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「食品学総論および各論」の過

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「食品学総論および各論」の過
 第 2 1 回 ( 平 成 1 8 年度)管理栄養士国家試験対策 2006 年 11 月 6 日
食べ物と健康「食 品 学 総 論および各論」の過去問題の解説とポイント 藤女子大学 知地英征
食 べ 物 と 健 康 (参考図書 食べ物と健康 I, II, III(三共出版))
( 食品学(総論、各論)、食品加工学、食品機能学、調理学、食品衛生学)
教 育 目 標�
食品の各種成分を理解する。また、食品の生育・生産から、加工・調理を経て、人に摂取されるまでの過
程について学び、人体に対しての栄養面や安全面等への影響や評価を理解する。
・人間と食べ物の関わりについて、食品の歴史的変遷と食物連鎖の両面から理解する(新設)。
・食品の栄養特性、物性等について理解する。
(食品学総論、食品学各論:食べ物と健康 I 及び I I)
・新規食品・食品成分が健康に与える影響、それらの疾病予防に対する役割を理解する。
(食品加工学、食品機能学:食べ物と健康 III)
・栄養面、安全面、嗜好面の各特性を高める食品の加工や調理の方法を理解して修得する。
(食品加工学、調理学)
・食品の安全性の重要性を認識し、衛生管理の方法を理解する。(食品衛生学)
出 題 の ね ら い�
専門科目における学習内容を効果的に修得し、実践に向かうより高度な応用力を身につけるために、基
本的な食品ならびに食品の持つさまざまな情報について理解していることが求められる。
それゆえ、専門基礎科目である、「食べ物と健康」では、その基礎となる食に関する基礎概念と知識・
技能に関する事項を評価することを出題のねらいとする。
1)食品に含まれる各種成分の化学構造ならびに物性 、 その栄養素供給源としての働きや健康に対する働
きかけ(食 品 の 機 能 性)についての理解を問う。
2)食品の生産から加工 ・ 調理を経て、人に摂取されるまでの一連の過程及び人体に対しての栄養面や安
全面等への影響に関する項目について出題する。
3)管理栄養士の実践活動としての表現形である食事設計の基本について、栄養素補給、嗜好特性、安全
性、合理性の向上という諸側面を理解しているかを評価する。いわゆる「健康食品」の有効性・安全性に
ついては、科学的根拠に基づいて対応できることが管理栄養士に期待されることから、少なくとも、その
重要な用語とその概要を理解していなくてはならない。 4)食生活の基盤を支える食品の安全性について、その重要性と安全性確保の方法、衛生管理の方法など
についての知識を問う。
五訂日本食品標準成分表(以下、五訂という)が見直され、五訂増補日本食品標準成分表(以下、五訂増
補という)に変更された箇所(収載成分項目、算出方法など)があるので、注意する。
資料の見方
1)資料中のマークは、e-learning に、資料の掲載と音声が入力されています。
2)平成 17 年度に出題(05-150):平成 17 年度国試 150 番目の問題
3)理解度チェックの解答と解説は、資料の最終ページに掲載してある。□□は自分でのチェック箇所に
使って下さい。
4)理解の助けになるために cf.の項目を追加してあるが、この講習会では、説明を省略することがある。
-1-
第 1 章 人間と食品 1 - 1 食 品 の 歴 史 的 変 遷
人間が生きるための食糧確保→食物の選択→農業、畜産、水産の発展(食物の安定確保) 20 世紀後期「緑の革命」…穀物類の多収量品種の開発によって穀物収量の劇的増加
日本人の食生活の歴史
稲作開始(主食に米、主菜に豆、魚介類、副菜に野菜、海草)→(第二次世界大戦)→食糧難
→(1960 年代の高度成長)→食品加工と保存技術の発達、輸入品の増大→食生活の欧米化
→動物性食品摂取の増大→(女性就労者の増大、核家族化)→食の簡便化(ファーストフード、
冷凍食品、レトルト食品)→肥満など生活習慣病の増加
1 - 2 食 物 連 鎖☆
生物における食べ物の相互関係を、食べるもの(捕食者)と食べられるもの(被食者)との関係
として捉え、順々に1つの系列として示したものを食 物 連 鎖 ( フ ー ド チ ェ ー ン )という。
土壌→微生物(分解者)→植物・プランクトン→草食性動物・魚類→肉食性動物・魚類
(生産者) (消費者) (消費者)
人(消費者) 人は食物連鎖の頂点に立っているが、食物連鎖を通じて生 物 濃 縮された高濃度の有害物質
を最終的に体内に取り込む危険性がある。
(メチル化水銀による水俣病、ポリ塩化ビニル(PCB)による中毒症、貝毒による食中毒)
1 - 3 食 べ 物 と 栄 養 食品には身体に必要不可欠な栄養素が含まれており、その種類は炭水化物、たんぱく質、脂質、
ミネラル、ビタミンの5種である。
栄養素の持つ機能は、体内での働きによって大別すると以下の3つに分類される。
生
① 活 活 動 の エ ネ ル ギ ー 源:炭水化物、たんぱく質、脂質。
身
② 体 の 構 成 成 分:たんぱく質、ミネラル、脂質。
身
③ 体 の 機 能 調 節 成 分:ビタミン、ミネラル。
cf. 食品 には、 栄養性の他に、 嗜好性や機能性を有しており、 特に、 近年、 食物繊維やポリフェノールなどの非栄養
成分 に関し、 その機能性が明らかにされ、 人にとって重要な成分であることがわかってきている(食物繊維は、第六
の栄養素と呼ばれるようになってきた)。
1 - 4 食 嗜 好 の 形 成
食嗜好の形成に関わる要因:先天的要因と後天的要因
1 ) 先 天 的 要 因 食 嗜 好(生まれもった食嗜好):人種、性別、体質、5原味等。
(甘味や塩味等:生理的欲求による受容。苦味、酸味等:生体防御の機能)
2 ) 後 天 的 要 因に よ る食 嗜 好(食経験など):食べ物の味、香り、テクスチャー等の積み重ねの知覚が、
生理的快感として記憶され食嗜好を形成する。そのほか、食べた時の食事環境、とくに好ましい集団との
食事は心理的快感として記憶され、また、地域の気候風土や習慣、社会の流行現象、健康情報等の環境要
因や社会要因の影響を受けて食嗜好が形成されていく。
-2-
加齢による食嗜好変化の理由:生理的要因のみだけでは説明がつかず、社会的・家庭的立場の変化、ある
いは食に対する考え方の変化等も影響している。
1 -5 食 料 と 環 境
1 ) ト レ ー サ ビ リ テ ィ☆☆
近年の情報通信技術と輸送手段のめざましい発展によって、世界各地の食資源(農水畜産物)が、短時
間で我が国の食卓に届くようになった。一方では、BSE 問題や食原料の原産地偽装表示問題など、消費
者の食の安全性への信頼感を失われる事件が勃発した。
そこで、生産者と消費者の間の情報交換を交換しあえるシステム(ト レ ー サ ビ リ テ ィ:Traceability)
が構築され、消費者が食品の生産、加工、流通の各段階の情報を遡って検索できるようになった。
2 ) フ ー ド マ イ レ ー ジ と 地 産 地 消☆☆
食料が生産地から食卓に届くまでに、輸送に伴う膨大なエネルギーが費やされる。
エネルギーの消費は地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出を伴い、地球環境に大きな影響をもたら
す。このため、環境負荷の要素を加えた指標として提唱されたのがフ ー ド マ イ レ ー ジ(食料総輸送距離
=農産物輸入量×輸送距離)である。我が国のフードマイレージは輸入量が多いことからも他国と比べ、
かなりこの数値が大きい。
cf フードマイレージは、輸出国から我が国までの輸送距離であるが,ここでは便宜的に,それぞれの国・地域の首都から東京までの直線距離
(両都市間の大圏距離)で 試算している。
日本、韓国、米国のフード・マイレージ(2000年)
日本:5,000 億トン・Km(各都市から東京、食料輸入量は 5,300 万トンとして計算)
韓国:1,500 億トン・Km(日本の 3.3 分の1)
米国:1,400 億トン・Km(3.6 分の1)
このため、最近では、地 産 地 消(地場生産・地場消費の略:地域で採れた食資源を地域で消費する)
やス ローフ ー ド(伝統的な地場食品を守る)の考え方が浸透しつつあり、消費者も、環境のことを考え、
環境に配慮した商品の選択、購買を行なうグリーンコンシューマー(緑の生産者)としての意識を持つこ
とが重要となっている。
cf. 地場地消(地場消費):地場でとれるもの、地場で優れた産品を地元の人が消費すること。
スローフード:この語は、ファストフードと対立するものという意味で作られたが、決してファストフードを否定・
排斥 するものではない。 グローバリズム(地球規模化)には、 ローカリズム(地域密着主義)を対置させる。その意
味では、村おこし運動などとも関連がある。シンボルマークは、カタツムリである。ゆっくり、のんびりと、の意。
食品の製造・流通・消費時の調理残存等による食品廃棄が増え、同時に食品容器や包装も廃棄物として
増加しており、環境問題となっている。食品廃棄物の排出量は、家庭から約 1,000 万トン、食品流通・
外食産業から約 600 万トン、食品製造業から約 350 万トンと推定され、食料供給料の約 6,600 万トン
に対する排出量は約 30%である。また、食 品 ロ ス 率も約 5%である。ごみの減量や資源リサイクルの観
点からも、排出抑制に取り組むとともに食品のリサイクルシステムの確立が重要となっている。
問題 1 食料と環境に関する記述である。正しい組み合わせはどれか。
a 食品ロス統計調査結果によると、世帯食の食品ロス率は年々増加している。
b わが国は輸入量が多いことからフードマイレージが大きい。
c 地域でとれた食品を、地元で消費する運動を地場消費という。
d フードマイレージは、輸入先の食料が出荷された国の首都から、東京までの直線距離と
その食料の輸入量を掛けたものである。
-3-
(1)a と b (2)a と c (3)b と c (4)b と d (5)c と
管理栄養士国家試験の傾向と対策 2007(南江堂)を改編した 解説 a 年々減少し、現在約 4%である。
b フードマイレージとは「農産物輸入量×移動距離(首都から東京までの直線距離)」のことであり、
環境負荷の要素を加えた指標である。すなわち、輸送にエネルギーを費やすと、その分環境を汚染するこ
とを意味する。
d 輸入先の首都から東京までの直線距離で試算している。 答(4)
第 2 章食品成分表
2 - 1 五訂増補日本食品標準成分表
五訂日本食品標準成分表(以下、五訂という)が見直され、五訂増補日本食品標準成分表(以下、五訂
増補という)に変更された箇所(収載成分項目、算出方法など)があるので、注意する。
主な変更点
収載食品の一部についての見直し。
①
全収載食品 1 , 8 7 8 種 (五訂では、1,882 種)☆★ 覚え方 いやなやつ(1878)
品群:1 8 食 品 群。配列は、植物性食品、動物性食品、加工食品の順に改めた(五訂も同じ)
食品群の名称のうち、「獣鳥鯨肉」を「肉類」に変更した(五訂も同じ)。
◎収載されている成分値:年間を通じて、普通に摂取する場合の全国的な平 均 値であり、
「1 食 品 1 標 準 成 分 値 」を原則とする。
ただし、ほうれんそうやかつおなど旬 の あ る 食 品については、季節に
よる差異が明記してある。
収載成分のうち、ビタミンAについて、レチノール当量の算出方法の改正。収載成分としてレチノール、
②
レチノール当量、β- カロテン当量(カロテン表示)だけでなく、α- 、β- カロテン、クリプチキサン
チンの成分値も収載。
ビタミン E について、α- トコフェロール当量表示ではなく、α- 、β- 、γ- 、δ- トコフェロールの
成分値を収載。
参考表 五訂増補成分表で変更した収載成分項目
成分項目等
ビタミン A
収載成分
五訂成分表(初版)
レチノール
五訂増補成分表
レチノール
β-カロテン 当量( カロテンと記 α-カロテン
載)
β-カロテン
レチノール当量
クリプトキサンチン
食事摂取基準
2005 年版
食事摂取基準 としては 、 レチノ ール当
量を指標として用いられている。
β-カロテン当量
レチノール当量
レチ ノ ー ル 当 量 レチノ ー ルとβ -カロテン当量に レチノ ー ル と β-カロテン 当量 に係数 レチノ ー ル と β -カロテン 当量 に 係 数
ビタミン E
の算出方法
係数 1/6 を乗じたものとの合計
1 / 1 2 を乗じたものとの合計
1 / 1 2 を乗じたものとの合計
収載成分
α-トコフェロール当量
α-トコフェロール
食事摂取基準としては、α-トコフェロー
β-トコフェロール
ルを指標にしている。
γ-トコフェロール
δ-トコフェロール
2 - 1 理 解 度 チ ェ ッ ク (プリントの最終ページに解答があります)。
-4-
1)□□食品成分表の成分値は、その食品の可食部 100g 当たりの数値が 1 食品 1 成分値の原則で
示されて(いる、いない)。
2)□□デヒドロアスコルビン酸(酸化型)の生物的効力は L-アスコルビン酸(還元型)と同等と
(見なす、見なさない)。
3)□□アスコルビン酸の数値は還元型と酸化型の合計値(総ビタミンC)で表示されて
(いる、いない)。
4)□□ビタミン E は、(α∼δ-トコフェロールの成分値、α-トコフェロール当量)を収載して
いる(五訂増補)。☆☆
5)□□脂肪酸の飽和、一価不飽和、多価不飽和で表示されている。その合計値は、脂質量に(等しい、
等しくない)。
☆特 別 用 途 食 品 (1 ∼5 ま で ):乳児、幼児、妊産婦、病者など特別な健康状態にある人々を対象と
して作られた加工食品で次のように分類される。「栄養改善法」(「健康増進法」に改正)に規定。
1)妊産婦授乳婦用粉乳:妊産婦、授乳婦の栄養状態を考え、カルシウム、ビタミン類
などを補給した粉乳
2)病者用特別用途食品:特定の栄養成分を増減した食品 ◎病者用単一食品
低(ナトリウム、エネルギー、たんぱく質)食品、無(低)たんぱく質・高エネルギー食品、
無乳糖食品、高たんぱく質食品、アレルギー疾患用食品など。
◎病者用組み合わせ食品
減塩食調製用組み合わせ食品、糖尿病食調製用組み合わせ食品、肝臓病食調製用組み合わせ食品、
成人肥満症食調製用組み合わせ食品など。
3)乳児用調製粉乳:原料の牛乳を母乳に近づけた母乳代替食品。
4)高齢者用食品:そしゃく(咀嚼)困難者用食品とそしゃく・えん(嚥)下困難者用食品 平 成 1 7 年 度 に 出 題 (05-133)
A,5)特 定 保 健 用 食 品:食品中の体調を整えるなどの機能を示す成分を加えり、アレルギーを起こす
成分などを食品から取り除いて作られた加工食品。
ただし、この食品は、その有効性が科学的に証明されることが必要であり、その有効性が
認められたものについてのみ、健康にどのように有効であるかを表示することが許可されている。
新たに、平成17 年2 月に「条 件 付 特 定 保 健 用 食 品」、「特 定 保 健 用 食 品 ( 規 格 基 準 型 )」、
「特 定 保 健 用 食 品 ( 疾 病 リ ス ク 低 減 表 示 )」が加わった。許 可 認 証 票 必 要 ( 資 料 2 )
B)栄 養 機 能 食 品 (平 成 1 7 年 度 に 出 題 :05-150)
ビタミン、ミネラルなど特定の栄養成分を一定量含む食品。
機能や成分量、摂取目安量を厚生労働省の基準に従い表示する。
☆「保健機能食品制度」:食生活が多様化し様々な食品が流通する今日、消費者の方が安心して食生活
の状況に応じた食品の選択ができるよう適切な情報提供をすることを目的として平成 13 年4月に創設さ
れた制度。
「保 健 機 能 食 品」は、上記の A)「特定保健用食品」と B)「栄養機能食品」の2つに分類される。
<名称及び分類>
-5-
2 - 1( 続 き ) 理 解 度 チ ェ ッ ク
6)□□保 健 機 能 食 品には、(特定保健用食品、特別用途食品)と栄養機能食品とをあわせた名称
である。 7)□□保健機能食品制度は、厚生労働省によって(健康増進法、食品衛生法)に基づき平成 13 年
4 月 1 日に施行された制度である。
8) □□ 特定保健用食品は、(個別許可型と規格基準型、規格基準型のみ)からなり、健康の維持、 増進に役立つ又は適する旨を表示することを、厚生労働大臣により許可又は承認された食品で
ある。(平成 17 年 2 月 1 日改正)
9)□□保健機能食品ではない一般の食品(いわゆる健康食品を含む)については、栄養成分の機能や
特定の保健の用途に適する旨の表示を(してはいけない、しても良くなった)。
10)□□ビタミン A の前駆体であるβ-カロテンについて、ビタミン A と同様の栄養表示を(認める、
認めない)。この場合、「妊娠 3 ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならない
ように注意してください」という注意喚起表示は、(必要ない、必要である)。
2- 2 成 分 項 目
1) 食 品 成 分 の 分 析
○窒素-たん白質換算係数 食品中のたんぱく質含量=食品の全窒素量 6 . 2 5
ケ ン 化 価 、 ヨ ウ 素 価 、 酸 価 、 ★ 過 酸 化 物 価(油脂の酸化によるヒドロペルオキシドを定量)
( 平 成 1 7 年 度 に 出 題 ;05-139)
2) 食 品 成 分 表 の 用 い 方
ビ タ ミ ン A お よ び D の 単 位 の 表 示 、 カ ロ テ ン 含 量 の 表 示 方 法
☆エネルギー換算係数と単位表示
a) 収載している食品で、エ ネ ル ギ ー 換 算 係 数が定められている食品についてはその値を採用している。
b) 適用する係数が明らかでない食品はアトウォーター換算係数(たんぱく質; 4 kcal/g, 脂質; 9 kcal/g,
炭水化物; 4 kcal/g)を用いて算出されている。
c) きくいも、こんにゃく、「きのこ類」、「藻類」、昆布茶について、被験者ごとのエネルギー利用率
の測定値の変動が大きいことなどから、エネルギー換算係数を定めがたかったが、五訂では、暫定的な
算出方法として、Atwater の係数を適用して求めた値に 0.5 を乗じて算出することとした。
d) 五訂食品成分表では、エネルギーの単位は kcal と kJ の併記されている。
2 - 2「 五 訂 お よ び 五 訂 増 補 食 品 成 分 表 」 理 解 度 チ ェ ッ ク(平成 15 年度出題 03-134)
1)□□ 収載している食品のエネルギーは、すべてアトウォーター換算係数を用いて算出されて
(いない、いる)。 2)□□ アルコールのエネルギー換算係数は(0 kcal/g、3.5kcal/g、7.1kcal/g) としている。
3)□□ 酢酸のエネルギー換算係数は(0 kcal/g、3.5kcal/g、7.1kcal/g) としている。
4)□□ kcal から kJ への変換式は、1kcal=(8.348KJ、4.184kJ)である。
5)□□ こんにゃく、きのこ類、藻類などの食品は、エネルギー利用率に個人差が大きいことから
五訂成分表では、エネルギー値が(暫定的に記載されている、算出されていない)。
6) □□ 五訂増補では、レチノール当量の算出方法は、レチノールとβ-カロテン当量に係数(1/6、
1/12)を乗じたものとの合計で求めるように変更された。☆☆(平 成 1 7 年 度 出 題 ;05-133)
-6-
四訂から五訂成分表の項目変更(五訂増補も同じ)
a)糖質、繊維の項目が廃止され、「炭水化物」とされた。 b)ビタミン A について、ビタミン A 効力(国際単位 IU)表示から,レ チ ノ ー ル 当 量 (μg)で表示。
ビタミン D についてもビタミン D 効力(国際単位 IU)表示から、重 量 単 位 (μg)で表示される。
c)野菜類において、四訂成分表で、緑黄色野菜を「有色野菜(有)」として表示されていたが、五訂
成分表では、表示されていない(五訂増補も同じ)。しかし、別表に「可食部 100g あたりカロテン
含量が 600μg 以上のもの」を「緑黄色野菜」として追加して取り扱われている(平 成 1 7 年 度 出 題 ;
( 05-133) 。
d) みそ類は、四訂で「豆類」に分類されていたのを「調味及び香辛料」に移した。
e)バターは、四訂で「乳類」に分類されていたのを「油脂類」に移した。(平 成 1 7 年 度 に 出 題 ;05-133)
「五訂増補食品成分表」理解度チェック
□□うるち米ともち米の成分値は、それぞれ独立した成分値として収載されて(いる、いない)。
8) □□従来、国民栄養調査においてエネルギーの栄養素別構成比として示されてきた「糖質」は、
7)
「炭水化物」として(示すことができない、示すものとする)。
□□ビタミン A は、(ビタミン A 効力 (IU)、レチノール当量(μg))で表示される。
10)□□ビタミン A において、五訂増補では、レチノール、レチノール当量、β-カロテン
9)
当量の他にα-,β-カロテン及びクリプトキサンチン量を収載(する、しない)こととした。☆
11)□□ビタミン D は、(ビタミン D 効力 (IU)、重量単位(μg))で表示される。 12)□□野菜類において、カロテンを 600μg/100g 以上含むものを「有色野菜」として表示されて
(いない、いる)。
第 3 章 食品成分の特性と化学構造 3 - 1 .水 分
○水分活性、結合水、自由水、○中間水分食品(水分活性と微生物の生育との関係)
自由水:105℃の温度で簡単に蒸発し、約 0℃で凍結する水。
微生物利用可能
結合水:たんぱく質、糖質や有機酸などの - NH2, -COOH, -OH,
>C=O などの官能基と主として水素結合している水和水で ある。食塩などの塩類とはイ
オン結合している。
微生物が利用できない。
食 品 中 の 水 分 の 状 態 を 知 る 目 安 ( 指 標 )
食 品 の 蒸 気 圧(P )
☆水 分 活 性 (Aw) =
<1 (純水の場合の Aw は 1 である)
純 水 の 蒸 気 圧 (P 0 )
常に1より小さい
(平 成 1 7 年 度 に 出 題 ;05-134)
アミノカルボニル反応は、水分活性が 0.8 以上高い時と、
0.4 以下の時、もっとも遅い。
○微生物が利用可能な水分は、自由水である。
食品の品質の安定や貯蔵性を高めるためには、食品中の自由水を出来るだけ少なくし、結合水を
多くすると良い。
微生物が繁殖する限界水分活性
細菌 0.99∼0.94、酵母 0.88、糸状菌 0.88∼0.70
-7-
☆中 間 水 分 食 品:水分 20∼40%で、水分活性が 0.60∼0.85 くらいでやわらかく、そのままで食べ
られる食品。 (食品加工学の資料参照) ○ 食 品 中の 水 は 、 自 由 水で も 結 合 水 で も 同 じ H 2 0 で あ り 、 結 合 す る 相 手 ( 食 塩 、 砂 糖 、 有 機 酸
など)によって、その性質(氷点、沸点、水蒸気圧、微生物の利用度)が変わる。
3 - 1 水分活性に関する理解度チェック
(03-134)参照
1)□□食品に食塩またはショ糖を同モル濃度になるように添加した場合、食塩を添加した食品の方が、
水分活性値は(高い、低い)。
2)□□脂質の酸化は、水分活性が極めて低い場合には、(起こりやすい、起こりにくい)。
3)□□乾燥中の食品か吸湿中の食品で、水分含量が異なる場合、水分活性値は(同じ値を示す、
異なった値を示す)ことがある。食品加工学の「吸湿脱湿曲線、履歴現象のループ」参照
4)□□アミノカルボニル反応による褐変は、中間水分活性付近でもっとも(起こりにくい、起こり やすい)。
5)□□微生物が利用可能な水は、(自由水、結合水)である。
0 - 1 3 4 食品中の水についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) 一食品中の自由水と結合水の状態を表わす指標として水分活性が用いられる。
(2) 水分活性 (Aw) は一定温度での純水の蒸気圧 (Po) に対する食品の蒸気圧 (P) の比 (Aw=P/Po) で
示される。
(3) 結合水は食品中のたんぱく質や糖質などと主として共有結合で結びついている。
(4) 一般に水分活性 0.7 以下の食品では通常の細菌、酵母、カビは繁殖できない。
(5) マーマレードなどの食品は、水分含量が高いが水分活性は低く保存性が高く、中間水分食品と呼ば れている。
0-134解答
(1), (2) 正しい。 (3) 誤り。食品成分の官能基との結合は、共有結合ではなく、水素結合である。
(4), (5) 正しい。 解 答 (3 ) 第一出版「管理栄養士国家試験問題と解答」(以下、第一出版問題集と略す)では、(3) 医歯薬出版「管理栄養士国家試験問題集」(以下、医歯薬出版問題集と略す)では、(1)
0 2 - 1 3 4. 食品に含まれる水に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a ジャム、ゼリー、乾燥果物、ドライソーセージ、ようかん、魚の干物などのような食品は中間水分
食品と呼ばれ、水分活性は 1 である。
b 食品中に含まれる多糖、でんぷん、ペプチドその他の生体高分子などの表面に 直接結合している
水は、水 2∼3 分子の層から成る多分子層の水である。
c 食品中の結合水は、構成成分と水和して束縛された状態や微細構造内に閉じ込められた状態にあり、
純水に比べて蒸発しにくい。
d 酵母の生育に必要な最小の水分活性値は、カピと細菌の値の間に存在する。
(1)a と b (2)a と c (3)b と c (4)b と d (5)c と d
1 - 1 4 6 . 食品の水分に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
-8-
a. 食品中の結合水とは、食品構成成分に共有結合している水分のことである。
b. 水分活性とは、全水分中の結合水の割合を示すものである。
c. 水分活性が低いほど、微生物の繁殖は抑制される。
d. 食品中の結合水は凍結乾燥によって除去することができない。
(1)a と b (2)a と c (3)b と c (4)b と d (5)c と d
1-146. 解 説 と ポ イ ン ト ( 組 み 合 わ せ 問 題 ) 食 品 加 工 学 の 出 題 範 囲 で も あ る 。
(a)誤り。結合水は食品構成成分と水素結合やイオン結合している。共有結合ではない。
(b)誤り。水分活性は食品中の自由水の割合を示すものである。
水分活性=食品の蒸気圧÷純水の蒸気圧 (値は 1 より小さい)
(c)正しい。微生物の生育が可能な水分は、自由水であるので、水分活性の値が低いほど、微生物の 繁殖が抑えられる(水分活性を低くする方法:乾燥、塩蔵、糖蔵)
(d)正しい。結合水は、加熱や凍結乾燥などで脱水した場合も容易に除かれない。
解 答 (5 )
3 - 2 .炭 水 化 物 オ リ ゴ 糖 ( ラ フ ィ ノ ー ス, セ ロ ビ オ ー ス, ス ク ロ ー ス,マ ル ト ー ス, ラ ク ト ー ス) 、
フラクトオリゴ糖、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、食物繊維
ブドウ糖(グルコース)の製造:デンプンを原料にしてα-アミラーゼとグルコアミラーゼの作用に
よって、ブドウ糖を製造し、その後にグルコースイソメラーゼを作用させ異性化糖を製造する。
直接この高分子のデンプンにグルコースイソメラーゼを作用させても異性化糖を製造することはでき
ない(このような引っかけ問題が多い)。
グルコース
○-○-○-○- α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ イソメラーゼ
○-○-○-○-○-○-○-○→ → → → ○-○ → → ○ → → ▲ デンプン ○-○- ブドウ糖 果糖
(異性化糖:ブドウ糖と果糖の混合物をいう) ○還元糖と非還元糖
還元糖 還元性 非還元糖
1 - 1 3 3 . 食品の炭水化物に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)異性化糖はデンプン液にグルコースイソメラーゼを作用させて製造される。
(2)ラクトースはD-ガラクトースがβ-1,4 グルコシド結合でD−グルコースに結合した非還元性 の二糖類である。
(3)セルロースはD−グルコースがα-1,6 結合で重合した多糖類でヒトの消化酵素では分解され
ない。
(4)ペクチンの主要構造はD−ガラクツロン酸がα-1,4 結合した高分子で力ル ボキシル基は部分的 にメチルエステル化している。
(5)完熟した大豆の種子の炭水化物の主成分はデンプンである。
1-133. 解 説 と ポ イ ン ト
(1)誤り。異性化糖はブドウ糖液にグルコースイソメラーゼを作用させて製造する。 (2)誤り。ラクト―ス(乳糖)は、D-ガラクトースが D-グルコースとβ-1,4 結合した二糖類で
あるが、還元性がある。β-1,4 グルコシド結合 このグルコースの 1 番目(還元基)が、他の糖と結合し
ていないので、還元性を示す。
-9-
糖類には、還元糖と非還元糖がある。
天然に存在する還元糖には、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、
と二糖類のマルトース、ラクトースなどがある。非還元性二糖類には、スクロース(ショ糖)、トレ
ハロースなどがある。
(3)誤り。セルロースは D-グルコースがβ-1,4 結合した多糖類であり、人の消化酵素では分解され
ない。
食物繊維の定義も覚えておこう。
(4)正しい。ペクチンの中に、高メトキシルペクチンと低メトキシルペクチンがある。
(5)誤り。完熟大豆種子の炭水化物は、デンプンではなくオリゴ糖(スクロース、スタキオース、ラフィ
ノースなど)である。
その他の注意点
デ ン プ ン と セ ル ロ ー ス、どちらも D-グルコース同士が多数結合した多糖類。
デ ン プ ン:アミロースはα-1,4 結合、アミロペクチンはα-1,4 結合と一部α-1,6 結合
セ ル ロ ー ス:β-1,4 結合。この結合の仕方(結び目の形の)違いによって人が消化できるかどうか
が異なる(アミラーゼはα-1,4 結合を切ることができるがβ-1,4 結合を切ることができない)
解 答 ( 4 )
覚え方
ア ミ ロ ー ス(amylo-澱 粉 ) は 、 ブ ド ウ 糖 の 串 だ ん ご 。ア ミ ロ ペ ク チ ン(a m y l o (澱 粉) の 中 で ペ ク
チン様ねばりがある)は、アミロース串だんごのところどころに枝分かれ
☆食物繊維 (栄養学でも出題される)
食物繊維(ダイエタリーファイバー、DF)は、セルロール(繊維)だけではなく、「人の消化酵素で
分解されない難消化性食物成分」を総称して言うので、セルロース、ヘミセルロースとペクチン(多
糖類)および、リグニン(非炭水化物、フェニルプロパン系高分子化合物)などのほかに、甲殻類の
キチンやそのアルカリ処理したキトサンや化学修飾多糖類(ポリデキストロール、カルボキシメチル
セルロースなど)も含めるようになった。最近では、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)や
フラクトオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖も食物繊維と同じような生理作用が認められている。
3 - 2 炭水化物に関する理解度チェック
1)□□キチンは甲殻類の殻やキノコの細胞壁に含まれる(不溶性、水溶性)食物繊維である。
2)□□非炭水化物系の食物繊維の構成成分として(シニグリン、リグニン)がある。
3)□□セルロースを構成しているグルコースは(D 型、L型)である。
4)□□ヘミセルロースの中で、キシランは(五炭糖、六単糖)の D-キシロースが主成分である
(β-1,4 結合している)。
3 - 2(続き)オリゴ糖に関する理解度チェック☆
1)□□オリゴ糖は通例単糖が(2∼数個、10∼30 個)連なった少糖類を指す言葉で、
日常食品に多く含まれる(ショ糖(スクロース)、デンプン)も含まれる。
2)□□フラクトオリゴ糖とは通例ショ糖の(ぶどう糖側、フルクトース側)に 1∼数個の果糖が
結合したものをいう。 3)□□フルクトオリゴ糖は、(難消化性オリゴ糖、易消化性オリゴ糖)であり、虫歯の予防効果や
ビフィズス菌の(生育促進効果、生育抑制効果)がある。
4)□□フルクトオリゴ糖は、スクロースにフルクトース転移酵素を働かせて製造されるが、
(たまねぎやアスパラガス、じゃがいもとさつまいも、柑橘類とリンゴ)に含まれている。
-10-
5)□□ラフィノースは大豆中の三糖類のオリゴ糖で、(消化されにくい、消化されやすい)。
ビフィズス菌増殖因子となる。 フルクオリゴ糖はフルクト―ス残基にフルクトースが結合したものである(上の構造)。
大豆、ビート中に含まれる非還元性オリゴ糖
ラフィノース: ガラクトース(1→6)グルコース(1→2)フルクトース
スタキオース:ガラクトース(1→6)ガラクトース(1→6)グルコース(1→2)フルクトース 3 - 3 .脂 質
キ ー ワ ー ド :中性脂肪(トリアシルグリセロール)、ケン化価、ヨウ素価、酸価、
☆n-3 系脂肪酸、n-6 系脂肪酸
3 つ(トリ)の脂肪酸(酸性)がグリセロールと結合(エステル結合)し
中性(中和)になった脂肪だから中性脂肪(トリアシルグリセロール) と覚える
□□ α-リノレン酸(n-3 系)からイコサペンタエン(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)が体内で
合成される。
□□ リノール酸(n-6 系)からアラキドン酸が生合成される。
3 - 3 脂質の分析に関する理解度チェック
☆
1)□□アルカリで油脂を石けん(脂肪酸の塩)とグリセロールに分解することを(ヨウ素化、ケン化)
という。
2)□□ケン化価が大きい油脂より小さい油脂の方が、構成脂肪酸の平均炭素鎖は(長く、短く)なる。
○油脂のアルカリ分解に要する水酸化カリウムの mg 数/油脂 1 g
3)□□油脂に吸収されるヨウ素の量で表した(ヨウ素価、ヨウ素化)は、構成脂肪酸の
(不飽和度、飽和度)、すなわち(二重結合、共有結合)の程度を表している。
○油脂に吸収されるヨウ素の g 数/油脂 100g
4)□□ヨウ素価が大きい油脂ほど(酸化されにく、酸化されやすい)。
5)□□油脂が分解されて生成した遊離脂肪酸の量を調べるために(酸価、酸化)が指標として
用いられる。 ○遊離脂肪酸の中和に要する水酸化カリウムの mg 数/油脂 1g
(003-148)
6)□□n-6 系の不飽和脂肪酸は、(カルボキシル基、メチル基)側から数えて最初の二重結合を
構成する炭素が6番目のものをいう。
7)□□飽和脂肪酸のうち炭素数が(6 個、12 個)以上のものは、常温で固体である。
1 - 1 3 5 . 脂質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)植物油を 160∼200℃に加熱して使用すると空気中の酸素によって酸化され過酸化物(ヒドロ
ペルオキシド) が生成増加して蓄積される。
(2)加熱によって起こる脂質の変化は、脂質を長く常温で空気中に置いて起こる酸化の過程とは全く
異なった機構で起こる。
(3)植物油は一般にヨウ素価が高いが、ヨウ素価の高い油脂は酸化されにくい。
-11-
(4)分子量の小さい脂肪酸を含むバターでは、けん化価やライヘルト・マイスル価は低い。
(5)大豆油、米ぬか油、とうもろこし油などに多いリノール酸は、体内では代謝されて変化し、
一部はプロスタグランジンになる。
1-135. 解 説 と ポ イ ン ト (1)誤り。揚げ物や炒め物のように恒温で加熱するときの油の酸化は、基本的の自動酸化と同じ反応が
起こる。しかし、高温(160∼200℃)で加熱すると生成した過酸化物(ヒドロペルオキシド) は不安定のため、ほとんど分解し蓄積されないので、過酸化物価(POV)は高くならない。←要注
意!
(2)誤り。加熱による油脂の酸化と常温で空気中に置いたときの油脂の酸化は、どちらも遊離基(フリー
ラジカル)を経て進む自動酸化反応である。
(3)誤り。ヨウ素価は油脂を構成する脂肪酸の不飽和度を示す値であり、ヨウ素価の高い油脂は酸化さ
れやすい。
(4)誤り。ケン化価は、油脂中の構成脂肪酸の平均分子量を示す目安となるもので、分子量の小さい脂
肪酸を含む油脂は大きいケン化価を示す。←要注意!(間違い易い)
ライヘルト・マイスル価:揮発性の水溶性脂肪酸の量を示す価であり、バター脂肪は 26∼34、
ヤシ油、パーム油は 5∼8、その他の油脂は 0∼8、であるが。普通は 1 以下である。酸敗が進んだ
油脂で高い値を示すこともある。 第 13 回管栄養士国試(食品学)問 136
(5)正しい。この文は、栄養学、生化学の問題でもある。合わせて勉強しよう。
解 答 (5 )
3 - 3( 続 き )食品中の脂質(動物油脂)に関する理解度チェック
☆
8)□□食肉中の全脂質の約(30%、60%、90%)が貯蔵脂質で、主として(モノアシルグリ
セロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール)からなる。
9)□□牛乳中の飽和脂肪酸量は、不飽和脂肪酸量より(少ない、多い)
○飽和脂肪酸量 2.33g/100g、不飽和脂肪酸量:一価不飽和脂肪酸 0.87g/100g、多価不飽和
脂肪酸 0.12g/100g である。
10)□□ 魚油には、イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の(n-3 系、n-6 系)不飽和脂肪 酸を多く含み、血栓防止作用がある。 3 - 3( 続 き )食品中の脂質(植物油脂)に関する理解度チェック☆ 11)□□大豆油脂の構成脂肪酸は 50%以上が(リノール酸、ステアリン酸)で、25%以上が
(オレイン酸、パルミチン酸)である。
12)□□ 植物油には(リノール酸やオレイン酸、イコペンタエン酸やドコサヘキサエン酸)を多く 含まれる。 13)□□穀類の胚芽油には、(リノール酸やオレイン酸、パルミチン酸やステアリン酸)を多く
含む。
14)□□米ぬか油には、ステロールなど不ケン化物が多く、その中に(γーオリザノール、コレステ
ロール)が含まれる。
15)□□ 完熟したココナッツから得られるヤシ油(コプラ油)は、(不飽和脂肪酸、・飽和脂肪酸) が多い。
16)□□ オリーブ油に多く含まれるオレイン酸は、動物油脂に(含まれていない、含まれている)。 (25∼43%)
17)□□ なたね油に含まれていたエルシン酸(C 22:1) は、毒性(成長阻害、心臓障害)が問題と されたが、品種改良によって(1%以下、5%以下)になっている。 -12-
18)□□しそ油は(n-6 系脂肪酸より n-3 系脂肪酸、n-3 系脂肪酸より n-6 系脂肪酸)を多く含む。
19)□□種実類の脂質含量は高く、その構成脂肪酸は飽和脂肪酸が(少なく、多く)、特に
(リノール酸、ステアリン酸)が多い。
□□まぐろ、ぶりなどの大型魚の脂質含量は、腹側筋肉部の方が背側筋肉部より多い。
□□春獲り鰹(春かつお)に比べ、秋獲りかつお(戻りかつお)の方が脂質含量が多い。
□□水素添加による工程で一部生成するトランス型リノール酸は、必須脂肪酸として働かない。
□□人の体内でアラキドン酸はリノール酸から合成できる。
□□人の体内でドコサヘキサヘエン酸はαーリノレン酸から合成できる。
3 - 4 .た ん 白 質 と ア ミ ノ 酸
一 次 構 造 、 三 次 構 造 、 等 電 点 沈 殿 、 加 熱 変 性 、L-, D-ア ミ ノ 酸 、 酸 性 、 塩 基 性 ア ミ ノ 酸 )
アミノ酸スコア(栄養学の分野であるが、食べ物と健康からも出題される)
アミノ酸は、
色とりどりの帽子をかぶり、プラスとマ
イナスの手(足)をもったキャラクター
をイメージしてみるとよい。右利きと左
利きの人(L 型、D 型)もいる。
中性アミノ酸
必須アミノ酸の覚え方
ひどい:ヒスチジン
雨 :アルギニン、メチオニン
降り :フェニルアラニン、リジン バス :バリン、スレオニン とろい:トリプトファン、ロイシン、イソロイシン
*アルギニン:成長期に必要
酸性アミノ酸 塩基性アミノ酸
○ た ん ぱ く 質 は 、2 0 種 類 の 色 違 い の ビ ー ズ ( ア ミ ノ 酸 ) が
結合(ペプチド結合)した数珠がネックレスのようなもの
とイメージしよう。
一次構造(ペプチド結合) 二次構造 三次構造 酸による加熱分解や 高次構造
酵素分解 水素結合やイオン結合などによるゆるい結合
アミノ酸、ペプチド
1 - 1 3 6 . アミノ酸、たんぱ質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)リシン (リジン) とアルギニンは脂肪族炭化水素の側鎖に酸性のカルボキシル基の残基を有する
アミノ酸である。
(2)卵たんぱく質のオボムコイドはビオチンと結合してその利用性を著しく妨げる。
(3)カゼイン、ホスビチンなどは金属たんぱく質で、フェリチン、トランスフェンはリンたんぱく質
である。
(4)たんぱく質溶液は等電点で電荷によるたんぱく質の反発力が最大となり、沈澱しにくくなる。
-13-
(5)オルニチン、シトルリンは体たんぱく質の構成成分ではないが、生体内の代謝に重要な役割を
果たすアミノ酸である。
1 - 1 3 6 . 解 説 と ポ イ ン ト ( 難 問 で あ る ) (1)誤り。リジン、アルギニンは塩基性アミノ酸で側鎖(下図の R の部分)にはリジンではアミノ
ブチル基、アルギニンではグアニジル基を有している。
アミノ酸の帽子(▲)の部分
リジン アルギニン
R = H2N-CH2CH2CH2CH2R = H2N-C-NHCH2CH2II
NH
(2)誤り。要注意!栄養学の出題範囲でもある。
オボムコイド:卵白中に含まれる糖タンパク質、牛、豚のトリプシンに対して阻害作用があるが、人
のトリプシンに対しては阻害作用はない。糖タンパク質のアビジンがビオチンの利用
性を阻害する。
アビジン:卵白中に含まれる糖タンパク質で、ビオチン(ビタミンH)と強く結合する。
生卵白大量摂取によるビオチン欠乏症(アビジンービオチン複合体形成によるビオチンの
腸管吸収阻害に基づく) (3)誤り。
カゼイン:乳の主要タンパク質で、リンタンパク質の一種である。
ホスビチン(ホスホビチン):卵黄タンパク質の主成分で、リンタンパク質の一種である。
フェリチン:肝臓、脾臓、骨髄および筋肉組織に含まれる水溶性タンパク質で、鉄と結合している。
トランスフェリン:血中の鉄と結合するタンパク質である。(フェリ=鉄のこと)
(4)誤り。 タンパク質溶液は等電点付近では溶解度が最小となり、沈殿する。
乳タンパク質のカゼインは、酸性側で、電荷が等しくなり、沈殿する。牛乳に酸を入れると固まった
り、乳酸発酵するとヨーグルトができるのもこの原理による。
(5)正しい。オルニチンとシトルリンは塩基性アミノ酸の一種であるが、タンパク質中には、通常存在
しない。尿素回路(オルニチン回路)におけるアルギニン代謝の中間体として重要である。
解 答 (5 )
1 - 1 3 7 . たんぱく質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)たんぱく質の変性は攪拌、超音波処理、X線照射では起こらない。
(2)加熱によってたんぱく質の三次構造の変化は起こるが、一次構造、二次構造の変化は起こらない。
(3)たんぱく質の凝固温度は、溶液中のたんぱく質の濃度、p H、塩類濃度によっては変わらない。
(4)たんぱく質は p Hを酸性やアルカ性にすると水素結合が切れて変性する。
酢を加えると魚の身が白くなるのはこのためである。
(5)熱変性した大豆たんぱく質を凝固させるのに2価イオン Ca2+や Mg2+を加えるのは、それぞれの ポリペプチド鎖のアミノ基どうしを結びつけるためである。
1-137. 解 説 と ポ イ ン ト
(1)誤り。たんぱく質の変性を起こす要因には、物理的要因(加熱、冷凍、攪拌、高圧、超音波、X 線)
と化学的要因(酸、アルカリ、尿素など)がある。例、ゆで卵、ヨーグルト、ピータンなど。
(2)誤り。一次構造は強い共有結合できているので、壊れ難いが、二次構造、三次構造は水素結合や
イオン結合などの弱い結合で安定化しているので、加熱などの処理で壊れやすい。
(3)誤り。たんぱく質の凝固温度は、溶液中の pH、添加する塩類の濃度やたんぱく質の濃度によって
-14-
異なる。
(4)正しい。たんぱく質は、pH を酸性にしたり、アルカリ性にすると、水素結合が切れて、変性を 起こす(ヨーグルト、カッテージチーズ、ピータンなど)。
(5)誤り。熱変性した大豆たんぱく質にカルシウムやマグネシウムの 2 価イオンを加えることによって
ポリペプチド鎖のカルボキシル基同士が結合して凝固する(豆乳ににがりを添加し、豆腐を製
造する)。カルシウム、マグネシウムは、2 価のプラスイオンであるので、結合するのは、ア
ミノ基ではなく、カルボキシル基である。 問題 136 参照
アミノ酸 解 答 (4 )
3 - 4 たんぱく質とアミノ酸の理解度チェック
□□天然たんぱく質を構成しているアミノ酸は(L-α-アミノ酸、D-β-アミノ酸)である。
2) □□単純たんぱく質の一つであるアルブミンは、水、塩類溶液や希酸、希アルカリに(不溶、
1)
可溶)である。
□□たんぱく質は、アミノ酸が多数直鎖状に(ペプチド、エステル)結合している。
4) □□ アミノ酸は側鎖(R)の性質によって分類できるが、(システインとチロシン、ヒスチジン 3)
とアルギニン)は塩基性アミノ酸に分類される。
3 - 4( 続 き ) 食 肉 と タ ン パ ク 質 、 ア ミ ノ 酸 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク ( 融 合 問 題 )
5)
□□食肉の熟成によるうま味は自己消化による呈味性の(ペプチドとアミノ酸、グリコーゲンと
グルコース)の増加による。
6)
□□ 骨格筋の死後硬直は、乳酸生成、ATP の減少などにより(筋原線維タンパク質(アクチンと
ミオシン)、筋漿タンパク質、肉基質タンパク質)の不可逆的結合によって強い筋収縮が起こる
ことによる。
7)
□□ コラーゲン、エラスチンは、(肉基質タンパク質、筋原繊維タンパク質)を構成する
タンパク質で、肉質の硬さに関係し、その含量が少ない肉質は、多い肉質より(柔らかい、硬い)。
(003-144)
8)
□□ 筋原線維タンパク質は、ミオシン、アクチンなどを含み、(筋収縮、グリコーゲンの貯蔵)
に関与し、肉製品の(保水性や結着性、保油性と疎水性)に重要な役割を担っている。
9)
□□ アミノ酸スコアは、タンパク質の栄養価を表す指標の1つで、(理想的なアミノ酸パターン、
卵のタンパク質、牛乳のタンパク質)を基準として(最も不足しているアミノ酸(第一制限
アミノ酸)、不足している全必須アミノ酸の総量)で示される。
10)□□ 魚肉タンパク質は、畜肉タンパク質に比べ、アミノ酸スコアは(低く、同等)で、
栄養価は(劣る、同等)である。 (003-147)
11)□□ 鶏卵のタンパク質含量は、卵白に比べ、卵黄の方が(少ない、多い)
タンパク質含量:生卵白(10.4%)、生卵黄(15.3%):乾燥卵白(83.4%)、乾燥卵黄(30.3%)
水分含量:生卵白(88%)、生卵黄(51%)
12)□□ 牛乳中の主要タンパク質は(カゼインと乳清タンパク質、ラクトフェリンとオボムコイド)
である。
13)□□ 乳清タンパク質の主なものは(ラクトアルブミンとラクトグロブリン、カゼインと
ミオグロビン)である。
14)□□ 牛乳中のカゼインは、(カルシウム、リン酸)と結合して、カゼイン(カルシウム、
リン酸塩)となっている。 (003-145)
3 - 5 .酵素(香り、辛味、色の発現)
-15-
(食品加工学の分野でもあるので、併せてで覚える)
1 - 1 3 7 . たんぱく質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)たんぱく質の変性は攪拌、超音波処理、X線照射では起こらない。
(2)加熱によってたんぱく質の三次構造の変化は起こるが、一次構造、二次構造の変化は起こらない。
(3)たんぱく質の凝固温度は、溶液中のたんぱく質の濃度、p H、塩類濃度によっては変わらない。
(4)たんぱく質は p Hを酸性やアルカ性にすると水素結合が切れて変性する。
酢を加えると魚の身が白くなるのはこのためである。
(5)熱変性した大豆たんぱく質を凝固させるのに2価イオン Ca2+や Mg2+を加えるのは、それぞれの ポリペプチド鎖のアミノ基どうしを結びつけるためである。
9 9 - 1 3 7 解説とポイント
1)正しい。
2)わさび、だいこん、黒がらしに含まれる配糖体シニグリンは、その食品をすりおろしたりして組織を
破壊すると酵素のミロシナーゼによって揮発性辛味成分のアリルイソチオシアネート(アリルカラシ油)
を生じる。 ○覚 え 方:死にたくて(シニグリン)、わさび、大根たくさん食べても見ろ死なんぜ(ミロシナーゼ)
アリイナーゼは、ねぎ、にんにくに含まれる酵素で、臭い物質の前駆物質であるアリイン(無臭)がこの酵素の
作用によって、アリルスルフェン酸に変えられ、さらに臭い成分のアリシンとなり、最終的にジアリル
ジスルフィド(にんにくのキーコンパウンド)などに変化する。 ○覚 え 方:にんにくの臭いで蟻いなくなり(アリイナーゼ)、蟻死んだ(アリシン) 誤り。
3)正しい。 紅茶は、発酵茶のため、この酵素のポリフェノールオキシダーゼが働き、紅茶特有の
色素テアフラビンを生成するが、ビタミンCも分解してしてしまう。(食品学・総 p.161)
4)正しい。生シイタケや干しいたけを、すりつぶしたり、ぬるま湯に浸すと香り成分の前駆体である
レンチオニン酸が酵素のγ-グルタミントランスフェラーゼとC-Sリアーゼの作用で香り成分の
レンチオニンを生成する。 5)正しい。かつお節、畜肉が発酵、または熟成中に酵素のアデノシンモノホスフェートデアミナーゼ
などが働き、核酸系うま味成分のイノシン酸を生成する。
○その他のうま味成分についてまとめておく。★うま味成分の相乗作用。 解 答 ( 2 ) 酵素とその働き (平成 17 年度出題;0535)
1)アミラーゼ(αアミラーゼとβアミラーゼ):澱粉分子中のα1,4 グルコシド結合を加水分解する。
2)インベルターゼ(スクラーゼ):スクロースをグルコースとフルクトースに加水分解する。
3)ナリンギナーゼとヘスペリジナーゼ:フラボノイド配糖体を加水分解する。
4)レンニン(キモシン):乳タンパク質のκ-カゼインを限定的に加水分解し、凝集、カード
を作る(チーズ製造)
5)セルラーゼ:セルロース分子中のβ-1,4 結合を加水分解する。
6)グルコースイソメラーゼ:グルコースからフルクトースに変化する。異性化糖の製造 3 - 6 .無 機 質 (栄養学から出題されることが多い)☆
食品成分表に収載した無機質は、すべてヒトにおいて必須性が認められたもので、四訂成分表に収載され
たナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、リン(P)及び鉄(Fe)に加えて、新たにマ
グネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、マンガン(Mn)の計 9 種 類を収載した。マンガンの成分
値は、五訂(初版)では別表としていたが、五訂増補では、本表に収載した。
-16-
3-6 無 機 質 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク
1)□□ 食品を約(550℃、150℃、350℃)で焼いて得られる残灰を灰分量として求める。
2)□□ 生体に存在する元素のうちカルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素と(硫黄と
マグネシウム、マグネシウムと鉄)は比較的多量に必要とされるので、常用元素と呼ばれている。
3)□□ 鉄、亜鉛、銅など(・15 種、10 種)の元素は、欠乏症が明らかな元素で生体での存在が 少ないので、微量元素と呼ばれている。
4)□□ 亜鉛は、肉類や貝類に含まれ、欠乏すると(筋肉の痙攣や不整脈、味覚障害)が起こる。
5)□□ カリウムは、(細胞内、細胞外)に多く含まれ、果実類のは含量が(少ない、多い)。
6)□□ ヨウ素は、(甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン)のチロキシンの構成分であり、
(海藻、酵母)に多く含まれている。
○常用元素の覚え方:マグカップ(Mg,Ca,P)、中(Na, K)に異様(S,硫黄)な黒い(Cl,クロル)もの。
3 - 7 .ビ タ ミ ン A ( レ チ ノ ー ル ) 、 B1 (チ ア ミ ン ) 、 C(ア ス コ ル ビ ン 酸 、 抗 酸 化 性 ) 、 D、
E( 抗 酸 化 性 ) 、 ニ コ チ ン 酸 ○ プ ロ ビ タ ミ ン A ( β- カ ロ テ ン な ど )
○3 - 7 ビ タ ミ ン に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク
1)□□ビタミン A、D、E、K は( 水溶性、 脂溶性)で、ビタミン B 群、C は(水溶性、脂溶性)
ビタミンである。
(覚え方)脂溶性ビタミン摂取過剰で(KA じょう DE)障害現れる。 2)□□ビタミン B1(チアミン)は、加熱によって(中性∼アルカリ性、酸性)ではこわれやすい。
3)□□ビタミン B2(リボフラビン)は(アルカリ性、中性∼酸性)では熱に強い。 4)□□ビタミン A は(うなぎやあなご、えびやかに、かつおやまぐろ)に多い。
5)□□ナイアシンは肝臓で必須アミノ酸の(フェニルアラニン、アントシアン、トリプトファン)
から一部、合成される。
6)□□ビタミンCは、嗜好飲料の中で、(緑茶、紅茶)に多く含まれている。
7)□□リンゴやなしは、柑橘類に比べてビタミン C を多く(含んでいる、含んでいない)。
○ビタミンの覚え方(例)
A:映画館、A が不足で足下みえず、映画みられず、あんこうのきも鍋食べて、夜盲症回復
D:カルシウムとっただけでは、不十分、Every Day 外にでて、光浴びよう くる病対策。
B1:活気(脚気)ない B1 クラス、うな丼と豚丼食べて疲れとれ。
B2:レバー食べたら、皮膚炎、口内炎なおって肌美人(B 2)。
ナイアシン;トウモロコシだけたべて、できた口舌炎(ペラグラ)なおらない、明日(ナイアシン)
かつおのたたきを食べに行こう。
葉酸:ほうれん草とレバー刺し、ようさん食べると貧血予防
C:CC レモンや野菜を食べて肌の悩みは一挙解決(壊血病)
1 - 1 3 8 . 食品のビタミンに関する記述である。正しいのはどれか。
(1)ビタミンB 1(チアミン)は光分解を受けやすく、褐色びんに保存することが望ましい。
(2)エリソルビン酸はアスコルビン酸と同様に酸化防止の目的で食品の加工に用いられるが、
ビタミンCの生理作用はない。
(3)大豆にはビタミンCが含まれるが、もやしにするとなくなる。
(4)リコピン、ルテインなどのカロテノイドは体内でビタミンAに変換するのでプロビタミンAと
いわれる。
-17-
(5)ニコチン酸は熱、光、空気、酸、アルカリなどに極めて不安定なビタミンで、調理中に分解し
やすい。
138. 解 説 と ポ イ ン ト ( 難 問 )
(1)誤り。ビタミン B1(チアミン):無色の結晶。水に溶けやすい。加熱によって中性・アルカリ性で
はこわれやすく、酸性では安定。光に安定である。
ビタミン B2(リボフラビン):黄橙色の結晶。水に溶けやすい。アルカリ性ではこわれ やすい。中性・酸性では熱に強い。光線でこわれやすい。 この設問で、出題者は、ビタミン B2 に比べ、B1 が光分解を受けやすいと言いたかったと思われるが、
問題としては不適切、または説明不足。他に、もっと正しいものがないか見分けることが必要。 (2)正しい。
エリスロビン酸:L-アスコルビン酸(ビタミン C)の異性体であるので、D-イソアスコルビン酸
ともいわれる。ビタミンCとしての作用は、L-アスコルビン酸の 1/20 といわれているので、
栄養的な価値は低い。L-アスコルビン酸と同様に抗酸化性が強いので、食品の酸化防止剤として 使われれている。
(3)誤り。大豆の種子にはビタミン C は含まれないが、発芽によってビタミン C が生成される。
大豆もやしには、5mg/100g のビタミンC が含まれるが、ゆでると1/5 程度まで減少する。
(4)誤り。
カロテノイド類:黄色から橙黄色色素(ほとんどが脂溶性)
カロテン類:α-, β-, γ-カロテン(体内で分子の真ん中から切れてビタミン A 効果を示す:
プロビタミン A)、リコピン(ビタミン A 効力はない)、クロシン(水溶性カロチ
ノイド、クロセチンの配糖体)
キサントフィル類:クリプトキサンチン(ビタミン A 作用あり)、
ルテイン、ゼアキサンチン(ビタミン A 効力はない) (5)誤り。
ニコチン酸(ナイアシン):水溶性ビタミン、熱に強く、酸や光に強い。酸、アルカリに強い。
解 答 ( 2 )
1 - 1 4 7 . ビタミンに関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a. ビタミン A(レチノール)は全トランス型の共役二重結合をもち、ヒト体内では植物に含まれる
フラボノイドからも供給される。
b. アスコルビン酸は抗酸化剤として食品加工に利用されていて、酸化されてもそれ自身が分解して
いくので、アミノカルボニル反応を起こす原因物質とはならない。
c. ビタミン B1(チアミン)は酸性では安定であるがアルカリ性では不安定であるので、重曹を
用いるビスケットなどの製造時には加熱により分解されやすい。
d. ビタミン D には植物性食品に含まれるエルゴカルシフェロール(D 2)と動物性食品に含まれる
コレカルシフェロール(D 3)がある。
(1)a と b (2)a と c (3)b と c (4)b と d (5)c と d
1-147. 解 説 と ポ イ ン ト ( 組 み 合 わ せ 問 題 ) 関 連 問 題 問 題 1 3 8
(a)誤り。フラボノイドは分子中にレチニリデン残基を持たないので、ビタミン A の供給源には
ならない。
(b)誤り。アスコルビン酸は酸化されてデヒドロアスコルビン酸となり、さらに分解されてカルボニル
化合物を生成してアミノ酸と反応してアミノカルボニル反応を起こす。
-18-
(c)正しい。
(d)正しい。 解 答 (5 )
3 - 8 .食 品 の 嗜 好 成 分
(1)色素成分(☆フラボノイド、☆アントシアニン、☆カロテノイド)
植物性色素
脂溶性色素:橙黄色系色素;カロテノイド、ジケトン、緑色系色素;クロロフィル
水溶性色素:フラボノイド(黄色 赤色)、ベタレイン(黄色 赤色)
(黄色系色素;フラボン、フラボノールなど)、赤色系色素(アントシアニン)
○3 - 8 色素成分に関する理解度チェック
☆
1)□□食品に含まれている植物性色素には、脂溶性色素である黄橙色系の(カロテノイド類、
クロロフィル類)と水溶性色素である赤色系のアントシアニンと黄色系のフラボノイドなどがある。
2)□□クロロフィルは、ポルフィリン系色素で、金属の(鉄、マグネシウム)が配位結合している。
3)□□イチゴに含まれているカリステフィンは(アントシアニン、カロテノイド)色素である。
4)□□なすに含まれる赤色色素のナスニンは、鉄やアルミニウムが存在すると(茶色に変色する、
安定な青紫色に変わる)。
5)□□カレー粉に用いられるウコンの黄色色素は、(クルクミン、ククルビタシン)である。 6)□□ バターや卵黄のカロテノイド色素は、(飼料の植物から移行した、体内で合成した)もの である。
0 - 1 3 7 食品の色素成分についての記述である。正しいのはどれか。
(1) カロテノイドは植物界にのみ存在する脂溶性色素で、プロビタミン A として作用するものがある。
(2) カロテノイドはブランチングや冷凍などの処理に対して不安定であるので注意を要する。
(3) ナスの青紫色を呈するナスニンはアントシアニン系色素であり、酸性で青色を呈し、アルカリ性
では赤色を呈する。
(4) 新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンの暗赤色であるが、空気に触れると直ちに酸化されてメト
ミオグロビンとなり褐色となる。
(5) えびやかにをゆでると赤くなるのは、たんぱく質結合型青色色素のたんぱく質部分が変性して離れ、
アスタキサンチン本来の色が現れるためである。
0-137解説
(1)誤り。カロテノイドは植物だけではなく、卵黄、魚介類、牛乳などの動物性食品にも アスタキサチン、β―カロチンなどとして含まれている。ただし、動物中のカロテノイドは、
植物性飼料から移行したものである。
(2)誤り。これらの処理(ブランチング;湯通し、冷凍)には安定である。
(3)誤り。ナスニンなどのアントシアニン色素は pH3 以下では赤色、pH7 - 8 では紫色、pH11 以上
で は青色になる。ナスの漬け物にみょうばんや鉄くぎを入れるとナスニンと安定な金属塩を
つくるため、退色 しない。
(4)誤り。新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンで暗赤色であるが、ミオグロビンは空気に触れた直後
には鮮赤色のオキシミオグロビンになり、時間の経過とともに鉄イオンが3価に酸化されて、
褐色のメトミオグロビンになる。
解 答 (5 )
(2)呈味成分(甘味料、酸味料、調味料、香辛料と併せて勉強する)
( 2 - 1 ) 甘味成分
-19-
糖質系甘味成分:グルコース、スクロース、フルクトース(甘味度、β型>α型)
糖誘導体:糖アルコール(ソルビトールなど)、異性化糖(グルコースに異性化酵素を作用させる)
糖以外の甘味物質:ステビオシド、グリチルルチン、アスパルテーム、サッカリン
( 2 - 2 ) 酸 味 成 分 (水素イオンの刺激によって酸味を感じる) (平 成 1 7 年 度 出 題 ;05-137)
有機酸:クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸。 無機酸:炭酸、リン酸 ( 2 - 3 ) 塩味成分
無機塩:塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、塩化マグネシウムなど
有機酸塩:リンゴ酸ナトリウムなど
( 2 - 4 ) 苦味成分
イソフムロン(ビールの苦味、ホップ雌花中のフムロンが加熱変化したもの)
カフェイン(コーヒー、緑茶の苦味)
テオブロミン(ココア、チョコレートの苦味)
ナリンギン(グレープフルーツの苦味)、リモニン(レモンなど柑橘類の苦味)、
ククルビタシン(きゅうりやうりの苦味)
( 2 - 5 ) うま味成分
アミノ酸、ペプチド系うま味成分:L -グ ル タ ミ ン 酸 ナ ト リ ウ ム(MSG, 昆布のうま味)、
テ ア ニ ン(玉露や緑茶のうま味)
核酸系うま味成分:5 ’- イ ノ シ ン 酸 ナ ト リ ウ ム(5'-IMP、かつお節のうま味)
5'-グアニル酸ナトリウム(5'-GMP、しいたけのうま味)
☆味 の 相 乗 効 果……5'-IMP と 5'-GMP は、MSG と共存すると単独よりうま味が増強される。
核酸系うま味成分同士では相乗効果は認められない。
★ 味 の相 殺効 果……例、酸味の強い果物にしょ糖を加えると、酸味も甘味も弱く感じる(0538)
( 2 - 6 ) 辛味成分
酸アミド類:カプサイシン(トウガラシ)、サンショオール(サンショウ)、
ピペリン(コショウ)、シャビシン(コショウ) バニリルケトン類:ジンゲロンとサンショオール(ショウガ)
チオエーテル類(匂い成分でもある)含硫化合物
ジアリルジスルフィド(ネギ、タマネギ、ニンニク)など。過去の国試に出題されたが、
現在、甘味の本体ではないと言われている。 イソチオシアネート類
アリルイソチオシアネート(ワサビ、和ガラシ、黒カラシ)
p-ヒドロキシベンジルイソチオシアネート(白カラシ)
( 2 - 7 ) 渋 味 成 分 タンニン類:ガロカテキンやエピガロカテキン(茶の渋味)
シブオール(柿の渋味、水溶性タンニン)
そう さい
渋柿の脱渋機構
・湯抜き法 アルコールデヒドロゲナーゼ
・アルコール脱渋法 アルコール アセトアルデヒド
・炭酸ガス法
シブオール(水溶性) (結合)→不溶化
☆脱渋処理で、水溶性のシブオールは、アルコールから生成したアセトアルデヒドと結合し、不溶化する
ため、渋味を感じなくなり、柿に元々含まれていた糖の甘味が現れるため甘く感じるので、シブオール
が除かれたのではない。
0 - 1 3 9 食品の味についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a ミカン-----苦味-----ヘスペリジン
-20-
b トウガラシ-----辛味-----カプサイシン
c 甘草-----甘味-----ステビオシド
d イカ-----甘味-----グリシン
(1) a と b (2) a と c (3) b と c (4) b と d (5) c と d
0 - 1 3 9 解説(今後、このような組み合わせ問題が出題されると予想される)
a:フラボノイドのヘスペリジンは苦味成分ではなく、柑橘類の缶詰の白濁原因物質である。
ナリンギンもフラボノイドの一種で、苦味があり、夏みかん、グレープフルーツ、はっさくに含ま
れる。ヘスペリジン、ナリンギンを除くため、ヘスペリジナーゼ、ナリンギナーゼが使われる。
c:ステビオシドは、ステビアの葉に含まれるジテルペン系の配糖体である。
甘草の甘味成分はグリチルリチンである。
解 答 (4 )
(3)香り成分(香辛料の項と併せて勉強する)
香気物質:エステル類、アルデヒド類、アルコール類、テルペン類
柑橘類の香り成分:レモンの香り(シトラールなどのテルペン類)、グレープフルーツの
香り(ヌートカトンなどのテルペン類)
リンゴの香り成分:アルコール、アルデヒド類(ヘキサナール、ヘキサノールなど)
エステル類(過熟リンゴの香り;酢酸エチル、酢酸ペンチルなど)
パイナップルの香り成分:エステル類(酢酸エチル、酢酸アミル)
バナナの香り成分:エステル類(酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ペンチルなど)
きゅうりの香り成分:キュウリアルコール(平成 17 年度 0544 に出た)
キャベツの香り成分:青葉アルコール
☆にんにく、ネギの香り成分:含硫化合物(ジ ア リ ル ジ ス ル フ ィ ドなど)
たまねぎの香り成分:ジプロピルジスルフィド(05-144)
☆マツタケの香り成分:マ ツ タ ケ オ ー ルとケイ皮酸メチル
☆シイタケの香り成分:レ ン チ オ ニ ン(環状含硫化合物)
○シイタケの香り成分の生成
(生シイタケや干しシイタケをぬるま湯につけると生成する香り)
酵素
レンチニン酸 → レンチオニン(香り物質)
1 - 1 3 9 . 食品の色、味、香りに関する記述である。これらの成分の生成に酵素反応が関与しないもの の組合せはどれか。
a. 紅茶の色素のテアフラビン
b. しょうゆの色素のメラノイジン
c. ハム、ソーセージのニトロソミオグロビン
d. 牛肉のうま味のイノシン酸
e. ニンニクのにおいのアリシン
(1)a と b (2)a と c (3)b と c (4)c と d (5)d と e
1-139. 解 説 と ポ イ ン ト ( 組 み 合 わ せ 問 題 ) 食 品 加 工 学 の 出 題 範 囲 で も あ る 。
(a)誤り(酵素反応が関与)。紅茶は発酵茶である。発酵=生体または微生物の酵素による反応。
茶葉中のカテキン類が酸化酵素のポリフェノ―ルオキシダーゼの作用を受けてキノン類に変化し、
-21-
酸化重合しテアフラビン(橙赤色)やテアルビジン(濃赤色)の紅茶特有の色素を生成する。
(b)正しい(酵素反応が関与しない)。しょう油や味噌の褐変反応(非酵素的褐変反応)
☆ア ミ ノ ・ カ ル ボ ニ ル 反 応 ( メ イ ラ ー ド 反 応 ):アミノ酸と還元糖が反応してメラノイジンと よばれる褐色色素を生成する非酵素的反応。味噌やしょう油の原料や熟成中にアミノ酸や糖が
充分存在するためこの反応が起こる。
★ス ト レ ッ カ ー 分 解:アミノカルボニル反応の中間産物(α-ジカルボニル化合物)はアミノ酸と
ストレッカー分解を起こし、アルデヒド、さらにピラジン類を生じる(加熱食品の焙焼香)。
(c)正しい(酵素反応が関与しない)。ハムやソーセージなどの食肉加工品の場合、加熱しても肉の
色が褐色化しないように、発色剤として硝酸塩や亜硝酸塩(これ自身は無色)を添加する。
この発色剤から生成した酸化窒素が、肉色素のミオグロビンと反応(ニトロ化反応)し、安定な
ニトロソミオグロビンにななる。
(d)誤り(酵素反応が関与)。肉類のうま味成分のイニシン酸 (5'-IMP) はアデノシン系ヌクレオチド
の 5'-AMP が 5'-AMP デアミナーゼの 作用を受けて生成される。かつお節のうま味成分でもある。
(覚え方:かつお節でだしとったイノシシ汁(イノシン酸)、高僧(酵素)もうまいと太鼓判)
(e)誤り(酵素反応が関与)。ニンニク中の含硫化合物であるアリインが酵素のアリイナーゼの作用に
よってにおい物質のアリシンを生成する。
(覚え方:ニンニクをつぶすと、そのにおいで蟻死ん(アリシン)で、蟻いなくなり(アリイナーゼ))
解 答 (3 )
1 - 1 4 1 . 食品の香りに関する記述である。正しいのはどれか。
(1)柑橘類の果物の主な香気成分としては桂皮酸メチルなどのエステル類がある。
(2)きゅうりの香り成分にはリモネンやピネンなどのテルペン類が多い。
(3)飯のお焦げの香りはアミノ酸のストレッカー分解によってできるバニリンによる。
(4)加工食品の香気の多くはアミノカルボニル反応の副産物として生成するアル デヒド化合物
とピラジン化合物である。
(5)淡水魚の生臭さはリシン(リジン)がピペリジンとなった後に生成されるトリメチルアミン
のためである。
1-141. 解 説 と ポ イ ン ト
(1)誤り。柑橘類の香気成分のリモネン(多くの柑橘類)、シトラール(レモン)、ピネン(ミカン、
レモン)、ヌートカトン(グレープフルーツ)はテルペン類に分類される。桂皮酸メチルエステル はマツタケオールとともに松茸の香り成分の一つである。
(2)誤り。キュウリの香気成分は、キュウリアルコールや菫葉(きんよう)アルデヒドなどのアルコー
ルやアルデヒド類である。
(3)誤り。食品の調理加工のとき生じる芳香(加熱香気)は、主に糖とアミノ酸によるアミノカルボ
ニル反応の進行(4 段階)によって生成する。褐色色素の生成途中の中間産物および副生成物が、
香気成分に寄与している。
第 1 段階(フルフラール類、フラン類など)、第 2 段階(ストレッカー分解:アルデヒド類、例、
ご飯のお焦げの香り)、第 3 段階(ピラジン類;焙焼香、例、コーヒー、ゴマの香り)、第 4 段階
(ピロール、ピロリジン、ピリジンなど)。バニリンはバニラエッセンスの香り成分。
(4)正しい。上記参照
(5)誤り。淡水魚の生臭さは、リジンが分解して生成されるピぺリジンやγ-アミノレバラール、
γ-アミノ吉草酸である。海水魚の生臭さは、魚体中に存在するトリメチルアミンオキシドから生成
したトリメチルアミンなどのアミン類である。(ひっかりやすいので注意を要する)解 答 (4 )
-22-
3-9.有 毒 成 分
1 ) 植物性毒性分
毒キノコ:ツキヨタケの毒(ランプテロール)、タマゴテングタケの毒(ファロトキシン、
アマニタトキシン)テングタケの毒(ムスカリン)、ヒトヨタケ(コプリン)
ジャガイモの毒成分:α-ソラニンとα-チャコニン(発芽部分と緑色部)
未熟な青梅、あんず、ぎんなん種子の毒成分:青 酸 配 糖 体(アミグダリン、プルナシン)
わらびの毒成分:プタキロシド(プタキロサイド)
生豆の毒成分:トリプシンインヒビター 2 ) 動物性毒性分
ふぐの毒成分:テトロドトキシン
貝毒:イガイ、ホタテ貝の中腸線;サキシトキシン
9 9 - 1 3 9 食品中に含まれる有毒成分について、その所在、化学的特性、主な毒性の組合せである。誤っ
ているのはどれか。
(1) レクチン:豆類--------------------たんぱく質------血液凝集
(2) ゴイトロゲン:あぶらな科植物------ステロイド------肝臓肥大
(3) アミグダリン:未熟な果実----------青酸配糖体------内呼吸障害
(4) ソラニン:じゃがいも--------------アルカロイド----頭痛・目まい
(5) テトロドトキシン:ふぐ------------複素環化合物----神経障害
9 9 - 1 3 9 解説とポイント
食 品 中 の 有 害 成 分 a)動物性有害成分 ふぐ(属名テトロドン)毒:テトロドトキシン、致死量 約 2mg/ 体重 50kg;神経障害)
貝毒:サキシトキシン(アルカロイドの一種)、神経障害)
b)植物性有害成分(p.134∼136)
じゃがいもの毒:ソラニン(アルカロイド配糖体)、コリンエステラーゼの阻害;めまい、頭痛)、
熱に安定(分解点 285℃)。発芽部分やその周囲の緑変部に多い。
うめ、もも、あんずの毒:アミグダリン(青酸配糖体)、未熟な種子に存在、
腸内のβ-グルコシダーゼによって青酸を生成し、酸素の運搬を阻害。
わらびの毒:プタキロシド(複素環配糖体)、発ガン成分、十分灰汁抜きすれば除かれる。
豆類の毒:レクチン(ヘマグルチニン;一種のたん白質)、血球凝集作用
バイシンおよびコンバイシン;ソラマメによる中毒(ファビズム)の原因物質
ビタミン E 欠乏と類似の症状、溶血性貧血。
リナマリン(ファゼオリン)およびロストリナマリン;ビルマまめ(五色まめ)に 含まれている青酸配糖体
トリプシンインヒビター;生大豆中に存在、消化酵素のトリプシンを阻害
あぶらな科植物の毒:ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)、甲状腺ホルモンの合成を抑制、その
結果、甲状腺が代償性肥大を起こす。
c)微生物(カビ)の毒:アフラトキシン(アスペルギルス属カビであるアスペルギルス・フラーバス の代謝産物)、肝臓ガン、肝炎、肝硬変を起こす。原因食品;ピーナッツ、マメ、ココア、
ココナッツなど。(注意)分類的にコウジカビに類似しているが、このカビは毒素を産生しない。
1)正しい。
2)誤り。肝臓肥大ではなく、甲状腺肥大。また、ステロイドではなくアリル配糖体
-23-
3 ∼5)正しい。 解 答 (
覚 え 方:素人のふぐ(テトロドン)料理、内臓とらずにトキシン(毒)で神経障害
男爵(いも)の目(芽)をみて、他人の空似(ソラニン)と気がついた。
わらび生で食べたブタ、帰路死んだ(プタキロシド) 陪審員(バイシン)ソラマメ食べて貧血症
ビルマからリナ・マリン号(リナマリン)で運んだ五色マメ、食べて全員中毒死。
カビがついたピーナッツの油にトキシン(アフラトキシン)あり。
関連問題
02-141
第 4 章 食品成分の変化と栄養★★( 食 べ 物 と 健 康 I、 1 0 7 - 1 2 8 頁 ( 三 共 出 版 ) )
4 - 1 .酸 化
脂質の酸化によるラジカルの生成、酸敗油脂、ペルオキラジカル 4 - 2 .加 熱 変 化
☆アミノカルボニル反応による褐変反応と加工食品の加熱香気、リジノアラニン
(4-4 で 解 説 す る )
4 - 1 脂 質 の 酸 化 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク 1)□□油脂中の(不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸)は空気と接触すると(酸素、水素)によって容易に
酸化される。この生成物は、自己触媒的に酸化を誘発するので、この反応を(自動酸化、酵素酸
化)と呼ぶ。 2)□□ 脂質の酸化は、水分活性が低下すると(起こりやすい、起こりにくくなる)が、水分活性 が極めて低い場合には、逆に(起こりにくい、起こりやすい)。 水の単層膜の破壊と酸化
3)□□ 食品加工貯蔵中に酵素の(リポキシゲナーゼ、プロテアーゼ)が残存していると、大豆で は脂肪酸を酸化して、そのヒドロペルオキシドを生成する。
4)□□このヒドロペルオキシドはさらに分解され揮発性の(ヘキサナールやヘキサノール、酢酸
エステルやバニリン)を生成し、青臭い豆臭の原因となる。 タンパク質の加熱による変化、変性に関する問題
0 - 1 3 5 たんぱく質の加熱変性および変性についての記述である。正しいのはどれか。
(1) 加熱すると、たんぱく質は一次構造および高次構造の変化を起こす。これを加熱変性という。
(2) たんぱく質の水溶液を加熱するとたんばく質分子内および分子間の水素結合は切断されるが、
イオン結合、疎水結合などは切断されない。
(3) たんぱく質分子間の水素結合の切断は、加熱のほかに、pH をアルカリ性や酸性にしても起こる。
(4) たんぱく質の変性は攪拌、超音波処理、X 線照射などの物理的な処理のみでは起こらない。
(5) たんぱく質の凝固温度は溶液中の pH によって異なるが、たんぱく質濃度や塩類濃度による差は
みられない。
0-135解説
(1) 誤り。たんぱく質を加熱すると高次(二、三次)構造が変化するが、一次構造の変化は起こらない。
たんぱく質の一次構造:ネックレスや数珠のようにアミノ酸が多数ペ プ チ ド 結 合している様子を
いう。
たんぱく質の高次構造:毛糸玉のように、毛糸(一次構造のたんぱく鎖)が立体的な形をした様子
を想像すればよい。これが加熱によって、ほどけて、違った形に変化する
ことを加熱変性といい、一次構造が変化(分解)するわけではない。 -24-
(2)誤り。加熱によりたんぱく質の分子内、分子間の水素結合、イオン結合、疎水結合などの弱い結合
は切断され、高次構造が壊れる。
(3)正しい。
(4)誤り。これらの物理的処理よってもたんぱく質の変性は起こる。
(5)誤り。豆腐のように豆乳を加熱しただけでは凝固しないが、硫酸マグネシウムや塩化カルシウム
などの塩類を添加すると70℃以上で凝固する。
解 答 (3 )
類題 第 12 回管栄養士国試 問題 134 0 - 1 4 4 たんぱく質の変化についての記述である。正しいものの組合せはどれか。
a 食品中のたんぱく質を十分加熱変性させてもアレルゲン性は完全には消失しな い。
b たんぱく質溶液に無機塩類を加えてたんぱく質を沈澱させる操作を塩析と呼ぶ。
c たんぱく質をアルカリで処理するとリジン残基とアラニン残基が反応してリジノアラニンを生成
する。
d 食品加工の過程で遊離の還元糖とたんぱく質が反応すると有効性リジンが増加して栄養価が高まる。
(1) a と b (2) a と c (3) b と c (4) b と d (5) c と d
0 - 1 4 4 解説(難問)
a:加熱調理した卵、そばでもアレルギーを起こすことがあることを考えてみたら理解できる。
「アレルゲン」とは、アレルギー反応を起こす抗原のことで、無数の種類がある。
食品アレルギーでは、そば、卵以外に豚肉、大豆、タケノコ、ナスでも症状を示すものもある。
b:たんぱく質は、薄い塩溶液では、溶けているが、高濃度の塩溶液では、溶解度が低下し、沈殿する
性質を持っている。この操作を塩 析といい、たんぱく質の除去、酵素たんぱく質の精製などに
利用される。
☆★その他、たんぱく質は、両 性 電 解 質であるが、ある pH で、電荷が等しくなる点(等 電 点)
で、溶解性が低下する。
c:リジノアラニンはたんぱく質をアルカリ処理すると、シスチン、セリン、システィンなどのβ―位
に置換基を持つアミノ酸からデヒドロアラニン残基が形成され、さらに、リジン残基と反応して
リジノアラニンが形成される。注)たんぱく質中のアラニンとリジンが結合したものではない。
d:還元糖とたんぱく質との反応は、非酵素的褐変反応のアミノーカルボニル反応で、リジンの
ε―アミノ基が反応するため、リジンの有効性を失い栄養価が低下する。
解 答 (1 )
第一出版「管理栄養士国家試験問題と解答」(以下、第一出版問題集と略す)では、(1)
医歯薬出版「管理栄養士国家試験問題集」(以下、医歯薬出版問題集と略す)では、(3)
4 - 3 .酵素反応(☆ポリフェノールオキシダーゼ、チロシナーゼ、メラニン)
0 2 - 1 3 9 . 酵素的褐変反応に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)メラニン形成に関与する酵素はチロシナーゼである。
(2)テアフラビンは、紅茶の発酵過程で茶葉中のカテキン類がポリフェノールオキシダーゼの作用に より酸化重合したものである。
(3)ポリフェノールオキシダーゼとは、ポリフェノール類をキノンに酸化する酵素で、鉄を含む金属 酵素である。
(4)酵素的褐変反応の抑制には、亜硫酸塩や食塩などの酵素阻害剤が用いられる。
(5)ポリフェノールオキシダーゼにより酸化を受けたポリフェノール類は、共存するアミノ酸や
たんぱく質と反応し、褐変反応が進行する。
-25-
0 2 - 1 3 9 解説と解答
酵素的褐変反応はポリフェノールオキシダーゼによりポリフェノール類が酸化されることで、褐変物質が
生成される。リンゴ、タケノコの切り口の褐変:チロシンがチロシナーゼの働きでメラニンが生成する。
ポリフェノールオキシダーゼはポリフェノール類をキノン類に酸化する酵素で、このキノン類が重合し
て褐変物質が形成される。
したがって、褐変反応は共存するアミノ酸やタンパク質との反応で進行するものではない。
解 答 (5)
0 - 1 3 8 食品成分の酵素的変化についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) 畜肉の旨味成分であるイノシン酸はアデニル酸 (AMP) に AMP デアミナーゼが作用して生成する。
(2) 子牛の胃から取られたレンニンは乳たんぱく質のκ一カゼインを限定加水分解して、カゼイン
ミセルを破壊して凝集させる。
(3) 豆腐の大豆臭はリポキシゲナーゼの作用で生成した脂肪酸ヒドロペルオキシドの分解産物である
アルデヒドに起因する。
(4) ダイコンの辛味は芥子油配糖体がアリイナーゼで分解されて生じたアリルイソチオシアネートに
よる。
(5) キャッサバの有害成分である青酸は、前駆体の青酸配糖体がβ一グルコシダーゼなどの作用で分解
されて生成する。
0 - 1 3 8 解 説 (難問)
(1)正しい。食肉の熟成中に自己消化によって、筋肉たんぱく質の分解によるペプチド、アミノ酸の
生成と AMP(アデノシン一リン酸)がデアミナーゼによってイノシン酸を生成し、 うま味が増す。
リボース-5-P → リボース-5-P
アデノシン一リン酸(AMP) イノシン酸(イノシンー5'ーリン酸)
(2)正しい。牛乳中のたんぱく質カゼインは、リン酸ーカルシウムと結合し、カゼインミセルの状態で
コロイド状に分散している。これに凝乳酵素であるレンニン(キモシン)を作用させるとパラカゼイ
ンとなって、凝固する。カゼインには、α sー、βー、κー、γーカゼインがある。
(3)正しい。リポキシゲナーゼ(リポキシダーゼ):マメ科植物、動物の筋肉などに多い。
リノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸に酸素を導入、ヒドロペルオキシドを生成する酵素。
(4)誤り。大根の辛味成分はミロシナーゼの作用によってイソチオシアネート類が遊離したものである。
アリイナーゼは葱類の香辛味生成に関与する酵素である。
ミロシナーゼ
4-メチルチオ-3-ブテニルグルコシノレート → 4-メチル-3-ブテニルイソチオシアネート
(大根特有の刺激的な香りのある辛味物質)
(5)正しい。キャッサバ、ビルマ豆にリナマリン(ファゼオルナチンと同一)という青酸配糖体を含む。
この青酸配糖体は、β-グルコシダーゼで分解され、青酸を生成する。
解 答 (4 )
類題 ☆第 13 回管栄養士国試 問題 137
4 - 4 成分間反応(非酵素的反応)☆アミノカルボニル反応、☆ストレッカー分解
(平 成 1 7 年 度 に 出 題 ;05-140)
1)□□アミノカルボニル反応はアミノ酸、タンパク質、アミン類などの(カルボニル化合物、アミノ
化合物)と還元糖や還元性を有する少糖類や多糖類などの(カルボニル化合物、アミノ化合物)
-26-
との反応で褐変物質の(メラノイジン、アントシアニジン)が生成される反応である。
2)□□アミノカルボニル反応による褐変は、中間水分活性値付近で(起こりにくい、起こりやすい)。
下の問題(02-140)と水分活性の項(3-1)参照。
この反応は、水分活性が 0.8 以上または 0.4 以下の時起こりにくい。
3)□□アミノカルボニル反応による褐変は、栄養価に影響を(及ぼさない、及ぼす)。
○ ス ト レ ッ カ ー 分 解:アミノ化合物と還元糖の加熱によってアミノカルボニル反応の主経路の他に、
副反応としてストレッカー分解が起こり、香気物質のピラジンが生成する。
0 2 - 1 4 0 . 食品のアミノ・カルボニル反応に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)食品の加工・貯蔵・調理の過程において、たんぱく質、アミノ酸、アミンなどが相互に反応し、
メラノイジンが生成する。
(2)アミノ・カルボニル反応は、食品の品質に悪い影響を与え、かつ良い影響を及ぼさない反応で
ある。
(3)アミノ・カルボニル反応とは、たんぱく質・ペプチド・アミノ酸・アミンなどのアミノ化合物と
還元糖や脂質の分解生成物などのカルボニル化合物との反応である。
(4)アミノ・カルボニル反応の速度は、pH、温度、金属などの影響を受けるが、光、水分活性の影響 を受けない。
(5)アミノ・カルボニル反応は、食品の色・香りに影響を与えるが、栄養価には影響を与えない。
0 2 - 1 4 0 解説と解答
(1):アミノ化合物とカルボニル化合物との反応でアミノ化合物が相互に反応するのではない。
(2):中間生成物質であるアミノレダクトン類には脂質の酸化を抑制する作用がある。
また、褐変物質であるメラノイジンは抗酸化作用がある。
(4):光は反応速度を促進させる。また、水分は無水状態では反応は進みにくくなるが、水分活性が
0.65∼0.85 の中間水分領域では反応が促進される。
(2)(5):アミノ酸の消費やペプチド、タンパク質のアミノ基などが褐変反応に関与するために起こる
栄養価の低下がおこる。
解 答(3)
4 - 5 .微生物による変化(食品加工学の資料参照) 4 - 6 .貯蔵中の変化(食品加工学の資料参照)
4 - 7 .色 素 の 変 化
0 - 1 3 7 食品の色素成分についての記述である。正しいのはどれか。
(1) カロチノイドは植物界にのみ存在する脂溶性色素で、プロビタミン A として作用するものがある。
(2) カロチノイドはブランチングや冷凍などの処理に対して不安定であるので注意を要する。
(3) ナスの青紫色を呈するナスニンはアントシァニン系色素であり、酸性で青色を呈し、アルカリ性
では赤色を呈する。
(4) 新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンの暗赤色であるが、空気に触れると直ちに酸化されてメト
ミオグロビンとなり褐色となる。
(5) えびやかにをゆでると赤くなるのは、たんぱく質結合型青色色素のたんぱく質部分が変性して離れ、
アスタキサンチン本来の色が現れるためである。
0-137解説
(1)誤り。カロチノイドは植物だけではなく、卵黄、魚介類、牛乳などの動物性食品にもルチン、
-27-
アスタキサチン、β―カロチンなどとして含まれている。ただし、動物中のカロチノイドは、
植物性飼料から移行したものである。
(2)誤り。これらの処理(ブランチング;湯通し、冷凍)には安定である。
(3)誤り。ナスニンなどのアントシアニン色素は pH3 以下では赤色、pH7 - 8 では紫色、pH11 以上
では青色になる。
ナスの漬け物にみょうばんや鉄くぎを入れるとナスニンと安定な金属塩をつくるため、退色しない。
(4)誤り。新鮮な生肉の色は還元型ミオグロビンで暗赤色であるが、ミオグロビンは空気に触れた直後
には鮮赤色のオキシミオグロビンになり、時間の経過とともに鉄イオンが3価に酸化されて、
褐色のメトミオグロビンになる。
解 答 (5 )
総合(融合)問題
0 2 - 1 4 1 . 微生物による食品の劣化に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1)微生物の増殖を抑制するために水分活性値を低下させる方法がある。
(2)くん煙中のホルムアルデヒドやフェノール物質は食物に対し防腐作用をもつ。
(3)カビの生産するテトロドトキシンは、強力な肝障害や発がん作用が問題とされている。
(4)たんぱく質やアミノ酸の嫌気的分解によってアミンなどを生成し、異臭を伴う反応を「腐敗」
という。
(5)一般的な微生物の増殖範囲は、pH が 5 から 7 付近であるので、それ以下の pH では保存性が
高まる。
0 2 - 1 4 1 解説と解答
微生物による食品の劣化と保存方法(食品加工学の問題でもある)
(1)(2)(5) 食品の保存方法:水分活性の低下、燻煙、pH 低下(酸性にする)
(4) たんぱく質の腐敗:嫌気的分解によるアミンの生成
(3) かび毒はマイコトキシンといい、テトロドトキシンはふぐ毒である。
覚え方:舞子と鬼神(マイコトキシン)は華美(カビ)な衣装、ふぐ毒は、すぐ手で取ろうトキシン
(テトロドトキシン) 解 答 (3 )
第 5 章 食品の物性 ○ エ マ ル シ ョ ン 、 油 中 水 滴 型 、 ○ 水 中 油 滴 型 、
ダイラタンシー、塑性流動、◎非ニュートン流体、チキソトロピー
5 - 1 .コ ロ イ ド 性
5 - 2 .レ オ ロジ ー
5 - 3 .テ ク ス チ ャ ー
9 9 - 1 4 2 食品の物性についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) ジャガイモでんぷんを少量の水でペースト状にして、これを手で強くつかむと瞬時に表面の水が
内部に吸い込まれて、もろい固体となって割れる。この現象をダイラタンシーという。
(2) マヨネーズ、トマトピューレ、チョコレートなどは一定のずり応力によってはじめて流動性を示し、
これを塑性流動という。
(3) 濃厚なコロイド分散系高分子溶液として存在する液体食品は般に非ニュートン流体である。
(4) チキソトロピーの性質を示す食品は、かく拌により流動性が低下する。
(5) エマルションはコロイド粒子の径が小さいほど安定化する。
-28-
9 9 - 1 4 2 解説とポイント
食 品 の 物 性、難解な語句が出てくるが、具体的な食品の例から覚える。
粘性流動:
a) ニュートン流動…水やシロップなどの濃度の低い水溶液
b) 非ニュートン流動…極度に粘性の強い食品(はちみつ、トマトケチャップなど)
塑性流動;一定の応力まで固体のような弾性を示すが、限界を超えると液体のような流動を
始める現象(つきたての餅の両端を引っ張っていくときの様子) ダイラタンシー;ゆっくりかき混ぜるとあまり抵抗を感じないで流れやすくなるが、速くかき
混ぜようとすると抵抗感が急激に増大し流れにくくなる(例;デンプンの濃厚溶液)。
チキソトロピー;静置しているとき、流動性が悪いが、振ったり攪拌することによって流動性が
増す現象(例;トマトケチャップの容器を長く静置しておくと流動性が悪いが、容器
を激しく振り動かすと流動性がでてくる)。 そのため (4) は誤り。 1 ∼ 3)、5)は正しい。
食品の物性の項の中で、コロイドの分類(疎水コロイドと親水コロイド、分子コロイドとミセルコ ロイド、乳濁液と懸濁液の違い)を整理しておく。 ゾルとゲル。 解 答 (4)
1 - 1 4 2 . 食品のコロイド性に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)パンは分散相が固体で、分散媒が気体の一種のコロイドである。
(2)寒天やゼリーは少量の分散媒が多量の分散相の中に入って流動性を失ったゾ ルである。
(3)牛乳は油中水滴型のエマルションである。
(4)味噌汁は液体に固体粒子が分散した一種のサスペンションである。
(5)ヨーグルトの表面に水が浮いてくるのは、ゾルがゲル化するためである。
1-142. 解 説と ポ イ ン ト( 出 題は 少 な い が 、わ か り に く い の で 、身 近 な 食 品 の 例 で 覚 え よ う )
(1)誤り。パンは分散媒が固体、分散相が気体からなる固体コロイドである。
(2)誤り。寒天やゼリーは多くの液体を含んでいるが流動性を失って固化したゲルである。
固体のコロイド粒子が液体中で分散しているコロイド溶液には2つの状態がある。
a)ゾ ル:流動性を持っている状態。生卵の白身
b)ゲ ル:流動性を失った状態。調理加熱した卵の白身、ゼリー、寒天。
(3)誤り。牛乳は、水(乳汁)中で細かな乳脂肪が分散している水中油滴型(O/W 型)の
エマルジョンである。
エ マ ル ジ ョ ン ( 乳 濁 液 ) の 型(☆食品加工学で良く出題される)
a) 水 中 油 滴 型 (O / W 型 ):水が分散媒(連続相)で、油が分散相となっている状態。
牛乳、生クリーム、マヨネーズ
b) 油 中 水 滴 型 (W / O 型 ):油が分散媒で、水が分散相になっている状態。
バター、マーガリン
(4)正しい。上の表参照
(5) 誤り。ヨーグルトは乳タンパク質カゼインが乳酸発酵によって生成された乳酸(酸性)によって等
電点沈殿し、ゲル化したものである。温度が高くなったり、時間の経過とともにこのゲルに
含まれている溶媒の一部が表面に徐々に浮いてくる(離水、離漿、シネレシス)。
シ ネ レ シ ス、シ ネ リ シ ス(syneresis):ゲルが含んでいる分散媒の一部を放出して体積が減少 する現象。俗に寒天が汗をかくというのはこの現象による。 解 答 (4 )
-29-
5 - 4 .官 能 検 査 1) 食 品 の 官 能 試 験 法
3 点 識 別 試 験 、 味 の 相 乗 効 果
1 - 1 4 3 . 食品の官能検査に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)異なる試料どうしの味覚の対比効果を防ぐには、試料間で時間を置かずに味わうようにする。
(2)同じ試料を続けて味わううちに閾値がしだいに低くなっていくことを疲労順応効果という。
(3)味覚刺激の強さは、試料深度に比例する場合が多い。
(4)少量の食塩によって甘味刺激が強められることを味の相乗効果という。
(5)正しい官能検査を行うためには試料提示の順序や位置をランダムに配置する。
1-143. 解 説 と ポ イ ン ト ( や や 難 問 。 関 連 問 題 平 成 1 2 年 度 問 題 1 4 8)
(1)誤り。2 つ以上の刺激を同時に、または前後に呈示した時にそれらの刺激の差が実際より大きく
感じる心理的効果を対比効果という。これを防ぐ為に試料呈示にパネリスト毎に試料順序をランダム
化する。
(2)誤り。官能検査で、刺激の連続、継続によって感覚の低下を招くことがある。
疲労順応効果とは同じ試料を続けて味わうことによって知覚が弱くなることいい、閾値が 低くなる
ことはない。
閾 値:味覚物質の味の強さを定量的に表現する値
a) 刺激閾値…味覚物質を感知できる味覚物質の最低濃度
b) 弁別閾値…2種類の刺激の違いを認識できる味覚物質の最低濃度
(3)誤り。官能検査用語には試料深度という用語はない。
(4)誤り。設問の「少量の食塩によって甘味刺激が強められる」味の相互作用は味の対比効果という。
味の相乗効果:グルタミン酸ナトリウム(MSG)に核酸系の呈味物質(イノシン酸)を加えると、
うま味が相乗的に高まる。このようにある物質を単独で用いたときに比べ、他の物質
を併用すると、その効果が著しく増す効果をいう。
(5)正しい。(1)の解説を参照
解 答 (5 )
第 6 章 食品の機能性☆☆☆ 一次機能(栄養的機能)、二次機能(嗜好的機能)、三次機能(生体調節機能)
2006 年 3 月の出題科目変更で、今後とも食品成分の機能性について出題される可能性が高い。
0 2 - 1 5 0 . 特定保健用食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)特別用途食品は、乳児用、妊産婦用、病者用などの用途に適する旨の表示をして販売する食品
であり、特定保健用食品もその一つである。
(2)保健の用途に関与する成分が基準以上含まれていれぱ、自動的に特定保健用食品として販売する
ことが可能である。
(3)整腸作用が期待される特定保健用食品は、難消化性オリゴ糖、食物繊維、カルシウム、ペプチド
成分を含むものである。
(4)特定保健用食品は、多く摂り過ぎても安全な食品である。
(5)特定保健用食品の表示においては、疾病の治療に有効である旨を記載してよい。
0 2 - 1 5 0 解説と解答
特定保健用食品の問題である。今後、常に出題されると思われるので、良く理解しておく。
-30-
(2):生体調節機能をもち、一定の要件に適合した食品であり厚生労働省に認可されたもので
あること。
(3):整腸作用が期待される成分は食物繊維、オリゴ糖、難消化性デキストリンなどである。
(4):食物繊維を過剰に摂取すると下痢や他の栄養成分の消化吸収を阻害するなどのように、偏って
摂取すると健康を害することがある。
(5):特定保健用食品は食品と医薬品の中間に位置しており、その許可要件に食品またはその成分は
専ら医薬品として使われるものではないという要件があり、疾病の治療に有効である旨を
記載してはならない。 解 答 (1)
0 3 - 1 5 0 特別用途食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)特別用途食品は、乳児用、病者用などの用途に適する旨の表示をした食品であり、その表示に
ついては特に制限されていない。
(2)そしゃく・えん下困難な高齢者用の表示をした食品は、特別用途食品の一つである。
(3)遺伝子組換え食品は、特別用途食品の一つである。
(4)特別用途食品の−つである特定保健用食品においては、疾病の治療に有効である旨の表示が
認められている。
(5)ナトリウム食品である減塩しょうゆは、その食塩濃度について、18%以下と定められている。
0 3 - 1 5 0 解説と解答
(1)特定保健用食品は、特別用途食品の1つであり、保健の用途に関与する成分を含み、その有効性
をヒトで、医学的、栄養学的に証明されたもので、健康増進法(第 6 章)で用途、効能表示の基準
が定められている。
(2)正しい。
(3)特別用途食品は、乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用、その他厚生労働省で定める特別の用途に
適したものであり、遺伝子組み換え食品は該当しない。
(4)特定保健用食品は、疾病の治療に効果があると表示してはいけない。
(5)減塩しょう油は、病者用にイオン交換膜などを利用して、普通しょう油から食塩を 100g 中 9g
以下 に脱塩したものである。 ナトリウム量 3,550mg(食塩として 9g)以下と定められている。
解 答 ( 2 )
食品学各論 編
1 .植 物 性 食 品
1 - 1 .穀 類
イネ、米の種類と特徴、古米臭、◎うるち米ともち米、
◎米 、 そ ば と 小 麦 の タ ン パ ク 質 お よ び ア ミ ノ 酸 価 (0 3 - 1 4 1)、 第 一 制 限 ア ミ ノ 酸
○アミノ酸スコア:生および乾そば(92L)、精白米(65L)、強力粉(38L)、
コーングリッツ (32L)、コーンフレーク(16L)
☆穀類の理解度チェック
1)□□食品タンパク質のアミノ酸スコアは、そばよりトウモロコシの方が(高い、低い)。
2)□□小麦粉(強力粉)のアミノ酸スコアは、精白米のそれより(高い、低い)
3)□□小麦粉グルテンは、(グルテニンとグリシニン、グリアジンとグルテニン)からなる。
4)□□穀類にタンパク質の大部分は(グルテリンとプロラミン、アルブミンとグロブリン)である。
5)□□こめには(オリゼニン、グルテニン)と呼ばれるグルテリンが圧倒的に多い。
-31-
6)□□トウモロコシには(ツエイン、ホルデイン)と呼ばれるプロラミンが最も多い。
7)□□そば粉のアミノ酸スコアは、小麦粉のそれより(高い、低い)。
1 - 1 4 4 . 植物性食品に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)米、小麦、大豆は生産量が多く、世界の三大穀物といわれる。
(2)そばのたんぱく質は小麦のたんぱく質に比べて、バランスのよいアミノ酸組成である。
(3)もち米はアミロペクチンをほとんど含まず、アミロースをほぼ 100%含んでいる。
(4)米も小麦もナトリウム含量は同程度含んでいるので、ご飯もパンもナトリウム含量は同じ程度で ある。
(5)小麦粉はたんぱく質含量に基づいて、特等粉、一等粉、二等粉などに分類さ れる。
1-144. 解 説 と ポ イ ン ト
(1)誤り。世界三大穀物(総生産量)は米(約 25%)、小麦(約 29%)、とうもろこし(約 26%)
である。
(2)正しい。 そばと小麦のたんぱく質の栄養価
アミノ酸価 たんぱく価
そば(生) 92L
81L,I
L:リジン、I:イソロイシン
小麦粉(強力粉) 38L
48L
(3)誤り。もち米のデンプンにはアミロースをほとんど含まず、アミロペクチンから成る。
(4)誤り。米と小麦のナトリウム含量はほぼ同程度であるが、パン製造時に食塩が添加されるので、
パンの方がナトリウム含量は多くなる。
(5)誤り。小麦粉の等級は胚乳の中心部に近い粉ほど上質で、ふすま部の混入が多くなると灰分含量が
高くなり等級が下がる。薄力粉の灰分:1等(0.4g/100g)、2 等(0.5g/100g)
解 答 (2 )
1 - 2 .い も 類
1 - 3 .豆 類
0 - 1 4 1 穀類、豆類等に関連する記述である。正しいのはどれか。
(1) こめ、こむぎ、おおむぎ、ライむぎなどは穀類に分類されているが、とうもろこしは穀類に含ま
れていない。
(2) 精白米、小麦粉は水分を除くと炭水化物が非常に多く、脂質がこれに次ぎ、たんぱく質はごく
僅かで ある。
(3) ご飯 (精白米) に豆腐入りみそ汁を組合せることにより、たんぱく質のアミノ酸スコアは改善され る。
(4) だいず (乾) には約 20%の炭水化物が含まれ、その主成分はでんぷんであ る。
(5) だいず (乾) に比べ、あずき (乾) は炭水化物の含量が少ない。
0-141解説
(1) 誤り。とうもろこしは穀類に含まれる。
(2)誤り。精白米、小麦粉のたんぱく質は脂質よりも多く含まれている。
(3)正しい。精白米のアミノ酸スコア;65 L(リジンが第一制限アミノ酸)
豆腐、豆みそのアミノ酸スコア;82 S(含硫アミノ酸が第一制限アミノ酸)
両方の食品を組み合わせることによって、アミノ酸スコアは改善される(補足効果)。
(4)誤り。乾燥大豆の主成分はたんぱく質が 35.3%、脂質が 19.0%、糖質が 23.7%含まれているが、
そのほとんどは少糖類ででんぷんは 1%以下である。
-32-
(5)誤り。小豆(あずき)の主成分は糖質(54.4%)で、その約 60%がでんぷんである。たんぱく質
は 20.3%、脂質は 2.2%含まれる。
解 答 (3 )
類題
第 13 回管栄養士国試 問題 145
1 - 4 .種 実 類
油脂の項参照
1 - 5 .野 菜 類
0 - 1 4 2 野菜についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) ほうれん草はビタミン A と C と鉄分が多い野菜である。
(2) キャベツやだいこんの香りはいずれも硫黄化合物による。
(3) S-メチルメチオニンはビタミン U とも呼ばれ、キャベツに含まれる抗潰瘍因子である。
(4) かぼちゃは、キャベツに比較して、糖質含量が少ない。
(5) アリシンはにんにくに含まれ、ビタミン B1 と反応して、腸内で安定なアリチアミンを生成する。
0-142解説
(4) かぼちゃの糖質は日本かぼちゃで約 8%、西洋かぼちゃで約 18%含まれている。キャベツには
糖質が 約 5%含まれており、かぼちゃのほうが糖質を多く含んでいる。
解 答 (4 )
1 - 6 .果 実 類
0 - 1 4 3 果物についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) いちご、グレープフルーツはビタミン C を多く含むが、びわ、りんごにはビタミン C は比較的
少ない。
(2) トマトの赤色色素はリコピン、いちごの赤色色素はアントシァニンである。
(3) 酸基の適量がメチルエステル化されたペクチンには、ゼリー形成能がある。
(4) 糖質の量が多い果物はバナナ等で、少ない果物はあんず等である。
(5) アボカドは糖質が多い果物で、マンゴーは脂質の多い果物である。
0-143解説
(1)∼(4)正しい。
ペクチンは、D-ガラクツロン酸がαー1,4 結合によって多数結合した多糖類である。
ガラクチュロン酸のカルボキシル基に一部メトキシル基がエステル結合しており、それが、7%以上
のものを高メトキシルペクチン (HM)、7%以下のものを低メトキシルペクチン (LM) という。
D-ガラクツロン酸 低メトキシルペクチン
高メトキシルペクチン
(Ca と結合、ゲル化する) (糖、酸の存在でゲル化する)
(5)アボカドの脂質含量は約 18.7%、糖質含量は約 5.2%、マンゴーの糖質含量は約 17.6%、脂質
含量は 0.1%以下である。
解 答 (5 )
類題 第 13 回管栄養士国試 問題 135
-33-
☆果実類のチェック項目
a)未熟果実や果皮には、不溶性のプロトペクチンが多いが、成熟するに従い酸や酵素によって水溶性の
ペクチンに変わる。
b)完熟果実の糖分は、通常、10∼20%含む。
c)果実類の酸味は、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸による。
d)果実に酸が多いと、糖含量が多くても酸味が強く感じる。果実を貯蔵すると糖酸比(糖%/酸%)が
増加するので甘くなる。
e)果実類にはカリウムが多い。アボカド 720mg/100g、バナナ 390mg/100g
f)リンゴやバナナの果肉の切り口が褐変するのは、果肉中のポリフェノールが、ポリフェノール
オキシダーゼによって褐変物質に変化するためである。
1 - 7 .き の こ 類 省 略
1 - 8 .藻 類 省 略
2 .動 物 性 食 品
2 - 1 .食 肉 類
○ 死 後 硬 直 、 解 硬 、 熟 成 ( 牛 肉 の う ま 味 I M P) 、 ア ク ト ミ オ シ ン 、 自 己 消 化 (カ テ プ シ ン)
0 - 1 4 5 食肉の組織についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) 家畜の加齢にともない、肉質が硬くなるのは、結合組織をつくっているコラーゲンの分子内、
分子間架橋が増加して不溶化していくためである。
(2) 結合組織のコラーゲンは加熱するとポリペプチド鎖がほどけて水溶性のゼラチンに変わり、冷却
すると元のコラーゲンに戻る。
(3) 死後硬直時には筋原繊維たんぱく質のアクチンとミオシンが強く結合して、硬直複合体を形成して
いる。
(4) 食肉の保水性はとちく直後が最も良く、死後硬直完了時点で最低になり、その後、熟成によって
一部回復する。
(5) 死後硬直した食肉を低温で熟成させる時、80%程度解硬するのに牛で 10 日、豚で 5 日、鶏で半 日かかる。
0-145解説
(1)コラーゲンは骨、軟骨、皮膚、腱などの結合組織に多い繊維性たんぱく質である。分子間、
分子内で架橋を形成し、加齢、老化にともないこの架橋が増加し、不溶化し肉が硬くなる。
(2)コラーゲンは加熱すると、ポリペプチド鎖が解けて変性して水に溶けるゼラチンになり、
冷却するとゲル化する。問題の記述は、誤り。
(3)∼(5)
死後硬直:動物の筋肉が、死後一時期収縮して硬くなる現象。
死後、乳酸の生成とともに、ATP が減少し、アクチンとミオシンの不可逆的結合により 筋収縮が起こり、生成したアクトミオシンの脱水によって硬く感じるようになる。
食肉に関しては、死後硬直の肉は、pH も低く、肉質も硬く、保水性も悪いので、熟成を行い、
解硬し、食用に供する。
最大死後硬直の時期:と殺後、魚肉で 1∼4 時間、鶏肉で 6∼12 時間、牛肉で 12∼24 時間、
豚肉後で 3 日後である。 食肉の熟成期間:2∼5℃の貯蔵温度において、牛肉で 8∼10 日、豚肉で 4∼5 日、鶏肉で
-34-
1/2∼1 日くらいを要する。 解 答 (2 )
2 - 2 .牛 乳( 表 示 方 法 が 変 更 )
牛 乳 中 の 栄 養 成 分 ( カ ゼ イ ン な ど ) の 特 徴 、 乳 糖 不 耐 症 、 バ タ ー 、 牛 乳 と 母 乳
1 - 1 4 8 . 牛乳に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)牛乳に含まれるβ−カゼインがキモシンの働きで分解されると、全てのカゼ インが安定性を失い、
カルシウムによって沈澱するようになる。
(2)アイスクリームを長く保存して組織が砂状になるのをサンデイ化と言う。これは砂糖の結晶が
成長してザラつくことによる。
(3)各地方独得の風味を持つプロセスチーズの 2 種類以上を、加熱融解し成型してナチュラルチーズ
とする。
(4)泌乳初期のヒトの母乳は、牛乳に比べて銅と亜鉛が多いので、調整粉乳には銅や亜鉛の添加が
認められている。
(5)バターは、牛乳から分離したクリームから脂肪分を集めて練り上げたもので、水分をほとんど
含まない。
1-148. 解 説 と ポ イ ン ト ( 難 問 ) 食 品 加 工 学 の 出 題 範 囲
(1)凝乳酵素キモシン(レンニン)はκ-カゼインを特異的に分解する酵素で、β-カゼインには作用し
ない。 (2)アイスクリームのサンデイ化は保存中の乳糖が結晶化したものである。
(3)プロセスチーズはナチュラルチーズに乳化剤を添加して加熱溶解して固化させたものである。
(4)正しい。
(5)バターには 17%以下で水分が含まれる。 解 答 (4 )
2 - 3 .卵 類
卵黄たんぱく質、リゾチーム、オボアルブミン、レシチン、オボムコイド
0 - 1 4 7 卵類についての記述である。正しいのはどれか。
(1) 卵白たんぱく質のコンアルブミンは総たんぱく質の 60∼65%で一番多いたんぱく質である。
(2) リゾチームは卵黄成分で、優れた抗菌力を有している。
(3) 卵白のアンチトリプシン (トリプシン阻害物質) は、胃液中でも加熱によっても安定である。
(4) 卵が古くなると、卵黄膜の強度が低下して、卵黄係数が上昇する。
(5) コレステロールは卵黄の脂質不けん化物中に含まれている。
0 - 1 4 7 解説(難問)
(1)もっとも多く含まれるたんぱく質はオ ボ ア ル ブ ミ ンで、総たんぱく質の 60∼65%を占め、
分子量 45,000 の球状たんぱく質である。卵を調理・加工(泡立ち性、熱凝固など)するとき
重要な役割をしている。
コ ン ア ル ブ ミ ンは 14%含まれており、鉄、銅、亜鉛などの金属イオンを結合する能力を持って
おり、赤痢菌などの微生物の生育を抑える作用がある。。
(2)リゾチームは溶菌作用のある卵白たんぱく質である。卵白たんぱく質中 3.4%含む。
(3)トリプシン阻害物質はオボムコイドという糖たんぱく質で、耐熱性が高いが、卵白中の含量は
少なく、加熱や胃液中のペプシンによって失活する。
(4)卵黄係数は卵黄の高さ/直径で求められ、鮮度が低下すると卵黄膜が弱くなり係数は小さくなる。
(5)不ケン化物:油脂やろうの成分中、水酸化アルカリによって加水分解(ケン化という)して得た
物質中で、水に不溶、エーテルに可溶のものを不ケン化物という。コ レ ス テ ロ ー ルなどのステロー
-35-
ル、炭化水素、高級アルコール、脂溶性色素、脂溶性ビタミンなどが含まれる。
水酸化アルカリ分解 脂質 グリセロール + 脂肪酸アルカリ塩(石ケン)
ケン化 解 答 (5 )
2 - 4 .魚 介 類
○血合肉、赤身魚と白身魚、筋原繊維と肉基質たんぱく質、死後硬直、アクトミオシン
9 9 - 1 4 6 魚介類の脂質、たんぱく質に関する記述である。誤っているのはどれか。
(1) 一般成分のうちで水分と脂質は、季節によってもっとも変動しやすい。
(2) 貝類の脂質含量は魚類に比べて多く、特に多価不飽和脂肪酸の含量が多い。
(3) 魚卵は鶏卵に比べて n-3 系多価不飽和脂肪酸の含量は多い。
(4) 一般魚類の全たんぱく質中に占める基質たんぱく質 (コラーゲン、エラスチンなど) の割合は
畜肉類に比べて少ない。
(5) 一般魚類のたんぱく質のアミノ酸組成は畜肉類と比べて大差はない。
9 9 - 1 4 6 解説とポイント
魚介類の脂質
1)魚類の一般成分:水分 60∼90%、たん白質 30%以下、脂質 25%以下、炭水化物 5%以下、
灰分 3%以下。個々の魚によって異なり、同一の魚でも漁獲時期によって変動する。
脂質:多脂魚(まいわし、さばなど)で変動が大きい。脂質含量の高い時期の魚を旬という。
1)正しい。
2)貝類の脂質は、0.4∼1.3%と魚類に比べ少ない。 2)誤り。
3) 魚卵(筋子など)や魚肉の脂質には、EPA や DHA の n-3 系多価不飽和脂肪酸が多い。
(鶏卵中の脂質の構成脂肪酸の割合は、飽和脂肪酸 36.1%、不飽和脂肪酸 62.5%で、
そのうち、n-9 系脂肪酸のオレイン酸 43.4%、パルミトオリエン酸 27.4%、 リノール酸 12.8%と、飽和脂肪酸のパルミチン酸 27.4%、ステアリン酸 7.5%である)。 3)正しい。
4)たん白質:筋原繊維たん白質が多く、肉基質たん白質(コラーゲンなど)は、畜肉に比べ少ない。
4)正しい。
5)魚類可食部のアミノ酸スコア(アミノ酸価)はほぼ 100 で、畜肉と同様栄養的に優れている。
ただし、貝類、軟体類、甲殻類の第一制限アミノ酸はバリンで、アミノ酸スコアは平均 79 である。
5)正しい。
解 答 (2)
9 9 - 1 4 7 魚介類の可食部の特性に関わる成分についての記述である。誤っているのはどれか。
(1) 赤身魚は白身魚に比べてヒスチジンを多く含むので、アレルギーの原因になりやすい。
(2) 白身魚は赤身魚に比べてミオゲンが少ないので、煮ると組織がほぐれて「そぼろ」になりやすい。
(3) 血合肉の濃褐色はミオグロビンやチトクローム含量が高いことに起因している。
(4) 血合肉は普通肉に比べて、ビタミン B 群やミネラル類を多く含んでいる。
(5) 甲殻類のサクラエビやアミ類を食べると、外皮に含まれるコラーゲンという食物繊維を摂取する
ことができる。
9 9 - 1 4 7 解説とポイント
魚介類の可食部の特性
-36-
1)赤身魚には、白身魚よりアミノ酸のヒスチジンが多く含まれている。ヒスチジンは、分解して多量の
ヒスタミンになり、赤身魚肉によるアレルギー様中毒の原因になる。 正しい。
2)白身魚より赤身魚の方が筋原繊維たん白質が多い。そのため、赤身魚を煮るとかたくなり、「節」が
できる。鰹節に利用。白身魚は煮ると、組織がほぐれるので、「でんぶ(そぼろ)」ができる。
問題文のミオゲンは筋漿たん白質に分類され、ミオシンが筋原繊維たん白質であるので、本当は誤り。
出題ミスと思われる。
3)正しい。白身魚の血合肉(血合筋)の割合は非常に少ない。 4)血合肉は回遊魚や運動性の活発な魚に多い。普通肉に比べ、赤黒い色をしているのは、ミオグロビン
やヘモグロビンを多く含むためである。また、呼吸と関係のあるチトクロームCを多く含む。さらに、
ビタミンB群やミネラルも多く、カツオ血合肉の B1 含量は普通肉の 10 倍も多い。 正しい。
5)甲殻類(エビ、カニ)の外皮には、食物繊維のキチンが多量に含まれている。キチンは N-アセチル
グルコサミンがβ-1,4 グルコシド結合したムコ多糖類である。 誤り。
コラーゲンは、動物界に広く存在する繊維性たん白質で、骨、軟骨、皮膚、腱などの結合組織成分と
して存在する。グリシン、プロリン、オキシプロリンが多い。水、希酸と加熱するとゼラチンになる。
解 答 (5)
3 .油 脂 食 品
ケン化価、ヨウ素価、酸価、過酸化物価。硬化油(水素添加、トランス型不飽和脂肪酸)
○マーガリン(食品学、食品加工学のどちらかから出題)、牛脂、○卵黄、
牛乳中の油脂の特徴、○バター
1-149. 食品の脂質に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)食品や生体組織の脂質成分で最も多いのはトリグリセリドとコレステロールである。
(2)脂肪を酸で煮るとケン化されてグリセロールと脂肪酸の石けんが生成する。
(3)近年、油糧作物の育種により、脂肪酸組成が変えられ、ナタネ油のエルカ酸 (エルシン酸) が
オレイン酸に変換された。
(4)エイコサペンタエン酸 (EPA) は炭素数 20、二重結合5ヶ、n-6 系 (ω 6 系) の脂肪酸である。
(5)植物性食品のステロールの主成分はコレステロールである。
1-149. 解 説 と ポ イ ン ト ( 難 問 )
(1)誤り。ほとんどの動物性、植物性食品では、脂質の大部分は、トリグリセリド(中性脂肪)が占め
ている。しかし、コレステロールは、 食品や生体組織の脂質成分として最も多いものではない。
植物には、ほとんど含まれていない(他のステロール類は存在している:(5) の説明参照)、
動物性食品でコレステロールの多いものは、卵類や内臓部分である。
(2)誤り。脂肪を水酸化カリウムなどのアルカリで煮る(加熱する)と、分解され(ケン化され)
グリセロールと脂肪酸のアルカリ塩(石けん)が出来る。酸で煮ても石けんは出来ない。
(3)正しい。ナタネ油には、以前エルカ酸が 40%近く含まれており、弱い毒性(心臓に代謝異常が
起こる)があるということで、40 年ほど前に品種改良が行われ、1∼2%まで含量が低くなった。
ナタネ油の脂肪酸組成:オレイン酸 59%、リノール酸 20%
(4)誤り。エイコサペンタエン酸(EPA)は炭素数 20、二重結合5個の n-3 系の多価不飽和脂肪酸で
ある。n-6 系の脂肪酸:リノール酸、n-9 系の脂肪酸:オレイン酸
(5)誤り。植物ステロールはエルゴステロール、カンペステロール、β-シトステロール、スチグマ
ステロールなどで、コレステロールは含まない。
解 答 ( 3 )
4 .甘 味 料
転化糖、◎異性化糖、マルチトール、ステビオシド、◎グリチルリチン、◎アスパルテーム
-37-
1 - 1 4 0 . 甘味料に関する記述である。正しいものの組合せはどれか。
a. アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンエチルエステルが結合したジペプチドで
ある。
b. ステビオシドは、ステビア葉に含まれるテルペン系配糖体である。
c. グリチルリチンは、甘草に含まれるテルペン系配糖体である。
d. ショ糖は古くから使われている甘味料で、果糖 (フルクトース) が 2 分子結合し た還元糖である。
(1)a と b (2)a と c (3)b と c (4)b と d (5)c と d
1-140. 解 説 と ポ イ ン ト ( 組 み 合 わ せ 問 題 )
(a)誤り。アスパルテームはアミノ酸のアスパラギン酸とフェニルアラニンのメチルエステルが結合
したジペプチド(2 個のアミノ酸がペプチド結合したもの)で、スクロースの 100∼200 倍の
甘さのあるアミノ酸系甘味料である。
(b)正しい。ステビオシド(ステビオサイド)は、南米原産の多年生菊科植物ステビアの葉に含まれる
テルペン系甘味成分(ジテルペン配糖体)で、スクロースの 120∼150 倍の甘味がある。
(c)正しい。
(d)誤り。スクロース(ショ糖)は D-グルコースと D-フルクト―スが結合した非還元糖である。
解 答 (3 )
0 2 - 1 4 8 . 甘味料に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)アスパルテームは、グリシンとトリプトファンを主要な構成成分とするペプチド性の甘味料で
ある。
(2)マルチトールは、消化酵素で加水分解され血糖値を上昇させる糖アルコールである。
(3)グリチルリチンは、甘草に含まれる配糖体で天然甘味料の 1 つである。
(4)異性化糖は、ショ糖を酵素で加水分解して得られる果糖とブドウ糖の混液である。
(5)甘味料に使用される糖アルコールのエネルギ一換算係数は、ブドウ糖と同じである。
0 2 - 1 4 8 解説と解答
(1):L-アスパラギン酸と L-フェニルアラニンのメチルエステルからなる甘味料である。
(2):消化吸収されにくく血糖値の上昇が少ない。
(4):ブドウ糖液に異性化酵素であるグルコースイソメラーゼを作用させてブドウ糖の約 1/2 を果糖に
異性化させたブドウ糖と果糖の混合糖液である。
(5):糖アルコールは難消化性の糖類でブドウ糖などの消化性のよい糖類とは同じ扱いではない。
解 答 (3)
5 .調 味 料
○ 食 酢 ( 発 酵 に 関 与 す る 微 生 物 ) 、 み そ 、 し ょ う ゆ ( 食 品 加 工 学 で 出 題 さ れ る )
M S G( グ ル タ ミ ン 酸 モ ノ ト リ ウ ム )
6 .香 辛 料
ト ウ ガ ラ シ (カ プ サ イ シ ン), 黒 お よ び 白 こ し ょ う 、 ア リ ル 芥 子 油,ア リ ル イ ソ シ ア ネ ー ト
覚え方:トウガラシ入れた漬け物のかぶ最辛(カプサイシン)
1 - 1 5 0 . 香辛料に関する記述である。正しいのはどれか。
(1)こしょうは熱帯産のコショウ科の植物の実であり、完熟した実を調製したも のが黒こしょうで
あり、未熟なうちに収穫し調製したものが白こしょうであ る。
(2)からしやわさびの辛味は、すりおろすときに配糖体のシニグリンがミロシ ナーゼの作用で
-38-
アリルからし油やアリルイソチオシアネートを生じることによ る。
(3)クローブ (丁字) の主な精油成分はボルネオールであり、強い芳香と刺激性を有し、防腐作用を
呈する。
(4)たまねぎは煮ると硫化物が還元されてプロピルスルフィドを生じて甘味が強くなる。
(5)カレー粉は混合スパイスのひとつであり、その黄色はおもにサフランの花の柱頭に含まれている
黄橙色の色素クロシンである。
1-150. 解 説 と ポ イ ン ト
(1)誤り。黒コショウは未熟果実を乾燥させたもの、白コショウは完熟果実を発酵させて果皮を除いた
ものである。
(2)正しい?。からしには黒からしと白からしがあり、黒からしは配糖体であるシニグリンがミロシ
ナーゼによってアリルイソチアシアネートを生成したもの。白からしは配糖体であるシナルビンが
ミロシナーゼによってヒドロキシアリルイソチオシアネートを生成したもの。わさびは配糖体である
シニグリンがミロシナーゼによってアリルチオシアネートを生成したものである。
(3)誤り。クローブの主な精油成分はオイゲノールで抗酸化作用、防腐作用がある。
(4)誤り?。タマネギを煮たり、炒めたりすると甘みがでるのは、加熱によって刺激成分の
ジスルフィド(二硫化アリル)が還元されプロピルメルカプタンを生じて甘味が強くなるためである。
(5)誤り。カレー―粉の黄色成分はターメリックのクルクミンである。クロシンは、サフランの花の柱
頭を干したもので食品着色料として使われる。 しかし、現在(4)の解説には疑義がある。
解 答 (2 ) 、 中 村 学 園 大 学 の 解 答 で は 、 (4 ) が 正 解 に な っ て い る 。
7 .嗜 好 飲 料 (0 0 3 - 1 4 9) か ら
1)□□ココアの苦味成分は(テオブロミン、タンニン)である。
2)□□コーヒーの苦味成分は(クロロゲン酸とカフェイン、テオブロミンとコーヒー酸)である。
3)□□緑茶のうま味成分は、(カテキンやビタミン C、テアニンやグルタミン酸)などである。
8 .微 生 物 利 用 食 品
ブドウ酒、ビール、○米酢、ウスターソース、チーズ(凝乳酵素:レンネット、レンニン)
9 9 - 1 5 0 次のうち、こうじかび、酵母、細菌の 3 種を用いて製造されるのはどれか。
(1) ブドウ酒.
(2) ビール
(3) 米酢
(4) ウスターソース
(5) 納豆 (糸引納豆)
9 9 - 1 5 0 解説とポイント
発 酵 食 品 :食品加工学(農産物の加工 、発酵食品、調味・し好食品)の範囲に入る問題である。
1)ぶどう酒は、ブドウ果実にワイン酵母によってアルコール発酵させた醸造酒である。
ブランデーは、ワインを蒸留して、樽に詰め長年熟成させた蒸留酒である。
2)ビールは、麦芽汁にホップを加え苦味をつけ、ビール酵母でアルコール発酵させた醸造酒である。
3)米酢は、米こうじを加え、デンプンを糖化し、糖液を酵母でアルコール発酵させた後、種酢の酢酸菌
で酢酸発酵させる製造される。
4)ウスターソースは、野菜、もしくは果実の搾汁、煮出汁、ピューレに糖類、食酢、食塩、香辛料、
カラメルなどを加えて熟成させた液体調味料。
5)納豆(糸引納豆)は、蒸煮大豆に納豆菌(バチルス・ナットー)を接種し、40℃程度で 16∼20
-39-
時間発酵させた食品。
解 答 3
食品加工学の問題からも出題される(食品加工学プリント参照)
1)□□みそは、蒸煮した大 豆に麹と食塩を混合してつくられる。
2)□□ 米みそ、麦みそ、豆みその主原料は大 豆で、麹の原料が異なる。 3)□□濃口しょうゆは薄口しょうゆより塩分濃度は薄 い。
4)□□ 米酢は、蒸し米に米麹を加えて、デンプンの糖 化と酵母によるア ル コ ー ル 発 酵を行わせ、
酒もろみをつくり、これに酢酸菌を加えて酢 酸発 酵をさせたものである。
5)
□□酒類は、発酵酒、蒸留酒、混成酒の3種類に分類され、アルコール分が 1 % 以 上のものを
いう。
6)□□ 醸造酒には、単発酵酒の果実酒(ぶどう酒酵母)、複合発酵酒で単 行 発 酵 のビ ー ルと
並 行 発 酵の清酒がある。
7)□□焼酎、ウィスキー、ブランデーは蒸 留 酒に、みりん、リキュール、合成清酒は、混 合 酒に
分類される。
解 答
第 2 章食品成分表
2 - 1 .食 品 の 分 類
1)□□食品成分表の成分値は、その食品の可食部 100g 当たりの数値が 1 食品 1 成分値の原則で 示されて
(○いる、 いない)。
2)□□デヒドロアスコルビン酸(酸化型)の生物的効力は L-アスコルビン酸(還元型)と同等と(○見なす、
見なさない)。
3)□□アスコルビン酸の数値は還元型と酸化型の合計値(総ビタミンC)で表示されて(○いる、 いない)。 4)□□ビタミン E は、(○α∼δ-トコフェロールの成分値、α-トコフェロール当量)を収載している(五訂増補)。
五訂から五訂増補では、 α-トコフェロール当量表示から、 α-、β-、γ-及びδ-トコフェロールの成分を 収載するように変更された。☆☆
5)□□脂肪酸の飽和、一価不飽和、多価不飽和で表示されている。その合計値は、脂質量に( 等しい、
○等しくない)。
6)□□保 健 機 能 食 品には、(○特定保健用食品、 特別用途食品)と栄養機能食品とをあわせた名称である。 7)□□保健機能食品制度は、厚生労働省によって( 健康増進法、○食品衛生法)に基づき、平成 13 年 4 月 1 日
に施行された制度である。
8)□□ 特定保健用食品は、(○個別許可型と規格基準型、 個別許可型)からなり、健康の維持、増進に役立つ又は
適する旨を表示することを、厚生労働大臣により許可又は承認された食品である。
9)□□保健機能食品ではない一般の食品(健康食品を含む)については、栄養成分の機能や特定の保健の用途に
適する旨の表示を(○してはいけない、 しても良くなった)。
10)□□ビタミン A の前駆体であるβ-カロテンについて、ビタミン A と同様の栄養表示を(○認める、 認めない)。
この場合、「妊娠 3 ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないように注意してください」と
いう注意喚起表示は、(○必要ない、 必要である)。
2 - 2 .五 訂 お よ び 五 訂 増 補 食 品 成 分 表 1)□□収載している食品のエネルギーは、すべてアトウォーター係数換算を用いて算出されて(○ いない、 いる)。
2)□□アルコールのエネルギー換算係数は(×0 kcal/g、×3.5kcal/g、○7.1kcal/g) としている。
3)□□酢酸のエネルギー換算係数は(×0 kcal/g、○3.5kcal/g、×7.1kcal/g) としている。
4)□□ kcal から kJ への変換式は、1kcal=(×8.348KJ、○4.184kJ)である。
5)□□こんにゃく、きのこ類、藻類などの食品は、エネルギー利用率に個人差が大きいことから五訂成分表では、
エネルギー値が(○暫定的に記載されている、×算出されていない)。
6)□□ 五訂増補では、 レチノール当量の算出方法は、 レチノールとβ -カロテン当量に係数( 1/6、 ○1/12)を
-40-
乗じたものとの合計で求めるように変更された。☆☆
7)□□うるち米ともち米の成分値は、それぞれ独立した成分値として収載されて( いる。○いない)。
8) □□従来、国民栄養調査においてエネルギーの栄養素別構成比として示されてきた「糖質」は、「炭水化物」
として( 示すことができない、○示すものとする)。
9) □□ビタミン A は、( ビタミン A 効力 (IU)、○レチノール当量(μg))で表示される。
10) □□ビタミン A において、五訂増補では、レチノール、レチノール当量、β-カロテン
当量の他にα-,β-カロテン及びクリプトキサンチン量を収載(○する、しない)こととした。☆
11) □□ビタミン D は、( ビタミン D 効力 (IU)、○重量単位(μg))で表示される。 12)□□野菜類において、カロテンを 600μg/100g 以上含むものを「有色野菜」として表示されて(○いない、
いる)。
第 3 章 食品の成分の特性と化学構造
3 - 1 .水 分
1)□□食品に食塩またはショ糖を同モル濃度になるように添加した場合、食塩を添加した食品の方が、水分活性値
は(×高い、○低い)。
2)□□脂質の酸化は、水分活性が極めて低い場合には、(○起こりやすい、×起こりにくい)。
3)□□乾燥中の食品か吸湿中の食品で、水分含量が異なる場合、水分活性値は(○同じ値を示す、
×異なった値を示す)ことがある。食品加工学の「吸湿脱湿曲線、履歴現象のループ」参照
4)□□アミノカルボニル反応による褐変は、中間水分活性付近でもっとも( 起こりにくい、○起こりやすい)。
5)□□微生物が利用可能な水は、(○自由水、 結合水)である。
3 - 2 .炭 水 化 物 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク
1)□□キチンは甲殻類の殻やキノコの細胞壁に含まれる(○不溶性、 水溶性)食物繊維である。
2)□□非炭水化物系の食物繊維の構成成分として( シニグリン、○リグニン)がある。
3)□□セルロースを構成しているグルコースは(○D 型、 L型)である。
4)□□ヘミセルロースの中で、キシランは(○五炭糖、 六単糖)の D-キシロースが主成分である。
キシランはβ-1,4 結合している
3 - 2( 炭 水 化 物 ) オ リ ゴ 糖 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク
1)□□オリゴ糖は通例単糖が(○2∼数個、×10∼30 個)連なった少糖類を指す言葉で、日常食品に多く含まれる
(○ショ糖(スクロース)、×デンプン)も含まれる。
2)□□フラクトオリゴ糖とは通例ショ糖の(×ぶどう糖側、○フルクトース側)に 1∼数個の果糖が 結合したもの
をいう。 3)□□フルクトオリゴ糖は、(○難消化性オリゴ糖、×易消化性オリゴ糖)であり、虫歯の予防効果やビフィズス菌
の(○生育促進効果、×生育抑制効果)がある。
4)□□フルクトオリゴ糖は、スクロースにフルクトース転移酵素を働かせて製造されるが、(○たまねぎや
アスパラガス、×じゃがいもとさつまいも、×柑橘類とリンゴ)に含まれている。
5)□□ラフィノースは大豆中の三糖類のオリゴ糖で、(○消化されにくい、 消化されやすい)。
ビフィズス菌増殖因子となる
3 - 3 脂質の分析に関する理解度チェック☆
1)□□アルカリで油脂を石けん(脂肪酸の塩)とグリセロールに分解することを(×ヨウ素化、 ○ケン化)という。
☆ヨウ素価、ケン化価の意味、違い、単位に引っかけられないようにする
2)□□ケン化価が大きい油脂より小さい油脂の方が、構成脂肪酸の平均炭素鎖は(○長く、×短く)なる。 ○油脂のアルカリ分解に要する水酸化カリウムの mg 数/油脂 1 g
3)□□油脂に吸収されるヨウ素の量で表した(○ヨウ素価、×ヨウ素化)は、構成脂肪酸の(○不飽和度、×飽和度)、
-41-
すなわち(○二重結合、×共有結合)の程度を表している。 ○油脂に吸収されるヨウ素の g 数/油脂 100g
4)□□ヨウ素価が大きい油脂ほど(×酸化されにく、○酸化されやすい)。
5)□□油脂が分解されて生成した遊離脂肪酸の量を調べるために(○酸価、×酸化)が指標として用いられる。 ○遊離脂肪酸の中和に要する水酸化カリウムの mg 数/油脂 1g
(003-148)
6)□□n-6 系の不飽和脂肪酸は、(×カルボキシル基、○メチル基)側から数えて最初の二重結合を構成する炭素
が6番目のものをいう。
7)□□飽和脂肪酸のうち炭素数が(×6 個、○12 個)以上のものは、常温で固体である。
( 続 き )食品中の脂質に関する理解度チェック☆
8)□□食肉中の全脂質の約(×30%、×60%、○90%)が貯蔵脂質で、主として(×モノアシルグリセロール、
×ジアシルグリセロール、○トリアシルグリセロール)からなる。
9)□□牛乳中の飽和脂肪酸量は、不飽和脂肪酸量より(×少ない、○多い)。
○飽和脂肪酸量 2.33g/100g、不飽和脂肪酸量:一価不飽和脂肪酸 0.87g/100g、多価不飽和脂肪酸
0.12g/100g である。
10)□□魚油には、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸の(○n-3 系、×n-6 系)不飽和脂肪酸を多く含み、
血栓防止作用がある。 ( 続 き )食品中の脂質(植物油脂)に関する理解度チェック☆ 11)□□大豆油脂の構成脂肪酸は 50%以上が(○リノール酸、×ステアリン酸)で、25%以上が(○オレイン酸、
×パルミチン酸)である。
12)□□植物油 には (○ リノ ー ル 酸 や オレイン 酸、 イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸)を多く含まれる。
13)□□穀類の胚芽油には、(○リノール酸やオレイン酸、×パルミチン酸やステアリン酸)を多く含む。
14)□□米ぬか油には、ステロールなど不ケン化物が多く、その中に(○γーオリザノール、×コレステロール)
が含まれる。
15)□□完熟したココナッツから得られるヤシ油(コプラ油)は、(×不飽和脂肪酸、○飽和脂肪酸)が多い。
16)□□オリーブ油に多く含まれるオレイン酸は、動物油脂に( 含まれていない、○含まれている)。(25∼43%)
17)□□なたね油に含まれていたエルシン酸(C22:1) は、毒性(成長阻害、心臓障害)が問題とされたが、品種改良
によって(○1%以下、×5%以下)になっている。 18)□□しそ油は(○n-6 系脂肪酸より n-3 系脂肪酸、 n-3 系脂肪酸より n-6 系脂肪酸)を多く含む。
19)□□種実類の脂質含量は高く、その構成脂肪酸は飽和脂肪酸が(○少なく、×多く)、特に(○リノール酸、
×ステアリン酸)が多い。
3 - 4 .た ん 白 質 と ア ミ ノ 酸
3 - 4 たんぱく質とアミノ酸の理解度チェック
1) □□天然たんぱく質を構成しているアミノ酸は(○L-α-アミノ酸、 D-β-アミノ酸)である。
2) □□単純たんぱく質の一つであるアルブミンは、 水、 塩類溶液や希酸、 希アルカリに( 不溶、○可溶)である。
3) □□たんぱく質は、アミノ酸が多数直鎖状に(○ペプチド、 エステル)結合している。
4) □□アミノ酸は側鎖(R)の性質によって分類できるが、( システインとチロシン、○ヒスチジンとアルギニン)
は塩基性アミノ酸に分類される。
3 - 4( 続 き ) 食 肉 と タ ン パ ク 質 、 ア ミ ノ 酸 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク ( 融 合 問 題 )
5) □□食肉の熟成によるうま味は自己消化による呈味性の(○ペプチドとアミノ酸、 グリコーゲンとグルコース)
の増加による。
6) □□骨格筋の死後硬直は、乳酸生成、ATP の減少などにより(○筋原線維タンパク質(アクチンとミオシン)、
×肉基質タンパク質)の不可逆的結合によって強い筋収縮が起こることによる。
7) □□コラーゲン、エラスチンは、(○肉基質タンパク質、×筋原繊維タンパク質)を構成するタンパク質で、
肉質の硬さに関係し、その含量が少ない肉質は、多い肉質より(○柔らかい、×硬い)。 (003-144) 8) □□筋原線維タンパク質は、ミオシン、アクチンなどを含み、(○筋収縮、×グリコーゲンの貯蔵)に関与し、 肉製品の(○保水性や結着性、×保油性と疎水性)に重要な役割を担っている。
-42-
9) □□アミノ酸スコアは、タンパク質の栄養価を表す指標の1つで、(○理想的なアミノ酸パターン、×卵の
タンパク質、×牛乳のタンパク質)を基準として(○最も不足しているアミノ酸(第一制限アミノ酸)、
×不足している全必須アミノ酸の総量)で示される。
10)□□魚肉タンパク質は、 畜肉タンパク質に比べ、 アミノ酸スコアは(×低く、○同等)で、栄養価 は(×劣る、
○同等)である。 (003-147)
11)□□鶏卵のタンパク質含量は、卵白に比べ、卵黄の方が(×少ない、○多い)
タンパク質含量:生卵白(10,4%)、生卵黄(15.3%):乾燥卵白(83.4%)、乾燥卵黄 (30.3%)
水分含量:生卵白(88%)、生卵黄(51%)
12)□□牛乳中の主要タンパク質は(○カゼインと乳清タンパク質、×ラクトフェリンとオボムコイド)である。
13)□□乳清タンパク質の主なものは(○ラクトアルブミンとラクトグロブリン、×カゼインとミオグロビン)
である。
14)□□牛乳中のカゼインは(○カルシウム、×リン酸)と結合して、カゼイン(○カルシウム、×リン酸塩)
となっている。 (003-145)
3 - 5 .酵 素 ( 香 り 、 辛 味 、 色 の 発 現 )
3 - 6 無 機 質 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク
1)□□食品を約(○550℃、×150℃、×350℃)で焼いて得られる残灰を灰分量として求める。
2)□□生体に存在する元素のうちカルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素と(○硫黄とマグネシウム、
マグネシウムと鉄)は比較的多量に必要とされるので、常用元素と呼ばれている。 3)□□鉄、亜鉛、銅など(○15 種、×10 種)の元素は、欠乏症が明らかな元素で生体での存在が少ないので、
微量元素と呼ばれている。
4)□□亜鉛は、肉類や貝類に含まれ、欠乏すると(×筋肉の痙攣や不整脈、○味覚障害)が起こる。
5)□□カリウムは、(○細胞内、×細胞外)に多く含まれ、果実類のは含量が(×少ない、○多い)
6)□□ヨウ素は、(○甲状腺ホルモン、×副腎皮質ホルモン)のチロキシンの構成分であり、(○海藻、×酵母)
に多く含まれている。
3 - 7 ビタミンに関する理解度チェック
1)□□ビタミン A、D、E、K は(× 水溶性、 ○脂溶性)で、ビタミン B 群、C は( ○水溶性、×脂溶性)
ビタミンである。 (覚え方)脂溶性ビタミン摂取過剰で(KA じょう DE)障害現れる。 2)□□ビタミン B1(チアミン)は、加熱によって(○中性∼アルカリ性、×酸性)ではこわれやすい。
3)□□ビタミン B2(リボフラビン)は(×アルカリ性、○中性∼酸性)では熱に強い。 4)□□ビタミン A は(○うなぎやあなご、×えびやかに、×かつおやまぐろ)に多い。
5)□□ナイアシンは肝臓で必須アミノ酸の(×フェニルアラニン、×アントシアン、○トリプト
ファン)から一部、合成される。
6)□□ビタミンCは、嗜好飲料の中で、(○緑茶、×紅茶)に多く含まれている。
7)□□リンゴやなしは、柑橘類に比べてビタミン C を多く(×含んでいる、○含んでいない)。
3 - 8 .色 素 成 分 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク
1)□□食品に含まれている植物性色素には、脂溶性色素である黄橙色系の(○カロテノイド類、×クロロフィル類)
と水溶性色素である赤色系のアントシアニンと黄色系のフラボノイドなどがある。
2)□□クロロフィルは、ポルフィリン系色素で、金属の( 鉄、○マグネシウム)が配位結合している。
3)□□イチゴに含まれているカリステフィンは(○アントシアニン、 カロテノイド)色素である。
4)□□なすに含まれる赤色色素のナスニンは、鉄やアルミニウムが存在すると( 茶色に変色する、○安定な青紫色
に変わる)。
5)□□カレー粉に用いられるウコンの黄色色素は、(○クルクミン、 ククルビタシン)である。
ジケトン系黄色色素。ククルビタシンはきゅうりの苦味成分
-43-
6)□□バターや卵黄のカロテノイド色素は、(○飼料の植物から移行した、×体内で合成した)ものである。
4 - 1 食品成分の変化:脂質の酸化に関する理解度チェック 1)□□油脂中の(○不飽和脂肪酸、×飽和脂肪酸)は空気と接触すると(○酸素、×水素)によって容易に酸化さ
れる。この生成物は、自己触媒的に酸化を誘発するので、この反応を(○自動酸化、×酵素酸化)と呼ぶ。 2)□□脂質の酸化は、水分活性が低下すると(×起こりやすい、○起こりにくくなる)が、水分活性が極めて低い
場合には、逆に(×起こりにくい、○起こりやすい)。 水の単層膜の破壊と酸化
3)□□食品加工貯蔵中に酵素の(○リポキシゲナーゼ、×プロテアーゼ)が残存していると、大豆では脂肪酸を酸化
して、そのヒドロペルオキシドを生成する。
4)□□このヒドロペルオキシドはさらに分解され揮発性の(○ヘキサナールやヘキサノール、×酢酸エステルや
バニリン)を生成し、青臭い豆臭の原因となる。 4 - 2 アミノカルボニル反応に関する理解度チェック
1)□□アミノカルボニル反応はアミノ酸、タンパク質、アミン類などの(×カルボニル化合物、○アミノ化合物)
と還元糖や還元性を有する少糖類や多糖類などの(○カルボニル化合物、×アミノ化合物)と の反応で
褐変物質の(○メラノイジン、×アントシアニジン)が生成される反応である。
2)□□アミノカルボニル反応による褐変は、中間水分活性値付近で(×起こりにくい、○起こりやすい)。
下の問題(02-140)と水分活性の項(3-1)参照。
この反応は、水分活性が 0.8 以上または 0.4 以下の時起こりにくい。
3)□□アミノカルボニル反応による褐変は、栄養価に影響を(×及ぼさない、○及ぼす)。
1 .植 物 性 食 品
1 - 1 .穀 類
1 - 1 穀類の理解度チェック
1)□□食品タンパク質のアミノ酸スコアは、そばよりトウモロコシの方が(×高い、○低い)。
2)□□小麦粉(強力粉)のアミノ酸スコアは、精白米のそれより(×高い、○低い)
3)□□小麦粉グルテンは、(×グルテニンとグリシニン、○グリアジンとグルテニン)からなる。
4)□□穀類にタンパク質の大部分は(○グルテリンとプロラミン、×アルブミンとグロブリン)である。
5)□□こめには(○オリゼニン、×グルテニン)と呼ばれるグルテリンが圧倒的に多い。
6)□□トウモロコシには(○ツエイン、×ホルデイン)と呼ばれるプロラミンが最も多い。
7)□□そば粉のアミノ酸スコアは、小麦粉のそれより(○高い、 低い)。
7 .嗜 好 飲 料 に 関 す る 理 解 度 チ ェ ッ ク (0 0 3 - 1 4 9)
1)□□ココアの苦味成分は(○テオブロミン、×タンニン)である。
2)□□コーヒーの苦味成分は(○クロロゲン酸とカフェイン、×テオブロミンとコーヒー酸)である。
3)□□緑茶のうま味成分は、(×カテキンやビタミン C、○テアニン
補足資料 1
「食事バランスガイド」について
「食事バランスガイド」は、望ましい食生活についてのメッセージを示した「食生活指針」を具体的な行
動に結びつけるものとして、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラスト
で示したものです。
厚生労働省と農林水産省の協働により平成17年6月に策定されました。
食事バランスガイドは、健康的な食生活の目やすが一目で分かるように全体が「コマ」の形で表現されて
います。 1 ) コマの本体は「一日の食事バランス」 -44-
2 ) コマの軸は「必要な水分」
3 ) コマを回転させるのは「適度な運動」
4 ) コマは食事バランスと適度な運動が与えられ、安定して回転します。つまり、偏った食事をとれば、
コマはバランスを崩してしまい、私たちの健康は保てなくなるというわけです。
コマは5つに区分され、それぞれ1日にとるおおよその量が表されています。 最上部には、十分な摂取が望まれる「主 食(ごはん・パン・麺など)」
次いで 「副 菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理など)」
� � � � 「主 菜(肉・魚・卵・大豆料理など)」
「牛 乳 ・ 乳 製 品と果 物」の順に並んでいます。
例えば・・・
● 主 食は、ごはんであれば中盛り 4杯程度
● 副 菜は、野菜料理 5皿程度 ● 主 菜は、肉・魚・卵・大豆料理から 3皿程度
● 牛 乳 ・ 乳 製 品は、牛乳であれば 1本程度
● 果 物は、みかんであれば 2個程度が適量となります。
食事バランスガイドは、1日にとる目やすの量を「食材量」ではなく「料理の区分別」に表現すること
により、自分の食事量が適量かをおおよそ把握できるのが特徴です。
食品成分表の見方
五訂増補 日本食品標準成分表〈五訂増補成分表への主な変更点〉
五訂増補成分表への主な変更点は以下の 6 点である。
( 1 ) 収載食品の一部について、見直しを行った。
穀類の小麦粉、パン類及びうどんの学校給食用について、全国一元的な供給制度が廃止されたこと
から、削除した。
果実類のココナッツミルクの成分値の見直しを行い、新たにココナッツウオーターの成分値を追加し
た。
(2) 収載成分のうち、ビタミン A及びビタミン E について「日本人の食事摂取基準 2005 年版」(以下
「食事摂取基準 2005 年版」という)との整合性を確保するため、ビタミン Aにおいてレチノール
当量の算出方法を改めるとともに、ビタミン E においてこれまでのα‐トコフェロール当量に代えて
α‐、β‐、γ‐及びδ‐トコフェロールの成分値を示す等収載成分項目を変更した。
(3) 収載成分のうち、ビタミン D の成分値の表示を整数から小数第1位に変更した。
(4) 収載成分のうち、別表としていたマンガンを本表に収載した。
(5) 五訂増補成分表脂肪酸成分表編の脂肪酸の成分値の検討の結果を踏まえ、脂肪酸の成分値を修正した。
(6) 資料の食品群別留意点について、食品に関する情報の充実等所要の見直しを行った。
五訂増補 日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編
〈脂肪酸成分表の特徴〉
脂肪酸成分表は第 1 章説明、第 2 章、第 1 表脂肪酸組成表、第 2 表脂肪酸成分表、第 3 章資料(食品
群別留意点)の構成となっている。
第1表: 脂肪酸組成表
-45-
(脂質 1g 当たり)
脂肪酸総量、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸
(総脂肪酸 100g 当たり)
各脂肪酸
第2表: 脂肪酸成分表
(可食部 100g 当たり)
水分、脂質、脂肪酸総量、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、
n-3 系多価不飽和脂肪酸、n - 6 系多価不飽和脂肪酸及び各脂肪酸
参考文献
1) 文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告:「五訂増補日本食品標準成分表」(2005)
2) 文部科学省科学技術・ 学術審議会資源調査分科会報告: 「五訂増補日本食品標準成 分 表 ‐ 脂 肪 酸 成 分 表 編 ‐ 」
(2005)
(補足資料 2) 食べ物と健康 2006.11.6
特 定 保 健 強 食 品(略語、トクホ)
国が特定の食品に健康表示(健康への効用を示す表現)を許可したもの。
例えば、これまでの食品には、「エネルギー80kcal」とか「炭水化物 10mg」などの栄養表示しか認
められていなかったが、トクホでは「血圧の高めの方に適した食品です」などの具体的な「保健の効果」
の表示が認められるようになった。
● ヒトでの有益な効果が明らかにされていること
● 安全性に問題が認められないこと
(動物を用いた毒性試験、過剰摂取した場合の影響の確認等)
●過剰な塩分等、栄養学的にも問題となるようなものでないこと
●食品が消費されるまでの間、製品規格への適合性が確保さ
れていること
●製品・原料の規格、製造方法、試験検査等の品質管理の方
法が定められていること
平成 17 年2月に制度の見直しが行われ、特定保健用食品に新しい仲間が増えた。
1 )条 件 付 特 定 保 健 用 食 品
特定保健用食品のうち、これまでの特定保健用食品として許可をうける際の科学的根拠のレベルには
届かないけれども、一定の有効性が確認されている食品の場合、「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確
立されていませんが、△△に適している可能性がある食品です。」のように科学的根拠が限定的であるこ
とがわかる表示をすることを条件に許可されることになった。
条件付き特定保健用食品には、新たに定められた右図の「条件付き特定保健用食品」の許可証票がつけ
られます。
(抗酸化食品やイチョウ葉エキス、プロポリスなど、メカニズムが確立していなくても、科学的に効果が
確認されている健康食品もある。このような食品のために、厚生労働省は 2004 年6月、「条件付トク
ホ」の検討を始めた。12月、「特定保健用食品」ほどの科学的な根拠を満たしていなくても、一定の効
果がある食品に「条件付き特定保健用食品」という新表示を認めることを決め、2005 年2月より施行さ
れた。
条件付き特定保健用食品が新設されるほか、栄養機能食品は何が栄養素かを表示することにし「ダイエッ
ト食品」など関係のない表示を禁じられます)。
条件付トクホの表示例
-46-
「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、△△に適している可能性がある食品です。」
2 )特 定 保 健 用 食 品 ( 規 格 基 準 型)
特定保健用食品のうち、これまでの許可件数が多く科学的根拠が蓄積したもののうち、薬事・食品衛生
審議会での個別審査を行わなくても許可できるものについては、新たに規格基準を作成し、厚生労働省医
薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室において、規格基準に適合しているかどうかの審査
のみを行い、許可等手続きの迅速化を図ることとして、2005 年2月に施行された。この規格基準を満た
すものとして許可等を受けたものを特定保健用食品(規格基準型)という。以下の基準をクリアするトク
ホに関して、現在基準の作成が行われている(56 頁参照)。
[ 1 ] 許可件数が 100 件を超えている保健の用途に係る関与成分であること。
[ 2 ] [1] を満たす関与成分で、最初の許可等から6年以上経過している(その 6 年間に健康
被害が出ていないもの)。
[ 3 ] 複数の企業が当該保健の用途を持つ当該関与成分について許可等を取得している。
2005 年7月に、「お腹の調子を整える」等の表示をする下記の9成分について、規格基準が設定されま
した。
(難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖
(1)、フラクトオリゴ糖(2)、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖(1)、ガラクトオリゴ糖(2)、
キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖)
3 )特 定 保 健 用 食 品 に 「 疾 病 リ ス ク 低 減 表 示 」 が 容 認 さ る よ う に な っ た。
特定保健用食品において、「疾病リスクの低減に資する旨の表示」が認められることになった。許可さ
れる表示の内容は、、関与成分の摂取による疾病リスクの低減が医学的・栄養学的に認められ確立されて
いるもののみとされている。
現在の科学的知見で、疾病リスクの低減が医学的・栄養学的に広く認められ確立されていると考えられ
るものとして、「若い女性のカルシウム摂取と将来の骨粗鬆症になるリスクの関係」と「女性の葉酸摂取
と神経閉鎖障害を持つ子どもが生まれるリスクの関係」の2つが挙げられている。
◎保健機能食品(特定保健用食品及び栄養機能食品)に、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事の
バランスを。」の表示の義務付け(平成 17 年2月1日施行)
過度に「健康食品」に期待する傾向を是正し、バランスの取れた食生活の普及啓発を図るために、保健機
能食品(特定保健用食品及び栄養機能食品)において、上記の表示が義務付けられることになった。
なお、この表示を表示する場所は、消費者の方が商品選択する際の情報提供とするため、容器包装の前
面に表示することとされています。
経過措置について
上記の改正事項は、平成 17 年 2 月1日までに許可等を受けている場合は、平成18年3月31日までの
間は従前の例によることができる、とされています。
特定保健用食品は、次の表示が必要。
ア 特定保健用食品である旨(条件付き特定保健用食品にあっては、条件付き特定保健用食品である旨)
イ 許可又は承認を受けた表示の内容→添付文書への記載でも可
ウ 栄養成分量及び熱量
エ 原材料の名称
オ 内容量
カ 1日当たりの摂取目安量
キ 摂取の方法及び摂取する上での注意事項
ク 1 日当たりの摂取目安量に含まれる機能表示する成分の栄養素等表示基準値に占める割合
-47-
(栄養素等表示基準値が定められているものに限る)
ケ 調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものはその注意事項
コ 許可又は承認証票 など
(補足資料 3)
独立行政法人 国立健康・栄養研究所
「健康食品」の安全性・有効性情報
「特定保健用食品」は、特定の保健の目的が期待できることを表示した食品であり、身体の生理学的機能
などに影響を与える保健機能成分(関与成分)を含んでいます。他の「いわゆる健康食品」とは異なり、
その保健効果が当該食品を用いたヒト試験で科学的に検討され、適切な摂取量も設定されています。また、
その有効性・安全性は個別商品ごとに国によって審査されています。 より多くの方に特定保健用食品と
他の「いわゆる食品」の違いを理解していただくため、ここでは製造・販売者側から情報提供があった商
品について、その科学的根拠のある有効性・安全性情報をご紹介しています。
なお、特定保健用食品は健康が気になる方を対象に設計された食品であり、病気の治療・治癒を目的に
利用する食品ではないことに留意して下さい。
「特定保健用食品」表示許可:597 品目(平成 18 年 10 月 4 日現在)
「特定保健用食品」表示許可商品一覧
1「お腹の調子を整える」等の表示をした食品
・オリゴ糖類を含む食品(乳糖オリゴ糖、フラクトオリゴ糖添加)
・食品乳酸菌類を含む食品(ヤクルト菌(L.カゼイ・シロシタ株)などの乳酸菌添加)
・食物繊維類を含む食品(例、サイリュウム種皮、難消化性デキストリン添加)
・その他の成分を含む食品(例、プロピオン酸菌など添加)
2「コレステロールが高めの方に適する」表示をした食品(サイリュウム種皮、大豆たんぱく質など添加)
3「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」表示をした食品(難消化性デキストリン添加)
4「血圧が高めの方に適する」表示をした食品(カゼインドデカペプチド、ブナハリタケエキスなど添加)
5「歯の健康維持に役立つ」表示をした食品(キシリトール、CPP-ACP 添加)
6「食後の血中中性脂肪が上昇しにくいまたは身体に脂肪がつきにくい」表示をした食品(ジアシルグリ
セロール、ウーロン茶重合ポリフェノール、中鎖脂肪酸添加、茶カテキン添加)
7「カルシウム等の吸収を高める」表示をした食品(CPP など添加)
8「骨の健康維持に役立つ」表示をした食品(大豆イソフラボン、ビタミン K2、
9「鉄を補給する」表示をした食品(現在登録されていない)
-48-
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