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静岡赤十字病院産婦人科 後期臨床研修プログラム 対象:日本国医師

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静岡赤十字病院産婦人科 後期臨床研修プログラム 対象:日本国医師
静岡赤十字病院産婦人科 後期臨床研修プログラム
対象:日本国医師免許証を有し、卒後臨床研修(前期研修)を修了したもの
(旧制度下の場合は、最低 2 年以上の医師としての臨床経験を有する保険医で、日本産科婦
人科学会専門医取得を目指すもの)
研修期間:産婦人科医師としての経験年数に応じて 1∼4 年程度(日本産科婦人科学会専門医取
得年度をもって後期臨床研修修了とする)
募集人数:後期臨床研修医 1 年目から4 年目まで各学年 1 名(全体として 3 名まで)
研修の目標と教育理念
静岡赤十字病院産婦人科では、卒後研修終了後の医師を随時募集しております。当院での後
期臨床研修では、産婦人科医師として必ず身につけるべき基本を体と頭の双方で習得してもらう
ことを目標にしています。より高度な専門性が問われ、注目されることの多い昨今ですが、産婦人
科医としてやりがいをもって、楽しく、安全に働き続けるためには、産婦人科医としてのスタートを
決意した後期臨床研修時の幅広くしっかりとした基礎の積み重ねが、以前にも増して重要になっ
てきていると考えています。そしてその基礎の上に、より専門性の高い subspecialty を積み上げて
いってもらいたいというのが、当院産婦人科の教育理念といえます。
本後期臨床研修における具体的な到達目標のひとつに日本産科婦人科学会の専門医試験に
合格し、産婦人科専門医資格を取得することがあげられます。
当院の診療概要
1) 周産期:
静岡中部地区における中核病院として、一般/紹介患者の妊娠フォローアップ、分娩、産科救
急搬送受け入れを行っている。静岡県立こども病院との連携にてハイリスク妊娠の取り扱いを行
っている。また、地域に先駆けて助産師外来を立ち上げており、医師のみならずコメディカルとの
連携の中で、妊娠時期に応じた適切な診療/精査および保健指導を行える体制を構築している。
2007 年分娩総数は 650 件である。
2) 不妊症:
不妊症精査およびゴナドトロピン療法や人工授精(
AIH)などの一般不妊症治療をはじめ、不妊
症治療を目的とした開腹/腹腔鏡下手術にも積極的に取り組んでいる。経卵管妊娠が困難な症例
/難治症例に対する体外受精(IVF-ET)も積極的に行っている。
(2008 年 1 月-12 月
採卵周期:23 周期
移植周期:67 周期)
3) 腫瘍医学:
月(脊麻)・水(全麻)・金(全麻)の週 3 日が当科手術日であり、良性疾患に対して腹式、腟式お
よび腹腔鏡下手術を多数行っている。悪性疾患に対しても、地域中核病院として紹介、セカンドオ
ピニオンを受け、日本婦人科腫瘍学会治療ガイドラインに準じて治療を行っている。根治的治療
から再発治療、癌終末期緩和医療にいたる婦人科癌の継続性のある治療のできる病院を目指し
ている。本年より婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)の施設認定を獲得し、多施設合同
臨床試験に対しても積極的に参加できる環境を整備している。
<本年の手術実績>
開腹手術:
腹式帝王切開術:204 件
腹式子宮全摘術±付属器切除術:62 件
付属器切除術または卵巣嚢腫切除術:26 件
筋腫核出術:34 件
開腹子宮外妊娠根治術:7 件
腟式手術
腟式子宮全摘術±腟壁形成術:14 件、腟中央閉鎖術:6 件、マンチェスター手術:1 件
バルトリン腺膿瘍開窓術:
3 件、子宮頸管縫縮術:3 件、子宮内反整復術:1 件、
子宮内容除去術:53 件、人工妊娠中絶:2 件
腹腔鏡下手術:
卵巣嚢腫切除術:16 件、 子宮筋腫核出術:2 件、
腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術(LAVH):2 件
腹腔鏡下子宮外妊娠根治術:3 件
悪性腫瘍手術:
単純または拡大子宮全摘術(リンパ節郭清なし):2 件
準広汎子宮全摘術+両側付属器切除+骨盤内リンパ節郭清:
3件
広汎子宮全摘術:2 件
卵巣癌根治術(ATH+BSO+PLN+PAN+OMT):7 件
再発腫瘍切除/腫瘍量減量手術:3 件
子宮頸部円錐切除術:9 件
試験開腹術:1 件
4) カンファレンス
産婦人科スタッフ全員がひとつの医療チームとして診療に当たれるよう、毎週木曜日に病棟カン
ファレンスを行っている。産科カンファレンスには小児科医師および病棟師長、外来主任も参加し
情報の共有化を図っている。
また毎月第一月曜日には、病理医、細胞検査士とともに婦人科病理カンファレンスを行っている。
症例を持ち寄り臨床の現場と病理診断でのディスカッションを行うとともに、ベセスダシステム導入
や細胞診専門医取得にむけての勉強会的な側面ももっている。
毎月第二木曜日には、放射線科と合同で放射線カンファレンスを行っている。画像診断と術中
所見、術後病理の再検討を行い、診断精度の向上、読影技術の向上を図っている。
研修の流れ
当院においては最初から決まった後期臨床研修のスケジュールがあるわけではありません。前
期臨床研修病院での研修内容や産婦人科医師としての経験年数、到達度、そして本人の希望な
どを加味して話し合い決定し、逐次変更していくことになりますが、
あまりに漠然としているため、
下記に後期臨床研修年数に応じた到達目標の目安を示します。
後期臨床研修医1年目:一人で当直できるようになること、適切に判断し上級医師にコンサルト
できるようになること、患者および家族に適切な説明(特に術前説明)ができるようになることを目
標に、産科においては、病棟医として多くの経腟分娩・急速遂娩・帝王切開を経験する。指導医の
監督下において単独で会陰切開・縫合、急速遂娩(クリステレル・
VE)ができるようになる。良性婦
人科手術および帝王切開第一助手が滞りなくでき、指導医の指示を受けながら同手術が部分的
に執刀できるようになる。悪性疾患の治療に受け持ち医として参加し、手術や化学療法・放射線
療法の理解に努める。数多くの術前説明や病状説明に立会うことで最終的に患者に対する適切
な説明ができるようになる。研修開始時は上級医師との ダブル当直とするが、到達度に応じて半
年程度を目安に単独当直をめざす。当直可能となったら段階的に外来診療を開始する(初診およ
び婦人科再診、妊娠初期など)が、入院患者は原則として上級医師とダブルで受け持つ。
後期臨床研修医 2 年目:良性婦人科疾患および帝王切開において多くの症例で術者として完
遂できるようになること、産科妊娠管理方法の理解および超音波スクリーニング技術の到達度に
応じて、随時産科外来をスタートし、初診時から分娩までの産科管理を経験する。分娩および良
性疾患に関しては主治医として病棟診療に当たれるようになる。悪性腫瘍手術の手順および骨盤
内解剖を理解し、第一助手が務まるように修練する。腹腔鏡手術手技を部分的にトレーニングし、
鏡視下手術特有の視野・操作間隔になれる(手術時のトロッカーの抜き差し、閉創、第一助手とし
てカメラ、補助鉗子持ち、トレーニングボックスでの縫合がスムーズに行えるようになる)
後期臨床研修医3年目:悪性疾患も含め主治医として外来・病棟診療にあたることができるよう
になる。良性疾患および帝王切開術のほとんどすべてが執刀できるようになる。指導医の下、悪
性腫瘍手術の術者としての修練を開始する(到達目標:準広汎子宮全摘術、骨盤内リンパ節郭清、
大網切除術)。指導医の下、術者として腹腔鏡下手術(到達目標:卵巣嚢腫摘出術)を企画、完遂
できるようになる。助産師外来と連携した患者管理ができるようになる。
後期臨床研修医4年目:日本産科婦人科学会専門医取得。同専門医取得後以降は準スタッフ
ドクター(責任医・指導医)として勤務にあたり、前期および後期臨床研修医 1-3 年目の指導にあ
たるようになる。後期臨床研修修了年度となるため、より専門性を高めていくためのキャリアデザ
インを自分自身で行ってもらうための援助を行う。
自らの専門性をより高めていくためには、臨床医学の修練とともに臨床研究や基礎研究に従事
することも必要であると考えられるため、必要に応じて大学病院や周産期センター、がんセンター
などへの異動、大学院入学などを検討しても良いと考えている。
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