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II 事業の基本理念、III 導入施設 (PDFファイル/5.27メガバイト)

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II 事業の基本理念、III 導入施設 (PDFファイル/5.27メガバイト)
序
計画の概要
Ⅰ
計画条件の
整理
Ⅱ
計画条件の整理
事業の基本
理念
Ⅰ
Ⅲ
導入施設
Ⅳ
配置方針
Ⅴ
計画地の概要 --------------------------------------------------- 3
2
計画条件のまとめ ----------------------------------------------- 4
公共施設
基本計画
1
Ⅵ
管理運営
計画
Ⅶ
今後の課題
Ⅰ
計画条件の整理
1 計画地の概要
敷地は道路によって4箇所に分かれている。このうち事務棟跡地(図の①)と本館跡地(図
の②)については、間にある市道(図の⑦)を廃止することで一体化される予定である。
また、事務棟及び本館跡地に隣接する民地(図の⑤⑥)は市が買収する予定である。本館跡
地とセンターモール棟(図の③)は歩行者用ブリッジで接続されている。
都市計画における用途地域は商業地域であり、容積率 500%、建ぺい率 80%である。
⑥
⑤
⑦
①
a
②
④
c
d
③
都市計画規制
・用途地域:商業地域 準防火地域
b
・容積率 500%
・建ぺい率 80%
①
②
③
④
⑤⑥
⑦
現況
事務棟
本館
センターモール
立体駐車場
店舗等
市道
合計
土地(㎡)
873.87
3,111.62
5,295.82
1,678.75
747.92
334.53
12,042.51
建物床(㎡)
2,407.10
21,030.25
9,393.01
5,906.71
所有
ハートシティ都城
ハートシティ都城
ハートシティ都城
ハートシティ都城
個人(4名)
市
活用方針
撤去
撤去
改修利用
改修利用
土地買収予定
廃止予定
38,737.07
※土地・建物面積は共に公簿上の面積であり、実測及び建築基準法上の面積と異なる場合がある
a
b
3
c
d
Ⅰ 計画条件の整理
2 計画条件のまとめ
計画地の概要を含め、基本計画検討にあたり必要となる市全体の概況や中心市街地の現況、
関連既往計画の内容等について、下記のとおり整理した。
都城市の概況
地理的状況
・周辺を山に囲まれた盆地状の地形
人口
・166,150 人(平成 27 年 3 月 1 日)
産業
・全国有数の食料供給拠点都市
交通
・南九州の道路交通網の結節点
都市構造
・国道 10 号が都市活動の主軸
商業等分布
・国道沿いに大型店が集積
※宮崎市に次いで県内2位
県内における商工業の拠点
中心市街地の現況
来訪者数
・歩行者通行量が激減
商店街の現状
・計画地周辺は主に衣類・身の回り品を扱う店舗が多い
・空き店舗が国道沿いを中心に数多く存在
施設分布
・公共公益施設、医療施設が中心市街地に集積
地価推移
・一貫して下落
関連計画
総合計画
・「市民の願いがかなう南九州のリーディングシティ」
都市マスター
・「としゅとらん都市~豊かな霧の都に集まる未来」
プラン
まちなか活性
・市民主導の多様な機能集積によるまちなか賑わいづくり
化プラン
シビックコア
地区整備計画
既往の中心市
街地活性化策
・広域交流拠点と市民活動の舞台づくり(官公庁施設と民間施設との連携
によるまちの賑わい創出)
・中央東部土地区画整理事業、総合文化ホール、オーバルパティオ、ウエ
ルネス交流プラザ等を整備。活性化への効果は限定的
計画地の概要
敷地周辺土地
利用
敷地内の状況
・周辺にCプラザ(複合商業施設)、ウエルネス交流プラザ、公園、緑道等
が存在。これらとの連携を考慮する必要
・本館・事務棟跡地、センターモール棟、立体駐車場の3区画に分かれる
・全体面積約 12,000 ㎡
・センターモール棟、立体駐車場は改修により利用の予定
4
序
計画の概要
Ⅰ
計画条件の
整理
Ⅱ
事業の基本理念
事業の基本
理念
Ⅱ
Ⅲ
導入施設
Ⅳ
配置方針
Ⅴ
中心市街地活性化の方向性 --------------------------------------- 5
2
基本理念 ------------------------------------------------------- 8
公共施設
基本計画
1
Ⅵ
管理運営
計画
Ⅶ
今後の課題
Ⅱ
事業の基本理念
1 中心市街地活性化の方向性
(1)中心市街地衰退の要因
モータリゼーションの進展に伴い、大型商業施設や住宅の郊外化などが進む一方、中心市街
地では相次ぐ大型商業施設が閉店するなど、中心市街地を取り巻く環境は大きく変化してき
た。加えて、営業を続ける店舗においても客のニーズに十分応えられていない、賃料が高止
まりしたままになっている等の問題を抱えている。
これらの要因が重なることで中心市街地を訪れ、歩いて楽しむ人が減少し、まちなかに活気
が感じられなくなり、それによってさらに客足が遠のくといった悪循環に陥り衰退に歯止め
がかからない状態が続いている。
歩いている人がいない
まちなかに活気が感じられない
魅力がない
住む人の減少
原因と結果が
絡み合い
店がニーズに応えられない
小売店へのニーズの変化
駐車場不足
悪循環に
店が減少
賃料の高止まり
環境の変化
大型商業施設の郊外立地
住宅の郊外化
モータリゼーション
(2)中心市街地(まちなか)のありかた
人口の減少・高齢化の進展といった全国的な潮流の中、都城市が
「南九州のリーディングシ
ティ」として発展していく上では、その中心核となるまちなかの活性化が不可欠である。
まちなかの活性化を実現するには、現在ある中心市街地の特性を生かしつつ、生活利便性の
向上やアクセスの確保を図るとともに、独自の歴史や文化、特産品等を生かした他地域との
交流、知識や経験の継承につながる多世代交流などの促進、祭りなどのコミュニティ活動を
通じた市民相互の絆の醸成などを図っていく必要がある。
こうした取組を通じて、対外的に都城を印象づけ、市民も誇りに感じるシンボル的な空間を
中心市街地に再構築していくことが重要だと考えられる。
[活性化に向けた都城市中心市街地に必要な取組]
● 生活利便性の向上
● アクセス性の確保
● 交流の促進
● 絆の醸成
● シンボル的な空間の再構築
5
Ⅱ 事業の基本理念
(3)悪循環に歯止めをかける方策
中心市街地衰退の要因及び中心市街地(まちなか)のありかたを踏まえつつ、悪循環に歯止
めをかけ活力を取り戻すための具体的方策を検討する。
現在、中心市街地には年間 150 万人近くが訪れていると推定されている。実際、都城市総合
文化ホールや都城市総合社会福祉センターなどの公共施設の駐車場は日常的にほぼ満車に近
い状況が見られ、来訪者の多さがうかがえる。
一方で、旧都城大丸前の歩行者通行量は一日わずか 300 人前後であり、まちなかを歩く人は
非常に少ない。
こうした状況を鑑みると、中心市街地にある程度人は訪れているが、大半は車で来て、目的
とする施設のみで用事を済ませ、後はそのまま帰るという行動が一般化していると想定され
る。これらの人々をまちなかに誘い出すことで、まちなか全体に活気を取り戻すことも可能
と思われる。
中心市街地を訪れた人が、目的とする施設以外の場所に立ち寄らない理由としては、施設や
店が中心市街地の中で分散していることや、どこに何があるかわからないこと、さらには歩
く気になるような快適な場所がないことなどが考えられる。
悪循環に歯止めをかける方策を平成25年度に市の補助を受けて都城商工会議所が実施し
た「中心市街地状況調査分析事業」の報告書に明記されている将来の方向性を軸に考察する
と以下のようになる。
「将来の方向性」から導かれる、
将来の方向性
●中心市街地内外からの誘因性確保
●人の流れを作り出す
●周辺商店街と集客施設のシナジー効果の再生
↓
人の再循環
悪循環に歯止めをかける方策
①中心市街地内外からの誘因性確保
まちなかに来たついでに寄りたくなる
場所(たまり場)を作ることで、まちな
かからたまり場へ、たまり場からまち
なかへという人の流れを生み出す。
②人の流れを作り出す
歩きやすくて楽しい雰囲気・環境をつく
るとともに、駐車場の配置などを工夫す
ることで、歩きたくなるまちなかへの転
換を図る。さらに、公共交通の利便性を
向上させることで、自家用車を主たる移
動手段とする市民の行動スタイルの変
化を促す。
③周辺商店街と集客施設の
シナジー効果の再生
点在する施設や店の魅力を高めること
で行きたくなる場所を増やし、歩きなが
らそれらの場所を回遊するようなまち
なかへの転換を図る。
出典:「中心市街地状況調査分析事業」報告書
6
Ⅱ 事業の基本理念
現状:人は来ているのにまちなかを歩かない
・車で単目的のために施設へ来て、そのまま帰る
▼ 中心市街地への年間来訪人数(平成 23 年)
都城郵便局
255,443
ウエルネス交流プラザ
121,077
金融機関
245,568
医療機関
212,447
都城合同庁舎
398,499
攝護寺
232,500
・施設や店が中心市街地の中で分散している
・どこに何があるかわからない、情報がない
・歩きたくなる雰囲気がない、居場所がない
車道
公共施設
中心拠点区域内入込数
1,465,534
駐車場
▼ 都城大丸前歩行者通行量(平成 25 年)
平日
353 人
休日
261 人
▲ ほぼ満車の公共施設駐車場
左:都城市総合文化ホール
右:都城市総合社会福祉センター
・歩いて楽しい環境づくり
・駐車場利用システムの工夫
・公共交通利便性の向上
方策:来ている人をまちなかに誘い出す
①“たまり場”をつくる
まちなかの“たまり場”
・まちなかに来たついでに寄りたくなる場所を作る
・まちなかからたまり場へ、たまり場からまちなかへと人を誘い出す
②歩きたくなるまちなかをつくる
・歩きやすくて楽しい環境をつくる
・駐車場の配置などを工夫する
・公共交通の利便性向上を図る
③点在する施設や店の魅力を高める
施設・店舗の
・行きたくなる場所を増やす
魅力向上
まちなかのたまり場*
歩きたくなるまちなか*
魅力的な施設や店*
*出典:都市環境デザインのすすめ 中野恒明
7
Ⅱ 事業の基本理念
2 基本理念
(1)事業の目標
都城市における中心市街地全体の活性化の方向性を踏まえ、本事業の対象地である大規模商
業施設跡地においては「①“たまり場”をつくる」ことを主眼に、中核施設整備支援事業の
目標を以下のように設定する。
誰もがまちの中心に気軽に立ち寄り
新しい絆を結ぶ“たまり場”
(=市民の居場所)を創る!
○“タクナル”
⇒ 何かをしたくなる、何かができる居心地のよい空間をつくり
○“モテナシ”
⇒ 「いっが」「くっが」(行きたい)と思えるサービスを提供し
○“エン”“キズナ”
⇒ そして・・・誰もが集い、人とひと、人とまち、まちとまちを結び、つなげる
(2)「たまり場」の成立条件
事業地に隣接するウエルネス交流プラザには毎年 10 万人以上の来館者があるが、目的を持
って訪れる人が多く、他の施設を訪れた人がついでに立ち寄るような“たまり場”としての
役割を果たしきれていない。その理由としては、施設の性質上、来館者の目的性が強いこと
以外に、施設の認知度が十分でないこと、賑わっていることが外からは分からないことなど
が考えられる。
こうした点から、「たまり場」が成立するためには、以下の各条件が有機的に結びつき機能
することが必要と考えられる。
8
Ⅱ
事業の基本理念
本プロジェクトの基本理念導出のプロセスを以下に示す。
計画条件
中心市街地(まちなか)のありかた
※既存の大型施設(ウエルネス交流プラザ、総合
【中心市街地を取り巻く環境】
○都城のシンボル:都城を印象づけ、市民の誇りになるまちなか
文化ホール等)の課題
○交流機会・絆の増大:市民が支えあい、文化をはぐくむまちなか
⇒なぜ今までの施設は“たまり場”になっていないのか?
○時代の潮流
・人口減少・高齢化 → コンパクトなまちづくりへ
○都城市の特性
・豊かな自然環境 食料供給拠点都市
○中心市街地の状況
・歩行者通行量の著しい減少
・公共施設・医療施設の集積
○生活利便性の確保:歩いて暮らせるまちなか
○市街地の維持コスト抑制:健全な都市経営ができるまちなか
中心市街地を元気にする仮説
人は来ているのにまちなかを歩かない
【上位計画】
来ている人をまちなかに誘い出す
○都城市総合計画
○目的性が強くなりがち
・単機能の施設がバラバラに存在
・目的のある人しか行かない、用事がないと訪れない
○閉鎖的に感じる
・施設・駐車場から外に人が出ていかない
・ついでにまちなかを歩いてみようと思わせるつくり
になっていない
○賑わいが見えにくい
・賑わっていることが外からはわからない
・「出会い」
「ふれあう」たまり場をつくる
・市民の願いがかなう南九州のリーディングシティ
・市民が主役のまち ゆたかな心が育つまち
緑あふれるまち 活力あるまち
・歩きたくなるまちなかをつくる
・点在する施設や店の魅力を高める
○都市計画マスタープラン
“たまり場”の成立条件
①居心地
・としゅとらん都市 豊かな霧の都に集まる未来
・定住魅力・交流魅力向上の推進
○都城市まちなか活性化プラン
・市民主導の多様な機能連携によるまちなか賑わいづくり
・市民が主役でいきいきと活動・交流するまち
・気安く利用できる
事業の目標
誰もがまちの中心に気軽に立ち寄り
新しい絆を結ぶ
“たまり場”
(=市民の居場所)を創る!
・ゆったり過ごせる
②開放性
・ついでに立ち寄れる
③相互利用
○“タクナル”
・導入施設間相互の利用が期待できる
・まちなかの商業施設・医療施設等と
の相互利用が期待できる
・都城らしさ(個性)のアピール
○“モテナシ”
・様々な分野での人材育成
・多様化する市民生活に即した(市民優先の)場の設定
・新たな感性による文化施設・商業施設などの整備
・ユニバーサルデザインによる施設整備
本に囲まれたカフェ
(武雄市図書館)
・賑わいが外からも見える
⇒ 何かをしたくなる、何かができる居心地のよい空間をつくり
【市民意見(前年度調査等)
】
・誰に対しても開かれている
・用事がなくても入れる
・多様な連携や協働を軸に相乗効果を生み出すまち
・地域の特色(都城らしさ)
、まちなかの資源を活用したまち
・居心地がよい
④交流促進
⇒ 「いっが」「くっが」(行きたい)と思えるサービスを提供し
・市民が主役となって活動できる
⑤アピール力 ・都城らしさをアピールできる
○“エン”
“キズナ”
・都城のシンボルとなる
⇒ そして・・・誰もが集い、人とひと、人とまち、まちとまちを結び、つなげる
リビングルームのような図書室
(まちとしょテラソ)
農産物を直売するマルシェ
(イタリア・パドヴァ)
親子が参加するイベント
(ふれあいこども館)
設計:NASCA 写真:淺川
9
・人々の出会いを促す
・ここにしかない魅力を備えている
街かどのオープンカフェ
(グランフロント大阪)
広場のイベント
(富山グランドプラザ)
序
計画の概要
Ⅰ
計画条件の
整理
Ⅱ
導入施設
事業の基本
理念
Ⅲ
Ⅲ
導入施設
Ⅳ
配置方針
Ⅴ
2
既存公共施設の移転 --------------------------------------------- 12
3
新規公共施設の整備 --------------------------------------------- 13
4
民間施設の導入 ------------------------------------------------- 14
5
駐車場等附帯施設 ----------------------------------------------- 17
6
導入施設の設定 ------------------------------------------------- 18
Ⅵ
市民ニーズの整理 ----------------------------------------------- 10
公共施設
基本計画
1
管理運営
計画
Ⅶ
今後の課題
Ⅲ
導入施設
1 市民ニーズの整理
導入施設を検討するにあたって、これまで出された主な市民意見を以下に整理した。
①「都城市都市リノベーション事業基本計画策定に関する基礎調査業務委託 報告書」
(平
成 26 年 3 月)におけるアンケート調査結果
②「中心市街地状況調査分析事業 報告書」
(平成 26 年 2 月)におけるワークショップで
の意見
項
目
まちづくり像
全体の空間・
場所・施設
図書館・文化施設
子育て環境・
子どものための
環境
商業、誘客
都市インフラ
要
望 ・ 提 案 等
・時間消費型のまちづくりへ
・都城らしさ・・・
「食」も大きなキーワード
・多世代が集えるまちづくり
・文化=方言 みやこんじょ弁が飛び交う場所づくり
・ウエルネス交流プラザ、大丸跡地だけでなく、周辺施設と協働した事業
・まちで遊ぶという仕掛けが必要
・画一的なまちはつまらない。はじけた部分があってもよい
・様々な体験(仕事・文化等)を通じて、地域及び親の仕事のことを知る機会が得られる場所を
まちなかへ(キッザニア等)
・様々な体験施設(介護、ボンパク、異世代交流、自然、農業)
・医療連携が必要ではないか
・病院の待ち時間をまちなかで過ごすシステムが必要
・気軽に自分の健康状態について調べられ、相談できる
・図書館とセットで学習スペース等
・サークル活動ができるスペース、イベントの実施・充実
・カフェ等を併設
・子ども用トイレ、授乳施設、託児ルームの設置
・子どもと一般のスペースを分けてほしい
・駐車場の無料化、広い、施設に近い(悪天候時の利用)
・明るく居心地の良い空間、気楽によれる施設、カラフルに
・インターネット、WiFi 利用
・騒音対策
・まちなかに授乳施設がほしい
・子育ての相談の場がほしい
・センターモールに子どもが集える場所づくり
・それぞれの年代の親子が集まることができる空間づくり
・雨の日に遊ばせることのできるスペース
・乳児と幼児の遊ぶスペースを分ける
・空き店舗をイベント等で活用する
・若者は、格安で食べられて話せる場所があると助かる(現在はイオンモールのフードコート)
・
「食」のあるところに人は集まる
・地元食材を使用した料理教室(オープンキッチン)
・食材を持ち込み調理・食事ができる施設
・医療機関等に通院する高齢者の食事場所
・スーパーがほしい
・若い世代に興味を持ってもらうような店舗の誘致
・市場(地元食品、農産品等)があると、日常の買い物が便利になり、地域外からも人が来る
・24 時間営業の店舗
・タニタ食堂のようなレストラン(食のメディカルツーリズム)
・学生は移動手段が徒歩・自転車が多いので公共交通機関を充実してほしい
・中心市街地にも居住環境(住宅、コミュニティ等)を整える必要がある
10
Ⅲ
導入施設
③「市民ワークショップ」
(平成 26 年度;全5回)における市民意見
未来どうなったら市街地に足を運びますか?
空間イメージ
図書
イベント
・時間を気にせずすごせる
・本のない図書館
・アートプロジェクト
・1日座っていても文句を言われない
・気軽に入れる図書館
・シャッターアート
・カフェ
・自分たちの作品を展示、発表できる
場所
・恥ずかしいと感じない
・大人が勉強できる
・人を育てる
・食事休憩を兼ねた勉強場所
・自然に満ちている
・本屋+CDショップ
・歩いて楽しい
・仮想空間体験
・一日時間をつかえる場(大きな公園)
・時間つぶし(お金がかからない)
・病院待ちやバス待ち等、ちょっとし
た時間に寄れる
・雨の日も楽しめる、寒くても大丈夫
・高齢者に優しい
・安全に過ごせる
・人で賑やかな楽しそう
・歩いて「遊ぶ、食べる、楽しむ」が
つながる
・夏には蝉の鳴き声が聞こえる
・自然を使って遊べる
・水を活かしたゾーン
・アスレチック等もできる健康ロード
・病院の後の健康を取り戻す場所(ア
フター病院)
拠点
・料理教室
・各施設を結ぶ街路樹
・バリアフリー
場
・ジュニアリーダー(中高生)の活動
・楽器で遊べる所
情報
・まちかどで将棋
・情報を得る場
・情報を調べる場
・様々な場所に行くきかっけとなる場
・情報発信拠点
・インターネット放送のサテライト会場
(学生たちで運営)
・まちなかに行けば何かをやっている、
行けば誰かと会える
・何らかのイベントをしている
公園等
・緑、花、水
・自然あふれる公園
子ども
・まちなかビオトープ
・遊具、おもちゃ、絵本
・憩いの場所
・体験教室
・セラピー花壇
・子どもだけでも行ける(自転車、他)
・畑
・井戸
子育て支援
・一人でも気軽に行ける
文化
・利用しにくい部分をフォローできる体
・ギャラリー、アトリエ
制
・文化センター
・託児施設
物産
買い物
高齢者
・地場産品の直売所
・温泉、健康施設
(肉、酒、茶、農産物)
・福祉施設の集積
・自然食
・スーパーマーケット等の日常品を取り
扱う商業施設
・食材(他の用のついでに夕食材料を買
う)
・超専門店(例えば服飾、生活雑貨)
・環境に配慮した品を扱う店
交流
・広い世代の交流
飲食等
・子どもたちがおじいちゃん・おばあち
ゃんと触れ合える場
・本屋(専門書を扱う)
・図書館ボランティアの拠点
・スウィーツ売場
・コミュニティカフェ
・健康食、伝承料理を学び食す場
11
アミューズメント等
ストリート
ゆったり過ごす
Ⅲ
導入施設
2 既存公共施設の移転
市民ニーズを踏まえつつ、“たまり場”としての成立条件に、公共施設としての効率的運営という視点を加味して、昨年度調査結果等に基づき導入可能性を検討した。
区分
文化
子育て
・健康
コミュ
ニティ
施設名
居心地
開放性
相互利用
交流促進
アピール力
公共施設としての運営
市立図書館
○ゆったり過ごせる施設
とすることも可能
○開放的な場とすること
も可能
○他施設来訪者の立寄り利用
や、他施設との一体化による
相互利用促進が考えられる
○運営への市民の参画や
イベント等による交
流促進が可能
○魅力的な施設とすることで
まちなかのシンボルとなり
うる
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
市立美術館
○ゆったり過ごせる施設
とすることも可能
△一般的にはやや閉鎖的
になりがち
△観賞目的で訪れる人が多く、 △イベント等による交流 ○魅力的な施設とすることで
相互利用はやや限定的
促進は考えられるが、
まちなかのシンボルとなり
参加者は限られる
うる
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
歴史資料館
○ゆったり過ごせる施設
とすることも可能
△一般的にはやや閉鎖的
になりがち
△観賞目的で訪れる人が多く、 △イベント等による交流 ×歴史性をアピールする点で
相互利用はやや限定的
促進は考えられるが、
は現状の城山公園のほうが
参加者は限られる
有利
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
子育て支援センター
○親子にとってはゆった
り過ごせる場所
△利用者は限定される
○子供を預けて親が他施設を
利用することが考えられる
△利用者どうしの交流促
進は図れる
○施設単体としてシンボル性
は弱いが、子育てがしやすい
まちとしてのアピールは可
能
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
○人が集まる場所での啓発活
動が可能
神柱児童センター
○子供にとってはゆった
り過ごせる場所
△利用者は限定される
○図書館等の他施設との相互
利用が考えられる
△利用者どうしの交流促
進は図れる
○子育てがしやすいまちとし
てのアピールは可能
×補助金一部返還が必要とな
る可能性あり
市民健康センター
△健診等が目的の場所で
あり、空間構成等の工
夫次第
△利用者は限定される
○子育て支援センター等との
相互利用が考えられる
△利用者が限られる
○施設単体としてシンボル性
は弱いが、健康づくりを重視
するまちとしてのアピール
は可能
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
○人が集まる場所での啓蒙活
動が可能
総合社会福祉センター
○多様な利用が想定さ
れ、空間構成等の工夫
次第で居心地のよい
場所づくりが可能
○開放的な場とすること
が可能
○他施設来訪者の立寄り利用
や、他施設との一体化による
相互利用促進が考えられる
○運営への市民の参画や
イベント等による交
流促進が可能
○コミュニティの核としてま
ちなかのシンボルとなりう
る
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
コミュニティセンター
○多様な利用が想定さ
れ、空間構成等の工夫
次第で居心地のよい
場所づくりが可能
○開放的な場とすること
が可能
○他施設来訪者の立寄り利用
や、他施設との一体化による
相互利用促進が考えられる
○運営への市民の参画や
イベント等による交
流促進が可能
○コミュニティの核としてま
ちなかのシンボルとなりう
る
○現施設が老朽化しており、移
転の必要性は高い
中央公民館
○多様な利用が想定さ
れ、空間構成等の工夫
次第で居心地のよい
場所づくりが可能
○開放的な場とすること
が可能
○他施設来訪者の立寄り利用
や、他施設との一体化による
相互利用促進が考えられる
○運営への市民の参画や
イベント等による交
流促進が可能
△社会教育施設であり、施設単
体としてのシンボル性は弱
いが、他施設との連携次第
×現施設は地区公民館を兼ね
ており、移転は難しい
市民活動センター
△市民団体支援が目的の
場で、空間構成等の工
夫次第
△活動をオープンにする
ことは可能だが、利用
者はやや限定される
○市民団体支援等を通じ
て間接的に交流促進
が可能
○市民活動等の活性化を通じ
て間接的に地域のアピール
に貢献
○多様な協働や連携が求めら
れる中で、市民団体等支援の
必要性は高い
国際交流センター
△国際交流が目的の場
で、空間構成等の工夫
次第
○開放的な場とすること
も可能
○利用者はやや限定されるも
のの、他施設との一体化によ
る相互利用促進が考えられ
る
○他施設との一体化による相
互利用促進が考えられる
○運営への市民の参画や
イベント等による交
流促進が可能
○国際交流の活性化を通じて
間接的に地域のアピールに
貢献
○多様な協働や連携が求めら
れる中で、国際交流の必要性
は高い
:計画地への移転が確定している公共施設
:一部機能の補完的導入を検討できる公共施設
12
Ⅲ
導入施設
3 新規公共施設の整備
前述の既存公共施設以外で、下記の新規公共施設の導入を検討した。
屋根付き広場
平面駐車場
ロビー(バス待合)
導入によ
天候に左右されずイベント
平面駐車場を施設に隣接し バス停留所に近接して、バス
る効果
等が可能なスペースを設け
て設ければ、より利便性は高 待合もできるロビーを設け
ることで、より多くの利用が
まる。
見込める。
ただし、旧都城大丸立体駐車 共交通による来訪を促すこ
ることで、中心市街地への公
場とウエルネスパーキング とが期待される。
で 700 台以上収容可能であ
り、周辺も含め需給バランス
への配慮が必要。
建設費の
1,000 ㎡あたり 2 億円程度
50 台あたり 1,000 万円程度
100 ㎡あたり 2,000 万円程度
市直営、指定管理など
市直営、指定管理、民間によ バス事業者による運営など
目安
運営方法
賑わいの核として常に積
る運営など
極的にイベント等を開催し
ていくことが必要。
維持管理
屋根・床の清掃や保守点検等
料金収受システムの管理等 ロビー(バス待合)建物の維
の課題
の管理が必要。
が必要。
持管理が必要。
市内既存
市内には類似施設はなく、競
周辺には民間の平面駐車場
西都城駅に待合所があるが、
施設との
合しない。
も多く、需給バランスの配慮
施設の性格上、競合はしな
が必要。
い。
競合
今回検討
既往計画でも想定されてお
本計画では、まちなかの歩行 公共交通利用促進策として
での想定
り、事業コンセプト上も重要
者増加を目標としているこ 導入を検討。
な施設であることから、導入
とから、できるだけ既存立体
を前提に検討。
駐車場や周辺の平面駐車場
を利用してもらうことを優
先的に考えながら、必要面積
等について検討。
▲ 雨天でもイベント可能な屋根付き広場
(富山グランドプラザ)
13
Ⅲ
導入施設
4 民間施設の導入
(1)市内における立地動向
都城市内における大規模小売店舗は郊外、特に国道沿いへの立地が多くみられ、中心市街地
への立地は少ない状況である。
スーパー分布について見ると、計画地から半径 1km 圏内にはほとんど立地していない。2km
圏内では東側に偏っており、西側の立地は少ない。最寄品の商圏は 1~2km 程度であること
から、スーパーについては計画地周辺での需要がある程度見込まれると考えられる。
中心市街地
10,000 ㎡以上
1,000 ㎡以上
▲ 大規模小売店舗の分布
対象地
▲ 最寄品商圏内の既存スーパー分布
14
Ⅲ
導入施設
(2)民間企業へのヒアリング
事業への民間企業参画の可能性を探るために、デベロッパーや飲食施設チェーン店へのヒ
アリングを行った。
全体に、民間企業の参画については慎重な意見が多くなっている。
▼ 大手民間企業ヒアリング結果の概要
業種
都城中心市街地への進出可能性
総合デベ
ロッパー
(3社)
・地方都市では県庁所在地までが主な対象であり、都城進出は難しい
・ロードサイド店舗であれば地方での実績はあるが、中心市街地では困難
・都市開発のポテンシャルという点では、都城はかなり難しいのではないか
・宮崎駅前のビルでは、県と市から定期借地権で土地を借りるという事業ス
キームで事業コンペが行われた。商工会議所がかなり意欲的に取り組んでビ
ルが完成した
・敷地が分断されていて不整形であるため、計画は難しいかもしれない。駐
車場とブリッジでつなぐなどした方がよい
商業デベ
ロッパー
・スーパーはもともと薄利多売の業種であり、人が多く集まる場所でないと
難しい。図書館等で人が大勢吸引できるなら、カフェやマルシェ等は可能か
もしれないが、商業施設自体での集客は困難
・アパレルは同じ世代をターゲットとする数店舗が集まって出店するのが普
通であり、1店単独での出店は難しい
・従来型の図書館では人を惹きつけることはできない。武雄のような斬新な
工夫が必要
・スーパーのように 10 分程度しか時間を消費しない施設は、平面駐車場でな
いと利用されない
コーヒー
ショップ
チェーン
・将来的には都城に出店もありうるが、現時点では優先度は低い
・出店する場合は 10 号沿いにドライブスルーの形でという可能性が大きい
・1日3万人程度の歩行者がいる通りでないとペイしない。ショッピングモ
ール内に出店する場合でも、モール全体で年間 100 億円程度の売り上げがな
いと難しい。中心市街地では厳しい
・既存建物をリニューアルしただけの図書館では魅力に欠け、人が集まらな
いのでは?
(3)地権者等の意見徴収
地権者である㈱ハートシティ都城の主な意見を以下に示す。
・中心市街地では買い物ができずに困っている人が多い。スーパーをぜひ出店したい
・スーパーに面して平面駐車場が不可欠
・売り場面積 300 坪、駐車場はできれば 100 台、最低でも 50~60 台必要
・地域に子供がいないので、子育て世帯向け住宅も検討したい
・公営では縛りが大きく、一方分譲の場合は 80~100 戸の規模でないとデベロッパーが来
ないことから賃貸を想定している
・土地が狭く入居者の駐車場が足りない
・祭りが多いので、広場の需要はある
・中心部には宿泊施設が少ないので、ホテルもあったほうがよい
15
Ⅲ
導入施設
(4)民間施設導入の可能性
市民ニーズを踏まえつつ、“たまり場”としての成立条件に、民間事業としての成立・持続可能性を加味して、導入可能性を検討した。
民間施設整備に関しては「都市機能立地支援事業」の活用も視野に入れつつ、商業施設(スーパー等)をはじめ、その他物販・飲食施設、住宅等について企業ヒアリングや地権者の意見等も参考に検討を行った。
居心地
開放性
相互利用
交流促進
アピール力
小売 1:買回品
・買い物が目的の場所であ
・工夫によって開放的なつ
・他施設来訪者が立寄って
・買い物目的のため交流は
・品揃えや規模等次第では
衣類、玩具、
るが、品揃えや空間構成
スポーツ用品、
の工夫次第
くりにすることは可能
の利用は考えられる
生まれにくい
ホームセンター等
事業の成立・持続可能性
・商圏距離 2km~20km 以上
まちなかのシンボル的
郊外店舗の数・規模・利便性は
な魅力創出の可能性あ
圧倒的で、計画地での成立可能
り(ただし、郊外店舗と
性は低い
の差別化や規模確保が
課題)
小売 2:最寄品
・買い物が目的の場所であ
スーパー、コンビニ、
り、ゆったり過ごせる空
薬局等
間とはいえない
・工夫によって開放的なつ
くりにすることは可能
・他施設来訪者が立寄って
の利用は考えられる
・買い物目的のため交流は
生まれにくい
・まちなかのシンボルとし ・商圏(半径 2km)内の西側にはス
ての魅力を演出するこ
ーパーが少なく、買い物が不便
とは困難
との住民の声もあり
・ただし企業ヒアリングでは厳し
い意見もあり、長期間にわたる
継続可能性は未知数
小売 3:特産品等販売
・買い物目的の場ではある
特産物販売、
が、特産物等を見て楽し
六次産業拠点、
む要素がある
・工夫によって開放的なつ
くりにすることは可能
マルシェ等
カフェ・レストラン
・他施設来訪者の立寄り利
・運営への市民や農業従事
・他にない個性を生み出せ
用だけでなく、一体的な
者等の参画により、交流
ればまちなかの核にふ
イ ベ ン ト 等に よ る 相 互
拠点となる可能性あり
さわしい魅力創出の可
利用促進も考えられる
・ゆったり過ごす場として
人気が高い
・ついでに気軽に立ち寄る
ことができる
・全国の道の駅や類似施設例から
見て、持続可能性は高い
・近隣住民の買い物にも対応可能
能性あり
・他施設来訪者の立寄り利
・運営への市民の参画や、
・図書館等に併設したカフ
用だけでなく、公共施設
交流イベントの場とし
ェは近年人気が高く、計
と の 一 体 化 等に よ る 相
ての利用等により、交流
画地の魅力増進が期待
互 利 用 促 進も 考 え ら れ
促進が可能
できる
・ヒアリングでは大手チェーン店
の進出は困難
・地元事業者や市民による運営の
可能性あり
る
住宅
・居住者以外は入ることが
できない
・居住者のみ入れるプライ
・居住者のみに限定される
ベートな空間
・居住者のみに限定される
・まちなかのシンボルとし
ため、交流は生まれにく
ての魅力を演出するこ
い
とは困難
・子育て世代や高齢者等の一定の
ニーズは可能性あり
・ただし、都心居住は市街地全体
で誘導するべき
その他
・業態によっては、利用者
スポーツジム
に対して長時間過ごせ
アミューズメント
る場を提供
・利用者が限定される場合
が多い
・他施設来訪者が立寄って
の利用は考えられる
デイサービス等
・来訪目的が限定されるた
・業態次第ではあるが、ま
・業態にもよるが、郊外に比べて
め、交流は生まれにくい
ちなかのシンボルとし
中心市街地が特に有利とは考え
ての魅力を演出する可
にくく、長期的な継続性は疑問
能性は低い
16
Ⅲ
導入施設
5 駐車場等附帯施設
敷地内の立体駐車場とウエルネスパーキングで約 720 台が収容可能であり、既存駐車場は
できるだけ活用する。
来訪者の利便性の観点からは一定規模の平面駐車場も必要となるが、駐車場の規模によっ
ては“たまり場”(=市民の居場所)としての魅力を大きく損なう恐れがあるため、規模や
配置については充分な配慮が必要である。
歩いて楽しいまちなかをつくるという観点からは、中心市街地内の民間一時預かり駐車場
との連携や、周辺の病院や銀行等業務施設の附帯駐車場の休日有効活用(民間駐車場への配
慮を前提)も模索していく必要がある。
立体駐車場
本館跡地
260 台
連絡通路等
の可能性を
検討
センターモール棟
ウエルネスパーキング
462 台
0
50m
▲ 敷地内・敷地周辺の駐車場
▼ 中心市街地の駐車場台数
専用
箇所数
台数
その他
一時預り
合計
公共用
来客用
月極
21
242
21
189
473
1,073
5,334
1,686
3,807
11,900
都城市商業実態調査(平成 24 年) ※病院・業務施設は除く
▲ 中心市街地内の駐車場分布
17
Ⅲ
導入施設
6 導入施設の設定
以上の検討結果を踏まえ、計画地に導入する施設の機能や関係性を、基本的構成図として以
下に示す。
導入施設それぞれの規模や具体的内容は、「Ⅴ 公共施設基本計画」の章で検討するものと
し、ここでは施設の整備イメージを事例等に基づき検討する。
▲ 導入施設の基本構成図
18
Ⅲ
導入施設
a 市民の交流を育む図書館
①図書館
b さまざまな人たちの居場所になる図書館
c 市民とともに運営する図書館
d 他の施設や機能と連続するオープンな図書館
事例1:まちとしょテラソ(長野県小布施町)
「交流と創造を楽しむ、文化の拠点」をコンセプトとして、学び、子育て、交流の場、
情報発信等の多様な機能を有している。(a)
建物は大きなワンルームのような空間構成が特徴で、オープンなスペースでの多様な
過ごし方を許容している。(b)
スタッフ一人ひとりの顔がみえる選書や事業企画、ワークショップなど、運営面でも
工夫がされており、町民と一緒に運営を考え実行することを方針としている。(c)
設計:NASCA 写真:淺川
事例2:武蔵野プレイス(東京都武蔵野市)
図書館、生涯学習、市民活動、青少年支援の機能を複合した施設で、
「日本一にぎやかな図
書館」を目指している。(d)
図書や活動を通して、市民同士が気軽に交流し、さまざまな人たちの居場所になるような、
「知的交流拠点」とするために、小分けにされたスペースを、全層にわたって連結して組み
合わせ、普段あまり接することがない人たちが自然に混じり合う場を提供している。(a b)
出典:kwhgアーキテクツ ホームページより
19
Ⅲ
導入施設
事例3:武雄市図書館(佐賀県武雄市)
カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営を行い、TSUTAYAの書店やDVDレン
タル店、スターバックスを併設している。(d)
大半を開架にして見渡せるようにすることで、本の豊富さを印象付けている。屋外に連続
する開放的で明るい空間である。(b)
武雄市図書館より提供
武雄市図書館より提供
事例4:韮崎市民交流センター(山梨県韮崎市)
商業施設建物を韮崎市が買収して改修したもの。韮崎市民図書館、公民館、医療関連のテナント
が入居している。(d)
出典:韮崎市民交流センター NICORI ホームページより
事例5:千代田Web図書館(東京都千代田区)
千代田区立図書館が試行しているもので、現在約6,000冊が利用
可能。
自宅のパソコン等でいつでも閲覧可能であり、図書館にとって
も蔵書スペース制限の解消がメリットとなっている。(d)
従来、提供が難しかった史料等も貸出可能である。
出典:千代田区立図書館(千代田 Web 図書館)
▼ 規模の比較
蔵書数
延床面積
1,000 ㎡
市町村人
口
1.1 万人
人口あた
り蔵書数
7.3
まち図書テラ
ソ
8 万冊
武蔵野プレイ
ス
15 万冊
9,800 ㎡
13.9 万人
5.0
武雄市図書館
20 万冊
3,800 ㎡
5.1 万人
3.9
韮崎市市民交
流センター
10 万冊
15,000 ㎡
3.1 万人
3.2
都城市図書館
40 万冊
2,800 ㎡
16.6 万人
2.8
20
Ⅲ
②子育て
健康・交流
サービス
導入施設
○子育て支援を主体とした交流
・子育て支援の拠点
・世代間の交流
・多様なコミュニティ活動の拠点
・雨でも子どもが遊べる場所
・集団健康診断
・赤ちゃん相談や育児指導
▲ ふれあいこども館
(福岡県那珂川町)
・離乳食教室
▲ こどもの城(長崎県諫早市)
▲ 九州芸文館(福岡県筑後市)
多様な活動の場が用意され、外から活動の様子が
わかる施設構成となっている
▲ 都城市の既存健康センターにおける健診や赤ちゃん相談の会場の様子
21
Ⅲ
導入施設
・都城の農産物を PR する場
③物販
・六次産業の拠点 農産物を活かした商品開発・販売 市民主体の運営
・近隣住民の買い物にも便利な店
・屋内外を一体化 外からも楽しさがわかる店舗
事例1:綾手作りほんものセンター(宮崎県綾町) 事例2:マルシェユスハラ(高知県梼原町)
・町内農業者による生産物を販売。約 400 ㎡
・ホテルに併設した特産品販売スペース。約 200 ㎡
事例3:道の駅四万十とおわ(高知県四万十町)
・独自の商品開発で、山奥にもかかわらず大人気。全国的にファンを広げる。約 400 ㎡
特産物等を扱いつつ垢ぬけたデザインの店舗事例(左:熊本 右:高松)
お洒落で便利な都市型スーパー(福岡県福岡市)
22
Ⅲ
導入施設
・気楽に入れる場所
④飲食
・屋外にも出られるオープンなカフェ
・図書館と一体となってゆったり過ごせるカフェ
大阪グランフロント(大阪府大阪市)直島ベネッセハウス(香川県直島町) 武雄市図書館(佐賀県武雄市)
・オープンカフェ
・開放的なレストラン
・本を読みながらコーヒーを楽
しむ
○市民が集まり、交流できる場
⑤広場
・市民自らがイベントを企画し、開催
・天候に関係なく使える屋根つきの広場
○人々が楽しむ様子が見える、ついでに立ち寄り立ち寄りたくなる広場
・ゆったりくつろげる広場
・図書館など周辺の施設に連続する広場
○都城の情報発信の拠点
・都城をアピールするシンボルとしての空間
事例1:富山グランドプラザ
(富山県富山市)
・当初は市直営、現在は指定
管理(スタッフ4名常駐)
・市民主体のイベントを多数
開催(稼働率ほぼ 100%)
23
Ⅲ
導入施設
事例2:博多駅前広場(福岡県福岡市)
・各種のイベントを多数開催している。2階デッキから
見下ろせるようにしている点が特徴的
事例3:久留米シティプラザ
(福岡県久留米市)
・平成 28 年春開館予定
・以前は天気に左右されて
イベントの予定が立たな
かったこともあり、屋根
のない広場を取り壊して
新築
出典:久留米市ホームページより
事例4:丸亀町商店街広場
(香川県高松市)
・ガラスのドーム屋根が特
徴的
24
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