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わが国農協の発展方向への示唆

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わが国農協の発展方向への示唆
日・ 中・ 韓 農 協
論 説
わが国農協の発展方向への示唆
(社)JC総研 基礎研究部長 主席研究員
吉田 成雄 (よしだ しげお)
シ ン ポ ジ ウ ム
1.わが国農協の概要
わが国の農協の根拠法である農業協同組合法(昭和22〈1947〉年11月19日法律第
132 号)の第1条には次のように法の目的が規定されている。
「この法律は、農業者の協同組織の発達を促進することにより、農業生産力の増進及び
農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もつて国民経済の発展に寄与することを目的
とする」
わが国の農業協同組合法(以下「農協法」という)は、こうした目的をもって、農業
協同組合(単位農協)と農業協同組合連合会、および農事組合法人(1962 年の第10次
法改正で創設)と農業協同組合中央会(1954 年の第7次法改正で創設。全国に1、47 都
道府県に各1)に関する条文を定めている。それら組合・団体数の推移は表1のとおりで
ある。
単位農協には、信用事業を営む「総合農協」
(農林水産省の『総合農協統計表』の定
義で1996 年3月以降、信用事業を行う専門農協を含めた)とそれ以外の「専門農協」
(出資組合と非出資組合)がある。
【表1】わが国の単位農協・連合会・農事組合法人数の推移
総合農協
1950年3月末
1955年3月末
1960年3月末
1965年3月末
1970年3月末
1975年3月末
1980年3月末
1985年3月末
1990年3月末
1995年3月末
2000年3月末
2005年3月末
2010年3月末
2011年10月1日
13,314
12,985
12,221
9,135
6,185
4,942
4,546
4,303
3,688
2,635
1,618
929
754
715
専門農協
連合会
単位農協合計
出資組合 非出資組合
出資連合会 非出資連合会
3,628
5,674
5,400
5,260
4,736
2,906
2,529
2,355
2,173
2,011
1,716
1,365
1,126
16,159
16,461
12,282
9,451
6,684
3,641
2,785
2,369
1,924
1,727
1,531
1,140
1,017
33,101
35,120
29,903
23,846
17,605
11,489
9,860
9,027
7,785
6,373
4,865
3,434
2,897
1,054
1,092
996
875
792
717
685
619
506
397
252
213
138
120
93
70
54
44
38
30
24
19
8
7
合計
1,121
1,192
1,212
1,089
945
846
761
723
649
530
416
260
220
農事組合
法人
1,196
2,917
4,241
5,838
6,515
6,712
6,720
6,667
6,677
7,841
注1:1973 年3月末(本表 で は 1 9 7 5 年 3 月 末 ) か ら 沖 縄 県 の 組 合 数 を 含 む
注2:1996 年3月以降(本 表 で は 2 0 0 0 年 3 月 末 )、 信 用 事 業 を 行 う 専 門 農 協 を 総 合 農 協 に 含 め た
資料:農林水産省『総合農協統 計 表 』。 2 0 1 1 年 1 0 月 1 日 の 総 合 農 協 数 は J A 全 中 調 べ
以下ではわが国の農協のなかで、総合農協について考えることとしたい。
農協法の規定を整理すると、農協の組合員の資格区分は表2のように整理される。
このように農協法の定める資格区分の範囲のなかで各農協はそれぞれの定款(定款自
治)で具体的に自らの組合員資格規定を定め、協同組合をつくって事業活動を展開して
20 《論説》わが国農協の発展方向への示唆
JC 総研レポート/ 2011 /冬/第 20 号
【表2】農協の組合員の資格区分
正組合員
准組合員
農民
農業を営む法人
(組合を除く)
施設を利用する
ことを相当とす
るもの
農業協同組合
団体
自ら農業を営み、または農業に従事する個人
常時使用する従業員の数が300人を超え、かつ、その資本金の額または出資の
総額が3億円を超える法人を除く
地区内に住所を有する個人
当該農協からその事業に係る物資の供給や役務の提供を継続して受けている者
(都市住民などを含む)
当該農協の地区の全部または一部を地区とする農協(専門農協など)
農事組合法人等当該農協の地区内に住所を有する農民が主たる構成員となって
いる団体(農事組合法人や生産組合・出荷組合など)
当該農協または当該農協の地区内に住所を有する農民が主たる構成員または出
資者となっている団体(JAの子会社など)
資料:農業協同組合法をもとに 筆 者 作 成
いる。
農林水産省「平成21事業年度 総合農協一斉調査」結果で、2009 事業年度末の役職
員数を見ると、役員数は1万 9505人(うち女性 690人、3.5%)
、職員数は22 万 3329人で
ある。また、年々事業環境は厳しくなってきているが、全総合農協を合計した2009(平
成21)事業年度の貸借対照表では、資産合計は93 兆 6366 億円、負債合計は87 兆 7953
億円、純資産合計は5兆 8413 億円である。信用事業負債のうち貯金が 84 兆 7542 億円に
上っている。また、同様に全総合農協を合計した2009(平成21)事業年度の損益計算
書では、事業総利益は1兆 9124 億円、事業管理費は1兆 7229 億円で、経常利益 2382 億
円、当期剰余金1686 億円である。
このように大きく成長してきた農協は、図のようにJAグループと呼ばれる系統組織を
形成している。
【図】JAグループの組織
組合員
市町村・地域段階
准組合員
全国段階
JA中央会
正組合員
477 万人
都道府県段階
JA全中
代表機能
指導事業
47
総合JA
715JA
JA全農 都府県本部
JA全農
経済事業
農林中金
信用事業
480 万人
JA経済連
県JA
(2009 事業年度末現在)
(2011 年 10 月1日現在)
JA信連
県JA
JA共済連
JA共済連都道府県本部
JA共済連全国本部
JA厚生連
JA全厚連
共済事業
厚生事業
(株)日本農業新聞
新聞情報事業
(社)家の光協会
出版・文化事業
(株)農協観光
旅行事業
資料:農林水産省『総合農協統 計 表 』、 J A 全 中 調 べ
わが国の農協法制度は、1900 年に制定された産業組合法以来の伝統を持っているが、
今日の農協は、わが国が連合国軍の占領下にあった1947 年に制定された農協法に基づい
JC 総研レポート/ 2011 /冬/第 20 号
《論説》わが国農協の発展方向への示唆 21
て設立されたものである。
農協法制定直後の1950 年3月末には、1万 3314もの多数の総合農協が設立されたが
(表1参照)
、その多くが経営不振に苦しみ、いわゆる「再建三法」──「農林漁業組合
再建整備法」
(昭和26〈1951〉年法律第140 号)
、
「農林漁業組合連合会整備促進法」
(昭
和28〈1953〉年法律第190 号)
、
「農業協同組合整備特別措置法」
(昭和31〈1956〉年法
律第 44 号)──に基づく農協と連合会に対する政府の支援措置を受けつつ再建してきた
苦難の歴史を背負っている。
わが国の経済社会と農業・農村をめぐる環境は、戦後経済復興期、高度経済成長期、
バブル経済期、バブル経済の崩壊と住専問題を経て、その後のデフレ経済期へと大きく
変化してきた。こうしたなかで、農協は、農業協同組合合併助成法(昭和36〈1961〉年
法律第 48 号)に基づく合併促進政策などに従って大型化・広域合併を進めてきた。
今日、農協法制定後 64 年が経過し、農業構造にはかつてない大きな変動が起こりつつ
ある。農業政策においても、
「食糧管理制度」がなくなり、
「農業基本法」に代わり「食
料・農業・農村基本法」が制定されるなど、大きく変わってきている。また、組合員の多
様化と質的変化が進んでおり、農協にはこれまで経験したことのない大きな変化への対
応が迫られている。
2.実践報告をお願いしたJAの取り組み
2011年11月10日に開催した「東アジア(日・中・韓)における農業協同組合運動の将
来像を構想するシンポジウム」では、日本からは次の2JAに実践報告をお願いした。
ちょう あ
ふ
1つは、今回のシンポジウムで中国の実践報告をした趙亜夫氏が1982 年当時、農業研
修生として滞在したことがある旧安城市農協、現在の愛知県のJAあいち中央である。
同JAは産業組合の時代からの協同組合運動の伝統を持つ優れたJAである。1集落1
営農組合構想と農地流動化対策で優れた取り組みをしてきている。
もう1つは、千葉県のJA富里市である。営農経済事業を中心として事業展開を進める
野菜産地のJAである。営農指導・販売事業に力を入れており、卸売市場、直販取引、
インショップや加工業務取引、直売所での販売など多様な販路を確保している。そこに
至るまでさまざまな困難を乗り越えてきた歴史から多くを学ぶことができる。
実践報告資料を要約しながら簡単に紹介してみたい。
(1)JAあいち中央
へき かい
JAあいち中央は、1996 年4月に愛知県の碧海5JAが合併して誕生した。2010 年度
末の組合員数は、正組合員数1万 3815人、准組合員数2万 5997人で、取扱高は販売
103 億円、購買113 億円、貯金残高6771億円という大きなJAである。管内の安城市を
中心とする旧碧海郡一帯はかつて「日本デンマーク」と呼ばれた地域である。わが国の
農業先進地として注目され今日に至っている。その中心がかつての安城市農協である。
戦前の産業組合の時代から、この地では、優れた先人たちの尽力とその思想が集落の
リーダーを育て、その思想は農民に深く浸透している。
「協同意識」
「集落・農協・行政
の三位一体意識」の高さはこの地域の特色だという。
22 《論説》わが国農協の発展方向への示唆
JC 総研レポート/ 2011 /冬/第 20 号
1963 年に安城市域の20の農協が合併し、安城市農協が誕生している。安城市農協に
おける地域農業近代化の発展経過は、表3のとおりである。
【表3】安城市農業協同組合における地域農業近代化の発展経過
年度
1957
実施内容
高棚町で水稲集団栽培始まる(共同作業・栽培協定)。
36集落に波及
生産組織の育成
1960 作業受委託事業始まる
農地流動化・その他
受託グループ組織化の兆し
1963 市内の20農協が合併し安城市農協誕生
安城市農協 技術信託部会結成
1966
圃場整備事業始まる
(高棚町)
1967 綜合センター構想まとまる(敷地面積6ha)
1968 綜合センター建設始まる
1970
第2次農業構造改善事業実施(高棚)
(営農組合、肉牛、ブロイラー団地)
東部、西部、新池営農組合設立
(11人)
農協による農業経営受委
米生産総合パイロット事業実施(CE1号基建設 2000t 1支店1営農組合構想に基づく
託 事 業の開 始( 借 主は農
能力)(大型農業機械の導入・営農組合に貸与)
営農組合の育成始まる
協、営農組合に作業委託)
米生産総合パイロット事業実施(CE2号基建設 2000t
1972
営農組合の育成
能力)(大型農業機械の導入・営農組合に貸与)
広 域 米 生 産 流 通 総 合 改 善 事 業 実 施( C E3号 基 建 設
1973
営農組合の育成
2000t能力)(大型農業機械の導入・営農組合に貸与)
広 域 米 生 産 流 通 総 合 改 善 事 業 実 施( C E4号 基 建 設 1974
営農組合の育成
2000t能力)(大型農業機械の導入・営農組合に貸与)
1971
安城市農協 営農部会結成
1975
水田利用再編対策事業始まる
1978 農用地利用増進事業の取り組み(農用地利用増進事業へ
の切り替え)
麦大豆等生産振興対策事業実施(CE5号基建設 2000t
1979 能力)
麦バラ出荷施設整備
転作委員会の立ち上げ
転作団地化、とも補償方
式の取り組み
1982 東端農協と合併
1983
1987
1988 集落農場構築事業始まる(第6次中期3カ年計画)
1989
集落農場整備モデル事業の実施
農地保有合理化法人の認定を受ける
農用地利用改善組合の設立(市内20組合)
(事務局は農協支店長が担当)
農用地利用増進事業・利
用権認定制度の制定
モデル・重点集落の指定、推進用マニュアル作成、推進用
ビデオの作成、村づくり研究会
集落営農振興計画の策定
(5カ年計画)
1993 桜井農協と合併し、新生JA安城市誕生
1996 5市5JAが合併し、JAあいち中央誕生
出典:あいち中央農業協同組合 代 表 理 事 組 合 長 石 川 克 則 氏 「 実 践 報 告 ( 日 本 ) 安 城 市 に お け る 農 業 ・ 農 協 の 発 展 経 過 」『 日 ・ 中 ・ 韓
農協シンポジウム 報告資料集 』 2 0 1 1 年 1 1 月 1 0 日 、 9 3 ペ ー ジ
安城市農協が誕生してすぐに農業生産の増進を合理的に進めるために、生産者組織
(組合員組織)の整備を基本として考え、指導部を設置し、部会づくりを推進している。
その生産部会と農協と行政の三者一体となった事業を軌道に乗せている。
1968 年からは「綜合センター」の建設に着手し、共同利用施設の整備を行っている。
また、高度経済成長とともに農家組合員の兼業化が進むなかで、将来の担い手確保が急
務となった。そこで、農協の支店(集落)を1つの単位に、3〜5人を構成員とした「営
農組合」の育成に乗り出す。これが作業受託、農業経営受委託事業、農地保有合理化事
業といった農地流動化の促進や、米の転作事業では、全国に先駆けて、集落ごとに「転
4 4
」などの
作地の団地化」
「ブロックローテーション」
「とも補償(集団転作を進める手段)
方式を編み出す基礎となっている。
JC 総研レポート/ 2011 /冬/第 20 号
《論説》わが国農協の発展方向への示唆 23
1988 年の第6次中期計画の取り組みのなかで、
「集落農場構想」を発表し、構想実現
に向けて取り組みを開始している。この構想は、
「これまで長年にわたり築き上げてきた
『地域営農システム』を活用して、集落を1つの農場として捉え、農地の所有と利用(活
用)を分離するという考え方を基に、農家、非農家など集落内の多様な担い手が、それ
ぞれの役割を果たして『住みよい豊かな村づくり』を進めようというもの」である。
【 写 真 】JAあいち中 央
1996 年には、JA安城市など
「産直センター安城南部」
5市5JAが合併し、JAあいち
店内。多彩な写真入りの
中央が誕生している。現在の第
ポップが立ち並ぶ
4次中期計画と営農振興計画で
は、地域農業を育てるための多
様な担い手の育成、農業で自立
できる強い経営体の育成、元気
な地 域 農 業づくりに挑 戦すると
している。また、地産地消の拠
点としての産直センターを中心
に「食」と「農」をつなぐ協同
の展開による農業振興、
「くらしの拠点」としての支店づくり、そして、組合員、特に女
性の参画による協同活動を展開し、JA理解者づくりに努める、としている。
(2)JA富里市
JA富里市は、1948 年4月に富里村農協として設立された農協である。2010 年度末の
組合員数は、正組合員数1795人、准組
合員数1075人で、取扱高は販売73 億
円、購買18 億円、貯金残高192 億円と
いう、営農事業を主体とする農協であ
る。
JA富里市の発展経過は、表4のと
おりである。
設立直後から経営不振に直面してい
る。1958 年に農協整備特別措置法の適
用を受けて、ようやく大幅な人員整理を
含む本格的な再建整備を実施し、危機
を乗り越えた。 その後、1963 年からは
成田空港問題が直撃し、1967 年に収束
したが、1968 年になって地域特産のス
りょく は ん
イカが「爆発」する緑 斑 モザイクウイ
ルスによる病気に感染し、1972 年にそ
れがようやく解決。だが1973 年には第
1次オイルショックがわが国を直撃し、
高度経済成長が幕を閉じる。
24 《論説》わが国農協の発展方向への示唆
【表4】富里市農業協同組合の発展経過
年
富里村(市)農協の動き
1948 富里村農業協同組合の設立
1951 再建整備5カ年計画始まる
1955 再建整備5カ年計画終わる
1958 臨時総会「農協整備特別措置法適用」
1960 販売高1億4000万円の達成
1961 貯金1億円の達成記念大会
1971 中央野菜出荷場(1000㎡)竣工
1974 農協婦人会(900人)の設立
1978 生産組織育成規程の設置
1980 農協青年部の再編(480人)
1982 南部野菜集出荷場(660㎡)竣工
1986 東部・北部野菜集出荷場(660㎡)竣工
1988 大型共販組織13 部会の設立
1989 貯金121億円達成
1995 産直センター「旬菜館」オープン
1996 外食産業と契約取引始まる
1997 販売高53億円達成
1998 スーパー等と直販取引を開始
2003 首都圏33店舗インショップ開始
2004 第2産直センターオープン
2007 販売高68億6000万円達成
2008 「セブンファーム富里」設立
2010 貯金191億円達成
出 典:富 里 市 農 業 協 同 組 合 常 務 理 事 仲 野 隆 三 氏 「 実 践 報 告 ( 日
本 ) J A 富 里 市 の 地 域 農 業 発 展 戦 略 」『 日 ・ 中 ・ 韓 農 協 シ ン ポ
ジウム 報告資料集』2011 年 11 月 10 日、110 ページ
JC 総研レポート/ 2011 /冬/第 20 号
【写真】JA富里市。規格
外ニンジンはジュース原
料として加工業者に販売
している
1978 年になって、農産物の組
織的な共販体制を推進するため
生産組織育成を開始する。1991
年からは大 型 共 販に取り組み
「量は力」で有利販売を期待した
が卸売市場流通が大きく変化す
るなかで困難に直面する。
こうした経 験から学びつつ、
JA富里市は、組合員をリード
し、産直センター、外食・加工
業務取引などの企業契約栽培、インショップなどといった多様なチャネルに向けて多彩な
野菜類を栽培・出荷する方向に進んできた。
3.わが国農協の発展方向への示唆とは
2つのJAの報告内容を簡単に紹介したが、シンポジウムの実践報告で、特に印象的
だったことは、1つは、組合員ニーズに対する考え方である。変化を予測し、半歩先を行
くJAの姿勢である。組合員ニーズを待っているだけではなく、JA自らが組合員に対し
て新しい道を提案し、ある時は説得した上で了承を得て進める。組合員の立場に立ちつ
つ、専門家(集団)としてのJAの能力・機能を発揮してきたことである。だからこそ時
代の変化に適応するイノベーションが現実化してきたといえる。
今日、わが国の農協は、さまざまな批判を受けている。だが、新しい状況に対応し、
多様な正組合員と、さらに大幅に増加してきた准組合員をも視野に入れて農業協同組合
としての発展を目指している。そうした発展は十分可能であることを実感した。
もう1つは、地域と一体となった「総合農協」としての特性を発揮していることであ
る。こうしたことは、韓国の地域農協の取り組みにおいても同様であり、さらには中国の
農民専門合作社の発展方向においても同じではなかろうか。わが国が直面する地域の諸
課題に対し、ほかの組織・団体にはできない独自の貢献ができる組織が総合農協だとい
えよう。
わが国が長い時間をかけ改善と改革を積み重ねてつくり上げてきた総合農協が、これ
からも発展し続けるための方向と将来像をそこに見いだすことができる。
JC 総研レポート/ 2011 /冬/第 20 号
《論説》わが国農協の発展方向への示唆 25
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