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TC68年次総会 アムステルダム(オランダ)
2011 年 6 月 24 日 日本銀行金 融 研 究 所 ISO/TC68 国 内 委 事 務 局 ISO/TC 681、SC 2 および SC 7 の年次総会ならびに ISO 20022 RMG2定例会合の模様 本年 5 月 9 日~12 日にかけて、標題 4 会合を蘭・Amsterdam のオランダ銀行協会 本部において back to back で開催3。席上の議論の模様について以下のとおり(各会合 の決議につき別添参照)。なお、会期中、5 月 11 日にはオランダの国内メンバーとの 意見交換を兼ねたワーキング・ディナーが開催されたほか、13 日には ISO 国際事務 局主催でワークショップが開催された4。来年の各年次総会も、本年と同様の枠組み で、2012 年 5 月に米 Chicago で開催の予定である5。 <要旨> ① 本邦における震災を機に、IT セキュリティに並ぶ SC 2 のアジェンダとして BCP に初めて焦点が当てられた。また、一部邦銀のシステム障害を巡り、SC 7 では、 送金関連情報にかかるメッセージセットが整備・拡充される中、大企業や機関投 資家等の大口顧客と銀行の間で交わされる資金決済メッセージの標準化の重要性 について、あらためて共有されることとなった。 ② セマンティック・モデリングに関する収録情報を拡充させた ISO 20022 第 1.5 版 が、2013 年 5 月にリリースされることとなり、これまで TC 68/WG 4 の下で温め られてきたメタ標準化が、より現実の世界へと近づくこととなった。 1 国際標準化機構(ISO)金融専門委員会(TC 68)とは、金融サービス業界で利用される情報通 信技術に関する国際標準を策定する委員会である。TC 68 の下には、業界ドメインごとに 3 つの 分科委員会(Sub Committee、SC)が設置されている(IT セキュリティ:SC 2、証券業務:SC 4、 銀行業務:SC 7) 。 2 ISO 20022 とは銀行、証券の業態の垣根を超えて、金融サービス分野に横断的に利用される通 信メッセージに関する新しい国際標準である。ISO 20022 RMG(Registration Management Group) は、TC 68 の直下の組織であり、ISO 20022 の標準化過程全般に関する意思決定機関として、傘 下の 5 つの標準評価グループ (Standards Evaluation Groups、SEGs)や、技術支援グループ(Technical Support Group、TSG) 、登録機関(Registration Authority、RA)のガバナンスをも担っている。 3 いずれも 30~50 名前後が参加。このほか、TC 68/SC 4 の年次総会についても TC68/SC2 と同日 (5 月 9 日) に開催され、 SC4 の国内事務局長をつとめる日本証券業協会の椎名国際部長が参加。 こちらの会合の模様については、日本証券業協会「証券業報平成 23 年 6 月」を参照。 “Standardization in the field of banking, securities and other financial services: current and future needs” との標題で、欧州を中心とする市場参加者と ISO 関係者によるセッションが開かれた。アジェ ンダおよび資料は、http://www.iso.org/sites/finservworkshop_nl_2011-05/programme.html を参照。 2012 年 5 月 7 日週において、シカゴ連銀がホストして米・Chicago で開催の予定。2013 年 5 月 には中国人民銀行のホストにより中国・上海で、2014 年 5 月には UK Payments(旧 APACS)の ホストにより英・London で、それぞれ開催の予定。なお、次回の ISO 20022 RMG 定例会合(半 期開催)は、本年 11 月 16~17 日にノルウェー・Oslo で予定されている。 4 5 1 ③ 他方、第 1.5 版のリリースを機に、米国勢が中心となって、メタ標準化の流れを加 速すべく、TC 68/WG 5 が組成された。もっとも、これまで WG 4 を主導してきた 英国勢との主導権を巡る緊張に加えて、これ以上版を重ねるよりも、まずは標準 の普及を優先させたい大陸欧州勢が、リリース・サイクルの最適化を考える作業 部会を立ち上げる動きなどもみせており、当面は米欧間の綱引きが続く見通し。 ④ OFR6、ESMA7等の米欧の当局におけるポスト・リーマンの規制ニーズに応えるべ く、TC 68 の下で LEI(Legal Entity Identifier)の標準化に向けた体制の整備が進展 中。もともと金融商品や取引主体に関する一連の ISO コードは、取引業界毎に段 階的に「標準化」されてきた経緯から、属性情報にかかるコード体系間の重複も 多く、LEI の導入を機に、中長期的な時間軸で ISO コード間の再編が進む可能性。 1. TC 68/SC 2(IT セキュリティ)関連(5 月 9 日) (WG 15 の活性化) WG 15 (Information Security Practices) 8は、金融セクターにとって重要となる IT セ キュリティ実装の幅広い調査・分析と標準生成・管理を担うコミュニティであり、SC 2 が、過去に策定したセキュリティ標準の維持管理しか行っていない現状から脱する 上でも重要な組織である。もっとも、WG 15 は目下、休止状態にあり、新規標準化提 案(New Work Item Proposal, NWIP)の策定はおろか検討ペーパーの提出も皆無である ことから9、尐なくとも四半期ごとの会合開催や半期ごとの SC 2 への報告を行うなど、 WG として実態の伴った運営を行うことが要請された(SC 2 決議 11/441)。 (ISO 200022 のセキュリティ要件の標準化) 現時点において、TC 68 の傘下にある SC 2 が存在意義を最も発揮することができ るのは、この数年来、TC 68 が最大のテーマとして据えている ISO 20022 の普及過程 における IT セキュリティ面からのインプットである。既に SC 2 の下には、ISO 20022 のセキュリティ要件を明確化するガイドラインの策定を目的とした“ISO 20022 6 7 8 9 Office of Financial Research。米国における Dodd Frank (DF) 法実施の一環として、米財務省 の下に設置された組織であり、金融取引に関する“Trade Repository”の開設およびそのための LEI の整備を委ねられている。 European Security Markets Authority。格付機関や OTC デリバティブの清算機関の監視など の一部の機能を強化しつつも、基本構造を前身の CESR (Committee of European Securities Regulators)から継承し 2011 年 1 月から活動を開始した組織。 Lundin 氏(米・KPMG。本会合には欠席)が主査。 前年の年次総会(2010 年 9 月、於:米・San Francisco)では、WG15 に対して、金融取引履 歴のデジタル・アーカイブやモバイル・バンキング向けのセキュリティ実装などの最新の動向 について、幅広く情報収集と評価を行うように要請されていた(SC 2 決議 09/332) 。 2 Review” Study Group(SG)10が組成されているが、これまでのところ目に見えた活動 は行われていない。 なお、英、墺と本邦の間で、会期中を通して交わされたアドホックな議論において、 上記 SG のスコープに加えて、ISO 20022 XML 電文を疎通させる企業セクターや金融 セクターのプラットフォームが具備すべき PKI(Public Key Infrastructure)等のネット ワーク・セキュリティ実装の要件にかかる標準化ニーズの存在について確認した。 その際、ISO 20022 RMG の下で、Business Application Header(BAH)の実装を巡り、 議論が発散した経緯(後述)に鑑み、しばらくは水面下で検討を進めることとし、 “ISO 20022 Review” SG の不活性状態が長引く場合には、SC 2 から ISO 20022 RMG 傘下の TSG (Technical Support Group) に検討の場を移すことも一案11として申し合わされた。 (ISO /IEC WD 27015 の作業凍結) 金融セクター向けセキュリティ管理フレームワークとして、ISO/IEC/JTC 1/SC 27/WG 2が策定中のISO/IEC WD 27015について、現状のドラフトが、金融セクターに 対して実務指針を与えるものではなく、むしろドラフトの内容が稚拙で、金融セクタ ーにおいても普及しているISO 27001の認証制度の信認をも揺るがしかねない点を指 摘のうえ、彼らのドラフト策定作業そのものを停止させるべきとのSC2の総意が、あ らためて確認された(SC 2決議11/443)。 JTC 1/SC 27側との間でみられる上記対立の背景には、一部のコンサル業界による認 証ビジネスを自己目的化した標準化活動ではないか、との疑念や、最近の暗号アルゴ リズムの推奨リストを巡るISO/IEC/JTC 1/SC 27における混乱から距離を置きたいと いったTC 68/SC 2側のスタンスが存在する。 なお、本邦からは、 (本件対応を巡るSC27との確執はさておき)ISO/IEC/JTC 1側と の関係を徒らに拗らせるのは得策ではなく、例えば、JTC 1/SC 38(分散AP プラット フォームおよびサービス)などは、クラウド・コンピューティングの実装について一 日の長があること、ISO/IEC/JTC 1側とのリエゾン関係をむしろ強化することにより、 彼らの知見を活かした方が、各国ともリソース不足に直面する我々SC 2が自ら細々と 作業を行うよりも12はるかに効率的であり有益である旨コメントし、メンバーから賛 同を得た。 (東日本大震災と BCP) 前出の Lundin 氏(米)が主査。SG のスコープは、ISO 20022 レポジトリにメッセージを収 録する際に XML スキーマと併せて明示すべき IT セキュリティ要件を明確化することにある。 11 翌々日に開催された RMG 定例会合では、退任した Derek LaSalle 氏(米)の後任となる TSG の新しい主査に Paul Hojka 氏(英・UK Payments)が選出されており、従来以上に TSG との 連携が取り易い環境にある。 12 Grudzien 氏 (ドイツ銀行協会。本会合には欠席)が主査となり SC 2 の下で“Cloud Computing” SG が組成されたものの、その後の実質的な活動は行われていない。 10 3 各国によるカントリー・レポートのプレゼンテーションでは、本邦から今般の地 震・津波の中で得られた BCP 上の課題を説明し、その共有に向けて活発な質疑応答 が交わされた。そうした中、TC 68/SC 2 のスコープの中には、IT セキュリティだけで なく BCP も入る旨が、あらためて確認された。 2. TC 68/SC 7(コア・バンキング)関連(5 月 10 日) (カード標準生成 TG の組成) SC 7/WG 9 の下で行われてきた ISO 8583(いわゆる「EMV 仕様」)13と ISO 2002214 の整合性を確保する作業を担う主体として、カード標準生成のための TG(Technical Group)を組成することが本会合において合意された(SC 7 決議 2011/0085)。併せて、 SC 7/WG 9 が所管していた ISO 18245(Merchant Category Codes)にかかる登録手続に ついても、本 TG に継承されることとなった(SC 7 決議 2011/0086) 。 (Mobile Banking) ISO 12812 は目下、NWIP 投票に付されているが、こちらは資金移動だけでなく SC 2 が所管する IT セキュリティ実装などもスコープに入れる複合標準(multipart standard)でもある点が確認された(SC 7 決議 2011/0087)。また、上記スコープの拡 大に伴う追加的な標準生成のための作業や SC 2 等との調整時間を見込み、当初 36 か 月間で標準化手続を完了させる現在のスケジュールを 6 か月間延長した(当初の国際 標準の成立見込み:2013 年 9 月→リバイズ後:2014 年 3 月)。 (企業セクターへの BIC の拡張) ISO 9362 に収録されている BIC(Business Identifier Code)については、拡張の過程 で見られた混乱 15 を収拾し、企業財務のニーズに即した運用へと改良することとし (SC 7 決議 2011/0089)、初めて企業セクターからもエキスパートを募ることとした。 また、上記対応を TC 68 レベルでも共有し、拡張後の BIC が資金決済以外の局面でも 13 Europay(当時) 、MasterCard、Visa が共同で策定した IC カードに関する共通仕様。デファクト 標準としての精緻化の過程を辿っており、国際標準として維持管理を行う RMMG(Registration Management Maintenance Group)についても、米国が辞退して以降、運営主体としての引取り手 がない状況。 14 CAPE (Card Payment Exchanges)や ATICA(Acquirer to Issuer Card Messages)などの、 カード SEG が生成している SEPA カード標準。 15 BIC コードについては、従来の Bank Identifier Code(旧 BIC)を Business Identifier Code (新 BIC)に改称し、それまで Business Entity Identifier (BEI)として付番されてきた事業 法人も新 BIC の体系の下に統合した。他方、証券取引向け電文において、取引当事者の事業特 性を区分する仕組み(Party Identification Scheme)を具備するニーズが持ち上がり、体系と しては統合した新 BIC を再び BIC FI(金融法人)と BIC non FI(非金融法人)に分別して管 理することとなった。この数年来みられた上記迷走が、企業セクターにおいて無用の混乱を招 いているとの批判もある。 4 幅広く利用されることを促すこととした(SC 7 決議 2011/0090)。 (UN/ CEFACT とのリエゾン解消) UN/CEFACT/TBG 516側のリソース不足および将来に亘る改善の蓋然性の低さに鑑 み、SC7 からのリエゾン関係を解消 した(SC 7 決議 2011/0094)。近年、既に UN/CEFACT/TBG 5 の活動そのものが低調裡にあった中、欧州では以前の EDIFACT17 をベースとした e-Invoicing 等の STP(Straight-through Processing)化の枠組みが出来上 がっていること、確かに SEPA 等を進める上で ISO 20022 のメッセージ体系に親和的 な(XML ベースの)EDI メッセージのニーズは存在するが、SAP や Oracle 等の企業 向け ERP ベンダーが提供している、EDIFACT をリバース・エンジニアリングした XML ベースのアダプタ類が既にデファクト標準化していること18から、今般のリエゾン解 消に伴う実質的な影響は皆無である旨の説明19があった。 (IBAN の普及と実務上のファイン・チューニング) 銀行の顧客口座番号については、SEPA の普及とともに、これまで国内に閉じたコ ード体系を利用してきたフランスやドイツでも IBAN(International Bank Account Number, ISO 13616)への切り替えが進展しつつある。さらに、デンマークやスイス、 トルコなどの非ユーロ(自国通貨)建ての内為でも採用が進みつつある状況。 他方、現状の IBAN の利用が、対顧取引かインターバンク取引かを問わず一律に義 務付けられていることの問題点 20 をフランスが提起し、PMPG(Payments Market Practice Group)とも連携のうえ、ISO 13616 (Part1) の修正案を策定することとなった (SC 7 決議 2011/0092) 。 (震災と邦銀のシステム障害) 例年、時間調整に使われるカントリー・レポートのセッションではあるが、今年は 本邦と南ア(後述)に相応の時間が割かれた。まず、本邦については、東日本大震災 とは直接の因果関係はないものの、発災後に発生した一部邦銀のシステム障害に伴う United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business の略。商取引や貿易の EDI の普及を推進している国連の下部組織であり、 TBG5 はこのうち金融 EDI を所管している。 17 electronic data interchange for administration,commerce and transport の略。1980 年代後 半に欧州を中心に策定・採択された EDI 向け標準プロトコル。 18 こうした事情もあって、ERP ベンダー各社は既に UN/CEFACT から離反している模様。 19 TC 68/SC 7 から UN/CEFACT TBG 5 へのリエゾンオフィサーを務めていた Korsgaard 氏 (デ ンマーク銀行協会)による説明。 20 SEPA に代表される ISO 20022 の体系の下では、SCT(SEPA Customer Transfer、SEPA 順 為替)にみる典型取引以外の取引(例えば、別途のチャネルで受取人口座のリストを授受する 年金等のバルク入金など)にも一律に IBAN を記載することが想定されており、ダミーコード の扱いなどで被仕向行側と調整が必要となるなど、かえって実務上のコストが上昇している由。 16 5 1 週間前後に亘る資金決済サービスの混乱を巡り、活発な質疑応答が行われた。席上、 レミッタンス情報が拡充される中にあって、大企業や機関投資家等の大口顧客と銀行 の間(いわゆる C2B〈Corporate to Banks〉)で交わされるメッセージ仕様の標準化の 必要性が、あらためて共有されることとなった。 (南アの決済システムの刷新プロジェクト) 南アからは、2018 年末までに、ACH 等の小口決済から中銀による RTGS 等の大口 決済まで、資金決済システムを全面的に刷新し、メッセージ体系も現状の ISO 15022 から ISO 20022 へ移行する旨、決定したとの報告があった。こうした動きのイニシア ティブを握っているのは、金融セクターや当局ではなく、対欧州やイギリス連邦内、 さらにはアフリカ大陸内のクロスボーダー取引が活発な企業セクターである由。 3. ISO 20022 RMG 関連(5 月 11 日) (Web サイト www.ISO20022.org の再構築) Web サイト上では引続きブラウザ数の確実な伸びが確認されており、Registration Authority (RA) としての SWIFT では、今夏には同サイトをより使い勝手のよいものと すべく、全面的にリニューアルする予定。本会合においてもプロトタイプが紹介され 好評を得る中、メンバー国、リエゾン機関に対してコメントの募集が行われることと なった(RMG 決議 11/162、11/164)。因みに、直近 6 か月(昨年 11 月初~本年 4 月末) のブラウザ数の国別シェアは、先期までは 10 位までに留まっていた本邦が、蘭、ス ウェーデンを抜いて 8 位に浮上している21。 新しい Web サイトのトップページにおける目玉となるのが「ダッシュボード」機 能である。そこでは、既に ISO 20022 が採用済みの業界や地域と未採用の業界や地域 の分布のほか、未採用の業界や地域におけるフィット・ギャップ分析や今後のロード マップも整理されている。今夏の新 Web サイトの公開に向けて、本年 6 月中に「ダ ッシュボード」の編集、検証作業を終える指示が各 SEG に下された(RMG 決議 11/165)。 また、併せて、Web サイトの閲覧者の属性を捕捉することは今後のプロモーション上 も有効であるとして、ベルギーの情報保護法に準拠した形で情報収集を行うことも決 定された(RMG 決議 11/163)。 (直近の標準生成動向) 昨年 11 月のローマ会合以降、3 本の新規標準化提案22と 7 本の標準変更依頼23が受 仏、米、英、独、白、印、フィンランドに次ぐ。仏が常に突出して 1 位を維持しているほか、 RMG のメンバー国でないものの欧米金融機関のオフショア IT 開発拠点が集積している印が安 定して上位を維持している。 22 Demand Guarantees and Standby LC (SWIFT 提案), Securities Management Accounting Book-entry Instruction (ISITC 提案), Bank Services Billing (TWIST と SWIFT の共同提案)。 21 6 理されるなど、引続き標準生成は順調に進展している。 ただし、ECB の T2S のように、過去に標準生成に合意したものの、具体的な標準 化提案の持ち込みが当初想定していた期日を徒過しているものがある。T2S について はユーロシステム内部における意思決定手続の事務的な遅延によるものであり、メッ セージセットの要件定義作業そのものはユーロシステム内において順調に進展して いるとの ECB 側の説明があった。もっとも、特に作業量の多い T2S については、RA (SWIFT)や関係 SEG の作業平準化に向けたリソース管理上のニーズもあり、ECB に対しては RA を介して適時に進捗状況をアップデートするよう決議された(RMG 決議 11/161)。 (外為 SEG の再起動) ISO 20022 の策定当初より、金融取引の一角を構成する外為取引向けに“FX SEG” が立てられたものの、現在に至るまで活動実態のない状態が続いている。この間、FIX や FpML などの ISO 15022 にはなかったメッセージ・プロトコルが、証券取引やデリ バティブ取引のフロント業務を対象として、いよいよ ISO 20022 の標準化スコープに 入ろうとする中、上記プロコルが多用されている外為関連取引24についてもメッセー ジの標準化ニーズが再確認されており、現在外為 SEG に登録しているエキスパート の「生存確認」を行ったうえで、必要に応じて新規募集を行うことで合意された(RMG 決議 11/167)。 (Batch Application Header) Batch Application Header (BAH)については、ISO 20022 が標準生成の対象とすべきは メッセージ本体であって、BAH の仕様などは個々のインフラのオペレーターの判断 に委ねられるべき、との批判もあり、標準化作業を進める上での要件や時間軸につい て各 SEG の意向を吸い上げる旨、前回のローマ会合において決議(10/146)された。 その後、資金決済 SEG からは、今後、2 年間かけて行う ISO20022 第 1.5 版(後述) へのメンテ作業その他の標準変更の過程においてメンテ作業の入るメッセージセッ トから順に BAH の仕様の整理と標準生成を行う“evolutional approach”25が打ち出され た。 もともと厳しい性能要件の下、プラットフォームごとの自律性と相互運用性の間の 絶妙なバランスをとってきたカード SEG では、ISO 20022 の体系の下で BAH を標準 詳細は www.ISO20022.org 上の Catalogue of Change Requests 参照。 特に外為市場において世界的にも存在感のある本邦の外為証拠金取引向けプラットフォーム では、一般的なリテール取引のほか、最新のアルゴリズムを駆使した多頻度取引にも FIX プロ トコルが活用されている旨の指摘が、Jim Northey 氏(米・FIX)からあった。 25 なお 2 年後も手付かずとなって残っているメッセージについては、各業界の BAH の標準化に 対する実務ニーズを勘案のうえ、あらためて BAH の具備すべき仕様を整理することとする。 23 24 7 化していくニーズは存在しない。逆に、T2S のように国ごとに存在する CSD を繋ぎ、 複数のプラットフォームを跨いでメッセージを相互運用する証券 SEG では、BAH に ついてもメッセージ本体と同様の重みをもって標準化していくだけの誘因がある。今 次会合では、BAH に対していわば両極のポジションに立つカード SEG と証券 SEG の 双方に対して、資金決済 SEG が提唱した“evolutional approach”に対する賛否を回答す るよう要請された(RMG 決議 11/168)。また、BAH の普及に向けたマイルストーン について、各 SEG 主査と CSH(Cross SEG Harmonization)Sub-group が描き、次回 RMG 定例会合(本年 11 月@ノルウェー・Oslo)に提出するように決議された(RMG 決議 11/168)。 (第 1.5 版への移行とセマンティック・モデリング) ISO 20022 第 1.5 版への移行作業の中核は、セマンティック・モデリングにかかる メタ情報を整理して、MDR(Message Definition Report)等の各種ドキュメントに収録 していく作業である。前回のローマ会合(2010 年 11 月)での決議(10/155)で承認 された TSG の作業概要書に従って、業務サイドから当該移行作業にかかるリソース の瀬踏みを行った ad-hoc sub-group の検証結果を承認(RMG 決議 11/170)するととも に、2012~13 年に行われる標準変更のメンテナンス・サイクルをこなして 2013 年 5 月に移行を行うことで合意(RMG 決議 11/171)26。 この結果、第 1.5 版に準拠した ISO 20022 メッセージは、2013 年 5 月公表分からリ リースされることとなり、この間、標準化提案者に提供されるモデリングツール27の 選定を本年中に終えて、2012 年 9 月から一般の利用に供するとともに、同年 12 月に は既存のメッセージセットに関するモデリング作業を完了させる予定。RA(SWIFT) では、一連の移行作業に伴う RA 自身のリソースとして 4.0 人年28を計上している。 (ISO 15022 と ISO 20022 の証券系標準メンテ手続の統合) ISO 20022 側の証券 SEG と、ISO 15022 側のメンテナンス WG(MWG)の間で、実 態としては作業の当事者も内容もほぼ重なっているにもかかわらず、標準メンテの手 続上は冗長なステップを踏まなければならない現状に対して、以下の効率化策が提案 これは、翌日の TC 68 年次総会でも追認された(TC 68 決議 11/318) 新しいモデリングツールの有力候補としては、オープンソースである EMF(Eclipse Modelling Framework)が上がっている。IBM の Rational Rose をカスタマイズした従来のワークステー ションと比べると、ライセンス費用を要しない分、割安となる。各標準提出者は引続き Rational Rose を使用し続けることも可能であるが、RA としては、今後、新しいモデリングツールを幅 広く配布することで、メタ情報のデジタルな流通をより促進していくスタンス。 28 4.0 の内訳は、モデリングおよび編集のためのツール生成 (2.6)、www.ISO20022.org で公開し ているレポジトリ上におけるメタデータの URI を介した体系化 (0.5)、XML のようにスキーマ が存在せず、UML でメタデータを生成するためにはスクラッチでリバース・エンジニアリング を行う必要がある ANS.1 シンタックスへの対応 (0.4)、メタデータの移行ツールの開発 (0.5)。 26 27 8 され、本会合において採用が決定された(RMG 決議 11/174)。まずは、S&R(決済照 合)と Corporate Action から採用される見通し(なお、現状、資金系等で同様の事象 はみられていない) 。 ISO 20022 と ISO 15022 双方の RA が受理(6 月 1 日〆)した標準変更案については、証 券 SEG が行う標準変更のスクリーニングは省略する。 原案が持ち込まれた後は、証券 SEG と MWG が合同で審査を行う(8 月末〆)。 最終案の持ち込み後には証券 SEG による承認手続と ISO 15022 側の国別投票(Country Vote)を同時に行う(10 月末〆)。 (標準生成時における業界ドメイン間の平仄の確保) 主として資金系と証券系において、標準生成が縦割りに行われることの弊害がこれ 以上深刻化することがないよう、標準提案の受理決定のためのスクリーニング作業を、 当該標準提案者の帰属する業界ドメインの SEG が行うのではなく、一旦は CSH Sub-group が受理した上で、CSH Sub-group が提案者のニーズを聴取のうえ、関係 SEG を適切にアサインするフローとした(RMG 決議 11/175)。 4. TC 68 関連(5 月 12 日) (TC 68/WG 5 の設立) ISO 20022 の第 1.5 版へのバージョンアップを機として、セマンティック・モデリ ングによるメタ標準化の動きに大きく舵切りすべく、Mark Bolgiano 氏(米)を主査 とする WG5 の設置を決定した。今後、米国が事務局機能を提供して WG5 を起動さ せ、早速、本年 9 月末までに NWIP ドラフト29にかかる投票の際に各国から得られた コメントへの回答を行うとともに、標準化のスコープや時間軸等を文書化し、TC68 に対して報告を行うこととなった(TC68 決議 11/312)。 そもそもセマンティック・モデリングとは、TC 68/ WG 4 の下で、Matthew Rolling 氏(英・Standard Bank)が主査となり、James Whittle 氏(英・UK Payments)が事務 局を引受け、エキスパートとして集められた在欧州のアカデミア30や実務家とともに、 まる 6 年間をかけて理論的整理を行いながらも、なお実現まで道半ばにあるもの。対 する米国勢は、XML スキーマとも親和的な XBRL タクソノミーに知悉している Bolgiano 氏と、FIX のアーキテクトでシンタックスを跨いだメッセージ変換実務にも 詳しい Jim Northey 氏が主導している。セマンティック・モデリングの早期実現には 懐疑的な英国勢31と、ISO 20022 については第 1.5 版をもって一旦フリーズさせ、まず NWIP 投票を見据えたドラフト“Scoping a New Work Item Proposal for ISO 20022 Semantics Work”とともに、エキスパート募集が行われ(本年 3 月 15 日〆)、本邦からは賛成 票を投じるとともに、稲葉委員(日立)と山田(事務局)をエキスパートとして登録している。 30 WG 4 には本邦から Queen & Mary College の本田博士がエキスパートとして参加している。 31 Semantic Markup Types の方法論を規定すべく WG4 が策定し、 現在 CD 投票に付されている 29 9 は企業セクターへの普及に専念したいとする大陸欧州勢32が冷ややかな視線を注ぐ中、 米国勢がこれを押し切った構図となっている。 なお、本邦としては、WG 4 の検討過程に敬意を表し、また、同時に企業セクター への ISO 20022 の普及にも注力しつつも、スキーマやタクソノミーの活用は、本邦の 決済インフラの実装を高度化していく上でも非常に重要であり、IT ベンダーに所属す るアーキテクトの多い国内メンバーの間でもその点の認識に齟齬はないこと、メタ標 準化にはアップサイドのチャンスはあるが、ダウンサイドのリスクはなく、万一、 WG 5 での検討が頓挫しても検討作業が将来に先送りされるだけで、現在の ISO 20022 の標準化が失うものはないことに鑑み、米国のスタンスに賛成する立場を表明してい る。 (LEI への対応) リーマン・ショックを受けて、欧米諸国を中心に、新たな金融規制のためのインフ ラの整備に向けた検討が進む中、当局がより精緻なシステミックリスクの監視を行う ための、金融商品や金融取引の当事者に付番する識別子の整備・拡充を求めている。 その代表格となるのが LEI である33。 こうした規制ニーズを前にして、ISO/TC 68 では、各種ベンダーが提供するデファ クト標準であるコード体系の安易な利用が進むことによる分裂や希釈化が進む危険 性に憂慮し、主要国の当局に対して ISO 標準コードの活用を促すとともに、SC 4 と SC 7 の両主査が中心となり TC 68 に横断的な study group (SG)として組成された Identifier SG の下で、既存のコード体系の見直し34や整備・拡充の梃入れを行うことが 前回東京会合で打ち出された(TC 68 決議 10/0293、10/0294)。 LEI の枠組みについて、米国内では OFR の意向を受けて、証券分野の業界団体で 技術報告書(TR 16416)は、本会合中における英国の提案で取り下げが決定(TC 68 決議 11/316) 。 前回東京会合でも、ISO 20022 の標準生成が進む中で、これ以上のコード標準やメッセージ標 準の頻繁な追加・変更が、金融サービス業界はもとよりその顧客を含む標準ユーザー全体に圧 し掛かる負担、ひいては喫緊の課題でもある corporate to banks (C2B)のレイヤーでの ISO 20022 の普及に与える負の影響にも配慮すべき、との問題提起が行われ、本会合でも仏、英、 蘭を中心にアドホックな SG が組成され、バージョン変更に伴うリリース・サイクルの頻度が 与える標準ユーザーへの影響について本年 9 月末までに取り纏めることとなった(TC 68 決議 11/319) 。 33 今次会合では、 OFR から Senior Policy Advisor の Mark Flood 氏が 5 月 12~13 日の会合およ びワークショップに、ESMA からも IT 専門官の David Nadry 氏が 5 月 13 日のワークショッ プに、それぞれ参加するなど、LEI に対する当局側の関心の高さが窺われる。 34 TC 68/SC 4 において証券の発行体(Issuer)と保証人(Guarantor)の識別子(IGI)にかか る整備に向けた検討が進められているが、これら IGI や、SC 7 所管の BIC なども、いずれ LEI の下に収斂していく筋合い。さらに、現用されている ISIN(証券コード)やや CFI(証券分類 コード)も、取引主体の属性にかかる情報が包含されており、これらのコード体系を含めて、 正規化を行うべきとの声も聞かれるところ。 32 10 ある SIFMA が中心となり業界の意向を吸い上げた形で報告書“Requirements for a Global Legal Entity Identifier (LEI) Solution”(May 2011) をとりまとめている。同報告書 では、LEI の要件として、実装が国際標準化されていることと運営主体が非営利であ ることを掲げ、6 月末までに選定を終えて OFR に答申する予定。この間、ISO/TC 68 側でも、同報告書を踏まえて、LEI の基本的な実装や RA(SWIFT を選定済み)の組 織運営に関する要件定義を独自に行い、Identifier SG が策定した標準化案が NWIP 投 票(本年 6 月末投票〆)に付されており、会合でも席上の総意として直接 DIS 投票に 進む方針が確認された。もっとも、TC68 の提案が SIFMA の報告書や、さらには DF 法に適合しているかどうかは、SIFMA および OFR がそれぞれの立場から個別に審査 して決定する。理論的には、ISO が策定した LEI の枠組みが、そもそも DF 法に定め る LEI として採用されない可能も排除されず35、採否の確定は、尐なくとも現時点で の DF 法実施期限(本年 7 月 15 日)まで待つ必要がある36。 他方、欧州の ESMA も、 米国の DF 法のような性急な実施期限は設定していないが、 幅広い金融取引を対象とした Trade Repository の導入を検討しており、LEI の仕様につ いても米国内の動向を睨みつつ、欧州委員会や ECB とともに議論を進めている37。 この間、ISO/TC 68 関係者の一部からは、今回の“Global LEI”の要件策定を SIFMA という米国の証券業界のロビーイング団体がリードしていることに対して違和感を 唱える声が挙がっている。これは、システミック・リスクの管理強化の号令の下、LEI を用いて整備を進める Trade Repository が収録するアセット・クラスには、リーマン・ ショックのトリガーを引いた CDS 等の OTC デリバティブだけでなく、シ・ローンや コミットメント・ライン等を含むバンキング取引も幅広く取り込まれていくことが見 込まれるためである。 なお、Identifier SG 等の議論ではテクニカルな論点に埋没しがちであるが、当の OFR や ESMA は、20 桁で構成される LEI のコード実装そのものについての関心は低い。 むしろ彼らの業務要件を敷衍すれば、LEI をキーとして属性情報(attributes)やその 他コード間の関係性を一元管理し、網羅性や一覧性を具備したディレクトリ上に整理、 公表することの意義が大きい。現状、収録された属性情報の一部に重複がみられる BIC や ISIN、CFI についても、LEI をキーとするディレクトリの下で重複の排除とと もに正規化が進む方向で再編が進む可能性も否定できないところ。 以 上 サプライチェーン向けに企業コードを発行している GS1 などが競合相手として浮上している。 この間、SIFMA では、自らの報告書に定める LEI の要件に沿って、本年 5 月末を期限にソリ ューション・プロバイダーを公募している。ここで言うソリューション・プロバイダーとは、 RA として ANNA が委嘱されている ISIN の北米におけるサブセットである CUSIP のサービス ビューローとしての機能を担う S&P に相当するものと思われる。 37 ESMA は、 ISO 側の LEI の枠組みの ISO 化や RA として SWIFT が選定された既往の経緯には満 足している模様。 35 36 11 (ISO/TC 68/SC 2決議) Resolutions of ISO TC68/SC2 Financial Services Security Meeting 9th May 2011 Amsterdam 11/441 WG15 scope and organisation SC2 resolves to request WG15: to investigate and monitor any security standards developments that are relevant to the finance sector, to propose any NWIPs or liaison statements that might be needed, to meet at least quarterly (either face-to-face or by telephone), and to report at least half-yearly to SC2. 11/442 Avoid unnecessary burden on editors and working groups SC2 resolves that the ISO central secretariat should be made aware of the repercussions of decisions that put unexpected burden on working groups, such as requiring an existing TR which contained 'shall' statements to be converted to an IS. 11/443 27015 standard development SC2 resolves to again make ISO JTC1 SC27 aware of the SC2 standpoint that further development of the 27015 standard should be stopped as there is no need for this standard and its continuance would undermine confidence in current certifications under 27001. 11/444 German representative SC2 resolves to request the SC2 secretariat to contact DIN and BdB to encourage a German representative to attend SC2. 11/445 Alignment of Secretary's Report and the ISO web site SC2 resolves to request the SC2 secretariat to align the 'standards overview' in the Secretary's Report with the SC2 overview on the ISO web site, to correct the status of Canada in the report, to correct the name of SC2 to 'Security', as previously agreed, on the web site and in other documents, to correct the web site to no longer show WG14. 11/446 Thanks to John Sheets SC2 resolves to thank John Sheets for his excellent convenorship of WG13 Security in retail banking, and for ensuring the good progress made by that group. 11/447 Thanks to host SC2 resolves to thank the Dutch Banking Association and in particular Michael Samson and Sofia van de Ven for hosting the SC2 meeting in May 2011 and for providing excellent facilities. (ISO/TC 68/SC 7決議) ISO/TC 68/SC 7 N 370 10 May 2011 Resolutions of the 7th meeting of ISO/TC 68/SC 7 – Financial Services, Core Banking Appointment of the drafting committee ISO/TC 68/SC 7 appoints the following representatives to form the drafting committee: - Martine BRACHET (France), - Mark TIGGAS (United-States), - James WHITTLE (United-Kingdom). 2011/0080 Unanimous Approval of the agenda of the meeting ISO/TC 68/SC 7 approves the proposed agenda for the meeting. 2011/0081 Unanimous Approval of the minutes of the previous meeting ISO/TC 68/SC 7 approves the minutes of the previous SC 7 plenary meeting held on 2010-05-12 in Tokyo. 2011/0082 Unanimous Recommendation to TC 68 regarding the Study Group Identifiers ISO/TC 68/SC 7 recommends TC 68 to accept the report of the Identifiers Study Group and encourage the study group to ensure that the long term vision for identifiers fits with the work program of SC 7. 2011/0083 Unanimous Request to WG 2 on ISO 1004 revision ISO/TC 68/SC 7 recommends to the convenor of WG 2 that the group should hold a meeting by end of June 2011 to conduct their business or disband. 2011/0084 Unanimous 1/3 (ISO/TC 68/SC 7決議) Establishment of TG on Card standards ISO/TC 68/SC 7 resolves to establish a Technical Group on Card standards, to be formed of members of TC 68/SC 7 able to participate if they so wish through normal procedures, the invitation to be sent to SC 7 members and the TC 68 secretariat. The TG would first have the responsibility for 8583 RMMG and act as the official submitting organization of the ISO 20022 ‘ATICA models’, once WG 9 is disbanded. 2011/0085 Unanimous ISO 18245 registration process ISO/TC 68/SC 7 resolves that the instated TG on Card standards also takes the responsibility for the 18245 registration process. 2011/0086 Unanimous ISO 12812 Mobile Banking ISO/TC 68/SC 7 resolves to accept that the Banking/Payments will be a multipart standard. 2011/0087 ISO 12812 - Mobile Unanimous Extension of deadlines on ISO 12812 Mobile Banking ISO/TC 68/SC 7 requests its Secretariat to contact ISO/CS, and to request an extension of the limit date for the development of ISO 12812 follows: Current development track: 36 months Proposed development track: 42 months Current Proposed CD 2011-09-01 2012-03-01 DIS 2012-03-01 2012-09-01 FDIS 2013-03-01 2013-09-01 IS 2013-09-01 2014-03-01 The rationale is that the complex multipart standard needs additional times to be drafted. 2011/0088 Unanimous Revision of ISO 9362 (BIC) ISO/TC 68/SC 7 resolves that SWIFT submits a NWIP to revise ISO 9362 together with the new draft before end of May 2011. 2011/0089 Unanimous 2/3 (ISO/TC 68/SC 7決議) Call for experts for the revision of ISO 9362 and information to TC 68 ISO/TC 68/SC 7 requests its secretariat to mention in the call for experts that P Members are requested to nominate experts so that the relevant domains are covered. SC 7 will inform TC 68 of the NWIP for ISO 9362. 2011/0090 Unanimous Future of ISO 9992-1 ISO/TC 68/SC 7 asks its members to confirm use of ISO 9992-1 by 31 August 2011, and if not withdraw the standard. 2011/0091 Unanimous Corrigendum on ISO 13616-1 (IBAN) ISO/TC 68/SC 7 resolves that France is to issue a corrigendum for ISO 13616-1 clarifying the scope of the standard. 2011/0092 Unanimous Confirmation of ISO 13616-2 (IBAN) ISO/TC 68/SC 7 resolves to confirm ISO 13616-2. 2011/0093 Unanimous Disbandment of the liaison with CEFACT ISO/TC 68/SC 7 withdraws the Liaison with UN CEFACT TBG5. 2011/0094 Unanimous Next SC 7 meeting ISO/TC 68/SC 7 welcomes the US proposal to meet next SC 7 in Chicago on 2012-05-08. 2011/0095 Unanimous Thanks to the hosts ISO/TC68/SC7 thanks its hosts Nederlandse Vereniging van Banken which organized this 7th meeting. 2011/0096 Unanimous 3/3 (ISO 20022 RMG決議) RESOLUTIONS OF ISO 20022 RMG MAY 2011 N2038 11/160 - Resolution Drafting Committee The RMG appoints the Resolutions Drafting Committee; Cindy Fuller, Martine Brachet and Kevin Wooldridge for this meeting. Approved. 11/161 - Resolution on timing of issuance on submitters RMG resolves to request information from submitters of outstanding business justifications where no recent information has been provided by the submitter on expected delivery date. Submitters are requested to inform the RA of the status of the business justification and the expected date of the eventual submission. This information will allow RA and SEGs to ensure that resource is available to perform the evaluation. Approved. 11/162 -Comments on the RA revised 20022.org website RMG resolves to approve the general characteristics of the redesigned web site, and instructs the RA to continue subject to specific comments received by the end of May 2011. Approved. 11/163 - Capture person’s information visiting website RMG resolves to request the RA to add a subscription service to the ISO 20022 newsletter, and to capture email addresses and business sector of subscribers knowing this file would have to be declared to the Belgium Privacy authority before storing any personal data. Approved. 11/164 – RMG approves the general characteristics RMG resolves RMG Secretary to send example web pages from the redesigned web site to all RMG members, and RMG members respond with comments before the end of May 2011. Approved. 11/165 – SEGs deadline dashboard RMG resolves to request the SEGs to complete their work on the dashboard and to submit their completed dashboards to the RA by the end of June 2011 at the latest. Approved. 11/166 – SEGs and business model RMG resolves to request the SEGs to initiate their work on the refactoring of the business model by the end of May 2011 at the latest. Approved. (ISO 20022 RMG決議) RESOLUTIONS OF ISO 20022 RMG MAY 2011 N2038 11/167 – FX SEG refresh RMG resolves that the Secretary shall take steps to support the FX SEG by validating existing members and if needed issue a call for experts by the end of May 2011. Approved. 11/168 – Batch header replies from SEG The RMG instructs Securities, Cards and FX SEG that have not yet responded to resolution 10/147 to do so before end May 2011. Based upon the result of the review of the SEG‟s input will be taken into account for a proposal [NWIP] for “batch message header” standard at TC68. Approved. 11/169 – Use of business application header The RMG resolves that the BAH Subgroup chair initiate a discussion involving the convenors of the SEGs and the convenor of the CSH to agree an implementation path for the BAH. The results of this meeting to be presented as a document for the November RMG meeting. Approved. 11/170 - RMG ad-hoc subgroup on impact of new version of ISO 20022 standard The RMG resolves to accept the migration paper N2001, and supports its findings. RMG accepts the report of the sub-group and accepts its recommendation to establish a reciprocal link between N1935 paper and the ad hoc report so that users could simultaneously benefit from both analyses. Approved. 11/171 – Migration to new version ISO 20022 RMG resolves that migration to ISO 20022 version 1.5 shall be performed in April/May 2013 at the occasion of the publication of the new message versions resulting from the ISO 20022 maintenance cycle 2012/2013. The versions of messages published in May 2013 will be consistent with the new version of ISO 20022, making May 2013 the „headline‟ date for the migration. Approved. 11/172 – New Securities SEG Secretary The RMG accepts the results of the Securities SEG Secretary ballot and approves Ms. Stephanie Duverger as the Securities SEG Secretary. The RMG thanks Mr. Chad Spitler for his work as Secretary. Approved. (ISO 20022 RMG決議) RESOLUTIONS OF ISO 20022 RMG MAY 2011 N2038 11/173 – Acceptance of the Rules Sub-group Report The RMG resolves to accept the document N2003 submitted by the rules group. Approved. 11/174 - Maintenance of ISO 15022 and 20022 The RMG resolves to accept the proposal in document N1992. Approved. 11/175 - Registration Procedures The RMG resolves to change section 1.1.1 of the Registration Procedures to use the CSH to facilitate the initial BJ vetting process, involving the SEGs and including input from the submitter. Approved. 11/176–Approval of TSG Convenor and Vice Convenor The RMG accepts the results of the TSG Convenor and Vice Convenor selection and approves Mr. Paul Hojka as convenor and Mr. Anthony Coates as Vice Convenor. The RMG thanks Mr. Derek LaSalle for his work as Convenor. Approved. 11/177– Thanks to hosts Thanks to the hosts of the Amsterdam meeting: NEN (Dutch National Standards body), Dutch Bankers Association and ABN AMRO Bank for their excellent hosting facilities and gracious hosting. We especially thank Mr. Michael Samson, Ms. Sophia van de Ven and Ms. Elsa Goncalves of the Bankers Association and Mr. Gerard Hartsink of ABN AMRO Bank. Approved. (ISO/TC 68決議) N1908 Resolutions of ISO TC68 Meeting May 2011 Amsterdam 11/312 - Resolution to Create TC68/WG5 Semantic Models TC68 resolves to create WG5 to develop the principles and procedures for amending the ISO 20022 v1.5 (aka 2011) to include semantic modeling. TC68 confirms Mark Bolgiano, U.S., (as named in the work item) as WG5 convenor. The US will confirm the Secretary prior to the first meeting. Further, TC68 resolves to hold a meeting of the named working group and interested stakeholders to document the scope timing and other details of the work plan. The convenor will inventory the comments received with the ballot of the preliminary work item and other industry comments and will circulate these prior to the meeting for resolution at the first meeting. The convenor will report back the recommendations of working group 5 for the proposed new work item to the TC before September 2011. Approved 11/313 – TC68 Identifier Study (Ad Hoc) Group Next Steps TC68 has received the ballots prepared by the Identifier Study Group and thanks the study group members and co-chairs for their work to date and for the production of the LEI new work item and Committee Draft (CD). The TC resolves and agrees based upon its approved terms of reference that the study group (an ad hoc group per Part 1 of the ISO Directives 1.14) should continue its work and report back on a regular basis through the SC chairmen and to the TC. Approved 11/314 – TC68 2011 Business Plan TC68 resolves to include the Netherlands representative (Mr. Peter Potgeiser) in a CAG meeting to review the voting results and the Netherlands comments on the TC68 2011 Business Plan. The CAG shall report the results of this meeting to the TC before September 2011. Approved 11/315 – ISO voting related to Form 4 TC68 resolves to request their national bodies to express to ISO/CS their concerns on the evoting process between the CD vote and when the intention is to go immediately (upon approval) to the DIS voting stage. The “box” to direct this action is not being ticked (Form 4) and there is confusion about this. Although the national body may have this intention to vote to move to DIS the user interface deficiency is causing unnecessary delays in the progress of standards as the box is often not marked and not accounted in the final ballot results. In addition, TC68 Secretariat will formally report this issue directly to the ISO/TMB. Approved 11/316 TR project on semantics under WG4 TC68 resolves that no work on semantic modeling will take place in WG4. The Secretariat is instructed to withdraw the registered TR16416 project. Approved (ISO/TC 68決議) N1908 Resolutions of ISO TC68 Meeting May 2011 Amsterdam 11/317 Adherence to ISO IPR Policy Liaison and national body experts are reminded that ISO has an IPR policy (see ISO Directives) which requires that the existence of IP be declared. Approved 11/318 TC68 agreement with ISO 20022 migration schedule from ISO 20022 RMG Based on the resolution of ISO 20022 RMG, TC68 resolves to accept the RMG resolution as follows. RMG - 11/171 – Migration to new version ISO 20022 RMG resolves that migration to the ISO 20022 version 1.5 shall be performed in April/May 2013 at the occasion of the publication of the new message versions resulting from the ISO 20022 maintenance cycle 2012/2013. The versions of messages published in May 2013 will be consistent with the new version of ISO 20022, making May 2013 the „headline‟ date for the migration. Approved 11/ 319 - Messages Resulting from the Standards TC68 agrees that a paper be produced on the issues faced by users because of release cycles of versions of the messages. This paper to be drafted by a small ad hoc group of members including; Axelle Wurmser, Bob Blair, James Whittle, and Peter Potgieser led by Martine Brachet. The paper should be produced by end of September 2011and submitted to the TC. Approved 11/320 – Thanks to hosts TC68 thanks the hosts and organizers of the week of TC/SC and RMG meetings. Special thanks to: NEN, Dutch Bankers Association and ABN AMRO bank from TC68! Approved by accolade 11/321 – Thanks to Ms. Saruhashi TC68 thanks Atsuko Saruhashi (TC68 TPM) of ISO/CS for her management and support of TC68 and its committees and wishes her well in her new endeavors. Approved by accolade