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とも・さちの 夜叉ケ池マラニック完踏記 (平成 21 年 7 月 25~26 日)

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とも・さちの 夜叉ケ池マラニック完踏記 (平成 21 年 7 月 25~26 日)
とも・さちの
夜叉ケ池マラニック完踏記 (平成 21 年 7 月 25~26 日)
さちさんの眼から大粒の涙が溢れています、野辺山・サロマ湖と
二つのレースで途中収容されていた悔しさを晴らせた嬉しさに、今
日の勝負所の第二関門を 30 秒前に通過した頑張りに、あのバルセロ
ナで有森さんが言った「自分を褒めてやりたい」という言葉の様に、
溢れ出ているでしょう。
あいにくの霧で、夜叉ケ池全体の美しさは見られませんでしたが、
途中仮眠はあるが、二日で 144 ㎞の距離を走るという長丁場、厳し
い崖のあるコースで怪我も無く、二人共に完踏出来ました。
夜叉ケ池
林道終点
川上集会所
神戸(ごうど)山王太鼓保存会の皆さんの
エールに迎えられ、ゴールテープを切る事
が出来ました。エイドなどボランティアの
皆さん、ありがとうございました。
坂内遊ランド
バイクランド
横山ダム
坂内小学校
久瀬
旧藤橋村役場
揖斐峡大橋
川原神社
日吉神社
神戸(ごうど)へ
ウルトラマラソンに参加するのに、当日の朝、
家を出るというのは初めてです。
朝 6 時半前に自宅を出て、快速電車で米原へ
大垣行き普通電車に乗り換え、かつての近鉄養
老線 = 養老鉄道で 5 つ目が、広神戸(ひろごう
ど)で、神戸町のメインステーション。09:16 到着。
霞間ケ渓
スタート・ゴール
大垣駅
ここでトイレを借りていると、チーム YMR の S 村さんがおら
れるではありませんか。四万十川以来の再会ですが、あちらも
びっくりしておられました。
参加者名簿によると、彼は四回目の参加のようです。
ここは結構ハードだと聞いていますから、なかなかの実力者なのですね。
会場の神戸町役場までは、約 900m とされており、準備運動を兼ね
ての早歩きで向かいます。急ぎ足のもう一つの理由は、私たちのコ
ースに、プラス 9 ㎞の登山をするスペシャルコースのスタートが
09:30 で、そこに「むい嬢」が居るはずなのです。
役場に着くと、もうスターターが台の上に居る状態でした。わず
か 50 名ほどの集団なので簡単に見つかり、第一ステージゴールでの
再会を約して送ります。
エントリー
私たち通常コースの受付は 10:30 まで、スタートは 11:00 なので、併設の体育館で受付を
済ませ、マットを広げて着替えます。 脱いだシャツは既に汗まみれで、帰ってくるまで置
いておくと、きっとカビが生えているでしょう。
ブログでは、毎年猛暑に見舞われ、大変多くのリタイヤを出しているようです。 今日も
天気が良すぎるのが、大変気にかかります。 参加資格にも、「満 20 歳以上で体力に自信が
あり、暑さにも耐えうる人」と書かれていました。
さちさんは膝が心配とか言って、
「膝かんたん」を買ってきましたが、今日のスタートは使
わないそうです。
今日の第一ステージのコースは、標高 300m位の山の中腹までの比較的なだらかな登りで、
そこで仮眠。 明朝 03:30 出発の第二ステージで、標高 1105m の夜叉ケ池を見て、ここまで
帰ってくるのです。
第一ステージのゴールでの着替えや寝巻きなどの荷物と、夜叉ケ池への最後のアプローチ
用の登山靴とか、虫対策の長いズボンとかの、二つの荷物を預けることになります。
私たちは、登山靴までは用意しませんでしたが、それなりの着替えなどをサロマ湖で貰っ
た袋に入れて預けました。
預けに行くと、第一ステージゴールには、多くの人がバックパックなどの、大きな荷物を
預けています。 考えてみれば、残りの荷物をゴール(ここ)に放置しても、第一ステージに
送っても、同じことでした。
体育館から役場までの庭を横断して、30 分ほど前にスター
ト会場に行くと、事前情報通りに軍手を貸してくれて、氷を
入れて帽子に入れなさいとのことです。
さちさんは手に持ってあちこち冷やすそうですが、私はタ
オルで氷を包み、首に巻くことにしました。
役員・来賓が 20 名ほどおられ、何人もが挨拶や祝辞を述べ
ておられますが、さちさんはウルトラ仲間を探すことに忙し
く、
「まっくろくろすけさん」
「ryuji さん」
「こいしさん」と
全ての知り合いに会えた様子です。
11:00 の号砲でスタートです。 私たちは恒例により、最
後尾スタートですが、わずか 250 名ほどとはいいながら、ス
タートラインまで 20 秒以上かかりました。
このマラソンはこじんまり
したものなので、道交法遵守
となっています。 スタート
直後の県道を横断するための
信号待ちの間に、私たちはト
ップ集団に追いつきました。
直ぐ先の、
「昔の町並み」らしい広い道を北へ進み、2 ㎞弱のところにある日吉神社にお参
りして完踏を祈願します。お賽銭を忘れずに。
ここでは、神戸山王太鼓保存会の人たちが、景気をつけてくれます。
養老鉄道沿いを進み、町並みを縫って進むことしばし、個
人宅の庭に入っていくではありませんか。 お庭をずんずん
行くと「夜叉堂」がありました。ここでも完踏祈願をします
が、このうちのおばあさんと思しき人が、給水サービスをし
てくれています。第一給水でした。
裏門から出てまもなく左折、西に進んでいくことになり、
また左折すると踏切を渡ります。 空模様は曇り基調になっ
てきました。でも蒸し暑いことには変わりはありません。
北一色東の交差点から広い道に出て、町を外れるにつれて徐々に車が増えましたが、歩道
があるので安心です。まっくろくろすけさん一行が居られるので、ついていきます。
5 ㎞過ぎで右折「池田ふれあい街道」を進みます。この道
はなだらかな登りではなく、池田山の山裾を通る、かなりの
アップダウンを繰り返す道でした。 帰り道に登り坂がある
ということで心配になります。
スペシャルの人たちは、左手の山道を登って、池田山の尾
根 9 ㎞を迂回、私たちの 14 ㎞辺りで合流するようです。
歩いていると、くろすけさんたちが追い越していきました。
彼女たちは走っています、凄いですね。
8 ㎞ほどのエイドで一息付いていると、ポツポツと降り出し、直ぐにザーッと激しい雨に
なりました。 雨宿りをしている人も居ますが、まだ 10 ㎞ですから私たちは雨中行軍です。
水溜りであろうが無かろうが最短コースを狙って走ります
が、車に水を掛けられるのは、気分が悪いですよ。既にずぶ
ぬれなのに不思議ですね。
雨は半時間ほどで治まり、茶畑が一面広がっています。 揖
斐茶の看板があります。
この山には小寺城跡や土岐一族の墓所があるなど、歴史を
感じるところです。
山を越えたところが粕川大橋で、ここは歩道が有るのですが排水路になっています。 後
ろから軽快な足音がいくつも聞こえてきます。 スペシャルの人たちが水を掛けないように、
押しのけて走らないように気遣いながら、追い越して行きます。
9 ㎞の山越えを一時間半でクリアしてきたのですね。速いですね。むい嬢も川原神社手前
で追い越していきました。私たちの時間で 2 時間 15 分頃でした。
聴くところによると、彼女は山の中で例の大雨に遭い、大変苦労
したそうで、年頃の娘が足に擦り傷を作ったようです。
川原神社では、紫蘇巻きときゅうりが登場。 今回のエイドはか
なり期待できそうです。最近当たりが良く無かったですからね。
直ぐ先を左折すると揖斐川の右岸に出て、ここからは揖斐川沿い
の「揖斐川マラソンのコース」の一部を走っていくことになります
が、登り坂です。
西平ダム、川の中にあるライオン岩など見ながら、歩いたり走ったりを繰り返していきま
す。赤い大きな橋のたもとの小さな地蔵堂の前にあるのは、22 ㎞の揖斐峡大橋のエイドで、
今日のコースの半分ほどです。
今日はここで、さちさんと別れます。余程のことが無い限り、ゴールできるでしょう。
ここから「スペシャルドリンク」のサービスがあります。
希望すればビールを注いでくれるのですが、私はゴール後
の楽しみに残しておきます。
うねうねと登り、久瀬ダムを過ぎると、一気に下って国道
303 号線に出ます。ここの地名は夕日谷。 直ぐに国道から
分かれて登っていくと、ガードマンが右へ行けと言う。
旧藤橋村役場の下のガレージがエイドになっています。トイレも土足で入れるようにして
くれています。あと 10.4 ㎞の手書き看板が嬉しい。
まもなく横山ダムに出て、再度国道を走ります。落石避けのトンネルが続きますが、ここ
は下り坂です。
川は坂内川に変わり、国道の表示に「木之本」と今日の目
的地「坂内」の表示が出てきました。 道路の温度表示は 24℃
で、ブログで見た昨年の 31℃を考えると天国です。
坂内遊らんど・夜叉ケ池道中まつりの幟などが多くなりま
す、もう少しでしょう。 後ろから来た人が、
「どこから来た
の」。泉大津の人でした。
ここのナンバーカードには府県名と姓が書いてあります。
連れが出来たことで少し元気が出て、走り出すことが出来、大きな建物が有るところに着
きました。ここが今夜の宿、坂内小学校の体育館です。
今日のゴールはここからは 4 ㎞程先です。少し登って道の駅坂内を通過、スキー場の入口
を過ぎると、川の手前の道を右折するようにガードマンが誘導してくれます。
あと 500m くらいですよと言われて元気百倍、しかしなかなか見えてこないのです。 駐車
場が見えてきた辺りで首タオルを取り、帽子を取って写真撮影に備えます。
今日はビデオを持っているので道中祭りを撮りながら登ります。屋台が沢山出ています、
むい嬢がお弁当を持って下ってきました。もう宿へ帰るのでしょうか。
通してくださいと言いながら祭り会場を過ぎると、もう一段登ったところにロッジらしき
ものがあり、ゴールと書かれています。
最後は急坂で、あえぎながら走り、6:08 ゴールです。門限まで 50 分以上ありました、頑
張った方でしょう。
「かりんとう」を一袋と食券(お弁当券と\1000 の買い物
券)を戴き建物に入りますが、雨のせいか、人で一杯です。
先にゴールしたベテランに聞くと、先ほどの屋台近辺にも
テント席があるそうです。
さちさんに電話をすると、まもなく「游らんど」への分か
れ道だと言っていますから、20 分程の遅れでしょうか。大丈
夫ですね。
ここではシャワーを使い、待望のビール付きの食事を済ませます。仮眠所である先ほどの
体育館には、シャトル便があるそうです。
シャワーと言っても、大きな蚊帳の中にスポンジマットが 5~6 枚あり、お湯の出るホース
が数本引き込んであるだけで、着替えは出来ません。 女性用は個室だそうです。
一度建物に戻り着替えと貴重品を小袋に詰め替えているとさちさんが目の前にやってきま
した、結構早く帰って来たようです。
食券を半分落としたとかで探しに行きましたが、お弁当券のついている半分は有りました。
とりあえず良いと思っていると、件の S 村さんと握手したりしていたところに落ちていた
そうです、良かったね。
私は蚊帳に入り、柱に着替えなどを結びつけて、シャワーを借りますが、結構あったかい
お湯がしっかりと出ます。「普通の?シャンプー」やボディソープも準備されており、さっぱ
りしました。
シャワーで洗うときに、上の方に向けたりして、回りに飛ば
す人がいるので、
「シャワーは下に向けて使いなさい」と、大き
な声を出してしまいました。
まったく、口うるさい親父ですね。
哲さんのブログに従って、ゴム草履を持って来ましたが、靴
がずぶぬれであることを別にしても、大変に役立つ助言でした。
この後の仮眠所への移動・第二ステージのゴール後旅館まで
の移動など、大変楽でした。
弁当を貰うついでに、買い出しに出かけました。 お弁当は
軽四トラックで持ってきてくれていました。 おかずが鮭の輪
切り一つと野菜なので少ないと思い、屋台で鳥のから揚げ二つ
と缶ビールを買い、丁度千円です。
ビールがうまい! から揚げも弁当も空腹を癒すのには上等です。さちさんも今日はまずま
ずの食欲です、良かったね。
まだ 7 時過ぎですが、祭り見学の後、仮眠所に帰ることにしました。まだ走ってくる人が
います。声援を送りますが、残念ながら制限時間オーバーですね、おつかれさま。
舞台では、よさこい踊りや沖縄民謡など、ご近所の方々が出演していると思いますが、観
客が一杯で席がありません。
食券があと千円ありますから、さちさんのアイスクリームに優先権を与えて、残りでビー
ルを買い、帰ります。
マイクロバスで体育館へは 10 分足らず、入口で明日の朝食を貰う筈ですが、お握りは夜中
になるとのことで、バナナとオレンジを、小さい女の子が説明と共に渡してくれます。
中へ入り、毛布の山から一枚貰い、真ん中に少し間を空けて設営。靴と帽子など明日の装
備を拡げて乾燥体制をとり、T シャツにナンバーカードを付けて準備完了。
建物内は飲酒禁止なので表へ出て、ビールを残りのから揚げで飲んでいると、女性用の別
棟の交流センターで、セットを完了したさちさんが登場。
女性の部屋はじゅうたん敷きだそうで、シャワーと言い、大いなる差別待遇です。
明日の段取りを決め、ビールが無くなったところでお開き。
目の前で、ボランティアさんが\200/缶で販売して、大勢が談
笑しておられますが、これ以上は止めましょう。
歯を磨き就寝体制に入るところで、隣の 14 番さんがいろい
ろと明日のアドバイス、向かいのおじさんも大阪近郊らしく、
村岡や三方残酷の話で少し盛り上がりました。
やがて天井の水銀灯が 1/8 ずつ、5 分置きに消される「早く寝ろ」の催促で就寝しました。
12 時頃眼が覚め、お握りを探しに行きます。
「1 時過ぎです」と書いた紙を貼った、海苔巻
きの箱が置いてあるので適当に戴きました。
お腹が落ち着いたところで、気持ちよい二度寝のお誘いがきました。次に眼が覚めたのは
2 時前で、出発準備を整えてトイレの列に並びます。
しっかり準備が出来たところで表へ出てストレッチをしますが、雨は降っていないし、暑
くもなさそうなので嬉しい。最終コールを受けて準備完了。
さちさんがなかなか登場しないので電話したところ、目の前にいました。
出発は道路に列を作るのでなく、学校の
グラウンドに扇形のラインがあります。カ
ウントダウンをして、3 時半の出発です。
佐渡島の夜中出発以外では、一番早い出
発です。
昨日の続きで 303 号線を走りますが、暗
いので、登り坂も気にならずに 8 分/㎞程度のペースで進みます。
第一エイドは 7.6 ㎞の川上集会所。すでに暑いので、首タオルの氷を貰って行きます。
ここから国道を外れ林道に入
り、山越えして福井県に入った
ところが夜叉ケ池です。 21.6
㎞の林道終点が第一関門です。
川沿いですが、登り坂がかなり
厳しくて、歩きが多くなります。
小さなダム湖があり、水面が波立っていないので、逆さに写る景色が大変綺麗です。流れ
も変化があり写真撮影の時間が長くなりますが、私たちには丁度良い一休みです。
時々やってくる関係者の軽四が、大変気になる狭い道です。
バイクランドというエイドには、立派な建物があります。帰り道で気が付きましたが、こ
の辺りは、バイクで川原を走って良いことになっているようで、バイクランドという名が理
解できました。
いよいよ登りが厳しくなってきて、最初のランナーが帰ってきまし
た。 主催者による一番遅い時間設定と、最速時間設定の差は、この
辺りで三時間程ですから、最速の人が帰って来たということでしょう。
もう直ぐと励ましてくれる折返しランナーの言葉通り、コンクリー
トの鳥居があり、その先に林道終点のエイドが見えます。
06:40 頃で制限時間に 30 分もあります。
夜叉ケ池を見に行けますね。
「2 時間位は掛かるかも知れないから、腹ごしらえをしっ
かりして行け」というアドバイスに従い、きっちりと休みを
取ります。 タオルを洗いトイレも済ませて出発です。
事前に聞いていたので、ブトを避けるために、長いズボン
を準備していましたが、エイドのおじさんは、
「今は虫が少な
い。暑いから、短いズボンで行きなさい」とのこと。
岩場を這うために軍手を貸してくれます、エイドの先の登
山口で、最終の入山チェックを受けます。
登山口は藪の中の下り階段でした。続いて石がごろごろし
ている下り坂、丸木の階段と続き、谷底で材木を渡した川を
渡って、いよいよ山道です。
道幅は 1m も無くて、谷側は結構落ち込んでいるので、十分注意が必要です。
10 分も経たない内にポツポツと下ってくる人に遭いますから、道の譲り合いでお互い大変
です。 1/3 位登る頃には、下りのピークにぶつかってしまい、休憩を兼ねての待ち合わせ
が重なります。
S 村さんが下りて来ました、登り組の中でも私たちは速くはないので、段々と孤立して二
人だけになります。大集団が通り過ぎた後は楽になりました。
300 名位だから良いのですが、人数を増やすと、急ぐ余りにお互い競い合って危ないでし
ょうね。 くろすけさん一行も下って行きました。
幽幻の滝を過ぎる頃にはさちさんと別れて進みます。
下りの人達がもう少しですよと声
を掛けてくれますが、見えて来るのは昇竜の滝の横にある夜叉の崖というものです。切り立
った崖に張り付いている人たちの姿です。
その崖も途中までは素手で登れますが、監視とガイドを兼ねた人が何人も居られて、コー
スを指導してくれます。
さちさんを連れて登り下りをしないと駄目だと考え直し、崖の途中で待ち一緒に行くこと
にしました。ryuji さんとは滝の辺りで会ったそうです。
ロープや鎖があるのですが、登り下りの交互通行なので、私たちは待つ方になります。何
とか三段ぐらいある崖を登りきると、突然平たい地面になります。
ここでもナンバーカードをチェックして貰い、待望の池はと聞くと、またしても藪の中の
階段を下りて行けとのことです。
熊笹が多いので、虫に刺されているのか笹が突くのか、良
く分かりませんが痛い。階段の下には木道があります。
見えます、見えます、霧が掛かっていますが、青い湖面が
足元に見えます。案外小さな池で、直径は 200m 弱でしょう。
半周ほど回ると木道が終り、砂地があります。 最終チェックを受けて、記念撮影をして
貰います。 私たちの後から登ってきた人は、ほんの数人でした。
坂内センターの関門通過のためには、写真撮影は適当にし
て、急ぐ必要がありそうです。
下り坂に掛かると、まだ数人の人が登ってきます。さちさ
んが昨日一緒にゴールしたという人も居たようです。
関門をぎりぎりで通過した人たちでしょう。
結局私たちは最終集団の中でも最終組になりました、おかげで下りのロープの取り合いは
しなくて済みましたが、下りはやはり足元が危ない。
ガイドさんの話では、誰か一人滑って怪我をしたそうです。
崖を下りきり、幽幻の滝が見える辺りでさちさんと別れることにしました。ここからは普
通の山ですし、誰も居ないから危険は少ないでしょう。
後で考えると、最後に係の人達が下りてくるから良いものの、普通だと入山届けをしてい
ても、倒れた場合に見つけて貰えるのは、冷たくなってからでしょう。 危険が少ないなど
と考えるのは甘いのですね。
ここからは下り坂のプロ?の本領発揮と行きたいところですが、木の根・石ころ・階段があ
ります。 土道だけは走れますが、木の根に二度つまずき、尻餅を一度ついての、ぎりぎり
の走りでした。
途中で最終組の中の先行した人を抜き、下の方では、くろすけさん一行も追い越しました。
さちさんも、誰も居ないので、走り放題・花の写真撮り放題で、下ったそうです。
林道終点のエイドでは、追いついて来たくろすけさんと言葉を交わすのも手短に、一休み
と食事をして出発します。余り時間の余裕がありません。
国道に合流するまでは下り坂なので、調子よく走れる筈です。少し下ったところで太陽が
顔を出したり隠れたりになりました。今日は曇りの筈でしょう、顔を出して暑くしないでね。
登りの所を少し歩くだけで
快調に下り、バイクランドで
は、おいしいかき氷をお代わ
りしました。もっと早いとそ
うめんがあったようです。
スイカは、残りが 1/8 の切
り身が二個で、最後の人まで残してやりたいからと、なかなか切ってくれません。残りは 30
名も居ないと何人かで説明して、やっと一切れ戴きました。
この辺りからの川やダム湖の景色は、明るくなってきたことも含めて抜群。逆さ・・・と
かいう景色がいっぱいです。 その先の機具岩橋(はたぐいわ)や高山谷トンネルが、綺麗に
飾られています。
国道に出る所で、前の人が違う道を行きかけましたが、声を掛ける前に戻ってきました。
直ぐに川上の集会所です、味が変わるものをということで、グレープジュースを戴きまし
た。 今回は海苔巻きが豊富なので、お腹が空く心配はありません。
首タオルの氷交換は必須の作業です。太陽はその後顔を出しませんが、汗は相当出ている
ようです、トイレに行く気になりませんから。
坂内のセンターまではあと 8 ㎞、ここからは朝とは逆に下り坂なので、時間的には何とか
なるでしょうが、少し疲れてきましたね。
朝は無かった T 字路の給水が、直ぐ下に設営されていますが、ここもパスです。
道の駅坂内までは快調に来ましたが、そこからセンターまでは登り坂が時々あり、少し歩
いてしまいます。 50km 近く走ってきたからでしょう。
坂内センターでは、大勢の人達が迎えてくれます、制限時間には 20 分程あります。ナンバ
ーチェックを受けて、エイドの先端の方で、冷たいお絞りを貸してくれます。自分で洗って
二回使いました。
ここでは、\200 のスペシャルドリンクもありましたが、ぐっと押さえて、振舞われていた
おそばを、何と三杯も戴いてしまいました。
佐渡で一緒だった Y 富さんが居ます、そのうちにくろすけさん一行も到着しました。さち
さんはどうしたかな、待とうかなと考えましたが、ぎりぎりのタイミングだろうと思い、11:50
頃、くろすけさん達に送られて出発しました。
国道の温度表示は 26℃で、昨日の夕方より 2℃高いだけです。昨年の 30℃以上の状態に比
べれば、天候に恵まれていると感謝するべきですね。
暫くすると、雨が降り出しました。登り坂にかかったので歩き続けていると睡魔が襲って
きますが、雨のお陰でそれも忘れがちになります。
歩いているのでさちさんに電話をして見ますが、お互いにぎりぎりの電波状態に居る様で、
繋がるような、繋がらないような状態です。関門制限に掛ったら、リタイヤバスで追い越し
て行くだろうと進みます。
落石防止のトンネルに掛かる頃には、雷鳴を伴っての大雨です。閃光と雷鳴の時間を計る
と相当遠いので、土砂降り状態ですが、走って行くことにします。
周りの人たちも結構走っておられます、たくましいですね。それに引き換え、後続のさち
さんは雨宿りをしていたそうです。 先ほどの関門以降は 10 分/㎞で間に合いますから、割
り切れば良いのです。
横山ダムを過ぎ、国道を離れて揖斐川沿いの道に出た、下り坂の狭い道になっても土砂降
りは変わりませんが、どうせびしょ濡れとばかり、最短コースを採っていきます。
旧藤橋町役場のエイドでは、海苔巻きにマヨネーズをかけてくれています。キュウリや梅
干と共に、新しい味をありがとうと戴きました。
トイレを借りて気が付くと、あと 33.1 ㎞の手書きの掲示が
ありました。100 ㎞の距離表示が無かったと言うと、お仲間
が横山ダムの手前に、横を向いてあったと教えてくれました。
雨も少し落ち着きました、
さちさんとの電話は相変わら
ず不通です。ここからは川沿
いなので、まだ暫くは不通のままでしょう。
追い越していく人たちは、私たちが夫婦で走っていたこと
を知っており、奥さんは・・と尋ねるので、崖の下において
来ましたと返事します。
久瀬のエイドでは、なすびと塩こぶの漬物が美味しそうにバットの中で泳いでいます。箸
を探していると、指を突っ込めとのことで、遠慮なく戴きました。 ここのエイドは、定番
の海苔巻き以外に、皆さんの持ち寄りがあるみたいです、手作りの有難いイベントですね。
暫く走っていると、さちさんから電話が来ました。最終関門に制限 30 秒前に、最終ランナ
ーとして走りこんだそうで、まだ元気に走っていました。川上からの 8 ㎞余りは、私より早
く走っていたようです。
なすの漬物の話をしておきましたが、一安心です。
直ぐ先の別れ道に、はるばる
千葉からの出店、哲さんのエイ
ド(チームぴんきち)があります。
最初は私が分かりませんでし
たが、さちさんの話で思い出し、
後続のさちさん用に、杏仁豆腐
がキープされました。
先ほどの豪雨で山から泥流が流れ込み、川が二色になっ
ています。アマゾンの合流地点を思い出しますね。
第三関門は揖斐峡大橋で、時間的に心配はありませんが、
下り坂が終わってしまう区切りです。
橋のたもとのお地蔵さんのお社が見えても、エイドがあり
ません。道端に小さな紙で「移動しました」と置いてありま
す。 200m ほど行った家の庭にエイドがあり、「テントが飛
ばされそうだったので退避した」とのこと。
トマトやなすなどの野菜が美味しい。そうめんと朴葉寿司
を戴きました。さちさんに関門が移動したことを連絡して、
あと 20 ㎞です。
揖斐川に別れを告げると、往路の最初の海苔巻きがあった
川原神社ですが、次のエイドが近いのでパスします。 エイ
ドの人が飛び出してエールを送ってくれます。元気ですよ、
ありがとう。
直ぐに広い道に出て 125 ㎞を過ぎ、粕川大橋手前のエイド
で、いろいろな果物・野菜をほうばらせて戴きます。ここは帰路では登録エイドではなく、
私設のエイドに変わっています。おばさんたちが色々気遣い元気付けてくれます。残り 15
㎞を切りました。
かなり増水した粕川の橋を渡ると、いよいよ最後のアップ
ダウンが始まります。 茶畑やお社がありますが、登りは
もちろん、平地を走るのも苦痛になってきました。太腿が
痛くなっています。
茶畑を過ぎた大津谷公園
に出してくれているエイド
は水だけでした。
こんな言い方をすると失礼ですが、今年は水だけだとパス
できます。 幸せな天候状態だということです。
何回かのアップダウンを繰り返し、霞間渓の最終関門に着きました。 エイドはあります
がナンバーチェックも無いので、「関門はどこ」と聞くと、「ここだけど、時間が早いから、
チェックしてない」とのこと。
スポーツドリンクなど戴き、トイレを借り、ストレッチをして、あと 8 ㎞です。
最後の厳しい下り坂では、太腿が悲鳴を上げています。
らかに下っていく自動車道です。
下りきると山道が終わり、なだ
往路で躓いた埋め込みの反射器を慎重に越えて、左折すると県道に入ります。ここからは
あと少しという気持ちもあり、ラストスパートのイメージで走って行きます。
ところが、大雨で歩道や車道の左端が冠水状態で、車道に
大きく飛び出して走るところがあります。山の中では水の中
を走っていたのですが、人間の心理は微妙なものですね。
雨はまだ少し降っていますが、東の空には虹が掛かってい
ます。ゴールゲートでしょうか。
417 号線を地下道で越えると、最後のエイドです。ストレ
ッチをして行きますが、まだ 6 ㎞あるという話です。
すぐに神戸町に入るので、そんな筈は無いと思いながら、
130 ㎞の看板を探しながら行きますがありません。
往路でこの道に入った、北一色東の信号で、案内のおじさ
んが、「あと 2 ㎞です・右へ渡りなさい」。
一旦遠ざかる方向に行きますが、200m 程で左折して町へ向
かう方向になりました。
余り分かりやすいとは言えない表示を頼りに、古い町並みの道を、なんとなく東の方に行
くと、私設のエイドがありました。 スイカを食べて行けというおじさんの言葉に、
「雷さん
が怖いから早く帰ります」と答えてパスします。
前を走っているランナーが、道筋に自信無げに徐行をしているので、大体の方向が分かっ
ている私が先行します。
養老鉄道の踏切があり、ここを渡るとどこへ出るかなと思
っていると、最初にお参りした日吉神社の前でした。
二人共道筋に納得して進んでいきますが、眼前にはお祭り
の大きな舞台があり、両側は屋台で人が溢れています。
道端に居られる案内らしい人が、真ん中を突っ切れと言い、
おばさんが先導して人を掻き分けてくれますが、抽選会の最
中で、皆さんの耳には届いていません。
仕方なく傘を押しのけ掻き分けて通りました。
最後に左折するのですが、ここも良く分からないまま曲が
ってみると、最初に待つことになった信号でした。ゴールの
区役所が右前に見えます。
信号を渡ると右折してスタートライン方向に行くと思って
この状態なら走り易かった
いたら、直進して建物の下に入る方向に誘導されます。
とりあえず進むと理由が分かりました。建物の下で山王太鼓が待っていたのです。ぐるり
と回ってゴールです。14 時間 12 分ほどで帰りました。ありがとうございました。
完踏証を戴き、ボランティアさんが売っているビールを買い、先ずは自分に乾杯です。さ
ちさんに電話をすると、地下道のエイドは通過したようですから、十分間に合うと元気付け
ました。
体育館に入って荷物を貰っていると、S 村さんが帰り支度でした。
完踏のお褒めを戴き握手してお別れしましたが、相当速いようです。
着替えを済ませますが、かなり汗臭いので、昨日大阪から着てき
た衣装にします。
40 分ぐらい遅れてくるはずの、さちさんのゴールを撮影するため
待機します。途中で抜いてきた人達がどんどん帰ってきます。
来ました、来ました、さちさんが帰ってきました。明るい顔で元気に帰って来ました。最
下位でないと言うことは、何人かを追い越したのですね、良く取り戻しました。
完踏証を貰い、ぺたんと座って号泣です。
「自分を褒めてやりたい」の言葉です。ひとしき
り泣き部屋へ入るところで、くろすけさんとバッタリ、またまた号泣が始まりました。
久しぶりの完踏、ぎり
ぎりの関門通過、思いが
いろいろ有るようです。
大垣の宿へ
今日は大阪までは帰れないので、大垣の旅館を手配しましたが、先ほど夕食をお願いした
ら、急には作れないとのこと。 係の人に聞いて、近所の食堂を探しました。
最初の蕎麦屋に即入店。 8:00 までの営業時間に少ししかありませんが構わないとの事で、
私はビールと燗酒、いたわさ・さつま揚げのおつまみ、枝豆はビールの付録。 さちさんは
きつねうどんを頼みました。
店の亭主が四條畷出身、親戚が私たちと同じ町に居られるとかで話しが弾み、店に掲げて
あった夜叉ケ池のポスターを戴きました。(巻頭に掲載)
さちさんが殆ど食べなかったうどんを食べ、タクシーを呼んで貰う間に、もう一本、ご馳
走様でした。
タクシーが意図的に少し遠回りをしたようですが、旅館「K 水」に到着。少しくたびれた
旅館で、六本足の黒い友達が何匹か居たので、とりあえず退治しておきました。
お風呂に入り、ビールを買おうと思いましたが、誰も居ないし外に販売機もないので、諦
めて爆睡。
朝は二人共 5 時過ぎに起き、窓から見える大垣城など、ひとしきり撮影をした後、私は二
度目の爆睡をしました。
朝食は、割烹旅館の名と関係なく、全く普通の朝食。二人共ご飯をたっぷり戴きました。
雨のため観光は中止して、お城などの外回りを見て、大阪に帰りました。 持っている荷
物が、雨を含んだ装備の二日分と大変重いので、道端でバックパックとの詰め替えをし、大
分楽になったところで大垣駅へ。
ここの名物は水饅頭らしいですが、特に買いたいものでもな
くパス、駅前にチケットショップがあったので、米原までの切
符を買い、貨物駅跡として展示してある、車掌車「ヨ 8000?」
を見て駅へ。
本と缶コーヒーが必需品。自宅駅まで、のんびりと帰ることが出来ました。お疲れさま。
筋肉痛は当然ありますが、心配していた関節の痛みがありません。 このレース後までと
保留していた、紀伊路・佐渡・高校の同窓会などのイベントの申し込みと送金を開始します。
那覇マラソンも検討対象に昇格しました。
お疲れ様でした。
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