...

推進協議会パンフレット - とちぎフードイノベーション

by user

on
Category: Documents
22

views

Report

Comments

Transcript

推進協議会パンフレット - とちぎフードイノベーション
地域イノベーション戦略支援プログラム事業
組織概要
事業推進体制
とちぎフードイノベーション推進協議会
一般社団法人 栃木県商工会議所連合会、栃木県商工会連合会、栃
木県中小企業団体中央会、公益社団法人 栃木県経済同友会、一般
社団法人 栃木県食品産業協会、栃木県農業協同組合中央会、全国
農業協同組合連合会 栃木県本部、公益財団法人 栃木県農業振興
公社、一般社団法人 とちぎ農産物マーケティング協会、株式会社
足利銀行、株式会社 栃木銀行、国立大学法人 宇都宮大学、公益財
団法人 栃木県産業振興センター、
栃木県
会長
福田 富一
とちぎフードイノベーション推進協議会
◇会長 福田 富一
(栃木県 知事)
栃木県産業振興センター
◇プロジェクトディレクター
伊藤 勤
地域
イノベーション戦略
外部評価委員会
総合調整機関:公益財団法人 栃木県産業振興センター
プロジェクト
ディレクター
とちぎフードイノベーション推進室
地域連携コーディネータ
支援プログラム
事業
実用化促進コーディネータ
国からの支援
中核を担う研究者の集積
(研究者招へい)
輸出に対応した
生産流通技術
機能性成分の探索
評価技術の確立
収穫後生理と
成分変化
知のネットワーク構築・運営
とちぎフードイノベーション推進協議会
●研究開発支援 ●知財化支援 ●事業化支援 ●地域連携支援
研究設備・機器等の共有化
地域事業
人材育成、海外販路の開拓
いちご新品種の育成、栽培・流通技術の開発
いちごの機能性を活かした新商品の開発
連絡・
問い合わせ先
文部
科学省
栃木県
栃木県農業試験場
同場いちご研究所
栃木県産業技術センター
宇都宮大学
佐野短期大学
帝京大学
獨協医科大学
㈱足利銀行
㈱栃木銀行
栃木県産業振興センター 等
総合調整機関:
公益財団法人 栃木県産業振興センター とちぎフードイノベーション推進室
〒321-3226 宇都宮市ゆいの杜 1-5-40 TEL 028-689-9747 FAX 028-689-9748
E-mail [email protected] URL http://www.tochigi-iin.or.jp
(2015.10)
ご 挨 拶
とちぎフードイノベーション推進協議会会長
栃木県知事 福田 富一
栃木県は、豊かな農産物や豊富で良質な水
に恵まれており、このポテンシャルを最大限
に活かし、 食 に関連する産業の振興を図る
ため、 フードバレーとちぎ の取組を推進し
ております。
このような中、産学官金の関係機関が連携し、食に関する持続的な
イノベーションの創造による食品関連産業の活性化等を通じて国内外
での競争力の強化を図るため、この協議会を設立いたしました。
本協議会では、「研究者の集積」「知のネットワーク構築」「人材
育成」「研究設備・機器等の共用化」を大きな4つの柱として、日本
一の生産量を誇る「いちご」を活かし、生産・加工・流通の各分野
で、付加価値の高い新商品・新技術の開発を推進していくこととして
おります。
これらの取組の成果が一日も早く実を結び、とちぎの「いちご」が
日本国内はもとより、世界へ羽ばたくことを目指しております。
1
“とちぎフードイノベーション戦略”の推進
―とちぎから世界へ―
巻頭言:
伊藤 勤 プロジェクトディレクター
栃木県は首都であり大消費地である東京圏に近接
する立地条件等に恵まれ、高度な技術を誇る地元企
業の集積と日本を代表する数多くの進出企業が地域
の雇用と経済を支える「ものづくり県」として、ま
た、イチゴや二条大麦、生乳生産量等が全国最上位
の位置を占め、米麦、野菜、畜産のバランスがとれ
た首都圏の食糧基地として発展しています。
現在、これらの強みと特色を生かし、地域経済の持続的発展を図るため、製造
業では自動車、航空機、医療機器、光及び環境産業等の重点5分野の振興に取り
組むとともに、 食 関連産業が地域経済の活性化を牽引する フードバレーとち
ぎ の実現に向け、新商品開発、高付加価値化、国内外市場での販路拡大等に関
する取組が産学官金連携により強力に進められています。
私たち「とちぎフードイノベーション推進協議会」は、このうち栃木県が生産
量日本一を誇る「いちご」を活用し、生産から加工、流通までの一貫した持続的
イノベーションを創出することで、関連産業の活性化と国内外での競争力を強化
し、 フードバレーとちぎ の実現に寄与することを目的として、文部科学省の地
域イノベーション戦略支援プログラムによる支援をいただきながら活動していま
す。
キーワードは「とちぎから世界へ」です。
「日本一のとちぎのイチゴ」を「世界市場に展開」するため、輸出に対応した
安心・安全な生産技術の開発、長期輸送中の収穫後生理と健康増進成分の変化、
輸出促進を目指した機能性成分の探索・評価等に関する研究開発と実用化・商品
開発を進め、世界市場の獲得を目指します。
2
地域イノベーション戦略支援プログラム事業
研究者の集積①
研究者の集積③
高CO 2
高濃度炭酸ガスによる病害虫防除技術の実用化
宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 加藤 寛 特任研究員
機能性
機能性成分の評価技術確立と探索・作用機構の解析
宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 矢ヶ崎 一三 特任教授
宇都宮大学応用昆虫学研究室で培われた技術を利用して代表取締役を村井 保(元国立大学法人宇都宮大学
農学部教授)
として株式会社アグリクリニック研究所を立ち上げました。
イチゴ苗に対する高濃度炭酸ガス処理のため、
●日本液炭が開発したファスナーバッグを利用し500∼8000株と生産者の規模に合わせた高濃度炭酸ガス処理
を可能にしました。
●空気気密性のあるフィルムで角底袋を作成しイチゴ苗を覆い、底に水を入れ密閉し、炭酸ガスを注入する装置(水
封式処理装置)
を宇都宮大学で開発しました。
これを夜冷庫でも処理できる装置を日立AICが商品化しました。
簡易水封式いちご苗炭酸ガス処理システム
「ポリシャインSB」
研究者の集積②
ウイルスベクター
宇都宮大学 副学長 夏秋 知英 教授
ヒトと同じように、植物もウイルスに罹り病気になります。
イチゴも以前はウイルス病で被害を受けていました
が、昭和40年代に栃木県内におけるウイルスフリー苗の配布体制が整って以来、通常の栽培では発生しなくなり
ました。
ところで、
イチゴはたった1回の交配で新品種が作出できる手軽さから、多くの県で品種育成が行われていま
す。
このため、各県独自のオリジナル品種が乱立する
「イチゴ戦国時代」の様相を呈するとともに、
「とちおとめ」
や
「さがほのか」、
「あまおう」など作付け上位品種の品質が高くなっているため、従来の育種技術と規模ではこれ以
上の品種改良は難しい状況です。
また、
「とちおとめ」の育成者権が切れて自由に利用できるため、他府県や諸外
国でも
「とちおとめ」が栽培できるので、潜在的な脅威にもなっています。
このため、
イチゴの育種を遺伝子レベル
から迅速化するために、
DNAレベルで効率的に遺伝子を解析する独自技術の確立が必要とされています。
しかしイチゴは、
イネや研究専用のシロイヌナズナといった植物と異なり、遺伝子機能解析技術が確立されてい
ません。
また普通の植物と異なり、栽培用のイチゴ品種は異質8倍体という複雑なゲノム構造であることが難しさ
に拍車をかけています。そこで本研究では、複雑なゲノム構造を考慮す
ることなく解析が可能で、
かつ効率的で汎用性の高いウイルスベクター
を開発することを目的としています。開発を目指すウイルスベクターは
2種類で、ひとつはイチゴの遺伝子を阻害することによって失われる機
能からその遺伝子の情報を解明する、内在遺伝子抑制型ベクターです。
もう一つは、そのイチゴの有していない遺伝子をウイルスに持たせて新
たな機能をイチゴに付与する、外来遺伝子発現型ベクターです。
なお、
イチゴのウイルスはヒトだけでなく他の農作物にも感染しませ
『ウイルスベクターを炭疽病耐病性
イチゴ品種へ遺伝子銃で接種(イメージ図)』
んし、
ウイルスベクターはイチゴの遺伝子解析にのみ用います。
3
いちごの輸出促進を目指し、機能性の評価と用途開発の研究を進めています。いちごの花托(果実)成分に限ら
ず葉、根、茎、種子などに含まれる成分についても分析を行い、生理機能の有無を評価します。生理機能の評価に
当っては、既知および新たに確立する評価系を用いて、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病およ
び加齢と紫外線による皮膚加齢の予防・軽減化に重点を
置いて実施します。本研究で構築された機能評価系は、他
の農産物にも適用できます。
また、培養筋細胞を用いる加
齢性筋肉減少症研究の支援を行います。
生活習慣病は、肥満症、
2型糖尿病、脂質異常症、高血
圧、高尿酸血症、がんなどが例として挙げられます。超高齢
社会にあっては健康寿命の延伸と医療費の社会経済的な
負担低減のために、加齢に伴う疾患の予防・発症遅延が必
須です。
2型糖尿病は経済発展著しいアジア地域をはじめ
世界的に増えており、その予防は医療費抑制に貢献しま
す。
また、高機能性かつおいしい栃木産や日本産いちごの
輸出増加にも寄与すると期待されます。
研究者の集積④
機能性
農産物に含まれる機能性成分による加齢性筋肉減少症
宇都宮大学 農学部 吉澤 史昭 教授
(サルコペニア)の予防・改善
わが国は、生活水準の向上と医療技術の進歩・普及により、世界一の長寿国となり、寿命を脅かす疾病は、感染
症から生活習慣病へと移ってきました。高齢者における生活習慣病を引き起こす根本的要因の一つは、加齢とと
もに進行する骨格筋の量および機能(筋力)の低下(サルコペニア)
であり、運動習慣や食生活の改善によるサル
コペニアの予防・改善が試みられています。
これまでに、サルコペニアの予防
や改善に効果がある食品成分として茶カテキンやレスベラトロールなどのポリ
フェノールが報告されており、いちごを始めとした農産物に含まれるポリフェ
ノールにも同様なサルコペニアの予防・改善効果が期待できます。
本研究は、超高齢社会がかかえる健康問題の根本的要因の一つであるサル
コペニアを、栃木県産・国産の農産物、あるいは農産物に含まれる機能性成分
の摂取で予防・改善することを目指すものであり、先ずは栃木県の代表的な農
産物であるいちごに注目して研究を進めます。いちごは多くの人に愛される果
物ですが、その美味しさの秘密がどこにあるのかは未知であり興味深い。サル
コペニア抑制に関する研究と平行して、いちごの美味しさの秘密をひも解く研
究も進め、
機能性成分を美味しく摂取出来る農産物の開発に繋げることを最終
目標にしています。
4
地域イノベーション戦略支援プログラム事業
研究者の集積⑤
機器の共用化
流通
宇都宮大学 農学部 山根 健治 教授
いちご果実の長期輸送中の収穫後生理と健康増進成分の変化
宇都宮大学 農学部 山根 健治 教授
輸出や新たな国内流通の拡大を目指して、
いちごの収穫後生理について研究しています。
研究設備・機器の共用化(宇都宮大学)
このたび宇都宮大学では
「とちぎフードイノベーション戦略推進地域」
を研究支援の立場か
ら強力に推し進めるために、食品総合分析室(仮称)
を設置します。地域共生センター先端計測
分析部門と共に、大学が保有する研究設備や分析・解析機器を地域の食品加工企業の研究者
や地域の農業生産者の皆様にもご利用いただける環境を整備します。
食品総合分析室では、農産物や加工食品の各種の特性試験を始め、食品組成の精密な分
析・解析サービス等を行う予定です。分析手法の選択や分析試料の調整に不安がある場合も
専門スタッフのサポートを受けることも可能です。お気軽にご相談いただき、食品総合分析室
の学外向け分析・解析サービスを積極的にご利用いただくようご案内申し上げます。
主な分析内容と装置
1)収穫後果実の鮮度指標となる栄養成分の探索
貯蔵中の とちおとめ(上写真)および スカイベリー 果実の糖度(Brix)、可溶性糖含量(ブドウ糖・果糖・ショ
糖)、果実硬度、果実色(L*・C* ・h・ a*・b*)、還元型アスコルビン酸含量、酸度、食味などの変化について調査し
●ガスクロマトグラフィ
●高速液体クロマトグラフィ
(物質の性質や量の測定) 質量分析装置など
成分分析
ています。 高速液体クロマトグラフ質量分析装置(LCMS)
2)貯蔵中のいちご果実への各種処理の影響
着色が十分でない早いステージでいちご果実を収穫すると鮮度保持期間は長くなりますが、外観品質は劣り
ます。そこで、LED照明が収穫後のいちご果実の色に及ぼす影響について検討しています。
分光分析
●紫外可視分光光度計 ICP発光分析装置
(分光特性による定量) ●フーリエ変換赤外分光光度計
また、いちご果実の鮮度保持におけるエチレンの影響を調査するため、1-メチルシクロプロペン(1-MCP)処
理によりいちご果実の貯蔵中のエチレンの作用を抑制し、鮮度保持の向上を試みています。
3)MAP処理がイチゴ果実の鮮度保持に及ぼす影響
イチゴ果実の鮮度保持におけるMAP(修正空気包装)処理の効果を検証し、長期保存や輸出への利用を検討
顕微鏡
(高倍率で観察)
●蛍光顕微鏡
●走査型電子顕微鏡
(SEM)
など
蛍光顕微鏡
しています。とちおとめ の完熟果実において各種のフィルムと初期ガス組成を組み合わせて検討しています。
MAP処理により顕著な腐敗防止効果が認められました。2週間後まで食味を確認したところ、初期CO2濃度が
高い低透過性フィルム区では発酵によると思われる味の変化が認められました。
イチゴの味と鮮度を保つ好適
な条件について探っています。
放射能測定
(安全性の確認)
●ゲルマニウム検出器
●Nalシンチレーション食品分析機
●リアルタイムPCR
キャピラリーシーケンサー
(遺伝子配列、
発現量解析) ●次世代シーケンサー
ゲルマニウム検出器
遺伝子分析
物性測定、
環境調節など
収穫3週間後
(対照)
5
3週間後
(MAP処理)
2ヶ月後
(MAP処理)
キャピラリーDNAシーケンサー
●粒度分布測定器 マイクロレオロジー計
●温度調節ガラス室 人工気象室など
次世代シーケンサー
6
地域イノベーション戦略支援プログラム事業
ベンチャー①
知のネットワーク
病害虫防除
社名 株式会社 アグリクリニック研究所
①「全国コーディネート活動ネットワーク」
(文部科学省産学連携支援事業)への登録
平成26年8月時点:栃木県登録コーディネータ 4名
所 在 地: 〒321-0935 栃木県宇都宮市城東2丁目10-2
平成27年3月現在:同 9名(非公開希望者3名含まず)
TEL・FAX: 028-680-6450
②「食品研究者等データベース」
への登録
代 表 者: 代表取締役社長 村井 保
創
CO2処理
年2月1日
業: 2015(平成27)
平成26年8月時点:栃木県登録研究者 5名、食品加工研究者 3名、地域素材 5件
平成27年3月現在:栃木県登録研究者 8名、食品加工研究者 3名、地域素材 6件
事業内容
③ セミナー開催
●農業コンサルティング業 ●高濃度炭酸ガス処理の請負
・平成26年10月28日:食品・農産物の機能性戦略セミナー(出席者:約140名)
●病害虫のモニタリング ●生物農薬等の販売斡旋と使用方法の指導
・平成27年 1月21日:地理的表示制度とブランド化セミナー(出席者:約90名)
●新規防除技術の研究開発
④ 展示会
ごあいさつ:環境にやさしい病害虫防除を目指して…
非処理
・平成26年11月12-14日:アグリビジネス創出フェア
(東京ビッグサイトA)
ブース出展
化学農薬が誕生してから半世紀以上が経過した現在、害虫の防除は昔に比べ厳しいものとなっています。その
・平成27年 2月18-19日:地域イノベ・シンポジウム
(福岡市)
ブース出展
理由としては害虫の農薬への抵抗性の発達が挙げられます。私たちは化学農薬を用いない技術の開発を進めて
⑤ ホームページ/ブログ立ち上げ
きました。そして、
イチゴのハダニに対して高濃度炭酸ガスを用いることで完全防除することに成功しました。
化学農薬に頼らない、持続可能な農業を応援しています。
(村井 保)
ベンチャー②
容器
社名 合同会社 工農技術研究所
所 在 地: 〒321-8585 栃木県宇都宮市陽東7丁目1番2号
宇都宮大学 地域共生研究開発センター内
TEL/FAX: 028-689-6328/028-689-6327
代 表 者: 代表取締役社長 寺門 孝
創
業: 2014(平成26)
年10月31日
事業内容
●イチゴをはじめとする農産物およびその搬送資材、それを利用した流通技術などの提供
●農業ロボット、搬送ロボット、その他各種ロボット及び農産物等の検査や評価装置の開発、製造、販売
●上記に関連する研究開発、コンサルティング、エンジニアリング、その他技術の開発及び農産物の認証システムの開発、販売
●上記に付帯関連する一切の業務
ごあいさつ:日本産イチゴの超高品質世界展開技術を目指して
イチゴは日本国内で独自進化を遂げ、外観・食味とも非常に高い農産物に変化しました。
しかし、海外輸出では品質
低下のため、消費者に本来の美味しさを届けられませんでした。
私たちは日本産大粒イチゴを完熟状態で品質を損なうことなく流通可能な技術を開発しました。日本産イチゴは、
海外でStrawberryではなくIchigoとしてブランド化することを目指し、高品質農業生産を応援します。
(柏嵜 勝)
7
初年度
平成27年 3月23日
知のネットワーク
今後の計画
宇都宮大学、帝京大学、獨協医科大学、佐野短期大学、栃木県農業試験場いちご研究所、栃木県産業技術セン
ターと大学コンソーシアムとちぎ会員等との知のネットワークを構築し、市場動向の把握、地域企業や大学間の連
携や共同研究につなげていきます。
このため、知のネットワーク構築と運営を担う地域連携コーディネータ1名と実用化促進コーディネータ1名の
合計2名のコーディネータを総合調整機関に配置しています。地域連携コーディネータは技術移転を促進する立
場からプロジェクトディレクターを補佐し、
プロジェクトの推進、進捗管理を行います。
また、地域連携コーディネー
タは大学等の産学官連携コーディネータと連携し、各大学等研究機関との連携に必要な技術や知財等の情報収
集、情報交換、各地域との連携事業の企画運営および知財の管理活用等を行います。実用化促進コーディネータ
は参画する民間企業を開拓するとともに、企業と連携して適宜、情報交換会、
セミナーや勉強会、展示会などを企
画・実施し、研究成果の事業化を促進します。
アジアおよびEU諸国など海外の市場調査も栃木県や農業団体等と
協力しながら行います。
今後は、一般社団法人 食品需給研究センターの運営する
「食品研究者等データベース」
に教育機関や公的試
験研究機関の食品研究者の登録を促し、少なくとも50名程度の登録を目指す
(平成26年8月時点の栃木県登録
者数は5名)。
それによって、
栃木県内の食品関連研究者のネットワークを広げ、強化します。
8
地域イノベーション戦略支援プログラム事業
人材育成
人材育成
栃木県
宇都宮大学
宇都宮大学 副学長 夏秋 知英 教授
栃木県では、実践力強化に重点を置いたセミナーや香港におけるスキルアップ商談会(食品
本事業では、単にイチゴの国際競争力を高めるための研究を総合的に進めるだけでなく、農業生産
関連企業対象)等、1年を通じた入門から実践までのきめ細やかなプログラムによる
「グローバ
を輸出産業として育成するために、持続的に研究を進めてその成果を地域企業に移転し、さらに国際
ル人材育成支援事業」
を以下のとおり実施して、経済活動のグローバル化に対応し、企業の海
外展開を担うことのできる人材の育成を図ります。
マーケティングや輸出への対応などを担う様々な人材を育成する必要があると考えています。そこで
宇都宮大学は、栃木県のグローバル企業人材育成支援事業や企業説明会に協力するとともに、地域連
携教育研究センターの公開講座を開催し、企業人材および若手人材の育成をはかります。
また、宇都宮
大学ではキャリアフェスティバルなどの企業説明会を開催し、
1次産業から6次産業まで、
すなわち農業
生産現場から食品関連企業、物流企業、農作業用機器資材企業に至るまで、多種多様な企業の参加を
グローバル企業人材育成支援事業
促します。
また、学部の1年生から栃木県いちご研究所や県内の先進的ないちご生産者の見学を行い、新品種
開催時期
講座名
内 容
「スカイベリー」の栽培上の課題や注意点について現地で学ぶようなカリキュラムを整えます。同様に、
栃木県名産の梨生産者を見学し、生産、加工、販売など6次産業化の実際に関しても学びます。
7月
販路開拓
スタートアップセミナー
海外販路開拓を目指すために必要
な貿易の基礎知識の習得
さらに学部4年生から大学院生では、いちごの生理や品質保持、機能性成分、
ウイルスベクターなど
といった本事業に直接関係する研究に従事し、食品関連会社や栃木県農業試験場との共同研究に参加
することによって、共同研究の実際面について身につけるとともに、社会人としての心がけについても
学びます。
9月
香港食品市場
リサーチセミナー
香港の商談会出展に向け、香港の食
品市場の現状についての情報収集
次いで、栃木県下19大学が参加する
「大学コンソーシアムとちぎ」
と栃木県が推進する
「とちぎグ
ローバル人材育成プログラム・基礎コース」
「同・上級コース=トビタテ!留学JAPAN地域人材コース」
の活動を通して、今後のグローバル化に対応できる人材を育成していきます。その結果、企業の商品開
発部門担当、技術開発部門担当、
6次産業化に取り組む農業生産法人、金融機関のマーケティング担当
9月
商談会
事前準備セミナー
市場調査・マーケティングの重要性、
価格表作成、食品輸出時の法規制、
プレゼン練習及び自社製品の特徴の
整理等、商談会に向けて準備すべき
ことを習得
者、
日本産の「いちご」の品質の高さを海外の消費者に訴求できるような英語版資料作成者、異業種が
連携して商品開発(技術開発)する際の企画やコーディネートを行うことの出来る人材を養成することを
目的としています。
そして将来の食・農・環境保全と国際競
争力の基盤を担う地域人材の育成につい
11月
スキルアップ商談会
in香港
セミナー受講者の実践の場として、
香港において栃木県主催の商談会
を開催
ては、宇都宮大学農学部が北関東(栃木
県内)の農業系・普通系高等学校と連携し
て、
バイオ・農学系高大連結推進プログラ
ム、あるいはグローバルサイエンスキャン
パス事業(iP-U)の活動により、若い次世
11月
フォローアップセミナー
今後の商談成約、販路開拓に繋げる
ため、商談時の課題等について総括
代の人材育成を目指します。
このように、宇都宮大学は、地域に貢献
する人材育成と、共同研究等の推進によ
るイノベーション創出の二つを推進する
ことが、地域創成の両輪と考えています。
9
10
Fly UP