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遊戯療法に・おける発展過程(事例報告)

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遊戯療法に・おける発展過程(事例報告)
遊戯療法に・おける発展過程(事例報告)
ヨ;
瀬
耕
治
(心理学教室)
ここに報告する事例は、著者が教育相談部の活動の一環として担当したものである’現在なお継続中
であるが、過去12回の遊戯療法を通してわずかたがら発展のあとが見られるように思うのであえて報
告し、今後の治療計画のための資料としたい。また、ここで遊戯療法に主として使用したサンド・プレ
イは、最近、河合隼雄(天理大学)によって我国に紹介されたものであり(河合ほか、1966a)、そ
の理論的基礎をユング派の精神分析においている(河合は狐 1966b:河合、1967;Ka■ff,196㍗
6)。しかし、ここでは表現されたテーマや布置について深く理論的に把握することはできなかっれ
それは現段階の著者口まとうn’不可能なことである。著者の関心は、むしろこの症例に対していかにし
て行動握法的接近(玉瀬、1967)を試みるかということであっれ
ケースの概要
(1)児童名 M.Y.♂ 昭利35隼5月生(ア才)
(2)主訴 学校で授業中に歩きまわる。外ではほとんど話をしない。犬や猫、蚊、蝿にいたるまで、
すべての動物を恐がる。お友達と遊べない。給食を食べない。大阪の某病院で1q45の判定を受け
た。
(3)家族構成文(42歳、会社員、大学卒)、母(34歳、高校卒)、弟(S,2歳)
(4)生育歴 妊娠3ケ月時に卵巣腫瘍の手術方している。正常分娩、生下時体重3.4Kθ、母乳、1歳
3ケ月で歩行開始、1歳8ク月晴重い消化不良にかかり、ひきつけをおこした。カト■」ックの幼稚
園に入園した狐担当の先生が非常にきびしかったので、1学期間母子分離ができなかった。2歳
時に公園で犬にじゃれつか机、その後動物を極端に恐がるようになった。弟の出生による退行現象
が著しく、半年も続いた。
治療過程
第1回(昭和42年6月23日、受理面接)
N児童相談所より紹介されて、本児、母親、弟の3人で来室,遊戯室で母親との面接を行なう。非常
に落ちついた表情で子供の問題について語る。動物恐怖症、給食ノイ回一七、退行現象、MA、工Q、ホ
ームドクターなどの言葉を使う。本児Mに対して大脇式精薄児用知能検査を試みたが、実施看のことば
に応じず不可能であった。母親とも目をあわさず、全く無表情でどこを見ているともたくふらふらと歩
きまわる。 「ここへ実のなる木を1本かいてごらん。」といって、画用紙とマジック5本を用意したと
ころ、Figjのような木を描いた。その後Mだけを遊戯室に残してサンド・プレイを行なう。T(治療
者)がrこんなおもちゃがあるよ。」といいながら自動車や動物を置いてみせると、黙って’番大きた
ポプラの木を2本、Mの左手の方に置き、そのまわりにモミの木をさかさまにしてたくさん置く。次に
真中あたりに家を置き、右手に小人、自動車などをそれそれきちんと一例に並べる。そして、象、カン
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カルーなどを数匹ならぺると砂箱から離れ、ふらふらと歩きまわるのでプレイをうちきる。
<印象〉 Mの表情は非常に堅く、口をしっかりとつぐんで全くしゃぺらない。木を描く際、マジッ
クを1列にきちんとそろえて並べ、サンド・プレイのミニチュアも1つ1つきちんとそろえないと気が
すまない様子であった。プレイを終えて母親のところへ行った時、全く無表情にただひっついていくだ
けなのが印象に残る。母親は知的に優れていることを思わせると同時に、冷たさを感じさせた。
第2回(7月1日)
母親、弟と3人で来室、すぐに1人で入室し、分離不安は感じられない。砂箱をTと一緒に準備する。
(砂と水を混ぜ合せる)。Tは「さあ、何をつくって遊ぼうかな。」と話しかけながら、池と山をつく
って砂箱を離れる。Mはまずポプラを2本山の中腹に置く。池を埋めてモミの木を前回と同様に、さか
さまにして(枝が上に拡がるように)たくさん立てる。次に家を置き、その横に柵をつくる。荻の後に
カニ/カルー、象、猿、馬、小人、兵士などを同じ方向にきちんと並べる。さらにトラック、ダンプカー、
バイヤー、などの自動車を数台ならべる。しばらくして、Mは家を後方に移動し、反対側へまわって先
にならぺたミニチュアをまた1つ1つ整然と並べかえる。家の横にトッポジージョが新たに置かれる。
その間、Tが「酬酬と開いわ燃えな帆一「これ馬さん?」嘆くと崎さ刈。、「びし自動車」一と聞くと「自動車」ジ
とおおむ返しに答える。やがてプレイに飽きたらしく、うろうろしかけたのて「もうできた?」と聞く
と、「もうできた」とつぶやく。そこで、「それじゃ、こんどは何して遊ぼうかな。」といいながら、
画用紙とマジック3本(黒、緑、赤)を用意する。Tが顔を描いて見せ「Mちゃんも何かかいてごらん一
というと、長い間かかってFi g.2を描く。もうそれ.以上描かないと思われたので、「できた?」と聞
くと「できた」と答える。T「おかあちゃんを探しに行こう。」といって部屋を出る。母親に絵を見せ
たので「Mちゃんじょうずにかいたね。」というと、幾分嬉しそうだ表情を示す。
〈印象〉 母親との分離が以外にスムー・ズにいった。Mは自発的にしゃぺることは全くないが、問い
かけるとおおむ返しに答える(反響的言語)。サニ/ド・プレイが第1回とかなり類似している。プレイ
後、母親はMの絵などについて話してくれたが、Tには冷たく感じら机れ
第3回(7月20日)
母親と来室、入室して、先にA(高校生)が使ったままの砂箱を見る。T「ぼくこれで遊ぶの?」、
M「遊ぶ」と無表情に言う。机の上に画用紙、クレパス、マジックなどがある。Tがミニチュアをかた
ずけながらrお絵かきするの?」と聞くと、rお絵かきする」と答える。プレイの準備ができるとすぐ、
ポプラを2本つかんで右手の方に置く。続いて木はかりを選んでそのまわりにめぐらす。次に家を真中
あたりに置く。それから小人を全部集めて家の前に2列に並べる。その横に象、牛、鹿などを置く。そ
の手前に自動車、戦車などを並べる。それがすむと、サッと机の前に行き、Fig.3を描く。ここには
自分と弟が描かれている。新たに用意したクレパスをTがパラッと箱から出すと、黙って1本ずっそ;れ
を箱におさめる。マジックもきちんと並べる。1回使うたびにキャップをしめる。クレパスも1本ずつ
使った後は箱におさめる。前回のTの指示により、母親が、家で描いたMの絵をもってきてくれたので、
絵を見ながら問いかける。T「これ誰?」ψ「ぼく」、T「これは?」、M「S(弟)くん」、T「こ
机なに?」、M「ダンプカー」、T「こ机だれのお家?」、M「ぼく」、.T「このお家にだれがいるの
?」、M「いない」。
一36一
く印象> 今回は砂箱の砂に起伏をもたせてみた(底面は出さないで)が、Mはそのまま使った。家
から持参した5枚の絵には、Mと弟が描かれている。弟はよくしゃぺり、普通以上に発達も早いように
思われる。陽気で、母親ともよくしゃべり、Mも弟とはよく遊ぶということである。前回大雨のために
治療を中止した時、Mがとても残念そうにしていたと母親は語ってくれた。不安ながら、この遊戯療法
を続けてみようという決意のようなものが、母親の態度の中に感じら札丁も熱意を燃す。
第4回(7月27日)
母親、弟の3人で来室、3人とも入室させる。Mは部屋にはいるなりポプラの木をとり出す。T「お
出つくるの?」、M rお出つくる。」 前回同様にポプラ、モミの木を置いてから家を置き、象を4匹、
小人を12人、トッポジiショ、自動車、戦車をそれぞれ並べる。しばらくして、寝ていた弟が目をさ
ましたので、T「Sくんといっしょに遊んだげる?」と聞くと、M「遊んだげる。」と答える。「それ
じゃ、きょうはSちゃんもおかあちゃんもみんな一緒に遊ぼうね。」といって、母親も一緒に遊ばせよ
うと試みる。弟と母親が一緒に遊ぶ。Mは机のところへいってきょろきょろする。T「お絵かきするの
?」、M「お絵かきする。」 ポプラを横に置いて木を描き始める。しかし、弟の方をしばらく見つめ、
ミニチュアをしまいかける。母郡「もうしまうの?」と冷たい表情、M知らぬ顔でしまう。そして、再
び絵を描き、木の横に3つの家をかき加える。しばらくしてから母親と対話するために、2人を遊ばせ
ておいて部屋から出ようとしたが、弟がついてきてうまくいかない。ちょっと場面が混乱する。T「ど
うもうまく離れられませんかaもうしばらくMちゃんとだけ遊んでみます。」といって母親と弟を外に出
す。しかし、今度はMは全く遊ぼうとしない。しばらく絵を描いてやって終る。
<印象〉 今回は、母親とMと弟の関係がどのようなものであるかを見るための場面構成を行なった。
「Sちゃんも、おかあちゃんもみんないっしょに遊ぼうね。」といっておきたにもかかわらず、母親一
弟、とMが分離してしまった。確かに弟は元気で、よくしゃべるし、とてもかわいい。Tにも弟の存在か
が場面を非常に明るくするように思われた。逆に、母親の禁止的態度が場面を緊張させてしまう。途中
母親との対話亭試みようとしたが、失敗に終った。治療後の話の中で、母親のMに対する消極的な感情
〃
〃
が表現され、どこで得た知識狐Mは
幼児自閉症ではないかとの疑惑が示された。Tにも売分な自
信はなかったが、それを否定した。
く学校におけるM〉 学級担任よりMの学校での様子について次のようだ便りを受けとった。①恐怖
心が強く、虫、犬などを見つけると大きな声で泣きさけび逃げまわる。階段の」=り下り、注射など非篇
にこわがる。コマーシャル・ソングばかり口ずさみ、「先生、先生」とばかり言って、質問したことぱ
と同じ事をくり返して言う。②お友達とはほとんど遊ばないで、遊具で一人で遊ぶ。テヤイムがたって
も教室にもどらない。③授業中、時々奇声を発し、席を離れて歩いたり、為友達の身体にふれたりする。
④給食時、ミルクとパンが少しずつ食べられるようになったが、おかずは全く食べられない。⑥参観日、
図工の時間に床にねそべって絵をかき、注意しても聞かなかった。見かねて母親が前へ出て、たたいた
り、ひねったりしたので驚いた・
第5回(8月5日)
母親と来室、部屋へはいり、遊びの用意ができているのを確める。砂箱はあらかじめ砂に起伏をもた
せ、再び底面が出してある。Mはまず底面を砂て埋める。T「ポ■ル遊びをしよう。」といって外に連
一弓7・
れ出す。Tがテニスボールを投げようとすると、変な顔をしてつっヱっている。ボ・ルをころがしても
とりに行かない。ボールをもたせて、 「投げてごらん。」というと、両腕を伸ばしたままボールをはさ
んで下から投げる。2.3mしかとぱない。全く興味を示さないので部屋にもどる。すぐにサンド・プレ
イを始める。まず、ポプラを2本、右手前のすみの方に置く。そこから左の方へ一例にモミの木を立て
る。次に、ポプラの近くに家を置く。象をもって、「ぞうさん」と一人言をいう。その時、ちょうちょ
がはいってくる。「あ、ちょうちょ」といってしばらく気にしている。T「ちょうちょも遊んでいるん
だよ。」Mはやがてブレィを続ける。鹿、兵士、オ‘ドバイ、トラックなどを順序よく並べる。そのう
ち飽きて絵を描き始める。ポプラをもってきて、にやにやしながら描く。次に家を描く。クレパスでト
ラックも描く。それだけ描いて、黙ってTにさし出す。T「かけた?」、M「かけた」、ミニチュアを
自発的に全部もとの棚へもどす。ちょうちょが床に落ちてパタパタやっているのに気付き、それを2,
3回ふんで、残酷にもふみつぷす。
く印象> 第1回目からサンド・ブレィのテーマが一貫しており、そびえ立つポプラと家に対する固
執が示されてい乱絵の中にもほとんど同じものが示されてい私しかし、Mの感情の面ではやや自由
な表現がみられるようになったように思わ氷る。
<母親について〉 治療後、母親はMが歩けたのは1才3ヵ月の時であったが、弟は11ヵ月で歩け
るようになったこ乙ことぱをしゃぺり始めるのもMは少し遅れていたこと・妊娠中の手術が気になる
ことなどを話してくれた。治療中、別室で、母親に田所式社会成熟度診断検査を実施したところ、次の
結果が得られれ (D Aは発達年令を示す)。
第一部社会生活能力(MのCA白7:3)
(1)仕事の能力、DA昌4:4’12」からだのこなし、DA白3:7(3〕ごとは、DA=3:7(4〕集団への参
加、、DA白2:6(5)自発性(自主性)、DA87:4(6)自己統制、DA国4:10
第二部基本的習慣(評価段階はA,B,o)
(1)清潔、A (2)排泄、A (3)着衣、A (4腫眠、A (5〕食事、A
社会成熟度指数(SQ)=124
この結果は、社会生活能力と基本的習慣の極端なアンバうシスを示し、僕の過剰を明瞭にものがたっ
ているように思われる。
第6回(8月16日)
母親、弟と3人で来室。「先生こんにちわ。」と元気いっぱいの戸。にこにこして部屋にはいる。弟
が砂箱のところへいって、すぐに「これなに?」といったり、「トラック」といったりして遊び始める。
Mもいっしょにミニチュアをさわる。砂箱は、怪獣、兵士、戦車などを配置した攻撃的な場面にしてあ
る。Mはそれをこわそうとはしない。Tと一緒{ここわす。水を入れて砂をまぜ合せる。砂箱を床の上に
おろし、Tは後へさがる。母親は、きのうからここへ来るのを兄弟がとても楽しみにしていたこと。き
ょうも、お昼のサイレニノが鳴ったらお食事をして行こうというと、サイレ切口でならして・2人で早く行こ
うとせがんだこと。宿題ができていなくて気になるけ;れども、それよりも先にしなけれぱいげないこと
があるように思うことなどを話す。また、先日、実家べ2人を連れて帰った時、Mがにわとり小屋へいつ
て、じつとして長い問にわとりを見ていたこと。そして、時々水をやったりしていたことも話す。
弟が「ボール、ボール」というので、ボールを与えてみる。rボールなげをしょうか。」というと、
一38一
きょうはMもやりたそうな表情を見せたので、部屋を出かける。ところが、Mは後始末をしないと気が
すまないらしく、ミニチュアをしまい始める。みんたでミニチュアをしまってから、グランドでボール
なげをする。Mのはいっこうにとぱないが、それでも「そうそう」とか「うまいうまい」、「じょうず
じょうず」などと強化しながら何度も投げさせる。その後、ダック・アウトのところでしぱらく遊ぶ。
その時、「S、お茶のもう。」「お茶のましたる。」とか、 「あ、どこからかせみの声が聞こえるそ。」
とはっきりした調子でつぶやく。部屋に帰ってFig=.4を描く。
Tは母親に、子供の恐怖心は、おとなや周囲の人の影響でうえつけられることが多いこと。できれぱ
かごを買って、絶対に安全であることを知らせた上で、虫を飼わせてみてはどうかということを話す。
さっそくやってみたいということである。
く印象〉 サンド・プレイは今までとほとんど同じものである。絵の中の家は、今までよりものびの’
びと描かれた、母親のことばから、今回は親子とも非常に積極的た気持で来室していることが察せら机
た。母親の実家での生活の中に、にわとりを1日中見ているというMの新しい一面が見出された。ボー
ルたげも、Tの言語的強化によって前回よりは積極的にできるようになった。室外でのプレイで初めて
Mははっきりと自発的にことぱをしゃべった。
第ア回(9月2日)
母親、弟と3人で来室。サンドプレイは同じテーマ。ポプラ、モミの木、小人家、象、その他、きょう
は砂箱一杯にミニチュアを置く。遊戯中、よくMはお茶を飲む(水筒持参)。あまりお茶を飲むので母
親が、 「もうやめなさいね。あんまり飲むとおなかをこわしますよ。」といって、水筒のコップをとり
上げる。すると猛1烈に母親{こ一と・・びついて、コップを取ろうとする。何度も何度もくり返す。母親も頑
固にコップを濃さたい。Tの勧めでようやくコップをもらい、水筒をぶらさげたまま遊ぶことになる。
約30分たってから、ポプラをとり出してきて木を描く。次に家をもってきて描く。オ・ドバイも描き
かけたがうまくいかない(Fig5)。Tにマジックをさし出したままじっとしている。時々Tの顔を見
る。T「かいてほしい?」、M「かいてほしい。」描いてやると、今度はトラックをさし出す。また同
じことをくり返す。弟は相変らずよくしゃべり、母親、T,Mにかまわず話しかけてくる.。絵を描いた
後、Mは再ぴサ:ノド.・プレイにもどり、弟と一緒にダンプカーに砂亭入れては捨て、入れては捨てて遊
ぶ。遊びながらさかんに一人言亭いっているが、速口なのでよく聞きとれない。
く印象〉 初めの頃よりは幾分Mの言葉数も多くなったようだ狐まだまだ自分から話しかけてくる
ということが少ない。遊び中に動きが出てきたように思う。母親は、このまま学校に行かせておいてよ
いのかどうか心配だし、また、弟がMのまねをしないかと心配だと治療に対して消極的になりかけてき
た。不自身も治療の過程をふり返る時、あまり進歩の後が見られないので不安になる。
第8回(9月16日)
サンド・プレイの他に積木、電話、ままごと道具、機関銃、輪投げを新たに弔意する。母乳弟と3
人で来室。すぐにサ:/ド・プレイを始める。まず第1番にポプラを2つ置き、モミの木を並べて立て、
家を置く。今までと全く同じである。次にオートバイを2台置き・それを動かして「オートバイ、オー
トバイ」といいたがらしぱらく遊ぶ。Tが「オートバイだね。」、「ここに道をつけようか。」などと喜
一39一
言っていると、自動車をもってきて「ここにも自動車。」、「これはター;ノプヵ一。」「これはトうック。」
「これはごみの自動車。」と1つ1つ名前を言ってから置き始める。Tはそ;れに対して1つ1つ、「ああ
これはダンプカーだね。」、「ぶんぶん」、「ごみの自動車?」などと合づちを打ち、Mに顔を近づけ
てほほえみかける。次に、Mはダ;ノフカーに砂を入れて、「ダンブカ・に砂をつもう。」という。弟も
一緒にダンプカ’に砂を入れて遊んでいる。時々、自動車のとり合いになるが、両者それ程対立的では
なく、時に自動車を交換したりする。Mはその僕、花をもってきて、「ピンクのお花。」、「白いお花」
とTに見せながら置く。さらに、「にわとりさん」、「ここにもにわとりさん」といって次々ににわと
りやあひるを置く。その他、トッポジージョ、小人、きりん、わに、兵士などを置いてから、ままごと
遊びにはいる。Tが「こカ.で.ご飯をこしらえてちょうだい。」というとフライパンに砂を入れ、はしで
茶わんに砂を入れて「できました」、「もうできました」という。プリンもつくり、「1つ、2つ、3
つ……」と数える。Mの顔が今までとちがっていきいきとし、時々母親の方を見てにっこりする。母親
の表情はかすかにほほえむ程度で依然としてかたい(部屋のすみで椅子にかけている)。電話を使って
Tが「もしもしMちゃんですか。」というと、]ヨ=のところへ受話器をあてて聞いている。しかし返答は
ない。機関銃もTと一緒にひきがね亭ひいてみる。そうしてかなり遊んでからポプラをもってにやにや
し.ながら机の前にすわり、画用紙をさわる。ずく.木を描き始めたので、T「うんと大きいのをかいてご
ら仙」とい㌔M「こんどはお家」といってミニチュアの家(屋根が赤い)をもってきて、「赤でか
こう」という(F i g.6)。今回は兄弟が虫がごを持ってきており、中にはこおろぎが2匹はいっている。
プレイの終り頃、Mがr出とりにいこう」という。T「出とりにいこうか?」というと、M「出とりに
いこう」と自発的に部屋を出る。廊下の窓のところでちょうちょをとる。 「ここへ入れて」というので
入れてやる。しばらく自分では持てなくて、母親のところへもっていく。ちょうちょがバタバタしたた
めであ乱草原でハッタをと乱今度はあみかもってくるといきごんでいる。
<印象〉 実は、前回が終った僕、Tは自分の方法に対して不安中いだき、進歩のなさにあせりを感
じ、すっかり自信をなくしていた。それで、本症例亭ご指導くださっている吉田先生にブレィを一度見
てくださるようにお願いしていたが、母親の病気で先週は中止になり、その機会を失ってしまった。そ
れだけに、今回のプレイかご机程充実したことは、Tを非常に勇気づけてくれた。今回はまず、Mの行
動に動きが増した。そして、MとTとの問でわず力1ながらことぱのふれあいができるようになった。1
つ1つのミニチュアの名前を言い、Tがそれに反応する。Tの側からも単に受動的でなく、かなり働き
かけができるようにたってきた。前回で母親に示唆しておいた虫がごを兄弟がもってきたことは、恐怖
症に対する積極的働きかけが成功したのかもし机ない。絵の描きぷりものびのぴとしており、全体のま
とまりもよい。
第9回〔10月1日)
母親、弟と3人で来室。今回は砂箱の砂に水をささずに行なう。部屋にはいると急にMの表情がいき
いきしてくる。まず、ポプラを2本、それにモミの木を置く。「にわとりさん、ここにもにわとりさん1
といいながらたくさんにわとりを置き、「これピンクのお花」、「白いお花」といって花を取りあげる。
「これお家」、「トッポジージョ」、「つみ木、輪投げ」、「兵隊さんの帽子」など1つ1つ名前をい
いながら次々に置いていく。Tはそれらの行動に対して「にわとりさんいたね」、 「ピンクのお花?」、
「ぶんぶん」など、くり返しや身振りで強化を与えてやる。ひととおりミニチュアを置くと、「にわと
_40_.
りさんのお家」といって家をとり赤げ、「コーコーコ■とW勅ち1匹卿沖へおしこもうとする‘母親はここで
「この頃、家で縦りを買え買えとしbて困ります。」と話す昌全部1城りを家の中へ押しこん励串、、口銚レ削ζζ
飯つくってやろ㌔一・といっセままごと道具で砂のご飯を一つく’り〕、それを家あ中へ押しこむ。しばらく遊ん
でから、絵を描き始める。ポプラ、家をそれぞれ横に置いて、前回とほとんど同じように木と家を描く。
今回は新たに用意した10色のサインペンも使う。その後、Mがまだ描きたそうなので、もう1枚画用紙
を与えてみる。黙ってまず大きく頭髪を描き、顔、胴、手足、首を順に描く。さらに服をきせ、靴をは
かせる。それから床の上にべったりと寝ころんで、勢いよく画面全体をオレンジー色でぬりつぶす。(Fi9.
ア)。この様子を見て母親が吃りかけた狐丁はそのまま自由にさせてやるよう話す(第4回、学校で
のM参照)。
〈印象〉 今回は、にわとりを家の甲へ押しこむ動作をさかんにくり返している。夏休みに実家でに
わとりを1日中見ていたこととも何らかの対応があろう。Tの印象に残るのは、明らかに女性(多分母
親)と一思われる明るい像を、床の上に寝そべって画面一杯に描き、エネルギッシュにバックをぬりつぶ
しているMの姿である。前回から、Mはかなり活動的になってはいるが、今回は、さらに豊かな感情の
’表出がなされたように思われる。
第10回(10月9日)
母親、弟と3人で来室。外までTが迎えに出ていたところ、にこにこしながらやってくる。ミニチュ
アをきれいに整頓しておいたので、部屋にはいった母親が「わあきれいね。」という。Mは最初やはり
ポプラを置く。しかし、1本だけ置くと、「白いお花、これピンクのお花」といってバラをTにさし出
す。Tは「きれいだね」といってそ氷を受け取り、またMに返す。母親に、 「きょうはお天気がよろし
いし、すこし外で遊んでいてください。」といって、弟と2人を部屋から出す。M泓次に家を置き、
「トッポジージョ」といいながらトッポ歩置く。こんどはにわとりをわしずかみにし 「にわとりさん
のお家」といってにわとり中家へ押しこめる。 「にわとりさん、ここにもにわとりさん、あひるさん」
といいながら、全部それを押しこめてからポプラをもう1本置き、モミの木をたくさん置く。しぱらく
ぐるっと見まわし、「トラック」、「オートバイ」、「ごみの自動車」、「消防自動車」といいながら
1列にそれらを置く。TはたえずMのことばに返答し、ほほえみかける。電話と来客のため、Tが2.、
3分部屋を離れている間に、今まで使わなかった桃太郎、アトム、インデアンを置く。前の2つは大き
くて暖かみを感じさせるものである。サンド・プレイをやめ、ポプラ争もって机の前へすわる。十プラ
を横に置いて木を描く。次に、,「お家かご、赤いお家」といって家を描く。それから、「オIトパイか
く」といいながらオ・ドバイを持ってきて、マジックをTにさし出す。T「オートバイかくの?」M
「オートバイかく」しかし、自分で描こうとはしない。 「かいてほしいの?」と聞くと「かいてほし〕
と答える。それを描いてやると、「こんどはゴミの自動車」といって持ってくる。今度もマジックをT
にさし出してじっとしている。Tはまたそれを描いてやる。 「こんどはお花、ピンクのお花」といって
持ってくる。同様に描いてやる。Tがパラを描いている間にMは画用紙の端に自分の名前をかく。自分
の名前のとなりに弟の名前をかく。クレパスにも名前をかく。Tの描いたものに全部色をぬってから、
「き上うはおしまい、またあした遊ぽ」「おしまいしよう」といって、出したミ星テユアを1つ1つ棚
になおし始める。ポプラとモミの木は水で洗ってからなおす。
<印象> MはTとのふれ合いを求めてきており、Tもだんだんとそれに応じていけるようになっ志
一41一
くり返し、くり返しTに絵を描かせ、しかも、Tの描いた絵に自一分の名前を書いている。一方、母親は
運動会の時Mがピストルにおぴえてしまったこと、ダンスなどもよく見ていると他の子供より劣ってい
るように思うなど、まだ、おもにMの劣った面のみを見ているような気がした。
第11回(10月14日)
母親と2人で来室。部屋にはいるとすぐ、サンド・プレイにとりかかる。今回初めてポプ弓以外のも
のを最初に使う。まずオートバイ、それからトラックを置く。そして、ポプラを1本だけ置いて、その
横に家を置き、「白いお花、ピンクのお花」を置く。1つ1つ名前をいいながら、さらに動物や自動車
などを置く。次に、例によってにわとりを家に押しこめる遊びにしぱらくふける。Tが「プりンをっく
ってやろう。」といって砂を茶わんに入れていると、コマーシャルのプリンの歌を歌う。 「もう一度歌
ってごらん」といって、2,3回歌わセる。やがてポプラと家を取り出してきてそれを描く。きょうは
木を小さく、家を大きく描く(Fig.8)、次に、オートバイ、ごみの自動車、ピンクのお花、白いお花
李それそれTに描かせる。いつもごみの自動車を持ってくることについて、母親は、家でごみの自動庫
が五木の子守歌を鳴らしながらきて、ごみを入れては「シャ’ツ」と機械で押しこむのを見ており、弟
と2人でよく、砂場て歌亭うたいながら「ジャーツ、シャ■ツ」とやっていることを話してくれる。T
はそこで、五木の子守歌をうたいながらごみの自動車を描いてやる。MもTと一緒に子守歌の節を正確
にうたう。
<印象〉 弟がいなくて母親がいる時、Mはまだ無表情な時が多いように感じられる。それでも、顔
や体の表現は全体として、初めの頃に比べると随分自然になり、かなり弛緩しているように思われる。
.第12回(10月26日)
母親、弟と3人セ来室。にこにこして自分から挨拶する。部屋にはいると1つ1つ名前をいいながら
まず、オートバイ、トラック、ごみの自動車布置いてサント.・プレイ李始める。それからさらにその他
の自動真家を置いた後で、「木」といってポプラを持ち出し、手前の方に置く。赤い花、白い花もそ
の前に置く。家をとり上げて、にわとりを次々にその中へ入れていく。弟は今回はあまりしゃべらず、
母親のそばでおとなしくしている。寝起きのせいかもし机ない。Mはかたり一人でよくしゃぺり、にや
にやと笑っている。やがて「これカユこ」といって木を描く。それから家を描く。前回とほとんど同じも
のである。次に、例によってTに、オ・ドバイ、ごみの自動車、花を描かせる。母親は家では一度も木
などかいたことがないのにと不思議がる。約40分遊んでから、Tはそρ場で母親と対話する。母親は
小さい時、自分がとてもきぴしく嬢.られたので、今から思うと子供にかなり厳しくしていたように思え
ること、近頃、本なども少し読めるようになり、時々自分から本をひらいていることたどを話す。Tは
今までここでは、Mがどんなことをしても叱らず受け入机でやって、できるだけMが自由にふるまえる
ようにしてやったこと、今の状態ではMは緊張が強すぎて、自分の力を’充分に出せ次いので、できるだ
け大らかな気持で抽母さんが受け入れてやるのがよいこと、お母さん自身も安定した気持で子供に接せ
られるよう努めるぺきことなどを話す。
プレイを終えてから、Tはパス停まで送るつもりで子供と一緒に外へ出る。少し行ったところで、突
然Mが立ち止まり、「キャ・あそこに犬がいる’、石投げて一」と大戸で叫ぶ。Mはしばらく中腰で先
を見つめて動かない。犬がいないとわかると歩き始める。門の所まで来た時、今度は本当に犬に出会う。
一42一
ずっと向うの方にいるのに大声で泣きながら、「犬がいる一、石投げて一、石投げて一」といって動か
ない。ずんずん中腰で後ずざりしながら、犬の方を見たまま大声で泣き叫ぶ。手を引っぱっても、だこ
うとしても応じず、Tの手をふりきってものすごい声で叫ぶ。自分でも石を投げる。犬から目を離させ
ようとしてTが前にヱつと、Tをのけて犬を見つめる。こちらに少しでも近づくと一段と声を大きくす
る。母親が犬を追いやって、犬がみえたくなると「もういない」といって、ずくに楽な状態にもどる。
く印象〉 Tは母親が口述した恐怖症’捉机程強烈だとは思っていなかった。遊戯室でのプレイでは
Mはかなり安定してきているように思えた。しかし、これ程強い恐怖がある限り、Mの治療は今後さら
に対症療法的にも試み’られなければならないように思われる。・
考 察
Mの症状を形成している要因 まず、Mの神経症的行動(動物への過度の恐れ、反響的言語、集団か
らの孤立、強迫的整頓など)を起こさせている主な要因について検討したい。第1回目に行なったバウ
ムテスト(近似)とその後、自発的に描か机た木を見ても明らかなように、幹は1本線で表わされ、そ
加に枝がついているという非常に未熟なもので赤る(辻、1966P421参照)。ボールを上手からうまく
投げることもできないし、犬に対する恐れ方、階段の上り下りの困難さにも見ら淑る知覚的未熟さから
も察せられるように、IQ45 というのは疑わしいにしても、かたり知能が遅れていることは予想さ
れる。毎回くり返される型通りの行動も知的機能の堅さを示しているように思われる。また、2才頃犬
にじゃれつかれたことが、夫への過度の恐怖のもとになり、それが他の動物へ異常に般化していること
も考えられよう。一方、仕会成熟度テストの結果や各回の行動観察からうかがえるように、母親の神経
症的性格が子供の僕を支配している。さらに、両親の弟Sへの愛着とMへの不信.がMを孤立状態に導い
ているのかもしれない。これらのことが主た原因をなしてMの症状は形成されているようピ恵おれる。
また、父親についてはあまり情報が得られていないが、ごく最近の母親との面接(昭和42年12月26
日)から、.父親は手か必ずクレゾールで洗い、いつもその臭いをぷんぷんさせていないと落ち着かず、
部屋は炭酸ガスがたまるからというのでたえず換気しているといったところがあり、反面、タバコの灰
を平気で畳の上に落としているといった、かなり偏った性格の持主であることがわかった。従って、M
には遺伝的負因もかなりあるように思われる。
治療過程の検討 治療過程は、結果的に、大きく2つの段階に与けることができよう。
第1段階は初めの5回で、この段階は治療の準備段階といえる。Mの表情は堅く、緊張し、反響的言
語がくり返されるのみである。毎回同じことを型通りにくり返すが、プレィヘの動機づけは次第に形成一
されていく。一方、Tの側では診断的、探索的かかわり方が顕著で赤り、Mに対する積極的な働きかけ
や受容はまだほとんどさカていたい。
第皿段階は後の7回で、ここではかなり治療的場面が展開されているように思われる。第i段階を緊1.
張期とすれば、第皿段階は弛緩期または、弛緩への移行期ということもできよう。サンド・プレイの上
では単にミニテユ7を砂箱に置くのみならず、自動卓を動かしたり、ダンプカーに砂を入れたらほかし
たり、にわとりを家に押しこんだり、ままごと遊びをしたりというふうに、Mの行動に自由さが次第に
現われてきている。これは、Mにとって遊戯室が弛緩できる場面になったことを示唆している。この段
階で「にわとり遊び」が第8回より始まり第12回までのプレイの主要なテ■マをなしていることは注
意すべきであろう。これは第1段階での主要なテーマである2本のポプラと対比されるかもしれない。
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また、第7回あたりから、Mがマジックを差し出すことによってTとの接触を求めてきている。この行
動を充分受容してやることは、Tへの依存、攻撃、わがままなどを通して、Mを活動化させ、自我の強
さを増進させて、今凌の治療的発展を導くかもしれない。Tの側でも第回段階にはいってMへの積極的
な働きかけが増し、言語的強化も増加している。第6回に指示した虫がごによる昆虫への接近が第8回
に効果的にあらわれたことも積極的接近の1つの例である。
その後の状況.第12回以後、Tの長期出張のため治療が中断されたが、手紙によって母親との連絡
が保たれた。犬に対する恐怖が強烈であるので、TはMの好きなにわとりかうさぎ、または小犬を飼う
ように指示しておいた。昭和42年12月に届いた母親からの報告によると、おとなしい野犬を一匹飼
ってみたところ、初めは恐がってそぱに近寄机なかったMが、母親と一緒に近づけるようになり、犬
のからだにさわれるようになったということである。最近では(昭和42年12月26日)、学校から帰
るとすぐに犬のそばに行き、散歩もさせら机るようになっている。学校から帰る途中の野犬に対しては
まだ、かなり強い恐れを示しているようであるが、母親がこのMの変化によって、かなり自信と見通し
を得たことは大きな進歩といえよう。
問題点と今後の方向 この症例における遊戯療法の過程には、いくつかの問題点が指摘さ;れよう。ま
ず、第4回から第12回まで、母親と弟を遊戯室に同室させていることは検討すべきである。弟はMの
絵などこも示されているように、Mともっとも心理的距離が近いと考えられた。実際、弟の導入によって
Mの弛緩は促進されたように思われる。しかし、母親の導入はMの緊張を高め、必ずしも有効ではなか
った。Tは初め、彼らの親子関係を把握し、彼らを親子遊戯療法(高野・古屋、1961)的に扱えない
かと考えた。今後、母親に役割演戯的にTの行動を模倣させてみることも可能であろう。次に、毎回
サンド・プレイと描画ばかりをやらせたことは問題であろう。しかし、Mの場合、サンド・プレイにか
なりの動機づけがあり、Tが無理強いをした感じはしない。サンド・プレイを写真に撮っておくべきで
あったが、Mが必ずミニチュアを棚にもどすので振れなかった。その代りにここで示した絵にも、かな
りその回のMの心理的状況が反映されているように思われる。サンド・プレイにあたり、Tが何度か試
みた場面設定は、Mの内的状態との対応がなされていたかったので無意味であったかもしれない二I(最近、
行動療法においても患者の内的変化に対する検討を重視すべきことが指摘されている。We it zmaへ
196ア)。簡単にいうと、現段階までに、Mは過度の緊張から弛緩の方向亭たどっているといえよう。
今後さらに弛緩させる一方、Mを活動化させ、恐怖対象そのものに対する弛緩を条件づけていく必要が
あろう。また、両親に対する治療的接近も重要であるように思われる。
<付記〉 本事例研究をご指導くださいました奈良県中央児童相談所、吉田猛先生に心から感謝いた
します。
引 用
文
献
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