では米国の企業に提案するまでに成長している。
 当社では、ハード開発からソフトウェア開発まで一貫して行うことを重視してい
る。個別の工程の業務を請けることはなく、ハードの回路設計という基盤の部分
から上層のソフトウェアの開発まで全ての工程において顧客の要望に応えるこ
とを強みとしている。どのような企業でもできることは価格勝負になってしまう
ため、手を出さない。当社にしか作れないものを作ることが基本である。
 創業時より、上場企業と直接わたりあえるような技術力を持った企業を目指すと
いう企業理念を掲げており、それが今でも企業文化として深く根付いている。新
製品・新サービスを積極的に開発するという方針のもとで、過去にも様々な新製
品・新サービスを作り出してきた。その結果、年間 40~50 社程度の新規企業と
の取引を生み出している。既存顧客の売上がそのまま次年度に持ち越されるわけ
ではないので、新規企業との取引を継続的に生み出すことが重要である。どのよ
うな企業にも可能な業務はなるべく行わず、当社にしかできない領域の製品やサ
ービスを手がけることにしている。また、他の企業から不可能と言われた仕事に
も積極的に挑戦する企業であることを、日頃から顧客にアピールしている。
245
 当社では、GIS に外部データを重ね合わせたアプリケーションをインターネット
環境で提供している。類似のサービスは少ないため、大手企業の導入実績も多い。
このようなサービスがあったらよいのではないかというニーズを見つけ、類似の
サービスが少ないうちからアプリケーションを開発し、提供を始めた。以降、サ
ービスを拡大しながら、一定の市場を確立している。
 3D プリンタは、これまで設備を持った企業に限られていた「ものづくり」の可
能性を、設備を持たない中小企業や個人にも広げる“ものづくりの民主化”を起
こす可能性がある。このように大きな可能性を持った 3D プリンタと自社が得意
とする IT を組み合わせて、新しいサービスが生み出せるのではないかと考えた
のが起業のきっかけとなった。当社のビジョンに賛同していただいた大手企業と
も連携し、従来にない新しいものづくりのプラットフォームを提供している。
② ビジネスモデルの転換を実現した企業
長期間競争力を維持し続けている企業のほか、今回のヒアリング調査対象となった企
業の中には、以下のとおり、ビジネスモデルの転換に成功した企業もある。いずれも、
派遣業務を主体とするビジネスモデルからの脱却を目指し、実際にパッケージ開発や新
規ビジネスの立ち上げを成功させたケースである。経営層の危機意識に基づく決断と、
競合が少ないビジネス領域の早期発見・参入が成功の要因であるといえる。
 介護保険制度が始まる前の 1990 年代に、介護事業者向けのパッケージシステム
を大手介護事業者と共同開発した。自社ブランドの確立に向けて新しい参入分野
を探していた経営層が、介護分野では IT があまり活用されていない実態に着目
して大手介護事業者に打診し、共同開発が実現した。共同開発のメリットは大き
く、仕様を検討する段階で、介護業務の実際についての詳細なノウハウを習得す
ることができたため、それが現在に至るまで当社パッケージの強みの源泉となっ
ている。以前は派遣業務が占める割合が高かったが、現在はパッケージの外販も
一定の割合を占め、派遣業務はごく一部のみとなっている。
 派遣業務を継続しても、自社にノウハウは残らない。また、人を増やせば売上は
伸びるが、そこまで大幅に拡大できるわけではなく限界はある。そう考えると、
派遣業務に将来性はあまりないと思われ、自社独自の付加価値を生み出せる業務
を作り出す必要があると考えた。新しい製品やサービスを模索していたところ、
海外の企業と連携し、海外で販売されている先進的な製品を日本で販売するとい
うビジネスを立ち上げる機会を得た。その分野の製品を自社で手がけている大手
IT 企業には参入できない領域であったため、当社のポジションを活かした連携
が実現した。社長が主導したこの事業は順調であり、株主等からも評価されてい
る。このビジネスを立ち上げるために、外資系企業でマーケティングを担当して
いた人材を新規に採用したほか、営業担当も新たに採用した。
246
 社長に就任して間もない頃、自社の社員に、なぜ当社のような小規模な IT 企業
に入ったのかを尋ねたところ、「小さな企業なので自分の創りたいものが創れる
と思ったから」という答えが返ってきた。その答えを聞いて、大手企業の下請や
派遣として、全体が見えない大きなシステムの一部を担当するのではなく、社員
が自ら考えて顧客のニーズに合ったシステムを直接作るほうが、社員のモチベー
ションが上がるのではないかと考え、派遣が主体であった自社のビジネスモデル
を思い切って転換することを決断した。派遣業務が主体だった頃よりも利益率が
低下し、経営者として不安が募ったが、リーマンショックによって派遣業務が
次々と打ち切りになり、社員が自社に戻ってきたときは、自社でサービスを提供
する試みを始めていてよかったと感じた。派遣業務には楽な面もあるが、それだ
けに依存していては、技術力も競争力もなくなってしまう。経営上、多少苦しく
ても、自力でエンドユーザーにサービスを提供する試みは今後も続けるべきだと
考えている。
(2) 新製品・サービスの創出に向けた取組
今回の調査では、競争力を維持し続けている企業や競争力の強化に向けて取り組んで
いる企業に対して、新製品や新サービスをどのように創出しているのか、その方法やポ
イント等についての把握を試みた。以下には、これらに関するヒアリング結果を示す。
① 新製品・サービス創出の背景にある経営層の考え方
新製品・サービスを日常的に創出している企業にみられる大きな特徴として、経営層
の考え方を挙げることができる。新製品・サービスを継続的に生み出し、競争力を維持
し続けている企業では、経営層が「現状維持」や「変化しないこと」に対する強い危機
意識や問題意識を持っており、
「現状からの変化」や「新しい取組」を必須の経営課題と
して位置づけていることが多い。また、そのような危機意識のもとに、日頃から新しい
ことをしなければならないという雰囲気を社内に醸成しておくことも重要であるとの指
摘もみられた。
 過去と同じ業務を続けるのは楽だが、変わり続けることは難しい。しかし、IT
業界の変化は急であり、変化についていけなければ確実に淘汰されてしまうとい
う危機意識がある。
 新しいことをやろうという意識を社員が常に持っていることは非常に重要。
 下請業務は全く考えていない。景気が良いときは、待っていても下請業務が来る
ため、それをこなすことだけ考えていればよいが、いずれ困るのは目に見えてい
る。組織の文化は急には変えられないため、新しいことをやろうという意識づけ
や雰囲気を普段から社内で作っておく必要がある。
247
 これで最善というものはありえないのだから、絶えず変化しなければよりよいも
のは生まれてこない。変化する中にこそチャンスがあると、社長自ら常に社員に
呼びかけており、今ではそれが社風となっている。
 新しいことに積極的に挑戦するが、失敗した際もみんなでサポートするという意
識が社内全体で根付いている。これが、当社が競争力を維持している理由ではな
いか。経営が苦しい時に人材派遣に頼らなかったということも、経営上の大きな
転機になっている。
 一つの分野だけを追求しても事業は大きくならない。だから、ある程度広い分野
を手がけていく必要がある。広い分野を手がけることで、多様な社員に対して各
自に適した仕事を与えることもできるようになる。
 IT 企業だから IT しかできないという考え方は危険である。IT はベースとなる技
術であるため、農業でも飲食業でもその技術を積極的に活かせばよい。
 過去に手がけたことがない仕事でも積極的に挑戦したほうがその後につながる。
その最初の一歩を踏み出せるかどうかが非常に重要なポイントではないか。
 新しいことを始める際には、それができるできないに関わらず積極的に挑戦す
る。ただし、失敗が続くと経営に影響が出るため、新たに取り組む事業について
は、おおむね8~9割の成功率を維持するようにしている。
 当社の技術で地域の生活が便利になるのであれば、できるだけのことをして地域
に貢献していきたい。自社がどのように地域に貢献できるかを考えて様々な取組
を進めていく中で、その結果として、いろいろな製品やサービスが生まれてくる
のだと考えている。当社の技術が活かせる機会は豊富にある。
② 新製品・サービス創出のきっかけ
新製品・新サービスの考案・創出に日頃から取り組んでいる企業では、そのきっかけ
も身近なところにあるケースが多い。以下に示すとおり、社内向けに開発したシステム
を元にパッケージを生み出した事例も複数聞かれた。また、ユーザーの要望をいち早く
捉えて、次々に新製品を開発した事例もみられる。その他にも、全員が新しいビジネス
を考え、常に多くの新規事業開発に取り組んでいる企業において、ビジネスを発案して
それを立ち上げるまでの仕組みが社内で整備されているという例も把握された。
 クラウドの技術を使って新しいシステムを検討した際、まず社内向けにシステム
を作り、その後、これをパッケージ化して公的機関に販売した。大手 IT ベンダ
ーからも類似の提案があったようだが、当社のほうが、コストが圧倒的に低く、
採用に至った。
 社内の開発現場の悩みに基づき、その問題を解決するためのツールを開発して、
パッケージ化した。当社の高度な技術力が活かされた製品であり、類似のツール
248
は少ない。
 当初は特定の分野に特化しない汎用サービスを提供していたが、そのうち、顧客
から特定分野向けはないのかと聞かれるようになり、医療・介護のほか、教育等
のニーズが高い特定分野向けのサービスが実現した。最初のユーザーの要望を実
現し、それをパッケージとして展開しているケースもあるが、ユーザーのニーズ
を予測し、パッケージを作ってから販売したものもある。
 新製品や新サービスのもととなるアイディアは社長が発信することが多い。それ
に触発された社員が具体的な製品のアイディアを持ってくることも多々ある。
 新しいビジネスの企画は社員全員が考えてもよいことになっている。誰かが企画
を考えると、飲み会等の場で部署を超えて賛同する社員が集まり、チームが結成
される。良いアイディアは、企画・デザインチームに提案すると、そこでデザイ
ナーが絵を描き、企画書を作成してくれる仕組みになっている。
③ アイディアを考える上でのポイント
新製品・サービスの創出に向けたアイディアを考える上でのポイントは、各社によっ
て様々であるが、今回の調査では以下のような意見が収集された。新しいアイディアを
考えることも重要であるが、単に独創的なことを考えるだけでなく、顧客が困っている
ことの中に次のビジネスチャンスがあるといった堅実な指摘も寄せられた。
 爆発的に売れるアイディアは難しいが、とりあえず商品化が可能であり、10 億
円くらいは売れるだろうというレベルのアイディアは結構ある。
 イノベーションは組み合わせであると言われるが、情報も組み合わせによってま
ったく新しい価値を持つことがある。だから、営業担当には、つまらないと思う
情報でも、とにかく持って来いといっている。持ち帰った情報を組み合わせるこ
とで新しい発想が生まれることもある。
 アイディアは無から生まれることはなく、必ず過去にあった何かが元になってい
る。だから、既存の情報も大切にして、ニーズを集めることが重要である。
 また、情報の共有化は重要である。具体的には、共有したい意見のほか、やって
はいけないことなどがあれば、メールで社員と共有している。
 アイディアを出すということは本当に難しい。市場調査では、まだ実現されてい
ない潜在的なニーズや未知のニーズは出てこないことが多い。だから、「自分が
したいこと」や「自分が欲しいもの」をまず考えるとよい。それを考えるだけで
も大変だが、それが明確になれば、そこに具体的なニーズがあることが分かる。
 マーケティングや市場調査の結果を実現したからと言って必ず売れるというも
のではない。人は自分の想像を超えるものでないと感動しないものであり、それ
は必ずしも調査や質問によって導き出せるものではない。
249
 会議室で新製品や新事業の企画に取り組んでもうまくいかないことが多い。それ
よりも、顧客が困っていることや他企業で断られたことからスタートし、その事
業化の可能性を探るほうが、新規事業として実現できる可能性は高い。あるテー
マを設定して検討したからと言って、新規事業が立ち上がるとは限らない。
 社員が様々なセミナー等に参加して情報収集することについては制限を設けて
いないが、本当に有効な情報は、顧客等の仕事相手から得られることが多い。
 新しいアイディアの創出には、2~3人の少人数で取り組んだほうが、
“尖った”
アイディアは生まれやすい。人数が多くなってしまうと、どうしてもアイディア
が平準化されてしまい、“尖った”アイディアが生まれにくい。
 アイディアを生み出して形にする過程を、社員全員で共有し、効率化するために、
ある程度マニュアル化することも重要であると考えている。マニュアル化できな
い部分、特に0(ゼロ)から1を生み出すプロセスについては、やはり個人のア
イディアや力量によるところが大きい。
 当社では、アイディアを素早く形にして、できるだけ早い段階で公表することを
重視している。100 日をかけて作り上げ、1日だけ世に問うよりも、1日で作っ
て 100 回公表し、外部の意見を得たほうが、より世間のニーズに合ったものがで
きる。
④ アイディアを実現する体制
考案された新たなアイディアを実現する体制としては、リスクを慎重に検討する体制
よりは、大胆で素早い決断が下せる体制が重要であるという指摘が得られた。また、実
現したいという強い熱意を持った人材を組織の中でうまくマネジメントすることが重要
であるとの意見も寄せられた。
 新規ビジネスの立ち上げは、意思決定者が直接かつ素早く決断を下せるような体
制で進める必要がある。経営層の間で何度も議論したり、何階層もある稟議を回
していたら、リスクのある物事は決断できない。
 中小企業であれば、会議をしながらアイディアを挙げて経営層が判断するような
プロセスだと実現は難しい。社長や経営層が主導するしかない。
 新製品・サービスの創出を成功させるポイントは、絶対それを実現したいと思っ
ている“尖った”人材の存在とそういった人材をうまくマネジメントすることで
はないかと思っている。“尖った”人材が生み出したアイディアを、ビジネスと
しての実現可能性を踏まえて軌道修正していくことがマネジメントの役割では
ないか。アイディアがすべて成功することはないが、数多く地道に取り組んでい
くことが新規事業の創出につながると考えている。
250
(3) 競争力を維持するポイント
① 取組の継続
新製品・サービスを生み出すためのアイディアを創出しても、それが一過性のビジネ
スとして終わってしまっては意味がないため、その競争力を維持する必要がある。こう
した観点から、競争力を維持するポイントとして、アイディアや新規事業創出の取組を
継続する重要性について尋ねたところ、以下のような意見が寄せられた。
 強みが一つだけだと、すぐに企業は潰れてしまう。千に三つとよく言われるが、
やはり数多くの新製品やサービス創出に取り組むことが重要である。アイディア
が良くてもあまり売れない場合もあるので、諦めないで次から次へとやり続ける
ことが大切である。
 中核となる事業をコツコツ継続しながら、長い期間をかけて億単位の規模の開発
費を自由に使えるようにしてきた。投資をするなど、大きなリスクを取るという
方法もあるが、それでは一度失敗をすると会社が潰れてしまう。当社は 30 年以
上続いているが、その中で自由に使える開発費を少しずつ積み上げながら、新製
品の開発に取り組んできた。
 当社では、各部門において、既存事業を維持しながら、同時に新事業を立ち上げ
て採算に乗せるというマネジメントを数十年続けているため、新事業を継続的に
立ち上げなければならないという意識を各部門が持っている。また、万が一、う
まくいかないことがあっても、全員でサポートしていくという意識が根付いてい
る。
② 人脈の重要性
アイディアや新規事業創出の取組の継続にあたっては、人脈の重要性を指摘する意見
が多い。人脈は、顧客やニーズに関する最も重要な情報源といえる。
 経営とは営業であり、営業とは人脈である。過去の新しい事業や製品も、すべて
人脈から生まれてきた。人とのつながりを積極的に作り、それを大切にしたほう
がよい。
 新規事業のきっかけは“人づて”であるが、こちらとしても関心があるから、同
じような関心がある相手とのつながりができるという面はある。常に問題意識や
関心を持ちながら、人脈を広げることが重要なのではないか。
 今後の新しい製品やサービスに関する情報の収集源は、外部のエンジニアとのつ
ながりである。外部のエンジニアには、同業他社だけではなく、メーカーや半導
体メーカー等のエンジニアも含まれる。これらの人脈から情報をいかに早く仕入
れるかが、次の事業を考える上でのカギになっている。
251
 顧客であるユーザーのほか、外部のコンサルタントなど、いろいろな人脈からニ
ーズを把握し、実現可能性や将来性も踏まえて今後取り組むべき分野を判断して
いる。
③ 販路拡大
新製品・サービスの創出とともに、その販路の確立・拡大も非常に大きな課題である。
販路の確立・拡大は、新製品・サービスを企業の競争力につなげるための最も重要な課
題であるともいえる。今回のヒアリング調査では、販路の確立・拡大の方法として、展
示会等への出展のほかにも、紹介や飛び込み営業という方法が挙げられた。また、顧客
からの依頼は原則として断らないという方針を掲げている企業もみられた。
 販路拡大のために、ビジネスフェア等の展示会やショーにも出展している。実際
に取引に結びつくことは少ないが、ゼロではないということと、何もやらなけれ
ば何も始まらないため、必ず出展することにしている。限られた機会ではあるが、
ここで知り合う以外にチャネルがない企業もある。
 販路については、元々の人脈から形成されたというよりも、展示会への参加等の
マーケティングの成果によるものが大きい。顧客の大部分は展示会経由である。
 パッケージの販売にあたっては、展示会に出展したり、関係分野の新聞等に広告
を出したりしている。その他、地道な飛び込み営業も行っており、現場のユーザ
ーの悩みを聞くといった、現場に密着した営業も展開している。
 既存の顧客が新規顧客を紹介してくれることも多い。類似のアプリケーションが
少ないため、紹介や口コミによる新規顧客が多い。
 大手企業で実績を挙げると、その企業の他の拠点からも声がかかることがある。
また、継続的に評価されれば、同業他社からも声がかかることがあり、そのよう
な形で業務が広がってきた。
 販路拡大としては、ダイレクトメールのほか、飛び込み営業を行うことも多い。
飛び込み営業では、実績が重要である。同業他社や大手企業との取引実績があれ
ば、会ってもらうことはできる。当社は幸いにも実績が豊富であり、飛び込みで
も話を聞いてもらえることが多い。また、話をするだけでなく、実際にアプリケ
ーションを使ってもらうことも重要である。話だけでアプリケーションの機能や
良さを理解してもらうことは難しいため、デモは必須である。
 当社では「顧客が感動するような仕様書を書くこと」を大切にしている。痒いと
ころ、痛いところ、すべてが網羅されていて顧客が感動するような仕様書案を書
くことで、「この会社と付き合わないと損だ」と思っていただけるようになる。
 顧客からの依頼は、基本的には断らない。難しい業務であったとしても、何とし
ても実現する方法を考える。それが他社との差別化につながる。
252
④ 撤退の決断
新事業創出の取組において、最も難しい判断は撤退や事業の中止に関する決断である
という指摘もあった。以下の事例における経営者は、企業として投資してきた大きな新
事業の中止を決断することは、
「社長の最大の仕事」であると述べている。この判断を間
違うと、企業の経営に大きな影響を及ぼす可能性があるため、撤退の決断は事業の開始
の決断以上に重要な経営判断であるといえる。
 新しい事業を進めるにあたっての社長の最大の仕事は、事業の撤退を判断するこ
とである。社員とともに苦労を重ねて進めてきた取組を中断することは非常に難
しい。しかし、成功しない取組を続けることは、経営上のマイナスになりかねな
いため、辞めるなら、その決断は早いほうがよい。成功するまで頑張って続けた
いという社員の気持ちを理解しつつも、経営者として苦渋の決断を行うことが、
社長としての最大の仕事であると思っている。
(4) 組織的な取組
① 事業開発体制の構築
新しいアイディアやビジネスを考える体制や制度としては、以下のような事例が収集
された。企業として本格的に新しいビジネスの創出に取り組みたい場合は、事業開発を
担う組織を設置したり、そのための制度や取組が実施されているケースが多い。
 これまでは経営層や新しいビジネスに関心がある人材が、ビジネスの種を探して
きたが、今年から新規ビジネスを立ち上げるための組織を立ち上げ、多彩なビジ
ネスの種を探している。海外で販売されている優れた製品を日本で販売するとい
うビジネスモデルも含めて、自社が取り組める新規ビジネスを模索している。こ
の部署は、人材の採用・獲得も含めて、新規事業開発に責任を持っている。
 成功したパッケージに限らず、新規事業を増やしていくことが重要であると考
え、事業開発を行う本部を設置した。既存の事業やサービスの営業の中から、新
しい事業のアイディアを本格的に立ち上げることは難しいため、新規事業の立ち
上げをミッションとする部門を設置し、本格的に取り組みたいと考えている。
 親会社では、以前から発明発表会のような取組を実施している。その取組を通じ
て実際に商品化されたものもある。
 社内に研究開発助成制度という制度があり、収益となる事業が少ない部門につい
てはそのような制度も活用できるようになっている。
 現在は、基本的には個々の社員がアイディアを考える体制となっている。会社と
しての方向性を示すことはあるが、個人のアイディアの多様性を尊重し、アイデ
ィアを発想し、形にする過程は自立的に進めてもらうことがほとんどである。
253
② 社員の評価
新規事業と既存事業の双方が存在する場合、新規事業の立ち上げのほうが難しくても、
事業の収益としては既存事業のほうが高いこともある。このような場合に、人事面での
評価をどのように行っているのかという点については、以下のような事例がみられた。
 社員は、生み出した付加価値(粗利)で評価する。同じ業務をずっと担当してい
る社員のほうが稼ぐこともあるが、いい新製品を生み出せる力があれば、いつか
は売れる。その場合は、売れたときに高く評価すればよい。付加価値があれば、
必ずいつか売上が伴うはずだと考えている。
 既存の事業に携わっている社員も、新しい事業を立ち上げた社員も、一緒に同じ
会社を支えているのだから、各自の貢献を考慮しつつ、できるだけ一律な評価を
したいと考えている。最も重要なのは、この会社で頑張っていけばいいのだと社
員が安心して頑張れることではないか。
(5) 知的財産の活用について
今回のヒアリング調査では、知的財産の活用状況についても調査を行った。全体的に
自社独自の製品・サービスを持っている企業でも、特許を取得していないケースのほう
が多い。その理由としては、費用対効果が見合わないことが大きいとみられる。
 パッケージソフトの名称については、商標を取っている。
 3年程度のサイクルで新しい技術が台頭する技術については、特許の取得は考え
ていない。もし、コピーされたとしても、それを上回る技術を開発すればよい。
 特許は取得していない。創業時に取得したこともあるが、技術は常に変化してい
くため、自社の技術も進化していけば特に必要ないと感じるようになった。
 独自のノウハウもあるが、インフラも含めて模倣が難しいものであるため、特に
現在でも特許は取得していない。
 特許の取得については、かなり検討を進めたこともあるが、コストがかかりすぎ
るため費用対効果の面から断念した。
 特許取得にはコストがかかるため、中小企業にとっては、コピーされないように
特許をとるような方法は向いていない。特許自身が商品のようになって、収益を
得られるようであれば良い。
 短期間では変わらない技術については、特許を取得しているものもある。これは、
今後さらにその技術を進化させていこうと考えていたためである。
 特許等の知的財産は、他の企業に責められないための守りの戦略として活用して
いる。
254
 自社製品については、特許を取得し、商談用の資料に乗せる際にアピール材料と
して利用することもある。また、その特許を活用したいという企業もある。ただ
し、国際特許の場合は難しく、米国や中国、韓国等で特許を取得したこともある
が、日本国内のようにうまくいかないことが多かった。
 知的財産に関しては、攻められないように特許を取得するといった守りの戦略で
あったが、これからは攻めないといけないと考えている。ただ、攻めの戦略への
転換は、コスト面やリソース面で非常に難しいのが現状である。
(6) 従来型の中堅・中小 IT 関連企業のビジネス変革に向けて
最後に、従来型のビジネスを主体とする中堅・中小 IT 関連企業のビジネス変革に関し
て、以下のような意見を示す。今回のヒアリング調査では、大きなリスクを取ることが
難しい“企業”に対する支援よりも、意欲的な“個人”に対して新しい製品・サービス
を考えるような機会を与えるという支援の仕方があり得るのではないか、という指摘が
寄せられた。例えば、アイディアソン・ハッカソンのように、新製品・サービスの創出
に効果があると思われる取組を、既存の中堅・中小 IT 関連企業のエンジニアを対象に実
施することで、それが既存企業の変革につながる可能性があると考えられる。
 受託開発業務や派遣業務を主体とするビジネスモデルからの脱却は、どのような
中小 IT 企業でも考えるが、ビジネスモデルを転換することは容易ではない。多
くの中小 IT 企業は、会社の収益を支えている業務と並行して独自の製品やサー
ビスの開発を行う予算的な余裕もないし、それを継続できるような体力もない。
新しい事業や製品の開発に取り組みたいと考えている中小 IT 企業は多いと思う
が、それを軌道に乗せることは実際には難しい。
 雇用を維持しなければならない中小 IT 企業にとって、大きなリスクを抱えてビ
ジネスモデルを転換することは難しい。また、経営的な余裕がない中で、新しい
製品・サービスが開発できるような機会や教育を従業員個人に与えることも難し
い。そのような状況であるならば、中小 IT 企業の経営に対する支援を行うとい
うより、意欲的な個人に対して新しい製品・サービスを考えるような機会を与え
るという支援の仕方があり得るのではないか。その個人が、そこで学んだことを
自社で生かして新しい製品・サービスを生み出すことで、既存の中小 IT 企業の
ビジネスモデルを変革できる可能性が高まるのではないか。また、その個人が新
しい製品・サービスをもとに独立・起業したとしても、IT 産業全体としては活
性化が図られるのではないか。
 アイディアソンのような取組には、本気で取り組めばエンジニアにとっての刺激
になり、効果も高い。現業に追われているエンジニアが、業務とは異なるイベン
トから様々な刺激を受けることは、結果的には企業にとってもプラスになる。
255
3. IT を活用したイノベーション創出プロセスにおける課題と成功ポイント
本節では、IT を活用したイノベーション創出プロセスにおける課題と成功ポイントを
整理する。
(1) 中堅・中小 IT 関連企業
中堅・中小 IT 関連企業側から見た、IT を活用したイノベーション創出プロセスにお
ける課題と成功ポイントを以下に示す。

経営層の高い問題意識に裏付けられた新製品・サービス開発の継続的な取組
IT を活用したイノベーションの創出に成功している中堅・中小 IT 関連企業では、経
営層が現状に対する高い問題意識と変革意識を有している。その上で、企業の自立的な
成長に向けて、IT を活用した新製品・サービス開発に対する挑戦と継続的な取組を展開
している。当然ながら、すべての新製品やサービス開発が成功するわけでなく、状況に
より撤退や投資中止といった厳しい選択をせざるを得ない場合もある。しかしながら、
その失敗を糧として、次の新たな製品やサービスの開発に挑戦し続ける企業が競争力を
有していることが、今回の調査では明らかとなった。このように、新製品・サービス開
発の成功を目指す上では、経営層の高い問題意識に裏付けられた継続的な取組が、その
一つのポイントであると考えられる。

事業創造の取組を企業全体で見える化、評価する
IT を活用したイノベーションの創出に成功している中堅・中小 IT 関連企業では、新
事業の創造に関する取組を見える化するとともに、その取組を評価する明確な方針や姿
勢を示している。こうした姿勢を示すことによって、新事業創造に関する取組が、その
企業にとって重要であることを従業員全体が理解し、
“事業創造マインド”とでも言うべ
き企業文化が醸成される。新製品やサービスの開発を実践するためには、従業員一人一
人の“事業創造マインド”を高めることがきわめて重要である。取組の重要性が企業内
で十分に理解・共有されなければ、一部の従業員による ad hoc な取組の域を出ることは
できない。IT を活用したイノベーション創出に成功している中堅・中小 IT 関連企業の
中には、新事業創造に関する取組を見える化するとともに、それらの新たな取組を高く
評価することで、従業員のモチベーションの向上に成功し、その結果として、企業とし
ての魅力や存在感を高めることに成功している企業もある。

市場ニーズの把握・外部とのネットワーク形成
IT を活用したイノベーションの創出に成功している中堅・中小 IT 関連企業では、経
営層や営業担当者などが、市場が求めているニーズを常に高い感度で探し続けている。
256
また、ニーズの追求にあたり、社外とのネットワークを重視している企業も多い。一般
に、個人や自社内部のアイディアだけでは、新たな発想には限界があるため、様々な企
業との連携やネットワークを生かしたオープンイノベーション的な取組が、新製品・サ
ービス開発を成功させるポイントの一つと考えられる。また、こうした取組は、アイデ
ィア創出という観点だけでなく、外部との連携による共同開発等の機会の拡大にも寄与
すると期待される。
(2) ユーザー企業側の中堅・中小 IT 関連企業との連携に対する意識
中堅・中小 IT 関連企業による IT を活用したイノベーション創出としては、中堅・中
小 IT 企業からエンドユーザーに対する直接的な製品・サービスの提供(B to C)に加え
て、エンドユーザーに製品やサービスを提供するユーザー企業との連携(B to B)によ
るイノベーション創出も考えられる。以下には、このうち後者のユーザー企業との連携
によるイノベーション創出を成功させるポイントとして、の中堅・中小 IT 関連企業の活
用に対するユーザー企業側の意識と連携の可能性を示した。

従来型の IT 関連ビジネスでの連携の可能性
大手ユーザー企業では、事業をグローバルに展開している企業や大規模な社会インフ
ラを担っている企業も存在する。こうした企業では、グローバル標準を適用した大規模
システムや非常に高い信頼性が求められる IT インフラを運用していることが多いが、こ
うした領域においては、大手ユーザー企業が、直接、中堅・中小 IT 関連企業を活用する
可能性は低いことが確認された。その理由として、今回のヒアリング調査では、大手 IT
企業と比較して、中堅・中小 IT 関連企業がコスト面での競争力を有している場合でも、
大規模開発に伴う予測困難な事態への対応や危機管理の際にリソースの確保が困難であ
ることが多いため、中堅・中小 IT 関連企業への発注はリスク管理の観点からあまり現実
的でないとの意見が聞かれた。さらに、ヒアリング調査では、中堅・中小 IT 関連企業が、
大手 IT 企業の下請業務を通じて長年にわたり蓄積した知見やノウハウを持つ場合に、一
部の業務について大手ユーザー企業からの直接取引に至るケースもあるが、その動機と
しては既存業務の低コスト化が多いという指摘も寄せられた。

新たな IT 活用領域における連携の可能性
小規模でリスクの低い案件については、大手ユーザー企業でも中堅・中小 IT 関連企業
を活用できる可能性があり、実際に大手ユーザー企業が比較的規模の小さい IT 企業を活
用しているケースもみられた。しかしながら、こうした事例は、成長分野での IT を活用
したイノベーションの創出というよりは、既存の IT コストを低減したいというユーザー
企業の要請に由来する場合が多い。
他方、ユーザー企業からは、例えばデータ分析等のような先端的な IT 活用領域で高い
257
技術力を持っていたり、他社にはない独自のサービスを提供している中小 IT 企業とは、
IT ベンチャーを含めて連携を前向きに検討したいという複数の意見が寄せられた。これ
らの意見は、大手 IT 企業にとってもニッチな市場であるため手がけていない、あるいは、
先端的であるため取組が遅れているような領域では、中堅・中小 IT 関連企業にも、技術
力やアイディア次第で十分なビジネスチャンスが存在することを示しているといえる。
近年、大手ユーザー企業にとっても顧客ニーズの把握が難しくなっているため、ユー
ザー企業側でも、自前主義にこだわらず、外部との連携によって IT を活用した新たな製
品やサービスの創出を模索するなどの、いわゆるオープンイノベーションを志向した動
きが強まっている。こうした流れの中で、従来から取引関係のある特定の IT ベンダーに
こだわらず、企業規模を問わずに新たな連携先を模索する動きもみられており、今後、
中堅・中小 IT 関連企業にとっての事業機会が増加することも十分にあり得ると予想され
る。

地域における IT 活用の促進の担い手としての役割
中堅・中小 IT 関連企業は、地域における IT 活用の促進という重要な役割も担ってい
る。特に、成長分野の一つでもあるヘルスケア分野やクリエイティブ分野等では、地域
が抱える課題やニーズに対して、IT と地域資源や地域のネットワークを組み合わせるこ
とで、効果的あるいは革新的な解決策を提供できる可能性がある。今後、中堅・中小 IT
関連企業にとっては、大手ユーザー企業との連携のみならず、地域の企業や組織との連
携等を進めることが、IT を活用したイノベーション創出の成功のポイントになると考え
られる。
258
第4章 IT 活用によるイノベーション創出のための支援策の在り方の検証
前章までに中堅・中小 IT 関連企業が抱える課題を整理したが、これらの課題の解決を
従来以上に促進するためには、何らかの支援策が必要である。特に、中堅・中小 IT 関連
企業が抱える課題の解決のためには、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参入とイノ
ベーション創出を促進することが重要であり、それを支援するための取組が望まれる。
こうした観点を踏まえて、今回の調査では、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参
入とイノベーション創出を促進するための支援策の在り方についての検討を行った。ま
た、実際に、その検討結果を検証するための取組を実施し、新たな支援策の政策的な有
効性等について分析を行った。本章には、これらの検証結果を示す。
1.
支援策の在り方の検討
前章までに示した調査結果を踏まえて、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参入と
イノベーション創出を促進するための支援策の在り方として、次の3点についての検討
を行った。
(1)
支援策の実施形態
(2)
支援対象とする中堅・中小 IT 関連企業
(3)
支援策の要件
以下には、上記3点についての検討結果を示した上で、最後に支援策の要件について
整理する。
(1) 支援策の実施形態
中小企業向けに実施される支援策としては、各種相談・コンサルティング等による支
援から補助金等による資金面での支援まで、多様な形態の施策が存在する。今回の調査
において目指す支援策の実施形態や実施方法については、ヒアリング調査やアンケート
調査を通じて、意見等が収集された。
以下には、本調査において得られた意見や情報を再度整理し、支援策の実施形態につ
いての検討結果を示す。
① ヒアリング調査結果から
ユーザー企業に対するヒアリング調査では、新しいビジネスやイノベーションの創出
259
を目指すのであれば、近年数多く開催されているアイディアソンやハッカソン12のような
形で、数多くのアイディアを集めることが重要であるという意見が挙げられたほか、企
業を超えてアイディアを持つ人材同士や、ユーザー企業と IT 企業が気軽に出会い、交流
できる場があるとよいといった意見が寄せられた。
 支援策を通じて新しいビジネスの創出を目指すのであれば、まずはとにかく数多
くのアイディアを出すという取組を進めたほうがよい。たくさんのアイディアが
出てくる中で、いつか化学反応が起き、ビジネスの芽が生まれる。まずアイディ
アを出さないことには何も始まらない。
 新しいビジネスのアイディアは、最近はオープンイノベーション(例えばアイデ
ィアソンやハッカソン)で仕入れたほうが、企業自身で考えるものよりも面白い
アイディアが集まる。特に学生などの若い人材の柔軟な発想は非常に面白いこと
が多い。
 アイディアの創出を促すために、今の社会には、例えばコーヒーやお酒などを飲
みながら、ビジネスのアイディアについて気軽にディスカッションできるような
場が必要である。ファイナンスなどの本格的な計画を練る以前の段階で、まずは
同じ興味を持つ人同士が出会い、アイディアが活発に交換されるような場や機会
が必要である。
 コミュニティのように、ユーザー企業の担当者が中小 IT 企業や IT ベンチャーと
出会える場所が重要である。一度顔を合わせているだけでも、その後の対応は大
きく変わる可能性がある。中小 IT 企業が大きなビジネスマッチングイベント等
に頻繁に出展することは難しいと思われるため、もっと気軽に出会えるような場
を設定していただけるとよい。
 地域では、大学が重要な役割を果たしている。実際に大学の先生を中核として、
地域のコミュニティが成立しているケースもある。地域で新しいビジネスを生み
出す場合も、やはり大学が担う役割が鍵となるのではないか。
また、中堅・中小 IT 関連企業からは、大きなリスクを取ることが難しい“企業”に対
する支援よりも、意欲的な“個人”に対して新しい製品・サービスを考えるような機会
を与えるという支援の仕方があり得るのではないかという指摘が寄せられた。例えば、
アイディアソンやハッカソンのように、新製品・サービスの創出に効果があると思われ
る取組を既存の中堅・中小 IT 関連企業のエンジニアを対象に実施することで、それが既
存企業の変革につながる可能性があると考えられる。
12
「ハッカソン」は、
「ハック」
(hack)と「マラソン」
(marathon)を組み合わせた造語(本報告書 p.94 本文参照)。
プログラマやデザイナーから構成される複数の参加チームが、マラソンのように短時間(数時間から数日間)で
アイディアやソフトウェア開発の成果を競い合うイベントが近年このように呼ばれ、数多く開催されるようにな
った。あるコンセプトやデータを元に、新しいサービスの創出等を目的として開催されることが多い。アイディ
アを競うことを主な目的とする場合は「アイディアソン(Ideathon)」などと呼ばれる。
260
 雇用を維持しなければならない中小 IT 企業にとって、大きなリスクを抱えてビ
ジネスモデルを転換することは難しい。また、経営的な余裕がない中で、新しい
製品・サービスが開発できるような機会や教育を従業員個人に与えることも難し
い。そのような状況であるならば、中小 IT 企業の経営に対する支援を行うとい
うより、意欲的な個人に対して新しい製品・サービスを考えるような機会を与え
るという支援の仕方があり得るのではないか。その個人が、そこで学んだことを
自社で生かして新しい製品・サービスを生み出すことで、既存の中小 IT 企業の
ビジネスモデルを変革できる可能性が高まるのではないか。また、その個人が新
しい製品・サービスをもとに独立・起業したとしても、IT 産業全体としては活
性化が図られるのではないか。
 アイディアソンのような取組には、本気で取り組めばエンジニアにとっての刺激
になり、効果も高い。現業に追われているエンジニアが、業務とは異なるイベン
トから様々な刺激を受けることは、結果的には企業にとってもプラスになる。
ここまでに示したとおり、ヒアリング調査では、イノベーション創出を促進するため
の支援策として、近年広く実施されているアイディアソンやハッカソンの有効性を指摘
する意見が多く寄せられた。今回の調査で実施したアンケートでは、このような意見に
対して、中堅・中小 IT 関連企業の経営層の見解を尋ねており、以下にはその結果を示す。
② アンケート調査結果から
今回の調査で実施したアンケートでは、アイディアソンやハッカソンといった形態の
取組が、新製品・サービスの創出に有効なのではないかという仮説のもとに、こうした
取組に対する中堅・中小 IT 関連企業の考え方を尋ねた。
図 4-1 は、中堅・中小 IT 関連企業の経営層に対して、自社の従業員にハッカソン等
の取組に参加して欲しいかを尋ねた結果であるが、多くの企業が「強くそう思う」、「あ
る程度そう思う」と答えており、多くの中堅・中小 IT 関連企業が、ハッカソン等の取組
に関心を持っていることが明らかとなった。
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
25%
50%
47.4%
17.1%
100%
37.8%
46.7%
12.6%
75%
32.9%
強くそう思う
ある程度そう思う
2.6%
25.0%
60.0%
12.5%
3.0%
あまりそう思わない
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 4-1
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
(業種別)【再掲】
261
また、図 4-2 は、自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件を尋ねた結果
であるが、この結果をみると「市場の動向やニーズが理解できること」、「発想を形にす
るプロセスが経験できること」、「自分の発想で開発する楽しさが経験できること」など
の項目が上位となっている。中堅・中小 IT 関連企業の経営層は、ハッカソン等の取組を
通じて、従業員が市場動向やユーザーニーズについて理解し、発想を形にするプロセス
を経験して欲しいといった期待を有していることがうかがえる結果となった。
0%
25%
50%
市場の動向やニーズが理解できること
38.5%
自分の発想で開発する楽しさが経験できること
36.9%
発想力の強化が期待できること
34.9%
開発に必要な技術力が強化できること
32.1%
同業他社間での人脈拡大が期待できること
29.8%
最新技術が学べること
24.2%
3.2%
無回答
図 4-2
100%
39.7%
発想を形にするプロセスが経験できること
その他
75%
14.7%
n=252
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件(全体)【再掲】
ここまでに示した調査結果を踏まえると、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参入
とイノベーション創出を促進するための支援策として、アイディアソンやハッカソンは
一定の有効性を有すると考えられるほか、中堅・中小 IT 関連企業側の関心も比較的高い
状況にある。こうした調査結果に基づき、今回は、アイディアソンやハッカソンの有効
性に着目して、これを新たな支援策として実施することとした。なお、アイディアソン
やハッカソンを中堅・中小 IT 関連企業の支援策として実施するという取組は、新たな支
援策の可能性の追求という観点でも意義があると考えられる。
(2) 支援対象とする中堅・中小 IT 関連企業
支援策の実施形態に続き、支援策の要件の検討に向けて、支援策の対象とする中堅・
中小 IT 関連企業の絞込みと明確化を行った。
図 4-3 は、「成長分野への参入の度合い」と「企業の成長性の度合い」の2つの軸を
用いて、中堅・中小 IT 関連企業を区分したものである。
右上の象限(A)は、成長分野において成長中の中堅・中小 IT 関連企業を示す。また、
左上の象限(B)は、成長分野を手がけてはいるものの、その事業を軌道に乗せる方法
を模索している企業を示す。今回のヒアリング調査では、(A)及び(B)のいずれの企
262
業も対象としているが、これらの企業はすでに成長分野への参入の必要性を認識してい
るほか、すでに参入のための取組にも着手しているため、支援策の対象としての優先度
はそれほど高くはないと位置づけた。
主力事業
(成長分野)
(B)成長分野を手がける企業
(A)成長分野で成長中の企業
成長性
(低い)
成長性
(高い)
(C)成長分野への参入に挑戦している企業
(D)成長分野への参入を志向しているものの
まだ挑戦できていない企業
(E)成長分野への参入を志向していない企業
主力事業
(旧来分野)
図 4-3
支援策の対象とする中堅・中小 IT 関連企業
図 4-3 の残りの区分(C)、
(D)、
(E)は、主力事業として旧来型の受託システム開発
等を手がける企業群を示しているが、これらの企業のうち、今回の支援策のターゲット
とすべき中堅・中小 IT 関連企業は、
(C)及び(D)と位置づけている。
(C)は成長分野
への参入に挑戦しているがまだ成果を挙げていない企業を、
(D)は成長分野への参入を
志向しているものの、まだ挑戦できていない(具体的な取組に着手していない)企業を
示している。これらの企業は、成長分野への参入の重要性を認識してはいるものの、ま
だ企業の成長に結びつくだけの成果を挙げていないか、または、具体的な取組を開始で
きていない状況にあり、公的機関の支援策による政策的な後押しが有効であると考えら
れる。
なお、図 4-3 の(E)に示されるように、中堅・中小 IT 関連企業の中には、成長分野
への参入をそもそも志向していない企業(変革に向けた積極性が低い企業)も存在する
が、こうした企業に対する支援は政策的な費用対効果も低いことが多いため、今回の支
援策の対象としては優先度を下げることとした。これらの企業に対する課題は、本調査
の最後に取りまとめることとする。
263
(3) 支援策の要件
ここまでに示した支援策の実施形態及びターゲット像についての検討結果から、今回
の支援策としては、成長分野への参入の重要性を認識してはいるものの、まだ企業の成
長に結びつくだけの成果を挙げていないか、または、具体的な取組を開始できていない
状況にある中堅・中小 IT 関連企業を対象として、アイディアソン又はハッカソンを実施
することとした。本項では、ここまでの検討結果を前提に、支援策のポイント及び要件
を整理する。
① 要件の検討において考慮すべきポイント
今回実施されたアンケート結果やヒアリング調査の結果を踏まえると、中堅・中小 IT
関連企業の変革を促し、新しい製品やサービスの創造等のイノベーション創出に向けた
取組を促進するポイントとしては、以下の3点を挙げることができる。
オープン
イノベーション
ユーザーやIT企業を含めて、広く多様な主体が参加し、それぞれの知⾒を気軽な形で
提供できるような場が必要である。
企業を超えた
個人への着目
企業に対する⽀援以上に、新製品・サービスの開発に関⼼を持つ個⼈を⽀援するよう
な取組のほうが効果的ではないか。
地域の高等
教育機関の役割
地域では、中核となる⼤学・⾼専等の⾼等教育機関が、技術交流のほか、企業間連携
や中堅・中⼩IT関連企業とユーザー企業をつなぐハブとして機能している。
図 4-4
中堅・中小 IT 関連企業の変革を促すポイント
中堅・中小 IT 関連企業が、現状からの変革を実現し、成長分野への参入を成功させる
ためには、自社に閉じた取組だけでは限界がある。よって、支援策を実施する際は、直
接的なニーズを持つユーザーを始めとして、多様な主体が参加することが重要である。
多様な主体が参加することによって、自社だけでは得られない多様な視点や発想が得ら
れる可能性も高まるものと考えられる。
また、今回の調査を通じて、人材育成に対する余力の少ない IT 企業ではなく、IT 企
業に所属する意欲的な個人に対して新しい製品・サービスを考えるような機会を与える
という支援の仕方があり得るという指摘が寄せられた。その個人が、そこで学んだこと
を自社で生かして新しい製品・サービスを生み出すことで、既存の中堅・中小 IT 関連企
業のビジネスモデルを変革する可能性を高めることができる。特に、人材の能力やスキ
ルが自社の製品やサービスの競争力に直結する IT 関連産業では、競争力の源となる個人
に着目し、個人の能力を高めることは非常に効果的であると考えられる。
264
さらに、今回の調査では、特に地域における大学の役割に対する指摘も寄せられた。
大学は、地域における“知の集積地点”として、以前から先端技術の普及や IT 企業とユ
ーザー企業のネットワーク形成の促進等の役割を担っている。今回の支援策のような取
組の実施にあたっては、こうした役割を有する地域の高等教育機関との連携も重要なポ
イントであるといえる。
② 中堅・中小 IT 関連企業の課題を解決するための支援策の要件
以上に示したポイントを踏まえて、中堅・中小 IT 関連企業の成長分野への参入とイノ
ベーション促進を実現するための支援策の要件について検討を行った。その結果を、表
4-1 に示す。
表 4-1
区分
対象者
実施内容
実施体制
支援策の要件
具体的な要件
必須度
多様な主体が参加すること
◎
新たなものを創出したいという意欲の⾼い企業・個⼈が参加すること
◎
ユーザーニーズが学べること(ユーザーと交流できること)
◎
最新の市場動向について学習できること
○
アイディアを⾃ら発想できる機会であること
◎
発想したアイディアを実現できる機会であること
○
新たな技術⼒の習得・向上が期待できること
○
アイディアや実現した成果に対するフィードバックが得られること
○
ビジネスプランについても検討できること
△
参加者の所属企業の理解・サポートがあること
◎
地域の中核となる⾼等教育機関(⼤学・⾼専等)が参加すること
◎
取組の継続・発展を担う実施主体が存在すること
◎
「対象者」に関する要件である「多様な主体が参加すること」は、前述の支援策のポ
イントを受けたものである。また、
「新たなものを創出したいという意欲の高い企業・個
人が参加すること」は、支援策の効果を高める上では、参加者の意欲の高さが重要であ
ると考えられることから、要件として位置づけた。
「実施内容」については、図 4-2 において「市場の動向やニーズが理解できること」
という点に対する IT 企業の期待が大きかったことを踏まえて、「ユーザーニーズが学べ
ること」を優先的な要件として挙げた。ユーザーとの交流を最重視した結果、より大局
的な観点である市場動向については、今回はやや優先度を下げているが、一般的には、
市場動向の理解も非常に重要な点であると考えられる。その他、
「アイディアを自ら発想
265
できる機会であること」を優先的な要件として掲げた。
「発想したアイディアを実現(=
実装)できる機会であること」や「新たな技術力の習得・向上が期待できること」、「ア
イディアや実現した成果に対するフィードバックが得られること」、「ビジネスプランに
ついても検討できること」といった要件は、やや難易度が高い要件であると考えられる
ことから、今回は副次的な要件として位置づけた。
さらに、「実施体制」として、「参加者の所属企業の理解・サポートがあること」を必
須の要件として挙げた。今回の支援策は、個人が趣味やレクリエーションとして楽しむ
ことを目的に実施するものではないため、参加者には、可能な限り企業の事業活動と関
わりを持った形で参加していただくことが望ましいと考えられる。また、支援策によっ
て参加者が獲得した成果(例えば発想力や人脈の獲得、モチベーションの向上等)は、
まずは自社にて発揮・活用していただくことが望ましい。今回の支援策では、そのよう
にして実現された個人の能力やパフォーマンスの向上が、企業の事業成果へとつながる
ことが強く期待されている。しかし、企業側の理解が薄く、支援策によって獲得した成
果を発揮できる環境が企業に整っていないと、その発揮・活用は難しくなってしまうと
考えられる。こうした観点から、今回の取組に対しては、企業側の理解やサポート等が
きわめて重要であると捉えた。また、この要件に沿って、今回の支援策の参加募集の際
は、一般参加者に対する告知・PR とあわせて、中堅・中小 IT 関連企業への周知に重点
を置くこととした。
続く「地域の中核となる高等教育機関(大学・高専等)が参加すること」という要件
は、前述の支援策のポイントを踏まえたものである。地域の高等教育機関の役割を踏ま
えて、今回の支援策においても、この要件は必須要件として位置づけた。
「実施体制」の最後の要件として、
「取組の継続・発展を担う実施主体が存在すること」
という要件を挙げた。今回検討されている支援策を永続的に公的機関が行うことは困難
であるため、地域産業の活性化の観点から、将来的には地域で自立的に支援策が実施・
展開されることが望ましい。こうした点を踏まえて、継続的な実施に向けた体制も支援
策を実施する上での要件として含めた。また、今回の取組を通じて形成された人脈やネ
ットワークのほか、経験・ノウハウ・知見等は何らかの形で維持され、地域で活用され
ることが望ましい。そのためには、可能な限り民間の側に、今回の取組によって培われ
た人脈やネットワークの拠点となる“意欲を持った組織”が必要である。毎回、公的機
関が主導しなければ実現しないとなると、施策の自立的な展開効果は薄くなってしまう
可能性がある。今回実施される支援策を一過性の取組とせず、その継続性を高めるため
には、
“意欲を持った組織”が支援策の実施主体となるとともに、その後の継続を主体的
に担うことが重要であるといえる。
266
実施した支援策の内容
2.
前節にて検討された要件を踏まえ、今回の取組では、広域関東圏における中堅・中小
IT 関連企業のイノベーション創出を促進するための支援策として、東京・多摩地域(八
王子)にてアイディアソン及びハッカソンを実施した。本節には、その具体的な実施内
容を示す。
(1) 検討経緯
今回実施された支援策の検討経緯は、以下のとおりであった。
① 対象地域
前節にて検討された要件を満たす地域として、本調査において、地域の IT 産業動向及
び地域における IT 産業支援施策の動向についてのインタビュー調査を実施した八王子
地域を、今回の支援策の実施における対象地域として選定した。
八王子地域は、第2章の IT 企業の集積調査の結果からも読み取れるとおり、東京都内
でも中小 IT 関連企業が比較的多く集積する地域であり、今回の支援策によるイノベーシ
ョン創出支援や企業変革支援に対するニーズも高いと判断した。
② 実施体制
今回の支援策の実施を担う中核機関として、2014 年 11 月にオープンした「コワーキ
ングスペース八王子・8Beat13」との連携を行うこととした。コワーキング(Coworking)
とは、事務所、会議室、打ち合わせ場所などを共有しながら独立した仕事を行う新しい
ワークスタイルを指す言葉であり、コワーキングスペース八王子・8Beat は、業種や年
齢を超えた多様な人々が集まり、一緒に仕事をしたり、アイディアを共有し合う場所と
して、株式会社共創空間が運営を行っているワーキングスペースである。
今回実現した連携体制は、主催者を関東経済産業局及びコワーキングスペース八王
子・8Beat とし、さらに、後援機関として、八王子市、八王子商工会議所、サイバーシ
ルクロード八王子、多摩信用金庫、ヘルスケアハッカソン medizine の協力を得られるこ
ととなった。
③ 実施内容
実施に向けた検討を行う中で、今回は、支援策の効果を最大限に高めたいという狙い
から、2日間の日程を確保し、アイディアソンに加えてハッカソンも実施することとし
た。
13
http://8beat.tokyo/ 参照。
267
④ テーマ
アイディアソン及びハッカソンのテーマとしては、八王子地域においても大きな課題
となっている医療・介護分野を選定した14。また、より具体的には、高齢化社会における
社会的な課題ともいえる「認知症」に焦点を当てることとなった。
なお、本調査の一環として IT 企業向けに実施されたアンケート調査では、下図のとお
り、
「将来的に成長が見込める顧客業種」として「医療・介護サービス業(ヘルスケア関
連業)」が(「IT・情報サービス業」を除いて)首位となっており、医療・介護分野は、
現在の IT 企業の関心やニーズが非常に高い分野であることが把握されている。
0%
25%
農業
林業・水産業・鉱業
建設業
製造業(繊維・木材等)
製造業(食品等/上記以外)
7.9%
13.1%
4.4%
2.0%
5.6%
15.9%
7.9%
通信業
16.7%
金融・保険業
19.4%
卸売・小売業
11.5%
飲食・宿泊業
6.3%
不動産業
5.6%
IT・情報サービス業
58.7%
ゲーム・コンテンツ関連業
23.8%
医療・介護サービス業(ヘルスケア関連業)
53.6%
行政・公共関連
その他
15.5%
5.6%
当てはまるものは特にない
4.0%
無回答
2.8%
図 4-5
100%
4.4%
電気・ガス・水道業(エネルギー関連業)
運輸業
75%
20.6%
製造業(機械・電機・電子関連)
製造業(製鉄・化学等)
50%
n=252
将来的に成長が見込める顧客業種
(本事業で実施された企業向けアンケート調査の結果から)
14
八王子市は、東京都内の市町村では第1位の人口を擁しており、今後の 65 歳以上の人口の増加やそれに伴って
増大することが見込まれる医療・介護ニーズの対応が大きな課題となっている。
268
<参考>
ハッカソンの具体的なテーマの検討方法例
ハッカソンを実施する際は、具体的なテーマの検討が必要であるが、その検討方法と
しては、以下のような方法も考えられる。
下図は、今回の調査において成長分野として注目した4分野を「事業分野」とし、各
分野における「付加価値」と「利用シーン」、具体的な「活用ツール」を組み合わせると
いう検討方法を示したものである。これらの組み合わせによって、様々なテーマを検討
することも可能である。
事業分野
付加価値
利用シーン
活用ツール
ヘルスケア
役に立つ
住宅
パソコン
環境・エネルギー
安い
会社
スマートフォン
先端ものづくり
安全・安心
店舗
ウェアラブル端末
クリエイティブ
かっこいい
移動
iBeacon
・・・
・・・
OpenStreetMap
・・・
例えば、上記のテーマ設定のための項⽬をいくつか組合わせてテーマを設定する
(例1)ヘルスケア × 住宅 × ウェアラブル端末
⇒ 「在宅⾼齢者の健康状況を⾒守るためのウェアラブル端末を利⽤したサービス」など
(例2)環境・エネルギー × 移動 × スマートフォン
⇒ 「省エネにつながる⼈の移動⽀援サービス」など
(例3)クリエイティブ × かっこいい × iBeacon
⇒ 「⼩売店舗におけるiBeaconを活⽤したスマートな集客サービス」など
図 4-6
ハッカソンの具体的なテーマについての検討方法(例)
例えば「ヘルスケア」×「住宅」×「ウェアラブル端末」を組み合わせた結果として、
「在宅高齢者の健康状況を見守るためのウェアラブル端末を利用したサービス」などの
テーマが考えられる。また、
「環境・エネルギー」×「移動」×「スマートフォン」の組
み合わせからは、「スマートフォンを活用した省エネにつながる人の移動支援サービス」
などのテーマが想定される。その他にも、
「クリエイティブ」×「かっこいい」×「iBeacon」
の組み合わせから、
「小売店舗における iBeacon を活用したスマートな集客サービス」と
いったテーマも考え得る。
ハッカソンを実施する際は、例えばこのような方法を用いて、開発のテーマをある程
度具体的に検討することが望まれる。
269
⑤ 開催日程
アイディアソン及びハッカソンの実施においては、ある程度まとまった時間を確保す
る必要があること、また、IT 企業の会社員等の参加を促すために、今回の支援策は週末
に実施することとした。また、アイディアソン実施後、ハッカソン実施までの間にチー
ムでの準備を進められるようにとの配慮から、2日間連続の開催ではなく、約3週間の
期間を空けての開催とした。
(2) 検討結果
前項の検討経緯を踏まえ、今回は表 4-2 のような支援策を実施することとした。
表 4-2
支援策の概要
イベント名称
医療・介護系ハッカソン「認知症×IT@八王子」
主催
経済産業省 関東経済産業局(地域経済部 情報政策課)
コワーキングスペース八王子・8Beat
後援
八王子市・八王子商工会議所・サイバーシルクロード八王子
・多摩信用金庫・ヘルスケアハッカソン medizine
開催日時
平成 27 年 3 月 01 日(日)10:00~18:00(アイディアソン)
平成 27 年 3 月 22 日(日)10:00~19:45(ハッカソン)
開催場所
コワーキングスペース八王子・8Beat
(東京都八王子市三崎町 4-11 トーネンビル 5F)
また、各日の冒頭には、以下の講演者による講演を実施することとなった。
1日目の講演は、八王子地域における医療及び介護の第一線に立つ有識者から、認知
症に関する基礎知識のほか、認知症患者や介護者のニーズを学ぶことをねらいとするも
のである。また、2日目の講演は、認知症予防システムの開発経験を有する有識者から、
認知症に関するシステムの事例や実際にシステムを開発する上での留意点等を学ぶこと
を目指すものであった。
表 4-3
支援策における講演者
南多摩医療圏東京都認知症疾患センター/医療法人社団光生会
1日目
平川病院院長 平川淳一先生「認知症を考える」
社会福祉法人美薗会 特別養護老人ホーム「絹の道」
所長 桒原利政先生「施設における認知症介護」
2日目
国立東京工業高等専門学校
准教授 北越大輔先生
「HAI(Human Agent Interaction)の概念に基づく認知症予防システム」
270
(3) 実施記録
(2)までに検討された支援策“医療・介護系ハッカソン「認知症×IT@八王子」”の
実施記録を以下に示す。
① 1日目:アイディアソン実施記録(平成 27 年 3 月 1 日(日)開催)
1日目のアイディアソンは、以下のような流れで実施された。
<1日目> アイディアソン(平成 27 年 3 月 1 日(日)開催)
 開催記録
10:00~11:10
南多摩医療圏東京都認知症疾患センター/医療法人社団光生会
平川病院院長 平川淳一先生講演「認知症を考える」
11:10~12:20
社会福祉法人美薗会 特別養護老人ホーム「絹の道」
所長 桒原利政先生講演「施設における認知症介護」
12:20~13:20
(昼食)
13:20~13:45
みずほ情報総研株式会社「今回利用可能なウェラブル端末の紹介」
13:45~13:55
ファシリテータによる冒頭説明
13:55~14:05
アイスブレイク「30Circles」と グループ内発表
14:05~14:15
アイディアソンの進め方と「はちのすノート」の説明
14:15~15:00
「はちのすノート」を用いた各グループでのアイディア検討
15:00~15:30
有志からのアイディア発表
15:30~18:00
発表アイディア別チーム編成とグループディスカッション
18:30~21:00
懇親会
 参加者
:当日参加者数 43名、オブザーバー含む来場者数 55名
 発表結果 :発表されたアイディア数 13件、発表チーム数 8チーム
午前中に医療及び介護の分野の第一線の有識者による講演を実施し、午後には、医療・
介護の現場からの参加者と IT 関係者が数チームに分かれて同じテーブルを囲み、現場の
ニーズを改善するためのアイディアを話し合った。
第1日目の当日参加者数は、定員 35 名の予定に対して 43 名に達し、会場は予想以上
の参加者で賑わった。オブザーバーを含む来場者数は、55 名に上った。申込みの状況か
ら、参加者の半数程度は医療・介護関係者が占め、来場理由として「講演に興味があっ
た」との声も多く聞かれた。
1日目のアイディア検討の後に発表されたアイディア数は 13 件に上り、そこから8つ
のチームが結成され、ハッカソンに向けた準備を進めることとなった。
以下には、当日の開催風景を写真とともに示す。
271
1)
平川病院院長・平川先生講演「認知症を考える」
平川先生による講演「認知症を考える」
では、認知症に関する医学的な基礎知識と
して、脳の機能や認知症の分類・症例等に
ついての解説が行われた。また、具体的な
ケースとともに、自立して生活してきた高
齢者にとって自身が認知症であることを
認めることの難しさや認知症を患うこと
の辛さといった認知症患者の心情につい
ても言及され、認知症を患う方の自尊心や
気持ちに十分に配慮した対応の重要性が伝えられた。その他、認知症の現状や公的な取
組についても紹介が行われ、急速に進展する高齢化社会において、認知症は地域社会の
課題として捉えるべき問題であるという提言によって講演は締めくくられた。
2)
特別養護老人ホーム「絹の道」桒原所長講演「施設における認知症介護」
続いて、特別養護老人ホーム「絹の道」の
桒原所長から、「施設における認知症介護」
と題する講演が行われ、介護施設における認
知症介護の実態や事例が紹介された。講演の
中では、認知症患者を支える家族や施設の職
員が抱える課題や苦労などが具体的なエピ
ソードとともに伝えられ、生死と向き合う介
護現場の実態やニーズを、臨場感を持って学
べる貴重な機会が提供された。
3)
みずほ情報総研株式会社「今回利用可能なウェラブル端末の紹介」
昼食を挟み、午後の冒頭では、今回のハッ
カソンで利用可能なウェアラブル機器につ
いての説明が行われた。今回は、心拍数や呼
吸数を計測できる端末として腕時計型の端
末やTシャツと一体となった端末が紹介さ
れたほか、30 秒毎に写真を撮り続けるライ
フログカメラなども含めて計 12 種の機器が
紹介された。左図は、猫の耳が付いたヘアバ
ンド型脳波計測器の耳の動きによって、リラ
ックスした状態や集中した状態が把握できる様子を実演している風景。
272
サーティーサークルズ
4)
アイスブレイク「30Circles 」
講演・解説が一通り終了した後に、まずはアイスブレイクとして「30Circles15」を用い
たウォーミングアップが行われた。参加者は、5分の間に 30 個の円(サークル)を使っ
て自由にイラストを作成し、その後の5分間で各自のイラストについてグループ内で紹
介し合う形で、グループディスカッションが開始された。
5)
ファシリテータによる説明と「はちのすノート」を用いたアイディア検討
アイスブレイクが終了した後、ファシリ
テータより、
「はちのすノート」
(左図16)を
用いたアイディア創出方法についての説明
が行われた。その後、各グループで「はち
のすノート」を用いながら、
「認知症に関わ
るニーズや課題を IT によって解決するた
めのアイディア」についてのディスカッシ
ョンが実施された。
15
16
頭を柔軟にするためのトレーニングに用いられる発想法の一つ。例えば、リンゴ、メガネ、団子、スマイルマー
ク、地球等々、何でもよいので円を活用したイラストを決められた時間内に 30 個作成する。
http://ideaplant.jp/download/pdf/ideaswitch/ideaswitch_hachinosunote.pdf から引用。
273
6)
有志からのアイディア発表
「はちのすノート」を用いた約 45 分のグループディスカッションを経て、計 13 名の
有志によるアイディア発表が行われた。発表された主なアイディアは、以下のとおりで
あった17。中には、認知症患者がトイレのドアの開け方を忘れてしまうといった介護経験
者ならではの視点に基づくアイディアもみられた。
 認知症によって記憶を失う前に、自分が生きた証として自分史を記録しておくた
めのアプリを開発してはどうか。忘れても過去の思い出を自由に引き出せる仕組
みがあれば、忘れてしまうことに対する恐怖も薄れ、安心した老後生活が送れる
のではないか。
 認知症を患い、記憶を失ってしまう前に、高齢者の記憶を蓄積しておくシステム
を構築してはどうか。戦争の記憶や過去の風景も含めて、高齢者が生きてきた記
録を蓄積しておけば、未来の世代への財産にもなる。
 ウェアラブル端末によって脳波を計測し、通常のコミュニケーションが難しくな
った認知症患者の感情や気分を表示して、介護者とのコミュニケーションを円滑
にするアプリを開発してはどうか。
 認知症による記憶力低下予防のためにゲームを開発してはどうか。
 認知症による記憶力低下防止のトレーニングとして、2日前の日記をつけたり、
色々な物事を思い出すようなアプリを開発してはどうか。
 昔懐かしい駄菓子を使い、お絵かきソフトで絵を描くと、それが駄菓子に変わる
ようなアプリを開発してはどうか。
 高齢者の豊富な人生経験を活かした個別指導サービスを実現してはどうか。生き
がいのある生活の実現は、認知症の予防にもつながる。
 徘徊の問題を解決するため、体に埋め込むタイプの GPS 機器を開発してはどう
か。時計や靴などの身の回りの品に GPS を付けても、それらを身に着けないま
ま徘徊してしまう方がいる。
17
一部、類似のアイディアは統合して掲載。
274
 認知症患者はドアの開け方を忘れてしまうことがある。押すのか引くのか、ドア
ノブの回し方、鍵の開け方などを忘れてしまい、トイレの個室に閉じ込められて
しまうため、トイレに行くたびに付き添いが必要になる方もいる。そのような方
でも一人でトイレに行けるように、例えば簡単な操作でドアが開いたり、「押し
てください」などとドアの開け方を音声で案内するような仕組みは作れないか。
 高齢者同士が相互に支援しあう WEB 上のコミュニティを実現してはどうか。
「助
けて欲しい」ことを登録するとともに、「助けてあげる」ことも登録し、お互い
が支援しあう仕組みを実現してはどうか。
7)
発表アイディア別チーム編成とグループディスカッション
有志によるアイディア発表が行われた後、アイディア発表者が中心となって、それぞ
れの参加者が興味のあるアイディアに集まり、ディスカッションを行いながら、ハッカ
ソンに向けたチームを結成した。ディスカッションには、主催者側のファシリテータや
モデレータのほか、一部のオブザーバーも積極的に参加し、活発な議論が行われた。
約2時間半のディスカッションの後、1日目の締めくくりとして、今回結成されたチ
ームによる発表が行われ、計8チームからハッカソンで実現したいアプリやシステムの
アイディアについての発表が行われた。
各チームの発表内容は、以下のとおりであった。
275
 徘徊の問題を解決するため、体に埋め込むタイプの GPS 機器を開発したい。
 お絵かきソフトで絵を描くと、それが懐かしい駄菓子に変わるようなアプリを開
発したい。
 認知症患者同士が、Skype を使って自由にコミュニケーションできるアプリを開
発したい。グループセッションなどの機能も実現したい。
 「気持ち翻訳機」を開発したい。ウェアラブル端末で脳波や心拍数を計測し、通
常のコミュニケーションが難しくなった認知症患者の感情や気分を把握して、介
護者とのコミュニケーションを円滑にするアプリを実現する。
 認知症患者の思い出を載せられるクラウドプラットフォームを実現したい。他の
サービスの基盤としても活用可能。
 地域内で利用できる仮想通貨(ポイント)が貯まる助け合いコミュニティサイト
を実現したい。
「助ける」
「助けて」ボタンから、相互支援が可能な仕組みとする
(1日目にグループで試作したコミュニティサイトの一部を発表)。
 「生活コンシェル(仮)」というアプリを開発したい。出かける際の戸締りの手
順などを案内する機能を搭載する。その他、自分の生活記録を付ける機能も実現
したい。
 「トイレのドアの開け方案内」を実現したい。例えばボタンを押すだけで開くド
アなどが実現できるとよい。
② 中間発表(平成 27 年 3 月 16 日(月)公表)
アイディアソンの終了から約2週間後に、コワーキングスペース・8Beat の WEB サイ
ト上18にて、中間発表が行われた。発表されたテーマは、以下のとおりであった。
<中間発表>(平成 27 年 3 月 16 日(月)公表)8Beat サイトにて
 発表成果:発表テーマ数 7テーマ
~ テーマ一覧 ~(WEB サイト掲載順)
① お互いSUNチームによる互助 Social Universal Network
② スカイプCOMツール「ハナソーヨ」
③「駄菓子アプリ」で毎日元気
④ GPSを利用した「徘徊対策ツール」
⑤ 認知症患者の「気持ち翻訳機」
⑥ 認知症患者向け自立支援マネージャー「生活コンシェル」アプリ
⑦ 認知症・高齢者の人が暮らしやすいインフラへの3つの提言
18
http://8beat.tokyo/
276
以下には、各チームの中間発表資料の一部を示す。
① お互い SUN チームによる互助 Social Universal Network
② スカイプ COM ツール「ハナソーヨ」
スカイプCOMツール ハナソーヨ
(仮)
認知症×IT@八王子 ハッカソン
スカイプを使って挑戦!
認知症者の活躍機会と就労可能性UP
対象:在宅の認知症者、施設入所中の認知症者
お金を支払ってもらう人:ご家族 or 入所中施設
(スカイプ利用料およびコーディネーション費用)
内容:毎回、好きな人や話しやすい人を選び、大型パネルのスカイプ
を使って認知症者同士が話す、他者と話す
※この時、セキュリティ強化目的に会話内容録画
メリット:認知症の方のエクササイズ、話し相手確保、
なじみの関係確保、相手にみられることによる外見への
配慮、誰か話したい人と話せる、認知症前から開始する
ことによりライフログ的側面も(戦争体験記録)、録画した映
像の中で外に出せるものがあればニコニコ動画へ(多世代交
流および認知症啓蒙・啓発活動の一環、イメージ変化)
③「駄菓子アプリ」で毎日元気
:自分の絵が利用者の「好きな駄菓子」に変身!!
:自分の絵が利用者の「好きな駄菓子」に変身!!
何気なく書く絵が自分の関心映像にARで変わっていく、
何気なく書く絵が自分の関心映像にARで変わっていく、
その驚きが関心を引き、レクリーe‐ション参加意欲が高まります
その驚きが関心を引き、レクリーe‐ション参加意欲が高まります
駄菓子屋アプリで毎日元気
駄菓子屋アプリで毎日元気
概要
概要
デイケアセンターのリクレーションをITで支援し、
デイケアセンターのリクレーションをITで支援し、
利用者が生き生き楽しめるような活動をサポートする
利用者が生き生き楽しめるような活動をサポートする
対象
対象 ・デイケアセンターの実利用者
・デイケアセンターの実利用者
・同センターの管理者
・同センターの管理者
内容
内容
介護リクレーションにタブレット端末を導入し、
介護リクレーションにタブレット端末を導入し、
ARソフトの活用により利用者のエモーショナルな
ARソフトの活用により利用者のエモーショナルな
刺激により自律的な活動支援を実現
刺激により自律的な活動支援を実現
https://saitottammas.wordpress.com/2013/05/24/metaio‐creator‐cloud/
https://saitottammas.wordpress.com/2013/05/24/metaio‐creator‐cloud/
277
④ GPS を利用した「徘徊対策ツール」
⑤ 認知症患者の「気持ち翻訳機」
システム概要
システム概要
気持ち翻訳機とは?
気持ち翻訳機とは?
測定値の分析の詳細
測定値の分析の詳細
絵画
絵画
•• 本人の気持ちや感情を脳波等を検知するこ
本人の気持ちや感情を脳波等を検知するこ
とで家族・介護者に伝える機器。
とで家族・介護者に伝える機器。
写真
写真
音楽
音楽
記録
記録
その他
その他
衣装
衣装
上記の物を見て感情の変化を知る
上記の物を見て感情の変化を知る
心拍測定器
心拍測定器
測定器での反応を測定する
測定器での反応を測定する
呼吸測定器
呼吸測定器
いいえ
いいえ
楽しい、表現か
楽しい、表現か
拒絶のポイント分析
拒絶のポイント分析
音程測定器
音程測定器
はい
はい
楽しいポイントの分析
楽しいポイントの分析
⑥ 認知症患者向け自立支援マネージャー「生活コンシェル」アプリ
提案するアプリケーション
提案するアプリケーション
•• TODOを思いついたその場で簡単入力機能
TODOを思いついたその場で簡単入力機能
生活コンシェル(仮)
生活コンシェル(仮)
–– △△スーパーで○○シャンプーをひとつ買う
△△スーパーで○○シャンプーをひとつ買う
•• 生活の段取りをお知らせするアラーム機能
生活の段取りをお知らせするアラーム機能
若年性アルツハイマー患者向け
若年性アルツハイマー患者向け
自立支援マネージャー
自立支援マネージャー
–– 今日は良く晴れます。シーツを洗濯しましょう!
今日は良く晴れます。シーツを洗濯しましょう!
–– ○時に病院の予約があります。そろそろ服を着替え
○時に病院の予約があります。そろそろ服を着替え
ましょう
ましょう
•• 予定通りに行動できた時のチェック機能
予定通りに行動できた時のチェック機能
•• 今日のふりかえり機能(トレーニング)
今日のふりかえり機能(トレーニング)
Team
TeamJunko
Junko
2015.03.13.
2015.03.13.中間発表用
中間発表用
–– 朝ごはんは何をたべた?
朝ごはんは何をたべた?
⑦ 認知症・高齢者の人が暮らしやすいインフラへの3つの提言
278
③ 2日目:ハッカソン実施記録(平成 27 年 3 月 22 日(日)開催)
2日目のハッカソンの概要を以下に示す。
<2日目> ハッカソン(平成 27 年 3 月 22 日(日)開催)
 開催記録
10:00~11:10
国立東京工業高等専門学校
准教授 北越大輔先生
「HAI(Human Agent Interaction)の概念に基づく認知症予防システム」
11:15~11:30
みずほ情報総研株式会社「非接触型離床センサーで何ができるか」
11:30~12:00
2日目新規参加者の参加先チームの決定等
12:00~16:10
各チームによるハッカソン(昼食含む)
16:10~18:45
各チームからのプレゼンテーション
18:45~19:15
審査/参加者アンケート回答
19:15~19:40
審査結果発表・審査員講評
20:00~22:00
懇親会
 参加者
:参加者数 25名、オブザーバー含む来場者数 45名
 発表結果 :参加チーム数 7チーム
~ 発表テーマ一覧 ~ (
)内はチーム名
ねこみみ
① Skype COMツール“つながる認知症”(チーム猫耳)
② 気持ち翻訳機(マインドキャッチャーズ)
③ あなたのメモリー(愛のメモリー)
④ ハイカイウォッチ(ハイカイウォッチ)
⑤ テーブルトップPCのインフラ化(八王子ウェルネス&ITクラブ)
⑥ HAPPY FLOWERS(HAPPY FLOWERS)
⑦ 互助 Social Universal Network(お互いSUNチーム)
 審査員
医療法人社団清仙会松本クリニック 理事長・院長
松本清彦氏
社会福祉法人清心福祉会 理事長
青木訓行氏
多摩信用金庫 価値創造事業部長
長島
国立東京工業高等専門学校 情報工学科 准教授
北越大輔氏
剛氏
 審査員
ねこみみ
最 優 秀 賞:チーム猫耳「Skype COM ツール“つながる認知症”」
審査員特別賞:八王子ウェルネス&IT クラブ「テーブルトップ PC のインフラ化」
ハッカソンには、2日目からの新規参加者も数名参加した。参加者数は1日目からや
や減少したものの、参加チーム数は概ね同じであった。
279
2日目の午前は、IT 関連の有識者を招き、介護分野におけるシステム開発についての
講演が実施された。その後、1日目の続編として、ハッカソンで利用可能なデバイスに
ついての追加紹介も行われた。
講演・解説の後、2日目からの新規参加者のための説明と参加先チームの検討・決定
が行われ、昼食前には各チームによるハッカソンが開始された。
ハッカソン終了後、各チームによる発表が行われ、発表内容に基づいて4名の審査員
による審査が行われた。審査の結果、今回参加した7チームの中から、最優秀賞1チー
ムと審査員特別賞1チームが決定された。
以下には、当日の開催風景を写真とともに示す。
1)
東京工業高等専門学校 北越先生講演「HAI の概念に基づく認知症予防システム」
2日目の冒頭では、東京高専の北越先生
から「HAI(Human Agent Interaction)の概
念に基づく認知症予防システム」について
の講演が行われた。講演の中では、開発さ
れたシステムの紹介とあわせて、介護現場
のニーズを反映するプロセスや開発の進
め方についても説明が行われた。特に、学
生のような若年層と高齢者では、画面の見
え方や音の聞こえ方、タッチパネルの操作
感覚などが大きく異なる可能性があること、それらに配慮した設計を行うとともに、使
ってもらえるシステムを実現するためには、実際にユーザーにシステムを利用してもら
って評価をフィードバックすることが重要であることなど、システム開発におけるユー
ザーニーズの把握と反映についての非常に実践的な講演が行われた。
2)
みずほ情報総研株式会社「非接触型離床センサーで何ができるか」
講演の後、1日目のアイディアソンでは
機能紹介のみとなった「非接触型離床セン
サー」の実物を用いて、その機能や活用用
途案についての紹介が行われた。本センサ
ーはベッドのマットレスの下などに設置
すると、離床・着床の状況や着床時の呼吸
数のデータ等が収集できるものである。説
明者が実際に利用して試行的に収集した
データも紹介された。
280
3)
各チームによるハッカソン
講演・解説の後、チーム毎に適宜昼食を挟む形で3時間半程度のハッカソンが実施さ
れた。各チームの人数はチームによって大きく異なり、1名のチームから6~7名のチ
ームまで、多様なチームがハッカソンに取り組んだ。
1日目と同様、主催者側のファシリテータやモデレータのほか、一部のオブザーバー
も積極的にディスカッションに参加し、議論の活性化と成果物の制作を支援した。
4)
各チームからのプレゼンテーション
ハッカソン終了後、各チームからのプレゼンテーションが行われた。以下には、発表
順に、各チームの発表内容を示す。各チームのプレゼンテーションの後には、審査員や
オブザーバーからの質疑応答も活発に行われた。
タイトル
Skype COM ツール“つながる認知症”
チーム名
チーム猫耳(ねこみみ)
参加人数
計3名(ハッカソン参加者は2名)
Skype を利用して、認知症患者同士が簡単
にコミュニケーションを行えるシステムを
開発。話したい相手を登録できる機能もあ
り、ボタンを押すだけで簡単に Skype によ
って相手を呼び出せる。認知症患者同士が
“つながる”ことで、お互いに支え合い、
自分自身が果たせる役割を感じてもらいた
いという意図が込められている。審査員か
らは、遠隔診療システムより手軽に利用で
きる可能性があるとのコメント。
281
タイトル
気持ち翻訳機
チーム名
マインドキャッチャーズ
参加人数
計7名(ハッカソン参加者は4名)
意思疎通が難しい認知症患者と介護者の間
で用いるコミュニケーションツールのアイ
ディアを具体的に検討し、そのイメージを
試作。ウェアラブル端末を利用し、心拍数
や脈拍数、脳波等を測定し、認知症患者の
気持ちをスマホ等に表示して介護者に伝え
る。また、これらの測定データをデータベ
ースに蓄積し、測定データと認知症患者の
感情や行動を分析することで、介護者が次
に対応すべきことなども事前に示せるよう
にしたいとの展望もあわせて発表された。
タイトル
あなたのメモリー
チーム名
愛のメモリー
参加人数
計7名(ハッカソン参加者は5名)
中間発表時の「生活コンシェル」のアイデ
ィアを発展させ、若年性アルツハイマーの
患者向けに、スケジュール管理機能と日常
的なタスクのリマインド機能を搭載したア
プリを試作。例えば通院の時間になると、
家族の声などの安心できる音声で「そろそ
ろ病院に行く時間だよ」
「予約は○時からだ
よ」
「診察券をカバンに入れてね」などと準
備の手順を案内する。審査員からは、若年
性アルツハイマーよりも軽度認知症患者の
ニーズに合っているのではないかとのコメ
ント。
282
タイトル
ハイカイウォッチ
チーム名
ハイカイウォッチ
参加人数
1名
認知症患者の徘徊への対応として、身に着
けるものではなく、体の中に GPS 機能を搭
載した IC チップを埋め込んではどうかと
いう提案を発表。アイディアソンでの介護
関係者からの意見を受けて、IC チップには
名前や連絡先、既往歴の情報を記録する。
審査員からは、倫理面や法律上の問題から
実現は難しいのではないかとのコメント。
タイトル
テーブルトップ PC のインフラ化
チーム名
八王子ウェルネス&IT クラブ
参加人数
計6名(ハッカソン参加者は5名)
認知症患者にとって暮らしやすい社会の実
現に向けて、テーブルトップ PC やクラウ
ドをインフラとして活用する地域社会の構
想や制度的な仕組みを包括的に提案。高齢
者向けに馴染みの UI を変えないという点
にも配慮(U マークの導入を提案)。テーブ
ルトップ PC を活用したアプリの例として
「思い出自分史アプリ」
(左図)を試作。写
真をクラウドから引き出す作業を2名で楽
しく行うことができる。
283
タイトル
HAPPY FLOWERS
チーム名
HAPPY FLOWERS
参加人数
計5名(ハッカソン参加者は3名)
中間発表時の「駄菓子アプリ」のアイディ
アを発展させ、塗り絵を完成させると、画
像に転換されるアプリを構想。例えばチュ
ーリップの塗り絵を正しく完成させると、
チューリップの写真が表示される。正しい
色で塗られていない場合は、異なる画像を
表示する。家族や介護者には、アプリを利
用する認知症患者の認知症の進行度合いの
ほか、興味を持っているものなどが分かる
ため、アプリを活用して関心のある花や料
理などを買ってあげることも可能というビ
ジネスモデルも提案。
完成!
タイトル
互助 Social Universal Network
チーム名
お互い SUN チーム
参加人数
計5名(ハッカソン参加者は3名)
メニュー
1.家事支援
2.買物
3.移動支援
4.一時託児
5.食事
6.教育
7.趣味
8.旅行
・高齢者と大学生のチームで、補習塾
・料理、農作業、手仕事
地域通貨(ポイント)を活用した高齢者同
士の互助コミュニティ支援システム「お互
い SUN アプリ」を構築。アプリには「手伝
う」
「手伝って」
「ゲーム」
「会話」のメニュ
ーを設定。「手伝って」を選択すると、「家
事支援」「買い物」「移動支援」「一時託児」
などのメニューが表示され、手伝って欲し
い事項を選ぶことができる(「電球を交換し
てくれたら○ポイント」など、提供ポイン
トを同時に表示)。また、「手伝う」を選択
すると、
「手伝って」から支援希望を登録し
ている人のリストが表示され、自分が手伝
える事項を選択できる(手伝うとポイント
を獲得)。
284
5)
審査結果発表
全チームによる発表の後、4名の審査員による審査が行われ、結果が発表された。な
お、審査は以下のような観点で行われたが、最終的な受賞チームは、審査基準を踏まえ
つつも、総合的な判定により決定された。
 審査項目
① 現場ニーズとの適合性
医療・介護・ヘルスケアの現場ニーズに合っているか
② 利用者にとっての使いやすさ
認知症患者や介護者にとって使いやすいものである
か
③ 機能や技術の高さ
機能が優れているか、または、技術が優れているか
④ 発想の新しさ
発想が新しいか、従来にない独創的なものであるか
⑤ 事業性・市場性
事業や製品として世に出せる可能性はあるか、市場は
あるか
 採点基準(各項目につき 5 点満点)
5点
非常に高く評価できる
4点
かなり評価できる
3点
ある程度は評価できる(努力や工夫のあとは感じられる)
2点
あまり評価できない
1点
まったく評価できない
 審査結果
以下の2チームによる成果が、それぞれの賞に選ばれた。
【
優
勝
】「Skype COM ツール“つながる認知症”」(by チーム猫耳)(左)
【審査員特別賞】
「テーブルトップ PC のインフラ化」
(by 八王子ウェルネス&IT クラブ)
(右)
285
3.
支援策の有効性に関する検証
3.1
調査方法
今回の事業では、アイディアソン・ハッカソンの参加者に対して、参加者アンケート
及びインタビューを実施し、取組の有効性に関する検証を実施した。アンケート及びイ
ンタビューの概要は、表 4-4、表 4-5 のとおりである。
表 4-4
支援策の有効性に関する調査方法
アンケート調査
<対象者>
<実施日>
<回答者数>
アイディアソン・ハッカソンの参加者
2日目の終了後(3/22~3/23)
計 26 名から回答を収集(紙又は WEB 経由)
インタビュー調査
<対象者>
<実施日>
<回答者数>
ハッカソンの参加者
2日目の終了後
計 4 名(有志)
表 4-5
支援策の有効性に関する調査項目
区分
調査項目
参加者情報
 職業、勤務先業種、所属機関の従業員規模、役職
 居住地、勤務地、年代
 医療・介護・ヘルスケアとの関わり(IT 関係者のみ)
今回の参加状況
と経緯
 今回のアイディアソン・ハッカソン参加(出席)状況
 今回のアイディアソン・ハッカソンを知った経緯
 今回のアイディアソン・ハッカソンへの参加理由
イベント評価
アイディアソン
・ハッカソンの
成果
今後の参加意向
 開催月、開催曜日、開催日数についての評価
 会場、当日の進行、参加費についての評価





勤務先企業の新製品・サービス創出の重視度
今回の支援策に対する勤務先の姿勢
今回の支援策において達成されたこと
今回のアイディアソン・ハッカソンへの参加は有益だったか
新製品・新サービスを生み出す力を強化する上で、
アイディアソン・ハッカソンへの参加は効果的だと思うか
 異なるテーマでアイディアソン・ハッカソンを開催するとし
たら、参加したいか
 アイディアソン・ハッカソンが開催されるとしたら興味があ
るテーマ
286
3.2
調査結果
参加者アンケート及びインタビューの結果を、それぞれ以下に示す。
3.2.1
参加者アンケート結果
参加者アンケートは、表 4-6 のとおり実施した。2日目のハッカソン終了後(審査員
の審議中)にアンケート回答時間を設け、参加者に紙または WEB 上での回答を依頼し
た。また、コワーキングスペース・8Beat の WEB サイトに本アンケートへのリンクを貼
り、1日目のみの参加者にも協力を依頼した。
表 4-6
参加者アンケート調査の概要
対象者
アイディアソン・ハッカソンの参加者
実施日
2日目のハッカソン終了後(~3/23 まで受付)
調査方法
 WEB アンケート
(2日目参加者のうち PC 持参者及び1日目のみの出席者)
 紙面によるアンケート(2日目参加者)
回答者数
計 26 名
(1) 回答者属性
① 参加者種類
今回の取組の参加者は、IT 技術者等の IT 関係者と医療・介護分野に従事する関係者
に分けられる。こうした観点からアンケート回答者に対して、今回の立場(職業)を尋
ねたところ、図 4-7 のとおりであった。回答者のうち、IT 関係者と医療・介護・ヘルス
ケア関連の関係者の割合は約4割ずつであり、その他が約2割となっている。
0%
全体(n=26)
25%
50%
42.3%
75%
38.5%
IT関連の関係者(ITエンジニア等)
上記以外
図 4-7
100%
15.4%
3.8%
医療・介護・ヘルスケア関連の関係者
無回答
参加者職業
なお、今回のアンケート結果の集計にあたっては、図 4-7 の「IT 関連の関係者(IT
エンジニア等)」を「IT 関係」、「医療・介護・ヘルスケア関連の関係者」及び「上記以
外」を「IT 以外」として区分した。
287
② 参加状況
アンケート回答者の今回の取組への参加状況は、図 4-8 及び図 4-9 のとおりであった。
0%
25%
全体(n=26) 3.8%
50%
75%
65.4%
30.8%
1日目(3月1日(日))のみ参加した
両日参加した
図 4-8
0%
2日目(3月22日(日))のみ参加した
参加状況
25%
IT関係
(n=11)
100%
50%
75%
100%
63.6%
36.4%
0.0%
IT以外
(n=15)
6.7%
26.7%
66.7%
1日目(3月1日(日))のみ参加した
両日参加した
図 4-9
2日目(3月22日(日))のみ参加した
参加状況(IT 関係/IT 以外)
今回の取組の参加者は、1日目は 43 名、2日目は 25 名であったが、アンケート回答
者は主に2日目のハッカソンの参加者となっている点には留意が必要である(1日目の
アイディアソンのみの参加者には医療・介護分野の関係者が多かったとみられるが、今
回はハッカソン参加者の回答が主体となっている)。
③ 参加者職業
回答者の職業(雇用形態)は、図 4-10 及び図 4-11 のとおりであった。全体の約6割
は会社員又は公務員であり、その他にも学生が3名参加した。
「その他」を選択した回答
者には、個人事業主やフリーランスの IT 技術者のほか、起業準備中の回答者等が含まれ
る。
0%
全体(n=26)
25%
50%
75%
65.4%
11.5%
100%
23.1%
0.0% 0.0%
会社員(役員含む)・公務員
パート・アルバイト
図 4-10
参加者職業
288
ボランティア等
学生
その他
0%
25%
IT関係
(n=11)
50%
45.5%
75%
100%
27.3%
27.3%
0.0% 0.0%
IT以外
(n=15)
20.0%
80.0%
0.0% 0.0% 0.0%
会社員(役員含む)・公務員
図 4-11
パート・アルバイト
ボランティア等
学生
その他
参加者職業(IT 関係/IT 以外)
④ 医療・介護・ヘルスケア分野との関わり(IT 関係者のみ)
IT 関係者に対しては、図 4-12 のとおり、医療・介護・ヘルスケア分野との関わりに
ついて尋ねた。その結果、半数以上が、現在医療・介護・ヘルスケア分野を手がけてい
る19か、過去に手がけた経験があると回答した。
0%
25%
IT関係
(n=11)
45.5%
50%
75%
9.1%
45.5%
100%
現在、医療・介護・ヘルスケア分野を手がけている
過去に医療・介護・ヘルスケア分野を手がけた経験がある
これまでに医療・介護・ヘルスケア分野を手がけた経験はない
図 4-12
医療・介護・ヘルスケアとの関わり(IT 関係)
⑤ 参加者業種
参加者の所属企業・組織の業種をより具体的に尋ねたところ、図 4-13 のとおりとな
った。
「IT 以外」については、2名が医療機関、3名が介護施設に、7名が医療・介護・
ヘルスケア関連の事業を手がける民間企業に所属している。
0%
25%
IT関係(n=8)
IT以外(n=14)
14.3%
図 4-13
20
75%
75.0%
IT関連
19
50%
25.0%
21.4%
IT以外
100%
50.0%
医療機関
介護施設
民間企業
14.3%
その他
0.0%
0.0%
無回答
参加者業種(IT 関係/IT 以外)(学生等を除く)20
インタビュー結果によると、IT 関連企業において医療・介護・ヘルスケア関連のシステム開発等を担当している
関係者のほか、医療関係機関(病院等)の情報システム部門に勤務している IT 技術者等も含まれる。
n=22 の集計結果は、③参加者職業の設問で「学生」または「その他」と回答した4名を除いたもの。
289
⑥ 参加者年代
回答者の年代分布は、図 4-14 及び図 4-15 のとおりであった。今回の取組には、20
代から 60 代以上まで幅広い年代の参加者が参加していることがうかがえる。
0%
25%
23.1%
全体(n=26)
50%
15.4%
75%
23.1%
100%
19.2%
19.2%
50代
60代以上
0.0%
10代
20代
30代
図 4-14
0%
50%
75%
9.1%
36.4%
0.0%
IT以外
(n=15)
参加者年代
25%
IT関係
(n=11)
40代
100%
27.3%
27.3%
0.0%
13.3%
33.3%
26.7%
13.3%
13.3%
0.0%
10代
20代
図 4-15
30代
40代
50代
60代以上
参加者年代(IT 関係/IT 以外)
図 4-15 をみると、「IT 関係」及び「IT 以外」のいずれも、全体の半分以上を 40 代以
上の参加者が占めていることが分かる。今回の取組は、アイディアソン・ハッカソンと
しては、年代の幅が比較的広く多様な参加者の獲得に成功したと考えられる。
⑦ 参加者役職
参加者の年代に続き、図 4-16 及び図 4-17 の所属企業・組織における役職をみると、
全体の約6割が経営層・管理職層となっている。特に図 4-17 のとおり、
「IT 関係」では
半数が経営層であった。多様な参加者の獲得に成功したことに加えて、特に IT 企業の経
営層の関心が得られたことは、既存の IT 企業の変革支援という今回の取組の趣旨を踏ま
えると非常に意義が大きいと評価される。
0%
25%
全体(n=22)
50%
18.2%
40.9%
経営層
管理職
リーダー・中堅
図 4-16
役職
290
75%
18.2%
若手・新人
100%
13.6%
9.1%
無回答
0%
25%
IT関係(n=8)
50%
50.0%
75%
12.5%
100%
25.0%
12.5%
0.0%
IT以外(n=14)
35.7%
28.6%
経営層
管理職
図 4-17
リーダー・中堅
0.0%
14.3%
21.4%
若手・新人
無回答
役職(IT 関係/IT 以外)
⑧ 参加者の所属機関の従業員規模
参加者の所属企業・組織等の従業員規模は、図 4-18 及び図 4-19 のとおりであった。
前項に続き、今回の取組の趣旨が中堅・中小 IT 関連企業の変革支援であったことを踏ま
えると、図 4-19 のとおり IT 関係者の多くが 50 名以下の企業に所属していることは、
取組の趣旨に適ったものであるといえる。
0%
25%
50%
22.7%
40.9%
全体(n=22)
75%
9.1%
100%
13.6%
4.5% 9.1%
0.0%
10名以下
301~1,000名
11~50名
1,001名以上
図 4-18
0%
101~300名
参加者の所属機関の従業員規模
25%
IT関係(n=8)
51~100名
無回答
50%
25.0%
75%
100%
25.0%
50.0%
0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
IT以外(n=14)
50.0%
7.1%
14.3%
21.4%
7.1% 0.0%
0.0%
10名以下
301~1,000名
図 4-19
11~50名
1,001名以上
51~100名
無回答
101~300名
参加者の所属機関の従業員規模(IT 関係/IT 以外)
⑨ 参加者勤務地
参加者の勤務地は、図 4-20 及び図 4-21 のとおりであった。八王子での開催であった
にもかかわらず、全体としては多摩地域以外に勤務している参加者が多く、予想外の結
果となった。ただし、図 4-21 の「IT 関係」については、約6割が八王子を含む多摩地
域に勤務している。
291
0%
25%
全体(n=26)
19.2%
50%
75%
23.1%
34.6%
23.1%
100%
八王子市内 (八王子市以外の)多摩地域 (上記以外の)その他の地域 無回答
図 4-20
0%
25%
IT関係
(n=11)
50%
27.3%
IT以外
(n=15)
参加者勤務地
100%
27.3%
27.3%
13.3%
20.0%
八王子市内
75%
18.2%
26.7%
40.0%
(八王子市以外の)多摩地域 (上記以外の)その他の地域
図 4-21
無回答
参加者勤務地(IT 関係/IT 以外)
⑩ 参加者在住地
参加者の在住地は、図 4-22 及び図 4-23 のとおりであった。「IT 以外」の参加者は、
勤務地は多摩地域外という回答が多かったものの、在住地については多摩地域という回
答が多くなっている。
0%
25%
全体(n=26)
19.2%
50%
(八王子市以外の)多摩地域
図 4-22
0%
25%
(上記以外の)その他の地域
参加者居住地
50%
45.5%
75%
54.5%
0.0%
IT以外
(n=15)
33.3%
八王子市内
図 4-23
100%
46.2%
34.6%
八王子市内
IT関係
(n=11)
75%
26.7%
(八王子市以外の)多摩地域
40.0%
(上記以外の)その他の地域
参加者居住地(IT 関係/IT 以外)
292
100%
(2) 設問回答
① 今回の取組を知った経緯
今回の取組を知った経緯としては、図 4-24 のとおり「勤務先で聞いた」、「8Beat の
WEB サイトを見た」という回答が多い。また、「その他」の回答の多くは今回の取組の
広報を支援いただいた機関(サイバーシルクロード八王子等)から聞いたという回答で
あった。図 4-25 をみると、
「IT 関係」は勤務先や上述の関係機関からという回答が圧倒
的に多く、IT 企業や関連団体を経由した広報活動が一定の成果をあげたといえる。
0%
25%
勤務先で聞いた
50%
75%
100%
15.4%
8BeatのWEBサイトを見た
15.4%
8BeatのTwitterやFacebookを見た
11.5%
その他のTwitterやFacebookを見た
11.5%
8Beatのメールマガジンを見た
11.5%
勤務先以外の知り合いに聞いた
7.7%
イベントのチラシを見た
7.7%
行政機関の関係者に聞いた
0.0%
その他のWEBサイトを見た
0.0%
その他のメールマガジンを見た
0.0%
全体(n=26)
その他
図 4-24
26.9%
今回の取組を知った経緯
0%
勤務先で聞いた
25%
36.4%
9.1%
20.0%
0.0%
20.0%
9.1%
13.3%
その他のTwitterやFacebookを見た
8Beatのメールマガジンを見た
勤務先以外の知り合いに聞いた
イベントのチラシを見た
0.0%
20.0%
9.1%
6.7%
0.0%
13.3%
行政機関の関係者に聞いた
0.0%
0.0%
その他のWEBサイトを見た
0.0%
0.0%
その他のメールマガジンを見た
0.0%
0.0%
その他
図 4-25
75%
0.0%
8BeatのWEBサイトを見た
8BeatのTwitterやFacebookを見た
50%
IT関係(n=11)
45.5%
IT以外(n=15)
13.3%
今回の取組を知った経緯(IT 関係/IT 以外)
293
100%
② 今回の参加理由
今回の取組の参加理由としては、図 4-26 のとおり「医療・介護・ヘルスケア分野に
興味があったから」という回答が最多となっているが、図 4-27 をみると、IT 以外の関
係者でも半数程度が「アイディアソン・ハッカソンに興味があったから」と回答してい
る点が注目される。また、IT 関係者には「人脈を広げたかったから」という回答も多い。
0%
25%
50%
75%
73.1%
医療・介護・ヘルスケア分野に興味があったから
認知症に興味があったから
57.7%
アイディアソン・ハッカソンに興味があったから
57.7%
30.8%
人脈を広げたかったから
15.4%
八王子を活性化するという開催の趣旨に共感したから
介護等の経験を共有したかったから
11.5%
参加するよう指示や依頼を受けたから
11.5%
講演者の講演に興味があったから
7.7%
知り合いが参加するから
7.7%
イベントで使うウェアラブル
デバイスに興味があったから
3.8%
全体(n=26)
11.5%
その他
図 4-26
今回の参加理由
0%
25%
50%
45.5%
66.7%
72.7%
アイディアソン・ハッカソンに興味があったから
46.7%
45.5%
人脈を広げたかったから
介護等の経験を共有したかったから
参加するよう指示や依頼を受けたから
講演者の講演に興味があったから
知り合いが参加するから
イベントで使うウェアラブル
デバイスに興味があったから
100%
66.7%
認知症に興味があったから
八王子を活性化するという開催の趣旨に共感したから
75%
81.8%
医療・介護・ヘルスケア分野に興味があったから
20.0%
0.0%
26.7%
0.0%
20.0%
18.2%
6.7%
0.0%
13.3%
0.0%
13.3%
0.0%
6.7%
9.1%
13.3%
その他
図 4-27
100%
今回の参加理由(IT 関係/IT 以外)
294
IT関係(n=11)
IT以外(n=15)
③ 開催日程(3月)について
今回の取組は3月の開催となったが、図 4-28 のとおり、この開催時期については「と
てもよかった」又は「よかった」という回答が全体の8割を超えた。
0%
25%
50%
75%
30.8%
全体(n=26)
よかった
図 4-28
0%
IT関係
(n=11)
3.8%
53.8%
とてもよかった
あまりよくなかった
どちらともいえない
50%
75%
63.6%
IT以外
(n=15)
11.5%
開催日程(3月)について
25%
9.1%
100%
100%
18.2%
9.1%
46.7%
46.7%
6.7%
0.0%
とてもよかった
図 4-29
よかった
あまりよくなかった
どちらともいえない
開催日程(3月)について(IT 関係/IT 以外)
3月以外に開催を希望する月を任意回答で尋ねたところ、図 4-30 のような回答が得
られた。「IT 関係」の2名が「5月」、「IT 以外」の3名が「9月」と答えている。
0%
1月
25%
50%
75%
100%
0.0%
0%
25%
1月
0.0%
0.0%
2月
0.0%
2月
0.0%
0.0%
3月
0.0%
3月
0.0%
0.0%
4月
0.0%
4月
0.0%
0.0%
5月
6月
33.0%
5月
0.0%
6月
0.0%
0.0%
11.0%
7月
0.0%
8月
11.0%
8月
0.0%
9月
0.0%
10月
0.0%
11月
0.0%
0.0%
12月
0.0%
0.0%
33.0%
10月
11月
11.0%
0.0%
全体(n=9)
12月
0.0%
図 4-30
33.0%
17.0%
50.0%
17.0%
その他に希望する開催月
295
75%
67.0%
17.0%
7月
9月
50%
IT関係(n=3)
IT以外(n=6)
100%
④ 開催日数について
今回の取組は離れた2日間での開催となったが、開催日数については、図 4-31 及び
図 4-32 のとおり、全体の半数近くが「今回のように離れた2日間でよかった」と回答
している。
「2日間の連日開催がよかった」という回答が3割程度みられるほか、2割程
度はもう少し短い日程での開催を希望している。ただし、中には「もっと長くても(3
日以上でも)よかった」という回答も一部みられる。
0%
全体(n=26)
25%
7.7%
50%
75%
46.2%
15.4%
100%
26.9%
3.8%
0.0%
1日+半日程度がよかった
1日がよかった
半日がよかった
今回のように離れた2日間でよかった
2日間の連日開催がよかった
もっと長くても(3日以上でも)よかった
図 4-31
0%
IT関係
(n=11)
開催日数について
25%
9.1%
50%
9.1%
75%
100%
27.3%
54.5%
0.0%
0.0%
IT以外
(n=15)
6.7%
20.0%
26.7%
40.0%
6.7%
0.0%
1日+半日程度がよかった
半日がよかった
2日間の連日開催がよかった
図 4-32
1日がよかった
今回のように離れた2日間でよかった
もっと長くても(3日以上でも)よかった
開催日数について(IT 関係/IT 以外)
⑤ 開催曜日について
今回の取組は日曜日に開催されたが、この開催曜日についても、図 4-33 及び図 4-34
のとおり「とてもよかった」又は「よかった」という回答が7割を超えた。ただし、図 4-34
の「IT 関係」には「とてもよかった」という回答が1件もないことや、図 4-35、図 4-36
をみると、「土曜日」を希望する声が多いことから、「土曜日」のほうが多くの参加者に
とってはより参加しやすかったのではないかと推測される。
0%
全体(n=26)
25%
50%
15.4%
61.5%
とてもよかった
よかった
図 4-33
あまりよくなかった
開催曜日について
296
75%
100%
11.5%
11.5%
どちらともいえない
0%
25%
50%
IT関係
(n=11)
75%
100%
18.2%
9.1%
72.7%
0.0%
IT以外
(n=15)
26.7%
53.3%
とてもよかった
図 4-34
よかった
13.3%
あまりよくなかった
どちらともいえない
開催曜日について(IT 関係/IT 以外)
0%
25%
50%
75%
9.1%
月~木曜日の夜間(18時以降)
全体(n=22)
4.5%
金曜日の夜間(18時以降)
0.0%
その他
13.6%
無回答
図 4-35
その他に希望する開催曜日
0%
25%
50%
無回答
100%
85.7%
12.5%
7.1%
月~木曜日の夜間(18時以降)
その他
75%
62.5%
土曜日
金曜日の夜間(18時以降)
100%
77.3%
土曜日
図 4-36
6.7%
0.0%
7.1%
0.0%
0.0%
7.1%
IT関係(n=8)
25.0%
IT以外(n=14)
その他に希望する開催曜日(IT 関係/IT 以外)
また、自由回答欄では、開催日程について以下のような意見が寄せられた。
 遠方のためというのもありますが、イベントは連日の方が参加しやすいです。し
かし、間がある方が制作しやすいかもしれません。
 3週間空けて2日目をやるという方法のメリットがよく分からない。また、この
2回制についての説明が不足しており、3週間で何をしていいかわからない人も
多かったし、飽きてしまって2回目に来ない人もいた。
 間に3週間ありましたが、参加動機や求めるゴールが異なるメンバーとその期間
にディスカッションを進めることが難しく、1日目と2日目で参加者も変わった
ため、より長く顔を合わせたディスカッションがしたかったです。
297
⑥ 会場について
今回は、約半年前に新しくオープンされた「コワーキングスペース・8Beat」を会場と
したが、会場については、図 4-37 及び図 4-38 のとおり、多くの回答者が「とてもよか
った」又は「よかった」と回答している。特に、図 4-38 をみると、
「IT 以外」の回答者
の満足度は高く、「とてもよかった」という回答が半数近くに上っている。
「コワーキングスペース・8Beat」は、八王子駅から徒歩4分とアクセスも良く、商店
街の中に立地しているという利便性が評価されたほか、会場室内の設備等も比較的新し
かったことが評価されたとみられる。
0%
25%
全体(n=26)
50%
75%
38.5%
よかった
図 4-37
IT関係
(n=11)
25%
あまりよくなかった
どちらともいえない
会場について
50%
75%
100%
46.7%
46.7%
とてもよかった
よかった
図 4-38
0.0%
9.1%
63.6%
27.3%
IT以外
(n=15)
7.7% 0.0%
53.8%
とてもよかった
0%
100%
あまりよくなかった
6.7% 0.0%
どちらともいえない
会場について(IT 関係/IT 以外)
⑦ 当日の進行について
当日の進行は、
「コワーキングスペース・8Beat」の関係者が担当したが、図 4-39 及び
図 4-40 のとおり、多くの回答者が「とてもよかった」又は「よかった」と回答してい
る。他のハッカソン等の参加経験もある IT 関係者から「とてもよかった」という回答が
得られなかった点については、今後に向けた改善点であるといえる。
0%
全体(n=26)
25%
50%
19.2%
53.8%
とてもよかった
よかった
図 4-39
あまりよくなかった
当日の進行について
298
75%
100%
15.4%
11.5%
どちらともいえない
0%
25%
IT関係
(n=11)
50%
75%
100%
9.1%
27.3%
63.6%
0.0%
IT以外
(n=15)
33.3%
46.7%
とてもよかった
図 4-40
よかった
6.7%
あまりよくなかった
13.3%
どちらともいえない
当日の進行について(IT 関係/IT 以外)
⑧ 参加費について
今回は1日あたり 1,000 円の参加費を設定した。この参加費については、図 4-41 及び
図 4-42 のとおり、
「妥当」又は「安い」、
「非常に安い」という回答がほとんどという結
果になった。特に「IT 関係」には「非常に安い」という回答が多い。
なお、「やや高い」と回答した場合には、任意回答で妥当な金額を尋ねたが「500 円」
という回答が1件寄せられた。
0%
全体(n=26)
25%
3.8%
50%
75%
100%
19.2%
61.5%
15.4%
0.0%
非常に高い
やや高い
図 4-41
0%
50%
非常に安い
75%
100%
27.3%
72.7%
0.0%
0.0% 0.0%
IT以外
(n=15)
安い
参加費について
25%
IT関係
(n=11)
妥当
6.7%
53.3%
6.7%
33.3%
0.0%
非常に高い
図 4-42
やや高い
妥当
安い
非常に安い
参加費について(IT 関係/IT 以外)
⑨ その他進行や運営に関する自由意見
今回のアンケートでは、進行や運営等に関する意見を自由回答(任意)で尋ねたが、
以下のような回答が寄せられた。なお、自由回答に寄せられた意見のうち、離れた2日
間で開催する日程についての意見は、p.297 にまとめて記載した。以下には、その他の意
見を示す。
299
 IT 技術のない方でも負い目を感じさせない雰囲気が素晴らしいです。また、他
のテーマもあれば参加させて頂きたいと思います。ありがとうございました。
 異なる分野の人を集めて話ができる機会を設けていただいたのは大変良いと思
います。ただ、ゴールの設定があいまいで、どう今後につなげるのかが見えにく
い気はしました。
 介護の現場で働いている方の参加が少なかったのではないでしょうか。(2日目
の参加者から)
 グループ分けについて、IT 系、介護系、その他の方をグループ内に平均的に配
置してほしい。
 出来る限り、予定に合わせた進行をしてほしい。
 プレゼンの公平性が無かった。
 貴重な講演を拝聴できたことは良かったのですが、せっかくのハッカソンなの
で、もっとグループで話し合う時間を長くとっていただきたかったと思います。
 アイディアの具現化に向けて、アイディアの採用可能性がある企業の方々にも参
加していただけると実現化が可能になるかもしれません。
⑩ 今回のアイディアソン・ハッカソンへの参加は有益だったか
アンケート設問では、総合的に今回の取組が有益であったかどうかを尋ねているが、
図 4-43 及び図 4-44 のとおり、全体の半数近い回答者が「非常にそう思う」と回答する
結果となった。
「そう思う」という回答を合わせると、全体の9割を超えるほぼすべての
回答者が「今回の取組は有益であった」と感じているといえる。
0%
25%
全体(n=26)
50%
75%
42.3%
100%
53.8%
3.8%
0.0%
非常にそう思う
図 4-43
どちらともいえない
そう思わない
今回のアイディアソン・ハッカソンへの参加は有益だったか
0%
IT関係
(n=11)
そう思う
25%
50%
75%
9.1%
63.6%
27.3%
100%
0.0%
IT以外
(n=15)
53.3%
非常にそう思う
図 4-44
0.0% 0.0%
46.7%
そう思う
どちらともいえない
そう思わない
今回のアイディアソン・ハッカソンへの参加は有益だったか(IT 関係/IT 以外)
300
特に、図 4-44 をみると、「IT 以外」の関係者の満足度は非常に高く、「非常にそう思
う」と回答した割合が半数を超えている。
⑪ 勤務先 IT 企業における新製品・新サービス創出の重視度(IT 関係者のみ)
今回のアンケートでは、主に IT 関係者向けに、勤務先の IT 企業における新製品・新
サービスの創出に関する考え方等を尋ねた。図 4-45 は、勤務先の IT 企業において、新
製品・新サービスの創出をどの程度重視しているかを尋ねたものであるが、全体の7割
を超える回答者が「非常に重視している」又は「ある程度重視している」と回答してい
る。
0%
IT関係
(n=11)
25%
50%
36.4%
36.4%
非常に重視している
あまり重視していない
図 4-45
75%
ある程度重視している
無回答
100%
9.1%
9.1%
9.1%
どちらともいえない
勤務先 IT 企業における新製品・新サービス創出の重視度(IT 関係)
⑫ 今回の取組に対する勤務先の姿勢(IT 関係者のみ)
また、新製品・新サービス創出の重視度とあわせて、今回の取組に対する勤務先の姿
勢を尋ねたところ、図 4-46 のとおり、約3割の回答者が「本イベントへの参加を奨励
している」と回答した。
「本イベントへの参加を認知している」という回答とあわせると、
IT 関係全体の約8割の参加者は、純粋な個人の余暇として参加しているというより、所
属企業が認識している状態で参加しているとみられる。
0%
IT関係
(n=11)
25%
50%
75%
45.5%
36.4%
100%
9.1%
0.0% 0.0%
本イベントへの参加を奨励している
本イベントへの参加を認知している
本イベントを特に認識していない
このようなイベントへの参加には否定的である
その他
無回答
図 4-46
今回の取組に対する勤務先の姿勢(IT 関係)
301
9.1%
⑬ 今回の取組において達成されたこと(IT 関係者のみ)
図 4-47 のとおり、今回の取組において達成されたことを尋ねたところ、
「異業種との
人脈を拡大する」、
「発想を形にするプロセスを経験する」といった点が多く挙げられた。
その他、
「市場の動向やユーザーのニーズを理解する」、
「最新技術を学ぶ」という回答が
続いている。
「自分の発想で開発する楽しさを経験する」、
「発想力を強化する」といった
点を評価する回答は、全体的にはやや少なめとなった。
0%
25%
50%
75%
100%
54.5%
異業種との人脈を拡大する
54.5%
発想を形にするプロセスを経験する
市場の動向やユーザーのニーズを理解する
36.4%
最新技術を学ぶ
36.4%
自分の発想で開発する楽しさを経験する
18.2%
発想力を強化する
18.2%
同業他社との人脈を拡大する
0.0%
開発に必要な技術力を強化する
0.0%
IT関係(n=11)
18.2%
その他
図 4-47
今回の取組において達成されたこと(IT 関係)
⑭ 新製品・新サービスを生み出す力を強化する上で、アイディアソン・ハッカソンへ
の参加は効果的だと思うか
新製品・新サービスを生み出す力の強化は、今回の取組の目的であったが、この点に
ついて、すべての回答者に対して、
「新製品・新サービスを生み出す力を強化する上で今
回のようなアイディアソン・ハッカソンに参加することは効果的だと思うか」と尋ねた
ところ、図 4-48 及び図 4-49 のような回答が得られた。
図 4-48 をみると、約4割の回答者が「非常にそう思う」と回答しているほか、
「そう
思う」という回答とあわせると、全体の9割以上が「効果的」と回答している。
0%
全体(n=26)
25%
50%
42.3%
非常にそう思う
75%
100%
3.8% 3.8%
50.0%
そう思う
どちらともいえない
そう思わない
図 4-48 新製品・新サービスを生み出す力を強化する上で、
アイディアソン・ハッカソンへの参加は効果的だと思うか
302
0%
25%
IT関係
(n=11)
50%
46.7%
非常にそう思う
100%
9.1%
45.5%
36.4%
IT以外
(n=15)
75%
9.1%
0.0% 0.0%
53.3%
そう思う
どちらともいえない
そう思わない
図 4-49 新製品・新サービスを生み出す力を強化する上で、
アイディアソン・ハッカソンへの参加は効果的だと思うか(IT 関係/IT 以外)
⑮ 今回の取組に参加してよかったこと/今後の業務にどのように役立つか
今回のアイディアソン・ハッカソンに参加してよかったと感じた点や、今回得られた
経験が今後の業務にどのように役立ちそうかを自由回答で尋ねたところ、以下のような
回答が寄せられた。
 様々な知識、アイディアに触れられたので刺激になりました。
 認知症に関する知識が広がり、認知症をどうしたら予防できるかを考えることが
できました。
 認知症に対する意見をいろいろ聞けました。1日目の話が良かった。
 異業種、特に介護の現場に関わっておられる方の意見が聞けたことがよかった。
 異業種の方々と意見交換ができ、自分の視野が広がりました。八王子からの発信
の可能性を感じました。
 新しいアイディアを考えるきっかけになった。
 仕事中にとことん考える時間がなかなかとれなかったので、大変良い機会になり
ました。
 自分自身の今後の活動のヒント等を得ることができた。
 アイディアから開発までの一連の作業を経験することで、本業でも活かせる自信
が付きました。
 このような、解決すべき問題そのものに関する知識と解決のためのプロセスを実
践すること自体が今後の業務での価値となると思います。
 アイディアからそれをビジネスとして回すしくみまで考えるのは難しいことが
わかった。その部分を評価するだけでなく、ビジネスの専門家のアドバイスまで
いただけると嬉しかった。
 IT の立場の人間が、困っていてどうにかしたいと考えている(現場の)方と直
接対話して解決策を考えるプロセスを経験できたことが良かった。
303
 介護職と IT エンジニアが同じテーブルで開発についてのディスカッションが出
来たことはよかった。医療、情報工学などの専門家の意見や、自分の参加チーム
以外のアイディアなども大変参考になった。
 他業種の方とつながりを持つことで情報共有の幅が広がり、当社の新規サービス
企画のヒントを得ることができそうです。また、ファシリテーションの難しさと
重要性を痛感しました。
 医療・介護の専門家の方はもちろん、日頃関わりのない職業の方々と共にひとつ
のサービスを作り上げるという経験を得ることができました。何かを作る上で、
様々な立場の方に意見をいただくということを今後も続けていきたい。
 今回のゴールと今後のメリットをもう少し明確にしていただけると、もっと役立
つと感じられたと思う。
 怖いもの見たさの心境で参加したものの、聡明さと経験に裏打ちされた意見の
数々に圧倒されながらの1日目でした。2日目の最終日は、グループメンバーに
も恵まれ、IT にも“情”がある事を学び、IT に対する苦手意識を少し解消でき
ました。今後どのように役立てるかを考え続けていきたいと思っています。
 今回のイベントに参加する前からアイディアを考えていました。アイディアの実
装に向けて、今回こちらのイベントで皆様の意見をお伺いしたいと思い、参加し
ました。当初考えていたものより、皆様のご意見やメンターの方のアドバイス等
で大変素晴らしいものになったと思います。今後はジョイント出来る企業様にプ
レゼンしていきたいと考えています。
⑯ 今回のイベントと同じ実施主体が異なるテーマでアイディアソン・ハッカソンを
開催するとしたら、参加したいか(IT 関係者のみ)
例えば今回と同じようなアイディアソン・ハッカソンが異なるテーマで開催される場
合に参加を希望するかどうかを、IT 関係者に尋ねたところ、図 4-50 のとおり「ぜひ参
加したい」又は「参加することに興味はある」という回答が9割に上った。今度、同様
の実施主体によってアイディアソン・ハッカソンを開催した場合も、今回の参加者の多
くは参加を検討する可能性があると考えられる。
0%
IT関係
(n=11)
図 4-50
25%
50%
45.5%
75%
45.5%
テーマや日程が合えばぜひ参加したい
参加することに興味はある
あまり参加に興味はない
まだ分からない
100%
9.1%
0.0%
今回のイベントと同じ実施主体が異なるテーマでアイディアソン・ハッカソンを
開催するとしたら、参加したいか(IT 関係)
304
⑰ アイディアソン・ハッカソンが開催されるとしたら興味があるテーマ(IT 関係者のみ)
今回と同じようなアイディアソン・ハッカソンが開催されるとしたら、どのようなテ
ーマに興味があるかを、図 4-51 のような選択肢を用いて IT 関係者に尋ねたところ、今
回の「医療・介護」に近い領域である「健康・ヘルスケア」のほか、
「教育」という回答
が多く寄せられた。その他には、「農業」、「先端ものづくり」なども挙げられている。
その他の自由回答としては、
「マイクロビジネス(手作り品など規模の小さいビジネス
の振興)」という回答が1件寄せられた。
0%
25%
50%
健康・ヘルスケア
図 4-51
100%
54.5%
教育
54.5%
農業
27.3%
先端ものづくり(ロボット等)
27.3%
地元の伝統工芸品
18.2%
環境・エネルギー
18.2%
その他
75%
IT関係(n=11)
9.1%
アイディアソン・ハッカソンが開催されるとしたら興味があるテーマ
(IT 関係)
305
3.2.2
参加者インタビュー結果
2日目のハッカソン終了後、今回の支援策の効果や参加者の感想・要望をより具体的
に把握するため、インタビュー調査を実施した。その結果は、以下のとおりである。
なお、今回のインタビューは、IT 関係者に対する支援策の有効性を把握するという観
点から、主に IT 関係者を対象に実施した。
表 4-7
参加者インタビュー調査の概要
対象者
ハッカソンの参加者(IT 関係者)
実施日
2日目のハッカソン終了後
調査方法
対面によるインタビュー
協力者数
計4名
① 今回の取組への参加動機
今回のアイディアソン・ハッカソンへの参加の動機は、回答者によって様々であるも
のの、
「新しいアイディアやビジネスを考えること」に興味を感じたという点は共通して
いる。中には、
「今後自分でビジネスを立ち上げることを検討しており、その準備に向け
た一環として参加した」という回答も複数寄せられた。また、従来型のビジネスの変革
という本事業の問題意識に賛同するという声も聞かれた。なお、参加者の多くが「普段
あまりない貴重な機会である」と感じている点も注目される。新しいビジネスの創出や
既存のビジネスの変革に高い関心を持つ IT 技術者(経営層を含む)の問題意識に応える
機会を提供したという点でも、今回の取組は意義があったと考えられる。
 元々フリーランスとして活動していたこともあり、今後、独立して事業を行うこ
とも視野に入れている。そのため、自分自身の事業についても検討したいと考え
参加した。現在の職場内では新規事業を考える機会はあまりないため、今回のよ
うな機会は貴重であると感じた。
 最近、大手企業を退職し、現在はフリーで新しいビジネスを立ち上げる準備を
しているところ。自分のアイディアに対する他の方の意見を聞いてみたかった。
 医療関係のシステム開発を手がけているが、自社内では新しいシステムやビジネ
スを一から考える機会は少ないため、面白そうだと思い、参加した。
 今回は、経済産業局が主催するイベントとしては異例のイベントであると感じ、
日曜日ではあったが、何とか都合をつけて参加した。今後、日本の中小 IT 企業
が、現状のまま生き残っていくことは難しい。今回の中小 IT 企業の変革支援と
いう開催の趣旨には大いに共感できる。
306
② 医療・介護分野に関する気づき(ユーザーニーズの理解に関する成果)
今回のアイディアソン・ハッカソンの大きな特色として、医療・介護関連のユーザー
が数多く参加したという点が挙げられる。こうした状況の中で、ユーザーニーズの理解
という側面に関する成果としては、以下のような声が寄せられた。
 認知症患者のニーズや現場の実態についてあまり知らなかったが、今回、そのよ
うな点を新たに学ぶことができた。
 介護現場の状況や介護関係者の考え方を知ることができ、とても新鮮だった。
 医療と介護は異なる分野であり、介護分野について知らないことが多かったが、
介護分野の参加者の話は、介護の現場を知るための良い情報となった。
 今後、医療×IT の分野で独立したいと考えているが、その際、医療分野だけで
はなく介護分野についても知っていると、よりユーザーのニーズにあったサービ
スが作れると感じた。
 技術者の発想とは大きく異なる考え方や、ユーザーの現状が分かった。
 専門家の話を聞いてアイディアを出すという2部構成は非常によかった。有識者
による講演は、大変参考になった。
 自分のチームでは、介護関係者が2日目に不在となってしまったため、IT 関係
者のみで検討を進めた。しかし、チームで考えたものが、実際に介護現場で使っ
てもらえるのかどうかという点がよく分からないまま進んでしまった。IT 関係
者だけのチームでは、現場のどのような課題を解決するためのシステムなのか、
問題意識を明確にすることが難しいと感じた。
③ 今回の参加によって得られた成果
今回のアイディアソン・ハッカソンに参加して得られた成果としては、人脈やユーザ
ーとのコミュニケーションの機会を指摘する意見が多かった。
 イベント参加の収穫として、人脈形成が挙げられる。特に、IT 以外の分野(今
回は介護分野)の方と知り合うことができたことは大きい。
 現在、起業準備を進めているが、ユーザーの課題や、悩み、考え方等を知ること
ができたことは、今後の事業検討の際の強みになると思う。
 今回のような取組を通じて、社外の方とコミュニケーションを取り、ビジネスの
アイディアを広げられることは非常に有意義である。
 通常、ユーザーにアプローチすることは非常に難しい。こうしたイベントをきっ
かけに、ユーザーと直接コミュニケーションできることは本当に重要である。
307
④ アイディアソン・ハッカソンの有効性についての意見
新製品や新サービスを考える上でアイディアソン・ハッカソンという実施形態が有効
かどうか、という観点については、以下のような意見が寄せられた。
 アイディアやビジネスプランを皆で一緒に議論することで、自分だけでは考えら
れないような異なる発想が得られる。この点は、非常に良い刺激となったと思う。
 バックグラウンドが異なるメンバーからの話は、自分と視点が異なっていて非常
に勉強になる。
 バックグラウンドが異なるメンバーと一緒に開発ができることは非常に新鮮で
ある。同じバックグラウンドを持つ会社の同僚同士で議論すると、現場の実態が
分からず想像に頼ってしまう部分についても、実際の体験談などを聞くことがで
きて、非常に勉強になった。
 今回は、アイディアから実ビジネスに落とし込む方法を学ぶことができた。今後
の自分自身のビジネスに役立てていきたい。
 会社では、業務上決められたシステムをつくるが、そうではない状態で自由にシ
ステムを開発することは面白い。
 会社では、実際にビジネスになるかどうか分からないアイディアを考える機会は
ほとんどない。そのような意味で、今回のハッカソンは、企業では経験できない
経験を積む非常に良い機会になった。こうした経験を積むことで、新しいビジネ
スなどを考える力も身に付くのではないか。
 今後、日本の中小 IT 企業が、現状のまま生き残っていくことは難しい。今回の
中小 IT 企業の変革支援という開催の趣旨には大いに共感でき、取組の内容も大
変面白いと感じた。まさにこれからの中小 IT 企業に求められる発想力などを強
化する上で、今回の取組は非常に有益であったと思う。
⑤ 今回の取組に関する意見・要望
今回のアイディアソン・ハッカソンを終えて感じた要望や改善点などを尋ねたところ、
以下のような声が聞かれた。特に、複数の参加者から、投資家やビジネスプランを考え
られる人材などの「ビジネス知識を有する人材」の参加を望む声が聞かれたほか、実際
にビジネスプランを検討する段階まで取り組みたいといった意欲的な意見もみられた。
 介護の実体験に基づくニーズを議論することができ、盛り上がったが、議論の中
から出されたアイディアについて、それを実現していくための具体的な方法(ビ
ジネスモデル)を考え出すことが難しかった。メンバーから意見が出ず、皆で考
え込んでしまうこともあった。投資家などがメンバーとして参加していれば、違
った視点で意見をもらうことができたのではないか。
308
 アイディアからビジネスプランを検討するためには、例えばイベントの中で、投
資家から意見をもらえる場があれば良い。アイディアを具現化する際に、投資家
の観点から意見を頂けると参考になるのではないか。
 今回のイベントは、会社の研修と同じ段階でとどまっているが、考えたアイディ
アを、イベントの終了後もビジネスとして取り組めるくらいの水準にまで具体化
できないか。例えば、2日目の後に、さらに参加者を絞り、3日目としてスター
トアップの立ち上げにチャレンジするという方法も考えられる。クラウドファン
ディングなども活用し、資金を実際に集めてみるといった取組も実現できるとよ
い。また、3日目には、営業担当や投資家等のビジネスを理解した人材が必要で
ある。会社を立ち上げる際に必要なメンバーを入れて3回開催するのが理想的で
はないか。
 アイディアソンで出されたアイディアをもっと具体化するためには、現場のニー
ズを理解しているユーザー、IT によってシステムを開発するエンジニア、ビジ
ネスモデルを考える人の3種類のメンバーが必要だと感じた。
 審査の段階まで、成果としてどのようなものが求められているのかがよく分から
なかった。面白いものがよいのか、新しいものがよいのか、すぐに使えるような
ものがよいのか、評価基準を先に示していただけるとよかった。
⑥ 今回の取組拡大に対する期待
今回の取組に対して、その問題意識や開催の趣旨に賛同し、今後の取組拡大を期待す
る声も寄せられた。前掲の意見と重複する部分もあるが、以下にその意見を再掲する。
 今回は、経済産業局が主催するイベントとしては異例のイベントであると感じ、
日曜日ではあったが、何とか都合をつけて参加した。今後、日本の中小 IT 企業
が、現状のまま生き残っていくことは難しい。今回の中小 IT 企業の変革支援と
いう開催の趣旨には大いに共感でき、取組の内容も大変面白いと感じた。まさに
これからの中小 IT 企業に求められる発想力などを強化する上で、今回の取組は
非常に有益であったと思う。今後、こうした取組を地域に広げていただくことを
強く期待したい。
309
3.3
調査結果からみた今回の支援策の総括
以下には、参加者アンケート及びインタビューの結果等を踏まえて、今回の支援策に
関して「評価される点」及び「今後に向けた改善点」を以下に総括する。
(1) 評価される点
今回の支援策については、以下の点が成果として評価される。

【多数の参加者の獲得】今回の取組において、特に1日目の参加者数は定員 35
名に対して 40 名以上に達し、大盛況となった。当日は IT 関係者に加えて、IT
関係者にとってのユーザーである医療・介護分野からの関係者も数多く参加し、
双方の分野の関係者の関心を捉えることに成功したといえる。取組の広報・PR
の面では、大きな成果を挙げた。

【現場ユーザーの参加】1日目・2日目とも、地域の第一線の有識者による講
演が実施された。特に1日目の講演については、医療・介護分野の関係者の多
くが高い関心を持ったとみられ、1日目に医療・介護現場の関係者が数多く参
加する背景となった。また、1日目に数多く参加した医療・介護現場の関係者
から、現場の実体験を踏まえたリアルなニーズを学ぶことが可能となった。

【企業向け広報活動の成果】今回の開催の趣旨の一つとして、中堅・中小 IT 関
連企業の経営支援という目的が含まれていることから、開催にあたっては、八
王子商工会議所等の地域の関係機関の協力を得て、中堅・中小 IT 関連企業に対
する広報活動に力を入れた。その結果、IT 関係者については、勤務先(中堅・
中小 IT 関連企業)経由で今回の取組を知って参加した参加者が多く、企業向け
の広報活動は一定の成果を達成した。

【問題意識の高い参加者】今回の参加者は年代が幅広く、若年層のほか、経営
層や管理職層の参加も多いことが特徴となっている。参加者の中には中堅・中
小 IT 関連企業の変革という開催趣旨に共感いただいた経営層もみられたほか、
実際に新規ビジネスの立ち上げや起業を検討している参加者もおり、全体的に
問題意識や目的意識の高い参加者が多かった。
以上のとおり、今回の支援策については、第一線で活躍する講演者の招聘と事前の広
報活動が成果を上げ、数多くの参加者の獲得に成功した。特に、医療・介護分野の関係
者(ユーザー)の参加が多く、現場の実体験を踏まえたリアルなニーズが学べたことは、
非常に有意義であったといえる。
310
(2) 今後に向けた改善点
今回の支援策に関する今後の改善点としては、以下のような点が挙げられる。

【ユーザーへの配慮・対応】 前述のとおり、1日目のアイディアソンには、医
療・介護現場の関係者が数多く参加した。しかし、運営時には、アイディアソ
ンやハッカソンなどのイベントをあまりよく知らない医療・介護現場の関係者
に対して、十分な説明や配慮がやや不足した場面もみられた。その結果、そも
そも“アイディアソン”という言葉やその趣旨、進め方を知らない医療・介護
現場の関係者の中には、その場で何をしたらよいか十分に理解できないケース
も一部に散見された。IT 関係者以外にも多様な関係者が参加する場合は、参加
者に合わせた詳細な説明等が求められる。

【ユーザーニーズの収集】 ユーザーの参加が多いという点は今回の成果の一つ
であるといえるが、この利点をアイディアソン・ハッカソンの運営上、十分に
活かしきれなかったという点も改善点として挙げられる。IT 関係者にとって非
常に貴重な現場のユーザーのニーズを聞ける機会であるため、もっと多くのニ
ーズが聞けるような進め方の工夫も考えられたのではないか。例えば、医療・
介護現場の関係者から、
「日頃困っていること」、
「解決して欲しいこと」、
「あっ
たらいいと思うもの」を順番に発表してもらうなど、より多くのユーザーの声
が聞ける進行についても検討の余地があったといえる。

【チーム編成の工夫】 参加者アンケート中にも指摘があったが、今回、IT 関
係者のみで構成されたり、逆に医療・介護分野の関係者のみで構成されたチー
ムも存在し、多様な立場から知見を提供し合うという本来の目的が十分に達成
できなかったチームも一部にみられた。今回は、離れた2日間での開催となっ
たため、1日目のみ、2日目のみの参加者も存在し、両日ともバランスのよい
メンバー構成を実現することは難しい状況ではあったが、差し支えのない範囲
でチーム間のメンバー交替を行うなど、何らかの対応が必要であったと考えら
れる。

【地元 IT 企業の参加】 今回の取組は、地域の中堅・中小 IT 関連企業のビジネ
ス変革支援を目的として開催された。そのような開催の趣旨を踏まえると、八
王子の中堅・中小 IT 関連企業からの参加者がもう少し多いことが望ましかった
ともいえる。今回のアイディアソン・ハッカソンが、地域の中堅・中小 IT 関連
企業のビジネス変革支援のために行われるという趣旨についての PR が、各種
媒体上でやや不足していた可能性も考えられる。

【ビジネス観点の強化】 参加者アンケートやインタビュー調査では、投資家や
311
ビジネスの専門家から、ビジネスプランに関する助言が欲しかったという意見
が多く聞かれた。限られた時間の中で、ビジネスプランの立案までを行うこと
は難易度が高いと思われるが、今回のように、具体的に起業を考えているよう
な意欲的な参加者が多い場合は、ビジネスの専門家にメンター的な役割を担っ
ていただくことも検討する必要があると考えられる。
312
3.4
支援策としてのアイディアソン・ハッカソンの有効性についての検証結果
前節までのアンケート結果及びインタビュー結果に基づき、イノベーション創出支援
策としてのアイディアソン・ハッカソンの有効性について改めて以下に整理する。
中堅・中小 IT 関連企業が新しい製品・サービスを生み出す際に、そのユーザーとなる
様々な業種とつながりを持つことは重要である。今回の取組のように現場のユーザーが
抱える課題やニーズをユーザーから直接学ぶことは、ニーズに合った製品・サービスを
生み出す上できわめて重要であると考えられる。
図 4-52 のとおり、今回の参加者アンケートでは「今回の支援策において達成された
こと」として、「異業種との人脈の拡大」が最上位に挙げられた。中堅・中小 IT 関連企
業が新しい製品・サービスを生み出す上できわめて重要な、ユーザーニーズの把握とい
う課題に対して、今回のようなアイディアソン・ハッカソンが有効であることが確認さ
れたといえる。
0%
25%
50%
異業種との人脈を拡大する
75%
100%
54.5%
発想を形にするプロセスを経験する
54.5%
市場の動向やユーザーのニーズを理解する
36.4%
最新技術を学ぶ
36.4%
自分の発想で開発する楽しさを経験する
18.2%
発想力を強化する
18.2%
同業他社との人脈を拡大する
0.0%
開発に必要な技術力を強化する
0.0%
IT関係(n=11)
その他
図 4-52
0%
全体(n=26)
18.2%
今回の支援策において達成されたこと(IT 関係)
25%
50%
42.3%
非常にそう思う
75%
100%
3.8% 3.8%
50.0%
そう思う
どちらともいえない
そう思わない
図 4-53 新製品・新サービスを生み出す力を強化する上で、
アイディアソン・ハッカソンへの参加は効果的か【再掲】
313
また、参加者アンケートでは、図 4-53 のとおり、参加者の実に9割以上が「新製品・
新サービスを生み出す力を強化する上でアイディアソン・ハッカソンへの参加は効果的
である」と回答しており、この結果からは、より直接的にアイディアソン・ハッカソン
の有効性を確認することできる。
また、参加者アンケートやインタビューでは、以下のような具体的な意見も寄せられ
ている。これらの一つ一つの意見も、新製品・サービスの創出におけるアイディアソン・
ハッカソンの有効性を示しているといえる。
 仕事中にとことん考える時間がなかなかとれなかったので、大変良い機会になっ
た。
 IT の立場の人間が、困っていてどうにかしたいと考えている(現場の)方と直
接対話して解決策を考えるプロセスを経験できた。
 医療・介護の専門家の方はもちろん、日頃関わりのない職業の方々と共にひとつ
のサービスを作り上げるという経験を得ることができた。
 自分自身の今後の活動のヒント等を得ることができた。
 アイディアから開発までの一連の作業を経験することで、本業でも活かせる自信
が付いた。
 他業種の方とつながりを持つことで情報共有の幅が広がり、当社の新規サービス
企画のヒントを得ることができそうである。
 アイディアソンの中で、アイディアやビジネスプランを皆で一緒に議論すること
で、自分だけでは考えられないような異なる発想が得られる。
 会社では、実際にビジネスになるかどうか分からないアイディアを考える機会は
ほとんどない。そのような意味で、今回のハッカソンは、企業では経験できない
経験を積む非常に良い機会になった。こうした経験を積むことで、新しいビジネ
スなどを考える力も身に付くのではないか。
 今後、日本の中小 IT 企業が、現状のまま生き残っていくことは難しい。今回の
中小 IT 企業の変革支援という開催の趣旨には大いに共感でき、取組の内容も大
変面白いと感じた。まさにこれからの中小 IT 企業に求められる発想力などを強
化する上で、今回の取組は非常に有益であったと思う。今後、こうした取組を地
域に広げていただくことを強く期待したい。
314
今後求められる支援策の在り方
4.
本節では、今後求められる支援策の在り方として、今回の支援策の在り方の検証を通
じて、今後、今回と同じようにアイディアソン・ハッカソンによるイノベーション創出
支援策を実施する場合のポイントや要件を整理する。
4.1
アイディアソン・ハッカソンによるイノベーション創出支援策のポイント
(1) 現場ユーザーの参画
今回の支援策の最大のメリットは、ニーズを持つ現場ユーザーの参画であったといえ
る。IT 企業にとって、課題を持つユーザーから直接ニーズが聞けることは非常に有意義
であり、支援策においては、このメリットを最大化することが重要である。なお、ユー
ザーの参画を実現するためには、
「ユーザーにとってのインセンティブ」に配慮すること
が重要である。今回実施した支援策では、著名な有識者による講演がインセンティブと
なった面も大きかったが、今回のような形を一例として捉え、ユーザーが参加するメリ
ットもあわせて提供することが求められる。
(2) 問題意識を有する中核機関の存在
今回の取組のような支援策を実施する場合、公的機関が中心となって企画・実施のす
べてを担うのではなく、地域の課題を認識し、問題意識を有する地域の中核機関が主導
的な役割を担うことが望まれる。公的機関による支援策は一過性のものであるが、地域
の中核機関は、支援後の継続・展開に対して意欲と責任を持ち、その支援の成果を活か
した取組を展開することが期待される。
(3) 公的機関によるネットワーク形成支援
地域の中核機関が主導する形で支援策を実施する場合、公的機関や中央行政機関の役
割は、地域の中核機関のみでは通常実現し得ない人脈等のネットワーク形成を支援する
ことであるといえる。公的機関や中央行政機関が、地域の中核機関と有識者や地域の他
機関をつなぐことで、そこから新たなネットワークが生まれ、その後の取組が発展する
前提となる基盤が形成される。その他にも、公的機関や中央行政機関にとっては、意欲
ある地域中核機関そのものの発掘も、大きな役割であるといえる。
(4) 地域 IT 企業の参画促進
今回の取組では、地域の中堅・中小 IT 関連企業の参画が予想されたほどに多くなかっ
たが、支援策の本来の趣旨を踏まえると、地域の中堅・中小 IT 関連企業こそ、参加者の
中心的な存在であることが望ましい。今回は、開催が週末となったため、参加しづらか
ったという可能性も否定はできない。
315
また、既存の IT 関連企業のビジネス変革支援であるという趣旨が、地域の中堅・中小
IT 関連企業に十分伝わっていなかったのではないかという点も課題として指摘された。
既存の IT 関連企業の中には、「アイディアソン」や「ハッカソン」といった言葉に馴染
みが無い企業もあると想定されるため、例えば「新ビジネスの創造に向けたアイディア
力強化ワークショップ」といった説明の仕方もあり得ると考えられる。
(5) 地域の教育機関の役割
今回の取組のような支援策の実施において、地域の教育機関は重要な役割を担ってい
る。特に学生や教員といった企業とは異なる視点や専門性を有する人材の参画により、
支援策の活性化が実現されるほか、場合によっては、地域の教育機関が地域のネットワ
ーク形成の拠点として機能する可能性もある。地域の高度な技術や専門性が集積する拠
点として、教育機関の役割に対する期待は大きい。
(6) 知的財産の活用方法の明確化
今回の取組においては、オープンイノベーションの有効性とともに、オープンである
がゆえに知的財産の取り扱いを明確にする必要があることが、改めて認識された。アイ
ディアソン・ハッカソンにおける知的財産の取り扱いについては、過去の取組でも様々
な考え方が示されているが、いずれにせよ取り扱いが曖昧なままでは、何らかの問題が
発生する可能性がある。また、問題が生じると、オープンイノベーションの促進が阻害
される恐れもある。アイディアソン・ハッカソンのようなオープンイノベーションの取
組を促進するためには、知的財産の取り扱いを明確にし、可能であれば参加規約を明示
して、事前に参加者の承諾を取ることが望まれる21。
(7) 取組の改善・継続・展開のフォロー
支援策の有効性をさらに高めるためには、公的機関の協力を得て今回実施された取組
が発展的に継続するよう、取組後もフォローアップを行うことが重要である。フォロー
アップによって、取組が継続されていない状況が明らかになった場合は、当初の支援策
が一過性の取組とならないよう、再開・継続に向けて適切な助言や支援等の対応を行う
ことが望まれる。
21
今回実施された支援策では参加規約を提示し、知的財産の取り扱いについて、参加者の承諾を得ている。
316
4.2
今後のイノベーション創出促進に向けて
最後に、本調査の調査結果を踏まえつつ、支援策の枠組みを超えて、今後、中堅・中
小 IT 関連企業によるイノベーション創出を促進するための課題を整理する。
(1) 地域 IT 企業における問題意識の喚起
今回、支援策として実施したアイディアソン・ハッカソンは、すでに問題意識を有し
ている中堅・中小 IT 関連企業にとっては有効である。しかし、問題意識を持ちながらも
依然として変革に向けた一歩を踏み出せない中堅・中小 IT 関連企業の意識改革の方法や
支援策への巻き込み方についても、今後検討の必要があるといえる。
例えば、今回の支援策のように週末に実施するのではなく、平日の夜間等に、時間も
短いプレコースを実施するなど、もっと参加の敷居の低い取組をあわせて実施するとい
う方法も考えられる。強い問題意識を持たない企業や“あと一歩”を踏み出せない企業
の関心を喚起するためには、各種団体等の既存の会合・取組などを通じた PR のほか、
積極的な勧誘・推奨等々、様々な方策が必要であると考えられる。
(2) 実施地域の拡大による取組の横展開
今回、支援策として実施した取組は、イノベーション創出支援として有効であること
が確認されたが、今回の取組の成果をさらに拡大するためには、八王子地域での継続・
展開に加えて、他地域への横展開が期待される。なお、今後の他地域への横展開のため
には、意欲ある地域中核機関の発掘も重要な課題である。
さらに、横展開にあたっては、過去に実施された取組の反省点等を含めたノウハウの
共有も重要である。各地域での取組にあたっては、今回の取組を含めたノウハウ等をま
とめ、他地域とも共有できるような仕組みの実現が期待される。
(3) “個人”の支援による新たな産業振興施策の可能性
今回、支援策として実施した取組は、IT 企業の変革を最終目的とするものであるが、
その変革の方法として、IT 企業で活躍する意欲的な“個人”に着目したという点が特徴
となっている。そのような意味で、今回実施した支援策は、新たな形態の産業振興施策
の可能性や有効性を模索する取組であったともいえる。
特に IT 企業の場合は、個人の能力やスキルが、企業の IT サービスや製品の質に直結
するため、個人の能力を高めることは、企業の競争力を高める上でもきわめて重要な課
題となっている。しかし、特に中堅・中小 IT 関連企業は、事業の遂行だけでも負担が重
いため人材育成に取り組む余力に乏しく、重要な課題であるにもかかわらず、人材育成
に関する取組が十分ではない場合も多い。今回の取組は、中堅・中小 IT 関連企業のこう
した課題に対して、企業ではなく直接的に“個人”を対象として人材育成を支援し、新
しい IT サービスや製品について考える機会を提供したものと位置づけることができる。
317
今回の取組では、新たな IT サービスや製品を生み出す力を強化する上で、アイディア
ソンやハッカソンによる支援策が有効であることが確認されたが、これが単なる個人の
気づきの機会の提供のみならず、企業における新たなビジネスの創出や産業の変革とい
った明確な成果に結びつくまでには、さらなる工夫が必要である。こうした成果を創出
するためにも、今後も引き続き、支援策の改善及び検証、そして、その展開の強化・促
進が強く期待される。
318
第5章 【補足資料】企業アンケート集計結果
今回の調査において実施した IT 企業向けアンケート調査の全集計結果を以下に示す。
1.
回答企業属性
(1) 従業員数
① 全体集計
0%
n=252
25%
50%
29.8%
75%
40.9%
10名以下
29.4%
11~30名
図 5-1
100%
31名以上
従業員数(全体)
② 業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
28.9%
組込みソフトウェア業 (n=76)
30.3%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
75%
100%
36.3%
34.8%
48.7%
32.5%
21.1%
40.0%
10名以下
27.5%
11~30名
31名以上
※業種不明の1件は除く
図 5-2
従業員数(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
38.4%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
25.0%
3割以上 (n=102)
25.5%
75%
39.5%
35.7%
43.1%
10名以下
11~30名
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-3
100%
従業員数(同業者受注比率別)
319
22.1%
39.3%
31.4%
31名以上
(2) 創業年
① 全体集計
0%
25%
n=252 5.2%
50%
16.7%
22.6%
75%
100%
27.8%
1970年代以前
1990年代
2000年代後半(2005~2009年)
図 5-4
19.8%
7.9%
1980年代
2000年代前半(2000~2004年)
2010年代
創業年(全体)
② 業種別集計
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
25%
8.1%
50%
75%
24.4%
22.2%
21.5%
30.3%
2.6% 15.8%
27.6%
47.5%
2.5%
100%
16.3%
7.4%
15.8%
7.9%
40.0%
10.0%
0.0%
1970年代以前
1990年代
2000年代後半(2005~2009年)
1980年代
2000年代前半(2000~2004年)
2010年代
※業種不明の1件は除く
図 5-5
創業年(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
25%
7.0%
9.3%
24.4%
1~3割未満 (n=56) 3.6% 14.3%
3割以上 (n=102) 4.9%
50%
26.7%
26.8%
24.5%
75%
19.8%
26.8%
19.6%
27.5%
12.8%
21.4%
7.1%
18.6%
1970年代以前
1980年代
1990年代
2000年代前半(2000~2004年)
2000年代後半(2005~2009年)
2010年代
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-6
100%
創業年(同業者受注比率別)
320
4.9%
(3) 資本系列
① 全体集計
0%
25%
50%
75%
100%
2.0%
n=252
1.6%
75.0%
9.5%
3.2%
2.0%
2.4% 4.4%
独立系(資本関係のある親会社等は無い)
機械・電機・電子等メーカー系
情報サービス企業系
WEB関連サービス企業系
通信企業系
その他ユーザー企業系
それ以外
無回答
図 5-7
資本系列(全体)
② 業種別集計
0%
25%
独立系(資本関係のある親会社等は無い)
機械・電機・電子等メーカー系
情報サービス企業系
42.5%
8.9%
6.6%
WEB 関連サービス企業系
通信企業系
0.0%
2.6%
その他ユーザー企業系
1.5%
2.6%
2.5%
無回答
75%
100%
83.0%
78.9%
1.5%
1.3%
2.5%
1.5%
0.0%
それ以外
50%
17.5%
15.0%
10.0%
1.5%
5.3%
10.0%
2.2%
2.6%
0.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-8
資本系列(業種別)
321
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
75%
66.3%
独立系(資本関係のある親会社等は無い)
機械・電機・電子等メーカー系
情報サービス企業系
WEB 関連サービス企業系
85.7%
78.4%
1.2%
0.0%
2.9%
11.6%
7.1%
9.8%
3.5%
5.4%
2.0%
通信企業系
2.3%
1.8%
2.9%
その他ユーザー企業系
3.5%
0.0%
2.0%
それ以外
0.0%
1.0%
無回答
1.2%
0.0%
1.0%
10.5%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-9
100%
資本系列(同業者受注比率別)
322
(4) 主要顧客
① 全体集計
0%
25%
個人
50%
75%
100%
8.7%
民間法人
95.2%
公的法人
無回答
17.9%
1.2%
n=252
図 5-10
主要顧客(全体)
② 業種別集計
0%
25%
4.4%
9.2%
個人
50%
75%
100%
22.5%
97.8%
93.4%
92.5%
民間法人
18.5%
18.4%
12.5%
公的法人
2.2%
0.0%
0.0%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-11
主要顧客(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
個人
25%
50%
75%
97.7%
94.6%
98.0%
民間法人
17.4%
23.2%
14.7%
公的法人
無回答
100%
10.5%
12.5%
3.9%
0.0%
0.0%
0.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-12
主要顧客(同業者受注比率別)
323
(5) 主要顧客(民間法人)の従業員規模
① 全体集計
0%
25%
50%
75%
100%
46.7%
従業員300名以下
35.8%
従業員301~1000名
58.8%
従業員1001名以上
8.3%
無回答
n=240
図 5-13
民間法人(全体)
② 業種別集計
0%
25%
50%
従業員300名以下
100%
36.4%
32.4%
40.5%
従業員301~1000名
59.8%
56.3%
59.5%
従業員1001名以上
無回答
75%
43.2%
47.9%
56.8%
8.3%
8.5%
8.1%
受託開発ソフトウェア業 (n=132)
組込みソフトウェア業 (n=71)
インターネット付随サービス業 (n=37)
※業種不明の1件は除く
図 5-14
民間法人(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
従業員300名以下
32.1%
41.5%
37.0%
従業員301~1000名
従業員1001名以上
無回答
75%
44.0%
52.8%
45.0%
51.0%
65.5%
64.2%
6.0%
11.3%
8.0%
1割未満 (n=84)
1~3割未満 (n=53)
3割以上 (n=100)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-15
民間法人(同業者受注比率別)
324
100%
(6) 主要法人顧客業種
① 全体集計
0%
農林水産業・鉱業
25%
30.6%
製造業(製鉄・化学等)
6.0%
製造業(繊維・木材等)
5.6%
11.1%
製造業(食品等上記以外)
電気・ガス・水道業
8.3%
運輸業
9.5%
23.8%
通信業
19.4%
金融・保険業
14.3%
卸売・小売業
6.7%
9.5%
不動産業
73.4%
IT・情報サービス業
15.1%
医療・介護サービス業
19.4%
その他サービス業
16.7%
行政・公共関連
無回答
図 5-16
100%
10.7%
製造業(機械・電機・電子関連)
法人取引はない
75%
1.6%
建設業
飲食・宿泊業
50%
0.0%
2.4%
n=252
主要法人顧客業種(全体)
325
② 業種別集計
0%
農林水産業・鉱業
25%
13.3%
7.9%
7.5%
製造業(機械・電機・電子関連)
27.6%
10.0%
製造業(製鉄・化学等)
6.7%
5.3%
5.0%
製造業(繊維・木材等)
6.7%
5.3%
2.5%
9.6%
7.9%
5.0%
11.1%
7.9%
7.5%
運輸業
21.5%
26.3%
27.5%
通信業
金融・保険業
23.7%
13.2%
17.5%
卸売・小売業
12.6%
14.5%
20.0%
不動産業
38.5%
10.4%
14.5%
7.5%
製造業(食品等上記以外)
飲食・宿泊業
4.4%
5.3%
17.5%
8.9%
6.6%
17.5%
74.1%
73.7%
72.5%
IT・情報サービス業
医療・介護サービス業
9.2%
行政・公共関連
無回答
17.0%
17.5%
20.7%
14.5%
25.0%
その他サービス業
法人取引はない
75%
2.2%
0.0%
2.5%
建設業
電気・ガス・水道業
50%
7.5%
20.0%
15.8%
0.0%
0.0%
0.0%
3.0%
1.3%
2.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-17
主要法人顧客業種(業種別)
326
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
農林水産業・鉱業
建設業
25%
3.9%
34.9%
26.8%
30.4%
10.5%
5.4%
2.9%
製造業(繊維・木材等)
7.0%
8.9%
2.9%
運輸業
17.4%
17.9%
2.0%
5.8%
5.9%
17.9%
12.8%
10.7%
6.9%
29.1%
26.8%
17.6%
通信業
金融・保険業
18.6%
17.9%
22.5%
卸売・小売業
19.8%
17.9%
7.8%
飲食・宿泊業
11.6%
5.4%
3.9%
不動産業
12.8%
7.1%
8.8%
52.3%
IT・情報サービス業
その他サービス業
10.8%
24.4%
28.6%
23.3%
10.7%
15.7%
行政・公共関連
無回答
82.1%
89.2%
14.0%
23.2%
11.8%
医療・介護サービス業
法人取引はない
100%
18.6%
12.5%
製造業(製鉄・化学等)
電気・ガス・水道業
75%
3.5%
1.8%
0.0%
製造業(機械・電機・電子関連)
製造業(食品等上記以外)
50%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
1.8%
1.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-18
主要法人顧客業種(同業者受注比率別)
327
(7) 同業者受注比率
① 全体集計
0%
n=252
25%
50%
34.1%
1割未満
12.3%
9.9%
1~2割未満
図 5-19
75%
100%
40.5%
2~3割未満
3.2%
3割以上
無回答
同業者受注比率(全体)
② 業種別集計
0%
25%
27.4%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
50%
13.3%
36.8%
組込みソフトウェア業 (n=76)
9.6%
9.2%
1割未満
1~2割未満
100%
46.7%
7.9%
52.5%
インターネット付随サービス業 (n=40)
75%
3.0%
43.4%
15.0%
2~3割未満
15.0%
3割以上
2.6%
15.0%
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-20
同業者受注比率(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
75%
100.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
0.0%
0.0%
55.4%
0.0%
44.6%
100.0%
3割以上 (n=102)
0.0%
0.0%
1割未満
1~2割未満
2~3割未満
0.0%
3割以上
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-21
100%
同業者受注比率(同業者受注比率別)
328
無回答
2.
設問回答結果
(1) 現在の主要事業
① 全体集計
0%
25%
システム企画コンサルティング
50%
64.7%
システムインテグレーション(SI)
27.4%
パッケージソフトウェア開発・販売
34.1%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
23.0%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
19.4%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
17.1%
9.9%
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
11.9%
上記以外のITアウトソーシングサービス
10.7%
WEBコンテンツ・アプリ制作
31.7%
WEBサイト構築・運用
32.9%
WEB関連その他
7.5%
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
図 5-22
100%
28.2%
受託システム・ソフトウェア開発
SaaS・PaaSサービス
75%
37.7%
7.5%
6.0%
3.6%
現在の主要事業(全体)
329
n=252
② 業種別集計
0%
25%
50%
受託システム・ソフトウェア開発
10.0%
23.7%
28.1%
26.3%
0.0%
23.0%
18.4%
10.0%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
13.3%
21.1%
22.5%
6.7%
11.8%
17.5%
14.8%
9.2%
7.5%
10.4%
11.8%
10.0%
30.4%
28.9%
WEBコンテンツ・アプリ制作
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
42.5%
32.6%
25.0%
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
53.9%
10.0%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
上記以外のITアウトソーシングサービス
75.6%
34.8%
29.6%
パッケージソフトウェア開発・販売
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
63.2%
30.0%
システムインテグレーション(SI)
SaaS・PaaSサービス
100%
33.3%
21.1%
25.0%
システム企画コンサルティング
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
75%
7.4%
2.6%
50.0%
17.5%
45.2%
40.8%
7.5%
8.9%
7.9%
2.5%
5.9%
5.3%
7.5%
3.7%
3.9%
2.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-23
現在の主要事業(業種別)
330
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
24.4%
システム企画コンサルティング
26.5%
50.0%
23.3%
19.6%
24.5%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
10.5%
28.6%
20.6%
20.9%
14.3%
16.7%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
上記以外のITアウトソーシングサービス
14.0%
5.4%
9.8%
8.1%
8.9%
16.7%
7.0%
17.9%
10.8%
27.9%
WEBコンテンツ・アプリ制作
26.5%
23.3%
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
31.4%
上記以外
無回答
46.4%
48.2%
4.7%
12.5%
5.9%
18.6%
技術者派遣
教育研修サービス提供
46.4%
51.0%
7.0%
7.1%
7.8%
9.3%
1.8%
5.9%
3.5%
1.8%
4.9%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-24
75.5%
40.7%
33.9%
28.4%
パッケージソフトウェア開発・販売
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
64.3%
23.3%
28.6%
30.4%
システムインテグレーション(SI)
SaaS・PaaSサービス
100%
37.5%
受託システム・ソフトウェア開発
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
75%
現在の主要事業(同業者受注比率別)
331
(2) 今後 10 年の間に拡大が予想される事業
① 全体集計
0%
25%
50%
34.9%
受託システム・ソフトウェア開発
18.7%
システムインテグレーション(SI)
27.0%
パッケージソフトウェア開発・販売
21.4%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
16.3%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
21.4%
SaaS・PaaSサービス
20.6%
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
12.7%
10.3%
30.2%
WEBコンテンツ・アプリ制作
23.8%
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
7.1%
19.4%
技術者派遣
11.5%
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
図 5-25
100%
27.0%
システム企画コンサルティング
上記以外のITアウトソーシングサービス
75%
4.0%
12.7%
今後 10 年の間に拡大が予想される事業(全体)
332
n=252
② 業種別集計
0%
25%
システム企画コンサルティング
19.7%
22.5%
受託システム・ソフトウェア開発
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
24.4%
7.5%
17.8%
15.8%
12.5%
20.7%
23.7%
20.0%
16.3%
22.4%
SaaS・PaaSサービス
5.0%
11.1%
9.2%
10.0%
28.9%
30.3%
35.0%
21.5%
23.7%
32.5%
WEBサイト構築・運用
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
32.5%
14.8%
13.2%
WEBコンテンツ・アプリ制作
WEB関連その他
42.1%
24.4%
26.3%
2.5%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
上記以外のITアウトソーシングサービス
40.0%
35.5%
23.7%
11.8%
15.0%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
75%
32.6%
17.5%
システムインテグレーション(SI)
パッケージソフトウェア開発・販売
50%
5.9%
5.3%
15.0%
7.5%
23.0%
19.7%
14.1%
9.2%
7.5%
5.2%
2.6%
2.5%
13.3%
11.8%
10.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-26
今後 10 年の間に拡大が予想される事業
(業種別)
333
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
システム企画コンサルティング
19.8%
26.8%
34.3%
受託システム・ソフトウェア開発
25.6%
33.9%
30.2%
26.8%
25.5%
パッケージソフトウェア開発・販売
23.3%
14.3%
25.5%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
12.8%
19.6%
18.6%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
22.1%
16.1%
25.5%
SaaS・PaaSサービス
24.4%
17.9%
19.6%
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
12.8%
12.5%
13.7%
上記以外のITアウトソーシングサービス
10.5%
14.3%
8.8%
24.4%
37.5%
31.4%
WEBコンテンツ・アプリ制作
15.1%
WEBサイト構築・運用
技術者派遣
教育研修サービス提供
44.1%
15.1%
23.2%
19.6%
システムインテグレーション(SI)
WEB関連その他
75%
30.4%
28.4%
4.7%
12.5%
6.9%
10.5%
21.4%
27.5%
12.8%
12.5%
9.8%
上記以外
4.7%
3.6%
3.9%
無回答
5.4%
12.8%
14.7%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-27
今後 10 年の間に拡大が予想される事業
(同業者受注比率別)
334
100%
(3) 今後 10 年の間に縮小が予想される事業
① 全体集計
0%
システム企画コンサルティング
25%
6.3%
7.9%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
4.4%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
5.2%
SaaS・PaaSサービス
3.6%
0.8%
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
3.2%
上記以外のITアウトソーシングサービス
2.0%
WEBコンテンツ・アプリ制作
3.2%
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
6.7%
0.4%
技術者派遣
13.5%
教育研修サービス提供
1.2%
上記以外
1.2%
無回答
図 5-28
100%
18.3%
パッケージソフトウェア開発・販売
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
75%
3.2%
受託システム・ソフトウェア開発
システムインテグレーション(SI)
50%
58.7%
今後 10 年の間に縮小が予想される事業(全体)
335
n=252
② 業種別集計
0%
システム企画コンサルティング
25%
パッケージソフトウェア開発・販売
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
SaaS・PaaSサービス
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
上記以外のITアウトソーシングサービス
WEBコンテンツ・アプリ制作
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
75%
3.0%
3.9%
2.5%
16.3%
19.7%
22.5%
受託システム・ソフトウェア開発
システムインテグレーション(SI)
50%
6.7%
6.6%
5.0%
8.1%
9.2%
5.0%
3.7%
5.3%
5.0%
6.7%
3.9%
2.5%
3.7%
2.6%
5.0%
0.7%
1.3%
0.0%
2.2%
3.9%
5.0%
1.5%
2.6%
2.5%
4.4%
0.0%
5.0%
8.9%
2.6%
7.5%
0.7%
0.0%
0.0%
2.5%
13.3%
18.4%
0.7%
2.6%
0.0%
0.7%
0.0%
5.0%
60.0%
52.6%
67.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-29
今後 10 年の間に縮小が予想される事業
(業種別)
336
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
システム企画コンサルティング
25%
パッケージソフトウェア開発・販売
18.6%
23.2%
14.7%
10.5%
3.6%
4.9%
9.3%
8.9%
6.9%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
5.8%
5.4%
2.9%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
7.0%
1.8%
5.9%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
SaaS・PaaSサービス
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
上記以外のITアウトソーシングサービス
WEBコンテンツ・アプリ制作
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
4.7%
1.8%
3.9%
0.0%
0.0%
2.0%
2.3%
1.8%
4.9%
2.3%
1.8%
2.0%
7.0%
1.8%
1.0%
3.6%
2.9%
上記以外
11.6%
0.0%
0.0%
0.0%
11.6%
14.3%
14.7%
技術者派遣
教育研修サービス提供
75%
4.7%
0.0%
3.9%
受託システム・ソフトウェア開発
システムインテグレーション(SI)
50%
1.2%
0.0%
2.0%
3.5%
0.0%
0.0%
55.8%
50.0%
無回答
1割未満 (n=86)
66.7%
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-30
今後 10 年の間に縮小が予想される事業
(同業者受注比率別)
337
100%
(4) 今後特に重点的に取り組みたい事業
① 全体集計
0%
25%
システム企画コンサルティング
50%
35.3%
システムインテグレーション(SI)
21.0%
パッケージソフトウェア開発・販売
29.4%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
16.3%
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
14.3%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
21.0%
SaaS・PaaSサービス
14.7%
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
9.1%
上記以外のITアウトソーシングサービス
8.3%
WEBコンテンツ・アプリ制作
30.2%
WEBサイト構築・運用
21.4%
6.7%
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
図 5-31
100%
25.8%
受託システム・ソフトウェア開発
WEB関連その他
75%
17.9%
11.9%
5.2%
11.9%
今後特に重点的に取り組みたい事業(全体)
338
n=252
② 業種別集計
0%
25%
システム企画コンサルティング
19.7%
15.0%
受託システム・ソフトウェア開発
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
上記以外のITアウトソーシングサービス
33.3%
36.8%
2.5%
21.5%
15.8%
0.0%
17.0%
13.2%
7.5%
20.0%
26.3%
15.0%
11.9%
17.1%
20.0%
3.9%
5.0%
13.3%
8.9%
6.6%
10.0%
31.1%
26.3%
35.0%
WEBコンテンツ・アプリ制作
21.5%
17.1%
30.0%
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
45.9%
28.1%
14.5%
10.0%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
SaaS・PaaSサービス
75%
32.6%
27.6%
15.0%
システムインテグレーション(SI)
パッケージソフトウェア開発・販売
50%
5.9%
2.6%
5.0%
17.5%
13.2%
23.7%
14.1%
10.5%
7.5%
5.9%
3.9%
5.0%
8.9%
14.5%
17.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-32
今後特に重点的に取り組みたい事業(業種別)
339
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
20.9%
28.6%
28.4%
システム企画コンサルティング
30.2%
32.1%
41.2%
受託システム・ソフトウェア開発
システムインテグレーション(SI)
17.4%
17.9%
26.5%
パッケージソフトウェア開発・販売
26.8%
23.5%
パッケージソフトウェア導入・カスタマイズ
ハードウェア関連(組込み)ソフトウェア開発
10.5%
16.1%
16.7%
22.1%
19.6%
21.6%
18.6%
10.7%
13.7%
その他運用サービス等
(遠隔監視サービス、受託計算サービス等)
8.1%
7.1%
11.8%
上記以外のITアウトソーシングサービス
8.1%
10.7%
7.8%
26.7%
30.4%
32.4%
WEBコンテンツ・アプリ制作
WEBサイト構築・運用
WEB関連その他
技術者派遣
教育研修サービス提供
上記以外
無回答
39.5%
22.1%
16.1%
12.7%
ASPサービス(SaaS・PaaS以外)
SaaS・PaaSサービス
75%
14.0%
28.6%
25.5%
4.7%
10.7%
5.9%
9.3%
19.6%
23.5%
9.3%
14.3%
12.7%
9.3%
1.8%
3.9%
8.1%
10.7%
14.7%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-33
今後特に重点的に取り組みたい事業(同業者受注比率別)
340
100%
(5) 今後の事業展開方針
① 全体集計
0%
25%
現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)
現在の主力事業の転換
50%
成長率の高い新たな業種への参入
11.9%
27.0%
30.6%
26.6%
29.8%
49.6%
17.5%
非常に重要
あまり重要ではない
34.5%
ある程度重要
まったく重要ではない
今後の事業展開方針(全体)
341
10.3%
22.2%
24.6%
18.7%
競争力のある新製品・サービスの創出
BtoB(法人顧客)からBtoC(個人顧客)への転換 6.0%
26.2%
33.3%
15.5%
100%
4.8%
1.2%
0.8%
0.0%
31.3%
61.9%
下請・派遣業務からの脱却
図 5-34
75%
21.8%
9.1% 5.6%
15.1%
7.5%
8.3% 3.2% 4.4%
11.9% 4.4%
15.5%
2.0%
4.8%
(n=252)
どちらとも言えない
無回答
2.4%
② 今後の事業展開方針 1 「現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)」
1)
業種別集計
0%
25%
50%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
61.5%
組込みソフトウェア業 (n=76)
61.8%
75%
31.9%
28.9%
65.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
100%
4.4% 0.0% 1.5%
0.7%
7.9%
0.0%
1.3%
0.0% 2.5%
32.5%
非常に重要
あまり重要ではない
ある程度重要
まったく重要ではない
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-35
今後の事業展開方針 1 「現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
25%
50%
61.6%
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
100%
31.4%
66.1%
4.7%
0.0%
31.4%
ある程度重要
まったく重要ではない
4.9% 0.0%
1.0%
1.0%
どちらとも言えない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-36
今後の事業展開方針 1 「現在の主力事業の拡大(顧客拡大等)」
(同業者受注比率別)
342
2.3%
3.6%
0.0%
0.0%
1.8%
28.6%
61.8%
非常に重要
あまり重要ではない
75%
③ 今後の事業展開方針 2 「現在の主力事業の転換」
1)
業種別集計
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25%
50%
14.1%
組込みソフトウェア業 (n=76)
36.3%
18.4%
インターネット付随サービス業 (n=40)
15.0%
75%
24.4%
32.9%
10.4%
12.5%
20.0%
ある程度重要
まったく重要ではない
8.1% 6.7%
9.2%
31.6%
25.0%
非常に重要
あまり重要ではない
100%
6.6%
17.5%
1.3%
10.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-37
今後の事業展開方針 2 「現在の主力事業の転換」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
25%
14.0%
50%
25.6%
19.6%
13.7%
75%
30.2%
8.1%
35.7%
37.3%
非常に重要
あまり重要ではない
100%
15.1%
26.8%
22.5%
ある程度重要
まったく重要ではない
10.7%
12.7%
今後の事業展開方針 2 「現在の主力事業の転換」
(同業者受注比率別)
343
3.6%
7.8% 5.9%
どちらとも言えない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-38
7.0%
3.6%
④ 今後の事業展開方針 3 「下請・派遣業務からの脱却」
1)
業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
50%
21.5%
組込みソフトウェア業 (n=76)
28.1%
19.7%
インターネット付随サービス業 (n=40)
7.5%
75%
23.7%
25.0%
12.5%
21.1%
17.5%
20.0%
非常に重要
あまり重要ではない
100%
10.4%
10.5%
10.4% 5.9%
14.5%
9.2%
32.5%
ある程度重要
まったく重要ではない
10.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-39
今後の事業展開方針 3 「下請・派遣業務からの脱却」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
25%
11.6%
14.0%
16.1%
50%
23.3%
26.8%
27.5%
75%
14.0%
24.4%
26.8%
10.7%
33.3%
非常に重要
あまり重要ではない
ある程度重要
まったく重要ではない
18.6%
100%
12.8%
16.1%
9.8%
図 5-40
今後の事業展開方針 3 「下請・派遣業務からの脱却」
(同業者受注比率別)
344
5.9% 4.9%
どちらとも言えない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
3.6%
⑤ 今後の事業展開方針 4 「成長率の高い新たな業種への参入」
1)
業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25.2%
組込みソフトウェア業 (n=76)
23.7%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
75%
32.6%
5.3% 3.9%
34.2%
37.5%
27.5%
非常に重要
あまり重要ではない
11.1% 3.7%
24.4%
27.6%
22.5%
ある程度重要
まったく重要ではない
100%
3.0%
5.3%
5.0% 0.0% 7.5%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-41
今後の事業展開方針 4 「成長率の高い新たな業種への参入」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86)
27.9%
1~3割未満 (n=56)
26.8%
3割以上 (n=102)
26.5%
50%
26.7%
75%
24.4%
35.7%
29.4%
非常に重要
あまり重要ではない
ある程度重要
まったく重要ではない
100%
7.0% 7.0% 7.0%
25.0%
30.4%
10.7%
8.8%
今後の事業展開方針 4 「成長率の高い新たな業種への参入」
(同業者受注比率別)
345
1.0%
どちらとも言えない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-42
1.8%
0.0%
3.9%
⑥ 今後の事業展開方針 5 「競争力のある新製品・サービスの創出」
1)
業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
46.7%
組込みソフトウェア業 (n=76)
47.4%
50%
75%
29.6%
12.6%
32.9%
非常に重要
あまり重要ではない
5.2% 3.0% 3.0%
13.2%
65.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
100%
7.5%
0.0% 2.5%
0.0%
25.0%
ある程度重要
まったく重要ではない
3.9%
1.3%
1.3%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-43
今後の事業展開方針 5 「競争力のある新製品・サービスの創出」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86)
75%
53.5%
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
50%
25.6%
62.5%
8.1%
32.1%
40.2%
31.4%
非常に重要
あまり重要ではない
100%
ある程度重要
まったく重要ではない
20.6%
4.7%
5.8%
2.3%
3.6% 1.8%
0.0%
4.9%
2.0%
どちらとも言えない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-44
今後の事業展開方針 5 「競争力のある新製品・サービスの創出」
(同業者受注比率別)
346
0.0%
1.0%
⑦ 今後の事業展開方針 6 「BtoB(法人顧客)から BtoC(個人顧客)への転換」
1)
業種別集計
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25%
3.7%
20.7%
組込みソフトウェア業 (n=76) 5.3%
インターネット付随サービス業 (n=40)
50%
29.6%
17.1%
15.0%
75%
23.7%
15.0%
45.0%
非常に重要
あまり重要ではない
17.8%
22.4%
38.2%
7.5%
100%
ある程度重要
まったく重要ではない
4.4%
11.8%
5.3%
12.5%
5.0%
どちらとも言えない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-45
今後の事業展開方針 6 「BtoB(法人顧客)から BtoC(個人顧客)への転換」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86) 4.7%
1~3割未満 (n=56)
12.8%
10.7%
3割以上 (n=102) 4.9%
50%
32.6%
75%
20.9%
14.3%
19.8%
31.4%
非常に重要
あまり重要ではない
ある程度重要
まったく重要ではない
9.3%
21.4%
46.4%
23.5%
100%
21.6%
7.1% 0.0%
14.7%
3.9%
どちらとも言えない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-46
今後の事業展開方針 6 「BtoB(法人顧客)から BtoC(個人顧客)への転換」
(同業者受注比率別)
347
(6) 将来的に成長が見込める顧客業種
① 全体集計
0%
25%
農業
林業・水産業・鉱業
建設業
製造業(繊維・木材等)
製造業(食品等/上記以外)
7.9%
13.1%
4.4%
2.0%
5.6%
15.9%
7.9%
通信業
16.7%
金融・保険業
19.4%
卸売・小売業
11.5%
飲食・宿泊業
6.3%
不動産業
5.6%
IT・情報サービス業
58.7%
ゲーム・コンテンツ関連業
23.8%
医療・介護サービス業(ヘルスケア関連業)
53.6%
行政・公共関連
その他
15.5%
5.6%
当てはまるものは特にない
4.0%
無回答
2.8%
図 5-47
100%
4.4%
電気・ガス・水道業(エネルギー関連業)
運輸業
75%
20.6%
製造業(機械・電機・電子関連)
製造業(製鉄・化学等)
50%
n=252
将来的に成長が見込める顧客業種(全体)
348
② 業種別集計
0%
25%
建設業
製造業(機械・電機・電子関連)
4.4%
3.9%
5.0%
9.6%
6.6%
5.0%
20.0%
5.3%
5.0%
製造業(製鉄・化学等)
7.4%
1.3%
0.0%
製造業(繊維・木材等)
3.0%
1.3%
0.0%
製造業(食品等/上記以外)
電気・ガス・水道業(エネルギー関連業)
運輸業
3.0%
9.2%
7.5%
19.3%
14.5%
7.5%
8.1%
9.2%
5.0%
17.8%
15.8%
15.0%
通信業
21.5%
15.8%
20.0%
金融・保険業
卸売・小売業
飲食・宿泊業
不動産業
7.4%
18.4%
12.5%
4.4%
9.2%
7.5%
3.7%
5.3%
12.5%
54.1%
61.8%
70.0%
IT・情報サービス業
16.3%
ゲーム・コンテンツ関連業
26.3%
9.2%
10.0%
その他
7.4%
1.3%
7.5%
当てはまるものは特にない
2.2%
7.9%
2.5%
無回答
45.0%
57.0%
51.3%
45.0%
医療・介護サービス業(ヘルスケア関連業)
行政・公共関連
75%
20.7%
23.7%
15.0%
農業
林業・水産業・鉱業
50%
20.7%
3.7%
0.0%
5.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-48
将来的に成長が見込める顧客業種(業種別)
349
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
建設業
11.6%
7.1%
5.9%
16.3%
14.3%
10.8%
製造業(製鉄・化学等)
7.0%
1.8%
2.9%
製造業(繊維・木材等)
2.3%
3.6%
1.0%
8.1%
8.9%
2.0%
11.6%
17.9%
19.6%
電気・ガス・水道業(エネルギー関連業)
運輸業
10.5%
7.1%
6.9%
19.8%
19.6%
12.7%
通信業
16.3%
19.6%
22.5%
金融・保険業
9.3%
14.3%
9.8%
卸売・小売業
飲食・宿泊業
5.8%
5.4%
6.9%
不動産業
8.1%
3.6%
3.9%
54.7%
67.9%
58.8%
IT・情報サービス業
20.9%
28.6%
23.5%
ゲーム・コンテンツ関連業
45.3%
医療・介護サービス業(ヘルスケア関連業)
当てはまるものは特にない
無回答
55.4%
58.8%
15.1%
14.3%
16.7%
行政・公共関連
その他
100%
4.7%
3.6%
2.9%
製造業(機械・電機・電子関連)
製造業(食品等/上記以外)
75%
14.0%
21.4%
25.5%
農業
林業・水産業・鉱業
50%
7.0%
10.7%
2.0%
5.8%
1.8%
3.9%
3.5%
1.8%
2.9%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-49
将来的に成長が見込める顧客業種(同業者受注比率別)
350
(7) 代表的な成長分野への参入状況 1「先端ものづくり関連」
① 全体集計
0%
25%
この業種の法人顧客と取引がある
75%
100%
17.5%
この分野の個人向け製品等がある
0.8%
今後ぜひ参入したい分野である
14.3%
今後参入を検討する可能性がある
20.2%
今のところ関心はない
37.7%
無回答
図 5-50
50%
9.9%
n=252
先端ものづくり関連(全体)
② 業種別集計
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
今後ぜひ参入したい分野である
25%
7.5%
75%
0.7%
1.3%
0.0%
12.6%
15.8%
15.0%
23.0%
17.1%
17.5%
今後参入を検討する可能性がある
33.3%
39.5%
今のところ関心はない
無回答
50%
21.5%
15.8%
50.0%
9.6%
10.5%
10.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-51
先端ものづくり関連(業種別)
351
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
75%
100%
20.9%
19.6%
13.7%
この業種の法人顧客と取引がある
1.2%
1.8%
0.0%
この分野の個人向け製品等がある
10.5%
14.3%
17.6%
今後ぜひ参入したい分野である
15.1%
今後参入を検討する可能性がある
26.8%
20.6%
今のところ関心はない
30.4%
35.3%
45.3%
7.0%
8.9%
12.7%
無回答
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-52
先端ものづくり関連(同業者受注比率別)
(8) 代表的な成長分野への参入状況 2「環境・エネルギー関連」
① 全体集計
0%
25%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
100%
0.4%
20.6%
今後参入を検討する可能性がある
25.4%
今のところ関心はない
図 5-53
75%
9.5%
今後ぜひ参入したい分野である
無回答
50%
33.7%
10.3%
環境・エネルギー関連(全体)
352
n=252
② 業種別集計
0%
25%
50%
75%
100%
11.9%
9.2%
2.5%
この業種の法人顧客と取引がある
0.0%
0.0%
2.5%
この分野の個人向け製品等がある
22.2%
18.4%
17.5%
今後ぜひ参入したい分野である
今後参入を検討する可能性がある
15.0%
28.9%
25.0%
27.4%
今のところ関心はない
36.8%
50.0%
9.6%
10.5%
12.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-54
環境・エネルギー関連(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
今後ぜひ参入したい分野である
25%
7.0%
7.8%
75%
16.1%
0.0%
1.8%
0.0%
22.1%
16.1%
21.6%
20.9%
28.6%
28.4%
今後参入を検討する可能性がある
39.5%
30.4%
31.4%
今のところ関心はない
無回答
50%
10.5%
7.1%
10.8%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-55
環境・エネルギー関連(同業者受注比率別)
353
100%
(9) 代表的な成長分野への参入状況 3「ヘルスケア関連」
① 全体集計
0%
25%
この業種の法人顧客と取引がある
50%
100%
17.9%
この分野の個人向け製品等がある
3.6%
今後ぜひ参入したい分野である
18.3%
今後参入を検討する可能性がある
28.6%
今のところ関心はない
27.8%
無回答
図 5-56
75%
5.6%
n=252
ヘルスケア関連(全体)
② 業種別集計
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
25%
11.8%
7.5%
75%
3.7%
3.9%
2.5%
18.5%
19.7%
15.0%
今後ぜひ参入したい分野である
25.2%
32.9%
32.5%
今後参入を検討する可能性がある
25.2%
28.9%
35.0%
今のところ関心はない
無回答
50%
23.7%
5.2%
5.3%
7.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-57
ヘルスケア関連(業種別)
354
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
75%
100%
19.8%
14.3%
17.6%
この業種の法人顧客と取引がある
2.3%
3.6%
3.9%
この分野の個人向け製品等がある
10.5%
19.6%
24.5%
今後ぜひ参入したい分野である
今後参入を検討する可能性がある
30.2%
30.4%
26.5%
今のところ関心はない
31.4%
30.4%
24.5%
7.0%
3.6%
4.9%
無回答
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-58
ヘルスケア関連(同業者受注比率別)
(10) 代表的な成長分野への参入状況 4「クリエイティブ関連」
① 全体集計
0%
25%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
今後ぜひ参入したい分野である
100%
5.6%
12.7%
26.2%
今のところ関心はない
図 5-59
75%
14.7%
今後参入を検討する可能性がある
無回答
50%
32.5%
9.9%
クリエイティブ関連(全体)
355
n=252
② 業種別集計
0%
25%
50%
11.9%
9.2%
この業種の法人顧客と取引がある
1.5%
5.3%
この分野の個人向け製品等がある
75%
100%
35.0%
20.0%
13.3%
13.2%
10.0%
今後ぜひ参入したい分野である
今後参入を検討する可能性がある
25.9%
34.2%
12.5%
今のところ関心はない
20.0%
34.8%
34.2%
12.6%
6.6%
7.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-60
クリエイティブ関連(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
この業種の法人顧客と取引がある
この分野の個人向け製品等がある
今後ぜひ参入したい分野である
25%
8.8%
75%
7.0%
8.9%
2.0%
7.0%
17.9%
15.7%
29.1%
25.0%
25.5%
今後参入を検討する可能性がある
19.6%
今のところ関心はない
無回答
50%
17.4%
21.4%
36.0%
36.3%
7.0%
8.9%
11.8%
1割未満 (n=86)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
356
1~3割未満 (n=56)
100%
図 5-61
クリエイティブ関連(同業者受注比率別)
357
(11) 今後の事業展開に向けての課題
① 全体集計
0%
25%
50%
100%
42.1%
他社と差別化するための技術力の向上
34.9%
将来に向けた社内の変革・危機意識の喚起
新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上
31.0%
新たな製品・サービスを創出に向けた組織
(雰囲気・場・しくみ)づくり
30.6%
新たな製品・サービスの創出に向けた
個々の社員の発想力の強化
29.0%
ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上
23.0%
プロジェクトマネジメント力の向上
22.6%
18.7%
近年の新しい市場動向やニーズの把握
経営者自身の意識改革
16.7%
同業他社との連携の強化
15.5%
13.1%
新規顧客や人脈形成のためのネットワークづくり
最近注目されている先端技術の獲得
4.8%
ユーザーとの対等な関係の構築
4.8%
図 5-62
75%
その他
1.2%
無回答
2.0%
今後の事業展開に向けての課題(全体)
358
n=252
② 業種別集計
0%
25%
50%
41.5%
47.4%
35.0%
他社と差別化するための技術力の向上
将来に向けた社内の変革・危機意識の喚起
37.0%
34.2%
30.0%
新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上
27.4%
34.2%
37.5%
新たな製品・サービスを創出に向けた組織
(雰囲気・場・しくみ)づくり
28.9%
27.6%
新たな製品・サービスの創出に向けた
個々の社員の発想力の強化
29.6%
28.9%
27.5%
ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上
23.0%
25.0%
17.5%
プロジェクトマネジメント力の向上
25.9%
21.1%
15.0%
経営者自身の意識改革
18.5%
15.8%
12.5%
同業他社との連携の強化
16.3%
13.2%
17.5%
最近注目されている先端技術の獲得
ユーザーとの対等な関係の構築
42.5%
18.5%
17.1%
22.5%
近年の新しい市場動向やニーズの把握
新規顧客や人脈形成のためのネットワークづくり
75%
13.3%
15.8%
7.5%
1.5%
9.2%
7.5%
4.4%
5.3%
2.5%
その他
0.7%
1.3%
2.5%
無回答
2.2%
0.0%
5.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-63
今後の事業展開に向けての課題(業種別)
359
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
75%
38.4%
46.4%
45.1%
他社と差別化するための技術力の向上
27.9%
将来に向けた社内の変革・危機意識の喚起
42.9%
36.3%
36.0%
35.7%
新規顧客の開拓や販路拡大のための営業力の向上
25.5%
31.4%
26.8%
33.3%
新たな製品・サービスを創出に向けた組織
(雰囲気・場・しくみ)づくり
38.4%
新たな製品・サービスの創出に向けた
個々の社員の発想力の強化
25.0%
22.5%
24.4%
21.4%
22.5%
ユーザー企業に対する提案力や企画力の向上
17.4%
16.1%
プロジェクトマネジメント力の向上
29.4%
15.1%
17.9%
20.6%
近年の新しい市場動向やニーズの把握
経営者自身の意識改革
15.1%
17.9%
18.6%
同業他社との連携の強化
12.8%
17.9%
16.7%
新規顧客や人脈形成のためのネットワークづくり
9.3%
8.9%
19.6%
最近注目されている先端技術の獲得
5.8%
3.6%
4.9%
ユーザーとの対等な関係の構築
5.8%
1.8%
4.9%
その他
1.2%
0.0%
2.0%
無回答
3.5%
1.8%
1.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-64
今後の事業展開に向けての課題(同業者受注比率別)
360
100%
(12) 新事業創出に向けた取組の状況
① 全体集計
0%
新事業創出に向けた事業戦略の策定
25%
8.7%
4.8%
参入先市場や顧客の絞込み
3.2%
新たな製品・サービスの考案・試作
7.9%
新しい販路の検討・拡大
6.7%
75%
38.9%
新事業創出に向けた具体的な目標の設定 6.0%
新たな市場ニーズの把握・分析
50%
40.9%
35.3%
46.0%
35.3%
46.0%
31.3%
7.9% 3.6%
8.3% 4.4%
8.3% 5.6%
11.9%
47.2%
41.3%
100%
33.7%
45.6%
33.3%
6.3%
11.5% 5.6%
9.5% 4.8%
(n=252)
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
図 5-65
新事業創出に向けた取組の状況(全体)
361
② 新事業創出に向けた取組の状況 1 「事業戦略の策定」
1)
業種別集計
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
25%
8.9%
50%
31.9%
10.5%
75%
45.9%
39.5%
インターネット付随サービス業 (n=40) 5.0%
100%
9.6% 3.7%
42.1%
62.5%
5.3% 2.6%
20.0%
7.5% 5.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-66
新事業創出に向けた取組の状況 1 「事業戦略の策定」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86)
9.3%
1~3割未満 (n=56)
8.9%
3割以上 (n=102)
7.8%
50%
75%
36.0%
41.9%
37.5%
37.3%
7.1% 3.6%
44.1%
6.9% 3.9%
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
新事業創出に向けた取組の状況 1 「事業戦略の策定」
(同業者受注比率別)
362
10.5% 2.3%
42.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
図 5-67
100%
③ 新事業創出に向けた取組の状況 2 「目標の設定」
1)
業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135) 4.4%
9.2%
組込みソフトウェア業 (n=76)
50%
31.1%
75%
51.1%
32.9%
インターネット付随サービス業 (n=40) 5.0%
8.9% 4.4%
47.4%
55.0%
100%
7.9% 2.6%
25.0%
7.5% 7.5%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-68
新事業創出に向けた取組の状況 2 「目標の設定」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
25%
7.0%
1~3割未満 (n=56) 5.4%
3割以上 (n=102) 5.9%
50%
38.4%
32.1%
75%
40.7%
50.0%
35.3%
49.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-69
新事業創出に向けた取組の状況 2 「目標の設定」
(同業者受注比率別)
363
100%
11.6% 2.3%
7.1% 5.4%
5.9% 3.9%
④ 新事業創出に向けた取組の状況 3 「市場ニーズの把握・分析」
1)
業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135) 5.9%
組込みソフトウェア業 (n=76)
3.9%
インターネット付随サービス業 (n=40)
2.5%
50%
31.9%
75%
45.2%
35.5%
10.4%
51.3%
45.0%
100%
6.7%
6.6% 2.6%
40.0%
5.0% 7.5%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-70
新事業創出に向けた取組の状況 3 「市場ニーズの把握・分析」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
25%
7.0%
1~3割未満 (n=56) 5.4%
3割以上 (n=102) 2.9%
38.4%
32.1%
50%
75%
40.7%
48.2%
34.3%
50.0%
100%
10.5% 3.5%
7.1% 7.1%
7.8% 4.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-71
新事業創出に向けた取組の状況 3 「市場ニーズの把握・分析」
(同業者受注比率別)
364
⑤ 新事業創出に向けた取組の状況 4 「参入先市場や顧客の絞込み」
1)
業種別集計
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
25%
3.7%
組込みソフトウェア業 (n=76) 3.9%
50%
34.1%
27.6%
100%
14.8%
40.7%
6.7%
9.2% 3.9%
55.3%
30.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
0.0%
75%
7.5%
52.5%
10.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-72
新事業創出に向けた取組の状況 4 「参入先市場や顧客の絞込み」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86) 3.5%
1~3割未満 (n=56) 3.6%
3割以上 (n=102) 2.9%
50%
30.2%
75%
45.3%
33.9%
46.4%
32.4%
50.0%
100%
17.4%
8.9%
3.5%
7.1%
8.8% 5.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-73
新事業創出に向けた取組の状況 4 「参入先市場や顧客の絞込み」
(同業者受注比率別)
365
⑥ 新事業創出に向けた取組の状況 5 「製品・サービスの考案・試作」
1)
業種別集計
0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
25%
8.9%
50%
33.3%
10.5%
75%
39.3%
39.5%
インターネット付随サービス業 (n=40)
0.0%
100%
12.6%
5.9%
14.5%
31.6%
70.0%
20.0%
3.9%
2.5% 7.5%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-74
新事業創出に向けた取組の状況 5 「製品・サービスの考案・試作」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
25%
9.3%
50%
43.0%
12.5%
3割以上 (n=102) 4.9%
75%
35.3%
15.1%
29.1%
48.2%
100%
30.4%
41.2%
3.5%
3.6% 5.4%
13.7%
4.9%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-75
新事業創出に向けた取組の状況 5 「製品・サービスの考案・試作」
(同業者受注比率別)
366
⑦ 新事業創出に向けた取組の状況 6 「販路の検討・拡大」
1)
業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135) 5.2%
100%
38.5%
50.0%
10.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
75%
42.2%
7.9%
組込みソフトウェア業 (n=76)
50%
9.6% 4.4%
9.2% 2.6%
30.3%
47.5%
22.5%
10.0%
10.0%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-76
新事業創出に向けた取組の状況 6 「販路の検討・拡大」
(業種別)
2)
同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86) 5.8%
1~3割未満 (n=56)
43.0%
14.3%
3割以上 (n=102) 3.9%
50%
75%
34.9%
44.6%
48.0%
15.1% 1.2%
32.1%
33.3%
取り組みにより具体的な成果を挙げている
現在取り組みを進めているところ
取り組みの必要性は感じている
特に取り組みの必要性を感じていない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-77
新事業創出に向けた取組の状況 6 「販路の検討・拡大」
(同業者受注比率別)
367
100%
3.6%
5.4%
8.8% 5.9%
(13) 自社で活用している知的財産の種類
① 全体集計
0%
25%
50%
商標
29.8%
営業秘密
29.0%
特許
16.3%
その他
3.2%
特に無い
図 5-78
100%
34.9%
著作権
無回答
75%
35.3%
0.8%
n=252
自社で活用している知的財産の種類(全体)
② 業種別集計
0%
25%
商標
19.7%
営業秘密
10.4%
特許
57.5%
31.9%
37.5%
22.4%
25.0%
5.2%
0.0%
2.5%
特に無い
無回答
39.5%
75%
28.1%
35.5%
25.0%
著作権
その他
50%
25.9%
20.0%
38.5%
36.8%
0.7%
1.3%
0.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-79
自社で活用している知的財産の種類(業種別)
368
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
商標
20.6%
7.8%
22.1%
23.2%
4.7%
3.6%
1.0%
26.7%
21.4%
特に無い
無回答
39.5%
33.9%
29.1%
33.9%
28.4%
営業秘密
その他
75%
47.7%
50.0%
15.7%
著作権
特許
50%
49.0%
0.0%
0.0%
2.0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-80
自社で活用している知的財産の種類(同業者受注比率別)
369
100%
(14) 自社における知的財産活用の重要度
① 全体集計
0%
n=252
25%
50%
29.8%
75%
42.1%
非常に重要である
ある程度重要である
図 5-81
100%
25.8%
2.4%
今はそれほど重要ではない
無回答
知的財産の活用の重要度(全体)
② 業種別集計
0%
25%
50%
27.4%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
32.9%
インターネット付随サービス業 (n=40)
32.5%
75%
42.2%
38.2%
100%
28.1%
2.2%
26.3%
2.6%
50.0%
非常に重要である
ある程度重要である
15.0%
今はそれほど重要ではない
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-82
知的財産の活用の重要度(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
1割未満 (n=86)
34.9%
1~3割未満 (n=56)
35.7%
3割以上 (n=102)
50%
75%
38.4%
24.4%
22.5%
43.1%
非常に重要である
ある程度重要である
33.3%
今はそれほど重要ではない
知的財産の活用の重要度(同業者受注比率別)
370
2.3%
14.3% 1.8%
48.2%
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-83
100%
1.0%
無回答
(15) 知的財産活用の取組の状況
① 全体集計
0%
25%
n=252
50%
75%
4.8%
4.0%
52.0%
100%
37.3%
2.0%
必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバイケースで)対応を
行っている
特許出願やノウハウ・営業秘密の保護等、知的財産の活用に関する目標や方針を
策定している
知的財産に関する目標・方針を策定しているほか、担当者や担当組織を
設置している
上記には特に当てはまらない
無回答
図 5-84
知的財産活用の取組の状況(全体)
② 業種別集計
0%
25%
50%
43.0%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
5.9% 3.7%
59.2%
組込みソフトウェア業 (n=76)
75%
70.0%
インターネット付随サービス業 (n=40)
100%
45.2%
3.9%
3.9%
2.5% 5.0%
2.2%
31.6%
20.0%
1.3%
2.5%
必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバイケースで)
対応を行っている
特許出願やノウハウ・営業秘密の保護等、知的財産の活用に関する目標や方針を
策定している
知的財産に関する目標・方針を策定しているほか、担当者や担当組織を
設置している
上記には特に当てはまらない
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-85
知的財産活用の取組の状況(業種別)
371
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
2.3%
3.5%
59.3%
1割未満 (n=86)
75%
3.9%
39.2%
3割以上 (n=102)
33.7%
10.7%
62.5%
1~3割未満 (n=56)
100%
7.1%
1.2%
19.6%
52.0%
2.9%
0.0%
2.0%
必要があれば専門家に相談するなど、その都度(ケースバイケースで)対応を
行っている
特許出願やノウハウ・営業秘密の保護等、知的財産の活用に関する目標や方針を
策定している
知的財産に関する目標・方針を策定しているほか、担当者や担当組織を
設置している
上記には特に当てはまらない
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-86
知的財産活用の取組の状況(同業者受注比率別)
(16) 知的財産活用に関する課題
① 全体集計
0%
25%
自社において対策や活用方策が必要なのかどうか、
その必要性が判断できない
15.5%
まず誰に相談すればよいのか、
相談先が分からない
5.6%
知的財産が何を指しているのか、
その内容が具体的にイメージできない
5.2%
1.6%
課題として感じていることは特にない
図 5-87
100%
15.5%
対策や活用方策の必要性は感じていても、
具体的に何をすればよいのか分からない
無回答
75%
28.2%
知的財産の活用には費用が掛かりすぎる
その他
50%
34.1%
9.9%
知的財産活用に関する課題(全体)
372
n=252
② 業種別集計
0%
25%
50%
24.4%
25.0%
知的財産の活用には費用が掛かりすぎる
75%
100%
45.0%
14.8%
18.4%
12.5%
自社において対策や活用方策が必要なのかどうか、
その必要性が判断できない
15.6%
17.1%
12.5%
対策や活用方策の必要性は感じていても、
具体的に何をすればよいのか分からない
5.9%
6.6%
2.5%
まず誰に相談すればよいのか、
相談先が分からない
4.4%
7.9%
2.5%
知的財産が何を指しているのか、
その内容が具体的にイメージできない
2.2%
1.3%
0.0%
その他
37.0%
32.9%
27.5%
課題として感じていることは特にない
10.4%
7.9%
12.5%
無回答
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-88
知的財産活用に関する課題(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
知的財産の活用には費用が掛かりすぎる
21.6%
その他
5.8%
5.4%
5.9%
4.7%
8.9%
3.9%
1.2%
3.6%
1.0%
課題として感じていることは特にない
無回答
100%
16.3%
19.6%
13.7%
対策や活用方策の必要性は感じていても、
具体的に何をすればよいのか分からない
知的財産が何を指しているのか、
その内容が具体的にイメージできない
75%
16.3%
16.1%
15.7%
自社において対策や活用方策が必要なのかどうか、
その必要性が判断できない
まず誰に相談すればよいのか、
相談先が分からない
50%
31.4%
33.9%
21.4%
32.6%
44.1%
7.0%
8.9%
9.8%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-89
知的財産活用に関する課題(同業者受注比率別)
373
(17) 自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
① 全体集計
0%
n=252
25%
13.9%
75%
49.2%
強くそう思う
図 5-90
50%
100%
34.1%
ある程度そう思う
あまりそう思わない
2.8%
無回答
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか(全体)
② 業種別集計
0%
25%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
50%
12.6%
組込みソフトウェア業 (n=76)
46.7%
17.1%
インターネット付随サービス業 (n=40)
100%
2.6%
32.9%
60.0%
強くそう思う
3.0%
37.8%
47.4%
12.5%
75%
25.0%
ある程度そう思う
あまりそう思わない
2.5%
無回答
※業種不明の1件は除く
図 5-91
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
(業種別)
③ 同業者受注比率別集計
0%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
25%
50%
12.8%
51.2%
16.1%
46.4%
12.7%
強くそう思う
50.0%
ある程度そう思う
75%
100%
34.9%
1.2%
37.5%
0.0%
34.3%
あまりそう思わない
2.9%
無回答
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-92
自社の従業員にハッカソン等の最近の新たな取組に参加して欲しいか
(同業者受注比率別)
374
(18) 自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件
① 全体集計
0%
25%
50%
市場の動向やニーズが理解できること
38.5%
自分の発想で開発する楽しさが経験できること
36.9%
発想力の強化が期待できること
34.9%
開発に必要な技術力が強化できること
32.1%
同業他社間での人脈拡大が期待できること
29.8%
最新技術が学べること
24.2%
3.2%
無回答
図 5-93
100%
39.7%
発想を形にするプロセスが経験できること
その他
75%
14.7%
n=252
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件(全体)
375
② 業種別集計
0%
25%
50%
市場の動向やニーズが理解できること
38.5%
38.2%
40.0%
発想を形にするプロセスが経験できること
36.3%
42.1%
30.0%
自分の発想で開発する楽しさが経験できること
発想力の強化が期待できること
34.1%
35.5%
37.5%
開発に必要な技術力が強化できること
31.1%
38.2%
25.0%
25.9%
30.3%
同業他社間での人脈拡大が期待できること
無回答
42.5%
23.0%
28.9%
20.0%
最新技術が学べること
その他
75%
39.3%
36.8%
47.5%
5.2%
0.0%
2.5%
16.3%
11.8%
12.5%
受託開発ソフトウェア業 (n=135)
組込みソフトウェア業 (n=76)
インターネット付随サービス業 (n=40)
※業種不明の1件は除く
図 5-94
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件
(業種別)
376
100%
③ 同業者受注比率別集計
0%
25%
50%
45.3%
42.9%
34.3%
市場の動向やニーズが理解できること
発想を形にするプロセスが経験できること
32.4%
43.0%
46.4%
自分の発想で開発する楽しさが経験できること
39.5%
37.5%
36.3%
発想力の強化が期待できること
38.4%
32.1%
34.3%
開発に必要な技術力が強化できること
37.2%
35.7%
27.5%
26.7%
33.9%
30.4%
同業他社間での人脈拡大が期待できること
25.6%
25.0%
24.5%
最新技術が学べること
その他
無回答
75%
3.5%
3.6%
2.9%
9.3%
17.9%
13.7%
1割未満 (n=86)
1~3割未満 (n=56)
3割以上 (n=102)
※同業者受注比率不明の8件は除く
図 5-95
自社の従業員にぜひ参加して欲しいハッカソンの条件
(同業者受注比率別)
377
100%
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