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シーラス反応炉について

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シーラス反応炉について
u.D.C.るる5.d42.041.5:占る5.74/.75.092.1
シ
ラ
ー
反
ス
炉
応
に
て
い
つ
ReformingFurnace
SelasPyrolysisand
有
崎
義*
意
井
玉
治*
慶
NoriyoshiTamai
KenjiArisaki
旨
要
最近の石油化学業界における化学プラント諸設備の大形化および反応解析の進歩・改良に伴うェチレソ●ア
ンモニア設備の分解炉および改良炉に閲し,シーラス反応炉とその燃焼設備の問題点をとりあげここに述べる
ものである。
表1わが国石油化学工業用ナフサの需要予想
1.精
白
次
年
30万t/yを越すエチレン,1,000∼1,500t/dのアンモニア,25∼
エチレン′
ここテレソ
生産能力
用ナフサ
1967
(昭一42)
化学工業界の最大の話題は,プラントの大容量化と,それに伴った
445
業界の掟携,再編の問題である。
典型的な装置産業である石油化学工業では,設備の大容量化が製
品価格の低減,競争力の維持に第一義的に有効であり,反応解析の
r:昭一55)
進歩,装置材料の改善,単位装置の大容量化,反応器サイズの縮小
万t/y
万kJ/y
万kJ/y
万kJ/y
購入に苦慮
斉ミ7 ̄すソiノ三宮
赦する国産ナ
フサ。大量の
鎚ゝ三三ヱ_
3,690
万kJ+
3,810万kJ
7,500
(3)
石油総桐費
塁(4)
3.69億kJ
注(1)(芳香族,そのほかの石油化学,アンモニア+都市ガス用)ナフサ計
〔2)原陽一郎氏一石油化学の将来(昭一44)
(3)(4)大永勇作氏一日本のエネルギー事情とエネルギー政策(昭一舶)
に有効な触媒類の発見と改良,熱利用を中心とした補横類の進歩と
ユーテリティの改善,収率維持と連続運転を保証する計装,コント
摘される。また石油化学工業全体で考えてみると表1のような予珊
ロールの進歩などがその大形化をささえているといえよう。
がたてられており,10年後の1980利こエチレン1,000万t/yは実現
本文は,エチレンやアンモニア設備などの大容量化に対し,その
基幹部ともいうべき分解炉と改質炉を対象に,日立製rF所における
性のあるものと考えられるが,原料をナフサのみに求めることほ不
シーラス形反応炉とその燃焼設備につき現状と問題点を取りまとめ
可能と考えてよい。
では,石油化学ほその原料を何に見いだすのか,結局は原油そのも
たものである。
のの利用へ行かぎるを得ないであろう。これの最も注目すべき一つ
2.わが国における原料事情の予測
がペトロケミカル・リファイナリーの提案(1)(2)と考えられ,図lの
ように分解反応をフルに採用して,原油から給合的に化学用合成原
わが国でほエチレン,アンモニア,水素,オキソガスなどの原料
炭化水素は,はとんど精油所からのナフサ供給によっている。いま
料を製造しようとするものである。この方式によればエチレンはも
30万t/yのエチレンプラントを例にとると,そのフィードナフサは
ちろん,アンモニア,水素なども,従来多くの実績を蓄積してきた管
170万kJ/yに達し,精油所の原油処理量は33万バーレル/dを要す
式反応炉によって製造できることが明らかで,さらに灯軽油の熱分
ることとなる。現状の精油所能力の最大が20(ノ30万バーレル/dで
解技術の確立は,現在直ちにナフサ不足の緩和にもつながって誠に
あることや,ナフサ得率とその価格体系などを考えた場合,近い将
興味あるものといえよう。もちろん原油の各種直接分解機や炎分解
来にナフサ中心のコンビナート運営は行き詰まらざるを得ないと指
によるエチレン,アセチレソ併産方式などの研究開発,突刺ヒが進め
ノノ屯 ご【=,
(根付il右)
Lr!誘こ粁こ料カ11臥0
フェノール
エチレン
30.0
7りロビレン
18.7
ミナス
アセトン
吉名純度ブロ
エチレンビレニ
J如I-13177屯ノ/F二
フグチエン
C。1.PG
2.5
丁クチエン
C4LPG
6.5
丁一手・レン
C。
▼テ'口てし-
二子しンユニ・ノ;
ナフグレン
3.4
C5
+- ̄/1十
て′り■′ト
7
ピ∵ナ
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∴タン
ン
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3ガパーレノし.・■巳
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2
∩川
5 5
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ワ】7
如
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ごー
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l■.iとトナニJ▼′こl ̄7一二・・イ小ト(1965卜′・γi与rし ̄iしご)
7・
回1
*
ベトロケミカルリブ7イナリーの実例と提案
バブコック日立株式会社呉工場
一69一
一
ク →へ
考
輸入ナフサ
2,306
万kJ+
1,142万kg
2,345
万kJ/y
5,800
(2)
万kJ/y
3,448
備
1,118
万kJ+
165万kJ
1,436
万kJ/y
万kJ/y
1,019
1980
1,247
2,800
(二昭一47) 万t/y
国産ナフサ
輸入ナフサ
ン
ナフサ計(1)
万kJ/y
万t/y
1972
ガソリ
958
144
(′実績)
35万t/yの塩ビモノマープラントの新乱稼働など,最近のわが国
(宗雛誉十)
需要量
1
170
昭和45年2月
+_エ
評
論
第52巻
第2号
られているが,大容量化を指向し繋!回収利用を極度に要求するこの
(。こンニ拝呈ハエ十H
種プラントに対して,今後とも主流を占めるものとほ考えられない。
3・エチレン分解炉
3・1エチレン分解炉の技術的問題点
欧米におけるエチレンプラント大容量化の実状を昭和42年末に
、---×l--、
150
10()
調査された「石油化学二l二業調査団報告書】!によれば,分解炉の技術
200
ぐC)
F川一十′十ノ′EnflBりi】ingl一--int
的開発の目標ほ次のように述べられている。
原料ナフサの性状とエチレン収率
図2
(1)規模拡大に適する設計
ヽつ
(2)原料の性状に対応する融通性
トヽ卜.-.卜
ーhJ
(3)収率パターンの融通性
ノて一二づ鞄h
げC
4
■
「∵85
+「■
り】
(訳}ヱ
(6)コイル,サポートの耐熱安定性
80()亡C
750ミCC.っ比
⊥ハし
∩ヽし
(5)デューキング間隔の長期化
+■
毎.+
H一〃U
(4)熱回収系統の効率向上
750`CC此
ト)ゝ夏空‡軍や
(8)ハイ・シビアリティ分解
(9)ガス燃料と液体燃料混焼率の融通性
(10)コイル取り換えの容易なこと
これを分解炉の設計製rFに当たる老とLて整理Lてみると次のよ
うに考えられる。=1)に対応するものを(1)′のように表わした。)
900CC
850くC
こ二二=三≡三・てこ-、
一て=コーラご読
C:H二
/
__..、.
/
/
10
\\j50eC
gOOOC
(ト)′分解炉の設計可能な最大容量ほ凍らか二
、てこf
Hd
Hニー、、\---
(2)′管式分解炉で取り扱いうる原料油の性状ほどこまでか,そ
0,05
0.1
0.5
1
2
3
4
5
(he)
の収率パターンほどうかこ
(3)′
750PC
C:≡Hl
S王
1⊥:
(7)コイル加熱の均一性の向上
CL,Ilト800亡■C
ある原料油に対Lて収率バターンこまどレつように変えられる
かっ
図3
実験炉による比重0.676クウェートナフサの分解収率
減少,運転時間の短縮を招来するL,液状燃料を使用すれば,(シー
(4)′-(a)炉の熱効率ほ(加熱燃焼ガスブ)出口温度は何蜜まで下
ラスバーナのある種のものを除いて)ゾーンコントロールが不じゅ
げうるか。)
うぶんでハイ・シビアリティの分解は達成できず,コイルの均一加
(4)し(b)分解ガスの急冷とその熱回収装置の構造,効率は二.
熱も不可能で高いエチレン収率や収率パターンの融通性が得られな
(5)′
い,など相互複雑に関連した問題で,すべてを満足することは不可
ヵーボンあるいほコークの生成,付着機構とその対策ほ。
(6)′850∼1,050℃の高温に達する分解コイルの強度維持千変形
能と言ってよく,分解炉容量の設定は,供与の仕様,条件に対して
防止と,またより高温こなるサポート構造の強度推称まこ.
新Lい解析と過去の実績の上に立って行なわれるべきものである。
(7)′(6)′,(5)′に関連するカ、こ,コイル材のき裂発生や,コー_7生
成を防止するための円周方向混変分布√)均一性をいかに向
上するか。
管式分解炉による分解反応解析の状況
3・2
日立製作所およびシーラス社の実験研究をもとに,この間題を述
べてよんよう-
(8)′ エチレン収率の向上,コーク生成の減少レつため,急速加熱
d
(1)馴斗の性状と収率パターーン
と高温,短滞留時間の熱分解反応を行二なえる炉であるか。
図2は,エチレン収率と原料ナフサのEndBoilingPointとの
(9)′ コンビナートから発生する各種燃料ガスを利用しうるノミー
ナがあるか,さらに余剰淡状燃料ま「捷鞘できるか。
関係を示L,ハイ・シビアリティ分解炉における900℃分解時の
収率を付記Lている。
(10一)′
ベンドを含む分解コイ′ンが,安全に長期の運転に耐え、カ
図3こ三,われわれの実験炉によるナフサ「比重0.668二)分解デー
ーブリゼーショソその他による劣 ̄卜も少なく,万一の場合
タの一例を示し,実用炉に比較してエチレン収率はかなり高く,
にも容易に補修ぞ交換二う二っき,停止期間を短くする構造で
反応管構造改変と反応温度,滞留時間,加熱方法,急冷方法のコ
あるかこ
ントローノンで,実用炉のエチレン収率も,なおいくぶんか改善で
これらをさらに,炭化水素の熱分解反応という面と,炉の構造設
きる余地のあることを示している。
計のハード面に分別すると,
図4は,日立製作所の製作したナフサ分解炉のエチレン収率を反
(、A)炭化水素の熱分解反応解析に関するもご ̄)として:
応温度をパラメータとして,反応容積率(反応管容積Vm3/マス
(2)′,(3)′,(4)′-佃)・,†5ト′,√.8′)′
ベロシテFkg′・Sノによって整理したもので,メディアム分解から
(B)炉の構造設計に関するものとLて:
ハイシビア分解への発展効果が明らかであるが,図3の実験値に
(4)し(a),(6J′,(7′ト′,ご10)′
比べ収率はかなり低い。
:こC_)燃焼枚器の構造干その運転方法とコントロー′しに閲す一己も
図5は,EndBoilingPoint-345℃,API比重一35.400のガスオ
のとして:
イルの使用を日軌こ,シーラス社の実験炉でプロセス温度880℃
L2′)′,(3)′,(8)′に対するゾーンコントローノン方式,7・・′に
対するバーナ構造,(9)′
まで,滞留時間0.1∼2secの条件の下で行なった種々な原料に対
するエチレン収率の結果を示し,図dはプロピレンやC4プロダ
のようiこなり,このしAいB:・,〔Clを結合L′て:1・′,すなわち分解
クトの収率が,C3以 ̄Fの収率を45∼50%とした場合最高になる
炉の目的,仕様に沿った最大容量が決定されるものである.二
ことを示している(3)。
たとえば,ナフサの代わりに灯軽油を原料に和し、々tば,エチレン,
図7,図8はわれわれの実験炉でE.B.P-316.5℃比重-0.838
プロピレンの収率変化や,コーク生成の増大は明らかで,炉の容量の
の軽油を分解した結果を示し,軽油の場合,エチレン収率25%を
ー70-
り
171
て肝
い一
炉
っ什
応
フ
こ一
シ
+- ̄ ̄′■叶1ノ・-
(訳一三古きハ.斗八て
30
(㌔ぢ)啓三八上十り
〔㌔}■三
/′二二==三≡選
.■一一 ̄
谷三+■小トロ.「
1.O
0.8
1.4
l.2
l.6
1,8
30
40
60
50
図6
ガスオイル分解の
プロダクト(Cる,C4)収率
エチレン収率
2.0
5.0
11ルエン
〔::+十I。ighter(%)
実績炉における反応管容積率と
1.0
0.5
こ毛印さ川音】(S)
二恭
しl・与三1・r.ノF(m3.・kg■s)
図4
0.2
C3H6
20
□750dC
∧U
(㌔一三有望ハり+二
2 ハU
▲850-C
x8000C
彦ク
A-
( ̄7ロ三言よご…)
一
2
8
♂丁
0_1
0.2■
0.5
1.0
2.0
5.0
′乃柑昨間(S)
25
30
(㌔]妄
25
(演言)冬空∴上∴叶
35
ーエ÷しン小(ヰエ
ーーーー7ロヒレン付与;
キシレン
土豪二i.:亡言
5
2
1
0
峯)汀ハ上十J
ハ肌
2
0
Jぢぎ=牢===:= ̄
0.5
40
50
60
.卜
650
70
によるBTX収率
700
750
800
850
900
950
C二。十Ligbtpr(別
図5
種々な原料油と
エチレン収率
軽油(比重0.838)の熱分解実験
図8
【hJ
30
5.0
帯馴寿間(S)
0
4ク・▲/_丁 イト ̄/ルレンイJ
ナ「/サ
2.0
1.0
1.0
図7
軽油(比重0.83即の熱分解実験
末郎収納
●
によるエチレンプロピレン収率
(コークカーボン含有)
分解仙
得るにほ850℃程度の高温分解を必要とすることがわかるが,プ
ロビレソやBTXの収率は著しく下がり,それらの高収率回収は,
斗メ
ガスオイルの図dと同様比較的低温でじゅうぷんな滞留時間を与
丁 ̄ソ
≡二 0.5
えたマイルドクラッキングが有利である。灯軽油の実用化には,
芸
エチレン′収率を主としたハイ・シビアリティのナフサ分解炉にマ
分解力√ス
イルドクラッキングの灯軽油分解炉を併設して,プラント全体の
収率パターンに融通を与えるといった方向が有効であるように考
分解∼去い聖8000C
えられる。
(2)分解条件とカーボントラブル
0.1
高温分解で予想される問題は,カーボンやコークの生成と付着
0.2
0.5
1.0
2
描脚即日(s)
であり,反応コイル内と急冷熱交の伝熱管内とに分別して考えら
図9
れねばならない。直接加熱される反応コイルでは,壁温の上昇コ
イル材内面のカーブリゼーション,デコーキングによる運転休止,
このときの加熱一冷却サイクルによる高温材の劣化,不手ぎわな
ナフサ分解実験における物質収支
850℃
850℃
850℃
850℃
1.45se
O.7se
O.38se
O.24se
デコーキングによるコイル材内面の脱炭,強度低下など実用炉の
運転として最大の問題となり,急冷熱交でいえば伝熱阻害,発生蒸
気量の減少,さらに急速なガス通路の閉そく,圧力降下の増太
分解庶の上界による収率低下とつながり,結局分解炉の運転休止,
デコーキング間隔の短縮をもたらして,全プラント効率の低下と
反応コイルの劣下を促進する。
図9は,われわれの実験炉で得たナフサ分解時の物質収支を示
し,未回収油としたものがカーボンやコークの生成,付着量を表
わすと考えてよく,滞留時間の影雫をよく示している。
図10は,図7,8に収率を示した軽油の分解実験において,分
解油コンデンサに付着したタール状物質とカーボンの状況を示し
たもので,同じく滞留時間の影響をみることができる。
図10
軽油分解実験におけるコーク,タールの発生状況
シーラス祉の実験でも,図5に示した種々な原料油に対するエ
チレン収率の線図で,それぞれのターミナルポイントが,オーバ
はぼ図11によって知ることができる。シーラス社のダラジューショ
クラッキングとそれによるコーキングトラブルを防止しうる限界
ソ炉とその改変形が主流をなしたが,1966年ごろからたて形コイル
としている。
が注目され,1968年よりS&W形ルーマス形が本邦でも建設され
3.3
ている。サイドファイアリング,ラジアソト形小容量バーナの多数
炉の構造設計の状況
配置とゾーンコントロールなど,基本的問題はシーラス社の考え方
わが国における昭和32年(1957)以来のナフサ分解炉の動向は,
-71-
172
昭和45年2月
+エ
評
論
第52巻
表2
シーラス社たて形分解炉実績表(1969/8)
34
納
∽.H
きコU巴
32
30
(式一三
【バ)
2
叫000〟y
J.
l;叫r
Selas構形
r Cell数
容
量
(MT/Y)
備
考
1967/6運転(試験炉)
1
アメリカ
Proto
Type
heater
キヨハ上≠り
イダリー
6
150,000
65%オイルたき
ERDOL
CHEMIE
西ドイツ
18
360,000
30%オイルたき
S.Ⅰ.R.
トi告3㍊こy
イクリー
4
170,000
30%オイルたき
F12抑y
A.N.Ⅰ.C.
イクリー
80,000
60%オイルたき
門 形
1基
15,000∼
20,000t/y
(30∼35kt/y)・
Lnmmusニぎン ̄i立形
ナトーーーー十-S
20
rヱ∴よひ
ISelas
1
名
SUD
エ,ケ′ソ立彬
撃J■
22
国
MONTE
(干)
l,ぎ グラニ一エ
「コ一
24
CARBON
5叩00t./y
(2セル)
(12,000t/y
Sel占s一ヒバーーーーーーーーーーー十り批t′′′Ⅴ:・
二L
26
先
入
COLUMBIAN
第2号
00
K6卿りy
:6,000亡′・■■)▼
(試
U.R.B.K.
1▲
6
西ドイツ
Proto
験
炉)
Type
Heater
も.+
14
COLUMBIAN
1950
1960
1970
CARBON
1QA-SHELI一.
アメリカ
24,000
スペイン
TARRAGONA
-J卜′う、
230,000
30%オイルたき
レ‥・シラ∴プラニ′ェーーシラン叫
図11わが国におけるエチレン分解炉の動向
⊂主∋声tack
がそのまま踏襲されていると考え
\Jへ
/Ⅰ・L)・Fan
てよい。
表2ほ,シーラス社が1967年コ
㌣レ
丈¶
ロンビアカーボン社と共同で設置
研究した実用形試験炉以降,1969
ズー
年8月までに受注し,建設中また
り
である。最大容量は2セル1基8
-×一
Ou【
オ+.■N
尺い..Lレ
は設計中のたて形炉を示したもの
万t/yに達しているが,オイルた
新
きの併用,ナフサとガス油や軽油
の兼用分解などそのプラントの目
巨
的,性格に応じた炉を設定してお
り,単に炉容量の増大のみが考え
られていないことを示している。
巨
_+_
図12ほ,オイルたき60%で設
計された2セル1基5万t/yのシ
しl
ーラスたて形炉の概略を示したも
図12
のである。エチレン収率26∼28%
50kt/y
た
て形分解炉(60%オイルたき)
でメディアムシビアリティの上限をねらった兼用分解炉であるが,
要所はじゅうぶんなゾーンコントロールが行なえるようしている。
バーナへ
図13はたて形コイルに対するデュラジアントバーナ用燃料ガス配
管を示し,従来多用されてきた横形コイルに対するものと同様の考
U.Bolt
え方で,列ごとのコントロ⊥ルをシンプルに行なっている。
たて形炉は後出,図15に示すような横形炉と異なり,コイルサポ
けれ;†
ートは著しく減少,単純化されるが,構造上1個所の欠損でもコイル
に重大な損傷を与えるので,シーラス社は横形炉の経験を生かして,
ニご
図14のように炉外へコイルの上部ベンドを配置して支持する構造
ら_+
を採用している(4)。
図15は,わが国最大の2セル1基50kt/yのハイシビアリティ横
形分解炉の構造図を示したものである。分解温度は850∼900℃,比
重0・7のナフサをフィードしてェテレソ収率翁∼30%を得る。クラ
ッキングコイルには6パス,25Cr/20Niと25Cr/35Niの遠鋳管を
使用し,コイルサポートとしてほ,出口側6本1群がアンダーサポ
ート
[毎
上部はすべてハンガ揺動式サポートで材質はタングステン含
有のスーパーアロイを採用した。ハンガ揺動式サポートほチューブ
レ
燃料力一ス
の伸縮にしたがって揺動し,高温時にコイルに掛かる曲げ応力を防
止する,コイル重量を支持する上部ピン部ほ炉外へ引き出され極力
断熱している。本炉と全く同容量,同構造の炉が西ドイツR.0.
(A)全体系統l,Jl
(炉11 ̄帆郎)
図13
W・のNo・5とその増設,Shell,オランダおよびフランス向けで使
l
卜しン(B)詳柵悶
シーラスデュラジアントバーナ用
燃料ガス配管(たて形炉)
-72-
しl
シ
ラ
ー
応
反
ス
炉
に
173
て
い
つ
tl
l
r ̄-
l
tl
l
て
l
l
章垂
\ヽ
l
l
】
∈∃
シ…ラスバーナ
∈6
匂・
l
l
国l団
_鮎
(シーラス特許1967-1)
図14
シーラスたて形分解炉の
コイルサポート
+
州
0
宴r
l
凸 ロ ロ
[][][コ
回
[コ「1
アク セスドア【
丁ら
[コl ̄1
[][][コ
〕:ゝ
∃
.∃.
l
l
図15
50kt/yシーラスHS横形分解炉
Idはプロセス出口温度900℃として,チューブ数6本の1コイルにつ
ヰニーイ) ̄ノ
.設計_7、キンf+化
2
l子ニープ小・ノ)
3
の各チューブの熱膨張量を比較したもので,ベンド部の温度差と組
4
み合わされて当然各チューブに軸方向力と曲げモーメントを発生す
〇
る。実炉においては,収率主体で運転されるので,図17にみられる
i.■.比卜州空
6
0
きその設計温度を推定して示したものである。右図はその場合,等長
10・1
N
N
と回
l
岳
K936
No.6
N
ようなプロセス温度プロフィルの変更もしばしば行なわれ,またゾ
9001,0001,100
800
700
600
I
プロ・ヒス出l】
i■ェ.1比(eC)
ーンコントロールも,フィードの変化や収率変化に応じて意識的に
行なわれるので,コイルの強度設計は単に最高メタル温度で内圧ク
1コイル各チューブの設計スキン温度と
図16
熱膨張量の計定例
リープに耐えるといったものでなく,そうした運転操作による各チ
ューブ間の温度差から発生する熱応力をじゅうぶんに考慮したもの
でなければならない。シーラス社の実験炉で,ゾーンコソトロールと
/
一
/
管温プロフィルの関係を実測した一例を示したのが図18である。
/
ノ′
 ̄ノ
デコーキング時の管壁の温度変化はより複雑である。管内面に付
着しているコークに空気を吹き込み酸化自燃せしめて除去するわけ
蓋療蒜毒て㌍脚
であるから,コーク付着管あるいは付着部位で表面燃焼の形となり
DesignTe汀Ipl.0
/Ac.Temp(1)1.00
′
/
クロスオ【パー
/一
局部的な熱応力やチューブ別に著しい温度差を発生し,さらに急冷
Ac・Temp(2)0・97
をうける形となって,チューブの劣化,損傷に最悪の影響を及ぼす
(500∼5500c)
′/′/
010
20
コンペクション
50
40
60
70
80
901
ものと考えてよく,実用炉における測定例では同一コイル内で500℃
0
におよぷ温度差を生じている例がある。
ラヂアントコイル良さの1与】jで「%
----
コイル ̄ ̄
30
設計メタル温度が,図1dや図柑に示したように900∼1,100℃に
図17
シーラスH.S.分解炉における
プロセス温度プロフィル
達する分解コイルのチューブ材には,Ⅰ.C.Ⅰ.を中心としたスチーム
リホーミング用反応管の研究と実績(5)から,その高温特性と経済性
Fc
1,000
裸国
ゾーンコントロール
C2H2Wtヲ乙
15.8
入‖側ハーり空
芸1芸起
1,500
16.5
750
き悪貨一語
プロ
1,000
500
500
3040.50
6070
80
グとそのデコーキング操作の存在や長尺の吸熱コイルとして使用さ
れる分解管としては,なお,研究進歩の過程にあるものと考えるべ
きで,リホーミング用反応管やその出口集合管に対してすら,1969
年9月より3年間の期間をかけて,BMI(BattelleMemorialInsti-
ガスオイルフィーート
IC3+1-
47.6∼47・7、Vtヲ乙
tute,U.S.A.)が基礎的,応用加工面および設計的の研究を実施する
ことが,使用者側,製造者側の実状と,問題の困難さを示すものと
250
1020
をベースに高Cr/Ni系の遠心鋳造管が賞用されているが,コーキン
90100
考えてよい。
ラジアント部コイルの入口一山口の
長きの割合%
表3は,分解炉に実用される耐熱材の化学成分を示し,表3】1は
欧米での使用材を1967年現在でシーラス社の調査したもの,表3-2
図18
シーラス実験炉によるガスオイル分解時の
温度プロフィル
は日立製作所が実用あるいは調査したものを示している。成分申そ
の他の部に示されたもののほか,溶解鋳造法,特殊成分,ガス成分
用されていて,シーラス社のH.S.大容量分解炉の標準形となって
など,特許やノーハウに関するものは知るよしもなく,実用材とし
いる。
ての高温特性は表示の内容より,むしろそれらに含まれることに留
構造設計の面からいうと最大の難点は,たて形コイルにせよ横形
コイルにせよ500∼550℃(入口)一800∼900℃(出口)のプロセス流
体温度で急速な吸熱反応を行なう分解コイルの強度設計にある。図
ー73-
意を要する。
図19,20,21はクリープ破断強度を主として,高温特性を示した
ものである。図20では,従来標準的に比較のベースに用いられた
174
昭和45年2月
日
立
表3-1エチレン分解炉の分解コイルおよびサポート材
学
成
組
C
M
標
パイロサームG
POSE-MARRE
0.94
0.86
0.75
0.35
遠
インコロイ
800
HUNTINGTONALLOYS
インコロイ
802
HUNTINGTON
インコロイ
807
HENRY
サーモロイ
47
ABEX
鋳
<2.0
WRGGRIR
<1.0
CORP
ALLOY
12AC40
SCHMIDT&
CLEMENS
12ANC40
SCHMIDT&
CLEMENS
VG508
SCIiMIDT&
CLEMENS
VG807
SCIiMIDT&
CLEMENS
VG838
SCITMIDT&CLEMENS
(注)◎主としてコイル材
3 0
< 1 5
< 1 5
l.5W
1
1
0
5.3W
Cb
50Co
30
CeZr
⑳サポート材に実用されている。
蓑3-2
分
解
炉
用
実
用
化
名
名
W
GX40-25/20
D
E
W
25/20
K
U
GX50-36/26
D
E
25/35-Co-W
K
25/48-W
P
Ei-Ka
日
W
鋳鋳鋳
遠普遠
m肌
立
組
成
%
その他
24.62
36.10
0.44
(25)
(20)
(0.4)
24.4
21.4
0.45
(26)
(36)
(0.5)
24.20
34.10
0.52
0.40
1.73
0.33
1.23
1.21
27.3
1.16
(<2.0)
2.50
(<1.5)
(0.4)
≡2,5
4%セト、
iゴ1.5
4%
ー亡j%
10%
呈・:′_1・吐抑
K.じ2520
△
一連指)
i法度(OC)
(A)柑椎別の高i止掛安
(衷3-2,D.E,W木j ̄)
43000000
2
30.000h
50,000h
100,000h
1 008060
900
950
1,000
耐熱遠鋳管の
(U
HK40に対する
EstrlICh
8and
4
⊂ノ(汗軌
10:ち
1
3
2
l 5
ト′Io-Re‡1
10
23■33-1.51V
0
0ハ)
「「ユ∵∴、い.十「叶「・
「-h
10こう
叫:川(h)
、、
0.6
、Yゝ、
16%、-、
ー
P.九′1.2548-51l'x(汁妄Jj)
20
0.4
ソー
、-、、K・じ25■35-
0.3
ヱト
nEll・「25/350(拉弘)
5′<102
103
5×10ユ
21
22
23
24
25
P=T(15十山gt)×10 ̄ヨ
C`)-1l'ェ(■ミ立糾
図20
0.2
キ\、
9501.0001,0501,100
65
、ご・れ†・2535
∩> 3
「\
90∩
アー強度
H卜Ka
D上川r2535
■ト
850
n凸
1刀500CJiよL・り,083ロC
ト
GX50-25ノ′35-C(1-W
クリープラプチエ
×(i‖淋
0.8
GX30-25′′′24
図19
1.0830C
3%
5×102
GX40-25′′35
20
(by,D.E.Ⅵr.)
(山E∈址さ
ト一寸「巾
、△、
GX40-25.′′′20
f温度(OC)
(B)25..ノ′20柑グ1時剛重度
◎
E
2
40
850
1.37
て…ムデl
(25)
008060
(<1.5)
0.71
(<1.0)
00
0.35Co
◎㊥◎
E
学
絡㍑愉
D
材(1968∼1969調査)
▼古 ̄「品「て
鋳鋳鋳鋳
遠遠遠退
GX40-25/35
望
㌻EU∵叫さ…トTl十†小一トー「一へ
NATIONAL
< 2 0
◎◎㊧◎◎餉
NA22H
l.OCb,5.OW
臥OCo,0.55Ti
O.3Mo,0.5Al
<0.75
・AT
ALLOY
4040舶4040
NATIONAL
金
Ti,Al,Cu
ALLOYS
Mo-Re#1
合
他
の
第2号
00
%
Silそ
n
HK-40
準
第52巻
(シーラス社調査)(1967)
化信
一Cr
論
言○害○【N∈U■■址+-トり+ナl卜「-「■ト
名
評
10・l
ラーソンミラー法による
クリープラプチエアー強度の比較
鵬附川、川J(h)
(クリープラブチェア-と破断伸び%)
図21実用耐熱鋳鋼の高温特性
ICIノミンド
(あるいほEstrushBand)に対して新材料の位置づけを
種類の問題で,炉使用者,炉製造者,材料製作者の協同を要するも
付記した。
図21ほ,表3-2の材料を主としたわれわれの調査結果
のである.。
であるが,
破断伸びのばらつきに注目されたい。応力,温度によっ
3.4
反応炉用バーナ
て数十時間で破断伸びのはとんどゼロとなる試片もあり,長時間破
分解炉に限らず,改質炉においても,側壁からのふく射を中心と
断時に破断面近くの組織が無数のき裂を有するザクザク状を呈する
した伝熱機構は反応のコントロールに有効で,シーラス社のデュラ
ものもある。さらに実用炉の経年材を調査したものでほ,鯵炭(しん
ジアントカップ形バーナほ,グラジエーション炉の基本要素として
たん)の著しいもの,逆に脱炭しているものが見いだされ,実験室
広く使用されてきた。
的データからのみでは鋳造材とインコロイ800系の鍛造引抜材を問
図22は,シーラス反応炉における管円周方向の温度分布実測例
わず,明確な設計基準を立て得ず,ステップバイステップで,設計
を示したものである。われわれのバーナ実験炉による実測例の(a)
と材料が互いをこ進展しつつある段階にあり,さらに溶接継手の研究
図をみればカップ状バーナブロックによる撹拝(かくはん)対流伝熱
が両者を刺激促進している状況といってよい。
効果も明かで,両側にバーナを配置する,いわゆるサイドファイア
注目すべき実際的研究にチューブ内外面のクロームヤアルミある
リングで(b)∼(d)図のような温度パターンが得られるのは,単に
いは耐熱化合物によるコーティングがあるが,実用炉での使用によ
両側からのふく射を重ねたものではないことがわかる。
表2や図12にみられるように,最近の燃料はガス単味でなく,ナ
って効果を確認しつつ基礎的問題にフィードバックせしめるという
ー74-
シ′
-
炉
応
フ
175
に
フサやプラントの未利用液体燃料,さらに灯
軽油,といったオイル混焼の要求が多い。わ
こ\二
れわれもすでに60%分解残油を混焼運転中
の分解炉を有するが,シーラス社・刀実績とし
て西ドイツ(100k亡ノ′y),南アフリカ(100kt/y,
\\
≠い
150lくt/y)の3プラントを60∼70%オイル
十
混焼で問題なく運転しており,さらに表2に
示すような受注が行なわれているr.これは燃
料費低減に対する使用側からの要求と,反応
d)1トムL17す-?一帥による淵依
blェ十レン′′淵代ゎi∴とる計榊肺
亡1ェ+レンう硝化帆:よる.汁洲良
チューブサイ1:1■′〆).D
解析の進歩とゾーンコントロールの有効な利
:エ7'---
73轟
図22
ユザが内で噴霧ナフサを気化し,じゅうぶん
な可燃混合気として先端チップよりカップブ
確・?
バ
パ1十
知られたもので,加熱空気を使用してディフ
/タン改印カ′1
:ス十--ム
郎藤
ハ1・十
図23は,シーラス杜のナフサバーナとして
5′'¢0.D
:4■'¢0.D
760ロC
:5500C
用という炉製作者側からの応答がマッチして
可能となったものである。
:5r′¢∩.D
:ナフサ分解ケ1
ーナ
反応営断面方向の温度分布実測例
】
/∴ ̄ナウ′▼7
一二・二\.■二■.■
☆三ノ三
ロック内へ噴出燃焼して,従来のガス式デュラジアントバーナと全
く同様な特性を示している。
∴わン
 ̄ナイル′て/し
\
図24は,未利用液状燃料の実用テストをl二1立製作所の実験炉で
行なった一例で,E.B.P.130℃のナフサと,241℃,292℃(C5∼C15
、\・
∫/
含有),H.C.油の燃焼状況を比較したものである。
----
----一刊-------
-
l
■′裟づ;
加
′ナソ
7
./ノ
/ ノ/
てニチモト
図12にコンベンショナルオイルバーナと示したものは,市販バ
l-I
--l--一十=+許÷-一斗-+---
オイル人r
ーナにも利用できるものがあるが,日立製作所では図25に示したパ
1、、lドニ三言†ノ■
\\\+//--エJ
ノ ̄ノ/′∴ンー
ラレルフローYジ・ェット式オイルバーナを使用している。空気また
1/1///ト
空11エ■レポ/≡≧
は蒸気を噴霧媒体として300くらいの狭い噴油角度を有し,パラレ
▲】て′ニ士′三一二二′
トー7つホ′しダノ//′ ̄/
ノ//
ルフロー形の二次空気導入で安定した長炎パターンを形成できる。
ケ1オリブイス/
、㌧\、・
し、、、■-、、\、
カノス人【ト
サイドファイアリング方式をとり要所のみシーラス,デュラジアン
トバーナを用いる反応炉は最適の性状を右し,南アロマーオイルを
+ト十----
図 23シーラス社
処理した例もあり,4.で述べる改質炉でマイルドなリホーミングを
ナフサ系バーナ
箋妻;ノヨ
袖ユりJT′ヒ1〈札-
li爪
川
=間イ、ニ7∴ク
〒 ̄■〒漂認挺二三J、㌧1ご二.、
l }胤∴二、三胡≡≡…≡㌫
l
払刷若
l
‡∃ ̄ ̄`芯入∫_,
+
転、
進塁く訟孟:吉ロ
(ガ
オイルバーナ
E.B.P.=241℃
比奄15/4
H.H.Ⅴ.
0.757
11,000kcal/kg
図24
E.B.P.=292℃
試料D
0.765
比重15/4
H.H.Ⅴ.11,230kcal/kg
ナフサ
E.B.P.=130℃
0.674
比重15/4
H,H.Ⅴ.11,600kcal/kg
シーラスナフサ系バーナによるC5∼C15含有オイルの燃焼状況
-75-
混
焼
付)
BdWパラレルフローYジェット式
図25
試料A
ス
基 準 試
燃料噴射圧力
空気過乗率
空気予熱温度
験 条 件
14kg/cm2g
炉壁画温度
1,000℃
l.1
E.B,P.+30℃
(ノく-ナ対面)
K9005
バーナ形式
176
昭和45年2月
日
評
止
論
第52巻
行なうものに用いられる。
第2号
燃蛇熱二:†を1,100,000kcaJ/■RX2
パーーナ夫【小平仁煉ヰi40%(佃;三)
ゾーンコントロールの効果や実例は,図13,17および図18で触
(`NE\∼≡亡 ペヘ、■小卜+-山
れたが,図2占は,われわれが電子計算械を用いて計算実験を行なっ
た結果である。これはかなりその効果を定量的に示し,バーナ容量
の選定,運転方法の予測などに有効である。
4.改
炉
質
か
5×
4
3
2
前章で,反応炉として技術的問題の多い分解炉につき詳説したの
_一一山 ̄
01
×
で,改質炉についてはシーラス社の大容量炉の概要を述べるにとど
める。シーラス社はメタンリホーミング炉は自社技術,ナフサリホ
シ ̄-Jレト
1slゾーン
2ndゾ【ン
3rdゾーン
×
55
30
15
49.2%
△
33
33
34
50.2
[]
15
30
55
51.2
t・上 ̄ケ
ン「リグ吾に
ーミングはⅠ・C・Ⅰ・プロセスを技術導入しているが,改質炉の構造な
どのハード面は全く独自のもので,サイドファイアリング要部にデ
ュラジアントバーナを配置したゾーンコントロールの採用など分解
き帖峠
し1
プロセス川l懐求仙
⊂)
炉と考え方の基本は同様である。
図27ほ,
図26
アンモニア1,300t/d相当の大容量炉の構造概要を示し
各ゾーンの燃焼量変化と
ヒートフラック変化
!
ト
†羊
-へ1\FeedIn「仁一
i
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乱Ⅰ
仙
l
L
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エペくIil二二ニー ̄-:
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l
l
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ト
声馴
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l
ノ/ ̄、 ̄\-
一一
十紬÷
ー【丁 ̄甲†日 ̄
l
ナ
l
、-、、l
l
l′′1,024Se】asDuradia山Burnel、s
l
l
l
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l
 ̄、\-
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1
l
ll
】 ト
l
\
l
孝
円
n
且
l
且
J
l-】
】
ィーユニニニ′由由ヰ・
】
,.1
且`且
\
l
F】ue Gas
toE-113
周27
アンモニア1,300t/d相当のシーラス大形改質炉
くLノ/一ノ
・三l
Yニ238
Ⅹ=57.9
In】亡t Head亡r
二0
Ⅹ=5
Y=238
Feed
Inlet
Pig
Gas
血…
238
X=51・9\ら
Z=0「
P盲pi¶g
=0
TaiI
酢
3Q♪qq/
Y=248
l〕.(こ.Bo
Ⅹ=5靂
Y≒0
Ⅹ=90.0
93.5
Z=11
Z=7.3
り
Z=0
Ⅹ=87.5
Z■=0
=11.3
Y=0
Ⅹ=13.6
象烹;三;。。。。rt
Y≒O
Z二7.3
Z=11.3
Y≒0
、1岬
Y≒0
Lining
Z=11.3
Ⅹ=23.3
Ⅰ=
Y≒0
Fix.S叩pOrt
0ロt】et Header
0
Z=11.3
Y≒O
Z=7.3
1'≒0
\ Z=7.3
Ⅹ= 61.5
Fiヽed
=0
0=Z
Ⅹ=11.3
々物、/
Point
X=67,6
Ⅹ
-76-
人
図28
大形改質炉圧力部の
構造設計解析
ら.1
シ′
応
反
ス
ラ
-
炉
177
し、
に
H.T.
表4
シーラス社のハイシビアリティ改質炉
ケ
仕
様
l
ソ
管
反一連
管
OF
l9
7
(3
(L
Volプg
36
0
S■C=∴千--ム/カ【ボン比
/
J上1.仁子拝竣
3.0
3.5
.4
址‖川上淋
5
径
in
さ
ft
2
・AハU
数
本
2
AT-一U
112
1
9
967
1 9 66
19 6 5
始
00
<
<
・4-
イ管
反
夕州内長本開
メげ応応応転
ラ
反
温度
Ⅳ
当山+二+三三}「
残
(℃)
Ⅲ
げ1(L
口
PSiG
l
(2(L一<
反応管出
2
(atg)
口圧力
Ⅱ
け1(1・<
反応管出
(Hz+Co)
MMSCF/D
(プロセスガス)
900
(UL
量
例
ス
ー
位
単
I
容
920
●
40
3 00
UUo
(lハ)
∧U
3
2
1
4
5
6
7
8
9101112
蝿CH-1・70J%(Dr)・Gasl
ブタンのスチームリホーミング
図29
における残メタンと反応温度
「
l
l
l
l
+
l
】l
】
ll
ll
ll
】
】l
ダ
ll
l
ガスJliU
∼
せ申i-1-
亡
l
■-ト1-+-+
トト=--
†
l
l
l
芦
l
-
此 一触∈--
l
l
1j=中旬ヰー:
ll- ---..---一司一司
■
森
l
シ■--ラネ′く一十/すイ′Lカ棚ノく一
/;l.
l
l;
l■ r
1
一九_
りフナ.一マー+ユー7
1
1
1
V
l
l
1
V
r
【
l
+
・/′
\ゝく/=
 ̄\、
l・
l
l
l
l
】
l
l
図30
ガスオイル混焼の大容量改質炉
たものである。反応管にチドリ配列を採用して炉全体長さを押え,
パス数を増加して,大容量化を達成することができる。これは反応コ
しかも反応管円周方向温度分布が図21にみられるようにじゅうぶ
イル形式をとる現状の分解炉に比べて合理的な設計といってよく,
ん均等に保持できることは,デュラジアントバーナの使用効果にほ
管式分解炉の将来構造を予測せしめるものと筆者らは考えている。
かならない。図28はこの大形炉圧力部の構造解析例で,熱膨張伸
5.緒
びの合理的な吸収と発生応力の減少を図り,長い反応管を固定せず
その傾きを有効に利用している。
言
エチレン分解炉と蒸気改質炉を主として,管式反応炉に対するシ
リホーミング反応に対しても,メタノールやオキソ合成向のよう
に残メタンを小さく,適当なスチーム/カーボン比で反応管出口温度
ーラス社および日立製作所の現況を述べた。問題の所在やその現状
がフィードの多様化,大容量化,原単位の低下を指向する石油化学
を800℃以上とする場合をシーラス社は,ハイシビアリティーリホ
工業界に多少とも役だてば幸いである。
日立製作所においては,2種のプロセス向けに受注製作中の記録
ーミングと称している。表4は,シーラス社の/、イシビアリティ改
質炉の仕様例を示したもので,反応管出口温度は900℃に達してい
的なEDC分解炉,すでに1年を越す連続運転を達成したベンゼソ
る。改質炉のフィードもわが国では,ナフサからエチレンオフガス,
分解炉,ノ、イ・シビアリティ改質炉としてのオキソ用炉数基の実績
LPG,C3-C4留分と多方面に広がっている。図29は,ブタンのスチ
など,紹介すべき事項も多いが,これらについては稿を改めて報告
したい。
ームリホーミングにおける残メタンーS/Ccl一反応出口温度の関係を
示したものである。図中にハイシビアリティ域と示した部分も実際
本文中にも触れた耐熱鋳鋼材のHi-Ka(日立材)は,遠鋳管,普
的には伝熱律速範囲にあり,有効な改質反応を達成促進するために
通鋳鋼ともすでに2種の開発を終わり実用にはいっているが,クリ
は反応管触媒充てん後半部の伝熱コントロールが必要なことを表わ
ープラブチェア伸びの優秀な性状は注目に値するものである。
している。図30に示した大形改質炉は,そうした反応上の要求と,
参
オイル混焼率の増加による燃料費低減の要求をマッチせしめた構造
で,図25に示したYジ′ェット式オイルバーナが効果的に実用できる。
反応管や出口集合管の材料材質については前章で述べたが,触媒
の変質劣化,カーボン析出と触媒の粉化などによる伝熱阻害,ロー
(1)林:石油化芋コンビナートの-一貫化
No.7(1968)
林:石油化学工業の今日と明日
(2)
カルホットの発生などが改質炉特有のものであろう。
これに対しては別に取りまとめ発表(6)したので,前述の触媒に関す
るものとともに本論文では触れない。
(4)
(5)
(6)
改質炉は,マルチパスー単管の反応管からなり,その本数すなわち
ー77-
文
献
化学工業,Vol・19,
化学工業,Vol.20,No.
10(1969)
(3)
改質炉に密着した重要な装置に,熱回収高圧蒸気発生装置がある。
莞
M.R.Kitzen
et
al:Gas
OilPyrolysisin
Tubular
Reactors,C.E.P.Vol.65,No.7(1969)
No.3385271,1967/1登録
アメリカ特許:U.S.Patent
C.Edeleanu:MaterialsTechnologyinSteamReforming
Process.(1966)
改質プラントの熱回収装置
田札石川二
(1969)
化学工学(投稿中)
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