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2.東アジアからの訪日旅行の現状

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2.東アジアからの訪日旅行の現状
2.東 アジアからの訪 日 旅 行 の現 状
近 年 の 訪 日 旅 行 に お い て 、大 き な 割 合 を 占 め て い る 東 ア ジ ア の 中 で 、特 に 韓 国・
台湾・中国・香港の4つの国・地域を取り上げ、それぞれの国(地域)の訪日旅
行の現状や、観光ニーズを把握するために、各国の観光関係団体、JNTO観光
宣伝事務所および、旅行代理店等へのヒアリング調査を行った。
2−1.外 国 人 訪 日 旅 行 と日 本 人 の外 国 旅 行 について
2−1−1.外 国 人 訪 日 旅 行
近年の外国人訪日旅行市場においては、アジアからの訪日旅行者の割合が
大 き く な っ て き て い る 。1980 年 代 ま で は 北 米 か ら の 訪 日 旅 行 者 が 最 も 多 か っ
た が 、1989 年 に 逆 転 し て か ら は 、ア ジ ア の 占 め る 割 合 が ま す ま す 大 き く な り 、
こ こ 数 年 は 全 体 の 6 割 以 上 を 占 め る よ う に な っ た 。2001 年 度 の 実 績 を 見 て も 、
ア ジ ア か ら の 訪 日 旅 行 者 数 は 全 体 の な か で 64.7%を 占 め て い る 。
図 表 2.1 各 地 域 からの訪 日 旅 行 者 数 の推 移
アジア
北米
南米
ヨーロッパ
アフリカ
オセアニア
その他
総計
1999 年
2,832
821
32
567
16
167
3
4,438
%
63.8
18.5
0.7
12.8
0.4
3.8
0.1
100
2000 年
3,049
863
36
608
17
182
3
4,757
%
64.1
18.1
0.8
12.8
0.4
3.8
0.1
100
2001 年
3,085
835
31
615
17
186
2
4,772
(千 人 )
%
64.7
17.5
0.6
12.9
0.4
3.9
0
100
出 典 :JNTO国 際 観 光 白 書 2002 年 版
3
図表2.2 2001年度訪日主要地域
4% 1%
13%
アジア
北米
ヨーロッパ
オセアニア
その他地域
18%
64%
出 典 :JNTO国 際 観 光 白 書 2002 年 版
国籍別の訪日旅行者数においても、上位 5 カ国(地域)のなかで、アメリ
カ以外はすべて東アジア地域に属しており、訪日旅行市場における東アジア
地域の重要性がうかがえる。
図 表 2.3 国 籍 別 訪 日 者 数 上 位 10カ国 ・地 域
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
国 ・地 域
韓国
台湾
アメリカ
中国
香港
イギリス
オーストラリア
カナダ
フィリピン
ドイツ
1999 年
943
931
698
295
253
183
135
107
93
87
伸 率 (%)
30.1
10.5
4.6
10.4
-29.1
0.7
9.4
-0.1
13.4
1.3
2000 年 伸 率 (%) 2001 年
1,064
12.9
1,134
913
-2
807
726
4.1
692
352
19.3
391
243
-3.8
262
193
5.5
198
147
8.9
150
119
11.6
126
112
20.2
124
88
1.2
88
(千 人 )
伸 率 (%)
6.5
-11.6
-4.7
11.3
7.8
2.6
1.5
5.4
10.6
-0.7
出 典 :JNTO 国 際 観 光 白 書 2002 年 版
4
さ ら に 2001 年 度 ア ジ ア 域 内 訪 日 主 要 国 ・ 地 域 別 の 割 合 を 見 る と 、 韓 国 か
ら の 訪 日 旅 行 者 数 が 37%、 次 い で 、 台 湾 ( 26%)、 中 国 ( 13%)、 香 港 ( 12%)
の 順 番 と な っ て い る 。こ の 4 カ 国・ 地 域 の 合 計 で ア ジ ア 訪 日 市 場 の 88%を 占
めている。
図表2.4 2001年度アジア域内訪日主要国・地域別
12%
4%
37%
韓国
台湾
中国
香港
フィリピン
その他
8%
13%
26%
出 典 :JNTO国 際 観 光 白 書 2002 年 版
5
2−1−2.日 本 人 の外 国 旅 行
1990 年 代 以 降 の 景 気 拡 大 に よ り 、日 本 人 の 外 国 旅 行 は 順 調 に 伸 び 、国 民
全 体 に 占 め る 外 国 旅 行 者 の 割 合 が 14.0%に 達 し 、 7 人 に 1 人 が 外 国 旅 行 を
する時代となった。渡航先としては、アジア地域が多く、日本人出国者総
数 に 占 め る 中 国 、韓 国 、香 港 及 び 台 湾 の 近 隣 地 域 へ の 出 国 の 割 合 は 、1997
年 の 32.9%か ら 2000 年 の 39.1%を 占 め る に 至 っ た 。 安 近 短 の 傾 向 に 加 え
て 、近 隣 ア ジ ア 地 域 に 対 す る 食 文 化 や 大 衆 文 化 へ の 相 互 の 関 心 の 高 ま り が 、
旅行先選定に影響を与えているものと思われる。
図 表 2.5 主 用 渡 航 先 別 出 国 日 本 人 数 の推 移
伸率
伸率
199 6 年
199 7 年
1998 年
(%)
(%)
中国
1,01 9
17 .7
1,04 0
2.1
1,00 2
台湾
834 .66
1.4
823
-1 .4
766
香港
1,509
30.1
913
-39 .5
651
韓国
1,438
-8.2
1,60 2
11 .4
1,89 9
タイ
694
15.0
729
5.1
778
アジアその他
2,85 5 -16 .1
2,12 4 -25 .6 1,71 7
アジア 計
7,51 5
9.6
7,23 2
-3 .8
6,81 3
フランス
307
-7 .4
356
16 .1
371
ドイツ
244
4.6
266
8.6
264
イタリア
478
30 .3
506
6.0
489
イギリス
401
2.0
409
1.9
399
ヨーロッパその他 601
14.8
654
8.8
705
ヨーロッパ計
2,03 1
9.9
2,19 0
7.8
2,22 8
アメリカ
5,18 3
9.1
5,37 7
3.7
4,95 1
カナダ
348
10 .0
370
6.1
350
メキシコ
31
19 .9
37
18 .0
39
北 米 その他
27
13.9
25
-7 .3
20
北米計
5,58 9
9.2
5,80 8
3.9
5,36 1
その他 地 域
1,56 0
5.5
1,57 3
0.8
1,40 5
総
計
16,695
9.1
16,803
0.6
15 ,8 06
6
(千 人 )
伸率
伸率
伸率
1999 年
200 0 年
(%)
(%)
(%)
-3 .7
1,22 7
22 .5
1,46 8
19 .7
-6 .9
763
-0 .4
845
10 .8
-28 .7
685
5.2
811
18 .3
18 .5
2,10 6
10 .9
2,38 7
13 .3
6.7
823
5.8
886
7.7
-19 .1 1,86 3
8.5
2,08 5
11 .9
-5 .8
7,46 7
9.6
8,48 1
13 .6
4.3
355
-4 .2
389
9.5
-0 .6
284
7.7
336
18 .0
-3 .4
446
-8 .7
452
1.3
-2.4
383
-3.9
402
4.8
7.9
717
1.7
796
11.0
1.7
2,18 6
-1 .9
2,37 5
8.6
-7 .9
4,84 1
-2 .2
5,07 4
4.8
-5 .3
382
9.2
374
-2 .3
5.8
46
18 .1
53
14 .4
-17 .7
21
1.9
19
-6 .4
-7 .7
5,29 1
-1 .3
5,52 0
4.3
-10 .7 1,41 4
0.7
1,44 3
2.0
-5 .9 16 ,3 58
3.5
17 ,8 19
8.9
出 典 :JNTO 国 際 観 光 白 書 2002 年 版
2−2.韓 国
韓 国 人 の 外 国 旅 行 は 、1983 年 か ら 徐 々 に 規 制 緩 和 さ れ 、1989 年 に 完 全 に 自 由 化
さ れ た 。 こ の こ と に よ っ て 、 韓 国 人 の 外 国 旅 行 者 数 が 大 き く 増 え 、 2001 年 度 に は
608 万 人 と な っ た 。
2−2−1.韓 国 人 の訪 日 旅 行 及 び日 本 人 の韓 国 旅 行
(1)韓 国 人 の訪 日 旅 行
韓 国 人 の 訪 日 旅 行 者 数 は 近 年 大 幅 に 増 加 し て い る 。 1998 年 に は 通 貨 危 機 の
影 響 に よ り 、 対 前 年 で は 大 幅 な 減 ( 対 前 年 比 減 幅 28.3%) と な っ た が 、 1999
年 以 降 は 順 調 に 回 復 し て い る 。現 在 、韓 国 か ら の 訪 日 者 数 は 訪 日 外 国 人 の 中 で 、
最も大きな割合を占めている。
図 表 2.6 訪 日 韓 国 人 数 の推 移
年
人 数 (千 人 )
構 成 比 (%)
伸 率 (%)
1997 年
1,011
24.0
1.6
1998 年
724
17.6
-28.3
1999 年
943
21.2
30.1
2000 年
1,064
22.4
12.9
2001 年
1,134
23.8
6.5
出 典 :JNTO 国 際 観 光 白 書 2002 年 版
注:構成比とは、訪日外国人旅行者数に占める韓国人数の割合である。
7
し か し 、韓 国 人 の 外 国 旅 行 先 を 国 別 で 見 る と 、1998 年 ま で は 、日 本 が
最 も 大 き な 割 合 を 占 め て い た が 、1999 年 以 降 は 、中 国 が 日 本 を 上 回 っ て
いる。これは、中国の観光資源が豊富で、魅力的であるだけでなく、中
国の旅行費用が日本に比べて安いことも大きな要因であると思われる。
図 表 2.7 渡 航 先 国 別 韓 国 人 外 国 旅 行 者 数
米国
中国
日本
タイ
香港
シンガポール
オーストラリア
台湾
1995 年
592
529
874
456
353
351
168
146
1996 年
749
694
994
489
473
384
227
127
1997 年
747
781
1011
411
418
298
234
99
1998 年
364
633
724
203
198
99
67
63
(千 人 )
1999 年
499
992
943
338
291
242
109
69
出 典 :世 界 観 光 機 関 (WTO)資 料
韓 国 人 の 訪 日 旅 行 に お け る 旅 行 形 態 を 見 る と 、個 人 旅 行 が 最 も 大 き な 割 合
を 占 め 、 J N T O の 2000 年 の 調 査 で は 、 団 体 旅 行 は 1 割 強 な の に 対 し 、 個
人旅行の割合が 8 割以上も占める結果となっている。
目 的 別 で は 、観 光 を 目 的 と す る 旅 行 者 が 最 も 多 く 、全 体 の な か で 6 割 弱 を
占めている。商用客は 3 割前後になっている。
平 均 滞 在 日 数 は 、 法 務 省 の 資 料 に よ る と 、 5 日 か ら 6 日 で 、 2000 年 は 5
日であった。
(2)日 本 人 の韓 国 旅 行
日 本 人 の 韓 国 旅 行 は 1997 年 度 の 168 万 人 に 対 し 、 2001 年 度 に は 238
万 人 に ま で 大 き く 増 加 し 、訪 日 韓 国 人 旅 行 者 数 の 2 倍 以 上 と な っ て い る 。
図 表 2.8 訪 韓 日 本 人 数 の推 移
年
人 数 (千 人 )
伸 率 (%)
1997 年
1676
9.8
1998 年
1954
16.6
1999 年
2184
11.8
2000 年
2472
13.2
2001 年
2377
-3.8
出 典 :韓 国 観 光 公 社 (KNTO )資 料
8
2−2−2.訪 日 韓 国 人 のニーズ及 び情 報 収 集 の方 法
(1)訪 日 韓 国 人 のニーズについて
① 訪問地
韓 国 人 の 訪 日 旅 行 を 訪 問 地 域 別 で 見 る と 、 東 京 ( 40.1%) に 次 い で 、
大 阪 ( 24.6%)、 京 都 ( 5.6%)、 奈 良 ( 4.4%)、 神 戸 ( 4.2%) 等 の 関 西 地
域 や 、福 岡( 15.3%),別 府( 7.3%)等 の 九 州 地 域 が 高 い 割 合 を 示 し て い
る。
図 表 2.9 訪 日 韓 国 旅 行 者 の訪 問 先 地 域
(%)
地域
性別
全体
ソウル
釜山
東京
40 .1
47 .1
大阪
24 .6
23 .9
福岡
15 .3
別府
年齢
18- 29 代 30 代 40 代 50 代
60 代
以上
男性
女性
31 .4
41
39 .3
46 .6
39 .7
37 .5
37 .5
30 .3
25 .5
27 .3
21 .9
27 .5
21 .2
26 .4
15 .6
30 .3
10 .5
21 .4
16 .5
14 .2
13 .7
14 .1
18 .8
18 .8
9.1
7.3
6.2
8.6
7.6
6.9
4.6
5.8
11 .8
0
12 .1
京都
5.6
7.2
3.6
5.6
5.7
6.1
5.8
5.6
3.1
6.1
奈良
4.4
4
5
4
4.9
5.3
3.8
3.5
0
12 .1
神戸
4.2
3.3
5.5
4.8
3.6
3.8
5.8
3.5
0
6.1
名古屋
4
4
4.1
4.4
3.6
2.3
5.8
3.5
3.1
6.1
横浜
3.6
3.6
3.6
3.6
3.6
6.1
1.3
2.8
9.4
3
九州
3.4
2.9
4.1
4.8
2
0.8
1.9
6.3
6.3
6.1
鹿児島
1.4
1.1
1.8
0.4
2.4
0.8
1.3
1.4
6.3
0
長崎
1
1.4
0.5
0.8
1.2
1.5
0.6
0.7
3.1
0
出 典 :日 本 旅 行 性 向 調 査 (2001 年 :国 際 観 光 振 興 会 [J NTO])
9
②訪日旅行滞在中の活動内容
訪 日 韓 国 人 の 日 本 で の 滞 在 中 の 活 動 に つ い て は 、「 日 本 料 理 ・ 郷 土 料
理 」(80.2% )、「 買 物 」(69.8% )が 大 き な 割 合 を 占 め 、次 い で 、「 大 都 市 ・
都 会 の 生 活 」 (29.0 % ) 、「 寺 社 ・ 庭 園 ・ 歴 史 的 名 所 」 (27.7 % )、「 温 泉 」
(22.0% )、「 小 さ な 街 、 田 舎 の 生 活 」 (20.2%)と い う 結 果 と な っ て い る 。
図 表 2.10 訪 日 韓 国 人 の日 本 での活 動 内 容
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
活動内容
日 本 料 理 ・郷 土 料 理
買物
大 都 市 ・ 都 会 の生 活
寺 社 ・庭 園 ・歴 史 的 名 所
温泉
小 さな街 ・ 田 舎 の生 活
テーマパーク・動 物 園 ・水 族 館 など
の娯 楽 施 設
ナイトライフ・カラオケ
異 なる 生 活 様 式 の体 験
景 勝 ・自 然
回 答 率 (%)
80.2
69.8
29.0
27.7
22.0
20.2
20.1
14.1
13.7
9.0
出 典 :訪 日 外 国 人 調 査 (2000 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNT O])
10
③ 外 国 観 光 旅 行 地 の選 択 に重 要 と考 える要 因
韓 国 人 が 外 国 観 光 旅 行 先 を 選 択 す る 際 に 重 要 と 考 え る 要 因 は 、「 旅 行
先 の 国 が 安 全 で あ る 」、「 値 段 に 比 べ て 内 容 が 充 実 」、「 経 費 が 安 い 」、
「 ぜ ひ 一 度 行 っ て み た い 」、「 新 し い 経 験 が で き る 」な ど の 順 に な っ て い
る。
図表2.11 外国観光旅行地の選択に重要と考える要因
旅行先の国が安全である
90.5
値段に比べて内容が充実
88.3
経費が安い
86.7
ぜひ一度行ってみたい
85.9
新しい経験ができる
85.9
親切だ
85.5
観光魅力がある
84.6
豊富な経験ができる
84.1
宿泊施設がよい
83.3
見所が多い
83.1
リラックスできる
80.5
異国の情緒を味わえる
79.7
日程を組みやすい
79.3
文化に関心がある
78.3
ショッピングに適している
71.8
楽しく遊べる
69.7
韓国から近い
複数選択(%)
61.2
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
出 典 :国 際 観 光 振 興 会 (JNTO)資 料
11
④ 外 国 観 光 旅 行 目 的 地 としての日 本 の評 価
全体的に、韓国から近いことや、親切であること、また、宿泊施設
の質が良いなどの評価が大きな割合を占めている。年齢別で見ると、
18∼ 29 歳 か ら は 、新 鮮 さ・豊 富 さ・好 奇 心・近 い・シ ョ ッ ピ ン グ な ど
を 中 心 に 、ほ ぼ 全 項 目 に わ た っ て 高 い 評 価 を 受 け て い る 。ま た 30 代 、
40 代 か ら は 、 値 段 に 比 べ た 旅 行 内 容 の 高 さ や 、 経 費 が 安 い こ と な ど 、
訪日観光旅行のコストパフォーマンスに対して高い評価がなされてい
る 。( J N T O 調 査 よ り )
図表2.12 外国観光旅行目的地としての日本の評価
韓国から近い
86.7
84.8
親切だ
宿泊施設がよい
79.8
旅行先の国が安全である
79.6
ショッピングに適している
78.9
日程を組みやすい
78.9
76.9
ぜひ一度行ってみたい
見所が多い
75.7
観光魅力がある
75.2
新しい経験ができる
74.9
リラックスできる
74.2
文化に関心がある
74.1
豊富な経験ができる
72.7
値段に比べて内容が充実
71.2
楽しく遊べる
71.0
異国の情緒が味わえる
68.5
経費が安い
64.2
0
10
20
30
40
50
60
70
複数選択(%)
80
90
100
出典:国際観光振興会(JNTO)資料
12
⑤調 査 から分 かる訪 日 観 光 旅 行 の今 後 の傾 向
1) 40 代 を 中 心 に 家 族 旅 行 に 対 す る 願 望 が 強 く 、今 後 有 望 な 市 場 に な
ると思われる。
2)従 来 よ り 韓 国 で は 温 泉 に 対 す る 関 心 が 高 い 。な お 、性 別 で は 女 性 、
年 代 別 で は 40 代 に 温 泉 に 対 す る 嗜 好 が 強 い と い う 傾 向 が 見 ら れ る 。
(2) 情 報 収 集 の方 法
① 外 国 旅 行 に関 する情 報 収 集 の方 法
旅 行 先 の 情 報 収 集 に つ い て は 、知 合 い の 経 験 か ら と い う 回 答 の 割 合 が
最も大きく、韓国における口コミ情報の重要性が伺える。
図 表 2.13 日 本 観 光 旅 行 の選 択 経 路 (複 数 選 択 )
%
知 合 いの経 験
56.0
旅 行 会 旅 行 ガイドブッ
新聞
社
ク
34.6
7.6
4.4
雑 誌 テレビ
4.0
3.2
JNTO 経
由
4.4
その他
12.6
出 典 :日 本 旅 行 性 向 調 査 (2001 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
13
②インターネットの利 用 状 況
イ ン タ ー ネ ッ ト 情 報 白 書 ( 2002 年 版 ) に よ る と 、 韓 国 の イ ン タ ー ネ
ッ ト 普 及 率 は 50.4%で 、 世 界 で は 13 位 、 ア ジ ア で は 香 港 に 次 い で 2 位
となっている。
J N T O の 調 査 で も 利 用 経 験 者 は 6 割 と な っ て い る 。さ ら に「 ほ ぼ 毎
日 利 用 し て い る 」と 答 え た 人 は 利 用 者 の な か で は 5 割 以 上 を 占 め て い る 。
図 表 2.14 インターネットの利 用 状 況
(%)
区分
全体
利 用 経 験 がある
利 用 経 験 がない
60.7
39.2
性別
男性
67.5
32.4
女性
54.0
46.0
18-29
89.1
10.9
年齢
30 代 40 代
70.5
52.0
29.3
48.0
50 代
24.0
76.0
60 代 以 上
6.6
93.4
出 典 :日 本 旅 行 性 向 調 査 (2001 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
図 表 2.15 インターネットの利 用 回 数
(%)
区分
全体
ほぼ毎 日
1 週 間 に数 回
1-2 週 間 に 1 回
1 ヶ月 に 1-2 回
57.9
25.7
11.0
5.3
性別
男性
女性
62.5
52.3
25.7
25.9
8.6
13.9
3.2
8.0
年齢
18-29 30 代 40 代 50 代
64.4 61.5 44.8 37.7
24.4 23.6 31.0 27.9
7.8
11.1 15.9 18.0
3.4
3.8
8.3
16.4
60 代 以 上
40.0
40.0
0.0
20.0
出 典 :日 本 旅 行 性 向 調 査 (2001 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
14
2−3.台 湾
台 湾 で は 、1979 年 11 月 の 観 光 自 由 化 実 施 以 降 、外 国 旅 行 者 数 は 徐 々 に 増 加
し て き た 。 さ ら に 1999 年 9 月 、 日 本 の 数 次 査 証 の 有 効 期 限 が 従 来 の 3 年 か ら
5 年へ延長され、これにより台湾人の訪日旅行者数は以前より大きく増加し、
1999 年 に は 93 万 人 に な っ た 。
2000 年 か ら は 深 刻 な 不 況 に 陥 り 、 こ の 影 響 を 受 け て 、 訪 日 旅 行 者 数 も 減 少
を 見 せ た が 、そ れ で も 2001 年 度 の 訪 日 台 湾 人 数 は 80 万 人 と 韓 国 に 次 い で 第 2
位となっている。
2−3−1.台 湾 人 の訪 日 旅 行 及 び日 本 人 の台 湾 旅 行
(1)台 湾 人 の訪 日 旅 行
2000 年 第 4 半 期 か ら の 景 気 悪 化 の 影 響 を 受 け 、2000 年 度 以 降 は 訪 日 旅
行 者 が 減 少 。2001 年 も 景 気 回 復 が 見 ら れ ず 、訪 日 旅 行 者 数 は 対 前 年 11.6%
の減となった。
図 表 2.16 訪 日 台 湾 人 の推 移
年
人 数 (千 人 )
構 成 比 (%)
伸 び率 (%)
1997 年
820
19.4
13.9
1998 年
843
20.5
208.0
1999 年
931
21.0
10.5
2000 年
913
19.2
-2.0
2001 年
807
16.9
-11.6
出 典 :JNTO 国 際 観 光 白 書 2002 年 版
旅 行 形 態 に つ い て は 、個 人 旅 行 と 団 体 旅 行 が と も に 5 割 前 後 を 占 め て い
る 。要 因 と し て は 、台 湾 人 は 家 族 旅 行 を 好 む 傾 向 が あ る こ と に よ る と 思 わ
れる。
目 的 別 で 見 る と 、J N T O の 調 査 に よ れ ば「 観 光 客 」の 割 合 が 9 割 近 く
( 2001 年 ) 占 め て お り 、 訪 日 台 湾 人 の ほ と ん ど が 観 光 目 的 で あ る こ と が
伺える。
平均滞在日数は 5 日前後で、韓国とほぼ同じである。
15
(2)日 本 人 の台 湾 旅 行
2001 年 に 台 湾 旅 行 を し た 日 本 人 は 97 万 人 で 、 対 前 年 6.0% の 増 と な っ
ている。
図 表 2.17 訪 台 湾 日 本 人 数 の推 移
年
人 数 (千 人 )
伸 率 (%)
1996 年
918
0.4
1997 年
906
-1.3
1998 年
827
-9.5
1999 年
826
-0.1
2000 年
916
10.9
2001 年
971
6.0
出 典 :台 湾 交 通 部 観 光 局 資 料
注:本表は、国籍ではなく居住地に基づき集計した数値を掲載している。
2−3−2.訪 日 台 湾 人 のニーズ及 び情 報 収 集 の方 法
(1)訪 日 台 湾 人 のニーズ
①訪問地
台 湾 人 の 訪 日 旅 行 を 訪 問 地 域 別 で 見 て み る と 、関 西 地 域 で は 、大 阪 府
( 2 位 29.2%)、 京 都 府 ( 4 位 17.3%)、 兵 庫 県 ( 9 位 7.3%)、 ま た 九 州
地 域 で は 、福 岡 県( 6 位 11.0%)と 長 崎 県( 10 位 6.9%)が 大 き な 割 合
を占めている。
図 表 2.18 訪 日 台 湾 人 の訪 問 都 道 府 県
順位
1
2
3
4
5
都道府県
東京都
大阪府
千葉県
京都府
神奈川県
訪 問 率 (%)
47.4
29.2
17.3
17.3
17.1
6
7
8
福岡県
沖縄県
愛知県
11
9.3
8.4
9
10
兵庫県
長崎県
7.3
6.9
出 典 :訪 日 外 国 人 調 査 (2000 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
16
② 訪 日 旅 行 滞 在 中 の活 動 内 容
訪 日 台 湾 人 の 日 本 で の 滞 在 中 の 活 動 に つ い て は 、「 買 物 」 (86.5%) 、
「 日 本 料 理 ・ 郷 土 料 理 」 (82.1%)が 最 も 大 き な 割 合 を 占 め て い る 。 次 い
で は「 寺 社・庭 園・歴 史 的 名 所 」(67.3%)、「 大 都 市・都 会 の 生 活 」(64.4%)
や 「 テ ー マ パ ー ク 」 (52.0%)「 景 勝 ・ 自 然 」 (46.7%)や 「 温 泉 」 (46.4%)
等に人気が集まっている。
図 表 2.19 訪 日 台 湾 人 の日 本 での活 動 内 容
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
活動内容
買物
日 本 料 理 ・郷 土 料 理
寺 社 ・庭 園 ・歴 史 的 名 所
大 都 市 ・都 会 の生 活
テーマパーク・動 物 園 ・水 族 館 な
どの娯 楽 施 設
景 勝 ・自 然
温泉
小 さな街 ・田 舎 の生 活
異 なる生 活 様 式 の体 験
工芸品
回 答 率 (%)
86.5
82.1
67.3
64.4
52.0
46.7
46.4
40.7
33.8
10.4
出 典 :訪 日 外 国 人 調 査 (2000 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
③訪 日 市 場 における特 徴
台 湾 は 、 2001 年 度 に 初 め て マ イ ナ ス 成 長 と な り 、 こ の 影 響 で 個 人 消
費 の 低 迷 が 続 き 、 外 国 旅 行 に も 影 響 を 及 ぼ し て い る 。 2001 年 1∼ 10 月
の 台 湾 人 外 国 旅 行 に つ い て 見 て み る と 、低 価 格 訪 問 先 は 微 減 、高 価 格 訪
問 先 は 大 幅 減 と い う 特 徴 が 見 ら れ る 。台 湾 人 の 中 国 、韓 国 へ の 訪 問 者 数
が増加した一方、日本やアメリカなどへの訪問者数は減少が著しい。
17
④訪 日 旅 行 に期 待 するもの
台 湾 人 が 日 本 を 訪 問 す る に あ た り 、 期 待 す る も の と し て は 、「 自 然 景
観 の 美 し さ 」が 最 も 大 き な 割 合 を 占 め て い る 。こ の 要 因 と し て は 、熱 帯・
亜熱帯気候の台湾にはない四季の変化が台湾人をひきつけたと考えら
れ る 。 次 い で 「 人 文 資 源 」、「 観 光 施 設 」、「 航 空 路 線 の 便 利 性 」、「 買 物 」
などの順になっている。
図表2.20 観光目的の訪日台湾人が旅行先を日本に決めるにあたり考慮した要素
自然景観
52
人文資源
26
観光施設
17
航空路線の便利性
14
買物
14
衛生
12
治安
10
インセンティブ
8
気候
4
食事
4
言語
2
イベント
2
物価
1
その他
複数回答(%)
6
0
10
20
30
40
50
60
出典:日本観光協会台湾事務所資料
18
(2)情 報 収 集 の方 法
① 外 国 旅 行 に関 する情 報 収 集 の方 法
情 報 収 集 に つ い て は 、「 口 コ ミ 」(24%)が 最 も 多 い 。「 口 コ ミ 」に 続 き 、
「 旅 行 雑 誌 ・ ガ イ ド ブ ッ ク 」 (19%)、「 旅 行 会 社 」 (19%)や 「 新 聞 ・ 一 般
雑 誌 」 (11%)の 順 と な っ て い る が 、「 情 報 収 集 し な い 」 (31%)も 高 い 割 合
となっている。
図 表 2.21 台 湾 における情 報 収 集 の方 法
口 コミ
(%)
24
旅 行 雑 誌 ・ 新 聞 ・一 般
ガイドブック
の雑 誌
19
11
テレビ
3
ホーム
ページ
13
旅行
会社
19
情報収
その他
集 せず
31
12
出 典 :日 本 観 光 協 会 台 湾 事 務 所 資 料
②インターネットの普 及 状 況
イ ン タ ー ネ ッ ト 白 書 ( 2002 年 版 ) に よ る と 台 湾 の イ ン タ ー ネ ッ ト 普
及 率 は 44.8%に も の ぼ り 、 世 界 で 17 位 で あ り 、 ア ジ ア で は 香 港 と 台 湾
に次いで普及率の高い地域である。
19
2−4.中 国
中国では、近年の改革・開放政策によって、東部沿海地域が急速に発展し、
住民の所得も大きく増加している。経済の発展につれて、中国人の旅行者数も
増 え て い る 。さ ら に 、1995 年 1 月 に 施 行 さ れ た 新 労 働 法 の な か で 、有 給 休 暇 の
設定が要求されていることや、近年の大型連休の増加などもあり、中国人の旅
行市場は活発化している。
1983 年 に 香 港 、84 年 に マ カ オ 、90 年 に は シ ン ガ ポ ー ル 、タ イ 、マ レ ー シ ア 、
92 年 に は フ ィ リ ピ ン へ の 親 族 訪 問 旅 行 が 許 可 さ れ た 。次 い で 97 年 7 月 に こ れ
ら の 地 域 へ の 団 体 観 光 が 正 式 に 解 禁 さ れ た 。 さ ら に 1999 年 末 か ら は 日 本 へ の
団体旅行も地域限定という条件付で許可されるようになった。
こ の よ う な 中 国 の 経 済 発 展 お よ び 規 制 緩 和 に つ れ て 、中 国 人 の 外 国 旅 行 は ま
すます増えていくものと思われる。
2−4−1.中 国 人 の訪 日 旅 行 及 び日 本 人 の中 国 旅 行
(1)中 国 人 の訪 日 旅 行
訪 日 中 国 人 数 は 1999 年 以 降 、 毎 年 10% 以 上 の 割 合 で 増 え て い る 。
中 国 で は 、 1999 年 末 に 北 京 市 、 上 海 市 及 び 広 東 省 の 3 地 域 の 住 民 に 限 定
さ れ た 団 体 訪 日 観 光 が 許 可 さ れ る よ う に な っ た 。 そ の 後 2000 年 9 月 に 初
め て の 中 国 人 団 体 に よ る 訪 日 旅 行 が 実 現 さ れ 、 2002 年 3 月 末 現 在 で は 、
1229 団 体 、 23,516 名 の 観 光 旅 行 者 数 に な っ て い る 。
図 表 2.22 訪 日 中 国 人 の推 移
年
人 数 (千 人 )
構 成 比 (%)
伸 率 (%)
1997 年
261
6.2
7.9
1998 年
267
6.5
2.5
1999 年
295
6.6
10.4
2000 年
352
7.4
19.3
2001 年
391
8.2
11.3
出 典 :JNTO 国 際 観 光 白 書 2002 年 版
注:構成比とは、訪日旅行者数全体に占める中国人の割合である。
観光形態については、個人旅行と団体旅行がほぼ 5 割ずつ占めており、
中国人の訪日旅行は旅行社経由の団体ツアー方式が多いことを語ってい
る。
目 的 別 で 見 る と 、 JNTO の 資 料 に よ れ ば 、 2001 年 度 の 訪 日 中 国 人 の 中
で 、「 観 光 客 」 は 18.4%、「 商 用 客 」 は 19.0%で あ る が 、 一 方 「 そ の 他 客 」
は 49.6%に も な っ て い る 。他 に「 一 時 上 陸 客 」も 多 く 、 全 体 の 13.0%を 占
20
めている。
「 そ の 他 客 」の 内 訳 と し て は 、留 学 、 研 修 、 視 察 、 技 術 交 流 、親 族 訪 問
などが考えられる。
訪 日 中 国 人 の 平 均 滞 在 日 数 は 20 日 前 後 と 他 の 3 カ 国 ・ 地 域 に 比 べ て 長
い 。原 因 と し て 、留 学 や 研 修 ・視 察 が 多 い こ と と 関 連 が あ る の で は な い か
と 思 わ れ る 1。
(2)日 本 人 の中 国 旅 行
中国と日本は地理的、歴史的に極めて密接な関係にある。中国を訪問し
た 日 本 人 数 は 1998 年 に は 減 少 し た も の の 、1999 年 か ら 再 び 増 加 傾 向 と な
っ た 。 中 国 国 家 旅 遊 局 の 統 計 に よ る と 、 2001 年 に は 238 万 人 の 日 本 人 が
中 国 を 訪 問 し 、対 前 年 比 で は 8.3%増 と な っ た 。こ れ は 訪 日 中 国 人 数 の 約 6
倍である。
図 表 2.23 訪 中 国 日 本 人 数 の推 移
年
人 数 (千 人 )
伸 率 (%)
1997 年
1,582
2.1
1998 年
1,572
-0.6
1999 年
1,855
18.0
2000 年
2,202
18.7
2001 年
2,385
8.3
出 典 :中 国 国 家 旅 遊 局 資 料
訪問目的によって、日本滞在期限が異なる。例えば親族訪問の場合、3 ヶ月の
在留期限である。研修の場合、1 年のケースが多い。訪日中国人の平均滞在日数
が長いのはこれら「その他客」の影響を受けていると考えられる。
1
21
2−4−2.訪 日 中 国 人 のニーズおよび情 報 収 集 の方 法
(1)訪 日 中 国 人 のニーズ
①訪 問 地
中 国 人 訪 日 旅 行 者 の 訪 問 地 に つ い て は 関 西 の 中 で は 大 阪 府 (20.1%)、
京 都 府 (16.7%)お よ び 兵 庫 県 (6.2%)、九 州 地 域 の な か で は 、福 岡 県 (17.0%)
の割合が大きい。
図 表 2.24 訪 日 中 国 人 の訪 問 都 道 府 県
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
都道府県
東京都
千葉県
神奈川県
大阪府
福岡県
京都府
愛知県
山梨県
兵庫県
訪 問 率 (%)
64.5
21.6
20.7
20.1
17.0
16.7
15.7
8.6
6.2
10
静岡県
5.6
出 典 :訪 日 外 国 人 旅 行 者 調 査 (2000 年 :国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
②訪 日 の意 欲 について
J N T O( 2000)の 調 査 に よ る と 、多 く の 中 国 人 は 訪 日 の 意 欲 を 持 っ
て お り 、特 に 、地 域 で は 広 東 省 、年 代 別 で は 若 年 層( 20 代 )の 訪 日 意 欲
が 高 い 。な お 、広 東 省 の 深 圳 市 は 中 国 で は 最 も 富 裕 な 都 市 と 言 わ れ 、そ
のため、訪日旅行への意欲が高いようである。
22
③訪 日 旅 行 に期 待 する魅 力 の要 素
中国人訪日希望者の 9 割はパッケージツアーへの参加を希望しており、
そ の 大 半 は 家 族 で の 旅 行 を 希 望 し て い る 。希 望 訪 日 日 数 に つ い て は 、約
8 割が一週間以上を希望している。
JNTOの調査によると、中国人が訪日旅行について期待する魅力要
素については、主に以下の 3 つを挙げることができる。
1)食 文 化
日本食自体に対する興味の他、日本レストランの雰囲気、サービ
スの仕方などに興味を示しているようである。
2)技 術 ・経 済
戦後驚異的な経済発展を果たした日本への興味が大きい。ハイテ
ク産業を中心に先進的な事例を見たいという人が多いようである。
3)景 観
中国にはない日本独特の自然景観に興味がある。逆に、神社・仏
閣など中国でも見られるものには興味を示さないようである。
図表2.25 中国人の訪日旅行に期待する魅力要素
63
日本の飲食文化・日本料理
58
自然の魅力
44
歴史
41
人文文化
36
温泉
31
買物
30
ハイテク
複数回答(%)
28
異国性
0
10
20
30
40
50
60
70
出 典 :国 際 観 光 振 興 会 (JNTO)資 料
23
一 方 、日 本 旅 行 の 弱 点 と し て は 、「 価 格 の 高 さ 」、「 日 中 政 治 に お け る
問 題 」、「 中 国 人 に 対 す る 差 別・非 友 好 的 な 態 度 」が 挙 げ ら れ て い る 他 、
日 本 と 中 国 の 文 化 が 似 通 っ て お り 、特 に 見 る も の が な い と 感 じ る 人 も
いる。
④経 験 者 の訪 日 旅 行 への評 価
訪日旅行経験者の日本に対する評価を見てみると、交通事情や安全
性および独自の文化へは高い評価を与える一方、異国情緒、ビーチ、
博 物 館 に 対 す る 評 価 は 低 い 。こ れ に 対 し て 、東 南 ア ジ ア に つ い て は 自
然の魅力や異国情緒、ショー、娯楽への評価が高い。
(2)情 報 収 集 の方 法
①外 国 旅 行 に関 する情 報 収 集
外 国 旅 行 に 関 す る 情 報 収 集 の 方 法 に つ い て は 、「 テ レ ビ ・ ラ ジ オ 」
(65%)か ら が 最 も 大 き な 割 合 を 占 め 、 次 い で 「 口 コ ミ 」 (46%)、「 旅 行 会
社 」(45%)、「 新 聞・雑 誌 」(44%)の 順 と な っ て い る が 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト 」
と 答 え た 人 も 、 15% に 上 っ て い る 。
図 表 2.26
(%)
中 国 人 の外 国 旅 行 に関 する情 報 収 集 の方 法
テレビ・ラジオ 口 コミ 旅 行 会 社 新 聞 ・雑 誌 ガイドブック インターネット
65
46
45
44
25
15
出 典 :国 際 観 光 振 興 会 (JNTO)資 料
24
②インターネットの普 及 について
中 国 で は 、IT 産 業 の 成 長 が 著 し く 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 利 用 者 が 毎 年 大
き な 増 加 を 示 し て い る 。 イ ン タ ー ネ ッ ト 白 書 ( 2002 年 版 ) に よ る と 、
2001 年 度 の 中 国 に お け る イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 数 は 4,893 万 人 に も な
り、アジア諸国の中ではトップになっている。
ま た 中 国 情 報 産 業 部 の 資 料 に よ る と 、中 国 人 が イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用
して検索する情報の中で、ニュースが最も大きな割合を占めているが、
旅 行 情 報 も 12.0%占 め て い る 。
図表2.27 中国人がインターネットにて検索する情報分類
84.4
ニュース
58.0
コンピューター
52.7
娯楽
46.0
メールマガジン
35.8
科学・人文知識
29.1
仕事情報
22.9
金融・証券
15.7
貿易・ビジネス
旅行
12.6
医療
11.8
9.3
出会い
複数選択(%)
13.3
その他
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0
80.0
90.0
出 典 :中 国 情 報 産 業 部 資 料
25
2−5.香 港
香 港 は 1,075km 2 の 面 積 に 670 万 人 ( 2001 年 3 月 デ ー タ ) も 居 住 し て お り 、
人口密度の高い地域である。また熱帯に位置し、年中暑い気候であることなど
か ら 、 外 国 旅 行 意 欲 は 高 い 。 2001 年 度 の 香 港 人 の 外 国 旅 行 者 数 は 対 前 年 4.1%
増 の 480 万 人 に な り 、3 人 に 2 人 が 外 国 旅 行 を す る と い う 高 い 割 合 と な っ て い
る。
2001 年 9 月 の ア メ リ カ 同 時 多 発 テ ロ 事 件 の 影 響 を 受 け 、 香 港 人 の 外 国 旅 行
も 一 時 著 し く 減 少 し た が 、 2001 年 12 月 に な っ て 再 び 増 加 傾 向 に 回 復 し た 。
JNTO の 資 料 に よ る と 、2001 年 度 香 港 人 の 外 国 旅 行 先 は 、タ イ( 1 位 、11.7%)、
台 湾 ( 2 位 、 10.9%)、 日 本 ( 3 位 、 10.1%)、 シ ン ガ ポ ー ル ( 4 位 、 6.9%)、 韓
国 ( 5 位 、 5.8%) の 順 と な っ て い る 。
2−5−1.香 港 人 の訪 日 旅 行 及 び日 本 人 の香 港 旅 行
(1)香 港 人 の訪 日 旅 行
香 港 人 の 訪 日 旅 行 者 数 は 、 1998 年 に ピ ー ク 時 に は 、 36 万 人 近 く に ま で
達 し た が 、ア ジ ア 金 融 危 機 の た め 、1999 年 に 大 幅 な 減 少( 対 前 年 比 29.1%
減 )と な っ た 。そ の 後 、2000 年 も 減 少 傾 向 が 続 い た が 、2001 年 に な っ て 、
再び増加している。
図 表 2.28 訪 日 香 港 人 数 の推 移
年
人 数 (千 人 )
伸 率 (%)
構 成 比 (%)
1997 年
266
56.2
6.3
1998 年
357
34.3
8.7
1999 年
253
-29.1
5.7
2000 年
243
-3.8
7.4
(千 人 )
2001 年
262
7.8
5.5
出 典 :JNTO 国 際 観 光 白 書 2002 年 版
注 1: 訪 日 香 港 人 数 に は 英 国 籍 の 香 港 人 が 含 ま れ て い る 。
注 2: 構 成 比 と は 、 訪 日 旅 行 者 数 全 体 に 占 め る 香 港 人 の 割 合 で あ る 。
26
訪 日 香 港 人 の 旅 行 形 態 と し て は 、個 人 旅 行 が 6 割 強 を 占 め 、一 方 団 体 旅
行 は 3 割 強 と な っ て い る 。( J N T O 2000 年 「 訪 日 外 国 人 旅 行 者 調 査 」)
目 的 別 で は 、 観 光 を 目 的 と す る 訪 日 旅 行 者 の 割 合 が 大 き く 、 2001 年 度
の 実 績 で は 、 観 光 者 は 87%で 、 商 用 者 は 11%と な っ て い る 。
また法務省の資料によると訪日香港人の平均滞在日数は近年微減を続
け 、 1997 年 の 平 均 6.1 日 に 対 し て 、 2001 年 は 5.3 日 で あ っ た 。
(2)日 本 人 の香 港 旅 行
日 本 人 の 香 港 旅 行 の 推 移 を 見 て み る と 、返 還 後 の 1997 年 、1998 年 に 旅
行 者 数 は 大 幅 に 減 少 し た が 、 1999 年 に な っ て 、 ま た 回 復 の 兆 し を 見 せ て
きた。
図 表 2.29 訪 香 港 日 本 人 数 推 移
年
人 数 (千 人 )
伸 率 (%)
1997 年
1,636
-40.7
1998 年
1,101
-32.7
1999 年
1,174
6.7
2000 年
1,382
17.7
2001 年
1,337
-3.3
出 典 :香 港 政 府 観 光 局 資 料
2−5−2.訪 日 香 港 人 のニーズ及 び情 報 収 集 の方 法
(1)訪 日 香 港 人 のニーズ
香 港 人 が 外 国 旅 行 を 決 め る 際 、価 格 が 大 き な 要 因 と な っ て い る 。日 本 以
外 の 人 気 が あ る 旅 行 先 と し て は 、韓 国 、台 湾 、タ イ の 3 カ 国( 地 域 )が 挙
げられる。
①訪 日 旅 行 人 気 路 線
香港人の訪日旅行のなかで、以下の観光路線の人気が高い。
・東京及び近郊を訪問地とする訪日旅行
・本州縦断(東京∼大阪・神戸)型の訪日旅行
・九州地域を訪問地とする訪日旅行
・ 九 州 /本 州 を 訪 問 地 と す る 訪 日 旅 行
・北海道を訪問地とする訪日旅行
27
②訪 問 地
日 本 で の 地 域 別 訪 問 率 で み る と 、関 西 地 域 で は 大 阪 府 (16.9%)、九 州 地
域 で は 福 岡 県 (15.2%)、 長 崎 県 (10.0%)、 宮 崎 県 (7.8%)、 大 分 県 (6.9%)へ
の訪問が多い。
図 表 2.30 訪 日 香 港 人 の訪 問 都 道 府 県
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
都道府県
東京都
千葉県
大阪府
福岡県
神奈川県
山梨県
長崎県
宮崎県
愛知県
大分県
訪 問 率 (%)
72.7
29.0
16.9
15.2
12.1
11.3
10.0
7.8
6.9
6.9
出 典 :訪 日 外 国 人 旅 行 者 調 査 (2000 年 国 際 観 光 振 興 会 [JNTO])
③香 港 人 が訪 日 旅 行 に求 めるもの
香 港 の 人 々 に と っ て 日 本 は 、 先 進 性 ( フ ァ ッ シ ョ ン 、 都 市 )、 香 港 に
は な い 自 然 ( 温 泉 、 雪 、 四 季 の 植 物 )、 食 べ 物 ( 生 で 食 べ ら れ る 新 鮮 な
海 産 物 、繊 細 な 味 の 果 物 )そ し て 安 全 性 を 主 な 魅 力 と す る 。そ の 中 で も 、
トレンディドラマのロケ地、ファッション・化粧、食べ物(ラーメン、
回 転 す し 、さ し み な ど )へ の 関 心 が 高 い 。香 港 の 新 聞 の 娯 楽 ペ ー ジ な ど
も 常 に 日 本 の 人 気 タ レ ン ト の 最 新 情 報 で 賑 わ っ て お り 、ま た フ ァ ッ シ ョ
ン 誌 に は 日 本 の フ ァ ッ シ ョ ン や 化 粧 品 、食 べ 物 の 最 新 情 報 が 多 く 載 っ て
いる。
28
(2)香 港 におけるインターネットの普 及 率 について
イ ン タ ー ネ ッ ト 白 書 ( 2001 年 版 ) に よ る と 、 香 港 人 の イ ン タ ー ネ ッ
ト 普 及 率 は 2001 年 末 現 在 53.3%で 、 ア ジ ア の 中 で は 1 位 、 世 界 の 中 で
も 11 位 と な っ て い る 。
香 港 特 別 行 政 区 政 府 統 計 局 が 2000 年 、 2001 年 の 家 庭 IT 普 及 状 況 に
つ い て 調 査 を 実 施 し た 結 果 、 2001 年 現 在 、 香 港 の 60.6%の 家 庭 が パ ソ
コ ン を 持 っ て お り 、 48.7%の 家 庭 が イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し て い る こ と
が分かった。
一 方 、企 業 で は 、パ ソ コ ン の 利 用 率 は 49.7%、イ ン タ ー ネ ッ ト の 接 続
率 は 37.2%で 、 ホ ー ム ペ ー ジ 開 設 率 は 10.7%と な っ て い る 。
29
2−6.東 アジアにおける訪 日 旅 行 のニーズ
2−6−1.東 アジアにおける訪 日 旅 行 のニーズのまとめ
アジア各地は急激な経済発展を遂げた反動から、近年、環境への関心が高
まり、旅行面においても「自然回帰」の現象が起こっている。そこで、四季
の移り変わりが鮮やかな日本の自然についての関心が高まっている。台湾、
香 港 及 び 中 国 の 広 東 省 に お け る 北 海 道 ブ ー ム は こ の 流 れ で あ る 。ま た 、健 康
志 向 か ら 、 各 国 の 旅 行 者 は 、 日 本 の 食 文 化 に も 高 い 関 心 を 示 し て い る 。さ ら
に は 、 日 本 と 西 洋 の 文 化 と を ミ ッ ク ス し た 「 大 正 ロ マ ン 」( お し ゃ れ な レ ト
ロ)も、各国共通して人気があり、特に、個人旅行の若い観光客が、小樽、
函館、横浜、神戸、長崎の異人館等を訪れている。
各 国 別 に 見 て い く と 、韓 国 に お い て は 、若 年 層 の 日 本 嗜 好 が 高 ま っ て お り 、
日 本 の 若 者 文 化 や 、お し ゃ れ な 大 都 会 性 へ の 関 心 が 強 い 。ま た 自 然 や 温 泉 に
も人気が集まっている。特に、韓国に最も近い九州との間では「ビートル」
等 の 高 速 艇 が 運 行 さ れ 、海 路 か ら 入 国 す る 韓 国 人 旅 行 者 が 増 え て い る こ と か
ら、九州に関する詳細情報の提供が求められてきている。
熱 帯・亜 熱 帯 に 属 す る 台 湾 で は 、日 本 の 四 季 に 興 味 を 寄 せ る 旅 行 者 が 多 く 、
例 え ば 春 の 「 観 桜 」、 秋 の 「 紅 葉 狩 り 」、 冬 の 「 雪 ・ 氷 」 と の 接 触 な ど に 人 気
が集まっている。また観光地においては、大自然嗜好や、温泉、日本食の体
験 を 求 め て い る 傾 向 が あ る 。旅 行 形 態 と し て は 、家 族 旅 行 や 団 体 旅 行 が 多 い
が、若者を中心に個人旅行も増えつつある。
中国は訪日団体観光旅行が許可された北京・上海・広東省 3 地域の富裕層
が 当 面 の 顧 客 と な る 。訪 日 旅 行 未 経 験 者 が 多 い こ と か ら 、東 京 か ら 関 西 間 の
有 名 な 観 光 名 所 を 巡 る ツ ア ー の 人 気 度 が 高 い 。一 方 、中 国 か ら の 団 体 観 光 ツ
ア ー は 7 割 近 く が 新 幹 線 を 利 用 し て お り 、新 幹 線 が 大 き な 日 本 の 観 光 魅 力 と
なっていることが覗える。
香港は、カップル等の個人旅行が近年急増している。香港からの旅行者は
都 会 志 向 で 、フ ァ ッ シ ョ ン や テ ー マ パ ー ク へ の 関 心 が 高 い 。 一 方 で は 、近 年
自然回帰を起こし、自然とのふれあいを求める旅行者も増えている。
30
図 表 2.31 韓 国 、台 湾 、中 国 、香 港 における訪 日 市 場 の志 向 ・特 性
市 2000 年 外 国 旅 行 者 数
場 2000 年 訪 日 旅 行 者 数
550 万 人
韓
(人 口 約 4600 万 人 )
国
106.4 万 人
60.3 万 人
730 万 人
(人 口 約 2200 万 人 )
台
湾 91.2 万 人
80.7 万 人 (観 光 客 )
451 万 人 (1999 年 )
香 港 マカオを除 く中 国 人
中
外国人旅行者数
国
35.1 万 人
4.5 万 人
香
港
461 万 人
(人 口 約 690 万 人 )
24.3 万 人
20.5 万 人 (観 光 客 )
観 光 旅 行 の主 要 セグメント
日本旅 行への関
訪 日 旅 行 の特 徴 (団 体 旅 行 形 態 ・日 数 )
心 ・期 待
・20 代 (友 人 旅 行 )
・都 市 文 化
・30 代 ∼40 代 (家 族 旅 行 )
・日 本 食
・温 泉 体 験
・韓 国 とのゆかり
・家 族 ・親 族 旅 行
・自 然 の魅 力
・25∼35 歳 の独 身
・大 都 会 の魅 力
(友 人 旅 行 )
・四 季 ・和 風
・シルバー層 (団 体 ・個 人 ) ・買 物 ・食 文 化
・異 国 情 緒
・レトロ
・自 営 業 (オーナー・
弁 ・近 代 性
護 士 など)
・食 文 化
・外 資 系 企 業 勤 務 者
・自 然 の魅 力
・富 裕 層 (家 族 )
・買 物
・20 代 後 半 から 30 代
・テーマパーク
・大 都 会 の魅 力
(カップル)
・20 代 (友 人 旅 行 )
・家 族 旅 行
・買 物
・似 通 った文 化 の中 で安 心 して旅 行
・大 自 然 を求 める北 海 道 ツアー急 増 中
(家 族 )
・個 人 旅 行 は 81.1%と多 いが、典 型 的 な訪
日
ツアーは 3 泊 4 日
・日 本 人 にとけこんで今 流 行 の体 験 を願 う
・しゃれた大 正 ロマンを彷 彿 させる所 へも
・「これぞ日 本 だ」と実 感
・穏 やかな自 然 の風 と接 触 も
・団 体 旅 行 率 が 62.5%と高 く、典 型 的 な訪
日 ツアーは 4 泊 5 日
・昔 から有 名 と言 われる日 本 を代 表 する
魅 力 を自 分 の目 で見 て確 認
・典 型 的 な訪 日 ツアーは 6 泊 7 日
・観 光 団 体 旅 行 は 2000 年 9 月 から開 始 さ
れ 2001 年 8 月 までに約 1.2 万 人
・流 行 ・最 新 情 報 発 信 地 の大 都 会 志 向 が
強い
・最 新 の魅 力 に大 きな関 心
・ 松 島 など 自 然 の 魅 力 を求 め る 若 者 が 増
加
・個 人 旅 行 も 51.8%に 達 しているが、訪 日
ツアーは 5 泊 6 日 (夏 休 みは 1 週 間 )
出 典 :国 際 観 光 テーマ地 区 等 推 進 協 議 会 事 務 局 「てーまるーと倶 楽 部 」
31
2−6−2.東 アジア各 国 ・地 域 における訪 日 旅 行 の情 報 発 信
(1)訪 日 旅 行 に関 する情 報 発 信 の重 要 性
こ れ ま で の 調 査 か ら 、東 ア ジ ア 各 国・地 域 に 向 け て の 日 本 の 観 光 に 関 す
る 情 報 発 信 が 、今 後 ま す ま す 重 要 と な っ て い く こ と が 考 え ら れ る 。東 ア ジ
ア 各 国 ・ 地 域 に お い て は 、 東 京 ・ 大 阪 ・ 京 都 な ど の 大 都 市 や 、主 要 観 光 地
に 関 す る 認 知 度 は 高 い が 、他 の 観 光 地 に つ い て の 認 知 度 は 低 い 。今 後 、こ
の 市 場 で の 更 な る 発 展 を 目 指 す た め に 、訪 日 旅 行 に 関 す る 情 報 発 信 の 強 化
が望まれるところである。
情 報 発 信 の 手 段 と し て は 、マ ス メ デ ィ ア や キ ャ ン ペ ー ン が 中 心 と な っ て
い る が 、各 国 ・ 地 域 に お け る 情 報 化 の 進 展 や 費 用 対 効 果 を 考 慮 す る と 、イ
ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 し て い く 情 報 発 信 が 、今 後 大 き な ウ エ イ ト を 占 め る よ
う に な っ て く る と 思 わ れ る 。多 く の 情 報 を 、効 率 良 く 、リ ア ル タ イ ム に 観
光 者 に 提 供 で き る 仕 組 み と し て 、イ ン タ ー ネ ッ ト は 非 常 に 有 力 な 手 段 で あ
る 。現 在 、国 際 観 光 関 係 機 関 や 各 地 方 自 治 体 等 に お い て は 、英 語・韓 国 語 ・
中 国 語 等 、多 言 語 に よ る ホ ー ム ペ ー ジ を 開 設 し 、情 報 を 提 供 し て い る と こ
ろ が 増 え て き て い る が 、今 後 、更 な る 情 報 の 充 実 が 必 要 と な っ て く る と 考
えられる。
32
(2)東 アジア諸 国 ・地 域 のインターネットの普 及 状 況
① インターネット利 用 者 数 について
東 ア ジ ア 諸 国 で は 、 近 年 IT 化 の 進 展 が 速 く 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 利
用者が急増している。
図表2.32 2001年度アジア太平洋地域の国別インターネット利用者
ランキング(10位まで)
中国
4,893
日本
4,383
韓国
2,381
オーストラリア
1,019
台湾
992
インド
490
インドネシア
420
香港
366
マレーシア
360
シンガポール
(万人)
193
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
出 典 : イ ン タ ー ネ ッ ト 白 書 2002 年 版
33
② インターネット普 及 率 について
世 界 の イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 率 で 見 る と 、ア ジ ア で は 、香 港( 11 位 )、
韓 国( 13 位 )、台 湾( 17 位 )、日 本( 25 位 )と い う 順 位 と な っ て い る 。
中 国 は 人 口 母 数 が 大 き い た め 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 率 が 低 く 、イ ン タ
ー ネ ッ ト 白 書 ( 2002 年 版 ) に は 反 映 さ れ て い な い が 、 イ ン タ ー ネ ッ ト
の 利 用 者 数 は 4,890 万 人 に も な る 。さ ら に 中 国 情 報 産 業 部 の 資 料 に よ る
と 、 中 国 で は 現 在 IT 産 業 の 発 展 が 著 し く 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 利 用 者 が 毎
年 大 き く 増 加 し て お り 、 2005 年 に は 利 用 数 が 2 億 人 に 達 す る 見 込 み で
ある。
順位
1
2
…
11
…
13
17
…
25
…
不明
図 表 2.33 インターネット普 及 率
(2001 年 末 現 在 )
国 (地 域 )
普 及 率 (対 人 口 比 %)
スウェーデン
64.9
アイスランド
61.8
…
…
香港
53.3
…
…
韓国
50.4
…
…
台湾
44.8
…
…
日本
34.7
…
…
中国
3.8
出 典 :インターネット白 書 2002 年 版
※中 国 の普 及 率 は利 用 者 数 及 び中 国 の人 口 数 により作 成 したものである
34
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