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鋼溶接継手の疲労強度評価を 目的とした データベースの構築とその利用
2009 年度 修士論文 鋼溶接継手の疲労強度評価を 目的とした データベースの構築とその利用 指導教員:森 猛 教授 法政大学大学院 工学研究科 建設工学専攻 修士課程 08R5108 甲 弓子 耐溶接継手の疲労強度評価を目的とした データベースの構築とその利用 08R5108 甲 弓子 疲労設計は、疲労設計荷重から求められる応力範囲 ∆σ とその設計許容期間中の繰返し数 nを、疲労試験などから求められる疲労設計 ∆σ−N 曲線(N:疲労寿命)を比較すること により行なわれる。鋼構造物の部材や、継手の疲労設計には、日本鋼構造協会の疲労設計 指針(以後、JSSC 指針)あるいはそれを基とした基準類が用いられることが多い。JSSC 指針には、直応力を受ける継手に対して 8 本の ∆σ−N 曲線が定められている。JSSC 指針で 設定されている疲労強度等級の基となった疲労試験データは、20 年以上前のものである。 この 20 年の間に、溶接方法の主流は溶接棒を用いた手溶接(被覆アーク溶接)から、半自 動溶接へと移り変わった。こうような溶接方法の違いにより疲労強度の支配因子の一つで ある溶接形状が異なり、手溶接の試験体の疲労データを基とした JSSC 指針の強度等級を現 在の溶接継手に適用できない可能性もある。 本研究では、JSSC 指針を作成するために参考とした疲労試験データに 1987 年以降の試 験データを加えた疲労試験データベースを構築し、整理することにより JSSC 指針で設定さ れている疲労強度等級の見直しを行った。さらに、構築したデータベースを利用して、ま た 3 次元 FEM 応力解析を利用して、疲労強度に対する鋼材静的強度レベル、溶接材料、板 厚、そして溶接部の仕上げの影響について検討した。 その結果、以下のことが明らかとなった。 (1) JSSC 指針で設定されている継手の疲労強度等級は適切である。 (2) 疲労強度に対する鋼材静的強度レベル、溶接材料の影響はない。 (3) 板厚の補正は、従来から板厚の影響があるといわれている荷重非伝達型十字溶接継手に 加え、横突合せ溶接継手においても必要である。 (4) 溶接止端部を仕上げた場合にも溶接のままの継手と同様に板厚による疲労強度の補正 が必要である。 Development and Application of Database for Estimating Fatigue Strength of Steel Welded Joints 08R5108 Yumiko KABUTO Fatigue design is carried out by making a comparison of stress range due to fatigue design loads and its frequency in a period of design life with the specified fatigue design carve obtained by fatigue tests. “Fatigue Design Recommendations for steel structures” by Japanese Society of Steel Construction (JSSC Recommendations) are most widely used for fatigue design for steel welded structures in Japan. The JSSC Recommendations specify 8 fatigue design curves as for various types of welded joints subjected to axial cyclic stresses on the basis of a lot of fatigue test data. These data were corrected 20 years ago. In the last 20 years, main welding method was changed from manual arc welding to CO2 arc welding. The difference of welding method may induce the difference of weld shape which is one of the factors controlling fatigue strength. This fact means that the fatigue strength category may be inapplicable to present welded joints. In this study, fatigue test data after JSSC Recommendations was issued is added to the former data, and new fatigue test database for steel welded structures is constructed in order to reexamine fatigue strength category specified by JSSC Recommendations. In addition, influences of steel grade, welding materials, plate thickness and post weld treatment on fatigue strength are examined through the database and 3D FEM stress analyses. The main results obtained in this study are as follows. (1) Fatigue strength category for each welded joints specified by the JSSC Recommendations is adequate. (2) Steel grade and welding method does not influence on fatigue strength. (3) Fatigue strength correction by plate thickness is necessary for butt welded joints in addition to non-load carrying type cruciform welded joints. (4) Fatigue strength correction by plate thickness is also necessary for welded joints with grinding weld toe as much as as-welded joints. 目次 第 1 章 序論 第2章 データベースの概要 2.1 調査範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.2 調査項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.2.1 継手形式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.2.2 溶接方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 2.2.3 疲労強度改善の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.3.4 その他の項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.3 データベースの構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.3.1 疲労試験データベースの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2.3.2 データファイルの作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 2.3.3 Microsoft Access の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 2.3.3.1 データの入力方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 2.3.3.2 データの検索方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 2.3.4 文献データベース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 2.3.5 データの入力例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2.4 Access の使用例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2.4.1 テーブルの作成例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2.4.2 クエリの作成例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 第 3 章 疲労強度に対する鋼種と溶接材料の影響 3.1 鋼種の影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 3.1.1 横突合せ溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 3.1.2 荷重非伝達型十字溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 3.1.3 面外ガセット溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 3.2 溶接材料の影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 3.2.1 横突合せ溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 3.2.2 荷重非伝達型十字溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 3.2.3 面外ガセット溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 第 4 章 疲労強度等級の見直し 4.1 旧データと新データの比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 4.2 スカラップを含む縦方向溶接継手の疲労強度評価の見直し・・・・・・・・ 34 4.3 JSSC 指針の疲労強度等級の見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 第 5 章 板厚の影響 5.1 データベースを用いた検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 5.1.1 横突合せ溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 5.1.2 荷重非伝達型十字溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 5.1.3 面外ガセット溶接継手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 応力解析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 5.2 5.2.1 解析モデルと解析方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 5.2.2 解析結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 5.2.2.1 横突合せ溶接継手 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 5.2.2.2 荷重非伝達型十字溶接継手 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 5.2.2.3 面外ガセット溶接継手 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 第 6 章 疲労強度の改善処理 6.1 データベースを用いた検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75 6.1.1 疲労強度の改善処理方法の影響 6.1.2 止端形状の影響 6.1.3 板厚の影響 6.2 応力解析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 6.2.1 解析モデルと解析方法 6.2.2 解析結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 横突合せ溶接継手 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 6.2.2.2 荷重非伝達型十字溶接継手 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 6.2.2.3 面外ガセット溶接継手 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 参考文献 付録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 6.2.2.1 第 7 章 結論 謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 108 第 1 章 序論 疲 労 破 壊 とは、自 動 車 や列 車 、波 や風 などの外 力 が繰 り返 し作 用 することにより、高 い応 力 集 中 が 生 じ る箇 所 にき裂 が発 生 し、それが進 展 することにより生 じる破 壊 現 象 である。鋼 構 造 物 に繰 返 し荷 重 が作 用 すると、溶 接 きずや溶 接 止 端 などの形 状 変 化 部 の応 力 集 中 が原 因 と なり、疲 労 き裂 が発 生 する。溶 接 部 に生 じた微 小 な疲 労 き裂 が、直 ちに構 造 物 全 体 や、その部 材 の 破 壊 に つながることはないが、微 小 な疲 労 き裂 を放 置 すればその進 展 により 構 造 物 が 崩 壊 する危 険 性 もある。このような疲 労 破 壊 を防 止 するためには、適 切 な方 法 で疲 労 設 計 を行 う ことが不 可 欠 である。例 えば、道 路 橋 では道 路 橋 示 方 書 ・同 解 説 と鋼 道 路 橋 の疲 労 設 計 指 針 1) 、鉄 道 橋 では鉄 道 構 造 物 等 設 計 標 準 ・同 解 説 2) を用 いて疲 労 設 計 が行 われる。これら疲 労 設 計 基 準 類 の基 となっているものが、日 本 鋼 構 造 協 会 の鋼 構 造 物 の「疲 労 設 計 指 針 ・同 解 説 」 3) (以 後 JSSC 指 針 と呼 ぶ)である。 疲 労 設 計 は、疲 労 設 計 荷 重 から求 められる応 力 範 囲 ∆σ とその設 計 供 用 期 間 中 の繰 返 し数 を、疲 労 試 験 などから求 められる疲 労 設 計 ∆σ−N 曲 線 (N:疲 労 寿 命 )を比 較 することにより、行 なわれる。 JSSC 指 針 では、直 応 力 を受 ける継 手 に対 して、A∼H の 8 本 の疲 労 設 計 曲 線 (疲 労 設 計 ∆σ−N 曲 線 )を設 定 している。(図 1.1)。対 象 とする継 手 の基 本 許 容 応 力 範 囲 の値 (2×10 6 回 疲 労 強 度 190∼40N/mm 2 )を考 慮 して、その間 を 7 等 分 して、それぞれの継 手 がどの疲 労 設 計 ∆σ−N 曲 線 に対 応 するかを調 べることにより、各 継 手 の疲 労 強 度 等 級 を設 定 している(表 1.1)。 この疲 労 設 計 ∆σ−N 曲 線 は、継 手 の疲 労 試 験 データを収 集 し、それらの統 計 解 析 による整 理 結 果 や、破 壊 力 学 解 析 等 を用 いた寿 命 解 析 などの研 究 成 果 を取 り入 れて、総 合 的 に決 定 さ れている。 疲 労 試 験 データが、疲 労 設 計 ∆σ−N 曲 線 の基 となるが、すべての継 手 形 式 や材 料 に対 し て新 たに疲 労 試 験 を実 施 することは、多 大 な費 用 と労 力 を要 する。そのため過 去 に蓄 積 された データを収 集 ・整 理 して、その利 用 が図 られてきた。これまでにも、JSSC 指 針 を作 成 するために、 疲 労 データベースなどが作 られたが、初 期 の目 的 を達 成 した後 は、その収 集 が停 止 されている。 単 純 化 された疲 労 設 計 ∆σ−N 曲 線 よりも、疲 労 試 験 データそのものや、データのばらつきが重 要 になる場 合 もある。既 設 構 造 物 では、現 在 あまり使 用 されない鋼 材 や溶 接 継 手 形 式 も使 わ れており、その疲 労 照 査 には、既 存 のデータの利 用 が不 可 欠 となる。そのような観 点 から、既 存 の疲 労 試 験 データの収 集 ・整 理 は重 要 である。そのため、疲 労 試 験 データベースが作 成 されて いる。データベースとは、多 くののデータを蓄 積 ・管 理 し、容 易 に目 的 のデータを探 し出 すことの できる仕 組 みのことである。 1 JSSC 指 針 で設 定 されている継 手 の疲 労 強 度 等 級 分 類 の基 となった疲 労 試 験 データベース が作 成 されたのは、今 日 から約 20年 前 のことである。その間 に、溶 接 の主 流 は、溶 接 棒 を用 い た手 溶 接 (被 覆 アーク溶 接 )から半 自 動 (CO 2 溶 接 など)・自 動 溶 接 へと移 行 した。被 覆 アーク 溶 接 では、短 い溶 接 棒 を絶 えず取 り替 えながら作 業 することになるため、能 率 の悪 いことが短 所 の一 つであった。これに対 して、棒 の代 わりにコイル状 に巻 いたワイヤを使 い、連 続 溶 接 が可 能 な半 自 動 や自 動 溶 接 が登 場 し、鋼 橋 をはじめさまざまな分 野 で活 用 されている。こうような溶 接 方 法 の違 いにより疲 労 強 度 の支 配 因 子 の一 つである溶 接 形 状 が異 なることも考 えられる。現 在 、半 自 動 ・自 動 溶 接 が主 流 であるが、構 造 物 の設 計 に参 考 にされている疲 労 試 験 データの 多 くは、手 溶 接 の試 験 体 でのデータであるため、半 自 動 ・自 動 溶 接 された継 手 については、現 JSSC 指 針 で定 められている疲 労 強 度 分 類 が適 切 でない恐 れもある。 本 研 究 では、JSSC 指 針 の基 となったデータに最 近 20 年 間 の疲 労 試 験 データを加 え、新 た にデータベースを構 築 し、それを解 析 することにより JSSC 指 針 で設 定 されている疲 労 強 度 等 級 の見 直 しを行 う。 さらに、構 築 したデータベースを利 用 して、疲 労 強 度 に対 する鋼 材 静 的 強 度 レベル、溶 接 材 料 、板 厚 、そして溶 接 部 仕 上 げの影 響 について検 討 する。なお、板 厚 と溶 接 部 仕 上 げの影 響 については、3 次 元 有 限 要 素 解 析 も利 用 する。 2 表 1.1 名称 A B C D E F G H I 基本許容応力範囲 強度等級 6 2×10 回基本許容 応力範囲 Δσf (N/mm2) 190 155 125 100 80 65 50 40 32 3 2 応力範囲の打切り限界 (N/mm ) 一定振幅応力 変動振幅応力 Δσce (N)* Δσve (N)* 6 7 190 (2.0×10 ) 88 (2.0×10 ) 6 7 155 (2.0×10 ) 72 (2.0×10 ) 6 7 115 (2.6×10 ) 53 (2.6×10 ) 84 (3.4×106) 39 (3.4×107) 6 7 62 (4.4×10 ) 29 (4.4×10 ) 6 7 46 (5.6×10 ) 21 (5.6×10 ) 6 7 32 (7.7×10 ) 15 (7.7×10 ) 7 23 (1.0×10 ) 11 (1.0×108) 7 8 16 (1.0×10 ) 7 (1.0×10 ) 2 直応力範囲 Δσ(N/mm ) A C 1000 E G 3 1 I 100 B D F 一定振幅応力 変動振幅応力 10 10 4 H 6 8 10 10 応力繰返し数 N(cycles) 図 1.1 疲労設計曲線 4 第 2 章 データベースの概 要 と構 築 2.1 調 査 範 囲 疲 労 試 験 のデータベースの作 成 は、既 に名 古 屋 大 学 (山 田 研 究 室 )と長 崎 大 学 (中 村 研 究 室 )で行 われている。これらのデータは、主 に 1987 年 以 前 の文 献 を参 考 にしているため、本 研 究 では、1987 年 以 降 の文 献 を収 集 することにした。なお、両 大 学 で収 集 されたデータも提 供 い ただき、新 たに作 成 したデータベースに加 えることとした。 調 査 の対 象 とした主 な文 献 を以 下 に示 す。 ・土 木 学 会 論 文 集 ・土 木 学 会 年 次 学 術 講 演 会 講 演 概 要 集 ・構 造 工 学 論 文 集 ・鋼 構 造 論 文 集 ・鋼 構 造 年 次 論 文 報 告 集 ・溶 接 学 会 論 文 集 ・溶 接 学 会 全 国 大 会 講 演 概 要 ・日 本 造 船 学 会 論 文 集 ・物 質 ・材 料 研 究 機 構 疲 労 データシート 収 集 した文 献 のなかには、試 験 体 が特 殊 で、公 称 応 力 が計 算 できないものや、データベース では使 用 できないデータもあった。調 査 した文 献 の一 覧 は、付 録 に記 す。今 回 収 集 し 、使 用 し た 疲 労 試 験 デ ー タ は 、 計 1613 シ リ ー ズ の 疲 労 試 験 か ら 求 め た 10224 の デ ー タ で あ る 。 そ の 内 訳 を 表 2.1 に 示 す 。 2.2 調 査 項 目 調 査 対 象 は、高 サイクル疲 労 であり、1万 回 以 下 の低 サイクル疲 労 は対 象 外 とする。また、 1987 年 以 降 に公 表 された文 献 (論 文 、講 演 概 要 )を主 たる調 査 対 象 とする。 2.2.1 継 手 形 式 調 査 対 象 とする継 手 形 式 を以 下 に記 す。(表 2.2 参 照 ) (1)非 溶 接 継 手 ・・・母 材 、円 孔 (ガス縁 、せん断 孔 、レーザ孔 )付 母 材 、切 欠 き材 (2)溶 接 継 手 ・・・横 突 合 せ溶 接 継 手 、縦 方 向 溶 接 継 手 、十 字 溶 接 継 手 、 ガセット溶 接 継 手 、その他 の継 手 (重 ね継 手 等 ) 5 2.2.2 溶 接 方 法 調 査 対 象 とする主 な溶 接 方 法 を以 下 に記 す。 1 ) アーク溶 接 電 気 溶 接 の一 つ。アーク放 電 によって生 じる高 熱 を利 用 して金 属 を溶 接 する方 法 。 1.1) 被 覆 アーク溶 接 一 般 に手 溶 接 と呼 ばれるものであり、電 極 として溶 接 棒 を用 いる。溶 接 棒 は、鋼 の芯 線 と その周 りにつけられた被 覆 材 とからなっている。芯 線 より発 生 したアークを、被 覆 材 から発 生 するガスでシールドし、大 気 中 の窒 素 や酸 素 が溶 接 部 に混 入 するのを防 止 している。 1.2) ガスシールドアーク溶 接 裸 の溶 接 棒 との周 囲 を包 み込 む不 活 性 のガスの組 合 せによる溶 接 方 法 。電 極 (溶 接 ワ イヤ)から発 生 させたアークを、アルゴン・炭 酸 ガス等 のガスで覆 い、アークの安 定 を図 ると ともに、溶 融 金 属 中 に大 気 が混 入 しないようにする。 1.2.1) 炭 酸 ガス溶 接 シールドガスに炭 酸 ガスを使 う。通 常 半 自 動 溶 接 として使 われる。CO 2 溶 接 と呼 ばれるこ ともある。 1.2.2) マグ溶 接 シールドガスに不 活 性 ガスと炭 酸 ガスを混 合 して使 う溶 接 方 法 。 1.2.3) ミグ溶 接 シールドガスに不 活 性 ガスのみを使 う溶 接 方 法 。 1.2.4) ティグ溶 接 シールドガスに不 活 性 ガス、電 極 に非 消 耗 式 のタングステンを用 い溶 加 材 を溶 かして溶 接 する方 法 。 1.3) サブマージアーク溶 接 裸 の溶 接 棒 と溶 接 部 分 を被 覆 するためのフラックスの組 合 せによる溶 接 方 法 。母 材 上 に あらかじめ散 布 した粉 粒 状 フラックスの中 に電 極 ワイヤを差 し込 み、アークを発 生 させて 溶 接 する方 法 。 6 2.2.3 疲 労 強 度 改 善 方 法 調 査 対 象 とする主 な溶 接 部 仕 上 げの方 法 を以 下 に記 す。 1 ). グラインダー処 理 (ディスクグラインダー、バーグラインダー) 溶 接 止 端 部 を研 削 し、板 面 をわずかにくぼませる程 度 に仕 上 げ形 状 を改 善 する処 理 。ま た、余 盛 の除 去 も行 われる。 2 ) ピーニング処 理 (ハンマーピーニング、UIT) 溶 接 止 端 部 の表 面 をハンマーを用 いて強 い力 で打 撃 して、止 端 形 状 の改 善 と圧 縮 残 留 応 力 の導 入 を目 指 した処 理 。 3 ) TIG 処 理 タングステン電 極 により局 所 的 に金 属 を溶 融 し、形 状 を改 善 する処 理 。 4 ) ブラスト処 理 (サンドブラスト、ショットブラスト) ブラストガンから研 削 材 を噴 射 して、被 加 工 物 に激 しく吹 きつけて表 面 加 工 を行 う処 理 。 5 ) 付 加 溶 接 (化 粧 棒 、低 変 態 点 溶 接 棒 ) 溶 接 止 端 上 に溶 接 を付 加 することにより、溶 接 形 状 を滑 らかにし、応 力 集 中 を軽 減 し、疲 労 強 度 を改 善 する処 理 。 2.2.4 その他 の項 目 上 記 以 外 の項 目 は、名 古 屋 大 学 の山 田 研 究 室 で作 成 されたデータベースを基 に決 定 した。 データベースに収 集 する項 目 を表 2.3 に示 す。なお、継 手 によっては独 自 の項 目 もある。例 え ば、面 外 ガセット溶 接 継 手 の場 合 、ガセット寸 法 などである。 2.3 データベースの構築 2.3.1 疲 労 試 験 デ ー タ ベ ー ス の 概 要 疲労試験データの最も重要な項目は、継手形式、応力範囲と破壊までの繰返し回数 である。そのデータはその実験の実施にあたって設定された多数の条件で得られたも のであり、試験結果をデータベース化する際には、それらも同時に収録する必要があ る 。試 験 条 件 と し て は 、一 般 に 、材 料 の 機 械 的 性 質 、溶 接 方 法 、試 験 片 の 形 状・寸 法 、 試 験 方 法 な ど が 挙 げ ら れ る 。 物 質 ・ 材 料 研 究 機 構 ( NRIM) の 疲 労 デ ー タ シ ー ト は 特 に 詳 細 な 記 述 が さ れ て い て 、 利 用 価 値 の 高 い も の で あ っ た 。 NRIM 疲 労 デ ー タ シ ー ト は 疲 労 試 験 の 報 告 書 的 な 性 格 を も つ も の で 、試 験 条 件 が 細 大 も ら さ ず 記 載 さ れ て い る 。 7 本研究で用いたデータベースの書式は名古屋大学の山田研究室で作成されたデータベ ースを参考にして決定した。 疲労試験データベースを作成するにあたり、データシートの形で公表された文献ば か り で な く 、疲 労 試 験 を 行 な っ た 研 究 論 文 も 情 報 源 と し て 利 用 で き る 。し か し な が ら 、 研究論文では、論文構成に必要なデータのみを記載することが多く、記載項目は文献 によって異なっている。文献によっては、使用した鋼材の機械的性質、試験体の溶接 方法、溶接材料、試験機の種類等のデータを記述していないものもあった。また、疲 労試験結果が、数表の形でデータが記載されておらず図のみに示されている場合もあ る 。 そ の よ う な 場 合 に は 、 デ ジ タ イ ザ ー を 用 い て ∆σ− N デ ー タ を 求 め た 。 2.3.2 デ ー タ フ ァ イ ル の 作 成 本 研 究 で は デ ー タ ベ ー ス ソ フ ト と し て Microsoft Access を 用 い て 、 次 に 示 す 方 針 で データベースを作成した。 (1) デ ー タ の 有 効 性 を 主 観 的 に 判 断 せ ず 、技 術 的 に 可 能 な 範 囲 で 、出 来 る 限 り 多 く の 項目をデータファイル化する。 (2) デ ー タ ベ ー ス の 再 編 成 や 項 目 の 追 加 な ど が あ る 場 合 、後 か ら 見 直 せ る よ う に 文 献 タ イ ト ル 名 や 著 者 を 収 録 す る 項 目 を 作 り 、文 献 を PDF フ ァ イ ル と し て 保 管 す る 。 (3) 原 則 と し て 発 表 論 文 や デ ー タ シ ー ト か ら デ ー タ を 収 集 す る データファイルの構造を単純にし、データを効率的に記録するために、1系列の疲 労試験データをまとめて、1レコードとする。これを分割して、その試験系列の試験 条 件 と 、 S-N デ ー タ を 入 力 し た 。 2.3.3 Microsoft Access の 概 要 データベースには以下のカード型データベースとリレーショナル型データベースと がある。 カード型データベース:1 枚のカードに関連する複数のデータが納められているも ので、1枚のカードに納められている複数のデータが 1 レ コードになる。簡単にデータベースを構築できるが 1 つの 表しか持つことができず、データを簡単に抽出することは できない。 8 リレーショナル型データベース:複数の表を作成して、1 つのレコードを複数のデ ー タ 、ま た は レ コ ー ド と 関 連 付 け て 利 用 す る こ と ができる。 Access は リ レ ー シ ョ ナ ル 型 デ ー タ ベ ー ス で あ る 。Access で は 、全 て の 情 報 を 1 つ の デ ー タ ベ ー ス フ ァ イ ル ( 拡 張 子 . mdb) で 管 理 す る 。 デ ー タ ベ ー ス フ ァ イ ル は 以 下 の 様なオブジェクトから構成されている。 (1) テ ー ブ ル 入力したデータを蓄えておくための機能。 Access で の デ ー タ ベ ー ス 作 成 の 中 心 と な る も の で 、デ ー タ ベ ー ス 処 理 の 実 際 は 、こ のテーブルを通して行われる。テーブルは複数のフィールド(列)と関連するフィ ールドのデータをまとめたレコード(行)から構成され、データシートビューとデ ザインビューの 2 通りの表示方法がある。 フィールド: 1つのレコードに属するデータを種類別に分けた項目のこと。フィールドは デザインビューで定義される。データシートビューの1列が 1 フィールドに なり、1 つのフィールドには同じ種類のデータが保存される。 レコード: 1件分のフィールドのデータがまとまったもの。データシートビューの 1 行 が 1 レコードとなる。 デザインビュー: テーブルの構造をデザインするためのウィンドウであり、フィールドの定義 やフィールドのデータ型を定義し、フィールドの追加や削除などを行う。 データシートビュー: デザインビューで定義したテーブルにデータを登録したもので、データの追 加、削除、編集などデータに関する操作を行う。蓄積されたデータは表形式 で表示される。 (2) ク エ リ テーブルから必要なデータだけを抽出するための機能。 (3) フ ォ ー ム データをテーブルに入力するための機能。 9 Access の 操 作 は す べ て「 デ ー タ ベ ー ス ウ ィ ン ド ウ 」か ら 行 う( 図 2.1)。デ ー タ ベ ー ス ウ ィ ン ド ウ は 、テ ー ブ ル 、ク エ リ 、フ ォ ー ム な ど の Access の 基 本 的 な 機 能 を ま と め て管理する画面である。 データベースの作成は、データを保管するためのテーブル を作り、データを抽出するためのクエリを作るといった流れになっている。 2.3.3.1 データの入力方法 データを入力するには、テーブル及びフォームを用いて行う。本研究では、フォー ムは使用しない。 データの入力を行うにあたって、フィールドの定義を行う必要がある。フィールド の定義はテーブルのデザインビューを用いて行う。定義内容は、フィールド名、デー タ型、フィールドの説明、主キー、フィールドプロパティである。フィールド名はテ ーブルを保存するデータ項目である。データ型はテキスト型、数値型とフィールドの 種 類 に よ っ て 適 当 な も の を 選 択 す る ( 図 2.2)。 以 上 の 定 義 に し た が い 、テ ー ブ ル の デ ー タ シ ー ト ビ ュ ー を 用 い て 入 力 を 行 う( 図 2.3)。 2.3.3.2 データの検索方法 データの検索にはクエリを用いる。クエリは、複数のテーブルから必要なデータだ けを取出して 1 つにまとめて表示することができる。 クエリの作成は、デザインビューを用いて行う。データの元となるテーブルを選択 し 、 抽 出 条 件 を 設 定 す る ( 図 2.4)。 検 索 し た い デ ー タ の 値 が 正 確 に 分 か ら な い と き や 比 較 演 算 子 を 使 う と き は 、 表 2.4 に 示 す 文 字 を 用 い て 抽 出 条 件 を 設 定 す る 。 こ の よ う に し て 抽 出 さ れ た 、 繰 返 し 数 ( N) と 応 力 範 囲 ( ∆σ) の フ ィ ー ル ド の デ ー タを基に解析を行う。 2.3.4 文 献 デ ー タ ベ ー ス デ ー タ を 入 力 し た 文 献 は 、す べ て PDF フ ァ イ ル に し て 保 存 す る 。そ う す る こ と に よ り、いつでも文献に立ち戻ることができ、より詳しい情報を得ることが出来る。しか し、名古屋大と長崎大から入手したデータの元となった文献は一部不足している。 10 2.3.5 ∆σ-N 曲 線 の 作 成 ∆σ-N 関 係 を 次 式 で 表 す こ と と す る 。 ∆σ m ・N=10 k ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (2.1) こ こ で 、 m と k は 、 最 小 2 乗 法 で 決 め ら れ る 係 数 で あ る 。 ま ず 、 ∆σ を 独 立 変 数 、 N を 従 属 変 数 と 仮 定 す る と 、 ∆σ-N 関 係 は 、 logN=k− m・log∆σ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (2.2) と な る 。 ∆σ-N デ ー タ を 両 対 数 座 標 で 最 小 2 乗 近 似 し た と き の 標 準 偏 差 s を 用 い る と 、 平 均 値 − 2s の 線 図 ( 2.3%破 壊 確 率 線 に 相 当 す る ) は 、 logN=k− 2×s− m・log∆σ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (2.3) と な る 。 ま た 、 N を 独 立 変 数 、 σ を 従 属 変 数 と 考 え る と 、 S-N 線 図 は 、 log∆σ= 1 1 logN k− m m ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (2.4) と な る 。最 小 二 乗 法 で 近 似 し た 場 合 、一 般 に 式 (2.4)の m よ り 式 (2.2)の m が 大 き い 値 を と な る 。JSSC 指 針 で は 、m=3 に 固 定 し た あ る い は 式 (2.2)に 基 づ い た「 平 均 − 2s」の 値 が疲労強度等級を設定する際に参考とされている。 2.4 Access の使 用 例 2.3 項 で述 べてきた方 法 を用 いて、物 質 ・材 料 研 究 機 構 疲 労 データシート No.20 「溶 接 構 造 用 圧 延 鋼 SM50B リブ十 字 すみ肉 溶 接 継 手 の疲 れ特 性 データシート」を参 考 に Access へ の 入 力 例 を紹 介 する。 2.4.1 テーブルの作 成 例 十 字 溶 接 継 手 の試 験 データのデータシートビューに表 2.3 に示 した項 目 に該 当 するデータを 入 力 する。例 えば、表 2.5∼2.6 示 すような内 容 である。次 に、試 験 結 果 (表 2.6)を ∆ σ-N データ のデータシートビューに入 力 する。 このようにして作 成 した 2 つのテーブルをリレーションシップを用 いて、テーブル間 を関 連 付 け る。こうすることで、メインとなる 1 つの情 報 (試 験 データ)とそれに付 随 する情 報 ( ∆ σ-N データ) を一 度 に管 理 できるようになる。ここでは、図 2.5 に示 すように試 験 ID でテーブル間 を関 連 付 け た。 11 2.4.2 クエリの作 成 例 作 成 したテーブルを基 に、下 記 の条 件 でデータを抽 出 する。 ・継 手 形 式 :荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 ・材 料 規 格 (鋼 材 の静 的 強 度 レベル):490(N/mm 2 ) ・板 厚 :25mm 以 下 ・溶 接 方 法 :手 溶 接 ・表 面 処 理 :未 処 理 ・試 験 条 件 :軸 力 こ れ ら の 抽 出 条 件 は 、 図 2.4 に 示 す よ う に ク エ リ を 用 い て 入 力 す る 。 リ レ ー シ ョ ン シ ッ プ を 用 い て い る た め 、 ク エ リ で は 試 験 データと ∆ σ-N デ ー タ を同 時 に設 定 できる。 このようにして検 索 した結 果 を図 2.6 に示 す。これより得 られた応 力 範 囲 と繰 り返 し数 のデータ より作 成 した ∆ σ-N 曲 線 を 図 2.7 に 示 す 。 ま た 、 表 2.7 に (2.2)式 、 (2.3)式 よ り 求 め た 2× 10 6 回 疲 労 強 度 を 示 す 。 12 表 2.1 収 集 し た デ ー タ 数 試験データ S-Nデータ 197 1345 380 2805 87 488 514 3170 417 2267 18 149 1613 10224 (a) 非溶接継手 (b) 横突合せ溶接継手 (c) 縦方向溶接継手 (d) 十字溶接継手 (e) ガセット溶接継手 (f) その他の溶接継手 合計 表 2.2 調査対象となる継手形式 (a) 非溶接継手 (d) 十字溶接継手 (b) 横突合せ 溶接継手 (e) ガセット 溶接継手 (c) 縦方向 溶接継手 (f) その他の 溶接継手 表 2.3 調査項目 試験データ 継手形式 溶接条件 (電流、電圧、速さなど) データ元(山田先生:y) 研究機関(法政大学) 試験体寸法 試験実施年 仕上げ条件 使用材料(鋼) 表面処理(グラインダー処理など) 材料規格(SM490、SS400など) 熱処理 機械的性質 溶接欠陥 (降伏応力、引張強度など) (アンダーカット、部分溶接など) 化学成分 その他 (C、Si、Mn、P、S、Ni、Cなど) 雰囲気(大気中、海水中など) 溶接方法 気温 グループ形状(K型、レ型など) 試験条件(軸力、曲げ) 溶接パス数 試験機能力 文献 溶接形状 (曲率半径、フランク角、脚長) 著者 溶接材料規格 タイトル 溶接材料・ワイヤー半径 発表年月日 溶接姿勢(下向き、水平など) 備考 13 S-Nデータ 応力範囲 応力比 最小応力 最大応力 載荷速度 繰り返し数 破断状況 備考 表 2.4 文字 データ検索用文字 < 使用方法 任意も文字と一致。文字列の先頭、最後の値として使用。 例)wh*ではwhite、whatなどが検索される。 任意の1文字として一致。 例)b?llでは、bell、billなどが検索される。 []内で指定している任意の1文字と一致。 例)b[ae]llでは、bell、ballが検索される。billは検索されない。 []内で指定している任意の文字以外と一致。 例)b[!ae]llでは、bill、bullが検索される。 任意の数字と一致。 例)1#3では、103、113などが検索される。 演算子 意味:同じ 例)=abcは、「abc」と同じ文字列 意味:より小さい 例)<500は、500より小さい ≦ 意味:以下 例)≦500は、500以下 * ? [] ! # = <> 意味:違う 例)<abc>は、「abc」ではない 表 2.5 供試鋼材の化学成分 14 表 2.6 試 験 体 の 形 状 ・ 寸 法 と 試 験 条 件 表 2.6 試験結果 15 表 2.7 2×10 6 回 疲 労 強 度 N=2×106のときの疲労強度 平均 104.62 平均−2σ 84.64 平均 (m=3) 101.01 平均−2σ (m=3) 85.64 16 図 2.1 図 2.2 データベースウィンドウ テーブルのデザインビュー 17 図 2.3 テーブルのデータシートビュー 18 図 2.4 クエリのデザインビュー 19 図 2.5 リレーションシップ 20 図 2.6 検索結果 21 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–C JSSC–D JSSC–E 100 50 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 図 2.7 ∆ σ-N 曲 線 22 8 10 第3章 疲労強度に対する鋼種(静的強度)と溶接材料の影響 ここでは、横突合せ溶接継手、荷重非伝達型十字溶接継手と面外ガセット溶接継手の疲 労試験データを検索、整理することにより、疲労強度に対する鋼材の静的強度と溶接材料 の影響について検討する。 3.1 鋼種の影響 各種継手のデータ検索は、板厚 25mm 以下、非仕上げで軸力疲労試験という条件で行っ た。ガセットの長さは 50~150mm を対象とした(表 3.1.1)。 検索の結果、横突合せ継手では、手溶接で 5 種類、半自動溶接で 2 種類、荷重非伝達型 十字溶接継手では、手溶接で 3 種類、半自動溶接で 2 種類、面外ガセット溶接継手では、 手溶接で 1 種類、半自動溶接で 3 種類の静的強度レベルの鋼材が抽出された(表 3.1.2)。 これらの静的強度レベル・引張強度の保証値の違いによる疲労強度の比較を行なうために、 各継手の ∆σ-N 関係と 2×10 6 回疲労強度を表 3.1.3∼3.1.5 と図 3.1.1~3.1.9 に示す。2×10 6 回疲労強度を示す図の中の●は疲労曲線の傾き m を 3 とした場合の「平均」、○は「平均 −2 標準偏差」の 2×10 6 回疲労強度を示している。また、マークに付した数値はデータ数 である。 3.1.1 横突合せ溶接継手 図 3.1.1(a)に示す手溶接の ∆σ-N 関係では、引張強度の保証値が 520MPa のデータを除 くと、鋼種による違いはみられず ∆σ-N 関係のほとんどが B 等級と D 等級の間にある。 520MPa のデータについて、基となった文献が不明なため、このような結果となった原因 は確認できなかった。表 3.1.3 に示す 2×10 6 回疲労強度は、引張強度の保証値が 400MPa に比べ、490MPa は平均値が 1.1%低くなり、平均-2s 値は 18.9%高く、570MPa は平均値 が 0.4%、平均-2s 値は 7.2%高く、800MPa は平均値が 13.3%、平均-2s 値は 3.2%低くな っている。各鋼種の 2×10 6 回疲労強度を比較した図 3.1.2(a)より、2×10 6 回疲労強度は、 鋼材の静的強度によらずほぼ一定となっている。以上より、疲労強度は鋼種に依存しない といえる。 図 3.1.1(b) に示す半自動溶接の ∆σ-N 関係では、鋼種による違いはみられず ∆σ-N 関係 の下限は D 等級にある。表 3.1.3 に示す 2×10 6 回疲労強度は、引張強度の保証値が 490MPa に比べ、800MPa のほうが平均値は 5.8%、平均-2s 値は 10.9%高くなっている。しかし、 これらの結果は手溶接と同様に、鋼材の静的強度によらずほぼ一定となっている。以上よ り、疲労強度は鋼種に依存しないと言える。 図 3.1.1 と図 3.1.2 の手溶接と半自動の ∆σ-N 関係を比較すると、大きな違いはみられな 23 い。詳細な溶接方法による比較は、3.2 節で記述する。手溶接と半自動のデータを合わせ て鋼材の静的強度による ∆σ-N 関係と 2×10 6 回疲労強度の変化を図 3.1.3 に示す。∆σ-N 関係より疲労強度等級は、鋼種による影響を受けず ∆σ-N 関係の下限は C 等級と D 等級の 間にある。また、2×10 6 回疲労強度は鋼材の静的強度によらずほぼ一定で、鋼材の静的強 度による疲労強度への影響はないといえる。さらに、疲労強度に対する溶接方法による影 響はないと考えられる。 3.1.2 荷重非伝達型十字溶接継手 図 3.1.4(a) に示す手溶接の ∆σ-N 関係では、鋼種による違いはみられず ∆σ-N 関係の下 限はほぼ E 等級である。表 3.1.4 に示す 2×10 6 回疲労強度は、引張強度の保証値が 360MPa に比べ、490MPa は平均値が 1.1%低くなり、平均-2s 値は 11.9%高く、570MPa は平均値 が 4.9%、平均-2s 値は 20.6%低くなっている。しかし、各鋼種の 2×106 回疲労強度を比 較した図 3.1.2(b)より、2×10 6 回疲労強度は、鋼材の静的強度によらずほぼ一定となって いる。以上より、疲労強度は鋼種に依存しないといえる。 図 3.1.4(b)に示す半自動溶接の ∆σ-N 関係では、鋼種による違いはみられずΔσ-N 関係 の下限は D 等級と E 等級の間にある。表 3.1.4 に示す 2×10 6 回疲労強度は、引張強度の 保証値が 400MPa に比べ、490MPa のほうが平均値は 9.6%、平均-2s 値は 21.3%低くなっ ている。しかし、これらの結果は手溶接と同様に、鋼種による疲労強度への影響はないと いえる。 手溶接と半自動溶接のデータを合わせて ∆σ-N 関係と 2×106 回疲労強度を求めた結果を、 図 3.1.6 に示す。∆σ-N 関係より疲労強度等級は、鋼種による影響を受けず ∆σ-N 関係の下 限は C 等級と D 等級の間にある。また、2×106 回疲労強度はほぼ一定で、鋼材の静的強 度による疲労強度への影響はないといえる。さらに、横突合せ溶接継手と同様に、疲労強 度に対する溶接方法による影響はないと考えられる。 3.1.3 面外ガセット溶接継手 手溶接では 1 種類しか鋼材が検索されなかったためここでは検討しない。 図 3.1.7(b) に示す半自動溶接の ∆σ-N 関係では、鋼種による違いはみられず ∆σ-N 関係 の下限は E 等級である。表 3.1.5 に示す 2×10 6 回疲労強度は、引張強度の保証値が 400MPa に比べ、490MPa は平均値が 5.8%、平均-2s は 18.9%低く、570MPa は平均値が 1.2%高 くなり、平均-2s 値は 11.9%低くなっている。しかし、各鋼種の 2×10 6 回疲労強度を比較 した図 3.1.8(b)より、2×10 6 回疲労強度は、鋼材の静的強度によらずほぼ一定となってい る。以上より、疲労強度は鋼種に依存しないといえる。 24 手溶接と半自動溶接のデータを合わせて ∆σ-N 関係と 2×10 6 回疲労強度を求めた結果を 図 3.1.9 に示す。∆σ-N 関係より疲労強度等級は、鋼種による影響を受けずほぼ E 等級と なった。また、2×10 6 回疲労強度はほぼ一定で、鋼材の静的強度による影響はないといえ る。 さらに、横突合せ溶接継手、荷重非伝達型十字溶接継手と同様に、疲労強度に対する溶 接方法による影響はないと考えられる。 3.2 溶接材料の影響 各種継手のデータの検索は、板厚 25mm 以下、非仕上げで軸力疲労試験という条件で行 った。ガセット長さは 50~150mm を対象とした (表 3.2.1)。 3.1 節の結果より鋼種は考慮 しなかった。 検索の結果、横突合せ継手では 3 種類、荷重非伝達型十字溶接継手では 4 種類、面外ガ セット溶接継手では 4 種類の違いによる疲労強度の比較を行なった(表 3.2.2)。各継手の ∆σ-N 関係と 2×10 6 回疲労強度を表 3.2.3~3.2.5 と図 3.2.1~3.2.3 に示す。2×10 6 回疲労強 度を示す図の中の●は疲労曲線の傾き m を 3 とした場合の「平均」、○は「平均−2 標準 偏差」の 2×10 6 回疲労強度を示している。また、マークに付した数値はデータ数である。 3.2.1 横突合せ溶接継手 図 3.2.1(a)に示す ∆σ-N 関係より溶接材料による違いはみられず ∆σ-N 関係の下限は C 等級と E 等級の間にある。表 3.2.3 に示す 2×10 6 回疲労強度は、平均値において、溶接材 料が低水素系と比べて、その他(手溶接)は 14.0%高く、フラックスコア(半自動溶接) は 2.8%低くなっている。同様に平均-2s 値においては、フラックスコア(半自動溶接)は 13.9%低くなっている。図 3.2.1(b)より、2×106 回疲労強度は溶接材料によらずほぼ一定 となっている。以上より、疲労強度に対する溶接材料の影響は希薄と判断される。 3.2.2 荷重非伝達型十字溶接継手 図 3.2.2(a)に示す ∆σ-N 関係より溶接材料による違いはみられず ∆σ-N 関係の下限は D 等級と F 等級の間にある。表 3.2.4 に示す 2×10 6 回疲労強度は、平均値において、溶接材 料が低水素系と比べて、その他(手溶接)は 31.1%、ソリッド(半自動溶接)は 10.5%、 フラックスコア(半自動溶接)は 10.3%高くなっている。同様に平均-2s 値においては、 その他(手溶接)は 25.6%、ソリッド(半自動溶接)は 26.8%、フラックスコア(半自動 溶接)は 12.7%高くなっている。各溶接材料の 2×10 6 回疲労強度を比較した図 3.2.2(b)よ り、2×10 6 回疲労強度は溶接材料によらずほぼ一定となっている。以上より、溶接材料は 25 疲労強度に影響しない。 また、その他(手溶接)のデータは、溶接材料がイルミナイト系のデータである、その ために、2×10 6 回疲労強度が他の溶接材料に比べ高くなったと考えられる。しかし、疲労 強度等級を上げるほどの違いはない。 3.2.3 面外ガセット溶接継手 図 3.2.3(a)に示す ∆σ-N 関係より溶接材料による違いはみられず ∆σ-N 関係の下限は E 等級と F 等級の間にある。表 3.2.5 に示す 2×10 6 回疲労強度は、平均値において、溶接材 料が低水素系と比べて、その他(手溶接)は 0.2%、ソリッド(半自動溶接)は 8.7%、フ ラックスコア(半自動溶接)は 2.3%低くなっている。同様に平均-2s 値においては、その 他(手溶接)は 2.5%、ソリッド(半自動溶接)は 11.3%低く、フラックスコア(半自動溶 接)は 4.0%高くなっている。各溶接材料の 2×10 6 回疲労強度を比較した図 3.2.3(b)から もわかるように、ほぼ一定となっている。したがって、溶接材料が疲労強度に与える影響 は低いといえる。 26 表 3.1.1 鋼種の影響 検索条件 検索項目 溶接方法 板厚 溶接後処理 試験条件 雰囲気 面外ガセット 横突合せ 荷重非伝達型 溶接継手 十字溶接継手 溶接継手 手溶接(低水素系 )・半自動溶接(フラックス) 25mm以下 未処理 軸力 大気中 ※ガセット寸法:50∼150mm以下 表 3.1.2 鋼種の影響 検索結果 継手形式 横突合せ継手 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 手溶接 引張強さの保証値 2 (N/mm ) 400 490 520 570 800 360 490 570 570 データ数 3 165 4 60 101 41 22 40 54 半自動溶接 引張強さの保証値 データ数 2 (N/mm ) 490 33 800 17 400 490 13 34 400 490 570 8 30 5 表 3.1.3 鋼種の影響 横突合せ溶接継手の 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 溶接方法 手溶接 半自動溶接 手溶接 + 半自動溶接 引張り強さの保証値 2 (N/mm ) 400 490 520 570 800 490 800 400 490 520 570 800 平均-2s 平均 (m=3) (m=3) 149.1 105.1 138.5 97.6 168.0 134.0 137.0 116.1 270.2 258.0 238.7 227.9 170.9 121.0 139.0 104.6 226.1 173.1 120.1 94.5 148.8 113.9 124.6 95.4 168.2 108.6 131.8 85.0 149.1 105.1 138.5 97.6 164.3 128.7 134.9 114.2 270.2 258.0 238.7 227.9 170.9 121.0 139.0 104.6 150.7 111.2 132.7 104.4 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 平均 27 平均-2σ 表 3.1.4 溶接の影響 荷重非伝達型十字溶接継手の 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 溶接方法 手溶接 半自動溶接 手溶接 + 半自動溶接 引張り強さの保証値 2 (N/mm ) 360 490 570 400 490 360 400 490 570 平均-2s 平均 (m=3) (m=3) 113.8 84.7 106.7 79.6 110.3 93.0 105.6 89.1 105.7 68.3 101.5 63.2 133.6 112.2 125.6 105.4 130.1 97.4 113.5 82.9 113.8 84.7 106.7 79.6 133.6 112.2 125.6 105.4 119.7 90.8 110.3 83.3 105.7 68.3 101.5 63.2 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 平均 平均-2σ 表 3.1.5 鋼種の影響 面外ガセット溶接継手の 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 溶接方法 手溶接 半自動溶接 手溶接 + 半自動溶接 引張り強さの保証値 2 (N/mm ) 570 400 490 570 400 490 570 平均-2s 平均 (m=3) (m=3) 94.5 73.7 94.2 74.6 103.5 100.7 97.5 94.8 99.6 83.2 91.9 76.9 78.6 66.6 98.6 83.5 103.5 100.7 97.5 94.8 99.6 83.2 91.9 76.9 94.7 74.2 94.6 74.8 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 平均 平均-2σ 表 3.2.1 溶接材料の影響 検索条件 検索項目 溶接方法 板厚 溶接後処理 試験条件 雰囲気 面外ガセット 横突合せ 荷重非伝達型 溶接継手 十字溶接継手 溶接継手 手溶接(低水素系 )・半自動溶接(フラックス) 25mm以下 未処理 軸力 大気中 ※ガセット寸法:50∼150mm以下 表 3.2.2 溶接材料の影響 検索結果 手溶接 継手形式 横突合せ継手 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 半自動溶接 溶接材料 データ数 低水素系 その他 低水素系 その他 低水素系 その他 354 2 200 45 54 8 28 溶接材料 ソリッド フラックスコア ソリッド フラックスコア ソリッド フラックスコア データ数 0 118 22 55 50 52 表 3.2.3 溶接材料の影響 横突合せ溶接継手の 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 溶接方法 手溶接 半自動溶接 溶接材料 低水素系 その他 ソリッド フラックスコア 平均 167.62 266.53 平均-2σ 120.32 平均 (m=3) 140.04 159.65 平均-2s (m=3) 99.23 165.00 103.63 136.10 85.44 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 表 3.2.4 溶接材料の影響 荷重非伝達型十字溶接継手の 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 溶接方法 手溶接 半自動溶接 溶接材料 低水素系 その他 ソリッド フラックスコア 平均-2s 平均 (m=3) (m=3) 107.77 76.65 101.97 74.93 137.66 97.01 133.65 94.12 121.70 102.64 112.66 94.99 125.30 92.46 112.45 84.46 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 平均 平均-2σ 表 3.2.5 溶接材料の影響 面外ガセット溶接継手の 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 溶接方法 手溶接 半自動溶接 溶接材料 低水素系 その他 ソリッド フラックスコア 平均-2s 平均 (m=3) (m=3) 94.49 73.69 94.22 74.59 95.12 73.50 94.07 72.72 87.20 65.84 86.07 66.17 95.81 79.69 92.06 77.56 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 平均 29 平均-2σ 500 500 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 1000 200 JSSC–B JSSC–C JSSC–D 100 2 400 (N/mm ) 490 520 570 800 50 10 4 10 6 JSSC–B JSSC–C JSSC–D 100 2 490 (N/mm ) 800 50 10 4 10 8 10 疲労寿命N(cycles) 200 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) (a) 手溶接 10 (b) 半自動溶接 図 3.1.1 鋼種の影響 ∆σ—N 曲線 横突合せ溶接継手 4 150 B 3 60 165 C 2 A B 150 6 100 D C 80 330 100 D 90 90 400 500 600 700 80 330 800 400 500 600 700 800 2 2 引張強度の保証値 (N/mm ) 引張強度の保証値 (N/mm ) (b) 半自動溶接 (a) 手溶接 図 3.1.2 鋼種の影響 2×106 回疲労強度 横突合せ溶接継手 1000 4 500 A 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 200 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 17 33 6 101 200 2×10 回疲労強度(N/mm ) A 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 200 200 JSSC–B JSSC–C JSSC–D 100 400 (N/mm ) 490 520 570 800 B 3 198 33 118 C 6 50 2 150 100 D 90 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 80 330 8 10 500 600 700 800 2 引張強度の保証値 (N/mm ) (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 3.1.3 鋼種の影響 400 横突合せ溶接継手(手溶接+半自動溶接) 30 1000 1000 2 360 (N/mm ) 490 570 2 400 (N/mm ) 490 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–C JSSC–D JSSC–E 100 50 10 4 10 6 JSSC–C JSSC–D JSSC–E 100 50 10 4 10 8 10 疲労寿命N(cycles) 200 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) (a) 手溶接 10 (b) 半自動溶接 13 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 図 3.1.4 鋼種の影響 ∆σ—N 曲線 荷重非伝達型十字溶接継手 C 41 22 40 100 D 100 D 90 6 6 90 C 34 80 E 70 60 350 80 E 70 400 450 500 60 350 550 400 2 500 550 引張強度の保証値 (N/mm ) (b) 半自動溶接 (a) 手溶接 図 3.1.5 鋼種の影響 450 2 引張強度の保証値 (N/mm ) 2×106 回疲労強度荷重非伝達型十字溶接継手 1000 200 JSSC–C JSSC–D JSSC–E 100 13 2 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 360 (N/mm ) 400 490 570 56 41 40 100 D 90 6 50 C 80 E 70 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 60 350 8 10 450 500 550 2 (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 3.1.6 鋼種の影響 400 引張強度の保証値 (N/mm ) 荷重非伝達型十字溶接継手(手溶接+半自動溶接) 31 1000 1000 2 2 570 (N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 400 (N/mm ) 490 570) 200 100 JSSC–D JSSC–E JSSC–F 50 10 4 10 6 100 JSSC–D JSSC–E JSSC–F 50 10 4 10 8 10 疲労寿命N(cycles) 200 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) (a) 手溶接 10 (b) 半自動溶接 D 54 90 80 E 70 F 6 60 50 40 380 400 2 100 2×10 回疲労強度(N/mm ) 6 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 図 3.1.7 鋼種の影響 ∆σ—N 曲線 面外ガセット溶接継手 450 500 100 8 5 30 90 80 E 70 F 60 50 40 380 400 550 D 2 450 500 550 2 引張強度の保証値 (N/mm ) 引張強度の保証値 (N/mm ) (b) 半自動溶接 (a) 手溶接 図 3.1.8 鋼種の影響 2×106 回疲労強度 面外ガセット溶接継手 1000 2 2 200 100 JSSC–D JSSC–E JSSC–F 50 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 6 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 2×10 回疲労強度(N/mm ) 400 (N/mm ) 490 570 8 D 30 90 59 80 E 70 F 60 50 40 380 400 8 10 450 500 550 2 引張強度の保証値 (N/mm ) (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 3.1.9 鋼種の影響 100 面外ガセット溶接継手(手溶接+半自動溶接) 32 2 1000 150 354 118 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–B JSSC–C JSSC–D JSSC–E 100 6 50 低水素系(手溶接) その他(手溶接) フラックスコア(半自動溶接) 10 4 10 C 100 90 80 70 6 10 疲労寿命N(cycles) D E 低水素系 その他 フラックスコア (手溶接) (手溶接) (半自動溶接) 8 10 溶接材料 (a) ∆σ-N 曲線 (b) 図 3.2.1 溶接材料の影響 2×106 回疲労強度 横突合せ溶接継手 1000 150 45 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 6 JSSC–C JSSC–D JSSC–E JSSC–F 低水素系(手溶接) その他(手溶接) ソリッド(半自動溶接) フラックスコア(半自動溶接) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) C 22 55 200 100 D 90 80 70 8 10 E 低水素系 その他 (手溶接) (手溶接) ソリッド フラックスコア (半自動溶接) (半自動溶接) 溶接材料 (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 3.2.2 溶接材料の影響 荷重非伝達型十字溶接継手 1000 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 100 JSSC–D JSSC–E JSSC–F 50 6 200 低水素系(手溶接) その他(手溶接) ソリッド(半自動溶接) フラックスコア(半自動溶接) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 100 52 80 E 70 F 60 50 低水素系 その他 ソリッド フラックスコア (手溶接) (半自動溶接) (半自動溶接) 溶接材料 (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 3.2.3 溶接材料の影響 33 D 50 (手溶接) 10 8 90 40 8 54 面外ガセット溶接継手 第4章 疲労強度等級の見直し 4.1 旧データと新データの比較 第 4 章の結果を考慮して、旧データと新データから求められる疲労強度の比較を行った。 ここでいう旧データとは、現在の JSSC 指針を設定する際に参考とされたデータで、主に 1987 年以前のデータであり、新データとは新たに収集した最近約 20 年間のデータである。 データの検索は、板厚 25mm 以下、軸力疲労試験という条件を基本に、JSSC 指針の継手 分類を参考に行った(表 4.1.1)。検索の結果を表 4.1.2 に示す。 横突合せ溶接継手、荷重非伝達型十字溶接継手、面外ガセット溶接継手の ∆σ-N 関係と 2×10 6 回疲労強度を表 4.1.3 と図 4.1.1~4.1.3 に示す。∆σ-N 関係より、データ数に差はあ るもののいずれの継手においても旧データと新データによる大きな違いは認められない。 表 4.1.3 に示す 2×10 6 回疲労強度は、横突合せ溶接継手の旧データに比べ新データは平均 値が 10.7%低く、平均-2s は 17.8%高くなっている。同様に、荷重非伝達型十字溶接継手 は、平均値が 2.9%、平均-2s は 9.9%高く、面外ガセット溶接継手は、平均値が 7.3%低く、 平均-2s は 8.9%高くなっている。以上より、旧データと新データは、区別する必要がない と考えられる。 4.2 スカラップを含む縦方向溶接継手の疲労強度評価の見直し JSSC 指針では、スカラップを含む縦方向溶接継手の疲労強度を設定する際、せん断応 力の影響を考慮していない。一方、鋼道路橋の疲労設計指針 4) では表 4.2.1 に示すように せん断応力 ∆τ と曲げ応力 ∆σ m の比で疲労強度等級を変えている。 そこで、∆τ と ∆σ m の比 ∆τ/∆σ m で区別して(マークを変えて)、スカラップを含む縦方 向溶接継手の ∆σ-N 関係を図 4.2.1 に示す。利用したデータは、桁試験体のスカラップを 含む縦方向溶接継手の疲労試験データである。図 4.2.1 では応力範囲を算出する際にせん 断応力の影響は考慮していない。疲労試験データの多くは、JSSC 指針で定められている G 等級を満足しているが、G 等級を満足していないデータもある。∆τ/∆σ m の値が大きい データほど疲労強度が低くなっている。これは、スカラップ継手は、母材(フランジなど) に作用する曲げ応力だけでなく、せん断応力によってスカラップ内のフランジに生じる板 曲げがスカラップ廻し溶接近傍の局部応力に影響を及ぼすためである。ここでは、せん断 力の影響を考慮した公称応力算定式について検討する。 既に鋼構造研究室では、疲労強度評価を目的としたスカラップ部の応力算定式を提案し ている 5) 。そこでは、せん断力によってスカラップ部フランジに生じる板曲げ応力をパラ メトリックな FEM 解析を利用して求めるための式について検討している。 34 ( ) ∆σ = ∆σ ms + 4 ∆σ ss 5 σ ms = δ ⋅ σ m , ・・・・・・・・(4.1) σ ss = δ ⋅ κ ⋅ rs⋅ ⋅ τ s δ = 1.206・exp[7.310×10 -4 γs ]・t f0.07976・(1.037 + 1.046×10 -2 t w ) κ = 4.371×103・rs -1.046 ・exp[-0.02507 t f ] ・[9.069×10 -3 ln(t w )-7.220×10-4 ]・(2.661×10 -2 −1.638×10 -5 h w ) σ m s :曲げモーメントによるスカラップ溶接部の公称応力 σ m:梁理論から計算される曲げモーメントによる公称応力 σss :せん断応力によるスカラップ溶接部の公称板曲げ応力 δ:断面欠損を考慮した応力の補正係数 κ:板曲げ応力の傾き rs :スカラップ半径 τs :道路橋示方書に従って求めたせん断応力 (せん断力をウェブの断面積で除したもの) しかしながら、この算定式にはさまざまな構造的な影響因子が考慮されており、非常に複 雑な式となっている。そこで、より簡略化した算定式を提案することとした。 次式で公称応力算定式を表すこととする。 ∆σ = ∆σ m + α ⋅ ∆τ ・・・・・・・・(4.2) σ m:曲げモーメントによる公称応力 τ:せん断力をウェブの断面積で除したもの σ m と τ は梁理論から計算されるものであり、ここでは係数 α について検討する。 まず、(4.2)式の両辺を ∆σ m で除すると、 ∆σ ∆σ m = 1 + α ⋅ ∆τ ∆σ m ・・・・・・・・(4.3) となる。ここで、鋼道路橋の疲労設計指針では、表 4.2.1 に示すように ∆τ と ∆σ m の比が 0.4 を以上の場合、疲労強度等級を 1 等級下げることとしている。疲労強度 1 ランクの基 本許容応力範囲の違いは約 25%である。そこで(4.3)式の ∆τ/∆σ m を 0.4 とし、左辺を 1.25 とおくと 1.25 = 1 + α ⋅ 0.4 ・・・・・・・・(4.4) α = 0.625 となる。この結果を参考に、(4.3)式の α を変化させて求めた公称応力と (4.1)式で求めた 公称応力の比較を行った。その結果、図 4.2.2.に示す。この図に示す結果より、α を 0.75 が適切と判断した。そのため、下記に示す式を用いて公称応力範囲を算出することを提案 35 する。 ∆σ = ∆σ m + 0.75 ⋅ ∆τ ・・・・・・・・(4.5) 図 4.2.3 に式(4.5)で補正した ∆σ-N 曲線を示す。いずれの ∆τ/∆σ m のデータも G 等級を満 足しており、また ∆τ/∆σ m によるデータの違いも図 4.2.1 に比べて小さい。 4.3 JSSC 指針の疲労強度等級の見直し これまでの結果を考慮して、旧データと新データを用いてΔσ-N 関係と 2×10 6 回疲労強 度を求めて JSSC 指針の疲労強度等級の見直しを行う。 データの検索は、板厚 25mm 以下で軸力疲労試験という条件を基本に、行った。なお、 第 3 章より、鋼種、溶接材料の相違は考慮していない。 継手の強度等級は、それぞれの継手の疲労試験結果の下限あるいはそれに相当する非超 過確率 97.7%の疲労強度が疲労設計曲線より高いことを確かめることにより設定する。ま た、今回は A∼H 等級に I 等級を加えた。I 等級の 2×10 6 回疲労強度は 32(N/mm2 )とした。 表 4.3.1(a)∼(f)と図 4.3.1 に JSSC 指針で定められている代表的な継手の疲労試験結果 とそれに対して設定した疲労設計曲線を示す。表中のハッチングされている継手は、新デ ータが集まらなかったため従来の疲労強度等級を載せた。また、表 4.3.1 中の(e)-5、(e)-8 は、新たに追加した継手形式である。さらに、表 4.3.2(a)∼(f)に統計解析を行うことによ り求めた各継手の 2×10 6 回疲労強度を示す。 以上より、いずれの継手において疲労強度等級は、従来設定されている等級が適当であ ることがわかった。 また、面外ガセット溶接継手の図 4.3.1(e)-3 は、小型試験体と桁試験体とで区別して表 示した。これより、桁試験体の疲労強度は、小型試験体よりも低い結果となることが確認 できた。この原因は、ガセットの長さの違いによるものと考えられる。 36 表 4.1.1 検索条件 検索項目 板厚 溶接後処理 試験条件 雰囲気 その他 横突合せ 溶接継手 両面溶接 荷重非伝達型 面外ガセット溶接継手 十字溶接継手 25mm以下 未処理 軸力 大気中 すみ肉溶接 すみ肉溶接あるいは開先溶接 ※ガセット寸法:100mm以下 表 4.1.2 検索結果 継手形式 旧 新 旧 新 旧 新 横突合せ継手 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 データ数 469 28 254 213 87 156 表 4.1.3 2×106 回疲労強度 (N/mm2) 継手形式 横突合せ継手 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 平均-2s 平均 (m=3) (m=3) 173.568 107.021 142.415 87.833 174.287 141.666 127.133 103.432 217.885 141.98 104.702 68.18 116.523 80.987 107.785 74.93 95.257 61.22 100.313 64.514 93.116 70.311 92.973 70.252 m:疲労設計曲線の傾きを表す指数 s:標準偏差 平均 旧 新 旧 新 旧 新 平均-2σ 表 4.2.1 スカラップを含む縦方向溶接継手(道路橋示方書) 継手の種類 強度等級 G スカラップを含む ∆τ/∆σm<0.4 溶接継手 0.4≦∆τ/∆σm H 37 表 4.3.1 継手の強度等級分類 (a) 非溶接継手 継 手 の 種 類 1. 帯 (1) 表面および端面,機会 仕上げ(あらさ50s以下) (2) 黒皮付き,ガス切断縁 (あらさ100s以下) (3) 黒皮付き,ガス切断縁 (著しい条痕は除去) 板 (1) 黒皮付き 2. 形 (2) 黒皮付き,ガス切断縁 (あらさ100s以下) (3) 黒皮付き,ガス切断縁 (著しい条痕は除去) 鋼 3. シームレス管 4. 円孔を有する母材 (純断面応力,実断面応力) (1) 1/5≦r/d 切断面の あらさ50s以下 (2) 1/10≦r/d<1/5 切断面 5. フィレット付きの のあらさ50s以下 切抜きガセット (3) 1/5≦r/d 切断面の を有する母材 あらさ100s以下 (4) 1/10≦r/d<1/5 切断面 のあらさ100s以下 (1) 1≦nb<4 6. 高力ボルト摩擦接合継手の (2) 5≦nb≦15 母材(純断面応力) (3) 16≦nb 7. 高力ボルト支圧接合継手の母材 (nb≦4,純断面応力) 8. 検算対象方向の応力を伝えない高力ボルト 締め孔を有する母材(純断面応力) 強度等級 備 考 (Δσf ) A (190) B (155) C (125) B (155) B (155) C (125) B (155) C (125) B (155) C (125) C (125) D (100) B (155) n b : 応力方向のボルト本数 C ※ (4.,6.,7.,8.) 孔を押抜きせん断で加工した場合には (125) 強度等級1ランク下げる. D (100) B (155) B (155) (b) 横突合せ溶接継手 継 手 の 種 類 1. 余盛削除した継手 2. 止端仕上げした継手 (1) 両面溶接 3. 非仕上げ継手 (2) 良好な形状の裏波を有 する片面溶接 (3) 裏当て金付き片面溶接 (4) 裏面の形状を確かめるこ とのできない片面溶接 強度等級 (Δσf ) B (155) C (125) D (100) D (100) F (65) F (65) 備 ※ ※ ※ ※ 38 考 完全溶込み溶接で,溶接部が健全であることを前提とする. 継手部にテーパが付く場合には,その勾配を1/5以下とする. 深さ0.5mm以上のアンダーカットは除去する. (1..2.) 仕上げはアンダーカットが残らないように行う.仕上げ の方向は応力の方向と平行とする. 表 4.3.1 継手の強度等級分類(つづき) (c) 縦方向溶接継手 継 手 の 種 類 1. 完全溶込み溶接継手 (溶接部が健全である ことを前提とする) (1) 余盛削除 (2) 非仕上げ 2. 部分溶込み溶接継手 3. すみ肉溶接継手 4. 裏当て金付き溶接継手 5. 断続する溶接継手 6. スカラップを含む溶接継手 (1) 1/5≦r/d 7. 切抜きガセットの フィレット部に接する 溶接 (2) 1/10≦r/d<1/5 強度等級 備 考 (Δσf ) B (155) C (125) D (100) D (100) E (80) E (80) G ※ (1.(2),2.,3.) 棒継ぎにより生じたビート表面の著しい凹凸は (50) 除去する. D ※ (2..3.) 内在する欠陥k(ブローホールなどの丸みを帯びたも (100) の)の幅が1.5mm, 高さが4mmを超えないことが確かめられた E 場合には,強度等級をCとすることができる. (80) ※ (6.) フランジ板圧方向にせん断応力が作用する場合,評価 応力を以下の式から求める. Δσ= Δσm + 3/4Δτ 39 表 4.3.1 継手の強度等級分類(つづき) (d) 十字溶接継手 継 手 の 種 類 荷 1. 滑らかな止端を有するすみ肉溶接継手 重 2. 止端仕上げしたすみ肉溶接継手 非 3. 非仕上げのすみ肉溶接仕上げ 伝 4. 溶接の始終点を含むすみ肉溶接継手 達 5. 中空断面部材をす (1) d0≦100mm み 肉溶接した継手 (2) d0>100mm 型 (1) 滑らかな止端を有する継手 6. 完全溶込み 溶接 荷 重 す (2) 止端仕上げした継手 (3) 非仕上げの継手 (4) 中空断面部材(片面溶接) (1) 滑らかな止端を有する継手 み 肉 伝 お (2) 止端仕上げした継手 よ 7. 止端破壊 び (3) 非仕上げの継手 達 部 分 (4) 溶接の始終点を含む継手 溶 込 型 み 8. ルート破壊(のど断面) す み 9. 中空断面部材(片面溶接) (1) 止端破壊 肉 溶 (2) ルート破壊(のど断面) 接 強度等級 (Δσf ) D (100) D (100) E (80) E (80) F (65) G (50) D (100) D (100) E (80) F (65) E (80) E (80) F (65) F (65) H (40) H (40) H (40) 40 備 考 ※ (2.,6.(2),7.(2)) 仕上げはアンダーカットが残らないように行 う.グラインダーで仕上げる場合には仕上げの方向を応力の方 向と平行にする. ※ (1.,6.(1),7.(1)) アンダーカットは除去する. ※ (3.,4.,5.,6.(3)(4),7.(3)(4),9.(1)) 深さ0.5mm以上のアン ダーカットは除去する. ※ (8.,9.(2)) のど断面積は(のど厚)×(溶接長)より求める. のど厚はs/√2より求める.開先をとり,部分溶込みすみ肉溶接 とした場合ののど厚は(s+開先深さ)/√2とする. ※ (8.,9.(2)) 溶接の脚長(あるいはサイズ)sが板厚の0.4未満の 継手については適用範囲外とする. 表 4.3.1 継手の強度等級分類(つづき) (e) ガセット溶接継手 継 手 の 種 類 面 1. ガセットをすみ肉ある (1) 止端仕上げ いは開先溶接した継手 (l ≦100mm) (2) 非仕上げ ッ 外 2. フィレットを有するガセットを開先溶接した継手 (フィレット部仕上げ) ガ 3. ガセットをすみ肉溶接した継手 (l >100mm) セ (1) 止端仕上げ 4. ガセットを開先溶接した 継手(l >100mm) (2) 非仕上げ ト 5. 主板にガセットを貫通させた継手 (スカラップを伴う) ッ 6. フィレットを有するガ 面 セッ トを開先溶接した継手 内 ガ (フィレット部仕上げ) セ (1) 1/3≦r/d (2) 1/5≦r/d<1/3 (3) 1/10≦r/d<1/5 ト 7. ガセットを開先溶接した (1) 止端仕上げ 継手 (2) 非仕上げ (1) まわし溶接なし 8. 重ねガセット継手の母材 (1) まわし溶接なし 強度等級 (Δσf ) E (80) F (65) E (80) G (50) F (65) G (50) I (32) D (100) E (80) F (65) G (50) H (40) H (40) I (32) 備 考 スカラップ ※ (1.(1),2.,4.(1),6.,7.(1)) 仕上げはアンダーカットが残らな いように行う.グラインダーで仕上げる場合には仕上げの方向 を応力の方向と平行とする. ※ (1.(2),3.,4.(2),5.,7.(2),8.) 深さ0.5mm以上のアンダー カットは除去する. . (f) その他の溶接継手 強度等級 (Δσf ) E 1. カバープレートをすみ肉 (1) 止端仕上げ (80) 溶接で取り付けた継手 F (l ≦300mm) (2) 非仕上げ (65) D 2. カバープレートをすみ肉 (1) 溶接部仕上げ (100) 溶接で取り付けた継手 G (l >300mm) (2) 非仕上げ (50) E (1) 主板断面 (80) 3. スタッドを溶接した継手 S (2) スタッド断面 (80) H (1) 主板断面 (40) H (2) 添接板断面 (40) 4. 重 ね 継 手 (3) 前面すみ肉溶接の H ど断面 (40) (4) 側面すみ肉溶接の S ど断面 (80) 継 手 の 種 類 41 備 考 ※ (1.(1).2.(1)) 仕上げはアンダーカットが残らないように行う . グラインダーで仕上げる場合には仕上げの方向を応力の方向 と平行とする. ※ (1.(2).2.(2)) 深さ0.5mm以上のアンダーカットは除去する. ※ (2.(1)) 脚長sh ,sb はsh ≧0.8t c ,sb ≧2sh とする. 表 4.3.2 各継手の 2×106 回疲労強度 (a) 非溶接継手 継手の種類,継手番号 帯板(表面仕上げ) 1.(1) 帯板(黒皮付き) 1.(2),(3) 形鋼(黒皮付き) 2.(1) 円孔を有する母材 4. データ数 125 27 26 35 2×106回基本疲労強度 平均 平均-2s 疲労強度等級 平均 平均-2σ (m=3) (m=3) 351 239 254 173 A 231 165 177 127 B,C 240 199 204 169 B 162 131 140 114 C (b) 横突合せ溶接継手 継手の種類,継手番号 余盛削除した継手 1. 止端仕上げ継手 2. 非仕上げ継手(両面溶接) 3.(1) 非仕上げ継手(裏当て金付き) 3.(3) 2×106回基本疲労強度 平均 平均-2s 疲労強度等級 データ数 平均 平均-2σ (m=3) (m=3) 9 293 253 191 165 B 22 197 140 181 129 C 496 175 107 142 87 D 48 139 89 113 72 F (c) 縦方向溶接継手 継手の種類,継手番号 データ数 完全溶込み溶接(余盛削除) 1.(1) 完全溶込み溶接(非仕上げ) 1.(2) 部分溶込み溶接 2. すみ肉溶接 3. 53 221 31 90 2×106回基本疲労強度 平均 平均-2s 疲労強度等級 平均 平均-2σ (m=3) (m=3) 247 148 206 123 B 223 150 186 125 C 238 158 210 140 D 194 134 178 123 D (d) 十字溶接継手 2×106回基本疲労強度 平均 平均-2s 疲労強度等級 継手の種類,継手番号 データ数 平均 平均-2σ (m=3) (m=3) 荷重非伝達型(止端仕上げ) 2. 213 167 117 137 96 D 荷重非伝達型(非仕上げ) 3. 467 123 81 113 75 E 荷重非伝達型(始終点を含む) 4. 6 115 97 105 89 E 荷重伝達型(完全溶込み,止端仕上げ) 6.(2) 9 173 147 133 113 D 荷重伝達型(完全溶込み,非仕上げ) 6.(3) 35 193 104 139 75 E 荷重伝達型(止端仕上げ) 7.(2) 217 160 97 140 85 E 荷重伝達型(非仕上げ) 7.(3) 105 91 67 83 61 F 荷重伝達型(ルート破壊) 8 42 65 32 64 32 H (e) ガセット溶接継手 継手の種類,継手番号 面外ガセット(l≦100,止端仕上げ) 1.(1) 面外ガセット(l≦100,非仕上げ) 1.(2) 面外ガセット(フィレットを有) 2. 面外ガセット 3. 面外ガセット(桁) 3. 面外ガセット(l>100,止端仕上げ) 4.(1) 面外ガセット(l>100,非仕上げ) 4.(2) 面内ガセット(止端仕上げ) 7.(1) 面内ガセット(非仕上げ) 7.(2) データ数 57 239 29 200 94 35 42 36 55 2×106回基本疲労強度 平均 平均-2s 疲労強度等級 平均 平均-2σ (m=3) (m=3) 134 86 122 78 E 95 68 96 69 F 163 120 142 105 E 107 73 98 67 G 72 54 73 53 G 199 168 174 146 F 94 58 96 60 G 79 53 71 47 G 66 39 66 39 H (f) その他の溶接継手 2×106回基本疲労強度 平均 平均-2s 疲労強度等級 継手の種類,継手番号 データ数 平均 平均-2σ (m=3) (m=3) カバープレート(l≦300mm,非仕上げ) 1.(2) 55 116 102 111 97 F 89 105 78 107 79 G カバープレート(非仕上げ) 2.(2) s:標準偏差 42 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 旧データ 新データ 10 4 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) 図 4.1.1 10 横突合せ溶接継手 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 旧データ 新データ 10 4 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) 図 4.1.2 10 荷重非伝達型十字溶接継手 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F 旧データ 新データ 10 4 10 図 4.1.3 6 10 疲労寿命N(cycles) 面外ガセット溶接継手 43 8 10 1000 Δτ/Δσm= 0 Δτ/Δσm= 0.2∼0.4 Δτ/Δσm= 0.4∼ 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–G 10 4 10 図 4.2.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 8 スカラップを含む縦方向溶接継手 補正なし 500 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 補正なし 内田ら 200 α= 0.6 α= 0.7 α= 0.75 α= 0.8 100 50 JSSC–G 20 4 10 図 4.2.2 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 8 公称応力算定式の検討 Δτ/Δσm = 0 Δτ/Δσm = 0.2∼0.4 Δτ/Δσm = 0.4∼ 500 2 Δσm +3/4Δτ(N/mm ) 1000 200 100 50 JSSC−G 10 4 10 図 4.2.3 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 8 スカラップを含む縦方向溶接継手 補正あり 44 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 JSSC–A 200 100 50 〔 (a)-1(1) 〕 帯 板 ( 表 面 お よ び 端 面 を 機 械 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–B JSSC–C 100 50 〔 (a)-1(2,3)〕 帯 板 ( 黒 皮 付 き 、 ガ ス 切 断 ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–B 100 50 〔 (a)-2(1,2)〕 形 鋼 ( 黒 皮 付 き ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線 45 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–C 100 50 〔 (a)-4〕 円 孔 を 有 す る 母 材 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–B 100 50 〔 (b)-1〕 余 盛 を 除 去 し た 継 手 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–C 100 50 〔 (b)-2〕 止 端 仕 上 げ し た 継 手 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 46 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 〔 (b)-3(1)〕 非 仕 上 げ 継 手 ( 両 面 溶 接 ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 8 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F 〔 (b)-3(3)〕非 仕 上 げ 継 手( 裏 当 て 金 付 き 片 面 溶 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–B 100 50 〔 (c)-1(1)〕 完 全 溶 込 み 溶 接 継 手 ( 余 盛 削 除 ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 8 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 47 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–C 100 50 〔 (c)-1(2)〕 完 全 溶 込 み 溶 接 継 手 ( 非 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 〔 (c)-2〕 部 分 溶 込 み 溶 接 継 手 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 〔 (c)-3〕 す み 肉 溶 接 継 手 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 48 2 応力範囲Δσ=Δσ m+3/4Δτ(N/mm ) 1000 Δτ/Δσm = 0 Δτ/Δσm = 0.2∼0.4 Δτ/Δσm = 0.4∼ 500 200 100 50 JSSC−G 〔 (c)-6〕 ス カ ラ ッ プ を 含 む 溶 接 継 手 10 4 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 〔 (d)-2〕 止 端 仕 上 げ し た す み 肉 溶 接 継 手 10 4 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 〔 (d)-3〕 非 仕 上 げ の す み 肉 溶 接 継 手 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 49 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 〔 (d)-4〕 溶 接 の 始 終 点 を 含 む す み 肉 溶 接 継 手 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 〔 (d)-6(2)〕 完 全 溶 込 み 溶 接 継 手 ( 止 端 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 〔 (d)-6(3)〕 完 全 溶 込 み 溶 接 継 手 ( 非 仕 上 げ ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 50 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 〔 (d)-7(2)〕 す み 肉 お よ び 部 分 溶 込 み 溶 接 継 手 (止端仕上げ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F 〔 (d)-7(3)〕 す み 肉 お よ び 部 分 溶 込 み 溶 接 継 手 (非仕上げ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–H 〔 (d)-8〕 す み 肉 お よ び 部 分 溶 込 み 溶 接 継 手 (ルート破壊) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 51 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 〔 (e)-1(1)〕 す み 肉 あ る い は 開 先 溶 接 し た 継 手 ( 面 外 、 l≦ 100mm、 止 端 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F 〔 (e)-1(2)〕 す み 肉 あ る い は 開 先 溶 接 し た 継 手 ( 面 外 、 l≦ 100mm、 非 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–E 50 〔 (e)-2〕フィレットを 有 す る ガ セ ッ ト を 開 先 溶 接 し た ( 面 外 、 フィレット部 仕 上 げ ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 52 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F JSSC–G 〔 (e)-3〕 ガセットをすみ肉溶接した継 ( 面 外 、 l> 100mm、 非 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JJSC–F JSSC–G 〔 (e)-3〕 ガセットをすみ肉溶接した継 ( 面 外 、 l> 100mm、 非 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F 〔 (e)-4(1)〕 ガ セ ッ ト を 開 先 溶 接 し た 継 手 ( 面 外 、 l> 100mm、 止 端 仕 上 げ ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 53 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–G 〔 (e)-4(2)〕 ガ セ ッ ト を 開 先 溶 接 し た 継 手 ( 面 外 、 l> 100mm、 非 仕 上 げ ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 〔 (e)-5〕 主 板 に ガ セ ッ ト を 貫 通 さ せ た 継 手 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–I 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 JSSC–D 50 〔 (e)-6(1) 〕 フィ レ ット を 有 す る ガ セ ッ ト を 開 先 溶 接 ( 面 内 、 1/3≦ r/d、 フィレット部 仕 上 げ ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 54 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–G 〔 (e)-7(1)〕 ガ セ ッ ト を 開 先 溶 接 し た 継 手 (面内、止端部仕上げ) 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 〔 (e)-7(2)〕 ガ セ ッ ト を 開 先 溶 接 し た 継 手 (面内、非仕上げ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–H 10 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–F 〔 (f)-1(2)〕カバープレートを す み 肉 溶 接 で 取 り 付 け た ( l≦ 300mm、 非 仕 上 げ ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 55 1000 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 100 50 JSSC–G 〔 (f)-2(2)〕カバープレートを す み 肉 溶 接 で 取 り 付 け た ( l>300mm、 非 仕 上 げ ) 10 4 10 図 4.3.1 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 代表的な継手の疲労試験結果と疲労設計曲線(つづき) 56 第 5章 板厚の影響 継 手 の 種 類 に よ っ て は 、板 厚 が 増 す に し た が っ て 疲 労 強 度 が 低 下 す る 。JSSC 指 針 で は 、 板 厚 に よ り 疲 労 強 度 が 影 響 を 受 け る 継 手 に つ い て は 、 板 厚 25mm 以 上 で 許 容 応 力 範 囲 を 板 厚 の 0.25 乗 に 反 比 例 さ せ て 補 正 す る こ と と し て い る( 式 6.1)。こ の 指 数 を 板 厚補正指数という。 ⎛ 25 ⎞ Ct = ⎜ ⎟ ⎝ t ⎠ 0.25 t : 板 厚 (mm) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 6.1) この補正が必要とされている継手は、溶接部が未処理の荷重非伝達型十字溶接継手お よびカバープレート継手であり、他の形式の継手についての補正は行われていない。 一 方 、国 際 溶 接 学 会( IIW)の 疲 労 設 計 指 針 6) で は 、横 突 合 せ 溶 接 継 手 や 面 外 ガ セ ッ トについても補正することとしている。 ここでは、横突合せ溶接継手、荷重非伝達型十字溶接継手および面外ガセット溶接 継手の疲労強度に対する板厚の影響について検討する。その際、第 3 章で行ったデー タベースを用いた解析と 3 次元有限要素解析を利用する。 5.1 データベースを用いた検討 各 種 継 手 の デ ー タ 検 索 は 、非 仕 上 げ で 軸 力 疲 労 試 験 、疲 労 寿 命 が 10 万 回 以 上 と い う 条 件 で 行 っ た 。 ガ セ ッ ト 寸 法 は 50~150mm を 対 象 と し た ( 表 5.1.1)。 ま た 、 第 3 章 よ り、鋼種、溶接材料の違いは考慮していない。 収 集 し た デ ー タ を 得 た 試 験 体 の 板 厚 は 、試 験 体 ご と に 異 な る た め 、5mm ピ ッ チ で デ ー タ を 区 別 し た( 表 5.1.2)。各 継 手 の 板 厚 区 分 ご と の ∆σ-N 関 係 を 図 5.1.1(a)∼ 5.1.3(a) に 示 す 。こ れ ら の ∆σ-N 関 係 を 求 め 、傾 き を -1/3 と し て 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 と 板 厚 の 関 係 を 図 5.1.1(b)∼ 5.1.3(b)に 示 す 。ま た 、そ れ ら の 数 値 デ ー タ を 表 5.1.3 に 示 す 。図 (b)中 の ●は「 平 均 」、 ○は「 平 均 − 2 標 準 偏 差 」 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 で あ る 。 ま た 、 マ ークに付した数値はデータ数である。 5.1.1 横突き合わせ溶接継手 表 5.1.3 に 示 す 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 板 厚 6∼ 10mm を 基 準 に 比 較 し て み る と 、 平 均 値 に お い て 、 板 厚 11∼ 15mm は 21.6%高 く 、 板 厚 16∼ 20mm は 19.6%、 板 厚 21∼ 25mm は 8.9%、板 厚 31∼ 35mm は 4.9%、板 厚 36∼ 40mm は 23.1%、板 厚 46∼ 50mm は 16.2%、 板 厚 51mm 以 上 は 27.2%低 く な っ て い る 。同 様 に 平 均 -2σ 値 に お い て は 、板 厚 11∼ 15mm は 40.9%、 板 厚 16∼ 20mm は 5.2%低 く な り 、 板 厚 21∼ 25mm は 3.8%高 く 、 板 厚 31∼ 57 35mm は 12.1%、板 厚 36∼ 40mm は 11.3%低 く な り 、板 厚 46∼ 50mm は 8.4%、板 厚 51mm 以 上 は 23.3%高 く な っ て い る 。 以 上 の よ う に 、 デ ー タ の ば ら つ き は 大 き い も の 、 板 厚 が 大 き く な る に し た が っ て 疲 労 強 度 は 低 下 し て お り 、 図 5.1.1 か ら も 横 突 合 せ 溶 接 継 手には板厚効果があるといえる。 ま た 、2×10 6 回 疲 労 強 度 の 平 均 値 の 近 似 曲 線 の 傾 き は -0.16 と な っ た 。さ ら に 図 5.1.1 に は 、 -0.25 の 傾 き を 記 載 し た 。 こ れ よ り 、 現 在 十 字 溶 接 継 手 に 対 し て JSSC 指 針 で 規 定 さ れ て い る 補 正 方 法 を 、横 突 き 合 わ せ 溶 接 継 手 に も 適 用 す る の が よ い と 考 え ら れ る 。 5.1.2 荷重非伝達型十字溶接継手 表 5.1.3 に 示 す 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 板 厚 6∼ 10mm を 基 準 に 比 較 し て み る と 、 平 均 値 に お い て 、板 厚 11∼ 15mm は 11.9%、板 厚 16∼ 20mm は 26.3%、板 厚 21∼ 25mm は 26.2%、 板 厚 36∼ 40mm は 31.4%、板 厚 41∼ 45mm は 5%、板 厚 51mm 以 上 は 34.9%低 く な っ て い る 。同 様 に 平 均 -2σ 値 に お い て は 、板 厚 11∼ 15mm は 3.8%、板 厚 16∼ 20mm は 25.4%、 板 厚 21∼ 25mm は 18.7%、板 厚 36∼ 40mm は 13.7%低 く な り 、板 厚 41∼ 45mm は 14.0% 高 く 、 板 厚 51mm 以 上 は 30%低 く な っ て い る 。 こ れ よ り 、 デ ー タ の ば ら つ き は 大 き い も の 、 板 厚 が 大 き く な る に し た が っ て 疲 労 強 度 は 低 下 し て お り 、 図 5.1.2 か ら も 板 厚 効果があるといえる。 ま た 、 2×10 6 回 疲 労 強 度 の 平 均 値 の 近 似 曲 線 の 傾 き は -0.13 な っ た 。以 上 よ り 、 JSSC 指針で規定されている補正方法が適切であることがわかる。 5.1.3 面外ガセット溶接継手 表 5.1.3 に 示 す 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 板 厚 6∼ 10mm を 基 準 に 比 較 し て み る と 、 平 均 値 に お い て 、 板 厚 11∼ 15mm は 8.0%、 板 厚 16∼ 20mm は 9.1%、 板 厚 21∼ 25mm は 0.3% 低 く な っ て い る 。同 様 に 平 均 -2σ 値 に お い て は 、板 厚 11∼ 15mm は 7.1%、板 厚 16∼ 20mm は 10.7%低 く な り 、板 厚 21∼ 25mm は 3.5%高 く な っ て い る 。以 上 の よ う に 、デ ー タ の ば ら つ き は あ る も の 、板 厚 に よ る 疲 労 強 度 の 影 響 は 小 さ い 。ま た 、図 5.1.3 に 示 す 2×10 6 回 疲 労 強 度 の 平 均 値 の 近 似 曲 線 の 傾 き は -0.0003 と な っ た 。 国 際 溶 接 学 会 ( IIW) の 疲 労 設 計 指 針 で は 、 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 に つ い て は 、 疲 労 強 度 を 板 厚 の 0.1 乗 に 反 比 例 さ せ て 補 正 す る こ と と し て い る 。 そ こ で 図 5.1.3 に は 、 -0.1 の 傾 き を 記 載 し た 。 し か し な が ら こ の 図 か ら は 、 板 厚 効 果 の 有 無 に つ い て は 判 断 できない。 58 5.2 応力解析 5.2.1 解析モデルと解析方法 解析対象は、横突合せ溶接継手、十字溶接継手と面外ガセット溶接継手である。解 析 対 象 と パ ラ メ ー タ と な る 板 厚 の 定 義 ・ 記 号 は 図 5.2.1 に 示 す と お り で あ る 。 パ ラ メ ー タ と な る 板 厚 は 9∼ 75mm の 7 種 類 で あ る 。溶 接 止 端 の 曲 率 半 径 ρ は 、溶 接 の ま ま を 想 定 し 1.0mm と し た 。十 字 溶 接 継 手 と 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 は 、付 加 板 の 板 厚 を 一 定 としたモデル(付加板厚一定モデル)と付加板厚を主板厚と同じとしたモデル(相似 形モデル)の 2 種類で解析を行った。各モデルの作成に使用した試験体の寸法を表 5.2.1~5.2.3 に 示 す 。 使 用 し た 解 析 プ ロ グ ラ ム ソ フ ト は CAFEM で あ る 。 解 析 は 試 験 体 の 対 象 性 を 考 慮 し て 1/8 モ デ ル で 行 っ た 。 要 素 は 8 節 点 固 体 要 素 、 応 力 集 中 を 算 定 す る 位 置 で の 要 素 寸 法 は 0.1mm 程 度 と し た 。鋼 材 の ヤ ン グ 率 は 2.0×10 5 N/mm 2 、ポ ア ソ ン 比 は 0.3 と し て い る 。図 5.2.1 に 示 し た モ デ ル の 端 部 に 等 分 布 の 引 張 力 1N/mm 2 を 作 用 さ せ 、軸 引 張 荷 重 となるように拘束条件を与え、解析を行った。 各 モ デ ル の 要 素 分 割 の 例 を 図 5.2.2∼ 5.2.4 に 示 す 。ま た 、面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 は 、 応 力 集 中 に 対 す る 板 幅 の 影 響 を 除 く た め に 図 5.2.4 に 示 す よ う に フ ラ ン ジ を 取 り 付 け た。これにより、板幅が無限になった状態をほぼ再現できる。 5.2.2 5.2.2.1 解析結果 横突き合わせ溶接継手 応 力 解 析 よ り 得 ら れ た 各 モ デ ル の 主 応 力 コ ン タ ー 図 の 例 を 図 5.2.5(a)に 示 す 。溶 接 止 端付近において高い応力が生じている。なお、詳細にみていくと応力が最も高い位置 は、板端部から少し内側に入った位置にみられる。そのため、応力が最も高い位置と 試 験 体 中 央 の 2 箇 所 に つ い て 検 討 す る 。図 5.2.6(a)は 、溶 接 止 端 に 沿 う 応 力 分 布 の 例 を 示したものである。 溶接継手の疲労強度は、疲労き裂の発生点である溶接止端の応力の大きさに反比例 す る こ と が 知 ら れ て い る 。こ の 関 係 を 利 用 し 、さ ら に 基 準 と す る 継 手 の 主 板 厚 を 12mm とすれば、板厚による疲労強度の変化を表すための板厚補正係数 β は次式で求められ る。 β = α12 α ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (5.1) α:対 象 と す る 板 厚 t の 応 力 集 中 係 数 59 α 12:主 板 厚 12mm の 応 力 集 中 係 数 す な わ ち 、 任 意 の 板 厚 の 疲 労 強 度 は 、 板 厚 12mm の 継 手 の 疲 労 強 度 に β を 乗 じ る こ と により求められる。 応 力 集 中 係 数 と は 、溶 接 止 端 で の 主 応 力 を 公 称 応 力 で 除 し た 値 で あ る 。 ( 5.1)式 は 、 疲労強度が応力集中に反比例するという考え方である。すなわち、き裂発生点での実 際の応力範囲で疲労寿命が補正できるという考え方に基づいている。このような考え 方の妥当性は、いくつかの研究により確かめられており、例えば有効切欠き応力 ( effective notch stress) 概 念 は そ の 代 表 的 な も の で あ る 。 表 5.2.4 に 応 力 解 析 よ り 求 め た 、 応 力 集 中 係 数 と 板 厚 補 正 係 数 を 示 す 。 ま た 、 板 厚 補 正 係 数 と 板 厚 の 関 係 を 図 5.2.7 に 示 す 。 図 の 縦 軸 ( 板 厚 補 正 係 数 )、 横 軸 ( 板 厚 ) と も対数表示としている。両者の関係はほぼ線形であり、主板厚が増すに従って板厚補 正係数 β は低下している。この関係の傾きが板厚補正指数である。板厚補正指数を n と お け ば 、板 厚 補 正 係 数 β と 板 厚 t の 関 係 は β=(12/t) n で 表 す こ と が で き る 。こ の 式 は 、 疲 労 強 度 が 板 厚 の n 乗 に 反 比 例 し て 低 下 す る こ と を 意 味 し て い る 。図 中 に は 、JSSC 指 針 で 定 め ら れ て い る 、 n=0.25 の 傾 き も 示 し て い る 。 ま た 、 最 小 2 乗 法 か ら 求 め た 主 板 厚に対する板厚補正係数の回帰直線の傾きも示している。ここで得られた傾きは n=0.25 よ り も 急 に な っ て い る が 、 そ の 差 は 小 さ い 。 以上より、データベースを用いた解析と同様に、横突合せ溶接継手は、板厚による 疲 労 強 度 の 補 正 が 必 要 で あ る こ と が 分 か る 。ま た 、n=0.25 と す る の が 妥 当 と 考 え ら れ る。 5.2.2.2 荷重非伝達型十字溶接継手 応 力 解 析 よ り 得 ら れ た 各 モ デ ル の 主 応 力 コ ン タ ー 図 の 例 を 図 5.2.5(b)に 示 す 。 溶 接 止端付近において高い応力が生じている。なお、詳細にみていくと応力が最も高い位 置は、横突合せ溶接継手と同様に板端部から少し内側に入った位置にみられる。その ため、荷重非伝達型十字溶接継手についても応力が最も高い位置と試験体中央の 2 箇 所 に つ い て 検 討 す る 。 図 5.2.6(b)に 溶 接 止 端 に 沿 う 主 応 力 の 分 布 の 例 を 示 す 。 表 5.2.6 に 応 力 解 析 よ り 求 め た 、 応 力 集 中 係 数 と 板 厚 補 正 係 数 を 示 す 。 ま た 、 板 厚 補 正 係 数 と 主 板 厚 の 関 係 を 図 5.2.8(a)(b)に 示 す 。 図 (a)は 付 加 板 厚 一 定 モ デ ル 、 図 (b)は 相 似 形 モ デ ル の 結 果 を 示 し て い る 。図 (b)に 示 す 相 似 形 モ デ ル で は 、横 突 合 せ モ デ ル と 同 様 に 、主 板 厚 が 増 す に 従 っ て 板 厚 補 正 係 数 β は 低 下 し て い る 。し か し 、図 (b)に 示 す 付 加 板 厚 一 定 モ デ ル の 板 厚 補 正 係 数 − 板 厚 関 係 は 、 主 板 厚 が 24mm ま で は 相 似 形 モ デ ルとほぼ同じとなっているものの、それ以上の領域では板厚補正係数の変化が小さく な っ て い る 。図 5.2.8 に は 、JSSC 指 針 で 定 め ら れ て い る n=0.25 の 傾 き と 回 帰 直 線 の 傾 60 き も 示 し て い る 。付 加 板 厚 一 定 モ デ ル の 回 帰 直 線 の 傾 き は 、主 板 厚 9∼ 24mm の デ ー タ を基に求めたものである。 図 5.2.8(b)に 示 す 相 似 形 モ デ ル で は 、 横 突 合 せ 溶 接 継 手 と 同 様 に 、 両 対 数 紙 上 で 板 厚 補 正 係 数 と 主 板 厚 は 線 形 関 係 に あ り 、 そ の 傾 き は n=0.25 よ り も 急 で あ る 。 し か し 、 そ の 差 は 小 さ い 。図 5.2.8(a)に 示 す 付 加 板 厚 一 定 モ デ ル は 、主 板 厚 が 20mm 以 下 の 領 域 の 板 厚 補 正 係 数 と 主 板 厚 の 関 係 は 相 似 形 モ デ ル と 同 じ で あ る 。 し か し 、 20mm を 超 え る と 、 傾 き は 小 さ く な り 、 24mm 以 上 で は 主 板 厚 に よ ら ず 板 厚 補 正 係 数 は ほ ぼ 一 定 と な っ て い る 。な お 、JSSC 指 針 で は 、主 板 厚 が 付 加 板 の 2 倍 以 上 の 領 域 で は 、主 板 厚 に よる疲労強度の補正はないとしている。 以 上 よ り 、デ ー タ ベ ー ス を 用 い た 解 析 と 同 様 に 、JSSC 指 針 で 規 定 さ れ て い る 補 正 方 法が妥当であると言える。 5.2.2.3 面外ガセット溶接継手 応 力 解 析 よ り 得 ら れ た 各 モ デ ル の 主 応 力 コ ン タ ー 図 の 例 を 図 5.2.5(c)に 示 す 。溶 接 止 端付近において高い応力が生じている。他のモデルにおいても同様であった。 表 5.8 に 応 力 解 析 よ り 求 め た 、 応 力 集 中 係 数 と 板 厚 補 正 係 数 を 示 す 。 ま た 、 板 厚 補 正 係 数 と 板 厚 の 関 係 を 図 5.2.9 に 示 す 。 主 板 厚 が 増 す に 従 っ て 板 厚 補 正 係 数 β は 低 下 している。また、荷重非伝達型十字溶接継手ほど明確ではないが、付加板厚一定のモ デ ル の 板 厚 補 正 係 数 − 板 厚 関 係 は 、 主 板 厚 が 50mm 以 上 で 板 厚 補 正 係 数 の 変 化 が 小 さ く な っ て い る 。 図 5.2.9 に は 、 回 帰 直 線 の 傾 き と IIW の 疲 労 設 計 指 針 で 定 め ら れ て い る 、n=0.1 の 傾 き も 図 に 示 し て い る 。こ こ で 得 ら れ た 板 厚 補 正 係 数 の 傾 き は 、IIW 指 針 で 示 さ れ て い る n=0.1 に 比 べ て 小 さ い も の の ほ ぼ 一 致 し て い る 。 以 上 よ り 、 IIW の 疲 労 設 計 指 針 で 規 定 さ れ て い る よ う に 、 板 厚 補 正 指 数 を 0.1 と し て 疲 労 強 度 を 補 正 す る の が よ い と 言 え る 。た だ し 、JSSC 指 針 の よ う に 基 準 と す る 主 板 厚 を 25mm と し 、 板 厚 補 正 指 数 を 0.1 と す れ ば 、 板 厚 75mm の 板 厚 補 正 係 数 は 0.9 に すぎない。 61 表 5.1.1 検索項目 溶接方法 溶接後処理 試験条件 雰囲気 疲労寿命 板厚の影響 検索条件 面外ガセット 横突合せ 荷重非伝達型 溶接継手 十字溶接継手 溶接継手 手溶接(低水素系 )・半自動溶接(フラックス) 未処理 軸力 大気中 10万回以上 ※ガセット寸法:50∼150mm以下 表 5.1.2 板厚の影響 検索結果 継手形式 横突合せ継手 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 板厚 (mm) データ数 6∼10 11∼15 16∼20 21∼25 31∼35 36∼40 46∼50 51∼ 6∼10 11∼15 16∼20 21∼25 36∼40 41∼45 51∼ 6∼10 11∼15 16∼20 21∼25 62 181 37 39 65 10 26 21 3 229 142 109 178 69 18 51 10 100 104 6 表 5.1.3 継手形式 横突合せ継手 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 板厚 (mm) 6∼10 11∼15 16∼20 21∼25 31∼35 36∼40 46∼50 51∼ 6∼10 11∼15 16∼20 21∼25 36∼40 41∼45 51∼ 6∼10 11∼15 16∼20 21∼25 表 5.2.1 板 厚 の 影 響 2×10 6 回 疲 労 強 度 平均板厚 (mm) 8.3 12.1 20.0 24.3 32.0 39.6 50.0 100.0 9.2 12.5 19.1 22.4 40.0 45.0 85.8 9.0 12.3 17.0 25.0 平均 242.5 251.806 155.0 196.5 213.9 174.4 155.3 147.7 151.0 130.6 107.9 110.3 104.3 137.1 91.3 107.9 93.2 90.1 119.8 平均-2σ 143.4 172.61 119.8 132.3 117.0 119.0 118.9 147.7 98.4 92.9 71.3 79.2 85.6 107.4 64.0 84.1 73.3 69.0 97.0 平均-2σ 平均 (m=3) (m=3) 167.9 99.2 204.153 139.848 135.0 104.4 153.0 103.0 159.6 87.2 129.1 88.0 140.6 107.6 122.3 122.4 139.7 91.1 123.1 87.6 103.0 68.0 103.1 74.1 95.9 78.6 132.7 103.9 91.0 63.8 98.5 76.9 90.6 71.4 89.6 68.7 98.2 79.6 試験体寸法 横突合せ溶接継手 主板厚 t1 長さ t1×10 9 90 12 120 18 180 24 240 36 360 54 540 75 750 単位 (mm) 幅 t1×5 溶接ビート高さ bh 溶接ビート幅 bw 45 0.9 9 60 1.2 12 90 1.8 18 120 2.4 24 180 3.6 36 270 5.4 54 375 7.5 75 ※bh=0.1t1、bw=t1 63 表 5.2.2 試 験 体 寸 法 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 主板厚 t1 長さ t1×10 9 90 12 120 18 180 24 240 36 360 54 540 75 750 9 90 12 120 18 180 24 240 36 360 54 540 75 750 表 5.2.3 試 験 体 寸 法 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 荷重非伝達型十字溶接継手 幅 t1×5 45 60 90 120 180 270 375 45 60 90 120 180 270 375 単位 (mm) 付加板厚 t2 溶接脚長 s 12 6 9 12 18 24 36 54 75 4.5 6 9 12 18 27 37.5 面外ガセット溶接継手 単位 (mm) 主板厚 t1 付加板厚 t2 溶接脚長 s 9 12 18 12 6 24 36 54 75 9 9 4.5 12 12 6 18 18 9 24 24 12 36 36 18 54 54 27 75 75 37.5 ※試験体長さ:700、試験体幅:200 64 表 5.2.4 応力解析結果 横突合せ溶接継手 主板厚 t1 最大値地点 中央地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 1.71 1.08 1.67 1.08 12 1.84 1.00 1.80 1.00 18 2.06 0.89 2.01 0.89 24 2.25 0.82 2.19 0.82 36 2.54 0.73 2.48 0.73 54 2.91 0.63 2.83 0.63 75 3.26 0.57 3.17 0.57 表 5.2.5 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 応力解析結果 荷重非伝達型十字溶接継手 主板厚 t1 最大値地点 中央地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 2.26 1.06 2.14 1.07 12 2.40 1.00 2.30 1.00 18 2.56 0.94 2.44 0.94 24 2.61 0.92 2.49 0.92 36 2.60 0.92 2.51 0.92 54 2.56 0.94 2.53 0.91 75 2.53 0.95 2.53 0.91 9 2.21 1.09 2.08 1.11 12 2.40 1.00 2.30 1.00 18 2.74 0.88 2.62 0.88 24 3.00 0.80 2.87 0.80 36 3.40 0.71 3.25 0.71 54 3.88 0.62 3.71 0.62 75 4.32 0.56 4.13 0.56 65 表 5.2.6 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 応力解析結果 面外ガセット溶接継手 主板厚 t1 最大値地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 3.81 1.04 12 3.95 1.00 18 4.08 0.97 24 4.27 0.92 36 4.41 0.89 54 4.53 0.87 75 4.59 0.86 9 3.88 1.02 12 3.95 1.00 18 4.07 0.97 24 4.19 0.94 36 4.37 0.90 54 4.57 0.86 75 4.74 0.83 66 1000 200 37 A 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 181 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 JSSC–A JSSC–B JSSC–C JSSC–D 200 100 6∼10 (mm) 11∼15 16∼20 36∼40 21∼25 46∼50 51∼ 31∼35 10 4 10 10 125 B 21 39 26 3 0.25 100 D 90 80 E 70 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 60 5 8 10 50 100 (b) 2×106 回疲労強度 図 5.1.1 板厚の影響 1000 横突合せ溶接継手 200 A 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 200 JSSC–C JSSC–D JSSC–E 100 6 50 6∼10 (mm) 11∼15 16∼20 21∼25 41∼45 36∼40 51∼ 10 4 200 板厚(mm) (a) ∆σ-N 曲線 10 C 1 6 50 65 155 B 229 18 142 C 178 109 100 90 69 D 51 0.25 1 80 E 70 60 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 50 5 8 10 50 100 200 板厚(mm) (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 5.1.2 板厚の影響 荷重非伝達型十字溶接継手 1000 100 10 6 D 200 JSSC–C JSSC–D JSSC–E JSSC–F 100 50 6∼10 (mm) 11∼15 16∼20 21∼25 10 4 10 6 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 100 90 0.1 104 1 80 E 70 F 60 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 55 5 8 20 板厚(mm) (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 5.1.3 板厚の影響 10 面外ガセット溶接継手 67 30 40 (a) 横突合せ溶接継手 (b) 荷重非伝達型十字溶接継手 (単位:mm) (c) 面外ガセット溶接継手 溶接ビート高さ bh (= 0.1t1) 脚長 s 曲率半径 ρ 脚長 s 曲率半径 ρ 溶接ビート幅 bw(= t1) 図 5.2.1 解析対象とパラメータの定義 68 Y X Z 図 5.2.2 要素分割例 横突合せ溶接継手 Y Z 図 5.2.3 要素分割例 荷重非伝達型十字溶接継手 69 X Y Z 図 5.2.4 要素分割例 面外ガセット溶接継手 (a) 横突合せ溶接継手 図 5.2.5 主応力コンター例(t1=12mm) 70 X (b) 荷重非伝達型十字溶接継手 (c) 面外ガセット溶接継手 図 5.2.5 主応力コンター例(t1=12mm) 71 (つづき) 応力集中係数 α 1.4 1.3 1.2 0 10 20 30 板端部からの距離 (mm) (a) 横突合せ溶接継手 応力集中係数 α 1.6 1.5 1.4 1.3 0 10 20 板端部からの距離 (mm) (b) 十字溶接継手 図 5.2.6 溶接止端に沿った応力分布図 72 30 板厚補正係数 β 1 0.9 0.8 0.25 1 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.31) 中央地点(傾き:–0.30) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) 図 5.2.7 板厚補正係数と主板厚の関係 横突合せ溶接継手 板厚補正係数 β 1 0.9 0.25 1 0.8 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.15) 中央地点(傾き:–0.15) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (a) 付加板厚一定モデル 図 5.2.8 板厚補正係数と主板厚の関係 73 荷重非伝達型十字溶接継手 板厚補正係数 β 1 0.9 0.8 0.25 1 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.32) 中央地点(傾き:–0.32) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (b) 相似形モデル 図 5.2.8 板厚補正係数と主板厚の関係 荷重非伝達型十字溶接継手(つづき) 板厚補正係数 β 1 0.9 0.1 1 0.8 0.7 0.6 相似形(傾き:–0.091) 付加板厚一定(傾き:–0.096) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) 図 5.2.9 板厚補正係数と主板厚の関係 74 面外ガセット溶接継手 第 6章 疲労強度の改善方法 疲労強度の改善方法には、溶接止端形状を改善する方法と残留応力を改善する方法 あ る 。止 端 形 状 の 改 善 に よ る 疲 労 強 度 向 上 法 に は 、グ ラ イ ン ダ ー 処 理 や TIG 処 理 、ブ ラスト処理などがあり、残留応力を改善する方法には、ピーニング処理などがある。 ( 2.2.3 項 参 照 ) JSSC 指 針 で は 、溶 接 止 端 を 仕 上 げ た 継 手 は 疲 労 強 度 等 級 を 1 等 級 上 げ る こ と と し て い る 。し か し 、改 善 処 理 方 法( 仕 上 げ 方 法 )や 止 端 形 状 に つ い て の 詳 細 な 規 定 は な い 。 そこで、横突合せ溶接継手、荷重非伝達型十字溶接継手および面外ガセット溶接継手 を対象とし、疲労強度に対する仕上げ方法と仕上げ部品質の影響を明らかにすること を目的として、データベースを用いた解析と 3 次元有限要素解析を行うことにより検 討する。 6.1 データベースを用いた解析 そ れ ぞ れ の 溶 接 継 手 の 疲 労 試 験 デ ー タ を 、試 験 条 件 が 軸 力 、疲 労 寿 命 が 10 万 回 以 上 と い う 条 件 で 抽 出 し た 。 ガ セ ッ ト 寸 法 は 50~150mm を 対 象 と し た ( 表 6.1.1)。 ま た 、 第 3 章より、鋼種、溶接材料の違いは考慮していない。 抽 出 し た デ ー タ の 数 を 表 6.1.2 に 、 こ れ ら よ り 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 表 6.1.3 に 示 す 。 そ し て 継 手 の 種 類 ご と 、 仕 上 げ の 種 類 ご と に 板 厚 25mm 以 下 と い う 条 件 で 抽 出 し た デ ー タ 数 を 表 6.1.4 に 、 こ れ ら よ り 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 表 6.1.5 に 示 す 。 図 6.1.1∼ 6.1.3 は 、そ れ ぞ れ 横 突 合 せ 溶 接 継 手 、十 字 溶 接 継 手 、面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 の ∆σ-N 関 係 を 仕 上 げ の 種 類 ご と に 示 し た も の で あ る 。 ま た 、 図 6.1.4~6.1.6 は 、 各 継 手 で 各 仕 上 げ の ∆σ-N 関 係 を 比 較 し た 結 果 と 、こ れ ら の 結 果 か ら ∆σ-N 関 係 の 傾 き を -1/3 と し て 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 示 し て い る 。図 中 の●は 2×10 6 回 疲 労 強 度 の「 平 均 」、 ○は「 平 均 − 2 標 準 偏 差 」 を 示 し て い る 。 ま た 、 図 中 の 数 値 は デ ー タ 数 で あ る 。 こ こ で は 、 以 上 の よ う に し て 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 基 に 検 討 を 行 う 。 6.1.1 疲労強度の改善処理方法の影響 横 突 合 せ 溶 接 継 手 は 、余 盛 を 削 除 し た 継 手 の 疲 労 強 度 等 級 を B 等 級 、止 端 仕 上 げ し た 継 手 を C 等 級 と JSSC 指 針 で は 規 定 し て い る 。こ こ で 得 ら れ た 結 果 は 、JSSC 指 針 の 規定を満たしている。 荷 重 非 伝 達 カ型 十 字 溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 の 平 均 値 を グ ラ イ ン ダ ー 処 理 を 施 75 し た デ ー タ を 基 準 に 比 較 す る と 、 TIG 処 理 は 8.7%大 き く 、 ブ ラ ス ト 処 理 は 5.9%小 さ く 、ピ ー ニ ン グ 処 理 は 12.7%大 き く な っ て い る 。同 様 に 平 均 -2σ 値 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 比 較 す る と 、TIG 処 理 は 26.9%、ブ ラ ス ト 処 理 は 56.0%、ピ ー ニ ン グ 処 理 は 15.7%小 さ く な っ て い る 。各 仕 上 げ 方 法 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 比 較 し た 図 6.1.5(b)か ら 判 断 す る と、仕上げ方法による疲労強度の顕著な差はないと言える。 同 様 に 、 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を グ ラ イ ン ダ ー 処 理 の デ ー タ と 比 較 し て み る と 、平 均 値 に お い て 、R 仕 上 げ は 8.4%、TIG 処 理 は 8.2%、ピ ー ニ ン グ 処 理 は 40.7%大 き く な っ た 。平 均 -2σ 値 に お い て は 、R 仕 上 げ は 5.0%、TIG 処 理 は 18.3%、 ピ ー ニ ン グ 処 理 は 79.1%大 き く な っ た 。 各 仕 上 げ 方 法 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 比 較 し た 図 6.1.6(b)に も 示 す よ う に 、 ピ ー ニ ン グ 処 理 は 、 非 常 に 高 い 疲 労 強 度 向 上 効 果 が み ら れた。しかし、その他の仕上げ方法による大きな違いがみられない。 以上のように、溶接止端形状を改善する方法においては、仕上げ方法による疲労強 度の顕著な差はないという結果が得られたが、以下に示すように、さらに詳細な検討 が必要と考えられる。 6.1.2 止端形状の影響 こ こ で は 、 止 端 形 状 の な か で も 曲 率 半 径 ρ に つ い て の 比 較 を 行 う 。 板 厚 25mm 以 下 と い う 条 件 で 収 集 さ れ た デ ー タ か ら 、曲 率 半 径 が 記 載 さ れ て い る デ ー タ の み を 用 い る 。 横突合せ溶接継手は、データが抽出できなかったため、荷重非伝達型十字溶接継手と 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 に つ い て 検 討 す る 。6.1.1 項 に 示 し た 結 果 よ り 仕 上 げ 方 法 は 考 慮 しないが、残留応力を改善する方法であるピーニング処理は除く。 曲 率 半 径 ρ を 3mm≦ ρ≦ 5 mm、ρ> 5mm に 区 分 し て 抽 出 し た デ ー タ の 数 を 表 6.1.6 に 示 す 。 こ れ ら の デ ー タ よ り 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 表 を 表 6.1.7 と 図 6.1.7∼ 6.1.8 に 示 す 。図 6.1.7 は 、ρ の 大 き さ に よ っ て マ ー ク を 変 え て 示 し た 十 字 溶 接 継 手 と 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 の ∆σ-N 関 係 で あ る 。 ま た 、 図 6.1.8 は 、 ∆σ-N 関 係 の 傾 き を -1/3 と し て 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 と 平 均 -2σ の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 示 し て い る 。 3mm≦ ρ≦ 5 mm の 荷 重 非 伝 達 カ型 十 字 溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 と 比 較 し て 、ρ> 5mm の 2×10 6 回 疲 労 強 度 は 、平 均 値 で 1.8%小 さ く 、平 均 -2σ 値 で は 5.7%大 き く な っ て い る 。 同 様 に 、 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 の ρ> 5mm の 2×10 6 回 疲 労 強 度 は 、 平 均 値 で は 4.4%、 平 均 -2σ で は 12.3%小 さ く な っ て い る 。 こ れ ら の 差 は 小 さ く 、 曲 率 半 径 ρ に よ る疲労強度の違いは認められない。しかし、ρ が大きくなれば応力集中は低減し、疲 労強度は向上するものと考えられる。この問題についてはさらに検討が必要である。 76 溶 接 の ま ま の 十 字 溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 は 、 平 均 で 105N/mm 2 程 度 で あ っ た 。 こ れ に 対 し 、止 端 を 仕 上 げ た 場 合 に は 137(N/mm 2 )で あ っ た 。こ の 差 は 30%程 度 で あ り 、 JSSC 指 針 の 疲 労 強 度 等 級 で 言 え ば 、 止 端 半 径 を 3mm 以 上 仕 上 げ る こ と に よ り 、 疲 労 強度を 1 等級上げることが適切と考えられる。同様に、溶接のままの面外ガセット溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 に 対 し 、止 端 を 仕 上 げ た 場 合 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 の 差 は 20% 程 度 で あ る 。こ れ よ り 、面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 も 止 端 半 径 を 3mm 以 上 仕 上 げ る こ と に よ り 、 疲労強度を 1 等級上げることが適切と考えられる。 6.1.3 板厚の影響 こ れ ま で の 結 果 よ り 仕 上 げ 方 法 は 考 慮 せ ず 、曲 率 半 径 3mm 以 上 と い う 条 件 で で ー タ を 抽 出 し た 。収 集 し た デ ー タ の 板 厚 は 試 験 体 ご と に 異 な る た め 、5mm ピ ッ チ で デ ー タ を 整 理 し た( 表 6.1.8)。こ れ ら の デ ー タ よ り 求 め た 2×10 6 回 疲 労 強 度 と ∆σ-N 関 係 を 表 6.1.9 と 図 6.1.9∼ 6.1.10 に 示 す 。 荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 板 厚 11∼ 15mm を 基 準 に 比 較 し て み る と 、 平 均 値 に お い て 、 板 厚 21∼ 25mm は 2.1%、 板 厚 36∼ 40mm は 0.3%大 き く 、 板 厚 51∼ は 12.9%小 さ く な っ て い る 。平 均 -2σ 値 に お い て は 、板 厚 21∼ 25mm は 9.4%、 板 厚 36∼ 40mm は 1.2%大 き く 、板 厚 51∼ は 1.4%小 さ く な っ て い る 。ま た 、図 6.1.9(b) に 示 す 2×10 6 回 疲 労 強 度 の 平 均 値 の 近 似 曲 線 の 傾 き は -0.07 と な っ た 。以 上 よ り 、疲 労 強 度 に 対 す る 板 厚 の 影 響 は 小 さ い と 考 え ら れ る 。 し か し な が ら 、 板 厚 51mm の 2×10 6 回疲労強度は、他の板厚に比べ低い結果となった。 同 様 に 、 面 外 ガ セ ッ ト 溶 接 継 手 の 2×10 6 回 疲 労 強 度 を 板 厚 11∼ 15mm を 基 準 に 比 較 し て み る と 、板 厚 16∼ 20mm の 平 均 値 は 0.8%小 さ く な り 、平 均 -2σ 値 に お い て は 15.6% 大 き く な っ た 。 ま た 、 図 6.1.10(b)に 示 す 2×10 6 回 疲 労 強 度 の 平 均 値 の 近 似 曲 線 の 傾 き は -0.02 と な っ た 。以 上 よ り 、荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 と 同 様 に 、疲 労 強 度 に 対 す る 板厚の影響は小さいと考えられる。 6.2 応力解析 前章で述べた疲労強度は応力集中係数に反比例するという考え方に基づき、溶接止 端の仕上げ効果と仕上げた継手の板厚効果について検討する。 77 6.2.1 解析モデルと解析方法 解 析 対 象 お よ び 板 厚 と 曲 率 半 径 の 定 義 ・ 記 号 、 そ し て 解 析 方 法 は 5.2.1 項 と 同 様 で あ る 。 板 厚 は 9∼ 75mm の 7 種 類 、 曲 率 半 径 ρ は 溶 接 止 端 を 仕 上 げ た 場 合 を 想 定 し た 3mm と 5mm の 2 種 類 の 各 継 手 で 計 14 種 類 で あ る 。 6.2.2 解析結果 6.2.2.1 横突き合わせ溶接継手 応 力 解 析 よ り 得 ら れ た 各 モ デ ル の 主 応 力 コ ン タ ー 図 の 例 を 図 6.2.1 に 示 す 。 い ず れ のモデルも溶接止端付近において高い応力が生じている。前章で示した溶接のままを 模 擬 し た モ デ ル と 同 様 に 、応 力 が 最 も 高 い 位 置 は 、板 端 部 近 く に み ら れ る 。そ の た め 、 応力が最も高い位置と試験体中央の2箇所について検討する。 表 6.2.1 に 応 力 解 析 よ り 求 め た 、 応 力 集 中 係 数 α と 板 厚 補 正 係 数 β を 示 す 。 ま た 、 応 力 集 中 係 数 α と 止 端 半 径 ρ の 関 係 を 図 6.2.2 に 示 す 。 図 中 の マ ー ク は 板 厚 に よ り 区 別 し て い る 。比 較 の た め に 5.2.1 項 で 行 っ た ρ=1mm の 応 力 集 中 係 数 も 示 し て い る 。曲 率 半 径 が 大 き く な る に し た が っ て 応 力 集 中 係 数 α は 小 さ く な っ て い る 。 表 6.2.2 は 、 ρ=1mm で の 応 力 集 中 係 数 ( α ρ= 1 ) に 比 べ て 、 ρ=3mm あ る い は ρ=5mm で の 応 力 集 中 係 数( α ρ=3 、α ρ=5 )が ど の 程 度 低 下 す る か 示 し た も の で あ る 。低 下 の 程 度 は 下 記 の 式 で 計 算している。 (α ρ =1 − α ρ =3,5 ) α ρ =1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 6.1) 図 6.2.3 は 、 低 下 率 と 板 厚 と の 関 係 を 示 し た も の で あ る 。 ρ=1mm( 溶 接 の ま ま 継 手 を 想 定 ) の 応 力 集 中 係 数 に 比 べ て 、 止 端 を 仕 上 げ た 継 手 を 想 定 し た ρ=3mm の 応 力 集 中 係 数 は 16∼ 25%低 下 し て い る 。ま た ρ=3mm に 対 す る ρ=5mm の 応 力 集 中 係 数 の 低 下 率 は 8∼ 13%で あ る 。 先 に 述 べ た よ う に 、 疲 労 強 度 が 応 力 集 中 係 数 に 反 比 例 す る と す れ ば、応力集中係数の低下率は、疲労強度に対応する。 疲労強度比: α ′ α0 = β α 0 : ρ=1mm の 応 力 集 中 係 数 ( 基 準 ) 応 力 集 中 係 数 の 低 下 率 : γ = (α − α 0 ) α0 = β ′ −1 → β ′ = 1+ γ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・( 6.2) し た が っ て 、止 端 仕 上 げ に よ っ て 、ρ=1mm か ら ρ=3mm に 止 端 半 径 を 改 善 す る こ と は 、 疲 労 強 度 を 16∼ 25%向 上 さ せ る こ と に な る 。 ま た 、 主 板 厚 が 大 き く な る に し た が っ て 仕上げによる疲労強度向上効果が大きくなっている。 図 6.2.4(a)(b)に 、 (5.2)式 よ り 求 め た 板 厚 補 正 係 数 β と 主 板 厚 と の 関 係 を 示 す 。 基 準 78 と す る 継 手 の 主 板 厚 は 12mm と し た 。図 (a)は ρ=3mm、図 (b)は ρ=5mm で の 結 果 を 示 し ている。いずれの ρ においても、主板厚が増すにしたがって板厚補正係数 β は低下し て い る 。ま た 図 6.2.4 に は 、JSSC 指 針 で 定 め ら れ て い る n=0.25 の 傾 き と 回 帰 直 線 の 傾 き も 示 し て い る 。以 上 よ り 、溶 接 止 端 を 仕 上 げ た 場 合 も n=0.25 と し て 板 厚 に よ る 疲 労 強度の補正が必要であると考えられる。 表 6.2.3 に 曲 率 半 径 ρ ご と に 整 理 し た 板 厚 補 正 指 数 n を 示 す 。表 6.2.3 に 示 す よ う に 、 曲 率 半 径 が ρ=1mm か ら ρ=5mm へ と 大 き く な る に し た が っ て 板 厚 補 正 指 数 は 小 さ く な っている。このことから、仕上げた場合の方が若干ではあるが、板厚効果は小さくな ると考えられる。 6.2.2.2 荷重非伝達型十字溶接継手 応 力 解 析 よ り 得 ら れ た 各 モ デ ル の 主 応 力 コ ン タ ー 図 の 例 を 図 6.2.5 に 示 す 。 い ず れ のモデルも溶接止端近傍において高い応力が生じている。応力が最も高い位置は、横 突合せ溶接継手と同様に板端部近くにみられる。そのため、荷重非伝達型十字溶接継 手についても応力が最も高い位置と試験体中央の 2 箇所について検討する。 表 6.2.4 に 応 力 解 析 よ り 求 め た 、 応 力 集 中 係 数 α と 板 厚 補 正 係 数 β を 示 す 。 ま た 、 応 力 集 中 係 数 α と 止 端 半 径 ρ の 関 係 を 図 6.2.6∼ 6.2.7 に 示 す 。 横 突 合 せ 溶 接 継 手 と 同 様 に 、曲 率 半 径 が 大 き く な る に し た が っ て 応 力 集 中 係 数 α は 小 さ く な っ て い る 。表 6.2.5 は 、 ρ=1mm で の 応 力 集 中 係 数 ( α ρ=1 ) に 比 べ て 、 ρ=3mm あ る い は ρ=5mm で の 応 力 集 中 係 数 ( α ρ=3 、 α ρ=5 ) が ど の 程 度 低 下 す る か 示 し た も の で あ る 。 図 6.2.6 は 、 低 下 率 と 板 厚 と の 関 係 を 示 し た も の で あ る 。 ρ=1mm の 応 力 集 中 係 数 に 比 べ て 、 ρ=3mm の 応 力 集 中 係 数 は 24∼ 25%低 下 し て い る 。ま た ρ=3mm に 対 す る ρ=5mm の 応 力 集 中 係 数 の 低 下 率 は 11∼ 14%で あ る 。 つ ま り 、 止 端 仕 上 げ に よ っ て 、 ρ=1mm か ら ρ=3mm に 止 端 半 径 を 改 善 す る こ と は 、 疲 労 強 度 を 24∼ 25%、 ρ=3mm か ら ρ=5mm に 止 端 半 径 を 改 善 す る こ と は 、 11∼ 14%疲 労 強 度 を 向 上 さ せ る こ と に な る 。 図 6.2.9(a)∼ 6.2.10(b)に 、(5.2)式 よ り 求 め た 板 厚 補 正 係 数 β と 主 板 厚 と の 関 係 を 求 め た 。基 準 と す る 継 手 の 主 板 厚 は 12mm と し た 。図 6.2.9 は 主 板 厚 一 定 モ デ ル 、図 6.2.10 は相似形モデルの結果を示している。これより、主板厚が増すに従って板厚補正係数 β は 低 下 し て い る 。し か し 、図 6.2.9 に 示 す 付 加 板 厚 一 定 モ デ ル の 板 厚 補 正 係 数 − 主 板 厚 関 係 は 、 主 板 厚 が 24mm ま で は 相 似 形 モ デ ル と ほ ぼ 同 様 に 低 く な っ て い る も の の 、 それ以上の領域では板厚補正係数の変化が小さくなっている。 図 6.2.9(a)∼ 6.2.10(b)に は 、 非 仕 上 げ の 継 手 に 対 し て JSSC 指 針 で 定 め ら れ て い る 79 n=0.25 の 傾 き と 回 帰 直 線 の 傾 き も 示 し て い る 。 付 加 板 厚 一 定 の モ デ ル の 回 帰 直 線 は 、 主 板 厚 9∼ 24mm の デ ー タ を 基 に 求 め た も の で あ る 。 以上より、荷重非伝達型十字溶接継手については止端を仕上げた継手についても非 仕 上 げ の 継 手 と 同 様 に n=0.25 と し て 板 厚 に よ る 疲 労 強 度 の 補 正 を 行 う の が よ い と 考 えられる。 ま た 、 荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 に お い て も 、 表 6.2.6 に 示 す よ う に 、 相 似 形 の 場 合は溶接止端を仕上げた方は板厚効果が若干小さくなると考えられる。 6.2.2.3 面外ガセット溶接継手 応 力 解 析 よ り 得 ら れ た 各 モ デ ル の 主 応 力 コ ン タ ー 図 の 例 を 図 6.2.11 に 示 す 。 い ず れ のモデルも溶接止端近傍において高い応力が生じている。 表 6.2.7 に 応 力 解 析 よ り 求 め た 応 力 集 中 係 数 α と 板 厚 補 正 係 数 β を 示 す 。 ま た 、 応 力 集 中 係 数 α と 止 端 半 径 ρ の 関 係 を 図 6.2.12 に 示 す 。図 中 の マ ー ク は 板 厚 に よ り 区 別 している。曲率半径が大きくなるにしたがって応力集中係数 α は小さくなっている。 表 6.2.8 は 、ρ=1mm で の 応 力 集 中 係 数( α ρ=1 )に 比 べ て 、ρ=3mm あ る い は ρ=5mm で の 応 力 集 中 係 数( α ρ=3 、α ρ=5 )が ど の 程 度 低 下 す る か 示 し た も の で あ る 。図 6.2.13 は 、低 下 率 と 板 厚 と の 関 係 を 示 し た も の で あ る 。 ρ=1mm の 応 力 集 中 係 数 に 比 べ て 、 ρ=3mm の 応 力 集 中 係 数 は 23∼ 25%低 下 し て い る 。ま た ρ=3mm に 対 す る ρ=5mm の 応 力 集 中 係 数 の 低 下 率 は 10∼ 14%で あ る 。 つ ま り 、 止 端 仕 上 げ に よ っ て 、 ρ=1mm か ら ρ=3mm に 止 端 半 径 を 改 善 す る こ と は 、 疲 労 強 度 を 23∼ 25%、 ρ=3mm か ら ρ=5mm に 止 端 半 径 を 改 善 す る こ と は 、 10∼ 14%疲 労 強 度 を 向 上 さ せ る こ と に な る 。 図 6.2.14(a)(b)に 、(5.2)式 よ り 求 め た 板 厚 補 正 係 数 β と 主 板 厚 と の 関 係 を 示 す 。図 (a) は ρ=3mm、 図 (b)は ρ=5mm で の 結 果 を 示 し て い る 。 基 準 と す る 継 手 の 主 板 厚 は 12mm とした。いずれの ρ においても、主板厚が増すに従って板厚補正係数 β は低下してい る 。相 似 形 モ デ ル の 主 板 厚 9mm の デ ー タ の 板 厚 補 正 係 数 β の 値 が 低 く な っ て い る の は 、 溶 接 脚 長 4.5mm に 対 し て 曲 率 半 径 ρ =5mm を 確 保 す る た め に 溶 接 脚 長 を 等 脚 に す る こ とが出来なかったためである。 また、荷重非伝達型十字溶接継手ほど明確ではないが、付加板厚一定のモデルの板 厚 補 正 係 数 − 板 厚 関 係 は 、 主 板 厚 が 50mm 以 上 で 板 厚 補 正 係 数 の 変 化 が 小 さ く な っ て い る 。図 6.2.14 に は 、回 帰 直 線 の 傾 き と IIW の 疲 労 設 計 指 針 で 定 め ら れ て い る 、n=0.1 の 傾 き も 図 に 示 し て い る 。相 似 形 モ デ ル の 回 帰 直 線 の 傾 き は 、主 板 厚 9mm の デ ー タ を 除いて求めた。 80 以 上 よ り 、溶 接 止 端 を 仕 上 げ た 場 合 も IIW の 疲 労 設 計 指 針 で 規 定 さ れ て い る よ う に 板 厚 補 正 指 数 を 0.1 と し て 疲 労 強 度 を 補 正 す る の が よ い と 言 え る 。 ま た 、 荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 と 同 様 に 、 表 6.2.9 に 示 す よ う に 、 相 似 形 の 場 合 は溶接止端を仕上げた方は板厚効果が若干小さくなると考えられる。 81 表 6.1.1 検索項目 溶接方法 試験条件 雰囲気 疲労寿命 面外ガセット 横突合せ 荷重非伝達型 溶接継手 十字溶接継手 溶接継手 手溶接(低水素系 )・半自動溶接(フラックス) 軸力 大気中 10万回以上 ※ガセット寸法:50∼150mm以下 表 6.1.2 継手形式 横突合せ 溶接継手 板厚範囲 (mm) 16∼20 21∼25 6∼10 11∼15 荷重非伝達型 十字溶接継手 検索条件 16∼20 21∼25 36∼40 51∼ 11∼15 面外ガセット 溶接継手 16∼20 検索結果 仕上げ方法 ショットブラスト 余盛除去 グラインダ処理 TIG処理 サンドブラスト グラインダ処理 TIG処理 ピーニング ショットブラスト グラインダ処理 ビート部仕上げ ショットピーニング ピーニング グラインダ処理 グラインダ処理 グラインダ処理 グラインダ処理(R仕上げ) TIG処理 グラインダ処理 TIG処理 ハンマーピーニング 82 データ数 20 9 24 19 49 40 7 23 3 54 10 11 18 32 36 23 13 10 16 8 4 表 6.1.3 継手形式 横突合せ 溶接継手 板厚範囲 (mm) 2×10 6 回疲労強度(試験体別) 仕上げ方法 平均 平均-2σ 174.59 174.59 193.15 199.53 292.97 158.74 198.18 179.44 287.08 154.40 142.61 200.78 142.71 185.26 202.02 157.78 276.21 88.75 195.159 165.736 192.485 137.693 170.451 148.712 180.31 125.74 131.97 232.02 218.84 199.10 193.07 125.37 129.62 155.33 123.69 131.99 111.79 98.98 134.28 134.28 143.19 159.23 252.83 132.04 179.91 144.52 228.04 126.08 121.38 154.43 108.75 137.97 159.73 72.45 242.79 85.94 158.631 148.394 157.906 116.658 147.775 118.126 165.966 108.51 120.92 140.45 194.15 127.96 145.12 117.00 110.32 107.96 107.73 110.80 94.27 78.62 129.25 255.51 152.40 137.15 113.27 グラインダ処理 124.89 16∼20 114.33 TIG処理 117.38 ハンマーピーニング 203.05 94.06 200.17 125.60 125.08 88.33 106.79 98.21 99.91 185.19 16∼20 ショットブラスト 21∼25 余盛除去 グラインダ処理 6∼10 TIG処理 サンドブラスト グラインダ処理 11∼15 TIG処理 ピーニング 16∼20 ショットブラスト 荷重非伝達型 十字溶接継手 グラインダ処理 21∼25 ビート部仕上げ ショットピーニング ピーニング 36∼40 グラインダ処理 51∼ グラインダ処理 グラインダ処理 11∼15 面外ガセット 溶接継手 グラインダ処理 (R仕上げ) TIG処理 83 平均-2σ 平均 曲率半径 データ数 板厚 (mm) (m=3) (m=3) 166.10 127.84 4 15.62 166.10 127.84 4 15.92 187.14 138.89 8 16.82 181.37 144.76 4 16.86 191.32 165.07 9 25.00 1.44 147.56 122.65 7 1.49 173.52 157.64 5 10.00 157.67 126.96 12 197.45 156.91 19 6.00 136.10 111.09 49 10.00 3.7 124.01 105.60 10 5.4 145.16 111.60 12 14.00 5.48 130.51 99.46 8 5.93 125.59 93.47 10 8.51 174.93 138.25 7 14.00 2.72 143.24 65.71 13 12.00 195.87 172.05 10 14.00 84.42 81.78 3 19.00 3 161.941 131.722 11 3.1 147.284 132.025 5 3.4 166.172 136.35 5 22.00 6.06 118.592 100.382 7 6.2 132.971 115.254 3 134.604 106.821 29 5.5 122.873 113.151 4 25.00 114.91 99.23 10 22.00 107.34 98.32 11 22.00 182.75 110.58 18 21.00 6.43 145.93 129.62 6 672 131.15 84.27 7 40.00 139.78 105.11 19 5.3 118.46 110.58 6 6.06 118.02 100.38 6 80.00 7.34 122.85 85.44 6 115.44 100.61 18 1.15 116.99 98.32 6 2.1 95.03 80.10 9 5.6 99.46 79.01 6 12.00 6.95 1 10.29 1 3.1 118.67 86.43 10 12.00 10.3 124.32 97.42 3 120.63 99.46 10 12.00 2.5 135.85 123.78 3 3.3 107.34 83.69 4 18.00 3.6 123.41 105.60 6 7.2 109.13 93.68 3 118.67 101.08 8 16.00 167.79 152.99 4 16.00 表 6.1.4 仕上げ方法で整理した疲労試験データ 継手形式 仕上げ方法 データ数 9 20 118 39 52 52 39 13 18 4 横突合せ 溶接継手 余盛除去 ショットブラスト グラインダ処理 TIG処理 荷重非伝達型 十字溶接継手 ブラスト処理 ピーニング処理 グラインダ処理 面外ガセット グラインダ処理(R仕上げ) TIG処理 溶接継手 ピーニング処理 表 6.1.5 継手形式 2×10 6 回疲労強度(仕上げ方法別) 仕上げ方法 293.0 196.9 173.5 135.4 150.2 212.6 124.7 132.3 119.2 186.9 横突合せ 溶接継手 余盛除去 ショットブラスト グラインダ処理 荷重非伝達型 TIG処理 十字溶接継手 ブラスト処理 ピーニング処理 グラインダ処理 面外ガセット グラインダ処理(R仕上げ) 溶接継手 TIG処理 ピーニング処理 表 6.1.6 平均-2σ 平均 曲率半径 (mm) 荷重非伝達型 十字溶接継手 面外ガセット 溶接継手 3≦ρ<5 ρ≧5 3≦ρ<5 ρ≧5 データ数 36 51 20 14 2×10 6 回疲労強度(曲率半径別) 曲率半径 (mm) 荷重非伝達型 3≦ρ<5 十字溶接継手 ρ≧5 面外ガセット 3≦ρ<5 溶接継手 ρ≧5 継手形式 平均-2σ (m=3) 165.1 133.6 104.9 76.7 98.6 88.4 79.7 83.7 94.3 142.8 曲率半径で整理した疲労試験データ 継手形式 表 6.1.7 252.8 143.3 129.2 67.8 111.9 118.4 89.9 92.4 93.8 171.3 平均 (m=3) 191.3 183.4 140.7 153.0 132.4 158.5 110.7 119.9 119.7 155.8 平均-2σ 平均 157.6 187.1 127.3 128.3 84 103.2 131.8 95.7 88.4 平均 (m=3) 138.5 136.0 117.7 112.5 平均-2σ (m=3) 90.7 95.9 88.4 77.6 表 6.1.8 板厚で整理した疲労試験データ 板厚範囲 (mm) 11∼15 荷重非伝達型 21∼25 十字溶接継手 36∼40 51∼ 面外ガセット 11∼15 溶接継手 16∼20 継手形式 表 6.1.9 表 6.2.1 47 54 13 18 21 13 2×10 6 回疲労強度(板厚別) 板厚範囲 平均板厚 (mm) (mm) 14.00 11∼15 22.2 荷重非伝達型 21∼25 十字溶接継手 36∼40 40.00 80.00 51∼ 12.00 面外ガセット 11∼15 溶接継手 18.00 16∼20 継手形式 データ数 平均 186.007 163.974 201.563 142.731 130.092 119.894 応力解析結果 平均-2σ 129.876 122.68 142.04 112.854 90.834 97.454 平均 (m=3) 137.454 140.332 137.802 119.745 115.893 114.91 平均-2σ (m=3) 96.085 105.113 97.198 94.767 80.846 93.467 横突合せ溶接継手 (a) ρ=3mm 主板厚 t1 最大値地点 中央地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 1.43 1.06 1.40 1.06 12 1.52 1.00 1.48 1.00 18 1.66 0.91 1.62 0.91 24 1.78 0.85 1.74 0.85 36 1.98 0.77 1.93 0.77 54 2.21 0.69 2.15 0.69 75 2.42 0.63 2.36 0.63 (b) ρ=5mm 主板厚 t1 最大値地点 中央地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 1.32 1.05 1.29 1.05 12 1.39 1.00 1.36 1.00 18 1.51 0.92 1.47 0.92 24 1.60 0.87 1.57 0.87 36 1.76 0.79 1.72 0.79 54 1.95 0.71 1.90 0.72 75 2.12 0.66 2.07 0.66 85 表 6.2.2 応力集中係数の比較 横突合せ溶接継手 (単位:%) ρ=3 mm ρ=5 mm 主板厚 t1 ρ=1mm との比較 ρ=1mm との比較 ρ=3mm との比較 (mm) 最大値地点 中央地点 最大値地点 中央地点 最大値地点 中央地点 9 -16.4 -16.1 -22.9 -22.5 -7.8 -7.6 12 -17.6 -17.4 -24.5 -24.2 -8.5 -8.2 18 -19.5 -19.3 -27.0 -26.8 -9.3 -9.2 24 -20.7 -20.6 -28.6 -28.5 -10.0 -9.9 36 -22.3 -22.2 -30.7 -30.7 -10.9 -10.8 54 -24.2 -24.2 -33.1 -33.0 -11.7 -11.7 75 -25.6 -25.6 -34.8 -34.8 -12.4 -12.5 表 6.2.3 板厚補正指数 最大値地点 中央地点 表 6.2.4 横突合せ溶接継手 曲率半径ρ (mm) 1 3 0.306 0.249 0.303 0.247 応力解析結果 5 0.224 0.221 荷重非伝達型十字溶接継手 (a) ρ=3mm 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 主板厚 t1 最大値地点 中央地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 1.71 1.06 1.62 1.07 12 1.82 1.00 1.73 1.00 18 1.94 0.94 1.84 0.94 24 1.97 0.92 1.87 0.93 36 1.98 0.92 1.90 0.92 54 1.95 0.93 1.91 0.91 75 1.91 0.95 1.89 0.92 9 1.69 1.08 1.58 1.09 12 1.82 1.00 1.73 1.00 18 2.06 0.88 1.96 0.88 24 2.25 0.81 2.15 0.81 36 2.55 0.71 2.44 0.71 54 2.90 0.63 2.77 0.63 75 3.23 0.56 3.09 0.56 86 表 6.2.4 応力解析結果 荷重非伝達型十字溶接継手(つづき) (b) ρ=5mm 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 主板厚 t1 最大値地点 中央地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 1.50 1.06 1.42 1.07 12 1.59 1.00 1.52 1.00 18 1.70 0.94 1.60 0.95 24 1.74 0.91 1.64 0.92 36 1.75 0.91 1.66 0.91 54 1.73 0.92 1.66 0.91 75 1.70 0.94 1.66 0.92 9 1.49 1.07 1.40 1.08 12 1.59 1.00 1.52 1.00 18 1.79 0.89 1.70 0.89 24 1.95 0.82 1.86 0.82 36 2.20 0.72 2.10 0.72 54 2.50 0.64 2.39 0.64 75 2.78 0.57 2.66 0.57 表 6.2.5 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 応力集中係数の比較 荷重非伝達型十字溶接継手 (単位:%) ρ=3 mm ρ=5 mm 主板厚 t1 ρ=1mm との比較 ρ=1mm との比較 ρ=3mm との比較 (mm) 最大値地点 中央地点 最大値地点 中央地点 最大値地点 中央地点 9 -24.3 -24.3 -33.6 -33.6 -12.3 -12.2 12 -24.3 -24.5 -33.8 -33.9 -12.5 -12.5 18 -24.3 -24.6 -33.7 -34.2 -12.4 -12.7 24 -24.3 -24.9 -33.3 -34.1 -11.8 -12.2 36 -23.9 -24.5 -32.8 -33.9 -11.8 -12.5 54 -23.7 -24.5 -32.5 -34.2 -11.6 -12.9 75 -24.4 -25.2 -32.9 -34.6 -11.2 -12.5 9 -23.4 -23.6 -32.4 -32.5 -11.7 -11.6 12 -24.3 -24.5 -33.8 -33.9 -12.5 -12.5 18 -24.9 -25.0 -34.7 -34.9 -13.0 -13.1 24 -25.0 -25.1 -35.0 -35.2 -13.4 -13.5 36 -25.1 -25.2 -35.3 -35.4 -13.6 -13.7 54 -25.2 -25.3 -35.5 -35.6 -13.8 -13.8 75 -25.1 -25.2 -35.5 -35.6 -13.9 -13.9 表 6.2.6 板厚補正指数 荷重非伝達型十字溶接継手 曲率半径ρ (mm) 1 3 0.146 0.146 0.153 0.146 0.317 0.307 0.322 0.313 最大値地点 付加板厚一定 中央地点 最大値地点 相似形 中央地点 87 5 0.151 0.151 0.297 0.302 表 6.2.7 応力解析結果 面外ガセット溶接継手 (a) ρ=3mm 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 主板厚 t1 最大値地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 2.88 1.04 12 2.99 1.00 18 3.14 0.95 24 3.24 0.92 36 3.34 0.89 54 3.43 0.87 75 3.47 0.86 9 2.97 1.00 12 2.99 1.00 18 3.07 0.97 24 3.13 0.95 36 3.27 0.91 54 3.44 0.87 75 3.57 0.84 (a) ρ=5mm 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 主板厚 t1 最大値地点 (mm) 応力集中係数 α 板厚補正係数 β 9 2.51 1.04 12 2.62 1.00 18 2.76 0.95 24 2.85 0.92 36 2.95 0.89 54 3.02 0.87 75 3.06 0.86 9 2.67 0.98 12 2.62 1.00 18 2.70 0.97 24 2.76 0.95 36 2.86 0.92 54 2.97 0.88 75 3.09 0.85 88 表 6.2.8 付 加 板 厚 一 定 相 似 形 応力集中係数の比較 面外ガセット溶接継手 (単位:%) 主板厚 t1 ρ=5 mm ρ=3 mm (mm) ρ=1mm との比較 ρ=1mm との比較 ρ=3mm との比較 9 -24.5 -34.0 -12.6 12 -24.3 -33.6 -12.3 18 -23.1 -32.3 -12.0 24 -24.2 -33.3 -12.0 36 -24.2 -33.2 -11.9 54 -24.3 -33.3 -12.0 75 -24.3 -33.4 -12.0 9 -23.3 -31.1 -10.2 12 -24.3 -33.6 -12.3 18 -24.6 -33.7 -12.1 24 -25.2 -34.1 -12.0 36 -25.1 -34.6 -12.7 54 -24.8 -35.0 -13.5 75 -24.6 -34.9 -13.6 表 6.2.9 板厚補正指数 付加板厚一定 相似形 面外ガセット溶接継手 曲率半径ρ (mm) 1 3 5 0.0960 0.0890 0.0924 0.0906 0.0898 0.0890 89 ショットブラスト t=15.62 t=15.92 t=16.82 t=16.86 余盛削除 t=25 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 1000 500 400 (単位:mm) 300 200 JSSC–B JSSC–C 100 4 10 図 6 8 10 疲労寿命N(cycles) 10 6.1.1 検索結果 横突合せ溶接継手(試験体別) t=10 ρ=1.44 t=10 ρ=1.49 t=10 t=14 ρ=3.7 t=14 ρ=5.4 t=14 ρ=5.48 t=14 ρ=5.93 500 400 t=22 ρ=3 t=22ρ=3.1 t=22 ρ=3.4 t=22 ρ=6.06 ( ) t=22 ρ=6.2 t=22 t=25 ρ=5.5 t=40 ρ=6.43 t=40 ρ=6.72 t=40 t=80 ρ=5.3 t=80 ρ=6.06 t=80 ρ=7.34 t=80 2 応力範囲Δσ(N/mm ) (単位:mm) 300 200 JSSC–C 100 50 4 10 JSSC–D 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 (a) グラインダー処理 図 6.1.2 検索結果 荷重非伝達型十字溶接継手(試験体別) 90 500 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 300 200 JSSC–C 100 t=6 t=14 ρ=8.51 JSSC–D (単位:mm) 50 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 (b) TIG 処理 500 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 300 200 JSSC–C 100 50 4 10 t=12 ρ=2.72 t=14 ショットピーニング t=22 t=21 (単位:mm) 6 10 疲労寿命N(cycles) JSSC–D 8 10 (c) ブラスト処理 図 6.1.2 検索結果 荷重非伝達型十字溶接継手(試験体別)(つづき) 91 500 サンドブラスト t=10 ショットブラスト t=19 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 (単位:mm) 300 200 JSSC–C 100 50 4 10 JSSC–D 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 (d) ピーニング処理 6.1.2 検索結果 荷重非伝達型十字溶接継手(試験体別)(つづき) t=12 ρ=1.15 t=12 ρ=2.1 t=12 ρ=5.6 t=12 ρ=6.95 t=12 ρ=10.29 500 400 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 図 t=18 ρ=2.5 t=18 ρ=3.3 t=18 ρ=3.6 t=18 ρ=7.2 R仕上げ t=12 ρ=3.1 R仕上げ t=12 ρ=10.29 300 (単位:mm) 200 100 JSSC–D JSSC–E 50 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) (a) グラインダー処理 図 6.1.3 検索結果 面外ガセット溶接継手(試験体別) 92 8 10 500 t=12 t=16 (単位:mm) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 300 200 100 JSSC–D JSSC–E 50 4 10 6 8 10 疲労寿命N(cycles) 10 (b) グラインダー処理 500 t=16 (単位:mm) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 300 200 100 JSSC–D JSSC–E 50 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 8 10 (c) ピーニング処理 図 6.1.3 検索結果 面外ガセット溶接継手(試験体別)(つづき) 93 200 190 2×10 回疲労強度(N/mm ) 余盛削除 ブラスト処理 9 A 20 2 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 1000 500 400 300 6 200 JSSC–B 155 B 125 C JSSC–C 100 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 100 8 10 余盛除去 仕上げ方法 (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 6.1.4 仕上げ方法の影響 150 52 39 B 118 52 2 300 2×10 回疲労強度(N/mm ) 200 JSSC–C グラインダ処理 TIG処理 ブラスト処理 ピーニング処理 6 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 JSSC–D 100 D 90 80 E 70 60 処理 T I G 仕上げ方法 (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 6.1.5 仕上げ方法の影響 94 荷重非伝達型十字溶接継手 ピーニング処理 8 10 C ブラスト 処理 6 10 疲労寿命N(cycles) 125 グラインダー処理 50 4 10 横突合せ溶接継手 160 500 100 ショットブラスト 170 400 155 300 200 グラインダ処理 R仕上げ TIG処理 ピーニング処理 100 80 JSSC–E 70 ピーニング処理 8 10 E T I G R 処理 仕上げ 6 D 90 JSSC–D 10 疲労寿命N(cycles) C 39 グラインダー処理 50 4 10 B 18 13 6 100 4 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 500 仕上げ方法 (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 6.1.6 仕上げ方法の影響 500 500 3≦ρ≦5 ρ>5 400 面外ガセット溶接継手 3≦ρ≦5 ρ>5 400 応力範囲Δσ(N/mm ) 300 2 2 応力範囲Δσ(N/mm ) (単位:mm) 200 JSSC–C 100 JSSC–D (単位:mm) 300 200 100 JSSC–D JSSC–E 50 4 10 6 10 疲労寿命N(cycles) 10 8 50 4 10 (a) 荷重非伝達型十字溶接継手 6 10 疲労寿命N(cycles) (b) 面外ガセット溶接継手 図 6.1.7 溶接止端形状の影響 95 ∆σ-N 曲線 10 8 荷重非伝達型十字溶接継手 面外ガセット溶接継手 160 B 36 51 6 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 150 125 20 C 14 100 D 90 80 E 70 60 3≦ρ<5 ρ>5 3≦ρ<5 ρ>5 曲率半径 (mm) 図 6.1.8 溶接止端形状の影響 96 2×106 回疲労強度 500 200 A 300 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 200 JSSC–C 100 50 4 10 11∼15 (mm) 21∼25 36∼40 51∼ 6 2 応力範囲Δσ(N/mm ) 400 JSSC–D 47 6 D 80 E 70 50 5 8 10 疲労寿命N(cycles) 10 50 200 荷重非伝達型十字溶接継手 130 125 C 21 2 2×10 回疲労強度(N/mm ) 300 6 200 100 100 (b) 2×106 回疲労強度 11∼15 16∼20 400 10 板厚(mm) 500 2 1 100 90 60 図 6.1.9 板厚の影響 応力範囲Δσ(N/mm ) C 18 0.25 (a) ∆σ-N 曲線 JSSC–D JSSC–E 50 4 10 B 13 54 6 10 疲労寿命N(cycles) 0.1 1 100 D 90 80 8 10 75 5 E 10 20 板厚(mm) (b) 2×106 回疲労強度 (a) ∆σ-N 曲線 図 6.1.10 板厚の影響 13 面外ガセット溶接継手 97 30 40 (a) ρ=3mm (b) ρ=5mm 図 6.2.1 主応力コンター例 横突合せ溶接継手(t1=12mm) 98 5 5 9 12 18 24 36 54 75 (単位:mm) 応力集中係数 α 2 1 1 9 12 18 24 4 3 3 曲率半径 ρ (mm) 図 6.2.2 1 3 曲率半径 ρ (mm) (b) 中央地点 応力集中係数と曲率半径の関係 横突合せ溶接継手 40 ρ=3(mm) ρ=5(mm) 30 20 10 7 8 9 10 20 30 40 50 60 70 8090 主板厚 t1 (mm) 図 6.2.3 応力集中係数の比較 横突合せ溶接継手 99 (単位:mm) 2 1 5 36 54 75 3 (a) 最大値地点 (αρ=1 –α)/α ρ=1 (%) 応力集中係数 α 4 5 板厚補正係数 β 1 0.9 0.8 0.25 1 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.25) 中央地点(傾き:–0.25) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (a) 曲率半径 ρ=3mm 板厚補正係数 β 1 0.9 0.8 0.25 1 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.22) 中央地点(傾き:–0.22) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (b) 曲率半径 ρ=5mm 図 6.2.4 板厚補正係数と主板厚の関係 横突合せ溶接継手 100 (a) ρ=3mm (b) ρ=5mm 図 6.2.1 主応力コンター例 荷重非伝達型十字溶接継手(t1=12mm) 101 5 5 9 12 18 24 36 54 75 (単位:mm) 3 2 1 1 9 12 18 24 4 応力集中係数 α 応力集中係数 α 4 3 曲率半径 ρ (mm) 2 1 (a) 最大値地点 図 6.2.6 5 応力集中係数と曲率半径の関係 荷重非伝達型十字溶接継手 (付加板厚一定モデル) 5 9 12 18 24 4 36 54 75 4 3 2 1 3 曲率半径 ρ (mm) 5 (a) 最大値地点 図 6.2.7 9 12 18 24 (単位:mm) 応力集中係数 α 応力集中係数 α 3 曲率半径 ρ (mm) (b) 中央地点 5 1 (単位:mm) 3 1 5 36 54 75 36 54 75 (単位:mm) 3 2 1 1 3 曲率半径 ρ (mm) (b) 中央地点 応力集中係数と曲率半径の関係 荷重非伝達型十字溶接継手 (相似形モデル) 102 5 (αρ=1 –α)/α ρ=1 (%) 40 30 20 付加板厚一定 相似形 ( 黒:ρ=3(mm) 、 赤:ρ=5(mm) ) 10 7 8 9 10 20 30 40 50 60 70 8090 主板厚 t1 (mm) (a) 最大値地点 (αρ=1 –α)/α ρ=1 (%) 40 30 20 付加板厚一定 相似形 ( 黒:ρ=3(mm) 、 赤:ρ=5(mm) ) 10 7 8 9 10 20 30 40 50 60 70 8090 主板厚 t1 (mm) (b) 中央地点 図 6.2.8 応力集中係数の比較 荷重非伝達型十字溶接継手 103 0.9 1 0.25 板厚補正係数 β 板厚補正係数 β 1 1 0.8 0.7 0.6 20 30 0.25 1 0.8 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.15) 中央地点(傾き:–0.15) 0.5 7 8 910 0.9 最大値地点(傾き:–0.15) 中央地点(傾き:–0.15) 0.5 7 8 910 40 50 60 708090 20 主板厚 t1 (mm) 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (a) ρ=3mm (b) ρ=5mm 1 1 0.9 0.9 0.8 0.25 1 0.7 0.6 板厚補正係数 β 板厚補正係数 β 図 6.2.9 板厚補正係数と主板厚の関係 荷重非伝達型十字溶接継手 (付加板厚一定モデル) 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) 0.25 1 0.7 0.6 最大値地点(傾き:–0.30) 中央地点(傾き:–0.30) 0.5 7 8 910 0.8 最大値地点(傾き:–0.30) 中央地点(傾き:–0.30) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (b) ρ=5mm (a) ρ=3mm 図 6.2.10 板厚補正係数と主板厚の関係 荷重非伝達型十字溶接継手 (相似形モデル) 104 (a) ρ=3mm (b) ρ=5mm 図 6.2.11 主応力コンター例 面外セット溶接継手(t1=12mm) 105 4 4 3 3 応力集中係数 α 5 2 9 12 18 24 1 1 2 9 12 18 24 36 54 75 (単位:mm) 3 曲率半径 ρ (mm) 5 1 36 54 75 (単位:mm) 1 3 曲率半径 ρ (mm) (a) 付加板厚一定 図 6.2.12 (b) 相似形 応力集中係数と曲率半径の関係 面外ガセット溶接継手 40 (αρ=1 –α)/α ρ=1 (%) 応力集中係数 α 5 30 20 付加板厚一定 相似形 ( 黒:ρ=3(mm) 、 赤:ρ=5(mm) ) 10 7 8 9 10 20 30 40 50 60 70 8090 主板厚 t1 (mm) 図 6.2.13 応力集中係数の比較 面外ガセット溶接継手 106 5 板厚補正係数 β 1 0.9 0.1 1 0.8 0.7 0.6 相似形(傾き:–0.090) 付加板厚一定(傾き:–0.089) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (a) 曲率半径 ρ=3mm 板厚補正係数 β 1 0.9 0.1 1 0.8 0.7 0.6 相似形(傾き:–0.092) 付加板厚一定(傾き:–0.089) 0.5 7 8 910 20 30 40 50 60 708090 主板厚 t1 (mm) (b) 曲率半径 ρ=5mm 図 6.2.14 板厚補正係数と主板厚の関係 面外ガセット溶接継手 107 第 7 章 結論 本 研 究 は、JSSC 指 針 の疲 労 強 度 等 級 設 定 の基 となったデータに最 近 20 年 間 の疲 労 試 験 データを加 え、新 たにデータベースを構 築 し、それを解 析 することにより JSSC 指 針 で規 定 されて いる疲 労 強 度 等 級 の見 直 しを行 った。 さらに、構 築 したデータベースと3次 元 有 限 要 素 応 力 解 析 を利 用 して、疲 労 強 度 に対 する鋼 材 静 的 強 度 レベル、溶 接 材 料 、板 厚 、そして溶 接 部 仕 上 げの影 響 について検 討 した。 ここで得 られた結 果 は以 下 のとおりである。 (1) 疲 労 強 度 に対 する鋼 材 静 的 強 度 レベル、溶 接 方 法 ・溶 接 材 料 の影 響 は認 められない。 (2) JSSC 指 針 で設 定 されている各 継 手 の疲 労 強 度 等 級 は適 切 である。 (3) 荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 、横 突 合 せ溶 接 継 手 には板 厚 効 果 があり、板 厚 の 0.25 乗 に反 比 例 して疲 労 強 度 が低 下 する。 (4) 面 外 ガセット溶 接 継 手 の疲 労 強 度 は、板 厚 の 0.1 乗 に反 比 例 して疲 労 強 度 が低 下 する。 (5) 溶 接 止 端 を 仕 上 げ た 荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 と 面 外 ガセット溶 接 継 手 の 疲 労 強 度等級は、溶接のままの継手に比べ疲労強度等級が 1 等級以上高く、曲率半径ρ は 3mm 以 上 と す る の が 望 ま し い 。 ま た 、 曲 率 半 径 を 大 き く 仕 上 げ た 場 合 、 疲 労 強 度はさらに向上すると考えられる。 (6) 溶 接 止 端 を仕 上 げた横 突 合 せ溶 接 継 手 、荷 重 非 伝 達 型 十 字 溶 接 継 手 と面 外 ガセット溶 接 継 手 についても、溶 接 のままの継 手 と同 程 度 の板 厚 効 果 が生 じる。 108 参考文献 1) 社団法人 日本道路協会:道路橋示方書・同解説、丸善、2002.3. 2) 社団法人 鉄道総合技術研究所:SI 単位版 鉄道構造物等設計標準・同解説、丸善、 2002.12 3) 4) 5) 社団法人 日本鋼構造協会:鋼構造物の疲労設計指針・同解説、博報堂、1993.4 社団法人 日本道路協会:鋼道路橋の疲労設計指針、丸善、2002.7 内田 大介:公称応力範囲を用いた鋼 I 桁スカラップ溶接部の疲労強度評価方法、1997 鋼構造年次論文集 第 5 巻 6) International Institute of Welding:溶接構造の疲労設計 Fatigue design of welded joint and components、溶接学会溶接強度研究委員会訳、1999 7) 山田 健太郎:疲れ試験データベースの作成と疲労許容応力度の評価 昭和 62 年度 科学研究補助金(一般研究 C)研究成果報告書、1988.3 8) 三木 千壽:鋼構造、共立出版、2005.2 9) 社団法人 溶接学会:溶接工学の基礎 溶接学会編、丸善、1985.3 10) 楳木 正人:疲労試験データベースの構築とその利用、2006 年度法政大学工学部都市 環境デザイン工学科卒業論文、2007.2 11) 広野 忠敏&できるシリーズ編集部:できる Access2003&2002 WindowsXP 対応、 株式会社インプレスジャパン、2006.7 ∼ 付録 ∼ ID 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 文献 土木学会論文報告書 第200号 土木学会論文報告書 第322号 土木学会論文報告書 第325号 土木学会論文報告書 第337号 土木学会論文報告書 第338号 土木学会論文報告書 第340号 土木学会論文報告書 第341号 土木学会論文報告集 第362 土木学会論文報告書 No.380 土木学会論文報告書 No.380 土木学会論文集I 386巻 I-8号 土木学会論文集I 483巻 I-261号 土木学会論文集 No.489 土木学会論文集 No.489 著者 山田健太郎、神谷周浩、菊池洋一 三木、田島、旭、竹之内 三木、西野、平林、大賀 No Data No Data 近藤、山田、青木、菊池 山田、酒井、菊池 梶川、前田 三木、森、津田、阪本 西村、皆田 三木千寿、森 猛、坂本謙二、佐々木利視 三木 千壽、館石 和雄、石原 謙治、梶本 勝也 山田健太郎、森野真之、聖生守雄、安波博道 近藤 明雅 15 土木学会論文集I 501巻 I-29号 森 猛、貝沼重信 16 17 18 19 山田健太郎、岡戸直樹、田中寿志、近藤明雅 舘石 和雄 慶 甲秀、森 猛、三木千寿、橘剛志 南 邦明、三木千壽、館石和雄 土木学会論文集 549巻 土木学会論文集 No.543 土木学会論文集I 570巻 I-40号 土木学会論文集I 577巻 I-41 20 土木学会論文集 No.605 森猛、慶甲秀、三木千寿 21 土木学会論文集 No.612 I-46 町田 文孝、三木 千壽、吉岡 昭彦 22 土木学会論文集I 647巻 I-51号 穴見健吾、三木千寿、谷秀樹、山本晴人 23 土木学会論文集I 668巻 54号 24 土木学会論文集 No.675 I-55 三木 千寿,Fauzri FAHIMUDDIN,穴見 健吾 穴見、三木、山本、樋口 25 土木学会論文集I 682巻 I-56号 山田健太郎、金仁泰、伊藤健一 26 土木学会論文集 No.703 27 土木学会論文集 No.710 28 土木学会論文集I 717巻 I-61号 金 仁泰、新海英昌、山田健太郎、近藤明雅 三木 千壽,穴見 健吾,樋口 嘉剛 南 邦明、広瀬剛 29 土木学会論文集I 745巻 I-65号 平山繁幸、森猛 30 土木学会論文集 752巻 1-66号 三木千寿、西川和広、高橋実、町田文孝、穴見健吾 31 土木学会論文集 No.759 富永知徳、三木千壽、高橋健、糟谷正、森影康 32 土木学会論文集 766巻 1-68号 坂野昌弘、新井正樹 33 土木学会論文集 63巻1号 森 猛、平山 繁幸、鴫原 志保 34 土木学会論文集 63巻3号 35 土木学会論文集 63巻3号 中野 隆, 佐々木 裕, 山田 健太郎, 小塩 達也 近藤 明雅, 山田 健太郎, 小野 彰之 タイトル キャンバー加工された圧延H形鋼桁の疲労強度 Fatigue of Large-sized Longitudinal Butt Welds with Partial Penetration ブローホールを含む縦方向溶接継手の疲れ強さ 大気暴露された無塗装の耐候性鋼及び普通鋼溶接継手ノ疲れ強さ 耐候性鋼無舗装橋梁部材の疲れ強さ 鋼床版閉断面縦リブ現場溶接継手の疲労強度 ガセット溶接した引張り部材の疲れ強さとストップフォールの効果 組合せ荷重下におけるスタッド溶接フランジの疲労強度の評価 TIG DRESSING による疲労亀裂の補修 腐食環境下のガセット継手の表面性状と疲労強度 縦方向溶接継手のブローホールからの疲労亀裂進展解析 溶接構造部材のスカラップディティールの疲労強度 サンドイッチ制振鋼板溶接継手の疲労特性 10年間大気暴露した耐侯性鋼と普通鋼溶接継手の疲労挙動 荷重伝達型十字すみ肉溶接継手・ルート破壊の 疲労強度評価方法の提案 側方に静的荷重を受けたガセット継手の疲労強度 高張力鋼すみ肉溶接継手部の疲労強度の溶接材料依存性 高強度鋼溶接継手部の溶接材料軟質化による疲労強度向上の試み スカラップを有する厚板I型断面桁現場溶接継手部の疲労強度 十字すみ肉溶接継手の疲労強度と鋼材・溶接材料の 静的強度との関係 主桁ウェブ貫通型横桁取り合い部の疲労特性 ハンマーピーニング及びTIG処理による溶接継手部の 疲労強度向上法 内部溶接欠陥を含む突合せ溶接継手の疲労特性 高強度鋼溶接継手部の疲労強度と疲労強度向上法 作用応力に斜めな荷重非伝達型リブ十字すみ肉溶接継手 の疲労挙動 斜め連続未溶着部をもつ突合せ溶接継手の疲労挙動 低温相変態溶接棒を用いた付加溶接による疲労強度向上の試み スカラップを有するI型断面桁併用継手部の疲労強度 横桁フランジが交差する主桁ウェブ溶接部の疲労強度に対する 2軸荷重の影響 横突合せ溶接継手の疲労性能への内部欠陥の影響と 要求品質レベルの設定 低温変態溶接材料を用いた既設鋼橋の 疲労強度向上工法の研究 面外ガセット溶接継手の疲労強度に及ぼす板厚の影響 主桁ウェブに接合された横桁フランジ溶接部の疲労強度に 対する2軸応力の影響 鋼管を平板にすみ肉溶接した継手の疲労挙動 25年間大気暴露した耐候性鋼と普通鋼溶接継手の疲労強度 発表年月 1972.4 1982.6 1982.9 1983.9 1983.1 1983.12 1984.1 1985.1 1987.4 1987.4 1987.10 1994.1 1994.4 1994 1994.10 1996.10 1996 1997.7 1997.10 1998 1999.1 2000.4 2001.1 2001.4 2001.7 2002.4 2002 2002.10 2003.10 2004 2004.4 2004 2007.1 2007.10 2007.10 ID 文献 36 土木学会第42回年次学術講演会講演概要集 第1部 37 土木学会第42回年次学術講演会講演概要集 第1部 迫田、堀川、浜口、公江 川上、竹名、三木、浅川 38 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 45巻 森 猛 39 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 46巻 佐々木 靖雄,西川 和廣,村越 潤 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 山田 聡,稲葉 紀昭,保坂 鐵矢 田中 雅人,森 猛,吉本 秀一,木幡 嘉人,林 俊一 一宮 充,森 猛,貝沼 重信 橘 剛志,丸田 恭嗣,森 猛,三木 千壽 田中 寿志,山田 健太郎,近藤 明雅,勝本 浩次,木下 進 慶 甲秀,三木 千寿,舘石 和雄,町田 文孝 新井 正樹,坂野 昌弘,三上 市蔵 穴見 健吾,三木 千寿,山本 晴人 松尾 文彦,森 猛,田中 雅人 田中 雅人,森 猛 勝俣 盛、角 昌隆、桧作 正登、町田 文孝、三木 千壽 穴見 健吾,谷 秀樹,三木 千寿,杉本 一朗 長屋 五郎,保坂 鐵矢,酒井 吉永,山田 聡 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 48巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 48巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 49巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 49巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 49巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 49巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 49巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 53巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 50巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 51巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol51巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 52巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 53巻 著者 53 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 54巻 川本 恭朗,高松 大輔,貝沼 重信,山田 健太郎 54 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 55巻 金 仁泰,山田 健太郎,貝沼 重信 55 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(A) Vol: 55巻 穴見 健吾,三木 千壽 56 57 58 59 60 村中 昭典,皆田 理,重村 貞人 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(B) Vol: 56巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(B) Vol: 56巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部(B) Vol: 56巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 57巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 57巻 川上 善道,水ノ上 俊雄,太田 昭彦,柳沢 栄一 村中 昭典,皆田 理,舘野 秀史 古賀 北斗,坂下 清信,坂野 昌弘 61 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 57巻 平子 浩士,近藤 明雅 62 63 64 65 66 67 68 69 朴 宇龍,平林 雅也,三木 千壽 猪瀬 幸太郎,荒川 幸次,中西 保正 堀川 裕史,金 裕哲,上野 康雄 岡本 陽介,鈴木 博之,稲葉 尚文,冨田 芳男,小池 洋平 望月建志,平山繁幸,森 猛 中野 隆,佐々木 裕,山田 健太郎, 小塩 達也 小薗江 朋尭,山田 健太郎,小塩 達也,中野 隆,山田 聡,渡邉 直起 小川 彰弘,森 猛 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 59巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 59巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 60巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 60巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 60巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 61巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 61巻 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 61巻 70 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 62巻 内田 大介,森 猛,下島 良輔 タイトル 曲げ加工の疲労強度に及ぼす影響に関する実験的研究 大型試験体によるウェーブガセット溶接継手の疲労試験 ウェブガゼット溶接継手部に生じた疲労亀裂の ストップホールによる補修 8年間大気暴露した耐候性鋼溶接継手試験体の 疲労強度について 現場溶接継手の疲労強度の研究 塗装鋼板の溶接施工性とその疲労強度に関する検討(その3) 十字すみ肉溶接継手の疲労破壊起点の検討 溶接材料の軟質化による疲労強度の向上に関する実験的検討 二軸応力を受ける面内ガセット溶接継手の疲労挙動 溶接継手部の疲労強度の溶接材料依存性 付加板厚の小さい極厚面外ガセット継手の疲労強度 900MPa級高強度鋼を用いた溶接継手部の疲労強度向上法 溶接止端処理による疲労強度向上の検討 片面十字溶接継手の疲労強度に及ぼす開先深さの影響 厚板フランジ溶接部のスカラップの疲労強度 溶接継手部の疲労強度向上メカニズム 厚板の現場溶接継手の疲労試験 ルートギャップと溶接姿勢が荷重伝達型十字溶接継手の 疲労強度に及ぼす影響 斜めに不溶着部を有する突合せ溶接継手の疲労挙動 高強度鋼溶接継手部の疲労強度向上 特に低温層変態溶接棒による付加溶接 溶接継手の疲労強度に及ぼす表面改質の効果 現場突合せ溶接継手の疲労挙動 低変態温度溶接材料の疲労強度に及ぼす板厚効果に関する研究 溶接継手の疲労強度に及ぼす溶射皮膜の影響 フランジアタッチメント重ね溶接継手部の疲労挙動 変動振幅荷重を受ける面内ガセット溶接継手の 低応力範囲における疲労強度 溶接継手部の疲労強度に対する主応力方向の変動の影響 圧縮フランジ荷重伝達型十字継手ルートき裂に関する実験的研究 疲労試験による高経年鋼材溶接継手部の性能評価 プライマーを塗布された面外ガセット溶接継手の疲労試験 主応力の方向が変化する部材交差部の疲労強度評価 鋼管を平板に溶接した継手の疲労試験 鋼床版デッキプレートと垂直補剛材溶接部の疲労試験 フィレットを有する面外ガセット溶接継手の疲労強度 グラインダ仕上げの程度が面外ガセット溶接継手の 疲労強度に及ぼす影響 発表年月 1987 1987 1990.9 1991.9 1993.9 1993.9 1994.9 1994.9 1994.9 1994.9 1994.9 1998.10 1995.9 1996.9 1996 1997 1998.10 1999.9 2000.9 2000.9 2001 2001 2001 2002 2002 2002 2004 2004 2005 2005 2005 2006 2006 2005 2007 ID 文献 71 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 62巻 小川彰弘,森 猛,山田浩二 72 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 62巻 山田 健太郎,小塩 達也,鳥居 詳,佐々木 裕 73 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 63巻 宇佐美龍一、森猛 74 土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 63巻 75 鋼構造論文集 第4巻 第14号 76 鋼構造論文集 Vol.10 No.40 内田大介、森猛、荒川直樹 穴見 健吾 森猛 77 鋼構造論文集 Vol.11 No.42 森猛、猪股俊哉、平山繁幸 78 鋼構造論文集 Vol.11 No.44 内田大介、森猛 79 鋼構造論文集 Vol.12 No.45 平山繁幸、森猛、猪股俊哉 80 鋼構造論文集 Vol.13 No.51 森猛、藤平正一郎、射越潤一、藤木修 81 鋼構造論文集 Vol.14 No.55 富永 知徳、松岡 和巳、佐藤 嘉昭 82 鋼構造論文集 Vol.5 No.18 坂野昌弘、宝角正明、下良利成、三上市藏 83 鋼構造論文集 Vol.6 No.24 梅国章、増淵興一 84 鋼構造論文集 Vol.8 No.29 森 猛、内田大介 85 鋼構造論文集 Vol.9 No.33 森猛、西尾一徹、内田大介 86 87 88 89 90 91 92 93 中込忠男、岡田忠義、李 建、久保田一男 田中雅人、森 猛、入部孝夫、宮下竜一 森 猛、内田 大介 貝沼重信、高松大 森 猛、村上貴之、南 邦明 森 猛、平山繁幸、松尾文彦、田中雅人 森 猛、田端 治輝、伊藤 昭夫、森下 統一、阿部 充 森猛、猪股俊哉 鋼構造年次論文集 第2巻 鋼構造年次論文報告集 第3巻 鋼構造年次論文報告集 鋼構造年次論文報告集 第8巻 鋼構造年次論文報告集 第9巻 鋼構造年次論文報告集 第9巻 鋼構造年次論文報告集 鋼構造年次論文報告集 第11巻 著者 94 鋼構造年次論文報告集 第11巻 内田大介、森猛、西尾一 95 96 97 98 99 100 101 中村一史、諸井敬嘉、鈴木博之、前田研一、入部孝夫 鈴木博之、紫桃孝一郎、鈴木永之、岡本陽介 中嶋浩之、中村英紀、鈴木博之 飯田、浦谷、久利、山内、高野 山内、佐藤 寺崎、横島、堅田 三木、森、佐々木、竹名、阪本 鋼構造年次論文報告集 第12巻 鋼構造年次論文報告集 第12巻 鋼構造年次論文報告集 第14巻 溶接学会論文集 第3巻 第1号 溶接学会論文集 第3巻 第3号 溶接学会論文集 第3巻 第4号 日本溶接学会論文集 第4巻 第2号 102 溶接学会論文集 Vol.6 No.1 李 東郁、堀川 浩甫、荒田 吉明 103 溶接学会論文集 Vol.9 No.1 104 溶接学会論文集 Vol. 11 No.1 105 溶接学会論文集 Vol.14 No.3 西谷 弘信、田中 洋征、原田 豊満 太田 昭彦、前田 芳夫、鈴木 直之 太田 省三郎、石村 哲郎、田村 徹弥 タイトル 面外ガセット溶接継手の疲労強度に対する仕上げ方法の影響 板曲げにより面外ガセット継手に発生した疲労き裂の 補修・補強方法の検討 UIT を施した面外ガセット溶接継手の疲労強度に対する 施工時応力レベルと応力比の影響 止端仕上げした面外ガセット溶接継手のルート破壊防止法の検討 溶接継手部の疲労強度の寸法効果に関する研究 片面すみ肉溶接継手の疲労強度に対する溶接溶け込み深さの影響 グラインダ仕上げ方法が面外ガセット溶接継手の 疲労強度に及ぼす影響 手の疲労亀裂補修効果 面外ガセット溶接継手の疲労強度に対する グラインダ仕上げ方法の影響 十字継手の疲労強度に対する溶接部仕上げの効果 補修溶接を施した既設クレーンランウエイガーダーの 超音波衝撃処理による疲労寿命向上 主桁 - 横桁接合部ウェブガセット溶接継手の長期疲労強度 アンダーマッチングの490N/㎟級鋼材への適用に関する研究 (その1:TIG溶接適用の場合) ボルト締めストップホール法で補修した 面外ガセット溶接継手の疲労強度 ボルト締めストップホール法で補修した面内ガセット溶接継手の 疲労強度評価式の提案 十字継手接合部の疲労強度に関する実験的研究 片面すみ肉リブ十字継手の疲労強度 公称応力範囲を用いた鋼I桁スカラップ溶接部の疲労強度評価方法 圧縮繰返し応力下における十字すみ肉溶接継手の疲労挙動 溶接止端を金属溶射で被覆した面外ガセット継手の疲労強度 付加溶接による面外ガセット継手の疲労強度改善に関する検討 鋼I桁溶接スカラップ部の疲労強度向上法の検討 リブ十字継手のすみ肉溶接形状と疲労強度 板曲げを受ける疲労損傷面外ガセット溶接継手に対する ボルト締めストップホール法の補修効果 溶接継手に発生した疲労き裂のCFRP板による補修 GFRPを貼付されたリブ十字溶接継手の疲労試験 面外ガセット溶接継手の疲労強度向上に関する研究 SGV49鋼電子ビーム溶接継手の疲労強度特性 欠陥を有する裏当金付溶接継手の疲労強度に対する破壊力学的検討 電子ビーム溶接継手の疲労強度について 縦方向すみ肉溶接継手の疲労強度ー溶接棒継ぎの影響ー 裏当金を有する溶接継手の疲労強度に及ぼす ルート形状の影響の定量化 模擬突合せ溶接継手の余盛り形状と疲労強度との関係 溶接継手の基本疲労強度に及ぼす降伏強度の影響 止端部のウォータジェット処理によるすみ肉溶接継手の疲労強度向上 発表年月 2007 2007 2008 2007 1997 2003.12 2004.6 2004.12 2005.3 2006.9 2007.9 1998.6 1999.12 2001.3 2002.3 1994.11 1995.11 1997.11 2000.11 2001.11 2001.11 2002.11 2003.11 2003.11 2004.11 2004.11 2006.11 1985 1985 1985 1986 1988 1991 1993 1996.8 ID 106 107 108 109 110 文献 溶接学会論文集 Vol.15 No.1 溶接学会論文集 Vol.16 No.3 溶接学会論文集 Vol.8 No.2 溶接学会論文集 Vol.9 No.1 溶接学会論文集 Vol.19 No.1 112 溶接学会論文集 Vol.9 No.2 113 溶接学会論文集 第20巻 第2号 著者 太田 昭彦、前田 芳夫、鈴木 直之 小林 祐規、田中 義久、後藤 英信、松岡 一祥、本橋 嘉信 太田 省三郎、浅井 公屋、大谷 真一 松岡 一祥、高橋 一比古、吉井 徳治、藤井 英輔 高梨 正祐、飯田 国廣 太田 昭彦、渡辺 修、松岡 一祥、前田 芳夫、鈴木 直之、久保 高 宏 太田 省三郎、浅井 公屋、大谷 真一 毛利雅志、阪野賢治、荒川幸次、久保高宏、森影康 114 溶接学会論文集 Vol. 21 鈴木 直之, 太田 昭彦, 前田 芳夫 115 溶接学会論文集 Vol. 21 No.1 金 裕哲, 奥 健太郎, 梅國 章, 堀川 浩甫 116 溶接学会論文集 Vol. 21 No.4 南 邦明, 森 猛, 堀川 秀信 117 溶接学会論文集 Vol. 21 No.4 太田 昭彦, 前田 芳夫, 鈴木 直之 118 溶接学会論文集 Vol. 22 No.2 森 猛, 南 邦明, 堀川 秀信 119 溶接学会論文集 Vol. 22 N0.4 森 猛, 南 邦明, 堀川 秀信 120 121 122 123 124 125 平山 繁幸, 森 猛 菊田、荒木、米田、榎本 吉次 信男、足立 一雄、西田 新一、浦島 親行 太田 省三郎、松岡 一祥、鈴木 直之、前田 芳夫 太田 省三郎、石塚 桂太 前田 芳夫、鈴木 直之、太田 昭彦 111 溶接学会論文集 Vol.19 No.2 溶接学会論文集 Vol. 25 No.2 日本溶接学会論文集 第4巻 第4号 溶接学会全国大会講演概要 No43 溶接学会全国大会講演概要 No.52 溶接学会全国大会講演概要 No.55 溶接学会全国大会講演概要 No.61 126 溶接学会全国大会講演概要 No.63 太田 昭彦、前田 芳夫、鈴木 直之 127 溶接学会全国大会講演概要 No.67 128 溶接学会全国大会講演概要 No.67 129 溶接学会全国大会講演概要 No.68 松岡 一祥、高橋 一比古、植松 進、牛嶋 通雄 鈴木 直之、太田 昭彦、前田 芳夫 森影 康、久保 高宏、安田 功一、天野 虔一、平岡 和雄、太田 昭 彦、志賀 千晃 130 溶接学会全国大会講演概要 No.68 太田 昭彦、前田 芳夫、鈴木 直之 131 溶接学会全国大会講演概要 No.69 前田 芳夫、太田 昭彦、前田 芳夫、鈴木 直之 大西 弘志、松井 繁之、野中 晴夫、坂野 雅則、西川 和一、豊岡 恒夫 132 溶接学会全国大会講演概要 No.69 133 溶接学会全国大会講演概要 No.69 134 溶接学会全国大会講演概要 No.70 135 溶接学会全国大会講演概要 No.71 136 溶接学会全国大会講演概要 Vol. 2005s 137 溶接学会全国大会講演概要 Vol. 2005f 138 溶接学会全国大会講演概要 Vol. 2006f 139 溶接学会全国大会講演概要 Vol. 2006f 140 溶接学会全国大会講演概要 Vol. 2007s タイトル 横突合せ溶接継手のランダム荷重疲労特性 造船用鋼突合せ溶接継手の人工海水中疲労強度 すみ肉溶接継手の止端部のTIGアーク再溶解による疲労強度の向上 荷重非伝達すみ肉溶接継手の疲労強度に及ぼす残留応力の影響 両振りおよび片振り疲労荷重による溶接残留応力の緩和 低変態温度溶接材料を用いた角回溶接継手の疲労強度向上 −溶接後熱処理による3倍化− 止端処理に起因する荷重非伝達十字すみ肉溶接継手のルート破壊 低変態温度溶接材による荷重非伝達型十字継手の疲労強度改善 低変態温度溶接材料を用いた角回し溶接継手の 補修による疲労強度向上 圧延H形鋼フラッシュ溶接継手の機械的性質 溶融亜鉛めっきを施した溶接部の応力性状と 小型試験体による疲労試験 σmax=σy試験法によるSM570Q鋼荷重非伝達 十字すみ肉 溶接継手の疲労強度特性 溶融亜鉛めっきを施した部材の疲労強度に及ぼす めっき施工条件と鋼材の影響 溶融アルミニウムめっきを施した 面外ガセット溶接継手の疲労強度 試験体形状の異なる十字溶接継手の疲労強度に関する検討 ミクロ割れを有する高張力鋼溶接金属の疲労特性に関する研究 鉄塔用ガセット溶接継手の疲労強度(第1報) σmax=σy試験による荷重非伝達すみ肉継手の疲労強度 すみ肉溶接継手の疲労挙動に及ぼす溶接欠陥の影響 溶接継手の疲労強度に及ぼす板厚の効果 低変態温度溶接材料を用いた角回溶接継手の 補修による疲労強度向上 角回し溶接継手の疲労挙動に及ぼす平均応力変動の影響 低変態温度溶接材料による超細粒鋼T字すみ肉継手の疲労強度向上 低変態温度溶接材料を用いた溶接継手の疲労強度に 及ぼす鋼板強度の影響 低変態温度溶接材料によるレ型溶接縦継手の疲労強度向上 -サブマージアーク溶接の場合σmax=σy試験法に夜リブ十字溶接継手の長寿命疲労特性 スタッド溶接を応用した鉄筋溶接継手の疲労強度 面外ガセット溶接継ぎ手の疲労強度に対する 溶融亜鉛めっき条件の影響 HT590鋼材を用いた溶接継手の疲労特性 堀江 竜巳、中野 善文 低変態温度溶接継手を用いた横突合せ溶接継手の疲労強度向上 鈴木 直之、太田 昭彦、前田 芳夫 -第2報、HT780鋼の場合有持 和茂, 誉田 登, 松川 靖, 磯田 厚志, 近藤 伸介, 二村 大輔, 松本 健 耐疲労鋼適用による溶接継手の疲労強度改善 その1 低変態温度溶接材料を用いた付加溶接の施工条件の 藤田 敏明, 湯田 誠, 町田 文孝, 森影 康, 久保 高宏, 安田 功一 違いによる疲労強度への影響 レーザピーニングされた隅肉溶接部の疲労強度 崎野 良比呂, 佐野 雄二, 金 裕哲 低変態温度溶接材料による多層溶接継手の溶接変形低減に関する検討 中島 康雅, 公門 泰博 溶融亜鉛めっき溶接継手の疲労強度 長谷川 正義, 鈴木 浩昭, *三浦 健 堀川 秀信、森 猛、南 邦明、小笠原 照夫、横江 昇 発表年月 1997 1998 1990 1991 2001 2001 1991 2002 2003 2003 2003 2003 2004 2004 2007 1986 1988.9 1993.4 1994.10 1997.9 1998.10 2000.9 2000.9 2001.4 2001.4 2001.10 2001.10 2001.10 2002.4 2002.10 2005 2005 2006 2006 2007.3 ID 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 文献 溶接学会誌 第30巻 第6号 溶接学会誌 第32巻 第8号 構造工学論文集 Vol.32A 構造工学論文集 Vol.32A 構造工学論文集 Vol.33A 構造工学論文集 Vol.33A 構造工学論文集 Vol.33A 構造工学論文集 Vol.33A 構造工学論文集 Vol.35A-1 構造工学論文集 Vol.36A-1 構造工学論文集 Vol.36A-3 構造工学論文集 Vol.39A-3 構造工学論文集 Vol.38A-3 構造工学論文集 Vol.40A-3 構造工学論文集Vol40A (土木学会年次学術講演会講演概要集第1部 Vol: 48巻) 構造工学論文集 Vol.44A-3 構造工学論文集 Vol.47A-3 構造工学論文集 Vol.49A -2 構造工学論文集 Vol.43A-3 構造工学論文集 Vol.47A-3 日本溶接学会論文集 第4巻 第4号 日本造船学会論文集 第148号 日本造船学会論文集 第150号 日本溶接学会論文集 第4巻 第2号 日本造船学会論文集 No.169 日本造船学会論文集 No.169 著者 多田美朝、立花一郎、寺尾貞一 岡田 実、森脇良一 後藤、長谷川、柴山、松浦 三木、森、阪本、佐々木 下川、竹名、伊藤、三木 三木 千寿,森 猛,阪本 謙二,柏木 洋之 酒井、松井、山田、近藤 下川 浩資,竹名 興英,伊藤 文夫,三木 千寿 三木 千壽,坂野 昌弘,豊田 幸宏 坂野 昌弘,新井 弘,西村 俊夫 三木 千寿,范 恒達,田中 雅人 森 猛,貝沼 重信,三木 千寿 山田 健太郎,近藤 明雅,小林 且典,宮本 伸治,荒木 準一 坂野 昌弘、三上 市蔵、新井 正樹、米本 栄一、高垣 奈津子 林 俊一,森 猛,吉本 秀一,三木 千寿(田中 雅人,木幡 嘉人) 山田 健太郎,貝沼 重信,鈴木 幹紹,近藤 明雅 山田 健太郎,加藤 秀一郎,岡部 篤紀,金 仁泰, 貝沼 重信,細見 直史,金 仁泰,伊藤 義人,柿木 信浩 近藤 明雅,山田 健太郎 山田 健太郎,加藤 秀一郎,岡部 篤紀,金 仁泰, 太田、浅井、大谷。石村 永井、岩田、康、新井 永井、岩本、藤本、康 三木、森、佐々木、竹名、阪本 川野 始、三木 千尋、江原 隆一郎 八木 順吉、町田 進、冨田 康光、的場 正明、征矢 勇夫 167 日本造船学会論文集 No.170 小野塚 正一、後川 理、熊倉 靖、辻 勇 168 日本造船学会論文集 No.171 169 日本造船学会論文集 (通号 176) 飯野 暢、後川 理、根本 勲、笹島 洋、中島 喜之 湯浅 通史、渡辺 富雄 170 日本造船学会論文集 第179号 仁瓶寛太、稲村文秀、公江茂樹 171 日本造船学会論文集 第184号 172 日本造船学会論文集 No.188 高橋、高田、秋山、牛島、前中 太田 昭彦、前田 芳夫、NGUYEN N. T.、鈴木 直之、志賀 千晃 173 日本機会学会論文集 51巻 462号 西谷、田中、藤崎 174 金属材料技術研究所疲れデータシート No.5 175 金属材料技術研究所疲れデータシート No.11 科学技術庁 金属材料研究所 科学技術庁 金属材料研究所 タイトル 発表年月 溶接継手のアンダーカットの深さの疲労強度に及ぼす影響 1961 ガス切断が高張力鋼(50kg/mm2級)の疲れ強さに及ぼす影響について 1963.8 塑性履歴を受けた鋼切欠亀裂及び2.3の溶接継手の疲労強度 1986.3 縦方向溶接部のルートブローホールからの疲労亀裂進展解析 1986.3 リブ十字すみ肉溶接継手の疲労強度に及ぼす平均応力の影響 1987.3 前面すみ肉溶接継手の疲労強度に対する継手寸法の影響 1987.3 亀裂の突合せ溶接補修とその疲れ挙動 1987.3 800MPa級鋼材の大型ガセット継手の疲労強度 1987.3 隅肉溶接止端からの疲労亀裂の発生と初期進展挙動 1989.3 すみ肉溶接継手の腐食疲労亀裂発生・進展挙動 1990.3 隅肉溶接部の疲労強度とルート部の欠陥について 1990.3 荷重伝達型十字すみ肉溶接継手ルート破壊の疲労強度解析 1993.3 鋼管柱基部の疲労強度 1992.3 面外ガセット溶接継手の板厚効果に関する疲労実験 1994.3 塗装鋼板のすみ肉溶接施工試験および十字継手の引張強度と疲労強度 1994.3(199 (塗装鋼板の溶接施工性とその疲労強度に関する検討(その2)) 3.9) 主板方向に静的荷重を受けるガセット溶接継手の疲労強度 1998.3 作用応力に斜めに溶接された面外がセット継手の疲労試験 2001 面外ガセット溶接継手の腐食特性と疲労挙動に関する基礎的研究 2003.3 変動荷重によるリブ十字溶接継手の長寿命疲労試験 1997 作用応力に斜めに溶接された面外がセット継手の疲労試験 2001 影響 1986 軟鋼十時すみ肉溶接継手の片振り引張り疲労強度について 1980.11 軟鋼十字すみ肉溶接継手の片振り引張り疲労強度の一改善法について 1981 縦方向すみ肉溶接継手の疲労強度ー溶接棒継ぎの影響ー 1986 溶接まま継手の疲労強度に及ぼす板厚効果とその影響因子 1991.6 溶接継手の疲労強度に関する板厚効果評価基準の検討 1991.6 溶接止端部形状が疲労強度に及ぼす影響(第1報) ビード止端の応力集中と疲労寿命 1991.12 50キロ級高張力鋼溶接継手疲労強度評価法の一考察 1992.6 腐食した溶接継手の疲労強度について〔含 討論〕 1994.12 −板厚と溶接脚長の組み合わせに関するホットスポット応力算出法につ いて− 1996.6 2軸繰り返し荷重における角回し溶接継手の疲労挙動 1998.12 低変態温度溶接材料による溶接継手の疲労強度向上 2000.12 高張力鋼溶接継手の疲労強度とティグ処理による その改善(亀裂停留現象に基く検討) 1985 溶接構造用圧延鋼SM50B突合せ溶接継手の疲れ特性データシート 1978 溶接構造用圧延鋼SM58Q突合せ溶接継手の疲れ特性データシート 1979 ID 文献 著者 176 金属材料技術研究所疲れデータシート No.12 科学技術庁 金属材料研究所 177 金属材料技術研究所疲れデータシート No.13 科学技術庁 金属材料技術研究所 178 金属材料技術研究所疲れデータシート No.19 科学技術庁 金属材料研究所 179 金属材料技術研究所疲れデータシート No.18 科学技術庁 金属材料技術研究所 180 金属材料技術研究所疲れデータシート No.20 科学技術庁 金属材料技術研究所 181 金属材料技術研究所疲れデータシート No.27 科学技術庁 金属材料研究所 182 金属材料技術研究所疲れデータシート No.34 科学技術庁 金属材料研究所 183 金属材料技術研究所疲れデータシート No.40 科学技術庁 金属材料研究所 184 金属材料技術研究所疲れデータシート No.75 科学技術庁 金属材料研究所 185 金属材料技術研究所疲れデータシート No.79 科学技術庁 金属材料研究所 186 物質・材料研究機構疲労データシート No.96 独立行政法人 物質・材料研究機構 187 物質・材料研究機構疲労データシート No.99 独立行政法人 物質・材料研究機構 188 物質・材料研究機構疲労データシート No.108 物質・材料研究機構 189 190 191 192 JSSCデータシート JSSC Vol.20 No.221 HONSHIデータシート NRIMデータシート 日本鋼構造協会、技術委員会、耐久性分科会、疲労小委員会 193 第202会研究部会 社団法人 日本造船研究協会 194 195 196 197 198 199 200 201 202 社団法人 日本造船研究協会 稲葉、阪本 国広哲夫、藤原稔、武田亘弘 吉次、足立、西田、浦島 西村、三木 三木 竹名、岸本、伊藤 安藤見、永井明、豊貞雅宏、白木良典、小野春美 太田、工藤、江口 第202会研究部会 構造物設計資料 No.49 土木技術資料 16−2 FS委員会資料 FS-706-86 東工大土木工学科研究報告 No.22 東工大土木工学科研究報告 No.31 本四技報 日立造船技報 第36巻 第1号 鉄道技術研究所連報No.76-43 203 橋梁と基礎 84-1 西野、佐藤、長谷川 204 溶接学会誌 第30巻 第6号 205 季刊カラム NO.100 抜刷 多田美朝、立花一郎、寺尾貞一 志村、宇野 206 堀川 秀信 207 法政大学卒業論文 荒川直樹 タイトル 溶接構造用800N/mm2級高張力鋼 突合せ溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM50B リブ十字すみ肉溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用800N/mm2級高張力 突合せ溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM50B十字溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM50B リブ十字すみ肉溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM50B突合せ溶接継手の疲れ特性データシート ボイラー及び圧力容器用炭素鋼板SB42 突合せ溶接継手の疲れ特性データシート 圧力容器用鋼板SPV50突合せ溶接継手の疲れ特性データシート ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼 SCMV2-2NT突合せ溶接継手の中温疲労特性データシート ボイラ及び圧力容器用炭素鋼SB450 突合せ溶接継手の中温疲労特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM490B 荷重非伝達すみ肉溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM490B 荷重非伝達すみ肉溶接継手の疲れ特性データシート 溶接構造用圧延鋼SM490B荷重非伝達すみ肉溶接継手の 疲労特性データシート-板厚の効果(その3、)- 2009 研削条件の疲労強度に及ぼす影響 1984.3 海洋構造物の疲労設計法および溶接部の品質に 関する研究 データ集(Ⅰ) 海洋構造物の疲労設計法および溶接部の品質に関する研究 SM58およびステンレス鋼の疲労特性 鋼床版隅肉溶接部の疲労試験結果 鉄塔用ガセット継手(HT60)の疲労特性 80キロ鋼縦ビート溶接部の疲れ強さ 高張力鋼を用いた鋼橋の疲労強度設計 リブ十字継手の疲労許容応力 9%Ni鋼溶接継手の破壊じん性について リブ十字形前面隅肉溶接継手の疲れ強さ(その2) 許容応力度法の内容と問題点(下) −限界状態設計法および安全性照査の観点から見てー 溶接継手のアンダーカットの深さの疲労強度に及ぼす影響 新日本製鉄におけるクレーンランウェイガーターの疲労破損対策技術 溶融亜鉛・アルミニウムめっきを施した 面外ガセット溶接継手の疲労強度 面外ガセットすみ肉溶接継手のルート疲労破壊の防止に関する検討 発表年月 1979 1979 1980 1980 1980 1981 1983 1984 1993 1994 2004 2006 1991.3 1989.3 1977.3 1974 1986 1978.1 1983.8 1981.4 1975.3 1976.3 1984.1 1961.6 1987 2001 2007