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グローバリゼーションと日本経済 グローバリゼーションと日本経済
【南山大学経済学会
グローバリゼーションと日本経済
グローバリゼーションと日本経済
Ⅰ.グローバリゼーション-帝国化・金融化・二極化
Ⅱ.新しい景気循環-IT循環とアセットプライス循環
Ⅲ.日本経済が抱える構造問題-格差問題
(参考)1.「新中世主義(新しい中世)」
2.資産価格依存症候群の世界経済
2007年7月13日
三菱UFJ証券株式会社
チーフエコノミスト 水野 和夫
講演会資料】
【要旨1】「戦後景気循環にみられない特徴」
2002年1月以降の景気回復・・・戦後最長を更新中
(1)人手不足下で賃金(所定内給与)が上がらない
・・・「労働者の黄金時代」の終焉
「資本と労働の市場統合
(2)マクロの需給ギャップ逼迫下でインフレにならない
プロセス」(※)
・・・過剰貯蓄は資産市場が吸収
(3)上と下への二極化(均質性の消滅)
・・・グローバル企業vs.ドメスティック企業
グローバリゼーションとは、
「資本の反革命」を本質とする「国民国家」解体のプロセス
(「帝国」復活のプロセス)
帝国とは、 Deepak Lalによれば、「米国は平和と繁栄を促進するインペリアル・パックスを維持
できなかった結果を認識し、第二次大戦以来秘密裏に(surreptitiously)、そして9.11事件以降、
あからさまに(more openly)帝国を演じてきた・・・(中略)帝国は外交と内政とを支配するが、
覇権国は外交のみを支配する」(Deepak Lal、”In Praise of Empires”、 2004年11月)。
(※)グローバリゼーションを「資本と労働の市場統合プロセス」と定義すると、(3)の上と下への二強化のなか
で、ドメスティック企業の長期低迷(下への動き)を説明できない。
(4)IT循環(「超短期」循環)とグローバル循環(「超」長期循環)の同時進行
・・・景気拡大下で繰り返し生ずる「踊り場」
1
【要旨2】「1995年は世界経済の分水嶺」
1. IT革命・グローバル化・・・15~16世紀の宗教改革、活版印刷技術・大航海時代に匹敵
①「より遠く、より速く」を徹底・・・近代化を加速→近代化リバイバルブーム
②資本と国家の離婚・・・近代の否定→非製造業の長期低迷
(スーザン・スストレンジ『国家の退場』、1996)
③英語の世界言語化・・・15世紀には「ラテン語」(世界言語)の権威が失墜
2. 1995年前後に起きたこと・・・「近代日本の転倒性」(柄谷行人)
【日本】・・・ポスト近代(新しい中世)に直面←「国民国家」解体のプロセス
①日本のGDPデフレータ(一般物価水準)が戦後初めて下落・・・94年度、マイナス0.1%
②銀行神話の崩壊・・・94年末、二つの信用組合が経営破綻
③生産年齢人口、1995年をピークに減少・・・「サイレント・レヴォリューション」
(鈴木えりこ『超少子化-危機に立つ日本社会』、2000年)
④オウム、サリン事件(1995年3月)・・・「現在は戦後である」
(大澤真幸『戦後の思想空間』、1998年)
⑤日本の長期金利、1997年9月以降2.0%割れ・・・20世紀末の利子率革命
【世界】・・・「帝国化」と「近代化」←グローバリゼーション
①国際資本の完全移動性・・・1995年「強いドルは国益」(ルービン米元財務長官)
②国家vs.テロリスト・・・1996年『ジハード宣言』(ビン・ラディン)
③WTO(世界貿易機構)の設立・・・1995年1月1日(GATTの発展的解消)
2
生活水準からみた各国の一人当たり実質GDP
生活水準からみた各国の一人当たり実質GDP
(90年ドル)
市場の評価からみた各国の一人当たり名目GDP
市場の評価からみた各国の一人当たり名目GDP
(ドル)
日米とBRICsの生活水準(一人当たり実質GDP)
(2007年)
35,000
日米の一人当たり名目GDPドル
50,000
(95)
41835
31,709
30,000
米国
40,000
25,000
23,120
日本
22,635
20,000
日本
30,000
(1987年)
米国
15,000
英国
(1998年)
20,000
10,000
1968
1963~1964
5,000
1954
ロシア(06)
6,006(07年)
中国、ブラジル(06)
インド(06)
0
10,000
中国
1870 1880 1890 1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000
注)「90年ドル」とは、各年の各国通貨を購買力平価と物価変動率とを用いて1990年の共通ドル(国際ドル)
に換算して示したもの
(出所)OECD『The World Economy: Historical Statistics』、
IMF 『The World Economic Outlook Database April 2006』
中国
インド
日本
米国
英国
全世界
一人当り実質GDP成長率( 単位、 年%)
1600から1870年 1870から1995年 1995~2005年
-0.05
1.3
6.5
-0.01
0.8
4.4
0.1
1.1
2.6
1.8
2.1
0.7
0.4
1.4
2.2
0.14
1.5
2.4
(注)資本主義の黄金時代(1955~1973)の世界成長率は2.8%成長
(出所)OECD『The World Economy: Historical Statistics 』
0
55 57 59 61 63 65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05
(出所) IMF 「The World Economic Outlook Database April 2007」
G7の1人当たり名目GDP (ドル)
日
独
伊
仏
1995 41,835 30,861 19,819 26,454
2006 34,168 35,204 31,791 35,404
一人当たり実質GDP(90年ドル)
2007 23,120 19,510 19,609 22,566
米
28,149
44,197
英
19,579
39,213
加
20,184
38,951
31,709
22,635
24,882
3
Ⅰ. グローバリゼーション-帝国化・金融化・二極化
1. 「インフレ(成長)が全ての怪我を治す時代」の終焉
-21世紀、利子率革命の時代
16世紀初頭の「利子率革命」
20世紀末の「利子率革命」
16世紀初頭の「利子率革命」
20世紀末の「利子率革命」
16世紀初頭の「利子率革命」
20世紀末の「利子率革命」
[金利の ・ 1555、1566年、イタリアの長期金利9.0% ・ 1981年、米長期金利13.9%
急騰]
(1557、スペイン王家財政破綻宣言)
(二度の石油危機)
[金利の ・ 1619年、イタリアの長期金利1.125%
・1998年8月、日本の長期金利史上最低更新
急低下]
<ジェノバの世紀(1557~1627年)> <日本、1980年代自動車と半導体で世界一>
・ 封建制社会(帝国)→絶対王政(近代国家)
・ 荘園制経済→資本主義経済
国民国家→『帝国』
国家と資本が一体化した資本主義
→グローバル資本主義
(資本と国家の離婚)
(※)「少なくとも長期の趨勢においては、利子率は平均的利潤率と同様の変動を示すものと想定することが
できる」(エルネスト・マンデル『資本主義発展の長期波動』岡田光正訳、柘植書房、1990、p32)
4
金利(利潤率)の歴史
金利(利潤率)の歴史
(%)
14.0
経済大国の金利
1 6 世紀末の
利子率革命
12.0
10.0
8.0
-16世紀末の利子率革命vs.20世紀末の利子率革命
スパニッシュ・
ネーザーランド
伊9.0%
(1555,1566)
オランダ
(1974)
(1981)
英国 14.2% 米国 13.9%
金利急騰ののち急低下
日本 10年国債
英国
3%永久国債
米国 長期国債
6.0
4.0
2.0
0.0
イタリア・ジェノ
ヴァの4~5年
物国庫貸付金
伊1.125%
(1619)
【システムの危機】
英2.21%
(1897) 米1.85%
(1941)
日本0.430%
1800
1900 (2003/6/11)
2000
1200
1300
1400
1500
1600
1700
(出所)SIDNEY HOMER『AHistory of Interest Rates』、日銀『経済統計月報』
①中世・「帝国」の危機
16世紀の利子率革命・・・財政
プレミアムの急騰、その後急低
下
(イタリアの長期金利 1.125%)
②資本と国家が一体化した資
本主義
20世紀末の利子率革命・・・イ
ンフレプレミアムの急騰、その
後急低下
(日本の長期金利 0.430%)
「帝国の時代」・・・超国家企
業の時代
<資本が国家と離婚した資本
主義>
5
2. BRICsの台頭
成長率ランキング
成長率ランキング
①2003-06年の実質GDP成長率ランキング
(年率、%)
(年率、%)
ベスト10カ国
ワースト10カ国
1 ミャンマー
11.9
1 イタリア
0.7
2 中国
10.1
2 ドイツ
1.0
8.8
3 フランス
1.7
3 アルゼンチン
4 インド
8.0
4 日本
2.4
5 スーダン
7.5
5 英国
2.7
6 ウクライナ
7.3
6 カナダ
2.8
7 ナイジェリア
7.2
7 カメルーン
2.8
8 ロシア
6.9
8 ブラジル
2.8
9 トルコ
6.8
9 メキシコ
3.2
10 パキスタン
6.6
10 スペイン
3.2
(注)1.168カ国中、人口3000万人以上(05年時点)の37ヶ国が対象
2.06年はIMFの予想数字を使用
(出所) IMF 『The World Economic Outlook Database April 2006』
②1950-1973年の実質GDP成長率ランキング
(年率、%)
(年率、%)
ベスト10
ワースト10カ国
1 日本
9.3
1 バングラディッシュ
1.7
8.2
2 英国
2.9
2 イラン
3 韓国
8.1
3 インド
3.5
6.9
4 ベトナム
3.7
4 タイ
5 ブラジル
6.8
5 ビルマ
3.8
6.6
6 エジプト
3.8
6 スペイン
7 メキシコ
6.4
7 米国
3.9
6.1
8 ザイール
4.1
8 トルコ
5.8
9 エリトリア
4.1
9 フィリッピン
10 ドイツ
5.7
10 パキスタン
4.4
(注)1.141ヶ国中、人口2千万人(1973年時点)以上の34ヶ国が対象
2.ベスト11位はイタリアで、5.6%成長
(出所)OECD「The World Economy: Historical Statistics」(Angus Maddison)
6
中国の粗鋼生産量
中国の粗鋼生産量
(千トン)
世界粗鋼生産量の増加シェア(00年→06年)
日中の粗鋼生産量
600,000
(07年1-5月年率換算)
5.09億トン
500,000
2.5
中国
2.5
1.20.90.8
2.3 1.4
(単位、%)
4.48
3.3
4.1
400,000
中国
300,000
200,000
76.5
1.22億トン
100,000
日本
0
80
82
84
86
88
90
92
94
96
98
00
02
04
(注)06年については、07年1-5月までの合計した生産量を06年1-5月の数字と比較して、
伸び率を06年年間生産量に掛けて産出
(出所)IISI(国際鉄鋼協会)『Steel statistics』
06
China
India
Russia
Japan
Ukraine
Turkey
South Korea
Italy
Taiwan, China
Iran
others
(注)06年の粗鋼生産量-00年の粗鋼生産量で各国の増加額を計算
(出所)IISI(国際鉄鋼協会)『Steel statistics』
7
3.帝国の時代-『国家の退場』(スーザン・ストレンジ、1996)
帝国の復権
帝国の復権
(%)
80.0
帝国と国民国家の経済力の変遷
(世界GDPに占めるシェア)
帝国
63.5
60.0
40.0
20.0
66.0
1600年
1870年
1950年
先進国のシェア
GDP
19.5 %
32.7 %
53.3 %
人口
12.9 %
12.7 %
14.3 %
(出所) OECD「 The World Economy:
Historical Statistics 」( Angus Maddison)
51.6
37.6
国民国家
(先進国)
18.6
『国家の退場』-グローバル経済
の新しい主役たち
①テレコム
-コミュニケーションの管理
②組織犯罪-マフィア
0.0
1000年
1600年
1870年
1995年
2050年
(注)1.帝国は中国、インド、ロシア、トルコの4カ国。ただし2050年の帝国の中にはブラジルも含む。
2.国民国家は欧米の先進国と新興国を合計。例えば、1995年は19カ国が対象。
(出所)OECD「The World Economy: Historical Statistics」(Angus Maddison)
③保険ビジネス-リスク・マネジャー
④ビッグ・シックス-六大監査法人
⑤カルテルと私的保護主義
⑥国際機構-経済貴族
8
成長の収斂仮説
成長の収斂仮説
1600年→1870年
1870年→1995年
(対数表示、累積) 成長の収束(ボーモル/デロングの仮説) (1600~1870年)
2.40
オーストラリア
ニュージーランド
米国
A
(0.7%成長)
カナダ
1.60
y = -1.0916x + 8.1965
R2 = 0.6263
一人当たり所得の成長率
一人当たり所得の成長率
2.00
イギリス
1.20
17~19世紀の新興国
0.80
オランダ
ブラジル
0.40
スペイン
近代化の
条件が
整わない国
0.00
日本
インド
中国
-0.40
(対数表示、累積)
成長の収束(ボーモル/デロングの仮説)
(1870~1995年)
3.4
日本 =20世紀の新興国
(2.6%成長)
3.0
B
y = -0.872x + 8.8159
R2 = 0.8176
2.6
近代化の条件が
米国
整わない国
ドイツ
2.2
イタリア A'
(0.1%成長)
ブラジル
6.00
1.4
インド
17世紀の超低金利国
6.50
7.00
1600年の一人当たり所得(対数値)
7.50
(GK90年ドル)
(注)傾向線上の対象国はボモールの16カ国(英、米、仏、独、伊、日本等)にデロングの7カ国
(スペイン、ポルトガル等)を新たに加えた23ヶ国。ただし、ポルトガル、日本とアルゼンチン、チリ、
東ドイツは除いてあるので18カ国。
(出所)OECD「The World Economy: Historical Statistics」(Angus Maddison)
イギリス
(1.4%成長) ニュージーランド
中国
1.0
5.50
B'
オーストラリア
1.8
6.00
6.50
ソビエト連邦
(ロシア)
19世紀の超低金利国
7.00
7.50
8.00
8.50
1870年の一人当たり所得(対数値)
(GK90年ドル)
(注)傾向線上の対象国はボ-モルの16カ国(英、米、仏、独、伊、日本等)にデロングの
7カ国(スペイン、ポルトガル等)の23カ国。ただし、アルゼンチン、チリ、東ドイツは除いてあるので、
実際は20カ国。
(出所)OECD「The World Economy: Historical Statistics」(Angus Maddison)
9
4. 金融化-1995年、強いドル宣言(=米国の「金融帝国化」宣言)
「帝国」の時代
「帝国」の時代
近代主権国家の時代
近代主権国家の時代
帝国から絶対王政へ
・宗教改革(1517年~) ・・・・帝国の地域分割
<宗教問題棚上げの努力>
・・・近代「主権国家」は「世俗化」の産物
①1492年、レコンキスタ(国土再征服)
②1555年、アウグスブルグ宗教和議
・・・各宗派の支配領域の地域分割
③1576年、『国家第六篇』(ジャン・ボダン)
・・・諸国の国家創設のマニュアル(脱宗教化)
・技術革新・・・ガレオン船、大砲
→(帝国の市場統一化?)
国民国家から帝国へ
・1979年、英米の新保守主義(サッチャー、レーガン)
<イデオロギー闘争の勝利>
・・・民主主義の全体主義・共産主義に対する勝利
①1991年、ソビエト連邦解体(最後の帝国)
②1992年「歴史の終わり」(フランシス・フクヤマ)
・・・主権国家の「帝国」に対する勝利宣言
③1995年「強いドル」は国益(=帝国宣言)
・・・グローバリゼーションと帝国は密接不可分
・1990年代前半、IT革命
10
金融経済の肥大化
金融経済の肥大化
-犬に尻尾(金融経済)が頭(実物経済)を振り回す時代
国境を越えるマネーの増大
米国の株式極大化主義
(倍)
米国の株式時価総額対GDP比率の推移
2.0
10.0
(99)
1.84
1.8
(06)
1.56
<1.64>
1.6
1.4
<1.39>
株価革命
(%)
先進国の銀行の国際部門総資産増加額(対世界GDP比)
8.7(06)
8.0
6.0
1.2
<1.14>
(68)
0.74
1.0
0.64(1倍の標準偏差)
2.0
0.6
2.2%
(1978~99年)
0.49
0.4
29~94年末まで
の平均値:0.49倍
84
89
(注)1.株式時価総額は年末値
2.NY取引所とNASDAQの合計
(出所)NY証券取引所『Fact Book』、米商務省『Gross Domestic Product』、
『Historical Statistics of the United States』 (アメリカ合衆国歴史統計)
94
99
04
06
79
04
74
02
69
00
64
98
59
96
54
94
49
92
44
90
39
88
34
84
29
82
24
80
-2.0
0.0
78
0.2
0.0
0.34(1倍の標準偏差)
86
0.8
4.0
(注)ここでいう先進国は、BIS報告銀行で世界の主要39ヶ国が対象
(出所)BIS「Detailed tables on preliminary locational and consolidated
banking statistics at end-December 2006」
11
5. 二極化-高成長のグローバル経済と長期低迷のドメスティック経済
グローバル企業vs.ドメスティック企業
グローバル企業vs.ドメスティック企業
(百万円)
-高度経済成長企業vs. 長期停滞企業
グローバル企業とドメスティック企業の一人当り実質GDP(付加価値)
18.0
グローバル
経済圏企業
(大企業)
15.0
12.0
帝
国
台
頭
の
プ
ロ
セ
ス
9.0
6.0
ドメスティック
経済圏企業
(中小企業)
3.0
0.0
55
59
63
67
71
75
79
83
87
91
95
99
03
07
(注)1.実質GDP=名目付加価値(人件費+営業利益)/産業別デフレータ
2.グローバル化経済圏企業=IT産業、鉄鋼、輸送用機械の大企業
3.IT産業=非鉄、電気機械、精密機械、一般機械、情報通信
4.ドメスティック経済圏企業=中小企業・非製造業(ただし、電力と情報通信を除く)
(出所)財務省「法人企業統計季報」
国
プ
家
ロ
解
セ
体
ス
の
一人当り実質GDP成長率
【Ⅰ.戦後の【Ⅱ.安定
高度成長】 成長期】
(56/1Q~ (73/3Q~
73/3Q)
91/3Q)
グローバル化経済圏
規模計 8.1
3.8
大企業
9.1
4.4
(単位、年率、%)
【Ⅲ.グローバル化の
時代】
(95/1Q~) (02/1Q~
07/1Q)
5.4
7.3
7.5
10.9
中堅
8.1
3.4
5.9
8.7
中小
7.5
3.1
3.8
5.4
ドメスティック経済圏
規模計 3.2
0.3
-2.2
-1.0
大企業
4.3
0.6
-2.5
0.9
中堅
3.9
1.3
-2.0
-1.0
中小
3.3
0.2
-1.8
-1.4
(注)1.非製造業のⅢ期は90年3Qから07年1Qまで
2.実質GDP=名目付加価値(人件費+営業利益)/産業別デフレータ
(出所)財務省『法人企業統計季報』
12
英語圏 vs.
vs. 非英語圏
非英語圏
英語圏
資本主義の「黄金時代」の再来
資本主義の「黄金時代」の再来
(%)
8.0
世界の実質成長率
(%)
英語圏と非英語圏の実質経済成長率
7.0
6.0
前年比
6.0
5.9
5.0
4.4
4.0
4.0
2.9
3.0
英語圏
3.2
2.9
2.5
2.0
2.0
2.0
4年移動平均
非英語圏
1.5
1.0
0.0
0.0
60 64 68 72
76 80 84 88 92 96
00 04 08
(出所) IMF 『The World Economic Outlook Database April 2007』
1961~74年
75~90年
90~95年
96~06年
(注)1.英語圏=米国、英国、カナダ、オーストラリアの4ヶ国に単純平均
2.非英語圏=日本、ドイツ、イタリア、フランス
(出所)OECD『Economic Outlook No.77, June 2005』
13
Ⅱ. 新しい景気循環
1. 均一性の消滅-三つの景気循環が同時進行
グローバル循環
在庫循環の短期化 ・・・
①IT循環
(「超」短期循環)
・・・「踊り場」
投資循環の長期化 ・・・
②アセットプライス循環
(「超」長期循環)
・・・いざなぎ景気越え
長期停滞
③ドメスティック循環 ・・・回復感なき景気回復
・・・
14
IT循環とアセットプライス循環
IT循環とアセットプライス循環
(景気の波形)
アセットプライス循環とIT循環における先行DI
(3ヶ月連続で、
先行DI<50%)
【景気の現状】
内閣府・先行DI
(1.8ヶ月先行)
グローバル実物経済・
先行DI(2.7ヶ月先行)
「山」
金融経済・先行DI
(7.6ヶ月先行)
IT循環・先行DIが07年1~3月と3ヶ
月連続で05%超(06/5~06/12まで
50%割れ)
アセットプライス
景気循環
「山」
〈3.0ヶ月先行〉
①IT循環・・・06年5月から下降期
(通常下降期は13ヶ月)
IT循環
「谷」
→07年4月から、IT循環は上昇期に
入っている可能性
②グローバル「超」長期循環・・・
「踊り場」
「谷」
07年1月から「踊り場」入り
「谷」
〈2.4ヶ月先行〉
グローバル金融経済・先行DI
(4.6ヶ月先行)
(3ヶ月連続で、
内閣府・先行DI
先行DI>50%)
(5.0ヶ月先行)
グローバル実物経済・先行DI
(5.2ヶ月先行)
-13
0
13
26
グローバル「超」長期循環の先行
DI(実物経済関連)は50%以下、
→この先行DIが50%超となるかどう
かは、米消費マインドが鍵
70
83
96
(経過月数)
(注)1.一番高いシャドー(黄色)は内閣府の決める「景気後退期」
2.二番目に高いシャドー(緑)は景気の踊り場(景気回復期において鉱工業生産指数が横ばい、ないし減少する局面)
3.一番低いシャドー(青)は、IT循環の下降期
15
2. 「超」短期のIT循環-IT循環の下降期が「踊り場」に先行
27ヶ月周期のIT循環
27ヶ月周期のIT循環
-上昇期14ヶ月、下降期13ヶ月
IT循環<ヒストリカルDIと先行DI>
(%)
100
第2循環
第1循環
第3循環
第4循環
IT循環(%)
先行DI
一致DI
第5循環
HDI
1
85.7
66.7
77.8
2
71.4
77.8
77.8
3
85.7
55.6
55.6
4
71.4
66.7
55.6
5
42.9
22.2
55.6
6
42.9
44.4
55.6
7
14.3
66.7
33.3
8
0.0
44.4
33.3
9
14.3
22.2
33.3
10
14.3
44.4
22.2
11
28.6
44.4
22.2
12
28.6
77.8
22.2
07
1
57.1
44.4
22.2
2
71.4
33.3
22.2
3
57.1
33.3
33.3
4<暫定>
42.9 < 62.5 > <71.4>
5<暫定> <60.0>
-
-
(注)1.07年4月の一致DIは、8系列公表で
うち、5指標が+値
2.07年5月の先行DIは5系列公表され
うち3指標が+値
06
75
IT循環・
先行DI
IT循環・
ヒストリカルDI
0
93
94
95
96
97
98 99
00
01
02
03 04
05 06
07
(注)シャドー部分は景気後退期、天井の低いシャドーは日本の踊り場
(出所)個別データの出所は【BOX2】の表参照
16
ク
」
25
ピ
ー
(07/4)
42.9
「
50
I
T
循
環
の
山
IT循環(「超」短期循環)の先行、一致DI
IT循環(「超」短期循環)の先行、一致DI
IT循環DI(「超」短期循環)
先行系列(7系列)
①IT関連株価(日本)
②米半導体テクノロジー(米)
③IT関連・機械受注(日本)
④米耐久財受注(コンピュータ)
⑤BBレシオ(日本)
⑥米BBレシオ(米)
⑦米テクパルス指数(NY連銀)
一致系列(9系列)
①IT関連財生産
②台湾・IIP(アジアIT関連の代表)
③IT関連出荷・在庫バランス
④IT産業・収益環境指数
⑤IT関連消費支出
⑥(特掲)情報化関連投資
⑦情報関連輸出
⑧世界半導体売上高
⑨米コンピュータ消費支出
TOPIX業種別株価指数
前年同月比
フィラデルフィア証券取引所
前年同月比
(出所) 内閣府「機械受注統計」
水準
(出所)米商務省「Durable Goods Orders」
前年同月比
(出所)日本半導体製造装置協会「半導体製造装置統計」
前年同月比
(出所)Semiconductor Equipment and Materials Institute(SEMI) 水準
(出所) ニューヨーク連銀 『Tech Pulse Index』
前年同月比
(出所)経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫統計」
(出所) 経済部統計処「工業生産変動概況」
(出所)経済産業省「鉱工業生産・出荷・在庫統計」
(出所)日銀「投入・産出物価指数」
(出所)総務庁「家計消費状況調査」
(出所)経済産業省「全産業供給表」
(出所)日本銀行「金融経済月報」
(出所)米Semiconductor Industry Association
(出所)米商務省「Gross Domestic Product」
水準
前年同月比
前年同月比
水準
前年同月比
水準
水準
前年同月比
前年同月比
内閣府 景気動向指数 一致DI
生 産 指 数
C1
( 鉱 工 業 ) (平成12年=100)
鉱 工 業 生 産財
C2
出 荷 指 数 (平成12年=100)
大 口 電 力
使
用
量
100万kwh
C3
稼 働 率 指 数
C4
( 製 造 業 ) (平成12年=100)
所 定 外 労 働
C5
時 間 指 数 (平成17年=100)
投 資 財 出 荷
C6
指
数 (平成12年=100)
商 業 販 売 額
C7
( 小 売 業 )
(%)
商 業 販 売 額
C8
( 卸 売 業 )
(%)
営 業 利 益
( 全 産 業 )
(億円)
C9
中 小 企 業
C10
売
上
高
中 小 企 業 出荷
C10-1
指
数 (平成12年=100)
中 小 企 業
C10-2
物 価 指 数 (平成12年=100)
有 効 求 人 倍率
C11
( 除 学 卒 )
(倍)
17
3. 遮断される循環メカニズム-「生産・所得・支出」の循環メカニズム
内閣府・一致DIvs.5指標からなる一致DI
内閣府・一致DIvs.5指標からなる一致DI
景気動向指数(一致DI)
(%)
100
『5つの経済指標からなる一致DI』
(生産)
①鉱工業生産
75
(所得)
②企業所得
-交易条件×稼働率指数
50
③雇用者所得
-常用雇用指数×現金給与総額
(支出)
25
④実質消費総合指数
0
内閣府公表
5系列(新指数)
(雇用)
⑤有効求人倍率
83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
(注)シャドーは景気後退期
(出所)内閣府「景気動向指数」
18
90年代以降の景気回復
90年代以降の景気回復
鉱工業生産指数との連動性
鉱工業生産指数との連動性
鉱工業生産との相関関係
(相関係数)
景気回復、不況期における経済指標の同一指向性とばらつき
1.00
1.00
0.91
0.90
0.75
4つの指標の
同一指向性
(対鉱工業生産)
〈※1〉
0.80
0.50
0.70
0.60
0.25
0.55
0.52
0.46
0.50
0.00
4つの指標の
ばらつき度合い
〈※2〉
0.40
0.40
0.30
-0.25
0.20
-0.50
0.10
消費総合指数
-0.75
雇用者所得
有効求人倍率
75
77
79
81
0.00
収益環境指数
-1.00
83
85
87
89
91
93
95
97
(出所)経済産業省「生産・出荷・在庫指数」、厚生労働省「毎月勤労統計」
99
01
03
05
0.07
07
70、80年代
80、90年代
90年代の
回復期(3回の平均)
不況期(4回の平均)
回復期(3回の平均)
(注)1.※1は、各指標の生産指数との相関係数を平均しった数字
2.※2は、各指標の生産指数との相関係数を平均した数字の標準偏差
19
Ⅲ.日本経済が抱える構造問題-格差問題
1.成長と停滞
生産財 vs.
vs. 最終需要財
最終需要財
生産財
(1995=100)
日本の鉱工業生産
140
生産財
120
100
最終需要財
80
60
40
73
76
79
82
85
88
91
94
97
00
03
06
(注)1.トレンドラインは90/1~07/5月まで
2.シャドーは景気後退期、天井の高さが低いシャドーは、踊り場
(出所)経済産業省「生産・出荷・在庫指数」
20
自動車国内販売 vs.
vs. 輸出
輸出
自動車国内販売
(万台、年率換算)
650
600
550
(2000年=100)
180
(90/3Q) 輸送機械輸出数量 (07/2Q)
164.7
607.9
(右メモリ)
160
国内新車販売台数と輸送機械輸出数量
新車販売台数
(左メモリ)
140
500
450
120
400
100
350
339.6
300
250
200
(95/3)
62.4
80
60
40
68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06
新車登録台数(万台)
新車登録 軽自動車
台数
73
395.6
95.9
74
312.7
71.7
75
372.1
58.8
76
346.7
63.7
77
352.2
67.2
78
396.1
72.1
88
89
90
497.1
556.2
597.5
175.0
169.5
180.2
03
402.7
180.1
04
396.2
189.1
05
392.8
192.4
06
371.6
202.4
(注)新車販売台数は、乗用車
四駆、バス、貨物を含む
(ただし、軽自動車を除く)
(出所)(出所)経済産業省「鉱工業総供給表」、日本自動車販売協会連合会「新車販売台数」
21
2. ホワイトカラー・ブルースの時代
人手不足下の賃金下落
人手不足下の賃金下落
(前年同期比、%)
全産業
賃金と労働需給
(DI,%ポイント)
6.0
-60
4.5
-40
(07/6予)
-13
-20
人手不足
雇用判断DI
(右メモリ)
3.0
1.5
0
0.0
20
過剰雇用
-0.5
(07/1Q)
所定内賃金
(左メモリ)
-1.5
-3.0
40
(%)
8
83
85
87
89
91
93
95
97
99
01
4
2
(注)1.雇用判断DI=「過剰」‐「不足」
2.90年4Q以前の所定内賃金は、事業規模30人以上を対象、91年1Q以降は5人以上対象
3.所定内賃金の四半期は1Q=3~5月、2Q=6~8月、3Q=9~11月、4Q=12~2月
(出所)日銀『短観』、厚生労働省『毎月勤労統計』
所定内賃金と雇用判断D I
05
1Q
現金給与総額
所定内給与
5人以上
0.2
2Q
0.3
3Q
0.5
4Q
06
1Q
2Q
0.0 -0.1 -0.2
(賃金下落)
3Q
4Q
07
1Q
-0.4
-0.5
-0.5
雇用判断D.I.
-1.0
0.0 -2.0 -4.0 -7.0 -5.0 -8.0 -10.0 -12.0
全産業合計
[労働需給逼迫(人手不足)]
(DI,%ポイント)
(注)現金給与総額は1Q=3~5月、2Q=6~8月、3Q=9~11月、4Q=12~2月
労働需給逼迫
(出所)日銀『短観』、厚生労働省『毎月勤労統計
2Q
3Q
―
―
-8.0
(予)
-13.0
大企業・製造業
(500人以上)
(07/4)
-0.3
0
-2.0
-2
-4
03
(前年同月比)
6
60
81
所定内賃金の伸び率
中小企業・非製造業
(5~29人)
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
(注)1.非製造業は、財務省「法人企業統計季報」の従業員数から構成比を計算して産出
2.シャドーは景気後退期
(出所)厚生労働省『毎月勤労統計』
08
(5人以上、前年同月比、%)
06
07 07
(調査産業計)
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q
1
2
3
4
5
現金給与総額
0.4 0.5 0.1 -0.6 -0.3 -1.2 -1.0 -0.1 -0.2 -0.6
所定内賃金調査産業計 -0.1 -0.2 -0.4 -0.5 -0.5 -0.2 -0.6 -0.7 -0.7 -0.1
うち製造業
0.1 0.4 0.2 -0.1 -0.5 -0.1 -0.3 -0.4 -0.4 -0.6
(注)第1Q:3~5月、第2Q:6~8月、第3Q:9~11月、第4Q:12~2月
(出所)厚生労働省『毎月勤労統計』
22
実物経済(雇用)と貨幣経済(賃金)の乖離
実物経済(雇用)と貨幣経済(賃金)の乖離
―
労働需給と賃金の関係
(%、YtoY)
GDPギャップとインフレ率の関係
労働需給と所定内賃金の関係
(%)
中小企業・非製造業
7.5
日本のフィリップ曲線
3.00
A
6.0
y = -0.1104x + 0.9968
R2 = 0.8078
4.5
2.25
イ
ン
フ 1.50
レ
率
(91/1Q~00/3Q)
3.0
(
1.5
D'
(05/2Q~07/1Q)
y = 0.094x - 0.8598
-1.5
C' (07/1Q)
C
B'
B
2
R = 0.7186
-3.0
D
-4.5
-50
-40
-30
-20
雇用判断DI(=過剰-不足)
(出所)日銀『短観』、厚生労働省『毎月勤労統計』
-0.75
y = -0.0481x - 1.2761
2
(00/4Q~04/4Q) R = 0.1653
-10
y = -0.0336x + 0.0562
(-0.16) (0.19)
(95-97)
R2 = 0.0236
0.75
前
年
比 0.00
A'
0.0
y = 0.3529x + 1.2293
(5.07) (6.91)
R2 = 0.786
(86-94)
)
所定内賃金
インフレの終焉
0
10
(%ポイント)
y = 0.0231x - 0.4379
(0.243)(-2.370)
(1998-06)
R2 = 0.0084
-1.50
20
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
(需要超過)←
1.0
0.0
-1.0
-2.0
GDPギャップ →(供給超過)
-3.0
(注)1.( )内の数字はt値
2.98年以降のCPI(インフレ率)は特殊要因(エネルギー、米、国際電話、
通信料、電気料金)を除くベース
(出所)OECD『Economic Outlook』
23
-4.0
3.都市 vs. 地方
(相関係数)
地域別生産指数の連動性
1.00
東
海
地
区
と
の
相
関
の
強
さ
近畿 北陸
関東
九州
0.75
四国
中国
0.50
東北
0.25
北海道
0.00
-0.25
-0.50
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
(注)ln(各地域の生産指数)=α・ln(東海地区の生産指数)+β、推計期間は36ヶ月、この
回帰式の相関係数をグラフ化
2.データは07年5月まで(東北、関東、北陸、四国、は4月まで)使用
(出所)経済産業省『鉱工業生産指数』、各経済産業局
24
4.資産格差
(%)
30
所得格差と資産格差
(倍)
2.5
22.9%
(06年)
25
2.3
9.0
(05)
2.11
8.0
2.00
7.0
2.2
2.31倍
2.1
(07/1Q)
15
1.75
(01)
5.4
6.0
5.0
2.0
1.9
10
1.50
1.8
所得格差(一人
1.69倍 当り人件費格差)
<右メモリ>
(94/2Q)
0
1.7
失業率
(右メモリ)
4.0
(07/1-5)
4.0
3.0
1.25
2.0
1.6
1.5
60 63 66 69 72 75 78 81 84 87 90 93 96 99 02 05
(注)1.所得格差=IT産業、鉄鋼、輸送機械産業の一人当り人件費(大企業)/非製造業
の一人当り人件費(中小企業)
2.非製造業からは、情報・通信を除く(情報・通信は分子のIT産業に含まれる)
3.グラフはは四半期移動平均
(出所)財務省「法人企業統計季報」、金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」
1.00
1.0
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
5
生活保護世帯と失業率
生活保護世帯
(左メモリ)
2.4
貯蓄非保有世帯
の割合<左メモリ>
20
(%)
2.25
(注)生活保護世帯は総世帯に占める割合
(出所)厚生労働省「平成17年度社会福祉行政業務報告」、総務省「労働力調査報告」
25
(参考1)「新中世主義(新しい中世)」
-20世紀「労働者の黄金時代」から、21世紀「株主君臨の絶対化」の時代へ
ヨーロッパ中世の特徴
ヨーロッパ中世の特徴
「新中世主義」(新しい中世)モデル
「新中世主義」(新しい中世)モデル
主権国家間の関係が優越する国際システムに
代わりうるモデル
<5つの基準>
①国家の地域統合の可能性
②国家の分裂
①主体の多様性
・主体の特徴・・・ローマ教皇、神聖ローマ皇帝
国王、貴族、ハンザ同盟など
・主体間の関係・・・「ドイツの諸侯の一人は20人の
別々の領主から、もう一人は43人の別々の領主
から領土を受けた」
③私的な国際的暴力の復活
④国境横断的な構築
(多国籍企業や世銀など)
⑤世界的技術の統一化
(出所) ヘドリー・ブル『国際社会論』岩波書店、2000年2月
・領土と主体関係・・・固定的ではなく、流動的
(近代・・・相互排他的な領土の上に一元的な権利
関係)
②イデオロギーの普遍性
・・・キリスト教の普遍主義が支配的
(近代・・・自由主義的民主制vs.マルクス・レーニン主義)
26
物価の歴史
物価の歴史
-国家解体のプロセス=のデフレの時代、帝国台頭のプロセス=インフレの時代
21世紀
(対数表示)
100000
イギリスの消費者物価
資本主義と
近代主権国家の誕生
(1451-75平均=100)
資本と国家の離婚
定常状態(デフレ)
14、15世紀
(=中世)
ドメスティック経済
(国民国家解体のプロセス)
10000
16世紀~
(=国民国家の時代)
1000
封建制
システムの危機
(デフレ)
実質賃金
(折れ線グラフ)
グローバル経済
(帝国の時代)
高度成長
資産インフレ
100
労働者の黄金時代
(14、15世紀)
労働者の黄金時代
10
1250 1300 1350 1400 1450 1500 1550 1600 1650 1700 1750 1800 1850 1900 1950 2000
(注)1961年以降OECDの統計に接続
(出所)B・R・ミッチェル『イギリス歴史統計』『マクミラン世界歴史統計』、OECD『Economic Outlook』
「経営者は資本所有者の利益のための価値
創造に専念することになるのである。国際的
に広まっているこの掟は、世界経済の進展
を支配している。すなわち、株主君臨が絶対
化したのである。(ジャン・ペイルルヴァッド『
世界を壊す金融資本主義』(2007.3、p55)
27
(参考2)資産価格依存症の世界経済
アジアの過剰貯蓄
アジアの過剰貯蓄
急増するオイルダラー
急増するオイルダラー
(10億ドル)
石油輸出国の貿易黒字と英国経由の対米証券投資
(10億ドル)
90.0
600.0
498.3
(06年)
500.0
(%)
36.0
ASEAN諸国の貯蓄率と投資率
貯蓄率
(右メモリ)
75.0
60.0
400.0
石油輸出国の
貿易黒字
463.1
(06年)
28.0
投資率
(右メモリ)
45.0
24.0
30.0
300.0
20.0
ISバランス
(左メモリ)
15.0
200.0
16.0
0.0
100.0
英国からの
対米証券投資
0.0
80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06
32.0
12.0
-15.0
8.0
-30.0
4.0
87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06
(出所)ADB『Key Indicators 2006』
(注)06年4Qの石油輸出国の輸入額は未公表のため、06/3Qの伸びと同じとして06年年間
の輸入額を計算
(出所)IMF「International Financial Statistics」、米財務省「Capital Movements」
28
赤字国の高成長 vs.
vs. 黒字国の停滞
黒字国の停滞
赤字国の高成長
過剰貯蓄と住宅価格
過剰貯蓄と住宅価格
(%)
15
(%)
世界のマーシャルのkと米住宅価格
12
世界のマーシャルのk
(トレンドからの乖離率、左メモリ)
9
28.0
21.0
6
14.0
(01/3Q)
+1.1
3
7.0
0
0.0
-3
-7.0
(02/1Q)
+1.2
-6
-14.0
4.0
実質成長率(03~06年、年平均)
米実質住宅価格のトレンドから
の乖離率(右メモリ)
資本流入と成長率の関係
(%)
35.0
y = -0.1754x + 2.5678
(-2.09) (9.32)
R2 = 0741
スペイン
オーストラリア
3.0
米国
ニュージーラン
英国
日本
2.0
スイス
1.0
ドイツ
0.0
-9
-21.0
75
78
81
84
87
90
93
96
99
02
05
(注)1.世界のマーシャルのk=日米EU15ヶ国の加重平均値(各国別のマーシャルのk、
2000年=100)
2.傾向線の対象期間は、マーシャルのkが56年1Q~06/3Qまで、
米実質住宅価格が68/1Q~06/3Qまで
(出所)OECD『Main Economic Indicators』、 Office of Federal Housing Enterprise Oversight
-6.0
-4.0
-2.0
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
(対GDP比の変化ポイント、%)
ネット資本流入の変化(=経常赤字の変化)
(注)経常赤字(対GDP比)の変化ポイントは、90~02年までと03~06年の平均値の差
(出所)OECD『Ecomomic Outlook』
29
30
31
32
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