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雨天時高速下水処理システム

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雨天時高速下水処理システム
経済産業大臣賞
雨天時高速下水処理システム
東京都下水道局
メタウォーター株式会社
1.開発経緯
我が国において、古くから下水道の普及に取り組んできた東京都等の大都市(全国 191 都
市)では、汚水と雨水を同一の管きょで速やかに排除する合流式下水道を採用し、公衆衛生の
向上と浸水防除を同時に行うことを目的とした整備が進められた。これより、早期に整備が進めら
れたことで生活環境の改善や公共用水域の水質改善に寄与してきた。
しかし、全国の 3 割(人口普及率)をも占める合流式下水道の整備区域では、雨天時に遮集管
きょ能力を超 える雨水と汚水が混 合 した未処理 下水が公 共 用水 域に放 流され、公共用 水域に
おける生態系への影響や衛生学的安全性に係る影響が懸念されるようになった。
このため、今までいくつかの都市では滞水池を築造する等の合流式下水道改善対策(通称:
合流改善)に取り組んできたが,莫大な建設費がかかるため、必ずしも十分にその対策は進んで
いない。
そこで東京都とメタウォーター㈱(当時,日本ガイシ㈱)は平成 13 年度から共同で、雨天時の大
量の下水を効率的かつ安価に処理する高速ろ過技術の開発に着手した。そこで「ろ材と閉塞し
たゴミ・SS を比重差で逆流洗浄する」という新たな原理を発見(特許取得)し,それに合致する特
殊ろ材を試作した。その原理を小型装置(ろ過面積 0.5m 2 )に盛り込み,装置確立と性能の実証
を行った。
その後、横浜市,大阪市,名古屋市等での実証も加え,国内(世界)で初めて,「凝集剤等の
薬剤が不要で,手間なく簡単に洗浄できる」実用的な高速ろ過技術が完成した。
その後本技術は,平成 14 年度~16 年度に国土交通省による「下水道技術開発プロジェクト
(SPIRIT21)」の評価を受け,平成 18 年 1 月,本プロジェクト後は国内初(世界でも初)となる実施
設が東京都下水道局に採用された。本施設はろ過面積 176m 2 の大規模施設で,平成 19 年 7
月より本格稼動し,同年相次いで上陸した台風 4 号,9 号,20 号を含む全ての降雨で最大 17
万 m 3 /日のフル稼働を行い,現在まで順調に性能を発揮している。
現在は,富山湾での対策となる富山市浜黒崎浄化センターでも建設が進んでおり,2008 年度
からの稼動が予定されている。
法的には平成 16 年 4 月には下水道法施行令改正により雨天時水質基準が創設され,平成
26 年度からさらに厳しい水質基準に対応しなければならない状況となっている。これらの雨天時
水 質 基 準 を満 足 するためには,滞 水 池 か高 速 ろ過 等 雨 天 時 下 水 処 理 技 術 を導 入 するしかな
い。
また、地球温暖化防止の観点からもCO 2 削減は急務の課題となっているが,本装置の導入に
より,消毒剤使用量の削減が可能になることから,処理場全体として従来よりもCO 2 排出負荷量
-5-
が削減される。上記のことから,今後の本装置の社会的要請は高い。
世界的には伊、仏、英、独,米,韓,豪等の国々でも合流式下水道を採用しており,同様の問
題を抱えている。しかし,高速ろ過等の雨天時処理技術は日本でしか開発・実用化されておらず,
世界に向けて貢献できる日本の固有技術である。
2.装置説明
2-1.装置の位置づけ
以下に合流改善各技術の関係を示す。
高速ろ過は雨水沈殿池の代替技術であり、滞水池と「対抗」する技術である。
高速ろ過にも従来高速ろ過技術があるが、今回技術は従来技術を「進歩」させた技術である。
現状は、雨水沈殿池方式が広く普及しているが,本方式は除去率が低いため,行政上の「合
流式下水道改善率」には含まれない。雨水沈殿池とは「代替」技術である。
今 後は,合 流 改善として,除去 率 の高い高 速 ろ過か滞水 池を採 用しないと雨 天 時 水質 基 準
(下水道法施行令)が順守できない。
従来は滞水池のみが実用的な技術であったが,費用面から普及が進まないという状況であっ
た。
雨水沈殿池 ※最 初 沈 殿 池 兼 用 を含 む
・全ての合 流 処 理 場 に普 及 済 み
・除 去 率 が悪い(30%)
代替
高速ろ過
対抗
雨天時高速
(従来)
下水処理システム
高速ろ過
進歩
・建 設 費 は滞 水 池 の半 額
・実 用 的 で高 除 去 率
・合 流 改 善 に不 適
(目 詰まり・薬 剤 必 要)
・普 及 事 例 殆 どなし
滞水池
・合 流 改 善 として採 用 が比 較 的 多 い技 術
・建 設 費 が高いことが普 及 の妨 げ要 因
図2-1 合流改善技術の関連と今回装置の位置づけ
2-2.装置概要
本装置は、日本の気候を十分考慮し、雨天時下水の急激な流量変動に柔軟に対応できる装
置として開発を進めてきたものである。
とりわけ、本装置に適した雨水処理専用の細かな特殊ろ材を独自に開発することにより、凝集
剤の薬 剤を不 要としたことが特 徴である。本ろ材 は,写 真2-1に示すように風 車 型で空 隙 率を
高めて「ろ過継続時間」が長くなるよう工夫,かつジグゾーパズル状に組め無駄なく大量生産可
-6-
能な形を考案した。
ろ材材質は,本ろ材が万が一,洗 浄排水として汚泥処理 で焼却処理 されてもダイオキシンの
発生しない材質であり,オイルボール等の高油脂原 水に対しても油分が付着 しにくいものを採用し
た。そして「比重差で汚濁物とろ材が分離される」新たな原理を発見し,その比重に調整した。
また装 置 は,コスト縮 減 のため,図 2-2に示 すように下 水 処 理 場 の池 (最 初 沈 殿 池 等 )を活
用・改造して、設置できるようにした。
写真2-1
特殊ろ材
分配槽
雨天時下
ろ過水
特殊ろ材
図2-2
高速ろ過装置(下水処理場の池を有効活用した例)
-7-
2-3.ろ過原理
ろ過原理を図2-3に示す。処理対象は SS,BOD,夾雑物である。
本図に示すように「浮上ろ材を用いた上向流方式」のろ過法である。
上向流方式を採用することにより、土砂等の無機系汚濁物に関しては流入後、沈殿効果によ
り槽下部に移行する。また、比重の軽い有機系夾雑物、SS は、ろ材層に移行する。毛髪、厨芥
類、葉、オイルボール等はろ材下部表層付近でろ過、SS はろ材内下部で捕捉・除去される。
上向流ろ過
ろ過水
原水
ろ材で全ての夾雑物が除去されている
ため上部スクリーンの閉塞はない。
上 向流
上部スクリーン
高速
洗浄
装置
ろ 材 層 下 部 に 夾 雑 物 ・ SS が 捕 捉 。
従来技術はここにろ材保持用スクリー
ンがあるため、早かれ遅かれ必ず目詰
りする。
図2-3
厨芥,生ゴミ
写真2-2
ろ過原理
オイルボール
高速ろ過で除去できる夾雑物の一例
2-4.洗浄原理
ろ材層への SS 等の閉塞により次第にろ過損失水頭が増加する。そのため,ろ材層の洗浄を実
施する。
洗浄は,ろ過損失水頭が所定値(例えば 60cm)に到達後,槽下部の洗浄排水弁を開とするこ
とにより,ろ材層上方に貯めたろ過水を用いて,ろ材に下向流を起こさせ実施する。
これにより捕捉・除去した SS,夾雑物をろ材層下部へと排出する。このとき,ろ材の比重は,SS,
夾雑物よりも若干小さいため,図2-5に示すようにろ材が適度に膨張する(ばらける)。そしてそ
の間隙ができるため,SS,夾雑物が離脱し,ろ材が洗浄される(特許取得済)。
-8-
下向流洗浄(逆洗)
原水は洗浄時も流入。
原水
ろ材と夾雑物の比重差により夾雑物のみが
離 脱 し 、 洗 浄 ・ 排 出 さ れ る 。 (ろ 材 は 比 重 調
整 し て い る た め 展 開 す る が 、下 部 集 水 部 ま で
は下降せず流出はしない※)
※ 従 来 ろ 材 は 流 出 す る た め 、ろ 材 保 持 用 ス ク
リーンが必要。
上部スクリーン
洗浄 排水
下 向流
自らのろ過水を活用して洗浄
洗浄のためのヘッド差h
ヘッド差hでも 1 分以内で自然流下の洗浄がで
き る 高 速 洗 浄 装 置 (開 閉 部 )を 採 用 。短 時 間 で 洗
浄するため雨天時にも実施可能。
個 々 の 集 水 部 は Φ 100mm 以
上 を 確 保 、閉 塞 の な い 構 造 。
図2-4
洗浄原理
洗 浄 時 に は ろ 材 層 膨 張 に 伴 い ,ろ 材 間 隙 が で
き ,捕 捉 さ れ て い た SS が 離 脱 し や す く な る 。
(ろ過時)
(洗浄時)
ろ材層膨張
水の流れ
図2-5
ろ材の洗浄の様子
(参考)従来技術の洗浄原理の欠点
従来ろ材(例えばヤクルトの容器等)であれば、比重が1に近いため、洗浄排水弁から SS、夾
雑物とともにろ材も流出してしまう。従って、従来技術は必ずろ材層下部にろ材流出防止用スクリ
ーンが必要であった。
「2-3.ろ過原理」で記載したように,合流の雨天時下水には種々の夾雑物が含まれており、
下部にろ材流出防止用スクリーンがあれば、そのスクリーンそのものが目詰まりを起こしてしまうと
いう不具合を生じさせる。このことが従来技術の単なる転用では合流改善用として高速ろ過が適
用できない決定的な理由であった。
さらに従来 技術では、ろ材流出防 止用スクリーンの短時間 の目詰まりを避けるために、ある程
度目幅の大きなスクリーン(10mm 程度)を採用するが、そのスクリーンでも流出しない大きなろ材
を充填しなければならず、除 去 率 が悪く,従って凝集 剤を併 用しなければならないという悪 循 環
になっていた。
本装置は、ろ材と SS、夾雑物の比重差でろ材を洗浄することにより、SS、夾雑物は下部から排
出されるが、ろ材は物理的に流出しない。従って目詰まりの原因となる「下部のろ材流出防止用
スクリーン」はない。従って、ろ材も可能な限りの微細ろ材とすることができ、凝集剤がなくても除去
率が高い性能を有する。
-9-
2-5.装置フロー
処 理 場 全 体 のフローを図2-6に示す。原 水は処 理 場の揚 水 ポンプ(既 設 )で高 速ろ過 池に
汲み上げ、自然流下でろ過され、塩素消毒槽(既設)を経て、ろ過水は河川等に放流される。
さらに詳細に高速ろ過装置フローを図2-7に示す。本図は、既存土木躯体(初沈)を改造し
て設置した例である。ろ過槽は複数設置する。
流入原水は上部流入水路から越流し、各調圧水路を通じて各ろ過槽のろ材下部に流入後、
上向流にてろ過処理が行われる。ろ過水は、各ろ過槽上部 にある共通 処理水 層(図2-7の水
色 部 分)にて合 流し、洗 浄 用として所 定 量 貯めた後、越 流 放 流される。以 上のろ過 は全て自 然
流下方式で行われる。
一方、ろ過閉そく後の洗浄は、目詰まりに応じて各池下部の洗浄排水弁を個々に開とすること
により、ろ材層上方の共通処理水層に貯めたろ過水が下向流となり、ろ材を洗浄する。この流れ
も水位差による自然流下である。
このとき 1 つのろ過池洗浄に複数槽上部の共通処理水層があるため、既存土木躯体が低槽
であっても十分なろ過水を流下・供給させることができる構造となる。
なお、原水(雨天時下水)は、各ろ過池のろ過、洗浄に関らず、供給される。豪雨等において
も原水流入を止めることはないため、水の流れは常に確保され、安全に処理することが可能であ
る。
河川
高速ろ過
塩素消毒
揚水ポンプ
図2-6
図2-7
-10-
全体フロ
高速ろ過装置フロー
2-6.一降雨の動作と流量変動への対応
図2-8 ①~④にろ過 ~洗浄における一 降 雨 における装 置動 作と水 の流れを示 す。ろ過槽
は複数あるがここでは一ろ過槽について降雨に従って「装置動作と水の流れ」を断面図で示す。
Ⅰ. ろ過開始
Ⅲ. 雨天時の逆洗
Ⅱ. ろ過進行
Ⅳ. 降雨後の洗浄
原水
二次処理水
二 次 処 理水
水等 )
(あるいは工
調圧水路
雨水処理水
ろ材
スクリーン
SS
夾雑物
洗浄排水
調圧水路の水位上昇
①
ろ過 した雨 水 処 理 水
を使って逆洗
②
図2-8
③
二次処理水にて
逆 洗 ・置 換
④
一降雨の装置動作・水の流
(ろ過開始)
降雨と共に雨天時下水が流入した時点より、ろ過が開始される。また、ろ過は本図に示すよう
に上部流入水路から原水が入り、雨水処理水として流出するまで、全て自然流下(ろ過部は上
向流)である。①に示すようにろ過開始直後は、ろ材に目詰まりがないため、ろ過槽上部の流出
水位と調圧水路の原水水位は同一である。
(ろ過進行/洗浄前)
ろ過が進行するとろ材の表層に夾雑物、ろ材層下部に SS の目詰まりが発生する。
これにより②に示 すように調 圧 水 路 の原 水 水 位 が上 昇 する。この水 位 上 昇 を検 知して,洗 浄
工程を起動させる。図は洗浄される直前での状態である。
(雨天時の洗浄)
洗浄は、下部洗浄管が「開」になることで開始される(③)。これによりろ材層上部に貯留されて
いたろ過水が流下し、その下向流でろ材を流動化し、洗浄が行われる。汚濁物はこの間隙を通
って、ろ材層を流下し、洗浄排水が流出する。ろ材層は下向きに展開しつつ留まり、ろ材層は次
第に洗浄される。
以上の①~③は雨天時中繰り返す。
(降雨後の完全洗浄)
降雨が終了し、上部流入水路からろ過槽への原水流入が停まれば、その時点でろ過が中断
されてしまう。この状態ではろ材層中に汚濁物が多かれ少なかれたまった状態となっている。
従って、この状態での晴天時放置は、臭気の発生、ろ材が固まる等の恐れがある。このため、
降雨の終了後、④に示すように二次処理水(あるいは工水等)でろ材を洗浄し、二次処理水(あ
るいは工水等)にてろ過槽全体を置換しておく。この際、虫等の発生を防ぐために必要に応じて
次亜塩素酸ナトリウムを添加しておくことも可能である。
-11-
( 流量変動の考え方)
雨天時下水は常に水量変動する。従って,水量変動に対応する構造でなければならない。
以下の図2-9に示すように本設備は「U字型」の断面構造となっている。従って原水が流入し
た分、ろ過水として越流するため、流量変動に対応できる。本図に示すように、
雨 天 時 下 水 量 が多 い場 合 には多 く処 理 され、処 理 水 が越 流 する。(ろ過 速 度 は結 果 的 に
「大」)。少ない場合には少量が処理され処理水が越流する。(ろ過速度は結果的に「小」)。
このようにろ過速度は「流入水量追従型」で変動に対応する。
流量:多い
流量:少ない
原水
大
雨水処理水
ろ過速度
図2-9
ろ過速度
小
流量変動への対応
2-7.特徴まとめ
<性能は法令順守>
雨天時下水を直接受け入れ、オイルボールを含む夾雑物 100%、SS・BOD 等を各 70%程度
除去。洗浄時間が1分(従来技術は 20 分~30 分)と短く,運転効率も良好。法令順守に貢献。
<建設費低>
滞水池が「貯めきり」であるのに対し,高速ろ過は「長時間処理」が可能であるため,同じ BOD
流出負荷削減効果を有する両装置を比較すると,高速ろ過の設置スペースは1/4,建設費は
滞水池の1/2程度。
<資産の有効活用>
下 水 処 理 場 の既 存 の池 (最 初 沈 殿 池 等 )を有 効 活 用 して設 置 が可 能 。そのため,安 価 で迅
速(1年半程度)な施工・設置が可能。
下水処理場の池は 50 年耐用で築造されている。現在の合流式処理場は 35 年程度の経過で
あり,その有効活用は重要課題である。
-12-
<容易な運転管理>
運転操作は,装置への流入水量を確認するのみ(水量の調整は自動)で特別な運転管理は
不要。
従来高速ろ過は,雨天時の凝集剤管理や降雨後の清掃作業(スクリーンに詰まる夾雑物除去
作業等)が必要で人件費がかかった。
また従来滞水池は,降雨時に貯めた雨天時下水を晴天時に処理する必要であった。
<安価なランニングコスト>
ろ材が微細であるため,凝集剤不使用となり雨天時の薬剤費が不要。
処理コストは電気代のみ(実績値 0.012kWh/m 3 )である。
凝集剤が必要な従来高速ろ過と比較すると処理コストは1/10 以下(SPIRIT21 技術資料を参
考に算出)。
<CO2 排出抑制=地球温暖化防止>
安全衛生上の観点から,雨天時下水は消毒して公共用水域に放流している。
本装置は,SS を効率的に除去するため、ろ過水への消毒剤添加量が少なくてすむ。従来の
沈殿簡易処理水への消毒剤費より約6割減。
その結 果 ,本 装 置 導 入 による電 気 代 の増 加 を,薬 剤 の減 少 で補 い、処 理 場 トータルとして
CO 2 排出を抑制する。
-13-
3.成果
(1)性能
①夾雑物
夾雑等の 1mm 以上の固形物は 100%除去可能である。東京湾お台場で問題となったオイル
ボールも除去可能である。河川や海等の公共用水域の景観を良好にすることが可能。
髪の毛等
プラスチック類
紙類
金属類
木,葉,草
写真3-1
オイル
厨芥,生ゴミ
その他
高速ろ過で除去できる夾雑物の種類
②SS,BOD
SS,BOD は以下の相関式により、除去率が決定される。
ろ過速度が大きいほど,除去率は低くなり,原水濃度が大きいほど除去率が高くなる傾向を示
す。
実際に適用した場合の除去率は,SS,BOD で 70%程度である。
雨天時水質基準は,BOD で規制(下水道法施行令:合流区域全体の一降雨放流平均水質
が 40mg/L 以下)されるため法令順守するとともに,目標が BOD 排出負荷量「分流並み」とされる
合流改善に貢献する。
-14-
100
BOD除去率(実測値、%)
180 m g/ L
80
SS除去率(実測値、%)
100
原水濃度
100 m g/ L
50 m g/ L
60
40
20
原水濃度
180 m g/ L
80
100 m g/ L
60
50 m g/ L
40
20
0
0
0
500
SS
1000
1500
ろ過速度(m/日)
2000
0
500
1000
1500
ろ過速度(m/日)
BOD
相関係数
(0<ろ過速度≦1200m/日)
SS 除 去 率
=
-
相関係数
(0<ろ過速度≦1200m/日)
0.0057 ・ A + 0.140 ・ B +
BOD 除 去 率
=
-
0.0121 ・ A + 0.182 ・ B +
58.415
56.915
(1200≦ろ過速度≦1600m/日)
(1200≦ろ過速度≦1600m/日)
A : ろ 過 速 度 [ m/ 日 ]
2000
B: 原 水 濃 度
図3-1
出典:SPIRIT21技術資料
SS,BOD除去性能
③地球温暖化ガス(CO 2 )の排出抑制
実施設が稼動している東京都北多摩二号水再生センタ-高速ろ過施設の稼動実績値から,
CO 2 排出量を試算した。北多摩二号水再生センターは日最大下水量が 7.7 万 m 3 /日の中規模
の処理場である。
「ろ過」するために必要な電気代は増加するが,ろ過後の「消毒」時に必要な次亜塩素酸 Na
が減じるため,処理場全体としての CO 2 排出を抑制する。
1)電力代にかかるCO 2 発生量の増減
表3-4参照より,本装置導入により 60 千 kWh の増加となる。
2)消毒剤にかかるCO 2 発生量の増減
以下の計算より,年間 60%の次亜塩素酸ナトリウム削減となる。
(本装置導入前)
簡易沈殿処理水(SS=70mg/L)に添加。処理水量は年間 500 万 m 3
500 万 m 3 /年×2.8 ※ mgCl/L=14ton/年
(本装置導入後)
ろ過水(SS=30mg/L)に添加
500 万 m 3 /年×1.2 ※ mgCl/L=6ton/年
※SPIRIT21 技術資料 109 頁グラフより算出した試算結果
-15-
表3-1.年間の CO 2 排出量
計算結果
CO 2 排出係数
年間排出量
電気代
+60 千 kWh
0.384kg-CO 2 /kWh
+23,040 ton-CO 2
消毒剤
-8ton(次亜塩素酸 Na)
321 kg-CO 2 /t
▲2,568 ton-CO 2
計
+20,472 ton-CO 2
(2)特許の有無
表3-2.特許の取得状況
高速ろ過方法
合流式下水道における
雨水処理装置
及びその逆洗方法
高速ろ過方法に関する運転手法に関する特
合流式下水処理場で
許(ソフト面を限定)
高速ろ過池を構築する特許
範囲
(ハード面を限定)
・浮 上 ろ材 (比 重 0.1~0.4、大 きさ4~10mm)
を用いた上向流ろ過技術。
内容
・最初沈殿池 を分画して複数の高速ろ過 装置
を設 置 。ろ過 池 は、上 部 スクリーン、浮 上 ろ
・ろ過速度 100~1000m/日
材を用いた上向流ろ過装置で、その上 部に
・逆洗は 1.2~4m/分。
共通処理水槽が配置される。
・高 速 ろ過 池 の流 入 側 には自 然 流 下 型 上 部
流
入 ・分 配 水 路 ,また,高 速 ろ過 池 を洗
浄 した際 に発 生 する洗 浄 排 水 を集 合 させる
洗浄排水槽も設置される。
区分
特許有
無
特許番号
登録日
特許有
無
特許番号
登録日
日本
登録
3853738
2006.9.15
登録
3824583
2006.7.7
米
登録
6841069
2005.1.11
登録
6821445
2004.11.23
カナダ
登録
2406957
2005.8.30
韓国
登録
507718
2005.8.3
オーストラリア
登録
2002237560
2004.12.9
-
2007.11.14
特許査
EP
登録
1369157
2007.9.26
定
予備通
知
-16-
(3)維持管理
①容易性
天気予 報を参考にするとしても,実 際に「降雨 はいつ来て,どれだけの水量が下水 処理場に
入って来るか,水質はどれくらいか」は,予想できない。
従って雨天時処理は,降雨直前に維持管理作業があってはならない。
本技術は,降雨前から降雨後まで人的作業はない。
降雨後,任意の時間に装置稼動時 のろ過圧損グラフを確認し,装置が正常かどうかをチェッ
クする。
表3-3.主な運転管理,保守管理作業
内 容
人的作業
降雨直
運
降雨及
転
びその前
管
後の運
理
転管理
-
前
-
降雨中
守
管
理
点検等
の保守
管理
考
高速ろ過の主ポンプが起動(自動)
流入量調整は制御(自動)
中 央 操 作 盤 監 視 のみ行 う。導 入 前 の人
員で対応可能。
降雨後
保
備
日常点
検
年点検
-
ろ過圧損の経時変化確認
機器の確認
二 次 処 理 水 で置 換 する完 全 洗 浄 (自
動)
降雨後の 30 分程度の作業
コンプレッサー,洗浄排水ポンプ等の点検
(参考)
ろ過時に凝集剤が必要な従来技術は,
・(降雨前)降雨を予測しての凝集剤の溶解作業
・(降雨中)濃度・水量に合わせて凝集剤の注入量制御
・(降雨後)残った凝集剤の廃棄,ろ材下部スクリーンの清掃
が必要であった。
バルブ開度
ろ過水流入水量
図3-2.原水流入量の調整(自動化可能)
-17-
バルブ開度
原水流入水
②低コスト
コストは電 気 代のみ。実 施 設が稼 動 している東 京 都 北 多 摩 二 号 水 再 生 センタ-高 速ろ過 施
設の稼動実績値から,年間消費電力量を計算した。
単位処理水量あたり必要電力量は 0.012kWh/m 3 。年間処理量は 500 万 m 3 /年。
処理場全体としては,0.5%程度の電力量増加に留まる。
表3-4.施設導入後のコスト
費 用
0.012kWh/m 3
備
考
東京都実施設(北多摩二号水再生センター)での実績値※。
×
500 万 m 3 /年
本センターでの年間雨天時下水量(毎年の概略実績値)
↓
60 千 kWh/年
電気代
(=90 万円/年)
(電力単価=15 円/kWh と仮定)
<参考>本センターの全消費電力量:11,000 千 kWh/年
→本装置導入による処理場全体の増加分は
60 千 kWh/年/11000 千 kWh/年より 0.5%である。
薬品代
-
人件費
-
導入前の運転管理人員で対応可能(表3-3参照)
※北多摩二号水再生センターでは,7 月~10 月までに 1,019,100m 3 を高速ろ過し,11,255kWh の電力量を記録し
た。
これより 11,255kWh/1,019,100m 3 →0.012 kWh/m 3 。
(4)経済性(他社・従来装置との比較等)
対抗技術である滞水池と一般的な比較を行う。
ここでは,1000ha の合流区域において合流改善の目標である「分流並み」達成に必要な規
模について比較する。
高速ろ過の建設費は、滞水池の約1/2である。総スペースは約1/4である。
-18-
表3-5.従来装置との比較
本装置
従来装置
技術名
高速ろ過
(雨天時高速下水処理システム)
滞水池
目 標
分流並み
分流並み
ろ過面積 400m 2
貯留容量 30,000m 3
(計算方法)0.4m 2 /ha×1000ha より計算
(計算方法)3mm×1000ha より計算
ろ過池以外の雑スペース考慮
水槽高を 10mとし,雑スペース考慮
規 模
50m
50m
20m
総スペース
80m
1,000m 2
(既 存 池 使 用 のため新たな用 地 買 収 不 要 )
4,000m 2
(新たな用 地 買 収 必 要)
建設費
(億円)
25
47
(既 設 池 を改 造 した場 合)
※用 地 費 含まず
合流式下水道の改善対策に関する
調査報告書 平成 14 年 3 月
高速ろ過技術の合流改善計画手法
規模設定の
と有効な適用方法(試案)(図-4)
根拠資料
東京都、横浜市
<H17.1 日本下水道新聞>
(頁Ⅱ-143 図 4-27)
<国土交通省 都市・地域整備局下水道部
財団法人 下水道新技術推進機構>
合流式下水道越流水(CSO)対策の研
究(その2) 概要報告書
<H10.3(財)下水道新技術推進機構>
-19-
(5)将来性(既存設備の代替、普及の可能性等)
現状,合流改善としては,上述したように「滞水池」が主流であるが,合流式下水道改善率は
未だ 10%未満であり,ほとんどの自治体は未着手。
合流 式の自 治体では下 水処 理 場では,「雨 水沈 殿池」が一 般に行われている。従って、これ
が「高速ろ過」に代替される。
下 表 に示 す とおり、仮 に全 国 の合 流 式 処 理 場 に 100 %普 及 すると仮 定 するとろ過 面 積 で
46,000m 2 程度となる。これは,国内第 1 号機である北多摩二号水再生センター高速ろ過施設
167m 2 の約 260 倍(装置建設費 3,000 億円規模)に相当する。今後の普及の余地は大きい。
表3-6.既存設備の代替からみた普及の可能性
項目
記号
計算結果
全国の下水道処理場の汚水量
(a)
3,835(万 m 3 /日)
(b)
1,151(万 m 3 /日)
(c)
4,604(万 m 3 /日)
全国の合流式下水道処理場の
汚水量
全国の合流式下水道処理場の
雨天時下水量
(=現状、沈殿処理している量)
計算方法
140 億 m 3 /年÷365 日
(H16 実績;下水道統計より)
(a)×0.3(合流式割合)
(b)×2(時間最大/日平均)
×2 倍(雨水対汚水比)
(c)÷標準ろ過速度 1,000(m/日)
普及の可能性(ろ過面積換算)
2
46,040(m )
※全国の「雨水沈殿池」が全て「高速ろ
過」に代替するとした場合のろ過面積
<参考>
北多摩二号水再生センター
167(m 2 )
高速ろ過施設ろ過面積
-20-
(6)独創性(先進性、類似装置等)
従来高速ろ過との独創性・先進性を表3-7にまとめる。
なお、合流改善における他高速ろ過技術等との比較を表3-8に示す。
表3-7
区分
内
本装置の独創性・先進性まとめ ※
容
前処理
本装置
従来高速ろ過
不要
←進歩←
微細(7.5mm)
要
←独創← 普通~大(8mm~22mm)
比重調整
ろ材
空隙率調整
大量生産形状
高濃度油脂対応
ハード面
ダイオキシン発生なし
ろ材流出防止スクリーン
既設利用
不要
可
凝集剤添加
なし
洗浄時間
1分
SS,BOD除去性能
←進歩←
←工夫←
←進歩←
要
不可(or 困難)
有 or なし
←短縮←
65~75%
15 分以上
←向上←
50~60%
性能面
夾雑物除去性能
100%
←新規←
運転管理
雨天時作業
なし
←進歩←
面
目詰まり清掃作業
なし
←進歩←
(別途前処理)
あり
あり
(従来高速ろ過の欠点)
雨天時下水には夾雑物が含まれるためにろ過・洗浄時にろ材流出防止スクリーンが目詰まり
する可能性あり。そのため定期的な清掃作業が発生する。
他高速ろ過ではそれを回避すべく、夾雑物を除去するための前処理が必要となるが、髪の毛
のように前除去装置をスルーしてスクリーンに達するものもあり、早かれ遅かれ、目詰まりに至る。
また、一般にスクリーンを細目にすることは、清掃頻度が増加することから、ある程度粗目のス
クリーンとする場合が多く、結果的にろ材も大きくしなければならない。大きなろ材は BOD 除去性
能が低いため、凝集剤添加が必要となる。前処理と高速ろ過の 2 段システムでは、ろ過損失水
頭の和が大きくなるため、既設利用(最初沈殿池等)は困難になる。
(本装置の進歩した点)
「ろ過時のろ過前」、及び「逆洗時排出ルート」にろ材流出防止スクリーンはないため,降雨後,
夾雑物による目詰まり清掃作業はない。夾雑物は除去可能物質である。
また、ろ材は、小さくできるので BOD 除去性能をアップさせることができる。ろ材材質は高濃度
油脂原水(例えば中華街から発生する下水)にも油が付着しない材質を使用。また万が一洗浄
排水側に流出・汚泥焼却処理となってもダイオキシンの発生しない材質を使用としている。
前処理がないためろ過池の損失水 頭のみであり、既設利用(最初沈殿 池 等)が可能である。
原水は洗浄中にもろ過池に流入(洗浄時間が 1 分と短くできたことで実現)。原水停止・凝集剤
注入量確認等の雨天時作業がない。
-21-
(7)今後の規制に対する対応策
H16 に下水道法施行令が改正され、新たに「雨天時水質基準」が設けされた。その基準が今
後、厳しくなる。
(厳しくなる雨天時水質基準)
現状、降雨 時には合流 エリアの雨水 吐、ポンプ場 、下水 処理 場などから処理 水、ろ過水、未
処理下水等の放流がある。
これらの放流に対し、平成 26 年 4 月以降は、1 降雨(降雨量 10~30mm)に関し、放流平均
水質(総放流 BOD 負荷を総放流水量で除した値)を 40mg/l 以下にしなければならない。現在の
基準は決定的に、雨水沈殿技術等を適正に行えば順守できる 70mg/l 以下である。
(対応策)
BOD を除去できる技術として、国(国土交通省)が認定した技術は、以下である。雨天時水質
基準 40mg/l 以下を達成するには、その自治体の状況に応じて以下の技術から選定される。
① 滞水池(※新たな認定ではないが従来より認定)
② 高速ろ過(5技術)
③ 凝集処理
④ 雨天時活性汚泥法
一般論であるが、滞水池は建設費が高い、凝集処理は運転管理の難易度が高い、雨天時活
性汚法は低温期の処理性に関して調査段階であるという状況である。
合流エリア
合流管
未処理下水
雨水吐
未処理下
ポンプ場
BOD C1mg/L
放流量 Q1m 3
下水処理場
BOD C3mg/L
放流量 Q3m 3
処理水+ろ過水+未処理下水
(河川、海へ)
雨天時水質基準=
C1×Q1+C2×Q2+C3×Q3
≦40mg/L
Q1+Q2+Q3
図3-3.合流エリアの負荷流出イメージと水質基準
-22-
BOD C2mg/L
放流量 Q2m 3
4.応用分野
合流改善以外では以下の応用が期待される。
①最初沈殿池の代替
雨天時の合流改善対策のみでなく、晴天日の初沈代替として使用する。通常の晴天日は、汚
水は一次処理として最初沈殿池による沈殿処理が一般である。
本技術は、高速に固 液 分離処 理できるため、スペースが少なくても同等 の効果が得 られる可
能性がある。
大阪市が今後、実規模でモデル的に実施する予定である。
②分流式下水道の雨天時増水対策(将来的課題)
汚水と雨水を分けて集水する分流式下水道においても、雨天時に「汚水」が増大する現象が
顕在化している。これは雨水が汚水管に浸入する等が原因とされ、全国的な傾向である。
現状では、汚水分の設計しかしていないため,それ以上の水量となった場合は、バイパス放流
しているのが実情。未処理や沈殿放流するよりも、ろ過して放流した方が、BOD 流出負荷は抑
えることが可 能であると考 えられる。現状は、問題 が認識されつつある段階であり将来的課 題で
ある。
③欧米の合流改善支援(国際貢献)
欧米先進各国(米、英、仏、独、伊、豪)は日本と同様,合流式下水道を採用している。これら
の国では,合流改善用スクリーン(主として数 mm の夾雑物除去)技術,凝集沈殿法が発達した
が,本装置のような合流改善用高速ろ過(数十μm の SS を除去)技術は,開発されていない。日
本のような豪雨の多い地域で実証された本装置は,これらの国でも十分応用が可能である。
④新興国の河川浄化(国際貢献)
下水道以外であっても SS や夾雑物が多い河川等の浄化に適用できる。環境対策が不十分
である新興国等では汚濁河川も多いと言われており、応用可能性がある。
-23-
5.第1号機
(1)装置の仕様
表5-1.装置の仕様
内
容
備
考
設置箇所
第一沈殿池
第 4 系列の 1/2
定格水量
127,700m 3 /日
設計時点での水量
176,000m 3 /日
現在運転中の水量(最大)
(参考)
現段階での標準的水量
176m 2
ろ過面積
方
式
目
的
(=22m 2 ×8 池)
・上向流ろ過
ろ過:無薬注
・下向流洗浄
簡易処理の高度化
図5-1 北多摩二号水再生センターの国内第1号機
(2)装置の納入先
表5-2.装置の納入先
内
装置の納入先
容
備
考
東京都下水道局流域下水道本部
所在地
北多摩二号水再生センター
東京都
国立市
(3)納入時期
2007 年 3月
-24-
放流先:多摩川
(4)稼働状況
2007 年 7 月~12 月で 27 降雨 227hr 稼動した。稼動状況を以下に示す。台風3回を含む全
ての降雨に稼動した。
表5-3
運転
番号
1
2
台風 4 号
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
台風9号
13
14
15
16
17
台風 20 号
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
日付
開始
時刻
23:42
-
2007/7/10
2007/7/11
2007/7/12
2007/7/14 13:43
2007/7/15
2007/7/15 16:01
2007/7/17 6:34
2007/7/18 11:00
2007/7/19
2007/7/29 15:11
2007/7/29 19:14
2007/7/30 11:30
2007/7/30 23:28
2007/7/31
2007/7/31
2007/8/23 9:58
2007/8/24
2007/9/4 22:56
2007/9/5
2007/9/6
0:10
2007/9/6
8:28
2007/9/7
2007/9/8
2007/9/11 17:49
2007/9/12
2007/9/13
2007/9/30 7:01
2007/10/1
2007/10/1
2007/10/5 17:38
2007/10/6
2007/10/19 20:58
2007/10/20
2007/10/20
2007/10/26 9:09
2007/10/26 18:29
2007/10/27 5:34
2007/10/28
2007/11/5 23:26
2007/11/6
2007/11/6
2007/11/10 1:15
2007/11/11 20:14
2007/11/12
2007/11/13
2007/12/13 7:01
2007/12/14
2007/12/22 22:28
2007/12/23
2007/12/23
2007/12/28 22:50
2007/12/29
2007/12/29 20:53
2007/12/30
2007/12/31
合計稼働時間
終了
時刻
3:44
6 ヶ月間の装置稼動状況
稼働
時間
稼働時間 総降雨量 濃度変動*2
(mm)
(mg-SS/L)
(小計)*1
4h02min
4h02min
10
流量変動*3
(m/d)
58 ~ 140 245 ~
981
58 ~ 140 131 ~
995
完全洗浄
24h10min
13:53
20:20 4h19min
10:44 4h10min
11:56
56min
16:31
23:51
15:07
3:07
10:59
1h20min
4h37min
3h37min
142.5
33h35min
3
9.5
0.5
完全洗浄
7.5
45.5
13h13min
25.5
89 ~
267 ~
53 ~
371
980
373
263 ~ 835
687 ~ 1061
84 ~ 180 349 ~ 989
-
27
~
971
完全洗浄
1h01min
5
完全洗浄
100 ~ 290
16
~
455
55
140 ~ 360
5
~ 1285
16.5
-
409 ~
98
-
58
3h39min
11
1h01min
21h53min
20:49
6:44 6h34min
28h13min
12:41
-
56h40min
984
~ 1237
完全洗浄
18h44min
12:33
18h44min
58.5
160 ~ 360 103 ~ 1042
完全洗浄
2:41
19h40min
19:15
1h37min
0:21
3h23min
14:01 4h52min
21:33 3h04min
22:54 17h20min
3:10
11:42
完全洗浄
1h37min
1
完全洗浄
88 ~ 100 111 ~
589
3h23min
52 ~ 280
3h44min
8.5
2.5
完全洗浄
16
16h53min
8.5
完全洗浄
4h41min
3
完全洗浄
4h41min
12h46min
11:14
991
36.5
完全洗浄
20
25h16min
2.5
65.5
完全洗浄
3h44min
13:01 11h46min
5h7min
1:21
110 ~ 390 144 ~
19h40min
12h46min
71
~
962
150 ~ 400 469 ~ 1003
151 ~ 515
127 ~ 1023
120 ~ 460
120 ~ 180
10
~
454
187 ~
992
78
950
~
53 ~ 380 161 ~ 691
-
49
~ 665
40
-
52
~ 1067
8.5
-
50
~ 1002
16.5
完全洗浄
6:18
1:33
7h28min
12h8min
4h40min
完全洗浄
227h23min
※1 前回の完全洗浄から、次の完全洗浄までの間の稼働時間を合計したもの。
※2 水質分析対象時間内における、原水SS濃度の変動を示す。
※3 稼動時間内における流入水量の変動を、水量(m3/d)をろ過面積(m2)で除した、ろ過速度の単位で表す。
-25-
(5)トラブル発生有無
6 ヶ月間の 27 降雨,トータル 227 時間の稼動において,原水濃度やろ過速度が変動したが,
洗浄不良、洗浄排水 側 へのろ材流 出、除去性 能の悪化,ろ材の損傷 等のトラブル発生は無か
った。
完全洗浄(二次処理水によるろ過水槽内水の置換)は,晴天日が続いても 1 週間に一度実施
することにより,臭気発生も抑制されている。
-26-
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