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ネットワーク・アンプ・プロセッサー
AudiaFUSION
Volume 4, Issue 1 March 2010
皆さんは今まで、AudiaFLEX とハイパワーアンプを結合し
所に設置することができます。
たらどうなるか想像されたことはありませんか。BIAMP は作
このニュースレターでは AudiaFUSION の技術的仕様を解
りました。それが AudiaFUSION です。
説し、独自の機能をくわしくご案内していきます。
A/V システムと IT の集約が珍しくなくなってきた近年、も
BIAMP ではニュースレターへのご意見、取り上げてほしい
はやネットワーク対応メディアシステムの能力は無視できま
テーマなど、皆さんからのコメントをお待ちしています。お
せん。AudiaFUSION もネットワーク対応なので従来の中央
気軽にお寄せください。
集中型アプローチとは異なり、DSP プロセシングを必要な場
AudiaFUSION のハードウェア
これ以上ないほど簡単に言えば、AudiaFUSION は基本的に AudiaFLEX
と 8 チャンネルの 2400W アンプを統合したものです。しかし注目すべき重
要な違いがいくつかあります。下記にご紹介しましょう。
技術的な仕様
・ パワーは出力チャンネルごとにソフトウェアで設定可能(100 ~ 600W / ch、最大 2400W / 1 台)
・ 負荷は出力チャンネルごとにソフトウェアで設定可能(4 Ω、8 Ω、70V、100V)
・ TCP/IP ネットワーク、RS232、daVinci、RED-1 で制御可能
・ 温度、ショートサーキット、インピーダンス、アンプ故障、極端なクリップ、ファン停止などの異常監視機能
・ フォルトトレラントな 2 種類のフェイルオーバーモード(チャンネルフェイルオーバー、デバイスフェイルオーバー)
・ CobraNet 対応の Audia システムや NPS-1、他社製 CobraNet デバイスとのシームレスな統合が可能
・ CobraNet 対応(16IN、16OUT)で CobraNet のレイテンシーはソフトウェアで設定可能(5.33、2.66、1.33msec)
FLEX と FUSION の違い
入力と出力: AudiaFLEX と AudiaFUSION のハードウェアで最大の違いは、使用可能な入出力オプションです。AudiaFUSION
は入力信号を CobraNet のみで受け、出力信号をアンプモジュール AM-600 または CobraNet を通して送り出します。さら
に AudiaFUSION の CobraNet ポートは、入力 16ch と出力 16ch に限定されています。現在 AudiaFUSION で使用できる出
力カードはアンプモジュール AM-600 だけです。
RCB バス: AudiaFUSION には RCB バスがないため、RCB デバイス(Volume 8、Select 8、Volume/Select 8、Logic Box、
Voltage Control Box)を直接接続することはできません。しかしリモートコントロールデバイス(RED-1、NPS-1)で制御す
ることができ、また RCB デバイスを接続できる AudiaFLEX とシームレスに統合することができます。
レイテンシー: AudiaFUSION には AudiaFLEX 同等のプロセシングパワーがありますが、音声の処理方法がやや異なるためレ
イテンシーが短縮されました。一般的なシステムでは使っている DSP ブロックの数や DSP リソースの消費率にかかわらず、
AudiaFUSION のプロセシングレイテンシーは 1.333mecでしょう。ただしレイテンシーを長くしてしまう特定の DSP ブロック
(すなわちディレイブロック)はあります。特定のコンフィギュレーションのレイテンシーを測定する最善策は、実際にファイ
ルを作ってコンパイルしてみることです。
異常の監視
AudiaFUSION には、重要なアプリケーションのための広範囲な一連のアンプ監視機能があります。アンプ、ケーブル、ス
ピーカーに異常があれば、AudiaFUSION が検出して Alarm(警告)または Waring(注意)として報告するというものです。
Warning は最適な状態ではありませんが、音声が停止するほどの故障ではない状態です。Alarm は異常のため音声がスピー
カーに行っていない状態です。フェイルオーバーが設定されていれば、Alarm によって実行されます
(次項の
「フェイルオーバー」
参照)。Warning と Alarm はどちらも Audia ソフトウェアのロジック出力にできるので、daVinci でモニターしたり RS232 でコ
ントロールシステムにレポートしたり、ロジックの標準的な使い方で表示させることもできます。
一連の内部テストに加えて、AudiaFUSION ではチャンネルごとに高度なインピーダンスモニターを設定することができます。
選択した周波数バンド 4 つで出力インピーダンスを監視し、ユーザー定義の範囲を外れると Warning を報告します。
Volume 4, Issue 1 March 2010
フェイルオーバー
AudiaFUSION は自動的に異常を検出するだけではなく対処することもできます。Alarm が報告されると、音声をチャンネル
フェイルオーバーまたはデバイスフェイルオーバーという 2 つの方法で、異常箇所を迂回させることができます。
チャンネルフェイルオーバーは、奇数チャンネルと隣りの偶数チャンネル(たとえば ch 1 と 2)をリンクさせます。このとき
偶数チャンネルはバックアップのフェイルオーバーチャンネルになります。この場合、AudiaFUSION が ch 1 に異常を検出して
Alarm を報告すると、ch 1 が OFF になって音声はすぐ ch 2 に送られます。
デバイスフェイルオーバーは、AudiaFUSION に別のバックアップ用 AudiaFUSION をリンクさせます。どこかのチャンネルで
Alarm が報告されると 1 台目が OFF になって音声はすぐ 2 台目に送られます。
フェイルオーバーを正しく機能させるためには、バックアップに対応できるよう配線しなければなりません。AM-600 の出力
はリレーでアイソレートされていて、フェイルオーバーペアのうち一度に機能できるチャンネルは片方だけなので、プライマリと
セカンダリのチャンネルを並列に接続しても問題はありません。図 1 から 3 はフェイルオーバー向けの配線例です。
図 1: フェイルオーバーチャンネルを
ループしてプライマリに戻す配線で
す。最も簡単で最も経済的な方法で、
AM-600 が故障しても音声を確実に
スピーカーに送ります。
図 2: 両方のアンプチャンネルから
ゾーン最初のスピーカーまで、別の
ケーブルを配線します。電気的には図
1 に等しく、パスが違えばケーブルの
異常にも対応可能です。2 本目のケー
ブルをゾーン最後のスピーカーに接続
することもできます。
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図 3: デバイスフェイルオーバーの配
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線例です。正常に機能させるために
は、カードの設 定がまったく同じ 2
台の AudiaFusion が必要です。さら
にフレーム同士の間でロジックの配
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線が必要になります。ご注意くださ
い。
フロントパネルの LED
AudiaFUSION のフロントパネルでは、システムの状態に関する多くの情報を一目で確認できます。図 4 は AudiaFUSION の
フロントパネルにある 37 の LED です。
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Volume 4, Issue 1 March 2010
AudiaFUSION ソフトウェア
Audia ソフトウェアに 1 つだけ追加された AudiaFUSION 用ソフトウェアブロックには、下記の特徴があります。
初期化プロパティウインドウ
Fusion ブロックは、他の入力や出力ブロック同様デバイスツールバーの I/O メニューから取り出します。Fusion ブロックをコ
ンフィギュレーションにドロップすると、ブロックの属性を設定する初期化プロパティダイアログが開きます。
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ロジック出力
Fusion ブロックは、初期化の仕方によって外観が大きく変わります。まず Fusion ブロックはチャンネル数、出力パワー、イ
ンピーダンス(LZ はローインピーダンス、CV は定電圧伝送)を表示します。
次に、右図の異なる 3 つのブロック例は、ロジックの初期
化設定が違います。上のブロックはロジック出力がないデフォ
ルト状態です。中央のブロックはロジック出力をグループ化し
ているので、チャンネルごとに Alarm と Warning の各ロジッ
ク出力を備えています。下のブロックはロジック出力をグルー
プ化していないので、異常の種類それぞれに対応するロジッ
ク出力をチャンネルごとに備えています。各ロジック出力につ
いてくわしくは、次ページの図 8 をご参照ください。
フェイルオーバー
初期化プロパティでチャンネルまたはデバイスフェイルオー
バーを選択すると、Fusion ブロックの外観も変わります。フェ
イルオーバーがないとき、Fusion ブロックは右図上の例のよ
うに表示されます。
チャンネルフェイルオーバーを設定すると、プライマリ(P)
とグレーアウトしたセカンダリ(S)入力が表示されます。セ
カンダリ入力は、ペアのうち二つ目のチャンネルがフェイル
オーバー用にキープされていて、Alarm が報告されると自動
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的に音声がこのチャンネルにルーティングされることを表して
います。
デバイスフェイルオーバーを設定すると、Secondary Device と表示された入力や出力のないブロックが 1 つ統合されます。
このブロックはフェイルオーバー用にまったく同じ設定の AudiaFUSION が用意されていて、Alarm が報告されると自動的に音
声がこのデバイスにルーティングされることを表しています。
フェイルオーバーが発生してその原因になった問題が解決されても、AudiaFUSION が自動的にプライマリのチャンネルやデ
バイスに切り替えることはありません。本体を再起動して、パワーサイクルの間にプライマリのチャンネルやデバイスの状況を
再度チェックさせてください。
Volume 4, Issue 1 March 2010
コントロールダイアログ
コンフィギュレーションに配置した Fusion ブロックをダブルクリックすると、コントロールダイアログが開きます。
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に対する割合で表示されます。92%を超えると Warning
デバイス IO:他の入出力ブロック同様、FUSION のソフトウェ
アブロックを実際のアンプチャンネルに関連づけるもので
が報告され、音声が自動的に 3dB アッテネートされます。
す。1 台の AudiaFUSION を複数のブロックで表示してい
100%に達すると Alarm が報告されて音声が止まり、
(設定
るとき、アンプチャンネルを定義するのに便利です。
されていれば)フェイルオーバーが発生します。84%未満
になると Warning や Alarm が解除されます。
Pri/Sec: フェイルオーバーを設定した FUSION ブロックでの
み表示されるインジケーターで、プライマリ(Pri)とセカ
Clip Count Threshold: どの程度のクリップで EC(極端なク
ンダリ(Sec)のどちらが使われているかを表示します。
リップ)Warning を報告させるかを定義します。100msec
Fault: 警 告 や故障の状 況をすべて表示します。黄 色は
以内のクリップした音声サンプル数がこの値を超えると
Warning が報告されます。
Warning、赤は Alarm です。異常の内容は図 8 をご参照
ください。加えて各チャンネルには Alarm 発生時のフェイ
Gain Out: 増幅される前の音声にかけるゲイン用のデジタル
ルオーバーをシミュレートするテストボタンもあります。
レベルコントロールです。詳細は左下をご参照ください。
Clip Limiter: アンプのクリップを防ぐリミッターを入れるボ
Impedance Parameters: Fusion のインピーダンス監視機
タンです。スレッショルドは、クリップさせる信号のピー
能で、くわしくは次項をご参照ください。インピーダンス
クをすべてアッテネートするよう設定されます。
を監視しているときは IMA が点灯して Band Setup にバン
ド数が表示されます。
HS Temp % Max: ヒートシンクの温度が、最大許容温度
出力ゲインについて ...
Audia は +24dBu で ク リ ッ プ す る の で、
AudiaFUSION は +24dBu の信号が入ってきたとき最
大定格出力を提供するように設計されました。しか
し実際にはゲイン構成が適切な Audia の多くは約
0dBu 付近でドライブしています。つまりヘッドルーム
が 24dB もあることになり、アンプの世界ではは電力
を大量に浪費していることを意味します。
そこでアンプの出力パワーをもっと活用するため、
FUSION の出力にデジタルゲイン(Gain Out)を追加
しました。
「デジタルゲイン」なのでご注意ください。
つまり FUSION ブロックの直前にレベルブロックが追
加されたのと同じことなのです。Gain Out の設定範
囲は 0 ~ 24dBu、デフォルトは 12 です。この値を 12
にすることは実質的にクリッピングポイントを +12dBu
まで下げたことになります。重要な点なのでご注意く
ださい。同様に Gain Out を最大値の 24 にす
れば、システムのクリッピングポイント
は 0dBu まで下がります。
ラベル Warning Alarm
内容
FSR
ファン回転停止…内蔵ファンの異常を表しま
す。
HS
ヒートシンク…ヒートシンクの温度が冷却能力
の 92%になると Warning になります。100%に
なると HS Warning が HS Alarm に切り替わっ
て音声が止まります。ヒートシンクの温 度が
84%を下回れば Warning や Alarm は解除され
ます。
SC
ショートサーキット…実質的なインピーダンス
が 1 Ω未満、または電流が最大スレッショルド
を超えたときに報告します。
CF
チャンネル異常…ハードウェアとしての AM-600
に異常があると報告します。
EC
極端なクリップ…Clip Count Threshold を超え
て出力がクリップしていることを報告します。
LZ
低すぎるインピーダンス…ユーザー設定の許容
範囲未満のインピーダンスが検知されたことを
報告します。
HZ
高すぎるインピーダンス…ユーザー設定の許容
範囲より高いインピーダンスが検知されたこと
を報告します。
AL
Alarm…ロジック出力をグループ化したときだ
け報告されます。HS、SC、CF の OR 理論です。
WN
Warning…ロジック出力をグループ化したとき
だ け 報 告さ れます。HS、EC、LZ、HZ の OR
理論です。
PDG
プライマリデバイス正常…デバイスフェール
オーバー設定時だけ表示されます。
SDG
セカンダリデバイス正常…デバイスフェール
オーバー設定時だけ表示されます。
図 8 FUSION のロジック出力一覧
Volume 4, Issue 1 March 2010
インピーダンスのモニター
AudiaFUSION のアンプモジュールには、出力チャンネルに接続されたケーブルやスピーカーを監視するための、高度なイン
ピーダンス・モニター・メカニズムが搭載されています。この機能の重要な部分をご紹介しましょう。
この機能ではユーザー定義の周波数バンドを 4 つまで同時に監視することができます。周波数バンドは中心周波数とバ
ンドワイズで定義します。ソフトウェアではその周波数バンドで、平均インピーダンスをキャプチャーすることができます。
バンドの平均インピーダンスがユーザー定義の許容割合(tolerance percentsge)よりも大きく変化すると、LZ または HZ
Warning が報告されます。
インピーダンスは十分な強度の信号が出力されているときだけ測定されます。FUSION は確実に計算できるときだけ、周波
数バンドのインピーダンスカーブを更新します。特定の周波数バンドに信号が来ないとき、インピーダンスカーブは最新の値
で固定されます。インピーダンスを十分監視できるほど高いけれど聞こえない程度に低いレベルで、高い周波数(19kHz 超)
のパイロットトーンを送っても良いでしょう。スピーカーにピンクノイズを送れば全帯域のインピーダンスグラフをキャプチャー
できるので、ベースラインとなる平均インピーダンスとしてプロジェクトの役に立つでしょう。
特に定電圧伝送(70/100V)システムでインピーダンス監視機能を使うとき、注意しなければならない点があります。
・ スピーカーを 25 本接続したゾーンでチェーン最後のスピーカーケーブルが切れても、インピーダンスは 4%上がるだけです。
しかしラインのインピーダンスは温度の変化などでもわずかに変化する可能性があるため、Impedance Tolerance を 4%と
いう低い値にすれば、誤った Warning が報告されやすくなります。このため広いスピーカーゾーンでインピーダンスを監視
する場合、こうした問題を確実に表示させることは難しいでしょう。
・ スピーカーレベルのボリュームコントロールも全体的なインピーダンスに影響を及ぼすので、間違った警告を出す原因になる
す可能性があります。
アプリケーション例
今号の .dap ファイルでは、AudiaFUSION のシンプルな例を 2 つ紹介しています。
1. AudiaFUSION は入力信号を CobraNet でしか受けませんが、常に AudiaFLEX と併用しなければならないということはあり
ません。一つ目は BGM とページングシステムの例で、すべてのプロセシングと増幅を 1 台の AudiaFUSION で行っています。
入力デバイスは 4 本のページングステーション NPS-1 と拡張ユニット AudiaEXPI-4 です。BGM は RED-1 で選択します。
2. 二つ目の例は、AudiaFUSION で他社製 CobraNet デバイスと AudiaFLEX を統合しています。FUSION にはチャンネルフェイ
ルオーバーが設定されていて、1 台の中にプライマリとセカンダリがそれぞれ 4 チャンネルずつあります。
ご不明な点は BIAMP 製品をお求めの販売代理店までお気軽にお寄せください。
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